JP2004247481A - ヘテロ接合素子の製造方法および製造装置 - Google Patents

ヘテロ接合素子の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】変換効率や発光効率が優れている電子デバイスを実現するために有用なヘテロ接合素子を、簡便かつ低コストで作製できる製造方法と製造装置を提供する。
【解決手段】第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液と、第1の溶媒に第1の有機材料を溶解又は分散した第1の溶液とを混合して、第2の有機材料の微粒子が前記第1の溶液中に分散した第3の溶液を形成する工程と、該第3の溶液を基板上に供給して前記第1の有機材料と前記第2の有機材料からなる微粒子の混合膜を形成する工程を備えたヘテロ接合素子の製造方法およびこれを利用した製造装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池、発光素子、受光素子、ダイオード、トランジスタ、センサなどに応用されるヘテロ接合構造を用いた素子の製造方法、およびその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子供与性材料と電子受容性材料との接合(pn接合)やショットキー接合などに代表されるヘテロ接合構造を備えた素子(ヘテロ接合素子)は、一般にはダイオード整流特性を示すことから、様々な電子デバイスへの応用がなされており重要である。
【0003】
ヘテロ接合素子を用いた電子デバイスには、例えばダイオードのように1つの素子が単独で使用されるものもあるが、IC、LSI、撮像素子などのように集積化されて利用される場合も多いので、容易に集積化できるかどうかがデバイス応用面で重要な要素となっている。
【0004】
また、ヘテロ接合素子ではヘテロ接合面(界面)を形成する異種材料間のエネルギー準位の差により、整流作用のほかにも光起電力、熱起電力、発光などの様々な機能が生じる。例えば電子供与性材料と電子受容性材料とにより形成されるヘテロ接合面近傍に光が照射されると光電変換作用により電子正孔ペアが生成され、ヘテロ接合付近に生じているビルトイン電界により正孔と電子の電荷に分離される。
【0005】
この光電変換機能は光電変換素子、フォトダイオードなどに応用される。近年、携帯端末、ノート型パソコンなどのモバイル機器の普及とエネルギー消費量削減などの環境問題の深刻化に伴い、エネルギー利用効率の高いデバイスへの要求が高まってきており、また、電子機器の低価格化が進行し、高機能なデバイスやシステムが高効率、高機能であるだけでなく、低コストで生産できる技術への要求も非常に高まってきており、ヘテロ接合素子は、これら要求に沿って高効率化のための開発が進められている。
【0006】
このようにヘテロ接合は多くの電子デバイスに応用されているといって過言ではないが、ここでは光電変換素子である太陽電池を例にとって説明する。
【0007】
現在、実用に供されている太陽電池などの光電変換素子は、ほとんどがシリコン、砒化ガリウム、硫化カドミウムなどの無機材料の半導体を用いて製造されている。
【0008】
太陽電池の高効率化のための技術としては、太陽光の光量および波長分布を十分に活用するため、接合構造を多層に重ねるマルチジャンクション構造(例えば、特許文献1 2〜3頁、または、特許文献2 6〜7頁 参照)や、短波長側の光から順次吸収されるようにバンドギャップの小さいものから大きな材料からなる接合構造を順次多層に積層するタンデム構造が提案されている(例えば、特許文献3 参照)。
【0009】
一方、有機材料を用いたヘテロ接合素子は、低コスト、高生産性、大型化が可能などの理由から関心が高く、古くから研究されており、例えば、銅フタロシアニンとペリレン顔料を基板上に順次積層した太陽電池について報告されている(非特許文献1 183〜185頁 参照)。
【0010】
また、特許文献4には、多孔質酸化物半導体に色素を担持させて電解液に浸漬するようにした構造の光電変換素子が提案されている。多孔質酸化物半導体は、極めて広い表面を有しており、色素はその表面に担持させることにより、色素と多孔質酸化物半導体との間に極めて大きなヘテロ接合面が形成できる。色素によって生成される電荷を多孔質半導体と電解液により効率よく分離、運搬される。
【0011】
また、特許文献5には、電子供与体(ドナー)としての共役重合体層と、フラーレン乃至フラーレン誘導体および光始動による電荷分離を可能にする範囲の電気陰性度を有する有機電子受容体からなるヘテロ接合デバイスも提案されている。電子供与体(ドナー)としての共役重合体層中に、フラーレン乃至フラーレン誘導体および光始動による電荷分離を可能にする範囲の電気陰性度を有する有機電子受容体が分散されている構造では、共役重合体とフラーレン乃至フラーレン誘導体等との間に極めて大きなヘテロ接合面が形成できる。特許文献5では、このようなヘテロ接合デバイスは、ドナーおよび受容体のそれぞれの一部を含む溶液からの凝固中に制御された分離によって原位置に固定されるか、2つの混合不能な液体成分(うち一つはドナーを有し、他は受容体を有し固体フィルムとしてキャスティング成形する)、を混合することによって原位置に形成される工程を含む製造方法で作製されるとしている。
【0012】
