JP2004241971A - 補間画素データ作成方法およびその装置 - Google Patents
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- G06T3/00—Geometric image transformation in the plane of the image
- G06T3/40—Scaling the whole image or part thereof
- G06T3/403—Edge-driven scaling
Abstract
【課題】解像度変換やサイズ変換に伴う画像のギザギザやエッジぼけを緩和すると同時に、使用者が画像の鮮鋭度を調整できるようにする。
【解決手段】使用者が画像の拡大率と画像の鮮鋭度に関するパラメータ値thを設定する。補間係数演算手段20は、原画素x0,x1に対する補間画素y0の相対位置に対応した補間係数aを求める。画素値差演算手段24は原画素x0,x1の画素値差Δを求める。補間係数変換関数傾き値設定手段26は鮮鋭度パラメータ値thに応じて特性が変更される変換関数傾きパラメータ値指示関数により、画素値差Δに応じて、傾きに関するパラメータ値αを指示する。補間係数変換手段22は、傾きに関するパラメータ値αに応じて補間係数変換関数の中央の区間A0の傾きを設定し、補間係数aを変換補間係数a’に変換する。線形補間演算手段18は変換補間係数a’を用いた線形補間演算により補間画素y0の画素値データを求める。
【選択図】 図1
【解決手段】使用者が画像の拡大率と画像の鮮鋭度に関するパラメータ値thを設定する。補間係数演算手段20は、原画素x0,x1に対する補間画素y0の相対位置に対応した補間係数aを求める。画素値差演算手段24は原画素x0,x1の画素値差Δを求める。補間係数変換関数傾き値設定手段26は鮮鋭度パラメータ値thに応じて特性が変更される変換関数傾きパラメータ値指示関数により、画素値差Δに応じて、傾きに関するパラメータ値αを指示する。補間係数変換手段22は、傾きに関するパラメータ値αに応じて補間係数変換関数の中央の区間A0の傾きを設定し、補間係数aを変換補間係数a’に変換する。線形補間演算手段18は変換補間係数a’を用いた線形補間演算により補間画素y0の画素値データを求める。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、原画像を解像度変換またはサイズ変換(倍率変換)するに際し、原画素の画素値データから補間画素の画素値データを作成する方法およびその装置に関し、簡易な構成で解像度変換やサイズ変換に伴う画像のギザギザやエッジぼけを緩和するとともに、使用者が画像の鮮鋭度を調整できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
画像の大きさを変えずに画像の解像度を変える場合や、画像の解像度を変えずに画像の大きさを変える場合等に、補間処理を伴う解像度変換やサイズ変換が必要となる。例えば固定画素タイプのプロジェクターにおいては、画像を拡大して表示する場合に、精細度を確保するために、補間処理により画素数が増加される。従来の典型的な補間方法(補間画素の画素値を決定する方法)としては、最近傍法、線形補間法、3次畳み込み内挿法等があった。最近傍法は補間画素の位置に最も近い原画素の画素値を該補間画素の画素値として割り当てるものである。線形補間法は補間画素の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素の位置間で該2個の原画素の画素値を線形に変化させる特性を用いて、該2個の原画素に対する該補間画素の相対位置に応じて、該線形特性を満たす画素値を該補間画素の画素値として割り当てるものである。3次畳み込み内挿法は、補間画素の周囲の16個の原画像の画素値を用いて、3次畳み込み関数を用いて補間画素の画素値を求めるものである。最近傍法は最も簡単な手法であるが、画像にギザギザが生じ画質が悪化する。線形補間法は平滑な画像が得られるが、エッジぼけが生じる。3次畳み込み内挿法は平滑でかつエッジぼけの少ない画像が得られるが、演算量が多くハードウエア化には向かない。
【0003】
改良された補間方法として、以下の先行技術が存在する。
特許文献1記載の技術:最近傍法と線形補間法の中間の補間特性を用いることにより、エッジぼけを緩和する。
【0004】
特許文献2記載の技術:画素の濃度勾配(微分係数)を求めてエッジか否かを判定し、エッジの場合はエッジの傾きを保存しつつ補間し、エッジでない場合は線形補間することにより、エッジぼけを緩和する。
【0005】
特許文献3記載の技術:隣接画素間のレベル差を検出してエッジの有無を判定し、エッジの場合、エッジ成分(斜めエッジ、縦エッジ、横エッジ)を検出し、エッジ成分を損なう要因になり得る画素の重み付けを、検出したエッジと生成される画素の空間位置にもとづき適応的に変えて画素変換を行なうことにより、エッジぼけを緩和する。
【0006】
特許文献4記載の技術:隣接画素間のレベル差が小さいときは線形補間して滑らかな画像にし、レベル差が大きいときはいずれかの周辺画素に近づけることによりエッジを保存する。
【0007】
特許文献5記載の技術:画像種類(平坦部、エッジ部等)を判定し、それぞれにふさわしい補間処理を施すことにより、ボケ、画質の悪化を防止する。
【0008】
特許文献6記載の技術:平坦部では補間関数の寄与率を上げ滑らかな画像とし、エッジ部では補間関数の寄与率を下げてぼけを防止する。
【0009】
特許文献7記載の技術:補間画素と周囲画素との位置関係に応じて補間方法を切り換える。すなわち、補間画素が特定の周囲画素に近ければその周囲画素の画素値をその補間画素の画素値として割り当てる。補間画素が複数の周囲画素から比較的均等な位置にあるときは、その複数の周囲画素の画素値を補間した画素値をその補間画素の画素値として割り当てる。
【0010】
特許文献8記載の技術:画像データの解像度を補間によって変換する画像処理方法において、前記画像データの隣接画素濃度差を比較し、該隣接画像濃度差が所定閾値以下のときは線形補間し、該隣接画像濃度差が前記所定閾値より大きいときは、最隣接補間する。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−284334号公報
【特許文献2】
特開平8−305843号公報
【特許文献3】
特開2001−8037号公報
【特許文献4】
特開平10−164358号公報
【特許文献5】
特開平10−248012号公報
【特許文献6】
特開平11−331565号公報
【特許文献7】
特開2000−253235号公報
【特許文献8】
特開平10−191058号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、画像のギザギザやエッジぼけを緩和する技術は様々提案されているが、得られる改善効果が予め定まっており、使用者が画像の鮮鋭度を自己の好みに応じて調整することはできなかった。
【0013】
この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、簡易な構成で解像度変換やサイズ変換に伴う画像のギザギザやエッジぼけを緩和するとともに、使用者が画像の鮮鋭度を調整できるようにした補間画素データ作成方法およびその装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下のとおりである。なお、カッコ書きした符号、記号、図面番号は、後述する実施の形態の対応する内容を示す。
【0015】
この発明の補間画素データ作成方法は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、補間画素(y0)の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(y0)の相対位置に応じて該補間画素(y0)の画素値を該2個の原画素(x0,x1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて、該補間画素(y0)の画素値データを作成する方法であって、前記補間関数(図8)が、前記2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(y0)の相対位置に応じて該補間画素(y0)の画素値を該2個の原画素(x0,x1)の画素値を両端値として線形に変化させる中央の区間(B0)と、該中央の区間(B0)の一方端に続くその外側で該補間画素(y0)の画素値を該一方端側の原画素(x0)の画素値に保持する一方端側の区間(B1)と、前記中央の区間(B0)の他方端に続くその外側で該補間画素(y0)の画素値を該他方端側の原画素(x1)の画素値に保持する他方端側の区間(B2)とを有する特性に設定されたものであり、使用者の操作により画像の鮮鋭度に関するパラメータ値(th)を指示する工程と、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)と前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)との組み合わせに応じて前記補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを設定するものであって、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が同じときは、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が相対的に小さいときは前記補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを相対的に長く設定し、該2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が相対的に大きいときは該補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを相対的に短く設定し、該2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が同じときは、鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が相対的に高い鮮鋭度を指示するときは前記補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを相対的に短く設定し、該鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が相対的に低い鮮鋭度を指示するときは該中央の区間(B0)の長さを相対的に長く設定する工程と、該特性が設定された補間関数(図8)を用いて前記補間画素(y0)の画素値データを作成する工程とを具備してなるものである。
【0016】
この発明によれば、画素値差(Δ)が相対的に小さいときは補間関数(図8)の中央の区間(B0)の長さを相対的に長く設定し、画素値差(Δ)が相対的に大きいときは補間関数(図8)の中央の区間(B0)の長さを相対的に短く設定するようにしたので、非エッジ部分で画像のギザギザが緩和され、エッジ部分でぼけが防止される。また、鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が相対的に高い鮮鋭度を指示するときは補間関数(図8)の中央の区間(B0)の長さを相対的に短く設定し、鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が相対的に低い鮮鋭度を指示するときは該中央の区間(B0)の長さを相対的に長く設定するようにしたので、使用者が画像の鮮鋭度を調整することができる。また、3次畳み込み内挿法に比べて演算量が少なくて済むので簡易に実現でき、ハードウエア化が容易である。
【0017】
