JP2004242219A - 信号処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】AGC処理装置10に入力された信号は、平均値算出部11のABS回路12において、その信号レベルが絶対値化された後、ローパスフィルタ13において、信号レベルの平均値が抽出される。逆数算出部14は、ROM16に記憶されている1/Xテーブル17を用いて、ローパスフィルタ13より供給された信号レベルの平均値の逆数を算出し、乗算器18は、その算出された逆数と、その逆数が対応する、AGC処理装置10に入力された信号とを乗算し、乗算結果をAGC処理装置10の外部に出力する。本発明は、信号処理装置に適用することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は信号処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、入力信号の振幅レベルを一定に保持するゲイン制御を、より効果的に行うことができるようにした信号処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に、磁気記録再生装置等において、磁気再生ヘッドの再生アンプにより、磁気記録媒体より読み出された再生信号は、VGA(Variable Gain Amp)に供給され、増幅される。そして、増幅された再生信号は、AGC回路(Automatic Gain Control circuit)等を含むアナログ等化器により振幅特性や位相特性が整形された後、A/D変換器(Analog / Digital)によりA/D変換される。
【0003】
このように、通常、再生信号の振幅レベル変動を抑圧するAGC回路は、アナログ回路において実現されるが、この場合、部品点数や回路規模が増大したり、個体差による精度の確保が困難であったりするため、製造コストが増加してしまう。
【0004】
これに対して、AGC回路をデジタル化し、A/D変換しデジタル化した後の再生信号に対して、振幅レベル変動を抑圧する方法がある。例えば、ローパスフィルタ、積分器、レベル比較器、乗算器、レベル判別器、および割り算器等を用いて、利得を計算しながら、波形等化を行う方法が考えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−176966号公報(第2−4ページ、図1、図2、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような場合、AGC回路の回路規模が大きく、計算や処理するデータ量も多く、製造コストが増大するとともに、処理精度を保つのが困難であり、かつ、処理時間の短縮が困難であるという課題があった。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、入力信号の振幅レベルを一定に保持するゲイン制御を、より効果的に行うことができるようにしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の信号処理装置は、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出手段と、平均値算出手段により算出された平均値の逆数を算出する逆数算出手段と、逆数算出手段により算出された逆数を、逆数が対応するデジタル信号の信号レベルに乗算する乗算手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
前記平均値算出手段は、デジタル信号の信号レベルを絶対値化する絶対値化手段と、絶対値化手段により信号レベルが絶対値化されたデジタル信号より、デジタル信号の平均値を抽出する抽出手段とを備えるようにすることができる。
【0010】
前記抽出手段は、一次IIRローパスフィルタであるようにすることができる。
【0011】
前記逆数算出手段は、元の数値と、数値の逆数の対応関係を示すテーブルを記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶されているテーブルを用いて、平均値算出手段により算出された平均値の逆数を演算する処理を行う演算処理手段とを備えるようにすることができる。
【0012】
本発明の第1の信号処理方法は、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、平均値算出ステップの処理により算出された平均値の逆数を算出する逆数算出ステップと、逆数算出ステップの処理により算出された逆数を、逆数が対応するデジタル信号の信号レベルに乗算する乗算ステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の第1の記録媒体のプログラムは、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、平均値算出ステップの処理により算出された平均値の逆数を算出する逆数算出ステップと、逆数算出ステップの処理により算出された逆数を、逆数が対応するデジタル信号の信号レベルに乗算する乗算ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の第1のプログラムは、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、平均値算出ステップの処理により算出された平均値の逆数を算出する逆数算出ステップと、逆数算出ステップの処理により算出された逆数を、逆数が対応するデジタル信号の信号レベルに乗算する乗算ステップとをコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の信号処理装置は、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出手段と、平均値算出手段により算出された平均値で、平均値が対応するデジタル信号の信号レベルを除算する除算手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
前記平均値算出手段は、デジタル信号の信号レベルを絶対値化する絶対値化手段と、絶対値化手段により信号レベルが絶対値化されたデジタル信号より、デジタル信号の平均値を抽出する抽出手段とを備えるようにすることができる。
【0017】
前記抽出手段は、一次IIRローパスフィルタであるようにすることができる。
【0018】
