JP2004334098A - 光変調システム - Google Patents

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Hiroyoshi Yajima
浩義 矢島
Masahiro Kosaki
正浩 小▲さき▼
Akira Enohara
晃 榎原
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】マイクロストリップ伝送線路を用いた光変調器と、前記光変調器に変調信号を入力する高周波同軸線路との接続において、信号線と接地線との、距離を概略一定に保ち、よってインピーダンスの不一致を低減することで効率の良い変調信号を入力可能にすること。
【解決手段】本発明の光変調システムは、電気光学効果を有する基板1と、前記基板上に形成された光導波路2と、前記基板表面に形成され前記光導波路に電界を印加する電界印加電極13と、前記基板の裏面に形成された接地電極4を有する光変調器と、前記光変調器を固定する保持筐体3と、前記電界印加電極と接続される高周波コネクタ6と、前記高周波コネクタを固定するコネクタ筐体5と、前記保持筐体3と前記コネクタ筐体5との接触面に介在する導電体7を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムや光信号処理システムを初めとした、光信号を扱うシステムに用いられる光変調器に関する。特に、光ファイバを用いた光情報通信のための光変調器や、ファイバ無線システムなどの超高周波の変調信号で光変調を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
光信号を用いて通信や情報処理を行うシステムでは、電気信号(例えばマイクロ波やミリ波のような高周波信号)で光の位相や強度を変調することが必要である。このような光の変調方法には、直接変調と外部変調がある。
【0003】
直接変調は、図5(a)に示すように、半導体レーザなどの光源を駆動する電流を直接変調することにより、光源から出力される光そのものの強度を変調する方式である。直接変調は、光源の外部に変調器を設ける必要がないため、システムの小型化に適しているが、数GHz以上の高周波になると、半導体レーザの持つチャーピングにより、伝送速度が制限される。
【0004】
これに対し、外部変調は、図5(b)に示すように、半導体レーザなどの光源から出力された光(出力の安定した光)を光変調器に入力し、光変調器によって光の位相や強度を変調する。光の変調は、電気光学効果、音響光学効果、磁気光学効果等を用いて行うことが可能である。
【0005】
上述のように、半導体レーザを直接的に変調する方法によっては、超高速光変調を達成することが困難であるため、高速動作の可能な外部変調型の素子開発が急がれている。外部変調型の素子の中でも、ポッケルス効果を有する誘電体結晶を用いた電気光学光変調器は、超高速での動作が可能であり、また、変調に伴う位相の乱れも少ないという利点を有している。このため、この電気光学光変調器は、高速情報伝送や長距離光ファイバ通信などに非常に有効である。また、電気光学光変調器を用いて光導波路構造を作製すれば、素子の小型化と効率化とを一挙に実現できる可能性がある。
【0006】
一般に、電気光学光変調器は、電気光学結晶上に変調電極(信号電極)として変調信号を伝搬させる伝送線路と、この伝送線路の近傍に形成された光導波路とによって構成されている。そして、変調電極の周辺に誘起される電界によって光導波路部分の屈折率を変化させ、それによって光導波路中を伝搬する光波の位相を変化させる。
【0007】
電気光学光変調器に用いられる通常の結晶では、電気光学係数が比較的小さい。電気光学係数は、光変調の基本となるパラメータである。従って、電気光学光変調器では、電界を光導波路に効率良く印加することが重要となる。
【0008】
図6は、電気光学光変調器の基本構造を示す断面図である。電気光学効果を有する結晶(電気光学結晶)の基板表面領域に光導波路が形成されており、光導波路の上には変調用電極が形成されている。
【0009】
電気光学結晶は光学的異方性を有しており、印加される電界の大きさに略比例して屈折率が変化する(ポッケルス効果)。このため、変調電極に与える電位Vを調節することにより、光導波路の屈折率nを変化させることができる。光導波路の屈折率変化量Δnは、光導波路に印加される電位Eに比例する。光導波路の屈折率がΔnだけ変化すると、図6に示すように、出力光の位相がΔφだけ変化する。位相の変化量Δφは、一般に、電界強度Eと光導波路の長さLの積に比例する。
