JP2004246951A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の透過率の高い光ディスクを挿入した場合であっても確実に検出できる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光ディスク20のデータを読み出し可能および/または光ディスクへデータを書き込み可能に設けられ、光ディスク20が挿入された際に光ディスク20が所定位置へ到達したことを検出するために、所定位置xにおける光ディスク20を挟んで、発光素子50と受光素子52とがそれぞれ配置されて成る検出センサ46が設けられた光ディスク装置30において、検出センサ46の発光素子50は、所定位置xにおける光ディスク20の表面に対して傾斜した方向に光を照射するように設けられ、検出センサ46の受光素子52は、所定位置xに光ディスク20が存在しないとした場合に発光素子50が照射した光を受光可能に設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】光ディスク20のデータを読み出し可能および/または光ディスクへデータを書き込み可能に設けられ、光ディスク20が挿入された際に光ディスク20が所定位置へ到達したことを検出するために、所定位置xにおける光ディスク20を挟んで、発光素子50と受光素子52とがそれぞれ配置されて成る検出センサ46が設けられた光ディスク装置30において、検出センサ46の発光素子50は、所定位置xにおける光ディスク20の表面に対して傾斜した方向に光を照射するように設けられ、検出センサ46の受光素子52は、所定位置xに光ディスク20が存在しないとした場合に発光素子50が照射した光を受光可能に設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置内に光ディスクが挿入されたことを検出できる光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの光ディスクを装着してデータの再生や記録を行なう装置として光ディスク装置がある。
通常、光ディスク装置は、光ディスクを載置する凹部である載置部が形成されたトレイを具備している。トレイは光ディスク装置に対して突出入可能に設けられている。
【0003】
光ディスク装置内には、トレイに載置された光ディスクの有無を検出する検出センサが設けられていることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
このように、光ディスク装置に検出センサを設けたことにより、光ディスクが挿入されたことを検出することができるので、光ディスクを検出したときのみ、光ディスクの種類等を特定するために光ピックアップを作動させることができる。また、オートローディング機構を有する光ディスク装置においては、トレイに光ディスクが載置されていることを検出したときのみ、載置されている光ディスクを保持するためのチャッキング機構を作動させることができるのである。
【0004】
従来の検出センサの配置に関する概略説明図を図7〜図9に示す。
検出センサ10は、LED等の発光素子11と、フォトトランジスタ等の受光素子12とから構成されている。発光素子11と受光素子12は、発光素子11の発光面11aと受光素子12の受光面12aとが対向し、発光素子11の照射した光が受光素子12で検知できるような配置で設けられている。
このような発光素子11と受光素子12とは、光ディスク20が収納されている所定位置xにおいて、光ディスク20の表面に対して直交する位置に光ディスク20を挟んで対向するように配置されている。
【0005】
図7に示すように、光ディスクの所定位置xに光ディスク20が存在していない場合には、発光素子11が発する光を受光素子12が受光しているので、検出センサ10は光ディスク20が存在していないことを検出できる。
また、図8に示すように、光ディスクの所定位置xに光ディスク20が存在している場合、発光素子11から出力された光は、光ディスク20によって遮られ、受光素子12では光を検出しなくなる。このため、検出センサ10では光ディスク20が所定位置に存在していることが検出できるのである。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−275405号公報((0009)、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年の光ディスクには、光の透過率の高いものが存在する。
このような光の透過率の高い光ディスクを従来通りの検出センサで検出する場合の説明図を図9に示す。
