JP2004241214A - El素子 - Google Patents

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Hisaya Sone
尚也 曽根
Yoshiori Tachibana
佳織 立花
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Abstract

【課題】本発明は、簡単で薄型の構成により、軸上輝度を向上させるようにした、面光源装置として使用されるEL素子を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも一つの発光部12aを備えたEL素子本体11と、このEL素子本体の光出射側の表面上に配置された扁平な透明基板20と、から成るEL素子10であって、上記透明基板が、入射側の表面にてEL素子本体の各発光部に対応して開口すると共に、この入射側開口部から出射側に向かって所定の傾斜角θで拡大する開口部21aを備えた低屈折率材料から成る枠部21と、この枠部の開口部内に配置された高屈折率材料から成る窓部22と、を含むように、EL素子10を構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロルミネッセント素子(以下、EL素子という)に関し、特に各種表示装置のバック照明として使用される例えばドットマトリックス状に配置された複数個の発光部を備えたEL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このようなEL素子は、例えば特許文献1〜3に開示されている。
まず、特許文献1によれば、EL素子は、絶縁層中に配置された発光層,この発光層の両面に対向して絶縁層を挟むように配置された金属電極及び透明電極から成るEL素子本体と、このEL素子上に配置されたガラス基板と、を含んでおり、このガラス基板が例えば屈折率分布型レンズ(日本板硝子製のセルフォックレンズ),凸レンズ等の集光性を有するように、構成されている。
このような構成のEL素子によれば、発光層から出射した光は、絶縁層そして透明電極を介して、さらにガラス基板を透過して外部に出射すると共に、ガラス基板を透過する際にその集光性に基づいて、所定の角度範囲に集光されて出射されることになる。
【0003】
また、特許文献2によれば、EL素子は、特許文献1と同様の構成にて、ガラス基板が光出射側にて凸レンズ構造を有しており、基板厚さd1,基板表面から凸レンズの頂点までの距離d2,凸レンズの曲率半径Rにて、d1+d2≦Rが成立するように構成されている。
このような構成のEL素子によれば、発光層から出射した光は、絶縁層そして透明電極を介して、さらにガラス基板を透過して外部に出射すると共に、ガラス基板を透過する際にその凸レンズ構造に基づいて、所定の角度範囲に集光されて出射されることになる。
【0004】
さらに、特許文献3によれば、EL素子は、特許文献1と同様の構成にて、ガラス基板が光出射側にて光散乱部を有している。
このような構成のEL素子によれば、発光層から出射した光は、絶縁層そして透明電極を介して、さらにガラス基板を透過して外部に出射すると共に、ガラス基板を透過する際にその光散乱部により拡散されて、広い角度範囲に出射されることになる。
【0005】
【特許文献1】
特許第2670572号公報(第1−2頁,第1図)
【特許文献2】
特許第2773720号公報
【特許文献3】
特許第2931211号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したEL素子においては、それぞれ以下に示す問題がある。
即ち、特許文献1によるEL素子においては、単レンズにより集光性を得る場合、レンズ径と発光部の大きさに相対的に有意な差を付ける必要がある。従って、特に凸レンズの場合には、ガラス基板のレンズ部が肉厚になってしまうため、EL素子をバック照明に使用する場合、薄型化が要求されるような装置には使用することができなくなってしまう。また、レンズアレイにより集光性を得る場合、発光層が比較的大面積の所謂ベタ光源であると、レンズの集光性があまり有効ではなくなってしまう。
【0007】
特許文献2によるEL素子においては、発光層の発光部がレンズ径と同程度の大きさを有する面光源であると、凸レンズによる集光性があまり有効ではなくなってしまう。また、凸レンズ構造は、ガラス基板の表面から凸レンズの頂部が突出することになり、EL素子全体が肉厚になってしまうため、薄型化が要求される装置のバック照明として使用することができない。
【0008】
特許文献3によるEL素子においては、単なる光散乱を利用した光取出し効率の向上は、1.2乃至1.6倍程度であると共に、軸上輝度が低下することになるが、特にバックライトやモバイルディスプレイ等においては、出射光の指向性を制御して軸上輝度を高める必要がある。
