JP2004241106A - 半導体集積回路装置の回路接続検証方法 - Google Patents

半導体集積回路装置の回路接続検証方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 動作マージンを確保しつつ、低消費電力化を実現した半導体集積回路装置の回路接続検証方法を提供する。
【解決手段】 内部回路を構成するCMOS回路のうち、非動作状態のときに出力信号レベルがロウレベルの第1の回路は、外部端子から供給される電源電圧が伝えられる電源線に対応した第1の内部電源線と外部端子から供給される接地電位が伝えられる接地線に接続し、出力信号がハイレベルの第2の回路は、上記電源線と上記に対応した第2の内部電源線に接続し、コンピュータシミュレータにて上記第1及び第2の内部電源線にはそれぞれ電源線及び接地線とは異なる電位を設定し、各回路の出力ノードの電位を算出させ、かかる出力ノードの電位が上記第1及び第2の内部電源線の電位に対応したものであることを検出してそのノード情報を誤接続箇所とする。
【選択図】 図26

Description

この発明は、半導体集積回路装置の回路接続検証方法に関し、主として低しきい電圧のMOSFETにより構成されたCMOS回路により構成されるダイナミック型RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等のディジタル集積回路装置の回路接続検証方法に利用して有効な技術に関するものである。
MOSFETは、その微細化されるにつれて耐圧が低下する。このため、微細化されたMOSFETにより構成された回路では、動作電圧を低くすることが必要である。この場合、ゲートに供給されるゲート電圧も低くなるために、低くされたゲート電圧でも所望の電流が流れるようしきい電圧を低くすることが必要とされる。しかしながら、しきい電圧を低く設定すると、ゲートとソース間の電圧を等しくしてオフ状態にさせたときに流れるリーク電流(以下、サブスレッショルドリーク電流という)が指数関数的に増加し、CMOS回路においても非活性時の消費電流が増大する。
このようなサブスレッショルドリーク電流を低減させる回路の例として、特開平6−237164号公報がある。この回路でのリーク電流の低減方法は、非動作時の入力がハイレベルで、出力がロウレベルに決まっている場合のCMOSインバータ回路を例にして説明すると、この場合のCMOSインバータ回路のPチャンネル型MOSFETがオフ状態で、Nチャンネル型MOSFETがオン状態である。この場合のCMOSインバータ回路において発生するリーク電流は、オフ状態にあるPチャンネル型MOSFETのサブスレッショルドリーク電流で決まることになる。
そこで、上記CMOSインバータ回路のPチャンネル型MOSFETのソースが接続される動作電圧ノードと電源線との間に、Pチャンネル型の電源スイッチMOSFETを設けて、上記非動作状態時にかかる電源スイッチMOSFETをオフ状態にするものである。このようにすると、フローティング状態の内部電源線の電位がサブスレッショルドリーク電流により低下し、ある程度低下すると上記CMOS回路を構成するPチャンネル型MOSFETのゲート,ソース間に逆バイアス電圧が印加されることとなり、サブスレッショルドリーク電流を実質的に無くすようにできる。
特開平6−237164号公報
本願発明者にあっては、CMOS集積回路の回路規模が増大すると、内部電源線の寄生容量が増大し、上記スイッチMOSFETのオン状態により大きなピーク電流が流れることに気が付いた。このピーク電流は、上記スイッチMOSFETの大きなゲート容量をチャージアップさせるのに必要な電流と、かかるスイッチMOSFETのソース−ドレイン経路を通して上記内部電源線の寄生容量をチャージアップさせる電流からなり、上記のようなCMOS回路規模の増大に伴って増大してしまう。また、サブスレッショルドリーク電流を低減させる方法をダイナミック型RAMに適用することを検討した。この場合、ダイナミック型RAMの動作速度を犠牲にしないで、しかも効果的に上記サブスレッショルドリーク電流を低減させるためには種々の解決しなければならないことが判った。
ダイナミック型RAMがスタンバイ状態のときに、サブスレッショルドリーク電流を低減させるために内部電源スイッチMOSFETをオフ状態にしておいて、メモリアクセスに際して上記スイッチMOSFETをオン状態にすると、かかるMOSFETをオフ状態からオン状態にさせるための制御信号を立ち上げるとき、及びMOSFETのオン状態により上記内部回路の電源ノードをチャージアップさせるときに上記パルス状の大きな電流が流れてしまう。このようなパルス状の電流は、ダイナミック型RAMのピーク電流値を増大させ、システム搭載時には電源装置の電流容量を上記ピーク値に対応した大きなものとしなければならなくなる。そもそも、上記のように素子微細化に伴う半導体集積回路装置の回路機能や回路規模の増大と低電源電圧化は、主として携帯用電子機器等のシステムの小型化に向かっており、必然的に電源として電池を電源に用いることが期待されるものである。しかしながら、上記のようなピーク電流の増大は、かかる小型化が要求されるシステムの電源装置からみると大きな問題になる。そして、半導体集積回路装置としても上記のようなピーク電流の発生に伴い、電源線に大きなノイズが発生するものとなり動作マージンを悪化させてしまう。
この発明の目的は、動作マージンを確保しつつ、低消費電力化を実現した半導体集積回路装置の回路接続検証方法を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、内部回路を構成するCMOS回路のうち、非動作状態のときに出力信号レベルがロウレベルの第1の回路は、外部端子から供給される電源電圧が伝えられる電源線に対応した第1の内部電源線と外部端子から供給される接地電位が伝えられる接地線に接続し、出力信号がハイレベルの第2の回路は、上記電源線と上記に対応した第2の内部電源線に接続し、コンピュータシミュレータにて上記第1及び第2の内部電源線にはそれぞれ電源線及び接地線とは異なる電位を設定し、各回路の出力ノードの電位を算出させ、かかる出力ノードの電位が上記第1及び第2の内部電源線の電位に対応したものであることを検出してそのノード情報を誤接続箇所として出力させる。
CMOS回路からなる内部回路のうち、非動作状態のときに出力信号レベルがロウレベルの第1の回路は、外部端子から供給される電源電圧が伝えられる電源線に対応した第1の内部電源線と外部端子から供給される接地電位が伝えられる接地線に接続され、出力信号がハイレベルの第2の回路は、上記電源線と上記に対応した第2の内部電源線に接続されてなる半導体集積回路装置において、コンピュータシミュレータにて上記第1及び第2の内部電源線にはそれぞれ電源線及び接地線とは異なる電位を設定し、各回路の出力ノードの電位を算出させ、かかる出力ノードの電位が上記第1及び第2の内部電源線の電位に対応したものであることを検出してそのノード情報を出力させることにより、誤接続箇所を簡単に見つけ出すことができる。
図1と図2には、この発明が適用されたダイナミック型RAMの一実施例のブロック図が示されている。図1には、主として入力部と、X系回路とアレーブロックが示され、図2にはY系及び書き込み回路と出力バッファが示されている。同図においては、この発明の理解を容易にするために、通常の回路ブロックのように信号の伝達経路に忠実に対応されてはおらず、主に各回路ブロックに対する動作電圧の供給の観点から描かれている。
この実施例のダイナミック型RAMは、大きく入力部と出力バッファ等の出力(回路)部のように外部との関係等で常に電源供給状態にする回路と、それ以外の内部回路に分けられる。それ故、上記入力部を構成する各回路と、出力バッファに代表されるような出力回路及び内部回路のうち記憶動作を必要とする回路は、外部端子から供給される電源電圧が伝えられる電源線(以下、主電源線又はメイン電源線ということもある)VCCと接地電位が伝えられる接地線(以下、主接地線又はメイングランド線ということもある)VSSに接続されている。
これに対して、内部回路は前記サブスレッショルドリーク電流を低減させるために、CMOS回路のうちメモリが非動作状態、言い換えるならば、スタンバイ状態のときにロウレベルの出力信号を形成するものは、電源電圧側がサブ電源線又はサブ電圧配線(第1の内部電源線)に接続され、ハイレベルの出力信号を形成するものは接地側がサブグランド線(第2の内部電源線)に接続される。
この実施例では、実質的な動作速度を犠牲にすることなく、上記のような内部電源線に対する電圧供給時のピーク電流の低減を行うという目的のために、内部回路は、大きくX系回路とY系回路に分けられる。この理由は、それぞれの動作タイミングが異なることを利用するものである。そして、X系回路は、特に制限されないが、より効果的にピーク電流を低減させるという目的のために、さらにワード線の選択信号を形成するX系回路と、アレーブロックに設けられてワード線の選択信号を形成する部分(回路部)との2つに分けられる。
上記のような内部ブロックの分割に対応して、サブ電源線はVCTX,VCTA及びVCTYのように分けられ、サブグランド線はVSTX,VSTA及びVSTYのように分けられる。上記サブ電源線はVCTX,VCTAと電源線VCCとの間には、特に制限されないが、よりいっそう上記ピーク電流を低減させるという目的のために、複数のPチャンネル型のスイッチMOSFETQP1,QP2及びQP3,QP4がそれぞれに並列形態に設けられる。上記サブグランド線VSTX,VSTAと接地線(第1メイン電圧配線)VSSとの間には、特に制限されないが、複数のNチャンネル型のスイッチMOSFETQN1,QPN及びQN3,QN4がそれぞれに並列形態に設けられる。
これらの2分割されたPチャンネル型とNチャンネル型のスイッチMOSFETは、それぞれに制御信号φXB、φX及びφAB、φAが供給される。これらの制御信号φXB、φXとφAB、φAとは、発生タイミングにずれが設けられており、それぞれの動作シーケンスに対応して制御信号φXB、φXが相対的に早いタイミングで発生され、制御信号φAB、φAが相対的に遅いタイミングで発生される。これにより、X系回路とアレーブロックとは、スイッチMOSFETのオン状態のタイミングがずれているので、全回路を一斉に活性化するものに比べて上記スイッチMOSFETのオン状態のときに流れる電流が時間的に分散される結果、ピーク電流の電流値が小さくできる。
上記制御信号φXBは、上記X系回路に対応したサブ電源線VCTXと電源線(第2メイン電圧配線)VCCとの間に設けられて並列形態にされたPチャンネル型のスイッチMOSFETQP1,QP2のゲートに共通に供給されるのではくなく、入力側に対応されたMOSFETQP1には上記制御信号φXBが供給され、出力側に対応されたMOSFETQP2には遅延回路(制御回路)17aを通した遅延信号が供給される。同図では、2つのスイッチMOSFETQP1とQP2が代表として例示的に示されているが、X系回路は、Xプリデコーダ6、マット選択回路7、冗長のアドレス比較を行うXアドレスコンパレータ8やマットコントロール回路9等を構成する多段の論理回路から構成される。
これらの論理回路に動作電圧を供給するサブ電源線VCTXは、それが形成される回路エリアに沿って延長される。そのため、上記スイッチMOSFETQP1,QP2は、上記サブ電源線VCTXと電源線VCCとの間に、多数のMOSFETが並列形態にされて構成され、その合成コンダクタンスによって所望の電流供給能力を持つようにされる。言い換えるならば、1つのスイッチMOSFETは、上記X系回路の動作に必要な電流供給能力が複数個に分担されて実現できるよう比較的小さなサイズにより構成される。
上記制御信号φXも、上記同様に上記X系回路に対応したサブグランド線VSTXと接地線VSSとの間に設けられて並列形態にされたNチャンネル型のスイッチMOSFETQN1,QN2のゲートに共通に供給されるのではくなく、入力側に対応されたMOSFETQN1には上記制御信号φXが供給され、出力側に対応されたMOSFETQN2には遅延回路17cを通した遅延信号が供給される。上記スイッチMOSFETQN1,QN2も、上記MOSFETQP1,QP2と同様に、上記サブグランド線VSTXと接地線VSSとの間に、多数のMOSFETが並列形態にされて構成され、その合成コンダクタンスによって所望の電流能力を持つようにされる。
このようなスイッチMOSFETの分割は、次のような利点をもたらす。1つは、スイッチMOSFETが上記のように電源線VCCとサブ電源線VCTXとの間及びサブグランド線VSTXと接地線VSSの間にそれぞれ分散されて形成されることから、そのレイアウト上の自由度を大きくできる。つまり、上記両配線間の空き部分に適宜に比較的小さなスイッチMOSFETを設けることより実現できることである。そして、これらのMOSFETをドミノ倒しのように時間差を以て順次に動作させることにより、遅延回路7aや7cを構成する比較的小さなインバータ回路により直接に駆動でき、スイッチMOSFETのゲートに供給される駆動電流が分散されてピーク電流を抑えるように作用する。
同様に、スイッチMOSFETは、そのサイズが小さくされておりオン状態にされたときに流れる電流値も比較的小さくされて、上記ドミノ倒しのように時間差を以て順次にオン状態にされることによりX系回路の内部回路に流れる電流も時間的に分散されてピーク電流を抑制するようにできるからである。上記時間差を持たせて動作させるスイッチMOSFETの順序は、信号の伝達方式に沿って決めるようにすることにより、後述するように少ない電流により効率よく信号伝達を行うようにすることができる。
アレーブロックに対応して設けられるサブ電源線VCTAと電源線VCCとの間に設けられるPチャンネル型のスイッチMOSFETQP3,QP4と、サブグランド線VSTAと接地線VSSとの間に設けられるNチャンネル型のスイッチMOSFETQN3,QN4も上記同様な構成にされて、遅れて発生される制御信号φABとφA及び遅延回路17bと17dで形成された遅延信号によりドミノ倒しのよう順次にスイッチ制御される。
