JP4867002B2 - 表示デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、可動電極と、固定電極と、光導波路とを備えた表示デバイスに関する
従来、黒板やホワイトボードはコミュニケーションのツールとして、教室やオフィス等全世界で活用されており、産業化が進んだ現在においても、原始的な形を未だに保っている。ところが、従来の黒板やホワイトボードにおいては、ユーザがチョーク等で入力した文字を消す際に時間がかかり、会議や授業の効率を落とすボトルネックになっている。
そこで、電子黒板といわれるものが種々提案されている。例えば、マジックで書いたものをスキャナで読み込んで電子データにできる電子黒板や、大面積デバイスで物理的にバーを移動して消去するタイプの電子黒板などが提案されている。また、ユーザ入力型の簡易的なボードや入力タイプの液晶も開発されている。
更に、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)の表示デバイスへの応用が種々提案されている。例えば、非特許文献1には、平面導波路と集積化片もちはりの接触による静電駆動型光表示素子が提案されている。
小口寿明、他3名、"平面導波路と集積化片もちはりの接触による静電駆動型光表示素子"、電学論E、2004年、第124巻、第3号、p.87−92
しかしながら、通常の電子黒板といわれるものは磁力により砂鉄を引き付ける構造で、解像度が悪い。ワンボタンで全ての画像・文字を消せる黒板型の表示デバイスはかつてなかった。また、ユーザ入力型の簡易的なボードや入力タイプの液晶は精度は高いものの高コスト・小面積であるという問題点があった。
さらに、MEMSの表示デバイスへの応用として提案されているものの多くは、タッチパネルの様に、複雑な配線があって、中央演算処理装置(CPU)で処理して裏側の液晶等に表示するか、又は入力装置とは別の表示装置に表示するタイプのものであり、また、基板にレジストパターニングやエッチング処理が必要であり、汎用の黒板に代わる為には製造コストの点で難がある。また、幅20μm未満の細線部を必要とする場合が多く、ロール−トゥ−ロール印刷、インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の大面積印刷技術、プラスチック成形技術、スタンピング技術等との互換性に難がある場合が多い。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、空気を汚したり、手を汚したりするおそれがなく、指先や簡易な筆記具を用いて容易に書き込み可能であって瞬時に消去可能であり、かつ書き込み・消去の繰り返しが自在であり、適度な解像度を有し、安価に大面積製造可能な表示デバイスを提供することにある
本発明者等は、鋭意検討の結果、可動電極が、弾性力によって透明固定電極から離れている一の安定状態と、静電気力によって該透明固定電極に絶縁的に接触している他の安定状態との間を、外部からの力によって変動可能に構成することにより、簡易な構成で容易に書き込み・消去可能にできる表示デバイス見出した
本発明の表示デバイスは、光導波路と、該光導波路に面接触して配設された透明固定電極と、該光導波路とは反対の側に該透明固定電極に対向して配設された透明可動電極とを備え、該透明可動電極は、該透明可動電極と該透明固定電極との間に駆動電圧が印加されたときにおいて、弾性力によって該透明固定電極から離れている一の安定状態と、静電気力によって該透明固定電極に絶縁的に接触している他の安定状態とを有し、前記一の安定状態と前記他の安定状態との間を、外部からの力によって変動可能であることを特徴とする。
本発明の表示デバイスは、駆動電圧を消去することにより、透明可動電極を、前記他の安定状態から前記一の安定状態に復元可能である構成とすることができる。本発明の表示デバイスは、外部からの磁力により、透明可動電極を、前記他の安定状態から前記一の安定状態に復元可能である構成とすることができる。
透明可動電極として導電性を有する透明磁気フィルムを採用することが好ましく、その透明磁気フィルムは、透明絶縁体層と、透明導電体層と、透明弾性体に粒状磁性体が分散されてなる透明磁性体層とを積層して構成することができる。透明可動電極と前記透明固定電極との間に配設されたスペーサを備えた、そのスペーサの透明固定電極側に金属色処理又は濃色処理を施すことが好ましい。
また、明磁気フィルムの透明絶縁体層としてポリエチレンナフタレート(PEN)を採用することができ、透明導電体層として酸化インジウム−酸化スズ(ITO)薄膜を採用することができ、その透明磁性体層としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる透明弾性体にニッケル粒子を分散して構成することができる。
本発明の表示デバイスは、光導波路と、該光導波路に面接触して配設された透明固定電極と、該光導波路とは反対の側に該透明固定電極に対向して配設された透明可動電極とを備え、該透明可動電極は、駆動電圧が印加されたときにおいて、弾性力によって該透明固定電極から離れている一の安定状態と、静電気力によって該透明固定電極に絶縁的に接触している他の安定状態とを有し、前記一の安定状態と前記他の安定状態との間を、外部からの力によって変動可能であるので、空気を汚したり、手を汚したりするおそれがなく、指先や簡易な筆記具の圧力等の外部からの力を加えることにより、容易に画像や文字の書き込みが可能であって文字を表示させることか可能であり、消去も可能であり、かつ書き込み・消去の繰り返しが自在であり、適度な解像度を有し、低コストで大面積製造可能な、新しいタイプのリライタブルな電子黒板を提供することができる。本発明は、指や簡易なペン先の圧力で描かれた画像や文字を、そのまま表面に表示することができる黒板型デバイスとしての応用が可能である。また、PDA等で使用されているタッチパネルと違い、本発明の表示デバイスは非常に薄くて軽い構造で作製することができ、かつ、タッチパネルで使用される液晶ディスプレイの製造方法の様なサイズの制約がない。
