JP2004246321A - 光変調素子および当該光変調素子を有するシステム - Google Patents

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正浩 小▲崎▼
Akira Enohara
晃 榎原
Hiroyoshi Yajima
浩義 矢島
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】分岐した光導波路に逆位相の電位を形成でき、かつ小型化に適した光変調素子を提供する。
【解決手段】少なくとも一部が電気光学効果を有する材料から形成された光導波路2と、光導波路2の第1部分に第1変調電界を印加する第1共振型電極8aと、前記光導波路の第2部分に第2変調電界を印加する第2共振型電極8bとを備えた光変調素子であって、第1および第2共振型電極8a、8bに入力すべき変調信号を受け取り、変調信号を各共振型電極8a、8bに供給する電力分配回路12を更に備えている。電力分配回路12は、第1共振型電極8aに結合された第1線路5aと、第2共振型電極8bに結合された第2線路5bとを有している。電力分配回路12は、変調信号が第1共振型電極8aに達するタイミングよりも変調信号が第2共振型電極8bに達するタイミングを遅延させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、光通信システムや光信号処理システムを初めとした、光信号を扱う装置に用いられる光変調素子に関する。特に、光ファイバを用いた光情報通信のための光変調素子や、ファイバ無線システムなどの超高周波の変調信号で光変調を行うシステムに関する。
光信号を用いて通信や情報処理を行うシステムでは、電気信号(例えばマイクロ波やミリ波のような高周波信号)で光の位相や強度を変調することが必要である。このような光の変調方法には、直接変調と外部変調がある。
直接変調は、図1(a)に示すように、半導体レーザなどの光源を駆動する電流を直接変調することにより、光源から出力される光そのものの強度を変調する方式である。直接変調は、光源の外部に変調器を設ける必要がないため、システムの小型化に適しているが、数GHz以上の高周波になると、半導体レーザの持つチャーピングにより、伝送速度が制限される。
これに対し、外部変調は、図1(b)に示すように、半導体レーザなどの光源から出力された光(出力の安定した光)を光変調素子に入力し、光変調素子によって光の位相や強度を変調する。光の変調は、電気光学効果、音響光学効果、磁気光学効果、光線形光学効果などを用いて行うことが可能である。
上述のように、半導体レーザを直接的に変調する方法によっては、超高速光変調を達成することが困難であるため、高速動作の可能な外部変調型の素子開発が急がれている。外部変調型の素子の中でも、ポッケルス効果を有する誘電体結晶を用いた電気光学光変調素子は、超高速での動作が可能であり、また、変調に伴う位相の乱れも少ないという利点を有している。このため、電気光学光変調素子は、高速情報伝送や長距離光ファイバ通信などに非常に有効である。また、電気光学光変調素子を用いて光導波路構造を作製すれば、素子の小型化と効率化とを一挙に実現できる可能性がある。
一般に、電気光学光変調素子は、電気光学結晶上に変調電極として変調信号を伝搬させる伝送線路と、この伝送線路の近傍に形成された光導波路とによって構成されている。そして、変調電極の周辺に誘起される電界によって光導波路部分の屈折率を変化させ、それによって光導波路中を伝搬する光波の位相を変化させる。
電気光学光変調素子に用いられる通常の結晶では、電気光学係数が比較的小さい。電気光学係数は、光変調の基本となるパラメータである。従って、電気光学光変調素子では、電界を光導波路に効率良く印加することが重要となる。
図2は、電気光学光変調素子の基本構造を示す断面図である。電気光学効果を有する結晶(電気光学結晶)の基板表面領域に光導波路が形成されており、光導波路の上には変調用電極が形成されている。
電気光学結晶は光学的異方性を有しており、印加される電界の大きさに略比例して屈折率が変化する(ポッケルス効果)。このため、変調電極に与える電位Vを調節することにより、光導波路の屈折率nを変化させることができる。光導波路の屈折率変化量Δnは、電界強度Eと電気光学係数の積に比例する。光導波路の屈折率がΔnだけ変化すると、図2に示すように、出力光の位相がΔφだけ変化する。位相の変化量Δφは、一般に、電界強度Eと光導波路の長さLの積に比例する。
次に、図3および図4を参照しながら、従来の光変調素子を更に詳しく説明する。図3は、光変調素子の従来例を示すレイアウト図であり、図4は、図3の主要部の断面図である。このようなタイプの光変調素子は、例えば特許文献1に記載されている。
この光変調素子の基板1は、電気光学効果を有する材料から形成されており、その主面には、マッハツェンダ干渉計型の光導波路2が形成されている。光導波路2には、図3の右側から光が入力され、左方向に伝搬する。光導波路2は、途中で2つ分枝導波路2a、2bに分岐し、所定距離だけ並走した後、再び1つの導波路に結合している。2つの分枝導波路2a、2bの屈折率を別個独立に変化させることにより、分枝導波路2a、2bを伝搬する光に所望の位相差を与え、それによって光を干渉させることができる。干渉した光は、図3における光導波路2の左端部から出力される。
図3および図4に示す例では、光導波路2の屈折率を変化させるための変調電極がコプレナー伝送線路によって構成されている。このコプレナー伝送線路は、基板1上に形成されたストリップ電極15a、15bと、接地電極16a、16b、16cとによって形成されている。ストリップ電極15a、15bの電極端は、終端器に接続された進行波型電極として動作する。これらの電極は、アルミニウムなどの金属薄膜から形成されている。
