JP2001296972A - タッチパネルおよびその製造方法 - Google Patents

タッチパネルおよびその製造方法

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JP2001296972A
JP2001296972A JP2001035771A JP2001035771A JP2001296972A JP 2001296972 A JP2001296972 A JP 2001296972A JP 2001035771 A JP2001035771 A JP 2001035771A JP 2001035771 A JP2001035771 A JP 2001035771A JP 2001296972 A JP2001296972 A JP 2001296972A
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conductive elastic
elastic film
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English (en)
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Hisahide Wakita
尚英 脇田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスプレイの表示品位を大きく低下させな
いタッチパネルを低コストでもって提供を提供する。 【解決手段】 一対の基板の間に設けられる位置検出用
の検出体として、位置入力のための押圧力が加わると、
押圧点近傍において形状が変化するとともに、電気抵抗
または電気容量の面内分布が変化し、前記押圧力がなく
なると元の形状と状態に復帰する線条の導電性弾性体膜
(12a,12b)などを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力機器であるタ
ッチパネル、およびタッチパネル付き表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ペンや指などにより座標入力を行う入力
装置は、各種の方式があるが、最も広く用いられている
のは、透明電極を付けた2枚の基板(ガラスやプラチッ
クフィルムからなる)を、ドットスペーサを挟んで間隔
を空けて貼り合わせた抵抗マット方式である。
【0003】図9に、その断面図、図10に斜視構成図
を示す。図9の断面図で、下基板40と上基板41の内
面にはITOからなる透明電極42,43が設けてあ
り、ペンや指先で上基板をタッチすると、上基板の電極
42と、下基板の電極43が接触し抵抗値が変わるの
で、このときの抵抗により分割された電圧を測定するこ
とにより、位置を検出している。スペーサー44は、上
下基板の非押圧部あるいは、非押圧時にショートしない
ようにするために設けられており、印刷により形成する
のが一般的である。
【0004】この構造のタッチパネルでは、上下基板上
のITOの屈折率が2.0程度と大きいので、屈折率1
の空気との界面で光の反射が生じる。このため、実質的
にタッチパネルの下に位置するディスプレイのコントラ
ストが下がり、また画面が暗くなる。この問題を解決す
る方法としては、基板間に液体を充填しITOとの屈折
率差を小さくすることにより、光反射を抑える手段(液
浸方式)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した抵抗マット方
式のタッチパネルは安価であるが、タッチパネルを適用
するディスプレイの表示品位を劣化させるという課題が
ある。他方、液浸方式を採用すると、表示品位の劣化が
小さくなるが、液漏れの恐れが生じ、その分装置の信頼
性が低下する。また、液浸方式では、2枚の抵抗マット
やドットスペーサーを配置することに加え、気泡の混入
を避けつつ液体を充填する必要があるため、製法が煩雑
となりその分コストが上昇するという課題を有してい
る。
【0006】本発明は、このような課題を解決すること
を目的とする。この目的の達成のための本発明は、下記
構成を特徴とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
タッチパネルは、基板面上に、導電性と弾性とを有する
導電性弾性体膜からなる検出体が配置され、前記検出体
に位置入力のための押圧力が加わると、押圧点近傍にお
いて前記導電性弾性体膜の形状が変化するとともに、検
出体の電気抵抗または電気容量の面内分布が変化し、前
記押圧力がなくなると前記導電性弾性体膜の形状ととも
に前記電気抵抗または電気容量の面内分布が元の状態に