本発明の第2の信号処理方法は、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、平均値算出ステップの処理により算出された平均値で、平均値が対応するデジタル信号の信号レベルを除算する除算ステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の第2の記録媒体のプログラムは、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、平均値算出ステップの処理により算出された平均値で、平均値が対応するデジタル信号の信号レベルを除算する除算ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の第2のプログラムは、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、平均値算出ステップの処理により算出された平均値で、平均値が対応するデジタル信号の信号レベルを除算する除算ステップとをコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0021】
本発明の第1の信号処理装置および方法、第1の記録媒体、並びに第1のプログラムにおいては、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値が算出され、その算出された平均値の逆数が算出され、さらに、その算出された逆数が、その逆数が対応するデジタル信号の信号レベルに乗算される。
【0022】
本発明の第2の信号処理装置および方法、第2の記録媒体、並びに第2のプログラムにおいては、デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値が算出され、さらに、算出された平均値で、その平均値が対応するデジタル信号の信号レベルが除算される。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用したAGC処理装置の構成例を表すブロック図である。
【0024】
AGC処理装置10は、振幅レベルが低い周波数で変動するレベル変動(低周波成分)を抑制する回路であり、絶対値化された入力信号レベルの平均値(以下、レベル平均値と称する)を算出する平均値算出部11、平均値算出部11により算出されたレベル平均値の逆数を算出する逆数算出部14、および、入力信号と、逆数算出部14の出力信号を乗算する乗算器18を有している。
【0025】
平均値算出部11は、入力信号レベルの絶対値を算出するABS(Absolute)回路12、および、ABS回路12の出力信号に含まれる振幅レベル変動(低周波成分)を抽出するローパスフィルタ13を有しており、入力信号より算出したレベル平均値を逆数算出部14に供給する。
【0026】
ABS回路12は、入力されたデジタル入力信号の値が、負である場合、全ビットの極性を反転し、値「1」を加算することにより、入力信号の絶対値を算出し、その絶対値化された入力信号をローパスフィルタ13に供給する。
【0027】
ローパスフィルタ13は、図2に示されるような構成の一次IIR(Infinite Impulse Response)フィルタにより構成され、ABS回路12の出力信号のレベル変動である低周波成分(レベル平均値)を抽出する。
【0028】
図2において、ローパスフィルタ13は、入力信号と加算器25の出力を乗算する乗算器21、所定の係数を出力する係数出力部22、係数出力部22より出力された係数の極性を反転させるインバータ23、係数出力部22より出力された係数と、遅延処理部28の出力を乗算する乗算器24、インバータ23の出力に値「1」を加算する加算器25、乗算器21および乗算器24の出力を加算する加算器26、加算器26の出力に対して丸め処理を行い、有効桁数を調整する丸め処理部27、丸め処理部27の出力に対して再度丸め処理を行い、有効桁数を調整する丸め処理部28、および、丸め処理部27の出力を保持し、タイミングを1回分遅延させる遅延処理部29を有している。
【0029】
ローパスフィルタ13に入力された信号は、乗算器21に供給される。また、係数出力部22からは、ローパスフィルタ13の時定数に関する係数が出力され、インバータ23および乗算器24に供給される。
【0030】
インバータ23は、入力された係数の極性を反転し、加算器25に供給する。加算器25は、インバータ23の出力に値「1」を加算し、乗算器21に供給する。乗算器21は、入力信号、および加算器25の出力を乗算し、加算器26に供給する。
【0031】
また、係数出力部22の出力を供給された乗算器24は、係数出力部22より供給された係数、および、遅延処理部28より供給された、1回前の出力信号を乗算し、結果を加算器25に供給する。
【0032】
加算器25は、乗算器21の出力と、乗算器24の出力を加算し、演算結果を丸め処理部26に供給する。丸め処理部26は、加算器25の出力に対して丸め処理を行い、演算結果を丸め処理部27および遅延処理部28に供給する。
【0033】
遅延処理部28は、供給された丸め処理部26の出力を1回分遅延させてから、乗算器24に供給する。また、丸め処理部27は、丸め処理部26の出力の有効桁以下の値を四捨五入し、丸め処理を行い、演算結果をローパスフィルタ13の出力として、ローパスフィルタ13の外部に出力する。
【0034】
すなわち、入力される関数をx[k](kは自然数)とすると、ローパスフィルタ13は、関数x[k]に対して、式(1)のような演算を行う。
【0035】
【数1】
【0036】
式(1)において、関数y[k]は、ローパスフィルタ13の出力関数であり、関数y[k−1]は、ローパスフィルタ13の前回の出力関数である。また、係数mは、係数出力部22より出力される係数であり、ローパスフィルタ13の時定数を示す。
【0037】
従って、係数mの値により、ローパスフィルタ13の振幅−周波数特性は、図3に示されるグラフのようになり、位相−周波数特性は、図4に示されるグラフのようになる。
【0038】
図3において、グラフの横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は出力信号の振幅[dB]を示す。曲線31は、係数mの値が「0.875」の場合の振幅−周波数特性であり、曲線32は、係数mの値が「0.9375」の場合の振幅−周波数特性であり、曲線33は、係数mの値が「0.98438」の場合の振幅−周波数特性である。
【0039】
図4において、グラフの横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は出力信号の位相[degree]を示す。曲線41は、係数mの値が「0.875」の場合の位相−周波数特性であり、曲線42は、係数mの値が「0.9375」の場合の位相−周波数特性であり、曲線43は、係数mの値が「0.98438」の場合の位相−周波数特性である。
【0040】
なお、以上において、ローパスフィルタ13は、上述したようなパラメータの一次IIRフィルタを用いるように説明したが、これに限らず、ABS回路12より供給された信号のレベル平均値を出力することができればよく、どのようなフィルタを用いるようにしてもよい。
【0041】
図1に戻り、ローパスフィルタ13は、抽出したABS回路12の出力信号のレベル平均値を逆数算出部14に供給する。
【0042】