【0009】
本発明は、以上の点から、簡単で薄型の構成により、軸上輝度を向上させるようにした、面光源装置として使用されるEL素子を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の構成によれば、少なくとも一つの発光部を備えたEL素子本体と、このEL素子本体の光出射側の表面上に配置された扁平な透明基板と、から構成されているEL素子であって、上記透明基板が、EL素子本体側の表面にてEL素子本体の各発光部に対応して開口すると共に、この入射側開口部から出射側に向かって所定の傾斜角で拡大する開口部を備えた低屈折率材料から成る枠部と、この枠部の開口部内に配置された高屈折率材料から成る窓部と、から構成されていることを特徴とする、EL素子により、達成される。
【0011】
本発明によるEL素子は、好ましくは、上記枠部の開口部が、四角錐台状又は円錐台状に形成されている。
【0012】
本発明によるEL素子は、好ましくは、上記枠部の開口部の出射側の開口が互いに接している又重なりあっている。
【0013】
本発明によるEL素子は、好ましくは、上記枠部の開口部の入射側の開口が、EL素子本体の発光部とほぼ同じ大きさにまたはそれより大きく選定されている。
【0014】
本発明によるEL素子は、好ましくは、上記窓部が、枠部の出射側の表面を越えて配置されている。
【0015】
上記構成によれば、EL素子本体の各発光部から出射した光は、EL素子本体から出射して透明基板内に入射する。その際、EL素子本体からの光は、透明基板の低屈折率材料から成る枠部の開口部内にて高屈折率材料から成る多角錐台状,四角錐台状または円錐台状に形成された窓部内に入射し、この窓部を介して透明基板の反対側から外部に出射する。
ここで、窓部内に入射した光は、当該窓部の側面が低屈折率材料から成る枠部の開口部内面に接していることから、窓部の側面に入射した光の一部または全部は、屈折率差に基づいて反射され、EL素子本体とは反対側の出射側に向かって導かれることになる。
【0016】
従って、EL素子本体の各発光部から透明基板の窓部内に入射した光は、窓部にて直接にあるいは側面で反射されて出射側に導かれることになるので、EL素子本体の各発光部からの光の取出し効率が向上する。これにより、従来のような透明基板の表面から突出する凸レンズ部を設けたり、高価な屈折率分布型レンズを使用することなく、二つの異なる屈折率材料から成る透明基板を使用して、EL素子本体からの光を、上記各窓部の側面の傾斜角に対応して規制することにより、効果的に所定の角度範囲内に導いて、所定の指向性が得られ、軸上輝度が向上することになる。
ここで、このような透明基板は、例えばまず高屈折率材料から成る枠部を金型により成形して硬化させた後、この枠部に対して低屈折率材料を流し込んで硬化させることにより、容易に作製することができる。
【0017】
上記枠部の開口部の出射側の開口が互いに接している場合あるいは上記枠部の開口部の出射側の開口がすべての辺で互いに接している場合には、各枠部の開口部そして窓部が効率的に配置されることになり、各窓部から出射する光の軸上輝度がより一層向上することになる。
【0018】
上記枠部の開口部の出射側の開口が互いに重なりあっている場合には、各枠部の開口部内の窓部から出射する光が互いに重なり合うことにより、より一層均一な面光源が得られることになる。
【0019】
上記枠部の開口部の入射側の開口が、EL素子本体の発光部とほぼ同じ大きさにまたはそれより大きく選定されている場合には、EL素子本体の各発光部から出射する光が、実質的にすべて枠部の開口部内に配置された窓部内に入射することになり、光の取出し効率が向上し、その結果軸上輝度が向上することになる。従って、同輝度をより少ない消費電力で得ることができる。
【0020】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、低屈折率材料から成る枠部に設けた開口部内に、高屈折率材料から成る出射側に拡大した窓部を配置することにより、EL素子本体の各発光部からの光を、窓部内に入射させて、この窓部内で傾斜した側面により出射側に導いて、外部に出射させるようにしたので、各窓部の側面の傾斜角に基づいて、出射光に指向性を付与して、軸上輝度を向上させることができる。
【0021】
上記窓部が、枠部の出射側の表面を越えて配置されている場合には、EL素子本体からの光が、枠部の各開口部に対向する側面でそれぞれ規制されながら出射側に導かれた後、枠部の出射側の表面を越えた領域で互いに隣接する開口部の間で互いに干渉することにより、透明基板の出射側表面でより一層輝度が均一化されることになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図1乃至図17を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0023】
