JP2004246172A - 撮像装置及び携帯端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】コスト及び製造上の手間をかけることが比較的少なく、光学機能が多機能化された撮像装置およびこの撮像装置を備える携帯端末を提供することである。
【解決手段】撮像素子2が設けられた基板PCと、光学部材1と、光学部材1による集光の量を調整する絞り部7とを備えた撮像装置100において、磁石4を備えた回動部材5の回動により、光学部材1が撮像素子2上に当接した状態と、磁石4と磁性体15との間に吸引力を発生させて光学部材1を移動させて、絞り部7の弾性状の縁部7bを押圧し、絞り部7の開口面積が小さくなる状態とを切換え可能に構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】撮像素子2が設けられた基板PCと、光学部材1と、光学部材1による集光の量を調整する絞り部7とを備えた撮像装置100において、磁石4を備えた回動部材5の回動により、光学部材1が撮像素子2上に当接した状態と、磁石4と磁性体15との間に吸引力を発生させて光学部材1を移動させて、絞り部7の弾性状の縁部7bを押圧し、絞り部7の開口面積が小さくなる状態とを切換え可能に構成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話やパーソナルコンピュータなどに搭載可能な撮像装置、及び当該撮像装置を搭載した携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型で高性能の撮像装置を搭載した携帯電話機等の撮像機能付携帯情報端末(以下、携帯端末という。)が多く開発されている。
このような従来の携帯端末には、通常撮影の他、例えば、雑誌や名刺の文字等を撮影するための接写、近接撮影(以下マクロ撮影とする。)が可能に構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の携帯端末は、端末本体(電子機器本体)に対して回動可能に撮像装置が取り付けられている。より詳細には、この携帯端末は、端末本体に固設されたプレートと、このプレートに設けられたカム溝と、撮像装置と一体となって回動するレンズの枠体に、カム溝と係合する突設部とを備え、撮像装置を回動させるのに伴って、複数のレンズがカム溝に規制されながら回動することにより、レンズ間距離が調整され、マクロ撮影に適した倍率に調整されるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−262164号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された携帯端末は、プレートにカム溝を設けたり、レンズの枠体に突設部を設けたりしなければならず、機構が複雑であり、コストや製造上の手間がかかってしまうという問題があった。また、複雑な機構による焦点調節となるので、カムの製造精度が要求されるとともに、レンズの取り付け精度・組立て精度の高さも要求される。また、複数の倍率に調整する際に、複数の部品の移動が伴うことから、繰り返して使用することにより、何れかの部品にガタが発生してピント位置がずれてしまうという虞があった。
更に、特許文献1に記載の携帯端末においては、焦点距離の切換をして撮影を行う際に、撮像装置を回動させるために被写体の方向に合わせて本体を持ち替えなければいけないこととなって、使用者にとって不便であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、コスト及び製造上の手間をかけることが比較的少なく、光学機能が多機能化された撮像装置およびこの撮像装置を備える携帯端末を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
撮像素子が設けられた基板と、
前記撮像素子に入射光を集光する光学部材と、
前記光学部材により集光される光の量を調整する絞り部と、を備える撮像装置であって、
前記絞り部は、光軸方向の力が加わると光軸と垂直方向に突出するように弾性変形して開口面積が小さくなるように構成されているとともに、
前記絞り部に光軸方向の力を加えることで前記絞り部の開口面積を切換える切換え機構を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、絞り部は、光軸方向の力が加わると光軸と垂直方向に突出するように弾性変形して開口面積が小さくなるように構成されており、切換え機構により当該絞り部に光軸方向の力を加えることで絞り部の開口面積が切り換わることとなって、撮像装置における被写界深度を切換えられる。従って、製造コストや手間をかけずに、被写界深度が異なる複数の撮像条件における撮像処理が可能となって、光学機能の多機能化が実現する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記切換え機構は、前記光学部材が前記基板或いは前記撮像素子に当接した状態と、前記光学部材を光軸方向の前部側に移動させて、前記光学部材により前記絞り部に対して光軸方向に荷重を加えた状態と、を切換えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、切換え機構により、光学部材が基板或いは撮像素子に当接した状態と、光学部材を光軸方向の前部側に移動させて、光学部材により絞り部に対して光軸方向に荷重を加えた状態と、を切換えることにより、絞り部の開口面積を切換えるとともに、更に、光学部材が基板又は撮像素子に当接している場合の焦点距離と、光学部材が絞り部に荷重を加えている場合の焦点距離との2つの焦点距離による撮像処理が可能となるので、更に光学機能の多機能化を実現することができる。また、光学部材は、どちらの状態も位置決めされるので、精度の良い光学機能が実現する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、
前記切換え機構は、磁石による吸引力の発生の有無により、前記光学部材を移動させる光学部材移動切換手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光学部材移動切換手段により、光学部材は、磁石による吸引力の発生の有無により移動されるので、複雑な機構を備えることなく、焦点距離の切換え、及び絞り部の開口面積の切換えができるので、製造のコスト、手間をかけることなく、光学機能の多機能化を実現することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の撮像装置において、
前記光学部材移動切換手段は、
光軸を中心に回動自在に取り付けられ、磁石を備えた回動部材と、
前記光学部材に固定され、磁性体或いは磁石からなる固定部材とを備え、
前記回動部材を回動させることで、前記回動部材の磁石と前記固定部材とが光軸方向に重なる状態と、前記回動部材と前記固定部材とが光軸方向に離れた状態とを切換えることが可能に構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光学部材移動切換手段は、光軸を中心に回動自在に取り付けられ、磁石を備えた回動部材と、光学部材に固定され、磁性体或いは磁石からなる固定部材とを備えており、回動部材を回動させることで、回動部材の磁石と固定部材とが光軸方向に重なる状態と、回動部材と固定部材とが光軸方向に離れた状態とが切換えることにより、回動部材と固定部材との間に吸引力が発生する状態と、吸引力が発生しないか或いは反発力が発生する状態との2つの状態を形成することで、絞り部の開口面積及び焦点距離を切換えられることとなり、製造コストや手間をかけずに切換え機構を構成できることとなって、好適である。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置において、
絞り部は、その一部が弾性変形して開口面積が切り換わるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、絞り部は、その一部が弾性変形して開口面積が切り換わるように構成されているので、必要部分のみ弾性部材で形成すれば良いこととなって、製造コストや手間をかけることなく、絞り部の開口面積を切換えられることとなって、好適である。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されていることを特徴とする携帯端末である。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されている携帯端末は、その撮像装置に基づき、撮像機能の多機能化を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態における撮像装置100の斜視図であり、図2は、通常撮像モードにおける図1のII−II線における同撮像装置100の一部省略断面図である。図3は、マクロ撮像モードにおける図1のII−II線における撮像装置100の一部省略断面図である。
尚、本発明の撮像装置における光軸方向の前後方向を、図1〜図3においては、上下方向として、以下の説明を行う。
ここで、マクロ撮像モードとは、通常撮像モードよりも被写体までの距離が短い撮像処理(マクロ撮影;例えば、近接撮影、接写撮影等)を行うためのモードとする。
【0021】
図1〜図3に示されるように、撮像装置100は、基板PCと、その基板PCの一方の面上に配設された撮像素子2と、この撮像素子2の撮像領域(後述の光電変換部2a)に集光させ被写体像を結像させるための光学部材1と、光学部材1と撮像素子2とを覆い隠す鏡枠3と、鏡枠3の上面(前部)に設けられ、磁石4を備えた回動部材5と、該回動部材5の下方に設けられた遮光性を有する遮光板6と、この遮光板6の下方に設けられ、光学部材1により集光される光の量を調節する絞り部7と、遮光板6と絞り部7とにより支持されるフィルタ8と、絞り部7と、光学部材1との間に設けられ、光学部材1を基板PC側に押圧する押圧部材9と、鏡枠3の位置決めを行うための位置決め電気部品10等を備えている。
【0022】
光学部材1は、図1〜図3に示すように、透明なプラスチック材料を素材とし、基板PC側(光軸方向の後側)に配置される第1レンズ部材12と、この第1レンズ部材12の上方に備えられた第2レンズ部材13と、第1レンズ部材12と第2レンズ部材13との間に設けられ、第1レンズ部材12に入射する光の量を調節する補助絞り14と、から構成される。尚、第1レンズ部材12と第2レンズ部材13との光軸は同一となっている。
【0023】
第1レンズ部材12は、凸レンズ形状の第1レンズ部12aと、第1レンズ部12aの周囲に管状の下脚部12bを備えたものであり、下脚部12bの下端部には、通常撮像モードにおいて、撮像素子2の表面に当接する当接部12c…が形成されている。
また、下脚部12bの上面には、押圧部材9が当接する。そして、この押圧部材9の押圧力により、通常撮像モードにおいて、第1レンズ部材12は基板PC側に押圧される。
【0024】
また、下脚部12bの側部には、側方に延出した延出部12dが形成されている。この延出部12dの上面は、マクロ撮像モードにおいて、鏡枠3の内壁に設けられ、内側に突出した突出部3c(後述)が当接するようになっている。
【0025】
そして、延出部12dの下面には、磁石5に反応可能な磁性金属等からなる磁性体15(磁性体或いは磁石)が、接着剤等により貼着されている。
【0026】
また、延出部12dと、鏡枠3の内周面とが、嵌合することにより、光軸を中心とした回転が防止されるようになっている。