この補間画素データ作成方法においては、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が所定値以上(例えば最大値)のときに、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)にかかわらず、常に前記補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを零にして、該補間関数(図8)の全区間に前記一方端側の区間(B1)と前記他方端側の区間(B2)を2分して割り当てるようにすることができる。また、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が所定値以下のときに、前記補間関数(図8)の前記一方端側の区間(B1)および前記他方端側の区間(B2)の長さをともに零にして、該補間関数(図8)の全区間に前記中央の区間(B0)を割り当てるようにすることができる。前記補間関数(図8)は、前記補間画素(y0)の位置が前記2個の原画素(x0,x1)の位置の中央位置のときに、常に該補間画素(y0)の画素値が該2個の原画素(x0,x1)の画素値の中央値をとる特性とすることができる。
【0018】
この発明の補間画素データ作成方法は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、原画素の画素値データから補間画素の画素値データを作成する方法であって、使用者の操作により画像の鮮鋭度に関するパラメータ値(th)を指示する工程と、
【0019】
補間画素(y0)の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(y0)の相対位置に応じた線形補間の補間係数(a)を求める工程と、前記補間係数(a)の最大値および最小値を両端値として該補間係数(a)の値に応じて変換値が線形に変化する中央の区間(A0)と、該中央の区間(A0)の前記最小値側の端部に続くその外側で変換値が該最小値を保持する最小値側の区間(A1)と、前記中央の区間(A0)の前記最大値側の端部に続くその外側で変換値が該最大値を保持する最大値側の区間(A2)とを有する変換特性に設定され、該補間係数(a)を変換補間係数(a’)に変換する補間係数変換関数(図4)を用意する工程と、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)を求める工程と、前記補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きに関するパラメータ値(α)を該求められた画素値差(Δ)に応じて指示する変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)を用意する工程と、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)自身の傾きを設定する工程と、該傾きが設定された変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)から、前記求められた画素値差(Δ)に対応した補間係数変換関数(図4)の傾きに関するパラメータ指示値(α)を求めて、該補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きを該傾きに関するパラメータ指示値(α)に応じた値に設定する工程と、該中央の区間(A0)の傾きが設定された補間係数変換関数(図4)から、前記求められた補間係数(a)に対応した変換補間係数(a’)を求める工程と、該求められた変換補間係数(a’)を線形補間の補間係数として用いて、線形補間演算により前記補間画素(y0)の画素値データを求める工程とを具備してなるものである。
【0020】
この補間画素データ作成方法においては、前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)が、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が所定値以上(例えば最大値)のときに、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)にかかわらず、常に前記補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の長さを零にして、該補間係数変換関数(図4)の全区間に前記最小値側の区間(A1)および前記最大値側の区間(A2)を2分して割り当てる内容に相当する傾きに関するパラメータ値(α)を指示する特性を有するものとすることができる。また、前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)が、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が所定値以下のときに、前記補間係数変換関数(図4)の前記最小値側の区間(A1)および前記最大値側の区間(A2)の長さをともに零にして、該前記補間係数変換関数(図4)の全区間に前記中央の区間(A0)を割り当てる内容に相当する傾きに関するパラメータ値(α)を指示する特性を有するものとすることができる。また、前記補間係数変換関数(図4)は、前記補間係数(a)がその最大値と最小値の中央値のときに、該補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きにかかわらず、常に前記変換補間係数(a’)の最大値と最小値の中央値をとる特性とすることができる。また、前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)が、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)に応じて線形に変化する、傾きに関するパラメータ値(α)を指示する関数であり、該変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)は、該傾きに関するパラメータ指示値(α)が最小値から立ち上がるときの前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)の値を前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて変化させ、かつ前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が最大値のときに、該鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)にかかわらず、常に傾きに関するパラメータ指示値(α)が最大値をとる特性を有し、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)自身の傾きを設定する工程が、該傾きに関するパラメータ指示値(α)が最小値から立ち上がるときの前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)の値を前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて変化させることにより実現されるものとすることができる。
【0021】
この発明の補間画素データ作成方法は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、補間画素(z0)の周囲に隣接する4個の原画素(x0,x1,x2,x3)の画素値データから該補間画素(z0)の画素値データを作成する方法であって、前記4個の原画素(x0,x1,x2,x3)のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第1の組の2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(z0)の該方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該2個の原画素(x0,x1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて第1の中間的な補間画素(y0)の画素値データを作成する第1の工程と、前記4個の原画素(x0,x1,x2,x3)のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第2の組の2個の原画素(x2,x3)の位置に対する該補間画素(z0)の該方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該2個の原画素(x2,x3)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて第2の中間的な補間画素(y1)の画素値データを作成する第2の工程と、前記第1、第2の中間的な補間画素(y0,y1)の位置に対する前記補間画素(z0)の水平方向または垂直方向の他方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該第1、第2の中間的な補間画素(y0,y1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて該補間画素(z0)の最終的な補間画素(z0)の画素値データを作成する第3の工程とを具備してなり、これら第1,第2,第3の各工程について、前記いずれかの補間処理を、前記鮮鋭度に関するパラメータ値(th)を指示する工程を共通にして、それぞれ実行して、前記最終的な補間画素(z0)の画素値データを作成するものである。なお、前記原画像がカラー画像である場合には、三原色について個別に前記補間処理を行うことができる。
【0022】
この発明の補間画素データ作成装置は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、原画素の画素値データから補間画素の画素値データを作成する装置であって、使用者の操作により画像の鮮鋭度に関するパラメータ値(th)を指示する鮮鋭度パラメータ値設定手段(16)と、解像度変換比率またはサイズ変換比率に応じて、補間画素(y0)の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(y0)の相対位置を求め、該補間画素(y0)の相対位置に応じた線形補間の補間係数(a)を求める補間係数演算手段(20)と、前記補間係数(a)の最大値および最小値を両端値として該補間係数(a)の値に応じて変換値が線形に変化する中央の区間(A0)と、該中央の区間(A0)の前記最小値側の端部に続くその外側で変換値が該最小値を保持する最小値側の区間(A1)と、前記中央の区間(A0)の前記最大値側の端部に続くその外側で変換値が該最大値を保持する最大値側の区間(A2)とを有する変換特性の補間係数変換関数(図4)が設定され、該補間係数(a)を該補間係数変換関数(図4)で変換補間係数(a’)に変換する補間係数変換手段(22)と、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)を求める画素値差演算手段(24)と、前記補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きに関するパラメータ値(α)を該求められた画素値差(Δ)に応じて指示する変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)が設定され、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて該変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)自身の傾きを設定し、該傾きが設定された変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)から、前記求められた画素値差(Δ)に対応した補間係数変換関数(図4)の傾きに関するパラメータ指示値(α)を求めて、前記補間係数変換手段(22)の前記補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きを該傾きに関するパラメータ指示値(α)に応じた値に設定する補間係数変換関数傾き値設定手段(26)と、該中央の区間(A0)の傾きが設定された補間係数変換関数(図4)を用いて前記補間係数変換手段(22)で前記補間係数(a)を変換して求められた変換補間係数(a’)を線形補間の補間係数として用いて、線形補間演算により前記補間画素(y0)の画素値データを求める線形補間演算手段(18)とを具備してなるものである。
