JP2004246420A - タッチパネル - Google Patents

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transparent
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Toshiro Yukinari
俊郎 行成
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Kawaguchiko Seimitsu Co Ltd
Kawaguchiko Seimitsu KK
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Kawaguchiko Seimitsu Co Ltd
Kawaguchiko Seimitsu KK
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Abstract

【課題】反射光による干渉縞(ニュートンリング)の発生を防止し、低コストで表示品質に優れたタッチパネルを実現する。
【解決手段】一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極側を内側にして所定の隙間を設けて対向配置し前記上下基板がシール剤で貼着されているタッチパネルにおいて、少なくとも一方の透明電極14が、2〜4重量%の球状シリカ15を混合したITOインキの焼成膜で形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーナビゲーション等の機器において、液晶ディスプレイの画面上に配置し、透視した画面の指示に従って使用者が情報の表示画面を指やペン等で直接押してデータを入力し、且つ画面が美しく、耐久性、耐摩耗性等に優れたタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置一体型の入力スイッチとしてのタッチパネルは、表示装置の表示面上に配置されて使用される。前記タッチパネルは、マイクロガラス板とその下面に形成された透明電極とからなる上基板と、ガラス板とその上面に形成された透明電極とからなる下基板とが、所定の空間を隔てて透明電極同士が対面するように配置されシール剤で貼着されている。更に、前記下基板の透明電極上には、マトリックス状にドットスペーサが配置されている。
【0003】
このタッチパネルにおいて、上基板の上部を入力ペンまたは指で押圧したとき、上基板が撓んでその押圧点において上基板の透明電極が下基板の透明電極と接触する。そして、その接触点の座標が電気抵抗の測定によって検知されて、入力情報が読取られる。図2は、このような従来技術におけるタッチパネルを説明するための図である。以下、図を用いて従来技術のタッチパネルについて説明する。
【0004】
図2は、上下基板1、2をシール剤6で貼着したタッチパネル10を示す図で、図2(a)は、平面図、図2(b)は、図2(a)におけるA−A断面図である。図2に示すように、前記タッチパネル10は、上基板1と下基板2とを透明電極3、4同士が互いに対向するようにシール剤6を介して配置し、前記上下基板1、2の周辺部が8〜12μm程度の一定間隔を保つように、前記シール剤6で貼着されている。前記シール剤6は、エポキシ樹脂接着剤等が選択され、1〜2.5mmの範囲の幅で形成される。又、このシール剤6には、所要の大きさのプラスチックボールやファイバーガラス等のスペーサ部材が分散されており、このスペーサ部材でもって前記上基板1と前記下基板2とを所要の間隔に保持する役目を成している。
【0005】
前記下基板2は、厚みが1.1mmのソーダガラス板からなり、このソーダガラス板に透明電極4と、透明電極4に電気的に接続される引き回し電極8a、8bとが形成されている。前記引き回し電極8a、8bの他端は下基板2の一辺においてまとめられ、コネクタ9の端部と接続されている。前記透明電極4は、厚みが0.05〜0.4μm程度のITO膜をスパッタリング或いはCVD等により成膜し、エッチング加工によりパターン形成される。又、前記引き回し電極8a、8bは、厚さ1〜20μm程度の銀ペースト膜を印刷、130℃で約60分焼成して形成される。
【0006】
更に、前記透明電極4の表面上には、ドットスペーサ5がマトリックス状に配列されている。前記ドットスペーサ5は、大きさが30〜40μm程度の円形の形状で、基板からの高さが7〜12μm程度に設定されている。更に、前記ドットスペーサ5同士の中心間距離は4〜5mm程度に設定されている。また、ドットスペーサ5はエポキシ樹脂系の紫外線硬化型樹脂をマトリックス状に印刷し、紫外線を照射して硬化させ形成される。
【0007】
前記上基板1は、厚みが0.2mmのマイクロガラス板からなり、下基板2と同様に透明電極3、引き回し電極7a、7bが形成されている。前記上基板1として使用されるマイクロガラスついては、ホウケイ酸ガラス等が例としてあげられる。
【0008】