ストリップ電極15a、15bは、それぞれ、分枝導波路2a、2bを部分的に覆っている。ストリップ電極15a、15bに変調信号(電圧信号)を供給すると、ストリップ電極15a、15bと接地電極16a、16b、16cとの間に強い電界が形成される。図4は、このときに形成される電界を模式的に示している。この電界により、電気光学効果を有する光導波路2の屈折率が変化し、光変調を実現することができる。
図4に示す例では、ストリップ電極15aに供給される変調信号の位相と、ストリップ電極15bに供給される変調信号の位相とが反転している(位相差が180°)。このため、ストリップ電極15aの真下に形成される電界の向きと、ストリップ電極15bの真下に形成される電界の方向とは正反対である。
図4に示されている電界は、ストリップ電極15aおよび15b上の電位(変調信号)に応じて変化する。このため、ストリップ電極15aおよび15bの真下に位置する分岐導波路2a、2bの屈折率も変調信号によって変化する。この結果、分岐導波路2a、2bを伝搬する光の位相関係が変化し、合成された光(干渉光)の振幅が変調される。
特開平3−188416号公報
図4に示すように、分岐導波路2a、2bに対して互いに上下逆方向の電界を印加するためには、ストリップ電極15aおよび15bに逆位相の信号を入力する必要がある。このような逆位相の信号は、光変調素子の外部に設けた駆動回路によって生成される。しかし、上記のような駆動回路を設けると、素子の小型化が困難になるという問題がある。
また、製造プロセス途中にプロセスパラメータが変動してストリップ線路の形状や導波路の屈折率などが設計値から変化してしまうことがある。このような場合、従来の光変調素子では、素子作製後に設計誤差の調整が不可能であるため、目標とする性能が得られず、製造歩留まりが低下するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外部駆動回路を設けることなく、変調効率を大幅に改善することができる光変調素子、および当該素子を有するシステムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、素子作製後における調整(後調整)を可能とし、歩留まりの高い光変調素子を提供することにある。
本発明の光変調素子は、少なくとも一部が電気光学効果を有する材料から形成された光導波路と、前記光導波路の第1部分に第1変調電界を印加する第1共振型電極と、前記光導波路の第2部分に第2変調電界を印加する第2共振型電極とを備えた光変調素子であって、前記第1および第2共振型電極に入力すべき変調信号を受け取り、前記変調信号を各共振型電極に供給する電力分配回路を更に備え、前記電力分配回路は、前記第1共振型電極に結合された第1線路と、前記第2共振型電極に結合された第2線路とを有しており、前記電力分配回路は、前記変調信号が前記第1共振型電極に達するタイミングよりも前記変調信号が前記第2共振型電極に達するタイミングを遅延させる。
好ましい実施形態において、前記電力分配回路の前記第2線路は、前記第1線路よりも長い。
好ましい実施形態において、前記第1線路の長さと前記第2線路の長さとの間の差は、前記光導波路における前記第1部分と前記第2部分との間を光が伝搬する時間に基づいて調節されている。
前記光導波路における前記第1部分を通って前記第2部分に光が伝搬するとき、前記第2線路を伝わる前記変調信号は、前記第1部分で前記光に与えた変調と同様の変調を前記第2部分において前記光に与えるように遅延して前記第2共振型電極に到達する。
好ましい実施形態において、前記第2線路は折れ曲がった形状を有している。
好ましい実施形態において、前記第2線路はS字条に折れ曲がった形状を有している。
本発明による他の光変調素子は、少なくとも一部が電気光学効果を有する材料から形成された光導波路と、前記光導波路の第1部分に第1変調電界を印加する第1共振型電極と、前記光導波路の第2部分に第2変調電界を印加する第2共振型電極と光変調素子であって、前記第1および第2共振型電極に入力すべき変調信号を受け取り、前記変調信号を各共振型電極に供給する電力分配回路と、前記電量分配回路に対して前記変調信号を入力するための中心導体を有する同軸コネクタと、前記同軸コネクタの前記中心導体を前記電力分配回路に接続する中間接続部材とを更に備え、前記電力分配回路は、前記第1共振型電極に結合された第1線路と、前記第2共振型電極に結合された第2線路とを有しており、前記光導波路における前記第1部分を通って前記第2部分まで光が伝搬する時間が、前記第1線路を前記変調信号が前記第1共振電極まで伝播する時間と、前記第2線路を前記変調信号が前記第2共振電極まで伝播する時間との差に相当する時間と一致するように、前記電力分配回路と前記中間接続部材との接続位置が調節されている。
好ましい実施形態において、前記第1線路および前記第2線路の各々が前記変調信号を受け取る位置は、前記電力分配回路と前記中間接続部材との接続位置によって規定されている。
好ましい実施形態において、前記光導波路において電気光学効果を有するドメインが部分的に反転している。
好ましい実施形態において、前記光導波路は、分岐された少なくとも2つの分枝導波路と、前記2つの分枝導波路を結合する光入力部と、前記2つの分枝導波路を結合する光出力部とを有しており、前記第1変調電界が印加される前記光導波路の第1部分と、第2変調電界が印加される前記光導波路の第2部分とは、いずれも、前記2つの分枝導波路に分かれており、前記第1共振型電極および第2共振型電極の各々は、前記光導波路の2つの分枝導波路の各々に対して極性の異なる電界を及ぼすように配置されている。
好ましい実施形態において、前記第1および第2共振型電極の各々は、マイクロストリップ結合線路構造を有し、各共振型電極の両端部で短絡されている。
