JP2004248435A - プラスチック絶縁電力ケーブル用接続部 - Google Patents

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洋 新延
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Abstract

【課題】電力系統上の切り替えを短時間で且つ簡単に行うことできるプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部を提供する。
【解決手段】双方の導体引出棒14の間に配置された導体接続管13と、導体接続管13を包囲するように装着される絶縁層20とケーブル絶縁体12との間に配置されたゴムストレスコーン25と、ゴムストレスコーンの先端に配置された高圧遮蔽電極26と、通電時に導体引出棒14及び導体接続管13間を電気的に接続し、断路時に移動することにより双方の導体引出棒14を電気的に切断する導電断路部材16,18とを有し、絶縁層20は、絶縁油又は絶縁ガスからなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック絶縁電力ケーブル用接続部に関し、特に、ケーブルの抜き差しなしに導体、絶縁接続を断路できる断路機能付きのプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部に関する。
【0002】
【従来の技術】
架橋ポリエチレン絶縁に代表されるプラスチック絶縁電力ケーブルの接続工事には、高い品質を保つための信頼性と、できるだけ短期間に完成させることが要求される。このため、絶縁部の構成が補強絶縁体(エポキシユニット等)、プレモールド絶縁体及びスプリングユニットを具備してなるプレハブ方式は、施工時間の短縮化が可能であること、予め工場にて構成部品の品質管理ができ信頼性に優れていること等から、プラスチック絶縁電力ケーブル用接続部として採用されている。
【0003】
また、接続されているケーブルを取り外す必要がなく、個々のケーブルの耐圧テストを極めて効率良く行うことができる断路機能付きのプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部が知られている。図5に従来の断路機能付接続部の断面図を示す。(特許文献1)。
【0004】
図5に示すプラスチック絶縁電力ケーブルの一例である架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル(以下、CVケーブルと略称する。)において、第1の内部導体121と、第1の内部導体121に隣接して配置された少なくとも1つの第2の内部導体122とを有する。
【0005】
電力ケーブルの接続材料100を装着可能な接続受容孔と課電口との間には、第1及び第2内部導体121,122を電気的に接続する或いは遮断するために、導体接続部材130或いは絶縁断路部材130Aが着脱自在に装着可能とされる。このため、接続されているケーブルを取り外す必要がなく、個々のケーブルの耐圧テストを極めて効率良く行うことができる。
【0006】
なお、特許文献1に関連する従来の断路機能付きのケーブルヘッドとして、特許文献2〜特許文献5がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−278853号
【0008】
【特許文献2】
特開平10−23621号
【0009】
【特許文献3】
特開平10−23650号
【0010】
【特許文献4】
特開平10−248124号
【0011】
【特許文献5】
特開平10−257658号
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示す従来のプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部にあっては、導体接続部材130或いは絶縁断路部材130Aを着脱して、第1及び第2内部導体121,122を電気的に接続或いは遮断していたため、電力系統上の切替え作業が大変であり、かなりの時間を要していた。