特許文献6および7には、複数種類の有機半導体からなる有機半導体層を金属電極で挟み込んだ有機半導体薄膜太陽電池において、少なくとも一方の半導体が結晶微粒子であることを特徴とする太陽電池の構造と、複数種類の有機半導体からなる有機半導体層において、少なくとも一方の半導体が結晶微粒子である半導体層を共蒸着法により作製する製造方法が開示されている。
【0013】
特許文献8には、溶解性共役重合体、有機顔料及び/又は有機色素を含有することを特徴とする薄膜、溶解性共役重合体を溶解した有機溶媒溶液中に有機顔料及び/又は有機色素を分散もしくは溶解させた液を基板上に塗布することにより前記薄膜を作製する技術、および、前記薄膜を利用した光電変換素子が開示されている。
【0014】
【特許文献1】
特開平7−297428号公報
【0015】
【特許文献2】
特表平9−511102号公報
【0016】
【特許文献3】
特公昭63−48197号公報
【0017】
【特許文献4】
特許第2664194号公報
【0018】
【特許文献5】
特表平8−500701号公報
【0019】
【特許文献6】
特開2002−76391号公報
【0020】
【特許文献7】
特開2002−76027号公報
【0021】
【非特許文献1】
タン(C.W.Tang)著,「Two−layer organic photovoltaic cell」,Applied Physics Letters, American Institute of Physics,1986年,48巻,p.183−185
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特許文献1のように、短波長光から長波長光まで幅広い範囲の波長分布を有する太陽光の光量を十分かつ有効に活用するため、光吸収波長領域が異なる材料で形成される接合構造を多層に重ねたマルチジャンクション構造の太陽電池、すなわち複数の交互極性層を形成する太陽電池により、キャリア収集率が高く、内的量子効率が高い素子が得られる。しかしながら、このものでは無機材料を用いており、その上構造も複雑であるため生産性が非常に悪く、製造コストも高い。
【0023】
そこで、簡便な製造工程により、低コストでヘテロ接合素子を製造できることが期待され、有機材料を用いたヘテロ接合素子も提案されている。しかし、現在知られている有機材料のキャリアの平均的な移動距離(拡散距離)は、無機材料と比較して非常に短い。そのため、ヘテロ接合により生じる機能を有効に利用するためには、有機材料の任意の一点から接合面までの距離を短くして電子、正孔、あるいは電子正孔ペアの移動可能距離とほぼ同等かそれより短い距離にすることが望ましいが、前記の要求を満たす構造が、簡単かつ低コストで製造できることが望ましい。
【0024】
非特許文献1には、有機材料を利用した例として電子供与性有機薄膜と電子受容性有機薄膜を基板上に順次積層してヘテロ接合を形成した太陽電池について報告されている。しかしながら、この方式によると膜厚を薄くしなくてはならないのでピンホールが生じてショートし易い上、光電変換効率は1%程度の低い値である。
【0025】
また、特許文献4に開示されている色素増感型太陽電池では、実験室レベルでは10%を越える効率を実現しているものの液体の電解質を使用しなければならないため、液漏れの恐れがあり、太陽光による電解質の劣化も課題となっている。また、TiOナノ粒子の塗布と500℃程度の温度での焼成、TiOナノ粒子表面への色素の担持によるヘテロ接合形成、セルの形成、電解液の注入と封止など、複雑な工程を要する。また、高温での熱処理工程が必要であるので、使用できる基板などの部材にも制限がある。
【0026】
さらに、特許文献5には、電子供与体(ドナー)としての共役重合体層と、フラーレン乃至フラーレン誘導体および光始動による電荷分離を可能にする範囲の電気陰性度を有する有機受容体とからなるヘテロ接合デバイスが記載されている。しかしながら、ここで開示されている技術は、フラーレン乃至フラーレン誘導体などを電子受容体(アクセプタ)として利用することである。これらの材料の特性を十分生かすことのできる素子構造やその構造の製造方法については何ら具体的には開示されていない。
【0027】
特許文献6および7に開示された技術では、少なくとも一方の半導体が結晶微粒子である複数種類の有機半導体のヘテロ接合が形成された有機半導体層を共蒸着法を用いて作製しているが、共蒸着法のような、真空蒸着による製造方法は、装置が複雑で、高価である上、膜を作製する速度も遅いので生産性が悪い。
【0028】
特許文献8に開示の技術では、有機顔料及び/又は有機色素の微粒子を溶解性共役重合体に分散してヘテロ接合を形成した膜を利用している。有機材料からなる微粒子を作製する技術としては、例えば、有機材料を溶媒Aに溶解した溶液Bを、前記溶媒Aよりも前記有機材料の溶解度が小さい溶媒Cに投入し、溶液Bと溶媒Cの混合溶液中に分散した前記有機材料の微粒子を得る技術、例えば、アシッドペースティング法のような技術として公知である。しかし、微粒子は、体積に対する表面積の比率が大きいことに由来してバルク状態よりも、反応性が高くなるので、単体として作製された微粒子では、保存中に凝集し易く、また、劣化もし易いため、保存や取り扱いに手間がかかる。また、凝集しやすいため重合体中に均一に分散させることも困難である。分散性を高めるために、微粒子を他の材料でコートする技術もあるが、コート材により半導体微粒子本来の機能が減縮される場合がある。
【0029】