逆数算出部14は、入力された信号レベルの逆数を算出する演算に関する処理を行う演算処理部15、および、元の数値とその数値の逆数との対応関係を示すテーブルである1/Xテーブル17を記憶するROM(Read Only Memory)16を有しており、平均値算出部11より供給されたレベル平均値の逆数を算出する。
【0043】
演算処理部15は、平均値算出部11より供給されたレベル平均値を取得すると、ROM16に記憶されている1/Xテーブル17を参照し、入力されたレベル平均値の逆数を取得し、逆数算出部14の出力として、乗算器18に供給する。
【0044】
図5は、以上のような処理を行う逆数算出部14の入出力特性を示すグラフである。
【0045】
図5において、グラフの横軸は入力信号レベルを示し、縦軸は出力信号レベルを示す。なお、この場合、逆数算出部14は、入力信号レベルの逆数を出力する。また、図6は、AGC処理装置10の入力信号のセンター値が「48」である場合の、逆数算出部14の入出力特性を示すグラフであり、横軸は、入力信号レベルの対数を示しており、縦軸は出力信号レベルの対数を示している。図5に示されるように、逆数算出部14は、「−13[dB]」乃至「8[dB]」の範囲の入力信号に対応することができるようになっている。
【0046】
逆数算出部14より入力信号のレベル平均値の逆数値を供給された乗算器18は、その逆数算出部14の出力と、図示せぬ遅延回路等を介して供給された元の入力信号を乗算し、乗算結果をAGC処理装置10の外部に出力する。
【0047】
以上のように、AGC処理装置10は、信号が入力されると、各部において、振幅レベル制御処理を行い、入力信号の信号レベルと、入力信号の信号レベルの逆数(入力信号レベルの絶対値より算出されたレベル平均値の逆数)との乗算結果を出力することにより、入力信号の振幅レベル変動を抑制する。従って、AGC処理装置10は、入力信号の振幅レベルを一定に保持するゲイン制御を、規模の小さい回路で、より高速、かつ、高精度に行うことができ、より効果的なゲイン制御を行うことができる。
【0048】
なお、逆数算出部14は、平均値算出部11より供給されたレベル平均値より、その逆数を算出し、出力する処理を行うのであればどのような構成であってもよく、例えば、1/Xテーブル17を用いずに、所定の除算回路を用いる等して、演算によりレベル平均値より逆数を算出するようにしてもよい。
【0049】
また、例えば、1/Xテーブル17を記憶する記憶領域として、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)を用いるようにしてもよい。その場合、製品出荷後に1/Xテーブル17を更新することも可能になる。
【0050】
さらに、上述した入出力特性、1/Xテーブル17、または各パラメータは、AGC処理装置10の各部や、入力信号に応じて、どのような値をとるようにしてもよい。
【0051】
以上のようなAGC処理装置10による振幅レベル制御処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
最初に、ステップS1において、平均値算出部11のABS回路12は、入力信号の信号レベルを絶対値化する。ステップS2において、ローパスフィルタ13は、信号レベルが絶対値化された入力信号のレベル変動である低周波成分を抽出することにより、レベル平均値を抽出する。逆数算出部14は、ステップS3において、抽出されたレベル平均値の逆数を算出し、乗算器18は、ステップS4において、算出された逆数を入力信号に乗算し、振幅レベル制御処理を終了する。
【0053】
AGC処理装置10は、信号が入力される度に、以上のような振幅レベル制御処理を実行し、入力信号の振幅レベル変動を抑制する。従って、AGC処理装置10は、入力信号の振幅レベルを一定に保持するゲイン制御を、より効果的に行うことができる。
【0054】
次に、以上に説明した、AGC処理装置10に各種の信号を入力した場合の、出力信号等の波形の具体的な例について説明する。
【0055】
最初に、図8のグラフに示されるような波形の入力信号をAGC処理装置10に入力した場合について説明する。なお、以下において、AGC処理装置10のローパスフィルタ13の時定数は4に設定され、AGC処理装置10の出力信号レベルの中央値は「30」に設定されている。
【0056】
図8において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は入力信号の信号レベルを示している。すなわち、この場合、時間が経過するごとに、信号レベルが直線的に上昇する信号がAGC処理装置10に入力される。
【0057】
この入力信号は、AGC処理装置10に入力されると、図1に示されるように、平均値算出部11のABS回路12、および乗算器18に供給される。ABS回路12は、取得した入力信号の信号レベルを絶対値化し、図9に示されるような波形の信号に変換し、出力する。
【0058】
図9は、ABS回路12の出力信号の波形を示すグラフであり、図9において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、ABS回路12より出力される信号の信号レベルを示している。図9に示されるように、ABS回路12より出力される信号は、図8に示される入力信号において信号レベルが負の値であった部分の極性が反転され、その信号レベルが全て正の値となっている。
【0059】
図9に示されるABS回路12の出力信号を取得した図2のローパスフィルタ13は、この信号のレベル平均値を抽出し、図10に示されるような波形の信号を出力する。
【0060】
図10は、ローパスフィルタ13の出力信号の波形を示すグラフであり、図10において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、ローパスフィルタ13より出力される信号の信号レベルを示している。図9に示されるABS回路12の出力信号には高周波成分(振幅成分)が無いので、図10に示されるローパスフィルタ13より出力される信号の波形は、ABS回路12の出力信号の波形とほぼ同じになる。
【0061】
図10に示されるローパスフィルタ13の出力信号を取得した図2の逆数算出部14は、この信号の信号レベルの逆数を算出し、図11に示されるような波形の信号を出力する。
【0062】
図11は、逆数算出部14の出力信号の波形を示すグラフであり、図11において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、逆数算出部14より出力される信号の信号レベルを示している。
【0063】
乗算器18は、供給された、図8に示されるような波形の入力信号と、図11に示されるような波形の逆数算出部14の出力信号とを乗算し、図12に示されるような波形の信号を、AGC処理装置10の外部に出力する。
【0064】
図12は、乗算器18の出力信号(AGC処理装置10の出力信号)の波形を示すグラフであり、図12において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、乗算器18の出力信号(AGC処理装置10の出力信号)の信号レベルを示している。
