JP2004241744A - 面位置検出装置、露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検物の光反射率の変動による影響の少ない面位置検出装置を提供する。
【解決手段】被検面6aに対して斜め方向から光を投射し、被検面を経由した光を受光して被検面の面位置を検出する面位置検出装置において、送光領域と非送光領域とを備える送光パターン20と、受光領域と非受光領域とを備える受光パターン36と、受光パターン上に形成される送光パターンの像と受光パターンとを相対的に走査させる走査手段と、受光パターンを経由した光を光電検出する光電検出手段と、光電検出手段により検出された検出信号に基づいて被検面の面位置を検出する被検面位置検出手段とにより、走査手段が送光パターンの1つの送光領域の像を受光パターンの複数の受光領域にわたって走査し、被検面位置検出手段が光電検出手段により検出された検出信号の位相に基づいて被検面位置を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】被検面6aに対して斜め方向から光を投射し、被検面を経由した光を受光して被検面の面位置を検出する面位置検出装置において、送光領域と非送光領域とを備える送光パターン20と、受光領域と非受光領域とを備える受光パターン36と、受光パターン上に形成される送光パターンの像と受光パターンとを相対的に走査させる走査手段と、受光パターンを経由した光を光電検出する光電検出手段と、光電検出手段により検出された検出信号に基づいて被検面の面位置を検出する被検面位置検出手段とにより、走査手段が送光パターンの1つの送光領域の像を受光パターンの複数の受光領域にわたって走査し、被検面位置検出手段が光電検出手段により検出された検出信号の位相に基づいて被検面位置を検出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、半導体製造装置において、ウエハ面の位置等を検出する面位置検出装置、該面位置検出装置を備えた露光装置及び該露光装置を用いた露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レチクル上に形成された回路パターンを投影レンズを介してウエハ上に転写する半導体露光装置においては、投影レンズの焦点深度が比較的浅く、しかも、ウエハに部分的な凹凸が存在することもあるため、ウエハの各露光領域における投影レンズに対する焦点ずれの補正を行う必要がある。
【0003】
このとき、投影レンズの光軸方向におけるウエハ位置の検出装置としては、例えば、ウエハ等の被検面に対して斜め方向からスリットの像を投影し、このスリットの像を斜め方向から検出する斜め入射型オートフォーカスセンサが知られている。この斜め入射型オートフォーカスセンサにおいては、被検面(ウエハ面)が投影レンズの光軸方向に沿って上下すると、受光スリットに到達する光の強度が変化するため、受光スリットに到達した光の強度を検出し、その光強度変化に基づいて被検面の位置を検出している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−161616号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の面位置検出装置においては、被検面で反射され、受光スリットに達した光の強度変化に基づいて被検面の面位置の検出を行なうため、被検物の光反射率等による影響を受けやすく、被検物の光反射率の変動による検出誤差が生じるという問題がある。また、オート・ゲイン・コントロール等の回路系に生じる誤差の影響のため、検出誤差が生じるという問題もある。
【0006】
この発明の課題は、被検物の光反射率の変動による影響またはオート・ゲイン・コントロール等の回路系に生じる誤差の影響の少ない面位置検出装置、該面位置検出装置を用いた露光装置、及び該露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の面位置検出装置は、被検面に対して斜め方向から光を投射し、該被検面を経由した光を受光して前記被検面の面位置を検出する面位置検出装置において、送光領域と非送光領域とを備える送光パターンと、該送光パターンからの光に基づいて、前記被検面上に前記送光パターンの像を形成する第1結像光学系と、前記被検面を経由した光に基づいて、前記送光パターンの像を形成する第2結像光学系と、該第2結像光学系による前記送光パターンの像形成位置に配置されて、受光領域と非受光領域とを備える受光パターンと、前記受光パターン上に形成される前記送光パターンの像と前記受光パターンとを相対的に走査させる走査手段と、前記受光パターンを経由した光を光電検出する光電検出手段と、前記光電検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検面の面位置を検出する被検面位置検出手段とを備え、前記走査手段が前記送光パターンの1つの前記送光領域の像を、前記受光パターンの複数の前記受光領域にわたって走査し、前記被検面位置検出手段が前記光電検出手段により検出された検出信号の位相に基づいて前記被検面の面位置を検出することを特徴とする。
【0008】
この請求項1に記載の面位置検出装置によれば、1つの送光パターンの像を被検面に反射させ複数の受光パターン上に形成される送光パターンの像の位相変化に基づいて、被検面の面位置の検出を行なう。従って、被検物の光反射率等の変動やオート・ゲイン・コントロール等の回路系の誤差に影響されることが少ないため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。
【0009】
また、請求項2に記載の面位置検出装置は、被検面に対して斜め方向から光を投射し、該被検面を経由した光を受光して前記被検面の面位置を検出する面位置検出装置において、送光領域と非送光領域とを備える送光パターンと、該送光パターンからの光に基づいて、前記被検面上に前記送光パターンの像を形成する第1結像光学系と、前記被検面を経由した光に基づいて、前記送光パターンの像を形成する第2結像光学系と、該第2結像光学系による前記送光パターンの像形成位置に配置されて、受光領域と非受光領域とを備える受光パターンと、前記受光パターン上に形成される前記送光パターンの像と前記受光パターンとを相対的に走査させる走査手段と、前記受光パターンを経由した光を光電検出する光電検出手段と、前記光電検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検面の面位置を検出する被検面位置検出手段とを備え、前記走査手段が前記送光パターンの複数の前記送光領域の像が前記受光パターンの1つの前記受光領域を走査するように、前記送光パターンの像を前記受光パターンとを相対的に走査させ、前記被検面位置検出手段が前記光電検出手段により検出された検出信号の位相に基づいて被検面の面位置を検出することを特徴とする。
【0010】
この請求項2に記載の面位置検出装置によれば、複数の送光パターンの像を被検面に反射させ1つの受光パターン上に形成される送光パターンの像の位相変化に基づいて、被検面の面位置の検出を行なう。従って、被検物の光反射率等の変動やオート・ゲイン・コントロール等の回路系の誤差に影響されることが少ないため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。
【0011】
また、請求項3に記載の面位置検出装置は、前記光電検出手段により検出された連続した検出信号の中から所定のブロックの検出信号を抽出する抽出手段を更に備え、前記被検面位置検出手段が前記抽出手段により抽出された前記所定のブロックの検出信号と基準信号とを比較することにより前記被検面の面位置を検出することを特徴とする。
【0012】
この請求項3に記載の面位置検出装置によれば、抽出手段により抽出された所定のブロックの検出信号と基準信号とを比較し、その比較結果により検出される所定のブロックの検出信号と基準信号との位相のずれ量に基づいて、所定の位置から被検面までのずれ量及びずれ方向を検出することができるため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。
【0013】