かかる場合、図9に示すように、所定位置xに光ディスク20が存在していても発光素子11が発した光が遮られることなく、光ディスク20を透過した透過光Bが生じる。このため、検出センサ10は、光ディスク20が所定位置xに存在しているにもかかわらず、受光素子12が光を受光して光ディスク20は所定位置xには存在していないと誤認してしまうおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、光の透過率の高い光ディスクを挿入した場合であっても確実に検出できる光ディスク装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる光ディスク装置によれば、光ディスクのデータを読み出し可能および/または光ディスクへデータを書き込み可能に設けられ、光ディスクが挿入された際に光ディスクが所定位置へ到達したことを検出するために、所定位置における光ディスクを挟んで、発光素子と受光素子とがそれぞれ配置されて成る検出センサが設けられた光ディスク装置において、前記検出センサの発光素子は、所定位置における光ディスクの表面に対して傾斜した方向に光を照射するように設けられ、前記検出センサの受光素子は、所定位置に光ディスクが存在しないとした場合に発光素子が照射した光を受光可能に設けられていることを特徴としている。
【0010】
上記構成を採用することによる作用は以下の通りである。つまり、発光素子は光ディスク表面に対して斜めに光を照射しているので、光の透過率の高い光ディスクが挿入された場合であっても、光ディスクを透過した透過光は光ディスクの入射時と出射時において屈折するため、光ディスクが存在していなかった場合と比較して受光素子で受光する部分がずれることとなり、受光素子で受光する光量が減少する。また、光ディスクの表面で反射する反射光強度は入射角に依存し、入射角が大きくなれば反射光強度が大きくなるのでその分透過光強度が減少する。したがって、反射光が増えることによっても受光素子が受ける光量が減少する。
このような2つの作用により、透過率の高い光ディスクであっても、受光素子で受光する光は光ディスクが挿入されていないときよりも少ない光量を受光するため、光ディスクが挿入されたことを確実に検出できる。
【0011】
また、前記検出センサの発光素子と受光素子とは、それぞれの発光面と受光面とが所定位置にある光ディスクを挟んで対向し、且つ発光面と受光面とを結ぶ軸線が光ディスク表面に対して傾斜して設けられていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明の光ディスク装置の外観図を示し、図2に本発明の光ディスク装置のブロック図を示す。
光ディスク装置30は、光ディスク20を把持するターンテーブル32が上面に形成されたスピンドルモータ34や、光ディスク20へレーザ光を照射したり反射してきたレーザ光を読み取る光ピックアップ(図示せず)を設けた本体31と、該本体31に対して突出入可能に設けられ、光ディスク20を載置するために凹部としての載置部36が形成されたトレイ38とを具備している。
【0013】
また、本体31の上方側および下方側は、それぞれトップケース40およびボトムケース41によって閉塞される。
本実施形態の光ディスク装置30のトップケース40の上面には、ターンテーブル32と共に光ディスクを挟みこんで保持するチャッキングプーリー44が設けられている。
【0014】
光ディスク装置30には、トレイ38が本体31内に収納されたときに、光ディスク20がトレイ38に載置されているか否かを検出する検出センサ46が設けられている。
検出センサ46は、光を発光する発光素子50と、発光素子50が発した光を受光する受光素子52とから構成されている。本実施形態の検出センサ46は、発光素子50の発光面50aと受光素子52の受光面52aとが対向して配置され、且つ発光面50aと受光面52aとを結ぶ光軸Aとが、光ディスク20の表面に対して傾斜して設けられている。
発光素子50としては、レーザダイオードやLED等を採用することができる。受光素子52としては、フォトダイオードやフォトトランジスタ等のフォトディテクタを採用することができる。
【0015】
なお、本明細書中、光ディスクの表面とは、光ディスクの記録面側であるか印刷面側であるかどちらかに特定しているものではなく、どちらでもかまわない。
【0016】
検出センサ46の受光素子52には、光ディスクの有無を判定する判定手段48が設けられている。
判定手段48は、受光素子52が受光した光量が光ディスク20が存在していない場合と比較して減少したか否かを判定できる。すなわち、受光素子52がフォトトランジスタ等であった場合には、判定手段48は、コレクタ電流の電流値を計測し、所定の電流値以下であれば光ディスク20が挿入されたと判定するのである。一方、判定手段48は、受光素子52のコレクタ電流の電流値が所定の値よりも大きい場合には、発光素子50が発した光がそのまま受光素子52で受光しているとして、光ディスク20が挿入されていないものと判定する。
【0017】
続いて、図3および図4に本実施形態の概略説明図を示し、これに基づいて検出センサの動作についてさらに詳細に説明する。
図3の状態においては、光ディスク20は検出センサ46が設けられている所定位置xには存在していないため、受光素子52は発光素子50が発した光をそのまま受光する。
【0018】
