JP2004241467A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材、ならびに電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム材は、表層酸化膜において、長径=A、短径=BとしたときにD=(A+B)/2で規定される粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物粒子に関し、各々の結晶性酸化物粒子のアスペクト比Cj(j=1、2、3…n)に基づいて求められる幾何平均アスぺクト比Mgを用いて計算されるアスぺクト比の幾何標準偏差σgが2以下であり、密度が1×104〜1×107個/mm2であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサ電極用アルミニウム材、エッチングされた電解コンデンサ電極用アルミニウム材、ならびに電解コンデンサに関する。
【0002】
なお、この明細書において「アルミニウム」の語はその合金を含む意味で用い、アルミニウム材には箔と板およびこれらを用いた成形体が含まれる。
【0003】
【従来の技術】
アルミニウム電解コンデンサ用電極材料として一般に用いられるアルミニウム材は、静電容量を大きくする目的で、電気化学的あるいは化学的エッチング処理を施して、アルミニウム箔の実効面積を拡大することが行われている。
【0004】
直流エッチング法でトンネル状ピットを生成させる電解コンデンサ陽極用アルミニウム材の製造において、通常は(100)面の結晶方位を発達させるために500℃前後の温度で不活性雰囲気もしくは真空中で最終焼鈍するのが一般的である。最終焼鈍は、最終箔厚に調整するための冷間圧延より後工程で行われている。
【0005】
この最終焼鈍時にアルミニウム表面に生成した結晶性酸化物粒子はエッチピットの核となることが知られ、結晶性酸化物粒子の密度や結晶性を制御することは静電容量向上につながると考えられるている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
前記文献においては、結晶性酸化物を核としてピットが形成されることは、結晶周辺部に多くのクラックが存在していることを示唆すると考えられることが述べられている。
【0007】
一般に、電解コンデンサ用アルミニウム材の製造において最終焼鈍は不活性ガス雰囲気中もしくは真空雰囲気中で行われるため、結晶性酸化物以外の表面層酸化膜は無定形である。結晶性酸化物は無定形酸化膜に比べ密度が高く、結晶密度は結晶形により異なる。
【0008】
アルミニウム表面層に形成される結晶性酸化物粒子は製造条件により、球状、板状、針状等多様な形状を取り、結晶と無定形酸化膜界面の欠陥の大きさも結晶の形状により異なる。従って、結晶性酸化物粒子をエッチピット核として有効に作用させるためには結晶性酸化物粒子の形状を制御することが重要であり、酸化膜または結晶性酸化物粒子に関して種々の提案がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0009】
特許文献1では、アルミニウム箔表面にγ−アルミナ結晶を生成させた電解コンデンサ用アルミニウム材料が提案されている。
【0010】
特許文献2では、非晶質の酸化膜の表面電位は場所的に均一なため、電解条件に対応したエッチピットが形成されることが表記されており、酸化膜の結晶化率は1%以下と規定されている。
【0011】
特許文献3では、平均粒子径0.05〜0.5μm結晶が面積比率で3〜50%占めている電解コンデンサ用アルミニウム箔が提案されている。
【0012】
【非特許文献1】
大澤伸夫、福岡潔、「電解コンデンサ用アルミニウム箔の直流エッチング挙動に及ぼす結晶性酸化物の影響」、表面技術、1999年、第50巻、第7号、p.643−647
【0013】
【特許文献1】
特開昭63−116417号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平8−222488号公報
【0015】
【特許文献3】
特開平8−222487号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1ではγ−アルミナ結晶の粒子密度、形状に関する記載がない。
【0017】
特許文献2は結晶化率(酸化膜中の結晶質皮膜の占有割合)を抑えることにより均一なピット形成を図ったものであり、結晶性酸化物をエッチピット核として有効に利用していない。また、結晶性酸化物粒子の密度、形状に関する規定がなく、実効面積の拡大が十分なされていない。
【0018】
特許文献3では、結晶性酸化物の粒子径、粒子密度、面積比率に関して規定されているものの、結晶の形状に関する記載がない。
【0019】
このように従来の技術では、アルミニウム表面層酸化膜に存在する結晶性酸化物粒子の形状に関して検討されておらず、エッチングによって十分に実効面積の拡大がなされていないという問題がある。
【0020】
