JP2004245725A - 地震検出装置とそれを用いる遮断弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震波を、衝撃波とは区別して正確に検出すること。
【解決手段】加速度センサ131によって、水平面内の第1方向xの加速度αxを検出するとともに、第2方向yの加速度αyをも検出し、これらの検出加速度αx,αyを、地震演算処理回路136において、各弁別レベルLx1,Ly1でレベル弁別し、その時間Wx,Wyをそれぞれ計測する。Lx1=Ly1であってもよく、たとえば400galである。両計測時間Wx,Wyのいずれもが、短い第1の予め定める時間W1(たとえば5msec)以上であるとき、地震が発生したものと判別する。またこれらの計測時間Wx,Wyの少なくともいずれか一方が、長い第2の予め定める時間W2(たとえば10msec)以上であるときにも、地震が発生したもの判別する。
【選択図】 図1
【解決手段】加速度センサ131によって、水平面内の第1方向xの加速度αxを検出するとともに、第2方向yの加速度αyをも検出し、これらの検出加速度αx,αyを、地震演算処理回路136において、各弁別レベルLx1,Ly1でレベル弁別し、その時間Wx,Wyをそれぞれ計測する。Lx1=Ly1であってもよく、たとえば400galである。両計測時間Wx,Wyのいずれもが、短い第1の予め定める時間W1(たとえば5msec)以上であるとき、地震が発生したものと判別する。またこれらの計測時間Wx,Wyの少なくともいずれか一方が、長い第2の予め定める時間W2(たとえば10msec)以上であるときにも、地震が発生したもの判別する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震を、地震波以外の衝撃波とは区別して検出する地震検出装置に関し、さらにその地震装置を備える遮断弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような地震検出装置は、たとえば地震が発生したとき、都市ガス、液化石油ガスLPGなどのガス燃料などの供給を遮断するために必要になる。先行技術(特許文献1参照)は、地震の振動を、振動センサで検出し、その振動の大きさおよび周波数を求め、メモリに予めパターン化してストアしてある複数の振動パターンとを比較することによって、振動センサで検出された振動が地震波であるか否かを検出する。
【0003】
このような先行技術では、地震波であるか、または地震波以外の衝撃波以外であるかを正確に判別することができない。衝撃波というのは、たとえば人または動物が衝突し、あるいはまた掃除中のほうきまたは遊んでいるときのボールなどが衝突して生じる振動の衝撃波である。
【0004】
【特許文献1】
特開昭64−83181
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、地震波を正確に検出することができる地震検出装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、地震波を正確に検出することができる地震検出装置を備える遮断弁装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)予め定める第1方向xの加速度を検出するとともに、第1方向に交差する第2方向yの加速度を検出する加速度センサと、
(b)加速度センサによって検出される第1検出加速度αxを、予め定める第1弁別レベルLx1でレベル弁別する第1レベル弁別手段と、
(c)加速度センサによって検出される第2検出加速度αyを、予め定める第2弁別レベルLy1でレベル弁別する第2レベル弁別手段と、
(d)第1レベル弁別手段の出力に応答し、第1検出加速度αxが、第1弁別レベルLx1以上である第1の計測時間Wxを計測する第1の時間計測手段と、
(e)第2レベル弁別手段の出力に応答し、第2検出加速度αyが、第2弁別レベルLy1以上である第2の計測時間Wyを計測する第2の時間計測手段と、
(f)第1および第2時間計測手段の出力に応答し、
第1および第2の計測時間Wx,Wyのいずれもが、第1の予め定める時間W1以上であるとき、および
第1または第2の計測時間Wx,Wyのいずれか一方が、第1の予め定める時間W1を超える予め定める第2の時間W2以上であるとき、
地震が発生したことを判別する地震判別手段とを含むことを特徴とする地震検出装置である。
【0008】
また本発明は、第1弁別レベルLx1と、第2弁別レベルLy1とは、等しい値に定められることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、第1の予め定める時間W1は、3〜7msecであり、
第2の予め定める時間W2は、8〜12msecであることを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、たとえば水平面で相互にたとえば直角に交差する第1および第2方向x,yの加速度を、加速度センサによって検出し、こうして得られた第1および第2検出加速度αx,αyを、第1および第2レベル弁別手段で、予め定める第1および第2弁別レベルLx1,Ly1を用いてそれぞれレベル弁別するとともに、第1および第2の時間計測手段によってそれらの第1および第2検出加速度αx,αyが第1および第2弁別レベルLx1,Ly1よりも大きい第1および第2の時間Wx,Wyをそれぞれ計測する。加速度センサは、後述の本発明の形態におけるように単一の質量体を用いて第1および第2方向x,yの加速度を検出するように構成されてもよいが、本発明の実施の他の形態では、第1方向xの加速度を検出する加速度センサと、第2方向yの加速度を検出するもう1つの加速度センサとを個別的に、すなわち別々に、構成して、前記加速度センサを実現してもよい。地震判別手段は、加速度センサによる第1および第2加速度αx,αyが、第1および第2弁別レベルLx1,Ly1以上であって、その継続する計測時間Wx,Wyの両者が短い第1の予め定める時間W1(後述の実施の形態におけるWx1,Wy1)以上であるとき、地震が発生したものと判別する。この第1の予め定める時間W1は、たとえば5msecであってもよく、たとえば3〜7msecの範囲で適切に選ばれる。
【0011】
地震判別手段はまた、第1および第2検出加速度αx,αyが第1および第2弁別レベルLx1,Ly1以上である計測時間Wx,Wyの少なくともいずれか一方が、長い第2の予め定める時間W2(後述の実施の形態におけるWx2,Wy2)以上であるとき、地震が発生したものと判別する。この第2の時間W2は、短い第1の時間W1を超える長い予め定める値であって(W1<W2)、たとえば10msecであってもよいが、8〜12msecの範囲で適切に選ばれる。
【0012】
第1および第2弁別レベルLx1,Ly1は、等しい値に選ばれてもよいが、異なる値であってもよい。本発明に従って、これらの第1および第2弁別レベルLx1,Ly1が、等しい値に定められることによって、第1および第2レベル弁別手段の構成を簡略化することができ、マイクロコンピュータによって実現される構成において、そのマイクロコンピュータの演算処理を簡略化することができる。地震検出装置の設置場所に依存して、これらの第1および第2弁別レベルLx1,Ly1を相互に異なる値に設定することもまた可能である。第1および第2弁別レベルLx1,Ly1は、たとえば400galであってもよい。
【0013】
また本発明は、加速度センサは、
半導体サブストレートに、多結晶シリコン膜から成る質量体が、相互に直交する第1および第2方向x,yを含む仮想水平面内で、弾発的に変位自在に支持され、
質量体の第1および第2方向x,yの変位による差動静電容量を検出することを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、1つの半導体サブストレートに、質量体としてのポリシリコン膜を、たとえば蒸着によって形成して第1および第2方向に変位可能に支持し、このような3次元の構成は、フォト・リソグラフィ・プロセスを用いて形成することができる。こうして得られる質量体の第1および第2方向x,yの変位による差動静電容量を、電気回路によって検出し、第1および第2方向x,yの各成分を有する正確な変位、したがって加速度を検出することができるようになる。本発明の実施の他の形態では、加速度センサは、上述のように第1および第2方向x,yに共通の単一の質量体を用いることなく、個別的に構成されてもよい。
【0015】
また本発明は、電池と、
電池の電圧を昇圧して、加速度センサと、第1および第2の時間計測手段と、地震判別手段とに、供給するDC/DCコンバータと、
第1および第2弁別レベルLx1,Ly1未満である第3弁別レベル以上の加速度を検出する起動用加速度センサと、
起動用加速度センサの出力に応答し、検出加速度が、第3弁別レベル以上であるとき、第1および第2の予め定める時間W1,W2を越える予め定める第3の時間W3だけ、DC/DCコンバータを動作させるタイマ手段とを含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、起動用加速度センサは、球状体の機械的な変位を検出する構成を有することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、たとえばリチウム電池などの電池を、長期間、たとえば7〜10年間にわって使用することができるようにするために、電池の省電力化を図ることを可能にする。このために、起動用加速度センサを用い、地震波または衝撃波などの振動が作用したとき、起動用加速度センサが、これらの地震波および衝撃波などを含む振動波を検出し、これによってDC/DCコンバータを、予め定める第3の予め定める時間W3(たとえば3分間、ただしW1<W3、W2<W3)だけ動作させ、このDC/DCコンバータからの昇圧された電力を、加速度センサと、第1および第2の時間計測手段と、地震判別手段と、さらにそのほかの電気回路などに供給して動作させる。こうして起動用加速度センサによる振動波が検出された後、前述のように予め定める第3の時間W3だけ、電池の電力は昇圧されてそのほかの回路構成が駆動され、この予め定める第3の時間W3の経過後、DC/DCコンバータには、電池の電力が供給されなくなり、こうして電池の電力の消費を低減することができる。
【0018】
起動用加速度センサは、たとえば球状体の機械的な変位を検出する構成を有し、振動波によって球状体が変位することによって、たとえば2つの接点が電気的に導通する。したがって起動用加速度センサによって検出される振動波の加速度が、予め定める弁別レベル以上であるかどうかを、電気的構成を有するレベル弁別手段などによって実現する構成ではないので、このことによって、電池の消費電力をさらに低減することができる。こうして起動用加速度センサの出力が得られるかどうかだけを常時、検出するための構成にのみ、電池から電力を供給すればよく、電池の消費電力の低減が可能となる。
【0019】
起動用加速度センサによって、前述の第1および第2弁別レベル未満の小さい加速度を検出し、これによってDC/DCコンバータを動作させて地震波のみを判別し、地震波が判別されたとき、そのことを表わす信号を出力する。したがって起動用加速センサは、地震波だけでなく衝撃波およびそのほかの振動波を検出する構成であればよく、構成の簡略化を図ることができる。
【0020】
また本発明は、自己診断のために操作される自己診断用スイッチと、
自己診断用スイッチの出力に応答し、地震判別手段が地震の発生を判別する擬似加速度信号を、加速センサの出力の代りに、第1および第2レベル弁別手段に与える擬似加速度信号発生手段とを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、加速度センサ以外の後続する回路構成が正常に動作するかどうかを自己診断してメンテナンスを行うために、自己診断用スイッチを、作業者が操作する。これによって第1および第2加速度センサの出力の代りに、擬似加速度信号が発生される。こうして自己診断のメンテナンス作業がきわめて容易になる。
【0022】
また本発明は、前述の地震検出装置と、
流体の供給経路に介在され、電磁コイルの励磁によって遮断する遮断弁と、
地震検出装置の地震判別手段からの地震を検出したことを表わす出力に応答し、電磁コイルの励磁電力を供給する励磁駆動回路と、
励磁駆動回路から電磁コイルに電力を供給する電力供給用電線と、
電力供給用電線に沿って配置される閉ループの断線検出用電線と、
断線検出用電線の断線を検出する断線検出手段と、
断線検出手段の出力に応答し、断線検出用電線の断線が検出されたとき、断線が発生したことを表示する表示手段とを含むことを特徴とする遮断弁装置である。
【0023】
本発明の遮断弁装置によれば、励磁駆動回路と遮断弁の電磁コイルとの間に布設される電力供給用電線に沿って、閉ループの断線検出用電線を布設し、この断線検出用電線の断線が生じたとき、表示手段によって、その断線の発生を表示する。表示手段は、液晶またはランプなどの目視表示を行う構成であってもよいが、音響を発生するスピーカなどによって実現されてもよく、そのほかの構成によって実現されてもよい。断線検出用電線の断線が生じているとき、たとえばコネクタが不所望に離脱したり、コネクタの接続が不完全である場合であり、このとき電力供給用電線も、断線を生じている可能性が極めて高い。したがってこのような断線検出用電線の断線発生時、作業者は、表示手段の表示に基づいて、電力供給用電線の断線および断線検出用電線の断線を補修することができる。そのため、地震発生時、電力供給用電線を介して電磁駆動回路から遮断弁の電磁コイルに、励磁電力を確実に供給して遮断弁を閉弁状態とすることができ、不所望なガスなどの流体の供給が遮断され、安全性が高まる。
【0024】
また本発明は、励磁駆動回路は、電池からの電力を電磁コイルに供給し、
断線検出用電線の一端部は、電池に接続され、他端部は、断線検出手段に接続され、