また、下脚部12bの上面には、第2レンズ部材13と係合する突出状の係合部12eが設けられている。この係合部12eは、下脚部12bの上面から、第1レンズ部12aを囲むようにリング状に突出して設けられている。
【0027】
また、第1レンズ部材12の下脚部12bの上面の係合部12eの内側であって、第1レンズ部12aの周囲には、遮光性のある素材からなり、第1レンズ部12aのFナンバーを規定する絞りとしての開口14aを有するリング状の補助絞り14が接着剤により固定されている。
【0028】
第2レンズ部材13は、第2レンズ部13aの周囲に管状の下脚部13bを備えたものであり、この下脚部13bの下方には、第1レンズ部材12の係合部12eに係合する被係合部13cが設けられている。この被係合部13cは、下脚部13bの下面から突出したリング形状を有しており、その外周面が第1レンズ部材12の係合部12eの内周面と当接し、その下面が補助絞り14に当接している。そして、第1レンズ部材12の係合部12eと被係合部13cとは接着されている。従って、第2レンズ部材13は、第1レンズ部材12連動して上下方向(光軸前後方向)に移動するようになっている。
そして、第1レンズ部材12の係合部12eと第2レンズ部材13の被係合部13cとが係合することにより、第1レンズ部材12と第2レンズ部材13との光軸のずれが防止されている。
【0029】
また、第2レンズ部材13の下脚部13bの上面(前面)13dは、絞り部7に当接している。
【0030】
撮像素子2は、イメージセンサであり、例えば、CMOS型イメージセンサ、CCD型イメージセンサ等からなる。矩形薄板状の撮像素子2の下面は、基板PCの上面に取り付けられている。撮像素子2の上面中央には、画素が2次元的に配列された、撮像領域としての光電変換部2aが形成されている。その外側の非撮像領域2bに、通常撮像モードにおいて、第1レンズ部材12の当接部12c…が当接するとともに、結像画像に関する各種処理を行う処理部(図示省略)が形成されている。
そして、処理部の外縁近傍には、複数のパッド(図示省略)が配置されている。結線用端子であるパッドは、ワイヤWを介して基板PCに接続されている。ワイヤWは、基板PC上の所定の回路に接続されている。
【0031】
鏡枠3は、遮光性のある素材からなる筐体であり、光学部材1の外側に配置されている。
鏡枠3には、図1に示すように、円筒状の上部3aと、角柱状の下部3bと、を備えている。
そして、鏡枠3の下部3bの下端部は、基板PC上に接着剤Bにより固着される。
また、鏡枠3の内壁には、内側に突出した突出部3cが設けられている。マクロ撮像モードにおいて、この突出部3cの下面に、第1レンズ部材12の延出部12dが当接することで、光学部材1が位置決めされる。
【0032】
回動部材5は、鏡枠3の上部3aの形状に合わせて円盤状であり、通光性の材料からなり、光軸を中心に回動自在に取り付けられている。また、回動部材5には、外円に沿うようにして180度間隔で、2つの磁石4…が設けられている。また、回動部材5は、磁石4が、90度回転した位置で停止可能なように構成されている。
【0033】
遮光板6は、回動部材5の下方に、接着剤等により取り付けられている。
【0034】
絞り部7は、遮光板6の下方に、接着剤等により取り付けられている。そして、絞り部7は、第2レンズ部材13のレンズ部13aのFナンバーを規定する絞りとしての開口部7aを有している。そして絞り部7は、遮光性のある素材であるとともに、開口部7aの縁部7bはゲル剤等の入ったリング状の弾性部材で形成されている。
そして、この絞り部7の縁部7aの下面に、第2レンズ部材13の上面13dが当接している。
【0035】
フィルタ8は、赤外線吸収特性を有する素材からなり、遮光板6と絞り部7とに支持されるようにして接着剤等により接合されている。
【0036】
押圧部材9は、例えば、コイルばねなどの弾性部材により構成され、光学部材1と、絞り部7との間に配置されている。そして、通常撮像モードにおいて、絞り部7が押圧部材9を押圧して、押圧部材9が弾性変形する。この押圧部材9は、光学部材1を図2中、下方に向かって所定の押圧力により押圧して、光学部材1を撮像素子2に付勢する。このとき、絞り部7から下方の撮像素子2に向かう力が加わった際、押圧部材9が弾性変形することにより、その力を吸収する緩衝作用が働くので、その力は撮像素子2には伝達されず、撮像素子2を保護することができる。
【0037】
位置決め電気部品10は、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等であり、図2において、基板PC上の撮像素子2と鏡枠3との間であって、鏡枠3に近接して配置されている。また、基板PCから位置決め電気部品10の上端部までの高さは、基板PCから撮像素子2の上端部までの高さよりも高くなっている。位置決め電気部品10は、鏡枠3を基板PC上に固着する際の、鏡枠3の位置決め指標となる。また、位置決め電気部品10の上端が撮像素子2の上端よりも高くなっているので、鏡枠3が、撮像素子2に接触して撮像素子2のワイヤW等を傷つけるのを防ぐ。
尚、位置決め電気部品10は、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等に限らず、撮像装置100に必要な電気部品であればよい。
【0038】
上記のように構成された撮像装置100において、光学部材1、磁石4、回動部材5、鏡枠3の突出部3c、磁性体15とは絞り部7の開口面積を切換える切換え機構として機能する。更に、当該切換え機構のうち、磁石4、回動部材5、磁性体15(磁性体或いは磁石、固定部材)とは、光学部材1の移動させて位置を切換える光学部材移動切換え手段として機能する。
次いで、上記切換え機構及び光学部材移動切換え手段による撮像装置100の作用について具体的に説明する。
【0039】
通常撮像モードにおいて、回動部材5の磁石4は、上面からみた図4に示すように、磁性体15と、光軸方向にて離れた場所に位置する。この場合、図2に示すように、光学部材1の第1レンズ部材12は、押圧部材9による押圧力により撮像素子2の非撮像領域2bに当接されるように位置決めされている。
【0040】
一方、マクロ撮像モードにおいては、図3、及び図4と同様に上面からみた図5に示すように、回動部材5が、90度回転した位置に移動停止する。すると、磁石4と、磁性体15とが、光軸方向において、位置が重なる。すると、磁石4と磁性体15との間に磁性吸引力が発生し、この吸引力は、押圧部材9により光学部材1を撮像素子2方向に押圧する力よりも大きいので、第1レンズ部材12が上方向に移動する。そして、鏡枠3の突出部3dの下面に、第1レンズ部材12の延出部12dが当接して、それ以上の移動が規制される。ここで、第1レンズ部材12に積層されている第1レンズ部材12も同様に上方向に移動する。このようにして、光学部材1が光軸方向の上方に移動すると、第2レンズ部13により縁部7bはつぶされるようにして光軸と垂直な方向に突出するように弾性変形する。すると、開口部7aの開口面積は小さくなる。
このように絞り部7の開口面積が小さくなるとFナンバーが小さくなるが、被写界深度が深くなることとなって、ピントが合う範囲が広がる。したがって、通常撮像モードにおいては、ぼやけていたものであっても、ピントが合いやすくなるので、マクロ撮影に適した撮影環境(マクロ撮像モード)を形成される。
また、光学部材1が、光軸方向の上側に移動することにより、光学部材1と被写体との距離が短くなることにより、マクロ撮影が可能な焦点距離が形成される。
【0041】
尚、マクロ撮像モード時の、回動部材5の回動は、例えば、図示しない駆動手段等により自動に行われる構成であってもよいし、例えば、図示しないレバーの切換え等により手動で行われる構成であってもよい。
【0042】
このように、本実施の形態における撮像装置100において、回動部材5の回動に伴って光学部材1が光軸方向に移動し、この光学部材1の移動に対応して絞り部7が弾性変形してその開口面積が変化することにより、通常撮影に適した状態と、マクロ撮影に適した状態とが形成される。従って、光学部材1移動を利用して絞り部7の開口面積を切換えることで、通常撮像モードと、マクロ撮像モードとを切換えることが可能となる。
更に、絞り部7の開口面積の切換えに対応して、回動部材5の磁石4が、磁性体15と光軸方向において離れており、光学部材1が撮像素子2に当接した焦点距離(通常撮像モード)と、回動部材5が回転移動することで、磁石4と磁性体15との光軸方向において位置が重なることにより、光学部材1が光軸方向上側に移動して突出部3cに当接して移動規制された、通常撮像モードよりも光学部材1から被写体までの距離が短い焦点距離(マクロ撮像モード)との2つの焦点距離(撮像モード)が形成可能となっている。
【0043】
そして、撮像装置100は、絞り部7の開口面積の切換えを行うために光学部材1の移動を用いることにより、撮像モードの切換え処理において、開口面積の変化と、焦点距離の変化とが同時に実行されるように構成されており、光学機能の多機能化が実現されている。
【0044】
また、双方の撮像モードにおいて光学部材1は、通常撮像モードにおいては撮像素子2に当接し、マクロ撮像モードにおいては突出部3cに当接することで、位置決めされるので、例えば、光学部材1の光軸中心と、撮像素子2の光電変換部2aの中心とが一致した状態を維持しやすいこととなって、精度良い光学機能が実現する。
尚、マクロ撮像モードにおいて、光学部材1の第2レンズ部材13が絞り部7に弾接することで、位置決めされる構成であってもよい。
【0045】
また、絞り部7、磁石4、磁性体15等の簡易な部材の配置や、回動部材5の移動により、開口面積の切換えや焦点距離の調節による撮像モードの切換えができるので、製造のコスト、手間をかけることなく、光学機能の多機能化を実現することができる。
【0046】
尚、本発明の撮像装置100の形状、構成等は上記に限定されるものではない。例えば、撮像装置100において、絞り部7の開口面積を変化させるために光学部材1の移動を用いたが、絞り部7に対して、光軸方向の力を加えることにより開口面積を変化させることができれば、別部材を用いた構成であってもよい。そして、この場合、光学部材1の移動を行わずに、絞り部7の開口7aの開口面積の変化のみを用いて、撮像モードを切換えるようにしてもよい。
例えば、フィルタ8により絞り部7の縁部7bを図2中下方に押圧するような切換え機構により、開口面積を切換えてもよい。
【0047】
また、絞り部7は、例えば、弾性変形することにより開口面積を変化させることができれば、ゲル剤の他、どのような素材から形成されていてもよい。
また、絞り部7の配置場所は、光学部材1の上方(光軸方向の前方)に限定されるものではなく、光学部材1による集光を絞ることが可能な位置であればどこに配置されてもよい。
【0048】
また、光学部材1を移動させるための光学部材移動切換え手段として、磁石4や磁性体15等の磁性吸引力を用いた方法を一例にして説明を行ったが、光学部材1の移動手段は、その他の方法であってもよい。
また、回動部材5に磁性体を備え、光学部材1に磁石を備えてもよい。
また、磁石4は電磁石であって、回動部材5を回動させずに、電流の供給の有無に応じて、磁性体15との間の吸引力の発生の有無を切換える構成であってもよい。
また、磁石4と、磁性体15との組合せに限られず、双方とも磁石であって、その間に発生する吸引力と反発力とを用いて、光学部材1を移動させる構成であってもよい。
【0049】
また、光学部材1は、第1レンズ部材12と、第2レンズ部材13とを備える構成で説明を行ったが、単一レンズであってもよい。
また、光学部材1の第2レンズ部材13のみを移動させる構成であってもよい。
【0050】