アレーブロックは、Xデコーダ12、メモリアレー15、ワードドライバ13、センスアンプ14から構成される。メモリアレー15とXデコーダ及びセンスアンプ14からなる組み合わせで1つのメモリマットが構成されて、全体では複数のメモリマットが設けられる。それ故、マットコントロール回路で選択されたメモリマットに対応したXデコーダ15が活性化されて、それに対応したメモリアレー15のワード線の選択動作を行い、ワード線の選択動作によりビット線に読み出された記憶情報がセンスアンプ14に増幅される。
この実施例では、センスアンプの増幅動作に必要な比較的大きな電流を確保するために、センスアンプの動作信号を形成するコモンソーススイッチ回路16は、前記のようなサブ電源線VCTAやサブグランド線VSTAには接続されず、電源線VCCと接地線VSSに直接接続される。このことは、大きな出力電流を流す必要のある出力バッファにおいても同様である。
Y系及び書き込み回路に対応してサブ電源線VCTYとサブグランド線VSTYが設けられ、かかるサブ電源線VCTYと電源線VCCとの間には、特に制限されないが、1つのPチャンネル型のスイッチMOSFETQP5が設けられ、サブグランド線VSTYと接地線VSSとの間にも、特に制限されないが、1つのNチャンネル型のスイッチMOSFETQN5が設けられる。これらのスイッチMOSFETQP5とQN5は、それぞれ1つでY系及び書き込み回路の動作に必要な電流を流すよう、比較的大きなサイズにされる。
ただし、その駆動のためのピーク電流及びそれがオン状態になったときのピーク電流を抑えるために、制御信号φYBとφYは、立ち上がりが緩やかになるように設定される。もっもと簡単な方法は、上記比較的大きなサイズにされるスイッチMOSFETQP5とQN5のゲート容量との時定数が大きくなるような小さなコンダクタンスしか持たないインバータ回路等の駆動回路で上記制御信号φYBとφYを形成するものである。
このような構成を採ることにより、MOSFETQP5とQN5のゲートに供給されるゲート電圧を変化させるのに必要な電流が小さくなり、かつ各MOSFETQP5とQN5が緩やかにオン状態になるためにサブ電源線VCTY及びサブグランド線VSTYに供給される電流のピーク値を抑えることができる。このようにY系の回路に適用した場合、ロウアドレスストローブ信号RASBがロウレベルにされてメモリアクセスが開始されてから、それが動作するまでの間に比較的長い時間が存在するので、電源スイッチMOSFETを電流供給能力の小さなインバータ回路で駆動する等のように簡単な構成で所望の時間経過後に上記動作に必要な電流供給能力を持つよう設定できる。
Y系及び書き込み回路において、アドレス信号変化検出回路ATDは、Yアドレス信号の変化を検出し、イコライジング信号発生回路26とメインアンプコントール回路を起動させて、メインアンプの入力ノードのイコライズと増幅動作の制御を行う。これらの回路ブロックYB1は、動作の安定化のために上記のようなサブ電源線VCTYやサブグランド線VSTYには接続されず、電源線VCCと接地線VSSに直接接続される。
Y系及び書き込み回路の他の回路ブロックは、上記サブ電源線VCTYとサブグランド線VSTYに接続される。これらの回路のうち、28はYプリデコーダであり、33はYデコーダであり、29は冗長アドレス比較を行うYアドレスコンパレータであり、30はメインアンプであり、31はライトバッファコントロール回路であり、32はライトバッファであり、34はベンダテスト回路であり、35は出力バッファコントロール回路である。
外部端子から入力される入力信号を受ける入力(回路)部は、外部端子からの入力信号に対する応答性を確保するために、上記電源線VCCと接地線VSSにより定常的に動作電圧が与えられる。また、出力信号を形成する出力バッファは、出力信号の安定的に出力させるために、上記同様に電源線VCCと接地線VSSにより定常的に動作電圧が与えられる。
入力部は、X系としてRAS入力バッファ1、かかる入力バッファ1の出力信号を受けてRAS系のクロック信号を形成するクロック発生回路2、アドレス信号を受けるアドレスバッファ3、かかるアドレス信号を上記RAS系のクロック信号R1Bにより取り込むXアドレスラッチ回路4と、リフレッシュ動作のためのアドレス信号を形成するCBRカウンタ5が設けられる。
Y系として、CAS入力バッファ18、かかる入力バッファ18の出力信号を受けてCAS系のクロック信号を形成するクロック発生回路19、上記アドレスバッファ3を通して入力されたYアドレス信号を上記CAS系のクロック信号により取り込むYアドレスラッチ回路20が設けられる。この他、入力部には、出力イネーブル入力バッファ22、ライトイネーブル入力バッファ24及びデータ入力バッファ24が設けられる。
図3には、X系のアドレス入力部の一実施例の回路図が示されている。アドレス信号IAYaは、前記図1のカウンタ5により形成されたリフレッシュアドレス信号であり、アドレス信号RAaBは、外部端子から供給されたX系のアドレス信号である。これら2つのアドレス信号は、対応するものがクロックドインバータ回路CN1とCN2の入力に供給される。リフレッシュ制御信号IRFは、リフレッシュ動作のときにハイレベルにされて、上記クロックドインバータ回路CN1を動作状態にし、クロックドインバータ回路CN2を出力ハイインピーダンス状態にして、上記リフレッシュアドレス信号IAYaを取り込む。上記リフレッシュ信号IRFがロウレベルのときには、クロックドインバータ回路CN1が出力ハイインピーダンス状態にされ、クロックドインバータ回路CN2が動作状態にされて、上記外部端子から供給されたロウ系のアドレス信号RAaBを取り込む。
上記2つのクロックドインバータ回路CN1とCN2の出力は共通化され、インバータ回路を通してスルーラッチ回路に伝えられる。スルーラッチ回路は、入力用のクロックドインバータ回路CN3と、インバータ回路IV3及び帰還用のクロックドインバータ回路CN4から構成される。タイミング信号XAE0は、ロウ系のタイミング信号であり、上記スルーラッチ回路にラッチ動作を行わせるものである。つまり、タイミング信号XAE0のロウレベルにより、入力用のクロックドインバータ回路CN3が動作状態にされ、帰還用のクロックドインバータ回路CN4が出力ハイインピーダンス状態にされているため、外部端子から入力されたアドレス信号RAab又はリフレッシュ用アドレス信号IAYaが上記入力用のクロックドインバータ回路CN3を通して取り込まれる。
上記タイミング信号XAE0がロウレベルからハイレベルにされと、入力用のクロックドインバータ回路CN3が出力ハイインピーダンス状態にされ、代わって帰還用のクロックドインバータ回路CN4が動作状態にされるので、上記インバータ回路IV3の出力信号が入力側に帰還されて、上記取り込まれたアドレス信号をラッチするものとなる。上記スルーラッチ回路の出力信号は、ノアゲート回路とインバータ回路とを通して相補の内部アドレス信号BXaBとBXaTとして出力される。上記ノアゲート回路は、上記タイミング信号XAE0がハイレベルの期間、ゲートを開いてラッチされたアドレス信号に対応した相補の内部アドレス信号BXaBとBXaTを出力する。逆の見かたをすると、タイミング信号XAE0がロウレベルにされるスタンバイ状態では、内部アドレス信号BXaBとBXaTは、共にハイレベルに固定されて、以降の論理段の各信号が前のメモリアクセスに無関係に所定の信号レベルに固定されることを意味する。
図4には、上記内部アドレス信号を受けるプリデコーダの一実施例の回路図が示されている。上記のようなアドレス入力部から取り込まれた相補の内部アドレス信号BX2Bi,BX2Ti〜BX4Bi,BX4Tiは、特に制限されないが、テスト用の制御信号TASWTDによりゲートが制御されるナンドゲート回路を通して取り込まれる。これら3ビットからなる相補の内部アドレス信号BX2Bi,BX2Ti〜BX4Bi,BX4Tiの組み合わせにより、ナンドゲート回路により8通りのプリデコード出力AX20Bi〜AX27Biが形成される。
上記プリデコード出力は、出力バッファとしての縦列接続された2つのインバータ回路を通して出力される。上記の各信号において、Tは非反転(トルー)を表し、Bは反転(バー)を表している。上記テスト用の制御信号TASWTDは、この発明に直接関係が無いので説明を省略するが、それがハイレベルにされるとナンドゲート回路のゲートを閉じて、上記プリデコーダを構成する各ナンドゲート回路に入力される入力信号をアドレス信号BX2Bi,BX2Ti〜BX4Bi,BX4Tiに無関係に全てをハイレベルにする。
ダイナミック型RAMがスタンバイ状態のときには、上記のように全ての内部アドレス信号BXaBとBXaTが共にハイレベルに固定されるので、上記入力部のナンドゲート回路の出力信号はロウレベルにされる。デコーダを構成するナンドゲート回路は、入力信号がロウレベルにされるので、出力信号をハイレベルに固定する。そして、出力用の2つのCMOSインバータ回路は、前段の入力にハイレベルが供給されるので、出力信号をロウレベルにし、後段の回路は出力信号をハイレベルにする。
このように内部の論理段は、非動作状態において上記のように各段の信号レベルが固定化されるので、前記のようなサブスレッショルドリーク電流を低減させるために、信号伝達方向に従って順に、第1段目のナンドゲート回路は、ロウレベルの出力信号を形成するために接地線VSSに接続されるが、電源側はサブ電源線VCTXに接続される。このサブ電源線VCTXは、非動作状態には電源線VCCとの接続を行う前記図1のようなPチャンネル型MOSFETQP1,QP2等がオフ状態にされるので、かかるナンドゲート回路を構成するオフ状態のPチャンネル型MOSFETに流れるサブスレッショルドリーク電流を低減させるように作用する。
後述するように、上記論理段を構成するCMOS回路のPチャンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSFETとは、高速動作とするためにしきい電圧が小さくされているのに対して、上記電源スイッチを構成するスイッチMOSFETQP1,QP2等は相対的にしきい電圧が大きく設定されて、それがオフ状態のときのサブスレッショルドリーク電流が実質的に流れなくなるようにされている。
第2段目のナンドゲート回路は、上記第1段目のナンドゲート回路の出力から伝えられるロウレベルの入力信号に対応してハイレベルの出力信号を形成するために電源線VCCに接続されるが、接地側はサブグランド線VSTXに接続される。このサブグランド線VSTXは、非動作状態には接地線VSSとの接続を行う前記図1のようなNチャンネル型MOSFETQN1,QN2等がオフ状態にされるので、かかるナンドゲート回路を構成するオフ状態のNチャンネル型MOSFETに流れるサブスレッショルドリーク電流を低減させるように作用する。上記同様に電源スイッチを構成するスイッチMOSFETQN1,QN2等は相対的にしきい電圧が大きく設定されて、それがオフ状態のときのサブスレッショルドリーク電流が実質的に流れなくなるようにされている。
以下、第3段目のCMOSインバータ回路は、上記第1段目のナンドゲート回路と同様にVCTXとVSSで動作させられ、第4段目のCMOSインバータ回路は、上記第2段目のナンドゲート回路と同様にVCCとVSTXにより動作させられることにより、非動作状態でのサブスレッショルドリーク電流を低減させられる。
図5には、上記Xデコーダとそれに設けられるラッチ回路及びワードドライバの一実施例の具体的回路図が示されている。特に制限されないが、AX20〜27は、3ビットからなるアドレス信号A2〜A4を上記のようなプリデコーダによりプリデコードして形成された信号であり、AX50〜57は、3ビットからなるアドレス信号A5〜A7を上記と類似のプリデコーダによりプリデコードして形成された信号である。上記プリデコード信号AX20〜A27のうち、1つがゲートに供給されたMOSFETQ3と、上記プリデコード信号AX50〜57のうち、1つがゲートに供給されたMOSFETQ4とが直接形態に接続されて上記Xデコーダが構成され、選択タイミング信号XDGBが供給される。
このXデコーダは、ダイナミック型論理回路から構成され、プリチャージ信号XDPによりスイッチ制御されるPチャンネル型のプリチャージMOSFETQ1と、論理ブロックを構成する上記MOSFETQ3とQ4が直列形態に接続されて構成される。つまり、上記プリチャージMOSFETQ1によりハイレベルにプリチャージされたノードが、上記MOSFETQ2とQ3及びQ4を通してタイミング信号XDGBのロウレベルによりディスチャージされるか否かで選択/非選択のデコード信号が形成される。
ラッチ回路は、インバータ回路IV1と、その入力と電源端子VCCとの間に設けられ、上記インバータ回路IV1の出力信号XDGEにより制御されるPチャンネル型MOSFETQ2により構成される。上記MOSFETQ2は、ロウレベルの非選択レベルに応答して正帰還回路を構成するものであり、MOSFETQ3やQ4がオフ状態にされたとき、かかるノードのレベルがリーク電流により反転してしまい、非選択ワード線が選択されてしまうことを防ぐ。
上記インバータ回路IV1の出力信号XDGEは、特に制限されないが、4本のワード線WL0〜WL3に対応された選択信号である。このような4つのワード線WL0〜WL3の中から、下位ビットのアドレス信号A0とA1をデコードし、それに選択タイミング信号を加えた4通りのワード線選択タイミング信号X0MB〜X3MBにより指定された1つのワード線が選択される。
つまり、上記ラッチ回路の出力信号XDGEがハイレベルの選択レベルであるときMOSFETQ5がオン状態となっており、上記1つのワード線選択タイミング信号X3MBがハイレベルからロウレベルに変化すると、昇圧電圧VCHで動作するPチャンネル型MOSFETQ6とNチャンネル型MOSFETQ7からなるワードドライバにロウレベルの入力信号が供給され、その出力端子に接続されたワード線WL3をロウレベルから昇圧電圧VCHに対応したハイレベルに立ち上げる。