断線検出手段は、DC/DCコンバータからの電力によって駆動されることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、遮断弁の電磁コイルに電力を供給するにあたっては、電池からの電力を供給し、DC/DCコンバータからの電力を供給せず、これによってDC/DCコンバータの容量を小形化することができるとともに、電磁コイルに、遮断に必要な励磁電力を確実に供給することができる。また断線検出用電線は、電池に接続され、DC/DCコンバータに接続されている構成とはなっていないので、このことによってもまた、DC/DCコンバータの容量を小形化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の地震検出装置の全体の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。加速度センサ131は、水平面内における予め定める第1方向xの加速度を検出するとともに、その第1方向xにたとえば直角に交差する第2方向yの加速度を検出する2軸静電容量式加速度センサである。第1および第2方向x,yの第1および第2検出加速度αx,αyを表わす信号は、ライン132からローパスフィルタ133に与えられて濾波され、第1検出加速度αxを表わす信号はライン134から、また第2検出加速度αyを表わす信号はライン135をそれぞれ介して、地震演算処理回路136に与えられる。加速度センサ131によって検出される地震波は、たとえば15Hz以下の振動波は、たとえば15Hz以下であり、5〜8Hzのピークを有する振動波であり、このような周波数範囲を有する地震波を表わす信号だけを、ライン134,135に導出する。これによってローパスフィルタ133は、加速度センサ131から与えられる20Hz以上の衝撃波の信号を遮断する。この地震演算処理回路136は、たとえばマイクロコンピュータなどによって実現される。加速度センサ131の動作によって地震が検出されたとき、遮断弁1(後述の図7に示される遮断弁の電磁コイル47が、電磁コイル駆動回路137によって駆動されるとともに、送信回路138は、地震が検出された信号を、外部に送信し、たとえばPHS(Personal Handyphone System)携帯端末装置に、送信する。
【0027】
この地震検出装置では、1次電池であるリチウム電池141が設けられ、たとえば7〜10年間、使用することができるように、次に述べるように省電力化が図られる。起動用加速度センサ142は、図6に関連して後述されるように、球状体143の機械的な変位を検出する構成を有し、この検出のために電力を消費する構成とはなっていない。この起動用加速度センサ142の動作感度は、80〜250galの範囲での振動を検出する機能を有する。起動用加速度センサ142によって振動が検出されると、1チップマイクロコンピュータによって実現されるタイマ手段144は、予め定める時間W3、たとえば3分だけ、DC/DCコンバータ145を動作状態とする。DC/DCコンバータ145は、電池141のたとえば3Vの出力をステップアップして、たとえば5Vに昇圧し、その出力電力を、加速度センサ131および地震演算処理回路146などに供給して動作させる。
【0028】
さらに自己診断用スイッチ146が備えられ、自己診断のために作業者が操作される。
【0029】
図2は、加速度センサ131を構成する加速度センサ本体148を示す簡略化した平面図である。加速度センサ本体148は、水平面内で単発的に変位可能な多結晶シリコン膜から成る質量体149を有する。
【0030】
図3は、図2に示される加速度センサ本体148の製造方法を説明するための断面図である。図3(1)に示されるように、Si半導体サブストレート151上に、厚み1.0μmのSiO2の酸化膜152を成長させる。
【0031】
次に図3(2)に示されるように、酸化膜152の一部153に、フォトリソグラフィの手法を用いてエッチングし、窓開けして貫通孔を形成する。
【0032】
そこで図3(3)に示されるように、厚み2.0μmの多結晶シリコン膜を、蒸着によって形成し、こうして質量体149が形成されるとともに、窓開けされた前記一部153に多結晶シリコンが充填されて、アンカである支柱154が形成される。
【0033】
その後、図3(4)に示されるように、残存する酸化膜152を全て、エッチングによって除去する。こうして質量体149は、第1および第2方向x,yを含む仮想水平面内で、支柱154によって弾発的に変位自在に支持される。質量体149には、差動静電容量方式で第1および第2方向x,yの変位を検出するための検出片155,156がそれぞれ形成される。支柱154は、平面形状が正方形である質量体149の4つの各隅に配置され、ばね力を発生する構造を有する。
【0034】
図4は、第1方向xの変位の検出のための検出片155とその付近の構成を簡略化して示す平面図である。質量体149の第1方向xの変位を検出するために、検出片155に関して第1方向xの両側に間隔をあけて一対の固定電極157,158が配置される。振動が与えられていない質量体149の自然状態では、検出片155と一方の固定電極157との間の静電容量CS1と、その検出片155と他方の固定電極158との間の静電容量CS2とは等しい(CS1=CS2)。地震波および衝撃波が半導体サブストレート151に作用することによって、その半導体サブストレート151に固定された固定電極157,158と、支柱154によって弾発的に支持された質量体159とが水平面内で相互に変位する。検出片155と固定電極157,158とは、第1方向xの静電容量セル161を構成する。これによって前述の静電容量CS1,CS2が異なる値となり、作動出力が得られることになる。
【0035】
第2方向yの静電容量セル162もまた、静電容量セル161と同様な構成を有し、検出片156に関して第2方向yの両側に間隔をあけて固定電極163,164が半導体サブストレート151上に固定されて配置される。
【0036】
図5は、加速度センサ131の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。静電容量セル161,162の各出力は、復調器165,166にそれぞれ与えられる。復調器165では、前述の図4における第1方向xに関して、検出片155と一対の固定電極157,158は、2個のコンデンサが直列に接続された容量分割回路を等価的に形成する。各固定電極157,158は、位相が相互に180度異なっている1MHzの方形波によって差動的に駆動され、これらの2つの方形波の振幅は等しい。振動が生じていない動作停止時、静電容量CS1,CS2は同一値であるので、電気的に中心の電圧出力は、零となる。
【0037】
もう1つの復調器166でもまた、静電容量セル162に関して同様な動作が行われる。これらの復調器165,166の各出力は、デューティサイクル発生回路168に与えられ、アナログ信号をデューティサイクル変調(略称DCM)に変換され、マイクロプロセッサ169のカウンタ171によってデコードされ、こうしてライン172,173からは、第1および第2方向x,yの検出加速度αx,αyを表す信号が導出される。
【0038】
半導体サブストレート151に加速度振動が加えられたとき、検出片155の各固定電極157,158間の静電容量CS1,CS2が異なり、その結果、信号出力が得られる。この信号出力の方形波の振幅は、加速度に比例した値である。
【0039】
図6は、起動用加速度センサ142の具体的な構成を簡略化して示す断面図である。鉄などの金属製球状体143は、球状体143よりも大きい半径を有する球面の一部を成す内周面を利用する受け部175によって、自然状態で支持されている。地震波および衝撃波の振動が、受け部175に与えられることによって、質量体である球状体143が振動し、これによって質量体149と一体的に固定された接触片176が2つの固定接点177,178を電気的に導通させる。こうして起動用加速度センサ142は、前述のように80〜250galの範囲内における低い動作感度で、振動を検出する。
【0040】
図7は、図1に示される地震検出装置のさらに具体的な構成を示す電気回路図である。図7において参照符+3Vは、電池141に接続される。参照符+5は、DC/DCコンバータ145からの5Vの昇圧された電力が供給されることを表す。タイマ手段144からの予め定める時間W3だけ駆動する信号は、DC/DCコンバータ145に、絶縁回路179を介して与えられる。
【0041】
送信回路138は、地震演算処理回路136の出力を受信し、駆動トランジスタを介して出力回路181から前述のようにPHS携帯端末装置に信号を導出し、この信号は、たとえば地震発生時に遮断弁1の電磁コイルが励磁されたことを表す遮断出力信号182、地震波の加速度が500gal以上であったことを表す500gal以上出力183、自己診断用スイッチ146によって自己診断された結果を表す自己診断出力184および後述の断線を検出したときに発生される断線検出出力185などであってもよい。この断線検出時には、発光ダイオードによって実現される断線警報出力手段186が駆動される。500gal以上出力183および自己診断出力184に関連して、発光ダイオードなどによって実現される出力手段198,199がそれぞれ設けられる。
【0042】
電磁コイル駆動回路137は、地震演算処理回路136からのライン188を介する駆動指令信号が、駆動トランジスタ189の制御端子であるベースに与えられる。電磁コイルは、電線191,192およびコネクタ193を介して電池141に、ライン194を介して接続される。
【0043】
断線検出のために、閉ループの断線検出用電線196が設けられる。この断線検出用電線196は、電磁コイルの励磁電力供給用電線191,192に沿って布設され、これらの励磁電力供給用電線191,192と同一の構造を有するコネクタ193を介して、その断線検出用電線196の一端部は、前述のライン194を介して電池に接続され、他端部は、ライン197を介して地震演算処理回路136に接続される。こうして断線検出用電線196は、励磁電力供給用電線191,192に沿って前述のように布設されるとともに、共通のコネクタ193を介してライン194,197に接続されるので、励磁電力供給用電線191,192の電磁コイルへの断線が生じたとき、断線検出用電線196もまた断線を生じることになり、このような断線の発生が断線警報出力手段186によって表示されることが確実になる。この断線警報出力手段186によって断線が生じていることが表示されるとき、励磁電力供給用電線191,192およびコネクタ193の保守を行うことができる。
【0044】
図8は、図1〜図7に示される地震検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。ステップa1からステップa2に移り、地震が発生し、または衝撃波が作用したとき、ステップa21では、起動用加速度センサ142において、球状体143が振動して変位し、その結果、接触片176は固定接点177,178を導通する。このような導通は、前述のように低い加速度80〜250galで生じる。タイマ手段144は、起動用加速度センサ142の固定接点177,178の導通を検出し、ステップa3において、予め定める時間W3の計測動作を行い、この時間W3においてステップa31では、絶縁回路179の発光ダイオードを駆動し、これによってDC/DCコンバータ145には、電池141からの電力+3Vが、絶縁回路179を介して供給されることが可能になる。したがってDC/DCコンバータ145は、電池141の電圧+3Vを、+5Vに昇圧して供給し、これによって加速度センサ131および地震演算処理回路136が、ステップa4において動作状態になる。前述の時間W3は、たとえば3分であってもよい。
【0045】
図9は、地震演算処理回路136の動作を説明するためのフローチャートである。DC/DCコンバータ145からの電力が、加速度センサ131および地震演算処理回路136に供給された後、地震演算処理回路136は、加速度センサ131の出力を、ローパスフィルタ133を介して受信し、図9に示される動作を実行する。
【0046】
図10は、図1〜図9に示される地震検出装置の動作を説明するための波形図である。図10(2)に示されるように電池141からの電力が時刻t1において供給され、この状態で、図10(1)に示されるように加速度センサ131によって第1方向xの検出加速度αxが、図10(1)に示されるように得られる場合を想定する。起動用加速度センサ142は、図10(3)の時刻t2において、与えられた振動の加速度の絶対値が予め定める第3弁別レベルL3以上であるとき、その出力をタイマ手段144に与え、これによってタイマ手段144は、図10(4)に示されるように時刻t2から予め定める時間W3だけ、絶縁回路179を介してDC/DCコンバータ145に電池141からの電力を供給する。これによって地震演算処理回路136は、時刻t2から遅延時間ΔW4経過後の時刻t3以降、DC/DCコンバータ145からの電力が供給される。前述の時刻t2〜t4間の時間は、前述の予め定める時間W3である。こうして図9のステップc1からステップc2に移り、時刻t2においてタイマ手段144が動作し、次のステップc3では、遅延時間ΔW4の後の時刻t3で、地震演算処理回路136の演算処理動作が開始される。
【0047】
