JP2004243589A - 平行定規装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】張力調整作業を容易に行うことができる平行定規装置を提供する。
【解決手段】平行定規装置11は、平行定規装置本体12に定規13が平行移動可能に設けられているものである。また、平行定規装置本体12には、複数のプーリ15が回転可能に設けられ、これらのプーリ15にはワイヤ14が張架されている。ワイヤ14の連結点には、定規13の両端部が連結固定され、手動操作で定規13を平行移動させる際、定規13の両端部が同期されるようになっている。ワイヤ14には、ワイヤ14の張力を調整する引張コイルばね16が介装されている。この引張コイルばね16の引張応力によってワイヤ14は所定の張力に調整されるようになっている。また、ワイヤ14の端部には連結金具が設けられ、この連結金具によって引張コイルばね16はワイヤ14の端部に着脱可能に設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】平行定規装置11は、平行定規装置本体12に定規13が平行移動可能に設けられているものである。また、平行定規装置本体12には、複数のプーリ15が回転可能に設けられ、これらのプーリ15にはワイヤ14が張架されている。ワイヤ14の連結点には、定規13の両端部が連結固定され、手動操作で定規13を平行移動させる際、定規13の両端部が同期されるようになっている。ワイヤ14には、ワイヤ14の張力を調整する引張コイルばね16が介装されている。この引張コイルばね16の引張応力によってワイヤ14は所定の張力に調整されるようになっている。また、ワイヤ14の端部には連結金具が設けられ、この連結金具によって引張コイルばね16はワイヤ14の端部に着脱可能に設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製図に使用される平行定規装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の平行定規装置41としては、図6に2点鎖線で示す製図板42に長尺板状の定規43が平行移動可能に設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この製図板42の隅部内側にはプーリ44が回転可能に軸支され、これらのプーリ44には、無端状のワイヤ45が張架されている。
製図板42の両側部におけるワイヤ45の連結点Pには定規43の両端部が連結固定され、手動操作で定規43を平行移動させるとワイヤ45がプーリ44に案内されながら駆動されるようになっている。このワイヤ45の駆動によって、定規43の両端部の移動が同期されることにより、定規43の平行移動が規制されるようになっている。
【0003】
平行定規装置41の組み立て作業において、ワイヤ45をプーリ44に張架させるには、まずワイヤ45をプーリ44に掛架させ、次にワイヤ45の張力を調整する。ここで、平行定規装置41のプーリ44のうち、少なくとも一つのプーリ44は図示しない移動可能なブラケットを介して製図板42に取着することにより、ワイヤ45の張架方向に移動可能に設けられている。そして、ワイヤ45の張力を調整するには、まずワイヤ45の張力を張力測定器によって測定しながら、移動可能なプーリ44を図6の矢印で示すようにワイヤ45の張架方向に移動させる。続いて、張力測定器の測定値が所定の値になった位置で、プーリ44を指先や工具等によって保持し、ブラケットをビス等の締付具によって締付固定することにより、プーリ44にワイヤ45が所定の張力で張架される。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−314990号公報(図2等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の平行定規装置41おいてワイヤ45の張力を調整するには、プーリ44を移動させる作業が必要である。このプーリ44を移動させる作業は、困難かつ面倒であるため、張力調整作業に手間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、張力調整作業を容易に行うことができる平行定規装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の平行定規装置は、平行定規装置本体に平行移動可能に設けられた定規と、該定規の平行移動を規制する線材と、該線材が張架され線材の移動を案内する案内部材と、を備えた平行定規装置において、前記線材には該線材の張力を調整する張力調整部材が介装されているものである。
【0008】
請求項2に記載の発明の平行定規装置は、請求項1に記載の発明において、前記張力調整部材は弾性材料から形成され、該弾性材料の弾性力によって前記線材の張力が調整されるものである。