上記ラッチ回路の出力信号XDGEがハイレベルの選択レベルであるときMOSFETQ5とともに、他のMOSFETもオン状態になっているが、上記ワード線選択タイミング信号X0MB〜X2MBがハイレベルのままとなっており、ワードドライバのNチャンネル型MOSFETがオン状態になってワード線WL0〜WL2をロウレベルの非選択状態のままにする。Pチャンネル型MOSFETQ8は、非選択レベルのラッチ用のMOSFETであり、ワード線WL3が非選択のロウレベルのときにオン状態になって、上記ワードドライバの入力端子を昇圧電圧VCHにしてPチャンネル型MOSFETQ6をオフ状態にさせる。Pチャンネル型MOSFETQ9は、プリチャージMOSFETであり、プリチャージ信号WPHのロウレベルによりオン状態になってワードドライバの入力端子をVCHにプリチャージさせる。
上記ラッチ回路の出力信号XDGEがロウレベルの非選択レベルであるときMOSFETQ5を代表とするMOSFETがオフ状態になっている。したがって、上記ワード線選択タイミング信号X0MB〜X3MBのいずれか1つがハイレベルからロウレベルに変化しても、それに応答せず上記プリチャージレベルに対応したワード線WL0〜WL3のロウレベルにより、Pチャンネル型MOSFETQ8がオン状態になって、ワードドライバの入力端子にVCHに対応したハイレベルを帰還させるというラッチがかかり、ワード線WL0〜WL3等の非選択状態が維持される。
この実施例回路のように、ワード線の選択レベルに対応した昇圧電圧VCHで動作するMOSFETQ6〜Q9等のようなワードドライバは、それに入力される信号振幅が大きくされるから、しきい電圧が電源スイッチMOSFETQP1やQN1等のように比較的大きくされる。そのため、オフ状態でのサブスレッショルドリーク電流を実質的に無くすことができるから、ワード線の選択/非選択レベルを安定化させる意味でも、接地線VSSに直接接続される。ただし、インバータ回路IV1は、信号振幅が前記プリデコーダと同様に小さく、非選択時にはプリチャージ信号XDPより入力信号がハイレベルに固定され、ロウレベルの出力を形成すればよいから、接地線VSSとサブ電源線VCTAに接続されるようにしてもよい。
冗長ワード線RWL0にも、上記同様なワードドライバ、ラッチ用MOSFET及びプリチャージMOSFETが設けられる。この冗長ワード線RWL0は、上記タイミング信号XDGBと、図示しない不良アドレス記憶用のヒューズ回路と、不良アドレスと入力されたXアドレスとの比較を行うアドレス比較回路からなる冗長回路により形成された冗長ワード線選択信号XR0Bに同期して選択される。このとき、不良アドレスの比較一致信号により、正規回路であるプリデコーダAX20〜27及びAX50〜57又はワード線選択タイミング信号X0MB〜X3MBが非選択レベルにされので、不良ワード線に対する選択動作は行われない。
特に制限されないが、この実施例のメモリアレーは、後述するように複数のメモリマットに分割される。メモリマットMATの両側には、センスアンプSA、プリチャージ回路PC及び入出力線が設けられる。特に制限されないが、上記ワード線WL0〜WL3等と直交するように配置される相補ビット線のピッチと、センスアンプやプリチャージ回路のピッチを合わせるために、奇数番目の相補ビット線と偶数番目の相補ビット線に対応されたセンスアンプが左右に振り分けられる。このようなセンスアンプSAの配置により、相補ビット線の2倍のピッチに1つのセンスアンプを配置できる。
この実施例では、特に制限されないが、センスアンプはシェアードセンスアンプ方式とされ、信号SHLとSHRは、シェアード選択信号である。同図では、一見すると左右が逆になっているが、センスアンプSAを中心にみると、右側のセンスアンプSAからみると同図のメモリマットは左側に配置されるので、SHLのような選択信号が供給され、左側のセンスアンプSAからみると同図のメモリマットは右側に配置されるので、SHRのような選択信号が供給される。
図6には、マットコントロール回路の一実施例の回路図が示されている。上位のアドレス信号を解読してマット選択信号MS000、MS001及びMS002等が形成される。図4に示されたメモリマットMATは、MS001により選択される。このマット選択信号MS001は、2つの縦列形態のインバータ回路を介して4個のナンドゲート回路に供給される。これら4個のナンドゲート回路には、それぞれ上記アドレス信号A0とA1を解読して形成されたデコード信号と、ワード線選択タイミング信号とを組み合わせたタイミング信号x0〜x3がインバータ回路を介して供給される。これにより、各ナンドゲート回路の出力から上記ワード線選択タイミング信号X0MB〜A3MBが形成される。このことは、上記プリデコード信号AX20〜27、AX50〜57及び上記タイミング信号x0〜x3を、上記複数のメモリマットに対して共通に用いるようにすることを意味している。
X系のタイミング信号R1とR2に、上記マット選択信号MS001とを組み合わせることにより、上記プリチャージ信号XDP、WPH及びロウデコーダの動作タイミング信号XDGBが形成される。上記プリチャージ信号WPHは、上記のような昇圧電圧VCHにより動作させられるPチャンネル型MOSFETのゲートに供給される信号であるので、レベル変換回路によりレベル変換されて昇圧電圧VCHで動作するインバータ回路を介して出力される。電源電圧VCCのような信号振幅を持つマット選択信号MS000とMS002をレベル変換回路により上記昇圧電圧VCHに対応した信号振幅にレベル変換して、上記シェアード選択信号SHRとSHLが形成される。
このマットコントロール回路においても、前記のように非動作時には入力信号R1,R2やMS001〜MS002等がロウレベルに固定され、ハイレベルの出力信号を形成するものであるため、前記同様に電源線VCCとサブグランド線VCTXにより動作させられる。このような入力信号を基準にして、第2段目のCMOSインバータ回路は、逆にハイレベルの入力信号を受けてロウレベルの出力信号を形成するものであるため、サブ電源線VCTXと接地線VSSに接続される。以下、同様に第3段目のナンドゲート回路は、電源線VCCとサブグランド線VCTXにより動作させられる。信号x0〜x3は、非動作時にはハイレベルに固定されるので、それに応じて上記手法に従ってVCTXとVSSで動作され、その出力信号を受けるナンドゲート回路はVCCとVSTXで動作させられる。
図7には、図1と図2に示されたダイナミック型RAMの動作の一例を説明するタイミング図が示されている。ロウアドレスストローブ信号RASBがハイレベルからロウレベルに変化してメモリアクセスが開始される。RAS入力バッファ1の出力信号R0Bがハイレベルからロウレベルに変化すると、これを受けてRASクロック発生回路2が、代表的なロウ系のタイミング信号R1Bをハイレベルからロウレベルに変化させる。タイミング信号R1Bのロウレベルの変化により、アドレスバッファ3から入力されたアドレス信号AiがXアドレス信号としてXアドレスラッチ回路4に取り込まれる。
上記タイミング信号R0Bのロウレベルにより、電源スイッチの制御信号φXがロウレベルからハイレベルに、φXBがハイレベルからロウレベルに変化する。これにより、サブ電源線VCTXにはスイッチMOSFETQP1のオン状態により電源電圧VCCの供給が開始され、サブグランド線VSTXにはスイッチMOSFETQN1がオン状態にされて接地電位VSSの供給が開始される。つまり、上記RASクロック発生回路2、Xアドレスラッチ回路4の動作と同時並行的にサブ電源線VCTXとサブグランド線VSTXに対する電圧供給動作が行われる。
したがって、Xアドレスラッチ回路4のラッチ動作に対応して内部アドレス信号X0が発生された時点では、プリデコーダ6、マットセレクト回路7及びXアドレスコンパレータ8の各回路は、少なくともその入力段論理回路では上記スイッチMOSFETQP1のオン状態による電源電圧VCCと、サブグランド線VSTXにはスイッチMOSFETQN1がオン状態による接地電位VSSがほぼ供給されており、実質的な動作が阻害されることなく、それに応答した信号を形成する。これらプリデコーダ6、マットセレクト回路7における論理段での信号伝達に対応して、あたかもドミノ倒しのようにその信号伝達方向に順次に動作するスイッチMOSFETにより、上記サブ電源線VCTXとサブグランド線VSTXには順次に動作に必要な電位が与えられて、プリデコード信号X1,X2及びマット選択信号X3が形成される。
制御信号φXとφXBに遅れて制御信号φAとφABがそれぞれハイレベルとロウレベルに変化させられ、アレーブロックのサブ電源線VCTAとサブグランド線VSTAに、それぞれ電源電圧VCCと接地電位VSSの供給を開始する。上記のようなX系回路で形成されたプリデコード信号X1、マットコントロール回路9の出力信号X4が出力されるタイミングでは、時間的な余裕があるためにアレーブロックのサブ電源線VCTAとサブグランド線VSTAはそれぞれ所望の電位にされている。
これにより、アレーブロックでは、Xデコーダ12により形成された選択信号X5に対応して1つのワード線WORDがロウレベルからハイレベルに立ち上げられる。以後、センスアンプの活性化信号S0のロウレベルへの変化によりコモンソーススイッチ16がオン状態となり、センスアンプのコモンソースSPとSNをそれぞれハイレベルとロウレベルに変化させて、メモリアレーの相補ビット線に読み出されて微小信号の増幅動作が開始される。
カラムアドレスストローブ信号CASBハイレベルからロウレベルに変化してY系のアドレス信号の取り込みが行われる。つまり、CAS入力バッファ18の出力信号がハイレベルからロウレベルに変化すると、これを受けてCASクロック発生回路19が、アドレス取り込み用のタイミング信号を発生させてアドレスバッファ3から入力されたアドレス信号AiをYアドレス信号としてYアドレスラッチ回路20に取り込まれせる。
上記Yアドレスラッチ回路に取り込まれたアドレス信号Y1は、プリデコーダ28とYアドレスコンパレータ29に供給され、Y0はアドレス変化検出回路25に供給され、アドレス変化検出信号C0を発生させる。この信号C0を受けてイコライジングパルス発生回路26はイコライズパルスC1を発生して、メインアンプ30の入力端子に供給される入力信号のイコライズを行わせる。上記信号C0と、CASクロック発生回路からのタイミング信号を受けてメインアンプコントーロル回路27は、メインアンプコントロール信号C2を発生させる。
プリデコード信号Y2を受けて、Yデコーダ33はY選択信号を発生させるので、メインアンプ30の入力端子には読み出し信号D0が伝えられ、その増幅信号D1がデータセレクタを通して出力バッファ37の入力信号D2として伝えられる。出力バッファ37は、データ出力バッファコントロール回路36からのタイミング信号C3により活性化されて、出力データDATAを送出する。
書き込みモードのときには、ライトクロック発生回路21によりライトイネーブル入力バッファ23の出力信号がロウレベルであるとが判定され、ライトバッファ32が活性化されて、データ入力バッファ24から入力されたデータが上記Y選択信号により選択されたメモリアレーの相補ビット線に伝えられる。
上記Y系及び書き込み回路に対応された制御信号φYとφYBは、前記X系の選択動作の途中の適当なタイミングで緩やかにハイレベル、ロウレベルに変化させられる。このため、Y系及び書き込み回路に対応されたサブ電源線VCTYとサブグランド線VSTYに設けられたスイッチMOSFETQP5とQN5は、それぞれのゲート電圧の変化が緩やかであことに応じて、出力電流も緩やかに増加しながら上記Y系の各回路が動作を開始するタイミングでは所望の電流供給能力を持つようにされる。
上記のように3つに分けられたサブ電源線VCTX,VCTA及びVCTYと、サブグランド線VSTX,VSTA及びVSTYを非動作状態のときに実質的にフローティング状態にして、論理回路でのサブスレッショルドリーク電流を抑えつつ、メモリアクセスに際しては、それぞれが制御信号φXとφXB、φAとφAB及びφYとφYBのように順次に遅れて発生される。そして、各制御信号φXとφXB、φAとφAB及びφYとφYBにより制御されるスイッチMOSFETのゲートの電圧を変化させる駆動電流と、上記各サブ電源線VCTX,VCTA及びVCTYと、サブグランド線VSTX,VSTA及びVSTYの電圧を所望の電圧に変化させる供給電流も時間的に緩やかに増加するのでピーク電流の発生が抑えられ、かつ、各回路ブロックの動作速度に実質的に影響を与えないようにできる。
図8と図9には、この発明が適用されるダイナミック型RAMの一実施例のブロック図が示されている。図8には、メモリアレーとその周辺選択回路が示され、図9にはアドレスバッファや入出力バッファのような入出力インターフェイス部とタイミング制御回路が示されている。
図8において、2つのメモリマットMAT0とMAT1に挟まれてセンスアンプSA01が設けられる。すなわち、センスアンプSA01は、2つのメモリマットMAT0とMAT1に対して選択的に用いられるシェアードセンスアンプとされる。センスアンプSA01の入出力部には、図示しないが選択スイッチが設けられてメモリマットMAT0又はMAT1の相補ビット線(又は相補データ線あるいは相補ディジット線と呼ばれることもある)に接続される。
他のメモリマットMAT2,MAT3や、MAT4,MAT5及びMAT6,MAT7もそれぞれ一対とされて、それぞれにセンスアンプSA23,SA45及びSA67が共通に設けられる。上記のような合計8個のメモリマットMAT0〜MAT7と4個のセンスアンプSA01〜SA67により、1つのメモリアレーMARY0が構成される。このメモリアレーMARY0に対してYデコーダYDECが設けられる。YデコーダYDECを挟んで対称的にメモリアレーMARY1が設けられる。このメモリアレーMARY1は、内部構成が省略されているが、上記メモリアレーMARY0と同様な構成にされる。
各メモリマットMAT0〜MAT7において、デコーダXD0〜XD7が設けられる。これらのデコーダXD0〜XD7は、プリデコーダ回路XPDの出力信号AXiを解読して4本分のワード線選択信号を形成する。このデコーダXD0〜XD7と次に説明するマット制御回路MATCTRL01〜MATCTRL67の出力信号とによってワード線の選択信号を形成するワードドライバWD0〜WD7が設けられる。このワードドライバには、欠陥救済のための予備のワード線に対応したワードドライバも含まれる。