この発明は上記のような従来技術の問題点を解決し、エッチングによって実効面積を増大させることが出来る電解コンデンサ電極用アルミニウム材、エッチングされた電解コンデンサ用電極材、ならびに電解コンデンサを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、電解コンデンサ用電極用アルミニウム材の表層酸化膜に存在し、エッチピット核として有効に作用する結晶性酸化物粒子のアスぺクト比のばらつきを小さく、粒子密度を適正なものとすることにより解決される。
【0022】
即ち、本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム材は下記の構成を有する。
(1) アルミニウム材の表層酸化膜において、長径=A、短径=BとしたときにD=(A+B)/2で規定される粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物粒子に関し、(F1)式で示される幾何平均アスぺクト比Mgを用いて(F2)式で計算される該粒子のアスぺクト比の幾何標準偏差σgが2以下であり、密度が1×104〜1×107個/mm2であることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【0023】
【数3】
【0024】
ここで、Cj(j=1,2,3,…n)は各々結晶性酸化物粒子のアスぺクト比であり、透過型電子顕微鏡により観察される結晶性酸化物粒子の外周に対し外接する最小面積の直方形において、直方形が長方形の場合は長方形の長辺をA’、短辺をB’としたときCj=A’/B’、直方形が正方形の場合はCj=1と規定する。
【0025】
【数4】
【0026】
(2) アスぺクト比の幾何標準偏差σgが1.6以下である前項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(3) 粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物粒子のうち、70〜l00%の粒子の粒子径Dが80〜1200nmである前項1または前項2に記載の電解コンデンナ電極用アルミニウム材。
(4) 粒子径Dが80〜1200nmの結晶性酸化物粒子の密度が1×105〜5×106個/mm2である前項3に記載の電解ロンデンサ電極用アルミニウム材。
(5) 酸化膜の厚さが、ハンターホール法による測定値で2.5〜5nmである前項1ないし前項4の何れかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(6) アルミニウム材におけるAl純度が99.9質量%以上である前項1ないし前項5の何れかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(7) 前記電解コンデンサ電極用アルミニウム材が陽極材である前項1ないし前項6の何れかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【0027】
また、本発明の電解コンデンサ用電極材は下記の構成を有する。
(8) 前項1ないし前項7の何れかの電解コンデンサ電極用アルミニウム材がエッチングされてなることを特徴とする電解コンデンサ用電極材。
(9) エッチングが直流エッチングである前項8に記載の電解コンデンサ用電極材。
【0028】
さらに、本発明の電解コンデンサは下記の構成を有する。
(10) 電極材として、前項8または前項9に記載の電解コンデンサ用電極材が用いられていることを特徴とする電解コンデンサ。
【0029】
本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム材は、表層の酸化膜に存在する結晶性酸化物粒子のアスペクト比および密度を規定することによって、エッチングによる実効面積の拡大を確かなものとしている。
【0030】
本発明の対象となる結晶性酸化物粒子は、長辺=A、短辺=BとしたときにD=(A+B)/2で規定される粒子径Dが70nm以上の粒子である。粒子径Dが70nm未満の粒子はエッチピット核になりにくいためである。
【0031】
前記結晶性酸化物粒子のアスぺクト比が全て同一の場合、(F1)(F2)式で計算される幾何標準偏差σgは1であり、アスべクト比の分布範囲が広くなるに従って幾何標準偏差σgが大きくなる。従って幾何標準偏差σgが小さく1に近いほどアスペクト比の分布範囲が狭く、アスぺクト比の均一性が優れていることを示す。アスぺクト比が均一なほどエッチピットが均一に生成するため、結晶性酸化物粒子の幾何標準偏差σgはさらにl.6以下であることが好ましく、特に好ましい幾何標準偏差σgは1.4以下である。
【0032】
また、粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物微粒子の密度を1×104〜1×107個/mm2と規定するのは、密度が1×104個/mm2未満の場合はエッチピット核となる結晶性酸化物微粒子が少なすぎ、一方密度が1×107個/mm2より高い場合は結晶性酸化物微粒子を核として生成したエッチピットが結合することにより、いずれの場合も有効に実効面積の拡大を図ることができないからである。
