JP2004241163A - 漏電遮断器の釈放型電磁石装置 - Google Patents

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敏幸 中川
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Abstract

【課題】零相変流器の出力電流によって励磁駆動する電磁石装置を少ない通電電流で動作させることができ、零相変流器の小型化が図れる漏電遮断器の釈放型電磁石装置を提供する。
【解決手段】釈放型電磁石装置2は、ヨーク3にボビン4を介して巻回された電磁コイル5と、ヨーク3の端部に接離可能に設けられた可動鉄片7と、可動鉄片7をヨーク3に吸着させるための永久磁石8と、永久磁石8の外周に電磁コイル5と連続して巻回した消磁コイル6と、可動鉄片7をヨーク3から釈放させるように付勢するバネ10とで構成し、電磁コイル5と消磁コイル6へ零相変流器からの出力電流が通電されると永久磁石8の磁束と逆方向の磁束を発生させて、少ない通電電流で可動鉄片7がヨーク3から釈放されるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、漏電を検出するとヨークに吸着された可動鉄片を釈放させて開閉機構を動作させ、主回路を遮断する釈放型電磁石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、漏電遮断器の漏電を検出した際に開閉機構を動作させる電磁石装置として釈放型の電磁石装置が知られている。釈放型電磁石装置は、ヨークにボビンを介して巻回された電磁コイルと、ヨークの端部に接離可能に設けられた可動鉄片と、可動鉄片をヨークに吸着させるための永久磁石と、可動鉄片をヨークから釈放させるように付勢するバネとで構成し、主回路に流れる漏洩電流を零相変流器によって検出した際に電磁コイルを励磁し、電磁コイルに発生した磁束によって永久磁石の磁束を打ち消し、バネの力によって可動鉄片をヨークから釈放させ、可動鉄片によって開閉機構を動作させて主回路を遮断させるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−176261号公報(第3−4頁、第1−2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1における釈放型電磁石装置は、零相変流器によって漏洩電流を検出すると漏電判定回路によって漏電か否かを判定し、漏電と判定するとスイッチング素子をオンさせて電源回路の電源により電磁コイルを励磁させる半導体式の釈放型電磁石装置が採用されているが、従来から電磁コイルの励磁電流として零相変流器の出力電流を整流回路を介して電磁コイルに直接通電させて励磁させる方式があった。この釈放型電磁石装置によると、電源欠相の状態で増幅電源を必要としないので問題なく動作するし、周囲温度に感度電流が影響されないし、使用電圧及び電圧変動の影響を受けないし、サージ耐力が高いし、漏電動作時の点検で回路に取り付けたまま絶縁抵抗が測定できるし、また、電源側端子と負荷側端子の逆接続が問題なくできる等の様々なメリットがあるが、電磁コイルへの通電電流を多く必要とするため、一般的な半導体式の電磁石装置に比べて零相変流器のサイズが大きくなるという欠点があった。
【0005】
そこで上記問題点に鑑み、本発明の目的は、零相変流器の出力電流によって励磁駆動する電磁石装置を少ない通電電流で動作させることができ、零相変流器の小型化が図れる漏電遮断器の釈放型電磁石装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、漏電遮断器に組み込まれ、ヨークにボビンを介して巻回された電磁コイルと、ヨークの端部に接離可能に設けられた可動鉄片と、可動鉄片をヨークに吸着させるための永久磁石と、可動鉄片をヨークから釈放させるように付勢するバネとで構成し、主回路に流れる漏洩電流を零相変流器によって検出した際に零相変流器の出力電流によって電磁コイルを励磁し、電磁コイルに発生した磁束によって永久磁石の磁束を打ち消し、バネの力によって可動鉄片をヨークから釈放させ、可動鉄片によって開閉機構を動作させて主回路を遮断する漏電遮断器の釈放型電磁石装置において、永久磁石の外周に電磁コイルに連続した消磁コイルを巻回し、通電時に永久磁石の磁束と逆方向の磁束を発生させることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
釈放型電磁石装置は、ヨークにボビンを介して巻回された電磁コイルと、ヨークの端部に接離可能に設けられた可動鉄片と、可動鉄片をヨークに吸着させるための永久磁石と、永久磁石の外周に電磁コイルと連続して巻回した消磁コイルと、可動鉄片をヨークから釈放させるように付勢するバネとで構成し、電磁コイルと消磁コイルへ零相変流器からの出力電流が通電されると永久磁石の磁束と逆方向の磁束を発生させて、少ない通電電流で可動鉄片がヨークから釈放されるようにする。
