JP2004242444A - ステータコア及びブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のティースを有するインナコアとアウタコアとを嵌合連結する構成のステータコアを磁性粉体の成形にて構成するものであって、インナコアとアウタコアとの嵌合部分における割れの発生を抑えることができるステータコアを提供する。
【解決手段】ステータコア6は、ともに磁性粉体を成形してなるインナコア8とアウタコア9とを嵌合(圧入)させて連結する構成としている。そのインナコア8の各ティース10の径方向外側端部には、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる連結凸部10aが形成され、アウタコア9の内側部には、その連結凸部10aと嵌合すべく軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凹となる連結凹部9aが形成される。
【選択図】 図2
【解決手段】ステータコア6は、ともに磁性粉体を成形してなるインナコア8とアウタコア9とを嵌合(圧入)させて連結する構成としている。そのインナコア8の各ティース10の径方向外側端部には、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる連結凸部10aが形成され、アウタコア9の内側部には、その連結凸部10aと嵌合すべく軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凹となる連結凹部9aが形成される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステータコア及びそのステータコアを用いたブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータのステータコアには、例えば、特許文献1にて開示されているような構成としたものがある。ステータコア(文献では、ステータ)は、金属板をプレス打ち抜き加工してなるコアシートを積層してなる。このコアシートは、円環状の外側コアシート部と、複数のティース(鉄芯部)及び各ティースの径方向内側端部が円環状に連結されて一体をなす内側コアシート部とを有している。そして、ステータコアは、内側及び外側コアシート部を複数枚積層してそれぞれインナコア及びアウタコアを構成し、そのインナコアの各ティースに巻線を巻装した後にインナコアをアウタコアに対して軸方向に挿入し、各ティースの径方向外側端部とアウタコアとを嵌合(圧入)して連結する構成としている。
【0003】
このようにステータコアをインナコア及びアウタコアのように分割する構成とすれば、各ティース間のスロット部が径方向外側に拡開するので、各ティースへの巻線の巻装が容易となるといった利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−19089号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、金属板を打ち抜いてコアシートを形成する場合、金属板には多くの余り部分ができ、その分を廃棄していたので、歩留まりが悪かった。又、リサイクル時にはこのステータコアを用いたモータに対して外部から大きな力が加えられて破壊されるが、ステータコアはその外部からの力で変形することが多く、ステータコアと巻線との分別がし難いという問題もあった。
【0006】
そこで、本出願人は、ステータコアを磁性粉体で成形することを提案している。このようにすれば、ステータコアの成形時には廃棄する材料(磁性粉体)が発生しないため、歩留まりが良い。しかも、磁性粉体を成形してなるステータコアは、上記したコアシートを積層してなるステータコアと比べて機械的強度が弱くなるので、リサイクル時に外部からの力で容易にステータコア自身を破壊することができ、ステータコアと巻線との分別がし易い。
【0007】
しかしながら、上記したように、巻線の巻装が容易となるということから磁性粉体を成形してなるステータコアについてもインナコア及びアウタコアのように分割する構成とすれば、各ティースの径方向外側端部とアウタコアとを圧入する際、その圧入部分に割れが生じる虞がある。即ち、特許文献1にて示される従来までの形状を継承し、各ティースの径方向外側端部に対して外側に向かうほど幅が広くなる三角形状のタブテール部を形成するとともに、アウタコアの内周部にそのタブテール部が嵌合(圧入)される三角形状の凹部を形成すると、特に鋭角をなす角部が部分的に剛性が低くなる。そのため、その角部において割れが生じ易い。従って、各ティースの径方向外側端部とアウタコアとを嵌合(圧入)する部分において、割れを生じ難く工夫することが要求されている。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、複数のティースを有するインナコアとアウタコアとを嵌合連結する構成のステータコアを磁性粉体の成形にて構成するものであって、インナコアとアウタコアとの嵌合部分における割れの発生を抑えることができるステータコア及びそのステータコアを用いたブラシレスモータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、環状をなし、磁性粉体にて成形されるアウタコアと、放射状に延びる複数のティースを有し、該ティースの径方向内側端部を連結した環状をなし、磁性粉体にて成形されるインナコアと、を備え、前記インナコアを前記アウタコアに対して軸方向に挿入し、該インナコアの各ティースの径方向外側端部と該アウタコアの内側部とを嵌合連結する構成としたステータコアであって、前記インナコアの各ティースの径方向外側端部には、軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凸となる連結凸部が形成され、前記アウタコアの内側部には、前記連結凸部と嵌合すべく軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凹となる連結凹部が形成されていることをその要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のステータコアにおいて、前記連結凸部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状なしており、前記連結凹部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凹となる形状をなしていることをその要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のステータコアにおいて、前記連結凸部は、その先端部における前記インナコアを前記アウタコアに挿入する挿入方向の両端部分が曲面形状をなしていることをその要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のステータコアにおいて、前記各ティースは、径方向と直交する方向の断面形状が、角部が曲面をなす略四角形状又は小判形状若しくは楕円形状をなしていることをその要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータコアの各ティースに巻線が巻装され、該巻線に駆動電流を供給することにより回転磁界を生じさせ、該回転磁界により前記インナコアの内側に配置したロータを回転させるように構成されたことをその要旨とする。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、インナコアの各ティースの径方向外側端部には、軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凸となる連結凸部が形成され、アウタコアの内側部には、その連結凸部と嵌合すべく軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凹となる連結凹部が形成される。つまり、連結凸部及び連結凹部を曲面状に凸,凹となる形状としたことで、連結凸部及び連結凹部が部分的に剛性が低くなることが防止され、連結凸部及び連結凹部が全体的に剛性が均一化される。そのため、嵌合(圧入)時に連結凸部及び連結凹部に力が作用しても連結凸部及び連結凹部が全体的に剛性が均一化されることから、連結凸部及び連結凹部において割れが生じ難い。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、連結凸部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状なし、連結凹部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凹となる形状をなす。つまり、連結凸部及び連結凹部が簡単な形状となるので、連結凸部及び連結凹部の形成が容易となる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、連結凸部は、その先端部におけるインナコアをアウタコアに挿入する挿入方向の両端部分が曲面形状をなす。そのため、インナコアをアウタコアに挿入する際、連結凸部の先端部における挿入方向の両端部分から連結凹部内に挿入されるので、その部分を曲面とすることで連結凹部内に連結凸部が入り易くなる。つまり、連結凸部と連結凹部との嵌合(圧入)が容易となる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、各ティースは、径方向と直交する方向の断面形状が、角部が曲面をなす略四角形状又は小判形状若しくは楕円形状をなす。つまり、各ティースには巻線が巻装されるものであり、該ティースの断面形状をそれらの内のいずれかの形状に形成すれば、巻線が曲面部分と接触することになる。そのため、巻線をティースに巻装する際、巻線がティースの曲面部分と接触するため、巻線がティースに接触することで生じる傷の発生が防止される。又、これにより巻線をティースに巻装し易くなるため、巻線の占積率の向上に貢献できる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータコアを備えたブラシレスモータにおいて、そのステータコアを構成するインナコアとアウタコアとの嵌合部分の割れの発生が抑えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、流体ポンプ装置は、第1及び第2ケース1,2と、ブラシレスモータ3とを備える。
【0020】
第1ケース1は、円盤部1aと、円盤部1aの外縁から立設した第1筒部1bとからなる。第2ケース2は、その基端部が第1筒部1bと連続するように固定される第2筒部2aと、第2筒部2aの先端部から径方向内側に延びる内延部2bと、内延部2bの内縁から第2筒部2aと同軸方向に延びる小径筒部2cとからなる。この小径筒部2cにおいて、軸方向の中間部には該小径筒部2c内を仕切るように内部円盤部2dが形成され、その内部円盤部2dには、外部と軸方向に連通する吸入口2eが形成されている。又、小径筒部2cにおいて、軸方向の基端側(図1中、右側)には、外部と径方向に連通する吐出口2fが形成されている。吸入口2e及び吐出口2fは後述するキャン13の内側空間と連通し、吸入口2eから吸い込んだ流体を吐出口2fに導く流路を形成している。
【0021】
ブラシレスモータ3は、ステータ4とロータ5とを備える。ステータ4は、ステータコア6と巻線7とを備える。このステータコア6は、図2に示すように、インナコア8とアウタコア9とからなる。
【0022】