【0009】
請求項3に記載の発明の平行定規装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記張力調整部材は前記線材に着脱可能に設けられているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を、図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、平行定規装置11は長四角板状の平行定規装置本体12と、長尺板状の定規13と、線材としての1本のワイヤ14と、案内部材としての複数のプーリ15と、張力調整部材としての金属製の引張コイルばね16とを備えている。以下において、手前及び奥とは図1における下側を手前、上側を奥という。
【0011】
平行定規装置本体12は、四角枠状の枠体17の内側に長四角板状の製図板18が設けられたものである。枠体17は、四角柱状の一対の側枠材19と、四角柱状の奥枠材20と、長四角柱状の前枠材21とから構成されている。
【0012】
側枠材19は製図板18の両側部に設けられるとともに、奥枠材20及び前枠材21はそれぞれ製図板18の奥端部及び手前端部に設けられている。側枠材19は金属材料から形成され、製図板18の両側部が補強されるようになっている。奥枠材20及び前枠材21は合成樹脂から形成され、平行定規装置11の軽量化が図られている。
【0013】
側枠材19の外側には、側面トラック状のスライダ22が一対、側枠材19の長手方向に沿ってスライド可能に設けられている。これらのスライダ22には、アーム23を介して定規13の両端部が固定され、この定規13はスライダ22の移動に伴って製図板18上を平行移動可能となっている。
【0014】
前枠材21の隅部内側には、案内部材としての一対の第1プーリ24が回転可能に軸支されている。また、奥枠材20の隅部内側には案内部材としての一対の第2プーリ25が回転可能に軸支されている。さらに、これらの第2プーリ25の内側には案内部材としての一対の第3プーリ26が回転可能に軸支されている。これらの第1プーリ24、第2プーリ25及び第3プーリ26には金属製のワイヤ14が張架され、これらのプーリ15によってワイヤ14の駆動が案内されるようになっている。
【0015】
ワイヤ14は、一方の第1プーリ24、第2プーリ25、他方の第1プーリ24及び第3プーリ26の順に側枠材19及び奥枠材20に平行して掛架されている。一対の第2プーリ25の間に張架されるワイヤ14の略中央には、引張コイルばね16が介装され、その引張応力によってワイヤ14の張力は所定の値に維持されるようになっている。この引張コイルばね16は、ワイヤ14に介装した際、ワイヤ14の張力が所定の値となるばね定数を有したものである。つまり、この引張コイルばね16のばね定数(例えば、0.5〜2N/mm)を設定することにより、ワイヤ14の張力を所定の値に維持することができ、ワイヤ14がプーリ15に案内されながら、円滑に駆動されるようになっている。
【0016】
図3(a)に示すように、ワイヤ14の端部には連結部材としての鍵穴形状の連結金具27が設けられている。これらの連結金具27の先端側には掛着孔28が貫設され、この掛着孔28に引張コイルばね16の両端部に設けられるフック部が掛着されるようになっている。また、これらの連結金具27によって引張コイルばね16はワイヤ14に着脱可能に設けられている。
【0017】
図2に示すように、第1プーリ24と第2プーリ25との間に張架されるワイヤ14の略中央、及び第1プーリ24と第3プーリ26との間に張架されるワイヤ14の略中央には、一対の連結点Pが設けられている。これらの連結点Pには、図示しないスライダ22及びアーム23を介して図2に二点鎖線で示す定規13の両端部が連結固定されている。そして、手動操作で定規13を平行移動させる際、ワイヤ14がプーリ15に案内されながら駆動されることにより、定規13の両端部の移動が同期される。このように、定規13の平行移動はワイヤ14によって規制されるようになっている。
【0018】
図4(a)及び図4(b)に示すように、前枠材21の表面側には製図用具収容部としてのトラック状のペントレイ29が凹設され、筆記具、消しゴム等の製図用具が収容できるようになっている。このペントレイ29の底部には、トラック状の排出孔30が貫設され、ペントレイ29の内部に溜まった消しゴムのかすや折れた製図芯等の不要物を排出できるようになっている。また、排出孔30はペントレイ29の両側部に一対設けられ、不要物が効率的に排出できるようになっている。
【0019】