図9のステップc4では、加速度センサ131によって検出された検出加速度αxを表す信号が、ローパスフィルタ133を経て地震演算処理回路136に与えられる。ステップc5では、検出加速度αxが、予め定める第1弁別レベルLx1以上であるか(Lx1≦αx)が判断され、そうであれば、次のステップc8では、検出加速度αxが第1弁別レベルLx1以上である時間Wxが計測される。この計測された時間Wxは、次のステップc9で、予め定める第1の時間Wx1以上であるか(Wx1≦Wx)が判断され、そうでなければ、すなわちWx1<Wxであれば、ステップc17に移って、一連の動作を終了する。これによって地震演算処理回路136は、ライン197(前述の図7参照)には、電磁コイル47を励磁するための励磁指令信号を、図10(6)に示されるように出力せず、したがって遮断弁1は、図10(7)に示されるように開弁状態に保たれて通常の液化石油ガスを供給することができる状態に保たれる。このとき送信回路138からは、図10(8)に示される500gal以上出力183は導出されない。上述の説明は、第1方向xの地震波に関する動作であったけれども、第2方向yの地震波に関しても同様に図9のステップc1〜c5に移り、このステップc5において、検出加速度αxが第1弁別レベルLx1未満であれば(Lx1>αx)、ステップc6で、第2方向yの検出加速度αyが得られる。ステップc7では、検出加速度αyが、第2弁別レベルLy1以上であるか(Ly1≦αy)が判断され、そうであれば、ステップc12では、検出加速度αyが第2弁別レベルLy1以上である時間Wyが計測される。計測時間Wyは、ステップc13で、第1の予め定める時間Wy1以上であるか(Wy1≦Wy)が判断され、そうでなければ、すなわちWy1<Wyであれば、ステップc17に移り、一連の動作を終了する。
【0048】
さらに第1および第2方向x,yの検出加速度αx,αyが、第1および第2弁別レベルLx1,Ly1未満であるものとそれぞれ判断されると、ステップc1〜c7を経て、ステップc17に移り、一連の動作を終了する。第1および第2弁別レベルLx1,Ly1は、たとえば同一の400galであってもよいが、相互に異なる値であって等しくてもよい。予め定める第1の時間Wx1,Wy1は、たとえば5msecであってもよいが、相互に異なる値であってもよい。
【0049】
図11は、図1〜図10に示される地震検出装置の動作を説明するための波形図である。図11(1)〜図11(8)の各波形は、前述の図10(1)〜図10(8)の各波形にそれぞれ対応する。図11(2)に示されるように電池141が装着されて時刻t1で電力が供給され、この状態で加速度センサ131によって第1方向xの検出加速度αxが図11(1)に示されるように得られ、その検出加速度αxが第3弁別レベルL3以上であるとき、起動用加速度センサ142は、図11(3)に示される出力を、タイマ手段144に与える。これによってタイマ手段144は、図11(4)に示されるように時刻t12から予め定める第3の時刻W3の経過する時刻t15にわたって、絶縁回路179を介して電池141の電力をDC/DCコンバータ145に与える。
【0050】
地震演算処理回路136は、図11(5)に示されるように時刻t12から遅延時刻ΔW4だけ経過した時刻t13以降、DC/DCコンバータ145から電力が供給され、図9のステップc3以降、演算処理動作が行われる。
【0051】
ステップc4における検出加速度αxが、ステップc5において第1弁別レベルLx1以上であれば、ステップc8においてその時間Wxが計測され、こうして得られた計測時間Wxが予め定める第1の時間Wx1以上であれば、次のステップc10に移る。このステップc10では、第2方向yの検出加速度αxが、予め定める第1の弁別レベルLy1以上である計測時間Wyが、予め定める第2の時間Wy1以上であるか(Wy1≦Wy)が判断され、そうであれば、ステップc11において地震演算処理回路136はライン188に、遮断弁1の電磁コイル47を励磁すべき励磁指令信号を、図11(6)に示されるように時刻t14以降、参照符201,202で示されるように、導出する。この励磁指令信号は、予め定める時間W5だけ持続するたとえば単安定によって得られる信号である。持続時間W5は、たとえば100msecであってもよく、この時間W5において電磁コイル駆動回路137のトランジスタ189は、励磁電力供給用電線191,192、コネクタ193およびライン194を経て電池141から励磁電力を電磁コイル47に与え、この時間W5にわたる励磁によって、弁棒42の永久磁石片43からの磁気吸着の解除が行われ、遮断弁1は、図11(7)に示されるように閉弁状態に保たれる。地震演算処理回路136は、電磁コイル47の励磁による消費電力を低減するために、前述の時間W5にわたる励磁指令信号を、断続的に、周期的に繰返し、導出するように構成し、これによって閉弁状態を確実に達成するようにしてもよく、たとえば図11(6)の参照符201で示される励磁指令信号の発生後、時間をあけてもう1つの励磁指令信号202を、励磁指令信号201と同様に発生するようにしてもよい。
【0052】
ライン188に導出される地震演算処理回路136からの励磁指令信号はまた、送信回路138の遮断出力182として導出され、PHS携帯端末装置に伝送され、このことは図11(8)に示されるとおりである。
【0053】
このようにして第1および第2方向x,yの検出加速度αx,αyが、だ1および第2弁別レベルLx1,Ly1以上であって、その持続する計測時間Wx1,Wy1の両者が、第1の時間Wx1,Wy1以上であることがそれぞれ検出されたとき、地震が発生されたものと判断されて、遮断弁1が遮断されることになる。この励磁指令信号の発生は、発光ダイオード203などの出力手段によって表示される。前述の図9のステップc9で、第1方向xの検出加速度αxが第1弁別レベルLx1以上である計測時間Wxが、予め定める第1の時間Wx1以上であって、さらにステップc10で、第2方向yの検出加速度αyが第2の弁別レベルLy1以上である計測時間Wyが予め定める時間Wy1未満であるとき(Wy1>Wy)、次のステップc15に移り、計測時間Wxが、予め定める第2の時間Wx2以上であるか(Wx2≦Wx)が判断され、そうであれば、ステップc11に移り、ライン188から励磁指令信号が導出されて電磁コイル47が駆動され、遮断弁1が閉弁状態に保たれる。また前述のステップc7において、第2方向yの検出加速度αyが、予め定める第2弁別レベルLy1以上であり、このとき第1方向xの検出加速度αxが第1弁別レベルLx1未満であるとき(Lx1<αx)、次のステップc12では、検出加速度αyが第2弁別レベルLy1以上である時間Wyが計測される。この計測時間Wyは、ステップc13において予め定める時間Wy1以上であり、さらにステップc14では、第1方向xの前述の計測時間Wxが予め定める時間Wx1未満であるとき(Wx1>Wx)、次のステップc11においてライン188から励磁指令信号が発生されて遮断弁1が閉弁状態となる。ステップc14において、計測時間Wxが予め定める時間Wx1未満であるとき、ステップc16では、計測時間Wyが予め定める第2の時間Wy2以上であるかが判断され、そうであればステップc11においてライン188から励磁指令信号が導出され、遮断弁1が閉弁状態とされる。
【0054】
第2の予め定める時間Wx2,Wy2は、たとえば10msecであって等しくてもよく、相互に異なる値に選ばれてもよい。こうして第1または第2方向x,yの検出加速度αx,αyのいずれか一方が、弁別レベルLx1,Ly1以上である計測時間Wx,Wyのいずれか一方が、第2の長い予め定める時間Wx2またはWy2以上であれば、地震が発生したものと判断し、遮断弁1が閉弁状態とされる。こうして地震の発生を確実に検出し、遮断弁1を閉弁状態として安全性を確保するとともに、衝撃波などによる誤動作を確実に防ぐ。
【0055】
図12は、地震演算処理回路136の自己診断動作を説明するためのフローチャートである。自己診断用スイッチ146に備えられる一方のスイッチ204を操作者が押圧操作することによって、地震演算処理回路136は、ステップe1からステップe2に移り、このスイッチ204の投入を検出する。ステップe3では、加速度センサ131によって、第1および第2弁別レベルLx1,Ly1を超える予め定める加速度、たとえば800galの地震波が発生したときと等価な擬似加速度信号を、ライン172,173から受信したものと想定した動作を、次のステップe4において行う。このようなステップe4の動作は、前述の図9に関連して説明した動作と同様である。
【0056】
自己診断用スイッチ146に含まれるもう1つのスイッチ205を操作することによって、起動用加速度センサ142からのタイマ手段144に与えられる信号と等価な信号が与えられる。こうしてタイマ手段144の計時動作以後の前述の動作を、自己診断することができる。
【0057】
図13は、地震演算処理回路136による断線検出のための動作を説明するためのフローチャートである。断線検出用電線196は、前述のように励磁電力供給用電線191,192に沿って付設されており、コネクタ193によってライン194,197を介して、地震演算処理回路136に接続される。断線検出用電線196が切断され、あるいはまたコネクタ193が離脱されたとき、図13のステップf2では、その断線が検出され、断線警報出力手段186による表示が行われるとともに、断線検出出力185が導出され、出力回路181からPHS携帯端末装置に伝送される。
【0058】
遮断弁1の一例を以下に説明する。
図14は、本発明の実施の一形態の遮断弁1の縦断面図である。この遮断弁1は基本的に、弁箱2と、弁座部材3と、開閉駆動手段4と、復帰手段5とを含む。
【0059】
図15は、図14に示される遮断弁1の平面図である。図15の切断面線B−Bから見た断面は、前述の図14である。開閉駆動手段4を弁箱2の外方で囲むキャップ6は、取外し可能なボルト7によって弁箱2の固定座8に固定される。
【0060】
図16は遮断弁1の側面図であり、図17は図16の切断面線A−Aから見た断面図である。さらに図18は遮断弁1の正面図であり、図19は遮断弁1の底面図である。これらの図面を参照して、弁箱2には、たとえば液化石油ガスLPGなどの流体であるガスの入口11と出口12とが形成され、管接続のためにフランジ13,14がそれぞれ設けられる。弁箱2内には、入口11と出口12とを連通する通路15,16が形成され、これらの通路15,16間に隔壁である仕切部材17が形成される。
【0061】
図20は、遮断弁1が備えられる液化石油ガス供給装置19の基地の全体の構成を簡略化して示す図である。複数の圧力容器21には、液化石油ガスLPGが供給され、共通に接続された供給管22から遮断弁1を経て、各家庭23に、各家庭23毎のガスメータ24を介して供給される。遮断弁1は、地震発生時に、その地震発生を検出する地震検出装置25からの電力供給用電線26を介する電力によって励磁され、緊急遮断される。これによって地震による災害発生時、生ガスが不所望に供給され続ける恐れはなく、安全性が確保される。遮断弁1と地震検出装置25と電力供給用電線26とは、遮断弁装置27を構成する。
【0062】
図21は、弁座部材3と開閉駆動手段4とを示す断面図である。弁座部材3は、たとえば真鍮などの金属などの材料から成り、全体の形状はほぼ環状に形成され、弁孔31を有する。弁孔31は、図21の上下方向である軸線を中心とする内径が一様な円形断面を有する。弁座部材3は、開閉駆動手段4に臨む着座部32と、着座部32に連なる連続部33と、大径部34と、段差部35と、この段差部35を介して大径部34に連なる小径部36とを有する。仕切部材17には、弁座取付け孔38が形成される。弁座取付け孔38は、弁座部材3の台形部34は、段差部35および小径部36に対応した内周面を有し、弁座部材3が着脱交換可能に、装着される。
【0063】
図22は、開閉駆動手段4の平面図である。この開閉駆動手段4は基本的に、弁座部材3の着座部32に着座、離脱する弁体41と、弁棒42と、ヨーク部材43と、取付け部材44と、弁体41を弁座部材3に向けてばね力を与えるコイルばね46と、電磁コイル47とを含む。弁体41は、図21の上下の補強部材48,49によって挟持される。弁体41は、ゴムまたは合成樹脂などの弾発性を有する材料から成り、弁座部材3の着座部32に着座した状態で閉弁状態となり、図21に示されるように着座部32から図8の上方に間隔をあけて離脱している開弁状態に保たれることができる。弁棒42の一端部51は弁体41に連結されて設けられる。弁棒42の他端部52は、ヨーク片53を介して永久磁石片45に、その磁気吸引力によって磁気吸着されることができる。前記他端部52がヨーク片53に当接して永久磁石片45と磁気吸着する磁気吸引力は、ばね46のばね力よりも大きく、したがってこのばね力に抗して、前記他端部52がヨーク片53に磁気吸着して保たれることができる。
【0064】
ヨーク部材43は、その全体の形状が逆U字状であり、一対の立上り部55,56と、それらの立上り部55,56の上端部を連結する連結部57と、各立上り部55,56の下部付近で外側方に屈曲して連なる取付け片58,59とを有する。これらの取付け片58,59は、ボルト61によって、取付け部材44に固定される。この取付け部材44は、固定部62を有し、ボルト63によって、弁箱2の固定座8のねじ孔64に着脱可能に固定される。
【0065】
弁箱2の固定座8には、取付け孔66が形成される。この取付け孔66の内径D66は、弁体41の外径D41よりも大きく、また弁座部材3の外径D3よりも大きい(D41<D66、D3<D66)。こうして取付け孔66には、弁座部材3を挿通することができ、また弁体41を挿通することができ、こうして弁座部材3および開閉駆動手段4を、弁箱2に装着することができ、また取外して交換することができる。取付け部材44の固定部62は、取付け孔66の内径D66よりも外方に延びる大きさ、寸法形状を有する。
【0066】
電磁コイル47は、ボビン67に設けられ、取付け部材44の案内部68に嵌め込まれて固定される。永久磁石片45はヨーク部材43の連結部57の内面に固定され、この永久磁石片45には、ヨーク片53が固定される。永久磁石片45は、弁棒42の軸線方向に各磁極が磁化されて構成される。弁棒42、ヨーク部材43、取付け部材44およびヨーク片53は、鉄などの強磁性材料から成り、磁路を形成する。前述の図14および図17ならびに図21に示されるように、弁棒42の端部52がヨーク片53を介して永久磁石片45に磁気吸着している状態で、ばね46は磁気吸引力に抗して圧縮されており、弁体41は弁座部材3から離脱し、開弁状態に保たれている。
【0067】