インナコア8は、放射状に延び巻線7が巻装される複数個(本実施形態では、18個)のティース10と、該ティース10の径方向内側端部を連結する円筒部11と、該円筒部11の軸方向の一端を封鎖する底部12とが一体形成されてなる。ティース10は、図3(a)〜(c)に示すように、径方向と直交する方向の断面形状が長方形状をなしており、該ティース10の径方向外側端部には、アウタコア9と連結するための連結凸部10aが形成されている。連結凸部10aは、軸方向から見て、径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状をなしている。つまり、連結凸部10aは、部分的に剛性が低くなることを防止し、全体的に剛性が均一化されるように構成されている。底部12の底面には円筒状の支持筒部12aが立設されている。そして、本実施形態では、円筒部11及び底部12とによりキャン(仕切り板)13が構成され、該キャン13により巻線7が巻装されるティース10側と流体を扱うロータ5側とが仕切られている。
【0023】
このインナコア8は、磁性粉体が用いられて成形される。詳しくは、インナコア8は、磁性粉体及び磁性粉体を結合させるための樹脂材料よりなる結合材にて一体成形(圧縮成形)されている。因みに、底部12における結合材の比率は、その他の箇所(ティース10、円筒部11)における結合材の比率より多くされて成形されている。つまり、結合材(樹脂材料)の比率を多くすると磁気抵抗が高くなることから、底部12は磁気抵抗が高く構成され、該底部12に磁束が漏れることが低減されている。
【0024】
アウタコア9は、円環状に形成されており、その内周側には、前記連結凸部10aと連結するための連結凹部9aが形成されている。連結凹部9aは、軸方向から見て、径方向外側に向けて円弧状に凹となる形状をなしている。つまり、前記連結凸部10aと同様に、連結凹部9aは、部分的に剛性が低くなることを防止し、全体的に剛性が均一化されるように構成されている。アウタコア9は、インナコア8と同様に、磁性粉体が用いられて成形される。そして、後述するが巻線7を巻装した状態のインナコア8をアウタコア9に対して軸方向に挿入し、連結凹部9aと連結凸部10aとを嵌合(圧入)させることで、両コア8,9が互いに連結される。このとき、連結凹部9a及び連結凸部10aは径方向外側に向けて円弧状に凹又は凸形状に形成され全体的に剛性が均一化されるように構成されているので、その嵌合(圧入)時に作用する力で割れが生じることが防止される。
【0025】
巻線7は、インナコア8とアウタコア9とを連結する前にティース10に巻装される。この巻線7には、図示しない制御回路から互いに所定の位相差を有するU相、V相、W相の3相の駆動電流が供給される。
【0026】
このようなステータ4は、第1及び第2ケース1,2内部に収容保持される。このとき、ステータ4は、その円筒部11の他端部(底部12が形成されない側端部)が第2ケース2における内延部2bの内縁に液密に固定される。
【0027】
これに対し、ロータ5は、略円筒形状の本体部21の外周面に複数個(本実施形態では、16個)のマグネット22が固定されてなる。マグネット22は、前記ティース10の径方向内側端部と円筒部11を介して対向するように固定されている。又、ロータ5の軸方向一端側には、流体を吸入口2eから吸い込んで吐出口2fから吐出させるためのファン23が固定されている。このようなロータ5は、前記キャン13により巻線7が巻装されるティース10側と仕切られており、前記第2ケース2の内部円盤部2dと底部12の支持筒部12aとに支持された固定シャフト24に回転可能に支持される。
【0028】
このように構成された流体ポンプ装置では、図示しない制御回路から巻線7に3相(U相、V相、W相)の駆動電流が供給されることで回転磁界が発生し、該回転磁界に応じてロータ5が回転駆動される。すると、ロータ5とともにファン23が回転し、吸入口2eから流体が吸入されるとともに該流体が吐出口2fから吐出するように動作するようになっている(図1中、矢印参照)。
【0029】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)ステータコア6は、ともに磁性粉体を成形してなるインナコア8とアウタコア9とを嵌合(圧入)させて連結する構成としている。そのインナコア8の各ティース10の径方向外側端部には、軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状(円弧状)に凸となる連結凸部10aが形成され、アウタコア9の内側部には、その連結凸部10aと嵌合すべく軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状(円弧状)に凹となる連結凹部9aが形成されている。つまり、連結凸部10a及び連結凹部9aを曲面状に凸,凹となる形状としたことで、連結凸部10a及び連結凹部9aが部分的に剛性が低くなることが防止され、連結凸部10a及び連結凹部9aが全体的に剛性が均一化される。そのため、嵌合(圧入)時に連結凸部10a及び連結凹部9aに力が作用しても連結凸部10a及び連結凹部9aが全体的に剛性が均一化されることから、連結凸部10a及び連結凹部9aにおいて割れが生じ難くなる。従って、連結凸部10a及び連結凹部9aにおける割れの発生を抑えることができる。
【0030】
(2)連結凸部10aは、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状なし、連結凹部9aは、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凹となる形状をなしている。つまり、連結凸部10a及び連結凹部9aが簡単な形状となるので、連結凸部10a及び連結凹部9aの形成を容易とすることができる。
【0031】
