JP2004247350A - プラズマ処理用シリコンプレート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被処理物をプラズマを用いて処理をするプラズマ処理装置においてヒーターおよび/または電極として用いられるプレートであって、該プレートの母材がシリコンから成り、前記プレートの少なくとも一面に抵抗加熱させるための発熱体が設けられているものであることを特徴とするプラズマ処理用シリコンプレート。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウエーハ等の被処理物をプラズマ処理する、プラズマ処理装置において、そのヒーターおよび/または電極として使用するシリコンプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置として、被処理物であるシリコンウエーハと対向する位置に上部電極を設けた平行平板型のリアクティブイオンエッチング装置を代表とするプラズマ装置は良く知られており、使用されている。
【0003】
一般的なリアクティブイオンエッチング装置は、例えば図2に示されるように、チャンバ2内に、上部電極11と下部電極4が所定の間隔をあけて平行に設けられている。上部電極11は、シャワープレートとも呼ばれ、反応ガス(エッチングガス)を整流して噴出させるための微小径の孔(ガス噴出口5)が多数あけられており、また、不図示の高周波電源と接続されている。一方、下部電極4の外周部にはウエーハWに対して均一にプラズマ処理を行うためのフォーカスリング3が設けられている。
【0004】
このようなリアクティブイオンエッチング装置10を用いてプラズマ処理を行う場合、シリコンウエーハWを下部電極4上に載置し、シャワープレート11のガス噴出口5から不図示のガス供給系から供給されたCF4等の反応ガスを噴出させるとともに、高周波を印加してシャワープレート11とウエーハWとの間にプラズマを発生させることで、ウエーハ表面に所望の処理が施される。
【0005】
従来、シャワープレートの材質としては、カーボンやアルミニウムが用いられてきたが、プレート自体がエッチングやスパッタされると、パーティクルやコンタミネーションの発生の原因になってしまう。
その一方で近年のデバイスの高集積化、微細化にともないシャワープレートに要求される性能等も一段と厳しくなっている。
【0006】
そこで、パーティクルやコンタミネーションの発生を低減すべく、従来のカーボンやアルミニウム製のシャワープレートに代わり、ウエーハと同素材であるシリコンを材料としたシャワープレートが注目を集めている。すなわち、シリコンを材料としてシャワープレートを作製すれば、たとえシャワープレート自体がエッチングやスパッタされてもコンタミネーションとはならず、デバイスに悪影響を及ぼすことが防がれるので、歩留りの向上に大きな役割を果すことになる。
【0007】
さらに、シリコン製のシャワープレートの利点として、プロセス中の余剰なフッ素を除去できることがある。例えばCF4を含むエッチングガスは、CF4→CF3+F、CF3→CF2+Fというようにプラズマ中で解離することによってフッ素が生成される。このようなプラズマ中に生成されるフッ素が除去されないと、処理が進むにつれてフッ素が余剰に存在することとなってプラズマ組成が変化し、所望の処理が行えなくなってしまう。ところが、プラズマ中にシリコンが存在すれば、Si+4F→SiF4(↑)という反応によって、余剰なフッ素を除去することができる。
【0008】
また、プラズマ処理を安定化するためには、その装置の構成部材の温度を均一にすることが求められている。これを解決するために、たとえば装置の壁面にヒーターを埋め込む(例えば特許文献1参照)、シャワープレートの上部の部材にヒーターを埋め込む(例えば特許文献2参照)等の提案があるし、シリコン製のフォーカスリングに加熱を行う提案(例えば特許文献3参照)や、シリコンウエーハを加熱するヒーターをシリコンと導電層からなる加熱体とする提案(例えば特許文献4参照)等がある。これらの提案により、プラズマ処理時のウエーハ間ばらつきが低減されるとともに、処理時に発生する反応生成物の付着が防止され、コンタミネーションも少なくなるという利点があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−116822号公報
