JP2004242761A - コーヒー用フィルターとその製造方法 - Google Patents

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Akira Okada
明 岡田
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UCC Ueshima Coffee Co Ltd
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UCC Ueshima Coffee Co Ltd
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Abstract

【課題】格別複雑な工程を必要とすることなく、コーヒー豆自体も調整することなく、酸味を低減したコーヒー飲料を手軽に調整可能なコーヒー用フィルターとその製造方法を提供すること。
【解決手段】アルカリ成分が含有されていて、コーヒー抽出液が注がれることにより、アルカリ成分の一部又は全部が溶解してコーヒーの酸味を抑制可能にするコーヒー用フィルター。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコーヒー用フィルターとその製造方法に関し、詳しくは、コーヒー抽出液が注がれるとコーヒーの酸味を抑制可能にするコーヒー用フィルターとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コーヒー飲料は、コーヒー豆の産地、種別、製造方法などにより種々の異なる味と芳香を発揮することから、個人の好みに合致する嗜好飲料として愛好されている。個人の好みは多様であり、コーヒー飲料の有する特有の香りと共に、苦み、酸味、濃厚感といった味覚については好みが異なり、なかでも酸味については不快に感じるコーヒー愛好者が多い。
【0003】
これまでにも、コーヒー飲料中の酸味を低減する試みがなされており、例えば、コーヒー生豆を糖溶液に浸漬し、更に特定条件下で煮沸処理した後、真空冷却乾燥して酸味を低減する方法(特許文献1)、非アニオン界面活性剤や五酸化リンをアルカリ剤と共に溶解させ、コーヒー炒豆をこの調整液に浸漬させる方法(特許文献2)、コーヒー抽出液中のpHを6.5〜7.0に上昇させることによりコーヒー液中のフィチン酸含有量を減らして刺激的な酸味を低減する方法(特許文献2)などが開発されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−342182号公報
【特許文献2】
米国特許第6,039,996号公報
【特許文献3】
特開平11−103778号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のように、特別の設備を要し複雑な工程を経て、大量のコーヒー豆を処理する方法は、個人別の好みに応じた味を簡単に少量だけ得ることができるものではない。つまり、コーヒー飲料が嗜好飲料であることから、ある人にとって好ましい味、香りとされているコーヒー飲料が、必ずしも他の人にとってそのまま好ましい味、香りを有するものとは受け入れられない場合が往々にしてある。個人別に味、香りを異ならせてコーヒー飲料を作成するのも、特に家庭などでは面倒であり、無駄の多いものとなる。しかも、その相違は僅かな差異であることも多く、コーヒー飲料の調整方法は個人の好みに合致した個別のものであることが望ましいが、従来技術では手軽にそのような調整をすることはできない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、格別複雑な工程を必要とすることなく、コーヒー豆自体も調整することなく、酸味を低減したコーヒー飲料を手軽に調整可能なコーヒー用フィルターとその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係るコーヒー用フィルターの特徴構成は、アルカリ成分が含有されていて、コーヒー抽出液が注がれることにより、前記アルカリ成分の一部又は全部が溶解してコーヒーの酸味を抑制可能にすることにある。
【0007】
本発明者らは、鋭意研究に努めた結果、コーヒー抽出液を製造する際に使用するフィルターをアルカリ処理することにより、コーヒー抽出液の酸味を簡単に抑制して調整でき、しかもコーヒー抽出液の有する好ましい香りや苦味、濃厚感などを阻害することがないことを見出し、本発明を完成した。
【0008】
この構成によれば、コーヒー用フィルターにコーヒー液の酸味を抑制するアルカリ成分が含まれているため、これがコーヒー抽出液と接触することにより、得られたコーヒーの酸味を抑えて、酸味を好まないコーヒー愛好家に対しても個別に好みの味を簡単に提供できる。
【0009】
その結果、格別複雑な工程を必要とすることなく、コーヒー豆自体を調整することなく、酸味を低減したコーヒー飲料を手軽に、かつ個人毎に調整可能なコーヒー用フィルターを提供できた。
【0010】
前記アルカリ成分が、重曹、水酸化カリウム又は炭酸カリウムであることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、コーヒー抽出液のpHを高めて、酸味を容易に調整でき、しかも過度にpHを上昇させることなく、コーヒー抽出液の香りや苦味、濃厚感などの風味を損なうことがないように調整することが容易となる。
【0012】
又、本発明に係るコーヒー用フィルターの製造方法の特徴構成は、コーヒー用フィルターにアルカリ成分を含ませた後、前記フィルターを乾燥処理して酸味を抑制可能にすることにある。
【0013】
この構成によれば、格別複雑な工程を必要とすることなく、コーヒー豆自体も調整することなく、酸味を低減したコーヒー飲料を手軽に調整可能なコーヒー用フィルターの製造方法を提供することができ、かつこの方法によれば製造コストの大幅な高騰をもたらすことがない。
【0014】
前記アルカリ成分として、重曹溶液の濃度を0.40〜0.60モル/Lに調整した溶液を用いることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、酸味を効果的に抑制できると共に、香り、苦味、濃厚感を損なわないコーヒー抽出液を確実に得ることができる。
【0016】