また、請求項4に記載の面位置検出装置は、前記送光パターンの前記送光領域及び非送光領域、又は前記受光パターンの前記受光領域及び前記非受光領域が等幅かつ等ピッチであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の面位置検出装置は、前記送光パターン及び前記受光パターンの中の少なくとも一方がスリットパターンを含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に記載の面位置検出装置は、前記送光パターン及び前記受光パターンの中の少なくとも一方がパターンジェネレータを含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項7に記載の露光装置は、感光性基板上に所定のパターンを転写する露光装置において、感光性基板上の面位置を検出するための請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を備えることを特徴とする。
【0017】
この請求項7に記載の露光装置によれば、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を備えているため、感光性基板上の面位置を正確に検出することができ、高解像度を有する露光装置を提供することができる。
【0018】
また、請求項8に記載の露光方法は、感光性基板上に所定のパターンを転写する露光方法において、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を用いて前記感光性基板の面位置を検出する検出工程と、前記感光性基板上に前記所定のパターンを転写する転写工程とを備えることを特徴とする。
【0019】
この請求項8に記載の露光方法によれば、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を備えた露光装置を用いるため、感光性基板の面位置の検出が良好に行なわれていることから、微細な露光パターンの露光を良好に行なうことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる面位置検出装置ついて説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる面位置検出装置をステップ・アンド・リピート型の投影露光装置に適用した例を示す構成図である。主照明光源2からの主照明光は、図1に示すように、所定の回路パターンが表面に設けられたレチクルRを照明する。そして、レチクルRの像は、投影レンズ4によって、ウエハ(感光性基板)6の被露光面(被検面)6aに投影される。このウエハ6を載置しているホルダー8は、ウエハ6を投影レンズ4の光軸AX1に垂直な平面内での平行移動、微小回転、及び光軸AX1に沿った方向(フォーカシング方向)へ移動させる。このホルダー8は、上下方向に移動可能な3ヶ所の支持点によってホルダー8を支持するウエハステージ10によって支持されている。ステージ駆動系12は、ウエハステージ10の支持点の上下方向の移動を行わせ、ホルダー8のレベリング(水平出し)を行う。
【0021】
ここで、ウエハ6の被露光面(被検面)6a上にレチクルRの回路パターン像を良好に転写するためには、各露光ショット毎に、投影レンズ4による結像面に対する焦点深度の幅内に被検面6aの現在の露光領域を収める必要がある。従って、被検面6aの現在の露光領域上の各点における投影レンズ4の光軸AX1方向位置を正確に検出し、被検面6aが投影レンズ4の焦点深度の幅の範囲内に収まるように、ホルダー8のレベリング、及びウエハ6のフォーカシング方向の調整を行なう。
【0022】
次に、被検面6aの現在の露光領域の位置を検出する際の光学系及び処理系の説明を行う。図1に示すように、波長幅の広い白色光を供給する光源14からの照明光は、コンデンサーレンズ16によって、略平行光束に変換されて、偏向プリズム18に入射する。ここで、光源14は、一般的にウエハ6の表面(被検面6a)を覆っているレジスト等の薄膜による干渉の影響を低減するために、波長幅の広い白色光源であることが望ましい。なお、光源14としては、レジストに対する感光性の弱い波長帯の光を供給する発光ダイオード等でも良い。
【0023】
次に、偏向プリズム18に入射した光束は、偏向プリズム18により屈折されることにより偏向される。そして、この偏向プリズム18の射出側には、送光領域及び非送光領域を備えている送光パターンとして、送光スリット20が備えられている。ここで、送光スリット20は、図2に示すように、紙面垂直方向を長手方向とする長方形の開口部(送光領域)20a、20b、20c、20d、20eを有している。なお、送光スリット20においては、5つの開口部を設けているが、開口部の数は、適宜、選択可能とする。
【0024】
送光スリット20に達した照明光は、この送光スリット20の開口部20a〜20eをそれぞれ通過した後、集光レンズ22に入射して、ミラー24を介して対物レンズ26に入射する。この集光レンズ22と対物レンズ26とで構成されている第1結像光学系は、送光スリット20と被検面6aとを光学的に共役な配置とする。そして、送光スリット20と被検面6aとは、この集光レンズ22と対物レンズ26とで構成されている第1結像光学系に関してシャインプルーフの条件を満たすように配置されているため、送光スリット20の5つの送光領域である開口部20a〜20eのパターン像は、被検面6aの全面にわたって正確に結像する。
【0025】
また、図3に光路を点線で示すように、集光レンズ22と対物レンズ26とで構成されている第1結像光学系は、いわゆる両側テレセントリツク光学系であり、送光スリット20と被検面6a上の共役点とは、全面に渡ってそれぞれ同倍率である。従って、送光スリット20が図1において紙面垂直方向を長手方向とする長方形である5つの開口部20a〜20eのスリットを有しているので、被検面6a上に形成される像は、図1の紙面垂直方向を長手方向とする長方形である5つのスリットパターンとなる。
図1に戻って、被検面6aに送光された光は、この被検面6aで反射されて、対物レンズ28に入射して、走査手段としての振動ミラー30を介して集光レンズ32に入射する。対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系の入射側の光軸AX31は、投影レンズ4の光軸AX1に関して、集光レンズ22と対物レンズ26とで構成されている第1結像光学系の光軸AX2と線対称になるように設けられている。
【0026】
集光レンズ32から射出された被検面6aからの反射光は、偏向プリズム34の入射面上に集光する。この入射面には、受光領域及び非受光領域を備えている受光パターンとして、遮光手段である受光スリット36が設けられている。図4に示すように、受光スリット36は、5か所の開口部群36a,36b,36c,36d,36eを備えており、それぞれの開口部群は、3本の等幅、等間隔(ピッチ)の開口部を有している。即ち、開口部群36aは開口部36a1、36a2、36a3を有し、開口部群36bは開口部36b1、36b2、36b3、開口部群36cは開口部36c1、36c2、36c3、開口部群36dは開口部36d1、36d2、36d3、開口部群36eは開口部36e1、36e2、36e3を有している。対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系を介した被検面6aからの反射光は、受光スリット36における開口部をそれぞれ通過して、偏向プリズム34に入射する。
【0027】
ここで、投影レンズ4による結像面と偏向プリズム34における入射面とは、対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系に関して、シャインプルーフの条件を満たすように構成されている。従って、被検面6aと結像面とが合致している状態においては、偏向プリズム34における入射面の全面にわたって、被検面6aの全面にわたって正確に結像した送光スリット20の5つの送光領域である開口部20a〜20eのパターン像が正確に再結像する。また、図3に光路を点線で示すように、対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系が両側テレセントリツク光学系で構成されているため、被検面6a上の各点と偏向プリズム34における入射面上の共役点とは、全面で同倍率である。従って、被検面6aが投影レンズ4の結像面に合致している状態では、受光スリット36上に投影される像も図1の紙面垂直方向を長手方向とする長方形である5つのスリットパターンとなる。