【特許文献2】
特開2002−129338号公報
【特許文献3】
特開2001−274142号公報
【特許文献4】
特開平11−67740号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年の半導体デバイスの微細化、およびコストダウンの要求が厳しくなってきた結果、より被処理物に近い部材の温度を正確に制御する必要が出てきている。
【0011】
すなわち、上記のように装置の壁面を温度調整したりフォーカスリングそのものを加熱するのは、これらは被処理物に近い部材であり、ある程度は効果があるのであるが、このような従来の温度調整機構だけでは、ウエーハ間での温度ばらつきが未だ大きいという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、プラズマ組成の変化やコンタミネーションの発生を防ぐといったシリコンの優位性を生かしつつ、バッチ間のばらつきをきわめて小さくできるプラズマ処理用シリコンプレートを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、被処理物をプラズマを用いて処理をするプラズマ処理装置においてヒーターおよび/または電極として用いられるプレートであって、該プレートの母材がシリコンから成り、前記プレートの少なくとも一面に抵抗加熱させるための発熱体が設けられているものであることを特徴とするプラズマ処理用シリコンプレートである(請求項1)。
【0014】
このように、被処理物に対向配置されるプレートの母材がシリコンから成り、前記プレートの少なくとも一面に抵抗加熱させるための発熱体が設けられていることで、上述のシリコンの優位性を生かしつつ、プラズマ処理時に被処理物ウエーハ付近の温度を略均一に制御できるシリコンプレートを実現することができる。したがって、被処理物ウエーハのバッチ間ばらつきを少ないものとすることができる。
【0015】
この場合、前記プレートの少なくとも一面に設けられた発熱体は、Al、Cu、Ti、Fe、Au、Ag、Ni、W、Mo、Si、B、ステンレスから選択された少なくとも1種類を含むものから成り、該発熱体の抵抗率が10Ωcm以下であること(請求項2)、あるいは、TiN、TiB2、TiO2、インジウムスズ酸化物(ITO)、アモルファスカーボン、グラファイト、SiCから選択された少なくとも1種類を含むセラミックスから成り、該発熱体の抵抗率が10Ωcm以下であること(請求項3)が好ましい。
【0016】
発熱体として、上記範囲の抵抗率をもった上記材質を使用することで、容易に抵抗加熱によりシリコンプレートを昇温することが可能となる。また、上記材質は比較的汎用なものであるため入手し易く、ヒーターのパターンを形成するのも容易であるという利点がある。
【0017】
この場合、前記プレートの母材のシリコンがシリコン単結晶であることが好ましく(請求項4)、特に該シリコン単結晶の抵抗率が0.005Ωcm以上で100Ωcm以下であることが好ましい。
【0018】
このように、プレートの母材のシリコンを単結晶にすると、結晶欠陥や粒界起因のパーティクルの発生を防ぐことができるし、これらが起因したプラズマのばらつきを防止することができる。また、被処理ウエーハと全く同一の素材、製法ということとなり、汚染発生の防止にもなる。さらに、上記範囲の抵抗率のシリコン単結晶であれば上部電極として好適であり、また、シリコン単結晶ウエーハとしても汎用的に用いられるものなので、入手が容易であり経済的にも有利である。
【0019】
この場合、前記母材のシリコンの発熱体を設ける面の一部または全体が母材のシリコンよりも高抵抗の膜で覆われているとともに、該高抵抗の膜の上に前記発熱体が設けられているものであるのが好ましい(請求項5)。
【0020】
このように、母材のシリコンの発熱体を設ける面の一部または全体が母材のシリコンよりも高抵抗の膜で覆われているとともに、該高抵抗の膜の上に前記発熱体が設けられているものとすることで、確実に、シリコンと発熱体との間に電流が流れないようにすることができる。したがって、より正確な温度制御が可能となる。
【0021】