【0010】
変調電極に入力された変調信号の、電気光学結晶上の変調電極上での伝播について、図7を用いて説明する。
【0011】
従来の光変調器が、特許文献1に示されている。図7は従来の光変調器を示す概略図である。図7(a)は基板の平面図、図7(b)は光変調器全体の斜視図である。この導波路型光デバイス200は、いわゆるマッハツェンダー型の変調器である。基板202はニオブ酸リチウム等の電気光学単結晶からなっている。基板202の主面には、例えばチタン拡散光導波路212が形成されている。この光導波路212は、入力側の端面202cと出力側の端面202dとの間に延びており、基板202の中央付近で光導波路214と216とに分岐している。また、基板202の主面に、特定形状の接地電極218、220と、信号電極222とが設けられている。224、226は、各接地電極218、220と接地電極222とを絶縁している絶縁領域である。この変調器においては、いわゆるコプレナーウエーブガイド型(CPW)の形態を有する接地電極および信号電極を使用している。
【0012】
こうした光変調器は、適切な筺体に対して機械的に固定し、電気的に接続する必要がある。228は筺体の壁であり、筺体228の対向面228aに基板202の一方の端面202aが所定間隔を置いて対向している。202bは他方の端面である。この対向面228aと端面202aとの間隔は、通常0.05mm〜0.1mmである。筐体228の壁のうち対向面228a側の表面は好ましくは金メッキされており、グランドとして機能するように構成されている。外側の接地電極218の端面202a側が金属箔234によって対向面228aに対して電気的に接続されており、内側の接地電極220の端面202a側の端部が金属箔236によって対向面228aに対して電気的に接続されている。
【0013】
この変調器200を動作させる際には、図示しない信号発生器からのマイクロ波信号電圧を高周波コネクタ238を介して信号電極222に印加し、図示しない終端抵抗によって終端処理する。具体的には、信号発生器からの信号を同軸ケーブルによって取り出し、基板接続用導体232を介して信号電極222に印加する。このマイクロ波信号電圧によって、信号電極222と接地電極218、220との間に電界が発生する。基板202は電気光学効果を有しているので、信号電極と接地電極との間の電界によって、光導波路214と216との間に屈折率の差が発生し、この結果、光導波路214と216とをそれぞれ伝搬する光波の位相にずれが発生する。この位相差が2mπラジアン(mは整数)になった場合には、光導波路103の合波部で導波モードが励起され、光出力が「ON」状態になる。一方、光導波路214と216とをそれぞれ伝搬する光波の位相差が(2m−1)πラジアンになった場合には、光導波路212の合波部で高次モードが励起され、光出力が「OFF」状態になる。
【0014】
こうした光変調器においては、コプレナーウエーブガイド型の信号電極222および接地電極218、220を、変調用のマイクロ波信号電圧を供給するための変調電極として構成している。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−123472号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マイクロストリップ伝送線路を変調電極として用いた場合、伝送線路の形状が先のコプレーナ伝送線路と大きく異なる。図8(a)はコプレーナ伝送線路の断面図であり、図8(b)はマイクロストリップ伝送線路の断面図である。
【0017】
コプレーナ伝送線路においては変調信号が伝播する信号電極と接地電極が、基板の同一面にあり、図示しない変調信号を入力する高周波同軸線路と各々同一面内で接続される。他方マイクロストリップ伝送線路では、変調信号が伝播する信号電極のある面と対向する裏面に接地電極がある。各々の伝送線路での電極間に発生する電界は図8のように大きく異なる。
【0018】
コプレーナ伝送線路では、信号電極と接地電極が同一面上にあるため高周波同軸線路との接続は容易であるが、マイクロストリップ伝送線路では、両面との接続を行わなければならない。また、本発明者らはマイクロストリップ伝送線路で高周波の変調信号を伝播させる際に、高周波同軸線路と信号電極、設置電極間の伝播距離が異なると、インピーダンスの不一致が発生し、効率の良い変調信号の入力が行われないことを見出した。
【0019】