【0065】
すなわち、AGC処理装置10は、図8に示されるような波形の入力信号が入力されると、入力信号レベルの値「0」を閾値として、入力信号を2値化し、図12に示されるような波形の出力信号を出力する。
【0066】
次に、図13のグラフに示されるような波形の入力信号をAGC処理装置10に入力した場合について説明する。
【0067】
図13において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は入力信号の信号レベルを示している。すなわち、この場合、AGC処理装置10に入力される入力信号は、信号レベル「0」を中心に、高周波で振幅しており、所定の時間(例えば、500クロック)ごとにその振幅レベルが変化している。
【0068】
この入力信号は、AGC処理装置10に入力されると、図1に示されるように、平均値算出部11のABS回路12、および乗算器18に供給される。ABS回路12は、取得した入力信号の信号レベルを絶対値化し、図14に示されるような波形の信号に変換し、出力する。
【0069】
図14は、ABS回路12の出力信号の波形を示すグラフであり、図14において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、ABS回路12より出力される信号の信号レベルを示している。図14に示されるように、ABS回路12より出力される信号は、図13に示される入力信号において信号レベルが負の値であった部分の極性が反転され、その信号レベルが全て正の値となっている。従って、図14に示されるABS回路12より出力信号において、図13に示される入力信号の高周波成分(振幅成分)は除去されている。
【0070】
図14に示されるABS回路12の出力信号を取得した図2のローパスフィルタ13は、この信号のレベル平均値を抽出し、図15に示されるような波形の信号を出力する。
【0071】
図15は、ローパスフィルタ13の出力信号の波形を示すグラフであり、図15において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、ローパスフィルタ13より出力される信号の信号レベルを示している。上述したように、図14に示されるABS回路12の出力信号には高周波成分(振幅成分)が無いので、図15に示されるローパスフィルタ13より出力される信号の波形は、ABS回路12の出力信号の波形とほぼ同じになる。
【0072】
図15に示されるローパスフィルタ13の出力信号を取得した図2の逆数算出部14は、この信号の信号レベルの逆数を算出し、図16に示されるような波形の信号を出力する。
【0073】
図16は、逆数算出部14の出力信号の波形を示すグラフであり、図16において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、逆数算出部14より出力される信号の信号レベルを示している。
【0074】
乗算器18は、供給された、図13に示されるような波形の入力信号と、図16に示されるような波形の逆数算出部14の出力信号とを乗算し、図17に示されるような波形の信号を、AGC処理装置10の外部に出力する。
【0075】
図17は、乗算器18の出力信号(AGC処理装置10の出力信号)の波形を示すグラフであり、図17において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、乗算器18の出力信号(AGC処理装置10の出力信号)の信号レベルを示している。図17に示されるAGC処理装置10の出力信号においては、図13に示されるAGC処理装置10の入力信号の波形において所定の時間ごとに変化していた振幅レベルが、一定化されている。
【0076】
すなわち、AGC処理装置10は、図13に示されるような波形の入力信号が入力されると、入力信号レベル「0」を閾値として、入力信号を2値化し、図17に示されるような波形の出力信号を出力する。
【0077】
次に、図18のグラフに示されるような、ノイズが重畳された波形の入力信号をAGC処理装置10に入力した場合について説明する。
【0078】
図18において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は入力信号の信号レベルを示している。この場合、図18に示される入力信号の振幅レベルは、振幅毎に小さく変化し、さらに、図13に示される入力信号の場合と同様に、所定の時間(例えば、500クロック)ごとに大きく変化している。
【0079】
この入力信号は、AGC処理装置10に入力されると、図1に示されるように、平均値算出部11のABS回路12、および乗算器18に供給される。ABS回路12は、取得した入力信号の信号レベルを絶対値化し、図19に示されるような波形の信号に変換し、出力する。
【0080】
図19は、ABS回路12の出力信号の波形を示すグラフであり、図19において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、ABS回路12より出力される信号の信号レベルを示している。図19に示されるように、ABS回路12より出力される信号は、図18に示される入力信号において信号レベルが負の値であった部分の極性が反転され、その信号レベルが全て正の値となっている。従って、図19に示されるABS回路12より出力信号において、図19に示される入力信号の振幅毎の振幅レベル変化(すなわち、高周波成分)が残っている。
【0081】
図19に示されるABS回路12の出力信号を取得した図2のローパスフィルタ13は、この信号のレベル平均値を抽出し、図20に示されるような波形の信号を出力する。
【0082】
図20は、ローパスフィルタ13の出力信号の波形を示すグラフであり、図20において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、ローパスフィルタ13より出力される信号の信号レベルを示している。図20に示されるローパスフィルタ13より出力される信号の波形は、図19に示されるABS回路12の出力信号の波形から、振幅毎の振幅レベル変化(すなわち、高周波成分)を除去した信号となっている。
【0083】
図20に示されるローパスフィルタ13の出力信号を取得した図2の逆数算出部14は、この信号の信号レベルの逆数を算出し、図21に示されるような波形の信号を出力する。
【0084】
図21は、逆数算出部14の出力信号の波形を示すグラフであり、図21において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、逆数算出部14より出力される信号の信号レベルを示している。
【0085】
乗算器18は、供給された、図18に示されるような波形の入力信号と、図21に示されるような波形の逆数算出部14の出力信号とを乗算し、図22に示されるような波形の信号を、AGC処理装置10の外部に出力する。