地震発生時、電磁コイル47に電力が供給されて励磁されると、その電磁コイル47は、永久磁石片45の弁棒42における端部52との磁気吸引力を打消す方向の磁界を発生する。これによって弁棒42の端部52とヨーク片53との磁気吸引力が、ばね46のばね力よりも小さくなり、前記端部52は、ヨーク片53から離脱し、ばね46のばね力によって弁体41は弁座部材3の着座部32に弾発的に押付けられて着座し、閉弁状態が保たれる。したがって地震発生時、弁体41が弁座部材3に着座し、閉弁状態が前述のように保たれ、液化石油ガスなどのガス燃料の供給が遮断される。
【0068】
図23は、復帰手段5の断面図である。復帰手段5は基本的に、復帰手段本体71内で長手軸線方向に図23の上下に往復移動可能であり、しかもその軸線まわりに角変位して回転することができる押圧操作棒72と、この押圧操作棒72を、弁棒42の端部51、したがって弁体41から遠去かる方向(図23の下方)にばね力を与える復帰用ばね73と、押圧操作棒72の端部に設けられ、押圧操作棒72の軸線と同軸に角変位自在である表示体74と、この表示体74を、押圧操作棒72の軸線方向の直線移動によって表示体74を角変位する表示体駆動手段75とを含む。復帰手段本体71にはおねじ76が刻設され、弁座部材3と開閉駆動手段4とに関して弁箱2の反対側(図23の下方)から弁箱2の一部77に形成されためねじに着脱交換可能に気密に装着される。
【0069】
表示体駆動手段75は、有底筒体79を有する。この筒体79は、直円筒状の筒部81と、弁棒42の端部51に当接することができる頂部82とを有する。筒部81には、長手軸線方向に平行に延びる案内長孔83と、カム孔84とが周方向にずれて形成される。
【0070】
図24は、筒体79の周方向展開図である。カム孔84は、筒部81の長手軸線方向に平行であって、かつ周方向にずれて配置される長孔部85,86と、これらの長孔部85,86に連なり筒部81の軸線に対して傾斜した傾斜部87とを有する。案内長孔83には、押圧操作棒72の一端部に固定されたピン88が緩やかに嵌り込む。カム孔84には、復帰手段本体71に固定されたホロアであるピン89が緩やかに嵌り込む。熱体79は、復帰手段本体71と押圧操作棒72の共通な軸線と同軸であり、かつその軸線まわりに相互に角変位可能である。
【0071】
押圧操作棒72の他端部には、操作体91が設けられる。この操作体81には、押圧操作棒72が挿通する復帰用ばね73を収納して、その復帰用ばね73の端部を受ける。
【0072】
図25は、操作体91とその付近の一部の分解斜視図である。操作体91の外周部には、その軸線に沿って延びる案内溝92が形成される。この案内溝92には、復帰手段本体71に取外し可能に螺着された回り止めピン93が嵌り込み、図23の状態で操作体91が復帰用ばね73のばね力によって図23の下方に復帰手段本体71から離脱することを防ぐために案内溝92の端部に当接する抜け止めの働きを果たす。復帰用ばね73はまた、復帰手段本体71に受けられる。
【0073】
表示体74は、周方向にたとえば角度60°ずつ分断された表示部95を有し、その中央の連結部96は、有底帽状表示基部97の挿通孔98を緩かに挿通し、押圧操作棒72の端部に固定された取付け部99の取付け孔101に嵌り込んで固定される。こうして表示体74は、押圧操作棒72とともに、その軸線まわりに角変位することができる。表示体74は、遮断弁の開弁状態に対応してたとえば緑色に表示され、表示基部97は遮断弁の閉弁状態に対応して赤色に形成される。
【0074】
操作体91の端部には、カバー片102が固定される。このカバー片102は、表示体74の表示部95に対応して周方向に角度60°をあけてカバー部103が形成され、これらのカバー部103間には、切欠かれた表示領域104が形成される。
【0075】
地震発生によって電磁コイル47が励磁され、ばね46のばね力によって弁棒42および弁体41が下降されるとき、弁棒42の端部51は、筒体79の頂部82の上面を下方に押圧する。これによって筒体79が下方に変位し、ピン89は、図24の参照符89bの位置から矢符106の逆方向に傾斜部87を移動し、図24の参照符89の位置に戻る。これによって筒体89は矢符107の逆方向に角変位して案内長孔83内の参照符88bで示されるピン88を、その案内長孔83の図24における上端部に戻す。したがって押圧操作棒72がその軸線まわりに角変位され、表示体74の表示部95は、図25の参照符95bの位置からカバー片102のカバー部103に重なった位置95aのように戻る。したがって表示用切欠き104には、表示基部97の底部が露出し、赤色が表示されることになり、閉弁状態になったことが外部から容易に知ることができる。この地震発生時、弁体41が弁座部材3に着座して閉弁状態になったとき、復帰手段5は、図23に示されるとおりとなっており、ピン88は、案内長孔83の図23および図24における上端部に存在し、このときもう1つのピン89は、カム孔84の傾斜部87寄りに位置し、これによって表示体74の表示部95は、カバー片102のカバー部103に、参照符95aで示されるように重なり、したがって表示用切欠き104からは、表示基部97の赤色底部が表示される。カバー片102は、たとえば白色に形成される。操作体91の端部には、カバー片102を外方から覆って収納する透明合成樹脂製有底筒状の操作カバー体105が、固定される。この操作カバー体105の頂部106は、遮断弁1の閉弁状態から開弁状態に復帰する際に、押圧操作される。作業者は、表示用切欠き104から表示基部97の赤色が表示されることによって、本件遮断弁1が閉弁状態であることを、容易に知ることができる。この閉弁状態では、筒体79の頂部82は、弁棒42の端部51によって図23の下方に押圧されて変位された状態となっている。
【0076】
遮断弁1を開弁状態に復帰するには、作業者はカバー筒体105の頂部106を図23の上方に、ばね73のばね力に抗して押圧操作する。
【0077】
操作カバー体105の頂部106をばね73のばね力に抗して図23の上方に押圧することによって、押圧操作棒72の上端部は、筒体79の頂部82を図23の上方に押圧し、この頂部82は弁棒42の端部51に当接してばね46のばね力に抗し、弁棒42の端部52がヨーク片53を介して永久磁石片45に磁気吸着するように当接させる。この押圧操作部72が図23の上方に移動するとき、筒体79もまた図23の上方に変位し、これによってピン88は案内長孔83を図24の下方に移動し、開弁状態では参照符88bの位置に到達する。ピン89は、カム孔84内で、長孔部85から、押圧操作棒72および筒体89の図23における上方への変位に伴い、傾斜部87を矢符106のように移動し、参照符89bで示されるようにもう1つの長孔部86内で傾斜部87寄りの位置に開弁状態で到達する。ピン89が傾斜部87を矢符106のように移動するとき、筒体79はその軸線まわりに角変位し、これによって筒体79はピン88、したがって押圧操作棒72をその軸線まわりに矢符107で示されるように角変位する。この押圧操作棒72の角変位に伴って、表示体74もまた角変位し、これによって緑色表示部95は、カバー片102の表示を切欠き104に、参照符95bで示されるように角変位して移動する。こうして表示用切欠き104からは、緑色表示部95が表示され、遮断弁1の開弁状態に復帰したことが表示される。筒体79は比較的軽量であり、弁体41が弁座部材3から上方に離脱して開弁状態となっているとき、ピン89は、図24の参照符89bで示されるように、長孔部86と傾斜部87との境界付近で係止したままとなり、筒体79がその自重で下降することはなく、これによって筒体89の頂部82の下面と押圧操作棒72の上端部とは、押圧操作棒72が復帰用ばね73によって図23のように復帰した状態で、図23の上下に離間したままである。こうして前述のカバー片102の表示用切欠き104には、表示体74の表示部95が緑色で表示されたままに保たれる。
【0078】
復帰手段本体71に弁箱2の外方で刻設されたおねじ108には、透明合成樹脂製有底保護カバー109が着脱可能に螺着される。
【0079】
図26は、本発明の実施の他の形態のガスメータ111を一部切欠いて示す斜視図である。ガスメータ111は、都市ガスの使用量を計量するために用いられる。ガスメータ111の入口112から供給されるガスは、ガスメータ本体114に構成された遮断弁113を経て、計量手段115に供給され、出口116から、ガス消費機器に供給される。計量されたガス量は、カウンタ117によって表示される。
【0080】
図27は、図26に示されるガスメータ111の遮断弁113を示す簡略化した水平断面図である。ガスメータ111の遮断弁113では、前述の遮断弁1において用いられる弁座部材3と開閉駆動手段4と復帰手段5とが、ガスメータ本体4に着脱交換可能に装着される。このガスメータ本体114は、弁箱を構成する。
【0081】
ガスメータ111に内蔵される電子回路118は、地震の発生を検出する感震器119と、この感震器119によって検出された地震波に応答して開閉駆動手段4の電磁コイルを励磁するための電力を供給する励磁駆動手段121とを含む。本発明では、このような弁座部材3と開閉駆動手段4と復帰手段5とを、ガスメータ111に使用するとともに、図14〜図25に関連して前述した遮断弁1のために共用化することができる。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、相互に交差する第1および第2方向x,yの第1および第2検出加速度αx,αyを第1および第2の予め定める弁別レベルLx1,Ly1でレベル弁別し、その第1および第2の計測時間Wx,Wyを計測し、両者の時間W1,W2のいずれもが、短い第1の予め定める時間W1、たとえば5msec以上であるとき、地震が発生したものと判別し、さらにこれらの第1または第2の時間Wx,Wyの少なくともいずれか一方が、長い第2の予め定める時間W2、たとえば10msec以上であるとき、地震が発生したものと判別する。こうして地震波を、衝撃波とは区別して正確に検出することが可能であり、誤検出によって遮断弁を動作させる恐れがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の地震検出装置の全体の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
【図2】加速度センサ131を構成する加速度センサ本体148を示す簡略化した平面図である。
【図3】図2に示される加速度センサ本体148の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】第1方向xの変位の検出のための検出片155とその付近の構成を簡略化して示す平面図である。
【図5】加速度センサ131の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
【図6】起動用加速度センサ142の具体的な構成を簡略化して示す断面図である。
【図7】図1に示される地震検出装置のさらに具体的な構成を示す電気回路図である。
【図8】図1〜図7に示される地震検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】地震演算処理回路136の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図1〜図9に示される地震検出装置の動作を説明するための波形図である。
【図11】図1〜図10に示される地震検出装置の動作を説明するための波形図である。
【図12】地震演算処理回路136の自己診断動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】地震演算処理回路136による断線検出のための動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の実施の一形態の遮断弁1の縦断面図である。
【図15】図14に示される遮断弁1の平面図である。
【図16】遮断弁1の側面図である。
【図17】図16の切断面線A−Aから見た断面図である。
【図18】遮断弁1の正面図である。
【図19】遮断弁1の底面図である。
【図20】遮断弁1が備えられる液化石油ガス供給装置19の基地の全体の構成を簡略化して示す図である。
【図21】弁座部材3と開閉駆動手段4とを示す断面図である。
【図22】開閉駆動手段4の平面図である。
【図23】復帰手段5の断面図である。
【図24】筒体79の周方向展開図である。
【図25】操作体91とその付近の一部の分解斜視図である。
【図26】本発明の実施の他の形態のガスメータ111を一部切欠いて示す斜視図である。
【図27】図26に示されるガスメータ111の遮断弁113を示す簡略化した水平断面図である。
【符号の説明】
131 加速度センサ
136 地震演算処理回路
137 電磁コイル駆動回路
138 送信回路
141 リチウム電池
142 起動用加速度センサ
143 球状体
144 タイマ手段
145 DC/DCコンバータ
146 自己診断用スイッチ
149 質量体
151 半導体サブストレート
179 絶縁回路
186 断線警報出力手段
191 励磁電力供給用電線
196 断線検出用電線
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震を、地震波以外の衝撃波とは区別して検出する地震検出装置に関し、さらにその地震装置を備える遮断弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような地震検出装置は、たとえば地震が発生したとき、都市ガス、液化石油ガスLPGなどのガス燃料などの供給を遮断するために必要になる。先行技術(特許文献1参照)は、地震の振動を、振動センサで検出し、その振動の大きさおよび周波数を求め、メモリに予めパターン化してストアしてある複数の振動パターンとを比較することによって、振動センサで検出された振動が地震波であるか否かを検出する。
【0003】
このような先行技術では、地震波であるか、または地震波以外の衝撃波以外であるかを正確に判別することができない。衝撃波というのは、たとえば人または動物が衝突し、あるいはまた掃除中のほうきまたは遊んでいるときのボールなどが衝突して生じる振動の衝撃波である。
【0004】
【特許文献1】
特開昭64−83181
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、地震波を正確に検出することができる地震検出装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、地震波を正確に検出することができる地震検出装置を備える遮断弁装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)予め定める第1方向xの加速度を検出するとともに、第1方向に交差する第2方向yの加速度を検出する加速度センサと、
(b)加速度センサによって検出される第1検出加速度αxを、予め定める第1弁別レベルLx1でレベル弁別する第1レベル弁別手段と、
(c)加速度センサによって検出される第2検出加速度αyを、予め定める第2弁別レベルLy1でレベル弁別する第2レベル弁別手段と、
(d)第1レベル弁別手段の出力に応答し、第1検出加速度αxが、第1弁別レベルLx1以上である第1の計測時間Wxを計測する第1の時間計測手段と、
(e)第2レベル弁別手段の出力に応答し、第2検出加速度αyが、第2弁別レベルLy1以上である第2の計測時間Wyを計測する第2の時間計測手段と、
(f)第1および第2時間計測手段の出力に応答し、
第1および第2の計測時間Wx,Wyのいずれもが、第1の予め定める時間W1以上であるとき、および
第1または第2の計測時間Wx,Wyのいずれか一方が、第1の予め定める時間W1を超える予め定める第2の時間W2以上であるとき、
地震が発生したことを判別する地震判別手段とを含むことを特徴とする地震検出装置である。
【0008】
また本発明は、第1弁別レベルLx1と、第2弁別レベルLy1とは、等しい値に定められることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、第1の予め定める時間W1は、3〜7msecであり、
第2の予め定める時間W2は、8〜12msecであることを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、たとえば水平面で相互にたとえば直角に交差する第1および第2方向x,yの加速度を、加速度センサによって検出し、こうして得られた第1および第2検出加速度αx,αyを、第1および第2レベル弁別手段で、予め定める第1および第2弁別レベルLx1,Ly1を用いてそれぞれレベル弁別するとともに、第1および第2の時間計測手段によってそれらの第1および第2検出加速度αx,αyが第1および第2弁別レベルLx1,Ly1よりも大きい第1および第2の時間Wx,Wyをそれぞれ計測する。加速度センサは、後述の本発明の形態におけるように単一の質量体を用いて第1および第2方向x,yの加速度を検出するように構成されてもよいが、本発明の実施の他の形態では、第1方向xの加速度を検出する加速度センサと、第2方向yの加速度を検出するもう1つの加速度センサとを個別的に、すなわち別々に、構成して、前記加速度センサを実現してもよい。地震判別手段は、加速度センサによる第1および第2加速度αx,αyが、第1および第2弁別レベルLx1,Ly1以上であって、その継続する計測時間Wx,Wyの両者が短い第1の予め定める時間W1(後述の実施の形態におけるWx1,Wy1)以上であるとき、地震が発生したものと判別する。この第1の予め定める時間W1は、たとえば5msecであってもよく、たとえば3〜7msecの範囲で適切に選ばれる。
【0011】
地震判別手段はまた、第1および第2検出加速度αx,αyが第1および第2弁別レベルLx1,Ly1以上である計測時間Wx,Wyの少なくともいずれか一方が、長い第2の予め定める時間W2(後述の実施の形態におけるWx2,Wy2)以上であるとき、地震が発生したものと判別する。この第2の時間W2は、短い第1の時間W1を超える長い予め定める値であって(W1<W2)、たとえば10msecであってもよいが、8〜12msecの範囲で適切に選ばれる。
【0012】
第1および第2弁別レベルLx1,Ly1は、等しい値に選ばれてもよいが、異なる値であってもよい。本発明に従って、これらの第1および第2弁別レベルLx1,Ly1が、等しい値に定められることによって、第1および第2レベル弁別手段の構成を簡略化することができ、マイクロコンピュータによって実現される構成において、そのマイクロコンピュータの演算処理を簡略化することができる。地震検出装置の設置場所に依存して、これらの第1および第2弁別レベルLx1,Ly1を相互に異なる値に設定することもまた可能である。第1および第2弁別レベルLx1,Ly1は、たとえば400galであってもよい。
【0013】
また本発明は、加速度センサは、
半導体サブストレートに、多結晶シリコン膜から成る質量体が、相互に直交する第1および第2方向x,yを含む仮想水平面内で、弾発的に変位自在に支持され、
質量体の第1および第2方向x,yの変位による差動静電容量を検出することを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、1つの半導体サブストレートに、質量体としてのポリシリコン膜を、たとえば蒸着によって形成して第1および第2方向に変位可能に支持し、このような3次元の構成は、フォト・リソグラフィ・プロセスを用いて形成することができる。こうして得られる質量体の第1および第2方向x,yの変位による差動静電容量を、電気回路によって検出し、第1および第2方向x,yの各成分を有する正確な変位、したがって加速度を検出することができるようになる。本発明の実施の他の形態では、加速度センサは、上述のように第1および第2方向x,yに共通の単一の質量体を用いることなく、個別的に構成されてもよい。
【0015】
また本発明は、電池と、
電池の電圧を昇圧して、加速度センサと、第1および第2の時間計測手段と、地震判別手段とに、供給するDC/DCコンバータと、
第1および第2弁別レベルLx1,Ly1未満である第3弁別レベル以上の加速度を検出する起動用加速度センサと、
起動用加速度センサの出力に応答し、検出加速度が、第3弁別レベル以上であるとき、第1および第2の予め定める時間W1,W2を越える予め定める第3の時間W3だけ、DC/DCコンバータを動作させるタイマ手段とを含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、起動用加速度センサは、球状体の機械的な変位を検出する構成を有することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、たとえばリチウム電池などの電池を、長期間、たとえば7〜10年間にわって使用することができるようにするために、電池の省電力化を図ることを可能にする。このために、起動用加速度センサを用い、地震波または衝撃波などの振動が作用したとき、起動用加速度センサが、これらの地震波および衝撃波などを含む振動波を検出し、これによってDC/DCコンバータを、予め定める第3の予め定める時間W3(たとえば3分間、ただしW1<W3、W2<W3)だけ動作させ、このDC/DCコンバータからの昇圧された電力を、加速度センサと、第1および第2の時間計測手段と、地震判別手段と、さらにそのほかの電気回路などに供給して動作させる。こうして起動用加速度センサによる振動波が検出された後、前述のように予め定める第3の時間W3だけ、電池の電力は昇圧されてそのほかの回路構成が駆動され、この予め定める第3の時間W3の経過後、DC/DCコンバータには、電池の電力が供給されなくなり、こうして電池の電力の消費を低減することができる。
【0018】
起動用加速度センサは、たとえば球状体の機械的な変位を検出する構成を有し、振動波によって球状体が変位することによって、たとえば2つの接点が電気的に導通する。したがって起動用加速度センサによって検出される振動波の加速度が、予め定める弁別レベル以上であるかどうかを、電気的構成を有するレベル弁別手段などによって実現する構成ではないので、このことによって、電池の消費電力をさらに低減することができる。こうして起動用加速度センサの出力が得られるかどうかだけを常時、検出するための構成にのみ、電池から電力を供給すればよく、電池の消費電力の低減が可能となる。
【0019】
起動用加速度センサによって、前述の第1および第2弁別レベル未満の小さい加速度を検出し、これによってDC/DCコンバータを動作させて地震波のみを判別し、地震波が判別されたとき、そのことを表わす信号を出力する。したがって起動用加速センサは、地震波だけでなく衝撃波およびそのほかの振動波を検出する構成であればよく、構成の簡略化を図ることができる。
【0020】
また本発明は、自己診断のために操作される自己診断用スイッチと、
自己診断用スイッチの出力に応答し、地震判別手段が地震の発生を判別する擬似加速度信号を、加速センサの出力の代りに、第1および第2レベル弁別手段に与える擬似加速度信号発生手段とを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、加速度センサ以外の後続する回路構成が正常に動作するかどうかを自己診断してメンテナンスを行うために、自己診断用スイッチを、作業者が操作する。これによって第1および第2加速度センサの出力の代りに、擬似加速度信号が発生される。こうして自己診断のメンテナンス作業がきわめて容易になる。
【0022】
また本発明は、前述の地震検出装置と、
流体の供給経路に介在され、電磁コイルの励磁によって遮断する遮断弁と、
地震検出装置の地震判別手段からの地震を検出したことを表わす出力に応答し、電磁コイルの励磁電力を供給する励磁駆動回路と、
励磁駆動回路から電磁コイルに電力を供給する電力供給用電線と、
電力供給用電線に沿って配置される閉ループの断線検出用電線と、
断線検出用電線の断線を検出する断線検出手段と、
断線検出手段の出力に応答し、断線検出用電線の断線が検出されたとき、断線が発生したことを表示する表示手段とを含むことを特徴とする遮断弁装置である。
【0023】
本発明の遮断弁装置によれば、励磁駆動回路と遮断弁の電磁コイルとの間に布設される電力供給用電線に沿って、閉ループの断線検出用電線を布設し、この断線検出用電線の断線が生じたとき、表示手段によって、その断線の発生を表示する。表示手段は、液晶またはランプなどの目視表示を行う構成であってもよいが、音響を発生するスピーカなどによって実現されてもよく、そのほかの構成によって実現されてもよい。断線検出用電線の断線が生じているとき、たとえばコネクタが不所望に離脱したり、コネクタの接続が不完全である場合であり、このとき電力供給用電線も、断線を生じている可能性が極めて高い。したがってこのような断線検出用電線の断線発生時、作業者は、表示手段の表示に基づいて、電力供給用電線の断線および断線検出用電線の断線を補修することができる。そのため、地震発生時、電力供給用電線を介して電磁駆動回路から遮断弁の電磁コイルに、励磁電力を確実に供給して遮断弁を閉弁状態とすることができ、不所望なガスなどの流体の供給が遮断され、安全性が高まる。
【0024】
また本発明は、励磁駆動回路は、電池からの電力を電磁コイルに供給し、
断線検出用電線の一端部は、電池に接続され、他端部は、断線検出手段に接続され、
断線検出手段は、DC/DCコンバータからの電力によって駆動されることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、遮断弁の電磁コイルに電力を供給するにあたっては、電池からの電力を供給し、DC/DCコンバータからの電力を供給せず、これによってDC/DCコンバータの容量を小形化することができるとともに、電磁コイルに、遮断に必要な励磁電力を確実に供給することができる。また断線検出用電線は、電池に接続され、DC/DCコンバータに接続されている構成とはなっていないので、このことによってもまた、DC/DCコンバータの容量を小形化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の地震検出装置の全体の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。加速度センサ131は、水平面内における予め定める第1方向xの加速度を検出するとともに、その第1方向xにたとえば直角に交差する第2方向yの加速度を検出する2軸静電容量式加速度センサである。第1および第2方向x,yの第1および第2検出加速度αx,αyを表わす信号は、ライン132からローパスフィルタ133に与えられて濾波され、第1検出加速度αxを表わす信号はライン134から、また第2検出加速度αyを表わす信号はライン135をそれぞれ介して、地震演算処理回路136に与えられる。加速度センサ131によって検出される地震波は、たとえば15Hz以下の振動波は、たとえば15Hz以下であり、5〜8Hzのピークを有する振動波であり、このような周波数範囲を有する地震波を表わす信号だけを、ライン134,135に導出する。これによってローパスフィルタ133は、加速度センサ131から与えられる20Hz以上の衝撃波の信号を遮断する。この地震演算処理回路136は、たとえばマイクロコンピュータなどによって実現される。加速度センサ131の動作によって地震が検出されたとき、遮断弁1(後述の図7に示される遮断弁の電磁コイル47が、電磁コイル駆動回路137によって駆動されるとともに、送信回路138は、地震が検出された信号を、外部に送信し、たとえばPHS(Personal Handyphone System)携帯端末装置に、送信する。
【0027】
この地震検出装置では、1次電池であるリチウム電池141が設けられ、たとえば7〜10年間、使用することができるように、次に述べるように省電力化が図られる。起動用加速度センサ142は、図6に関連して後述されるように、球状体143の機械的な変位を検出する構成を有し、この検出のために電力を消費する構成とはなっていない。この起動用加速度センサ142の動作感度は、80〜250galの範囲での振動を検出する機能を有する。起動用加速度センサ142によって振動が検出されると、1チップマイクロコンピュータによって実現されるタイマ手段144は、予め定める時間W3、たとえば3分だけ、DC/DCコンバータ145を動作状態とする。DC/DCコンバータ145は、電池141のたとえば3Vの出力をステップアップして、たとえば5Vに昇圧し、その出力電力を、加速度センサ131および地震演算処理回路146などに供給して動作させる。