また、本発明の透明磁気フィルムは、透明絶縁体層と、透明導電体層と、透明弾性体に粒状磁性体が分散してなる透明磁性体層とが積層されているので、導電性を有し、透明でかつ優れた磁性特性を有する。本発明の透明磁気フィルムは、本発明の表示デバイスの可動電極に好適に用いることができる。
本発明の表示デバイス20は、光導波路2と、該光導波路2に面接触して配設された透明固定電極3と、該光導波路2とは反対の側に該透明固定電極3に対向して配設された透明可動電極1とを備える。はじめに、本発明の表示デバイス20においてピクセルを明るくする原理を、図26の概念図を用いて説明する。図26の表示デバイス20では、LEDの光が光導波路2としてのガラス基板(SiO)の片端から入射されており、LEDの光はガラス基板中で全反射を繰り返し、外部に光がもれることはない。入射光の角度としては、ガラス基板に対して45度程度が、全反射の条件として最も好ましい。しかし、全反射をしている光導波路2の表面に、空気よりも高い、全反射を崩す屈折率を持つ物質(例えば、PDMS)が接触したとき、光の一部がその物質の側に入り込み、その物質の側に散乱源がある場合、乱反射し、目で見えるようになる。例えば、図26の右側(拡大写真:図28)の様に、“X”の文字を書き込むことができる。
本発明の表示デバイスを、図を用いて説明する。図1(a)は、本発明の表示デバイス100の模式図である。図1(a)の表示デバイス100は、光導波路2と、光導波路2に面接触して配設された透明固定電極3と、光導波路2とは反対の側に透明固定電極3に対向して配設された透明可動電極1と、透明可動電極1と透明固定電極3との間に駆動電圧を与える電源5と、透明可動電極1と透明固定電極3との間に配設されたスペーサ4とを備えている。
また、本発明の表示デバイスは、並行平板型コンデンサのモデルに簡略化することができる。図1(b)は、図1(a)に示した表示デバイス20の等価回路である。このモデルでは、駆動電圧が印加されたときにおいて、可動電極1が2つの安定点(安定状態、State-1及びState-2)を持つように所定の駆動電圧を設定することができる。
可動電極が「変動可能」とは、他の部材のバネ復元力によって固定電極に対して相対的な位置を移動させることが可能であるように構成されている場合や、可動電極自体がバネ復元力を有して変形可能であるように構成されている場合が想定できる。
このモデルでの、静電気力とバネ復元力の関係を図2に示す。「State-1」の近傍では、可動電極1はその安定点の周りで単振動するため、可動電極1に少しの変位が生じても固定電極3と接触はしない。「State-1」は、静電気力とバネ復元力が等しい状態であって、本発明の表示デバイス20において、透明可動電極1が、弾性力によって透明固定電極3から離れる安定状態である。透明可動電極1が透明固定電極3から離れているので、表示デバイス20はOFF(暗)状態にある。
しかし、可動電極1の変位が図2の「State-2」のように十分大きかった場合、静電気力がバネ復元力よりも大きくなり、可動電極1は固定電極3と接触する。「State-2」は、本発明の表示デバイス20において、静電気力によって透明固定電極3に絶縁的に接触する安定状態である。透明可動電極1が透明固定電極3に接触しているので、表示デバイス20はON(明)状態になる。
また、可動電極1の変位中には、上記「State-1」のほかに、もうひとつ静電気力とバネ復元力が釣り合う点がある。その点を境にして「State-1」の側に可動電極1があるとき、可動電極1は「State-1」で安定しようとする。また、「State-2」の側(図2において斜線部)に可動電極1があるときは、可動電極1は「State-2」で安定しようとする。この原理により、本発明の表示デバイス20では、「State-1」と「State-2」との間で、可動電極1を、指先や簡易な筆記具による圧力や、粘着ローラーによる粘着力や、電磁気力等の外部からの力で行き来させることができる。これにより手による書き込み・部分消去が実現される。磁気力による可動電極1の引き離しは、可動電極1に磁気層を施すことで可能となり、磁石による部分消去が実現される。また、本発明の表示デバイス20は、静電気がかかっている可動電極1の安定状態を、外部からの力により物理的に変え、色を保持する表示デバイス20に応用することができる。
ここで、駆動電圧は、図3のヒステリシスグラフにより決めることができる。図3のグラフにおいて、横軸は可動電極1と固定電極3との間の電位差(V)であり、縦軸はその電圧ゼロでかつ可動電極1が外部から力を受けていないときの可動電極1の安定位置(0)からの変位(d)である。可動電極1と固定電極3との間に徐々に電圧をかけると、図3の実線のように、可動電極1は徐々に安定位置(0)から固定電極側に引き寄せられる。ここで、バネ復元力は電位差には影響を受けないから、図2のように変位に対して直線的に大きくなっている。静電気力はそのバネ復元力に等しい(図2の「State-1」)。このとき表示デバイス20はOFF(暗)の状態である。ところが、電位差がプルイン電圧(Vpull-in)に達したとき、図2において、静電気力とバネ復元力が釣り合う2点が1点となり、更に、電位差を大きくするとバネ復元力よりも静電気力が大きくなって、可動電極1は一気に固定電極3に接触するまで変位する。次に、電位差を徐々に小さくしてやると、しばらくは、可動電極1は固定電極3と接触したままであるが、リリース電圧(Vreleasing)にまで小さくなったとき、可動電極1は一気に離れて、バネ復元力によって、「State-1」に復元する。