そこで、本発明の目的は、上記課題を鑑み、変換効率や発光効率が優れており、しかも低コストで製造できる電子デバイスを実現するために有用なヘテロ接合構造を含む素子を簡便かつ容易に製造する方法を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明のヘテロ接合素子の製造方法では、有機材料微粒子を作製する方法としてだけではなく、有機材料微粒子を形成させながら、その過程を妨げることなく、かつ、形成された微粒子の機能を損なうことなく、前記有機材料微粒子とは別の有機材料中に均一に分散させる方法に関する。更に、前記有機材料微粒子が該半導体微粒子とは別の有機材料中に均一に分散された膜が、ヘテロ接合として機能することを見出したものである。
【0031】
本発明のヘテロ接合素子の製造方法は、異種の有機材料が接することにより形成されるヘテロ接合面を含んだ機能層と、該機能層を挟んで対向するように形成される2つの電極とからなるヘテロ接合素子の製造方法において、前記機能層が、第1の有機材料を第1の溶媒に溶解又は分散した第1の溶液と、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液とを混合して、第2の有機材料の微粒子が前記第1の溶液と第2の溶液の混合溶液中に分散した第3の溶液を形成する工程と、該第3の溶液を基板上に供給して前記第1の有機材料と前記第2の有機材料の微粒子との混合膜を形成する工程を備えることを特徴としている。
【0032】
従来の方法では、第1の有機材料中に第2有機材料からなる微粒子が分散した混合材料を作製するためには、前記第2の有機材料からなる微粒子をまず単体で作製し、これを第1の有機材料中に均一に混合するために混練などの方法を用いなければならなかったが、本発明の製造方法によれば、前記第2の有機材料の微粒子の製造と、該微粒子と前記の第1の有機材料とを混合する工程が一度の工程で済み、工程が簡単になる。また、前記第2の有機材料の微粒子を単体あるいは分散液として取り扱うことがないので、保存中に凝集したり、劣化する恐れがなく、保存や取り扱いに手間も必要がない。また、均一に分散させることも容易であり、分散性を高めるために微粒子を他の材料でコートするなど半導体微粒子本来の機能を減縮させるような処理も必要がない。
【0033】
前記第2の有機材料の前記第1の溶媒に対する溶解度が、前記第2の有機材料の前記第2の溶媒に対する溶解度よりも小さいことが好ましい。前記第2の有機材料の前記第1の溶媒に対する溶解度が、前記第2の有機材料の前記第2の溶媒に対する溶解度よりも小さい場合、前記第1の溶液と前記第2の溶液を混合した前記第3の溶液中において、前記第2の有機材料の前記第3の溶液に対する溶解度が小さくなり、前記第2の有機材料が過飽和となり第2の有機材料が微粒子として析出しやすくなる。
【0034】
本発明において、前記の第3の溶液を基板上に供給して第1の有機材料と第2の有機材料からなる微粒子の混合膜を形成する工程は、スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法のいずれかが採用できる。スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法は、基本的には、前記第3の溶液を基板上に供給し、膜を形成しつつ溶媒を除去して、固体の薄膜を形成する方法であるので、真空蒸着法など他の薄膜形成法と比較して、極めて簡便かつ低コストで薄膜形成が可能である。また、インクジェット法やスクリーン印刷法では、任意のパターンの薄膜を容易に作製できる。
【0035】
本発明において、前記第2の有機材料が、結晶性の有機化合物であってもよい。第2の有機材料が、結晶性の有機化合物であれば、結晶性の微粒子を形成することが可能である。結晶性の微粒子は、分子の規則正しい周期性故に、高性能な電気的特性、例えば、電気伝導度、キャリア移動度や、高性能な光学的特性、例えば光透過性、非線形光学性などの諸物性を発現させることが可能となる。
【0036】
前記第1の有機材料が、重合体であってもよい。重合体は、置換基の導入やドーピングなどの方法により、絶縁体、半導体、導電体の制御が可能であり、スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法などの方法で容易に薄膜が形成できる。また、形状のフレキシビリティも高いので、フレキシブルな素子を形成できる。
【0037】
前記第1の有機材料がモノマー、オリゴマー、または、前駆体であって、基板上に前記混合膜を形成する工程の後に重合体に変成されてもよい。重合体などのポリマーは、それが可溶な溶媒が限定されたり、溶解度が著しく小さい場合があり、重合度(分子量)が大きいほど、この傾向が顕著になる。これに対し、第1の有機材料としてモノマー、オリゴマー、または、前駆体を用いることにより、使用できる共重合体や溶媒の選択の範囲が広くなる。
【0038】
前記第1の有機材料としての前駆体が、水溶性スルホニウム塩ポリマーまたは、アルコキシ基を有する有機溶媒可溶性ポリマーであってもよい。ポリ(アリーレンビニレン)類の前駆体となる水溶性スルホニウム塩ポリマーまたは、アルコキシ基を有する有機溶媒可溶性ポリマーは、溶媒に対する可溶性が高い上に、加熱などにより、ポリ(アリーレンビニレン)類へと比較的容易に変成できる。
ここで、水溶性スルホニウム塩ポリマーは、溶媒として水が利用できる。有機半導体は、水に難溶または不溶であるものが多く、また、水は、比較的多くの有機溶媒と相溶性があるので、本発明には好適である。
