JP2004241231A - プラズマディスプレイおよびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精細な画像を得ることができるプラズマディスプレイおよびその駆動方法を提供する。
【解決手段】PDP10は、前面基板12および背面基板14の間に、セル列が設けられる。前面基板12には、表示電極22が設けられる。前面基板12の全面を覆う形に誘電体保護層24が設けられる。背面基板14には、アドレス電極26が設けられる。隣り合うアドレス電極26に対応する隣り合うセル列を分離、独立させる障壁28が、セル列の数に対応して形成される。各セル列には、放電ガスが封入される。セル列の各セル16に対応して、背面基板14の裏面側にエキシマレーザ30が設けられる。所定のセルにデータを入力するとき、エキシマレーザ30を動作させて誘電体保護層24から電子を発生させて、放電開始電圧を下げて所定の値の電位差で放電を開始させる。
【選択図】 図6
【解決手段】PDP10は、前面基板12および背面基板14の間に、セル列が設けられる。前面基板12には、表示電極22が設けられる。前面基板12の全面を覆う形に誘電体保護層24が設けられる。背面基板14には、アドレス電極26が設けられる。隣り合うアドレス電極26に対応する隣り合うセル列を分離、独立させる障壁28が、セル列の数に対応して形成される。各セル列には、放電ガスが封入される。セル列の各セル16に対応して、背面基板14の裏面側にエキシマレーザ30が設けられる。所定のセルにデータを入力するとき、エキシマレーザ30を動作させて誘電体保護層24から電子を発生させて、放電開始電圧を下げて所定の値の電位差で放電を開始させる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイおよびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイビジョンテレビのような高品位テレビが実用化されている。
【0003】
そして、さらに、デジタルハイビジョン放送の普及とともに、ディスプレイのさらなる大画面化、高精細化の期待が高まっており、例えば、視覚特性を利用して4枚の画素LCDの画素ずらしによって垂直解像度4千本級を実現する液晶プロジェクタが検討されている(非特許文献1参照。)。しかしながら、一般的に、液晶を用いたディスプレイについては、高速応答性に欠けることに起因する動画の画質の低下等の非自発光性ディスプレイ特有の不具合がある。
【0004】
一方、大画面化、高精細化に適し、かつ自発光性を有するディスプレイの1つとして、プラズマディスプレイ(プラズマディスプレイパネル:PDP 以下、必要に応じてPDPという。)の開発が進められており、既にハイビジョンテレビ級のPDPが実用化されている。
【0005】
このPDPには、パネル構造の違いから直流(以下、DCという。)型と交流(以下、ACという。)型の2種類がある。前者のDC型では電極が放電空間に露出しているのに対して、後者のAC型では電極が誘電体および誘電体を保護する保護層で覆われている等の違いがある(例えば非特許文献2参照。)。
【0006】
AC型PDPの場合、誘電体層上に壁電荷を生成し、ひとたび壁電荷が生じれば、放電開始電圧よりも低い電圧で放電を持続させることができ、これにより、多階調表示機能を可能としている。
【0007】
一方、DC型PDPについても、維持パルス列を表示セルに連続して印加しながら、このパルスの幅、振幅および周期を、放電によって生じた準安定な粒子があると維持パルスにより再点弧し、なくなると再点弧しないように設定することで、電極の駆動方法のみによってメモリ機能を持たせることで多階調表示機能を可能としている(例えば、非特許文献3参照。)。
【0008】
これらメモリ機能を有するPDPを用いて多階調表示を行う場合、視覚積分効果を利用したフィールド内時分割表示法が好適に用いられている。
【0009】
【非特許文献1】
NHK技研R&D,No.74,pp42−47(2002)
【0010】
【非特許文献2】
Electronic Journal 別冊,2000FPDテクノロジー大全,
p398
【0011】
【非特許文献3】
電気通信学会誌,J73−C−11,村上他
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のPDPは、以下の理由により、走査本数が4000本を越える高精細化を実現することは困難である。
【0013】
フィールド内時分割表示法による256階調表示を図1を参照して説明する。
【0014】
図1は、1フィールドの時間占有の割合および順序の一例を示すものである。1フィールドは、8個のサブフィールド(1SF〜8SF)で構成され、各サブフィールドはリセット期間、アドレス期間および維持期間からなる一連の操作期間によって構成される。ここで、リセット期間は消去や予備放電等を行う期間であり、アドレス期間はPDPセルに対してデータに応じた書き込み放電を促す期間であり、維持期間(表示期間)はアドレスされた予め決められた回数だけ維持放電を行い、視覚積分効果によって任意の発光強度を表現する期間である。
【0015】
各サブフィールドでは、リセット期間およびアドレス期間については、同一長さの時間が割り当てられるが、維持期間については、1:2:4:8:16:32:64:128の比率に設定されている。そして、これにより、8ビットデータの重み付けに対応したデータ書き込みを行うことで、256階調表示を行うことが可能となる。
【0016】
ところで、現行のハイビジョン方式では、フィールド周波数が約59.94Hzであり、言いかえると、1フィールドの時間は約16.68msである。このため、横方向(列方向)に複数配列されたアドレス電極を同時に駆動して横方向1ラインのセルに同時にデータ書き込みを行う線順次駆動方式を用いるとき、下記式(1)を満たしている必要がある。
【0017】
ここで、Tpは各サブフィールドのリセット期間の総時間を、Taは各サブフィールドのアドレス期間の総時間を、Tsは各サブフィールドの維持期間の総時間を、Nfはサブフィールド数を、Nlはライン数を、Ncは階調数を、tpは1つのサブフィールドのリセット期間の時間を、trは1セルの応答時間を、fsは維持パルス周波数を、それぞれ示す。
【0018】
線順次駆動方式は、例えば図2に示すAC型PDPの場合、水平方向(横方向)に伸びる、それぞれn本(上記Nlに対応する。)のSCN(スキャン電極)線およびSUS(サスティン電極)線の対と、これらの電極と直交して、垂直方向(縦方向)に伸びる、m本のDATA(データ電極:アドレス電極)線とで構成されるPDPにおいて、図3に示すタイミングで各信号線に信号パルスを入力する方式である。
【0019】
図3は、DATA線の各列(DATA1,2,…,m)が同時に駆動されるときの任意の1つの列のDATA線に設けられた各行のSCN線(SCN1,2,…,n)および各行のSUS線(SUS1,2,…,n)の信号パターンを示すものである。
【0020】
アドレス期間において、DATAを所定の電位Vwriに保つとともに、書き込みを行うセル行に対応する各SCN(SCN1,2,…,n)に順次所定のパルス電位Vscnを与える。このとき、各SUS(SUS1,2,…,n)は所定の電位Vsusに保つ。そして、DATAおよびSCNの電位差(|Vwri−Vscn|)を放電開始電圧よりも大きな値に調整し、DATAおよびSUSの電位差(|Vwri−Vsus|)ならびにSCNおよびSUSの電位差(|Vscn−Vsus|)を放電開始電圧よりも小さくなるように、各電位Vwri、Vscn、Vsusを設定することにより、任意のセルのみに書き込み放電を発生させることができる。
【0021】
ついで、維持期間において、DATAを低電位に保つとともに、所定の周期で、各SCN(SCN1,2,…,n9および各SUS(SUS1,2,…,nに同時にパルス電位Vscnおよびパルス電位Vsusを与え、発光状態を継続させる。
【0022】
これにより、所定の列のDATAの各SCN(セル行)に同時に書き込みを行うことができる。
【0023】