以上、説明した従来例のタッチパネル10は、手、或いは入力ペン等の入力手段により上基板1を押圧し、前記上基板1の透明電極3の何れか1点が下基板2の透明電極4に接触することにより、両透明電極が相互通電される。これにより、制御装置が、その位置の抵抗値によって変化された電圧値を読みとり、電位差の変化に応じて位置座標を読み込む構成となっている。このような従来例のタッチパネル10は、基板に形成されている透明電極間で発生する反射光が干渉し合い干渉模様(ニュートンリング)が発生する。特に指先や入力ペンによる入力時に顕著に発生し、タッチパネル表面の視認性等の品質が低下することがあり、場合によっては表示装置の画面に写り込み入力画像が不鮮明になることがあった。また、基板の厚さ薄い場合や、基板の間隔が狭い場合にはニュートンリングが顕著に現れ薄型のタッチパネルの実現の妨げとなっていた。
【0009】
このようなニュートンリング発生の対策として、図3(a)に示すような上基板31の一面にエンボス加工又はエッチング加工により平均粗さが0.06〜3.0μmの無数の微細凹凸層31aを設け、この微細凹凸層31aの上に透明電極33を形成したタッチパネル20の例が開示されている。また、同様に図3(b)に示すような下基板32の一面に無数の微細凹凸層32aを設け、この微細凹凸層32aの上に透明電極34を形成したタッチパネル30の例も開示されている。(例えば、特許文献1。)。
また、ニュートンリング発生の別の対策として基板を湾曲させる例が開示されている。(例えば、特許文献2。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−169367号(第4−5頁、図1−2)
【特許文献2】
特開平10−29261号(第5頁、図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示すようにニュートンリング発生の対策をした従来例におけるタッチパネルは、微細凹凸層上に透明電極を形成するため透明電極の抵抗値にばらつきが生じ易く、入力する場所によっては、押圧した位置の座標と読みとられる入力情報の座標が合致しない場合があり、不良品が発生し、コスト高となるという問題があった。
また、別の例としての基板を湾曲させる方法は、湾曲させる大きさのコントロールが難しい上、湾曲させるためのコストが高いという問題があった。
【0012】
(発明の目的)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、透明電極による反射率を減少させると共に反射光による干渉縞(ニュートンリング)の発生を防止出来る低コストのタッチパネルを実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に係わるタッチパネルは、一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極側を内側にして所定の隙間を設けて対向配置し前記上下基板がシール剤で貼着されているタッチパネルにおいて、少なくとも一方の透明電極が、2〜4重量%の球状シリカを混合したITOインキの焼成膜で形成されていることを特徴とする。
【0014】
又、請求項2の発明に係わるタッチパネルは、前記球状シリカの平均粒径が0.5〜3μmの範囲であることを特徴とする。
【0015】
又、請求項3の発明に係わるタッチパネルは、前記球状シリカの表面に熱可塑性樹脂が被覆されて前記ITOインキに混合されていることを特徴とする。
【0016】
又、請求項4の発明に係わるタッチパネルは、前記ITOインキを用いた透明電極の形成は印刷によることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1を用いて本発明の実施形態におけるタッチパネルについて説明する。図1は、本実施形態におけるタッチパネルを示し、図1(a)は、タッチパネルの断面図、図1(b)は、図1(a)におけるA部の部分拡大断面図である。本実施形態におけるタッチパネルは、下基板に形成される透明電極に特徴があり、その他は従来技術と類似している。従って、従来例と同じ構成要素には、同一番号を付し説明は省略する。
【0018】
図1に示すように本実施形態におけるタッチパネル40の透明電極14は、アセチルアセトンインジュームを1.5重量%を含有すると共に、球状シリカ15を混合したITOインキを厚みが1.1mmのソーダガラス板からなる下基板2に所定の形状にスクリーン印刷法によって印刷し、500℃で焼成して電極として形成したものである。これによって、図1(b)に示すように、下基板2の表面に透明電極14が形成されると共に、前記球状シリカ15が透明電極14に被覆された状態で固着される。このITOインキの焼成膜からなる透明電極14の厚みtの値は0.06μmとした。また、前記ITOインキに混合する球状シリカ15の割合は、乾燥前で3重量%に設定し、前記球状シリカ15の平均粒径は1.5μmのものを使用した。更に、球状シリカの表面に予めポリメチルメタクリレートを被覆したものを用いると、球状シリカの表面の孔に水分や空気が吸着するのを防止出来るため、ITOインキとの混合時に分散性が良くなり好ましい。
【0019】
その後、従来技術と同様に、前記下基板2の透明電極14の表面に、ドットスペーサ5を形成し、厚みが0.2mmのホウケイ酸ガラスからなり透明電極3が形成されている上基板1と透明電極3、14同士が互いに対向するようにシール剤6を介して貼着し、本実施形態におけるタッチパネル40を得た。このようにして得られたタッチパネル40においては、非入力時及び指又は入力ペン等による入力時に干渉縞(ニュートンリング)は全く発生しなかった。