このヒステリシス挙動を示したものが、図3の実線である。駆動電圧を、このリリース電圧(Vreleasing)とプルイン電圧(Vpull-in)との間に設定することにより、図3の点線上で、一の安定状態(OFF(暗)状態)と他の安定状態(ON(明)状態)との間を、外部からの力によって変動可能となり、本発明の表示デバイス20を実現することができる。透明固定電極3及び透明可動電極1の両電極の接触をより強くして接触面積を大きくする為には、駆動電圧をプルイン電圧に近づける必要がある。一方、駆動電圧は、リリース電圧まで低くすることができる。
このようにして、個々の表示デバイスに好適な駆動電圧を決定することができるが、それは、表示デバイスの、ピクセルの大きさ、両電極間の間隔距離、可動電極の持つ弾性特性などによって影響を受ける。また、個々のピクセルにおいては、特に、両電極間の間隔距離のばらつきによって影響を受けやすい。従って、両電極間の間隔距離を決定するスペーサの高さを均一にすることは重要である。また、リリース電圧(Vreleasing)とプルイン電圧(Vpull-in)との電圧差が狭いと、安定して動作させることが難しくなる。したがって、表示デバイスの、ピクセルの大きさ、両電極間の間隔距離、及び可動電極の持つ弾性特性を、バランスよく設計することが重要である。
図4を用いて、本発明の表示デバイス20の一例であって、黒板型リライタブルディスプレイ等に適用可能な表示デバイス20について、その動作原理を説明する。この表示デバイス20は、光導波路2と、該光導波路2に面接触して配設された透明固定電極3と、該光導波路2とは反対の側に該透明固定電極3に対向して配設された透明可動電極1と、該透明可動電極1と該透明固定電極3との間に駆動電圧を与える電源5と、該透明可動電極1と該透明固定電極3との間に配設されたスペーサ4とを備え、該透明可動電極1と該透明固定電極3と該スペーサ4とが複数のピクセルを構成し、それぞれのピクセルの可動電極部分1は、駆動電圧が印加されたときにおいて、弾性力によって該透明固定電極3から離れている一の安定状態と、静電気力によって該透明固定電極3に絶縁的に接触している他の安定状態とを有し、前記一の安定状態と前記他の安定状態との間を、外部からの力によってそれぞれ独立に変動可能に構成されている。
一定電圧がフィルム(透明可動電極1)と基板(透明固定電極3)にかけられているが、この電圧は、それぞれのピクセルの可動電極部分1が静電気力で透明固定電極3に接触してしまう程は大きくない。このフィルムは導電性を持ち、かつ磁力に引き付けられるフィルム透明磁気フィルムである。そして、駆動電圧を消去することにより、それぞれのピクセルの可動電極部分1は他の安定状態(ON(明)状態)から一斉に一の安定状態(OFF(暗)状態)に復元可能であり、外部からの磁力により、透明可動電極1を、他の安定状態(ON(明)状態)から一の安定状態(OFF(暗)状態)に復元可能である。この初期状態では、フィルムにかかる静電気力と、フィルムのバネとしての復元力が釣り合っている(図4の(a))。しかし、このフィルムが指先等による物理的な力を受けて基板側に押し付けられる(書き込み)と、基板との距離の近接により静電気が急速に増大し、バネ復元力よりも大きくなる。その結果、フィルムは基板に接触し、プルインして光が散乱される(図4の(b))。これによって、指先や簡易な筆記具による書き込みが実現する。このデバイスは、2種類の消去方法(両電極の接触を解除する方法)を持っている。図4の(c)は、例えば磁石でなぞることによりフィルムを部分的に基板から引き離す動作である。一方、図4の(d)は電圧を消去することによる一斉消去である。この表示デバイス20では、以上の4つの状態により、書き込み、部分消去、一斉消去を実現する。本発明の表示デバイス20は、保持した色を、磁石により部分的に消去する電子黒板に応用することができ、また、本発明の表示デバイス20は、保持した色を、電圧消去により一斉に消去できる電子黒板に応用することができる。
本発明の表示デバイス20では、上記の作用を実現するために、透明可動電極1として、図5(a)に示すように、透明絶縁体層11と、透明導電体層12と、透明弾性体13に粒状磁性体14が分散されてなる透明磁性体層15とを積層して構成した導電性磁気フィルムを採用することが好ましい。透明絶縁体層11としては、透明固定電極3と透明可動電極1との間を絶縁する耐久強度のある透明樹脂が好ましく、優れた耐久性、優れた絶縁特性の点から、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ4フッ化エチレン等の透明樹脂膜を用いることができる。透明絶縁体層11は、透明固定電極3と透明可動電極1との間を絶縁する耐久強度を確保するためにある程度の厚さが必要であるが、表示デバイス20の小さな駆動電圧で安定して作動するためには薄い方が好ましい。透明絶縁体層11の厚さは、ポリエチレンナフタレート(PEN)を採用した場合では、0.5〜5μmが好ましく、1〜3μmがより好ましい。透明導電体層12として酸化インジウム−酸化スズ(ITO)薄膜を採用することができる。また、その透明磁性体層15としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる透明弾性体13にニッケル粒子を分散して構成することができる。ニッケル粒子の平均粒子径としては5〜100μmの範囲が好ましく、10〜50μmの範囲がより好ましい。更に、透明磁性体層15は、散乱源として、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる透明弾性体13にニッケル粒子及びガラス粒子を分散させて構成することが好ましい。
透明なフィルムに磁性体の粒子を分散させて混ぜることにより、従来の磁気フィルムの様なミラー構造でない、透明さを持った透明磁気フィルムとすることができ、本発明の表示デバイス20の透明可動電極1として、この透明磁気フィルム10を使用することができる。この透明磁気フィルム10は、従来のミラータイプを大幅に上回る磁気力を持ち、磁石により物理的に引っ張ることのできるフィルムとすることもできる。