戻る構造であることを特徴とする。
【0008】また、請求項2に記載の本発明タッチパネ
ルは、請求項1に記載のタッチパネルにおいて、前記基
板面の一方の端部に入力側電極が設けられ、前記一方の
端部に対向する他方端部には検出側電極が設けられてお
り、前記検出体は複数の線条の導電性弾性体膜からな
り、当該複数の線条導電性弾性体膜は、前記一対の電極
の間に前記一対の電極を繋ぐ方向に互いに接触しなよう
にして行配列され、更に、前記検出体が押圧されたと
き、押圧点近傍の線条導電性弾性体膜が平面方向に拡張
し隣合う線条導電性弾性体膜同士が接触することによる
抵抗値の変化から、基板面上における押圧点の二次元的
位置を特定する位置検出手段を備える、ことを特徴とす
る。
【0009】また、請求項3に記載の本発明タッチパネ
ルは、請求項1に記載のタッチパネルにおいて、前記基
板面の一方の端部に入力側電極が設けられ、前記一方の
端部に対向する他方端部には検出側電極が設けられてお
り、前記検出体は複数の線条の導電性弾性体膜からな
り、当該複数の線条導電性弾性体膜は、前記一対の電極
の間に互いに接触しなようにして行配列され、行配列さ
れた線条導電性弾性体膜の各々の一方端は前記検出側電
極に電気接続され、行配列された線条導電性弾性体膜の
他方端は一つおきで前記入力側電極に電気接続されてお
り、更に、前記検出体が押圧されたとき、押圧点近傍の
線条導電性弾性体膜が平面方向に拡張し隣合う線条導電
性弾性体膜同士が接触することによる抵抗値の変化か
ら、基板面上における押圧点の二次元的位置を特定する
位置検出手段を備える、ことを特徴とする。
【0010】また、請求項4に記載の本発明タッチパネ
ルは、請求項2又は3に記載のタッチパネルにおいて、
前記線条弾性体膜の少なくとも片側側面には、凸部が等
間隔に形成されている、ことを特徴とする。
【0011】また、請求項5に記載の本発明タッチパネ
ルは、請求項2乃至4に記載のタッチパネルにおいて、
隣接する線条導電性弾性体膜同士の間隙には、線条導電
性弾性体膜と略同一の屈折率を有する液状物質が充填さ
れている、ことを特徴とする。
【0012】また、請求項6に記載の本発明タッチパネ
ルは、請求項1乃至5に記載のタッチパネルにおいて、
前記導電性弾性体膜は透明であり、ディスプレイ側基板
と前記基板との間に、空気層を介在させないで密着され
ている、ことを特徴とする。
【0013】また、請求項7に記載の本発明タッチパネ
ルは、請求項1乃至6に記載のタッチパネルにおいて、
前記導電性弾性体膜が、膜成分として感光性樹脂を含
む、ことを特徴とする。
【0014】また、請求項8に記載の本発明タッチパネ
ルは、請求項1乃至7に記載のタッチパネルにおいて、
前記導電性弾性体膜が、気泡または液滴を含む構造弾性
体膜であるとする、ことを特徴とする。
【0015】また、請求項9に記載の本発明タッチパネ
ルは、請求項8に記載のタッチパネルにおいて、前記液
滴が、前記感光性樹脂と屈折率が略等しい、ことを特徴
とする。
【0016】また、請求項10に記載の本発明タッチパ
ネルの製造方法は、次のように構成されている。すなわ
ち、基板面上に、導電性と弾性とを有する導電性弾性体
膜からなる検出体が配置され、前記検出体に位置入力の
ための押圧力が加わると、押圧点近傍において前記導電
性弾性体膜の形状が変化するとともに、検出体の電気抵
抗または電気容量の面内分布が変化し、前記押圧力がな
くなると前記導電性弾性体膜の形状とともに前記電気抵
抗または電気容量の面内分布が元の状態に戻る構造をし
たタッチパネルの製造方法であって、樹脂を溶媒に溶解
した溶液に、導電性物質と、前記樹脂と屈折率の略等し
い透明な液物質とを溶解または分散した後、当該溶液を
基板に塗布し乾燥することにより、前記液物質からなる
微小液滴が前記樹脂中に分散含有されてなる導電性弾性
体膜を形成する工程を少なくと備えることを特徴とす
る。
【0017】また、請求項11に記載の本発明タッチパ
ネルの製造方法は、請求項10に記載の製造方法におい
て、前記樹脂が感光性樹脂であり、前記導電性弾性体膜
形成工程が、前記溶液を基板に塗布した後にフォトリソ
グラフィー法を用いて、行配列された複数の線条導電性
弾性体膜を基板上に形成する工程である、ことを特徴と
する。
【0018】また、請求項12に記載の本発明タッチパ
ネは、基板面上に、強磁性と弾性とを有する強磁性弾性
体膜からなる検出体が配置され、前記検出体に位置入力
のための押圧力が加わると、押圧点近傍において前記強
磁性弾性体膜の形状が変化するとともに検出体の磁場に
変化が生じ、前記押圧力がなくなると前記前記強磁性弾
性体膜の形状とともに前記磁場が元の状態に戻る構造で
ある、ことを特徴とする。
【0019】また、請求項13に記載の本発明タッチパ