現行のディスプレイの標準的なケースとして、サブフィールド数(Nf)を8に、階調数(Nc)を256に、1セルの応答時間(tr)を1μsに、それぞれ設定し、また、1つのサブフィールドのリセット期間の時間(tp)については、操作内容を消去放電のみとし、かつ、全画面同時操作を行ったとしても、操作に要する時間は1セルの応答時間を下回ることはできず、tp≧trとなるため、例えば1セルの応答時間と同じ1μsとし、維持パルス周波数については、50〜83.3kHz程度であるため、最大値の83.3kHzを用いるとすると、駆動可能な最大ライン数Nl(max)は、下記式(2)で1704本と与えられる。
【0024】
この駆動可能な最大ライン数Nl(max)1704本は、高精細化に必要な本数である例えば4000本の半分に満たない。また、上記式(2)では、維持期間における1階調分の発光時間を維持放電パルス(図3中、維持期間におけるSUS1,2,…,nの複数のパルスのうちの1つのパルス)1回分の残光を含む発光時間として計算しているが、現実には、発光輝度等の問題から1階調分の表現に数回分の維持放電パルスの発光時間を利用している場合もあり、このとき、維持パルス周波数を大きくすることにも困難を生じる。
【0025】
この場合、例えば図4に示すように、PDPのそれぞれn本のSCN線およびSUS線を配置した2つのブロック(1〜n本のBlock1、n+1〜2n本のBlock2)を設け、かつ各ブロックごとにそれぞれm本のDATA線を上下反対方向に引き出した状態に形成し、図5に示すように2つのブロックを並列に走査する、デュアルスキャン方式を採用すると、駆動可能な最大ライン数は計算上、3408本となるが、4000本を越えるレベルには至らない。なお、アドレス電極(DATA)を平面的に引き出す方向は限られているため、ブロック数を3以上に増やすことは困難である。
【0026】
一方、上記の2つのブロックを別々に製作した上で、これらのブロックを張り合わせて1つのPDPとして形成することで、4000本を越える走査本数のディスプレイを得る方式も提案されている。しかしながら、この場合には、各ブロック間の継ぎ目が画質の劣化を誘発する等の問題があり、高精細化の意義が失われる。
【0027】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、高精細な画像を得ることができるプラズマディスプレイおよびその駆動方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るプラズマディスプレイは、表示電極部を備える第1の透明基板と、アドレス電極を備える第2の透明基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が該第1の透明基板および該第2の透明基板の間に設けられ、該放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、該第1の透明基板および該第2の透明基板のうちのいずれか一方の基板を透過して該表示電極部に入射して、該表示電極部から該放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係るプラズマディスプレイは、表示電極部を備える前面基板と、アドレス電極を備える背面基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が該前面基板および該背面基板の間に設けられ、該放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、該背面基板を透過して該表示電極部に入射して、該表示電極部から該放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなることを特徴とする。
【0030】
また、本発明に係るプラズマディスプレイにおいて、前記表示電極部は、スキャン電極およびサスティン電極を有し、少なくとも該スキャン電極が誘電体層および該誘電体層を覆う保護層で覆われてなり、該保護層から電子を放出するように構成してなることを特徴とする。
【0031】
また、本発明に係るプラズマディスプレイにおいて、前記表示電極部は、表示電極を有し、該表示電極または前記アドレス電極のうちの陰極とされる電極から電子を放出するように構成してなることを特徴とする。
【0032】
本発明の上記の構成により、誘電体層または陰極から放出される電子によって放電開始にに要する電圧が確保され、従来のように1つの列のアドレス線(データ線)に対応する、交流駆動プラズマディスプレイにおける走査電極または直流駆動プラズマディスプレイにおける陰極(低電位側の電極)を行方向に走査して放電開始電圧を得る必要がないため、アドレス可能なライン数に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化されるプラズマディスプレイを得ることができる。
【0033】
この場合、前記保護層がMgOを主成分として有すると、駆動源の電力消費量を低減することができる。
【0034】
また、この場合、前記光源がエキシマレーザであると、対応するセルの保護層または陰極の近傍に、光電効果により、確実にかつ効率的に電子分布を生成することができる。
【0035】
また、この場合、前記セルが3色の蛍光体で塗り分けられ、カラー表示可能であると、好適である。
【0036】
また、本発明に係るプラズマディスプレイの駆動方法は、アドレス期間に、対向する1対の電極部の間の電位差を放電開始電圧よりも低い所定の値に保つ工程と、所定のセルにデータを入力するときに、所定のセルに対応する該1対の電極部のいずれか一方に光を照射して、該所定のセルの放電空間内に電子を放出させて、該所定の値の電位差で放電を開始させる工程と、を有することを特徴とする。
【0037】
また、本発明に係るプラズマディスプレイの駆動方法は、前記1対の電極部が、アドレス電極を有する電極部と、スキャン電極およびサスティン電極を有し、少なくとも該スキャン電極が誘電体層および該誘電体層を覆う保護層で覆われてなる電極部とで構成され、該保護層から電子を放出させることを特徴とする。
【0038】
また、本発明に係るプラズマディスプレイの駆動方法は、前記1対の電極部が、アドレス電極を有する電極部と、表示電極を有する電極部とで構成され、該アドレス電極および該表示電極のうちの陰極とされる側の電極から電子を放出させることを特徴とする。
【0039】
本発明の上記の構成により、、従来のように1つの列のアドレス線(データ線)に対応する、交流駆動プラズマディスプレイにおける走査電極または直流駆動プラズマディスプレイにおける陰極(低電位側の電極)を行方向に走査して放電開始電圧を得る必要がないため、アドレス可能なライン数に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化されるプラズマディスプレイを得ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明に係るプラズマディスプレイおよびその駆動方法の好適な実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、図を参照して、以下に説明する。
【0041】
まず、本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイについて、図6および図7を参照して説明する。図6は交流駆動プラズマディスプレイの組立て分解概略部分斜視図を、図7(a)は図6の交流駆動プラズマディスプレイの1つのセルに対応する構成部分の構造を説明するための斜視図を、図7(b)は図6の交流駆動プラズマディスプレイの1つのセルに対応する構成部分の構造を説明するためのセルの延出方向からみた図を、それぞれ示す。
【0042】
本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイの基本的な構造は、放電ガスの発光色を表示する交流駆動プラズマディスプレイと同様である。
【0043】
すなわち、本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイ10は、図3に示すように、前面基板(第1の透明基板)12および背面基板(第2の透明基板)14からなる1対の基板が平行に配置される。前面基板12は、画像を視認する側、すなわち、発光が放出される側の基板である。前面基板12および背面基板14の間には、複数のセル列21が形成され、各セル列は、画素に対応する放電空間である複数のセル16に構成される。前面基板12および背面基板14は、例えばガラス材料で形成される。