この場合、前記母材のシリコンよりも高抵抗の膜は、Y2O3、Si3N4、SiC、Al2O3、BN、AlN、SiO2から選択された少なくとも1種類を含むセラミックスから成ることが好ましい(請求項6)。
これらの材質は、絶縁性に優れている上に、シリコンよりも耐プラズマエッチング性が優れているために好ましい。また、比較的汎用なものであるため入手し易いという利点もある。
【0022】
この場合、前記プレートの表面粗さがRa=2μm以下であることが好ましい(請求項7)。
このように、プレートの表面粗さがRa=2μm以下であるものとすることで、パーティクル発生を抑制することができるので有効である。
【0023】
この場合、被処理物と対向する面上の温度測定結果において、(最高温度−最低温度)/平均温度が0.3以下であることが好ましい(請求項8)。
このようなものであると、プレートの面内の温度分布が良好であり、より処理の安定化がはかれるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明のプラズマ処理用シリコンプレートの一例を示している。(a)はガスを噴出する側の面(おもて面)、(b)はガスを導入させる側の面(裏面)の概略図である。
このプレート11は、シリコンからなる円板(シリコン母材)7に反応ガスを噴出させるためのガス噴出口5が多数形成されており、さらに、ガスを導入させる側の面の全体が、母材のシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高く且つ母材のシリコンよりも高抵抗の膜6で覆われているとともに、該高抵抗の膜6の上に抵抗加熱させる発熱体8が設けられているものである。
【0025】
発熱体8の材質としては、例えばAl、Cu、Ti、Fe、Au、Ag、Ni、W、Mo、Si、B、ステンレス等から選択された少なくとも1種類を含むもの、もしくは例えばTiN、TiB2、TiO2、インジウムスズ酸化物(ITO)、アモルファスカーボン、グラファイト、SiC等から選択された少なくとも1種類を含むセラミックスを挙げることができる。この選択された材質からなる発熱体8の抵抗率が10Ωcm以下であれば、発熱体8として使用するのに好適である。
【0026】
高抵抗の膜6の材質としては、プラズマ化された反応ガスに対してシリコンよりもエッチングされ難いものが好ましく、また母材のシリコンよりも高抵抗率であり、コンタミネーションの発生を効果的に防ぐことのできるものであれば特に限定されないが、Y2O3、Si3N4、SiC、Al2O3、BN、AlN、SiO2等のセラミックスから選択された少なくとも1種類を含む膜を用いることができる。
【0027】
これらの材質からなる高抵抗の膜6は、その絶縁性によりプレート11のシリコン母材7と発熱体8との間の絶縁を保つことになる。
尚、母材7のシリコンとして例えば抵抗率が50Ωcm以上といった高抵抗のものを用いる場合には、発熱体8からシリコン母材7に電流が流れる恐れが少なく、発熱体8による昇温が妨げられることもないため、この場合は高抵抗の膜6を設けなくても良い。
【0028】
母材7のシリコンに関しては、デバイス作製用のシリコンウエーハとして通常使用されている、比抵抗が0.001〜100Ω・cmのシリコンを好適に用いることができる。このようなシリコンを母材7とすれば、例えばリアクティブイオンエッチング装置の上部電極として好適に使用することができ、プレート11の母材7の材質が被処理物であるシリコンウエーハの材質とほぼ同じになるので、表面のシリコンがエッチングされてもコンタミネーションの発生をより効果的に防ぐことができる。
【0029】
この比抵抗について、0.005Ωcm以上で100Ωcm以下の比抵抗を有するシリコン単結晶はシリコンウェーハとしても汎用されているため入手し易く、経済的にも有利である。
【0030】
シリコンプレート11の大きさに関しては、その直径が処理する基板よりも大きな直径とすることが有利であり、例えば、プラズマ処理されるシリコンウエーハは、主に6インチ(150mm)、8インチ(200mm)、12インチ(300mm)径のものがあるので、これらのウエーハの処理に対応すべく、180〜500mmの範囲の直径とすることが好ましい。もちろん、被処理ウエーハ径がこれ以上大きくなった場合には、それに基づき本発明のシリコンプレート径も大きくすれば良い。
