JP2004241140A - スイッチ装置 - Google Patents

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JP2004241140A JP2003025972A JP2003025972A JP2004241140A JP 2004241140 A JP2004241140 A JP 2004241140A JP 2003025972 A JP2003025972 A JP 2003025972A JP 2003025972 A JP2003025972 A JP 2003025972A JP 2004241140 A JP2004241140 A JP 2004241140A
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順史 土屋
Koji Dono
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Abstract

【課題】セルフクリーニング機能を備えることにより、電極接点間に接触不良が起こり難くしたスイッチ装置を提供する。
【解決手段】キートップ4を下方に押し込むと、アクチュエータ3に設けられた操作部3Bによってスパイラル接触子7の巻き始端7bと巻き終端7cとの間が伸張させられる。このとき、前記巻き終端7cが前記固定電極5の表面上を摺動するため、巻き終端7cまたは/および前記固定電極5に付着している塵や汚れ、あるいは電極の表面に形成されている酸化膜などをセルフクリーニングする。よって、前記可動電極6と固定電極8との間の接続不良の問題を解消することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押しボタン式のスイッチ素子に係わり、特に接点部に接触不良が生じるのを抑えたスイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の押しボタン式スイッチとしては、例えば特許文献1に記載された技術が存在する。
【0003】
前記特許文献1に記載されたスイッチでは、キートップを押し下げると、キートップの下部に設けられたダボ部が従動素子を均一に押し下げ、可動接点の全面が固定接点に接触させられることにより、スイッチとして機能するようになっている。
【0004】
またキートップの押圧を解除すると、ドーム部の弾性力によって元の状態に復帰するため、可動接点と固定接点の接触状態を解放できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
実公平7−31471号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に記載された従来のスイッチは、単に可動接点が押し下げられて固定接点に接触するだけの構成であるため、可動接点又は固定接点に塵や汚れ等が付着している場合、あるいは酸化していた場合には、前記可動接点と固定接点との間に接触不良を起すという問題がある。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、セルフクリーニング機能を備えることにより接点不良を引き起こし難くしたスイッチ装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、可動電極と、前記可動電極と対向して設けられた対向電極と、少なくとも前記可動電極を押し込んで前記対向電極に接触させる操作部材とを有するスイッチ装置において、
前記可動電極が、前記対向電極と接近する方向に伸縮自在に変形する弾性変形部と、前記対向電極と接触するときにその表面上を摺動する摺動接点部とを有することを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、操作部材を押すと、可動電極の弾性変形部が操作部材の先端によって押し込まれて伸張させられるが、可動電極側の弾性変形部の先端(巻き終端)である摺動接点部が対向電極の表面に接触する瞬間に摺動摩擦を生じさせる。よって、可動電極側の摺動接点部又は対向電極の表面に付着していた塵や汚れ、あるいは酸化膜などをセルフクリーニングすることができるため、可動電極と対向電極との間の電気的な接続不良を引き起こし難くすることができる。
【0010】
また前記対向電極が、前記弾性変形部と摺動接点部とを備えた可動電極で形成されているものである。
【0011】
上記構成では、弾性変形した可動電極どうしが接触し合うため、電極間の電気的な接触をより確実なものにできる。
【0012】
より具体的には、前記可動電極が、外周側の巻き始端から中心側の巻き終端方向に渦巻き状に形成されたスパイラル接触子で形成されており、前記巻き終端が前記摺動接点部とされたものである。
【0013】
上記構成では、操作部材を押し戻す復帰ばねを不要にできるため、部品点数を低減することが可能である。
【0014】
また前記可動電極と対向する位置には、前記弾性変形部と摺動接点部とを有する電極が積層方向に所定の距離を隔てて複数段積み重ねられており、前記操作部材の前記積層方向への押し込み量に応じて前記可動電極とこれに対向する各対向電極とが接触させられるものである。
【0015】
上記構成では、複数の切り換え機能を有するスイッチ回路を構成することができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下の各実施の形態に示すスイッチ装置は、例えばキーボード上に複数配列されたキースイッチのうちの1つを示している。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態としてのスイッチ装置の断面図を示し、Aは操作前の状態、Bは操作中の状態を示している。また図2は可動電極に設けられたスパイラル接触子を示す平面図である。