【0028】
すなわち、この実施の形態においては、被検面6aと投影レンズ4の結像面とが合致している状態では、偏向プリズム18の射出面、被検面6a、及び偏向プリズム34の入射面は、各々シャインプルーフの条件を満たす関係にあり、しかも各面とも全面にわたってそれぞれ倍率が等しい。
【0029】
偏向プリズム34の入射面上には、図4に示すように5つの開口部群36a〜36e を有する受光スリット36が設けられているので、入射面に再結像されたスリットパターンの像は、部分的に遮光される。受光領域を通過した光束、即ち、受光スリット36の開口部群36a〜36eの領域に形成されたスリットパターンの像からの光束のみが偏向プリズム34から射出する。そして、偏向プリズム34における入射面上に形成された受光スリット36の開口部群36a〜36eの像は、リレー光学系38、40により、受光部42にリレーされる。ここで、受光部42は、図5に示すように、受光スリット36の5つの開口部群36a〜36eに対応する5つのシリコンフォトダイオード42a,42b,42c,42d,42eを有している。これらのシリコンフォトダイオード42a〜42e上には、受光スリット36の開口部群36a〜36eを通過した送光スリット20a〜20eの光束が到達する。
【0030】
受光部42により検出された検出信号は、検出系48を介して、処理/制御系50に入力される。処理/制御系50は、ステージ駆動系12及びミラー駆動系44に対して制御信号の出力を行なう。
【0031】
なお、この実施の形態においては、受光部に複数のシリコンフォトダイオードを設けているが、CCD(2次元電荷結合型撮像素子)やフォトマルを用いてもよい。
【0032】
次に、図1を参照して、この実施の形態にかかる面位置検出装置におけるウエハ面の面位置の検出について詳述する。図1に示すように、対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系の光路中には、振動ミラー30が設けられている。そして、ミラー駆動系44は、処理/制御系50からの制御信号に基づいて、所定の周期Tで振動ミラー30を図中矢印方向に振動させる。この振動ミラー30の振動に伴って、偏向プリズム34の入射面上に形成される像も振動する。このとき、入射面上に結像される像の振動の振幅は、受光スリット36のそれぞれの開口部群36a〜36eの全幅と同一に規定する。また、受光スリット36の開口部群36a〜36eにおけるそれぞれの開口部の幅は、結像される像のピッチと同一に規定する。この結像される像の振動に伴って、偏向プリズム34における入射面上、即ち受光スリット36の開口部群36a〜36eの領域を透過する光の光量が変化する。そして、この透過光は、リレー光学系38、40によって、受光部42上に達する。
【0033】
以下、説明を簡単にするために、受光スリット36における1つの開口部群36aについてのみ説明する。受光スリット36の開口部群36a の領域を透過した光は、受光部42上の受光面42aに到達する。この開口部群36aを透過したスリット像の信号強度は、振動ミラー30の振動に伴って変化する。図6(a)は、受光スリット36の開口部群36a近傍の拡大図である。この図6(a)において、送光スリット20の開口部20aを透過し受光スリット36に到達した光束46は、振動ミラー30の振動に伴って図中矢印方向に振動する。ここで、送光スリット20の開口部20aを透過し受光スリット36に到達した光束46の振幅は、開口部群36aを構成している開口部36a1〜36a3の全幅と同一である。従って、この光束46が振動すると、シリコン・フォト・ダイオード42a上での受光量が変化する。そして、シリコン・フォト・ダイオード42aは、この光強度の変化に応じた検出信号を検出系48に出力する。
【0034】
図6(b)は、光束46の振幅の開始時点から終了時点まで(所定のブロック)における検出系48に出力された光強度の変化を示す図である。また、図6(c)は、一定時間における検出系48に出力された光強度の変化、即ち、検出系48に出力された連続した検出信号を示す図である。図6(a)に示すような位置に光束46の振幅が位置する場合には、図6(c)に示すように、一定時間における光強度の変化は略正弦波を示す。処理/制御系50は、予め記憶されている基準信号を読み込み、検出系48により検出された所定のブロックにおける検出信号の位相と基準信号の位相とのずれ量を検出する。ここで、投影レンズ4の結像位置と被検面6aの位置が一致している場合の基準信号として図7に示す基準信号が記憶されている場合には、図6(b)に示す検出信号の位相は基準信号の位相と一致する。従って、処理/制御系50は、投影レンズ4の結像位置と被検面6aの位置とが一致していると判定する。
【0035】
一方、図8(a)は、投影レンズ4の結像位置から被検面6aの位置がずれた場合における受光スリット36の開口部群36a近傍の拡大図であり、図8(b)は図8(a)に示す光束46の振幅の開始時点から終了時点まで(所定のブロック)における検出系48に出力された光強度の変化を示す図である。また、図8(c)は、一定時間における検出系48に出力された光強度の変化、即ち、検出系48に出力された連続した検出信号を示す図である。処理/制御系50は、図7に示す予め記憶されている基準信号を読み込み、検出系48により検出された所定のブロックにおける検出信号の位相と基準信号の位相とのずれ量を検出する。そして、所定のブロックの検出信号と基準信号の位相のずれ量に基づいて被検面6aのずれ量及びずれ方向を算出し、算出されたずれ量及びずれ方向に基づいて、ステージ駆動系12を介して被検面6aの位置の補正を行なう。
【0036】
また、同様に、他のシリコン・フォト・ダイオード42b〜42eにおいても、それぞれの検出信号を検出系48へ出力する。そして、処理/制御系50は、検出系48に出力された出力結果に基づいて、被検面6aの補正量を算出し、ステージ駆動系12を介して被検面6aの補正を行なう。
【0037】
この実施の形態にかかる面位置検出装置によれば、1つの送光スリットに3つの受光スリットを対応させて送光スリットから射出される光がそれぞれの受光スリットを通過する際の検出信号の位相に基づいて、被検面の位置検出を行なう。従って、被検面の反射率等の影響を受けることなく被検面の位置を検出することができる。また、オートゲインコントロール等の回路系の誤差に影響されることが少ないため、高精度に面位置の検出を行なうことができる。
【0038】
なお、この実施の形態においては、受光スリットに3つの開口部を備えているが、開口部の数を適宜、選択できるようにしてもよい。また、この実施の形態においては、送光スリットとして1つの開口部、受光スリットとして3つの開口部を備えているが、送光スリットとして複数個の開口部、受光スリットに1つの開口部を備えるようにしてもよい。
【0039】
また、受光パターンとして、パターンジェネレータであるDMD(Digital Micromirror DeviceまたはDeformable Micromirror Device)を用いてもよい。図9に示すように、DMD52は碁盤の目上に配列された多数のマイクロミラー(反射ミラー)54からなり、マイクロミラー54毎に設置された電極とマイクロミラー54との間の静電引力によって、マイクロミラー54の角度を変化させる。各マイクロミラー54は、それぞれ独立に駆動制御可能であるため、受光スリットの代わりにDMD52を使用する場合には、複数列毎にマイクロミラー54を平面にしたり傾けたりする。即ち、図9において、白い部分のマイクロミラー54は平面、黒い部分のマイクロミラー54は傾けた状態を示している。
【0040】
被検面6aで反射され集光光学系を通過し光は、パターンジェネレータとしてのDMD52に入射する。平面に制御されたマイクロミラー54に入射した光は正反射し、傾いたマイクロミラー54は正反射しないで別の方向に反射する。従って、平面に制御されたマイクロミラー54に入射した光は受光部42に到達するが、傾いたマイクロミラー54に入射した光は受光部42に到達しない。従って、振動ミラー30を用いて偏向プリズム34の入射面上に形成される像を振動させると、シリコン・フォト・ダイオード42a上での受光量が変化する。そして、シリコン・フォト・ダイオード42aは、この光強度の変化に応じた検出信号を検出系48に出力する。なお、上述の実施の形態においては、送光スリットの代わりとして、DMDを用いることもできる。