(3)インナコア8には、各ティース10の径方向内側端部を連結する円筒部11及び該円筒部11の一端を封鎖する底部12にて構成されるキャン13が一体に構成されている。そのため、キャン13をインナコア8とは別体とする場合と比べて、インナコア8とキャン13とを一体形成した本実施形態では部品点数を少なくすることができ、それらを組み付ける分の工数を少なくすることができる。
【0032】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、ティース10を図3に示すような形状としたが、ティース10の形状はこれに限定されるものでなく、適宜変更してもよい。
【0033】
例えば、ティース10の径方向外側端部の連結凸部10aを、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状としたが、円弧以外の曲面状としてもよい。この場合、その連結凸部10aの形状変更に伴って、アウタコア9の連結凹部9aも形状を変更して対応する。
【0034】
又、ティース10を図4に示すような形状に変更してもよい。図4(a)〜(c)に示すティース10は、軸方向の両端部10bを同方向外側に向けて曲面状(円弧状)に凸となる形状としている。即ち、この形態のティース10は、径方向と直交する方向の断面形状が小判形状をなしている。このようにすれば、巻線7が曲面部分と接触することになる。そのため、巻線7をティース10に巻装する際、巻線7がティース10の曲面部分と接触するため、巻線7がティース10に接触することで生じる傷の発生を防止することができる。又、これにより巻線7をティース10に巻装し易くなるため、巻線7の占積率の向上に貢献することができる。尚、ティースの径方向と直交する方向の断面形状が、角部が曲面をなす略四角形状若しくは楕円形状としても同様の効果がある。
【0035】
又、図5に示すように、ティース10の形状を変更してもよい。図5(a)〜(c)に示すティース10は、その先端部におけるインナコア8をアウタコア9に挿入する挿入方向の両端部分10cを曲面形状としている。そのため、インナコア8をアウタコア9に挿入する際、連結凸部10aの先端部における挿入方向の両端部分10cから連結凹部9a内に挿入されるので、その部分10cを曲面とすることで連結凹部9a内に連結凸部10aが入り易くなる。つまり、連結凸部10aと連結凹部9aとの嵌合(圧入)を容易とすることができる。
【0036】
○上記実施形態では、インナコア8とキャン13とを一体に形成したが、それらを別体とし、組み付ける構成としてもよい。
○上記実施形態では、ステータコア6を図1のような流体ポンプ装置のブラシレスモータ3に用いたが、ブラシレスモータ3の構成はこれに限定されるものではない。又、これ以外の装置に用いるブラシレスモータに用いてもよい。又、ブラシレスモータ3以外の構成のモータに用いてもよい。
【0037】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ) 請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータコアにおいて、
前記インナコアには、前記各ティースの径方向内側端部を連結する円筒部及び該円筒部の一端を封鎖する底部にて構成されるキャンが一体に構成されていることを特徴とするステータコア。
【0038】
このようにすれば、キャンをインナコアとは別体とする場合と比べて、インナコアとキャンとを一体形成すれば部品点数を少なくすることができ、それらを組み付ける分の工数を少なくすることができる。
【0039】
(ロ) 上記(イ)に記載のステータコアと、該ステータコアのティースに巻装される巻線と、該巻線が巻装される前記ティース側と仕切られるように前記キャンの内側に回転可能に配設されるロータとを備えたブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータのキャンの内側空間と連通する吸入口及び吐出口が形成されるケースと、
前記ブラシレスモータのロータと一体回転し、前記吸入口から流体を吸い込んで前記吐出口から吐出させるファンと、
を備えたことを特徴とする流体ポンプ装置。
【0040】
このようにすれば、流体ポンプ装置におけるブラシレスモータのステータコアにおいて、そのステータコアを構成するインナコアとアウタコアとの嵌合部分の割れの発生を抑えることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、複数のティースを有するインナコアとアウタコアとを嵌合連結する構成のステータコアを磁性粉体の成形にて構成するものであって、インナコアとアウタコアとの嵌合部分における割れの発生を抑えることができるステータコア及びそのステータコアを用いたブラシレスモータを提供することがことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の流体ポンプ装置の断面図。
【図2】ステータコアの分解斜視図。
【図3】(a)はティースの斜視図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)はティースの側面図。
【図4】(a)は別例におけるティースの斜視図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)はティースの側面図。
【図5】(a)は別例におけるティースの斜視図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)はティースの側面図。
【符号の説明】