【0039】
本発明において、モノマー、オリゴマー、または、前駆体から重合体に変成される工程は、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射のいずれか、または、これらの組み合わせであってもよい。光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線を用いる場合、所定のマスクを通して照射することにより、照射部のみ変成させたのち、未照射部を除去することで、所定のパターンを形成することが可能である。また、加熱により変成される場合には、レーザーなどの光を照射して照射部のみを加熱することが可能であるので、前記の方法と同様にして、所定のパターンを形成できる。
【0040】
前述の製造方法により、異種の有機材料が接することで形成されるヘテロ接合面を含んだ機能層と、該機能層を挟んで対向するように形成される2つの電極とからなるヘテロ接合素子の製造装置は、第1の有機材料を第1の溶媒に溶解又は分散して第1の溶液を作製する手段と、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液を作製する手段と、前記第1の溶液と前記第2の溶液とを混合し、前記第2の有機材料の微粒子が分散した第3の溶液を形成する手段と、該第3の溶液を基板上に供給して前記第1の有機材料と、前記第2の有機材料からなる微粒子との混合膜を形成する手段を備えることにより実現される。
【0041】
また、基板上に塗布した膜中から前記第3の溶液の溶媒を除去する場合や、モノマー、オリゴマー、または、前駆体から重合体に変成する場合は、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射をする手段を備えた製造装置としてもよい。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に基づくヘテロ接合素子の製造方法の実施の形態について説明する。
【0043】
本発明は、ヘテロ接合素子全般に利用されうるものであるが、中でも太陽電池などの光起電力素子や、光センサー、フォトダイオードなどに用いられる光電変換素子において好適に利用されうる。したがって、本発明の実施形態を太陽電池などの光電変換素子の実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
(実施の形態1)
<ヘテロ接合素子の製造工程>
図1(a)〜図1(d)は、本発明によるヘテロ接合素子の製造工程を示すフロー図である。
【0045】
まず、第1の有機材料を第1の溶媒に溶解又は分散して第1の溶液11を作製する。前記第1の有機材料を構成する材料は、分子状なって前記第1の溶媒に溶解していてもよいし、分子の集合体(例えばコロイドやミセル状など)を形成して前記第1の溶媒中に分散していてもよい。第1の有機材料の濃度についても特に限定はないが、溶液中に安定に溶解または分散している状態が好ましく、例えば、少しの温度変化などで前記第1の有機材料が凝集し、沈殿するような飽和濃度近傍の濃度は好ましくない。フィルターを通して通過するもののみを、次の工程で使用するようにしてもよい。フィルターを通すことによって、不溶の不純物や沈殿物を除くことができる。
【0046】
次に、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解又は分散して第2の溶液12を作製する。前記第2の有機材料を構成する材料は、分子状になって前記第2の溶媒に溶解していてもよいし、分子の集合体(例えばコロイドやミセル状など)を形成して前記第2の溶媒中に分散していてもよい。第2の有機材料の濃度についても特に限定はないが、溶液中に安定に溶解または分散している状態が好ましく、少しの条件変化(例えば温度変化など)で前記第2の有機材料が凝集し、沈殿するような飽和濃度近傍の濃度は好ましくない。フィルターを通して通過するもののみを、次の工程で使用するようにしてもよい。フィルターを通すことによって、不溶の不純物や沈殿物を除くことができる。
【0047】
室温程度の温度で大気圧では、前記第2の有機材料の前記第2の溶媒への溶解度が十分でない場合には、前記第2の溶媒として高温高圧の超臨界流体を用いても良い。
【0048】
次に図1(a)、図1(b)に示す如く、前記第1の溶液11と前記第2の溶液12とを混合して、撹拌し、前記第2の有機材料の微粒子14が分散した第3の溶液13を形成する。一般には、微粒子を形成したい有機材料を含む溶液を、他方の溶液の中に投入する。微粒子の直径は、前記第1の溶液11および第2の溶液12の濃度、前記第1の溶液11および第2の溶液12の温度、撹拌速度などによって制御することが可能である。混合時の温度は、概ね0℃〜100℃の範囲であり、室温程度であることが望ましい。撹拌速度は、100rpm〜5000rpmの範囲が好ましい。圧力は、大気圧程度が望ましい。
【0049】
次いで、図1(c)に示す如く、予め第1の電極16を形成した基板15上に前記第3の溶液13を供給して、前記第1の有機材料に前記第2の有機材料からなる微粒子14が分散した混合膜17を形成する。具体的な混合膜形成方法としては、例えば、スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法などが挙げられる。前記混合膜17を形成した後、前記溶媒を除去するために、前記溶媒の沸点近傍の温度で加熱をしてもよい。加熱の際は、真空下または、不活性ガスの雰囲気下、あるいは水素ガス雰囲気下などの還元性雰囲気下などの環境下であることが望ましい。