本発明は、マイクロストリップ伝送線路を用いた光変調器において、変調信号を入力する高周波同軸線路と信号電極、接地電極の接続に関し、両電極間での伝播距離の差を低減し、よってインピーダンスの不一致を低減することで効率の良い変調信号を入力可能にすることを目的とする。
【0020】
さらに、強誘電体であり焦電効果を有する電気光学結晶基板を光変調器に用いる際、変調信号電力の入力ならびに外部環境温度の変化により基板温度の変化で発生する表面電荷の除去を行うことを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の光変調システムは、電気光学効果を有する基板と、前記基板上に形成された光導波路と、前記基板表面に形成され前記光導波路に電界を印加する電界印加電極と、前記基板の裏面に形成された接地電極を有する光変調器と、
前記光変調器を固定する保持筐体と、
前記電界印加電極と接続される高周波コネクタと、
前記高周波コネクタを固定するコネクタ筐体と、
前記保持筐体と前記コネクタ筐体との接触面に介在する導電体とを有するものである。
【0022】
あるいは、電気光学効果を有する基板と、前記基板上に形成された光導波路と、前記基板表面に形成され前記光導波路に電界を印加する電界印加電極と、前記基板の裏面に形成された接地電極を有する光変調器と、
前記光変調器を固定する保持筐体と、
前記電界印加電極と接続される高周波コネクタと、
前記高周波コネクタを固定するコネクタ筐体と、
前記接地電極と前記保持筐体との接触面に介在する導電体とを有するものである。
【0023】
好ましくは、前記導電体は、前記接触面の一部にのみ介在し、前記高周波コネクタの接地部分近傍、あるいは前記電界印加電極直下の前記接地電極近傍にのみ介在するようにしたものである。
【0024】
さらに、前記電界印加電極を含まない前記基板表面上に、少なくとも1箇所以上で接地電位と等電位である導体を接触させるようにしたものである。
【0025】
好ましくは、前記光導波路は、2つの分枝導波路に分岐する光入力部と、前記2つの分枝導波路を結合する光出力部とを有しており、前記光導波路のうち、前記電界が印加される部分は、前記2つの分枝導波路の各々であり、前記電界印加電極は、前記光導波路の2つの分枝導波路の各々に対して極性の異なる電界を及ぼすように配置するようにしたものである。
【0026】
好ましくは、前記電界印加電極は、第1導体線路と第2導体線路とを有する共振型電極としたものである。
【0027】
好ましくは、前記第1および第2導体線路は、両端部が短絡された平行結合線路であるとしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光変調システムについて、図面を用いて説明する。なお、便宜上、異なる図面において同じ記号を用いて説明している場合があるが、必ずしも完全に同一のものを示しているわけではない。
【0029】
(実施形態1)
図1に実施形態1の光変調システムの構成を例示する。図1において、(a)は上面図、(b)は(a)のA0−A1断面図、(c)はB0−B1断面図である。
【0030】
本実施形態の光変調システムは、光変調器100と、光変調器100を固定する保持筐体3と、高周波コネクタ6と、高周波コネクタ6を固定するコネクタ筐体5と、保持筐体3とコネクタ筐体5との接触面に介在する導電体7を有する。
【0031】
本実施形態において、光変調器100は、基板1と、基板1の表面に形成された光導波路2及び平行結合線路13と、基板1の裏面に形成された接地電極4とを有する。
【0032】
光変調器100の基板1は、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶やニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶などの電気光学効果を有する材料(電気光学結晶)から形成されている。基板1の表面には、マッハツェンダ干渉計型の光導波路2が形成されている。光導波路2は、基板1の所定領域に対して例えば安息香酸を用いたプロトン交換処理を行うことによって作製される。
【0033】
本実施形態における光導波路2は、図1(a)に示すように、分岐部分10a、10bにおいて分離した2つの分枝導波路2aおよび2bを有している。所定の長さを有する分枝導波路2aおよび分枝導波路2bの主要部は、基板1の表面において略平行に延びている。分岐した2つの分枝導波路2aおよび2bの屈折率をそれぞれ変化させることにより、分枝導波路2aおよび2bを伝搬する光に位相差を形成し、干渉を生じさせることができる。
【0034】