図6は、本発明を適用した携帯端末の一例である、携帯電話機の外観構成を示す図である。図6に示すように、携帯電話機110は、第1の筐体110a及び第2の筐体110bがヒンジ結合部110cにより開閉可能に連結されて形成された折り畳み式のものである。
【0051】
図6(a)に示すように、折り畳み時に内側になる面には、後述する入力部112及び表示部113が配設されている。入力部112には、カメラボタン、機能キー等が設けられている。また、図6(b)に示すように、折り畳み時に外側になる面に向けて、上述の撮像装置100が設けられている。図6(a)及び図6(b)に示すように、携帯電話機110の上部にはアンテナ114aが配設されている。また、第2の筐体110b内の背面側には、充電パック等の電源制御部117が設けられている。
【0052】
図7は、図6の携帯電話機110の機能的構成を示すブロック図である。図7に示すように、携帯電話機110は、制御部111、入力部112、表示部113、アンテナ114aを有する無線通信部114、記憶部115、撮像装置100、電源制御部117、送受話部118等を備えて構成され、各部はバス119により接続されている。
【0053】
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)111a、書き換え可能な半導体素子で構成されるRAM(Random Access Memory)111b、不揮発性の半導体メモリで構成されるROM(Read Only Memory)111c等から構成されている。
【0054】
ROM111cには、図示しない、携帯電話機110の基本動作制御プログラム、通信処理プログラム、表示部113に表示するための表示用データ、撮像に関するパラメータデータ(自動撮像用のデフォルトの設定データ、プレビュー表示処理用のデフォルトの設定データ)等の他、撮像制御プログラムc1、コード認識プログラムc2、コード認識用データc3が記憶されている。ここで、コード認識用データc3は、画像データに情報コードとしての二次元コードが含まれているかを判断するためのコード類似性係数(Q)を設定する際の基準データである。
【0055】
CPU111aは、入力部112から入力される各種指示又は無線通信部14から入力されるデータに従って、ROM111cに記憶されている各種プログラムの中から指定されたプログラムをRAM111bのワークエリアに展開し、この入力指示及び入力データにより上記プログラムに従って各種処理を実行する。そして、CPU111aは、その処理結果をRAM111bの所定の領域に格納するとともに、表示部113に表示させる。
【0056】
具体的に、CPU111aは、ROM111cに記憶される撮像制御プログラムc1を読み出して、後述する撮像制御処理を実行する。
撮像制御処理として、CPU111aは、入力部112から入力されるユーザの操作指示等に従って、撮像装置100を制御して、撮像させた撮像画像データをRAM111bに所定のメモリ等に格納した上で、フレームレート25fpsで、表示部113にプレビュー表示させる。
また、CPU111aは、コード認識プログラムc2に従って、撮像画像データに対して二次元コードである可能性のある二次元コード対象を認識するコード処理を実行する。具体的に、CPU111aは、5フレーム毎に、撮像画像データと、コード認識用データc3とを対照することにより、撮像画像データに二次元コードが含まれているか否かの判断を実行する。より具体的には、CPU111aは、撮像画像データと、類似性係数算定用情報としてのコード認識用データc3とを対照することにより、二次元コード対象にコード類似性係数を算出し、このコード類似性係数の値に基づいて、二次元コードである可能性のある二次元コード対象(情報コード対象)や二次元コードを認識する。
【0057】
更に、CPU111aは、コード類似性係数が、コードを含んでいる可能性があるが、決定的でない数値であると判断した二次元コード対象がある場合、撮像装置100により通常撮像モードからマクロ撮像モードによる撮像処理を行うように切換えるために回動部材5を回動させる駆動手段(図示省略)を制御する。
【0058】
また、CPU111aは、撮像画像データ中に二次元コードを認識した場合には、二次元コードのデコード処理するとともに、表示部113に表示させる。
また、CPU111aは、デコード処理を行った情報コードの情報に基づく動作を実行する。
【0059】
入力部112は、テンキー、各種機能スイッチ、通話モード及びカメラモードの切換えを行うモード切換スイッチ等を備えており、撮像処理の実施指示の入力等に用いられる。
【0060】
表示部113は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等により構成され、制御部111から入力される表示データに基づいて画面表示を行う。また、表示部113は、後述する撮像装置100によってプレビュー撮像された画像や、制御部111により復号(デコード)されたコード情報内容等を表示する。
【0061】
無線通信部114は、無線基地局(図示せず)との間で着信や発信等に係る無線信号の送受信を行うアンテナ114aを備え、制御部111から入力される指示に従って、無線基地局との間で、例えば、IMT−2000準拠の通信方式(例えば、W−CDMAやcdma2000)に対応する携帯電話用の通信プロトコルを実行し、この通信方式で設定される通信チャネルにより、送受話音声の送受信やデータ通信を実行する。
【0062】
記憶部115は、制御部111により実行された処理結果のデータ等を記憶する。例えば、記憶部115は、撮像装置100により撮像された画像のデータ、無線通信部114を介して送受信したメールのデータ、通話履歴のデータ等を記憶する。
【0063】
撮像装置100は、図1〜図5を用いて説明した構成であり、光学部材1を介して入力される画像を撮像素子2で電気信号に変換して、画像データを生成する。また、撮像素子2のCCD型イメージセンサ等は、周囲の光量を検出する光学センサとしての機能を有し、周囲の光量に応じた検出信号を制御部111に出力する。
また、撮像装置100の回動部材5は、制御部111の制御に基づいて駆動される駆動手段(図示なし)により、回動される。即ち、撮像装置100は、制御部111の制御により、通常撮像モードと、マクロ撮像モードとによる撮像処理が切換え可能に構成されている。
【0064】
電源制御部117は、例えば、リチウム電池、ニッケル電池、ニカド電池等の2次電池により構成され、電源が投入されると、制御部111の制御に応じて、プラス側の端子及びマイナス側の端子から、携帯電話機110の各部を駆動する駆動回路に所定電圧の電源を供給する。
【0065】
送受話部118は、マイク、スピーカ、A/D変換部、及びD/A変換部(何れも図示せず)を有し、マイクから入力されるユーザの送話音声をA/D変換処理して、その送話音声データをCPU111aに出力するとともに、CPU111aから入力される受話音声データや、着信音、操作確認音、シャッタ音等の音声データをD/A変換処理して、スピーカから出力する。
【0066】
以下、図8のフローチャートを参照して、携帯電話機110における撮像制御処理について説明する。
【0067】
携帯電話機110のユーザによって、入力部112の所定のボタンが押下されることにより、CPU111aは、撮像処理の指示の入力であると判断し、ROM111cに記憶されている撮像制御プログラムc1を読み出してRAM111bに展開し、該撮像制御プログラムc1に従って、撮像処理の制御を開始する。このとき、ユーザは、携帯電話機110の撮像装置100を被写体に向けることにより、被写体を撮像することとする。
【0068】
そして、CPU111aは、具体的には、RAM111bに格納されている画像データのフレームのカウント数を0(N=0)にリセットし(ステップS101)、通常撮像モードによる撮像処理の開始指示を撮像装置100に出力する。
【0069】
すると、撮像装置100は、通常撮像モードにおける撮像処理として、光学部材1により集光され、撮像素子2の光電変換部2aに結像された被写体の撮像画像データを順次、制御部111に出力する(ステップS102)。
【0070】
すると、制御部111のCPU111aは、撮像装置100より順次入力される撮像画像データを、RAM111bに格納するとともに、この撮像画像をフレームレート25fpsで表示部113に表示させるプレビュー表示処理を実行する(ステップS103)。また、CPU111aは、プレビュー表示処理の実行と平行して、撮像装置100から入力される画像のフレーム数をカウント(N=N+1)し(ステップS104)、フレーム数が「5」であるかを判断する(ステップS105)。
そして、CPU111aは、フレーム数が「5」であると判断した場合(ステップS105:Yes)には、ステップS106に移行し、フレーム数が5でないと判断した場合(ステップS105:No)には、ステップS102に移行し、以降の工程を繰り返す。
【0071】
次いで、ステップS106〜ステップS108において、CPU111aは、ROM111cに記憶されているコード認識プログラムc2を読み出してRAM111bに展開し、このコード認識プログラムc2に従って、コード認識処理の制御を開始する。具体的に、CPU111aは、フレーム数が「5」となったときの被写体の撮像画像データと、コード認識用データc3とを比較対照することにより、二次元コードの認識処理を実行する。
【0072】
ここで、認識処理の方法として、例えば、被写体の撮像画像データに二次元コードであることを示す所定の切り出しシンボルを検出することにより認識する方法、或いは、被写体の撮像画像データの濃度により認識する方法、二次元コードの所定のモザイク形状を認識する方法等があるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
より詳細には、CPU111aは、ステップS106において、撮像画像データと類似性係数算定情報としてのコード認識用データc3と比較することにより、該撮像画像データの二次元コードである可能性を判断するためのコード類似性係数(Q)を算出する。
【0074】
次いで、CPU111aは、算出されたコード類似性係数(Q)の値が、「0.5」以上であるか否かを判断し(ステップS107)、Qが「0.5」以上であると判断した場合(ステップS107:Yes)には、所定の二次元コードの可能性があると判断し、ステップS108に移行する。
一方、CPU111aは、算出されたコード類似性係数(Q)が0.5未満であると判断した場合(ステップS107:No)には、二次元コードである可能性が少ないと判断し、フレームのカウントを「0」にリセット設定(N=0)した(ステップ109)上で、ステップS102に移行し、以降の工程であるプレビュー表示処理と5フレーム毎のコード認識処理を繰り返す。
このように、CPU111aは、5フレーム毎に、被写体の撮像画像データに対し、二次元コードの認識処理を実行する。従って、CPU111aの処理負荷が低減されることとなって、平行して実行する被写体の撮像画像データの取得処理及び該撮像画像データのプレビュー表示処理への影響を軽減することができる。
【0075】
ステップS108において、CPU111aは、コード類似性係数(Q)が、「1」であるか否かを判断し、「1」であると判断した場合(ステップS108:Yes)には、二次元コードであると判断してステップS110に移行する。
【0076】
一方、CPU111aは、コード類似性係数(Q)が、「0.5」以上であるが「1」ではないと判断した場合(ステップS108:No)には、二次元コードの可能性があるが明確でないものとしての二次元コード対象(情報コード対象)であると認識する。そして、CPU111aは、撮像装置100にマクロ撮影が可能なように、図示しない駆動手段を制御して、回動部材5を回動させることにより、マクロ撮像モード設定処理を実行し(ステップS111)、ステップS109に移行する。