さて、この平行定規装置11の組み立て作業において、図2に示すようにワイヤ14をプーリ15に張架させるには、ワイヤ14の端部が奥枠材20の略中央となるようにワイヤ14をプーリ15に掛架させる。次に、図3(a)に示すように掛着孔28に引張コイルばね16のフック部を掛着させる。このとき、ワイヤ14には引張コイルばね16が介装され、引張コイルばね16の引張応力によってワイヤ14には所定の張力がかけられる。従って、プーリ15を移動させることなく、ワイヤ14に張力をかけることができる。また、張力測定器等によってワイヤ14の張力を測定しなくても、引張コイルばね16の引張応力によってワイヤ14に所定の張力をかけることができる。
【0020】
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の平行定規装置11においては、ワイヤ14には引張コイルばね16が介装され、引張コイルばね16によってワイヤ14の張力が調整されるようになっている。従って、プーリ15の移動による張力調整作業を省くことができ、ワイヤ14の張力調整作業を容易に行うことができる。
【0021】
・ この実施形態の平行定規装置11においては、引張コイルばね16は弾性材料としての金属から形成されている。このように構成した場合、金属の弾性力を利用してワイヤ14の張力を調整することができる。従って、張力調整部材の構成を簡単にすることができるとともにワイヤ14の張力を容易に調整することができる。また、平行定規装置11の使用中にワイヤ14に伸びが生じた場合でも、金属の弾性力によってワイヤ14の張力を保持することができる。
【0022】
・ この実施形態の平行定規装置11においては、張力調整部材として引張コイルばね16が介装されている。また、この引張コイルばね16はワイヤ14が所定の張力となるばね定数を有したものである。このように構成した場合、引張コイルばね16の引張応力によってワイヤ14が所定の張力に調整されるため、張力測定器によってワイヤ14の張力を測定する作業を省くことができる。
【0023】
・ この実施形態の平行定規装置11においては、引張コイルばね16は、ワイヤ14に着脱可能に設けられている。このように構成した場合、平行定規装置11の使用時に、引張コイルばね16にへたりが生じたり、ワイヤ14が切れたりする等、引張コイルばね16やワイヤ14等の部品に不具合が生じた場合、部品の交換作業を容易に行うことができる。
【0024】
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、ワイヤ14には張力調整部材としての引張コイルばね16が介装されている。この他の張力調整部材として、両端部に雌ねじが刻設された円筒状の本体と、雌ねじに螺合される雄ねじが刻設されるとともにフック部が設けられたフック体とを備えたターンバックルを介装してもよい。このターンバックルのねじ送り機構によってワイヤ14の端部間の距離を調整することによって、ワイヤ14の張力調整作業を容易にすることができる。
【0025】
・ 前記実施形態では、ワイヤ14には弾性材料としての金属からなる引張コイルばね16が介装されている。この他の弾性材料として、ゴム、合成樹脂等を適用してもよい。
【0026】
・ 前記実施形態におけるワイヤ14の端部に、ワイヤ14が所定の張力に調整された状態でワイヤ14の端部同士を連結固定する固定部材を設けてもよい。
この固定部材としては、例えば図3(a)に示すように長四角枠状の一対の固定金具31と、固定金具31同士を締結するねじ32が挙げられる。この固定金具31は、図3(b)に示すようにそれらの枠内に引張コイルばね16が挿入されるとともに固定金具31の両端部にワイヤ14の端部が挟持されるようになっている。さらに、これらの固定金具31同士はねじ32によって締結されることにより、ワイヤ14の端部同士が連結固定されるようになっている。このように構成した場合、ワイヤ14を所定の張力に調整した状態で引張コイルばね16の伸縮(弾性変形)が防止される。従って、定規13を平行移動させる際、その動作力による引張コイルばね16が伸縮し、定規13の両端部の平行移動にずれが発生することを防止することができる。
【0027】
・ 前記実施形態における引張コイルばね16に、ワイヤ14が所定の張力に調整された状態で引張コイルばね16を固着する固着部材を設けてもよい。この固着部材としては、例えば図5に二点鎖線で示す固着樹脂33が挙げられる。この固着樹脂33は接着剤から形成され、この固着樹脂33によって引張コイルばね16が被覆されるようになっている。このように構成した場合、引張コイルばね16の弾性変形が抑止される。従って、定規13を平行移動させる際、その動作力による引張コイルばね16が伸縮し、定規13の両端部の平行移動にずれが発生することを防止することができる。
【0028】
・ 前記実施形態における第3プーリ26を設けずに、第1プーリ24及び第2プーリ25にワイヤ14を掛架させてもよい。また、第1プーリ24及び第2プーリ25にワイヤ14を、たすき掛け状に掛架させてもよい。
【0029】
・ 前記実施形態における連結金具27を設けずに、ワイヤ14の端部と引張コイルばね16を溶接、半田付け等によって直接連結してもよい。