【0031】
また、シリコンプレート11の厚さに関しては、2mm未満であると反応ガスを整流する効果が小さかったり、機械的な強度が劣るおそれがあり、一方、30mmを超えると、シリコン母材7に多数のガス噴出口5を形成するのが難しくなり、製造コストも上昇するので、2〜30mmの厚さとすることが好ましい。
【0032】
CF4等の反応ガスを供給しながらシリコンウエーハのプラズマエッチング処理を行う際には、高抵抗の膜6及び発熱体8を設けた方の面をガスを導入させる側の面(裏面)としてシリコンプレート11を用いれば、シリコンプレート11のガスを噴出させる側の面(おもて面)は、その大部分がシリコンであるので、反応ガスが解離して発生する余剰なフッ素を除去することができ、またエッチングされてもウエーハと同素材であるのでコンタミネーションを引き起こすこともないので好適である。
尚、シリコンプレートのガスを噴出する側の面(おもて面)に発熱体を設ける場合には、シリコン母材と発熱体の間にのみ高抵抗の膜を設けるか、もしくは高抵抗の膜を設けないようにし、できるだけシリコン母材が反応ガスと接する表面積が大きくなるようにするのが好ましい。
【0033】
上記のようなシャワープレート11は、例えば以下のように製造することができる。
まず、母材として、チョクラルスキー法(CZ法)により育成したシリコン単結晶インゴットを所望の厚さに切断するなどして所定の大きさのシリコン円板を用意する。次いでこのシリコン母材7に反応ガスを噴出させるためのガス噴出口5を形成する。具体的には、超音波加工法、放電加工法、レーザー加工法、ダイヤ加工法などの従来利用されている加工法により、シリコン母材7の所定の位置に、所望の径を有する多数のガス噴出口5を穿設することができる。
【0034】
なお、各ガス噴出口5の大きさや数は特に限定されるものでないが、例えば直径0.1〜3mmの範囲のものを数十〜数百個、あるいはそれ以上形成することで、反応ガスの流量、圧力等を制御しながらガスを整流して噴出させることができる。
【0035】
次に、シリコン母材7のガスを導入させる側の面(裏面)の全体に、シリコン母材よりも耐プラズマエッチング性が高く、且つシリコン母材よりも高抵抗の膜6を形成させる。このような高抵抗の膜6を形成させる方法は特に限定されるものではないが、化学気相蒸着(CVD)法や溶射法などを好適に用いることができる。
【0036】
その後、高抵抗の膜6(裏面)およびシリコン母材7のガスを噴出させる側の面(おもて面)の研磨を行う。この研磨は、シリコンウエーハ製造時に使用される通常のラッピングやミラーポリッシュを用いれば良く、例えばその表面粗さRaが2μm以下になるまで研磨を行えばさらに好適である。
【0037】
さらに、この高抵抗の膜6の上に発熱体8を設ける。この発熱体8の形成方法は、前述のCVD法やスパッター法、溶射法などを用いれば良い。また、抵抗の調整のために発熱体8に各種パターンを形成しても良い。このパターンの形成にはフォトリソグラフィー手法、エッチング方法、サンドブラスト方法等の種々の手法を用いれば良い。
さらに、発熱体8の上を高抵抗の膜などで覆うことが望ましい。これにより、ショートするようなことがなくなるし、発熱体8にかかる抵抗加熱用の電圧が雰囲気と遮断されることになり、プラズマ発生に影響を与える恐れが少なくなる。また、それぞれの膜の密着力を高めるために、サンドブラスト手法等を使用して表面粗さを調整し、アンカー効果により密着力を高める等の手法を使用しても良い。
【0038】
さらに、リアクティブイオンエッチング装置等に取り付けるための取付穴12をプレート11の周囲に設けることができる。
また、この取付穴12を活かして給電部13を設ければ良い。具体的には取付穴12に外部の昇温用の電源を接続し、発熱体8と導通させて抵抗加熱すればよい。この際、この昇温用の電源と接続を行う給電部13を1セットのみにすると、プレート全面の昇温が均熱となりにくいことがある。従って、この給電部13を2セット以上にすることにより、発熱部8の全面にほぼ均一に電流が流れ、その結果均熱状態が良くなる。それぞれの給電部13は円周上に均等に割り振ると一層均熱状態が良くなる。また、電源については直流電源でも良いし、交流電源でも良い。3相の交流電源を用いて3セットの給電部を設けると一層均熱状態が良くなる。