ネルは、請求項12に記載のタッチパネルにおいて、前
記強磁性弾性体膜が、膜成分として感光性樹脂を含む、
ことを特徴とする。
【0020】また、請求項14に記載の本発明タッチパ
ネルは、請求項12又は13に記載のタッチパネルにお
いて、前記強磁性弾性体膜が、気泡または液滴を含む構
造弾性体膜である、ことを特徴とする。
【0021】また、請求項15に記載の本発明タッチパ
ネルは、請求項14に記載のタッチパネルにおいて、前
記液滴が、前記感光性樹脂と屈折率が略等しい、ことを
特徴とする。
【0022】また、請求項16に記載の本発明タッチパ
ネル付きディスプレイ装置は、前記請求項1に記載のタ
ッチパネルがディスプレイ装置の視認側に配置された構
成であることを特徴とする。
【0023】また、請求項17に記載の本発明タッチパ
ネル付きディスプレイ装置は、前記請求項1に記載のタ
ッチパネルがディスプレイ装置の背面側に配置された構
成であることを特徴とする。
【0024】また、請求項18に記載の本発明タッチパ
ネル付きディスプレイ装置は、前記請求項12に記載の
タッチパネルがディスプレイ装置の視認側に配置された
構成であることを特徴とする。
【0025】また、請求項19に記載の本発明タッチパ
ネル付きディスプレイ装置は、前記請求項12に記載の
タッチパネルがディスプレイ装置の背面側に配置された
構成であることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を実施の形態
を通して説明する。 (実施の形態1)図1に本発明のタッチパネルの構成を
概念的に表す斜視図を示す。このタッチパネルは、被適
用対象であるディスプレイ装置の表面4に、検出体2が
配置され、その上に例えばポリエチレンテレフタレート
フィルム(PETフィルム)からなる基板1が設けられ
た構造である。
【0027】更に前記検出体2は、透明で線形状(以下
線条という)の導電性弾性体膜が複数行配列された構造
であり、上記線条導電性弾性体膜の長手方向の片側側面
には、一定間隔で凸部が形成されている。隣合う線条導
電性弾性体膜は略平行とし、上記凸部は位置座標の1単
位について一つ設けられている。
【0028】なお、単位位置座標に複数の凸部を設けて
もよく、また凸部を設けなくともよい。但し、凸部を設
けることにより、押圧に反応して確実に接触するように
できる一方、凸部以外の部分の隣接間隔を大きくとるこ
とができるので、ゴミなどの混入に起因する無用なショ
ートを減少させることができる。
【0029】検出体2を組成する複数の線条導電性弾性
体膜は、前記表面4と基板1と間に配置されていればよ
いが、この実施の形態1においては、透明な粘着材5を
介してディスプレイ表面4に接着されている。なお、表
面4はディスプレイ装置の一部であるのでタッチパネル
の構成要素に含めないこととする。
【0030】上記基板1は、PETフィルム以外でもよ
く、例えばアクリル、ポリカーボネート、プラスチック
などが使用できる。基板1の厚みとしては、厚過ぎると
ペンなどによる押圧力が分散し押圧点を特定しにくくな
る一方、薄過ぎると破損し易くなるので、一般には2m
m以下、30μm以上が好ましい。
【0031】また、上記線条導電性弾性体膜線条導電性
弾性体膜としては、指やペンによる基板面への押圧力
(通常、250g重から1kg重程度)で膜厚や膜の含有
物密度が変化し、押圧力が取り除かれたときに元の状態
に復帰し得る性質を有する材料を使用する必要がある。
このような性質を有する材質としては、各種のエラスト
マー(弾性プラスチックを含む)や、樹脂中に液滴また
は気泡を多数閉じ込めたもの(以下、樹脂構造弾性体と
いう)などが例示できる。これらの弾性体のヤング率と
しては、102〜107N/m2程度が例示できる。但
し、これは目安であり、必ずしもこの範囲に限定される
ものではない。
【0032】次に、実施の形態1の線条導電性弾性体膜
の製造方法を説明する。先ず透明なアクリル系のフォト
レジストにITO(酸化インジウム錫)の超微粒子(粒
径30〜200nm)を分散させた導電性レジストに、
シリコーンオイルを50質量%溶かした。この混合溶液
を厚さ0.3mmのPET樹脂基板上に、スクリーン印
刷し、印刷面を80℃で乾燥して、厚み約16ミクロン
の膜を作製した。この膜(構造弾性体)は透明であり、
電気抵抗値は約1kΩ/□であった。また、この膜は、
シリコーンオイルの微液滴がレジスト樹脂中に均一に分
散されており、押圧力により容易に変形する性質を有し
ていた。
【0033】この膜に対し公知のフォトリソグラフィー
法を用いて、片側側面に等間隔に凸部が形成された線条
導電性弾性体膜が行配列された図3に示す形状に加工し