・ 前記実施形態では、線材として金属製のワイヤ14が適用されているが、この他の線材として、ナイロン糸、ポリエチレン糸等の合成樹脂からなる線材を適用してもよい。
【0030】
・ 前記実施形態では、ペントレイ29には一対の排出孔30が設けられているが、ペントレイ29の一部又は全体をメッシュ状に形成することによって、その編み目を排出孔としてもよい。
【0031】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記線材の張力が調整された状態で線材の端部同士を連結固定する固定部材が設けられている請求項2又は請求項3に記載の平行定規装置。この場合、弾性材料の弾性変形によって定規の平行移動にずれが生じることを防止することができる。
【0032】
(2) 前記平行定規装置本体には、製図用具を収容するための製図用具収容部が凹設され、該製図用具収容部の内側には、不要物を排出するための排出孔が貫設されている請求項1から請求項3及び上記(1)のいずれか一項に記載の平行定規装置。
【0033】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の平行定規装置によれば、張力調整作業を容易に行うことができる。
【0034】
請求項2に記載の平行定規装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、張力調整部材の構成を簡単にすることができる。
請求項3に記載の平行定規装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、部品の交換作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における平行定規装置を示す平面図。
【図2】平行定規装置の要部を示す斜視図。
【図3】(a)はワイヤの連結部分と固定部材を示す分解斜視図、(b)は固定部材が装着された状態を示す斜視図。
【図4】(a)は排出孔を示す平面図、(b)はその断面図。
【図5】ワイヤの連結部分の別例を示す斜視図
【図6】従来の平行定規装置の要部を示す斜視図。
【符号の説明】
11…平行定規装置、12…平行定規装置本体、13…定規、14…線材としてのワイヤ、15…案内部材としてのプーリ、16…張力調整部材としての引張コイルばね、24…案内部材としての第1プーリ、25…案内部材としての第2プーリ、26…案内部材としての第3プーリ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、製図に使用される平行定規装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の平行定規装置41としては、図6に2点鎖線で示す製図板42に長尺板状の定規43が平行移動可能に設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この製図板42の隅部内側にはプーリ44が回転可能に軸支され、これらのプーリ44には、無端状のワイヤ45が張架されている。
製図板42の両側部におけるワイヤ45の連結点Pには定規43の両端部が連結固定され、手動操作で定規43を平行移動させるとワイヤ45がプーリ44に案内されながら駆動されるようになっている。このワイヤ45の駆動によって、定規43の両端部の移動が同期されることにより、定規43の平行移動が規制されるようになっている。
【0003】
平行定規装置41の組み立て作業において、ワイヤ45をプーリ44に張架させるには、まずワイヤ45をプーリ44に掛架させ、次にワイヤ45の張力を調整する。ここで、平行定規装置41のプーリ44のうち、少なくとも一つのプーリ44は図示しない移動可能なブラケットを介して製図板42に取着することにより、ワイヤ45の張架方向に移動可能に設けられている。そして、ワイヤ45の張力を調整するには、まずワイヤ45の張力を張力測定器によって測定しながら、移動可能なプーリ44を図6の矢印で示すようにワイヤ45の張架方向に移動させる。続いて、張力測定器の測定値が所定の値になった位置で、プーリ44を指先や工具等によって保持し、ブラケットをビス等の締付具によって締付固定することにより、プーリ44にワイヤ45が所定の張力で張架される。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−314990号公報(図2等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の平行定規装置41おいてワイヤ45の張力を調整するには、プーリ44を移動させる作業が必要である。このプーリ44を移動させる作業は、困難かつ面倒であるため、張力調整作業に手間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、張力調整作業を容易に行うことができる平行定規装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の平行定規装置は、平行定規装置本体に平行移動可能に設けられた定規と、該定規の平行移動を規制する線材と、該線材が張架され線材の移動を案内する案内部材と、を備えた平行定規装置において、前記線材には該線材の張力を調整する張力調整部材が介装されているものである。