【0086】
図22は、乗算器18の出力信号(AGC処理装置10の出力信号)の波形を示すグラフであり、図22において、グラフの横軸は、クロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、乗算器18の出力信号(AGC処理装置10の出力信号)の信号レベルを示している。図22に示されるAGC処理装置10の出力信号においては、図18に示されるAGC処理装置10の入力信号の波形において所定の時間ごとに変化していた振幅レベルが、一定化されている。なお、この場合、乗算器18は入力信号レベルの絶対値より算出されたレベル平均値の逆数を入力信号に乗算しているので、図22に示される出力信号は、高周波成分(振幅毎の振幅レベルのばらつき)を含んでいるが、実用上問題の無いレベルまで2値化されている。
【0087】
すなわち、AGC処理装置10は、図18に示されるような波形の入力信号が入力されると、入力信号レベル「0」を閾値として、入力信号を2値化し、図22に示されるような波形の出力信号を出力する。
【0088】
次に、例えば、磁気記録再生装置の磁気記録媒体より読み出されたデータのように、パーシャルレスポンスのクラス4(PR4:Partial Response Class 4)に属するインタリーブドNRZI(Non Return to Zero Invert)符号により符号化された信号をAGC処理装置10に入力する場合について説明する。
【0089】
図23は、入力信号の特性を示す表である。図23において、入力信号は、上述したように、インタリーブドNRZI符号化されているので、3値(−1,0,+1)において検出される。各値のサンプル数(Numbers)について、値「−1」のサンプル数が1002個であり、値「0」のサンプル数が1996個であり、値「+1」のサンプル数が1003個であり、合計のサンプル数が4001個である。従って、各値のサンプルの全体に対する割合(Proba)について、値「−1」のサンプルの割合が「0.250」であり、値「0」のサンプルの割合が「0.499」であり、値「+1」のサンプルの割合が「0.251」である。
【0090】
また、各値におけるサンプルの平均値(Mean)について、値「−1」のサンプルの平均値は「−48.0」であり、値「0」のサンプルの平均値が「−0.011」であり、値「+1」のサンプルの平均値が「48.0」である。そして各値の信号対雑音比(DSNR:Discriminative Signal−to−noise ratio)について、値「−1」のサンプルのDSNR(検出点からの分散値)は「26.05」であり、値「0」のサンプルのDSNRは「25.99」であり、値「+1」のサンプルのDSNRは「25.89」であり、全体のDSNRは「25.97」である。
【0091】
図24は、入力信号の波形の様子を示すグラフである。図24において、グラフの横軸はクロック(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、入力信号レベルを示している。
【0092】
図24に示される入力信号を、伝達関数が、Dを遅延演算子として「(1−D)×(1+D)」である伝送路を介して検出すると、入力信号は、図25のグラフに示されるように3値(−1,0,+1)で検出される。
【0093】
図25において、グラフの横軸はクロック(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、入力信号レベルを示している。図25のグラフに示されるサンプル点は、図23に示されるような特性を有している。
【0094】
図26は、上述した入力信号のアイパターンを示すグラフである。図26において、グラフの横軸は時間([t/Ts])を示しており、縦軸は、入力信号波形の振幅を示している。
【0095】
以上のような入力信号を、図1に示されるAGC処理装置10に入力すると、図27乃至図30に示されるような特性の出力信号がAGC処理装置10より出力される。
【0096】
図27に示されるように、出力信号の各値のサンプル数(Numbers)について、値「−1」のサンプル数が1004個であり、値「0」のサンプル数が1994個であり、値「+1」のサンプル数が1003個であり、合計のサンプル数が4001個である。従って、各値のサンプルの全体に対する割合(Proba)について、値「−1」のサンプルの割合が「0.251」であり、値「0」のサンプルの割合が「0.498」であり、値「+1」のサンプルの割合が「0.251」である。
【0097】
また、各値におけるサンプルの平均値(Mean)について、値「−1」のサンプルの平均値は「−12.0」であり、値「0」のサンプルの平均値が「0.002」であり、値「+1」のサンプルの平均値が「12.0」である。そして各値の信号対雑音比(DSNR:Discriminative Signal−to−noise ratio)について、値「−1」のサンプルのDSNR(検出点からの分散値)は「25.87」であり、値「0」のサンプルのDSNRは「25.68」であり、値「+1」のサンプルのDSNRは「25.80」であり、全体のDSNRは「25.78」であり、入力信号と比較して、「0.19」減少している。
【0098】
図28は、出力信号の波形の様子を示すグラフである。図28において、グラフの横軸はクロック(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、出力信号レベルを示している。
【0099】
図28に示される出力信号を、伝達関数が、Dを遅延演算子として「(1−D)×(1+D)」である伝送路を介して検出すると、出力信号は、図29のグラフに示されるように3値(−1,0,+1)で検出される。
【0100】
図29において、グラフの横軸はクロック(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は、出力信号レベルを示している。図29のグラフに示されるサンプル点は、図27に示されるような特性を有している。
【0101】
図30は、上述した入力信号のアイパターンを示すグラフである。図30において、グラフの横軸は時間([t/Ts])を示しており、縦軸は、入力信号波形の振幅を示している。
【0102】
次に、例えばビデオデッキ等のように磁気記録媒体を用いた画像情報記録再生装置において読み出された信号を図1のAGC処理装置に入力する場合について説明する。特に、画像情報記録再生装置において、通常の再生時よりも高速にユーザの所望する画像を再生しながら検索する高速サーチが行われた場合の再生信号を図1のAGC処理装置に入力する場合について説明する。
【0103】
例えば通常の再生時における読み出し速度の200倍で読み出される高速サーチ時に読み出された信号の波形は、図31のグラフに示されるようにサンプル点の集合(振幅の外形)がひし形を形成する。図31において、グラフの横軸はクロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は信号レベルを示している。