た。なお、アクリル系レジストにシリコーンオイルを分
散させたのは、レジスト材料のみの膜では、硬すぎて隣
合う膜同士が接触できるほどに変形しないからである。
【0034】ここで、樹脂中に分散する液物質として
は、シリコーンオイルに限られず、透明で、揮発しにく
く、樹脂溶液と混ざるものであればよい。また、レジス
トを用いると、微細加工がし易いので、より高解像度の
検出が可能なタッチパネルを形成できるが、レジストで
ない樹脂材料を用いることもできる。
【0035】レジストでない樹脂材料としては、例えば
アクリル系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、シ
リコーン系の透明な樹脂を使用することができる。ま
た、ゲルやエラストマーになる樹脂、例えば、スチレン
−ブタジエン共重合体やウレタン系、ポリエステル系な
どの熱可塑性エラストマーやシリコンゲル(例えば東芝
シリコーン(株)製のTSE3051など)に導電性を
付与する添加物をドープした材料を用いて、導電性弾性
体膜を作製してもよいし、酢酸ビニル共重合体のような
弾性力のある樹脂に導電性の添加物を添加することによ
り導電性弾性体膜となすこともできる。
【0036】導電性の添加物としては、ITOに限らず
酸化錫などでもよく、その粒径は透明性を確保するため
に可視光波長より小さいことが望ましい。また、添加物
をドープする方法以外としては、弾性体膜の表面に導電
性皮膜を被覆してもよいし、ポリチオフェンのように樹
脂そのものが導電性を有する素材を用いてもよい。
【0037】図2に、タッチパネルの表面(基板1の表
面)を入力ペンで押した状態における断面模式図を示
す。この実施の形態のタッチパネルは、検出体として線
条の弾性体膜が使用されている。したがって、タッチパ
ネル表面が押圧されると、押圧点付近の導電性弾性体膜
が弾性変形し平面方向に広がり、当該部分において隣合
う導電性弾性体膜同士が接触し導通が可能になる。図3
に、実施の形態1のタッチパネルの平面模式図を示す。
この図に基づいて実施の形態1にかかる本発明タッチパ
ネルの詳細な構造と動作原理を説明する。
【0038】図3に示すように、ディスプレイ表面4の
対向する両端部には、カーボンペーストを印刷すること
により形成された入力側電極11aと検出側電極11b
とが設けられている。そして、入力側電極11aは、長
手方向の両端部からそれぞれ導出したリードと切り替え
スイッチ9aとを介して電源10に接続されており、他
方、検出側電極11bは、長手方向の両端部からそれぞ
れ導出したリードと切り替えスイッチ9bを介して抵抗
値検出部14に接続されている。
【0039】更に、複数の線条導電性弾性体膜は、入力
側電極11aと検出側電極11bを繋ぐ方向に行配列さ
れており、図3に示すように線条導電性弾性体膜の検出
側の端部は全て検出側電極11bに接続され、他方、入
力側の端部は一つおきに入力側電極11aに接続されて
いる。
【0040】行配列された線条導電性弾性体膜の幅は3
00ミクロンとし、隣接間距離は広いところで20ミク
ロンとし、凸部が形成された狭いところでは10ミクロ
ンとした。また、前記凸部は、ディスプレイの画素に対
応させ300ミクロン間隔とした。なお、このような凸
部を設けることにより、隣合う線条導電性弾性体膜同士
が無用に接触することを防ぐことができる。
【0041】上記構成のタッチパネルの動作および位置
検出原理について説明する。先ずスイッチ9a、9bを
それぞれ入力側電極11aの上端と検出側電極11bの
上端へ繋ぐ。すると、電源10から供給された電流は破
線で示すように流れる。すなわち、電源10から供給さ
れた電流は入力側電極11aと線条導電性弾性体膜12
aとを介して検出側電極11bに流れるとともに、ペン
による押圧で変形し水平方向に広がった接触部位13で
は、隣合う線条導電性弾性体膜12aと12bとが接触
し導通するので、線条導電性弾性体膜12bの後半部分
を介して検出側電極11bに流れ、これら2つの経路を
経由した電流はスイッチ9bを経て、抵抗値検出部14
に到達する。ここで経路の抵抗Xを測定する。次に、ス
イッチ9a、9bを上記と逆に繋ぐ。すると、電流は図
3において一点鎖線のように流れるので、検抵抗値出部
14でこの経路における抵抗Yを測定する。
【0042】図4に、図3のタッチパネルの等価回路を
示し、この図に従って抵抗値X,Yを下記のように定義
する。 抵抗;X=R1+(Ra+Rb/2)+R3+α・・・式1 抵抗;Y=R2+(Ra+Rb/2)+R4+α・・・式2
【0043】ここで、αは接触部位13の接触抵抗であ
る。式1と式2の差(X−Y)を取ると、 X−Y=R1−R2+R3−R4〜2(R1−R2) となり、押圧点(接触部位)がどの行にあるかが算出で