【0041】
更に、送光スリットまたは受光スリットの代わりとしてDMDを用いた場合、DMD上に形成されるパターンを走査するように、即ち送光スリット像または受光スリットを振動させるように電気的に制御しても良い。この場合DMDが振動ミラー30の機能を達成できるため、振動ミラー30を固定ミラーとすることができる。なお、DMDによる送光スリット像または受光スリットの振動周波数は振動ミラー30による送光スリット像または受光スリットよりも格段に高くすることが可能であるため、検出応答性を高めることができる。
【0042】
また、上述の実施の形態においては、1つの投影光学系を有するステップ・アンド・リピート型の投影露光装置を例にして説明したが、複数の投影光学ユニットにより構成される投影光学系を備えるステップ・アンド・スキャン型の投影露光装置にこの発明を適用してもよい。また、レーザ(EB)直描型の露光装置や、EUV光(Extream Ultra Violet:極紫外光)・X線を用いる露光装置等にこの発明を適用してもよい。
【0043】
上述の実施の形態における露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、この実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてのウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図10のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
先ず、図10のステップ301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。次に、この実施の形態にかかる面位置検出装置を用いて、ウエハ面の位置の検出を行い、検出結果に基づいて面位置の補正を行なう。その後、ステップ303において、この実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。
【0045】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウエハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウエハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0046】
また、この実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図11のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。まず、この実施の形態にかかる露光装置における面位置検出装置により、感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)の位置の検出を行い、その検出結果に基づいて感光性基板の位置の補正を行なう。図11において、パターン形成工程401では、この実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程402へ移行する。
【0047】
次に、カラーフィルタ形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0048】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
この発明の面位置検出装置によれば、1つの送光パターンの像を被検面に反射させ複数の受光パターン上に形成される送光パターンの像の位相変化に基づいて、被検面の面位置の検出を行なう。または、複数の送光パターンの像を被検面に反射させ1つの受光パターン上に形成される送光パターンの像の位相変化に基づいて、被検面の面位置の検出を行なう。従って、被検物の光反射率等の変動やオート・ゲイン・コントロール等の回路系の誤差に影響されることが少ないため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。また、所定の位置から被検面までのずれ量及びずれ方向を検出することができるため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。
【0050】
また、この発明の露光装置によれば、この発明の面位置検出装置を備えているため、感光性基板上の面位置を正確に検出することができ、高解像度を有する露光装置を提供することができる。
【0051】
また、この発明の露光方法によれば、この発明の面位置検出装置を備えた露光装置を用いるため、感光性基板の面位置の検出が良好に行なわれていることから、微細な露光パターンの露光を良好に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる面位置検出装置を備える投影露光装置の構成図である。
【図2】この面位置検出装置における送光スリットの平面図である。
【図3】図1に示した光学系が両側テレセントリックであることを示す光路図である。
【図4】この面位置検出装置における受光スリットの平面図である。
【図5】この面位置検出装置における受光面上のシリコンフォトダイオードの配置と受光スリット像との関係を示す図である。
【図6】この面位置検出装置における受光スリット上の開口部の拡大図である。
【図7】この面位置検出装置における受光スリット上の開口部の拡大図である。
【図8】この面位置検出装置における基準信号を示す図である。
【図9】この面位置検出装置におけるパターンジェネレータとしてのDMDを示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する方法を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…主照明光源、4…投影レンズ、6…ウエハ、8…ホルダー、10…ウエハステージ、12…ステージ駆動系、14…光源、16…コンデンサレンズ、18…偏向プリズム、20…投射スリット、22…集光レンズ、24…ミラー、26…投射用対物レンズ、28…受光用対物レンズ、30…振動ミラー、32…集光レンズ、34…偏向プリズム、36…受光スリット、38,40…リレーレンズ、42…受光部、44…ミラー駆動系、48…検出系、50…処理/制御系、52…DMD、54…マイクロミラー。
【産業上の利用分野】
この発明は、半導体製造装置において、ウエハ面の位置等を検出する面位置検出装置、該面位置検出装置を備えた露光装置及び該露光装置を用いた露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レチクル上に形成された回路パターンを投影レンズを介してウエハ上に転写する半導体露光装置においては、投影レンズの焦点深度が比較的浅く、しかも、ウエハに部分的な凹凸が存在することもあるため、ウエハの各露光領域における投影レンズに対する焦点ずれの補正を行う必要がある。
【0003】
このとき、投影レンズの光軸方向におけるウエハ位置の検出装置としては、例えば、ウエハ等の被検面に対して斜め方向からスリットの像を投影し、このスリットの像を斜め方向から検出する斜め入射型オートフォーカスセンサが知られている。この斜め入射型オートフォーカスセンサにおいては、被検面(ウエハ面)が投影レンズの光軸方向に沿って上下すると、受光スリットに到達する光の強度が変化するため、受光スリットに到達した光の強度を検出し、その光強度変化に基づいて被検面の位置を検出している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−161616号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の面位置検出装置においては、被検面で反射され、受光スリットに達した光の強度変化に基づいて被検面の面位置の検出を行なうため、被検物の光反射率等による影響を受けやすく、被検物の光反射率の変動による検出誤差が生じるという問題がある。また、オート・ゲイン・コントロール等の回路系に生じる誤差の影響のため、検出誤差が生じるという問題もある。
【0006】