【0023】
この発明の補間画素データ作成装置は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、補間画素(z0)の周囲に隣接する4個の原画素(x0,x1,x2,x3)の画素値データから該補間画素(z0)の画素値データを作成する装置であって、前記4個の原画素(x0,x1,x2,x3)のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第1の組の2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(z0)の該方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該2個の原画素(x0,x1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて第1の中間的な補間画素(y0)の画素値データを作成し、前記4個の原画素(x0,x1,x2,x3)のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第2の組の2個の原画素(x2,x3)の位置に対する該補間画素(z0)の該方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該2個の原画素(x2,x3)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて第2の中間的な補間画素(y1)の画素値データを作成する第1の補間回路(12)と、前記第1、第2の中間的な補間画素(y0,y1)の位置に対する前記補間画素(z0)の水平方向または垂直方向の他方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該第1、第2の中間的な補間画素(y0,y1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて該補間画素(z0)の最終的な補間画素(z0)の画素値データを作成する第2の補間回路(14)とを具備してなり、これら第1,第2の補間回路(14)が、それぞれ前記補間処理構成を、前記鮮鋭度パラメータ値設定手段(16)を共有して具備してなるものである。なお、前記原画像がカラー画像である場合は、三原色について個別に前記第1,第2の補間回路(14)(鮮鋭度パラメータ値設定手段(16)は共通)を用意することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を説明する。ここでは、この発明を、プロジェクターにおいて画像を拡大(サイズ変換)する際の補間処理に適用した場合について説明する。図2は、補間画素データ作成装置の実施の形態の全体構成を示す。この補間画素データ作成装置は、図3に示す内容の補間処理を実行する。すなわち、原画像を解像度を変ることなく拡大する拡大率(サイズ変換比率)に応じて定まる補間画素z0の位置に応じて、補間画素z0の周囲に隣接する(補間画素z0を領域内に含む最小単位の正方形または長方形の4つの頂点に位置する)4個の原画素x0,x1,x2,x3の画素値データから補間画素z0の画素値データを作成する。具体的には、4個の原画素x0,x1,x2,x3のうち水平方向に隣接する第1の組の2個の原画素x0,x1に対する補間画素z0の該方向の相対位置{a:1−a、aは水平方向の補間係数(補間の重み付け係数)で0≦a≦1}に応じて補間画素z0の画素値を2個の原画素x0,x1の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて第1の中間的な補間画素y0の画素値データを作成する。次いで、4個の原画素x0,x1,x2,x3のうち水平方向に隣接する第2の組の2個の原画素x2,x3に対する補間画素z0の該方向の相対位置(a:1−a)に応じて補間画素z0の画素値を2個の原画素x2,x3の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて第2の中間的な補間画素y1の画素値データを作成する。さらに、第1、第2の中間的な補間画素y0,y1に対する補間画素z0の垂直方向の相対位置{b:b−1、bは垂直方向の補間係数(補間の重み付け係数)で0≦b≦1}に応じて補間画素z0の画素値を第1、第2の中間的な補間画素y0,y1の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて補間画素z0の最終的な画素値データを作成する。図2の補間画素データ作成装置は、以上の補間処理を1枚の画像を構成する画素について順次実行して原画像を所定の拡大率で拡大した1枚の画像を作成して出力し、さらにこの補間処理を各枚の画像ごとに順次繰り返す。なお、従来の線形補間法によれば、補間画素z0の画素値は、
z0=(1−b)*{(1−a)*x0+a*x1}+b*{(1−a)*x2+a*x3}
として求まる。
【0025】
図2の補間画素データ作成装置において、原画像データは入力端10から入力され、水平方向補間回路12に供給される。水平方向補間回路12は、補間画素z0の周囲に隣接する4個の原画素x0,x1,x2,x3の画素値データに基づき、第1、第2の中間的な補間画素y0,y1の画素値データを作成する。垂直方向補間回路14は、第1、第2の中間的な補間画素y0,y1の画素値データに基づき、補間画素z0の最終的な画素値データを作成し、出力端13から出力する。画像サイズ設定手段15は、使用者の操作により画像のサイズ(サイズ変換比率)を設定する。鮮鋭度パラメータ値設定手段16は、使用者の操作により画像の鮮鋭度(シャープネス)に関するパラメータ値thを設定する。
【0026】
水平方向補間回路12の構成例を図1に示す。なお、垂直方向補間回路14もこれと同様に構成される。原画像データは入力端10から入力され、線形補間演算手段18で所定の線形補間演算が施されて中間的な補間画素y0,y1の画素値データが作成される。2個の原画素x0,x1の画素値データから中間的な補間画素y0の画素値データを作成する場合について説明する。補間係数演算手段20は、使用者の操作により指示されたサイズ変換比率に応じて、解像度を変えずに画像のサイズを指示された大きさに拡大するのに必要な、2個の原画素x0,x1に対する補間画素y0の相対位置を求め、該相対位置に応じた線形補間の補間係数aを求める。
【0027】
補間係数変換手段22は補間係数aを変換補間係数a’(0≦a’≦1)に変換するもので、図4に示す補間係数変換関数が設定されている。この補間係数変換関数は、最大値1および最小値0を両端値として補間係数aの値に応じて変換値が線形に変化する中央の区間A0と、中央の区間A0の最小値側の端部に続くその外側で変換値が最小値0を保持する最小値側の区間A1と、中央の区間A0の最大値側の端部に続くその外側で変換値が最大値1を保持する最大値側の区間A2とを有する変換特性に設定されている。中央の区間A0の傾きは、a=0.5,a’=0.5の点を軸として、後述する傾きに関するパラメータ(以下「傾きパラメータ」)値α(0≦α≦1)の指示値に応じて可変され、それに応じて、中央の区間A0およびその両側の区間A1,A2の長さ(A1=A2)が相補的に可変される。傾きパラメータ指示値αが最小値0のときは、区間A1,A2の長さはともに0となり、全区間に中央の区間A0が割り当てられ、線形補間法の補間特性となる。また、傾きパラメータ指示値αが最大値1のときは、中央の区間A0の長さが0となり、全区間に区間A1,A2が2分して割り当てられ、最近傍法の補間特性になる。なお、a、a’、αの関係は次式で表される。
a’={a/(1−α)}+{α/(α−1)}/2 (0≦α<1で区間A0のとき)
a’=0 (0<α<1で区間A1のとき、および、α=1で0≦a<0.5のとき)
a’=1 (0<α<1で区間A2のとき、および、α=1で0.5≦a≦1のとき)
【0028】
画素値差演算手段24は2個の原画素x0,x1の画素値差の絶対値を、その最大値を1として正規化した値Δ(例えば画素値の分解能が8ビットであれば、画素値差が0でΔ=0、画素値差が255でΔ=1)として求める。
【0029】
補間係数変換関数傾き値設定手段26は、求められた画素値差Δに応じて補間係数変換関数(図4)の中央の区間A0の傾きパラメータ値αを指示するもので、図5に示す変換関数傾きパラメータ値指示関数が設定されている。この変換関数傾きパラメータ値指示関数は、画素値差Δに応じて線形に変化する、傾きパラメータ値αを指示する関数であり、該パラメータ値αが最小値0から立ち上がるときの画素値差Δの値が、鮮鋭度に関するパラメータ(以下「鮮鋭度パラメータ」)指示値thによって指示される。鮮鋭度パラメータ指示値th(0≦th≦1)は、使用者による鮮鋭度(シャープネス)指示操作によって設定される。鮮鋭度の指示内容と鮮鋭度パラメータ指示値thとの関係を図6に示す。これによれば、高い鮮鋭度が指示されるほど鮮鋭度パラメータ指示値thは低くなり(thの最小値=0)、低い鮮鋭度が指示されるほど鮮鋭度パラメータ指示値thは高くなる(thの最大値=1)。
【0030】
図5の変換関数傾きパラメータ値指示関数自身の傾きはΔ=1、α=1の点を軸として、鮮鋭度パラメータ指示値thに応じて可変され、その結果、α=0を保持する(すなわち線形補間法の補間特性をとる)画素値差Δの範囲が可変される。特に、th=1のときは、0≦Δ<1のときα=0、Δ=1のときα=1となり、画素値差Δが最大値1のときのみ最近傍法の補間特性となり、それ以外は線形補間法の補間特性となる。補間係数変換関数傾き値設定手段26は、鮮鋭度パラメータ指示値thによって傾きが設定された変換関数傾きパラメータ値指示関数(図5)から、前記求められた画素値差Δに対応した傾きパラメータ指示値αを求めて、補間係数変換手段22の補間係数変換関数(図4)の中央の区間A0の傾きを、該傾きパラメータ指示値αに応じた値に設定する。
【0031】
補間係数変換手段22は、特性が設定された補間係数変換関数(図4)を用いて、補間係数aを変換補間係数a’に変換する。線形補間演算手段18は、次式の線形補間演算により、補間画素(y0)の画素値データを求める。
y0=(1−a’)*x0+a’*x1
【0032】
図7はこの線形補間演算式による補間関数を示したものである。この補間関数は変換補間係数a’に対する補間関数であり、変換前の補間係数aに対する補間関数は図8に示すようになる。すなわち、図8の補間関数は2個の原画素x0,x1の位置に対する該補間画素y0の相対位置に応じて補間画素y0の画素値を、2個の原画素x0,x1の画素値を両端値として線形に変化させる中央の区間B0と、中央の区間B0の一方端に続くその外側で補間画素y0の画素値を一方端側の原画素x0の画素値に保持する一方端側の区間B1と、中央の区間B0の他方端に続くその外側で補間画素y0の画素値を他方端側の原画素x1の画素値に保持する他方端側の区間B2とを有する特性に設定されている。中央の区間B0の傾きは、a=0.5,y0=(x0+x1)/2の点を軸として、傾きパラメータ値αの指示値に応じて可変され、それに応じて、中央の区間B0およびその両側の区間B1,B2の長さ(B1=B2)が相補的に可変される。傾きパラメータ指示値αが最小値0のときは、区間B1,B2の長さはともに0となり、全区間に中央の区間B0が割り当てられ、線形補間法の補間特性となる。また、傾きパラメータ指示値αが最大値1のときは、中央の区間B0の長さが0となり、全区間に区間B1,B2が2分して割り当てられ、最近傍法の補間特性になる。