き、和を取ると、 X+Y=2(R1+R2)+2Ra+Rb+2α となり、R1+R2は一定値なので、αが十分小さけれ
ば、 X+Y=2Ra+Rb+定数 とでき、水平方向の位置によって変わる、RaとRbの
比率が求まるので、水平方向の位置が計算できる。
【0044】なお、線条導電性弾性体膜の接触部位の特
定方法は、導電性弾性体膜の抵抗値の面内分布変化を求
められる方法であれば、上記方法に限らない。上記タッ
チパネルは、線条導電性弾性体膜を透明な粘着材5を用
いてディスプレイ表面4に接着したが、粘着材5はラミ
ネータを用いて簡単に塗布できるとともに、ディスプレ
イ表面に粘着材5の層が存在すると、界面反射を低減で
きる。よって、低コストでもってコントラストや輝度の
低下の少ないタッチパネル付き表示装置を構成すること
ができる。そして、ディスプレイが液晶パネルである場
合には、携帯性に優れかつ表示品質に優れたタッチパネ
ル付き表示装置を構成できる。このような装置は、画面
が見やすいため入力間違いの低減が期待でき、銀行など
の自動入出金サービスなどの機器として有用である。
【0045】ところで、上記実施の形態1では、突起が
弾性変形により接触したときの抵抗値を測定する方式を
示したが、隣り合う線条導電性弾性体膜の距離が縮まる
ことによる電気容量の変化を検出する方式とすることも
できる。また、磁性粒子を混入した弾性体膜を用い、隣
り合う線条導電性弾性体膜の距離が縮まることによるイ
ンダクタンスの変化などの電磁気的な物理量を検出する
方式とすることもできる。
【0046】更に、上記実施の形態1ではPET基板上
に複数の線条導電性弾性体膜からなる検出体を設けた
が、このような構成に限定されるものではなく、例えば
表示装置の一部を基板として機能させることもできる。
具体的には、例えば液晶表示装置を構成する偏光板を本
発明でいう「基板」として活用し、その内側面に図1等
に示した検出体を設けるができる。この方法によると、
液晶パネル内に位置入力機能を内蔵できる。なお、この
場合、図1の基板1が液晶表示装置の前面(目視側)の
偏光板であり、ディスプレイ表面4が液晶表示装置の前
面側ガラス基板となる。
【0047】また、例えば導光板とエッジライト等の補
助照明装置が前面(目視側)に置かれるエッジライト方
式の反射型液晶表示装置では、導光板を本発明でいう
「基板」として活用することができる。導光板を「基
板」として活用することにより、位置検出機能を備えた
補助照明装置を実現でき、このような補助照明装置は、
照明付きタッチパネルとして有用であり、電子ディスプ
レイだけでなく、印刷物などの前面にタッチパネルとし
て配置するのに都合がよい。
【0048】また、上記実施の形態1のタッチパネルに
おいて、行配列された線条導電性弾性体膜の隙間(隣接
間隙)に線条導電性弾性体膜の屈折率とほぼ等しい屈折
率を有する液状物質を充填するのもよい。このようにす
ると、光反射が更に減少するので、一層視認性に優れた
タッチパネルを構成することができる。なお、上記ほぼ
等しい屈折率とは、屈折率の違いが視認性を害さない程
度をいう。
【0049】また、従来のタッチパネルは、パネルを構
成する2枚の基板の間が50μmから100程度空いて
おり、十分な押圧力が加わらないと精度よく動作しな
い。よって、従来ではタッチパネル面を直接押圧する必
要があった。これに対し、実施の形態1では、導電性と
弾性を有しかつ微細加工が可能な被膜)を用いるので、
検出部材(線条導電性弾性体膜)の隣接間距離を10μ
m程度と小さくできるとともに隣接間距離を均一に作製
でき、しかもこのようにして作製された検出部材は押圧
力が加わると平面方向に広がる性質を有するので、従来
方式のタッチパネルに比較しより小さい押圧力に反応す
る。
【0050】したがって、実施の形態1のタッチパネル
であると、0.5mm厚程度の薄いガラス基板やプラス
チック基板を用いた液晶ディスプレイや有機ELディス
プレイなどの薄型のフラットパネルディスプレイであれ
ば、ディスプレイの背後に配置しても十分に位置検出が
可能である。なお、タッチパネルを背後に置く場合は、
弾性体膜や基板1は、必ずしも透明である必要はない。
【0051】(実施の形態2)図5は、本発明の第2の
実施の形態である実施の形態2のタッチパネルの全体像
を示す概念図である。このタッチパネルは、厚さ0.3
mmのPETフィルム1(基板1)上に、ITOの微粉
末30質量%を分散したシリコーンゲル前駆体(シリコ
ーンゲル前駆体としては、東芝シリコーン(株)製のT
SE3051を使用)を、膜厚50μmでスクリーン印
刷し、100℃で4時間加熱重合して、一様な厚みの導
電性のシリコーンゲル膜からなる4角形の検出体20を