【0050】
次に図1(d)に示す如く、前記混合層17の上に、第2の電極18を形成する。該第2の電極18の作製方法は、特に限定されないが、例えば、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、スクリーン印刷法などが用いられうる。
【0051】
第1の電極16と第2の電極18を予め形成した基板上に、前記第3の溶液13を供給し、前記第1の有機材料に前記第2の有機材料からなる微粒子が分散した混合膜を形成してもよい。
【0052】
図3に、前記の製造方法で得られたヘテロ接合素子の一例の断面図を示す。
基板35上に、第1の電極36が配置され、該第1電極36の上に、第2の有機材料からなる微粒子34が、第1の有機材料39の中に分散された混合膜が形成されている。前記混合膜の上には、第1の電極36と接しない第2の電極38が形成されている。
【0053】
前記微粒子34の平均直径は、1mm〜100μmより好ましくは1nm〜1μm、特に10nm〜900nmが好ましい。前記微粒子34の構造は特に限定はなく、非晶質であってもよいし、多結晶または単結晶であってもよい。前記第2の有機材料からなる微粒子34と前記第1の有機材料39の混合比は、体積比で4:1〜1:10程度が好ましい範囲である。前記微粒子34の分散状態としては、直近の他の微粒子と少なくとも1点で接するような密度で前記第1の有機材料39の中に分散されていることが望ましい。前記微粒子34は、個々の微粒子が接しているだけでもよいが、隣接する微粒子同士が、部分的に融合し、連続していてもよい。
【0054】
<第1の有機材料および第2の有機材料>
ヘテロ接合を構成する前記第1の有機材料および第2の有機材料としては、電子受容性材料と電子供与性材料の組み合わせであって、一方の有機材料の溶媒に対する他方の有機材料の溶解度が小さい組み合わせが用いられる。適当な官能基や側鎖を分子に付加することにより、溶解度を制御することが可能である。例えば、アルキル鎖を付加することにより、非極性溶媒への溶解度を向上させることが可能であるし、カルボキシル基、硫酸基や水酸基を含む官能基を付加することにより、水や極性溶媒への溶解度を向上させることが可能である。
【0055】
電子受容性材料としては、ピリジン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、キノリン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ベンゾフェナンスロリン類およびその誘導体によるラダーポリマー、シアノ−ポリフェニレンビニレンなどの高分子、フッ素化無金属フタロシアニン、フッ素化金属フタロシアニン類およびその誘導体、ペリレン及びその誘導体(PTCDA、PTCDIなど)、ナフタレン誘導体(NTCDA、NTCDIなど)、バソキュプロイン及びその誘導体などの低分子が利用されうる。
【0056】
電子供与性材料としてはチオフェン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フェニレン−ビニレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、チエニレン−ビニレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、カルバゾール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ビニルカルバゾール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ピロール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、アセチレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、イソチアナフェン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ヘプタジエン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン類およびそれらの誘導体、ジアミン類、フェニルジアミン類およびそれらの誘導体、ペンタセンなどのアセン類およびその誘導体、ポルフィリン、無金属ポルフィリンや金属ポルフィリン及びそれらの誘導体、シアニン色素、メロシアニン色素、スクアリリウム色素、キナクリドン色素、アゾ色素、アントラキノン、ベンゾキノン、ナフトキノン等のキノン系色素およびそれらの誘導体などが利用されうる。金属フタロシアニンや金属ポルフィリンの中心金属としては、マグネシウム、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、白金、鉛などの金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物が用いられうる。
【0057】
<溶媒>
第1の溶媒、第2の溶媒については、第1の有機材料と第2の有機材料のうち、一方の有機材料の他方が溶解または分散している溶媒に対する溶解度が小さいか、ほとんど溶解しないことが必要である。また、前記第1の溶媒と前記第2の溶媒とは、相溶性であることが望ましい。そのような溶媒の組み合わせとしては、例えば、水とアセトン、水とアルコール類、アルコール類とアセトンなどがあるが、これらに限定されるものではなく、前記第1の有機材料と前記第2の有機材料によって、適当なものが選択される。