【0008】
請求項2に記載の発明の平行定規装置は、請求項1に記載の発明において、前記張力調整部材は弾性材料から形成され、該弾性材料の弾性力によって前記線材の張力が調整されるものである。
【0009】
請求項3に記載の発明の平行定規装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記張力調整部材は前記線材に着脱可能に設けられているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を、図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、平行定規装置11は長四角板状の平行定規装置本体12と、長尺板状の定規13と、線材としての1本のワイヤ14と、案内部材としての複数のプーリ15と、張力調整部材としての金属製の引張コイルばね16とを備えている。以下において、手前及び奥とは図1における下側を手前、上側を奥という。
【0011】
平行定規装置本体12は、四角枠状の枠体17の内側に長四角板状の製図板18が設けられたものである。枠体17は、四角柱状の一対の側枠材19と、四角柱状の奥枠材20と、長四角柱状の前枠材21とから構成されている。
【0012】
側枠材19は製図板18の両側部に設けられるとともに、奥枠材20及び前枠材21はそれぞれ製図板18の奥端部及び手前端部に設けられている。側枠材19は金属材料から形成され、製図板18の両側部が補強されるようになっている。奥枠材20及び前枠材21は合成樹脂から形成され、平行定規装置11の軽量化が図られている。
【0013】
側枠材19の外側には、側面トラック状のスライダ22が一対、側枠材19の長手方向に沿ってスライド可能に設けられている。これらのスライダ22には、アーム23を介して定規13の両端部が固定され、この定規13はスライダ22の移動に伴って製図板18上を平行移動可能となっている。
【0014】
前枠材21の隅部内側には、案内部材としての一対の第1プーリ24が回転可能に軸支されている。また、奥枠材20の隅部内側には案内部材としての一対の第2プーリ25が回転可能に軸支されている。さらに、これらの第2プーリ25の内側には案内部材としての一対の第3プーリ26が回転可能に軸支されている。これらの第1プーリ24、第2プーリ25及び第3プーリ26には金属製のワイヤ14が張架され、これらのプーリ15によってワイヤ14の駆動が案内されるようになっている。
【0015】
ワイヤ14は、一方の第1プーリ24、第2プーリ25、他方の第1プーリ24及び第3プーリ26の順に側枠材19及び奥枠材20に平行して掛架されている。一対の第2プーリ25の間に張架されるワイヤ14の略中央には、引張コイルばね16が介装され、その引張応力によってワイヤ14の張力は所定の値に維持されるようになっている。この引張コイルばね16は、ワイヤ14に介装した際、ワイヤ14の張力が所定の値となるばね定数を有したものである。つまり、この引張コイルばね16のばね定数(例えば、0.5〜2N/mm)を設定することにより、ワイヤ14の張力を所定の値に維持することができ、ワイヤ14がプーリ15に案内されながら、円滑に駆動されるようになっている。
【0016】
図3(a)に示すように、ワイヤ14の端部には連結部材としての鍵穴形状の連結金具27が設けられている。これらの連結金具27の先端側には掛着孔28が貫設され、この掛着孔28に引張コイルばね16の両端部に設けられるフック部が掛着されるようになっている。また、これらの連結金具27によって引張コイルばね16はワイヤ14に着脱可能に設けられている。
【0017】
図2に示すように、第1プーリ24と第2プーリ25との間に張架されるワイヤ14の略中央、及び第1プーリ24と第3プーリ26との間に張架されるワイヤ14の略中央には、一対の連結点Pが設けられている。これらの連結点Pには、図示しないスライダ22及びアーム23を介して図2に二点鎖線で示す定規13の両端部が連結固定されている。そして、手動操作で定規13を平行移動させる際、ワイヤ14がプーリ15に案内されながら駆動されることにより、定規13の両端部の移動が同期される。このように、定規13の平行移動はワイヤ14によって規制されるようになっている。
【0018】