【0033】
より実効面積の拡大を図るには、粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物微粒子のうち、70〜100%の粒子の粒子径Dが80〜1200nmであることが好ましい。粒子径Dが80nm未満の結晶性酸化物微粒子に比べ特にエッチピット核になりやすく、粒子径Dが1200nmを越える結晶性酸化物微粒子よりも隣接するエッチピットの結合が少ないためである。
【0034】
さらに、粒子径Dが80〜1200nmである粒子の密度が1×105〜5×l06個/mm2であることが好ましく、エッチングによって確実に実効面積を拡大することができる。
【0035】
また、本発明において、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の厚さは特に規定されない。箔と称される厚さ200μm以下のものはもとより、それ以上の厚さの板、これらを用いた成形体も本発明に含まれる。
【0036】
本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム材は、表層酸化膜に存在する結晶性酸化物粒子のアスぺクト比の均一性が高く粒子密度が適正なものとなされているため、エッチングによって結晶性酸化物粒子を核とするエッチピットが多数かつ均一に生成される。このため、実効面積が拡大されて静電容量が増大する。
【0037】
前記結晶性酸化物粒子の種類としてはγ−Al2O3をはじめとするAl2O3、べーマイトをはじめとするAlOOH、アルミニウム以外の含有金属(例えばMg,Pb,Cu等)の酸化物および水酸化物、アルミニウムとアルミニウム以外の含有金属(例えばMg,Pb,Cu等)との複合金属酸化物あるいは水酸化物であれば特に限定されるものではなく、単結晶、多結晶のどちらでも良い。また、単一もしくは複数の結晶が無定形物質に覆われて一つの粒子を形成する物でも良く、凝集した酸化物結晶の間に無定形酸化物が存在していても良い。作製した電解コンデンサ用アルミニウム材表面に存在する結晶性酸化物は、アルミニウム材の片面に支持膜としてカーボン等の蒸着膜を形成させた後、例えば臭素−メタノール液に浸漬させることによりアルミニウムを溶解させたサンプルを透過型電子顕微鏡で観察することにより確認できる。上記透過型電子顕微鏡観察サンプル作製時のアルミニウム溶解に用いる液としては臭素−メタノール液の他に、塩化第2水銀水溶液、ヨウ素−メタノール液等の適用も可能である。
【0038】
前記透過型電子顕微鏡観察領域に存在する結晶性酸化物粒子は各々適切な倍率で観察され、結晶性酸化物であるか否かの区別や結晶性酸化物の同定は、電子線回折およびエネルギー分散型エックス線分析を用いることにより行うことができる。また、前記結晶性酸化物粒子の観察は、粒子径Dが70nm以上の粒子が少なくとも50個以上の存在する単一もしくは複数の領域において行うことが好ましい。
【0039】
前記酸化膜の厚さは、ハンターホール法(M.S.Hunter and P.Fowle,J.Electrochem.Soc.,101[9],483(1954)参照)による測定値で2.5〜5nmが好ましい。膜厚が上記範囲の場合は、深いトンネル状のエッチピットが形成される。2.5nm未満ではエッチング初期にアルミニウム材の表面溶解が多く発生してトンネル状のエッチピットが形成されず、5nmを越えると結晶性酸化物粒子がエッチピット核として作用しない恐れがある。
【0040】
本発明に用いられるアルミニウム材の純度は電解コンデンサ用に使用される範囲内であれば特に限定されないが、過溶解を抑制してエッチング特性の低下を防止するために、純度99.9質量%以上のものが好ましい。さらに好ましい純度は99.95質量%である。なお、本発明においてアルミニウム材の純度は100質量%からFe,Si,Cu,Mn,Cr,Zn,TiおよびGaの合計濃度(質量%)を差し引いた値とする。
【0041】
本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム材は、エッチング後の化成処理によって耐電圧性皮膜を形成させても大きい実効面積を有することから陽極材に適している。さらに、中圧用および高圧用電解コンデンサ電極材に適している。
【0042】
この発明のアルミニウム材の製造に際し、アルミニウム材料の溶解・成分調整・スラブ鋳造、均熱処理、熱闘圧延、冷間圧延、中間焼鈍、仕上冷間圧延(低圧下圧延)、最終焼鈍は一般法に従えばよく、特に限定すべき工程の指定はない。
アルミニウム材の(100)面積率が90%以上であることが好ましく、アルミニウム材のエッチング条件との関係で、アルミニウム材の製造工程条件は適宜変更される。
【0043】
なお、圧延工程の途中において前工程の圧延により生じたアルミニウム材の結晶組織の歪みを解消する目的で焼鈍(以後中間焼鈍と称す。)されたものであっても良い。また、中間焼鈍以前の工程で表面の不純物や油分を除去する目的で洗浄を実施しても良い。
【0044】