上記一対のメモリマットMAT0,MAT1に対応してマット制御回路MATCTTL01が設けられる。他の対とされるメモリマットMAT2,MAT3〜MAT6,MAT7に対しても同様なマット制御回路MATCTRL23,MATCTRL45,MATCTRL67が設けられる。マット制御回路MATCTRL01〜MATCTRL67は、マット選択信号MSiと信号XE及びセンス動作タイミング信号φSA及び下位2ビットのアドレス信号の解読信号とを受けて、選択されたメモリマットに対した1つのマット制御回路において、4本のワード線の中の1本を選択する選択信号XiB等を出力する。
この他に、マット制御回路MATCTRL01〜MATCTRL67は、上記選択されたメモリマットに対応して左右いずれかのメモリマットに対応したビット線選択スイッチをオン状態のままとし、非選択のメモリマットに対応したビット線選択スイッチをオフ状態にする選択信号や、センスアンプの増幅動作を開始させるタイミング信号を出力する。さらに、後述するようなリフレッシュ動作における待機時にはセンスアンプ、ビット線選択スイッチのいずれか1つ又は、両方を制御してビット線をフローティング状態にさせる機能が設けられる。
不良ワード線へのアクセスが行われたときには、信号XEのロウレベルにより上記選択信号XiB等を出力が禁止されるので不良ワード線の選択動作が停止される。これに代えて、冗長回路側の選択信号XRiBが形成されるので、予備のワード線が選択状態にされる。
図9において、タイミング制御回路TGは、外部端子から供給されるロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE及びアウトプットイネーブル信号/OEを受けて、動作モードの判定、それに対応して内部回路の動作に必要な各種のタイミング信号を形成する。同図では、/はロウレベルがアクティブレベルであることを意味するのに用いている。
信号R1とR3は、ロウ系の内部タイミング信号であり、後述するようなロウ系の選択動作のために使用される。タイミング信号φXLは、ロウ系アドレスを取り込んで保持させる信号であり、ロウアドレスバッファRABに供給される。すなわち、ロウアドレスバッファRABは、上記タイミング信号φXLによりアドレス端子A0〜Aiから入力されたアドレスを取り込んでラッチ回路に保持させる。
タイミング信号φYLは、カラムウ系アドレスを取り込んで保持させる信号であり、カラムアドレスバッファCABに供給される。すなわち、カラムアドレスバッファRABは、上記タイミング信号φYLによりアドレス端子A0〜Aiから入力されたアドレスを取り込んでラッチ回路に保持させる。
信号φREFは、リフレッシュモードのときに発生される信号であり、ロウアドレスバッファの入力部に設けられたマルチプレクサAMXに供給されて、リフレッシュモードのときにリフレッシュアドレスカウンタ回路RFCにより形成されたリフレッシュ用アドレス信号に切り替えるよう制御する。リフレッシュアドレスカウンタ回路RFCは、タイミング制御回路TGにより形成されたリフレッシュ用の歩進パルスφRCを計数してリフレッシュアドレス信号を生成する。この実施例では後述するようなオートリフレッシュとセルフリフレッシュを持つようにされる。
タイミング信号φXは、ワード線選択タイミング信号であり、デコーダXIBに供給されて、下位2ビットのアドレス信号の解読された信号に基づいて4通りのワード線選択タイミング信号XiBが形成される。タイミング信号φYはカラム選択タイミング信号であり、カラム系プリデコーダYPDに供給されてカラム選択信号AYix、AYjx、AYkxが出力される。
タイミング信号φWは、書き込み動作を指示する制御信号であり、タイミング信号φRは読み出し動作を指示する制御信号である。これらのタイミング信号φWとφRは、入出力回路I/Oに供給されて、書き込み動作のときには入出力回路I/Oに含まれる入力バッファを活性化し、出力バッファを出力ハイインピーダンス状態にさせる。これに対して、読み出し動作のときには、上記出力バッファを活性化し、入力バッファを出力ハイインピーダンス状態にする。
タイミング信号φMSは、マット選択動作を指示する信号であり、ロウアドレスバッファRABに供給され、このタイミングに同期してマット選択信号MSiが出力される。タイミング信号φSAは、センスアンプの動作を指示する信号である。このタイミング信号φSAに基づいて、センスアンプの活性化パルスが形成されることの他、相補ビット線のプリチャージ終了動作や、非選択のメモリマット側のビット線を切り離す動作の制御信号を形成するにも用いられる。
この実施例では、ロウ系の冗長回路X−RDEが代表として例示的に示されている。すなわち、上記回路X−REDは、不良アドレスを記憶させる記憶回路と、アドレス比較回路とを含んでいる。記憶された不良アドレスとロウアドレスバッファRABから出力される内部アドレス信号BXiとを比較し、不一致のときには信号XEをハイレベルにし、信号XEBをロウレベルにして、正規回路の動作を有効にする。上記入力された内部アドレス信号BXiと記憶された不良アドレスとが一致すると、信号XEをロウレベルにして正規回路の不良ワード線の選択動作を禁止させるとともに、信号XEBをハイレベルにして、1つの予備ワード線を選択する選択信号XRiBを出力させる。
図9では省略されているが、上記ロウ系の回路と同様な回路がカラム系にも設けられており、それによって不良ビット線に対するメモリアクセスを検出すると、カラムデコーダYDによる不良ビット線の選択動作を停止させ、それに代えて、予備に設けられているビット線を選択する選択信号が形成される。
図10には、この発明に係るダイナミック型RAMのメモリアレー部の一実施例の要部回路図が示されている。同図においては、メモリマットMAT0の4本のワード線、2対の相補ビット線とこれらに関連したセンスアンプとプリチャージ回路等が代表として例示的に示され、メモリマットMAT1はブラックボックスとして示されている。また、一対の相補ビット線BLLと/BLLに対応した各回路を構成するMOSFETに代表として回路記号が付加されている。
ダイナミック型メモリセルは、アドレス選択用MOSFETQmと情報記憶用キャパシタCsから構成される。アドレス選択用MOSFETQmのゲートは、ワード線WLiに接続され、このMOSFETQmのドレインがビット線/BLLに接続され、ソースに情報記憶キャパシタCsが接続される。情報記憶用キャパシタCsの他方の電極は共通化されてプレート電圧VPLが与えられる。
上記ビット線BLLと/BLLは、同図に示すように平行に配置され、ビット線の容量バランス等をとるために必要に応じて適宜に交差させられる。かかる相補ビット線BLLと/BLLは、スイッチMOSFETQ1とQ2によりセンスアンプの入出力ノードと接続される。センスアンプは、ゲートとドレインとが交差接続されてラッチ形態にされたNチャンネル型MOSFETQ5,Q6及びPチャンネル型MOSFETQ7,Q8から構成される。Nチャンネル型MOSFETQ5とQ6のソースは、共通ソース線CSNに接続される。Pチャンネル型MOSFETQ7とQ8のソースは、共通ソース線CSPに接続される。共通ソース線CSPに例示的に示されているように、Pチャンネル型MOSFETのパワースイッチMOSFETQ14が設けられて、タイミング信号φSAPがロウレベルにされるとMOSFETQ14がオン状態になって、センスアンプの動作に必要な電圧供給を行う。Nチャンネル型MOSFETQ5とQ6に対応した共通ソース線CSNには、図示しないNチャンネル型MOSFETが設けられ、線の動作タイミングに回路の接地電位を供給する。
上記センスアンプの入出力ノードには、相補ビット線を短絡させるMOSFETQ11と、相補ビット線にハーフプリチャージ電圧HVCを供給するスイッチMOSFETQ9とQ11からなるプリチャージ回路が設けられる。これらのMOSFETQ9〜Q11のゲートは、共通にプリチャージ信号PCBが供給される。MOSFETQ12とQ13は、カラム選択信号YSによりスイッチ制御されるカラムスイッチを構成する。この実施例では、1つのカラム選択信号YSにより4対のビット線を選択できるようにされる。それ故、上記カラム選択信号YSは、同図に例示的に示されている2対のビット線と図示しない残り2対のビット線とに対応した4つのセンスアンプの入出力ノードに設けられたカラムスイッチを構成するMOSFETのゲートに共通に供給され、かかるスイッチMOSFETを介して4対のビット線と4対の入出力線I/Oとがそれぞれ接続される。
図11には、この発明に係るダイナミック型RAMを説明するための一実施例の素子構造断面図が示されている。この実施例では、上記のようなメモリアレー部と周辺部の素子構造が代表として例示的に示されている。メモリセルの記憶キャパシタは、2層目のポリシリコン層SGをストレージノードとして用い、アドレス選択用MOSFETの一方のソース,ドレインと接続される。上記2層目ポリシリコン層はフィン構造とされ、薄いゲート絶縁膜を介して3層目ポリシリコン層TGからなるプレート電極とにより構成される。アドレス選択用MOSFETのゲートは、1層目ポリシリコン層FGから構成される。アドレス選択用MOSFETの他方のソース,ドレインは、上記FG、SG及びTGを介在させて、1層目のアルミニュウム等の金属配線層M1に接続される。この配線層M1によりビット線が構成される。
周辺部には、2つのNチャンネル型MOSFETが形成されている。1層目の配線層M1は、コンタクトLCNTによりMOSFETのソース,ドレインに接続される。あるいは、1層目ポリシリコンFGとはコンタクトFCNTにより接続される。上記1層目の配線層M1と2層目の配線層M2とは、第1スルーホールTH1を介して接続され、第2層目の配線層M2と第3層目の配線層M3とは第2スルーホールTH2を介して接続される。上記MOSFETのゲート電極に第2層目の配線層M2により入力信号を供給する場合、上記のように第1スルーホールTH1を介してダミーとしての第1層目の配線層M1に落とし、この第1層目の配線層M1とコンタクトLCNTを介してゲート電極としての1層目ポリシリコンFGに接続される。
入力信号を供給する第3層目の配線層M3は、第2スルーホールTH2を介して第2層目の配線層M2に接続される。例えば、出力信号を次段の回路に供給するとき、第1層目の配線層M1は、第1スルーホールTH1を介してダミーとしての第2層目の配線層M2に接続され、この配線層M2を介在させて第2スルーホールTH2を介して第3層目の配線層M3に導かれる。
非動作状態では相補ビット線はハーフプリチャージされているので、ゲートとソース間にハーフプリチャージ電圧が逆バイアスとして印加されているのでアドレス選択用MOSFETにおいてはサブスレッショルドリーク電流は発生しない。しかし、ワード線が非選択のロウレベルで相補ビット線がセンスアンプの増幅動作によりVSSになったときにはサブスレッショルドリーク電流によってハイレベルに記憶された情報電荷が失われることが考えられる。
このようなアドレス選択用MOSFETでのサブスレッショルドリーク電流が問題にされるなら、チャンネル長が長くされてしきい電圧が大きくされる。あるいは、かかるメモリセルが形成されるウェル領域を分離し、そこに負の基板バックバイアス電圧を供給して、実効的なしきい電圧が高くされる。このようにメモリセルが形成されるウェル領域のみを分離して、基板バックバイアス電圧を供給するために、半導体基板は公知の3重ウェル構造とされる。すなわち、上記デコーダ等の周辺回路を構成するNチャンネル型MOSFETは、動作速度を速くするために上記のように低しいき値電圧にする必要があり、それが形成されるウェル領域には回路の接地電位VSSにバイアスされる。
大きな回路ブロックに1組のサブ電源線及びサブクランド線しか設けない場合、回路ブロックへの電流供給を賄えるように、ゲート幅の大きなスイッチMOSFETをも設け、スイッチMOSFETのオン抵抗を下げる必要がある。これは、サブ電源線に電圧降下があると同回路ブロックを構成するPチャンネル型MOSFETのしきい電圧が等価的に高くなり、しきい電圧の低いMOSFETを用いたことによる高速化の降下が相殺されてしまうからである。このことは、Nチャンネル型MOSFETのしきい電圧とサブグランド線に設けられるスイッチMOSFETのオン抵抗との関係も同様である。
したがって、動作の高速化の効果を維持するためには、同回路ブロックの平均動作電流に対して最大数十mV程度の電圧降下に抑える必要がある。例えば、前記実施例のダイナミック型RAMの例では、5000〜20000μmのゲート幅を有するスイッチMOSFETが必要とされる。その結果、スイッチMOSFETをオンにするときには、大きなゲート幅のゲート容量を充放電する必要がある。
回路全体としての非動作時の消費電流を低減するためには、なるべく多くの回路ブロックでサブ電源線及びサブグランド線を用いることが望ましい。しかし、このためには、信号RASBの入力後のなるべく早いタイミングで上記のような電源スイッチMOSFETをオン状態にさせる必要がある。例えば、前記入力部での電源線VCC及び接地線VSSに接続されているMOSFETのゲート幅の合計が約10000μmになのに対して、Xプリテコーダ及びマット選択回路でサブ電源線及びサブグランド線に接続されているMOSFETのゲート幅の合計は、約15000μmであり、Xプリデコーダ及びマット選択回路にサブ電源線やサブグランド線を接続するか否かは、非動作時(非活性時)のリーク電流が倍半分に変化することになる。したがって、Xプリデコーダ及びマット選択回路が起動される前(例えばRASB入力後5n秒前後)にスイッチMOSFETをオン状態にさせることが重要となる。
上記のようになゲート容量を短時間で充放電することが必要となるため、サブ電源線及びサブグランド線を回路全体で1組として、Pチャンネル型のスイッチMOSFETとNチャンネル型スイッチMOSFETとをそれぞれ1つで構成すると、かかるスイッチMOSFETをオン状態にするときに0.5〜1.0Aもの大きなピーク電流が流れてしまう。このような大きなピーク電流が内部回路の動作電流に重畳されると雑音や集中電流による断線等長期信頼性の点で大きな問題となる。