尚、ここで給電部が2セット以上設けられているとは、例えば、直流電源により給電する場合には、+極および−極となる給電部の一対を1セットの給電部と数え、それらが2セット以上設けられていることを意味する。また、3相の交流電源により給電する場合には、各相の給電部を1セットと数え、この場合は全体で3セットの給電部が設けられていることになる。
【0039】
上記のようなシリコンプレート11を用いてシリコンウエーハのプラズマ処理を行う際には、図2に示すようなリアクティブイオンエッチング装置10に、プレート11の裏面を上にして、周囲に設けた取付穴12を介してビスで取付け、上部電極11として使用する。
【0040】
そして、下部電極4上に処理されるシリコンウエーハWを載置し、CF4等の反応ガスをガス噴出口5から噴出させながら、対向する上部電極11との間の放電によりプラズマを発生させることで、ウエーハWの表面をプラズマエッチング処理することができる。この時、シリコンプレート11に給電部13を介して通電することによって発熱させ、被処理ウエーハの温度を均一に加熱しつつプラズマエッチングすることができる。
【0041】
この場合、プレート11の被処理物と対向する面上の温度測定を、例えば、被処理物と同径の範囲で任意の10点について行ない、その結果において、(最高温度−最低温度)/平均温度が0.3以下になるようにすると、面内の温度分布が良好となり、処理の安定化が一層図れることとなる。
【0042】
本発明では、シリコンプレート11の大部分はシリコンであり、この表面がプラズマに接触することになるので、反応ガスが解離して発生する余剰なフッ素を除去することができる。これにより、プラズマの組成が処理中に変化することなく、均一なプラズマ処理が可能となる。また、表面に露出しているシリコンの部分はエッチングされるが、処理するウエーハと同素材であるのでコンタミネーションの発生を防ぐことができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例、比較例)
実施例として、CZ法により育成した1Ωcmの抵抗率のシリコン単結晶インゴットを加工して直径280mm、厚さ5mmの単結晶シリコンを母材7とし、ガス噴出口5として内径0.5mmの孔を厚さ方向に500ヶ所穿孔して形成した。さらに、シリコン母材7の外周部に10箇所の取付穴12を設けた。
【0044】
そして、このシリコン母材7のガスを導入させる側の面(裏面)において、全面を溶射によってイットリア(Y2O3)の膜6を1mm形成した。そして、このイットリア膜6(裏面)およびシリコン母材7のガスを噴出する側の面(おもて面)をラップ加工、ポリッシュ加工をほどこし、その表面粗さRaが2μm以下になるまで研磨を行った。次に、イットリア膜6の上に50μm厚さのステンレス層を溶射によって形成し、このステンレス層にヒーターのパターンをエッチングにより形成し、発熱体8とした。この時、外周部に設けた10箇所の取付穴12のうち、4箇所の周囲にもパターンを残し給電部13とした。
【0045】
このように製造したプレート11の給電部13のうち、2箇所に抵抗加熱用の電源の+極をつなぎ、それぞれ180度反対の2箇所の給電部13に−極をつなぎ込んだ。この状態で電圧をかけ、被処理物と対向するプレート11の表面上において、ウエーハ径である直径200mmの範囲の温度を10点測定した。その結果、最高温度200度、最低温度180度、平均温度190度であり、(最高温度−最低温度)/平均温度=0.11であった。
【0046】
また、比較例として、上記と同様の単結晶シリコンからなり、同様のガス噴出口を穿孔により形成したが、イットリア層及び発熱体を設けないことでヒーターの機能を有さないシリコンプレートも用意した。
【0047】