そして以降の工程で、マクロ撮像モードにおける撮像処理として、CPU111aの制御により、撮像装置100の回動部材5の回動に伴い、磁石4と磁性体15との光軸の垂直方向における位置が重なることにより、光学部材1の第1レンズ部材12が光軸方向前方に移動し、突出部3cに当接した状態となるとともに、第2レンズ部材13が絞り部7に対して光軸方向に力を加えることにより、絞り部7が弾性変形して開口面積が小さくなり、マクロ撮影に適した状態が形成される。この状態において、光学部材1と撮像素子2を用いて、被写体の撮像画像データが取得され、表示部113にプレビュー表示される。また、CPU111aは、このマクロ撮像モードにおける撮像処理、プレビュー表示処理と平行して、マクロ撮像モードによる撮像画像データに対し、5フレーム毎のコード認識処理を実行する。このとき、マクロ撮像モードの撮像装置100においては、被写界深度が深くなるとともに、マクロ撮影に適した焦点距離になるので、二次元コードが認識されやすくなる。従って、通常撮像モードおいて二次元コードとしての可能性があるが確定ではないものとしての二次元コード対象が二次元コードとして認識される可能性が高くなり、結果として二次元コードの認識率が向上する。
【0077】
ステップS110において、CPU111aは、認識された二次元コードのデコード処理を実行し、その二次元コードのコード情報内容を表示部113に表示させる(ステップS112)。
ここで、表示部113に表示されるコード情報内容としては、例えば、URLアドレス、電子メールアドレス等の文字情報や、任意の画像情報等である。
尚、コード情報内容としての文字情報、画像情報等の表示部113に表示可能な内容の他、例えば、コード情報内容が音声情報である場合、送受話部18から放音処理を実行する構成であってもよい。
【0078】
次いで、CPU111aは、ユーザによる入力部112の操作により、表示部113に表示されたコード情報内容に対する所定の処理の指示信号が入力されたか否かを判断し(ステップS113)、指示信号が入力されたと判断した場合(ステップS113:Yes)には、該指示に応じた処理を実行(ステップS114)してステップS115に移行する。
ここで、コード情報内容に対する所定の処理とは、例えば、コード情報内容がURLアドレスである場合には、該URLアドレスへの接続指示、コード情報内容が電子メールアドレスである場合には、該電子メールアドレス宛の電子メールの作成指示、コード情報内容が、電話番号、電子メールアドレス等である場合にはアドレス帳等への保存処理、その他、表示部113の表示画像の保存処理等であるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
一方、CPU111aは、ステップS113において、ユーザからの指示信号の入力がないと判断した場合(ステップS113:No)、ステップS115に移行する。
そして、ステップS115において、CPU111aは、ユーザの入力部112の操作により、撮像処理の終了指示が入力されたか否かを判断し、入力されたと判断した場合には、撮像装置100に撮像処理の終了指示を出力することにより、本撮像制御処理を終了する。
一方、CPU111aは、撮像処理の終了指示の入力がないと判断した場合(ステップS115:No)は、ステップS109に移行し、以降の工程を繰り返す。
【0080】
このように、上述の撮像制御処理においては、撮像装置100による被写体の撮像画像データの取得処理、及びその撮像画像データのプレビュー表示処理と平行して、該撮像画像データ中の所定の二次元コードデータの認識処理、及び二次元コードデータのデコード処理が自動的に実行される。従って、ユーザは、例えば、名刺や雑誌等に付けられている二次元コードを認識・解読するために、面倒な設定をしなくとも通常の撮像処理の場合と同操作をすることで、自動的に二次元コードの読取、解読を行えるので、大変使い勝手が良い。
また、例えば、通常撮像モードによる撮像画像データのピントがぼけていたり、ノイズが多く含まれていることにより、二次元コードと明確に認識することができないが、その可能性がある場合には、二次元コードの認識に適したマクロ撮像モードによる撮像処理に自動的に切り換わるように撮像装置100が制御される。従って、ユーザに、撮像モードの設定変更の手間を課すことなく、二次元コードの認識精度を高めることができる。
また、通常撮像モードによる撮像画像データに二次元コードが含まれている可能性が少ない場合や、明確に二次元コードが認識できた場合には、撮像モードが切り換わらないので、効率的である。
【0081】
尚、本実施の形態における記述内容は、本発明に係る携帯電話機110の好適な一例であり、これに限定されるものではない。例えば、撮像装置100の回動部材5の移動方法はどのようなものであってもよい。
【0082】
また、情報コードの一例として二次元コードを用いて説明を行ったが、二次元コードに限定されるものではなく、例えば、バーコード、カラーコード等どのような情報コードであってもよい。
【0083】
また、上述の撮像制御処理において、二次元コードをデコードすると、そのコード情報内容を表示部113に表示させた上で、ユーザによる所定の処理の指示を待機し、ユーザの指示があってはじめて、二次元コードの情報内容に応じた各種処理を実行する構成で説明を行ったが、CPU111aにより、コード情報内容が解読されると自動的に所定の処理を実行する構成であってもよい。
【0084】
その他、本実施の形態における携帯電話機110の細部構成、及び詳細動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、本発明の携帯端末は、携帯電話機110に限定されず、パーソナルコンピュータ、PDA等であってもよい。
また、本発明の撮像装置は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、PDA、AV装置、テレビ、家庭電化製品など、種々のものに組み込むことが可能と考えられる。
【0085】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、絞り部は、光軸方向の力が加わると光軸と垂直方向に突出するように弾性変形して開口面積が小さくなるように構成されており、切換え機構により当該絞り部に光軸方向の力を加えることで絞り部の開口面積が切り換わることとなって、撮像装置における被写界深度を切換えられる。従って、製造コストや手間をかけずに、被写界深度が異なる複数の撮像条件における撮像処理が可能となって、光学機能の多機能化が実現する。
【0086】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、切換え機構により、光学部材が基板或いは撮像素子に当接した状態と、光学部材を光軸方向の前部側に移動させて、光学部材により絞り部に対して光軸方向に荷重を加えた状態と、を切換えることにより、絞り部の開口面積を切換えるとともに、更に、光学部材が基板又は撮像素子に当接している場合の焦点距離と、光学部材が絞り部に荷重を加えている場合の焦点距離との2つの焦点距離による撮像処理が可能となるので、更に光学機能の多機能化を実現することができる。また、光学部材は、どちらの状態も位置決めされるので、精度の良い光学機能が実現する。
【0087】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光学部材移動切換手段により、光学部材は、磁石による吸引力の発生の有無により移動されるので、複雑な機構を備えることなく、焦点距離の切換え、及び絞り部の開口面積の切換えができるので、製造のコスト、手間をかけることなく、光学機能の多機能化を実現することができる。
【0088】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光学部材移動切換手段は、光軸を中心に回動自在に取り付けられ、磁石を備えた回動部材と、光学部材に固定され、磁性体或いは磁石からなる固定部材とを備えており、回動部材を回動させることで、回動部材の磁石と固定部材とが光軸方向に重なる状態と、回動部材と固定部材とが光軸方向に離れた状態とが切換えることにより、回動部材と固定部材との間に吸引力が発生する状態と、吸引力が発生しないか或いは反発力が発生する状態との2つの状態を形成することで、絞り部の開口面積及び焦点距離を切換えられることとなり、製造コストや手間をかけずに切換え機構を構成できることとなって、好適である
【0089】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、絞り部は、その一部が弾性変形して開口面積が切り換わるように構成されているので、必要部分のみ弾性部材で形成すれば良いこととなって、製造コストや手間をかけることなく、絞り部の開口面積を切換えられることとなって、好適である。
【0090】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されている携帯端末は、その撮像装置に基づき、撮像機能の多機能化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像装置の一部省略斜視図である。
【図2】図1の撮像装置の通常撮像モードにおけるII−II線における一部省略断面図である。
【図3】図1の撮像装置のマクロ撮像モードにおけるII−II線における一部省略断面図である。
【図4】通常撮像モードにおける回動部材の位置、絞りの開口面積を説明するための上面図である。
【図5】マクロ撮像モードにおける回動部材の位置、絞りの開口面積を説明するための上面図である。
【図6】本発明にかかる撮像装置を内蔵した携帯電話機の一例を示す正面図及び背面図である。
【図7】図6の携帯電話機の内部構成を説明するためのブロック図ある。
【図8】図6の携帯電話機による撮像制御処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 光学部材
2 撮像素子
4 磁石(切換え機構、光学部材移動切換手段)
5 回動部材(切換え機構、光学部材移動切換手段、回動部材)
7 絞り部
7b 縁部(一部)
15 磁性体(切換え機構、光学部材移動切換手段、磁性体或いは磁石)
100 撮像装置
110 携帯電話機(携帯端末)
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話やパーソナルコンピュータなどに搭載可能な撮像装置、及び当該撮像装置を搭載した携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型で高性能の撮像装置を搭載した携帯電話機等の撮像機能付携帯情報端末(以下、携帯端末という。)が多く開発されている。
このような従来の携帯端末には、通常撮影の他、例えば、雑誌や名刺の文字等を撮影するための接写、近接撮影(以下マクロ撮影とする。)が可能に構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の携帯端末は、端末本体(電子機器本体)に対して回動可能に撮像装置が取り付けられている。より詳細には、この携帯端末は、端末本体に固設されたプレートと、このプレートに設けられたカム溝と、撮像装置と一体となって回動するレンズの枠体に、カム溝と係合する突設部とを備え、撮像装置を回動させるのに伴って、複数のレンズがカム溝に規制されながら回動することにより、レンズ間距離が調整され、マクロ撮影に適した倍率に調整されるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−262164号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された携帯端末は、プレートにカム溝を設けたり、レンズの枠体に突設部を設けたりしなければならず、機構が複雑であり、コストや製造上の手間がかかってしまうという問題があった。また、複雑な機構による焦点調節となるので、カムの製造精度が要求されるとともに、レンズの取り付け精度・組立て精度の高さも要求される。また、複数の倍率に調整する際に、複数の部品の移動が伴うことから、繰り返して使用することにより、何れかの部品にガタが発生してピント位置がずれてしまうという虞があった。