【0013】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、電力系統上の切り替えを短時間で且つ簡単に行うことできるプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、双方の導体引出棒の間に配置された導体接続管と、前記導体接続管を包囲するように装着される絶縁層とケーブル絶縁体との間に配置されたゴムストレスコーンと、前記ゴムストレスコーンの先端に配置された高圧遮蔽電極と、通電時に前記導体引出棒及び前記導体接続管間を電気的に接続し、断路時に移動することにより前記双方の導体引出棒を電気的に切断する導電断路部材とを有し、前記絶縁層は、絶縁油又は絶縁ガスからなることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、導体接続管及び導体引出棒上を絶縁ガス又は絶縁油からなる絶縁層で絶縁し、ゴムストレスコーンの先端に配置された高圧遮蔽電極により、絶縁層とゴストレスコーンとの接続界面にかかる電界を緩和して、接続界面への電界の集中を抑制することができる。また、通電時には、導電断路部材により導体接続管と導体引出棒とが電気的に接続され、断路時には、導電断路部材が移動して、導体接続管と導電断路部材を取り外し、双方の導体引出棒が電気的に切断される。従って、電力系統上の切り替えを短時間で且つ簡単に行うことできる。
【0016】
請求項2の発明では、前記導電断路部材は、前記導体引出棒及び前記導体接続管の長手方向に沿って移動可能な導電性のスライド通電スリーブと、このスライド通電スリーブの両端に配置された導電性のフレキシブルバンド部とからなることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、スライド通電スリーブが導体引出棒及び導体接続管の長手方向に沿って移動して、フレキシブルバンド部により導体引出棒と導体接続管との電気的接続又は双方の導体引出棒の電気的切断が行われる。
【0018】
請求項3の発明では、前記フレキシブルバンド部は、棒状の第1長手部材、この第1長手部材と略同一構成の第2長手部材及び第1長手部材と第2長手部材とを連結する第1連結部材からなるバンド部を、一方向に沿って複数個並設し、複数個のバンド部を第2連結部材により連結してなることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、フレキシブルバンド部はバンド部を複数個並設してなるので、導体引出棒と導体接続管との電気的接続が良好となる。
【0020】
請求項4の発明は、双方の導体引出棒を電気的に接続する羽子板部と、前記羽子板部を包囲するように装着される絶縁層とケーブル絶縁体との間に配置されたゴムストレスコーンと、前記ゴムストレスコーンの先端に配置された高圧遮蔽電極とを有し、前記絶縁層は、絶縁油又は絶縁ガスからなることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、羽子板部及び導体引出棒上を絶縁ガス又は絶縁油からなる絶縁層で絶縁し、ゴムストレスコーンの先端に配置された高圧遮蔽電極により、絶縁層とゴストレスコーンとの接続界面にかかる電界を緩和して、接続界面への電界の集中を抑制することができる。また、通電時には、羽子板部により双方の導体引出棒が電気的に接続され、断路時には、羽子板部を抜き取ることで、双方の導体引出棒が電気的に切断される。従って、電力系統上の切り替えを短時間で且つ簡単に行うことできる。
【0022】
請求項5の発明では、前記羽子板部は、Y字状をなす羽子板接触子からなり、この羽子板接触子を前記導体引出棒に形成された溝部に圧力挿入することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、Y字状をなす羽子板接触子を導体引出棒に形成された溝部に圧力挿入することで、羽子板接触子を介して双方の導体引出棒が電気的に接続される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプラスチック絶縁電力ケーブル接続部の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部の断面図である。図1に示すプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部において、ケーブル外部半導電層11から口出しされたケーブル絶縁体12が所定長剥離されて導体引出棒14が露出しており、この導体引出棒14と相手方の導体引出棒14との間には、導体接続管13が配置されている。
【0026】
導体接続管13及び導体引出棒14上には、長手方向に移動可能な銅などからなるスライド通電スリーブ16が配置されており、このスライド通電スリーブ16の両端で且つ導体接続管13及び導体引出棒14に接触する面側には、銅からなるフレキシブルバンド部18が形成されている。
【0027】
導電時には、フレキシブルバンド部18とスライド通電スリーブ16とにより導体接続管13と導体引出棒14とが電気的に接続されている。また、断路時には、スライド通電スリーブ16とフレキシブルバンド部18とが左方向に移動して、導体接続管13とスライド通電スリーブ16を取り外し、両ガイドの導体引出棒14が電気的に切断されるようになっている。フレキシブルバンド部18の詳細については、後に説明する。
【0028】