【0044】
前面基板12には、走査電極18および維持電極20からなる1対の電極で構成される表示電極22が設けられる。走査電極18および維持電極20は、それぞれ、平行に多数配置されるセル列21の配列方向全体を覆う長さを有するストライプ状に形成され、相互に平行に配置される。1つのセル列21は、直交する走査電極18および維持電極20に対応する多数のセル16を構成する。表示電極22は、走査線(SCN線)の数に対応する数が平行に配列される。表示電極22は、誘電体層で覆われ、さらに保護層で覆われる。なお、誘電体層および保護層は、表示電極22の走査電極18のみを覆うように設けてもよい。図6および図7では、誘電体層および保護層は誘電体保護層24として一括して表示しており、また、誘電体保護層24は表示電極22を設けた部分を含む前面基板12の全面を覆う形に設けられる。
【0045】
走査電極18は、可視光に対して透明な、例えば、酸化スズ、ITO等の材料で形成される。維持電極20は、低抵抗な、例えば、銀、銅、アルミニウム等の材料で形成される。誘電体層は、例えば、低融点ガラス材料で形成される。保護層は、駆動電力を低減する観点から、好ましくは、MgOを主成分とする材料で形成される。
【0046】
背面基板14には、アドレス電極26が設けられる。アドレス電極26は、平行に配列された各表示電極22の全体を覆う長さを有するストライプ状に形成される。アドレス電極26は、画像の走査線方向に設けられるセル16の数に対応する数が平行に配列される。アドレス電極26は、好ましくは、ITO等の透明金属材料で形成される。また、アドレス電極26は、例えば、銀、銅、アルミニウム等の材料で形成してもよい。
【0047】
前面基板12および背面基板14の間には、隣り合うアドレス電極26に対応する隣り合うセル列21、21を分離、独立させる障壁(リブ)28が、セル列21の数に対応して形成される。障壁は、例えば、感光性ガラス材料で形成される。各セル列21には、放電ガスが封入される。放電ガスは、Ne、Xe等のガス、あるいは、これらの混合ガス等が用いられる。
【0048】
本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイ10の上記の各構成部分は、通常の交流駆動プラズマディスプレイの作製方法により作製することができる。なお、電気回路等については、通常の交流駆動プラズマディスプレイの回路構造を適用できるため、説明を省略している。
【0049】
本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイ10は、さらに、エキシマレーザ30が各セル16に対応して、背面基板14の裏面側に(各図中、下側)例えば背面基板14に近接して設けられる。各エキシマレーザ30は、例えば、適宜の筐体32に収容され、マトリクス状に配置される。各エキシマレーザ30は、それぞれ、照射方向を対応するセル16に向け、セル16のアドレス電極26を透過して誘電体保護層24に光が照射されるように調整される。但し、不透明なアドレス電極を用いるときは、アドレス電極を避けて障壁28との間を透過させる。エキシマレーザ30で生成する光束の径が例えば10μm程度であるのに対してセル16の幅が例えば100μm程度であるため、照射された光が目的のセルの隣のセルに漏れ込むことがない。エキシマレーザ30は、生成する光(図6および図7中、下から上に向けて伸びる白抜き矢印で示す。)の波長が誘電体保護層24の保護層における光電子放出限界波長よりも短いものを選択して用いる。このようなエキシマレーザ30として、例えば、XeCl(波長:308nm)やKrF(波長:248nm)等を用いることができる。
【0050】
以上説明した本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイ10の駆動方法について、図8および図9を参照して説明する。
【0051】
PDP10は、図8に示すように、それぞれ行方向にp本のSCN(スキャン電極)線およびSUS(サスティン電極)線と、列方向にq本のDATA(データ電極:アドレス電極)線とが直交して配列される。なお、図8中、記号LSはエキシマレーザを示す。
【0052】
マトリクス状に構成されるSCNおよびDATAの交差箇所に対応する各セルの発光状態および非発光状態の2つの状態は、以下の作用で設定される。図9には、1つのセルに対応する各信号線のパターンを示す。
【0053】
アドレス期間において、所定の1または複数の行のSCNあるいは全ての行SCNには、通常のPDPと同様に所定のパルス電位Vscanを与える。一方、DATAに印加する電圧は、SCNの電圧との電位差が放電開始電圧以下である一定の電位Vbiasに保つ。すなわち、このときのSCNとDATAとの間の電位差(│Vscan−Vbias│)は、通常のPDPにおけるSCNとDATAとの間の電位差(│Vscan−Vwri│)よりも十分に小さな値である。したがって、このままでは、セルは非発光状態にある。
【0054】
そこで、セルに入力するデータが1のときにのみ、SCNのパルス電位Vscanに合わせて、プラズマレーザ(LSi,j(i=1〜p、j=1〜q))からの光を背面基板およびアドレス電極を介して誘電体保護層にパルス照射(ON)する。このとき、プラズマレーザからの光(光子)は、保護層において光電効果を起こすのに十分な波長の光であるため、保護層付近に保護層から放出される電子の分布が生成する。そして、この電子の存在により、放電開始電圧が下げられ、セルは発光状態となる。これにより、データが1である所定の1または複数のセルあるいは全てのセルを同時に発光させることができる。
【0055】
なお、維持期間では、先に図3に示した通常のPDPの場合と同様の信号パターンとする。
【0056】
本実施の形態例に係るPDPにおいて印加する各電圧は、PDPの各部材の条件によって異なるが、例えば、アドレスギャップ長150nmのPDPセルにおいて、放電ガスとしてNe−Xe(5%)を用い、500Torr(66.5kPa)の圧力条件下では、エキシマレーザの光を照射しないときの放電開始電圧は通常のPDPと同様の200〜500V程度であり、例えば5mWの出力のエキシマレーザの光を照射することで、放電開始電圧を10〜20V程度下げることができる。
【0057】
上記のセルの放電機構は、通常のPDPで必要なSCNの走査を伴わず、SCNには、データ書き込み時には常に所定の電位Vscanが与えられ、また、DATAにも常に所定の電位Vbiasが与えられており、データを入力するセルに光(光子)を入射することでそのセルを発光状態とするため、DATA線を共有するセルについても並列的にデータ入力を行うことができる。
【0058】
本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイおよびその駆動方法によれば、アドレス可能なライン数(SCN走査線の数)に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化される交流駆動プラズマディスプレイを得ることができる。
【0059】
また、誘電体層に光を照射する光源としてエキシマレーザを用いるため、誘電体層に光電効果により効率的に電子を生成することができ、また、書き込みを行うセルと隣り合う書き込みを行わないセルに無用な光漏れを生じることがない交流駆動プラズマディスプレイを容易に得ることができる。なお、光源として、エキシマレーザに変えて、例えばフォトダイオード等の他の素子を用いてもよい。
【0060】
また、本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイは、セル(あるいは前面基板)が3色の蛍光体で塗り分けられ、カラー表示可能であると、好適である。
【0061】
つぎに、本実施の形態例に係る直流駆動プラズマディスプレイについて、図10を参照して説明する。図10(a)は直流駆動プラズマディスプレイの1つのセルに対応する構成部分の構造を説明するための斜視図を、図10(b)は図10(a)の構成部分をセルの延出方向からみた図を、それぞれ示す。
【0062】