【0018】
図1AおよびBに示すように、第1の実施の形態のスイッチ装置1は、ケース2の上にアクチュエータ3を備えたキートップ4を設けた構成である。前記ケース2は略筒形状をしている。そして、基板8の表面上には、ケース2の下方の開口端部の形状に対応する溝8aが形成されており、この溝8aに前記ケース2の下方の開口端部が固定されている。ケース2の上方の開口端部には外表面から外方向に迫り出した外縁部2aが周設されている。またケース2の内部には、前記下方の開口縁部から所定の高さ寸法となる位置に段差部2bが周設されている。
【0019】
前記基板8の表面上で且つ前記溝8aの中央部には対向電極として固定電極5が形成されている。そして、前記ケース2の段差部2bには、前記固定電極5から所定の距離を隔て対向する可動電極6が設けられている。
【0020】
前記可動電極6は、中心にスルーホール6aが設けられた基板6A上に形成されている。前記基板6Aのスルーホール6a内には、薄い金属箔などで渦巻き状に形成されたスパイラル接触子7が設けられている。図1Aおよび図2に示すように、前記スパイラル接触子7は同一平面で形成されており、その外周側には環状に形成された基部7aが形成されており、この基部7aの外周側が前記スルーホール6aの縁部に固定されている。そして、前記スパイラル接触子7は前記基部7a側に巻き始端7bが設けられ、この巻き始端7bから渦巻き状に延びた先端の巻き終端7cが前記スルーホール6aの中心に位置している。
【0021】
なお、前記固定電極5および可動電極6は外部の回路に接続されており、特に下層側の固定電極5は基板8上の外部接続パターンと一体に形成されている。
【0022】
アクチュエータ3は前記ケース2よりも一回り大きな略筒形状をしている。アクチュエータ3の天井部3Cの外周には壁部3Aが設けられ、その内部中心には操作部(操作部材)3Bが突出形成されている。前記壁部3A、操作部3Bおよび天井部3Cは、合成樹脂などの非導電性材料で一体成形されており、壁部3Aおよび操作部3Bは天井部3Cから図示下方に延びている。前記壁部3Aの下方の開口端部には内部方向に突出する係止部3aが周設されている。なお、操作部3Bの先端部は球状に形成されている。
【0023】
そして、前記天井部3Cの上面にキートップ4が固定されている。なお、キートップ4の表面には文字、図形または記号などの情報が印字されている。
【0024】
図1Aに示すように、前記キートップ4を備えたアクチュエータ3の壁部3Aの係止部3aをケース2の上方の開口端部に嵌合させた状態で下方に押し込むと、前記アクチュエータ3の係止部3aがケース2の外縁部2aを図示下方に乗り越え、前記キートップ4を備えたアクチュエータ3がケース2に装着される(スナップオン)。この操作前の状態では、前記操作部3Bの先端がスパイラル接触子7の巻き終端7cに当接している。
【0025】
図1Bに示すように、前記キートップ4を押圧力Fで押し込むと、前記係止部3aがケース2の外表面によって案内され、アクチュエータ3が図示下方に移動させられる。このとき、前記アクチュエータ3の操作部3Bの先端が前記スパイラル接触子7の巻き終端7cを下方に押圧するため、前記スパイラル接触子7が伸張させられる。そして、前記アクチュエータ3の天井部3Cがケース2の上部の開口端部に当接して図示下方への移動が規制されると同時に、前記操作部3Bによってスパイラル接触子7の巻き終端7cが前記固定電極5に接触させられ、前記可動電極6と固定電極5とが電気的に接続される。
【0026】
前記スパイラル接触子7の巻き始端7bと巻き終端7cとの間が伸張させられるため、前記スパイラル接触子7の巻き終端7cが前記固定電極5に接触する瞬間に、前記巻き終端7cが前記固定電極5の表面を摺動する。よって、このとき巻き終端7cまたは/および前記固定電極5に付着している塵や汚れ、あるいは電極の表面(接触面)に形成されていた酸化膜などをセルフクリーニングすることができる。よって、前記可動電極6と固定電極5との間の電気的な接続不良の問題を解消することができる。すなわち、可動電極6を構成する前記スパイラル接触子7の巻き終端7cは摺動接点部として機能している。
【0027】
また前記押圧力Fを解放すると、伸張状態にあった前記スパイラル接触子7の巻き始端7bと巻き終端7cとの間が収縮し、前記操作部3Bが上方に押し上げられる。よって、前記キートップ4を備えたアクチュエータ3が、図1Aに示す操作前の状態に復帰させられる。すなわち、前記スパイラル接触子7の巻き始端7bと巻き終端7cとの間は、前記固定電極5と電気的に接続するための可動電極6の一部を構成しているとともに、前記固定電極5と接近する方向に伸縮自在に変形する弾性変形部としての機能を有している。したがって、従来のように、押し込まれたキートップを元の状態に復帰させる部材(特許文献1に記載されたドーム部や復帰ばね等)を、電極とは異なる別部材として設ける必要がない。よって、部品点数を低減することが可能である。
【0028】
図3は本発明の第2の実施の形態として、図1B同様のスイッチ装置の操作中の状態を示す断面図である。
【0029】
第2の実施の形態に示すスイッチ装置10の構造は、前記第1の実施の形態に示すスイッチ装置1と比較すると、