また、導体接続管13、導体引出棒14及びスライド通電スリーブ16を包囲するように、絶縁層20が配置されている。この絶縁層20は、絶縁油又は絶縁ガスからなる。また、絶縁層20の両側のテーパ部には、ケーブルとの間に形成される隙間に対して、ゴムストレスコーン25が挿入されている。
【0029】
ゴムストレスコーン25は、スプリングユニット30によって押圧され、ゴムストレスコーン25と絶縁層20との界面、あるいはゴムストレスコーン25とケーブル絶縁体12との界面で絶縁特性が得られるように構成されている。
【0030】
また、ゴムストレスコーン25の先端には、高圧遮蔽電極26が配置されている。この高圧遮蔽電極26は、絶縁層20とゴストレスコーン25との接続界面にかかる電界を緩和して、接続界面への電界の集中を抑制するために設けられる。高圧遮蔽電極26は、例えば、EP半導電ゴム系の電極である。この高圧遮蔽電極26とゴムストレスコーン25とで電界遮蔽ゴムブロックを構成する。
【0031】
フレキシブルバンド部18は、銅などからなり、断面が四角で棒状の第1長手部材、この第1長手部材と略同一構成で第1長手部材より僅かに長い第2長手部材及び第1長手部材と第2長手部材とを連結する第1連結部材がバンド部をなしている。このバンド部が一方向に沿って複数個並設けられ、これら複数個のバンド部は第2連結部材により連結されている。第2連結部材は、バネ性を有する銅からなる。
【0032】
フレキシブルバンド部18は、スライド通電スリーブ16と導体引出棒14とが真っ直ぐの場合には、バネ性を有する第2連結部材が真っ直ぐとなり、各々の第1長手部材がスライド通電スリーブ16に接触し、各々の第2長手部材が導体引出棒14に接触する。また、スライド通電スリーブ16と導体引出棒14とが何らかの理由で曲がった場合には、バネ性を有する第2連結部材も曲がり、各々の第1長手部材がスライド通電スリーブ16に接触し、各々の第2長手部材が導体引出棒14に接触することができる。
【0033】
このように構成された第1の実施の形態に係るプラスチック絶縁電力ケーブル接続部によれば、導体接続管13及び導体引出棒14上を絶縁ガス又は絶縁油からなる絶縁層20で絶縁し、ゴムストレスコーン25の先端に配置された高圧遮蔽電極26により、絶縁層20とゴストレスコーン25との接続界面にかかる電界を緩和して、接続界面への電界の集中を抑制することができる。
【0034】
また、導電時には、スライド通電スリーブ16に設けられた一方のフレキシブルバンド部18が導体接続管13に電気的に接続され、他方のフレキシブルバンド部18が導体引出棒14に電気的に接続されるので、導体接続管13と導体引出棒14とが電気的に接続される。このため、双方のケーブルが電気的に接続される。
【0035】
また、断路時には、スライド通電スリーブ16とフレキシブルバンド部18とが左方向に移動するので、一方のスライド通電スリーブ16の右端に設けられたフレキシブルバンド部18が導体接続管13から切り離され、他方のスライド通電スリーブ16の右端に設けられたフレキシブルバンド部18が導体引出棒14から切り離される。このため、導体接続管13とスライド通電スリーブ16が取り外し可能となり、断路装作蓋28より接続部取り除いておけば、双方のケーブルが電気的に切断される。従って、電力系統上の切り替えを短時間で且つ簡単に行うことできる。
【0036】
また、フレキシブルバンド部18は、導体引出棒14及び導体接続管13が曲げられた場合でも、これに応じてフレキシブルに曲がるので、フレキシブルバンド部18により、導体引出棒14と導体接続管13との電気的接続が良好となる。
【0037】
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施形態に係るプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部の断面図である。図1に示すプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部が、導体接続管13、導体引出棒14、スライド通電スリーブ16及びフレキシブルバンド部18を用いているのに対して、図2に示すプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部は、導体引出棒14aと羽子板接触子15とを用いた点が異なる。その他の構成は、図1に示す構成と同一構成であり、同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0038】
双方の導体引出棒14a,14aの間には双方の導体引出棒14a,14aを電気的に接続する羽子板接触子15が配置されている。この羽子板接触子15は、図3(a)に示すように、Y字状をなしており、図3(b)に示すように、分岐部15aと突起部15bを有している。この羽子板接触子15は、図3(a)及び図3(c)に示すように、導体引出棒14aに形成された溝部14bに圧力挿入されるようになっている。
【0039】