図1乃至図3は、本発明によるEL素子の第一の実施形態の構成を示している。
図1及び図2において、EL素子10は、EL素子本体11と、このEL素子本体11の上に配置された扁平な透明基板20と、から構成されている。
【0024】
上記EL素子本体11は、公知の構成であって、発光層12と、発光層12の下側に設けられた金属電極13と、発光層13の上側に設けられた透明電極14と、から構成されている。
上記発光層12は、例えばドットマトリックス状に配置された複数個の正方形の発光部12aを有しており、その発光部12aの大きさは例えば一辺の長さが0.2mmに選定されている。しかしながら、上記発光部12aは、例えば長方形または円形等の他の形状に形成されていてもよい。
【0025】
上記発光層12の発光部12aを除く領域は、例えば透明電極14の下方に、発光部12aに対応する窓を備えた格子状の絶縁層(図示せず)を配置することにより、非発光領域に設定される。図示の場合、非発光領域の幅は、例えば0.2mmに選定されている。
【0026】
上記金属電極13は、陰極として構成されており、また上記透明電極14は、例えばITO膜による陽極として構成されている。
【0027】
上記透明基板20は、図3に詳細に示すように、その下方に在るEL素子本体11の各発光部12aに対応した複数個の開口部21aを備えた枠部21と、この枠部21の各開口部21a内に配置された窓部22と、から構成されている。
【0028】
上記枠部21は、低屈折率材料、例えば屈折率1.5の透光性材料から構成されており、透明基板20のEL素子本体11側(以下、入射側という)の表面にて、EL素子本体11の各発光部12aに対応して開口すると共に、透明基板20の反対側(以下、出射側という)に向かって軸方向に拡大するように形成された開口部21aを備えている。
【0029】
ここで、各開口部21aは、四角錐台状に形成されており、入射側の開口が、対応する発光部12aと同じ大きさを有すると共に、枠部21の上面21bにて出射側開口のすべての辺が隣接する開口部21aの出射側開口と互いに接するように形成されている。
上記各開口部21aは、その側面が入射側から出射側への拡大に伴って、一定の傾斜角θを備えている。ここで、この傾斜角θは、20度未満に選定されている。
【0030】
上記窓部22は、高屈折率材料、例えば屈折率1.6の透光性材料から構成されており、上記枠部21の各開口部21a内に配置される。
さらに、図示の場合、窓部22は、上記枠部21の上面21bを越えてその上方にも配置されている。これにより、透明基板20は、その出射側の上面全体が窓部22により覆われることになる。
【0031】
本発明実施形態によるEL素子10は、以上のように構成されており、上記透明基板20は、例えば以下のようにして作製される。
即ち、枠部21の形状に対応して切削加工により形成された金型内に、高屈折率材料である樹脂を流し込み、硬化させて、枠部を成形する。
次に、上記金型から枠部を取り出して、この枠部に対して、低屈折率材料である例えば紫外線硬化樹脂を流し込み、紫外線照射により硬化させて、枠部に対して窓部を一体成形する。
最後に、枠部に一体成形した窓部の枠部とは反対側の表面を研磨加工して、所定の厚さに整形する。
このようにして、二つの異なる屈折率材料から成る透明基板20が容易に作製されることになる。
そして、このようにして作製された透明基板20の上にEL素子本体11を形成することにより、EL素子10が完成する。
【0032】
このような構成のEL素子10によれば、EL素子本体11の発光層12の各発光部12aから出射した光は、EL素子本体11から出射して透明基板20内に入射する。
その際、EL素子本体11からの光は、透明基板20の低屈折率材料から成る枠部21の開口部21a内にて、高屈折率材料から成る四角錐台状に形成された窓部22内に入射して、この窓部22にて直接に出射側に進み、あるいは窓部22の枠部21との境界である側面で反射されて出射側に導かれて、透明基板20の出射側から外部に出射する。
従って、EL素子本体11からの光が効率よく透明基板20の出射側表面に導かれることになるので、透明基板20の出射側表面における光取出し効率が向上する。
さらに、窓部22から外部に出射される光の広がりが、上記各窓部22の側面の傾斜角に対応して規制されることになるので、透明基板20の出射側表面から外部に出射する光に関して、所定の指向性が得られ、軸上輝度が向上することになる。
【0033】
この場合、枠部21の各開口部21aの入射側開口が、EL素子本体11の発光層12の各発光部12aに対応して大きさが選定されているので、各発光部12aからの光が、対応する枠部21の各開口部21a内に入射し、窓部22を介して出射側に導かれるので、光の取出し効率が向上する。