また、圧延工程を終了したアルミニウム材表面には油分や不純物が存在するため、焼鈍時に生成する結晶性酸化物粒子のアスぺクト比の均一性を高めるために洗浄を行いこれら油分や不純物を除去することが好ましい。
【0045】
洗浄液は特に限定されるものではないが、有機溶剤、酸、アルカリ、界面活性剤を添加した水等を利用できる。
【0046】
有機溶剤の例としては、アルコール、トルエン・キシレン等の芳香族炭化水素、ぺンタン・へキサン・脂肪族炭化水素、アセトン、ケトン、エステル等があげられ、特に限定されるものではなく複数の有機溶剤を混合して用いても良い。
【0047】
酸の種類としては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸、シュウ酸、酢酸等の有機酸が例示でき、これら酸を少なくとも1種類以上含む水溶液を洗浄液として用いることができる。また、脱脂力を高めるために酸水溶液に界面活性剤を添加しても良い。
【0048】
アルカリの種類としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、珪酸ナトリウム等を例示でき、少なくとも1種類以上のアルカリを含む水溶液を洗浄液として用いることができる。なおアルカリ洗浄後の酸洗浄等のように複数回浄液を実施しても良い。酸洗浄あるいはアルカリ洗浄後にアルミニウム表面に付着した洗浄液成分の残留物を除去する目的で水洗を行うことが好ましい。
【0049】
アルミニウム表面に存在する結晶性酸化物粒子の数やアスペクト比を制御する方法の一つとして、接触加熱を例示することができる。
【0050】
接触加熱の手段は熱ロール、加熱ベルト、加熱板などの加熱体をアルミニウム材表面に接触させる接触加熱であれば限定される物ではなく、複数の接触加熱手段を組み合わせても良い。また、箔の裏表同時に加熱しても良く、片面ずつ加熱しても良い。加熱体の加熱表面の材質はステンレス、メッキ、セラミックス、テフロン(登録商標)、シリコーン樹脂等自由に選択できるが、アルミニウム表層酸化膜が加熱表面に凝着しない物質が好ましい。
【0051】
アルミニウムに接触させる加熱体の表面温度は50〜450℃が好ましい。加熱体表面温度が50℃未満であれば、焼鈍時の結晶性酸化物微粒子の数やアスぺクト比の制御が十分ではなく、450℃より高くなると酸化膜が厚くなりすぎ、加熱冷却時に皺が発生する等の操業上の問題が生じる恐れがあるからである。アルミニウム材表面が加熱体表面に接触する時間は0.001〜60秒が好ましい。接触時間が0.001秒未満であるとアルミニウム表面を十分に加熱することが出来ず、60秒より長く加熱すると酸化膜が厚くなりすぎエッチピットが発生しにくくなる可能性がある。
【0052】
加熱体表面温度・接触時間は接触加熱前のアルミニウム表面酸化膜の特性を考慮して適宜選択されるものとする。接触加熱雰囲気は特に限定されず、特別な雰囲気制御も必要なく空気中でも十分である。
【0053】
洗浄または洗浄後の接触加熱後、アルミニウム材の結晶組織の方位を(100)方位に整えてエッチング特性を向上させることを主目的とし最終焼鈍がなされる。
【0054】
この最終焼鈍における処理雰囲気は特に限定されるものではないが、酸化膜の厚さを増大させすぎないように、水分および酸素の少ない非酸化雰囲気中で加熱するのが好ましい。具体的には、アルゴン、窒素等の不活性ガス中あるいは0.1Pa以下の真空中で加熱することが好ましい。
【0055】
最終焼鈍の方法は特に限定されるものではなく、コイルに巻き取った状態でバッチ焼鈍しても良く、コイルを巻き戻しながら連続焼鈍した後コイルに巻き取っても良く、バッチ焼鈍と連続焼鈍の少なくともどちらかを複数回行っても良い。
【0056】
最終焼鈍時の保持温度、時間は特に限定されるものではないが、たとえばコイルの状態でバッチ焼鈍を行なう場合は、アルミニウム実体温度450〜600℃にて、10分〜50時間、さらに450〜580℃にて焼鈍するのが好ましい。
また、昇温速度・パターンは特に限定されず、一定速度で昇温させてもよく、昇温、温度保持を繰り返しながらステップ昇温・冷却させてもよい。
【0057】
アルミニウム実体温度が450℃未満、時間が10分未満では酸化膜中のエッチピットの核と成り得る結晶性酸化物粒子の生成が十分ではなく、その分散状態が疎となりすぎて、結晶をエッチング核とするエッチング時の拡面効果が期待できない恐れがあり、(100)面の結晶方位の発達も不十分であるからである。
逆に600℃を越える高温で焼鈍すると、コイルでバッチ焼鈍する場合はアルミニウム材が密着を起こし易くなり、50時間を超えて焼鈍してもエッチング表面積拡大効果は飽和し、却って熱エネルギーコストの増大を招く。
【0058】
前記最終焼鈍により、アルミニウム材表層酸化膜の厚さは、上述したハンターホール法による測定値で2.5〜5nmとなされるとともに、(100)面積率が90%以上となされる。
【0059】
本発明のエッチングされた電解コンデンサ用電極材は、上述した電解コンデンサ電極用アルミニウム材にエッチング処理を施して実効面積を拡大させたものである。エッチング処理によって、表層の酸化膜に存在する結晶性酸化物粒子がエッチピット核となり、多数のエッチピットが生成される。エッチング処理条件は特に限定されないが、トンネル状ピットが生成される直流エッチングを用いるのが良い。