本実施の形態例に係る直流駆動プラズマディスプレイ(以下、PDPという。)の基本的な構造は、放電ガスの発光色を表示する直流駆動プラズマディスプレイと同様である。
【0063】
すなわち、本実施の形態例に係るPDPは、図10に示すように、前面基板(第1の透明基板)32および背面基板(第2の透明基板)34からなる1対の基板が平行に配置される。前面基板32は、画像を視認する側、すなわち、発光が放出される側の基板である。前面基板32および背面基板34の間には、画素に対応する放電空間であるセル36が、画素の数に対応して設けられる。前面基板32および背面基板34は、例えばガラス材料で形成される。
【0064】
前面基板32には、障壁(リブ)33で分離して、独立に形成される各セル列ごとセル列の延出方向に伸びる、この場合陰極とされるアドレス電極38が設けられる。アドレス電極38は、各セル列ごとに複数平行に配列される。セル列は、画素に対応する複数のセル36を構成する。アドレス電極38は、可視光に対して透明な、例えば、酸化スズ、ITO等の材料で形成される。
【0065】
背面基板34には、アドレス電極38に対応して各セル列ごとに、この場合陽極とされる表示電極40が設けられる。但し、表示電極40は、セル列内において、上下方向視野でアドレス電極38と重ならない位置に設けられる。したがって、表示電極40は、好ましくは、ITO等の透明金属材料で形成するが、これに限らず、例えば、銀、銅、アルミニウム等の材料で形成してもよい。
【0066】
セル列から引き出された表示電極38を、配列された各アドレス電極38の配列方向の全体にわたって接続するように、陽極接続電極(バス電極)42が、表示電極38と交差して複数配列される。
【0067】
上記PDPは、前記したPDP10と同様に、エキシマレーザ30が各セル36に対応して、背面基板34の裏面側に設けられる。各エキシマレーザ30は、それぞれ、照射方向を対応するセル36に向け、セル16のアドレス電極40の側方を通過して表示電極38に光が照射されるように調整される。
【0068】
以上説明した本実施の形態例に係る直流駆動プラズマディスプレイの駆動方法について、図11および図12を参照して説明する。
【0069】
PDPは、図11に示すように、それぞれ行方向にr本のA線(表示電極接続線)と、列方向にs本のC線(アドレス電極線)とが直交して配列される。各A線には交差するC線ごとに表示電極(陽極)が設けられる。なお、図11中、記号LSはエキシマレーザを示す。
【0070】
各セルの発光状態および非発光状態の2つの状態は、前記したPDP10の場合と同様の作用で設定される。
【0071】
なお、C線(アドレス電極)のパルス電位は、アドレス期間における電位Vbias1よりも維持期間における電位Vbias2の方が小さな値に設定される。また、同様に、A線(表示電極)のパルス電位は、アドレス期間における電位Vscan1よりも維持期間における電位Vscan2の方が小さな値に設定される。
【0072】
これにより、PDP10の場合と同様に、C線を共有するセルについても並列的にデータ入力を行うことができる。
【0073】
本実施の形態例に係る直流駆動プラズマディスプレイおよびその駆動方法によれば、前記した本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイおよびその駆動方法の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明に係るプラズマディスプレイによれば、表示電極部を備える第1の透明基板と、アドレス電極を備える第2の透明基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が第1の透明基板および第2の透明基板の間に設けられ、放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、第1の透明基板および第2の透明基板のうちのいずれか一方の基板を透過して該表示電極部に入射して、表示電極部から該放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなるため、または、表示電極部を備える前面基板と、アドレス電極を備える背面基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が前面基板および背面基板の間に設けられ、放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、背面基板を透過して表示電極部に入射して、表示電極部から放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなるため、アドレス可能なライン数に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化されるプラズマディスプレイを得ることができる。
【0075】
また、本発明に係るプラズマディスプレイによれば、光源がエキシマレーザであるため、光電効果により確実にかつ効率的に書き込み対象のセルに電子分布を生成することができ、また、書き込みセルに隣り合う書き込みを行わないセルに無用の光漏れを生じることがないプラズマディスプレイを容易に得ることができる。
【0076】
また、本発明に係るプラズマディスプレイの駆動方法によれば、アドレス期間に、対向する1対の電極部の間の電位差を放電開始電圧よりも低い所定の値に保つ工程と、所定のセルにデータを入力するときに、所定のセルに対応する1対の電極部のいずれか一方に光を照射して、所定のセルの放電空間内に電子を放出させて、所定の値の電位差で放電を開始させる工程と、を有するため、アドレス可能なライン数に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化されるプラズマディスプレイを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィールド内時分割表示法を説明するための1フィールドの各期間を示す図である。
【図2】従来のPDPの電極および配線の配置を説明するための図である。
【図3】図2のPDPの各電極への電圧印加タイミングを示す図である。
【図4】デュアルスキャンを行うことができるPDPの電極および配線の配置を説明するための図である。
【図5】図4のPDPの各電極への電圧印加タイミングを示す図である。
【図6】本実施の形態例に係る交流駆動型PDPの概略構成を示す組立て分解部分斜視図である。
【図7】図6のPDPの1つのセル単位の概略構成を説明するためのものであり、(a)はセル単位の斜視図であり、(b)はセル単位をセルが延出する方向から見た図である。
【図8】図6のPDPの電極および配線の配置を説明するための図である。
【図9】図8のPDPの各電極への電圧印加タイミングを示す図である。
【図10】本実施の形態例に係る直流駆動型PDPの1つのセル単位の概略構成を説明するためのものであり、(a)はセル単位の斜視図であり、(b)はセル単位をセルが延出する方向から見た図である。
【図11】図10のPDPの電極および配線の配置を説明するための図である。
【図12】図11のPDPの各電極への電圧印加タイミングを示す図である。
【符号の説明】
10 交流駆動プラズマディスプレイ
12、32 前面基板
14、34 背面基板
16、36 セル
18 走査電極
20 維持電極
22、40 表示電極
24 誘電体保護層
26、38 アドレス電極
28、33 障壁
30 エキシマレーザ
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイおよびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイビジョンテレビのような高品位テレビが実用化されている。
【0003】
そして、さらに、デジタルハイビジョン放送の普及とともに、ディスプレイのさらなる大画面化、高精細化の期待が高まっており、例えば、視覚特性を利用して4枚の画素LCDの画素ずらしによって垂直解像度4千本級を実現する液晶プロジェクタが検討されている(非特許文献1参照。)。しかしながら、一般的に、液晶を用いたディスプレイについては、高速応答性に欠けることに起因する動画の画質の低下等の非自発光性ディスプレイ特有の不具合がある。