さらに、枠部21の上縁21bの上方にも窓部22が形成されていることにより、枠部21の各開口部21aが互いに重なり合うことになるので、この重なり合った領域で、互いに隣接する開口部21a内にて窓部22を導かれる光が互いに混合されることになり、透明基板20の出射側表面にて、より均一な輝度が得られることになる。
【0034】
このようにして、本発明実施形態によるEL素子10によれば、異なる屈折率材料から成る枠部21及び窓部22を備えた透明基板20を使用することにより、簡単な構成により、EL素子本体11の各発光部12aからの光を効率よく取り出して、窓部22の傾斜角θに基づいて、所定の指向特性を付与して、外部に出射させることができる。これにより、軸上輝度を大幅に向上させることができる。逆に、既に輝度が充分である場合には、その分消費電力を抑えることもできる。
【0035】
図4乃至図6は、上述したEL素子10の具体的構成によるシミュレーションの結果を示している。ここに挙げたシミュレーションでは、透明基板の厚さを0.5mmと仮定している。
まず図4は、透明基板20の枠部21の四角錐台状の開口部21aの入射側開口を0.1875mm角として、0.375mmピッチで配置すると共に、EL素子本体11の発光層12の各発光部12aの大きさを0.1875mm角として、0.375mmピッチで配置して、開口部21a即ち窓部22の傾斜角θを変化させた場合のシミュレーション結果を示している。ここで、縦軸は、従来の屈折率1.5の材料から形成された均一な透明基板を使用した場合の軸上輝度を1とした場合の軸上輝度を相対値で表わしている。
このシミュレーションによれば、傾斜角θが22度未満で、軸上輝度が大幅に向上し、特に傾斜角θが20度未満で、4倍程度の軸上輝度が得られることが分かる。
尚、傾斜角θが10度以下になると、透明基板20の厚さの関係で、隣接する窓部22が干渉しなくなることから、軸上輝度の向上効果が減少することになる。
【0036】
図5は、上記シミュレーションにおいて、傾斜角θを15度とした場合の指向特性のシミュレーション結果を示している。上述したEL素子10による指向特性は、図5にて符号Aで示すように、窓部22の傾斜角に基づいて、比較的狭い指向特性となることが分かる。これに対して、従来のEL素子は、図5にて符号Bで示すように、比較的広範囲な指向特性を有している。ここに示した実施例では、発光面積1/4で軸上輝度が4倍となっている。即ち、消費電力1/4で従来型EL素子と同輝度となることになる。
従って、本発明実施形態のEL素子10は、液晶表示装置のバックライトやモバイルディスプレイに好適である。
【0037】
図6は、上記シミュレーションにおいて、透明基板20の上面中央部の3mm四方の領域における輝度分布のシミュレーション結果であり、それぞれ(A)傾斜角θが30度,(B)傾斜角θが15度そして(C)傾斜角θが5度の場合を示している。
これにより、傾斜角θが20度未満である(B)の場合に、各発光部12aから高出射角で窓部22に入射する光が、その側面の傾斜角に基づいて、拡散されながら出射側に導かれ、表面全体に均一な輝度分布が得られることが分かる。
これに対して、傾斜角θが20度以上である(A)の場合には、窓部22の側面における反射が効果的に行なわれず、不均一な輝度分布になってしまう。
さらに、傾斜角θが10度未満である(C)の場合には、透明基板20の出射側表面にて、窓部22が枠部21により互いに分割されることになるので、同様に不均一な輝度分布になってしまうことが分かる。
【0038】
図7乃至図9は、本発明によるEL素子の第二の実施形態の構成を示している。
図7乃至図9において、EL素子30は、図1に示したEL素子10と比較して、透明基板20の枠部21の各開口部21aそして窓部22が円錐台状に形成されている点で異なる構成になっている。
尚、EL素子30は、その他の構成は、図1に示したEL素子10と同じ構成であるから、その説明は省略する。
【0039】
このような構成のEL素子30においては、図1に示したEL素子10と同様に作用して、軸上輝度を向上させることができる。
そして、このEL素子30について、図4乃至図6に示したEL素子10と同様のシミュレーションを行なった結果、図10乃至図12に示すシミュレーション結果が得られた。
まず図10は、透明基板20の枠部21の円錐台状の開口部21aの入射側開口を0.1875mm径として、0.375mmピッチで配置すると共に、EL素子本体11の発光層12の各発光部12aの大きさを0.1875mm角として、0.375mmピッチで配置して、開口部21a即ち窓部22の傾斜角θを変化させた場合のシミュレーション結果を符号Aにより示している。