【0033】
図9は、以上のように各特性を設定した場合の、画素値差Δと鮮鋭度パラメータ指示値thの関係による補間特性の変化と、それに伴う補間画素値の変化を示したものである。2個の原画素x0,x1の画素値差Δと、原画素x0,x1に対する補間画素y0の相対位置は変わらないものとする。(a)はΔ≦thの場合である。このとき、α=0が指示されて、線形補間法の補間特性となり、滑らかな画像が得られる。この(a)の状態は、鮮鋭度パラメータ指示値thを大きくするほど得られやすくなる。(b)はth<Δの場合である。このとき、0<α<1が指示されて、線形補間法と最近傍法の中間の補間特性となり、(a)の線形補間法よりもシャープな画像が得られる。この(b)の状態は、鮮鋭度パラメータ指示値thを小さくするほど得られやすくなる。(c)はΔ=1(最大画素値差)の場合である。このとき、鮮鋭度パラメータ指示値thにかかわらず常にα=1が指示されて、最近傍法の補間特性となり、最もシャープな画像となり、エッジが保存(エッジぼけが防止)される。
【0034】
以上、2個の原画素x0,x1の画素値データから中間的な補間画素y0の画素値データを作成する処理について説明したが、2個の原画素x2,x3の画素値データから中間的な補間画素y1の画素値データを作成する処理、および中間的な補間画素y0,y1の画素値データから最終的な補間画素z0の画素値データを作成する処理もこれと同様にして行われる(鮮鋭度パラメータ指示値thは各処理に共通に用いられる。)。
【0035】
各補間回路12,14を図1のように構成した場合の、図2の補間画素データ作成装置による補間処理の一連の手順を図10を参照して説明する。初期設定として、使用者の操作により画像サイズ設定手段15で画像のサイズ(拡大率)が指示される(S1)。また、使用者による鮮鋭度指示操作により鮮鋭度パラメータ値設定手段16で鮮鋭度パラメータ値thが指示される(S2)。この状態で、画像データを入力すると、水平方向補間回路12にて、2個の原画素x0,x1の画素値データから中間的な補間画素y0の画素値データを作成する処理(S3〜S9)が実行される。すなわち、補間係数演算手段20で、設定された画像の拡大率に基づき、原画素x0,x1に対する中間的な補間画素y0の相対位置が求められ(S3)、該相対位置に対応した線形補間の補間係数aが求められる(S4)。また、画素値差演算手段24で2個の原画素x0,x1の画素値差Δが
Δ=|x1−x0|/画素最大値
として求められる(S5)。補間係数変換関数傾き値設定手段26で鮮鋭度パラメータ指示値thに応じて特性が変更された変換関数傾きパラメータ値指示関数(図5)により、該求められた画素値差Δに対応する傾きパラメータ値αが指示される(S6)。補間係数変換手段22は、指示された傾きパラメータ値αに応じて、補間係数変換関数(図4)の中央の区間A0の傾きを設定し(S7)、該補間係数変換関数を用いて、前記求められた補間係数aを変換補間係数a’に変換する(S8)。線形補間演算手段18は変換補間係数a’を用いた線形補間演算{y0=(1−a’)*x0+a’*x1}により中間的な補間画素y0の画素値データを求める(S9)。次いで、水平方向補間回路12にて、同様の処理より、原画素x2,x3に対する中間的な補間画素y1の画素値データが求められる(S10)。さらに、垂直方向補間回路14にて、同様の処理より、中間的な補間画素y0,y1の画素値データから最終的な補間画素z0の画素値データが求められる(S11)。
【0036】
なお、上記実施の形態では、モノクロ画像の場合について説明したが、カラー画像の場合は、図11に示すように、三原色{R(赤)、G(緑)、B(青)}の画像データごとに、図2の水平方向補間回路12および垂直方向補間回路14の縦列接続回路を並列に設けるとともに、これら3系統で画像サイズ設定手段15および鮮鋭度パラメータ値設定手段16を共用して処理することができる。また、上記実施の形態では、はじめに水平方向の補間処理を行って2個の中間的な補間画素の画素値データを作成し、次いで該2個の中間的な補間画素の画素値データについて垂直方向の補間処理を行って最終的な補間画素z0の画素値データを作成するようにしたが、これとは逆に、はじめに垂直方向の補間処理を行って2個の中間的な補間画素の画素値データを作成し、次いで該2個の中間的な補間画素の画素値データについて水平方向の補間処理を行って最終的な補間画素z0の画素値データを作成することもできる。また、図2のように補間回路を水平方向用と垂直方向用で別々に用意するほか、1つの補間回路を水平方向用と垂直方向用で共用することもできる。また、補間処理はハードウェアで実現するほかソフトウェアで実現することもできる。また、前記実施の形態では、プロジェクターにおいて画像を拡大する場合について説明したが、画像を縮小する場合や解像度を変更する場合にも、またプロジェクター以外のディスプレー装置にもこの発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の補間回路12,14の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】この発明の補間画素データ作成装置をプロジェクターに適用した実施の形態の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2の補間画素データ作成装置による補間処理の内容を説明する模式図である。
【図4】図1の補間係数変換手段22に設定される補間係数変換関数を示す線図である。
【図5】図1の補間係数変換関数傾き値設定手段26設定される変換関数傾きパラメータ値指示関数を示す線図である。
【図6】鮮鋭度の指示内容と図2の鮮鋭度パラメータ値設定手段16から出力される鮮鋭度パラメータ指示値thとの関係を示す線図である。
【図7】図1の線形補間演算手段18に設定される補間関数を示す線図である。
【図8】図7の補間関数を補間係数aに対する関数として表した線図である。
【図9】図1の補間回路における、画素値差Δと鮮鋭度パラメータ指示値thの関係による補間特性の変化と、それに伴う補間画素値の変化を示す線図である。
【図10】図2の補間画素データ作成装置による補間処理の一連の手順を示すフローチャートである。
【図11】図2の構成を利用してカラー画像用に構成した補間画素データ作成装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
12…水平方向補間回路、14…垂直方向補間回路、15…画像サイズ設定手段、16…鮮鋭度パラメータ値設定手段、18…線形補間演算手段、20…補間係数演算手段、22…補間係数変換手段、24…画素値差演算手段、26…補間係数変換関数傾き値設定手段。
【発明の属する技術分野】
この発明は、原画像を解像度変換またはサイズ変換(倍率変換)するに際し、原画素の画素値データから補間画素の画素値データを作成する方法およびその装置に関し、簡易な構成で解像度変換やサイズ変換に伴う画像のギザギザやエッジぼけを緩和するとともに、使用者が画像の鮮鋭度を調整できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
画像の大きさを変えずに画像の解像度を変える場合や、画像の解像度を変えずに画像の大きさを変える場合等に、補間処理を伴う解像度変換やサイズ変換が必要となる。例えば固定画素タイプのプロジェクターにおいては、画像を拡大して表示する場合に、精細度を確保するために、補間処理により画素数が増加される。従来の典型的な補間方法(補間画素の画素値を決定する方法)としては、最近傍法、線形補間法、3次畳み込み内挿法等があった。最近傍法は補間画素の位置に最も近い原画素の画素値を該補間画素の画素値として割り当てるものである。線形補間法は補間画素の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素の位置間で該2個の原画素の画素値を線形に変化させる特性を用いて、該2個の原画素に対する該補間画素の相対位置に応じて、該線形特性を満たす画素値を該補間画素の画素値として割り当てるものである。3次畳み込み内挿法は、補間画素の周囲の16個の原画像の画素値を用いて、3次畳み込み関数を用いて補間画素の画素値を求めるものである。最近傍法は最も簡単な手法であるが、画像にギザギザが生じ画質が悪化する。線形補間法は平滑な画像が得られるが、エッジぼけが生じる。3次畳み込み内挿法は平滑でかつエッジぼけの少ない画像が得られるが、演算量が多くハードウエア化には向かない。
【0003】
改良された補間方法として、以下の先行技術が存在する。
特許文献1記載の技術:最近傍法と線形補間法の中間の補間特性を用いることにより、エッジぼけを緩和する。
【0004】
特許文献2記載の技術:画素の濃度勾配(微分係数)を求めてエッジか否かを判定し、エッジの場合はエッジの傾きを保存しつつ補間し、エッジでない場合は線形補間することにより、エッジぼけを緩和する。
【0005】
特許文献3記載の技術:隣接画素間のレベル差を検出してエッジの有無を判定し、エッジの場合、エッジ成分(斜めエッジ、縦エッジ、横エッジ)を検出し、エッジ成分を損なう要因になり得る画素の重み付けを、検出したエッジと生成される画素の空間位置にもとづき適応的に変えて画素変換を行なうことにより、エッジぼけを緩和する。
【0006】
特許文献4記載の技術:隣接画素間のレベル差が小さいときは線形補間して滑らかな画像にし、レベル差が大きいときはいずれかの周辺画素に近づけることによりエッジを保存する。
【0007】
特許文献5記載の技術:画像種類(平坦部、エッジ部等)を判定し、それぞれにふさわしい補間処理を施すことにより、ボケ、画質の悪化を防止する。
【0008】
特許文献6記載の技術:平坦部では補間関数の寄与率を上げ滑らかな画像とし、エッジ部では補間関数の寄与率を下げてぼけを防止する。
【0009】
特許文献7記載の技術:補間画素と周囲画素との位置関係に応じて補間方法を切り換える。すなわち、補間画素が特定の周囲画素に近ければその周囲画素の画素値をその補間画素の画素値として割り当てる。補間画素が複数の周囲画素から比較的均等な位置にあるときは、その複数の周囲画素の画素値を補間した画素値をその補間画素の画素値として割り当てる。
【0010】
特許文献8記載の技術:画像データの解像度を補間によって変換する画像処理方法において、前記画像データの隣接画素濃度差を比較し、該隣接画像濃度差が所定閾値以下のときは線形補間し、該隣接画像濃度差が前記所定閾値より大きいときは、最隣接補間する。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−284334号公報
【特許文献2】
特開平8−305843号公報
【特許文献3】
特開2001−8037号公報
【特許文献4】
特開平10−164358号公報
【特許文献5】
特開平10−248012号公報
【特許文献6】
特開平11−331565号公報
【特許文献7】
特開2000−253235号公報
【特許文献8】
特開平10−191058号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、画像のギザギザやエッジぼけを緩和する技術は様々提案されているが、得られる改善効果が予め定まっており、使用者が画像の鮮鋭度を自己の好みに応じて調整することはできなかった。
【0013】
この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、簡易な構成で解像度変換やサイズ変換に伴う画像のギザギザやエッジぼけを緩和するとともに、使用者が画像の鮮鋭度を調整できるようにした補間画素データ作成方法およびその装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下のとおりである。なお、カッコ書きした符号、記号、図面番号は、後述する実施の形態の対応する内容を示す。