形成した。これをディスプレイ4の上に貼付した。
【0052】なお、実施の形態1の検出体2は、行配列
された複数の線条導電性弾性体膜で構成されていたが、
実施の形態2の検出体20は、一枚の導電性のシリコー
ンゲル膜からなる。
【0053】シリコーンゲル膜からなる上記検出体20
は、指やペンで押さえたとき変形し、指等を離したとき
に元の形状に戻る適度な弾性力を有しており、この電気
抵抗を測定したところ、5kΩ/□であった。また、検
出体20は空気層を含まない透明な固体であり、ディス
プレイの全面に配置してもその表示品位がほとんど損な
われないことが確認された。
【0054】図6は、実施の形態2にかかるタッチパネ
ルがペンでポイントされた場合の断面模式図である。図
6に示すように、ペンなどで基板表面がポイントされる
と、ポイントされた箇所が凹み、検出体20の膜厚が薄
くなり、検出体20の抵抗値分布がポイント部分(押圧
点)で高くなる。
【0055】実施の形態2のタッチパネルは、図7に示
すように検出体20の四隅に電極22a,22b,22
c,22dが設けられている。ここで、初めに22aに
−V、22bに+Vの電位を与え、22c,22dを開
放状態にして、下辺の中点23aで電位測定Vx1を行
う。ポイント位置がX方向の中心にあるときは、電位は
0vであるが、ポイント位置が図7の×印のように左側
によると+側へシフトし、ポイント位置が右側によると
−側へシフトする。
【0056】次に、22a,22bを開放し、下辺の2
2cに−V、22dに+Vの電位を与え、上辺の中点2
3bで電位Vx2を測定する。上記で測定したVx1とこの
Vx2との平均値Vxを取ると、ポイント位置のX座標と
Vxには1対1の相関関係があるのでVxよりX座標の特
定が可能である。
【0057】Y座標についても、上記と同様に行う。す
なわち、電極22aに−V、22cに+Vの電位を与
え、22b、22dを開放した状態で、右辺の中点23
bで電位Vy1を測定し、左右入れ替えてVy2を測定す
る。そして電位Vy1とVy2の平均値Vyを計算する。ポ
イント位置を変えて同様な操作を繰り返すと、ポイント
位置のY座標とVyの相関が実験的に得られる。よっ
て、この相関関係を利用することにより、平均値Vyに
基づいてY座標が特定できるようになる。
【0058】以上から、一枚の導電性弾性体膜からなる
検出体を用いた実施の形態2のタッチパネルにおいて
も、電気抵抗値の変化を検出することでディスプレイ上
のポイント位置(二次元的座標位置)を特定できる。ま
た、このタッチパネルは、薄く透明であるので、ディス
プレイの視認性を損なうことがない。
【0059】(実施の形態3)図8に、実施の形態3の
タッチパネルの概要を説明するための平面模式図を示
す。図8に示すように、このタッチパネルは、画面中央
に強磁性を有する弾性体膜(一枚)からなる検出体30
が配置され、その周囲の3つの隅にそれぞれホール素子
31a,31b,31cが配置された構造である。ここで強
磁性とは、電子スピンによる磁気モーメントが平行に整
列し、外部磁場を与えなくとも大きな自発磁化を示す性
質をいう。なお、この実施の形態3は、検出体30に粒
子を含めた点で上記実施の形態2と相違する。
【0060】上記構造のタッチパネルの作製方法は、先
ずシリコーンゲル前駆体(前記と同様、東芝シリコーン
(株)のTSE3051を使用)に磁鉄鉱微粉末(平均
粒径0.1μm)を10質量%分散した溶液を作製し
た。次いでこの溶液をPETフィルム上に膜厚100μ
mでスクリーン印刷し、シリコーンゲル前駆体を加熱に
よって重合して一様な厚さの強磁性粒子を含む強磁性弾
性体膜を形成した。この強磁性弾性体膜が検出体30と
なる。
【0061】実施の形態3のタッチパネルの位置検出原
理について説明する。上記検出体30の配置されたタッ
チパネルの表面がポイントされ押圧力が加わると、前記
図6と同様にポイントされた部分の検出体30の膜厚が
薄くなり、強磁性粒子が周囲に拡散する。この結果、検
出体30の磁場に変化が生じるので、この磁場の変化を
基板1の3つの隅に配置したホール素子31a,31
b,31cで検出する。
【0062】ここで、磁気モーメントは距離の3乗に反
比例するので、各々の測定値Ba、Bb,Bcは次のよ
うに表される。ポイント位置(図8の×印)からの距離
をr1、r2、r3とし、定数をkとすると Ba=k/r13 Bb=k/r23 Bc=k/r33
【0063】一方、ポイント位置の座標を(x、y)と
し、横の辺の長さをX、縦の辺の長さをYとすると r12=x2+y2 r22=(X−x)2+y2 r32=x2+(Y−y)2 となるる。よってこれらの式から、座標(x、y)を求
めることができる。
【0064】なお、押圧力で強磁性粒子が拡散すること