5…ロータ、6…ステータコア、7…巻線、8…インナコア、9…アウタコア、9a…連結凹部、10…ティース、10a…連結凸部、10c…端部分。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステータコア及びそのステータコアを用いたブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータのステータコアには、例えば、特許文献1にて開示されているような構成としたものがある。ステータコア(文献では、ステータ)は、金属板をプレス打ち抜き加工してなるコアシートを積層してなる。このコアシートは、円環状の外側コアシート部と、複数のティース(鉄芯部)及び各ティースの径方向内側端部が円環状に連結されて一体をなす内側コアシート部とを有している。そして、ステータコアは、内側及び外側コアシート部を複数枚積層してそれぞれインナコア及びアウタコアを構成し、そのインナコアの各ティースに巻線を巻装した後にインナコアをアウタコアに対して軸方向に挿入し、各ティースの径方向外側端部とアウタコアとを嵌合(圧入)して連結する構成としている。
【0003】
このようにステータコアをインナコア及びアウタコアのように分割する構成とすれば、各ティース間のスロット部が径方向外側に拡開するので、各ティースへの巻線の巻装が容易となるといった利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−19089号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、金属板を打ち抜いてコアシートを形成する場合、金属板には多くの余り部分ができ、その分を廃棄していたので、歩留まりが悪かった。又、リサイクル時にはこのステータコアを用いたモータに対して外部から大きな力が加えられて破壊されるが、ステータコアはその外部からの力で変形することが多く、ステータコアと巻線との分別がし難いという問題もあった。
【0006】
そこで、本出願人は、ステータコアを磁性粉体で成形することを提案している。このようにすれば、ステータコアの成形時には廃棄する材料(磁性粉体)が発生しないため、歩留まりが良い。しかも、磁性粉体を成形してなるステータコアは、上記したコアシートを積層してなるステータコアと比べて機械的強度が弱くなるので、リサイクル時に外部からの力で容易にステータコア自身を破壊することができ、ステータコアと巻線との分別がし易い。
【0007】
しかしながら、上記したように、巻線の巻装が容易となるということから磁性粉体を成形してなるステータコアについてもインナコア及びアウタコアのように分割する構成とすれば、各ティースの径方向外側端部とアウタコアとを圧入する際、その圧入部分に割れが生じる虞がある。即ち、特許文献1にて示される従来までの形状を継承し、各ティースの径方向外側端部に対して外側に向かうほど幅が広くなる三角形状のタブテール部を形成するとともに、アウタコアの内周部にそのタブテール部が嵌合(圧入)される三角形状の凹部を形成すると、特に鋭角をなす角部が部分的に剛性が低くなる。そのため、その角部において割れが生じ易い。従って、各ティースの径方向外側端部とアウタコアとを嵌合(圧入)する部分において、割れを生じ難く工夫することが要求されている。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、複数のティースを有するインナコアとアウタコアとを嵌合連結する構成のステータコアを磁性粉体の成形にて構成するものであって、インナコアとアウタコアとの嵌合部分における割れの発生を抑えることができるステータコア及びそのステータコアを用いたブラシレスモータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、環状をなし、磁性粉体にて成形されるアウタコアと、放射状に延びる複数のティースを有し、該ティースの径方向内側端部を連結した環状をなし、磁性粉体にて成形されるインナコアと、を備え、前記インナコアを前記アウタコアに対して軸方向に挿入し、該インナコアの各ティースの径方向外側端部と該アウタコアの内側部とを嵌合連結する構成としたステータコアであって、前記インナコアの各ティースの径方向外側端部には、軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凸となる連結凸部が形成され、前記アウタコアの内側部には、前記連結凸部と嵌合すべく軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凹となる連結凹部が形成されていることをその要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のステータコアにおいて、前記連結凸部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状なしており、前記連結凹部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凹となる形状をなしていることをその要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のステータコアにおいて、前記連結凸部は、その先端部における前記インナコアを前記アウタコアに挿入する挿入方向の両端部分が曲面形状をなしていることをその要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のステータコアにおいて、前記各ティースは、径方向と直交する方向の断面形状が、角部が曲面をなす略四角形状又は小判形状若しくは楕円形状をなしていることをその要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータコアの各ティースに巻線が巻装され、該巻線に駆動電流を供給することにより回転磁界を生じさせ、該回転磁界により前記インナコアの内側に配置したロータを回転させるように構成されたことをその要旨とする。