前記ケース2内の段差部2bの下方に段差部2cが形成されており、この段差部2cに前記可動電極6と同じ構造からなる第2の可動電極16が設けられている点、および基板8上に対向電極としての固定電極5が設けられていない点で異なっており、その他の構造は同じである。
【0030】
すなわち、第2の実施の形態では、ケース2の内部に可動電極6と、対向電極として設けられた第2の可動電極16とが所定の距離を隔て平行に積層されている。そして、前記操作部3Bの下方の位置に、前記可動電極6に設けられたスパイラル接触子7と前記第2の可動電極16に設けられたスパイラル接触子17とが対向している。
【0031】
図3に示すように、キートップ4に押圧力Fを与えると、アクチュエータ3の操作部3Bが上層側の可動電極6のスパイラル接触子7を伸張させるとともに、下層側の第2の可動電極16のスパイラル接触子17をも伸張させるため、可動電極6と第2の可動電極16とが確実に接触させられる。また前記操作部3Bは可動電極6と第2の可動電極16の双方を押圧するため、弾性変形部としての機能も高めることができる。すなわち、第1の実施の形態に比較してキートップを押圧したときの操作感触を変えることができ、その操作性を高めることが可能である。
【0032】
図4は本発明の第3の実施の形態として、図3同様にスイッチ装置の操作中の状態を示す断面図である。
【0033】
第3の実施の形態に示すスイッチ装置20の構造は、前記第2の実施の形態に示すスイッチ装置10と比較すると、対向電極として設けられた第2の可動電極16に加えて、ケース2の内部で且つ基板8の表面上にも対向電極として固定電極5が設けられている点で相異しており、その他の構造は同じである。
【0034】
図4に示すスイッチ装置20では、キートップ4に押圧力Fを与えてアクチュエータ3の操作部3Bを押し下げると、操作部3Bが上層側の可動電極6のスパイラル接触子7を下方に伸張させるため、前記スパイラル接触子7が下層側の第2の可動電極16のスパイラル接触子17に接触する。このとき上層側の可動電極6とその下層の第2の可動電極16との間が電気的に接続された状態となる。
【0035】
さらにキートップ4に対して大きな押圧力Fを与えると、前記下層側のスパイラル接触子17も伸張させられ、その巻き終端(摺動接点部)17cが前記固定電極5に接触させられる。この状態では、前記可動電極6、第2の可動電極16および固定電極5の3つの電極すべてが電気的に接続された状態になる。
【0036】
すなわち、第3の実施の形態では、キートップ4に与える押圧力Fの大きさを変えて操作部3Bの押し込み量を変えることにより、上層側の可動電極6と接続される電極が、第2の可動電極16のみであるか、第2の可動電極16と固定電極5の双方であるかを選択することができる。よって、押圧力Fに応じて接続される外部回路が切り換わるスイッチ回路を形成することができる。
【0037】
なお、第2の実施の形態では可動電極6の下層に対向電極として第2の可動電極16を配置した2層構造としたが、さらに複数の可動電極を積層方向に積み重ねることでスイッチ装置の操作感触を可変することができ、さらに優れた操作性とすることが可能である。
【0038】
また第3の実施の形態においては、さらに複数の可動電極を積層方向に積み重ねることにより、複数の切り換え機能を有するスイッチ回路を構成することが可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明では、接点間の接触不良を引き起こし難くしたスイッチ装置を提供することができる。
【0040】
また可動電極を複数段積み重ねることにより、複数の切り換え機能を有するスイッチ回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのスイッチ装置の断面図を示し、Aは操作前の状態、Bは操作中の状態、
【図2】可動電極に設けられたスパイラル接触子を示す平面図、
【図3】本発明の第2の実施の形態として、図1B同様のスイッチ装置の操作中の状態を示す断面図、
【図4】本発明の第3の実施の形態として、図3同様のスイッチ装置の操作中の状態を示す断面図、
【符号の説明】
1,10,20 スイッチ装置
2 ケース
3 アクチュエータ
3B 操作部(操作部材)
4 キートップ
5 固定電極(対向電極)
6 可動電極
16 第2の可動電極(対向電極)
7 スパイラル接触子
8 基板

Claims (4)

  1. 可動電極と、前記可動電極と対向して設けられた対向電極と、少なくとも前記可動電極を押し込んで前記対向電極に接触させる操作部材とを有するスイッチ装置において、
    前記可動電極が、前記対向電極と接近する方向に伸縮自在に変形する弾性変形部と、前記対向電極と接触するときにその表面上を摺動する摺動接点部とを有することを特徴とするスイッチ装置。
  2. 前記対向電極が、前記弾性変形部と摺動接点部とを備えた可動電極で形成されている請求項1記載のスイッチ装置。
  3. 前記可動電極が、外周側の巻き始端から中心側の巻き終端方向に渦巻き状に形成されたスパイラル接触子で形成されており、前記巻き終端が前記摺動接点部とされている請求項1または2記載のスイッチ装置。
  4. 前記可動電極と対向する位置には、前記弾性変形部と摺動接点部とを有する電極が積層方向に所定の距離を隔てて複数段積み重ねられており、前記操作部材の前記積層方向への押し込み量に応じて前記可動電極とこれに対向する各対向電極とが接触させられる請求項1ないし3のいずれかに記載のスイッチ装置。
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