この実施例では、前記のようにサブ電源線VCTとサブグランド線VSTを前記のように全体で3分割し、その起動タイミング及び複数に分割されたスイッチMOSFETの動作タイミングも順次にオン状態となるよう時間差を持たせることによりスイッチMOSFETのスイッチ制御時の電流集中を時間的に分散させている。ただし、サブ電源線VCTとサブグランド線VSTはそれぞれいくつかのブロックでまとめて共有化し、スイッチMOSFETの複数化と起動タイミング差の設定のみによってピーク電流を抑制することも可能である。その場合には、サブ電源線VCT及びサブグランド線VSTをブロック間で細かく分割する場合に比べてレイアウトが容易となる。また、サブ電源線VCT及びサブグランド線VSTの寄生容量も大きくなるため、瞬間的な大電流によりサブ電源線VCT及びサブグランド線VSTの電圧変動が小さくなるという利点が生じる。
図12には、この発明の一実施例を説明するためのブロック図が示されている。同図には、電源線VCCとサブ電源線VCTと、それに対応したスイッチMOSFET及びその制御信号を形成する遅延回路を構成するインバータ回路と、それにより動作電圧が供給される回路ブロックが示されている。この実施例の各回路ブロックのサブグランド線及び接地線とそれに対応したスイッチMOSFET等は上記電源電圧VCC側と同様であるので省略されている。
この実施例では、サブ電源線VCTと電源線VCCとを接続させるスイッチMOSFETがMOSFETQP1〜QP4のように回路ブロック1〜4に対応してそれぞれ設けられる。個々のスイッチMOSFETQP1〜QP4は、そのゲート幅の総計は上述のスイッチMOSFETのオン抵抗によるサブ電源線VCTの許容電圧変動範囲内になるような値に設定される。上記スイッチMOSFETQP1〜QP4のゲートに供給される制御信号φは、各回路ブロック1〜4に順次に伝えられる信号伝播順序に対応してインバータ回路IV1〜IV7により順次に遅延された信号が伝えられる。
このようにサブ電源線VCTを複数の回路ブロック1〜4で共有する場合、例えは前記のダイナミック型RAMの例では、X系回路、アレーブロック、Y系及び書込みか回路がそれぞれの回路ブロックに対応される。この実施例では、回路ブロックには、スイッチMOSFETQP1から動作電圧が与えられて、入力信号INに対応して論理動作を行う。このとき、他の回路2〜4のように入力信号側から遠くなる回路では、サブ電源線VCTの分布抵抗により上記MOSFETQP1から供給される電圧VCCが十分に伝わらないが、これらの回路は前段の回路の出力信号を受けて意味のある回路動作を行うので実質的な問題は生じない。つまり、入力信号INに対応した意味のある出力信号が次段の回路ブロック2に伝えられるころ、スイッチMOSFETQP2がオン状態にされて、それに対応した論理動作を行うための電圧VCCが与えられる。このようにして、論理段での信号遅延と上記サブ電源線VCTに対する電圧供給とがほぼ同期して行われるために、実質的に動作速度が遅くされることはない。
上記論理回路での信号遅延時間と、上記スイッチMOSFETの動作とは必ずしも一致する必要はない。電源供給が遅れると、それに対応してハイレベルの出力動作が遅れるので、実際上はスイッチMOSFETによる供給されるサブ電源線VCTの電圧に依存して実質的な論理出力が形成されるからである。したがって、スイッチMOSFETのスイッチ制御が極端に遅くなってしまうと、論理回路の動作速度が遅くなるので、上記のようなピーク電流が許容値以下になるよう各スイッチMOSFET間の時間差が設定されてドノミ倒しのように順次に電圧供給が行われるようにされる。
図13には、この発明の他の一実施例を説明するためのブロック図が示されている。同図においては、サブ電源線とサブグランド線を各回路ブロック毎に分割して複数化させる例が示されている。この例では、図12のように共用化する場合に比べて、スイッチMOSFETのオン抵抗による各サブ電源線及びサブグランド線の許容電圧変動値から決まる各スイッチMOSFETのゲート幅を小さくすることができる。
この結果、各スイッチMOSFETQP10〜QP40等のゲートの充放電電流が低減され、ほぼ同じタイミングで活性化される回路ブロック毎に1組のサブ電源線とサブグランド線を用いて、経時的に順番にスイッチMOSFETを起動させることにより、ピーク電流削減が可能となる。同時に、スイッチMOSFETのゲート幅が、サブ電源線を分割しない場合に比べて小さいため、スイッチMOSFETの起動を速くすることができる。また、ダイナミック型RAMにおけるリフレッシュ動作の時のY系及び書き込み回路のように、回路動作を行わない回路ブロックが存在する場合には、それに対するスイッチMOSFETをオフ状態のままにすることができ、回路の消費電流を減少させることができる。
図14には、この発明に係るダイナミック型RAMにおけるX系の入力部分の一実施例の回路図が示されている。同図には、前記の実施例では省略されていたスイッチMOS制御部と、それに関連するX系の入力部分が合わせて示されている。
スイッチMOS制御部は、RASBの入力信号を受けて最も早い時期に発生するクロック信号を受けて、スイッチMOSの起動信号SWCを形成する。したがって、スイッチMOSFETがオン状態になる前に活性化されるRASクロック発生回路の初段部、Xアドレスバッファ、及びスイッチMOS制御部には、サブ電源線及びサブグランド線に接続させない。Xプリデコーダ及びRAS系クロック発生回路の後段部には、サブ電源線VCT,サブグランド線VSTに接続し、非活性時の出力信号がロウレベル(L)のゲートやインバータ回路は、前記のようにサブ電源線VCTに接続し、出力信号がハイレベル(H)のゲートやインバータ回路は、前記のようにサブグランド線VSTに接続する。これにより、前記のように非活性時にスイッチMOSFETをオフ状態にして、かかるゲートやインバータ回路におけるサブスレッショルドリーク電流を低減させ、スタンバイ時の電流消費を抑えている。
スイッチMOSFETは、複数個が並列接続されてそれぞれのゲートに遅延された信号が供給されることにより、ドミノ倒しのように順次にオン状態になり、その駆動及びオン状態によるピーク電流を抑えつつ、サブ電源線VCTとサブグランド線VSTにそれぞれに対応したVCCとVSSの電圧供給を行う。スイッチMOS制御回路に入力される信号SETは初期化信号であり、回路の電源投入時にスイッチMOSの起動信号SWCを発生させ、スイッチMOSFETをオン状態にしてサブ電源線VCTの電圧を上昇させるためのものである。信号TESTは、テスト信号であり、外部から起動信号を発生して強制的にスイッチMOSFETをオン状態にさせるためのものである。この入力ノードの抵抗を介してグランドにプルダウンさせ、通常時にはロウレベルに固定される。
信号RASBがハイレベルになっても、スイッチMOSFETが直ちにオフ状態にならないように、RASリセット信号を時間τ(〜5n秒)だけ遅延させた信号φτでスイッチMOSFETがオフ状態になるようにしている。これは、RASBがハイレベルになってから、回路のプリチャージが行われるので、その間はスイッチMOSFETをオン状態にさせておくためのものである。
ダイナミック型RAMがセルフリフレッシュモード(CBRリフレッシュ)に入ったとき、図15のタイミング図に示すようにCBR(CASビフォワーRAS)の入力によりタイミングAでセルフリフレッシュ信号SELFが発生される。このセルフリフレッシュモードにおいて、実際にリフレッシュ動作をしているとき以外はスイッチMOSFETをオフ状態にしてサブスレッショルドリーク電流を低減させるために、内部信号IRASBでも制御できるようにされている。
リフレッシュ動作は、全てのメモリセルが1回リフレッシュされる1廻りの動作が、その保持時間内に対応して均等に分散されて行われる分散リフレッシュよりも、リフレッシュを集中的に行ってその後次のリフレッシュまで非活性状態のようにする集中リフレッシュにすれば、上記スイッチMOSFETの制御回数を減らすことができる。Xアドレスバッファに設けられたマルチプレクサMPXは、リフレッシュ制御信号SELFに対応して上記外部端子から入力されたアドレス信号ADiとリフレッシュアドレス信号RADiとを切り換えて内部に取り込むものである。
上記SET信号は、回路の電源投入時にスイッチMOSFETの起動信号SWCを発生させ、スイッチMOSFETをオン状態にしてサブ電源線VCTの電圧を上昇させるためものものである。このような信号SETに代えて、電源線VCCとサブ電源線VCTとの間にダイオード接続したMOSFETにより行わせるようにしてもよい。この場合には、電源投入時にスイッチMOSFETをオン状態にさせる必要はない。上記SET信号により電源投入時の内部回路のノードは非活性時の電位になるように設定しておけば、電源投入時の内部回路への電流供給は全て電源線VCCから行われ、サブ電源線VCTからの供給は行われないので、サブ電源線VCTの電圧を上昇させるのは電流供給能力の小さなダイオードでも対応できる。
電源投入時にスイッチMOSFETがオン状態にされていると、内部回路が活性状態にあるため前記サブスレッショルドリーク電流が流れてしまう。上記ダイオードを用いる場合には、サブ電源線VCTの電位はVCCまで上昇しないからサブスレッショルドリーク電流の発生を防止することができる。これは、基板バックバイアス電圧発生回路を用いて基板バイアスを印加するようなMOSFETを用いている場合、いっそうの効果がある。基板バイアスを印加するMOSFETでは、電源投入時には基板バックバイアス電圧発生回路がまで十分な基板バイアス電圧を発生していないため、しきい電圧が低くなり大きなサブスレッショルドリーク電流が流れてしまうからである。
上記のアドレスバッファなどのサブ電源線やサブグランド線に接続されない回路や、上記スイッチMOSFETはそれがオフ状態にされたときのサブスレッショルドリーク電流を低減するために、高いしきい電圧のMOSFETが用いられる。本願発明では、かかる高いしきい電圧のMOSFETを形成する方法として、MOSFETのしきい電圧のゲート長依存性を利用して、チャンネル長を長くしたMOSFETを用いる。そして、所望のしきい電圧のゲート長依存性を実現するために、後述するようなカウンタードープを用いる。
MOSFETのしきい電圧のゲート長依存性を利用して、2種類以上のしきい電圧を実現することにより、従来のホトマスクを使ったイオン打ち込みの打ち分けにより2種類以上のしきい電圧を実現する方法に比べて、少なくともマスク2枚(Pチャンネル用とNチャンネル用)を削減することができ、製造工数の削減が可能となる。
図16には、この発明に係る半導体集積回路装置に用いられるMOSFETの一実施例の概略構造断面図が示されている。同図(A)には、通常のMOSFETが示され、(B)にはカウンタドープ技術を用いたMOSFETが示されている。カウンタドープ技術は、チャンネル表面部にソース・ドレインに含まれる不純物と同じ導電型の不純物を薄い濃度で導入することで、短チャンネル特性の優れた低しきい電圧のMOSFETを実現する技術である。(A)のような通常のMOSFETに比べて、チャンネル部の基板表面に対して垂直方向に不純物濃度分布が急峻になるため、短チャンネル効果を抑制したまましきい電圧を下げることができる。これは、トランジスタのしきい電圧を決めるチャンネル表面部の不純物濃度はカウンタドープにより低下するものの、短チャンネル特性を決めるチャンネル部の上記より深い部分の不純物濃度は高濃度のまま保たれるためである。不純物導入の方法としては、低エネルギーイオン注入や酸化膜からの熱拡散、瞬間気相拡散などがある。
図17には、Nチャンネル型MOSFETのゲート長としきい電圧との関係を示す特性図が示されている。同図において、○は上記(A)のような従来構造MOSFET、●はカウンタドープしたトランジスタのティピカル値を表し、これら値はプロセスバラツキにより例えば上下の破線ないし実線の間をバラツキとなる。
上記のようにサブ電源線及びサブグランド線に接続された内部回路を構成するゲート長の短いMOSFETのしきい電圧の許容最小値は、スイッチMOSFETがオン状態である場合の内部回路のサブスレッショルドリーク電流で決まり、図1と図2に示したダイナミック型RAMの例では、MOSFETのゲート幅の合計が約700,000μmであるため、室温で約0Vである。プロセスバラツキによるしきい電圧のワースト値を0Vにした場合、従来構造のMOSFETを用いた場合、例えばゲート長が0.45μmでしきい電圧が0.29V(ともにティピカル値)、カウンタドープしたMOSFETを用いた場合、ゲート長が0.45μmでしきい電圧が0.2V(ともにティピカル値)となる。
このとき、しきい電圧はプロセスバラツキにより、従来構造のMOSFETの場合、図8の太線枠B内でバラツキが発生し、カウンタドープしたMOSFETの場合、太線枠A内でバラツキが発生する。カウンタードープにより短チャンネル効果が抑えられた結果、ゲート長のバラツキによるしきい電圧のバラツキが低減したため、ティピカルのしきい電圧の低下が可能となり、より高速のMOSFETを用いて論理回路等を設計することができる。
サブ電源線VCT及びサブグランド線VSTに接続されない回路を構成するゲート長の長いMOSFETのしきい電圧の最小値も、それらのサブスレッショルドリーク電流で決まり、図1と図2で示されたダイナミック型RAMでは、常温で約0.2Vにされる。したがって、上記と同様に、従来構造のMOSFETを用いた場合、ゲート長が0.53μmでしきい電圧が0.42V(ともにティピカル値)、カウンタドープしたMOSFETを用いた場合、ゲート長が0.55μmでしきい電圧が0.30V(ともにティピカル値)となる。上記のようなしきい電圧はプロセスバラツキにより、図8の太線枠D内とCでバラツキが発生し、このMOSFETにおいてもカウンタードープによりしきい電圧の低い高速のMOSFETを用いることが可能となる。