【0060】
エッチングされたアルミニウム材は、さらに化成処理を行って陽極材とすることができ、特に中圧および高圧用電解コンデンサ陽極材に適している。
【0061】
本発明の電解コンデンサは、電極材料として上述のエッチングされた電解コンデンサ用電極材が用いられたものである。電極材料の実効面積の拡大により高い静電容量が得られる。
【0062】
【実施例】
以下に本発明の実施例および比較例を示す。なお、本発明は実施例に限定されない。
【0063】
アルミニウム基材として、99.99質量%のアルミニウム材料を常法により110μmに圧延したアルミニウム箔を使用した。
(実施例1)
アルミニウム基材をn−へキサンで洗浄した後、表面温度を200℃に設定した2枚のステンレス製加熱板の間に挟んで大気中で5秒間接触加熱を行った。接触加熱後のアルミニウム基材を重ねた状態で、アルゴン雰囲気中においてアルミニウム基材の実体温度を室温から550℃まで50℃/hで昇温させた後、550℃にて24時間保持し、次いで冷却した後炉だしし、電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例2)
アルミニウム基材をn−へキサンで洗浄した後、表面温度を250℃に設定した2枚のステンレス製加熱板の間に挟んで大気中で2秒間接触加熱を行った。接触加熱後のアルミニウム基材を重ねた状態で、アルゴン雰囲気中においてアルミニウム基材の実体温度を室温から550℃まで50℃/hで昇温させた後、550℃にて24時間保持し、次いで冷却した後炉だしし、電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例3)
アルミニウム基材をn−へキサンで洗浄した後、表面温度を200℃に設定した2枚のステンレス製加熱板の間に挟んで大気中で5秒間接触加熱を行った。接触加熱後のアルミニウム基材を重ねた状態で、アルゴン雰囲気中においてアルミニラム基材の実体温度を室温から540℃まで50℃/hで昇温させた後、540℃にて24時間保持し、次いで冷却した後炉だしし、電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例4〜15)
アルミニウム基材をn−へキサンで洗浄した後、加熱時間および温度を変化させて接触加熱を行った。接触加熱後のアルミニウム基材を重ねた状態で焼鈍温度と時間を変化させ焼鈍し電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(比較例1〜3)
アルミニウム基材をn−へキサンで洗浄した後、焼鈍温度と時間を変化させて焼鈍し、電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
【0064】
各実施例および比較例で得られた電解コンデンサ電極用アルミニウム材の表層酸化膜について、酸化膜厚さ、粒子径Dが70nm以上である結晶性酸化物粒子のアスぺクト比の幾何標準偏差、粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物の密度、粒子径Dが80〜1200nmの結晶性酸化物の密度を求めた。ここで、結晶性酸化物粒子径Dは、長径=A、短径=BとしたときにD=(A+B)/2で表わされるものとする。
【0065】
酸化膜厚さは上述したハンターホール法により測定した。
【0066】
結晶性酸化物粒子の粒子密度およびアスペクト比は、少なくとも50個以上の粒子径D70nm以上の結晶性酸化物粒子が存在する単一もしくは複数の視野を観察する(3000〜6万倍で観察)ことにより求めた。また、結晶性酸化物粒子のアスぺクト比の幾何標準偏差σgは上述の(F1)(F2)式に基づいて求めた。なお、観察用サンプルは、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の片面にカーボン蒸着膜を形成し、臭素−メタノール液に浸潰しアルミニウムを溶解させたものを用いた。
【0067】
酸化膜厚さ、粒子径Dが70nm以上である結晶性酸化物粒子のアスぺクト比の幾何標準偏差σg、粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物粒子密度、粒子径Dが80〜1200nm以下の結晶性酸化物粒子密度、および粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物粒子中の粒子径80nm〜1200nmの結晶性酸化物粒子の比率(%)を表1に示す。
【0068】
さらに、各実施例および比較例で得られた箔をHCl:1.0mol・dm−3とH2SO4:3.5mol・dm−3を含む液温75℃の水溶液に浸潰した後、電流密度0.2A/cm2で電解処理を施した。電解処理後の箔をさらに前記組成の塩酸−硫酸混合水溶液に90℃にて360秒浸潰し、ピット径を太くしエッチド箔を得た。得られたエッチド箔を化成電圧270VにてEIAJ規格に従い化成処理し静電容量を測定した。測定した静電容量を、比較例1を100とした時の相対値として表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