【0058】
<基板>
本発明において使用される基板は、第1の電極が作製でき、安定に保持できるものであれば、材質や厚さは特に限定されない。例えば、ステンレスなど金属類や合金、ガラス、樹脂、紙、布などが挙げられる。光を基板側から入射させる場合には、素子で要求される波長範囲で所定の透明性を有する材料が用いられる。
【0059】
<第1の電極、および第2の電極の材料>
第1の電極、および第2の電極の材料としては、金、白金、アルミニウムなどの金属類、合金類などが用いられ、透明電極としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)やフッ素ドープされた酸化スズ、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物が用いられる。ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチアジルなどの導電性高分子を用いてもよい。電極材料は、透明性の他、半導体層との間の電気的性質(オーミック性やショットキー性など)によっても選択される。
<ヘテロ接合素子の製造装置>
本発明は、異種の有機材料が接することにより形成されるヘテロ接合面を含んだ機能層と、機能層を挟んで対向するように形成される2つの電極とからなるヘテロ接合素子の製造装置である。
【0060】
ここで本発明のヘテロ接合素子の製造装置は、次の(1)〜(4)の手段を含むことを特徴とする。
(1)第1の有機材料を第1の溶媒に溶解又は分散して第1の溶液を作製する手段。
(2)第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液を作製する手段。
(3)前記第1の溶液と前記第2の溶液を混合し、前記第2の有機材料の微粒子が前記第1の溶液中に分散した第3の溶液を形成する手段。
(4)該第3の溶液を基板上に供給して前記第1の有機材料と、前記第2の有機材料からなる微粒子との混合膜を形成する手段。
【0061】
<製造方法及び装置の効果>
従来、第1の有機材料中に第2有機材料からなる微粒子が分散した混合材料を作製するためには、前記第2の有機材料からなる微粒子をまず単体で作製し、これを第1の有機材料中に均一に混合するために混練などの方法を用いなければならなかった。本発明の製造方法及び製造装置によれば、前記第2の有機材料の微粒子の製造と、該微粒子と前記の第1の有機材料とを混合する工程が一度の工程で済み、前記第2の有機材料の微粒子を単体あるいは分散液として取り扱うことがないので、微粒子が保存中に凝集したり、劣化する恐れがなく、保存や取り扱いに手間も必要がない。また、均一に分散させることも容易であり、分散性を高めるために微粒子を他の材料でコートするなど半導体微粒子本来の機能を減縮させるような処理も必要がない。
【0062】
第1の有機材料と第2の有機材料の混合膜を形成する方法としてのスピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法は、基本的には、前記第3の溶液を基板上に供給し、膜を形成しつつ溶媒を除去して、固体の薄膜を形成する方法であるので、真空蒸着法など他の薄膜形成法と比較して、極めて簡便かつ低コストで薄膜形成が可能である。また、インクジェット法やスクリーン印刷法では、任意のパターンの薄膜を容易に作製できる。
【0063】
(実施の形態2)
基板上に前記混合膜を形成する工程の後に、モノマー、オリゴマー、または、前駆体等の第1の有機材料が重合体に変成されて混合膜が形成される場合について説明する。ここでは、第1の有機材料がモノマー、オリゴマー、または、前駆体である場合を例として記載するが、第1の有機材料の重合体で第2の有機材料がモノマー、オリゴマー、または、前駆体であって、変成されて重合体になってもよいし、第1の有機材料と第2の有機材料の両方がモノマー、オリゴマー、または、前駆体であって、これらが変成されて重合体になってもよい。
【0064】
<製造方法>
図2(a)〜図2(e)は、この発明によるヘテロ接合素子の製造工程を示すフロー図である。
【0065】
第1の有機材料のモノマー、オリゴマー、または、前駆体を第1の溶媒に溶解又は分散した第1の溶液21を作製する。
【0066】
図2(a)に示す如く、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液22を第1の溶液21中に投入して、第2の有機材料の微粒子24が前記第1の溶液21中に分散した第3の溶液23を形成し、該第3の溶液23を、予め第1の電極26を形成した基板25上に供給して、図2(c)に示す如く前記第1の有機材料と前記第2の有機材料の微粒子とからなる混合膜271を形成するまでは、実施の形態1の記載と同様である。
【0067】
次いで、図2(d)に示す如く、前記第1の有機材料の、オリゴマー、または、前駆体を変成して、第2の有機材料からなる微粒子と重合体との混合膜272を形成する。混合膜を変成させる方法としては、例えば、前記混合膜271に対し、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射を行う方法がある。加熱の方法には、加熱炉に入れて全体を加熱する方法もあるが、レーザーや赤外線などの光を照射して、照射部近傍のみを加熱する方法も利用しうる。従って、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射などの方法により、部分的に重合を生じさせて、所望のパターンを形成することも可能である。