【0028】
さらに自己診断用スイッチ146が備えられ、自己診断のために作業者が操作される。
【0029】
図2は、加速度センサ131を構成する加速度センサ本体148を示す簡略化した平面図である。加速度センサ本体148は、水平面内で単発的に変位可能な多結晶シリコン膜から成る質量体149を有する。
【0030】
図3は、図2に示される加速度センサ本体148の製造方法を説明するための断面図である。図3(1)に示されるように、Si半導体サブストレート151上に、厚み1.0μmのSiO2の酸化膜152を成長させる。
【0031】
次に図3(2)に示されるように、酸化膜152の一部153に、フォトリソグラフィの手法を用いてエッチングし、窓開けして貫通孔を形成する。
【0032】
そこで図3(3)に示されるように、厚み2.0μmの多結晶シリコン膜を、蒸着によって形成し、こうして質量体149が形成されるとともに、窓開けされた前記一部153に多結晶シリコンが充填されて、アンカである支柱154が形成される。
【0033】
その後、図3(4)に示されるように、残存する酸化膜152を全て、エッチングによって除去する。こうして質量体149は、第1および第2方向x,yを含む仮想水平面内で、支柱154によって弾発的に変位自在に支持される。質量体149には、差動静電容量方式で第1および第2方向x,yの変位を検出するための検出片155,156がそれぞれ形成される。支柱154は、平面形状が正方形である質量体149の4つの各隅に配置され、ばね力を発生する構造を有する。
【0034】
図4は、第1方向xの変位の検出のための検出片155とその付近の構成を簡略化して示す平面図である。質量体149の第1方向xの変位を検出するために、検出片155に関して第1方向xの両側に間隔をあけて一対の固定電極157,158が配置される。振動が与えられていない質量体149の自然状態では、検出片155と一方の固定電極157との間の静電容量CS1と、その検出片155と他方の固定電極158との間の静電容量CS2とは等しい(CS1=CS2)。地震波および衝撃波が半導体サブストレート151に作用することによって、その半導体サブストレート151に固定された固定電極157,158と、支柱154によって弾発的に支持された質量体159とが水平面内で相互に変位する。検出片155と固定電極157,158とは、第1方向xの静電容量セル161を構成する。これによって前述の静電容量CS1,CS2が異なる値となり、作動出力が得られることになる。
【0035】
第2方向yの静電容量セル162もまた、静電容量セル161と同様な構成を有し、検出片156に関して第2方向yの両側に間隔をあけて固定電極163,164が半導体サブストレート151上に固定されて配置される。
【0036】
図5は、加速度センサ131の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。静電容量セル161,162の各出力は、復調器165,166にそれぞれ与えられる。復調器165では、前述の図4における第1方向xに関して、検出片155と一対の固定電極157,158は、2個のコンデンサが直列に接続された容量分割回路を等価的に形成する。各固定電極157,158は、位相が相互に180度異なっている1MHzの方形波によって差動的に駆動され、これらの2つの方形波の振幅は等しい。振動が生じていない動作停止時、静電容量CS1,CS2は同一値であるので、電気的に中心の電圧出力は、零となる。
【0037】
もう1つの復調器166でもまた、静電容量セル162に関して同様な動作が行われる。これらの復調器165,166の各出力は、デューティサイクル発生回路168に与えられ、アナログ信号をデューティサイクル変調(略称DCM)に変換され、マイクロプロセッサ169のカウンタ171によってデコードされ、こうしてライン172,173からは、第1および第2方向x,yの検出加速度αx,αyを表す信号が導出される。
【0038】
半導体サブストレート151に加速度振動が加えられたとき、検出片155の各固定電極157,158間の静電容量CS1,CS2が異なり、その結果、信号出力が得られる。この信号出力の方形波の振幅は、加速度に比例した値である。
【0039】
図6は、起動用加速度センサ142の具体的な構成を簡略化して示す断面図である。鉄などの金属製球状体143は、球状体143よりも大きい半径を有する球面の一部を成す内周面を利用する受け部175によって、自然状態で支持されている。地震波および衝撃波の振動が、受け部175に与えられることによって、質量体である球状体143が振動し、これによって質量体149と一体的に固定された接触片176が2つの固定接点177,178を電気的に導通させる。こうして起動用加速度センサ142は、前述のように80〜250galの範囲内における低い動作感度で、振動を検出する。
【0040】
図7は、図1に示される地震検出装置のさらに具体的な構成を示す電気回路図である。図7において参照符+3Vは、電池141に接続される。参照符+5は、DC/DCコンバータ145からの5Vの昇圧された電力が供給されることを表す。タイマ手段144からの予め定める時間W3だけ駆動する信号は、DC/DCコンバータ145に、絶縁回路179を介して与えられる。
【0041】
送信回路138は、地震演算処理回路136の出力を受信し、駆動トランジスタを介して出力回路181から前述のようにPHS携帯端末装置に信号を導出し、この信号は、たとえば地震発生時に遮断弁1の電磁コイルが励磁されたことを表す遮断出力信号182、地震波の加速度が500gal以上であったことを表す500gal以上出力183、自己診断用スイッチ146によって自己診断された結果を表す自己診断出力184および後述の断線を検出したときに発生される断線検出出力185などであってもよい。この断線検出時には、発光ダイオードによって実現される断線警報出力手段186が駆動される。500gal以上出力183および自己診断出力184に関連して、発光ダイオードなどによって実現される出力手段198,199がそれぞれ設けられる。
【0042】
電磁コイル駆動回路137は、地震演算処理回路136からのライン188を介する駆動指令信号が、駆動トランジスタ189の制御端子であるベースに与えられる。電磁コイルは、電線191,192およびコネクタ193を介して電池141に、ライン194を介して接続される。
【0043】
断線検出のために、閉ループの断線検出用電線196が設けられる。この断線検出用電線196は、電磁コイルの励磁電力供給用電線191,192に沿って布設され、これらの励磁電力供給用電線191,192と同一の構造を有するコネクタ193を介して、その断線検出用電線196の一端部は、前述のライン194を介して電池に接続され、他端部は、ライン197を介して地震演算処理回路136に接続される。こうして断線検出用電線196は、励磁電力供給用電線191,192に沿って前述のように布設されるとともに、共通のコネクタ193を介してライン194,197に接続されるので、励磁電力供給用電線191,192の電磁コイルへの断線が生じたとき、断線検出用電線196もまた断線を生じることになり、このような断線の発生が断線警報出力手段186によって表示されることが確実になる。この断線警報出力手段186によって断線が生じていることが表示されるとき、励磁電力供給用電線191,192およびコネクタ193の保守を行うことができる。
【0044】
図8は、図1〜図7に示される地震検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。ステップa1からステップa2に移り、地震が発生し、または衝撃波が作用したとき、ステップa21では、起動用加速度センサ142において、球状体143が振動して変位し、その結果、接触片176は固定接点177,178を導通する。このような導通は、前述のように低い加速度80〜250galで生じる。タイマ手段144は、起動用加速度センサ142の固定接点177,178の導通を検出し、ステップa3において、予め定める時間W3の計測動作を行い、この時間W3においてステップa31では、絶縁回路179の発光ダイオードを駆動し、これによってDC/DCコンバータ145には、電池141からの電力+3Vが、絶縁回路179を介して供給されることが可能になる。したがってDC/DCコンバータ145は、電池141の電圧+3Vを、+5Vに昇圧して供給し、これによって加速度センサ131および地震演算処理回路136が、ステップa4において動作状態になる。前述の時間W3は、たとえば3分であってもよい。
【0045】
図9は、地震演算処理回路136の動作を説明するためのフローチャートである。DC/DCコンバータ145からの電力が、加速度センサ131および地震演算処理回路136に供給された後、地震演算処理回路136は、加速度センサ131の出力を、ローパスフィルタ133を介して受信し、図9に示される動作を実行する。
【0046】
図10は、図1〜図9に示される地震検出装置の動作を説明するための波形図である。図10(2)に示されるように電池141からの電力が時刻t1において供給され、この状態で、図10(1)に示されるように加速度センサ131によって第1方向xの検出加速度αxが、図10(1)に示されるように得られる場合を想定する。起動用加速度センサ142は、図10(3)の時刻t2において、与えられた振動の加速度の絶対値が予め定める第3弁別レベルL3以上であるとき、その出力をタイマ手段144に与え、これによってタイマ手段144は、図10(4)に示されるように時刻t2から予め定める時間W3だけ、絶縁回路179を介してDC/DCコンバータ145に電池141からの電力を供給する。これによって地震演算処理回路136は、時刻t2から遅延時間ΔW4経過後の時刻t3以降、DC/DCコンバータ145からの電力が供給される。前述の時刻t2〜t4間の時間は、前述の予め定める時間W3である。こうして図9のステップc1からステップc2に移り、時刻t2においてタイマ手段144が動作し、次のステップc3では、遅延時間ΔW4の後の時刻t3で、地震演算処理回路136の演算処理動作が開始される。
【0047】
図9のステップc4では、加速度センサ131によって検出された検出加速度αxを表す信号が、ローパスフィルタ133を経て地震演算処理回路136に与えられる。ステップc5では、検出加速度αxが、予め定める第1弁別レベルLx1以上であるか(Lx1≦αx)が判断され、そうであれば、次のステップc8では、検出加速度αxが第1弁別レベルLx1以上である時間Wxが計測される。この計測された時間Wxは、次のステップc9で、予め定める第1の時間Wx1以上であるか(Wx1≦Wx)が判断され、そうでなければ、すなわちWx1<Wxであれば、ステップc17に移って、一連の動作を終了する。これによって地震演算処理回路136は、ライン197(前述の図7参照)には、電磁コイル47を励磁するための励磁指令信号を、図10(6)に示されるように出力せず、したがって遮断弁1は、図10(7)に示されるように開弁状態に保たれて通常の液化石油ガスを供給することができる状態に保たれる。このとき送信回路138からは、図10(8)に示される500gal以上出力183は導出されない。上述の説明は、第1方向xの地震波に関する動作であったけれども、第2方向yの地震波に関しても同様に図9のステップc1〜c5に移り、このステップc5において、検出加速度αxが第1弁別レベルLx1未満であれば(Lx1>αx)、ステップc6で、第2方向yの検出加速度αyが得られる。ステップc7では、検出加速度αyが、第2弁別レベルLy1以上であるか(Ly1≦αy)が判断され、そうであれば、ステップc12では、検出加速度αyが第2弁別レベルLy1以上である時間Wyが計測される。計測時間Wyは、ステップc13で、第1の予め定める時間Wy1以上であるか(Wy1≦Wy)が判断され、そうでなければ、すなわちWy1<Wyであれば、ステップc17に移り、一連の動作を終了する。
【0048】
さらに第1および第2方向x,yの検出加速度αx,αyが、第1および第2弁別レベルLx1,Ly1未満であるものとそれぞれ判断されると、ステップc1〜c7を経て、ステップc17に移り、一連の動作を終了する。第1および第2弁別レベルLx1,Ly1は、たとえば同一の400galであってもよいが、相互に異なる値であって等しくてもよい。予め定める第1の時間Wx1,Wy1は、たとえば5msecであってもよいが、相互に異なる値であってもよい。
【0049】
図11は、図1〜図10に示される地震検出装置の動作を説明するための波形図である。図11(1)〜図11(8)の各波形は、前述の図10(1)〜図10(8)の各波形にそれぞれ対応する。図11(2)に示されるように電池141が装着されて時刻t1で電力が供給され、この状態で加速度センサ131によって第1方向xの検出加速度αxが図11(1)に示されるように得られ、その検出加速度αxが第3弁別レベルL3以上であるとき、起動用加速度センサ142は、図11(3)に示される出力を、タイマ手段144に与える。これによってタイマ手段144は、図11(4)に示されるように時刻t12から予め定める第3の時刻W3の経過する時刻t15にわたって、絶縁回路179を介して電池141の電力をDC/DCコンバータ145に与える。
【0050】
地震演算処理回路136は、図11(5)に示されるように時刻t12から遅延時刻ΔW4だけ経過した時刻t13以降、DC/DCコンバータ145から電力が供給され、図9のステップc3以降、演算処理動作が行われる。
【0051】