この発明の課題は、被検物の光反射率の変動による影響またはオート・ゲイン・コントロール等の回路系に生じる誤差の影響の少ない面位置検出装置、該面位置検出装置を用いた露光装置、及び該露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の面位置検出装置は、被検面に対して斜め方向から光を投射し、該被検面を経由した光を受光して前記被検面の面位置を検出する面位置検出装置において、送光領域と非送光領域とを備える送光パターンと、該送光パターンからの光に基づいて、前記被検面上に前記送光パターンの像を形成する第1結像光学系と、前記被検面を経由した光に基づいて、前記送光パターンの像を形成する第2結像光学系と、該第2結像光学系による前記送光パターンの像形成位置に配置されて、受光領域と非受光領域とを備える受光パターンと、前記受光パターン上に形成される前記送光パターンの像と前記受光パターンとを相対的に走査させる走査手段と、前記受光パターンを経由した光を光電検出する光電検出手段と、前記光電検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検面の面位置を検出する被検面位置検出手段とを備え、前記走査手段が前記送光パターンの1つの前記送光領域の像を、前記受光パターンの複数の前記受光領域にわたって走査し、前記被検面位置検出手段が前記光電検出手段により検出された検出信号の位相に基づいて前記被検面の面位置を検出することを特徴とする。
【0008】
この請求項1に記載の面位置検出装置によれば、1つの送光パターンの像を被検面に反射させ複数の受光パターン上に形成される送光パターンの像の位相変化に基づいて、被検面の面位置の検出を行なう。従って、被検物の光反射率等の変動やオート・ゲイン・コントロール等の回路系の誤差に影響されることが少ないため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。
【0009】
また、請求項2に記載の面位置検出装置は、被検面に対して斜め方向から光を投射し、該被検面を経由した光を受光して前記被検面の面位置を検出する面位置検出装置において、送光領域と非送光領域とを備える送光パターンと、該送光パターンからの光に基づいて、前記被検面上に前記送光パターンの像を形成する第1結像光学系と、前記被検面を経由した光に基づいて、前記送光パターンの像を形成する第2結像光学系と、該第2結像光学系による前記送光パターンの像形成位置に配置されて、受光領域と非受光領域とを備える受光パターンと、前記受光パターン上に形成される前記送光パターンの像と前記受光パターンとを相対的に走査させる走査手段と、前記受光パターンを経由した光を光電検出する光電検出手段と、前記光電検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検面の面位置を検出する被検面位置検出手段とを備え、前記走査手段が前記送光パターンの複数の前記送光領域の像が前記受光パターンの1つの前記受光領域を走査するように、前記送光パターンの像を前記受光パターンとを相対的に走査させ、前記被検面位置検出手段が前記光電検出手段により検出された検出信号の位相に基づいて被検面の面位置を検出することを特徴とする。
【0010】
この請求項2に記載の面位置検出装置によれば、複数の送光パターンの像を被検面に反射させ1つの受光パターン上に形成される送光パターンの像の位相変化に基づいて、被検面の面位置の検出を行なう。従って、被検物の光反射率等の変動やオート・ゲイン・コントロール等の回路系の誤差に影響されることが少ないため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。
【0011】
また、請求項3に記載の面位置検出装置は、前記光電検出手段により検出された連続した検出信号の中から所定のブロックの検出信号を抽出する抽出手段を更に備え、前記被検面位置検出手段が前記抽出手段により抽出された前記所定のブロックの検出信号と基準信号とを比較することにより前記被検面の面位置を検出することを特徴とする。
【0012】
この請求項3に記載の面位置検出装置によれば、抽出手段により抽出された所定のブロックの検出信号と基準信号とを比較し、その比較結果により検出される所定のブロックの検出信号と基準信号との位相のずれ量に基づいて、所定の位置から被検面までのずれ量及びずれ方向を検出することができるため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。
【0013】
また、請求項4に記載の面位置検出装置は、前記送光パターンの前記送光領域及び非送光領域、又は前記受光パターンの前記受光領域及び前記非受光領域が等幅かつ等ピッチであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の面位置検出装置は、前記送光パターン及び前記受光パターンの中の少なくとも一方がスリットパターンを含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に記載の面位置検出装置は、前記送光パターン及び前記受光パターンの中の少なくとも一方がパターンジェネレータを含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項7に記載の露光装置は、感光性基板上に所定のパターンを転写する露光装置において、感光性基板上の面位置を検出するための請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を備えることを特徴とする。
【0017】
この請求項7に記載の露光装置によれば、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を備えているため、感光性基板上の面位置を正確に検出することができ、高解像度を有する露光装置を提供することができる。
【0018】
また、請求項8に記載の露光方法は、感光性基板上に所定のパターンを転写する露光方法において、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を用いて前記感光性基板の面位置を検出する検出工程と、前記感光性基板上に前記所定のパターンを転写する転写工程とを備えることを特徴とする。
【0019】
この請求項8に記載の露光方法によれば、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を備えた露光装置を用いるため、感光性基板の面位置の検出が良好に行なわれていることから、微細な露光パターンの露光を良好に行なうことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる面位置検出装置ついて説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる面位置検出装置をステップ・アンド・リピート型の投影露光装置に適用した例を示す構成図である。主照明光源2からの主照明光は、図1に示すように、所定の回路パターンが表面に設けられたレチクルRを照明する。そして、レチクルRの像は、投影レンズ4によって、ウエハ(感光性基板)6の被露光面(被検面)6aに投影される。このウエハ6を載置しているホルダー8は、ウエハ6を投影レンズ4の光軸AX1に垂直な平面内での平行移動、微小回転、及び光軸AX1に沿った方向(フォーカシング方向)へ移動させる。このホルダー8は、上下方向に移動可能な3ヶ所の支持点によってホルダー8を支持するウエハステージ10によって支持されている。ステージ駆動系12は、ウエハステージ10の支持点の上下方向の移動を行わせ、ホルダー8のレベリング(水平出し)を行う。
【0021】
ここで、ウエハ6の被露光面(被検面)6a上にレチクルRの回路パターン像を良好に転写するためには、各露光ショット毎に、投影レンズ4による結像面に対する焦点深度の幅内に被検面6aの現在の露光領域を収める必要がある。従って、被検面6aの現在の露光領域上の各点における投影レンズ4の光軸AX1方向位置を正確に検出し、被検面6aが投影レンズ4の焦点深度の幅の範囲内に収まるように、ホルダー8のレベリング、及びウエハ6のフォーカシング方向の調整を行なう。
【0022】
次に、被検面6aの現在の露光領域の位置を検出する際の光学系及び処理系の説明を行う。図1に示すように、波長幅の広い白色光を供給する光源14からの照明光は、コンデンサーレンズ16によって、略平行光束に変換されて、偏向プリズム18に入射する。ここで、光源14は、一般的にウエハ6の表面(被検面6a)を覆っているレジスト等の薄膜による干渉の影響を低減するために、波長幅の広い白色光源であることが望ましい。なお、光源14としては、レジストに対する感光性の弱い波長帯の光を供給する発光ダイオード等でも良い。