上記サブ電源線と電源線及びサブグランド線と接地線とをそれぞれ接続させるスイッチMOSFETは、そのしきい電圧にバラツキが発生するとオフ時のサブスレッショルドリーク電流が大きく変動する。したがって、これらのスイッチMOSFETは、極力プロセスバラツキによるしきい電圧のバラツキの小さなゲート長の長いMOSFETを用いる。これには、しきい電圧のゲート長依存性の曲線がほぼ平坦になっているゲート長、図17では0.7〜0.8μm以上に設定することにより対処できる。
ここで、スイッチMOSFETのゲート長を長くすると、そのオン抵抗値を下げるためにゲート幅を長くする必要が生じる。この結果、スイッチMOSFETをオン状態にする際のピーク電流も増加することに注意しなければならない。つまり、しきい電圧のゲート長依存性が小さければ、スイッチMOSFETのゲート長は短いほどよい。したがって、本実施例では、従来構造のMOSFETを用いた場合では、ゲート長が0.8μmでしきい電圧が0.5V(ともにティピカル値)、カウンタドープしたMOSFETを用いた場合、ゲート長が0.7μmでしきい電圧が0.35V(ともにティピカル値)となり、それぞれ太線枠F,Eの範囲でバラツキが生じる。
リーク電流の低減という点では従来構造のMOSFETを用いたほうがしきい電圧が高いために効果があるが、スイッチMOSFETのリーク電流は前述のサブ電源線及びサブグランド線に接続しない回路のリーク電流に比べて十分に小さいため、この効果は無視できる。むしろ、カウンタドープによって短チャンネル効果が抑制された結果、短チャンネルかつ低しきい電圧の駆動能力の高いMOSFETをスイッチMOSFETに使えるようになるため、ゲート幅を従来構造のMOSFETを用いた場合により小さくでき、ピーク電流を低減させることが可能となる。
図18には、この発明を説明するための特性図が示されている。同図において、縦軸にはピーク電流とRASアクセス時間tRASの増加分、横軸はスイッチMOSFETの制御信号の1段当たりの時間差が示されている。実際のダイナミック型RAMの回路を用いてコンピュータシュミレーションの結果が示されている。スイッチMOSFETの制御信号の1段当たりの時間差が0のところは、全てのスイッチMOSFETを同時にオン状態にしたことを示している。
スイッチMOSFETは5分割され、そのゲート幅は図示のようにPチャンネル型MOSFETが3000μmで、Nチャンネル型MOSFETが900μmである。同図から、例えばピーク電流を300mA以下に抑えるためには、スイッチMOSFETを複数に分割し、その制御信号に250psecの時間差を設ければよいことが判る。このときの回路動作の遅延(つまりtRASの増加)は、200psecに抑えられることが判る。上記tRASは、40〜50nsなので、スイッチMOSFETの複数化と時間差立ち上げによる回路動作の遅延は、その0.5%にしかすぎない。したがって、本願発明により、回路動作の高速化を維持しながら、ピーク電流を抑制することができることが理解されよう。
図19には、この発明の他の一実施例を示す回路図が示されている。同図においては、内部回路はインバータ回路が縦列接続される場合が例として示されている。そして、初段のインバータ回路には非活性時にロウレベルの入力信号が供給され、インバータ回路の出力はハイレベル(H)にされ、以後各インバータ回路の出力は順にロウレベル(L)、ハイレベル、ロウレベルのようにされる。それ故、出力のハイレベルに対応したインバータ回路は、サブグランド線VSTに接続され、出力のロウレベルに対応したインバータ回路はサブ電源線VCTに接続される。
上記サブ電源線VCTと電源線VCCとの間には、Pチャンネル型のスイッチMOSFETMCが設けられ、制御信号φBでスイッチ制御される。上記サブグランド線VSTと接地線VSSとの間にはNチャンネル型のスイッチMOSFETMSが設けられ、制御信号φTでスイッチ制御される。そして、この実施例では、上記サブ電源線VCTとサブグランド線VSTとの間に短絡用のNチャンネル型MOSFETMTが設けられる。このMOSFETMTは、制御信号PTによりスイッチ制御される。
図20には、上記実施例の動作を説明するためのタイミング図が示されている。上記内部回路が活性状態から非活性状態になるとき、信号φBがロウレベルからハイレベルに、信号φTがハイレベルからロウレベルに変化し、スイッチMOSFETMCとMSをオン状態からオフ状態にさせる。これに同期して、制御信号PTが一時的にハイレベルにされて、スイッチMOSFETMTがオン状態となり、サブ電源線VCTとサブグランド線VSTが短絡されて中間電位にされて消費電力の低減が可能になる。
上記のような短絡MOSFETMTがないときには、サブ電源線VCTとサブグランド線VSTが活性時の電圧から非活性の電圧に遷移する際に、サブ電源線VCTの寄生容量に充電されていた電荷は、非活性時出力がロウレベルのインバータ回路のオン状態にされているNチャンネル型MOSFETを通して放電される。逆に、サブグランド線VSTの寄生容量には、非活性時出力がハイレベルのインバータ回路のオン状態にされているPチャンネル型MOSFETを介して充電される。これらの放電電流と充電電流は消費電流にされる。これに対して、上記のように短絡MOSFETを設けた場合には、それぞれの寄生容量間のチャージシェアで、言い換えるならば、格別の電流消費を行うことなくサブ電源線VCTとサブグランド線VSTを、上記サブスレッショルドリーク電流を低減させるために必要な所定電位まで変化させることができる。
上記のような短絡MOSFETMTのスイッチ制御を行う制御信号PTのパルス幅は、サブ電源線VCT及びサブグランド線VSTの電圧がちょうど非活性時の電圧となるように設定される。具体的には、上記寄生容量が200pFの場合、パルス幅は100n秒でスイッチMOSFETのゲート幅は10μmでよい。
上記のような短絡MOSFETが無いときは、サブ電源線VCTとサブグランド線VSTの電圧遷移は、サブスレッショルドリーク電流による充放電が起こるために100μ秒の時間がかかる。これに対して、上記短絡MOSFETMTを用いると100n秒で電圧遷移を完了させることができる。
図21には、この発明の他の一実施例の回路図が示されている。この実施例が従来のサブスレッショルド電流低減回路と異なる点は、電源線VCCとサブ電源線VCTとの間にダイオード接続されたPチャンネル型MOSFET(MOSダイオード)DP1が設けられており、グランド線VSSとサブグランド線VSTとの間にダイオード接続されたNチャンネル型MOSFET(MOSダイオード)DN1が設けられていることである。これにより、装置の電源電圧変動等に起因する電源線VCCまたはグランド線VSSの電圧変動(いわゆる電源バンプ)に対するサブスレッショルド電流低減回路の耐性を向上させることができる。つまり、上記ダイオード接続されたMOSFETは、電源バンプに対するサブスレッショルド電流低減回路の耐性を向上させる目的のために設けられる。
MOSダイオードDP1及びDN1が設けられていない場合の電源バンプに対する回路の応答について説明する。回路が非活性状態にある時に電源バンプが発生し、電源線VCCの電位が上昇した場合を考える。このとき、スイッチ用MOSFETQMCはオフ状態にあるため、サブ電源線VCTの電位はこれに追随せず、VCC−VCT間の電位差ΔVCTはVCCの電位上昇分だけ定常状態における電圧値より増大する。上記電位差ΔVCTは、スイッチ用MOSFETQMCを流れるサブスレッショルド電流によりサブ電源線VCTが充電されるため徐々に定常状態における電圧値に回復するが、その速度は非常に遅い。
本願発明者等においては、上記のような電圧差ΔVCTが大きい状態で、回路が非活性状態から活性状態に復帰させると、次のような問題が生じることに気が付いた。1つの問題は、サブ電源線VCTの電位を上昇した電源電圧VCCに追随させるためにより多くの電荷をサブ電源線VCTに充電しなければならないため、通常より長時間を要することである。サブ電源線VCTの電位が電源線VCCに到達する以前に論理回路を動作させると、Pチャンネル型MOSFETQP1,QP3等のゲート−ソース間に逆バイアスがかかっているので、ドレイン電流が減少し、回路の遅延時間が増大してしまう。これを避けるためには、活性化信号を入力してから入力信号を加えるまでの時間に大きなマージンを設定する必要があり、やはり回路の遅延時間の増大につながる。
他の問題は、非活性状態から活性状態へ切り替わる際に流れる過渡的な電源電流が増大することである。前にも述べたように、サブ電源線VCTには多数のMOSFETが接続されているため寄生容量が大きく、上記切り替わり時にはこれを充電するため電源線VCCから過渡的な電流が流れる。上記電圧差ΔVCTが定常状態の電圧値より増大しているとこの電流が増大するので、電源線VCCの電位が大きく変動し、回路の誤動作を引き起こす可能性がある。
これに対して、本実施例のようにMOSダイオードDP1が設けられている場合、電源バンプにより電源線VCCの電位が増大しても、上記電位差ΔVCTは常にMOSダイオードDP1のしきい電圧VT以下に保たれる。そのため、遅延時間の増大及び過渡的電流による電源線VCCの電位変動を防止することができる。以上は、電源線VCCの電位が上昇する場合について述べたが、逆にグランド線VSSの電位が低下した場合も同様であり、MOSダイオードDN1を設けることにより、VSS−VST間の電位差ΔVSTの増大を防止することができる。
図22には、約64Mビットのダイナミック型RAMの周辺回路に本発明を適用した場合を説明するための特性図が示されている。同図の縦軸は、非活性状態において電源線VCCが2.9Vから3.7Vに上昇し、その直後(10μs後)に活性状態に遷移する際に流れる電源電流のピーク値を示す。MOSダイオードDP1のゲート幅を大きくするほど上記電圧差ΔVCTの回復速度が速くなり、電源電流のピーク値が減少する。ただし、MOSダイオードDP1のゲート−ソース間は非活性状態においては順バイアスされているので、ゲート幅を大きくするとMOSダイオードDP1を介して流れるリーク電流が増大する。ダイナミック型RAMの周辺回路では、上記リーク電流を100nA程度以下に抑える必要があるので、同図よりMOSダイオードDP1のゲート幅を100μm以下にする必要がある。この場合、電源電流のピーク値は約360mAとなる。これは、上記MOSトランジスタDP1を設けない場合のピーク電流(570mA)の約60%であり、電源バンプが発生しない場合のピーク電流値(350mA)とほぼ同程度まで低減できる。
上記スイッチMOSFETQMC等を分割し、前記実施例のように信号伝達方向に沿って時間差を持たせて順次にオン状態にさせるよう複数のスイッチMOSFETに分割して、それらを上記のように順次にオン状態にさせた場合には、全体として電源電流のピーク値が低下させることができるものである。このように、上記のようなMOSダイオードを設ける構成は、上記スイッチMOSFETを1つで構成する場合、及び分割してそれを前記説明したドミノ倒しのように順次にスイッチ制御する場合のいずれに対しても、電源バンプ対策としての効果を奏することができるものである。
図23には、この発明の他の一実施例の回路図が示されている。サブ電源線VCT(サブグランド線VST)の電位を電源線VCC(グランド線VSS)に追随させるための手段としてMOSダイオードに代えて、容量を用いるようにするものである。この容量CTCも、上記同様に電源バンプに対するサブスレッショルド電流低減回路の耐性を向上させる目的のために設けられる。同図の容量CTC及びCSCは、結合容量であり、例えばMOSFETのゲート容量を用いて形成される。サブ電源線VCTの寄生容量をCTとすると、電源線VCCの電位がΔVだけ変動したときのサブ電源線VCTの電位変動はΔV/(1+CT/CTC)で与えられる。結合容量CTCを寄生容量CTに比べて大きくするほど、電源線VCCの電位変動に対するサブ電源線VCTの追随性が向上する。約64Mビットのダイナミック型RAMの周辺回路を本発明に適用した設計例では、寄生容量CTは約200pFであり、結合容量CTCを400pFとしている。この場合、電源線VCCの電位が例えば0.8V上昇すると、サブ電源線VCTの電位も0.53V上昇するので、上記電位差ΔVCTの変動(増大)は0.27Vに抑えることができる。
以上では、電源バンプによって起こる上記電位差ΔVCT(又はΔVST)の増大を防止する手段について述べてきた。しかし、上記電位差ΔVCT又はΔVSTの増大はそれ以外の原因、すなわち非活性状態にもかかわらず回路の入力レベルが切り替わった場合にも起こり得ることに、本願発明者等は気が付いた。つまり、非活性状態において、入力信号のレベルが切り替わると、それに応じて回路の一部が論理動作を行うことなる。この場合の動作電流は上記フローティング状態のサブ電源線VCT及びサブグランド線VSTから供給される。つまり、上記のように非活性状態では電源線VCCやグランド線VSSと接続されるスイッチMOSFETがオフ状態であるために、上記論理動作電流によりサブ電源線VCTの電位は放電電流により低下し、サブグランド線VSTの電位は充電電流により上昇する。
図24には、この発明の他の一実施例の回路図が示されている。この実施例では、上記のような不所望な入力信号のレベルの変化によるサブ電源線VCTとサブグランド線VSTの電位変化の増大を防止するために、論理回路の入力には2入力のナンド(NAND)ゲート回路N1が設けられる。入力信号INは、このゲートN1を介して論理回路に加えられる。上記ゲート回路N1の他方の入力には、インバータ回路INV1を介して、活性/非活性の切り替え制御信号φが加えられる。上記制御信号φは、上記インバータ回路INV1を介してスイッチ用Nチャンネル型MOSFETQMSのゲートに加えられ、上記インバータ回路INV1とINV2を介してスイッチ用Pチャンネル型MOSFETQMCのゲートに加えられる。
非活性状態において、上記制御信号φはハイレベルとなり、スイッチ用Pチャンネル型MOSFETQMC及びスイッチ用Nチャンネル型MOSFETQMSをオフ状態にさせるとともにゲート回路N1の出力信号をハイレベルに固定する。そのため、入力信号INのレベルが雑音等により変動しても論理回路がこれに応答して動作することはない。活性状態に切り替わると、制御信号φはロウレベルとなり、入力信号INのレベルに応じた信号が入力されるので、論理回路は通常と変わりのない動作を行う。