【0068】
次に、実施の形態1記載と同様にして、第2の電極28を形成する。
<第1の有機材料および第2の有機材料>
モノマー、オリゴマー、または、前駆体材料としては、実施の形態1に記載した高分子材料のモノマー、オリゴマー、または、前駆体が利用されうる。好適なものとしては、これらに限定されるわけではないが、例えば、水溶性スルホニウム塩ポリマーまたは、アルコキシ基を有する有機溶媒可溶性ポリマーがある。これらは熱などにより容易に変成されてポリ(アリーレンビニレン)を形成する。更に具体的には、ポリフェニレン−ビニレンおよびその誘導体は、ポリパラキシレンテトラヒドロチオフェニウムクロライドおよびその誘導体から、ポリチエニレン−ビニレンおよびその誘導体は、ポリジメチルチオフェンテトラヒドロチオフェニウムクロライドおよびその誘導体から、ポリ(ピリジルビニレン)およびその誘導体は、ポリジメチルピリジンテトラヒドロチオフェニウムクロライドおよびその誘導体から、加熱などの方法によりそれぞれ形成される。
【0069】
前記第1の溶媒および第2の溶媒、前記基板25、前記第1の電極26および第2の電極28に使用する材料については、実施の形態1記載と同様である。
<ヘテロ接合素子の製造装置>
本発明のヘテロ接合素子の製造装置は、(1)〜(4)の手段よりなる実施の形態1の装置に、更に次の(5)の手段が付加して構成される。
(5)第1の有機材料および/または第2の有機材料に、モノマー、オリゴマーまたは前駆体を用いた場合に、混合膜中のこれらの成分を重合体に変成させるために光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射をする手段。
<製造方法及び製造装置の効果>
本発明の製造方法及び製造装置によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果に加えて、次のような効果がある。
【0070】
ポリマーは、可溶な溶媒が限定されたり、溶解度が著しく小さい場合があり、重合度(分子量)が大きいほど、この傾向が顕著になる。これに対し、モノマー、オリゴマー、または前駆体は、一般に溶媒に対する可溶性が高いので溶媒の選択の範囲が広い。
【0071】
光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線を用いる場合、所定のマスクを通して照射することにより、照射部のみ重合させたのち、未照射部のモノマー状態の部分を除去することで、所定のパターンを形成することが可能である。また、加熱により重合するモノマーも場合には、レーザーなどの光を照射して照射部のみを加熱することが可能であるので、前記の方法と同様にして、所定のパターンを形成できる。
【0072】
【実施例】
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明するが、これらに限定されない。
【0073】
(実施例1)
図1において第2の溶液12としてのペリレンのアセトン溶液(約0.5mM)を、撹拌されている第1の溶液11としてのポリ(チオフェン−3−エチルスルフォネート)の水溶液(約1wt%)中に滴下し、ポリ(チオフェン−3−エチルスルフォネート)の水溶液中に、結晶性の微粒子14であるのペリレン微粒子が分散した第3の溶液13を作製した。微粒子14の直径は約80nmであった。次に、基板15としてのガラス板の上に、第1の電極16としてスパッタ法により膜厚約150nmのITO膜を形成したものの表面に、前記の結晶性のペリレン微粒子が分散した第3の溶液13をスピンコート法で塗布し、膜厚約300nmの混合膜17を形成した。次いで混合膜17を形成した基板を、窒素雰囲気下で約100℃の温度で加熱した。以上の過程で第1の有機材料のポリ(チオフェン−3−エチルスルフォネート)と第2の有機材料からなる微粒子14のペリレン微粒子との混合膜17がITO上に形成された。次に、第2の電極18として、約150nmの膜厚のアルミニウムの薄膜を真空蒸着法で前記の混合膜17の上に形成した。
【0074】
以上の工程で、本発明に基づく光電変換機能を持つヘテロ接合素子が形成された。
【0075】
(実施例2)
図2において第2の溶液22としてのペリレンのアセトン溶液(約0.5mM)を、撹拌されている第1の溶液21のポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウム クロライド)の水溶液(約2wt%)中に滴下し、ポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウム クロライド)の水溶液中に、結晶性の微粒子24であるペリレン微粒子が分散した第3の溶液23を形成した。微粒子の直径は約80nmであった。基板25として、ガラス板の上にスパッタ法により膜厚約150nmのITO膜からなる第1の電極26を形成したものを用い、前記の結晶性の微粒子24であるペリレン微粒子が分散した第3の溶液13をスピンコート法で塗布し、膜厚約300nmの混合膜271を形成した。次いで混合膜271を形成した基板を、窒素雰囲気下で約250℃で加熱し、ポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウム クロライド)をポリフェニレンビニレンに変成した。以上の過程で、変成された第1の有機材料のポリフェニレンビニレンと第2の有機材料からなる微粒子24との混合膜272がITO上に形成された。次に、約150nmの膜厚のアルミニウムの薄膜を真空蒸着法で前記の混合膜272の上に形成し、第2の電極28とした。