【0023】
次に、偏向プリズム18に入射した光束は、偏向プリズム18により屈折されることにより偏向される。そして、この偏向プリズム18の射出側には、送光領域及び非送光領域を備えている送光パターンとして、送光スリット20が備えられている。ここで、送光スリット20は、図2に示すように、紙面垂直方向を長手方向とする長方形の開口部(送光領域)20a、20b、20c、20d、20eを有している。なお、送光スリット20においては、5つの開口部を設けているが、開口部の数は、適宜、選択可能とする。
【0024】
送光スリット20に達した照明光は、この送光スリット20の開口部20a〜20eをそれぞれ通過した後、集光レンズ22に入射して、ミラー24を介して対物レンズ26に入射する。この集光レンズ22と対物レンズ26とで構成されている第1結像光学系は、送光スリット20と被検面6aとを光学的に共役な配置とする。そして、送光スリット20と被検面6aとは、この集光レンズ22と対物レンズ26とで構成されている第1結像光学系に関してシャインプルーフの条件を満たすように配置されているため、送光スリット20の5つの送光領域である開口部20a〜20eのパターン像は、被検面6aの全面にわたって正確に結像する。
【0025】
また、図3に光路を点線で示すように、集光レンズ22と対物レンズ26とで構成されている第1結像光学系は、いわゆる両側テレセントリツク光学系であり、送光スリット20と被検面6a上の共役点とは、全面に渡ってそれぞれ同倍率である。従って、送光スリット20が図1において紙面垂直方向を長手方向とする長方形である5つの開口部20a〜20eのスリットを有しているので、被検面6a上に形成される像は、図1の紙面垂直方向を長手方向とする長方形である5つのスリットパターンとなる。
図1に戻って、被検面6aに送光された光は、この被検面6aで反射されて、対物レンズ28に入射して、走査手段としての振動ミラー30を介して集光レンズ32に入射する。対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系の入射側の光軸AX31は、投影レンズ4の光軸AX1に関して、集光レンズ22と対物レンズ26とで構成されている第1結像光学系の光軸AX2と線対称になるように設けられている。
【0026】
集光レンズ32から射出された被検面6aからの反射光は、偏向プリズム34の入射面上に集光する。この入射面には、受光領域及び非受光領域を備えている受光パターンとして、遮光手段である受光スリット36が設けられている。図4に示すように、受光スリット36は、5か所の開口部群36a,36b,36c,36d,36eを備えており、それぞれの開口部群は、3本の等幅、等間隔(ピッチ)の開口部を有している。即ち、開口部群36aは開口部36a1、36a2、36a3を有し、開口部群36bは開口部36b1、36b2、36b3、開口部群36cは開口部36c1、36c2、36c3、開口部群36dは開口部36d1、36d2、36d3、開口部群36eは開口部36e1、36e2、36e3を有している。対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系を介した被検面6aからの反射光は、受光スリット36における開口部をそれぞれ通過して、偏向プリズム34に入射する。
【0027】
ここで、投影レンズ4による結像面と偏向プリズム34における入射面とは、対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系に関して、シャインプルーフの条件を満たすように構成されている。従って、被検面6aと結像面とが合致している状態においては、偏向プリズム34における入射面の全面にわたって、被検面6aの全面にわたって正確に結像した送光スリット20の5つの送光領域である開口部20a〜20eのパターン像が正確に再結像する。また、図3に光路を点線で示すように、対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系が両側テレセントリツク光学系で構成されているため、被検面6a上の各点と偏向プリズム34における入射面上の共役点とは、全面で同倍率である。従って、被検面6aが投影レンズ4の結像面に合致している状態では、受光スリット36上に投影される像も図1の紙面垂直方向を長手方向とする長方形である5つのスリットパターンとなる。
【0028】
すなわち、この実施の形態においては、被検面6aと投影レンズ4の結像面とが合致している状態では、偏向プリズム18の射出面、被検面6a、及び偏向プリズム34の入射面は、各々シャインプルーフの条件を満たす関係にあり、しかも各面とも全面にわたってそれぞれ倍率が等しい。
【0029】
偏向プリズム34の入射面上には、図4に示すように5つの開口部群36a〜36e を有する受光スリット36が設けられているので、入射面に再結像されたスリットパターンの像は、部分的に遮光される。受光領域を通過した光束、即ち、受光スリット36の開口部群36a〜36eの領域に形成されたスリットパターンの像からの光束のみが偏向プリズム34から射出する。そして、偏向プリズム34における入射面上に形成された受光スリット36の開口部群36a〜36eの像は、リレー光学系38、40により、受光部42にリレーされる。ここで、受光部42は、図5に示すように、受光スリット36の5つの開口部群36a〜36eに対応する5つのシリコンフォトダイオード42a,42b,42c,42d,42eを有している。これらのシリコンフォトダイオード42a〜42e上には、受光スリット36の開口部群36a〜36eを通過した送光スリット20a〜20eの光束が到達する。
【0030】
受光部42により検出された検出信号は、検出系48を介して、処理/制御系50に入力される。処理/制御系50は、ステージ駆動系12及びミラー駆動系44に対して制御信号の出力を行なう。
【0031】
なお、この実施の形態においては、受光部に複数のシリコンフォトダイオードを設けているが、CCD(2次元電荷結合型撮像素子)やフォトマルを用いてもよい。
【0032】
次に、図1を参照して、この実施の形態にかかる面位置検出装置におけるウエハ面の面位置の検出について詳述する。図1に示すように、対物レンズ28と集光レンズ32とで構成されている第2結像光学系の光路中には、振動ミラー30が設けられている。そして、ミラー駆動系44は、処理/制御系50からの制御信号に基づいて、所定の周期Tで振動ミラー30を図中矢印方向に振動させる。この振動ミラー30の振動に伴って、偏向プリズム34の入射面上に形成される像も振動する。このとき、入射面上に結像される像の振動の振幅は、受光スリット36のそれぞれの開口部群36a〜36eの全幅と同一に規定する。また、受光スリット36の開口部群36a〜36eにおけるそれぞれの開口部の幅は、結像される像のピッチと同一に規定する。この結像される像の振動に伴って、偏向プリズム34における入射面上、即ち受光スリット36の開口部群36a〜36eの領域を透過する光の光量が変化する。そして、この透過光は、リレー光学系38、40によって、受光部42上に達する。
【0033】
以下、説明を簡単にするために、受光スリット36における1つの開口部群36aについてのみ説明する。受光スリット36の開口部群36a の領域を透過した光は、受光部42上の受光面42aに到達する。この開口部群36aを透過したスリット像の信号強度は、振動ミラー30の振動に伴って変化する。図6(a)は、受光スリット36の開口部群36a近傍の拡大図である。この図6(a)において、送光スリット20の開口部20aを透過し受光スリット36に到達した光束46は、振動ミラー30の振動に伴って図中矢印方向に振動する。ここで、送光スリット20の開口部20aを透過し受光スリット36に到達した光束46の振幅は、開口部群36aを構成している開口部36a1〜36a3の全幅と同一である。従って、この光束46が振動すると、シリコン・フォト・ダイオード42a上での受光量が変化する。そして、シリコン・フォト・ダイオード42aは、この光強度の変化に応じた検出信号を検出系48に出力する。
【0034】