以上述べてきた実施例の回路が正常に動作するためには、回路を構成する全ての論理ゲートの電源及びグランドは非活性時の出力レベルに応じてVCC/VCT及びVSS/VSTのうち適当な側に接続されている必要がある。すなわち、非活性時の出力がハイレベルの論理ゲートではPチャンネル型MOSFETのソースを電源線VCCに接続し、Nチャンネル型MOSFETのソースをサブグランド線VSTに接続する。非活性時の出力がロウレベルの論理ゲートではPチャンネル型MOSFETのソースをサブ電源線VCTに接続し、Nチャンネル型MOSFETのソースをグランド線VSSに接続する。しかし、多数のゲートから構成されている回路では、これを人手で検証することは工数だけではなく、信頼性の点からも問題がある。これが大容量のダイナミック型RAMやマイクロプロセッサ等の大規模集積回路に本発明を適用する上での大きな課題となる。
図25には、この発明に係る上記サブスレッショルドリーク電流を低減させる論理回路における上記各ゲートの電源接続の検証を行う方法の原理を説明するための回路図が示されている。同図の例では、2段目のインバータ回路INV2と3段目のインバータ回路INV3の電源線及びクランド線の接続が誤っている。すなわち、非活性状態においてインバータ回路INV2の出力(ノードN2)はロウレベルであるからグランド線VSSに接続すべきのところ、誤ってサブグランド線VSTに接続している。また、インバータ回路INV3の出力(ノードN3)はハイレベルであるから電源線VCCに接続すべきところ、誤ってサブ電源線VCTに接続している。
この場合、インバータ回路INV2の出力(ノードN2)は、オン状態のNチャンネル型MOSFEを介してサブグランド線VSTと同じ電位となり、インバータ回路INV3の出力(ノードN3)は、オン状態のPチャンネル型MOSFEを介してサブ電源線VCTと同じ電位となる。これに対して、正しい接続が行われている1段目のインバータ回路INV1の出力ノードN1と4段目のインバータ回路INV4の出力ノードN4は、それぞれ電源線VCCとグランド線VSSと同じ電位となる。このことに着目し、回路解析シュミレーションにおいて、上記サブ電源線VCTとサブグランド線VSTの電位を、上記電源線VCCとグランド線VSSの電位設定と異なるように設定し、各ノードの電位を求めるようにする。すると、正しい接続が行われたインバータ回路INV1,INV4の各ノードN1やN4の電位は、それぞれVCCとVSSに等しい電圧であるのに対して、誤った接続が行われたインバータ回路INV2,INV3の各ノードN2やN3の電位は、それぞれVCTとVSTに等しい電圧となる。上記設定されたサブ電源線VCTとサブグランド線VSTの電位となるノードを探し出すことにより、誤った接続が行われたインバータ回路や論理ゲートを見つけ出すことができる。
例えば、電源線VCCに対してサブ電源線VCTを高くし、グランド線VSSに対してサブグランド線VSTを低くし、あるノードの電圧VNを回路シュミレーションにより求め、VN>VCCやVN<VSSの条件のものを探し出すことにより、上記誤った接続のものを簡単に探し出すことができる。逆に、電源線VCCに対してサブ電源線VCTを低くし、グランド線VSSに対してサブグランド線VSTを高くし、あるノードの電圧VNを回路シュミレーションにより求め、VN<VCCやVN>VSSの条件のものを探し出すようにすると、正しい接続によりNV=VCCのときVN>VSSの条件が成立してしまうし、正しい接続によりNV=VSSのときVN>VCCの条件が成立してしまうので、電圧比較では検出できない。そのため、上記のような電源線VCCに対してサブ電源線VCTを低くし、グランド線VSSに対してサブグランド線VSTを高く設定したきには、上記設定された電圧VCT又はVSTに等しいこと電圧VNを探し出すようにすることになる。
図26には、上記電源接続の検証方法を実施するための検証システムの一実施例のシステム構成図が示されている。この実施例の電源接続検証システムは、特に制限されないが、SPICE等のコンピュータを用いた回路シミュレータと、回路シミュレータの出力を解析して、接続誤りを検出するための後処理ソフトウェアからなっている。上記回路シミュレータでは、同図に示すようにサブ電源線VCTおよびサブグランド線VSTの電位を、上記のように電源線VCC及びグランド線VSSの電位と異なるように設定し、回路内の全てのノードの電位VNを計算する。その結果は中間ファイルを介して後処理ソフトウェアで処理する。上記のように電源線VCCに対してサブ電源線VCTを高くし、グランド線VSSに対してサブグランド線VSTを低くした場合には、VN>VCCやVN<VSSの条件のものを抽出する。抽出されたノードは、リストして印刷出力されるとともに、回路図上の位置がグラフィック端末の画面上に表示させるようにするものである。
以上の実施例においては、低しきい電圧化によるサブスレッショルドリーク電流の低減を図るために、非活性時の出力がハイレベルの論理ゲートやインバータ回路には電源線VCCに接続し、接地側をサブグランド線VSTに接続し、かかるサブグランド線VSTに設けられたスイッチMOSFETをオフ状態にさせ、非活性時の出力がロウレベルの論理ゲートやインバータ回路には接地線VSSに接続し、電源側をサブ電源線VCTに接続し、かかるサブ電源線VCTに設けられたスイッチMOSFETをオフ状態にさせる。
上記のようなスイッチをオン状態やオフ状態にさせるとき、上記の実施例では所望のオン抵抗を得るために比較的大きなゲート容量を持つスイッチMOSFETの駆動電流及びそのオン状態に伴い電源電流のピーク電流を低減させるために、複数に分割し、かつそれぞれに遅延信号を供給してドミノ倒しのように時間差を以てスイッチ制御させることに大きな特徴がある。このことは、上記のようなサブ電源線やサブグランド線によるサブスレッショルドリーク電流の低減の他、一般的な電源スイッチとして利用可能性を持っている。つまり、半導体技術の進展により、1つの半導体基板には多数の機能ブロックが搭載できるようにされ、それ自体で1つのディジタル情報処理システムが実現でき、近い将来にはその傾向が強くなることが予測される。
この場合、多数の機能ブロックは、常に動作状態であることが必要ではない。このとき、所定のデータ処理を行っている間、動作することが不必要な機能ブロックが存在する場合、そこでの消費電流を上記サブスレッショルドリーク電流のようなリーク電流を含めて全て遮断してしまうことには十分な意義が生じる。このような場合、電源スイッチのオン状態やオフ状態のときに、動作状態にある機能ブロックからみれば、電源線に大きなノイズが乗ることは許されないものである。このような観点からすると、1つの半導体集積回路装置に搭載される特定の機能ブロックが動作中に、動作しない他機能ブロックの電源を遮断したり、投入したりすることには大きな問題が生じる。
しかしながら、前記実施例のスイッチMOSFETは、そのようなピーク電流を発生させないで、オン状態とオフ状態にすることができる。つまり、この発明に係るスイッチMOSFETは、半導体集積回路装置に形成される回路ブロックに対する選択的な電源供給を行うスイッチMOSFETとして用いることができることを意味する。
図27には、この発明が適用される1チップのマイクロコンピュータの一実施例のシステム構成図が示されている。この実施例のマイクロコンピュータMCUは、演算器ALUを含むストアドプログラム方式の中央処理ユニットCPUをその中心的な構成要素とする。この中央処理ユニットCPUには、システムバスS−BUSを介して乗算器MULT,メモリ管理ユニットMMU及びキャッシュメモリCACHEが結合され、メモリ管理ユニットMMUにはアドレス変換テーブルTLBが結合される。メモリ管理ユニットMMU及びキャッシュメモリCACHEは、さらにその他方においてキャッシュバスC−BUSに結合され、このキャッシュバスC−BUSにはバスコントローラBSCが結合される。
バスコントローラBSCは、その他方において周辺バスP−BUS及び外部バスE−BUSに結合される。このうち、周辺バスP−BUSには、リフレッシュコントローラREFC,ダイレクトメモリアクセスコントローラDMAC,タイマ回路TIM,シリアルコミュニケーションインターフェイスSCI,ディジタル/アナログ変換回路D/A及びアナログ/ディジタル変換回路A/D等の周辺装置コントローラとクロックコントローラCKCとが結合され、外部バスE−BUSには、外部インターフェイスEXIFが結合される。
リフレッシュコントローラREFC,ダイレクトメモリアクセスコントローラDMAC,タイマ回路TIM,シリアルコミュニケーションインターフェイスSCI,ディジタル/アナログ変換回路D/A及びアナログ/ディジタル変換回路A/Dは、その他方において割り込みコントローラINTCに結合され、この割り込みコントローラINTCは割り込み要求信号IRQを介して中央処理ユニットCPUに結合される。クロックコントローラCKCには、クロックパルス発生回路CPGと後述する複数のクロックスイッチとが結合され、外部インターフェイスEXIFには、携帯情報端末PDAや外部メモリ等が結合される。
割り込みコントローラINTCには、さらにリアルタイムクロック回路RTCが結合される。このリアルタイムクロック回路RTCには、その周波数が変化されない安定した周波数のクロック信号が供給される。これにより、リアルタイムクロック回路RTCは、正確な時間管理を行う。
リアルタイムクロック回路RTCは、所定の時間間隔で割込み信号RTCIを割り込みコントローラINTCに出力し、中央処理ユニットCPUに対して所定の時間間隔で割込み要求を発生する。割り込みコントローラINTCには、さらに所定の外部端子を介して外部割込み信号OINTも供給される。これにより、外部装置は、割り込みコントローラINTCを介して中央処理ユニットCPUと論理的に結合される。
この実施例において、クロックコントローラCKCは、複数の制御レジスタを含む。これらの制御レジスタには、中央処理ユニットCPUから周辺バスP−BUSを介して、所定の制御データの書き込み又は読み出しが行われる。クロックコントローラCKCは、各制御レジスタへ設定された制御データに従って、前記制御信号PLLON,PLLSB,COSEL1,COSEL2又はCKEN等を選択的に形成するとともに、複数のモジュールイネーブル信号ADEN等を選択的に形成する。なお、図面が煩雑となるのを避けるため、これらの制御信号やモジュールイネーブル信号を1本の配線で示した。言うまでもなく、クロックコントローラCKCは、周辺バスP−BUSに代えて、システムバスS−BUSに結合してもよい。
ここで、中央処理ユニットCPUは、クロックパルス発生回路CPGから供給されるシステムクロック信号CK1に同期して動作し、例えばキャッシュメモリCACHEから読み出される制御プログラムに従って所定の演算処理を実行するとともに、マイクロプロセッサMPUの各部を制御・統括する。このとき、演算器ALUは、必要に応じて算術論理演算を実行し、乗算器MULTは乗算処理を実行する。また、メモリ管理ユニットMMUは、メモリアクセスに際して中央処理ユニットCPUから出力される論理アドレスを、アドレス変換テーブルTLBを用いて物理アドレスに変換する。
キャッシュメモリCACHEは、高速アクセス可能なメモリからなり、マイクロプロセッサMPUの外部に設けられた外部メモリに格納されるプログラム又はデータ等を所定のブロック単位で読み出し保持して、中央処理ユニットCPUの高速動作に寄与する。中央処理ユニットCPU,乗算器MULT,メモリ管理ユニットMMU及びキャッシュメモリCACHEは、比較的高い周波数のシステムクロック信号CK1に従って動作する。
バスコントローラBSCは、周辺バスP−BUSに結合される各周辺装置コントローラのバスアクセスを管理するとともに、これらの周辺装置コントローラの動作を制御する。一方、周辺装置コントローラの一つであるリフレッシュコントローラREFCは、外部メモリとして設けられたダイナミック型RAM(ランダムアクセスメモリ)のリフレッシュ動作を制御し、ダイレクトメモリアクセスコントローラDMACは、例えば外部メモリとキャッシュメモリCACHE等との間の高速データ転送をサポートする。
タイマ回路TIMは、中央処理ユニットCPUで必要な時間管理をサポートとし、シリアルコミュニケーションインターフェイスSCIは、外部の通信制御装置等との間のシリアルデータ転送をサポートする。さらに、アナログ/ディジタル変換回路A/Dは、外部のセンサ等から入力されるアナログ信号を所定ビットのディジタル信号に変換し、ディジタル/アナログ変換回路D/Aは、逆に中央処理ユニットCPUから出力されるディジタル信号を所定のアナログ信号に変換して外部出力する。
割り込みコントローラINTCは、各周辺装置コントローラの割り込み要求を所定の優先順位で択一的に受理し、割り込み要求信号IRQとして中央処理ユニットCPUに伝達する。また、外部インターフェイスEXIFは、マイクロコンピュータMCUの各部と外部に結合された携帯情報端末PDA及び外部メモリ等との間のデータ授受を制御・管理し、これらの外部装置とマイクロコンピュータMCUとの間のインターフェイス整合を行う。バスコントローラBSCならびに各種周辺装置コントローラは、比較的低い周波数のシステムクロック信号cksに同期して動作する。
この実施例において、マイクロコンピュータMCUを構成する各部は、所定のレイアウト条件をもって1個の半導体集積回路装置LSIに形成されるが、これらの各部はいわゆるモジュール化され、ユーザ仕様に基づいて選択的に形成される。この実施例のマイクロコンピュータMCUは、上記複数のモジュールのそれぞれに対応して設けられかつ対応するモジュールイネーブル信号の有効レベルを受けて選択的にオン状態とされる複数の電源スイッチMOSFETを備え、それが非活性にされるときにかかるスイッチMOSFETがオフ状態にされて、そこでの電流消費を実質的にゼロにする。