【0020】
このように本実施形態のタッチパネル40は、透明電極14に球状シリカ15を混合することにより透明電極14の表面が微細な凹凸状となっている。このため、図1(b)に示すように、透明電極14に入射した光は、矢印A、Bに示すように乱反射する。これによって反射率を減少させると共に、上下基板の透明電極間の反射による干渉縞(ニュートンリング)の発生を防止することが出来る。また、透明電極14が形成されている下基板2の表面は平滑面であり、透明電極の抵抗値が場所によって不安定となるような問題が生じることもない。従って、表示品質に優れたタッチパネルを得ることが出来る。
【0021】
以上説明したように本実施形態におけるタッチパネルによれば、透明電極による反射率を減少させると共に上下基板の透明電極間の反射光による干渉縞(ニュートンリング)の発生を防止し、低コストで表示品質に優れたタッチパネルを実現することが出来る。
【0022】
尚、本実施形態においては、球状シリカの平均粒径を1.5μmを例として説明したが、この球状シリカの平均粒径は、小さすぎると干渉縞の発生を防止する効果が得にくく、大きすぎると表示品質が低下するため、球状シリカの平均粒径が0.5〜3μmの範囲に設定することが好ましいことが実験によって確認されている。また、ITOインキに含有される球状シリカの割合については、乾燥前で3重量%を例に説明したが同様の理由で2〜4重量%の範囲に設定することが好ましいことが実験によって確認されている。
【0023】
尚、本実施形態においては、下基板2の透明電極として球状シリカを混合したITOインキの焼成膜を形成した例で説明したが上基板の透明電極として形成しても良い。また、上下基板のそれぞれ透明電極を球状シリカを混合したITOインキの焼成膜で形成しても良い。
【0024】
また、各本実施形態においては、球状シリカの表面に予めポリメチルメタクリレートを被覆した例で説明したが、ポリスチレン、ポリエチレン等の熱分解性樹脂であれば、いずれも使用することが出来る。
【0025】
また、上基板の材料としてホウケイ酸ガラスを例として説明し、下基板2の材料としてソーダガラスを例として説明したが、これに限定されるものではなく、その他のガラス材料、または、樹脂材料を使用する場合においても同様の効果を得ることが出来る。
【0026】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、透明電極に球状シリカを混合することなより透明電極の表面が微細な凹凸状となり入射した光が乱反射する。これによって透明電極面での反射率を減少させると共に、上下基板の透明電極間の反射による干渉縞(ニュートンリング)の発生を防止することが出来る。従って、基板を湾曲させる必要もなく低コストで表示品質に優れたタッチパネルを実現することが出来る。
更に、使用する基板の厚さ薄くし、且つ基板間のギャップを小さくすることが可能となり、小型、薄型のタッチパネルを低コストで実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるタッチパネルを示し、図1(a)はタッチパネルの断面図、図1(b)は図1(a)におけるA部を示す部分拡大断面図である。
【図2】従来技術におけるタッチパネルを示し、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)におけるA−A断面図である。
【図3】従来技術のタッチパネルを示す断面図である。
【符号の説明】
1 上基板
2 下基板
3 透明電極
4 透明電極
5 ドットスペーサ
6 シール剤
7a、7b 引き回し電極
8a、8b 引き回し電極
9 コネクタ
10、20、30、40 タッチパネル
14 透明電極
15 球状シリカ
31 上基板
31a 上基板の微細凹凸層
32 下基板
32a 下基板の微細凹凸層
33 透明電極
34 透明電極

Claims (4)

  1. 一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極側を内側にして所定の隙間を設けて対向配置し前記上下基板がシール剤で貼着されているタッチパネルにおいて、
    少なくとも一方の透明電極が、2〜4重量%の球状シリカを混合したITOインキの焼成膜で形成されていることを特徴とするタッチパネル。
  2. 前記球状シリカの平均粒径が0.5〜3μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
  3. 前記球状シリカの表面に熱可塑性樹脂が被覆されて前記ITOインキに混合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のタッチパネル。
  4. 前記ITOインキを用いた透明電極の形成は印刷によることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
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