好ましい実施形態において、前記光導波路は、電気光学効果を有する基板に形成されており、前記電流分配回路は、前記基板上に設けられている。
本発明のシステムは、上記いずれかの光変調素子と、前記光変調素子に光を入力する入力部と、前記光変調素子における前記電力分配回路に前記変調信号を供給する制御部とを備えている。
本発明によれば、共振型電極を複数有しているにもかかわらず、特別の外部駆動回路が不要になるため、変調効率を向上させながら光変調素子およびシステム全体を小型化することができる。
また、本発明の他の態様によれば、素子作製後の後調整が可能となるため、製造歩留まりの向上が可能となる。
以下、本発明による光変調素子の実施形態を説明する。
(実施形態1)
まず、図5および図6を参照しながら、本発明による光変調素子の第1の実施形態発を説明する。図5は、本実施形態の光変調素子を示す平面図であり、図6は、その要部断面図である。
本実施形態における光変調素子の基板1は、タンタル酸リチウム(LiTaO3)単結晶やニオブ酸リチウム(LiNbO3)単結晶などの電気光学効果を有する材料(電気光学結晶)から形成されている。基板1の主面には、マッハツェンダ干渉計型の光導波路2が形成されている。この光導波路2は、基板1の所定領域に対して例えば安息香酸を用いたプロトン交換処理を行うことによって作製される。なお、光導波路2は、電気光学効果を有しない基板上に堆積された電気光学効果を有する膜から形成されていても良い。
本実施形態における光導波路2は、図3に示すように、分岐部分9a、9bで分離した2つの分枝導波路2aおよび2bと、これらの分枝導波路2aおよび2bを1つに結合した入出力導波路とを有している。所定の長さを有する分枝導波路2aおよび分枝導波路2bの主要部は、基板1の表面において略平行に延びている。分岐した2つの分枝導波路2aおよび2bの屈折率をそれぞれ変化させることにより、分枝導波路2aおよび2bを伝搬する光に位相差を形成し、干渉を生じさせることができる。
図5に示す例では、光導波路2の分枝導波路2aおよび2bの屈折率を変化させるための変調電極として、2つの共振型構造を有する電極(共振型電極)8a、8bを基板1の光導波路2上に設けている。共振型電極8a、8bの各々は、図7に詳しく示すように、線路3aおよび線路3bを構成要素とする平行結合線路3と、線路3aおよび線路3bを両端で相互接続する接続線路部6とを有している。平行結合線路3および接続線路部6は、好ましくは、アルミニウムや金などの金属薄膜から形成される。この金属薄膜は、真空蒸着法やスパッタなどの法薄膜加工技術によって基板1上に堆積され、フォトリソグラフィおよびエッチングなどの公知の加工技術によって所定形状にパターニングされる。
各共振型電極の線路3aおよび線路3bは、それぞれ、図5および図6に示されるように、2つの分枝導波路2aおよび2bの上に配置されている。分枝導波路2aおよび2bの間の部分を「間隙部7」と称することとする。
共振型電極8a、8bは、基板1上の電力分配回路12を介して基板1上の入力線路5aに接続されている。入力線路5aには、共振型電極8a、8bで共振を引き起こすための入力信号が印加される。電力分配回路12は、入力線路5aを第1の共振型電極8aに接続する入力線路5bと、入力線路5aを第2の共振型電極8bに接続する入力線路5cとから構成されている。
上記の入力線路5a〜5cは、共振型電極8aおよび8bと同様の方法によって形成された金属膜から形成される。なお、基板1の裏面には、図4に示すように接地電極4が形成されている。接地電極4も、好ましくは、蒸着法などによって基板1の裏面に堆積された金属膜から形成される。
入力光は、図5に示す光導波路2の一方の端(図5における左側の端部)から入力され、第1の分岐部9aで2つの分枝導波路2a、2bに分かれる。分枝導波路2aおよび22bを伝搬した光は、第2の分岐部分9bで1つに重畳され、光導波路2の他の端(図5における右側の端)から出力光として出力される。
本実施形態では、光変調素子の外部から入力線路5aに与えられた電気信号(変調信号)により、共振型電極8a、8bの各々で共振が生じる。このような共振が生じると、共振型電極8a、8bの各々における線路3aと線路3bとの間に位置する間隙部7に、周期的に振動する電界が発生する。
上記振動電界の向きを示す代表的な電気力線は、図6に破線で示す形状を有している。このような共振が生じると、形成される電界の向きは周期的に反転し、電界の強度振幅は正弦波状に変化する。本実施形態では、共振型電極8a、8bの各々における平行結合線路3a、3bの下方に分枝導波路2a、2bが存在しているため、各分枝導波路2a、2bには、図6に示すように互いに上下逆方向の共振電界が形成される。
このため、基板1が例えばzカットのタンタル酸リチウム結晶から形成されている場合、分枝導波路2a、2bを通る光には互いに逆の位相変化が与えられる。適切なモードで共振を行うことにより、分枝導波路2a、2bを伝搬してきた光は、分岐部分9bで干渉し、出力光の強度が変化する。共振型電極8a、8bの間隙部7に共振電界を形成しているとき、分枝導波路2a、2bを伝搬してきた2つの光の位相が完全に相互反転させると、2つの光は打ち消しあうため、出力光の強度は略ゼロとなる。一方、共振型電極8a、8bの間隙部7に共振電界を形成しないとき、長さの等しい分枝導波路2a、2bを伝搬してきた2つの光の位相は略一致するため、出力光の強度は入力光の強度から少し減衰したレベルを示す。以上のように、共振電界を形成するか否かにより、入力光の強度を変調することができる。また、共振電界の形成は、入力線路5aに与える電気信号(変調信号)によって制御される。