図4(a)及び図4(b)に示すように、前枠材21の表面側には製図用具収容部としてのトラック状のペントレイ29が凹設され、筆記具、消しゴム等の製図用具が収容できるようになっている。このペントレイ29の底部には、トラック状の排出孔30が貫設され、ペントレイ29の内部に溜まった消しゴムのかすや折れた製図芯等の不要物を排出できるようになっている。また、排出孔30はペントレイ29の両側部に一対設けられ、不要物が効率的に排出できるようになっている。
【0019】
さて、この平行定規装置11の組み立て作業において、図2に示すようにワイヤ14をプーリ15に張架させるには、ワイヤ14の端部が奥枠材20の略中央となるようにワイヤ14をプーリ15に掛架させる。次に、図3(a)に示すように掛着孔28に引張コイルばね16のフック部を掛着させる。このとき、ワイヤ14には引張コイルばね16が介装され、引張コイルばね16の引張応力によってワイヤ14には所定の張力がかけられる。従って、プーリ15を移動させることなく、ワイヤ14に張力をかけることができる。また、張力測定器等によってワイヤ14の張力を測定しなくても、引張コイルばね16の引張応力によってワイヤ14に所定の張力をかけることができる。
【0020】
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の平行定規装置11においては、ワイヤ14には引張コイルばね16が介装され、引張コイルばね16によってワイヤ14の張力が調整されるようになっている。従って、プーリ15の移動による張力調整作業を省くことができ、ワイヤ14の張力調整作業を容易に行うことができる。
【0021】
・ この実施形態の平行定規装置11においては、引張コイルばね16は弾性材料としての金属から形成されている。このように構成した場合、金属の弾性力を利用してワイヤ14の張力を調整することができる。従って、張力調整部材の構成を簡単にすることができるとともにワイヤ14の張力を容易に調整することができる。また、平行定規装置11の使用中にワイヤ14に伸びが生じた場合でも、金属の弾性力によってワイヤ14の張力を保持することができる。
【0022】
・ この実施形態の平行定規装置11においては、張力調整部材として引張コイルばね16が介装されている。また、この引張コイルばね16はワイヤ14が所定の張力となるばね定数を有したものである。このように構成した場合、引張コイルばね16の引張応力によってワイヤ14が所定の張力に調整されるため、張力測定器によってワイヤ14の張力を測定する作業を省くことができる。
【0023】
・ この実施形態の平行定規装置11においては、引張コイルばね16は、ワイヤ14に着脱可能に設けられている。このように構成した場合、平行定規装置11の使用時に、引張コイルばね16にへたりが生じたり、ワイヤ14が切れたりする等、引張コイルばね16やワイヤ14等の部品に不具合が生じた場合、部品の交換作業を容易に行うことができる。
【0024】
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、ワイヤ14には張力調整部材としての引張コイルばね16が介装されている。この他の張力調整部材として、両端部に雌ねじが刻設された円筒状の本体と、雌ねじに螺合される雄ねじが刻設されるとともにフック部が設けられたフック体とを備えたターンバックルを介装してもよい。このターンバックルのねじ送り機構によってワイヤ14の端部間の距離を調整することによって、ワイヤ14の張力調整作業を容易にすることができる。
【0025】
・ 前記実施形態では、ワイヤ14には弾性材料としての金属からなる引張コイルばね16が介装されている。この他の弾性材料として、ゴム、合成樹脂等を適用してもよい。
【0026】
・ 前記実施形態におけるワイヤ14の端部に、ワイヤ14が所定の張力に調整された状態でワイヤ14の端部同士を連結固定する固定部材を設けてもよい。
この固定部材としては、例えば図3(a)に示すように長四角枠状の一対の固定金具31と、固定金具31同士を締結するねじ32が挙げられる。この固定金具31は、図3(b)に示すようにそれらの枠内に引張コイルばね16が挿入されるとともに固定金具31の両端部にワイヤ14の端部が挟持されるようになっている。さらに、これらの固定金具31同士はねじ32によって締結されることにより、ワイヤ14の端部同士が連結固定されるようになっている。このように構成した場合、ワイヤ14を所定の張力に調整した状態で引張コイルばね16の伸縮(弾性変形)が防止される。従って、定規13を平行移動させる際、その動作力による引張コイルばね16が伸縮し、定規13の両端部の平行移動にずれが発生することを防止することができる。
【0027】