本実施形態では、光導波路2の分枝導波路2aおよび2bの屈折率を変化させるための変調電極(信号電極又は電界印加電極とも言う。)として、図1(a)に示すように、共振型構造を有する平行結合線路13を基板1の光導波路2上に設けている。平行結合線路13は、2つの線路13a、13bと、線路13a、13bの両端を結合する接続線路部13cとを有している。2つの線路13a、13bは、2つの分枝導波路2aおよび2bの上に配置されている。
【0035】
平行結合線路13に共振を起こさせるための変調信号を印加する入力線路14が、平行結合線路13に、接続されている。入力線路14は、基板1の上面に形成されている。一方、基板1の裏面には、接地電極4が形成されている。平行結合線路13および入力線路14は、誘電体の基板1を挟んで接地電極4に対向しており、マイクロストリップ伝送線路を構成している。
【0036】
平行結合線路13や入力線路14は、金属薄膜から形成されるのが良い。この金属として、好ましくは、アルミニウムや金などが良い。この金属薄膜は、真空蒸着法やスパッタ法などの薄膜加工技術によって基板1の表面に堆積され、フォトリソグラフィおよびエッチングなどの公知の加工技術によって所定形状にパターニングされる。接地電極4は、クロム、ニッケル、パラジウム、アルミニウムなどの単層または複数層の膜から形成されている。接地電極4は、蒸着法やメッキ法によって基板1の裏面全体に形成されることが好ましい。
【0037】
光変調器100は保持筐体3に固定される。保持筐体3は、高周波コネクタ6を具備するコネクタ筐体5と接続固定される。高周波コネクタ6は円柱状であり、中心に変調信号が乗せられる中心導体6aと、接地状態である外周導体6cと、中心導体6aと外周導体6c間を絶縁する封入樹脂6bとを有する。外周導体6cとコネクタ筐体5は同電位で接地状態となっている。高周波コネクタ6の中心導体6aが光変調器100の入力線路14と接続するように保持筐体3とコネクタ筐体5が固定される。
【0038】
保持筐体3とコネクタ筐体5の構成材料としては、金属が良く、望ましくは真鍮が良い。より望ましくは、真鍮の酸化を抑制するため、外部を金メッキされている真鍮が良い。
【0039】
保持筐体3とコネクタ筐体5の接触面において、接地状態を改善することが重要である。本実施形態においては、この接触面に側面導電体7が介在するようになっている。側面導電体7は、箔状やペースト状等の容易に変形可能な金属である。厚さは、0.01mm以上、0.1mm以下が適当である。適切な例としては、インジウムシートである。
【0040】
基板1裏面の接地電極4は保持筐体3と接触して、電気的に接続する。本実施形態においては、接触状態を改善するために、接触面に、底面導電体8を介在させる。底面導電体8は、例えば金属箔や金属ペースト、あるいは容易に変形可能な金属体である。望ましい例としては、銀ペーストである。
【0041】
前述のように、マイクロストリップ伝送線路を用いる場合、表面の信号電極と裏面の接地電極間で電磁界を形成して信号が伝搬する。伝播性能すなわち透過・反射は電極構成に依存する。線路としては反射することなく透過することが望ましいが、これをインピーダンスという形式で表現し、接続される線路間でインピーダンスの不一致があるとこの部分で信号の反射が発生する。通常の高周波コネクタは50Ωであるので、マイクロストリップ線路として50Ωとなるように設計する。マイクロストリップ伝送線路のインピーダンスは、信号電極と接地電極間の誘電体である基板の誘電率と厚さ、各電極の材質とその厚さと、信号電極幅とによって決定される。
【0042】
従来の側面導電体8がない場合のコネクタ筐体5と保持筐体3間の接地接続は、両者の接触面となるが、両者の接触面が平坦であっても微視的には表面の凹凸があるため接触は微小点間となる。さらに両者の平面度に差がある場合には接触は一部の面でかつ微小点での接触となる。すなわち、高周波コネクタ6から入力線路14への信号線路と、コネクタ筐体5から保持筐体3への接地線路の距離が最短に保たれない。このため線路間のインピーダンス不一致が発生し、信号の反射が起こり、変調電極への効率的な信号の入力が出来ない。
【0043】
また、これと同様な現象が、光変調器100の裏面の接地電極4と保持筐体3間でも発生する。従来の底面導電体8がない場合には、接地電極4と保持筐体3間の接地接続は、両者の接触面となる。両者の接触面が平坦であっても微視的には表面の凹凸があるため接触は微小点間となる。さらに両者の平面度に差がある場合には接触は一部でかつ微小点での接触となる。このため、接地電極4と保持筐体3間の接地線路は、高周波コネクタ6の線路と入力線路14間で最短距離ではないこととなる。このため線路間のインピーダンス不一致が発生し、信号の反射が起こり、変調電極への効率的な信号の入力が出来ない。