次に、図7を参照しながら、線路3aと線路3bとの間の間隙部7に生じる電界の強度分布を説明する。図7の「間隙部の電界」は、間隙部7に生じる電界の強度を平行結合線路3上の長軸方向(光伝搬方向)における位置に応じて示したものである。図7からわかるように、間隙部7における電界強度は、平行結合線路3の中央部で最大値を示し、接続線路部6に近づくほど、小さくなる。図7の波形は、共振時における或る瞬間の電界強度分布を示しており、実際の間隙部7における電界の強度振幅は共振時には周期的に振動する。本実施形態では、図5に示すように、両端固定の定在波(1/2波長=各平行結合線路の長さ)が形成される。
次に、各共振型電極8a、8bの平行結合線路3における伝搬モードを説明する。
図8(a)および(b)は、それぞれ、偶対称モードおよび奇対称モードの2種類の伝搬モードを模式的に示している。
平行結合線路3には、通常、偶対称モードと奇対称モードの2種類の伝搬モードが存在する。奇対称モードでは、平行結合線路を構成する2本の線路の電圧が互いに反転することとなるため、間隙部に非常に大きな電界が誘起される。そのため、変調信号によって平行結合線路3に奇対称モードによる半波長共振を生じさせると、極めて高い効率の光変調が可能となる。
本実施形態では、平行結合線路3の両端が接続線路部6によって接続されているので、線路3aと線路3bの間に生じる電圧は、図7に示すように、線路の両端で0、中央で最大となる三角関数の分布を示す。そのため、線路3aと線路3bとの間の電圧の符号はどの部分でも同じである。したがって、光が平行結合線路3の下の導波路2の中を伝搬している間は常に位相変化が足し合わされ続けるので、高い変調効率が得られる。
本実施形態の光変調素子を動作させるためには、変調信号によって平行結合線路3に奇対称モードによる共振を効率よく起こさせる必要がある。このことは、入力線路5a、5bを入力インピーダンス整合のとれる位置に接続することにより、容易に実現することが可能である。
本実施形態では、2つの共振型電極8a、8bにより、光導波路2を伝搬する光を変調しているが、単に2つの共振型電極8a、8bを設けただけではなく、第1の共振型電極8aによる変調と第2の共振型電極8bによる変調との間でタイミングを合わせることにより、変調の効率を向上させている。
以下、上記の位相整合を行うために採用した設計を説明する。
まず、以下のように各種のパラメータを設定する。
(1) 入力光が第1の共振型電極8aの左端下方を通過し、第2の共振型電極8bの左端下方に到達するまでに要する時間:T0
(2) 入力線路5aへの入力された電気信号が第1の共振型電極8aに到達する時間:T1
(3) 入力線路5aへの入力された信号が第2の共振型電極8bに到達するまでの時間:T2
本実施形態では、T2−T1=T0の関係が略満足されるように光変調素子を設計している。上記の関係が満たされるとき、光導波路2を伝搬する入力光10の感じる共振型電極8aによる電界の位相と、共振型電極8bによる電界の位相が同期するため、干渉が効率的に生じる。
本実施形態では、上記の時間T2−T1と時間T0とを等しく設定するため、入力線路5bの長さ(L1)よりも、入力線路5cの長さ(L2)を適切な長さだけ大きくしている。電気信号が長さL1の入力線路5bを伝搬する時間をt1、長さL2の入力線路5cを伝搬する時間をt2とすると、t2−t1=T2−T1である。一方、時間T0は、第1の共振型電極8aと第2の共振型電極8bとの配置関係によって規定される。これらのパラメータを調節することにより、変調の位相を整させ、変調効率を高めることができる。
なお、本実施形態における各共振型電極8aおよび8bの各々に供給される変調電力は、共振型電極が1つの場合における変調電力の半分になる。しかし、各共振型電極に供給される変調電圧は1/√2倍になるだけであり、1/2倍に減少するわけではない。また、入力光に作用する共振型電極の長さが2倍になるため、変調器全体の変調効率は、共振型電極が1つの場合と比較して、√2倍に向上する。
次に、本実施形態の光変調素子の具体例について、電磁界シミュレーションによる解析を行った例を示す。この具体例では、基板1として、厚さ0.400mmのzカットタンタル酸リチウム結晶(比誘電率42)を用い、平行結合線路3の線路幅を0.05mm、間隙部の幅を0.02mmに設定した。
なお、入力線路5aの幅は、特性インピーダンスが50Ωとなるよう0.10mmとした。そして、電力分配回路12における線路(入力線路5a、5b)の幅は、特性インピーダンスが100Ωになるように、それぞれ、0.011mmに設定した。各線路の材料は、アルミニウムとし、線路を構成するアルミニウム膜の厚さは1μmに設定した。
平行結合線路3の長さと電力分配回路12との接続位置は、入力インピーダンスが整合するように設定した。具体的には、電磁界シミュレーターを用いて、奇対称モードが26HGzで共振し、かつその周波数で、入力線路に入力した信号の反射が最も少なくなるように決定した。
以上のことから、図9に示すように、平行結合線路3の長さは1.22mm、入力線路5b、5cの位置は共振型電極8a、8bの中央から0.23mmとした。
プロトン交換法によって形成されたタンタル酸リチウム基板の光導波路における入力光の群速度は、計算から1.36×108m/s、マイクロストリップ線路構造の分配回路中の入力信号の位相速度は6.5×107m/sと見積もられる。これより、2つの共振型電極の間隔を1.18mm、電力分配回路の入力部の中心からの距離を1.15mmとすることにより、入力光が2つの共振型電極の下を通過するときに感ずる電界が足しあわされ、変調効率が向上する。
図10は、上記構成を有する光変調素子における入力線路5a端での反射特性を示す。図10からわかるように、共振点で入力信号の反射はなくなり、ほとんど全ての信号電力が共振型電極に入力されている。なお、本実施形態では、両端を短絡した半波長共振器構造を有する電極構成を採用しているが、本発明における電極は、このような構成を有するものに限定されない。平行結合線路3の一方の端部のみに接続線路部6を設け、他方の端部を開放することによって形成した1/4波長共振器を用いても良い。