による磁場の変化は小さい。よって、実施の形態3の方
式を大サイズのタッチパネルに適用すると、位置検出精
度が悪くなるが、対角5cm程度のサイズであれば、十
分に実用に耐え得る。
【0065】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明による
と、ディスプレイの表示品位を大きく低下させないタッ
チパネルを低コストでもって提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタッチパネルの概念図である。
【図2】本発明のタッチパネルの断面模式図である。
【図3】本発明のタッチパネルの平面模式図である。
【図4】本発明のタッチパネルの等価回路図である。
【図5】本発明のタッチパネルの他の態様を示す概念図
である。
【図6】図5に示したタッチパネルの断面模式図であ
る。
【図7】図5に示したタッチパネルの平面模式図であ
る。
【図8】図5に示したタッチパネルにおける位置検出原
理を説明する平面模式図である。
【図9】従来の抵抗膜方式タッチパネルの断面模式図で
ある。
【図10】従来の抵抗膜方式タッチパネルの位置検出原
理を説明するための平面模式図である
【符号の説明】
1 基板 2 検出体(線条導電性弾性体膜) 3 タッチパネル 4 ディスプレイ表面 5 粘着材 6 ペン 9a 入力側切り替えスイッチ 9b 検出側切り替えスイッチ 10 電源 11a 入力側電極 11b 検出側電極 12a 線条導電性弾性体膜 12b 線条導電性弾性体膜 13 凸部接触点 14 抵抗値検出部 20 導電性弾性体膜からなる検出体 22a〜d 電極 23a〜b 電位検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01H 11/00 H01H 11/00 C 13/00 13/00 B C D 13/52 13/52 E

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板面上に、導電性と弾性とを有する
    導電性弾性体膜からなる検出体が配置され、前記検出体
    に位置入力のための押圧力が加わると、押圧点近傍にお
    いて前記導電性弾性体膜の形状が変化するとともに、検
    出体の電気抵抗または電気容量の面内分布が変化し、前
    記押圧力がなくなると前記導電性弾性体膜の形状ととも
    に前記電気抵抗または電気容量の面内分布が元の状態に
    戻る構造である、ことを特徴とするタッチパネル。
  2. 【請求項2】 請求項1のタッチパネルにおいて、 前記基板面の一方の端部に入力側電極が設けられ、前記
    一方の端部に対向する他方端部には検出側電極が設けら
    れており、 前記検出体は複数の線条の導電性弾性体膜からなり、 当該複数の線条導電性弾性体膜は、前記一対の電極の間
    に前記一対の電極を繋ぐ方向に互いに接触しなようにし
    て行配列され、 更に、前記検出体が押圧されたとき、押圧点近傍の線条
    導電性弾性体膜が平面方向に拡張し隣合う線条導電性弾
    性体膜同士が接触することによる抵抗値の変化から、基
    板面上における押圧点の二次元的位置を特定する位置検
    出手段を備える、 ことを特徴とするタッチパネル。
  3. 【請求項3】 請求項1のタッチパネルにおいて、 前記基板面の一方の端部に入力側電極が設けられ、前記
    一方の端部に対向する他方端部には検出側電極が設けら
    れており、 前記検出体は複数の線条の導電性弾性体膜からなり、 当該複数の線条導電性弾性体膜は、前記一対の電極の間
    に互いに接触しなようにして行配列され、行配列された
    線条導電性弾性体膜の各々の一方端は前記検出側電極に
    電気接続され、行配列された線条導電性弾性体膜の他方
    端は一つおきで前記入力側電極に電気接続されており、 更に、前記検出体が押圧されたとき、押圧点近傍の線条
    導電性弾性体膜が平面方向に拡張し隣合う線条導電性弾
    性体膜同士が接触することによる抵抗値の変化から、基
    板面上における押圧点の二次元的位置を特定する位置検
    出手段を備える、 ことを特徴とするタッチパネル。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3のタッチパネルにおい
    て、 前記線条弾性体膜の少なくとも片側側面には、凸部が等
    間隔に形成されている、 ことを特徴とするタッチパネル。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のタッチパネルにおい