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、インナコアの各ティースの径方向外側端部には、軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凸となる連結凸部が形成され、アウタコアの内側部には、その連結凸部と嵌合すべく軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凹となる連結凹部が形成される。つまり、連結凸部及び連結凹部を曲面状に凸,凹となる形状としたことで、連結凸部及び連結凹部が部分的に剛性が低くなることが防止され、連結凸部及び連結凹部が全体的に剛性が均一化される。そのため、嵌合(圧入)時に連結凸部及び連結凹部に力が作用しても連結凸部及び連結凹部が全体的に剛性が均一化されることから、連結凸部及び連結凹部において割れが生じ難い。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、連結凸部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状なし、連結凹部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凹となる形状をなす。つまり、連結凸部及び連結凹部が簡単な形状となるので、連結凸部及び連結凹部の形成が容易となる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、連結凸部は、その先端部におけるインナコアをアウタコアに挿入する挿入方向の両端部分が曲面形状をなす。そのため、インナコアをアウタコアに挿入する際、連結凸部の先端部における挿入方向の両端部分から連結凹部内に挿入されるので、その部分を曲面とすることで連結凹部内に連結凸部が入り易くなる。つまり、連結凸部と連結凹部との嵌合(圧入)が容易となる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、各ティースは、径方向と直交する方向の断面形状が、角部が曲面をなす略四角形状又は小判形状若しくは楕円形状をなす。つまり、各ティースには巻線が巻装されるものであり、該ティースの断面形状をそれらの内のいずれかの形状に形成すれば、巻線が曲面部分と接触することになる。そのため、巻線をティースに巻装する際、巻線がティースの曲面部分と接触するため、巻線がティースに接触することで生じる傷の発生が防止される。又、これにより巻線をティースに巻装し易くなるため、巻線の占積率の向上に貢献できる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータコアを備えたブラシレスモータにおいて、そのステータコアを構成するインナコアとアウタコアとの嵌合部分の割れの発生が抑えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、流体ポンプ装置は、第1及び第2ケース1,2と、ブラシレスモータ3とを備える。
【0020】
第1ケース1は、円盤部1aと、円盤部1aの外縁から立設した第1筒部1bとからなる。第2ケース2は、その基端部が第1筒部1bと連続するように固定される第2筒部2aと、第2筒部2aの先端部から径方向内側に延びる内延部2bと、内延部2bの内縁から第2筒部2aと同軸方向に延びる小径筒部2cとからなる。この小径筒部2cにおいて、軸方向の中間部には該小径筒部2c内を仕切るように内部円盤部2dが形成され、その内部円盤部2dには、外部と軸方向に連通する吸入口2eが形成されている。又、小径筒部2cにおいて、軸方向の基端側(図1中、右側)には、外部と径方向に連通する吐出口2fが形成されている。吸入口2e及び吐出口2fは後述するキャン13の内側空間と連通し、吸入口2eから吸い込んだ流体を吐出口2fに導く流路を形成している。
【0021】
ブラシレスモータ3は、ステータ4とロータ5とを備える。ステータ4は、ステータコア6と巻線7とを備える。このステータコア6は、図2に示すように、インナコア8とアウタコア9とからなる。
【0022】
インナコア8は、放射状に延び巻線7が巻装される複数個(本実施形態では、18個)のティース10と、該ティース10の径方向内側端部を連結する円筒部11と、該円筒部11の軸方向の一端を封鎖する底部12とが一体形成されてなる。ティース10は、図3(a)〜(c)に示すように、径方向と直交する方向の断面形状が長方形状をなしており、該ティース10の径方向外側端部には、アウタコア9と連結するための連結凸部10aが形成されている。連結凸部10aは、軸方向から見て、径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状をなしている。つまり、連結凸部10aは、部分的に剛性が低くなることを防止し、全体的に剛性が均一化されるように構成されている。底部12の底面には円筒状の支持筒部12aが立設されている。そして、本実施形態では、円筒部11及び底部12とによりキャン(仕切り板)13が構成され、該キャン13により巻線7が巻装されるティース10側と流体を扱うロータ5側とが仕切られている。
【0023】
このインナコア8は、磁性粉体が用いられて成形される。詳しくは、インナコア8は、磁性粉体及び磁性粉体を結合させるための樹脂材料よりなる結合材にて一体成形(圧縮成形)されている。因みに、底部12における結合材の比率は、その他の箇所(ティース10、円筒部11)における結合材の比率より多くされて成形されている。つまり、結合材(樹脂材料)の比率を多くすると磁気抵抗が高くなることから、底部12は磁気抵抗が高く構成され、該底部12に磁束が漏れることが低減されている。
【0024】