更に、特許文献1に記載の携帯端末においては、焦点距離の切換をして撮影を行う際に、撮像装置を回動させるために被写体の方向に合わせて本体を持ち替えなければいけないこととなって、使用者にとって不便であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、コスト及び製造上の手間をかけることが比較的少なく、光学機能が多機能化された撮像装置およびこの撮像装置を備える携帯端末を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
撮像素子が設けられた基板と、
前記撮像素子に入射光を集光する光学部材と、
前記光学部材により集光される光の量を調整する絞り部と、を備える撮像装置であって、
前記絞り部は、光軸方向の力が加わると光軸と垂直方向に突出するように弾性変形して開口面積が小さくなるように構成されているとともに、
前記絞り部に光軸方向の力を加えることで前記絞り部の開口面積を切換える切換え機構を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、絞り部は、光軸方向の力が加わると光軸と垂直方向に突出するように弾性変形して開口面積が小さくなるように構成されており、切換え機構により当該絞り部に光軸方向の力を加えることで絞り部の開口面積が切り換わることとなって、撮像装置における被写界深度を切換えられる。従って、製造コストや手間をかけずに、被写界深度が異なる複数の撮像条件における撮像処理が可能となって、光学機能の多機能化が実現する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記切換え機構は、前記光学部材が前記基板或いは前記撮像素子に当接した状態と、前記光学部材を光軸方向の前部側に移動させて、前記光学部材により前記絞り部に対して光軸方向に荷重を加えた状態と、を切換えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、切換え機構により、光学部材が基板或いは撮像素子に当接した状態と、光学部材を光軸方向の前部側に移動させて、光学部材により絞り部に対して光軸方向に荷重を加えた状態と、を切換えることにより、絞り部の開口面積を切換えるとともに、更に、光学部材が基板又は撮像素子に当接している場合の焦点距離と、光学部材が絞り部に荷重を加えている場合の焦点距離との2つの焦点距離による撮像処理が可能となるので、更に光学機能の多機能化を実現することができる。また、光学部材は、どちらの状態も位置決めされるので、精度の良い光学機能が実現する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、
前記切換え機構は、磁石による吸引力の発生の有無により、前記光学部材を移動させる光学部材移動切換手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光学部材移動切換手段により、光学部材は、磁石による吸引力の発生の有無により移動されるので、複雑な機構を備えることなく、焦点距離の切換え、及び絞り部の開口面積の切換えができるので、製造のコスト、手間をかけることなく、光学機能の多機能化を実現することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の撮像装置において、
前記光学部材移動切換手段は、
光軸を中心に回動自在に取り付けられ、磁石を備えた回動部材と、
前記光学部材に固定され、磁性体或いは磁石からなる固定部材とを備え、
前記回動部材を回動させることで、前記回動部材の磁石と前記固定部材とが光軸方向に重なる状態と、前記回動部材と前記固定部材とが光軸方向に離れた状態とを切換えることが可能に構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光学部材移動切換手段は、光軸を中心に回動自在に取り付けられ、磁石を備えた回動部材と、光学部材に固定され、磁性体或いは磁石からなる固定部材とを備えており、回動部材を回動させることで、回動部材の磁石と固定部材とが光軸方向に重なる状態と、回動部材と固定部材とが光軸方向に離れた状態とが切換えることにより、回動部材と固定部材との間に吸引力が発生する状態と、吸引力が発生しないか或いは反発力が発生する状態との2つの状態を形成することで、絞り部の開口面積及び焦点距離を切換えられることとなり、製造コストや手間をかけずに切換え機構を構成できることとなって、好適である。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置において、
絞り部は、その一部が弾性変形して開口面積が切り換わるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、絞り部は、その一部が弾性変形して開口面積が切り換わるように構成されているので、必要部分のみ弾性部材で形成すれば良いこととなって、製造コストや手間をかけることなく、絞り部の開口面積を切換えられることとなって、好適である。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されていることを特徴とする携帯端末である。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されている携帯端末は、その撮像装置に基づき、撮像機能の多機能化を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態における撮像装置100の斜視図であり、図2は、通常撮像モードにおける図1のII−II線における同撮像装置100の一部省略断面図である。図3は、マクロ撮像モードにおける図1のII−II線における撮像装置100の一部省略断面図である。
尚、本発明の撮像装置における光軸方向の前後方向を、図1〜図3においては、上下方向として、以下の説明を行う。
ここで、マクロ撮像モードとは、通常撮像モードよりも被写体までの距離が短い撮像処理(マクロ撮影;例えば、近接撮影、接写撮影等)を行うためのモードとする。
【0021】
図1〜図3に示されるように、撮像装置100は、基板PCと、その基板PCの一方の面上に配設された撮像素子2と、この撮像素子2の撮像領域(後述の光電変換部2a)に集光させ被写体像を結像させるための光学部材1と、光学部材1と撮像素子2とを覆い隠す鏡枠3と、鏡枠3の上面(前部)に設けられ、磁石4を備えた回動部材5と、該回動部材5の下方に設けられた遮光性を有する遮光板6と、この遮光板6の下方に設けられ、光学部材1により集光される光の量を調節する絞り部7と、遮光板6と絞り部7とにより支持されるフィルタ8と、絞り部7と、光学部材1との間に設けられ、光学部材1を基板PC側に押圧する押圧部材9と、鏡枠3の位置決めを行うための位置決め電気部品10等を備えている。
【0022】
光学部材1は、図1〜図3に示すように、透明なプラスチック材料を素材とし、基板PC側(光軸方向の後側)に配置される第1レンズ部材12と、この第1レンズ部材12の上方に備えられた第2レンズ部材13と、第1レンズ部材12と第2レンズ部材13との間に設けられ、第1レンズ部材12に入射する光の量を調節する補助絞り14と、から構成される。尚、第1レンズ部材12と第2レンズ部材13との光軸は同一となっている。
【0023】
第1レンズ部材12は、凸レンズ形状の第1レンズ部12aと、第1レンズ部12aの周囲に管状の下脚部12bを備えたものであり、下脚部12bの下端部には、通常撮像モードにおいて、撮像素子2の表面に当接する当接部12c…が形成されている。
また、下脚部12bの上面には、押圧部材9が当接する。そして、この押圧部材9の押圧力により、通常撮像モードにおいて、第1レンズ部材12は基板PC側に押圧される。
【0024】
また、下脚部12bの側部には、側方に延出した延出部12dが形成されている。この延出部12dの上面は、マクロ撮像モードにおいて、鏡枠3の内壁に設けられ、内側に突出した突出部3c(後述)が当接するようになっている。
【0025】
そして、延出部12dの下面には、磁石5に反応可能な磁性金属等からなる磁性体15(磁性体或いは磁石)が、接着剤等により貼着されている。
【0026】
また、延出部12dと、鏡枠3の内周面とが、嵌合することにより、光軸を中心とした回転が防止されるようになっている。
また、下脚部12bの上面には、第2レンズ部材13と係合する突出状の係合部12eが設けられている。この係合部12eは、下脚部12bの上面から、第1レンズ部12aを囲むようにリング状に突出して設けられている。
【0027】
また、第1レンズ部材12の下脚部12bの上面の係合部12eの内側であって、第1レンズ部12aの周囲には、遮光性のある素材からなり、第1レンズ部12aのFナンバーを規定する絞りとしての開口14aを有するリング状の補助絞り14が接着剤により固定されている。
【0028】
第2レンズ部材13は、第2レンズ部13aの周囲に管状の下脚部13bを備えたものであり、この下脚部13bの下方には、第1レンズ部材12の係合部12eに係合する被係合部13cが設けられている。この被係合部13cは、下脚部13bの下面から突出したリング形状を有しており、その外周面が第1レンズ部材12の係合部12eの内周面と当接し、その下面が補助絞り14に当接している。そして、第1レンズ部材12の係合部12eと被係合部13cとは接着されている。従って、第2レンズ部材13は、第1レンズ部材12連動して上下方向(光軸前後方向)に移動するようになっている。
そして、第1レンズ部材12の係合部12eと第2レンズ部材13の被係合部13cとが係合することにより、第1レンズ部材12と第2レンズ部材13との光軸のずれが防止されている。
【0029】
また、第2レンズ部材13の下脚部13bの上面(前面)13dは、絞り部7に当接している。
【0030】
撮像素子2は、イメージセンサであり、例えば、CMOS型イメージセンサ、CCD型イメージセンサ等からなる。矩形薄板状の撮像素子2の下面は、基板PCの上面に取り付けられている。撮像素子2の上面中央には、画素が2次元的に配列された、撮像領域としての光電変換部2aが形成されている。その外側の非撮像領域2bに、通常撮像モードにおいて、第1レンズ部材12の当接部12c…が当接するとともに、結像画像に関する各種処理を行う処理部(図示省略)が形成されている。
そして、処理部の外縁近傍には、複数のパッド(図示省略)が配置されている。結線用端子であるパッドは、ワイヤWを介して基板PCに接続されている。ワイヤWは、基板PC上の所定の回路に接続されている。
【0031】
鏡枠3は、遮光性のある素材からなる筐体であり、光学部材1の外側に配置されている。
鏡枠3には、図1に示すように、円筒状の上部3aと、角柱状の下部3bと、を備えている。
そして、鏡枠3の下部3bの下端部は、基板PC上に接着剤Bにより固着される。
また、鏡枠3の内壁には、内側に突出した突出部3cが設けられている。マクロ撮像モードにおいて、この突出部3cの下面に、第1レンズ部材12の延出部12dが当接することで、光学部材1が位置決めされる。