【0044】
本実施形態においては、接地接触面に、接地面の凹凸や平行度を補償する形で側面導電体7と底面導電体8が作用する。
【0045】
さらに、望ましい光変調システムにおいては、基板1主面と保持筐体3間が主面導電体9によって接続されている。主面導電体9が配置されるのは、基板1主面の光導波路2ならびに各線路がない部分である。主面導電体9は、例えば金属箔や金属板、あるいは容易に変形可能な金属体であり、望ましくはバネ性のある厚さ0.05mm以上0.2mm以下のリン青銅からなる金属板や絶縁体内に一部露出するように埋設された直径0.1mm以上から1mm以下のインジウム棒である。
【0046】
基板1が電気光学効果をもつ強誘電体材料、すなわちニオブ酸タンタルやニオブ酸リチウムなどである場合、強誘電体の焦電効果により接地電極のない基板1表面に電荷が発生する。これは、マイクロストリップラインの伝送損失による発熱、変調信号電力の基板1での消費発熱、光変調器環境温度変化などによって発生する。この表面電荷は信号電極下での不要電界の発生や、接地電位との短絡現象による基板破壊や、マッハツェンダ光導波路の初期状態変化を誘起する。
【0047】
本実施形態においては、主面導電帯9によってあらかじめ保持筐体3と基板1表面が接地短絡されているので表面電荷の発生が抑制でき、さらに基板1の保持筐体3への仮止めや固定手段としても利用できる。
【0048】
(光変調システムの動作説明)
以下、上記構成を有する光変調器の動作を説明する。
【0049】
変調対象となる光は、光導波路2の一方の端から入力され、第1分岐部10aで2つの分枝導波路2a、2bに分かれる。分枝導波路2aおよび2bを伝搬した光は、第2分岐部分10bで1つに重畳され、光導波路2の他の端から出力光として出力される。入力光は、例えば直線偏光を有する半導体レーザ光などの光源から放射されたあと、偏光保持光ファイバなどを伝播してきた光であり、レンズ結合法や光ファイバ端面での直接結合法などによって光導波路2に結合される。出力光は、同様な手法によって例えばシングルモード光ファイバなどに結合される。
【0050】
変調信号によって平行結合線路13に共振が生じると、間隙部16に電界が生じ、電気光学効果を有する光導波路2の屈折率が変化する。より詳細には、入力線路14に与えられた変調信号は、線路13a、13bと接地電極4との間に電界を形成しながら伝搬する。このとき、線路13a、13bで共振が生じると、線路13aと線路13bとの間に位置する間隙部16には、周期的に振動する電界(共振電界)が発生する。このような共振が生じると、線路13aと線路13bとの間に位置する間隙部16に形成される電界の向きは周期的に反転し、電界強度の振幅は正弦波状に変化する。本実施形態では、線路13a、13bの下方に分枝導波路2a、2bが存在しているため、各分枝導波路2a、2bには、上下逆方向の共振電界が形成される。このため、基板1が例えばzカットのタンタル酸リチウム結晶から形成されている場合、分枝導波路2a、2bを通る光には互いに逆の位相変化が与えられる。適切なモードで共振が生じると、分枝導波路2a、2bを伝搬してきた光は、分岐部分10bで干渉し、出力光の強度が変化する。
【0051】
線路13a、13bの間隙部16に共振電界を形成しているとき、分枝導波路2a、2bを伝搬してきた2つの光の位相が完全に相互反転させると、2つの光は打ち消しあうため、出力光の強度は略ゼロとなる。一方、線路13a、13bの間隙部16に共振電界を形成しないとき、長さの等しい分枝導波路2a、2bを伝搬してきた2つの光の位相は略一致するため、出力光の強度は入力光の強度から少し減衰したレベルを示す。以上のように、共振電界を形成するか否かにより、入力光11の強度を変調することができる。また、共振電界の形成は、入力線路14に与える電気信号によって制御される。
【0052】
なお、平行結合線路13には、通常、偶対称モードと奇対称モードの2種類の伝搬モードが存在する。奇対称モードでは、平行結合線路を構成する2本の線路13a、13bの電位が互いに反転することとなるため、間隙部16に大きな電界が誘起される。そのため、平行結合線路13に奇対称モードを励振させることによって高い効率の光変調が可能となる。
【0053】