【0004】
一方、大画面化、高精細化に適し、かつ自発光性を有するディスプレイの1つとして、プラズマディスプレイ(プラズマディスプレイパネル:PDP 以下、必要に応じてPDPという。)の開発が進められており、既にハイビジョンテレビ級のPDPが実用化されている。
【0005】
このPDPには、パネル構造の違いから直流(以下、DCという。)型と交流(以下、ACという。)型の2種類がある。前者のDC型では電極が放電空間に露出しているのに対して、後者のAC型では電極が誘電体および誘電体を保護する保護層で覆われている等の違いがある(例えば非特許文献2参照。)。
【0006】
AC型PDPの場合、誘電体層上に壁電荷を生成し、ひとたび壁電荷が生じれば、放電開始電圧よりも低い電圧で放電を持続させることができ、これにより、多階調表示機能を可能としている。
【0007】
一方、DC型PDPについても、維持パルス列を表示セルに連続して印加しながら、このパルスの幅、振幅および周期を、放電によって生じた準安定な粒子があると維持パルスにより再点弧し、なくなると再点弧しないように設定することで、電極の駆動方法のみによってメモリ機能を持たせることで多階調表示機能を可能としている(例えば、非特許文献3参照。)。
【0008】
これらメモリ機能を有するPDPを用いて多階調表示を行う場合、視覚積分効果を利用したフィールド内時分割表示法が好適に用いられている。
【0009】
【非特許文献1】
NHK技研R&D,No.74,pp42−47(2002)
【0010】
【非特許文献2】
Electronic Journal 別冊,2000FPDテクノロジー大全,
p398
【0011】
【非特許文献3】
電気通信学会誌,J73−C−11,村上他
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のPDPは、以下の理由により、走査本数が4000本を越える高精細化を実現することは困難である。
【0013】
フィールド内時分割表示法による256階調表示を図1を参照して説明する。
【0014】
図1は、1フィールドの時間占有の割合および順序の一例を示すものである。1フィールドは、8個のサブフィールド(1SF〜8SF)で構成され、各サブフィールドはリセット期間、アドレス期間および維持期間からなる一連の操作期間によって構成される。ここで、リセット期間は消去や予備放電等を行う期間であり、アドレス期間はPDPセルに対してデータに応じた書き込み放電を促す期間であり、維持期間(表示期間)はアドレスされた予め決められた回数だけ維持放電を行い、視覚積分効果によって任意の発光強度を表現する期間である。
【0015】
各サブフィールドでは、リセット期間およびアドレス期間については、同一長さの時間が割り当てられるが、維持期間については、1:2:4:8:16:32:64:128の比率に設定されている。そして、これにより、8ビットデータの重み付けに対応したデータ書き込みを行うことで、256階調表示を行うことが可能となる。
【0016】
ところで、現行のハイビジョン方式では、フィールド周波数が約59.94Hzであり、言いかえると、1フィールドの時間は約16.68msである。このため、横方向(列方向)に複数配列されたアドレス電極を同時に駆動して横方向1ラインのセルに同時にデータ書き込みを行う線順次駆動方式を用いるとき、下記式(1)を満たしている必要がある。
【0017】
ここで、Tpは各サブフィールドのリセット期間の総時間を、Taは各サブフィールドのアドレス期間の総時間を、Tsは各サブフィールドの維持期間の総時間を、Nfはサブフィールド数を、Nlはライン数を、Ncは階調数を、tpは1つのサブフィールドのリセット期間の時間を、trは1セルの応答時間を、fsは維持パルス周波数を、それぞれ示す。
【0018】
線順次駆動方式は、例えば図2に示すAC型PDPの場合、水平方向(横方向)に伸びる、それぞれn本(上記Nlに対応する。)のSCN(スキャン電極)線およびSUS(サスティン電極)線の対と、これらの電極と直交して、垂直方向(縦方向)に伸びる、m本のDATA(データ電極:アドレス電極)線とで構成されるPDPにおいて、図3に示すタイミングで各信号線に信号パルスを入力する方式である。
【0019】
図3は、DATA線の各列(DATA1,2,…,m)が同時に駆動されるときの任意の1つの列のDATA線に設けられた各行のSCN線(SCN1,2,…,n)および各行のSUS線(SUS1,2,…,n)の信号パターンを示すものである。
【0020】
アドレス期間において、DATAを所定の電位Vwriに保つとともに、書き込みを行うセル行に対応する各SCN(SCN1,2,…,n)に順次所定のパルス電位Vscnを与える。このとき、各SUS(SUS1,2,…,n)は所定の電位Vsusに保つ。そして、DATAおよびSCNの電位差(|Vwri−Vscn|)を放電開始電圧よりも大きな値に調整し、DATAおよびSUSの電位差(|Vwri−Vsus|)ならびにSCNおよびSUSの電位差(|Vscn−Vsus|)を放電開始電圧よりも小さくなるように、各電位Vwri、Vscn、Vsusを設定することにより、任意のセルのみに書き込み放電を発生させることができる。
【0021】
ついで、維持期間において、DATAを低電位に保つとともに、所定の周期で、各SCN(SCN1,2,…,n9および各SUS(SUS1,2,…,nに同時にパルス電位Vscnおよびパルス電位Vsusを与え、発光状態を継続させる。
【0022】
これにより、所定の列のDATAの各SCN(セル行)に同時に書き込みを行うことができる。
【0023】
現行のディスプレイの標準的なケースとして、サブフィールド数(Nf)を8に、階調数(Nc)を256に、1セルの応答時間(tr)を1μsに、それぞれ設定し、また、1つのサブフィールドのリセット期間の時間(tp)については、操作内容を消去放電のみとし、かつ、全画面同時操作を行ったとしても、操作に要する時間は1セルの応答時間を下回ることはできず、tp≧trとなるため、例えば1セルの応答時間と同じ1μsとし、維持パルス周波数については、50〜83.3kHz程度であるため、最大値の83.3kHzを用いるとすると、駆動可能な最大ライン数Nl(max)は、下記式(2)で1704本と与えられる。
【0024】
この駆動可能な最大ライン数Nl(max)1704本は、高精細化に必要な本数である例えば4000本の半分に満たない。また、上記式(2)では、維持期間における1階調分の発光時間を維持放電パルス(図3中、維持期間におけるSUS1,2,…,nの複数のパルスのうちの1つのパルス)1回分の残光を含む発光時間として計算しているが、現実には、発光輝度等の問題から1階調分の表現に数回分の維持放電パルスの発光時間を利用している場合もあり、このとき、維持パルス周波数を大きくすることにも困難を生じる。
【0025】
この場合、例えば図4に示すように、PDPのそれぞれn本のSCN線およびSUS線を配置した2つのブロック(1〜n本のBlock1、n+1〜2n本のBlock2)を設け、かつ各ブロックごとにそれぞれm本のDATA線を上下反対方向に引き出した状態に形成し、図5に示すように2つのブロックを並列に走査する、デュアルスキャン方式を採用すると、駆動可能な最大ライン数は計算上、3408本となるが、4000本を越えるレベルには至らない。なお、アドレス電極(DATA)を平面的に引き出す方向は限られているため、ブロック数を3以上に増やすことは困難である。
【0026】
一方、上記の2つのブロックを別々に製作した上で、これらのブロックを張り合わせて1つのPDPとして形成することで、4000本を越える走査本数のディスプレイを得る方式も提案されている。しかしながら、この場合には、各ブロック間の継ぎ目が画質の劣化を誘発する等の問題があり、高精細化の意義が失われる。