図6(b)は、光束46の振幅の開始時点から終了時点まで(所定のブロック)における検出系48に出力された光強度の変化を示す図である。また、図6(c)は、一定時間における検出系48に出力された光強度の変化、即ち、検出系48に出力された連続した検出信号を示す図である。図6(a)に示すような位置に光束46の振幅が位置する場合には、図6(c)に示すように、一定時間における光強度の変化は略正弦波を示す。処理/制御系50は、予め記憶されている基準信号を読み込み、検出系48により検出された所定のブロックにおける検出信号の位相と基準信号の位相とのずれ量を検出する。ここで、投影レンズ4の結像位置と被検面6aの位置が一致している場合の基準信号として図7に示す基準信号が記憶されている場合には、図6(b)に示す検出信号の位相は基準信号の位相と一致する。従って、処理/制御系50は、投影レンズ4の結像位置と被検面6aの位置とが一致していると判定する。
【0035】
一方、図8(a)は、投影レンズ4の結像位置から被検面6aの位置がずれた場合における受光スリット36の開口部群36a近傍の拡大図であり、図8(b)は図8(a)に示す光束46の振幅の開始時点から終了時点まで(所定のブロック)における検出系48に出力された光強度の変化を示す図である。また、図8(c)は、一定時間における検出系48に出力された光強度の変化、即ち、検出系48に出力された連続した検出信号を示す図である。処理/制御系50は、図7に示す予め記憶されている基準信号を読み込み、検出系48により検出された所定のブロックにおける検出信号の位相と基準信号の位相とのずれ量を検出する。そして、所定のブロックの検出信号と基準信号の位相のずれ量に基づいて被検面6aのずれ量及びずれ方向を算出し、算出されたずれ量及びずれ方向に基づいて、ステージ駆動系12を介して被検面6aの位置の補正を行なう。
【0036】
また、同様に、他のシリコン・フォト・ダイオード42b〜42eにおいても、それぞれの検出信号を検出系48へ出力する。そして、処理/制御系50は、検出系48に出力された出力結果に基づいて、被検面6aの補正量を算出し、ステージ駆動系12を介して被検面6aの補正を行なう。
【0037】
この実施の形態にかかる面位置検出装置によれば、1つの送光スリットに3つの受光スリットを対応させて送光スリットから射出される光がそれぞれの受光スリットを通過する際の検出信号の位相に基づいて、被検面の位置検出を行なう。従って、被検面の反射率等の影響を受けることなく被検面の位置を検出することができる。また、オートゲインコントロール等の回路系の誤差に影響されることが少ないため、高精度に面位置の検出を行なうことができる。
【0038】
なお、この実施の形態においては、受光スリットに3つの開口部を備えているが、開口部の数を適宜、選択できるようにしてもよい。また、この実施の形態においては、送光スリットとして1つの開口部、受光スリットとして3つの開口部を備えているが、送光スリットとして複数個の開口部、受光スリットに1つの開口部を備えるようにしてもよい。
【0039】
また、受光パターンとして、パターンジェネレータであるDMD(Digital Micromirror DeviceまたはDeformable Micromirror Device)を用いてもよい。図9に示すように、DMD52は碁盤の目上に配列された多数のマイクロミラー(反射ミラー)54からなり、マイクロミラー54毎に設置された電極とマイクロミラー54との間の静電引力によって、マイクロミラー54の角度を変化させる。各マイクロミラー54は、それぞれ独立に駆動制御可能であるため、受光スリットの代わりにDMD52を使用する場合には、複数列毎にマイクロミラー54を平面にしたり傾けたりする。即ち、図9において、白い部分のマイクロミラー54は平面、黒い部分のマイクロミラー54は傾けた状態を示している。
【0040】
被検面6aで反射され集光光学系を通過し光は、パターンジェネレータとしてのDMD52に入射する。平面に制御されたマイクロミラー54に入射した光は正反射し、傾いたマイクロミラー54は正反射しないで別の方向に反射する。従って、平面に制御されたマイクロミラー54に入射した光は受光部42に到達するが、傾いたマイクロミラー54に入射した光は受光部42に到達しない。従って、振動ミラー30を用いて偏向プリズム34の入射面上に形成される像を振動させると、シリコン・フォト・ダイオード42a上での受光量が変化する。そして、シリコン・フォト・ダイオード42aは、この光強度の変化に応じた検出信号を検出系48に出力する。なお、上述の実施の形態においては、送光スリットの代わりとして、DMDを用いることもできる。
【0041】
更に、送光スリットまたは受光スリットの代わりとしてDMDを用いた場合、DMD上に形成されるパターンを走査するように、即ち送光スリット像または受光スリットを振動させるように電気的に制御しても良い。この場合DMDが振動ミラー30の機能を達成できるため、振動ミラー30を固定ミラーとすることができる。なお、DMDによる送光スリット像または受光スリットの振動周波数は振動ミラー30による送光スリット像または受光スリットよりも格段に高くすることが可能であるため、検出応答性を高めることができる。
【0042】
また、上述の実施の形態においては、1つの投影光学系を有するステップ・アンド・リピート型の投影露光装置を例にして説明したが、複数の投影光学ユニットにより構成される投影光学系を備えるステップ・アンド・スキャン型の投影露光装置にこの発明を適用してもよい。また、レーザ(EB)直描型の露光装置や、EUV光(Extream Ultra Violet:極紫外光)・X線を用いる露光装置等にこの発明を適用してもよい。
【0043】
上述の実施の形態における露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、この実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてのウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図10のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
先ず、図10のステップ301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。次に、この実施の形態にかかる面位置検出装置を用いて、ウエハ面の位置の検出を行い、検出結果に基づいて面位置の補正を行なう。その後、ステップ303において、この実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。
【0045】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウエハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウエハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0046】
また、この実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図11のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。まず、この実施の形態にかかる露光装置における面位置検出装置により、感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)の位置の検出を行い、その検出結果に基づいて感光性基板の位置の補正を行なう。図11において、パターン形成工程401では、この実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程402へ移行する。
【0047】
次に、カラーフィルタ形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0048】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
この発明の面位置検出装置によれば、1つの送光パターンの像を被検面に反射させ複数の受光パターン上に形成される送光パターンの像の位相変化に基づいて、被検面の面位置の検出を行なう。または、複数の送光パターンの像を被検面に反射させ1つの受光パターン上に形成される送光パターンの像の位相変化に基づいて、被検面の面位置の検出を行なう。従って、被検物の光反射率等の変動やオート・ゲイン・コントロール等の回路系の誤差に影響されることが少ないため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。また、所定の位置から被検面までのずれ量及びずれ方向を検出することができるため、高精度に被検面の面位置の検出を行なうことができる。