【0015】
この発明の補間画素データ作成方法は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、補間画素(y0)の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(y0)の相対位置に応じて該補間画素(y0)の画素値を該2個の原画素(x0,x1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて、該補間画素(y0)の画素値データを作成する方法であって、前記補間関数(図8)が、前記2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(y0)の相対位置に応じて該補間画素(y0)の画素値を該2個の原画素(x0,x1)の画素値を両端値として線形に変化させる中央の区間(B0)と、該中央の区間(B0)の一方端に続くその外側で該補間画素(y0)の画素値を該一方端側の原画素(x0)の画素値に保持する一方端側の区間(B1)と、前記中央の区間(B0)の他方端に続くその外側で該補間画素(y0)の画素値を該他方端側の原画素(x1)の画素値に保持する他方端側の区間(B2)とを有する特性に設定されたものであり、使用者の操作により画像の鮮鋭度に関するパラメータ値(th)を指示する工程と、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)と前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)との組み合わせに応じて前記補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを設定するものであって、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が同じときは、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が相対的に小さいときは前記補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを相対的に長く設定し、該2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が相対的に大きいときは該補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを相対的に短く設定し、該2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が同じときは、鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が相対的に高い鮮鋭度を指示するときは前記補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを相対的に短く設定し、該鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が相対的に低い鮮鋭度を指示するときは該中央の区間(B0)の長さを相対的に長く設定する工程と、該特性が設定された補間関数(図8)を用いて前記補間画素(y0)の画素値データを作成する工程とを具備してなるものである。
【0016】
この発明によれば、画素値差(Δ)が相対的に小さいときは補間関数(図8)の中央の区間(B0)の長さを相対的に長く設定し、画素値差(Δ)が相対的に大きいときは補間関数(図8)の中央の区間(B0)の長さを相対的に短く設定するようにしたので、非エッジ部分で画像のギザギザが緩和され、エッジ部分でぼけが防止される。また、鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が相対的に高い鮮鋭度を指示するときは補間関数(図8)の中央の区間(B0)の長さを相対的に短く設定し、鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)が相対的に低い鮮鋭度を指示するときは該中央の区間(B0)の長さを相対的に長く設定するようにしたので、使用者が画像の鮮鋭度を調整することができる。また、3次畳み込み内挿法に比べて演算量が少なくて済むので簡易に実現でき、ハードウエア化が容易である。
【0017】
この補間画素データ作成方法においては、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が所定値以上(例えば最大値)のときに、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)にかかわらず、常に前記補間関数(図8)の前記中央の区間(B0)の長さを零にして、該補間関数(図8)の全区間に前記一方端側の区間(B1)と前記他方端側の区間(B2)を2分して割り当てるようにすることができる。また、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が所定値以下のときに、前記補間関数(図8)の前記一方端側の区間(B1)および前記他方端側の区間(B2)の長さをともに零にして、該補間関数(図8)の全区間に前記中央の区間(B0)を割り当てるようにすることができる。前記補間関数(図8)は、前記補間画素(y0)の位置が前記2個の原画素(x0,x1)の位置の中央位置のときに、常に該補間画素(y0)の画素値が該2個の原画素(x0,x1)の画素値の中央値をとる特性とすることができる。
【0018】
この発明の補間画素データ作成方法は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、原画素の画素値データから補間画素の画素値データを作成する方法であって、使用者の操作により画像の鮮鋭度に関するパラメータ値(th)を指示する工程と、
【0019】
補間画素(y0)の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(y0)の相対位置に応じた線形補間の補間係数(a)を求める工程と、前記補間係数(a)の最大値および最小値を両端値として該補間係数(a)の値に応じて変換値が線形に変化する中央の区間(A0)と、該中央の区間(A0)の前記最小値側の端部に続くその外側で変換値が該最小値を保持する最小値側の区間(A1)と、前記中央の区間(A0)の前記最大値側の端部に続くその外側で変換値が該最大値を保持する最大値側の区間(A2)とを有する変換特性に設定され、該補間係数(a)を変換補間係数(a’)に変換する補間係数変換関数(図4)を用意する工程と、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)を求める工程と、前記補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きに関するパラメータ値(α)を該求められた画素値差(Δ)に応じて指示する変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)を用意する工程と、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)自身の傾きを設定する工程と、該傾きが設定された変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)から、前記求められた画素値差(Δ)に対応した補間係数変換関数(図4)の傾きに関するパラメータ指示値(α)を求めて、該補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きを該傾きに関するパラメータ指示値(α)に応じた値に設定する工程と、該中央の区間(A0)の傾きが設定された補間係数変換関数(図4)から、前記求められた補間係数(a)に対応した変換補間係数(a’)を求める工程と、該求められた変換補間係数(a’)を線形補間の補間係数として用いて、線形補間演算により前記補間画素(y0)の画素値データを求める工程とを具備してなるものである。
【0020】
この補間画素データ作成方法においては、前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)が、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が所定値以上(例えば最大値)のときに、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)にかかわらず、常に前記補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の長さを零にして、該補間係数変換関数(図4)の全区間に前記最小値側の区間(A1)および前記最大値側の区間(A2)を2分して割り当てる内容に相当する傾きに関するパラメータ値(α)を指示する特性を有するものとすることができる。また、前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)が、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が所定値以下のときに、前記補間係数変換関数(図4)の前記最小値側の区間(A1)および前記最大値側の区間(A2)の長さをともに零にして、該前記補間係数変換関数(図4)の全区間に前記中央の区間(A0)を割り当てる内容に相当する傾きに関するパラメータ値(α)を指示する特性を有するものとすることができる。また、前記補間係数変換関数(図4)は、前記補間係数(a)がその最大値と最小値の中央値のときに、該補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きにかかわらず、常に前記変換補間係数(a’)の最大値と最小値の中央値をとる特性とすることができる。また、前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)が、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)に応じて線形に変化する、傾きに関するパラメータ値(α)を指示する関数であり、該変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)は、該傾きに関するパラメータ指示値(α)が最小値から立ち上がるときの前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)の値を前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて変化させ、かつ前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)が最大値のときに、該鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)にかかわらず、常に傾きに関するパラメータ指示値(α)が最大値をとる特性を有し、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて前記変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)自身の傾きを設定する工程が、該傾きに関するパラメータ指示値(α)が最小値から立ち上がるときの前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)の値を前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて変化させることにより実現されるものとすることができる。
【0021】