図4の状態のように、光ディスク20が挿入されて検出センサ46が設けられている所定位置xに光ディスク20が存在していると、発光素子50が発した光は、光ディスク20に照射される。
このとき、光ディスク20の光の透過率が低い場合には、発光素子50が発した光は光ディスク20で遮光され、受光素子52へ届かないので受光素子52は光を受光せず、検出センサ46は光ディスク20が存在しているとの検出を行なうことができる。
【0019】
なお、光ディスク20の透過率が高い場合(透明度が高い場合)においては、発光素子50が発した光は、光ディスク20に対して所定の入射角で入射されていることから、光ディスク20内へ入射するときと出射するときに屈折する。
すると、光ディスク20を透過した光は、光ディスク20が存在していなかったときには受光素子52の受光面52aの中央部分で受光できたのに対して、受光面52aの中央部分から外れ、受光素子52が受光する光量が減少する。
【0020】
また、光ディスク20への入射角(ここでは光ディスク20の表面に垂直な軸yに対する角度:図5参照)が大きくなると反射光強度が大きくなることはフレネルの公式として従来から知られていることである。すなわち従来の技術で説明したように光ディスク20に対する入射角が0の状態よりも、本発明の実施形態のように光ディスク20への入射角がある方が反射光強度が大きくなり、その一方で透過光強度が小さくなるのである。
このため、光ディスク20を透過した透過光は、光ディスク20に対する入射角が0の状態よりも強度が小さくなるために、受光素子52が受光する光量が減少するのである。
【0021】
図5と図6に基づいて、光ディスク20が発光素子と受光素子との間に存在したときの光の反射と屈折の関係について、さらに詳細に説明する。
発光素子50は、光ディスク20の表面に対して光の入射角がiとなるように、配置されている。受光素子52は、発光素子50が発する光の光軸に対して受光面52aが垂直になるように配置され、且つ発光素子50が発する光が直進したときに受光面52aの中央で受光できるような位置に配置されている。したがって、光ディスク20が存在していないときに、受光素子52が受光する光量が最も大きいものである。
【0022】
発光素子50が発した光aは入射角iで光ディスク20内に入射する。このとき、発光素子50が発した光aの一部が、反射角iで光ディスク20の表面で反射され、反射光bとなる。
反射光bの強度は、フレネルの公式(省略する)により入射角iに依存し、入射角が大きくなるほど大きくなる(図6参照)。
【0023】
ここで図6について説明すると、図6は屈折率が小さい媒質から屈折率が大きい媒質へ光を入射させたときの反射係数Rの入射角i依存性について示している。ここで反射係数Rは、入射光のエネルギーに対する反射光のエネルギーの比であり、入射面(図5における紙面)に対して垂直な成分と入射面内に含まれる平行な成分とで分けて図示されている。
図6によれば、入射角iが0°から90°に近づけていけば、所定の角度を超えた所から反射係数Rが急激に上昇し1に近づくことがわかる。したがって、入射角iを大きくすることで反射光強度を大きくし、その分透過光強度を減少させることができる。
【0024】
以下、図5の説明に戻ると、光ディスク20内に入射した光cは屈折して光ディスク20内を進行する。このときの屈折角rは、スネルの法則よりsini/sinr=n2/n1を満たす関係になる。ただし、n1は空気の屈折率であり、n2は光ディスク20の屈折率である。通常は空気の屈折率は1であり、ポリカーボネード製の光ディスク20の屈折率は1以上の値を有している。
【0025】
屈折した光cが光ディスク20から出射されるときには、上記スネルの法則に基づいてもう一度屈折する。すなわち光cが入射角rで光ディスク20と空気の界面に進入すると、屈折角iで屈折した屈折光dとして光ディスク20の外へ出射される。
【0026】
このように、検出センサ46を、発光素子50の照射する光が光ディスク20の表面に対して傾斜させて入射するように配置したことにより、透過率が高い光ディスクを挿入した場合であっても、光ディスク20により透過光が屈折して受光素子52の受光面52aの受光部分から外れることによる作用、および光ディスク20に対しての入射角を大きくしたことで反射光強度を増してその分透過光強度を減少させる作用の2つの作用により、光ディスク20が挿入されている場合は受光素子52が受光する光量を減少させ、光ディスク20が所定位置に挿入されたか否かを確実に検出することができるのである。
【0027】
なお、上述した実施形態では、発光素子を水平に置かれた光ディスク上方、受光素子を光ディスクを下方に配置したものについて説明した。しかし、発光素子を光ディスクの下方、受光素子を光ディスクの上方に配置するような形態であってもよい。
さらに、光ディスクは水平に配置されるものには限定されず、いわゆる縦置きタイプのものであってもよい。