アウタコア9は、円環状に形成されており、その内周側には、前記連結凸部10aと連結するための連結凹部9aが形成されている。連結凹部9aは、軸方向から見て、径方向外側に向けて円弧状に凹となる形状をなしている。つまり、前記連結凸部10aと同様に、連結凹部9aは、部分的に剛性が低くなることを防止し、全体的に剛性が均一化されるように構成されている。アウタコア9は、インナコア8と同様に、磁性粉体が用いられて成形される。そして、後述するが巻線7を巻装した状態のインナコア8をアウタコア9に対して軸方向に挿入し、連結凹部9aと連結凸部10aとを嵌合(圧入)させることで、両コア8,9が互いに連結される。このとき、連結凹部9a及び連結凸部10aは径方向外側に向けて円弧状に凹又は凸形状に形成され全体的に剛性が均一化されるように構成されているので、その嵌合(圧入)時に作用する力で割れが生じることが防止される。
【0025】
巻線7は、インナコア8とアウタコア9とを連結する前にティース10に巻装される。この巻線7には、図示しない制御回路から互いに所定の位相差を有するU相、V相、W相の3相の駆動電流が供給される。
【0026】
このようなステータ4は、第1及び第2ケース1,2内部に収容保持される。このとき、ステータ4は、その円筒部11の他端部(底部12が形成されない側端部)が第2ケース2における内延部2bの内縁に液密に固定される。
【0027】
これに対し、ロータ5は、略円筒形状の本体部21の外周面に複数個(本実施形態では、16個)のマグネット22が固定されてなる。マグネット22は、前記ティース10の径方向内側端部と円筒部11を介して対向するように固定されている。又、ロータ5の軸方向一端側には、流体を吸入口2eから吸い込んで吐出口2fから吐出させるためのファン23が固定されている。このようなロータ5は、前記キャン13により巻線7が巻装されるティース10側と仕切られており、前記第2ケース2の内部円盤部2dと底部12の支持筒部12aとに支持された固定シャフト24に回転可能に支持される。
【0028】
このように構成された流体ポンプ装置では、図示しない制御回路から巻線7に3相(U相、V相、W相)の駆動電流が供給されることで回転磁界が発生し、該回転磁界に応じてロータ5が回転駆動される。すると、ロータ5とともにファン23が回転し、吸入口2eから流体が吸入されるとともに該流体が吐出口2fから吐出するように動作するようになっている(図1中、矢印参照)。
【0029】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)ステータコア6は、ともに磁性粉体を成形してなるインナコア8とアウタコア9とを嵌合(圧入)させて連結する構成としている。そのインナコア8の各ティース10の径方向外側端部には、軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状(円弧状)に凸となる連結凸部10aが形成され、アウタコア9の内側部には、その連結凸部10aと嵌合すべく軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状(円弧状)に凹となる連結凹部9aが形成されている。つまり、連結凸部10a及び連結凹部9aを曲面状に凸,凹となる形状としたことで、連結凸部10a及び連結凹部9aが部分的に剛性が低くなることが防止され、連結凸部10a及び連結凹部9aが全体的に剛性が均一化される。そのため、嵌合(圧入)時に連結凸部10a及び連結凹部9aに力が作用しても連結凸部10a及び連結凹部9aが全体的に剛性が均一化されることから、連結凸部10a及び連結凹部9aにおいて割れが生じ難くなる。従って、連結凸部10a及び連結凹部9aにおける割れの発生を抑えることができる。
【0030】
(2)連結凸部10aは、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状なし、連結凹部9aは、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凹となる形状をなしている。つまり、連結凸部10a及び連結凹部9aが簡単な形状となるので、連結凸部10a及び連結凹部9aの形成を容易とすることができる。
【0031】
(3)インナコア8には、各ティース10の径方向内側端部を連結する円筒部11及び該円筒部11の一端を封鎖する底部12にて構成されるキャン13が一体に構成されている。そのため、キャン13をインナコア8とは別体とする場合と比べて、インナコア8とキャン13とを一体形成した本実施形態では部品点数を少なくすることができ、それらを組み付ける分の工数を少なくすることができる。
【0032】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、ティース10を図3に示すような形状としたが、ティース10の形状はこれに限定されるものでなく、適宜変更してもよい。
【0033】
例えば、ティース10の径方向外側端部の連結凸部10aを、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状としたが、円弧以外の曲面状としてもよい。この場合、その連結凸部10aの形状変更に伴って、アウタコア9の連結凹部9aも形状を変更して対応する。
【0034】
又、ティース10を図4に示すような形状に変更してもよい。図4(a)〜(c)に示すティース10は、軸方向の両端部10bを同方向外側に向けて曲面状(円弧状)に凸となる形状としている。即ち、この形態のティース10は、径方向と直交する方向の断面形状が小判形状をなしている。このようにすれば、巻線7が曲面部分と接触することになる。そのため、巻線7をティース10に巻装する際、巻線7がティース10の曲面部分と接触するため、巻線7がティース10に接触することで生じる傷の発生を防止することができる。又、これにより巻線7をティース10に巻装し易くなるため、巻線7の占積率の向上に貢献することができる。尚、ティースの径方向と直交する方向の断面形状が、角部が曲面をなす略四角形状若しくは楕円形状としても同様の効果がある。
【0035】