また、本実施形態の光変調素子は、2つの共振型電極を有しているが、本発明は、このような構成に限定されず、3つ以上の共振型電極を備えていてもよい。
上記実施形態では、入力線路5aの線幅に比べて入力線路5b、5cの線幅を小さくすることにより、入力線路5aに与えた変調信号が入力線路の分岐部分で反射されにくくしている。この分岐部分での反射は、入力インピーダンスの整合しないときに発生する。
ここで、入力線路5a、5b、および5cの特性インピーダンスを、それぞれ、Z1、Z3、およびZ3とすると、1/Z1=1/Z2+1/Z3の関係が成立するとき、入力インピーダンスが整合し、不要な反射を抑えることができる。
このような関係を満足する例としては、2Z1=Z2=Z3の関係が成立する場合がある。一般に、各種高周波機器が利用している特性インピーダンスは50Ωであるため、Z1を50Ωに設定する場合を考える。この場合、Z2およびZ3は、それぞれ、100Ωに等しい。前述したシミュレーションでは、このような特性インピーダンスが得られるように各入力線路5a〜5cの線幅を決定した。特性インピーダンスは、このように入力線路の線幅に依存するが、信号の周波数には依存しない。このため、広い周波数帯域でインピーダンス整合が実現される。
なお、上記のように入力線路5a〜5cの線幅を調節することによってインピーダンスを整合させる代わりに、図11に示すように、整合用スタブ17を入力線路の分岐部分に設けても良い。特性インピーダンスZ1〜Z3が相互に等しい場合でも、スタブ17の長さを調節することにより、インピーダンス整合を実現できる。スタブ17の最適な長さは、入力信号の周波数に依存して変化するが、本実施形態の光変調素子で使用する変調信号の周波数は、共振型電極8a、8bにおける平行結合線路3の共振周波数で固定されているため、この周波数に適合したスタブ17を形成しておけば問題ない。
(実施形態2)
次に、図12および図13を参照しながら、本発明による光変調素子の第2の実施形態を説明する。
図12は、本実施形態の光変調素子を示す平面図であり、図13は、図12の間隙部7に生じる電界強度を平行結合線路3上の縦方向の位置に対して模式的に示した図である。
図12に示すように、本実施形態の基本的な構成は、第1の実施形態の構成と同様であり、異なる点は、基板1にドメイン反転部分13が形成されていることにある。
ドメイン反転部分13は、基板1のうちドメイン反転すべき領域の表面および裏面の両方を覆う金属膜を形成し、それらの金属膜間に大きな電圧(例えば20kV/mm以上の電界を形成するような電圧)を印加することによって形成される。ドメイン反転部分13における電気光学定数の符号は、他の部分の電気光学係数の符号と正負が反転した関係にある。
本実施形態においても、入力光10は、光導波路2の一方の端から入力され、共振型電極8a、8bの下を通過した後、光導波路2の他方の端から出力光11として出力される。入力線路5aからの信号により、共振型電極8a、8bに奇対称モードによる共振が生じる。その結果、間隙部7に生じた電界によって光導波路2の屈折率が変化する。線路3aおよび線路3bの下を通る光導波路には、互いに逆方向の電界が形成されるため、両方の光導波路を通る光には互いに逆の位相変化が与えられる。そして、光導波路が再度接続される部分で干渉をし、出力光12の強度の変調されることになる。
本実施形態では、共振型電極の半分の領域の下方にドメイン反転部13を設けることにより、共振型電極の長さを第1実施形態における共振型電極の長さの2倍に設定している。このため、図13に示すように、共振型電極に高次の共振モードが励振される。
もしも、上記長さの共振型電極を採用しながら、ドメイン反転部13を用いなければ、光が平行結合線路3の下の導波路2を伝搬している間、伝搬の前半および前後で位相変化が相殺されてしまうため、高い変調効率が得られない。しかし、本実施形態では、図13に示すように、平行結合線路3の後半部分に配置されたドメイン反転部分では、電気光学効果が前半部分に対して逆になるため、実質的には、図13の点線で示される位相変化が得られ、大きな変調効率が得られる。
ただし、ドメイン反転部分13における点線の波形は、光の走行時間を無視した場合の理想的な形状であり、実際は光の速度が有限であるため、光の感じる電界強度は図13の点線で示されるものとは異なる。
また、ドメイン反転13のパターンについて、必ずしも広い面積をドメイン反転する必要はなく、光導波路2の必要な部分のみドメインを反転させることで十分である。
また、入力光が共振型電極8aの下を通過し、共振型電極8bに到達するまでに要する時間と、入力線路5aに入力された信号が電力分配回路12によって分岐され、共振型電極8bに到達するまでの時間を等しくすることにより、入力光が共振型電極8a、8bから感じる電界が同位相で足しあわされる。このため、共振電極が1つの場合と比較して、各共振電極8a、8bに供給される変調電力は半分になるが、各変調電極に供給される変調電圧は1/√2となるのみである。その結果、入力光に作用する電極長が2倍となるため、変調器全体の変調効率は、共振型電極が1つの場合と比較して、√2倍に向上する。
以上より、半波長共振を起こす共振型電極が1つの場合と比較し、ドメイン反転を行うことによって変調効率は2倍となり、変調器全体の変調効率は2√2倍に向上する。
なお、本実施形態では、両端短絡の半波長共振器による電極構成を採用しているが、本発明における電極は、このような構成を有するものに限定されない。ドメイン反転部分の形成は、3/4波長以上の共振器構造を持つ電極の場合に有効である。
また、本実施形態の光変調素子は、2つの共振型電極を有しているが、本発明は、このような構成に限定されず、3つ以上の共振型電極を備えていてもよい。