透明絶縁体層11、透明導電体層12、及び透明磁性体層15を積層する順番としては、いずれの順番でもかまわないが、小さな駆動電圧で安定して動作させるためには、透明固定電極3と透明可動電極1とが絶縁的に接触する際、両導電体層の間隔は狭い方が好ましい。したがって、透明可動電極1として、透明絶縁体層11と、透明導電体層12と、透明磁性体層15とを積層して構成した導電性磁気フィルムを採用する場合には、図5(a)に示すように、透明絶縁体層11の上に透明導電体層12を積層し、更に透明導電体層12の上に透明磁性体層15を積層して、透明磁性体層15を透明固定電極3とは反対の側に配設して、この透明絶縁体層11を介して透明固定電極3と透明可動電極1とが接触する構成を採用することが好ましい。
本発明の表示デバイス20では、透明可動電極1と透明固定電極3との間に配設されたスペーサ4を備えることが好ましい。この場合において、スペーサ4として透明素材を使うと明るく輝くのに対して(図6、及び図7(b)の左)、金属色あるいは濃色(低透過率)の材料を図7(a)の左の様に、透明固定電極3との間に挟んで用いることで、光が反射して、スペーサ4に光が入らなくなり、スペーサ4での光散乱を防止することができる(図7(b)の右)。また、図7(a)の右の様に、スペーサ4として濃色(低透過率)の材料用いても、スペーサ4に殆ど光が透過しないので、スペーサ4での光散乱を防止することができる。光導波路型のディスプレイ構造を有する表示デバイス20においては、スペーサ4での光散乱を防止することで、ピクセルの明るさを改善することができる。
スペーサ4は壁状であっても良く、柱形状のもであっても良い。また、スペーサ4が形成するピクセルは、多数の正方形を形成する格子状であっても良く、六角形や、円形、多角形の組み合わせであっても良い。
本発明の表示デバイス20では、カラー化の対応が可能である。ピクセルを赤色のピクセル・青色のピクセルの様に異なった色を持つように配置する。これには、カラーフィルタ又は並行性を持つレーザ光を用いる。そして、これらのピクセルを押し分けることにより、色を持たせることが可能である。例えば、図15に示すように、レーザの入射光の色をライン毎に、青色のライン、赤色のライン等と変える。レーザ光によっては緑色のラインにすることもできる。一方、入射光の色は全てのピクセルで同じくして(白色)、複数色のカラーフィルタを用いて、シアン色のピクセル・マゼンタ色のピクセル・イエロー色のピクセルの様に異なった色を持つように配置することもできる。
本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応を具体化するためには、例えば、図16の様に、大きなピクセルを青色、小さなピクセルを赤色等と云うように、色ごとにピクセルサイズを変えて配置し、カラーフィルタあるいはレーザ光によりピクセルの発する色を変えておく。これらを、ペン先が球形の形状を持つ、比較的硬い専用ペンで押す。この専用ペンで押すと、大きいピクセルのフィルム(透明可動電極1)にのみ大きい変位を与えることができ、大きいピクセルだけを選択的に青色のON(明)状態にすることができる。また、指の様なソフトなペン先で押すと、全てのピクセルを青色又は赤色のON(明)状態にすることができる。すなわち、曲率半径による表示色の制御が可能である。図16の(a)では、白色光を入射させて、シアン色及びマゼンタ色のカラーフィルタを用いているが、レーザ光を用いて、青色・赤色・緑色等の一色乃至三色以上のどの組み合わせを選ぶこともでき、カラーフィルタを用いて、シアン色・マゼンタ色・イエロー色等の一色乃至三色以上のどの組み合わせを選ぶこともでき、これらの色と、ピクセルの大きさの組み合せも任意に選択することもできる。
本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応を具体化するためには、例えば、図17の様に、色ごとにピクセルサイズを変えて配置し、カラーフィルタあるいはレーザ光によりピクセルの発する色を変えておく。これらを、ペン先が四角の形状を持つ、比較的硬い専用ペンで押す。この専用ペンで押した場合も、大きいピクセルのフィルム(透明可動電極1)にのみ大きい変位を与えることができ、大きいピクセルだけを選択的に青色のON(明)状態にすることができる。この場合も、指の様なソフトなペン先で押すと、全てのピクセルを青色又は赤色のON(明)状態にすることができる。図17の(a)では、白色光を入射させて、シアン色及びマゼンタ色のカラーフィルタを用いているが、レーザ光を用いて、青色・赤色・緑色等の一色乃至三色以上のどの組み合わせを選ぶこともでき、カラーフィルタを用いて、シアン色・マゼンタ色・イエロー色等の一色乃至三色以上のどの組み合わせを選ぶこともでき、これらの色と、ピクセルの大きさの組み合せも任意に選択することもできる。
本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応を具体化するためには、例えば、図18の様に、色ごとにピクセル形状を変えて配置し、カラーフィルタあるいはレーザ光によりピクセルの発する色を変えておく。これらを、ペン先が四角の形状を持つ、比較的硬い専用ペンで押す。この専用ペンで押した場合、四角の形状のピクセルのフィルム(透明可動電極1)にのみ大きい変位を与えることができ、四角の形状のピクセルだけを選択的に青色のON(明)状態にすることができる。この場合も、指の様なソフトなペン先で押すと、全てのピクセルを青色又は赤色のON(明)状態にすることができる。図18の(a)では、白色光を入射させて、シアン色及びマゼンタ色のカラーフィルタを用いているが、レーザ光を用いて、青色・赤色・緑色等の一色乃至三色以上のどの組み合わせを選ぶこともでき、カラーフィルタを用いて、シアン色・マゼンタ色・イエロー色等の一色乃至三色以上のどの組み合わせを選ぶこともでき、これらの色と、ピクセルの形状の組み合せも任意に選択することもできる。