本実施形態では、平行結合線路13の両端が接続線路13cによって接続されているので、線路13aと13bの間に生じる電圧は、図2に示すように、平行結合線路13の両端で0、中央で最大となる三角関数の電圧分布を示し、線路13aと線路13bの間の電圧符号はどの分でも同一である。したがって、入力光11が平行結合線路13の下の光導波路2a、2bを伝播している間、常に位相変化が足し合わされ続けるので、高い変調効率が得られる。
【0054】
実際の動作には、変調信号によって平行結合線路13に奇対称モードによる共振を効率良く起こさせる必要がある。そのため、入力インピーダンス整合が行える位置に入力線路14を接続することにより、容易に実現できる。具体的には、入力線路14の特性インピーダンスが例えば50Ωとなるようにその幅を決定し、平行結合線路13が変調信号の周波数で奇対称モード共振し、かつ、その周波数で入力線路に入力した信号の反射が最小になるように設計する。
【0055】
(光変調システムの特性評価)
図3に、光変調システムの反射特性の周波数依存性を示す。図3(a)は本実施形態の光変調システムの場合、すなわち、側面導電体7及び底面伝導体8を有する場合であり、(b)は、従来例で、側面導電体7、底面伝導体8がともに無い場合の特性である。図3において横軸は周波数で、縦軸は反射比でデシベル単位となっている。0デシベルでは信号が全て反射し、デシベル値がマイナス側で絶対値が大きい値であるほど変調電極に信号が効率よく入力されていることを示している。図3の反射特性は、高周波コネクタ6の位置で測定したものである。図3では共振型構造の変調電極として26GHz帯で共振するよう設計されている。
【0056】
図3の(a),(b)を比較すると、導電体の有無によって、設計周波数である26GHz帯での反射特性は、大きな差異がある事がわかった。図3(b)の導電体がない場合には反射比が−7デシベルであるのに対して、(a)の導電体がある場合には、反射比が−29デシベルと、変調信号の入力効率の大幅な改善が見られた。
【0057】
(実施形態2)
図4は、実施形態2の光変調システムの構成図である。図4(a)は平面図、(b)は(a)のC0−C1断面図、(c)は(b)のD0−D1断面図である。実施形態1と実施形態2の構成の差異は、側面導電体7及び底面導電体8の部分だけであり、その他は、全く同様である。図4において図1と同一番号は同一部分を示す。
【0058】
図4の側面導電体7は、高周波コネクタ6の直下のみに介在するようにしたものである。また、底面導電体8は入力線路14直下にのみ介在するようにしたものである。側面導電体7は、望ましくは保持筐体3ないしコネクタ筐体5に切り込み溝かザグリ面を形成し、ここに側面導電体7を埋設する。同様に、底面導電体8も望ましくは保持筐体3に切り込み溝かザグリ面を形成し、ここに底面導電体8を埋設する。
【0059】
本実施形態においては、接地電極間の接続位置を、より限定かつ明瞭に出来るためインピーダンス不一致をさらに抑制することが可能となる。
【0060】
なお、実施形態1,2では、電気光学効果を有する基板中に光導波路を形成しているが、本発明は、このような構成に限定されない。基板の表面領域に周囲よりも屈性率の高いコア部を形成し、コア部の上にクラッド部として電気光学効果を有する材料からなる膜を形成する構成を採用してもよい。この場合、コア部を伝搬する光の一部がクラッド部に染み出すため、クラッド部の屈性率を変化させることにより、コア部を伝播する光の位相を変調することができる。コア部は電気光学効果を有する材料から形成されている必要は無い。
【0061】
また、実施形態1,2における光導波路は、分岐された少なくとも2つの分枝導波路と、2つの分枝導波路を結合する光入力部と、2つの分枝導波路を結合する光出力部とを有するマッハツェンダ干渉計型の構成を有しているが、本発明の光変調器は、このような構成を有する光強度変調素子に限定されない。本発明による光変調器の光導波路が単一の導波路を有する場合であっても、伝搬する光の位相を効率的に変調することができる。この意味では、本発明の光変調器は、光の位相を変調する点に本質的な機能を有しており、位相の変調された光を干渉させることによって光強度をも変調させることが可能である。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、保持筐体とコネクタ筐体間や基板裏面接地電極と保持筐体間に、導電体を介在させて接地電位を接続することにより、接続線路間での等価接地電極距離を短距離化でき、線路間でのインピーダンス不一致を抑制することで変調信号を効率よく入力可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の光変調システムを表す構成図であり、