【0104】
このような信号が図1のAGC処理装置10に入力されると、AGC処理装置10は、予め決められた時定数や出力レベルの設定に基づいて、図32乃至図34に示されるような波形の信号を出力する。
【0105】
図32は、時定数が0、出力レベル(出力信号の中央値)が30である場合のAGC処理装置10より出力される信号の波形を示すグラフである。図32において、グラフの横軸はクロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は信号レベルを示している。
【0106】
図33は、時定数が4、出力レベル(出力信号の中央値)が30である場合のAGC処理装置10より出力される信号の波形を示すグラフである。図33において、グラフの横軸はクロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は信号レベルを示している。
【0107】
図34は、時定数が7、出力レベル(出力信号の中央値)が30である場合のAGC処理装置10より出力される信号の波形を示すグラフである。図34において、グラフの横軸はクロック数(時刻)(単位は[clock])を示しており、縦軸は信号レベルを示している。
【0108】
以上のように、画像情報記録再生装置において、高速サーチ時に磁気記録媒体より読み出された信号に対しても、AGC処理装置10は、信号レベル変動を抑制し、入力信号を2値化することができる。
【0109】
以上において、AGC処理装置10は、逆数算出部14により、絶対値化された入力信号のレベル平均値の逆数を算出し、乗算器18により、元の入力信号にその逆数を乗算して、入力信号のレベル変動を抑制するように説明したが、これに限らず、例えば、直接、絶対値化された入力信号のレベル平均値で、元の入力信号を除算するようにしてもよい。
【0110】
図35は、本発明を適用したAGC処理装置の他の構成例を示す図である。
【0111】
図35において、AGC処理装置50は、図1の平均値算出部11、および、平均値算出部11の出力信号で、AGC処理装置50の入力信号を除算する除算処理部51を有しており、入力信号の信号レベル変動を抑制した信号を出力する。
【0112】
AGC処理装置50に供給された入力信号は、平均値算出部11のABS回路12、および、図示せぬ遅延処理部を介して除算処理部51に供給される。ABS回路12は、上述したように、入力信号の信号レベルの絶対値化を行い、絶対値化された入力信号をローパスフィルタ13に供給する。ローパスフィルタ13は、上述したように、絶対値化された入力信号より平均値を抽出し、除算処理部51に供給する。
【0113】
除算処理部51は、除算回路等により構成され、平均値算出部11の出力信号で、AGC処理装置50に入力された元の入力信号を除算し、除算結果をAGC処理装置50の出力信号として、AGC処理装置50の外部に出力する。
【0114】
以上のように、AGC処理装置50は、信号が入力されると、各部において、振幅レベル制御処理を行い、入力信号レベルの絶対値より算出されたレベル平均値による、入力信号の除算結果を出力することにより、入力信号の振幅レベル変動を抑制する。従って、AGC処理装置50は、入力信号の振幅レベルを一定に保持するゲイン制御を、より効果的に行うことができる。
【0115】
次に、以上のようなAGC処理装置50による振幅レベル制御処理について、図36のフローチャートを参照して説明する。
【0116】
最初に、ステップS21において、AGC処理装置50のABS回路12は、入力信号の信号レベルを絶対値化する。ステップS22において、ローパスフィルタ13は、信号レベルが絶対値化された入力信号の、低周波成分を抽出することにより、レベル平均値を抽出する。除算処理部51は、ステップS23において、抽出された、絶対値化された入力信号のレベル平均値(低周波成分)を用いて、入力信号を除算し、振幅レベル制御処理を終了する。
【0117】
AGC処理装置50は、信号が入力される度に、以上のような振幅レベル制御処理を実行し、入力信号の振幅レベル変動を抑制する。従って、AGC処理装置50は、入力信号の振幅レベルを一定に保持するゲイン制御を、規模の小さい回路で、より高速、かつ、高精度に行うことができ、より効果的なゲイン制御を行うことができる。
【0118】
図37は、磁気記録媒体を用いた記録再生装置等において、磁気記録媒体より読み出された信号を処理する、上述したAGC処理装置をAGC回路として適用した信号処理装置の構成例を示す図である。
【0119】
図37において、図示せぬ磁気ヘッド等により、磁気テープデバイス等の磁気記録媒体より読み出されたデータは、図示せぬ増幅器を介して増幅された後、信号処理装置60のA/D変換処理部61に入力される。
【0120】
A/D変換処理部61は、VCO(Voltage Controlled Oscillator)回路64より出力されるクロックによりタイミングを制御され、入力データをデジタル化し、プリイコライザ62に供給する。
【0121】
プリイコライザ62は、デジタル化された入力データの波形を、後述する後段のオートイコライザ65やAGC回路66よりも粗い精度で簡易的に整形し、等化する。等化されたデータは、PLL(Phase Locked Loop)回路63およびオートイコライザ65に供給される。
【0122】
PLL回路63は、プリイコライザ62より供給されたデータとクロックの位相誤差および周波数誤差を検出し、クロックの位相および周波数をデータの位相および周波数に同期させるようにVCO回路64に制御信号を出力するとともに、データと位相及び周波数の同期がとれたクロックをオートイコライザ65、AGC回路66、およびビタビ復号部68に供給する。
【0123】
プリイコライザ62により簡易的に等化されたデータを供給されたオートイコライザ65は、LMS(Least Mean Square:最小自乗平均アルゴリズム)を用いて、入力されたデータを適応等化する。オートイコライザ65より出力されるデータは、ほぼデジタル2値データに等化されているが、オートイコライザ65により適応等化処理ではデータの信号レベルの急激な変化には追従できず、振幅変動を含んでいる。
【0124】
AGC回路66は、図1に示されるAGC処理装置10と同様に構成され、AGC処理装置10と同様の振幅レベル制御処理を実行するので、その内部の詳細な説明を省略する。AGC回路10は、オートイコライザ65の出力データに含まれる振幅変動を抑制し、トラッキングサーボをかけるための信号処理回路であるATF(Auto Tracking Finding)回路67および、データの最尤復号処理を行うビタビ復号部68に供給する。なお、AGC回路66は、図35に示されるAGC処理装置50と同様の構成にし、AGC処理装置50と同様の振幅レベル制御処理を実行するようにしてもよい。
【0125】