    て、 隣接する線条導電性弾性体膜同士の間隙には、線条導電
    性弾性体膜と略同一の屈折率を有する液状物質が充填さ
    れている、 ことを特徴とするタッチパネル。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のタッチパネルにおい
    て、 前記導電性弾性体膜は透明であり、ディスプレイ側基板
    と前記基板との間に、空気層を介在させないで密着され
    ている、ことを特徴とするタッチパネル。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のタッチパネルにおい
    て、 前記導電性弾性体膜は、膜成分として感光性樹脂を含
    む、 ことを特徴とするタッチパネル。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のタッチパネルにおい
    て、 前記導電性弾性体膜は、気泡または液滴を含む構造弾性
    体膜である、 ことを特徴とするタッチパネル。
  9. 【請求項9】 請求項8のタッチパネルにおいて、 前記液滴は、前記感光性樹脂と屈折率が略等しい、 ことを特徴とするタッチパネル。
  10. 【請求項10】 基板面上に、導電性と弾性とを有する
    導電性弾性体膜からなる検出体が配置され、前記検出体
    に位置入力のための押圧力が加わると、押圧点近傍にお
    いて前記導電性弾性体膜の形状が変化するとともに、検
    出体の電気抵抗または電気容量の面内分布が変化し、前
    記押圧力がなくなると前記導電性弾性体膜の形状ととも
    に前記電気抵抗または電気容量の面内分布が元の状態に
    戻る構造をしたタッチパネルの製造方法であって、 樹脂を溶媒に溶解した溶液に、導電性物質と、前記樹脂
    と屈折率の略等しい透明な液物質とを溶解または分散し
    た後、当該溶液を基板に塗布し乾燥することにより、前
    記液物質からなる微小液滴が前記樹脂中に分散含有され
    てなる導電性弾性体膜を形成する工程を少なくとも備え
    る、 ことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のタッチパネルの製
    造方法において、 前記樹脂が感光性樹脂であり、 前記導電性弾性体膜形成工程が、前記溶液を基板に塗布
    した後にフォトリソグラフィー法を用いて、行配列され
    た複数の線条導電性弾性体膜を基板上に形成する工程で
    ある、 ことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
  12. 【請求項12】 基板面上に、強磁性と弾性とを有する
    強磁性弾性体膜からなる検出体が配置され、前記検出体
    に位置入力のための押圧力が加わると、押圧点近傍にお
    いて前記強磁性弾性体膜の形状が変化するとともに検出
    体の磁場に変化が生じ、前記押圧力がなくなると前記前
    記強磁性弾性体膜の形状とともに前記磁場が元の状態に
    戻る構造である、 ことを特徴とするタッチパネル。
  13. 【請求項13】 請求項12のタッチパネルにおいて、 前記強磁性弾性体膜は、膜成分として感光性樹脂を含
    む、 ことを特徴とするタッチパネル。
  14. 【請求項14】 請求項12又は13のタッチパネルに
    おいて、 前記強磁性弾性体膜は、気泡または液滴を含む構造弾性
    体膜である、ことを特徴とするタッチパネル。
  15. 【請求項15】 請求項14のタッチパネルにおいて、 前記液滴は、前記感光性樹脂と屈折率が略等しい、 ことを特徴とするタッチパネル。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載のタッチパネルがディ
    スプレイ装置の視認側に配置されたタッチパネル付き表
    示装置。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載のタッチパネルがディ
    スプレイ装置の背面側に配置されたタッチパネル付き表
    示装置。
  18. 【請求項18】 請求項12に記載のタッチパネルがデ
    ィスプレイ装置の視認側に配置されたタッチパネル付き
    表示装置。
  19. 【請求項19】 請求項12に記載のタッチパネルがデ
    ィスプレイ装置の背面側に配置されたタッチパネル付き
    表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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