【0028】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る光ディスク装置によれば、光の透過率の高い光ディスクが挿入された場合であっても、光ディスクを透過した透過光は光ディスクの入射時と出射時において屈折するため、光ディスクが存在していなかった場合と比較して受光素子では受光する部分がずれる。また、光ディスクの表面で反射する反射光強度は入射角に依存し、入射角が大きくなれば反射光強度が大きくなるのでその分透過光強度が減少する。
このような2つの作用により、受光素子で受光する光は光ディスクが挿入されていないときよりも少ない光量を受光するため、光ディスクが挿入されたことを確実に検出できる。
このため、光ディスク装置においてトレイを動作させたときに、光ディスクが存在していないにもかかわらずチャッキング機構を作動させたり光ピックアップを作動させたりする等の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の組立分解図である。
【図2】光ディスクの有無を検出するための構造を示すブロック図である。
【図3】検出センサの配置を示す説明図である。
【図4】図3に示した配置の検出センサの発光素子と受光素子の間に光ディスクが挿入されたところを示す説明図である。
【図5】透過率が高い光ディスクであっても受光素子が光を受光しない理由を説明する説明図である。
【図6】反射光強度が入射角に依存して大きくなることを説明したグラフである。
【図7】従来の検出センサの配置を示す説明図である。
【図8】図7に示した従来の検出センサの発光素子と受光素子の間に光ディスクが挿入されたところを示す説明図である。
【図9】図7に示した従来の検出センサの発光素子と受光素子の間に透過率の高い光ディスクが挿入されたところを示す説明図である。
【符号の説明】
20 光ディスク
30 光ディスク装置
31 本体
32 ターンテーブル
34 スピンドルモータ
36 載置部
38 トレイ
40 トップケース
41 ボトムケース
44 チャッキングプーリー
46 検出センサ
48 判定手段
50 発光素子
50a 発光面
52 受光素子
52a 受光面
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置内に光ディスクが挿入されたことを検出できる光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの光ディスクを装着してデータの再生や記録を行なう装置として光ディスク装置がある。
通常、光ディスク装置は、光ディスクを載置する凹部である載置部が形成されたトレイを具備している。トレイは光ディスク装置に対して突出入可能に設けられている。
【0003】
光ディスク装置内には、トレイに載置された光ディスクの有無を検出する検出センサが設けられていることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
このように、光ディスク装置に検出センサを設けたことにより、光ディスクが挿入されたことを検出することができるので、光ディスクを検出したときのみ、光ディスクの種類等を特定するために光ピックアップを作動させることができる。また、オートローディング機構を有する光ディスク装置においては、トレイに光ディスクが載置されていることを検出したときのみ、載置されている光ディスクを保持するためのチャッキング機構を作動させることができるのである。
【0004】
従来の検出センサの配置に関する概略説明図を図7〜図9に示す。
検出センサ10は、LED等の発光素子11と、フォトトランジスタ等の受光素子12とから構成されている。発光素子11と受光素子12は、発光素子11の発光面11aと受光素子12の受光面12aとが対向し、発光素子11の照射した光が受光素子12で検知できるような配置で設けられている。
このような発光素子11と受光素子12とは、光ディスク20が収納されている所定位置xにおいて、光ディスク20の表面に対して直交する位置に光ディスク20を挟んで対向するように配置されている。
【0005】
図7に示すように、光ディスクの所定位置xに光ディスク20が存在していない場合には、発光素子11が発する光を受光素子12が受光しているので、検出センサ10は光ディスク20が存在していないことを検出できる。
また、図8に示すように、光ディスクの所定位置xに光ディスク20が存在している場合、発光素子11から出力された光は、光ディスク20によって遮られ、受光素子12では光を検出しなくなる。このため、検出センサ10では光ディスク20が所定位置に存在していることが検出できるのである。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−275405号公報((0009)、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年の光ディスクには、光の透過率の高いものが存在する。
このような光の透過率の高い光ディスクを従来通りの検出センサで検出する場合の説明図を図9に示す。