【0008】
【実施例】
本発明に係る漏電遮断器の釈放型電磁石装置の一実施例を図1及び図2の添付図面に基づいて説明する。
【0009】
図1に示すように漏電遮断器1の釈放型電磁石装置2は、ヨーク3と、ボビン4と、電磁コイル5と、消磁コイル6と、可動鉄片7と、永久磁石8と、支持バネ9と、釈放バネ10とで構成している。
【0010】
ヨーク3は1対の垂直部3aとこの垂直部3aの下端間を連結する水平部3bとで略U字状に形成され、ヨーク3の垂直部3aの一方側にボビン4が貫通されてボビン4の外周に電磁コイル5が巻回され、ヨーク3の水平部3bの下面に永久磁石8が固定されている。永久磁石8の外周には電磁コイル5に連続した消磁コイル6が巻回されている。また、ヨーク3の垂直部3aの他方側の端部には支持バネ9を介して可動鉄片7がヨーク3の垂直部3aの両先端面に接離可能に固定され、可動鉄片7がヨーク3から離反する方向に付勢している。また、ボビン4の下側の鍔部4aがヨーク3の他方側の垂直部3aを越えた位置まで延設され、この延設した鍔部4aの端部と可動鉄片7の端部間に釈放バネ10が設けられ、可動鉄片7をヨーク3から離反する方向に付勢している。しかしながら、通常時は支持バネ9と釈放バネ10のバネ力よりも永久磁石8の磁力の方が強いので可動鉄片7はヨーク3の垂直部3aの両先端面に吸着されている。
【0011】
図2に示すように釈放型電磁石装置2は主回路11を貫通させた零相変流器12の出力端に整流回路13を介して接続され、主回路11に漏洩電流が流れると零相変流器12によって検出して漏洩電流に応じた電流を出力し、この出力電流は整流回路13によって直流電流に整流されて釈放電磁石装置2に入力される。
【0012】
釈放電磁石装置2に入力された直流電流は電磁コイル5と消磁コイル6に通電される。これにより電磁コイル5と消磁コイル6が励磁し、永久磁石8の磁束と逆方向に磁束が発生するため、永久磁石8の磁束が打ち消されるので釈放バネ10と支持バネ9のバネ力によって可動鉄片7がヨーク3から釈放され、釈放された可動鉄片7によって主回路2の開閉機構14を動作させ、主回路2が遮断する。
【0013】
尚、本実施例において可動鉄片を支持バネを介してヨークに固定したが、可動鉄片がヨークに接離可能に固定されれば支持バネは無くても良い。また、ヨークの形状や永久磁石の固定位置等について限定はなく、釈放型電磁石装置の形状及び構造について本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように漏電遮断器に組み込まれ、ヨークにボビンを介して巻回された電磁コイルと、ヨークの端部に接離可能に設けられた可動鉄片と、可動鉄片をヨークに吸着させるための永久磁石と、可動鉄片をヨークから釈放させるように付勢するバネとで構成し、主回路に流れる漏洩電流を零相変流器によって検出した際に零相変流器の出力電流によって電磁コイルを励磁し、電磁コイルに発生した磁束によって永久磁石の磁束を打ち消し、バネの力によって可動鉄片をヨークから釈放させ、可動鉄片によって引き外し装置を動作させて主回路を遮断する漏電遮断器の釈放型電磁石装置において、永久磁石の外周に電磁コイルに連続した消磁コイルを巻回し、通電時に永久磁石の磁束と逆方向の磁束を発生させることにより、少ない通電電流で装置を動作させることができるので零相変流器の小型化が図れ、また、バネを簡素化することができ、以て遮断器自体を小型化することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る漏電遮断器の回路図である。
【図2】本発明に係る漏電遮断器の釈放型電磁石装置を示す正面図である。
【符号の説明】
2…釈放型電磁石装置
3…ヨーク
5…電磁コイル
6…消磁コイル
7…可動鉄片
8…永久磁石
10…釈放バネ
12…零相変流器

Claims (1)

  1. 漏電遮断器に組み込まれ、ヨークにボビンを介して巻回された電磁コイルと、前記ヨークの端部に接離可能に設けられた可動鉄片と、該可動鉄片を前記ヨークに吸着させるための永久磁石と、前記可動鉄片を前記ヨークから釈放させるように付勢するバネとで構成し、主回路に流れる漏洩電流を零相変流器によって検出した際に該零相変流器の出力電流によって前記電磁コイルを励磁し、該電磁コイルに発生した磁束によって前記永久磁石の磁束を打ち消し、前記バネの力によって前記可動鉄片を前記ヨークから釈放させ、前記可動鉄片によって開閉機構を動作させて前記主回路を遮断する漏電遮断器の釈放型電磁石装置において、前記永久磁石の外周に前記電磁コイルに連続した消磁コイルを巻回し、通電時に前記永久磁石の磁束と逆方向の磁束を発生させることを特徴とする漏電遮断器の釈放型電磁石装置。
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