【0032】
回動部材5は、鏡枠3の上部3aの形状に合わせて円盤状であり、通光性の材料からなり、光軸を中心に回動自在に取り付けられている。また、回動部材5には、外円に沿うようにして180度間隔で、2つの磁石4…が設けられている。また、回動部材5は、磁石4が、90度回転した位置で停止可能なように構成されている。
【0033】
遮光板6は、回動部材5の下方に、接着剤等により取り付けられている。
【0034】
絞り部7は、遮光板6の下方に、接着剤等により取り付けられている。そして、絞り部7は、第2レンズ部材13のレンズ部13aのFナンバーを規定する絞りとしての開口部7aを有している。そして絞り部7は、遮光性のある素材であるとともに、開口部7aの縁部7bはゲル剤等の入ったリング状の弾性部材で形成されている。
そして、この絞り部7の縁部7aの下面に、第2レンズ部材13の上面13dが当接している。
【0035】
フィルタ8は、赤外線吸収特性を有する素材からなり、遮光板6と絞り部7とに支持されるようにして接着剤等により接合されている。
【0036】
押圧部材9は、例えば、コイルばねなどの弾性部材により構成され、光学部材1と、絞り部7との間に配置されている。そして、通常撮像モードにおいて、絞り部7が押圧部材9を押圧して、押圧部材9が弾性変形する。この押圧部材9は、光学部材1を図2中、下方に向かって所定の押圧力により押圧して、光学部材1を撮像素子2に付勢する。このとき、絞り部7から下方の撮像素子2に向かう力が加わった際、押圧部材9が弾性変形することにより、その力を吸収する緩衝作用が働くので、その力は撮像素子2には伝達されず、撮像素子2を保護することができる。
【0037】
位置決め電気部品10は、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等であり、図2において、基板PC上の撮像素子2と鏡枠3との間であって、鏡枠3に近接して配置されている。また、基板PCから位置決め電気部品10の上端部までの高さは、基板PCから撮像素子2の上端部までの高さよりも高くなっている。位置決め電気部品10は、鏡枠3を基板PC上に固着する際の、鏡枠3の位置決め指標となる。また、位置決め電気部品10の上端が撮像素子2の上端よりも高くなっているので、鏡枠3が、撮像素子2に接触して撮像素子2のワイヤW等を傷つけるのを防ぐ。
尚、位置決め電気部品10は、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等に限らず、撮像装置100に必要な電気部品であればよい。
【0038】
上記のように構成された撮像装置100において、光学部材1、磁石4、回動部材5、鏡枠3の突出部3c、磁性体15とは絞り部7の開口面積を切換える切換え機構として機能する。更に、当該切換え機構のうち、磁石4、回動部材5、磁性体15(磁性体或いは磁石、固定部材)とは、光学部材1の移動させて位置を切換える光学部材移動切換え手段として機能する。
次いで、上記切換え機構及び光学部材移動切換え手段による撮像装置100の作用について具体的に説明する。
【0039】
通常撮像モードにおいて、回動部材5の磁石4は、上面からみた図4に示すように、磁性体15と、光軸方向にて離れた場所に位置する。この場合、図2に示すように、光学部材1の第1レンズ部材12は、押圧部材9による押圧力により撮像素子2の非撮像領域2bに当接されるように位置決めされている。
【0040】
一方、マクロ撮像モードにおいては、図3、及び図4と同様に上面からみた図5に示すように、回動部材5が、90度回転した位置に移動停止する。すると、磁石4と、磁性体15とが、光軸方向において、位置が重なる。すると、磁石4と磁性体15との間に磁性吸引力が発生し、この吸引力は、押圧部材9により光学部材1を撮像素子2方向に押圧する力よりも大きいので、第1レンズ部材12が上方向に移動する。そして、鏡枠3の突出部3dの下面に、第1レンズ部材12の延出部12dが当接して、それ以上の移動が規制される。ここで、第1レンズ部材12に積層されている第1レンズ部材12も同様に上方向に移動する。このようにして、光学部材1が光軸方向の上方に移動すると、第2レンズ部13により縁部7bはつぶされるようにして光軸と垂直な方向に突出するように弾性変形する。すると、開口部7aの開口面積は小さくなる。
このように絞り部7の開口面積が小さくなるとFナンバーが小さくなるが、被写界深度が深くなることとなって、ピントが合う範囲が広がる。したがって、通常撮像モードにおいては、ぼやけていたものであっても、ピントが合いやすくなるので、マクロ撮影に適した撮影環境(マクロ撮像モード)を形成される。
また、光学部材1が、光軸方向の上側に移動することにより、光学部材1と被写体との距離が短くなることにより、マクロ撮影が可能な焦点距離が形成される。
【0041】
尚、マクロ撮像モード時の、回動部材5の回動は、例えば、図示しない駆動手段等により自動に行われる構成であってもよいし、例えば、図示しないレバーの切換え等により手動で行われる構成であってもよい。
【0042】
このように、本実施の形態における撮像装置100において、回動部材5の回動に伴って光学部材1が光軸方向に移動し、この光学部材1の移動に対応して絞り部7が弾性変形してその開口面積が変化することにより、通常撮影に適した状態と、マクロ撮影に適した状態とが形成される。従って、光学部材1移動を利用して絞り部7の開口面積を切換えることで、通常撮像モードと、マクロ撮像モードとを切換えることが可能となる。
更に、絞り部7の開口面積の切換えに対応して、回動部材5の磁石4が、磁性体15と光軸方向において離れており、光学部材1が撮像素子2に当接した焦点距離(通常撮像モード)と、回動部材5が回転移動することで、磁石4と磁性体15との光軸方向において位置が重なることにより、光学部材1が光軸方向上側に移動して突出部3cに当接して移動規制された、通常撮像モードよりも光学部材1から被写体までの距離が短い焦点距離(マクロ撮像モード)との2つの焦点距離(撮像モード)が形成可能となっている。
【0043】
そして、撮像装置100は、絞り部7の開口面積の切換えを行うために光学部材1の移動を用いることにより、撮像モードの切換え処理において、開口面積の変化と、焦点距離の変化とが同時に実行されるように構成されており、光学機能の多機能化が実現されている。
【0044】
また、双方の撮像モードにおいて光学部材1は、通常撮像モードにおいては撮像素子2に当接し、マクロ撮像モードにおいては突出部3cに当接することで、位置決めされるので、例えば、光学部材1の光軸中心と、撮像素子2の光電変換部2aの中心とが一致した状態を維持しやすいこととなって、精度良い光学機能が実現する。
尚、マクロ撮像モードにおいて、光学部材1の第2レンズ部材13が絞り部7に弾接することで、位置決めされる構成であってもよい。
【0045】
また、絞り部7、磁石4、磁性体15等の簡易な部材の配置や、回動部材5の移動により、開口面積の切換えや焦点距離の調節による撮像モードの切換えができるので、製造のコスト、手間をかけることなく、光学機能の多機能化を実現することができる。
【0046】
尚、本発明の撮像装置100の形状、構成等は上記に限定されるものではない。例えば、撮像装置100において、絞り部7の開口面積を変化させるために光学部材1の移動を用いたが、絞り部7に対して、光軸方向の力を加えることにより開口面積を変化させることができれば、別部材を用いた構成であってもよい。そして、この場合、光学部材1の移動を行わずに、絞り部7の開口7aの開口面積の変化のみを用いて、撮像モードを切換えるようにしてもよい。
例えば、フィルタ8により絞り部7の縁部7bを図2中下方に押圧するような切換え機構により、開口面積を切換えてもよい。
【0047】
また、絞り部7は、例えば、弾性変形することにより開口面積を変化させることができれば、ゲル剤の他、どのような素材から形成されていてもよい。
また、絞り部7の配置場所は、光学部材1の上方(光軸方向の前方)に限定されるものではなく、光学部材1による集光を絞ることが可能な位置であればどこに配置されてもよい。
【0048】
また、光学部材1を移動させるための光学部材移動切換え手段として、磁石4や磁性体15等の磁性吸引力を用いた方法を一例にして説明を行ったが、光学部材1の移動手段は、その他の方法であってもよい。
また、回動部材5に磁性体を備え、光学部材1に磁石を備えてもよい。
また、磁石4は電磁石であって、回動部材5を回動させずに、電流の供給の有無に応じて、磁性体15との間の吸引力の発生の有無を切換える構成であってもよい。
また、磁石4と、磁性体15との組合せに限られず、双方とも磁石であって、その間に発生する吸引力と反発力とを用いて、光学部材1を移動させる構成であってもよい。
【0049】
また、光学部材1は、第1レンズ部材12と、第2レンズ部材13とを備える構成で説明を行ったが、単一レンズであってもよい。
また、光学部材1の第2レンズ部材13のみを移動させる構成であってもよい。
【0050】
図6は、本発明を適用した携帯端末の一例である、携帯電話機の外観構成を示す図である。図6に示すように、携帯電話機110は、第1の筐体110a及び第2の筐体110bがヒンジ結合部110cにより開閉可能に連結されて形成された折り畳み式のものである。
【0051】
図6(a)に示すように、折り畳み時に内側になる面には、後述する入力部112及び表示部113が配設されている。入力部112には、カメラボタン、機能キー等が設けられている。また、図6(b)に示すように、折り畳み時に外側になる面に向けて、上述の撮像装置100が設けられている。図6(a)及び図6(b)に示すように、携帯電話機110の上部にはアンテナ114aが配設されている。また、第2の筐体110b内の背面側には、充電パック等の電源制御部117が設けられている。
【0052】
図7は、図6の携帯電話機110の機能的構成を示すブロック図である。図7に示すように、携帯電話機110は、制御部111、入力部112、表示部113、アンテナ114aを有する無線通信部114、記憶部115、撮像装置100、電源制御部117、送受話部118等を備えて構成され、各部はバス119により接続されている。
【0053】
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)111a、書き換え可能な半導体素子で構成されるRAM(Random Access Memory)111b、不揮発性の半導体メモリで構成されるROM(Read Only Memory)111c等から構成されている。
【0054】
ROM111cには、図示しない、携帯電話機110の基本動作制御プログラム、通信処理プログラム、表示部113に表示するための表示用データ、撮像に関するパラメータデータ(自動撮像用のデフォルトの設定データ、プレビュー表示処理用のデフォルトの設定データ)等の他、撮像制御プログラムc1、コード認識プログラムc2、コード認識用データc3が記憶されている。ここで、コード認識用データc3は、画像データに情報コードとしての二次元コードが含まれているかを判断するためのコード類似性係数(Q)を設定する際の基準データである。
【0055】
CPU111aは、入力部112から入力される各種指示又は無線通信部14から入力されるデータに従って、ROM111cに記憶されている各種プログラムの中から指定されたプログラムをRAM111bのワークエリアに展開し、この入力指示及び入力データにより上記プログラムに従って各種処理を実行する。そして、CPU111aは、その処理結果をRAM111bの所定の領域に格納するとともに、表示部113に表示させる。
【0056】