かかる場合、図9に示すように、所定位置xに光ディスク20が存在していても発光素子11が発した光が遮られることなく、光ディスク20を透過した透過光Bが生じる。このため、検出センサ10は、光ディスク20が所定位置xに存在しているにもかかわらず、受光素子12が光を受光して光ディスク20は所定位置xには存在していないと誤認してしまうおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、光の透過率の高い光ディスクを挿入した場合であっても確実に検出できる光ディスク装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる光ディスク装置によれば、光ディスクのデータを読み出し可能および/または光ディスクへデータを書き込み可能に設けられ、光ディスクが挿入された際に光ディスクが所定位置へ到達したことを検出するために、所定位置における光ディスクを挟んで、発光素子と受光素子とがそれぞれ配置されて成る検出センサが設けられた光ディスク装置において、前記検出センサの発光素子は、所定位置における光ディスクの表面に対して傾斜した方向に光を照射するように設けられ、前記検出センサの受光素子は、所定位置に光ディスクが存在しないとした場合に発光素子が照射した光を受光可能に設けられていることを特徴としている。
【0010】
上記構成を採用することによる作用は以下の通りである。つまり、発光素子は光ディスク表面に対して斜めに光を照射しているので、光の透過率の高い光ディスクが挿入された場合であっても、光ディスクを透過した透過光は光ディスクの入射時と出射時において屈折するため、光ディスクが存在していなかった場合と比較して受光素子で受光する部分がずれることとなり、受光素子で受光する光量が減少する。また、光ディスクの表面で反射する反射光強度は入射角に依存し、入射角が大きくなれば反射光強度が大きくなるのでその分透過光強度が減少する。したがって、反射光が増えることによっても受光素子が受ける光量が減少する。
このような2つの作用により、透過率の高い光ディスクであっても、受光素子で受光する光は光ディスクが挿入されていないときよりも少ない光量を受光するため、光ディスクが挿入されたことを確実に検出できる。
【0011】
また、前記検出センサの発光素子と受光素子とは、それぞれの発光面と受光面とが所定位置にある光ディスクを挟んで対向し、且つ発光面と受光面とを結ぶ軸線が光ディスク表面に対して傾斜して設けられていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明の光ディスク装置の外観図を示し、図2に本発明の光ディスク装置のブロック図を示す。
光ディスク装置30は、光ディスク20を把持するターンテーブル32が上面に形成されたスピンドルモータ34や、光ディスク20へレーザ光を照射したり反射してきたレーザ光を読み取る光ピックアップ(図示せず)を設けた本体31と、該本体31に対して突出入可能に設けられ、光ディスク20を載置するために凹部としての載置部36が形成されたトレイ38とを具備している。
【0013】
また、本体31の上方側および下方側は、それぞれトップケース40およびボトムケース41によって閉塞される。
本実施形態の光ディスク装置30のトップケース40の上面には、ターンテーブル32と共に光ディスクを挟みこんで保持するチャッキングプーリー44が設けられている。
【0014】
光ディスク装置30には、トレイ38が本体31内に収納されたときに、光ディスク20がトレイ38に載置されているか否かを検出する検出センサ46が設けられている。
検出センサ46は、光を発光する発光素子50と、発光素子50が発した光を受光する受光素子52とから構成されている。本実施形態の検出センサ46は、発光素子50の発光面50aと受光素子52の受光面52aとが対向して配置され、且つ発光面50aと受光面52aとを結ぶ光軸Aとが、光ディスク20の表面に対して傾斜して設けられている。
発光素子50としては、レーザダイオードやLED等を採用することができる。受光素子52としては、フォトダイオードやフォトトランジスタ等のフォトディテクタを採用することができる。
【0015】
なお、本明細書中、光ディスクの表面とは、光ディスクの記録面側であるか印刷面側であるかどちらかに特定しているものではなく、どちらでもかまわない。
【0016】
検出センサ46の受光素子52には、光ディスクの有無を判定する判定手段48が設けられている。
判定手段48は、受光素子52が受光した光量が光ディスク20が存在していない場合と比較して減少したか否かを判定できる。すなわち、受光素子52がフォトトランジスタ等であった場合には、判定手段48は、コレクタ電流の電流値を計測し、所定の電流値以下であれば光ディスク20が挿入されたと判定するのである。一方、判定手段48は、受光素子52のコレクタ電流の電流値が所定の値よりも大きい場合には、発光素子50が発した光がそのまま受光素子52で受光しているとして、光ディスク20が挿入されていないものと判定する。
【0017】
続いて、図3および図4に本実施形態の概略説明図を示し、これに基づいて検出センサの動作についてさらに詳細に説明する。