上記の実施形態では、電気光学効果を有する基板中に光導波路を形成しているが、本発明は、このような構成に限定されない。基板の表面領域に周囲よりも屈性率の高いコア部を形成し、コア部の上にクラッド部として電気光学効果を有する材料からなる膜を形成する構成を採用してもよい。この場合、コア部を伝搬する光の一部がクラッド部に染み出すため、クラッド部の屈性率を変化させることにより、コア部を伝播する光の位相を変調することができる。コア部は電気光学効果を有する材料から形成されている必要は無い。
また、上記実施形態における光導波路は、分岐された少なくとも2つの分枝導波路と、2つの分枝導波路を結合する光入力部と、2つの分枝導波路を結合する光出力部とを有するマッハツェンダ干渉計型の構成を有しているが、本発明の光変調素子は、このような構成を有する光強度変調素子に限定されない。本発明による光変調素子の光導波路が単一の導波路を有する場合であっても、伝搬する光の位相を効率的に変調することができる。この意味では、本発明の光変調素子は光の位相を変調する点に本質的な機能を有しており、位相の変調された光を干渉させることによって光強度をも変調させることが可能である。
(実施形態3)
次に、図15および図16を参照しながら、本発明による光変調素子の第3の実施形態を説明する。本実施形態の光変調素子では、光変調素子を作製する工程の後に位相調整(位相同期)を行うことができ、製造歩留まりを向上させることができる。
図15は、本実施形態の光変調素子を示す平面図である。図15に示すように、本実施形態の基本的な構成は、第1の実施形態の構成と同様であり、異なる点は電力分配回路12の入力線路5cがS字状に折れ曲がった形状を有していることにある。この電力分配回路12の折れ曲がった線路部分を線路蛇行部17と称することとする。
本実施形態においても、入力光は光導波路2の一方の端から入力され、共振型電極8a、8bの下を通過した後、光導波路2の他方の端から出力光として出力される。入力線路5aからの信号により、共振型電極8a、8bに奇対称モードによる共振が生じる。その結果、間隙部7に生じた電界によって光導波路2の屈折率が変化する。線路3aおよび線路3bの下を通る光導波路には、互いに逆方向の電界が形成されるため、両方の光導波路を通る光には互いに逆の位相変化が与えられる。そして、光導波路が再度接続される部分で干渉が生じ、出力光の強度が変調されることになる。
本実施形態の光変調素子では、製造プロセスのばらつきによって共振型電極8aによる電界の位相と共振型電極8bによる電界の位相がずれた場合においても、線路蛇行部17の長さの調整により、共振型電極8aによる電界の位相と、共振型電極8bによる電界の位相を同期させることが可能となる。
以下、図16を参照しながら、線路蛇行部17の長さ調整方法を説明する。
図16は、線路蛇行部17の一部が金線18などで短絡され、かつ、線路切除部19が除去された状態を示している。線路切除部分19は、当初、線路蛇行部17の一部を構成していた部分であり、カッターなどの機械的手段やレーザアブレーション法などによって除去された部分である。
上記の短絡・切除によって線路蛇行部17の形状を加工することにより、入力線路5cの長さを調節すれば、入力線路5cに入力された信号が第2の共振型電極8bに到達するまでの時間(実施形態1における「T2」)を短縮することができる。
また、金線18による短絡個所を調整することにより、T2の大きさを微調整することができるため、共振型電極8aによる電界の位相と、共振型電極8bによる電界の位相の同期が高い精度で可能となる。
本実施形態によれば、光変調素子の主要な工程を終えた後においても、比較的簡単な加工処理により、各共振型電極における電界の位相調整が可能となるため、製造歩留まりの向上が可能となる。また、位相調節のために特別の外部駆動回路を付加する必要もない。
なお、本実施形態の光変調素子は、S字型に曲がった線路蛇行部17を有しているが、本発明はこのような構成に限定されない。線路蛇行部17の形状は、三角波状やクランク状に折れ曲がったものであってもよい。
(実施形態4)
次に、図17および図18を参照しながら、本発明による光変調素子の第4の実施形態を説明する。
図17(a)は、本実施形態の光変調素子を示す平面面図であり、図17(b)は、そのA0−A1線断面図である。
本実施形態の基本的な構成は、第1の実施形態の構成と略同様であり、異なる点は、中間接続部材22を介して同軸コネクタ20の中心導体21を電力分配回路12に接続していることにある。
本実施形態の光変調素子は、図17(a)および(b)に示されるように、同軸コネクタ20が取り付けられた第1の基板固定用冶具23aと、基板1が固定された第2の基板固定用冶具23bとを備えており、同軸コネクタ20の中心導体を電力分配回路12に対して適切に配置するようにして、第1の基板固定用冶具23aを第2の基板固定用冶具23aに固定する。第1の基板固定用冶具23aは、例えばネジなどによって第2の基板固定用冶具23bに固定される。
同軸コネクタ20の中心導体21の先端部分には、中間接続部材22が取り付けられており、この中間接続部材22を介して、中心導体21は電力分配回路12を構成している線に接続される。このように本実施形態の光変調素子では、その電気信号入力部が同軸コネクタ20および中間接続部材22を有している。
本実施形態において、変調信号を生成する外部駆動回路(不図示)と光変調素子の同軸コネクタ20とは、例えば同軸ケーブルによって接続される。同軸ケーブルを伝搬してきた変調信号は、中間接続部材22を介して電力分配回路12に与えられる。
図18(a)は、基板1上の電力分配回路12と同軸コネクタ20の中心導体21との接続状態を示している。図18(b)は本実施形態の一部を拡大して示す斜視図である。