具体的に、CPU111aは、ROM111cに記憶される撮像制御プログラムc1を読み出して、後述する撮像制御処理を実行する。
撮像制御処理として、CPU111aは、入力部112から入力されるユーザの操作指示等に従って、撮像装置100を制御して、撮像させた撮像画像データをRAM111bに所定のメモリ等に格納した上で、フレームレート25fpsで、表示部113にプレビュー表示させる。
また、CPU111aは、コード認識プログラムc2に従って、撮像画像データに対して二次元コードである可能性のある二次元コード対象を認識するコード処理を実行する。具体的に、CPU111aは、5フレーム毎に、撮像画像データと、コード認識用データc3とを対照することにより、撮像画像データに二次元コードが含まれているか否かの判断を実行する。より具体的には、CPU111aは、撮像画像データと、類似性係数算定用情報としてのコード認識用データc3とを対照することにより、二次元コード対象にコード類似性係数を算出し、このコード類似性係数の値に基づいて、二次元コードである可能性のある二次元コード対象(情報コード対象)や二次元コードを認識する。
【0057】
更に、CPU111aは、コード類似性係数が、コードを含んでいる可能性があるが、決定的でない数値であると判断した二次元コード対象がある場合、撮像装置100により通常撮像モードからマクロ撮像モードによる撮像処理を行うように切換えるために回動部材5を回動させる駆動手段(図示省略)を制御する。
【0058】
また、CPU111aは、撮像画像データ中に二次元コードを認識した場合には、二次元コードのデコード処理するとともに、表示部113に表示させる。
また、CPU111aは、デコード処理を行った情報コードの情報に基づく動作を実行する。
【0059】
入力部112は、テンキー、各種機能スイッチ、通話モード及びカメラモードの切換えを行うモード切換スイッチ等を備えており、撮像処理の実施指示の入力等に用いられる。
【0060】
表示部113は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等により構成され、制御部111から入力される表示データに基づいて画面表示を行う。また、表示部113は、後述する撮像装置100によってプレビュー撮像された画像や、制御部111により復号(デコード)されたコード情報内容等を表示する。
【0061】
無線通信部114は、無線基地局(図示せず)との間で着信や発信等に係る無線信号の送受信を行うアンテナ114aを備え、制御部111から入力される指示に従って、無線基地局との間で、例えば、IMT−2000準拠の通信方式(例えば、W−CDMAやcdma2000)に対応する携帯電話用の通信プロトコルを実行し、この通信方式で設定される通信チャネルにより、送受話音声の送受信やデータ通信を実行する。
【0062】
記憶部115は、制御部111により実行された処理結果のデータ等を記憶する。例えば、記憶部115は、撮像装置100により撮像された画像のデータ、無線通信部114を介して送受信したメールのデータ、通話履歴のデータ等を記憶する。
【0063】
撮像装置100は、図1〜図5を用いて説明した構成であり、光学部材1を介して入力される画像を撮像素子2で電気信号に変換して、画像データを生成する。また、撮像素子2のCCD型イメージセンサ等は、周囲の光量を検出する光学センサとしての機能を有し、周囲の光量に応じた検出信号を制御部111に出力する。
また、撮像装置100の回動部材5は、制御部111の制御に基づいて駆動される駆動手段(図示なし)により、回動される。即ち、撮像装置100は、制御部111の制御により、通常撮像モードと、マクロ撮像モードとによる撮像処理が切換え可能に構成されている。
【0064】
電源制御部117は、例えば、リチウム電池、ニッケル電池、ニカド電池等の2次電池により構成され、電源が投入されると、制御部111の制御に応じて、プラス側の端子及びマイナス側の端子から、携帯電話機110の各部を駆動する駆動回路に所定電圧の電源を供給する。
【0065】
送受話部118は、マイク、スピーカ、A/D変換部、及びD/A変換部(何れも図示せず)を有し、マイクから入力されるユーザの送話音声をA/D変換処理して、その送話音声データをCPU111aに出力するとともに、CPU111aから入力される受話音声データや、着信音、操作確認音、シャッタ音等の音声データをD/A変換処理して、スピーカから出力する。
【0066】
以下、図8のフローチャートを参照して、携帯電話機110における撮像制御処理について説明する。
【0067】
携帯電話機110のユーザによって、入力部112の所定のボタンが押下されることにより、CPU111aは、撮像処理の指示の入力であると判断し、ROM111cに記憶されている撮像制御プログラムc1を読み出してRAM111bに展開し、該撮像制御プログラムc1に従って、撮像処理の制御を開始する。このとき、ユーザは、携帯電話機110の撮像装置100を被写体に向けることにより、被写体を撮像することとする。
【0068】
そして、CPU111aは、具体的には、RAM111bに格納されている画像データのフレームのカウント数を0(N=0)にリセットし(ステップS101)、通常撮像モードによる撮像処理の開始指示を撮像装置100に出力する。
【0069】
すると、撮像装置100は、通常撮像モードにおける撮像処理として、光学部材1により集光され、撮像素子2の光電変換部2aに結像された被写体の撮像画像データを順次、制御部111に出力する(ステップS102)。
【0070】
すると、制御部111のCPU111aは、撮像装置100より順次入力される撮像画像データを、RAM111bに格納するとともに、この撮像画像をフレームレート25fpsで表示部113に表示させるプレビュー表示処理を実行する(ステップS103)。また、CPU111aは、プレビュー表示処理の実行と平行して、撮像装置100から入力される画像のフレーム数をカウント(N=N+1)し(ステップS104)、フレーム数が「5」であるかを判断する(ステップS105)。
そして、CPU111aは、フレーム数が「5」であると判断した場合(ステップS105:Yes)には、ステップS106に移行し、フレーム数が5でないと判断した場合(ステップS105:No)には、ステップS102に移行し、以降の工程を繰り返す。
【0071】
次いで、ステップS106〜ステップS108において、CPU111aは、ROM111cに記憶されているコード認識プログラムc2を読み出してRAM111bに展開し、このコード認識プログラムc2に従って、コード認識処理の制御を開始する。具体的に、CPU111aは、フレーム数が「5」となったときの被写体の撮像画像データと、コード認識用データc3とを比較対照することにより、二次元コードの認識処理を実行する。
【0072】
ここで、認識処理の方法として、例えば、被写体の撮像画像データに二次元コードであることを示す所定の切り出しシンボルを検出することにより認識する方法、或いは、被写体の撮像画像データの濃度により認識する方法、二次元コードの所定のモザイク形状を認識する方法等があるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
より詳細には、CPU111aは、ステップS106において、撮像画像データと類似性係数算定情報としてのコード認識用データc3と比較することにより、該撮像画像データの二次元コードである可能性を判断するためのコード類似性係数(Q)を算出する。
【0074】
次いで、CPU111aは、算出されたコード類似性係数(Q)の値が、「0.5」以上であるか否かを判断し(ステップS107)、Qが「0.5」以上であると判断した場合(ステップS107:Yes)には、所定の二次元コードの可能性があると判断し、ステップS108に移行する。
一方、CPU111aは、算出されたコード類似性係数(Q)が0.5未満であると判断した場合(ステップS107:No)には、二次元コードである可能性が少ないと判断し、フレームのカウントを「0」にリセット設定(N=0)した(ステップ109)上で、ステップS102に移行し、以降の工程であるプレビュー表示処理と5フレーム毎のコード認識処理を繰り返す。
このように、CPU111aは、5フレーム毎に、被写体の撮像画像データに対し、二次元コードの認識処理を実行する。従って、CPU111aの処理負荷が低減されることとなって、平行して実行する被写体の撮像画像データの取得処理及び該撮像画像データのプレビュー表示処理への影響を軽減することができる。
【0075】
ステップS108において、CPU111aは、コード類似性係数(Q)が、「1」であるか否かを判断し、「1」であると判断した場合(ステップS108:Yes)には、二次元コードであると判断してステップS110に移行する。
【0076】
一方、CPU111aは、コード類似性係数(Q)が、「0.5」以上であるが「1」ではないと判断した場合(ステップS108:No)には、二次元コードの可能性があるが明確でないものとしての二次元コード対象(情報コード対象)であると認識する。そして、CPU111aは、撮像装置100にマクロ撮影が可能なように、図示しない駆動手段を制御して、回動部材5を回動させることにより、マクロ撮像モード設定処理を実行し(ステップS111)、ステップS109に移行する。
そして以降の工程で、マクロ撮像モードにおける撮像処理として、CPU111aの制御により、撮像装置100の回動部材5の回動に伴い、磁石4と磁性体15との光軸の垂直方向における位置が重なることにより、光学部材1の第1レンズ部材12が光軸方向前方に移動し、突出部3cに当接した状態となるとともに、第2レンズ部材13が絞り部7に対して光軸方向に力を加えることにより、絞り部7が弾性変形して開口面積が小さくなり、マクロ撮影に適した状態が形成される。この状態において、光学部材1と撮像素子2を用いて、被写体の撮像画像データが取得され、表示部113にプレビュー表示される。また、CPU111aは、このマクロ撮像モードにおける撮像処理、プレビュー表示処理と平行して、マクロ撮像モードによる撮像画像データに対し、5フレーム毎のコード認識処理を実行する。このとき、マクロ撮像モードの撮像装置100においては、被写界深度が深くなるとともに、マクロ撮影に適した焦点距離になるので、二次元コードが認識されやすくなる。従って、通常撮像モードおいて二次元コードとしての可能性があるが確定ではないものとしての二次元コード対象が二次元コードとして認識される可能性が高くなり、結果として二次元コードの認識率が向上する。
【0077】
ステップS110において、CPU111aは、認識された二次元コードのデコード処理を実行し、その二次元コードのコード情報内容を表示部113に表示させる(ステップS112)。
ここで、表示部113に表示されるコード情報内容としては、例えば、URLアドレス、電子メールアドレス等の文字情報や、任意の画像情報等である。
尚、コード情報内容としての文字情報、画像情報等の表示部113に表示可能な内容の他、例えば、コード情報内容が音声情報である場合、送受話部18から放音処理を実行する構成であってもよい。
【0078】
次いで、CPU111aは、ユーザによる入力部112の操作により、表示部113に表示されたコード情報内容に対する所定の処理の指示信号が入力されたか否かを判断し(ステップS113)、指示信号が入力されたと判断した場合(ステップS113:Yes)には、該指示に応じた処理を実行(ステップS114)してステップS115に移行する。
ここで、コード情報内容に対する所定の処理とは、例えば、コード情報内容がURLアドレスである場合には、該URLアドレスへの接続指示、コード情報内容が電子メールアドレスである場合には、該電子メールアドレス宛の電子メールの作成指示、コード情報内容が、電話番号、電子メールアドレス等である場合にはアドレス帳等への保存処理、その他、表示部113の表示画像の保存処理等であるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