(a)は平面図
(b)は(a)のA0−A1断面図
(c)はB0−B1断面図
【図2】(a)は、コプレーナ伝送線路の断面図
(b)は、マイクロストリップ伝送線路の断面図
【図3】反射特性の周波数依存性を示す図であり、
(a)は本実施形態の場合の図
(b)は従来例の場合の図
【図4】導電体の介在状況の異なる形態を表す構成図であり、
(a)は平面図
(b)は(a)のC0−C1断面図
(c)は(b)のD0−D1断面図
【図5】(a)は、光の直接変調を説明するための図
(b)は光の外部変調を説明するための図
【図6】電気光学効果を利用した光の外部変調動作原理を示す断面図
【図7】(a)は、従来の光変調器の基板部分の平面図
(b)は、光変調器の概略全体図
【図8】間隙部16の電界分布を模式的に示す図
【符号の説明】
1 基板
2 光導波路
2a 分岐導波路a
2b 分岐導波路b
3 保持筐体
4 設置電極
5 コネクタ筐体
6 高周波コネクタ
6a 中心導体
6b 封入樹脂
6c 外周導体
7 側面導電体
8 底面導電体
9 主面導電体
10a 分岐部a
10b 分岐部b
13 平行結合線路
13a 線路a
13b 線路b
13c 接続線路部
14 入力線路
16 間隙部
200 導波路型光デバイス
202 基板
204a 基板主面
204b 基板主面と対向する面
204c 入力側端面
204d 出力側端面
212 光導波路
214 分岐光導波路
216 分岐光導波路
218 接地電極
220 接地電極
222 信号電極
224 絶縁領域
226 絶縁領域
228 筐体
230 筐体の対向面
232 基板接続用導体
234 金属箔
236 金属箔
238 高周波コネクタ

Claims (8)

  1. 電気光学効果を有する基板と、前記基板上に形成された光導波路と、前記基板表面に形成され前記光導波路に電界を印加する電界印加電極と、
    前記基板の裏面に形成された接地電極を有する光変調器と、
    前記光変調器を固定する保持筐体と、
    前記電界印加電極と接続される高周波コネクタと、
    前記高周波コネクタを固定するコネクタ筐体と、
    前記保持筐体と前記コネクタ筐体との接触面に介在する導電体とを有する光変調システム。
  2. 前記導電体は、前記接触面の一部にのみ介在し、前記高周波コネクタの接地部分近傍にのみ介在する請求項1に記載の光変調素子。
  3. 電気光学効果を有する基板と、前記基板上に形成された光導波路と、前記基板表面に形成され前記光導波路に電界を印加する電界印加電極と、
    前記基板の裏面に形成された接地電極を有する光変調器と、
    前記光変調器を固定する保持筐体と、
    前記電界印加電極と接続される高周波コネクタと、
    前記高周波コネクタを固定するコネクタ筐体と、
    前記接地電極と前記保持筐体との接触面に介在する導電体とを有する光変調システム。
  4. 前記導電体は、前記接触面の一部にのみ介在し、前記電界印加電極直下の前記接地電極近傍にのみ介在する請求項3に記載の光変調素子。
  5. 前記電界印加電極を含まない前記基板表面上に、少なくとも1箇所以上で接地電位と等電位である導体を接触させた請求項1から4のいずれかに記載の光変調システム。
  6. 前記光導波路は、2つの分枝導波路に分岐する光入力部と、前記2つの分枝導波路を結合する光出力部とを有しており、前記光導波路のうち、前記電界が印加される部分は、前記2つの分枝導波路の各々であり、前記電界印加電極は、前記光導波路の2つの分枝導波路の各々に対して極性の異なる電界を及ぼすように配置されている請求項1から5のいずれかに記載の光変調システム。
  7. 前記電界印加電極は、第1導体線路と第2導体線路とを有する共振型電極である請求項1から6のいずれかに記載の光変調システム。
  8. 前記第1および第2導体線路は、両端部が短絡された平行結合線路である請求項7に記載の光変調システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9383595B2 (en) 2012-06-13 2016-07-05 Universite De Nantes Microwave frequency component controlled by a system of shielded coplanar electrodes, and corresponding manufacturing method

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