・ 前記実施形態における引張コイルばね16に、ワイヤ14が所定の張力に調整された状態で引張コイルばね16を固着する固着部材を設けてもよい。この固着部材としては、例えば図5に二点鎖線で示す固着樹脂33が挙げられる。この固着樹脂33は接着剤から形成され、この固着樹脂33によって引張コイルばね16が被覆されるようになっている。このように構成した場合、引張コイルばね16の弾性変形が抑止される。従って、定規13を平行移動させる際、その動作力による引張コイルばね16が伸縮し、定規13の両端部の平行移動にずれが発生することを防止することができる。
【0028】
・ 前記実施形態における第3プーリ26を設けずに、第1プーリ24及び第2プーリ25にワイヤ14を掛架させてもよい。また、第1プーリ24及び第2プーリ25にワイヤ14を、たすき掛け状に掛架させてもよい。
【0029】
・ 前記実施形態における連結金具27を設けずに、ワイヤ14の端部と引張コイルばね16を溶接、半田付け等によって直接連結してもよい。
・ 前記実施形態では、線材として金属製のワイヤ14が適用されているが、この他の線材として、ナイロン糸、ポリエチレン糸等の合成樹脂からなる線材を適用してもよい。
【0030】
・ 前記実施形態では、ペントレイ29には一対の排出孔30が設けられているが、ペントレイ29の一部又は全体をメッシュ状に形成することによって、その編み目を排出孔としてもよい。
【0031】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記線材の張力が調整された状態で線材の端部同士を連結固定する固定部材が設けられている請求項2又は請求項3に記載の平行定規装置。この場合、弾性材料の弾性変形によって定規の平行移動にずれが生じることを防止することができる。
【0032】
(2) 前記平行定規装置本体には、製図用具を収容するための製図用具収容部が凹設され、該製図用具収容部の内側には、不要物を排出するための排出孔が貫設されている請求項1から請求項3及び上記(1)のいずれか一項に記載の平行定規装置。
【0033】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の平行定規装置によれば、張力調整作業を容易に行うことができる。
【0034】
請求項2に記載の平行定規装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、張力調整部材の構成を簡単にすることができる。
請求項3に記載の平行定規装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、部品の交換作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における平行定規装置を示す平面図。
【図2】平行定規装置の要部を示す斜視図。
【図3】(a)はワイヤの連結部分と固定部材を示す分解斜視図、(b)は固定部材が装着された状態を示す斜視図。
【図4】(a)は排出孔を示す平面図、(b)はその断面図。
【図5】ワイヤの連結部分の別例を示す斜視図
【図6】従来の平行定規装置の要部を示す斜視図。
【符号の説明】
11…平行定規装置、12…平行定規装置本体、13…定規、14…線材としてのワイヤ、15…案内部材としてのプーリ、16…張力調整部材としての引張コイルばね、24…案内部材としての第1プーリ、25…案内部材としての第2プーリ、26…案内部材としての第3プーリ。
Claims (3)
- 平行定規装置本体に平行移動可能に設けられた定規と、該定規の平行移動を規制する線材と、該線材が張架され線材の移動を案内する案内部材と、を備えた平行定規装置において、前記線材には該線材の張力を調整する張力調整部材が介装されていることを特徴とする平行定規装置。
- 前記張力調整部材は弾性材料から形成され、該弾性材料の弾性力によって前記線材の張力が調整される請求項1に記載の平行定規装置。
- 前記張力調整部材は前記線材に着脱可能に設けられている請求項1又は請求項2に記載の平行定規装置。
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JP2003034099A JP2004243589A (ja) | 2003-02-12 | 2003-02-12 | 平行定規装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2004243589A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112319100A (zh) * | 2020-11-05 | 2021-02-05 | 嘉兴麦远文化传媒有限公司 | 一种自带辅助工具的广告设计绘制板 |
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2003
- 2003-02-12 JP JP2003034099A patent/JP2004243589A/ja active Pending
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