本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応を具体化するためには、例えば、図19の様に、基板(透明固定電極3)側に縦方向に配線し、黒板の下部分にスイッチを施す方法を採用することができる。例えば、図19の(a)の様に、8つのピクセルについて上から青色、赤色、青色、赤色に色を付けたいときは、それぞれ、青色に対応するピクセルに駆動電圧を与える電源のスイッチ(図19の(b)の右)と、赤色に対応するピクセルに駆動電圧を与える電源のスイッチ(図19の(b)の左)とを別々に設けて、図を黒板に描きたい部分の色のスイッチをONにする。レーザ光を用いて、青色・赤色・緑色等の一色乃至三色以上のどの組み合わせを選ぶこともでき、カラーフィルタを用いて、シアン色・マゼンタ色・イエロー色等の一色乃至三色以上のどの組み合わせを選ぶこともでき、これらの色の、ピクセルの位置の組み合せも任意に選択することができる。
本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応を具体化するためには、例えば、図20の様に、基板側(スペーサ4、透明固定電極3、光導波路2を形成するガラス基板)のうち、透明固定電極3を切り分けて、大きなピクセルを形成するスペーサ4に対応する透明固定電極3を低電圧に設定し、小さなピクセルを形成するスペーサ4に対応する透明固定電極3を高電圧に設定することによって、それぞれの大きさのピクセルで同じ程度の操作性を確保することができる。基板側に簡単な配線を施し、赤部分のピクセルにかかる電圧と、青部分の電圧を変えて制御することになる。
本発明の表示デバイス20において、指の感電防止策を具体化するためには、薄膜(透明可動電極1)側を常に接地にしておくが、例えば、図21の表示デバイス101の様に、透明可動電極1の透明磁性体層1aの最上部に透明導電体層1dを積層し、透明導電体層1b及び透明導電体層1dの両方をそれぞれ接地することで、感電をさらに防ぐ効果を生むと考えられる。ここで、透明可動電極1は、透明絶縁体層1cと透明導電体層1bと透明磁性体層1aと透明導電体層1dとからなる透明磁気フィルム10から構成されている。また、透明可動電極1の内側の透明導電体層1bはヒューズを介して接地されて、フィルム(透明可動電極1)と基板(透明固定電極3)の短絡による電流発生時に、回路をオフにする構成とすることがより好ましい。
本発明の表示デバイス20において、透明可動電極1の耐久性向上策を具体化するためには、透明可動電極1である透明磁気フィルム10の上に更に耐久性保護フィルム7を重ねて、ダイレクトに透明磁気フィルム10を押す代わりに、この耐久性保護フィルム7を押すことで透明可動電極1の耐久性を上げることが可能となる。この耐久性保護フィルム7は、同時に、指の感電防止の効果も奏する。
ここで、耐久性保護フィルム7の、スペーサ対応部分を凸に、ピクセルの中央対応部分を凹に加工して重ねることによって、操作の確実性を向上させることができる。更に、図22の様に、耐久性保護フィルム7の、スペーサ対応部分を凸に、ピクセルの中央対応部分を凹に加工して、なおかつピクセルの中央対応部分の凹部分のほぼ中央に、凸部分を設ける加工を施すことにより、指の感電防止策、透明可動電極1の耐久性向上策、及び操作の確実性の向上策を兼ね備えたものとすることができる。
これらのようにして、本発明の表示デバイス20では、静電気力によって両電極板を引き付け合い、色を保持する黒板型デバイスを実現することができる。コンデンサに一定電圧がかけられたとき、コンデンサは二つの安定状態を持つ。一つは両電極板が離れた状態、もうひとつは電気的な絶縁を保持したまま両電極板がくっついた状態である。電圧を一定に保ったまま、これらの状態を外部からの力によって推移させ、色を表示させるデバイスを提案することができる。
このようにして、本発明の表示デバイス20では、保持した色を、電圧を消去することによりワンボタンで瞬時に一斉に消去できる、黒板型デバイスを提案することができる。
本発明の表示デバイス20では、片方の電極板として、透明磁気フィルム10を使用することができる。この透明磁気フィルム10は、適度な弾性を有すると共に、シリコーンゴムに磁性体の粒子を混ぜているので、従来の磁気フィルムでは出せなかった強い磁気力、及び高い透過率(透明性)を実現している。この透明磁気フィルム10を用いることにより、色を保持した後に、磁石で極板(フィルム)を引っ張ることで、部分的に元の安定点にもどすことができる。すなわち、磁石で色を部分消去することのできる、黒板型デバイスを提案することができる。
本発明の表示デバイス20では、これらの構造を、細線部が20μm以上のスケールの、積み上げプロセスで構成することが容易に可能であり、現在の印刷技術等の、大面積な製造法と互換性を持つ、黒板型デバイスを提案することができる。
本発明の表示デバイス20では、以上の構造を応用することによって、タッチパネルの様な複雑な配線や中央演算処理装置(CPU)を必要とせず、裏側の液晶等に表示したり、入力装置とは別の表示装置に表示したりする必要もない、黒板型デバイスを提案することができる。
以下に、本発明の実施の形態について更に詳しく説明する。
(透明磁気フィルム10)