図3の状態においては、光ディスク20は検出センサ46が設けられている所定位置xには存在していないため、受光素子52は発光素子50が発した光をそのまま受光する。
【0018】
図4の状態のように、光ディスク20が挿入されて検出センサ46が設けられている所定位置xに光ディスク20が存在していると、発光素子50が発した光は、光ディスク20に照射される。
このとき、光ディスク20の光の透過率が低い場合には、発光素子50が発した光は光ディスク20で遮光され、受光素子52へ届かないので受光素子52は光を受光せず、検出センサ46は光ディスク20が存在しているとの検出を行なうことができる。
【0019】
なお、光ディスク20の透過率が高い場合(透明度が高い場合)においては、発光素子50が発した光は、光ディスク20に対して所定の入射角で入射されていることから、光ディスク20内へ入射するときと出射するときに屈折する。
すると、光ディスク20を透過した光は、光ディスク20が存在していなかったときには受光素子52の受光面52aの中央部分で受光できたのに対して、受光面52aの中央部分から外れ、受光素子52が受光する光量が減少する。
【0020】
また、光ディスク20への入射角(ここでは光ディスク20の表面に垂直な軸yに対する角度:図5参照)が大きくなると反射光強度が大きくなることはフレネルの公式として従来から知られていることである。すなわち従来の技術で説明したように光ディスク20に対する入射角が0の状態よりも、本発明の実施形態のように光ディスク20への入射角がある方が反射光強度が大きくなり、その一方で透過光強度が小さくなるのである。
このため、光ディスク20を透過した透過光は、光ディスク20に対する入射角が0の状態よりも強度が小さくなるために、受光素子52が受光する光量が減少するのである。
【0021】
図5と図6に基づいて、光ディスク20が発光素子と受光素子との間に存在したときの光の反射と屈折の関係について、さらに詳細に説明する。
発光素子50は、光ディスク20の表面に対して光の入射角がiとなるように、配置されている。受光素子52は、発光素子50が発する光の光軸に対して受光面52aが垂直になるように配置され、且つ発光素子50が発する光が直進したときに受光面52aの中央で受光できるような位置に配置されている。したがって、光ディスク20が存在していないときに、受光素子52が受光する光量が最も大きいものである。
【0022】
発光素子50が発した光aは入射角iで光ディスク20内に入射する。このとき、発光素子50が発した光aの一部が、反射角iで光ディスク20の表面で反射され、反射光bとなる。
反射光bの強度は、フレネルの公式(省略する)により入射角iに依存し、入射角が大きくなるほど大きくなる(図6参照)。
【0023】
ここで図6について説明すると、図6は屈折率が小さい媒質から屈折率が大きい媒質へ光を入射させたときの反射係数Rの入射角i依存性について示している。ここで反射係数Rは、入射光のエネルギーに対する反射光のエネルギーの比であり、入射面(図5における紙面)に対して垂直な成分と入射面内に含まれる平行な成分とで分けて図示されている。
図6によれば、入射角iが0°から90°に近づけていけば、所定の角度を超えた所から反射係数Rが急激に上昇し1に近づくことがわかる。したがって、入射角iを大きくすることで反射光強度を大きくし、その分透過光強度を減少させることができる。
【0024】
以下、図5の説明に戻ると、光ディスク20内に入射した光cは屈折して光ディスク20内を進行する。このときの屈折角rは、スネルの法則よりsini/sinr=n2/n1を満たす関係になる。ただし、n1は空気の屈折率であり、n2は光ディスク20の屈折率である。通常は空気の屈折率は1であり、ポリカーボネード製の光ディスク20の屈折率は1以上の値を有している。
【0025】
屈折した光cが光ディスク20から出射されるときには、上記スネルの法則に基づいてもう一度屈折する。すなわち光cが入射角rで光ディスク20と空気の界面に進入すると、屈折角iで屈折した屈折光dとして光ディスク20の外へ出射される。
【0026】
このように、検出センサ46を、発光素子50の照射する光が光ディスク20の表面に対して傾斜させて入射するように配置したことにより、透過率が高い光ディスクを挿入した場合であっても、光ディスク20により透過光が屈折して受光素子52の受光面52aの受光部分から外れることによる作用、および光ディスク20に対しての入射角を大きくしたことで反射光強度を増してその分透過光強度を減少させる作用の2つの作用により、光ディスク20が挿入されている場合は受光素子52が受光する光量を減少させ、光ディスク20が所定位置に挿入されたか否かを確実に検出することができるのである。
【0027】
なお、上述した実施形態では、発光素子を水平に置かれた光ディスク上方、受光素子を光ディスクを下方に配置したものについて説明した。しかし、発光素子を光ディスクの下方、受光素子を光ディスクの上方に配置するような形態であってもよい。
さらに、光ディスクは水平に配置されるものには限定されず、いわゆる縦置きタイプのものであってもよい。