又、図5に示すように、ティース10の形状を変更してもよい。図5(a)〜(c)に示すティース10は、その先端部におけるインナコア8をアウタコア9に挿入する挿入方向の両端部分10cを曲面形状としている。そのため、インナコア8をアウタコア9に挿入する際、連結凸部10aの先端部における挿入方向の両端部分10cから連結凹部9a内に挿入されるので、その部分10cを曲面とすることで連結凹部9a内に連結凸部10aが入り易くなる。つまり、連結凸部10aと連結凹部9aとの嵌合(圧入)を容易とすることができる。
【0036】
○上記実施形態では、インナコア8とキャン13とを一体に形成したが、それらを別体とし、組み付ける構成としてもよい。
○上記実施形態では、ステータコア6を図1のような流体ポンプ装置のブラシレスモータ3に用いたが、ブラシレスモータ3の構成はこれに限定されるものではない。又、これ以外の装置に用いるブラシレスモータに用いてもよい。又、ブラシレスモータ3以外の構成のモータに用いてもよい。
【0037】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ) 請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータコアにおいて、
前記インナコアには、前記各ティースの径方向内側端部を連結する円筒部及び該円筒部の一端を封鎖する底部にて構成されるキャンが一体に構成されていることを特徴とするステータコア。
【0038】
このようにすれば、キャンをインナコアとは別体とする場合と比べて、インナコアとキャンとを一体形成すれば部品点数を少なくすることができ、それらを組み付ける分の工数を少なくすることができる。
【0039】
(ロ) 上記(イ)に記載のステータコアと、該ステータコアのティースに巻装される巻線と、該巻線が巻装される前記ティース側と仕切られるように前記キャンの内側に回転可能に配設されるロータとを備えたブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータのキャンの内側空間と連通する吸入口及び吐出口が形成されるケースと、
前記ブラシレスモータのロータと一体回転し、前記吸入口から流体を吸い込んで前記吐出口から吐出させるファンと、
を備えたことを特徴とする流体ポンプ装置。
【0040】
このようにすれば、流体ポンプ装置におけるブラシレスモータのステータコアにおいて、そのステータコアを構成するインナコアとアウタコアとの嵌合部分の割れの発生を抑えることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、複数のティースを有するインナコアとアウタコアとを嵌合連結する構成のステータコアを磁性粉体の成形にて構成するものであって、インナコアとアウタコアとの嵌合部分における割れの発生を抑えることができるステータコア及びそのステータコアを用いたブラシレスモータを提供することがことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の流体ポンプ装置の断面図。
【図2】ステータコアの分解斜視図。
【図3】(a)はティースの斜視図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)はティースの側面図。
【図4】(a)は別例におけるティースの斜視図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)はティースの側面図。
【図5】(a)は別例におけるティースの斜視図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)はティースの側面図。
【符号の説明】
5…ロータ、6…ステータコア、7…巻線、8…インナコア、9…アウタコア、9a…連結凹部、10…ティース、10a…連結凸部、10c…端部分。
Claims (5)
- 環状をなし、磁性粉体にて成形されるアウタコアと、
放射状に延びる複数のティースを有し、該ティースの径方向内側端部を連結した環状をなし、磁性粉体にて成形されるインナコアと、
を備え、前記インナコアを前記アウタコアに対して軸方向に挿入し、該インナコアの各ティースの径方向外側端部と該アウタコアの内側部とを嵌合連結する構成としたステータコアであって、
前記インナコアの各ティースの径方向外側端部には、軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凸となる連結凸部が形成され、
前記アウタコアの内側部には、前記連結凸部と嵌合すべく軸方向から見て径方向外側に向けて曲面状に凹となる連結凹部が形成されていることを特徴とするステータコア。 - 請求項1に記載のステータコアにおいて、
前記連結凸部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凸となる形状なしており、
前記連結凹部は、軸方向から見て径方向外側に向けて円弧状に凹となる形状をなしていることを特徴とするステータコア。 - 請求項1又は2に記載のステータコアにおいて、
前記連結凸部は、その先端部における前記インナコアを前記アウタコアに挿入する挿入方向の両端部分が曲面形状をなしていることを特徴とするステータコア。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のステータコアにおいて、
前記各ティースは、径方向と直交する方向の断面形状が、角部が曲面をなす略四角形状又は小判形状若しくは楕円形状をなしていることを特徴とするステータコア。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータコアの各ティースに巻線が巻装され、該巻線に駆動電流を供給することにより回転磁界を生じさせ、該回転磁界により前記インナコアの内側に配置したロータを回転させるように構成されたことを特徴とするブラシレスモータ。
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