透明絶縁体層11の素材としてPENフィルム(厚さ2μm)を用い、その上に厚さ20nmのITO膜をコーティングした。PDMS液(100質量部、東レ株式会社製のSILPOT 184 W/C)と、その硬化剤(10質量部)と、ニッケル粒子(100質量部、平均粒子径約20μm、最大粒子径約50μm)とからなる混合液を調製し、ITO膜の上に、この混合液を、スピンコーター(室温、3000rpm、30s)にて製膜し、95℃、10分間で硬化させた。これにより、図5(a)のように、透明絶縁体層11(PEN層)と、透明導電体層12(ITO層)と、透明弾性体13(PDMS)に粒状磁性体14(ニッケル粒子)が分散されてなる透明磁性体層15とが積層してなる透明磁気フィルム10が得られた。透明性PDMS層の厚さは約30μmであった。ニッケル粒子は、透明磁気フィルム10の表面に頂部が浮き出る状態でPDMSに概ね均一に分散していた。これらによって、透明磁気フィルム10は、透明性に優れ、かつ、磁石を持ち上げることができる程の強い磁性と、優れた電気伝導性を備えることができる。
このうち、「PDMS+ニッケル粒子」の透明磁性体層15の特性を図5(b)を用いて説明する。比較のために、図5(b)の左側に示す磁気フィルムを調製した。この磁気フィルムは、PENフィルム11(厚さ9μm)の上に厚さ15nmのニッケル層16を積層させたもので、この磁気フィルムでは、磁石を引き付ける力が極めて弱く、ニッケル層との境界が鏡面となって、満足な透明性は得られなかった(透過率11.8%)。一方、図5(a)の透明磁気フィルム10のうち、「PDMS+ニッケル粒子」の層を剥がして取り出した磁気フィルムは、透明性に優れ(透過率78.5%)、かつ、磁石を持ち上げることができる程の強い磁性を兼ね備えていた。
(表示デバイス20)
実施例2に係る、本発明の表示デバイス20の製造プロセスを図8に示す。光導波路2は、透明な物質によってのみ、作成されている。SiO光導波路基板の上にITOをスパッタにて20nmの厚さに積層させた。ITOは、N雰囲気中で500℃に保つことで、より良い透明性が得られた。SU−8により、幅20μmで、高さ24μm、2mm四方のスペーサ4を作成した。実施例1で得られた透明磁気フィルム10を図8のように、2mm四方のスペーサ4の上に絶縁体層が乗って、2mm四方のピクセルを構成する様に接着することにより、本発明の実施例2に係る表示デバイス20を得た。図25に、この表示デバイス20のセットアップの様子を示す。透過光としてLEDを用い、実験は暗室で行った。
図10の左上は、本発明の実施例2に係る表示デバイス20を示す模式図である。この表示デバイス20は、SiO2光導波路2、層構造の導電性の透明磁気フィルム10からなる透明可動電極1、透明固定電極3、光導波路2の上に2mm四方のピクセルを形成する壁状のスペーサ4、から構成されている。スペーサ4は、フォトレジスト(SU−8)製である。壁状のスペーサ4の幅は20μmで、高さは24μmである。可動電極側、固定電極側のいずれにおいても、電極のパターンニングは施されていない。透明磁気フィルム10は「PDMS+ニッケル粒子」の層、ITO層(導電層)、そして、PEN層でできている。「PDMS+ニッケル粒子」の磁気フィルム層を備えているので磁石で引っ張ることができる。ITO層は電極としての役割があり、PEN層(絶縁層)は可動電極1と固定電極3との間を絶縁すると共に強度を上げる働きをしている。右下に一のピクセルの拡大写真を示す。
図27(a)〜図27(d)に、実施例2に係る本発明の表示デバイス20の動作を示す。92Vの直流電圧が2mm四方のピクセルのそれぞれに印加されている。リリース電圧(Vreleasing)とプルイン電圧(Vpull-in)を表1に示す。ピクセルによって表1のような電圧の差ができた理由は、スペーサ4の高さに大きなばらつきがあったことが考えられる。
Figure 0004867002
両電極間の、ある程度の密着の強さを保つため、駆動電圧を92Vに設定した。これは、表1に示された様に、いくつかのピクセルにとってはプルイン電圧以上の値である。故に、図27(a)の様に、ほぼ半分のピクセルは駆動電圧によって自動的にON(明)状態になってしまっている。図27(a)で、黒い部分のピクセルが正常に動作するピクセルである。
図27(b)は、指で押すことによって書き込んだ様子を示す写真である。
図27(c)は、磁石で部分的になぞることにより可動電極1を引き出して消去した様子を示す写真である。図27(a)で、正常であったピクセルのうち、磁石で引き出した一部分のピクセルが黒に戻っている。これは部分消去を意味する。正常のピクセルのうちいくつかは、磁石でなぞっていないので、駆動電圧によりON(明)状態を保っている。すなわち、実施例1に係る透明磁気フィルム10を透明可動電極1に適用した、実施例2に係るこの表示デバイス20では、外部からの磁力により、透明可動電極を、前記他の安定状態から前記一の安定状態に復元可能であり、入力された画像を一部消去することができた。
一方、すべてのピクセルは、駆動電圧をOFFすることにより、OFF(暗)状態になった(図27(d))。これは、この電子黒板では一斉消去を意味する。すなわち、実施例1に係る透明磁気フィルム10を透明可動電極1に適用した、実施例2に係るこの表示デバイス20では、駆動電圧を消去することにより透明可動電極を前記一の安定状態に復元可能であり、入力された画像を一斉消去することができた。
(表示デバイス20)
図11は、本発明の実施例3に係る表示デバイス20を示す模式図である。この表示デバイス20のスペーサ4は、1mm四方の格子状ピクセルを形成する柱状である。そのほかの構成は、実施例2の表示デバイス20の場合と同様である。
図23は、実施例3に係る表示デバイス20における一斉消去の例を示した写真である。ここでは、ガラス棒で押すことによりプルインさせている(図23の左側の白い部分)。これらのピクセルは、電圧を消去することにより、一斉消去された(図23の右側)。
(表示デバイス20)