図18(b)に示されるように、中間接続部材22は、同軸コネクタ20における中心導体21の外周と接するように曲げられた部分を有する第1接続部25と、入力線路12に接触する平面状部分を有する第2接続部26とを備えている。
第1接続部25と第2接続部26とを連結する部分は、弾性部材から形成されていることが好ましい。このような弾性部材を用いることにより、第2接続部材26を第1接続部25に対して下方に付勢することができる。このため、図18(a)に示すように、第2接続部26の底面が電力分配回路12を構成する線路の上面を押圧し、第2接続部26と電力分配回路12との間の電気的接触が確保しやすくなる。このような構成を採用すると、中間接続部22と電力分配回路12との間に導電性の接着剤を塗布する必要がなく、接続が容易になる。なお、第1接続部25と第2接続部26とは、一枚の板状導電体から形成されることが好ましい。
本実施形態においても、入力光は光導波路2の一方の端から入力され、共振型電極8a、8bの下を通過した後、光導波路2の他方の端から出力光として出力される。入力線路5aからの信号により、共振型電極8a、8bに奇対称モードによる共振が生じる。その結果、間隙部7に生じた電界によって光導波路2の屈折率が変化する。線路3aおよび線路3bの下を通る光導波路には、互いに逆方向の電界が形成されるため、両方の光導波路を通る光には互いに逆の位相変化が与えられる。そして、光導波路が再度接続される部分で干渉をし、出力光の強度が変調されることになる。
本実施形態の光変調素子では、素子作製時における製造プロセスのばらつきなどに起因して共振型電極8aによる電界の位相と共振型電極8bによる電界の位相がずれた場合でも、電力分配回路12と中間接続部材22の接続位置を線路方向に沿って移動させることが容易である。具体的には、図17(a)に示される第1の基板固定用冶具23aを基板1に対して水平横方向にスライドさせればよい。図17(b)に示される第2の基板固定用冶具23aと第1の基板固定用冶具23aとの固定は、例えばネジなどによって行なわれるため、ネジを緩めれば、第2の基板固定用冶具23aを第1の基板固定用冶具23aに対してスライドさせることは容易である。
こうして、中間接続部材22と電力分配回路12との接続位置を線路方向(光伝搬方向に平行)に調節することにより、電力分配回路12における第1線路5bおよび第2線路5cの各長さを容易に変化させることができる。そのため、入力信号が第2の共振型電極8aに到達するまでの時間(実施形態1におけるT1)と、入力された信号が第2の共振型電極8bに到達するまでの時間(実施形態1におけるT2)とを、連続的に変化させることが可能となる。したがって、共振型電極8aによる電界の位相と共振型電極8bによる電界の位相を同期させることが容易に行えので、光変調素子の主要工程が完了した後でも、共振型電極8a、8bにおける電界の位相を高い精度で調整することが可能になる。
また、本実施形態によれば、実施形態1における第1線路5aに相当する部分が不要になるため、その部分における電力損失を回避し、変調効率を改善する効果も得られる。
(実施形態5)
次に、図14を参照しながら、本発明によるファイバ無線システムの実施形態を説明する。
本実施形態のファイバ無線システム50は、上記いずれかの実施形態に係る光変調素子を内蔵した光変復調器51を有している。アンテナ53により、例えばミリ波の搬送波を用いて、インターネットなどのデータ通信網や携帯端末との通信、あるいはCATVからの信号の受信などを行うことができる。
光変複長器51は、本発明による光変調素子とともに、不図示の光復調素子を有している。この光復調素子は、受信した変調光を電気信号に復調する変換器であり、例えばフォトダイオードから形成されている。
ミリ波などの周波数の高い無線信号は長距離の伝送には向いていないため、データ通信網61、CATV62、携帯電話システム63との通信は、無線装置60を介して行ってもよい。この場合は、ファイバ無線通信システム50と光ファイバ70を介して接続される光変復調器55と、光変復調器55に接続されたアンテナ54とにより、無線装置60のアンテナ64との間で信号の送受信を行うことができる。光変復調55は、光ファイバ70を介してファイバ無線システム50に接続されているため、光変復調55は、ファイバ無線システム50から離れた位置に置かれていても問題ない。
本実施形態によれば、光変復調器51、55が本発明の光変調素子を備えているため、外部駆動回路を用いることなく変調効率が向上するため、システム全体の小型化が可能になる。
本発明による光変調素子は、外部駆動回路を設けることなく、変調効率を大幅に改善することができるため、小型の光変調素子として高速光通信システムなどに好適に用いられ得る。まだ、製造歩留まりが高くなるため、低コストでの量産化が可能になる。
(a)は、光の直接変調を説明するための図で、(b)は光の外部変調を説明するための図である。 電気光学効果を利用した光の外部変調の動作原理を示す断面図である。 従来の光変調素子を示す平面図である。 図3の要部断面図である。 本発明による光変調素子の第1の実施形態を示す平面図である。 図5の主要部断面図である。 第1の実施形態における平行結合線路3と、間隙部7に形成される電界とを模式的に示す図である。 (a)および(b)は、それぞれ、共振型電極における偶対称モードおよび奇対称モードの2種類の伝搬モードを示す断面図である。 第1の実施形態の光変調素子における電極の設計パラメータを示す平面レイアウト図である。 図9の光変調素子について行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。 第1の実施形態における電極構造の改良例を示す平面レイアウト図である。 本発明による光変調素子の第2の実施形態を示す平面図である。 第2の実施形態における平行結合線路3と、間隙部7に形成される電界とを模式的に示す図である。 本発明によるシステムの実施形態の構成を示す図である。 本発明による光変調素子の第3の実施形態を示す平面図である。 第3の実施形態における線路長の調整方法を示した図である。 (a)は、本発明による光変調素子の第4の実施形態を示す平面図であり、(b)は(a)のA0−A1線断面図である。 (a)は、第4の実施形態における光変調素子の斜視図であり、(b)は同軸コネクタ20の中心導体21と中間接続部材22との接続を示す斜視図である。