ATF回路67は、AGC回路66により等化されたデータに基づいて、トラッキングサーボ用の制御信号を生成し、信号処理装置60の外部に出力する。ビタビ復号部68は、AGC回路66により等化されたデータに対して最尤復号処理を行い、復号データを信号処理装置60の外部に出力する。
【0126】
以上のように、信号処理装置60において、AGC回路66には、オートイコライザ65により適応等化された信号が入力されるので、図1または図35に示されるように、小規模の回路により、高速に、振幅レベルの変動を抑制することができる。従って、AGC回路66を適用した信号処理装置60は、入力信号の振幅レベルを一定に保持するゲイン制御を、規模の小さい回路で、より高速、かつ、高精度に行うことができ、より効果的なゲイン制御を行うことができる。
【0127】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、上述したようにソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体等からインストールされる。
【0128】
図38は、このような処理を実行するパーソナルコンピュータの内部構成例を示す図である。
【0129】
パーソナルコンピュータ100のCPU(Central Processing Unit)101は、ROM102に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)103には、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータやプログラムなどが適宜記憶される。
【0130】
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インタフェース110も接続されている。
【0131】
入出力インタフェース110は、キーボードやマウスから構成される入力部111が接続され、入力部111に入力された信号をCPU101に出力する。また、入出力インタフェース110には、ディスプレイやスピーカなどから構成される出力部112も接続されている。
【0132】
さらに、入出力インタフェース110には、ハードディスクなどから構成される記憶部113、および、インターネットなどのネットワークを介して他の装置とデータの通信を行う通信部114も接続されている。ドライブ115は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどの記録媒体からなるリムーバブルメディア121よりデータを読み出したり、データを書き込んだりするときに用いられる。
【0133】
記録媒体は、図38に示されるように、パーソナルコンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini−Disc)(登録商標)を含む)、若しくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアを含むリムーバブルメディア121により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記憶されているROM102や記憶部113が含まれるハードディスクなどで構成される。
【0134】
なお、本明細書において、媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って、時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0135】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、入力信号を処理することができる。特に、入力信号の振幅レベルを一定に保持するゲイン制御を、より効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したAGC処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のローパスフィルタの詳細な構成例を示す図である。
【図3】図1のローパスフィルタの振幅−周波数特性を示すグラフである。
【図4】図1のローパスフィルタの位相−周波数特性を示すグラフである。
【図5】図1の逆数算出部14の入出力特性の例を示すグラフである。
【図6】図1の逆数算出部14の入出力特性の他の例を示すグラフである。
【図7】図1のAGC処理装置による振幅レベル制御処理について説明するフローチャートである。
【図8】図1のAGC処理装置の入力信号の波形の例を示すグラフである。
【図9】図1のABS回路の出力信号の波形の例を示すグラフである。
【図10】図1のローパスフィルタの出力信号の波形の例を示すグラフである。
【図11】図1の逆数算出部の出力信号の波形の例を示すグラフである。
【図12】図1のAGC処理装置の出力信号の波形の例を示すグラフである。
【図13】図1のAGC処理装置の入力信号の波形の他の例を示すグラフである。
【図14】図1のABS回路の出力信号の波形の他の例を示すグラフである。
【図15】図1のローパスフィルタの出力信号の波形の他の例を示すグラフである。
【図16】図1の逆数算出部の出力信号の波形の他の例を示すグラフである。
【図17】図1のAGC処理装置の出力信号の波形の他の例を示すグラフである。
【図18】図1のAGC処理装置の入力信号の波形のさらに他の例を示すグラフである。
【図19】図1のABS回路の出力信号の波形のさらに他の例を示すグラフである。
【図20】図1のローパスフィルタの出力信号の波形のさらに他の例を示すグラフである。
【図21】図1の逆数算出部の出力信号の波形のさらに他の例を示すグラフである。
【図22】図1のAGC処理装置の出力信号の波形のさらに他の例を示すグラフである。
【図23】図1のAGC処理装置の入力信号の特性の例を示す図である。
【図24】図1のAGC処理装置に入力される、図23の特性を有する入力信号の波形の例を示すグラフである。
【図25】図24に示される入力信号を3値で検出した場合の波形の例を示すグラフである。
【図26】図24に示される入力信号のアイパターンの例を示すグラフである。
【図27】図1のAGC処理装置の出力信号の特性の例を示す図である。
【図28】図1のAGC処理装置より出力される、図27の特性を有する出力信号の波形の例を示すグラフである。
【図29】図28に示される出力信号を3値で検出した場合の波形の例を示すグラフである。
【図30】図28に示される出力信号のアイパターンの例を示すグラフである。
【図31】図1のAGC処理装置に入力される、高速サーチ時の入力信号の波形の例を示すグラフである。
【図32】図31に示される入力信号が入力された図1のAGC処理装置より出力される出力信号の波形の例を示すグラフである。
【図33】図31に示される入力信号が入力された図1のAGC処理装置より出力される出力信号の波形の他の例を示すグラフである。
【図34】図31に示される入力信号が入力された図1のAGC処理装置より出力される出力信号の波形のさらに他の例を示すグラフである。