【0028】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る光ディスク装置によれば、光の透過率の高い光ディスクが挿入された場合であっても、光ディスクを透過した透過光は光ディスクの入射時と出射時において屈折するため、光ディスクが存在していなかった場合と比較して受光素子では受光する部分がずれる。また、光ディスクの表面で反射する反射光強度は入射角に依存し、入射角が大きくなれば反射光強度が大きくなるのでその分透過光強度が減少する。
このような2つの作用により、受光素子で受光する光は光ディスクが挿入されていないときよりも少ない光量を受光するため、光ディスクが挿入されたことを確実に検出できる。
このため、光ディスク装置においてトレイを動作させたときに、光ディスクが存在していないにもかかわらずチャッキング機構を作動させたり光ピックアップを作動させたりする等の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の組立分解図である。
【図2】光ディスクの有無を検出するための構造を示すブロック図である。
【図3】検出センサの配置を示す説明図である。
【図4】図3に示した配置の検出センサの発光素子と受光素子の間に光ディスクが挿入されたところを示す説明図である。
【図5】透過率が高い光ディスクであっても受光素子が光を受光しない理由を説明する説明図である。
【図6】反射光強度が入射角に依存して大きくなることを説明したグラフである。
【図7】従来の検出センサの配置を示す説明図である。
【図8】図7に示した従来の検出センサの発光素子と受光素子の間に光ディスクが挿入されたところを示す説明図である。
【図9】図7に示した従来の検出センサの発光素子と受光素子の間に透過率の高い光ディスクが挿入されたところを示す説明図である。
【符号の説明】
20 光ディスク
30 光ディスク装置
31 本体
32 ターンテーブル
34 スピンドルモータ
36 載置部
38 トレイ
40 トップケース
41 ボトムケース
44 チャッキングプーリー
46 検出センサ
48 判定手段
50 発光素子
50a 発光面
52 受光素子
52a 受光面
Claims (2)
- 光ディスクのデータを読み出し可能および/または光ディスクへデータを書き込み可能に設けられ、
光ディスクが挿入された際に光ディスクが所定位置へ到達したことを検出するために、所定位置における光ディスクを挟んで、発光素子と受光素子とがそれぞれ配置されて成る検出センサが設けられた光ディスク装置において、
前記検出センサの発光素子は、所定位置における光ディスクの表面に対して傾斜した方向に光を照射するように設けられ、
前記検出センサの受光素子は、所定位置に光ディスクが存在しないとした場合に発光素子が照射した光を受光可能に設けられていることを特徴とする光ディスク装置。 - 前記検出センサの発光素子と受光素子とは、それぞれの発光面と受光面とが所定位置における光ディスクを挟んで対向し、且つ発光面と受光面とを結ぶ軸線が光ディスクの表面に対して傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003034225A JP2004246951A (ja) | 2003-02-12 | 2003-02-12 | 光ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003034225A JP2004246951A (ja) | 2003-02-12 | 2003-02-12 | 光ディスク装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004246951A true JP2004246951A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33019978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003034225A Pending JP2004246951A (ja) | 2003-02-12 | 2003-02-12 | 光ディスク装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004246951A (ja) |
-
2003
- 2003-02-12 JP JP2003034225A patent/JP2004246951A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060210 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070510 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070522 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071211 |