前記アルカリ成分として、水酸化カリウム溶液の濃度を0.10〜0.25モル/Lに調整した溶液を用いてもよい。
【0017】
この構成によっても、酸味を効果的に抑制できると共に、香り、苦味、濃厚感を損なわないコーヒー抽出液を確実に得ることができる。
【0018】
前記アルカリ成分として、炭酸カリウム溶液の濃度を0.05〜0.15モル/Lに調整した溶液を用いてもよい。
【0019】
この構成によっても、重曹溶液、水酸化カリウム溶液と同様に酸味を効果的に抑制できると共に、香り、苦味、濃厚感を損なわないコーヒー抽出液を確実に得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、詳細に説明する。まず、コーヒー用フィルターの1種であるペーパーフィルターを所定濃度のアルカリ溶液に浸漬する。ペーパーフィルターの浸漬方法は、長尺のフィルターシートをアルカリ溶液中に所定時間連続的に浸漬しながら処理することが効率的であるが、必ずしもこの方法を採用する必要はなく、個別に浸漬するようにしてもよい。
【0021】
その後、このペーパーフィルターを乾燥炉内を連続的に通過させて乾燥処理するが、乾燥方法もこれに限定されるものではなく、バッチ炉で乾燥させてもよい。乾燥後は、個々の単一ペーパーフィルターに裁断することになる。
【0022】
更に、本実施形態を実験例に基づいて詳細に説明する。
【0023】
【実施例】
(実施例1)
市販されている2〜4人用レギュラーコーヒー抽出用のペーパーフィルターを、0.20(モル/L),0.30(モル/L),0.40(モル/L),0.50(モル/L),0.60(モル/L),0.70(モル/L)の濃度に調整した重曹溶液へ5分間浸漬する。浸漬した後、乾燥機を用いて50℃で60分乾燥し、アルカリ処理したペーパーフィルターを得た。
【0024】
用いたコーヒー炒豆の構成は、ブラジル40%、ホンジョラス20%、インドネシア40%であり、焙煎度は中炒(L値:23.8)で、コーヒー豆粉砕粒度は中挽(ミディアムグラインド)であった。又、抽出条件は、コーヒー粉30gに対して、90℃の熱水420mLにて抽出した(加水比14倍)。
【0025】
上記アルカリ処理したフィルターを用いて作成したコーヒー抽出液に対して、6人の専門パネラーにより官能評価を行うと共に、pHを測定した。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 2004242761
表1に示すように、重曹濃度が0.40(モル/L)以上、0.60(モル/L)以下において、又pH値では5.58〜5.86の範囲において、酸味を抑制する効果が認められると共に、このように調整しても香り、苦味、濃厚感をなんら損なわないことがわかる。
【0027】
(実施例2)
市販されている2〜4人用レギュラーコーヒー抽出用のペーパーフィルターを、0.10(モル/L),0.25(モル/L),0.50(モル/L),0.75(モル/L)の濃度に調整した水酸化カリウム溶液へ5分間浸漬する。浸漬した後、乾燥機を用いて50℃で60分乾燥し、アルカリ処理したペーパーフィルターを得た。
【0028】
用いたコーヒー炒豆の条件、評価などは、上記実施例1と同様とした。評価結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
Figure 2004242761
表2に示すように、水酸化カリウム濃度が0.10(モル/L)以上、0.25(モル/L)以下において、又pH値では5.25〜5.84の範囲において、酸味を抑制する効果が認められると共に、このように調整しても香り、苦味、濃厚感をなんら損なわないことがわかる。
【0030】
(実施例3)
市販されている2〜4人用レギュラーコーヒー抽出用のペーパーフィルターを、0.05(モル/L),0.10(モル/L),0.15(モル/L),0.20(モル/L)の濃度に調整した炭酸カリウム溶液へ5分間浸漬する。浸漬した後、乾燥機を用いて50℃で60分乾燥し、アルカリ処理したペーパーフィルターを得た。
【0031】
用いたコーヒー炒豆の条件、評価などは、上記実施例1、2と同様とした。評価結果を表3に示すが、表3に示すように、炭酸カリウム濃度が0.05(モル/L)以上、0.15(モル/L)以下において、又pH値では5.35〜5.67の範囲において、酸味を抑制する効果が認められると共に、このように調整しても香り、苦味、濃厚感をなんら損なわないことがわかる。
【0032】
【表3】
Figure 2004242761
〔別実施の形態〕
(1)コーヒー用フィルターにアルカリ成分を含ませる方法として、上記実施形態ではアルカリ溶液に浸漬する方法を用いたが、これ以外にもフィルター表面にアルカリ溶液を噴霧するようにしてもよく、特に方法に限定されるものではない。
【0033】
(2)アルカリ成分として、上記した重曹、水酸化カリウム、炭酸カリウム以外に水酸化ナトリウム等、食品衛生上問題の生じないアルカリ剤を適正濃度で使用してもよい。
【0034】
(3)上記実施形態では、コーヒー用フィルターとしてペーパーフィルターを用いた例を示したが、布製フィルターなどであってもよい。要は、アルカリ剤を含ませるフィルターであればよい。

Claims (6)

  1. アルカリ成分が含有されていて、コーヒー抽出液が注がれることにより、前記アルカリ成分の一部又は全部が溶解してコーヒーの酸味を抑制可能にするコーヒー用フィルター。
  2. 前記アルカリ成分が、重曹、水酸化カリウム又は炭酸カリウムである請求項1のコーヒー用フィルター。
  3. コーヒー用フィルターにアルカリ成分を含ませた後、前記フィルターを乾燥処理して酸味を抑制可能にするコーヒー用フィルターの製造方法。
  4. 前記アルカリ成分として、重曹溶液の濃度を0.40〜0.60モル/Lに調整した溶液を用いる請求項3のコーヒー用フィルターの製造方法。
  5. 前記アルカリ成分として、水酸化カリウム溶液の濃度を0.10〜0.25モル/Lに調整した溶液を用いる請求項3のコーヒー用フィルターの製造方法。
  6. 前記アルカリ成分として、炭酸カリウム溶液の濃度を0.05〜0.15モル/Lに調整した溶液を用いる請求項3のコーヒー用フィルターの製造方法。
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