実施例3において、スペーサ4を、2mm四方の格子状ピクセルを形成する柱状のものとしたこと以外は実施例3と同様にして、実施例4に係る本発明の表示デバイス20を作製した。図24は、この表示デバイス20における部分消去の例を示した写真である。ここでは、150Vの直流電圧が2mm四方のピクセルに印加されているが、磁石でなぞることによりピクセルがOFF(暗)状態になった(図24の右側の白い枠内の黒い部分)。引き剥がされていない部分は、印加電圧により接触してON(明)状態を保っている。
(透明磁気フィルム10)
透明絶縁体層11の素材としてPENフィルム(厚さ2μm)を用い、その上に厚さ20nmのITO膜をコーティングした。PDMS液(100質量部、東レ株式会社製のSILPOT 184 W/C)と、その硬化剤(10質量部)と、ニッケル粒子(100質量部、平均粒子径約50μm)と、ガラスビーズ(100質量部)からなる混合液を調製し、ITO膜の上に、この混合液を、スピンコーター(室温、3000rpm、30s)にて製膜し、95℃、10分間で硬化させたところ、図5(a)のように、透明絶縁体層11(PEN層)と、透明導電体層12(ITO層)と、透明弾性体13(PDMS)に粒状磁性体14(ニッケル粒子)及びガラスビーズが分散されてなる透明磁性体層15とが積層してなる透明磁気フィルム10が得られた。PDMS層の厚さは約30μmであった。ニッケル粒子は、透明磁気フィルム10の表面に頂部が浮き出る状態でPDMSに概ね均一に分散していた。
(表示デバイス20)
実施例6に係る、本発明の表示デバイス20の製造プロセスを図9に示す。光導波路2は、透明な物質によってのみ、作成されている。SiO光導波路基板の上にITOをスパッタにて20nmの厚さに積層させた。ITOは、N雰囲気中で500℃に保つ(アニールする)ことで、より良い透明性が得られた。このITO膜の上にAlスパッタ層(50nm)を形成した。更に、このAlスパッタ層の上に、SU−8により、幅20μmで、高さ32μm、2mm四方のスペーサ4をパターニングして作成した。実施例5で得られた透明磁気フィルム10を図9のように、2mm四方のスペーサ4の上に絶縁体層が乗って、2mm四方のピクセルを構成する様に接着することにより、本発明の実施例6に係る表示デバイス20を得た。また、指の感電防止のため、透明可動電極側を常に接地した。
この表示デバイス20について、印加電圧−透明可動電極変位のヒステリシス挙動から、リリース電圧(Vreleasing)とプルイン電圧(Vpull-in)を求めたところ、リリース電圧(Vreleasing)は70V、プルイン電圧(Vpull-in)は140Vであった。また、直流電圧を手動で上げ下げしながら測定したリリース電圧(Vreleasing)及びプルイン電圧(Vpull-in)の値は、ネオアーク社光ペテロダイン微小振動測定装置を用いて測定した場合でも再現性が確認でき、ピクセル間のばらつきが小さいことも確認できた。そこで、駆動電圧を110Vに設定した。
また、この表示デバイス20の消去時間を測定した。この表示デバイス20がON(明)状態からOFF(暗)状態になるためには両電極間の接触位置から透明可動電極が10μm離れていれば充分であるが、駆動電圧をOFFにした後、透明可動電極がその接触位置から10μm離れるまでに要した時間は30msであった。文字や画像の消去がミリ秒単位で可能であることが分かった。
図12に、実施例6に係る本発明の表示デバイス20の動作を示す。スペーサ4の透明固定電極側に金属色処理が施されているので、スペーサ4の部分の光散乱が少なくなり、全体として良好なコントラストが得られている。図12において、(a)は最初の状態を示す。全てのピクセルがOFF(暗)状態である。図12において、(b)は書き込みの状態を示す。指先で押した部分のピクセルがON(明)状態になって円形に表示されている。図12において、(c)は部分消去の状態を示す。磁石でなぞった左下の部分が、ON(明)状態からOFF(暗)状態に変化している。図12において、(d)は最一斉消去の状態を示す。全てのピクセルがOFF(暗)状態であり、最初の状態に戻っている。書き込み・部分消去・一斉消去の全動作を実現した。
図13に示すように、実施例6に係る本発明の表示デバイス20を用いて、“P”の文字を書くことに成功した。
図14は、実施例6に係る本発明の表示デバイス20について(a)、初期状態(b)から、書き込み(c)、部分消去(d)、一斉消去(e)の動作をした際の、明るい部屋で撮影した写真である。透明可動電極1として用いた透明磁気フィルム10の透明磁性体層15に、散乱源としてのガラス粒子が分散されているので、明るい部屋でも良好に視認できる表示デバイスが得られているのが分かる。
本発明の表示デバイス20からは、新しいタイプのリライタブルな電子黒板を提案することができる。この電子黒板では、指でなぞった軌跡を静電的に保持することができる。電子黒板に描かれた画像は、磁石でなぞることによって部分的に、かつ電圧を消すことによって全体的に消去することができる。
本発明の表示デバイス20は、複雑な構造がなく、簡易な構造により構成することができるので、細線部を20μm以上の幅の積み上げプロセスにより製造することが容易であり、ロール−トゥ−ロール印刷、インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等のメートルオーダーの大面積印刷技術、プラスチック成形技術、スタンピング技術等に互換性を持つように構造をデザインすることも容易に可能である。大面積MEMSの技術が既に実用段階にあることから、本発明を、大面積印刷技術、プラスチック成形技術、スタンピング技術等からなるMEMSの技術に適用させて、汎用の黒板に代わる新規な電子黒板としての応用が期待できる。世界の黒板市場全体を塗り替える可能性を持っており、産業上の利用価値は極めて大きい。