上記のように、結晶性酸化物粒子のアスぺクト比の幾何標準偏差と粒子密度を制御することにより、エッチング特性を高めて静電容量を増大させ得ることを確認した。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム材は、表層酸化膜において、粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物粒子のアスペクト比が幾何標準偏差σg:2以下となされた均一性の高いものであり、かつ粒子密度が1×104〜1×107個/mm2となされているから、エッチングによって結晶性酸化物粒子を核とする深いトンネル状のエッチピットが多数かつ均一に生成される。このため、実効面積が拡大され、ひいては静電容量を増大できる。
【0072】
前記電解コンデンサ電極用アルミニウム材において、アスぺクト比の幾何標準偏差σgが1.6以下である場合は、特にエッチピットが均一に生成される。
【0073】
また、粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物粒子のうち、70〜l00%の粒子の粒子径Dが80〜1200nmである場合は、エッチピット核になりやすく、かつエッチピットの結合が少ないために、実効面積の拡大効果が大きい。さらに、粒子径Dが80〜1200nmの結晶性酸化物粒子の密度が1×105〜5×106個/mm2である場合は、確実に実効面積を拡大することができる。
【0074】
また、酸化膜の厚さが、ハンターホール法による測定値で2.5〜5nmである場合は、深いトンネル状のエッチピットが形成される。
【0075】
また、アルミニウム材におけるAl純度が99.9質量%以上である場合は、過溶解を抑制してエッチング特性の低下を防止することができる。
【0076】
前記電解コンデンサ電極用アルミニウム材が陽極材として用いられる場合は、実効面積の拡大により高い静電容量を得ることができる。
【0077】
本発明の電解コンデンサ用電極材は、上述した何れかの電解コンデンサ電極用アルミニウム材において、エッチピットが形成されてなるものであるから、多数の深いトンネル状ピットが形成されて静電容量の増大をなし得るものである。
【0078】
また、エッチングが直流エッチングによってなされた場合は、トンネル状ピットが生成された電解コンデンサ用電極材となし得る。
【0079】
本発明の電解コンデンサは、電極材料として、上記電解コンデンサ用電極材が用いられてなるものであるから、電極材料の実効面積の拡大により高い静電容量が得られる。
Claims (10)
- アルミニウム材の表層酸化膜において、長径=A、短径=BとしたときにD=(A+B)/2で規定される粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物粒子に関し、(F1)式で示される幾何平均アスぺクト比Mgを用いて(F2)式で計算される該粒子のアスぺクト比の幾何標準偏差σgが2以下であり、密度が1×104〜1×107個/mm2であることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
- アスぺクト比の幾何標準偏差σgが1.6以下である請求項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
- 粒子径Dが70nm以上の結晶性酸化物粒子のうち、70〜l00%の粒子の粒子径Dが80〜1200nmである請求項1または請求項2に記載の電解コンデンナ電極用アルミニウム材。
- 粒子径Dが80〜1200nmの結晶性酸化物粒子の密度が1×105〜5×106個/mm2である請求項3に記載の電解ロンデンサ電極用アルミニウム材。
- 酸化膜の厚さが、ハンターホール法による測定値で2.5〜5nmである請求項1ないし請求項4の何れかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
- アルミニウム材におけるAl純度が99.9質量%以上である請求項1ないし請求項5の何れかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
- 前記電解コンデンサ電極用アルミニウム材が陽極材である請求項1ないし請求項6の何れかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
- 請求項1ないし請求項7の何れかの電解コンデンサ電極用アルミニウム材がエッチングされてなることを特徴とする電解コンデンサ用電極材。
- エッチングが直流エッチングである請求項8に記載の電解コンデンサ用電極材。
- 電極材として、請求項8または請求項9に記載の電解コンデンサ用電極材が用いられていることを特徴とする電解コンデンサ。
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