【0050】
また、この発明の露光装置によれば、この発明の面位置検出装置を備えているため、感光性基板上の面位置を正確に検出することができ、高解像度を有する露光装置を提供することができる。
【0051】
また、この発明の露光方法によれば、この発明の面位置検出装置を備えた露光装置を用いるため、感光性基板の面位置の検出が良好に行なわれていることから、微細な露光パターンの露光を良好に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる面位置検出装置を備える投影露光装置の構成図である。
【図2】この面位置検出装置における送光スリットの平面図である。
【図3】図1に示した光学系が両側テレセントリックであることを示す光路図である。
【図4】この面位置検出装置における受光スリットの平面図である。
【図5】この面位置検出装置における受光面上のシリコンフォトダイオードの配置と受光スリット像との関係を示す図である。
【図6】この面位置検出装置における受光スリット上の開口部の拡大図である。
【図7】この面位置検出装置における受光スリット上の開口部の拡大図である。
【図8】この面位置検出装置における基準信号を示す図である。
【図9】この面位置検出装置におけるパターンジェネレータとしてのDMDを示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する方法を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…主照明光源、4…投影レンズ、6…ウエハ、8…ホルダー、10…ウエハステージ、12…ステージ駆動系、14…光源、16…コンデンサレンズ、18…偏向プリズム、20…投射スリット、22…集光レンズ、24…ミラー、26…投射用対物レンズ、28…受光用対物レンズ、30…振動ミラー、32…集光レンズ、34…偏向プリズム、36…受光スリット、38,40…リレーレンズ、42…受光部、44…ミラー駆動系、48…検出系、50…処理/制御系、52…DMD、54…マイクロミラー。
Claims (8)
- 被検面に対して斜め方向から光を投射し、該被検面を経由した光を受光して前記被検面の面位置を検出する面位置検出装置において、
送光領域と非送光領域とを備える送光パターンと、
該送光パターンからの光に基づいて、前記被検面上に前記送光パターンの像を形成する第1結像光学系と、
前記被検面を経由した光に基づいて、前記送光パターンの像を形成する第2結像光学系と、
該第2結像光学系による前記送光パターンの像形成位置に配置されて、受光領域と非受光領域とを備える受光パターンと、
前記受光パターン上に形成される前記送光パターンの像と前記受光パターンとを相対的に走査させる走査手段と、
前記受光パターンを経由した光を光電検出する光電検出手段と、
前記光電検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検面の面位置を検出する被検面位置検出手段と、
を備え、
前記走査手段は、前記送光パターンの1つの前記送光領域の像を、前記受光パターンの複数の前記受光領域にわたって走査し、
前記被検面位置検出手段は、前記光電検出手段により検出された検出信号の位相に基づいて前記被検面の面位置を検出することを特徴とする面位置検出装置。 - 被検面に対して斜め方向から光を投射し、該被検面を経由した光を受光して前記被検面の面位置を検出する面位置検出装置において、
送光領域と非送光領域とを備える送光パターンと、
該送光パターンからの光に基づいて、前記被検面上に前記送光パターンの像を形成する第1結像光学系と、
前記被検面を経由した光に基づいて、前記送光パターンの像を形成する第2結像光学系と、
該第2結像光学系による前記送光パターンの像形成位置に配置されて、受光領域と非受光領域とを備える受光パターンと、
前記受光パターン上に形成される前記送光パターンの像と前記受光パターンとを相対的に走査させる走査手段と、
前記受光パターンを経由した光を光電検出する光電検出手段と、
前記光電検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検面の面位置を検出する被検面位置検出手段と、
を備え、
前記走査手段は、前記送光パターンの複数の前記送光領域の像が前記受光パターンの1つの前記受光領域を走査するように、前記送光パターンの像と前記受光パターンとを相対的に走査させ、
前記被検面位置検出手段は、前記光電検出手段により検出された検出信号の位相に基づいて被検面の面位置を検出することを特徴とする面位置検出装置。 - 前記光電検出手段により検出された連続した検出信号の中から所定のブロックの検出信号を抽出する抽出手段を更に備え、
前記被検面位置検出手段は、前記抽出手段により抽出された前記所定のブロックの検出信号と基準信号とを比較することにより前記被検面の面位置を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の面位置検出装置。 - 前記送光パターンの前記送光領域及び非送光領域、又は前記受光パターンの前記受光領域及び前記非受光領域は、等幅かつ等ピッチであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の面位置検出装置。
- 前記送光パターン及び前記受光パターンの中の少なくとも一方は、スリットパターンを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の面位置検出装置。
- 前記送光パターン及び前記受光パターンの中の少なくとも一方は、パターンジェネレータを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の面位置検出装置。
- 感光性基板上に所定のパターンを転写する露光装置において、
前記感光性基板の面位置を検出するための請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を備えることを特徴とする露光装置。 - 感光性基板上に所定のパターンを転写する露光方法において、
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置を用いて前記感光性基板の面位置を検出する検出工程と、
前記感光性基板上に前記所定のパターンを転写する転写工程と、
を備えることを特徴とする露光方法。
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JP2003032259A JP2004241744A (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 面位置検出装置、露光装置及び露光方法 |
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JP (1) | JP2004241744A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009170666A (ja) * | 2008-01-16 | 2009-07-30 | Canon Inc | 計測装置及び光強度分布計測方法、露光装置 |
CN104280851A (zh) * | 2013-07-01 | 2015-01-14 | 上海微电子装备有限公司 | 一种调焦调平自身零平面调整装置和方法 |
US8947632B2 (en) | 2009-12-23 | 2015-02-03 | Asml Netherlands B.V. | Lithographic apparatus, device manufacturing method, and method of applying a pattern to a substrate |
-
2003
- 2003-02-10 JP JP2003032259A patent/JP2004241744A/ja active Pending
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