【0076】
以上の工程で、本発明に基づく光電変換機能を持つヘテロ接合素子が形成された。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、ヘテロ接合の面積を大きく取ることができ、キャリアの効率的な生成と利用を実現することが出来るため変換効率や発光効率が優れている電子デバイス(例えば太陽電池であれば光電変換効率の向上)を実現するために有用なヘテロ接合構造を含む素子を簡便かつ低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に基づくヘテロ接合素子の製造工程を示すフロー図である。
【図2】本発明の実施形態2に基づくヘテロ接合素子の製造工程を示すフロー図である。
【図3】本発明のヘテロ接合素子の断面図である。
【符号の説明】
11,21 第1の溶液、12,22 第2の溶液、13,23 第3の溶液、14,24,34 第2の有機材料の微粒子、15,25,35 基板、16,26,36 第1の電極、17,271,272 混合膜、18,28,38
第2の電極、39 第1の有機材料。

Claims (10)

  1. 異種の有機材料が接することにより形成されるヘテロ接合面を含んだ機能層と、該機能層を介して形成される2つの電極を含むヘテロ接合素子の製造方法において、
    前記機能層が、第1の有機材料を第1の溶媒に溶解又は分散した第1の溶液と、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解又は分散した第2の溶液を混合し、第2の有機材料の微粒子が前記第1の溶液と第2の溶液の混合溶液中に分散した第3の溶液を形成する工程と、該第3の溶液を基板上に供給して前記第1の有機材料中に前記第2の有機材料の微粒子が分散した混合膜を形成する工程を備えたヘテロ接合素子の製造方法。
  2. 第2の有機材料の第1の溶媒に対する溶解度が、前記第2の有機材料の第2の溶媒に対する溶解度よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のヘテロ接合素子の製造方法。
  3. 第3の溶液を基板上に供給して第1の有機材料と第2の有機材料の微粒子との混合膜を形成する工程が、スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法のいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載のヘテロ接合素子の製造方法。
  4. 第2の有機材料が、結晶性の有機化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヘテロ接合素子の製造方法。
  5. 第1の有機材料が、重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヘテロ接合素子の製造方法。
  6. 第1の有機材料がモノマー、オリゴマー、または、前駆体であって、基板上に前記混合膜を形成する工程の後に共役重合体に変成される工程を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のヘテロ接合素子の製造方法。
  7. 前駆体が、水溶性スルホニウム塩ポリマーまたは、アルコキシ基を有する有機溶媒可溶性ポリマーであることを特徴とする請求項6記載のヘテロ接合素子の製造方法。
  8. モノマー、オリゴマーまたは、前駆体から重合体に変成される工程が、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線のいずれか、または、これらの組み合わせであることを特徴とする請求項6または7記載のヘテロ接合素子の製造方法。
  9. 異種の有機材料が接することにより形成されるヘテロ接合面を含んだ機能層と、機能層を挟んで対向するように形成される2つの電極とからなるヘテロ接合素子の製造装置であって、
    第1の有機材料を第1の溶媒に溶解又は分散して第1の溶液を作製する手段と、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液を作製する手段と、前記第1の溶液と前記第2の溶液を混合し、前記第2の有機材料の微粒子が前記第1の溶液中に分散した第3の溶液を形成する手段と、該第3の溶液を基板上に供給して前記第1の有機材料と、前記第2の有機材料からなる微粒子との混合膜を形成する手段を備えることを特徴とする前記ヘテロ接合素子の製造装置。
  10. 混合膜中のモノマー、オリゴマー、または前駆体を重合体に変成させるために光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または粒子線照射をする手段を備えることを特徴とする請求項9記載のヘテロ接合素子の製造装置。
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