【0027】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、高精細な画像を得ることができるプラズマディスプレイおよびその駆動方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るプラズマディスプレイは、表示電極部を備える第1の透明基板と、アドレス電極を備える第2の透明基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が該第1の透明基板および該第2の透明基板の間に設けられ、該放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、該第1の透明基板および該第2の透明基板のうちのいずれか一方の基板を透過して該表示電極部に入射して、該表示電極部から該放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係るプラズマディスプレイは、表示電極部を備える前面基板と、アドレス電極を備える背面基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が該前面基板および該背面基板の間に設けられ、該放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、該背面基板を透過して該表示電極部に入射して、該表示電極部から該放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなることを特徴とする。
【0030】
また、本発明に係るプラズマディスプレイにおいて、前記表示電極部は、スキャン電極およびサスティン電極を有し、少なくとも該スキャン電極が誘電体層および該誘電体層を覆う保護層で覆われてなり、該保護層から電子を放出するように構成してなることを特徴とする。
【0031】
また、本発明に係るプラズマディスプレイにおいて、前記表示電極部は、表示電極を有し、該表示電極または前記アドレス電極のうちの陰極とされる電極から電子を放出するように構成してなることを特徴とする。
【0032】
本発明の上記の構成により、誘電体層または陰極から放出される電子によって放電開始にに要する電圧が確保され、従来のように1つの列のアドレス線(データ線)に対応する、交流駆動プラズマディスプレイにおける走査電極または直流駆動プラズマディスプレイにおける陰極(低電位側の電極)を行方向に走査して放電開始電圧を得る必要がないため、アドレス可能なライン数に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化されるプラズマディスプレイを得ることができる。
【0033】
この場合、前記保護層がMgOを主成分として有すると、駆動源の電力消費量を低減することができる。
【0034】
また、この場合、前記光源がエキシマレーザであると、対応するセルの保護層または陰極の近傍に、光電効果により、確実にかつ効率的に電子分布を生成することができる。
【0035】
また、この場合、前記セルが3色の蛍光体で塗り分けられ、カラー表示可能であると、好適である。
【0036】
また、本発明に係るプラズマディスプレイの駆動方法は、アドレス期間に、対向する1対の電極部の間の電位差を放電開始電圧よりも低い所定の値に保つ工程と、所定のセルにデータを入力するときに、所定のセルに対応する該1対の電極部のいずれか一方に光を照射して、該所定のセルの放電空間内に電子を放出させて、該所定の値の電位差で放電を開始させる工程と、を有することを特徴とする。
【0037】
また、本発明に係るプラズマディスプレイの駆動方法は、前記1対の電極部が、アドレス電極を有する電極部と、スキャン電極およびサスティン電極を有し、少なくとも該スキャン電極が誘電体層および該誘電体層を覆う保護層で覆われてなる電極部とで構成され、該保護層から電子を放出させることを特徴とする。
【0038】
また、本発明に係るプラズマディスプレイの駆動方法は、前記1対の電極部が、アドレス電極を有する電極部と、表示電極を有する電極部とで構成され、該アドレス電極および該表示電極のうちの陰極とされる側の電極から電子を放出させることを特徴とする。
【0039】
本発明の上記の構成により、、従来のように1つの列のアドレス線(データ線)に対応する、交流駆動プラズマディスプレイにおける走査電極または直流駆動プラズマディスプレイにおける陰極(低電位側の電極)を行方向に走査して放電開始電圧を得る必要がないため、アドレス可能なライン数に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化されるプラズマディスプレイを得ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明に係るプラズマディスプレイおよびその駆動方法の好適な実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、図を参照して、以下に説明する。
【0041】
まず、本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイについて、図6および図7を参照して説明する。図6は交流駆動プラズマディスプレイの組立て分解概略部分斜視図を、図7(a)は図6の交流駆動プラズマディスプレイの1つのセルに対応する構成部分の構造を説明するための斜視図を、図7(b)は図6の交流駆動プラズマディスプレイの1つのセルに対応する構成部分の構造を説明するためのセルの延出方向からみた図を、それぞれ示す。
【0042】
本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイの基本的な構造は、放電ガスの発光色を表示する交流駆動プラズマディスプレイと同様である。
【0043】
すなわち、本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイ10は、図3に示すように、前面基板(第1の透明基板)12および背面基板(第2の透明基板)14からなる1対の基板が平行に配置される。前面基板12は、画像を視認する側、すなわち、発光が放出される側の基板である。前面基板12および背面基板14の間には、複数のセル列21が形成され、各セル列は、画素に対応する放電空間である複数のセル16に構成される。前面基板12および背面基板14は、例えばガラス材料で形成される。
【0044】
前面基板12には、走査電極18および維持電極20からなる1対の電極で構成される表示電極22が設けられる。走査電極18および維持電極20は、それぞれ、平行に多数配置されるセル列21の配列方向全体を覆う長さを有するストライプ状に形成され、相互に平行に配置される。1つのセル列21は、直交する走査電極18および維持電極20に対応する多数のセル16を構成する。表示電極22は、走査線(SCN線)の数に対応する数が平行に配列される。表示電極22は、誘電体層で覆われ、さらに保護層で覆われる。なお、誘電体層および保護層は、表示電極22の走査電極18のみを覆うように設けてもよい。図6および図7では、誘電体層および保護層は誘電体保護層24として一括して表示しており、また、誘電体保護層24は表示電極22を設けた部分を含む前面基板12の全面を覆う形に設けられる。
【0045】
走査電極18は、可視光に対して透明な、例えば、酸化スズ、ITO等の材料で形成される。維持電極20は、低抵抗な、例えば、銀、銅、アルミニウム等の材料で形成される。誘電体層は、例えば、低融点ガラス材料で形成される。保護層は、駆動電力を低減する観点から、好ましくは、MgOを主成分とする材料で形成される。
【0046】
背面基板14には、アドレス電極26が設けられる。アドレス電極26は、平行に配列された各表示電極22の全体を覆う長さを有するストライプ状に形成される。アドレス電極26は、画像の走査線方向に設けられるセル16の数に対応する数が平行に配列される。アドレス電極26は、好ましくは、ITO等の透明金属材料で形成される。また、アドレス電極26は、例えば、銀、銅、アルミニウム等の材料で形成してもよい。
【0047】
前面基板12および背面基板14の間には、隣り合うアドレス電極26に対応する隣り合うセル列21、21を分離、独立させる障壁(リブ)28が、セル列21の数に対応して形成される。障壁は、例えば、感光性ガラス材料で形成される。各セル列21には、放電ガスが封入される。放電ガスは、Ne、Xe等のガス、あるいは、これらの混合ガス等が用いられる。
【0048】
本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイ10の上記の各構成部分は、通常の交流駆動プラズマディスプレイの作製方法により作製することができる。なお、電気回路等については、通常の交流駆動プラズマディスプレイの回路構造を適用できるため、説明を省略している。