このシミュレーションによれば、傾斜角θが20度未満で、軸上輝度が大幅に向上し、3.1〜3.2倍程度の軸上輝度が得られることが分かる。
この場合、前述したEL素子10の場合と比較して、軸上輝度が低いが、これは、枠部21の各開口部21aが、枠部21の上端にて互いに一部しか接していないことが原因である。
【0040】
図11は、上記シミュレーションにおいて、傾斜角θを15度とした場合の指向特性のシミュレーション結果を示している。上述したEL素子30による指向特性は、EL素子10の場合と同様に、図11にて符号Aで示すように、窓部22の傾斜角に基づいて、比較的狭い指向特性となることが分かる。これに対して、従来のEL素子は、図11にて符号Bで示すように、比較的広範囲な指向特性を有している。
【0041】
図12は、上記シミュレーションにおいて、透明基板20の上面中央部の3mm四方の領域における輝度分布のシミュレーション結果である。
これにより、枠部21の各開口部21aが枠部21の上面側にて一部から接していないことから、部分的に低輝度となり、やや不均一な輝度分布になってしまうことが分かる。
【0042】
図13乃至図15は、本発明によるEL素子の第三の実施形態の構成を示している。
図13乃至図15において、EL素子40は、図7に示したEL素子30と比較して、透明基板20の枠部21の円錐台状の各開口部21aが枠部21の上面21bにて互いに重なり合うように形成されている点で異なる構成になっている。
尚、EL素子30は、その他の構成は、図1に示したEL素子10と同じ構成であるから、その説明は省略する。
【0043】
ここで、上記各開口部21aは、枠部21の上面21bにて互いに重なり合うことにより、上面21b全体に亘って、互いに四辺で隣接する開口部21aの出射側開口に接する正方形の出射側開口を形成している。
【0044】
このような構成のEL素子40においては、図1及び図7に示したEL素子10,30と同様に作用して、軸上輝度を向上させることができる。
そして、このEL素子40について、図4乃至図6に示したEL素子10と同様のシミュレーションを行なった結果、図10,図16及び図17に示すシミュレーション結果が得られた。
まず図10は、透明基板20の枠部21の円錐台状の開口部21aの入射側開口を0.1875mm径,出射側開口を正方形として、0.375mmピッチで配置すると共に、EL素子本体11の発光層12の各発光部12aの大きさを0.1875mm角として、0.375mmピッチで配置して、開口部21a即ち窓部22の傾斜角θを変化させた場合のシミュレーション結果を符号Bにより示している。
このシミュレーションによれば、傾斜角θが20度未満で、軸上輝度が大幅に向上し、3.5〜4倍程度と、図1によるEL素子10と同様の軸上輝度が得られることが分かる。
【0045】
図16は、上記シミュレーションにおいて、傾斜角θを15度とした場合の指向特性のシミュレーション結果を示している。上述したEL素子40による指向特性は、EL素子10の場合と同様に、図16にて符号Aで示すように、窓部22の傾斜角θに基づいて、比較的狭い指向特性となることが分かる。これに対して、従来のEL素子は、図16にて符号Bで示すように、比較的広範囲な指向特性を有している。
【0046】
図17は、上記シミュレーションにおいて、透明基板20の上面中央部の3mm四方の領域における輝度分布のシミュレーション結果である。
これにより、枠部21の各開口部21aが枠部21の上面21b側にて互いに全辺で接する正方形の出射側開口を有していることから、図1のEL素子10の場合と同様に、均一な輝度分布が得られることが分かる。
【0047】
上述した実施形態においては、EL素子の透明基板20における枠部21の各開口部21aそしてその内部の窓部22は、四角錐台状または円錐台状に形成されているが、これに限らず、六角錐台状等の多角錐台状に形成されていてもよいことは明らかである。
また、上述した実施形態においては、透明基板20の枠部21が屈折率1.5の低屈折率材料から、また窓部22が屈折率1.6の高屈折率材料から、それぞれ構成されているが、これに限らず、枠部21が窓部22と比較してより低い屈折率材料から構成されていればよく、これらの屈折率1.5または1.6に限定されるものではない。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、EL素子本体の各発光部から出射した光は、EL素子本体から出射して透明基板内に入射する。その際、EL素子本体からの光は、透明基板の低屈折率材料から成る枠部の開口部内にて高屈折率材料から成る多角錐台状,四角錐台状または円錐台状に形成された窓部内に入射し、この窓部を介して透明基板の反対側から外部に出射する。