ステップc4における検出加速度αxが、ステップc5において第1弁別レベルLx1以上であれば、ステップc8においてその時間Wxが計測され、こうして得られた計測時間Wxが予め定める第1の時間Wx1以上であれば、次のステップc10に移る。このステップc10では、第2方向yの検出加速度αxが、予め定める第1の弁別レベルLy1以上である計測時間Wyが、予め定める第2の時間Wy1以上であるか(Wy1≦Wy)が判断され、そうであれば、ステップc11において地震演算処理回路136はライン188に、遮断弁1の電磁コイル47を励磁すべき励磁指令信号を、図11(6)に示されるように時刻t14以降、参照符201,202で示されるように、導出する。この励磁指令信号は、予め定める時間W5だけ持続するたとえば単安定によって得られる信号である。持続時間W5は、たとえば100msecであってもよく、この時間W5において電磁コイル駆動回路137のトランジスタ189は、励磁電力供給用電線191,192、コネクタ193およびライン194を経て電池141から励磁電力を電磁コイル47に与え、この時間W5にわたる励磁によって、弁棒42の永久磁石片43からの磁気吸着の解除が行われ、遮断弁1は、図11(7)に示されるように閉弁状態に保たれる。地震演算処理回路136は、電磁コイル47の励磁による消費電力を低減するために、前述の時間W5にわたる励磁指令信号を、断続的に、周期的に繰返し、導出するように構成し、これによって閉弁状態を確実に達成するようにしてもよく、たとえば図11(6)の参照符201で示される励磁指令信号の発生後、時間をあけてもう1つの励磁指令信号202を、励磁指令信号201と同様に発生するようにしてもよい。
【0052】
ライン188に導出される地震演算処理回路136からの励磁指令信号はまた、送信回路138の遮断出力182として導出され、PHS携帯端末装置に伝送され、このことは図11(8)に示されるとおりである。
【0053】
このようにして第1および第2方向x,yの検出加速度αx,αyが、だ1および第2弁別レベルLx1,Ly1以上であって、その持続する計測時間Wx1,Wy1の両者が、第1の時間Wx1,Wy1以上であることがそれぞれ検出されたとき、地震が発生されたものと判断されて、遮断弁1が遮断されることになる。この励磁指令信号の発生は、発光ダイオード203などの出力手段によって表示される。前述の図9のステップc9で、第1方向xの検出加速度αxが第1弁別レベルLx1以上である計測時間Wxが、予め定める第1の時間Wx1以上であって、さらにステップc10で、第2方向yの検出加速度αyが第2の弁別レベルLy1以上である計測時間Wyが予め定める時間Wy1未満であるとき(Wy1>Wy)、次のステップc15に移り、計測時間Wxが、予め定める第2の時間Wx2以上であるか(Wx2≦Wx)が判断され、そうであれば、ステップc11に移り、ライン188から励磁指令信号が導出されて電磁コイル47が駆動され、遮断弁1が閉弁状態に保たれる。また前述のステップc7において、第2方向yの検出加速度αyが、予め定める第2弁別レベルLy1以上であり、このとき第1方向xの検出加速度αxが第1弁別レベルLx1未満であるとき(Lx1<αx)、次のステップc12では、検出加速度αyが第2弁別レベルLy1以上である時間Wyが計測される。この計測時間Wyは、ステップc13において予め定める時間Wy1以上であり、さらにステップc14では、第1方向xの前述の計測時間Wxが予め定める時間Wx1未満であるとき(Wx1>Wx)、次のステップc11においてライン188から励磁指令信号が発生されて遮断弁1が閉弁状態となる。ステップc14において、計測時間Wxが予め定める時間Wx1未満であるとき、ステップc16では、計測時間Wyが予め定める第2の時間Wy2以上であるかが判断され、そうであればステップc11においてライン188から励磁指令信号が導出され、遮断弁1が閉弁状態とされる。
【0054】
第2の予め定める時間Wx2,Wy2は、たとえば10msecであって等しくてもよく、相互に異なる値に選ばれてもよい。こうして第1または第2方向x,yの検出加速度αx,αyのいずれか一方が、弁別レベルLx1,Ly1以上である計測時間Wx,Wyのいずれか一方が、第2の長い予め定める時間Wx2またはWy2以上であれば、地震が発生したものと判断し、遮断弁1が閉弁状態とされる。こうして地震の発生を確実に検出し、遮断弁1を閉弁状態として安全性を確保するとともに、衝撃波などによる誤動作を確実に防ぐ。
【0055】
図12は、地震演算処理回路136の自己診断動作を説明するためのフローチャートである。自己診断用スイッチ146に備えられる一方のスイッチ204を操作者が押圧操作することによって、地震演算処理回路136は、ステップe1からステップe2に移り、このスイッチ204の投入を検出する。ステップe3では、加速度センサ131によって、第1および第2弁別レベルLx1,Ly1を超える予め定める加速度、たとえば800galの地震波が発生したときと等価な擬似加速度信号を、ライン172,173から受信したものと想定した動作を、次のステップe4において行う。このようなステップe4の動作は、前述の図9に関連して説明した動作と同様である。
【0056】
自己診断用スイッチ146に含まれるもう1つのスイッチ205を操作することによって、起動用加速度センサ142からのタイマ手段144に与えられる信号と等価な信号が与えられる。こうしてタイマ手段144の計時動作以後の前述の動作を、自己診断することができる。
【0057】
図13は、地震演算処理回路136による断線検出のための動作を説明するためのフローチャートである。断線検出用電線196は、前述のように励磁電力供給用電線191,192に沿って付設されており、コネクタ193によってライン194,197を介して、地震演算処理回路136に接続される。断線検出用電線196が切断され、あるいはまたコネクタ193が離脱されたとき、図13のステップf2では、その断線が検出され、断線警報出力手段186による表示が行われるとともに、断線検出出力185が導出され、出力回路181からPHS携帯端末装置に伝送される。
【0058】
遮断弁1の一例を以下に説明する。
図14は、本発明の実施の一形態の遮断弁1の縦断面図である。この遮断弁1は基本的に、弁箱2と、弁座部材3と、開閉駆動手段4と、復帰手段5とを含む。
【0059】
図15は、図14に示される遮断弁1の平面図である。図15の切断面線B−Bから見た断面は、前述の図14である。開閉駆動手段4を弁箱2の外方で囲むキャップ6は、取外し可能なボルト7によって弁箱2の固定座8に固定される。
【0060】
図16は遮断弁1の側面図であり、図17は図16の切断面線A−Aから見た断面図である。さらに図18は遮断弁1の正面図であり、図19は遮断弁1の底面図である。これらの図面を参照して、弁箱2には、たとえば液化石油ガスLPGなどの流体であるガスの入口11と出口12とが形成され、管接続のためにフランジ13,14がそれぞれ設けられる。弁箱2内には、入口11と出口12とを連通する通路15,16が形成され、これらの通路15,16間に隔壁である仕切部材17が形成される。
【0061】
図20は、遮断弁1が備えられる液化石油ガス供給装置19の基地の全体の構成を簡略化して示す図である。複数の圧力容器21には、液化石油ガスLPGが供給され、共通に接続された供給管22から遮断弁1を経て、各家庭23に、各家庭23毎のガスメータ24を介して供給される。遮断弁1は、地震発生時に、その地震発生を検出する地震検出装置25からの電力供給用電線26を介する電力によって励磁され、緊急遮断される。これによって地震による災害発生時、生ガスが不所望に供給され続ける恐れはなく、安全性が確保される。遮断弁1と地震検出装置25と電力供給用電線26とは、遮断弁装置27を構成する。
【0062】
図21は、弁座部材3と開閉駆動手段4とを示す断面図である。弁座部材3は、たとえば真鍮などの金属などの材料から成り、全体の形状はほぼ環状に形成され、弁孔31を有する。弁孔31は、図21の上下方向である軸線を中心とする内径が一様な円形断面を有する。弁座部材3は、開閉駆動手段4に臨む着座部32と、着座部32に連なる連続部33と、大径部34と、段差部35と、この段差部35を介して大径部34に連なる小径部36とを有する。仕切部材17には、弁座取付け孔38が形成される。弁座取付け孔38は、弁座部材3の台形部34は、段差部35および小径部36に対応した内周面を有し、弁座部材3が着脱交換可能に、装着される。
【0063】
図22は、開閉駆動手段4の平面図である。この開閉駆動手段4は基本的に、弁座部材3の着座部32に着座、離脱する弁体41と、弁棒42と、ヨーク部材43と、取付け部材44と、弁体41を弁座部材3に向けてばね力を与えるコイルばね46と、電磁コイル47とを含む。弁体41は、図21の上下の補強部材48,49によって挟持される。弁体41は、ゴムまたは合成樹脂などの弾発性を有する材料から成り、弁座部材3の着座部32に着座した状態で閉弁状態となり、図21に示されるように着座部32から図8の上方に間隔をあけて離脱している開弁状態に保たれることができる。弁棒42の一端部51は弁体41に連結されて設けられる。弁棒42の他端部52は、ヨーク片53を介して永久磁石片45に、その磁気吸引力によって磁気吸着されることができる。前記他端部52がヨーク片53に当接して永久磁石片45と磁気吸着する磁気吸引力は、ばね46のばね力よりも大きく、したがってこのばね力に抗して、前記他端部52がヨーク片53に磁気吸着して保たれることができる。
【0064】
ヨーク部材43は、その全体の形状が逆U字状であり、一対の立上り部55,56と、それらの立上り部55,56の上端部を連結する連結部57と、各立上り部55,56の下部付近で外側方に屈曲して連なる取付け片58,59とを有する。これらの取付け片58,59は、ボルト61によって、取付け部材44に固定される。この取付け部材44は、固定部62を有し、ボルト63によって、弁箱2の固定座8のねじ孔64に着脱可能に固定される。
【0065】
弁箱2の固定座8には、取付け孔66が形成される。この取付け孔66の内径D66は、弁体41の外径D41よりも大きく、また弁座部材3の外径D3よりも大きい(D41<D66、D3<D66)。こうして取付け孔66には、弁座部材3を挿通することができ、また弁体41を挿通することができ、こうして弁座部材3および開閉駆動手段4を、弁箱2に装着することができ、また取外して交換することができる。取付け部材44の固定部62は、取付け孔66の内径D66よりも外方に延びる大きさ、寸法形状を有する。
【0066】
電磁コイル47は、ボビン67に設けられ、取付け部材44の案内部68に嵌め込まれて固定される。永久磁石片45はヨーク部材43の連結部57の内面に固定され、この永久磁石片45には、ヨーク片53が固定される。永久磁石片45は、弁棒42の軸線方向に各磁極が磁化されて構成される。弁棒42、ヨーク部材43、取付け部材44およびヨーク片53は、鉄などの強磁性材料から成り、磁路を形成する。前述の図14および図17ならびに図21に示されるように、弁棒42の端部52がヨーク片53を介して永久磁石片45に磁気吸着している状態で、ばね46は磁気吸引力に抗して圧縮されており、弁体41は弁座部材3から離脱し、開弁状態に保たれている。
【0067】
地震発生時、電磁コイル47に電力が供給されて励磁されると、その電磁コイル47は、永久磁石片45の弁棒42における端部52との磁気吸引力を打消す方向の磁界を発生する。これによって弁棒42の端部52とヨーク片53との磁気吸引力が、ばね46のばね力よりも小さくなり、前記端部52は、ヨーク片53から離脱し、ばね46のばね力によって弁体41は弁座部材3の着座部32に弾発的に押付けられて着座し、閉弁状態が保たれる。したがって地震発生時、弁体41が弁座部材3に着座し、閉弁状態が前述のように保たれ、液化石油ガスなどのガス燃料の供給が遮断される。
【0068】
図23は、復帰手段5の断面図である。復帰手段5は基本的に、復帰手段本体71内で長手軸線方向に図23の上下に往復移動可能であり、しかもその軸線まわりに角変位して回転することができる押圧操作棒72と、この押圧操作棒72を、弁棒42の端部51、したがって弁体41から遠去かる方向(図23の下方)にばね力を与える復帰用ばね73と、押圧操作棒72の端部に設けられ、押圧操作棒72の軸線と同軸に角変位自在である表示体74と、この表示体74を、押圧操作棒72の軸線方向の直線移動によって表示体74を角変位する表示体駆動手段75とを含む。復帰手段本体71にはおねじ76が刻設され、弁座部材3と開閉駆動手段4とに関して弁箱2の反対側(図23の下方)から弁箱2の一部77に形成されためねじに着脱交換可能に気密に装着される。
【0069】
表示体駆動手段75は、有底筒体79を有する。この筒体79は、直円筒状の筒部81と、弁棒42の端部51に当接することができる頂部82とを有する。筒部81には、長手軸線方向に平行に延びる案内長孔83と、カム孔84とが周方向にずれて形成される。
【0070】
図24は、筒体79の周方向展開図である。カム孔84は、筒部81の長手軸線方向に平行であって、かつ周方向にずれて配置される長孔部85,86と、これらの長孔部85,86に連なり筒部81の軸線に対して傾斜した傾斜部87とを有する。案内長孔83には、押圧操作棒72の一端部に固定されたピン88が緩やかに嵌り込む。カム孔84には、復帰手段本体71に固定されたホロアであるピン89が緩やかに嵌り込む。熱体79は、復帰手段本体71と押圧操作棒72の共通な軸線と同軸であり、かつその軸線まわりに相互に角変位可能である。
【0071】
押圧操作棒72の他端部には、操作体91が設けられる。この操作体81には、押圧操作棒72が挿通する復帰用ばね73を収納して、その復帰用ばね73の端部を受ける。
【0072】
図25は、操作体91とその付近の一部の分解斜視図である。操作体91の外周部には、その軸線に沿って延びる案内溝92が形成される。この案内溝92には、復帰手段本体71に取外し可能に螺着された回り止めピン93が嵌り込み、図23の状態で操作体91が復帰用ばね73のばね力によって図23の下方に復帰手段本体71から離脱することを防ぐために案内溝92の端部に当接する抜け止めの働きを果たす。復帰用ばね73はまた、復帰手段本体71に受けられる。
【0073】