一方、CPU111aは、ステップS113において、ユーザからの指示信号の入力がないと判断した場合(ステップS113:No)、ステップS115に移行する。
そして、ステップS115において、CPU111aは、ユーザの入力部112の操作により、撮像処理の終了指示が入力されたか否かを判断し、入力されたと判断した場合には、撮像装置100に撮像処理の終了指示を出力することにより、本撮像制御処理を終了する。
一方、CPU111aは、撮像処理の終了指示の入力がないと判断した場合(ステップS115:No)は、ステップS109に移行し、以降の工程を繰り返す。
【0080】
このように、上述の撮像制御処理においては、撮像装置100による被写体の撮像画像データの取得処理、及びその撮像画像データのプレビュー表示処理と平行して、該撮像画像データ中の所定の二次元コードデータの認識処理、及び二次元コードデータのデコード処理が自動的に実行される。従って、ユーザは、例えば、名刺や雑誌等に付けられている二次元コードを認識・解読するために、面倒な設定をしなくとも通常の撮像処理の場合と同操作をすることで、自動的に二次元コードの読取、解読を行えるので、大変使い勝手が良い。
また、例えば、通常撮像モードによる撮像画像データのピントがぼけていたり、ノイズが多く含まれていることにより、二次元コードと明確に認識することができないが、その可能性がある場合には、二次元コードの認識に適したマクロ撮像モードによる撮像処理に自動的に切り換わるように撮像装置100が制御される。従って、ユーザに、撮像モードの設定変更の手間を課すことなく、二次元コードの認識精度を高めることができる。
また、通常撮像モードによる撮像画像データに二次元コードが含まれている可能性が少ない場合や、明確に二次元コードが認識できた場合には、撮像モードが切り換わらないので、効率的である。
【0081】
尚、本実施の形態における記述内容は、本発明に係る携帯電話機110の好適な一例であり、これに限定されるものではない。例えば、撮像装置100の回動部材5の移動方法はどのようなものであってもよい。
【0082】
また、情報コードの一例として二次元コードを用いて説明を行ったが、二次元コードに限定されるものではなく、例えば、バーコード、カラーコード等どのような情報コードであってもよい。
【0083】
また、上述の撮像制御処理において、二次元コードをデコードすると、そのコード情報内容を表示部113に表示させた上で、ユーザによる所定の処理の指示を待機し、ユーザの指示があってはじめて、二次元コードの情報内容に応じた各種処理を実行する構成で説明を行ったが、CPU111aにより、コード情報内容が解読されると自動的に所定の処理を実行する構成であってもよい。
【0084】
その他、本実施の形態における携帯電話機110の細部構成、及び詳細動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、本発明の携帯端末は、携帯電話機110に限定されず、パーソナルコンピュータ、PDA等であってもよい。
また、本発明の撮像装置は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、PDA、AV装置、テレビ、家庭電化製品など、種々のものに組み込むことが可能と考えられる。
【0085】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、絞り部は、光軸方向の力が加わると光軸と垂直方向に突出するように弾性変形して開口面積が小さくなるように構成されており、切換え機構により当該絞り部に光軸方向の力を加えることで絞り部の開口面積が切り換わることとなって、撮像装置における被写界深度を切換えられる。従って、製造コストや手間をかけずに、被写界深度が異なる複数の撮像条件における撮像処理が可能となって、光学機能の多機能化が実現する。
【0086】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、切換え機構により、光学部材が基板或いは撮像素子に当接した状態と、光学部材を光軸方向の前部側に移動させて、光学部材により絞り部に対して光軸方向に荷重を加えた状態と、を切換えることにより、絞り部の開口面積を切換えるとともに、更に、光学部材が基板又は撮像素子に当接している場合の焦点距離と、光学部材が絞り部に荷重を加えている場合の焦点距離との2つの焦点距離による撮像処理が可能となるので、更に光学機能の多機能化を実現することができる。また、光学部材は、どちらの状態も位置決めされるので、精度の良い光学機能が実現する。
【0087】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光学部材移動切換手段により、光学部材は、磁石による吸引力の発生の有無により移動されるので、複雑な機構を備えることなく、焦点距離の切換え、及び絞り部の開口面積の切換えができるので、製造のコスト、手間をかけることなく、光学機能の多機能化を実現することができる。
【0088】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光学部材移動切換手段は、光軸を中心に回動自在に取り付けられ、磁石を備えた回動部材と、光学部材に固定され、磁性体或いは磁石からなる固定部材とを備えており、回動部材を回動させることで、回動部材の磁石と固定部材とが光軸方向に重なる状態と、回動部材と固定部材とが光軸方向に離れた状態とが切換えることにより、回動部材と固定部材との間に吸引力が発生する状態と、吸引力が発生しないか或いは反発力が発生する状態との2つの状態を形成することで、絞り部の開口面積及び焦点距離を切換えられることとなり、製造コストや手間をかけずに切換え機構を構成できることとなって、好適である
【0089】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、絞り部は、その一部が弾性変形して開口面積が切り換わるように構成されているので、必要部分のみ弾性部材で形成すれば良いこととなって、製造コストや手間をかけることなく、絞り部の開口面積を切換えられることとなって、好適である。
【0090】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されている携帯端末は、その撮像装置に基づき、撮像機能の多機能化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像装置の一部省略斜視図である。
【図2】図1の撮像装置の通常撮像モードにおけるII−II線における一部省略断面図である。
【図3】図1の撮像装置のマクロ撮像モードにおけるII−II線における一部省略断面図である。
【図4】通常撮像モードにおける回動部材の位置、絞りの開口面積を説明するための上面図である。
【図5】マクロ撮像モードにおける回動部材の位置、絞りの開口面積を説明するための上面図である。
【図6】本発明にかかる撮像装置を内蔵した携帯電話機の一例を示す正面図及び背面図である。
【図7】図6の携帯電話機の内部構成を説明するためのブロック図ある。
【図8】図6の携帯電話機による撮像制御処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 光学部材
2 撮像素子
4 磁石(切換え機構、光学部材移動切換手段)
5 回動部材(切換え機構、光学部材移動切換手段、回動部材)
7 絞り部
7b 縁部(一部)
15 磁性体(切換え機構、光学部材移動切換手段、磁性体或いは磁石)
100 撮像装置
110 携帯電話機(携帯端末)
Claims (6)
- 撮像素子が設けられた基板と、
前記撮像素子に入射光を集光する光学部材と、
前記光学部材により集光される光の量を調整する絞り部と、を備える撮像装置であって、
前記絞り部は、光軸方向の力が加わると光軸と垂直方向に突出するように弾性変形して開口面積が小さくなるように構成されているとともに、
前記絞り部に光軸方向の力を加えることで前記絞り部の開口面積を切換える切換え機構を備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記切換え機構は、前記光学部材が前記基板或いは前記撮像素子に当接した状態と、前記光学部材を光軸方向の前部側に移動させて、前記光学部材により前記絞り部に対して光軸方向に荷重を加えた状態と、を切換えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置において、
前記切換え機構は、磁石による吸引力の発生の有無により、前記光学部材を移動させる光学部材移動切換手段を備えていることを特徴とする撮像装置。 - 請求項3に記載の撮像装置において、
前記光学部材移動切換手段は、
光軸を中心に回動自在に取り付けられ、磁石を備えた回動部材と、
前記光学部材に固定され、磁性体或いは磁石からなる固定部材とを備え、
前記回動部材を回動させることで、前記回動部材の磁石と前記固定部材とが光軸方向に重なる状態と、前記回動部材と前記固定部材とが光軸方向に離れた状態とを切換えることが可能に構成されていることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置において、
絞り部は、その一部が弾性変形して開口面積が切り換わるように構成されていることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されていることを特徴とする携帯端末。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003036947A JP2004246172A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 撮像装置及び携帯端末 |
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Family Applications (1)
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JP2003036947A Pending JP2004246172A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 撮像装置及び携帯端末 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007047373A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Fujitsu Ltd | 二方向焦点切替カメラ搭載端末装置 |
JP2015526948A (ja) * | 2012-06-20 | 2015-09-10 | ビオメリューBiomerieux | カメラと絞りとを含む光学デバイス |
CN107121873A (zh) * | 2016-02-24 | 2017-09-01 | 佳能株式会社 | 光学装置 |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003036947A patent/JP2004246172A/ja active Pending
Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
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