ここで、窓部内に入射した光は、当該窓部の側面が低屈折率材料から成る枠部の開口部内面に接していることから、窓部の側面に入射した光は、屈折率差に基づいて反射され、EL素子本体とは反対側の出射側に向かって導かれることになる。
【0049】
従って、EL素子本体の各発光部から透明基板の窓部内に入射した光は、窓部にて直接にあるいは側面で反射されて出射側に導かれることになるので、EL素子本体の各発光部からの光の取出し効率が向上する。これにより、従来のような透明基板の表面から突出する凸レンズ部を設けたり、高価な屈折率分布型レンズを使用することなく、二つの異なる屈折率材料から成る透明基板を使用して、EL素子本体からの光を、上記各窓部の側面の傾斜角に対応して規制することにより、効果的に所定の角度範囲内に導くことにより、所定の指向性が得られ、軸上輝度が向上することになる。また、既に充分な輝度が得られている場合には、輝度が向上する分、消費電力を抑えることができる。
【0050】
このようにして、本発明によれば、簡単で薄型の構成により、軸上輝度を向上させるようにした、面光源装置として使用される、極めて優れたEL素子が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるEL素子の第一の実施形態を示す(A)平面図及び(B)断面図である。
【図2】図1のEL素子における枠部の開口部の形状を示す概略斜視図である。
【図3】図1のEL素子における透明基板の要部拡大断面図である。
【図4】図1のEL素子におけるシミュレーションによる窓部側面の傾斜角と軸上輝度の向上効果を示すグラフである。
【図5】図1のEL素子による指向特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】図1のEL素子による窓部側面の傾斜角が(A)30度,(B)15度及び(C)5度の場合の輝度分布のシミュレーション結果を示す図である。
【図7】本発明によるEL素子の第二の実施形態を示す(A)平面図及び(B)断面図である。
【図8】図7のEL素子における枠部の開口部の形状を示す概略斜視図である。
【図9】図7のEL素子における透明基板の要部拡大断面図である。
【図10】図7及び図13のEL素子におけるシミュレーションによる窓部側面の傾斜角と軸上輝度の向上効果を示すグラフである。
【図11】図7のEL素子による指向特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図12】図7のEL素子による輝度分布のシミュレーション結果を示す図である。
【図13】本発明によるEL素子の第三の実施形態を示す(A)平面図及び(B)断面図である。
【図14】図13のEL素子における枠部の開口部の形状を示す概略斜視図である。
【図15】図13のEL素子における透明基板の要部拡大断面図である。
【図16】図13のEL素子による指向特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図17】図13のEL素子による輝度分布のシミュレーション結果を示す図である。
【符号の説明】
10,30,40 EL素子
11 EL素子本体
12 発光層
12a 発光部
13 金属電極(陰極)
14 透明電極(陽極)
20 透明基板
21 枠部(低屈折率)
22 窓部(高屈折率)

Claims (5)

  1. 少なくとも一つの発光部を備えたEL素子本体と、このEL素子本体の光出射側の表面上に配置された扁平な透明基板と、から構成されているEL素子であって、
    上記透明基板が、EL素子本体側の表面にてEL素子本体の各発光部に対応して開口すると共に、この入射側開口部から出射側に向かって所定の傾斜角で拡大する開口部を備えた低屈折率材料から成る枠部と、この枠部の開口部内に配置された高屈折率材料から成る窓部と、から構成されていることを特徴とする、EL素子。
  2. 上記枠部の開口部が、四角錐台状又は円錐台状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のEL素子。
  3. 上記枠部の開口部の出射側の開口が互いに接している又は重なりあっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のEL素子。
  4. 上記枠部の開口部の入射側の開口が、EL素子本体の発光部とほぼ同じ大きさにまたはそれより大きく選定されていることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載のEL素子。
  5. 上記窓部が、枠部の出射側の表面を越えて配置されていることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載のEL素子。
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