図1(a)は、本発明の表示デバイス20を示す模式図である。図1(b)は、図1(a)に示した表示デバイス20の等価回路を示す概念図である。 図2は、静電気力とバネ復元力の関係を示す概念図である。 図3は、本発明の表示デバイス20において、可動電極1の変位のヒステリシス挙動を示す概念図である。 図4は、本発明の表示デバイス20について、その動作原理を説明する概念図である。 図5(a)は、表示デバイス20の透明可動電極に好適に適用できる、本発明の透明磁気フィルム10の断面概略図である。図5(b)は、本発明の透明磁気フィルム10の、透明磁性体層15の優れた透明性と磁性を示す写真を示したものである。 図6は、スペーサ4の光散乱の様子を示す概念図である。 図7(a)は、スペーサ4の光散乱の防止を示す概念図である。図7(b)は、スペーサ4の光散乱の防止効果を示す写真である。 図8は、本発明の表示デバイス20の製造プロセスの一例を示す概念図である。 図9は、本発明の表示デバイス20の製造プロセスの一例を示す概念図である。 図10は、本発明の表示デバイス20の一例を示す模式図である。 図11は、本発明の表示デバイス20の一例を示す模式図である。 図12は、本発明の表示デバイス20の動作の一例を示す概念図と写真である。 図13は、本発明の表示デバイス20を用いて、“P”の文字を書くことに成功した一例を示す写真である。 図14は、本発明の表示デバイス20について(a)、初期状態(b)、書き込み(c)、部分消去(d)、一斉消去(e)の動作の一例を、明るい部屋で撮影した写真である。 図15は、本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応の一例を示す概念図である。 図16は、本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応の一例を示す概念図である。 図17は、本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応の一例を示す概念図である。 図18は、本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応の一例を示す概念図である。 図19は、本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応の一例を示す概念図である。 図20は、本発明の表示デバイス20において、カラー化の対応の一例を示す概念図である。 図21は、本発明の表示デバイス101において、指の感電防止のための対応の一例を示す概念図である。 図22は、本発明の表示デバイス20において、透明可動電極1の耐久性向上のための対応の一例を示す概念図である。 図23は、本発明の表示デバイス20における一斉消去の一例を示した写真である。 図24は、本発明の表示デバイス20における部分消去の一例を示した写真である。 図25は、本発明の表示デバイス20のセットアップの様子を示す写真である。 図26は、本発明の表示デバイス20において、ピクセルを明るくする原理を示す概念図と写真の例である。 図27は、本発明の表示デバイス20の動作を示すものであって、(a)は最初の状態を示す写真であり、(b)は、指で押すことによって書き込んだ様子を示す写真であり、(c)は、磁石で部分的になぞることにより可動電極1を引き出して消去した様子を示す写真であり、(d)は、駆動電圧をOFFすることにより、OFF(暗)状態になった様子を示す写真である。 図28は、図26の写真を拡大したものである。
符号の説明
1:透明可動電極
1a:透明磁性体層
1b:透明導電体層
1c:透明絶縁体層
1d:透明導電体層
2:光導波路
3:透明固定電極
4:スペーサ
5:電源
7:耐久性保護フィルム
10:透明磁気フィルム
11:透明絶縁体層
12:透明導電体層
13:透明弾性体
14:粒状磁性体
15:透明磁性体層
20:表示デバイス
100:表示デバイス
101:表示デバイス

Claims (10)

  1. 光導波路と、該光導波路に面接触して配設された透明固定電極と、該光導波路とは反対の側に該透明固定電極に対向して配設された透明可動電極とを備え、
    該透明可動電極は、該透明可動電極と該透明固定電極との間に駆動電圧が印加されたときにおいて、弾性力によって該透明固定電極から離れている一の安定状態と、静電気力によって該透明固定電極に絶縁的に接触している他の安定状態とを有し、前記一の安定状態と前記他の安定状態との間を、外部からの力によって変動可能であることを特徴とする表示デバイス。
  2. 前記駆動電圧を消去することにより、前記透明可動電極を、前記他の安定状態から前記一の安定状態に復元可能である、請求項1記載の表示デバイス。
  3. 外部からの磁力により、前記透明可動電極を、前記他の安定状態から前記一の安定状態に復元可能である、請求項1又は2記載の表示デバイス。
  4. 前記透明可動電極が導電性を有する透明磁気フィルムである、請求項1〜3のうちいずれか一項記載の表示デバイス。
  5. 前記透明磁気フィルムが、透明絶縁体層と、透明導電体層と、透明弾性体に粒状磁性体が分散されてなる透明磁性体層とが積層してなる、請求項4記載の表示デバイス。
  6. 前記透明可動電極と前記透明固定電極との間に配設されたスペーサを備えた請求項1〜5のうちいずれか一項記載の表示デバイス。
  7. 前記スペーサの前記透明固定電極側に金属色処理又は濃色処理が施されている請求項6記載の表示デバイス。
  8. 前記透明絶縁体層がポリエチレンナフタレート(PEN)からなる請求項5〜7のうちいずれか一項記載の表示デバイス
  9. 前記透明導電体層が酸化インジウム−酸化スズ(ITO)薄膜からなる請求項5〜8のうちいずれか一項記載の表示デバイス
  10. 前記透明磁性体層が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる透明弾性体にニッケル粒子が分散されてなる請求項のうちいずれか一項記載の表示デバイス
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