【0049】
本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイ10は、さらに、エキシマレーザ30が各セル16に対応して、背面基板14の裏面側に(各図中、下側)例えば背面基板14に近接して設けられる。各エキシマレーザ30は、例えば、適宜の筐体32に収容され、マトリクス状に配置される。各エキシマレーザ30は、それぞれ、照射方向を対応するセル16に向け、セル16のアドレス電極26を透過して誘電体保護層24に光が照射されるように調整される。但し、不透明なアドレス電極を用いるときは、アドレス電極を避けて障壁28との間を透過させる。エキシマレーザ30で生成する光束の径が例えば10μm程度であるのに対してセル16の幅が例えば100μm程度であるため、照射された光が目的のセルの隣のセルに漏れ込むことがない。エキシマレーザ30は、生成する光(図6および図7中、下から上に向けて伸びる白抜き矢印で示す。)の波長が誘電体保護層24の保護層における光電子放出限界波長よりも短いものを選択して用いる。このようなエキシマレーザ30として、例えば、XeCl(波長:308nm)やKrF(波長:248nm)等を用いることができる。
【0050】
以上説明した本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイ10の駆動方法について、図8および図9を参照して説明する。
【0051】
PDP10は、図8に示すように、それぞれ行方向にp本のSCN(スキャン電極)線およびSUS(サスティン電極)線と、列方向にq本のDATA(データ電極:アドレス電極)線とが直交して配列される。なお、図8中、記号LSはエキシマレーザを示す。
【0052】
マトリクス状に構成されるSCNおよびDATAの交差箇所に対応する各セルの発光状態および非発光状態の2つの状態は、以下の作用で設定される。図9には、1つのセルに対応する各信号線のパターンを示す。
【0053】
アドレス期間において、所定の1または複数の行のSCNあるいは全ての行SCNには、通常のPDPと同様に所定のパルス電位Vscanを与える。一方、DATAに印加する電圧は、SCNの電圧との電位差が放電開始電圧以下である一定の電位Vbiasに保つ。すなわち、このときのSCNとDATAとの間の電位差(│Vscan−Vbias│)は、通常のPDPにおけるSCNとDATAとの間の電位差(│Vscan−Vwri│)よりも十分に小さな値である。したがって、このままでは、セルは非発光状態にある。
【0054】
そこで、セルに入力するデータが1のときにのみ、SCNのパルス電位Vscanに合わせて、プラズマレーザ(LSi,j(i=1〜p、j=1〜q))からの光を背面基板およびアドレス電極を介して誘電体保護層にパルス照射(ON)する。このとき、プラズマレーザからの光(光子)は、保護層において光電効果を起こすのに十分な波長の光であるため、保護層付近に保護層から放出される電子の分布が生成する。そして、この電子の存在により、放電開始電圧が下げられ、セルは発光状態となる。これにより、データが1である所定の1または複数のセルあるいは全てのセルを同時に発光させることができる。
【0055】
なお、維持期間では、先に図3に示した通常のPDPの場合と同様の信号パターンとする。
【0056】
本実施の形態例に係るPDPにおいて印加する各電圧は、PDPの各部材の条件によって異なるが、例えば、アドレスギャップ長150nmのPDPセルにおいて、放電ガスとしてNe−Xe(5%)を用い、500Torr(66.5kPa)の圧力条件下では、エキシマレーザの光を照射しないときの放電開始電圧は通常のPDPと同様の200〜500V程度であり、例えば5mWの出力のエキシマレーザの光を照射することで、放電開始電圧を10〜20V程度下げることができる。
【0057】
上記のセルの放電機構は、通常のPDPで必要なSCNの走査を伴わず、SCNには、データ書き込み時には常に所定の電位Vscanが与えられ、また、DATAにも常に所定の電位Vbiasが与えられており、データを入力するセルに光(光子)を入射することでそのセルを発光状態とするため、DATA線を共有するセルについても並列的にデータ入力を行うことができる。
【0058】
本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイおよびその駆動方法によれば、アドレス可能なライン数(SCN走査線の数)に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化される交流駆動プラズマディスプレイを得ることができる。
【0059】
また、誘電体層に光を照射する光源としてエキシマレーザを用いるため、誘電体層に光電効果により効率的に電子を生成することができ、また、書き込みを行うセルと隣り合う書き込みを行わないセルに無用な光漏れを生じることがない交流駆動プラズマディスプレイを容易に得ることができる。なお、光源として、エキシマレーザに変えて、例えばフォトダイオード等の他の素子を用いてもよい。
【0060】
また、本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイは、セル(あるいは前面基板)が3色の蛍光体で塗り分けられ、カラー表示可能であると、好適である。
【0061】
つぎに、本実施の形態例に係る直流駆動プラズマディスプレイについて、図10を参照して説明する。図10(a)は直流駆動プラズマディスプレイの1つのセルに対応する構成部分の構造を説明するための斜視図を、図10(b)は図10(a)の構成部分をセルの延出方向からみた図を、それぞれ示す。
【0062】
本実施の形態例に係る直流駆動プラズマディスプレイ(以下、PDPという。)の基本的な構造は、放電ガスの発光色を表示する直流駆動プラズマディスプレイと同様である。
【0063】
すなわち、本実施の形態例に係るPDPは、図10に示すように、前面基板(第1の透明基板)32および背面基板(第2の透明基板)34からなる1対の基板が平行に配置される。前面基板32は、画像を視認する側、すなわち、発光が放出される側の基板である。前面基板32および背面基板34の間には、画素に対応する放電空間であるセル36が、画素の数に対応して設けられる。前面基板32および背面基板34は、例えばガラス材料で形成される。
【0064】
前面基板32には、障壁(リブ)33で分離して、独立に形成される各セル列ごとセル列の延出方向に伸びる、この場合陰極とされるアドレス電極38が設けられる。アドレス電極38は、各セル列ごとに複数平行に配列される。セル列は、画素に対応する複数のセル36を構成する。アドレス電極38は、可視光に対して透明な、例えば、酸化スズ、ITO等の材料で形成される。
【0065】
背面基板34には、アドレス電極38に対応して各セル列ごとに、この場合陽極とされる表示電極40が設けられる。但し、表示電極40は、セル列内において、上下方向視野でアドレス電極38と重ならない位置に設けられる。したがって、表示電極40は、好ましくは、ITO等の透明金属材料で形成するが、これに限らず、例えば、銀、銅、アルミニウム等の材料で形成してもよい。
【0066】
セル列から引き出された表示電極38を、配列された各アドレス電極38の配列方向の全体にわたって接続するように、陽極接続電極(バス電極)42が、表示電極38と交差して複数配列される。
【0067】
上記PDPは、前記したPDP10と同様に、エキシマレーザ30が各セル36に対応して、背面基板34の裏面側に設けられる。各エキシマレーザ30は、それぞれ、照射方向を対応するセル36に向け、セル16のアドレス電極40の側方を通過して表示電極38に光が照射されるように調整される。
【0068】
以上説明した本実施の形態例に係る直流駆動プラズマディスプレイの駆動方法について、図11および図12を参照して説明する。
【0069】
PDPは、図11に示すように、それぞれ行方向にr本のA線(表示電極接続線)と、列方向にs本のC線(アドレス電極線)とが直交して配列される。各A線には交差するC線ごとに表示電極(陽極)が設けられる。なお、図11中、記号LSはエキシマレーザを示す。
【0070】