実施例及び比較例で製造した2枚のシリコンプレートを図2に示したようなリアクティブイオンエッチング装置10に上部電極11として順に取り付け、CF4を含有する反応ガスを供給しながら各々200時間にわたってシリコンウエーハをプラズマ処理し、デバイス歩留まりを確認した。その結果、実施例のシリコンプレートを使用した場合、デバイス歩留りは98%であったが、比較例は85%であった。このことから、本発明のシリコンプレートを用いた場合、従来にくらべて極めて高いデバイス歩留りが達成できることが判った。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記実施の形態では、本発明のシリコンプレートを用いるプラズマ装置としてリアクティブイオンエッチング装置について例示をして説明しているが、本発明のシリコンプレートはこの他のプラズマ装置に用いても良い。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明のプラズマ処理用シリコンプレートによれば、デバイスの製造条件が安定化し、歩留まりがアップするとともに、反応生成物の付着もなく、パーティクル発生によるトラブルも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理用シリコンプレートの一例を示す概略平面図である。
(a)ガスを噴出する側の面(おもて面)、
(b)ガスを導入させる側の面(裏面)。
【図2】リアクティブイオンエッチング装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
2…チャンバ、 3…フォーカスリング、 4…下部電極、 5…ガス噴出口、 6…高抵抗の膜、 7…円板(シリコン母材)、 8…発熱体、 10…リアクティブイオンエッチング装置、 11…上部電極(シャワープレート、シリコンプレート)、 12…取付穴、 13…給電部、 W…ウエーハ。
Claims (8)
- 被処理物をプラズマを用いて処理をするプラズマ処理装置においてヒーターおよび/または電極として用いられるプレートであって、該プレートの母材がシリコンから成り、前記プレートの少なくとも一面に抵抗加熱させるための発熱体が設けられているものであることを特徴とするプラズマ処理用シリコンプレート。
- 前記プレートの少なくとも一面に設けられた発熱体は、Al、Cu、Ti、Fe、Au、Ag、Ni、W、Mo、Si、B、ステンレスから選択された少なくとも1種類を含むものから成り、該発熱体の抵抗率が10Ωcm以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理用シリコンプレート。
- 前記プレートの少なくとも一面に設けられた発熱体は、TiN、TiB2、TiO2、インジウムスズ酸化物(ITO)、アモルファスカーボン、グラファイト、SiCから選択された少なくとも1種類を含むセラミックスから成り、該発熱体の抵抗率が10Ωcm以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理用シリコンプレート。
- 前記プレートの母材のシリコンがシリコン単結晶であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ処理用シリコンプレート。
- 前記母材のシリコンの発熱体を設ける面の一部または全体が母材のシリコンよりも高抵抗の膜で覆われているとともに、該高抵抗の膜の上に前記発熱体が設けられているものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ処理用シリコンプレート。
- 前記母材のシリコンよりも高抵抗の膜は、Y2O3、Si3N4、SiC、Al2O3、BN、AlN、SiO2から選択された少なくとも1種類を含むセラミックスから成ることを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理用シリコンプレート。
- 前記プレートの表面粗さがRa=2μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のプラズマ処理用シリコンプレート。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のプラズマ処理用シリコンプレートであって、被処理物と対向する面上の温度測定結果において、(最高温度−最低温度)/平均温度が0.3以下であることを特徴とするプラズマ処理用シリコンプレート。
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