この発明の補間画素データ作成方法は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、補間画素(z0)の周囲に隣接する4個の原画素(x0,x1,x2,x3)の画素値データから該補間画素(z0)の画素値データを作成する方法であって、前記4個の原画素(x0,x1,x2,x3)のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第1の組の2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(z0)の該方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該2個の原画素(x0,x1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて第1の中間的な補間画素(y0)の画素値データを作成する第1の工程と、前記4個の原画素(x0,x1,x2,x3)のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第2の組の2個の原画素(x2,x3)の位置に対する該補間画素(z0)の該方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該2個の原画素(x2,x3)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて第2の中間的な補間画素(y1)の画素値データを作成する第2の工程と、前記第1、第2の中間的な補間画素(y0,y1)の位置に対する前記補間画素(z0)の水平方向または垂直方向の他方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該第1、第2の中間的な補間画素(y0,y1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて該補間画素(z0)の最終的な補間画素(z0)の画素値データを作成する第3の工程とを具備してなり、これら第1,第2,第3の各工程について、前記いずれかの補間処理を、前記鮮鋭度に関するパラメータ値(th)を指示する工程を共通にして、それぞれ実行して、前記最終的な補間画素(z0)の画素値データを作成するものである。なお、前記原画像がカラー画像である場合には、三原色について個別に前記補間処理を行うことができる。
【0022】
この発明の補間画素データ作成装置は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、原画素の画素値データから補間画素の画素値データを作成する装置であって、使用者の操作により画像の鮮鋭度に関するパラメータ値(th)を指示する鮮鋭度パラメータ値設定手段(16)と、解像度変換比率またはサイズ変換比率に応じて、補間画素(y0)の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(y0)の相対位置を求め、該補間画素(y0)の相対位置に応じた線形補間の補間係数(a)を求める補間係数演算手段(20)と、前記補間係数(a)の最大値および最小値を両端値として該補間係数(a)の値に応じて変換値が線形に変化する中央の区間(A0)と、該中央の区間(A0)の前記最小値側の端部に続くその外側で変換値が該最小値を保持する最小値側の区間(A1)と、前記中央の区間(A0)の前記最大値側の端部に続くその外側で変換値が該最大値を保持する最大値側の区間(A2)とを有する変換特性の補間係数変換関数(図4)が設定され、該補間係数(a)を該補間係数変換関数(図4)で変換補間係数(a’)に変換する補間係数変換手段(22)と、前記2個の原画素(x0,x1)の画素値差(Δ)を求める画素値差演算手段(24)と、前記補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きに関するパラメータ値(α)を該求められた画素値差(Δ)に応じて指示する変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)が設定され、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値(th)に応じて該変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)自身の傾きを設定し、該傾きが設定された変換関数傾きパラメータ値(α)指示関数(図5)から、前記求められた画素値差(Δ)に対応した補間係数変換関数(図4)の傾きに関するパラメータ指示値(α)を求めて、前記補間係数変換手段(22)の前記補間係数変換関数(図4)の前記中央の区間(A0)の傾きを該傾きに関するパラメータ指示値(α)に応じた値に設定する補間係数変換関数傾き値設定手段(26)と、該中央の区間(A0)の傾きが設定された補間係数変換関数(図4)を用いて前記補間係数変換手段(22)で前記補間係数(a)を変換して求められた変換補間係数(a’)を線形補間の補間係数として用いて、線形補間演算により前記補間画素(y0)の画素値データを求める線形補間演算手段(18)とを具備してなるものである。
【0023】
この発明の補間画素データ作成装置は、原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、補間画素(z0)の周囲に隣接する4個の原画素(x0,x1,x2,x3)の画素値データから該補間画素(z0)の画素値データを作成する装置であって、前記4個の原画素(x0,x1,x2,x3)のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第1の組の2個の原画素(x0,x1)の位置に対する該補間画素(z0)の該方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該2個の原画素(x0,x1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて第1の中間的な補間画素(y0)の画素値データを作成し、前記4個の原画素(x0,x1,x2,x3)のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第2の組の2個の原画素(x2,x3)の位置に対する該補間画素(z0)の該方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該2個の原画素(x2,x3)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて第2の中間的な補間画素(y1)の画素値データを作成する第1の補間回路(12)と、前記第1、第2の中間的な補間画素(y0,y1)の位置に対する前記補間画素(z0)の水平方向または垂直方向の他方向の相対位置に応じて該補間画素(z0)の画素値を該第1、第2の中間的な補間画素(y0,y1)の画素値を両端値として変化させる補間関数(図8)を用いて該補間画素(z0)の最終的な補間画素(z0)の画素値データを作成する第2の補間回路(14)とを具備してなり、これら第1,第2の補間回路(14)が、それぞれ前記補間処理構成を、前記鮮鋭度パラメータ値設定手段(16)を共有して具備してなるものである。なお、前記原画像がカラー画像である場合は、三原色について個別に前記第1,第2の補間回路(14)(鮮鋭度パラメータ値設定手段(16)は共通)を用意することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を説明する。ここでは、この発明を、プロジェクターにおいて画像を拡大(サイズ変換)する際の補間処理に適用した場合について説明する。図2は、補間画素データ作成装置の実施の形態の全体構成を示す。この補間画素データ作成装置は、図3に示す内容の補間処理を実行する。すなわち、原画像を解像度を変ることなく拡大する拡大率(サイズ変換比率)に応じて定まる補間画素z0の位置に応じて、補間画素z0の周囲に隣接する(補間画素z0を領域内に含む最小単位の正方形または長方形の4つの頂点に位置する)4個の原画素x0,x1,x2,x3の画素値データから補間画素z0の画素値データを作成する。具体的には、4個の原画素x0,x1,x2,x3のうち水平方向に隣接する第1の組の2個の原画素x0,x1に対する補間画素z0の該方向の相対位置{a:1−a、aは水平方向の補間係数(補間の重み付け係数)で0≦a≦1}に応じて補間画素z0の画素値を2個の原画素x0,x1の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて第1の中間的な補間画素y0の画素値データを作成する。次いで、4個の原画素x0,x1,x2,x3のうち水平方向に隣接する第2の組の2個の原画素x2,x3に対する補間画素z0の該方向の相対位置(a:1−a)に応じて補間画素z0の画素値を2個の原画素x2,x3の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて第2の中間的な補間画素y1の画素値データを作成する。さらに、第1、第2の中間的な補間画素y0,y1に対する補間画素z0の垂直方向の相対位置{b:b−1、bは垂直方向の補間係数(補間の重み付け係数)で0≦b≦1}に応じて補間画素z0の画素値を第1、第2の中間的な補間画素y0,y1の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて補間画素z0の最終的な画素値データを作成する。図2の補間画素データ作成装置は、以上の補間処理を1枚の画像を構成する画素について順次実行して原画像を所定の拡大率で拡大した1枚の画像を作成して出力し、さらにこの補間処理を各枚の画像ごとに順次繰り返す。なお、従来の線形補間法によれば、補間画素z0の画素値は、
z0=(1−b)*{(1−a)*x0+a*x1}+b*{(1−a)*x2+a*x3}
として求まる。
【0025】
図2の補間画素データ作成装置において、原画像データは入力端10から入力され、水平方向補間回路12に供給される。水平方向補間回路12は、補間画素z0の周囲に隣接する4個の原画素x0,x1,x2,x3の画素値データに基づき、第1、第2の中間的な補間画素y0,y1の画素値データを作成する。垂直方向補間回路14は、第1、第2の中間的な補間画素y0,y1の画素値データに基づき、補間画素z0の最終的な画素値データを作成し、出力端13から出力する。画像サイズ設定手段15は、使用者の操作により画像のサイズ(サイズ変換比率)を設定する。鮮鋭度パラメータ値設定手段16は、使用者の操作により画像の鮮鋭度(シャープネス)に関するパラメータ値thを設定する。
【0026】
水平方向補間回路12の構成例を図1に示す。なお、垂直方向補間回路14もこれと同様に構成される。原画像データは入力端10から入力され、線形補間演算手段18で所定の線形補間演算が施されて中間的な補間画素y0,y1の画素値データが作成される。2個の原画素x0,x1の画素値データから中間的な補間画素y0の画素値データを作成する場合について説明する。補間係数演算手段20は、使用者の操作により指示されたサイズ変換比率に応じて、解像度を変えずに画像のサイズを指示された大きさに拡大するのに必要な、2個の原画素x0,x1に対する補間画素y0の相対位置を求め、該相対位置に応じた線形補間の補間係数aを求める。
【0027】
補間係数変換手段22は補間係数aを変換補間係数a’(0≦a’≦1)に変換するもので、図4に示す補間係数変換関数が設定されている。この補間係数変換関数は、最大値1および最小値0を両端値として補間係数aの値に応じて変換値が線形に変化する中央の区間A0と、中央の区間A0の最小値側の端部に続くその外側で変換値が最小値0を保持する最小値側の区間A1と、中央の区間A0の最大値側の端部に続くその外側で変換値が最大値1を保持する最大値側の区間A2とを有する変換特性に設定されている。中央の区間A0の傾きは、a=0.5,a’=0.5の点を軸として、後述する傾きに関するパラメータ(以下「傾きパラメータ」)値α(0≦α≦1)の指示値に応じて可変され、それに応じて、中央の区間A0およびその両側の区間A1,A2の長さ(A1=A2)が相補的に可変される。傾きパラメータ指示値αが最小値0のときは、区間A1,A2の長さはともに0となり、全区間に中央の区間A0が割り当てられ、線形補間法の補間特性となる。また、傾きパラメータ指示値αが最大値1のときは、中央の区間A0の長さが0となり、全区間に区間A1,A2が2分して割り当てられ、最近傍法の補間特性になる。なお、a、a’、αの関係は次式で表される。