各セルの発光状態および非発光状態の2つの状態は、前記したPDP10の場合と同様の作用で設定される。
【0071】
なお、C線(アドレス電極)のパルス電位は、アドレス期間における電位Vbias1よりも維持期間における電位Vbias2の方が小さな値に設定される。また、同様に、A線(表示電極)のパルス電位は、アドレス期間における電位Vscan1よりも維持期間における電位Vscan2の方が小さな値に設定される。
【0072】
これにより、PDP10の場合と同様に、C線を共有するセルについても並列的にデータ入力を行うことができる。
【0073】
本実施の形態例に係る直流駆動プラズマディスプレイおよびその駆動方法によれば、前記した本実施の形態例に係る交流駆動プラズマディスプレイおよびその駆動方法の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明に係るプラズマディスプレイによれば、表示電極部を備える第1の透明基板と、アドレス電極を備える第2の透明基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が第1の透明基板および第2の透明基板の間に設けられ、放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、第1の透明基板および第2の透明基板のうちのいずれか一方の基板を透過して該表示電極部に入射して、表示電極部から該放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなるため、または、表示電極部を備える前面基板と、アドレス電極を備える背面基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が前面基板および背面基板の間に設けられ、放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、背面基板を透過して表示電極部に入射して、表示電極部から放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなるため、アドレス可能なライン数に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化されるプラズマディスプレイを得ることができる。
【0075】
また、本発明に係るプラズマディスプレイによれば、光源がエキシマレーザであるため、光電効果により確実にかつ効率的に書き込み対象のセルに電子分布を生成することができ、また、書き込みセルに隣り合う書き込みを行わないセルに無用の光漏れを生じることがないプラズマディスプレイを容易に得ることができる。
【0076】
また、本発明に係るプラズマディスプレイの駆動方法によれば、アドレス期間に、対向する1対の電極部の間の電位差を放電開始電圧よりも低い所定の値に保つ工程と、所定のセルにデータを入力するときに、所定のセルに対応する1対の電極部のいずれか一方に光を照射して、所定のセルの放電空間内に電子を放出させて、所定の値の電位差で放電を開始させる工程と、を有するため、アドレス可能なライン数に制限がない。このため、ライン数を増加させることで画像が高精細化されるプラズマディスプレイを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィールド内時分割表示法を説明するための1フィールドの各期間を示す図である。
【図2】従来のPDPの電極および配線の配置を説明するための図である。
【図3】図2のPDPの各電極への電圧印加タイミングを示す図である。
【図4】デュアルスキャンを行うことができるPDPの電極および配線の配置を説明するための図である。
【図5】図4のPDPの各電極への電圧印加タイミングを示す図である。
【図6】本実施の形態例に係る交流駆動型PDPの概略構成を示す組立て分解部分斜視図である。
【図7】図6のPDPの1つのセル単位の概略構成を説明するためのものであり、(a)はセル単位の斜視図であり、(b)はセル単位をセルが延出する方向から見た図である。
【図8】図6のPDPの電極および配線の配置を説明するための図である。
【図9】図8のPDPの各電極への電圧印加タイミングを示す図である。
【図10】本実施の形態例に係る直流駆動型PDPの1つのセル単位の概略構成を説明するためのものであり、(a)はセル単位の斜視図であり、(b)はセル単位をセルが延出する方向から見た図である。
【図11】図10のPDPの電極および配線の配置を説明するための図である。
【図12】図11のPDPの各電極への電圧印加タイミングを示す図である。
【符号の説明】
10 交流駆動プラズマディスプレイ
12、32 前面基板
14、34 背面基板
16、36 セル
18 走査電極
20 維持電極
22、40 表示電極
24 誘電体保護層
26、38 アドレス電極
28、33 障壁
30 エキシマレーザ
Claims (10)
- 表示電極部を備える第1の透明基板と、アドレス電極を備える第2の透明基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が該第1の透明基板および該第2の透明基板の間に設けられ、該放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、
該第1の透明基板および該第2の透明基板のうちのいずれか一方の基板を透過して該表示電極部に入射して、該表示電極部から該放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなることを特徴とするプラズマディスプレイ。 - 表示電極部を備える前面基板と、アドレス電極を備える背面基板とが、それぞれ電極を備える面が対向して配置され、セルに対応する放電空間ごとに分離する隔壁が該前面基板および該背面基板の間に設けられ、該放電空間に放電ガスが封入されてなるプラズマディスプレイにおいて、
該背面基板を透過して該表示電極部に入射して、該表示電極部から該放電空間内に電子を放出することができる光源を各セルごとに備えてなることを特徴とするプラズマディスプレイ。 - 前記表示電極部は、スキャン電極およびサスティン電極を有し、少なくとも該スキャン電極が誘電体層および該誘電体層を覆う保護層で覆われてなり、
該保護層から電子を放出するように構成してなることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマディスプレイ。 - 前記表示電極部は、表示電極を有し、
該表示電極または前記アドレス電極のうちの陰極とされる電極から電子を放出するように構成してなることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマディスプレイ。 - 前記保護層がMgOを主成分として有することを特徴とする請求項3記載のプラズマディスプレイ。
- 前記光源がエキシマレーザであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ。
- 前記セルが3色の蛍光体で塗り分けられ、カラー表示可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ。
- アドレス期間に、対向する1対の電極部の間の電位差を放電開始電圧よりも低い所定の値に保つ工程と、
所定のセルにデータを入力するときに、所定のセルに対応する該1対の電極部のいずれか一方に光を照射して、該所定のセルの放電空間内に電子を放出させて、該所定の値の電位差で放電を開始させる工程と、
を有することを特徴とするプラズマディスプレイの駆動方法。 - 前記1対の電極部が、アドレス電極を有する電極部と、スキャン電極およびサスティン電極を有し、少なくとも該スキャン電極が誘電体層および該誘電体層を覆う保護層で覆われてなる電極部とで構成され、
該保護層から電子を放出させることを特徴とする請求項8記載のプラズマディスプレイの駆動方法。 - 前記1対の電極部が、アドレス電極を有する電極部と、表示電極を有する電極部とで構成され、
該アドレス電極および該表示電極のうちの陰極とされる側の電極から電子を放出させることを特徴とする請求項8記載のプラズマディスプレイの駆動方法。
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