このように構成された第2の実施の形態に係るプラスチック絶縁電力ケーブル接続部によれば、導体接続管13及び導体引出棒14a上を絶縁ガス又は絶縁油からなる絶縁層20で絶縁し、ゴムストレスコーン25の先端に配置された高圧遮蔽電極26により、絶縁層20とゴストレスコーン25との接続界面にかかる電界を緩和して、接続界面への電界の集中を抑制することができる。
【0040】
また、通電時には、Y字状をなす羽子板接触子15を導体引出棒14aに形成された溝部14bに圧力挿入することで、羽子板接触子15を介して双方の導体引出棒14a,14aが電気的に接続される。即ち、図6の矢印で示す電流経路のように、羽子板接触子15により導体接続管13と双方の導体引出棒14a,14aとが電気的に接続される。
【0041】
また、断路時には、羽子板接触子15を抜き取ることで、導体接続管13と導体引出棒14aとが電気的に切断される。従って、電力系統上の切り替えを短時間で且つ簡単に行うことできる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電力系統上の切り替えを短時間で且つ簡単に行うことできるプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部の断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部の断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部に設けられた羽子板接触子と導体引出棒との接続を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部の電流経路を示す図である。
【図5】従来の断路機能付接続部の断面図である。
【符号の説明】
11 ケーブル外部半導電層
12 ケーブル絶縁体
13 導体接続管
14 導体引出棒
15 羽子板接触子
16 スライド通電スリーブ
18 フレキシブルバンド部
20 絶縁層
25 ゴムストレスコーン
26 高圧遮蔽電極
30 スプリングユニット

Claims (5)

  1. 双方の導体引出棒の間に配置された導体接続管と、
    前記導体接続管を包囲するように装着される絶縁層とケーブル絶縁体との間に配置されたゴムストレスコーンと、
    前記ゴムストレスコーンの先端に配置された高圧遮蔽電極と、
    通電時に前記導体引出棒及び前記導体接続管間を電気的に接続し、断路時に移動することにより前記双方の導体引出棒を電気的に切断する導電断路部材とを有し、
    前記絶縁層は、絶縁油又は絶縁ガスからなることを特徴とするプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部。
  2. 前記導電断路部材は、前記導体引出棒及び前記導体接続管の長手方向に沿って移動可能な導電性のスライド通電スリーブと、このスライド通電スリーブの両端に配置された導電性のフレキシブルバンド部とからなることを特徴とする請求項1記載のプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部。
  3. 前記フレキシブルバンド部は、棒状の第1長手部材、この第1長手部材と略同一構成の第2長手部材及び第1長手部材と第2長手部材とを連結する第1連結部材からなるバンド部を、一方向に沿って複数個並設し、複数個のバンド部を第2連結部材により連結してなることを特徴とする請求項2記載のプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部。
  4. 双方の導体引出棒を電気的に接続する羽子板部と、
    前記羽子板部を包囲するように装着される絶縁層とケーブル絶縁体との間に配置されたゴムストレスコーンと、
    前記ゴムストレスコーンの先端に配置された高圧遮蔽電極とを有し、
    前記絶縁層は、絶縁油又は絶縁ガスからなることを特徴とするプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部。
  5. 前記羽子板部は、Y字状をなす羽子板接触子からなり、この羽子板接触子を前記導体引出棒に形成された溝部に圧力挿入することを特徴とする請求項4記載のプラスチック絶縁電力ケーブル用接続部。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200447586Y1 (ko) * 2009-05-28 2010-02-10 (주)서전기전 고전압 케이블 접속용 엔드월 커넥터
CN102185274A (zh) * 2011-01-04 2011-09-14 江苏远航电缆附件有限公司 一种110kv中间接头及其生产工艺

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