a’={a/(1−α)}+{α/(α−1)}/2 (0≦α<1で区間A0のとき)
a’=0 (0<α<1で区間A1のとき、および、α=1で0≦a<0.5のとき)
a’=1 (0<α<1で区間A2のとき、および、α=1で0.5≦a≦1のとき)
【0028】
画素値差演算手段24は2個の原画素x0,x1の画素値差の絶対値を、その最大値を1として正規化した値Δ(例えば画素値の分解能が8ビットであれば、画素値差が0でΔ=0、画素値差が255でΔ=1)として求める。
【0029】
補間係数変換関数傾き値設定手段26は、求められた画素値差Δに応じて補間係数変換関数(図4)の中央の区間A0の傾きパラメータ値αを指示するもので、図5に示す変換関数傾きパラメータ値指示関数が設定されている。この変換関数傾きパラメータ値指示関数は、画素値差Δに応じて線形に変化する、傾きパラメータ値αを指示する関数であり、該パラメータ値αが最小値0から立ち上がるときの画素値差Δの値が、鮮鋭度に関するパラメータ(以下「鮮鋭度パラメータ」)指示値thによって指示される。鮮鋭度パラメータ指示値th(0≦th≦1)は、使用者による鮮鋭度(シャープネス)指示操作によって設定される。鮮鋭度の指示内容と鮮鋭度パラメータ指示値thとの関係を図6に示す。これによれば、高い鮮鋭度が指示されるほど鮮鋭度パラメータ指示値thは低くなり(thの最小値=0)、低い鮮鋭度が指示されるほど鮮鋭度パラメータ指示値thは高くなる(thの最大値=1)。
【0030】
図5の変換関数傾きパラメータ値指示関数自身の傾きはΔ=1、α=1の点を軸として、鮮鋭度パラメータ指示値thに応じて可変され、その結果、α=0を保持する(すなわち線形補間法の補間特性をとる)画素値差Δの範囲が可変される。特に、th=1のときは、0≦Δ<1のときα=0、Δ=1のときα=1となり、画素値差Δが最大値1のときのみ最近傍法の補間特性となり、それ以外は線形補間法の補間特性となる。補間係数変換関数傾き値設定手段26は、鮮鋭度パラメータ指示値thによって傾きが設定された変換関数傾きパラメータ値指示関数(図5)から、前記求められた画素値差Δに対応した傾きパラメータ指示値αを求めて、補間係数変換手段22の補間係数変換関数(図4)の中央の区間A0の傾きを、該傾きパラメータ指示値αに応じた値に設定する。
【0031】
補間係数変換手段22は、特性が設定された補間係数変換関数(図4)を用いて、補間係数aを変換補間係数a’に変換する。線形補間演算手段18は、次式の線形補間演算により、補間画素(y0)の画素値データを求める。
y0=(1−a’)*x0+a’*x1
【0032】
図7はこの線形補間演算式による補間関数を示したものである。この補間関数は変換補間係数a’に対する補間関数であり、変換前の補間係数aに対する補間関数は図8に示すようになる。すなわち、図8の補間関数は2個の原画素x0,x1の位置に対する該補間画素y0の相対位置に応じて補間画素y0の画素値を、2個の原画素x0,x1の画素値を両端値として線形に変化させる中央の区間B0と、中央の区間B0の一方端に続くその外側で補間画素y0の画素値を一方端側の原画素x0の画素値に保持する一方端側の区間B1と、中央の区間B0の他方端に続くその外側で補間画素y0の画素値を他方端側の原画素x1の画素値に保持する他方端側の区間B2とを有する特性に設定されている。中央の区間B0の傾きは、a=0.5,y0=(x0+x1)/2の点を軸として、傾きパラメータ値αの指示値に応じて可変され、それに応じて、中央の区間B0およびその両側の区間B1,B2の長さ(B1=B2)が相補的に可変される。傾きパラメータ指示値αが最小値0のときは、区間B1,B2の長さはともに0となり、全区間に中央の区間B0が割り当てられ、線形補間法の補間特性となる。また、傾きパラメータ指示値αが最大値1のときは、中央の区間B0の長さが0となり、全区間に区間B1,B2が2分して割り当てられ、最近傍法の補間特性になる。
【0033】
図9は、以上のように各特性を設定した場合の、画素値差Δと鮮鋭度パラメータ指示値thの関係による補間特性の変化と、それに伴う補間画素値の変化を示したものである。2個の原画素x0,x1の画素値差Δと、原画素x0,x1に対する補間画素y0の相対位置は変わらないものとする。(a)はΔ≦thの場合である。このとき、α=0が指示されて、線形補間法の補間特性となり、滑らかな画像が得られる。この(a)の状態は、鮮鋭度パラメータ指示値thを大きくするほど得られやすくなる。(b)はth<Δの場合である。このとき、0<α<1が指示されて、線形補間法と最近傍法の中間の補間特性となり、(a)の線形補間法よりもシャープな画像が得られる。この(b)の状態は、鮮鋭度パラメータ指示値thを小さくするほど得られやすくなる。(c)はΔ=1(最大画素値差)の場合である。このとき、鮮鋭度パラメータ指示値thにかかわらず常にα=1が指示されて、最近傍法の補間特性となり、最もシャープな画像となり、エッジが保存(エッジぼけが防止)される。
【0034】
以上、2個の原画素x0,x1の画素値データから中間的な補間画素y0の画素値データを作成する処理について説明したが、2個の原画素x2,x3の画素値データから中間的な補間画素y1の画素値データを作成する処理、および中間的な補間画素y0,y1の画素値データから最終的な補間画素z0の画素値データを作成する処理もこれと同様にして行われる(鮮鋭度パラメータ指示値thは各処理に共通に用いられる。)。
【0035】
各補間回路12,14を図1のように構成した場合の、図2の補間画素データ作成装置による補間処理の一連の手順を図10を参照して説明する。初期設定として、使用者の操作により画像サイズ設定手段15で画像のサイズ(拡大率)が指示される(S1)。また、使用者による鮮鋭度指示操作により鮮鋭度パラメータ値設定手段16で鮮鋭度パラメータ値thが指示される(S2)。この状態で、画像データを入力すると、水平方向補間回路12にて、2個の原画素x0,x1の画素値データから中間的な補間画素y0の画素値データを作成する処理(S3〜S9)が実行される。すなわち、補間係数演算手段20で、設定された画像の拡大率に基づき、原画素x0,x1に対する中間的な補間画素y0の相対位置が求められ(S3)、該相対位置に対応した線形補間の補間係数aが求められる(S4)。また、画素値差演算手段24で2個の原画素x0,x1の画素値差Δが
Δ=|x1−x0|/画素最大値
として求められる(S5)。補間係数変換関数傾き値設定手段26で鮮鋭度パラメータ指示値thに応じて特性が変更された変換関数傾きパラメータ値指示関数(図5)により、該求められた画素値差Δに対応する傾きパラメータ値αが指示される(S6)。補間係数変換手段22は、指示された傾きパラメータ値αに応じて、補間係数変換関数(図4)の中央の区間A0の傾きを設定し(S7)、該補間係数変換関数を用いて、前記求められた補間係数aを変換補間係数a’に変換する(S8)。線形補間演算手段18は変換補間係数a’を用いた線形補間演算{y0=(1−a’)*x0+a’*x1}により中間的な補間画素y0の画素値データを求める(S9)。次いで、水平方向補間回路12にて、同様の処理より、原画素x2,x3に対する中間的な補間画素y1の画素値データが求められる(S10)。さらに、垂直方向補間回路14にて、同様の処理より、中間的な補間画素y0,y1の画素値データから最終的な補間画素z0の画素値データが求められる(S11)。
【0036】
なお、上記実施の形態では、モノクロ画像の場合について説明したが、カラー画像の場合は、図11に示すように、三原色{R(赤)、G(緑)、B(青)}の画像データごとに、図2の水平方向補間回路12および垂直方向補間回路14の縦列接続回路を並列に設けるとともに、これら3系統で画像サイズ設定手段15および鮮鋭度パラメータ値設定手段16を共用して処理することができる。また、上記実施の形態では、はじめに水平方向の補間処理を行って2個の中間的な補間画素の画素値データを作成し、次いで該2個の中間的な補間画素の画素値データについて垂直方向の補間処理を行って最終的な補間画素z0の画素値データを作成するようにしたが、これとは逆に、はじめに垂直方向の補間処理を行って2個の中間的な補間画素の画素値データを作成し、次いで該2個の中間的な補間画素の画素値データについて水平方向の補間処理を行って最終的な補間画素z0の画素値データを作成することもできる。また、図2のように補間回路を水平方向用と垂直方向用で別々に用意するほか、1つの補間回路を水平方向用と垂直方向用で共用することもできる。また、補間処理はハードウェアで実現するほかソフトウェアで実現することもできる。また、前記実施の形態では、プロジェクターにおいて画像を拡大する場合について説明したが、画像を縮小する場合や解像度を変更する場合にも、またプロジェクター以外のディスプレー装置にもこの発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の補間回路12,14の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】この発明の補間画素データ作成装置をプロジェクターに適用した実施の形態の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2の補間画素データ作成装置による補間処理の内容を説明する模式図である。
【図4】図1の補間係数変換手段22に設定される補間係数変換関数を示す線図である。
【図5】図1の補間係数変換関数傾き値設定手段26設定される変換関数傾きパラメータ値指示関数を示す線図である。
【図6】鮮鋭度の指示内容と図2の鮮鋭度パラメータ値設定手段16から出力される鮮鋭度パラメータ指示値thとの関係を示す線図である。
【図7】図1の線形補間演算手段18に設定される補間関数を示す線図である。
【図8】図7の補間関数を補間係数aに対する関数として表した線図である。
【図9】図1の補間回路における、画素値差Δと鮮鋭度パラメータ指示値thの関係による補間特性の変化と、それに伴う補間画素値の変化を示す線図である。
【図10】図2の補間画素データ作成装置による補間処理の一連の手順を示すフローチャートである。
【図11】図2の構成を利用してカラー画像用に構成した補間画素データ作成装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
12…水平方向補間回路、14…垂直方向補間回路、15…画像サイズ設定手段、16…鮮鋭度パラメータ値設定手段、18…線形補間演算手段、20…補間係数演算手段、22…補間係数変換手段、24…画素値差演算手段、26…補間係数変換関数傾き値設定手段。
Claims (12)
- 原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、補間画素の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素の位置に対する該補間画素の相対位置に応じて該補間画素の画素値を該2個の原画素の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて、該補間画素の画素値データを作成する方法であって、
前記補間関数が、前記2個の原画素の位置に対する該補間画素の相対位置に応じて該補間画素の画素値を該2個の原画素の画素値を両端値として線形に変化させる中央の区間と、該中央の区間の一方端に続くその外側で該補間画素の画素値を該一方端側の原画素の画素値に保持する一方端側の区間と、前記中央の区間の他方端に続くその外側で該補間画素の画素値を該他方端側の原画素の画素値に保持する他方端側の区間とを有する特性に設定されたものであり、