表示体74は、周方向にたとえば角度60°ずつ分断された表示部95を有し、その中央の連結部96は、有底帽状表示基部97の挿通孔98を緩かに挿通し、押圧操作棒72の端部に固定された取付け部99の取付け孔101に嵌り込んで固定される。こうして表示体74は、押圧操作棒72とともに、その軸線まわりに角変位することができる。表示体74は、遮断弁の開弁状態に対応してたとえば緑色に表示され、表示基部97は遮断弁の閉弁状態に対応して赤色に形成される。
【0074】
操作体91の端部には、カバー片102が固定される。このカバー片102は、表示体74の表示部95に対応して周方向に角度60°をあけてカバー部103が形成され、これらのカバー部103間には、切欠かれた表示領域104が形成される。
【0075】
地震発生によって電磁コイル47が励磁され、ばね46のばね力によって弁棒42および弁体41が下降されるとき、弁棒42の端部51は、筒体79の頂部82の上面を下方に押圧する。これによって筒体79が下方に変位し、ピン89は、図24の参照符89bの位置から矢符106の逆方向に傾斜部87を移動し、図24の参照符89の位置に戻る。これによって筒体89は矢符107の逆方向に角変位して案内長孔83内の参照符88bで示されるピン88を、その案内長孔83の図24における上端部に戻す。したがって押圧操作棒72がその軸線まわりに角変位され、表示体74の表示部95は、図25の参照符95bの位置からカバー片102のカバー部103に重なった位置95aのように戻る。したがって表示用切欠き104には、表示基部97の底部が露出し、赤色が表示されることになり、閉弁状態になったことが外部から容易に知ることができる。この地震発生時、弁体41が弁座部材3に着座して閉弁状態になったとき、復帰手段5は、図23に示されるとおりとなっており、ピン88は、案内長孔83の図23および図24における上端部に存在し、このときもう1つのピン89は、カム孔84の傾斜部87寄りに位置し、これによって表示体74の表示部95は、カバー片102のカバー部103に、参照符95aで示されるように重なり、したがって表示用切欠き104からは、表示基部97の赤色底部が表示される。カバー片102は、たとえば白色に形成される。操作体91の端部には、カバー片102を外方から覆って収納する透明合成樹脂製有底筒状の操作カバー体105が、固定される。この操作カバー体105の頂部106は、遮断弁1の閉弁状態から開弁状態に復帰する際に、押圧操作される。作業者は、表示用切欠き104から表示基部97の赤色が表示されることによって、本件遮断弁1が閉弁状態であることを、容易に知ることができる。この閉弁状態では、筒体79の頂部82は、弁棒42の端部51によって図23の下方に押圧されて変位された状態となっている。
【0076】
遮断弁1を開弁状態に復帰するには、作業者はカバー筒体105の頂部106を図23の上方に、ばね73のばね力に抗して押圧操作する。
【0077】
操作カバー体105の頂部106をばね73のばね力に抗して図23の上方に押圧することによって、押圧操作棒72の上端部は、筒体79の頂部82を図23の上方に押圧し、この頂部82は弁棒42の端部51に当接してばね46のばね力に抗し、弁棒42の端部52がヨーク片53を介して永久磁石片45に磁気吸着するように当接させる。この押圧操作部72が図23の上方に移動するとき、筒体79もまた図23の上方に変位し、これによってピン88は案内長孔83を図24の下方に移動し、開弁状態では参照符88bの位置に到達する。ピン89は、カム孔84内で、長孔部85から、押圧操作棒72および筒体89の図23における上方への変位に伴い、傾斜部87を矢符106のように移動し、参照符89bで示されるようにもう1つの長孔部86内で傾斜部87寄りの位置に開弁状態で到達する。ピン89が傾斜部87を矢符106のように移動するとき、筒体79はその軸線まわりに角変位し、これによって筒体79はピン88、したがって押圧操作棒72をその軸線まわりに矢符107で示されるように角変位する。この押圧操作棒72の角変位に伴って、表示体74もまた角変位し、これによって緑色表示部95は、カバー片102の表示を切欠き104に、参照符95bで示されるように角変位して移動する。こうして表示用切欠き104からは、緑色表示部95が表示され、遮断弁1の開弁状態に復帰したことが表示される。筒体79は比較的軽量であり、弁体41が弁座部材3から上方に離脱して開弁状態となっているとき、ピン89は、図24の参照符89bで示されるように、長孔部86と傾斜部87との境界付近で係止したままとなり、筒体79がその自重で下降することはなく、これによって筒体89の頂部82の下面と押圧操作棒72の上端部とは、押圧操作棒72が復帰用ばね73によって図23のように復帰した状態で、図23の上下に離間したままである。こうして前述のカバー片102の表示用切欠き104には、表示体74の表示部95が緑色で表示されたままに保たれる。
【0078】
復帰手段本体71に弁箱2の外方で刻設されたおねじ108には、透明合成樹脂製有底保護カバー109が着脱可能に螺着される。
【0079】
図26は、本発明の実施の他の形態のガスメータ111を一部切欠いて示す斜視図である。ガスメータ111は、都市ガスの使用量を計量するために用いられる。ガスメータ111の入口112から供給されるガスは、ガスメータ本体114に構成された遮断弁113を経て、計量手段115に供給され、出口116から、ガス消費機器に供給される。計量されたガス量は、カウンタ117によって表示される。
【0080】
図27は、図26に示されるガスメータ111の遮断弁113を示す簡略化した水平断面図である。ガスメータ111の遮断弁113では、前述の遮断弁1において用いられる弁座部材3と開閉駆動手段4と復帰手段5とが、ガスメータ本体4に着脱交換可能に装着される。このガスメータ本体114は、弁箱を構成する。
【0081】
ガスメータ111に内蔵される電子回路118は、地震の発生を検出する感震器119と、この感震器119によって検出された地震波に応答して開閉駆動手段4の電磁コイルを励磁するための電力を供給する励磁駆動手段121とを含む。本発明では、このような弁座部材3と開閉駆動手段4と復帰手段5とを、ガスメータ111に使用するとともに、図14〜図25に関連して前述した遮断弁1のために共用化することができる。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、相互に交差する第1および第2方向x,yの第1および第2検出加速度αx,αyを第1および第2の予め定める弁別レベルLx1,Ly1でレベル弁別し、その第1および第2の計測時間Wx,Wyを計測し、両者の時間W1,W2のいずれもが、短い第1の予め定める時間W1、たとえば5msec以上であるとき、地震が発生したものと判別し、さらにこれらの第1または第2の時間Wx,Wyの少なくともいずれか一方が、長い第2の予め定める時間W2、たとえば10msec以上であるとき、地震が発生したものと判別する。こうして地震波を、衝撃波とは区別して正確に検出することが可能であり、誤検出によって遮断弁を動作させる恐れがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の地震検出装置の全体の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
【図2】加速度センサ131を構成する加速度センサ本体148を示す簡略化した平面図である。
【図3】図2に示される加速度センサ本体148の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】第1方向xの変位の検出のための検出片155とその付近の構成を簡略化して示す平面図である。
【図5】加速度センサ131の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
【図6】起動用加速度センサ142の具体的な構成を簡略化して示す断面図である。
【図7】図1に示される地震検出装置のさらに具体的な構成を示す電気回路図である。
【図8】図1〜図7に示される地震検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】地震演算処理回路136の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図1〜図9に示される地震検出装置の動作を説明するための波形図である。
【図11】図1〜図10に示される地震検出装置の動作を説明するための波形図である。
【図12】地震演算処理回路136の自己診断動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】地震演算処理回路136による断線検出のための動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の実施の一形態の遮断弁1の縦断面図である。
【図15】図14に示される遮断弁1の平面図である。
【図16】遮断弁1の側面図である。
【図17】図16の切断面線A−Aから見た断面図である。
【図18】遮断弁1の正面図である。
【図19】遮断弁1の底面図である。
【図20】遮断弁1が備えられる液化石油ガス供給装置19の基地の全体の構成を簡略化して示す図である。
【図21】弁座部材3と開閉駆動手段4とを示す断面図である。
【図22】開閉駆動手段4の平面図である。
【図23】復帰手段5の断面図である。
【図24】筒体79の周方向展開図である。
【図25】操作体91とその付近の一部の分解斜視図である。
【図26】本発明の実施の他の形態のガスメータ111を一部切欠いて示す斜視図である。
【図27】図26に示されるガスメータ111の遮断弁113を示す簡略化した水平断面図である。
【符号の説明】
131 加速度センサ
136 地震演算処理回路
137 電磁コイル駆動回路
138 送信回路
141 リチウム電池
142 起動用加速度センサ
143 球状体
144 タイマ手段
145 DC/DCコンバータ
146 自己診断用スイッチ
149 質量体
151 半導体サブストレート
179 絶縁回路
186 断線警報出力手段
191 励磁電力供給用電線
196 断線検出用電線
Claims (9)
- (a)予め定める第1方向xの加速度を検出するとともに、第1方向に交差する第2方向yの加速度を検出する加速度センサと、
(b)加速度センサによって検出される第1検出加速度αxを、予め定める第1弁別レベルLx1でレベル弁別する第1レベル弁別手段と、
(c)加速度センサによって検出される第2検出加速度αyを、予め定める第2弁別レベルLy1でレベル弁別する第2レベル弁別手段と、
(d)第1レベル弁別手段の出力に応答し、第1検出加速度αxが、第1弁別レベルLx1以上である第1の計測時間Wxを計測する第1の時間計測手段と、
(e)第2レベル弁別手段の出力に応答し、第2検出加速度αyが、第2弁別レベルLy1以上である第2の計測時間Wyを計測する第2の時間計測手段と、
(f)第1および第2時間計測手段の出力に応答し、
第1および第2の計測時間Wx,Wyのいずれもが、第1の予め定める時間W1以上であるとき、および
第1または第2の計測時間Wx,Wyのいずれか一方が、第1の予め定める時間W1を超える予め定める第2の時間W2以上であるとき、
地震が発生したことを判別する地震判別手段とを含むことを特徴とする地震検出装置。 - 第1弁別レベルLx1と、第2弁別レベルLy1とは、等しい値に定められることを特徴とする請求項1記載の地震検出装置。
- 第1の予め定める時間W1は、3〜7msecであり、
第2の予め定める時間W2は、8〜12msecであることを特徴とする請求項1または2記載の地震検出装置。 - 加速度センサは、
半導体サブストレートに、多結晶シリコン膜から成る質量体が、相互に直交する第1および第2方向x,yを含む仮想水平面内で、弾発的に変位自在に支持され、
質量体の第1および第2方向x,yの変位による差動静電容量を検出することを特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載の地震検出装置。 - 電池と、
電池の電圧を昇圧して、加速度センサと、第1および第2の時間計測手段と、地震判別手段とに、供給するDC/DCコンバータと、
第1および第2弁別レベルLx1,Ly1未満である第3弁別レベル以上の加速度を検出する起動用加速度センサと、
起動用加速度センサの出力に応答し、検出加速度が、第3弁別レベル以上であるとき、第1および第2の予め定める時間W1,W2を越える予め定める第3の時間W3だけ、DC/DCコンバータを動作させるタイマ手段とを含むことを特徴とする請求項1〜4のうちの1つに記載の地震検出装置。 - 起動用加速度センサは、球状体の機械的な変位を検出する構成を有することを特徴とする請求項5記載の地震検出装置。
- 自己診断のために操作される自己診断用スイッチと、
自己診断用スイッチの出力に応答し、地震判別手段が地震の発生を判別する擬似加速度信号を、加速センサの出力の代りに、第1および第2レベル弁別手段に与える擬似加速度信号発生手段とを含むことを特徴とする請求項1〜6のうちの1つに記載の地震検出装置。 - 請求項1〜7のうちの1つに記載の地震検出装置と、
流体の供給経路に介在され、電磁コイルの励磁によって遮断する遮断弁と、
地震検出装置の地震判別手段からの地震を検出したことを表わす出力に応答し、電磁コイルの励磁電力を供給する励磁駆動回路と、
励磁駆動回路から電磁コイルに電力を供給する電力供給用電線と、
電力供給用電線に沿って配置される閉ループの断線検出用電線と、
断線検出用電線の断線を検出する断線検出手段と、
断線検出手段の出力に応答し、断線検出用電線の断線が検出されたとき、断線が発生したことを表示する表示手段とを含むことを特徴とする遮断弁装置。 - 励磁駆動回路は、電池からの電力を電磁コイルに供給し、
断線検出用電線の一端部は、電池に接続され、他端部は、断線検出手段に接続され、
断線検出手段は、DC/DCコンバータからの電力によって駆動されることを特徴とする請求項8記載の遮断弁装置。
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