符号の説明
1 基板
2 光導波路
2a、2b 分枝導波路
3 平行結合線路
3a、3b 線路
4 接地電極
5a、5b、5c 入力線路
6 接続線路部
7 間隙部
8b、8b 共振型電極
9a、9b 光導波路の分岐部分
12 電力分配回路
13 ドメイン反転部分
14 電界の方向
15a、15b ストリップ電極
16a、16b、16c 表面接地電極
17 線路蛇行部
18 金線
19 線路切除部
20 同軸コネクタ
21 同軸コネクタの中心導体
22 中間接続部材
23a、23b 基板固定用冶具
24a、24b 光導波路の分岐部分
25 同軸コネクタ中心導体との接続部(第1接続部)
26 共振型電極との接続部(第2接続部)

Claims (13)

  1. 少なくとも一部が電気光学効果を有する材料から形成された光導波路と、前記光導波路の第1部分に第1変調電界を印加する第1共振型電極と、前記光導波路の第2部分に第2変調電界を印加する第2共振型電極とを備えた光変調素子であって、
    前記第1および第2共振型電極に入力すべき変調信号を受け取り、前記変調信号を各共振型電極に供給する電力分配回路を更に備え、
    前記電力分配回路は、
    前記第1共振型電極に結合された第1線路と、
    前記第2共振型電極に結合された第2線路とを有しており、
    前記電力分配回路は、前記変調信号が前記第1共振型電極に達するタイミングよりも前記変調信号が前記第2共振型電極に達するタイミングを遅延させる、光変調素子。
  2. 前記電力分配回路の前記第2線路は、前記第1線路よりも長い、請求項1に記載の光変調素子。
  3. 前記第1線路の長さと前記第2線路の長さとの間の差は、前記光導波路における前記第1部分と前記第2部分との間を光が伝搬する時間に基づいて調節されている請求項2に記載の光変調素子。
  4. 前記光導波路における前記第1部分を通って前記第2部分まで光が伝搬する時間が、前記第1線路を前記変調信号が前記第1共振電極まで伝播する時間と、前記第2線路を前記変調信号が前記第2共振電極まで伝播する時間との差に相当する時間と一致する請求項1から3のいずれかに記載の光変調素子。
  5. 前記第2線路が折れ曲がった形状を有している請求項1から4のいずれかに記載の光変調素子。
  6. 前記第2線路はS字条に折れ曲がった形状を有している請求項5記載の光変調素子。
  7. 少なくとも一部が電気光学効果を有する材料から形成された光導波路と、前記光導波路の第1部分に第1変調電界を印加する第1共振型電極と、前記光導波路の第2部分に第2変調電界を印加する第2共振型電極と光変調素子であって、
    前記第1および第2共振型電極に入力すべき変調信号を受け取り、前記変調信号を各共振型電極に供給する電力分配回路と、
    前記電力分配回路に対して前記変調信号を入力するための中心導体を有する同軸コネクタと、
    前記同軸コネクタの前記中心導体を前記電力分配回路に接続する中間接続部材とを更に備え、
    前記電力分配回路は、
    前記第1共振型電極に結合された第1線路と、
    前記第2共振型電極に結合された第2線路とを有しており、
    前記光導波路における前記第1部分を通って前記第2部分まで光が伝搬する時間が、前記第1線路を前記変調信号が前記第1共振電極まで伝播する時間と、前記第2線路を前記変調信号が前記第2共振電極まで伝播する時間との差に相当する時間と一致するように、前記電力分配回路と前記中間接続部材との接続位置が調節されている、光変調素子。
  8. 前記第1線路および前記第2線路の各々が前記変調信号を受け取る位置は、前記電力分配回路と前記中間接続部材との接続位置によって規定される、請求項7に記載の光変調素子。
  9. 前記光導波路において電気光学効果を有するドメインが部分的に反転している請求項1から8のいずれかに記載の光変調素子。
  10. 前記光導波路は、分岐された少なくとも2つの分枝導波路と、前記2つの分枝導波路を結合する光入力部と、前記2つの分枝導波路を結合する光出力部とを有しており、前記第1変調電界が印加される前記光導波路の第1部分と、第2変調電界が印加される前記光導波路の第2部分とは、いずれも、前記2つの分枝導波路に分かれており、前記第1共振型電極および第2共振型電極の各々は、前記光導波路の2つの分枝導波路の各々に対して極性の異なる電界を及ぼすように配置されている請求項1から9のいずれかに記載の光変調素子。
  11. 前記第1および第2共振型電極の各々は、マイクロストリップ結合線路構造を有し、各共振型電極の両端部で短絡されている請求項1から10のいずれかに記載の光変調素子。
  12. 前記光導波路は、電気光学効果を有する基板に形成されており、前記電流分配回路は、前記基板上に設けられている、請求項1から11のいずれかに記載の光変調素子。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載された光変調素子と、前記光変調素子に光を入力する入力部と、前記光変調素子における前記電力分配回路に前記変調信号を供給する制御部と、を備えたシステム。
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