使用者の操作により画像の鮮鋭度に関するパラメータ値を指示する工程と、
前記2個の原画素の画素値差と前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値との組み合わせに応じて前記補間関数の前記中央の区間の長さを設定するものであって、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値が同じときは、前記2個の原画素の画素値差が相対的に小さいときは前記補間関数の前記中央の区間の長さを相対的に長く設定し、該2個の原画素の画素値差が相対的に大きいときは該補間関数の前記中央の区間の長さを相対的に短く設定し、該2個の原画素の画素値差が同じときは、鮮鋭度に関するパラメータ指示値が相対的に高い鮮鋭度を指示するときは前記補間関数の前記中央の区間の長さを相対的に短く設定し、該鮮鋭度に関するパラメータ指示値が相対的に低い鮮鋭度を指示するときは該中央の区間の長さを相対的に長く設定する工程と、
該特性が設定された補間関数を用いて前記補間画素の画素値データを作成する工程と
を具備してなる補間画素データ作成方法。 - 前記2個の原画素の画素値差が所定値以上のときに、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値にかかわらず、常に前記補間関数の前記中央の区間の長さを零にして、該補間関数の全区間に前記一方端側の区間と前記他方端側の区間を2分して割り当ててなる請求項1記載の補間画素データ作成方法。
- 前記2個の原画素の画素値差が所定値以下のときに、前記補間関数の前記一方端側の区間および前記他方端側の区間の長さをともに零にして、該補間関数の全区間に前記中央の区間を割り当ててなる請求項1または2記載の補間画素データ作成方法。
- 前記補間関数が、前記補間画素の位置が前記2個の原画素の位置の中央位置のときに、常に該補間画素の画素値が該2個の原画素の画素値の中央値をとる特性である請求項1から3のいずれかに記載の補間画素データ作成方法。
- 原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、原画素の画素値データから補間画素の画素値データを作成する方法であって、
使用者の操作により画像の鮮鋭度に関するパラメータ値を指示する工程と、
補間画素の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素の位置に対する該補間画素の相対位置に応じた線形補間の補間係数を求める工程と、
前記補間係数の最大値および最小値を両端値として該補間係数の値に応じて変換値が線形に変化する中央の区間と、該中央の区間の前記最小値側の端部に続くその外側で変換値が該最小値を保持する最小値側の区間と、前記中央の区間の前記最大値側の端部に続くその外側で変換値が該最大値を保持する最大値側の区間とを有する変換特性に設定され、該補間係数を変換補間係数に変換する補間係数変換関数を用意する工程と、
前記2個の原画素の画素値差を求める工程と、
前記補間係数変換関数の前記中央の区間の傾きに関するパラメータ値を該求められた画素値差に応じて指示する変換関数傾きパラメータ値指示関数を用意する工程と、
前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値に応じて前記変換関数傾きパラメータ値指示関数自身の傾きを設定する工程と、
該傾きが設定された変換関数傾きパラメータ値指示関数から、前記求められた画素値差に対応した補間係数変換関数の傾きに関するパラメータ指示値を求めて、該補間係数変換関数の前記中央の区間の傾きを該傾きに関するパラメータ指示値に応じた値に設定する工程と、
該中央の区間の傾きが設定された補間係数変換関数から、前記求められた補間係数に対応した変換補間係数を求める工程と、
該求められた変換補間係数を線形補間の補間係数として用いて、線形補間演算により前記補間画素の画素値データを求める工程と
を具備してなる補間画素データ作成方法。 - 前記変換関数傾きパラメータ値指示関数が、前記2個の原画素の画素値差が所定値以上のときに、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値にかかわらず、常に前記補間係数変換関数の前記中央の区間の長さを零にして、該補間係数変換関数の全区間に前記最小値側の区間および前記最大値側の区間を2分して割り当てる内容に相当する傾きに関するパラメータ値を指示する特性を有してなる請求項5記載の補間画素データ作成方法。
- 前記変換関数傾きパラメータ値指示関数が、前記2個の原画素の画素値差が所定値以下のときに、前記補間係数変換関数の前記最小値側の区間および前記最大値側の区間の長さをともに零にして、該前記補間係数変換関数の全区間に前記中央の区間を割り当てる内容に相当する傾きに関するパラメータ値を指示する特性を有してなる請求項5または6記載の補間画素データ作成方法。
- 前記補間係数変換関数が、前記補間係数がその最大値と最小値の中央値のときに、該補間係数変換関数の前記中央の区間の傾きにかかわらず、常に前記変換補間係数の最大値と最小値の中央値をとる特性である請求項5から7のいずれかに記載の補間画素データ作成方法。
- 前記変換関数傾きパラメータ値指示関数が、前記2個の原画素の画素値差に応じて線形に変化する、傾きに関するパラメータ値を指示する関数であり、該変換関数傾きパラメータ値指示関数は、該傾きに関するパラメータ指示値が最小値から立ち上がるときの前記2個の原画素の画素値差の値を前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値に応じて変化させ、かつ前記2個の原画素の画素値差が最大値のときに、該鮮鋭度に関するパラメータ指示値にかかわらず、常に傾きに関するパラメータ指示値が最大値をとる特性を有し、
前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値に応じて前記変換関数傾きパラメータ値指示関数自身の傾きを設定する工程が、該傾きに関するパラメータ指示値が最小値から立ち上がるときの前記2個の原画素の画素値差の値を前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値に応じて変化させることにより実現される請求項5から8のいずれかに記載の補間画素データ作成方法。 - 原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、補間画素の周囲に隣接する4個の原画素の画素値データから該補間画素の画素値データを作成する方法であって、
前記4個の原画素のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第1の組の2個の原画素の位置に対する該補間画素の該方向の相対位置に応じて該補間画素の画素値を該2個の原画素の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて第1の中間的な補間画素の画素値データを作成する第1の工程と、
前記4個の原画素のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第2の組の2個の原画素の位置に対する該補間画素の該方向の相対位置に応じて該補間画素の画素値を該2個の原画素の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて第2の中間的な補間画素の画素値データを作成する第2の工程と、
前記第1、第2の中間的な補間画素の位置に対する前記補間画素の水平方向または垂直方向の他方向の相対位置に応じて該補間画素の画素値を該第1、第2の中間的な補間画素の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて該補間画素の最終的な補間画素の画素値データを作成する第3の工程とを具備してなり、
これら第1,第2,第3の各工程について、請求項1から9のいずれかに記載の補間処理を、前記鮮鋭度に関するパラメータ値を指示する工程を共通にして、それぞれ実行して、前記最終的な補間画素の画素値データを作成する補間画素データ作成方法。 - 原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、原画素の画素値データから補間画素の画素値データを作成する装置であって、
使用者の操作により画像の鮮鋭度に関するパラメータ値を指示する鮮鋭度パラメータ値設定手段と、
解像度変換比率またはサイズ変換比率に応じて、補間画素の水平方向または垂直方向の前後に隣接する2個の原画素の位置に対する該補間画素の相対位置を求め、該補間画素の相対位置に応じた線形補間の補間係数を求める補間係数演算手段と、
前記補間係数の最大値および最小値を両端値として該補間係数の値に応じて変換値が線形に変化する中央の区間と、該中央の区間の前記最小値側の端部に続くその外側で変換値が該最小値を保持する最小値側の区間と、前記中央の区間の前記最大値側の端部に続くその外側で変換値が該最大値を保持する最大値側の区間とを有する変換特性の補間係数変換関数が設定され、該補間係数を該補間係数変換関数で変換補間係数に変換する補間係数変換手段と、
前記2個の原画素の画素値差を求める画素値差演算手段と、
前記補間係数変換関数の前記中央の区間の傾きに関するパラメータ値を該求められた画素値差に応じて指示する変換関数傾きパラメータ値指示関数が設定され、前記鮮鋭度に関するパラメータ指示値に応じて該変換関数傾きパラメータ値指示関数自身の傾きを設定し、該傾きが設定された変換関数傾きパラメータ値指示関数から、前記求められた画素値差に対応した補間係数変換関数の傾きに関するパラメータ指示値を求めて、前記補間係数変換手段の前記補間係数変換関数の前記中央の区間の傾きを該傾きに関するパラメータ指示値に応じた値に設定する補間係数変換関数傾き値設定手段と、
該中央の区間の傾きが設定された補間係数変換関数を用いて前記補間係数変換手段で前記補間係数を変換して求められた変換補間係数を線形補間の補間係数として用いて、線形補間演算により前記補間画素の画素値データを求める線形補間演算手段と
を具備してなる補間画素データ作成装置。 - 原画像を解像度変換またはサイズ変換するに際し、補間画素の周囲に隣接する4個の原画素の画素値データから該補間画素の画素値データを作成する装置であって、
前記4個の原画素のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第1の組の2個の原画素の位置に対する該補間画素の該方向の相対位置に応じて該補間画素の画素値を該2個の原画素の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて第1の中間的な補間画素の画素値データを作成し、前記4個の原画素のうち水平方向または垂直方向の一方向に隣接する第2の組の2個の原画素の位置に対する該補間画素の該方向の相対位置に応じて該補間画素の画素値を該2個の原画素の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて第2の中間的な補間画素の画素値データを作成する第1の補間回路と、
前記第1、第2の中間的な補間画素の位置に対する前記補間画素の水平方向または垂直方向の他方向の相対位置に応じて該補間画素の画素値を該第1、第2の中間的な補間画素の画素値を両端値として変化させる補間関数を用いて該補間画素の最終的な補間画素の画素値データを作成する第2の補間回路とを具備してなり、
これら第1,第2の補間回路が、それぞれ請求項11記載の構成を、前記鮮鋭度パラメータ値設定手段を共有して具備してなる補間画素データ作成装置。
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