【図35】本発明を適用したAGC処理装置の他の構成例を示す図である。
【図36】図35のAGC処理装置による振幅レベル制御処理について説明するフローチャートである。
【図37】本発明を適用した信号処理装置の構成例を示す図である。
【図38】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 AGC処理装置, 11 平均値算出部, 12 ABS回路, 13 ローパスフィルタ, 14 逆数算出部, 15 演算処理部, 16 ROM, 17 1/Xテーブル, 18 乗算器, 21 乗算器, 22 係数出力部,23 インバータ, 24 乗算器, 25および26 加算器, 27および28 丸め処理部, 29 遅延処理部, 50 AGC処理装置, 51 除算処理部, 60 信号処理装置, 61 A/D変換処理部, 62 プリイコライザ, 63 PLL回路, 64 VCO回路, 65 オートイコライザ, 66 AGC回路, 67 ATF回路, 68 ビタビ復号部, 100 パーソナルコンピュータ, 121 リムーバブルメディア
Claims (13)
- デジタル信号の振幅レベルの変動を抑制する信号処理装置において、
前記デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記平均値算出手段により算出された前記平均値の逆数を算出する逆数算出手段と、
前記逆数算出手段により算出された前記逆数を、前記逆数が対応する前記デジタル信号の信号レベルに乗算する乗算手段と
を備えることを特徴とする信号処理装置。 - 前記平均値算出手段は、
前記デジタル信号の信号レベルを絶対値化する絶対値化手段と、
前記絶対値化手段により前記信号レベルが絶対値化された前記デジタル信号より、前記デジタル信号の前記平均値を抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記抽出手段は、一次IIRローパスフィルタである
ことを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。 - 前記逆数算出手段は、
元の数値と、前記数値の逆数の対応関係を示すテーブルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶されている前記テーブルを用いて、前記平均値算出手段により算出された前記平均値の逆数を演算する処理を行う演算処理手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。 - デジタル信号の振幅レベルの変動を抑制する信号処理装置の信号処理方法であって、
前記デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、
前記平均値算出ステップの処理により算出された前記平均値の逆数を算出する逆数算出ステップと、
前記逆数算出ステップの処理により算出された前記逆数を、前記逆数が対応する前記デジタル信号の信号レベルに乗算する乗算ステップと
を含むことを特徴とする信号処理方法。 - デジタル信号の振幅レベルの変動を抑制する処理を、コンピュータに行わせるプログラムであって、
前記デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、
前記平均値算出ステップの処理により算出された前記平均値の逆数を算出する逆数算出ステップと、
前記逆数算出ステップの処理により算出された前記逆数を、前記逆数が対応する前記デジタル信号の信号レベルに乗算する乗算ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。 - デジタル信号の振幅レベルの変動を抑制する処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
前記デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、
前記平均値算出ステップの処理により算出された前記平均値の逆数を算出する逆数算出ステップと、
前記逆数算出ステップの処理により算出された前記逆数を、前記逆数が対応する前記デジタル信号の信号レベルに乗算する乗算ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - デジタル信号の振幅レベルの変動を抑制する信号処理装置において、
前記デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記平均値算出手段により算出された前記平均値で、前記平均値が対応する前記デジタル信号の信号レベルを除算する除算手段と
を備えることを特徴とする信号処理装置。 - 前記平均値算出手段は、
前記デジタル信号の信号レベルを絶対値化する絶対値化手段と、
前記絶対値化手段により前記信号レベルが絶対値化された前記デジタル信号より、前記デジタル信号の前記平均値を抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記抽出手段は、一次IIRローパスフィルタである
ことを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。 - デジタル信号の振幅レベルの変動を抑制する信号処理装置の信号処理方法であって、
前記デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、
前記平均値算出ステップの処理により算出された前記平均値で、前記平均値が対応する前記デジタル信号の信号レベルを除算する除算ステップと
を含むことを特徴とする信号処理方法。 - デジタル信号の振幅レベルの変動を抑制する処理を、コンピュータに行わせるプログラムであって、
前記デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、
前記平均値算出ステップの処理により算出された前記平均値で、前記平均値が対応する前記デジタル信号の信号レベルを除算する除算ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。 - デジタル信号の振幅レベルの変動を抑制する処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
前記デジタル信号の信号レベルの絶対値の平均値を算出する平均値算出ステップと、
前記平均値算出ステップの処理により算出された前記平均値で、前記平均値が対応する前記デジタル信号の信号レベルを除算する除算ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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A521 | Written amendment |
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