ディジタル/アナログ変換器D/Aや、アナログ/ディジタル変換器A/Dは、リニア回路部分をもっており、それが非動作状態でも比較的大きな電流消費を行う。しかも、それは常に動作する必要はないことが多い。したがって、上記のような電源スイッチMOSFETで動作電流を遮断させることにより、非活性時の消費電流をゼロにすることができる。また、他のディジタル回路でも、サブスレッショルドリーク電流等のリーク電流が発生するものでは、電源遮断させることの意義は大きい。上記のような電源スイッチMOSFETを設けた場合、そのスイッチ制御の際に大きなピーク電流が流れる。そこで、各モジュール等の機能ブロックに設けられるスイッチMOSFETを並列形態に接続された複数のスイッチMOSFETとし、それらを活性化信号によりドミノ倒しのように順次にオン状態/オフ状態にさせることにより、ピーク電流を低減させることができる。それ故、各モジュール等の機能ブロックは、上記ディジタル/アナログ変換回路D/Aのようなリニア回路のように非動作時に直流を流さないような回路であることが条件とされない。
低しきい電圧化されたMOSFETを用いて、高集積化と高速化及び低電圧化されたシステムでは、前記ダイナミック型RAMのようにサブスレッショルドリーク電流が問題になる。そこで、各機能ブロックにおいて、非活性時のレベルが固定される部分には、前記実施例のようにサブ電源線やサブグランド線に接続して、そこに設けられたスイッチMOSFETをオフ状態にしてスタンバイ時のサブスレッショルドリーク電流等のリーク電流の発生を防止するようにしても良いことはいうまでもない。
上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。すなわち、
(1) 機能毎に分けられ、かつそれぞれが動作制御信号により回路動作を行うようにされた複数の回路ブロックの内部電源線と、外部端子から供給される動作電圧を伝える電源線との間に並列形態に複数のスイッチMOSFETを設け、これらのスイッチMOSFETを上記動作制御信号を順次に遅延された制御信号によりドミノ倒しのように順次にオン状態にして動作電圧を供給することより、オン状態/オフ状態でのピーク電流の発生を防止しつつ、かかる機能ブロック又はモジュールが非活性(非動作)状態のときの消費電流をゼロにすることができる。
(2) 動作起動信号を含む外部端子から供給される入力信号に応答する入力回路ブロックと、かかる入力回路ブロックを通して入力された入力信号を受けて動作する内部回路ブロックと、かかる内部回路ブロックの出力信号を外部端子へ送出させる出力回路ブロックとに分け、外部端子から供給される動作電圧を伝える電源線と上記内部回路ブロックのうち非動作状態のときに記憶動作を必要としない第1の回路部分の内部電源線との間に並列形態に複数のスイッチMOSFETを設け、かつ上記入力回路を通して供給された起動信号を順次に遅延させた制御信号によりドミノ倒しのように順次にオン状態にして動作電圧を供給することにより、動作速度を犠牲にすることなく、オン状態/オフ状態でのピーク電流の発生を防止し、かつ、かかる機能ブロックにおける非活性(非動作)状態での消費電流をゼロにすることができる。
(3) 上記入力回路ブロックと内部回路ブロックのうち記憶動作を必要とする第2の回路部分及び出力回路ブロックとは、上記電源線から定常的に動作電圧を与えるようにすることにより、動作速度を犠牲にすることく、所望の回路機能を維持することができる。
(4) 上記内部回路ブロックは、CMOS回路から構成され、かかるCMOS回路の第1の回路部分は、非動作状態のときに出力信号レベルがハイレベルの回路には接地電圧に対応した第1の内部電源線に接続され、出力信号がロウレベルの回路には電源電位に対応した第2の内部電源線に接続され、上記第1の内部電源線と電源線との間及び上記第2の内部電源線と接地線との間には、上記起動信号が順次に遅延された制御信号によりドミノ倒しのように順次にオン状態にされる複数のスイッチMOSFETからなる内部電源スイッチ回路を設けることにより、動作速度を維持し、ピーク電流を抑えつつ、サブスレッショルドリーク電流を低減できる。
(5) 上記CMOS回路を構成するPチャンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSFETとは、低しきい電圧化することにより、低電圧化と高速化を維持しつつ、サブスレッショルドリーク電流を低減させることができる。
(6) 上記入力回路ブロックと出力回路ブロックは、CMOS回路により構成され、かかるCMOS回路を構成するPチャンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSFET及び上記内部電源スイッチ回路を構成するMOSFETとは、上記内部回路を構成するCMOS回路のPチャンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSFETのしきい電圧に比べて相対的に大きく設定せることにより、サブスレッショルドリーク電流を抑えつつ高速動作を維持することができる。
(7) 上記しきい電圧の設定は、MOSFETチャンネル長依存性によりそれぞれが設定され、かつチャンネル領域の表面にソース,ドレインと同じ導電型で低い不純物濃度からなるカウンタドープ層が形成されることにより、高速化とピーク電流を低減させることができる。
(8) 上記内部回路ブロックは、動作シーケンスに対応して複数ブロックに分けられ、上記起動信号はかかる動作シーケンスに同期して遅延されて上記内部電源スイッチ回路に供給されるようにすることにより、電源スイッチのオン/オフ切り換え時の電流がいっそう分散されてピーク電流を低減させることができる。
(9) 上記入力回路は、アドレスマルチプレックス方式でアドレス信号と制御信号が供給される入力回路であり、上記内部回路ブロックは、ダイナミック型メモリセルを用いたメモリアレーと、そのX系アドレス選択回路及びY系アドレス選択回路からなり、上記出力回路はデータ入出力回路のように分割することにより、かかるダイナミック型RAMの動作シーケンスに合わせて回路が分割されて、順次に電源スイッチMOSFETを制御を行うことにより、動作速度を維持しながらピーク電流を合理的に低減させることができる。
(10) 上記Y系アドレス選択回路に設けられる内部電源スイッチ回路は、かかる回路の動作に必要な動作電流を流すようにされた1ないし複数からなるMOSFETから構成され、動作までの時間が長いことを利用してかかるMOSFETのゲートに供給される制御信号の変化を緩やかにすることにより、簡単な構成でピーク電流を低減させることができる。
(11) 上記第1の内部電源線と第2の内部電源線の間には、それぞれに対応する内部電源スイッチMOSFETがオフ状態にされたときに一時的にオン状態にされる短絡スイッチMOSFETを設けることにより、第1内部電源線及び第2内部電源線間のチャージシェアによりそれぞれの非活性時の電圧を高速に決めることができるので、サブスレッショルドリーク電流のいっそう低減させることができる。
(12) 上記第1の内部電源線と第2の内部電源線の間には、上記電源線と接地線の電位変化に追随して上記第1の内部電源線と第2の内部電源線の電位を変化させるMOSダイオード又は容量からなるカップリング手段を設けることにより、電源バンプにより上記電源線や接地線の電位が大きく変動した際に、電源線や接地線に対する第1の内部電源線と第2の内部電源線の電位との電圧差を小さく保つことができ、内部回路を活性化する際のピーク電流の増大を抑えることができる。
(13) 上記CMOS回路からなる第1の回路部分の入力端子には、かかる第1の回路部分を活性化させる制御信号によりゲートを介して入力信号が供給され、上記非活性状態に対応した制御信号により上記第1の回路部分の入力端子に入力される信号レベルを固定させることにより、電源ノイズ等に対しても上記入力信号が固定レベルに維持できるから、第1の内部電源線と第2の内部電源線の不所望な変動を防止して上記電源線や接地線との電圧差を小さく保つことができ、内部回路を活性化する際のピーク電流の増大を抑えることができる。
(14)CMOS回路からなる内部回路のうち、非動作状態のときに出力信号レベルがロウレベルの第1の回路は、外部端子から供給される電源電圧が伝えられる電源線に対応した第1の内部電源線と外部端子から供給される接地電位が伝えられる接地線に接続され、出力信号がハイレベルの第2の回路は、上記電源線と上記に対応した第2の内部電源線に接続されてなる半導体集積回路装置において、コンピュータシミュレータにて上記第1及び第2の内部電源線にはそれぞれ電源線及び接地線とは異なる電位を設定し、各回路の出力ノードの電位を算出させ、かかる出力ノードの電位が上記第1及び第2の内部電源線の電位に対応したものであることを検出してそのノード情報を出力させることにより、誤接続箇所を簡単に見つけ出すことができる。
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記入力部や出力回路及び電源スイッチMOSFETのようにサブスレッショルドリーク電流が実質的に問題にならないようなしきい電圧のMOSFETを形成する方法は、上記のようにチャネル長依存性を利用するものの他、チャンネル部分の不純物濃度を高くしたり、ゲート絶縁膜を制御したり、あるいはそれらが形成される基板に深いバックバイアスを供給する等種々の実施形態を採ることができる。
ダイナミック型RAMにおける内部回路は、前記のような外部端子からの制御信号により動作モードが設定されるものの他、シンクロナスダイナミック型RAMのようにコマンドにより動作モードが決定されるものでもよい。この場合には、コマンドデータの出力を受ける制御タイミング回路で、上記スイッチMOSFETの制御を行うようにすればよい。また、スタティック型RAMでは、チップイネーブル信号によりスイッチMOSFETを制御すればよい。ただし、キャッシュメモリ用のスタティック型RAMでは外部入力信号が変化しなくても回路が動作するモードがあるため、スイッチMOS制御回路もそれに応じたモード判定信号等によりスイッチ制御するようにすればよい。この発明は、前記のようなメモリ回路や、1チップマイクロコンピュータの他、MOSFETにより構成される各種半導体集積回路装置に適用可能である。
この発明が適用されたダイナミック型RAMの主として入力部と、X系回路とアレーブロックの一実施例を示すブロック図である。 この発明が適用されたダイナミック型RAMの主としてY系及び書き込み回路と出力バッファの一実施例を示すブロック図である。 この発明が適用されたダイナミック型RAMのX系のアドレス入力部の一実施例を示す回路図である。 この発明が適用されたダイナミック型RAMの内部アドレス信号を受けるプリデコーダの一実施例を示す回路図である。 この発明が適用されたダイナミック型RAMのXデコーダとそれに設けられるラッチ回路及びワードドライバの一実施例を示す具体的回路図である。 この発明が適用されたダイナミック型RAMのマットコントロール回路の一実施例を示す回路図である。 この発明が適用されたダイナミック型RAMの動作の一例を説明するタイミング図である。 この発明が適用されるダイナミック型RAMのメモリアレーとその周辺選択回路の一実施例を示すブロック図である。 この発明が適用されるダイナミック型RAMの入出力インターフェイス部とタイミング制御回路の一実施例を示すブロック図である。 この発明に係るダイナミック型RAMのメモリアレー部の一実施例を示す要部回路図である。 この発明に係るダイナミック型RAMを説明するための一実施例の素子構造断面図である。 この発明に係る半導体集積回路装置の一実施例を説明するためのブロック図である。 この発明に係る半導体集積回路装置の他の一実施例を説明するためのブロック図である。 この発明に係るダイナミック型RAMにおけるX系の入力部分の一実施例を示す回路図である。 図14のX系の入力部分の動作の一例を説明するためのタイミング図である。 この発明に係る半導体集積回路装置に用いられるMOSFETの一実施例を示す概略構造断面図である。 この発明を説明するためのNチャンネル型MOSFETのゲート長としきい電圧との関係を示す特性図である。 この発明を説明するためのピーク電流とスイッチMOSFETの起動信号の遅延時間等の関係を示す特性図である。 この発明の他の一実施例を示す回路図である。 図19の実施例の動作を説明するためのタイミング図である。 この発明の他の一実施例を示す回路図である。 約64Mビットのダイナミック型RAMの周辺回路に本発明を適用した場合を説明するための特性図である。 この発明の他の一実施例を示す回路図である。 この発明の他の一実施例を示す回路図である。 この発明に係るサブスレッショルドリーク電流を低減させる論理回路の電源接続の検証を行う方法の原理を説明するための回路図である。 図25の電源接続の検証方法を実施するための検証システムの一実施例を示すシステム構成図である。 この発明が適用される1チップのマイクロコンピュータの一実施例を示すシステム構成図である。
符号の説明
1…RAS入力バッファ、2…RASクロック発生回路、3…アドレスバッファ、4…Xアドレスラッチ回路、5…CBRカウンタ、6…Xプリデコーダ、7…マットセレクト回路、8…Xアドレスコンパレータ、9…マットコントロール回路、12…Xデコーダ、13…ワードドライバ、14…センスアンプ、15…メモリアレー、16…コモンソーススイッチ、17a〜17d…遅延回路、18…CAS入力バッファ、19…CASクロック発生回路、20…Yアドレスラッチ、21…ライトクロック発生回路、22…出力イネーブル入力バッファ、23…ライトイネーブル入力バッファ、24…データ入力バッファ、25…アドレス変化検出回路、26…イコライジングパルス発生回路、27…メインアンプコントロール回路、28…Yプリデコーダ、29…Yアドレスコンパレータ、30…メインアンプ、31…ライトバッファコントロール回路、32…ライトバッファ、33…Yデコーダ、34…ベンダテスト回路、35…データセレクタ、36…データ出力バッファ、QP1〜QN5…スイッチMOSFET、
CN1〜CN4…クロックドインバータ回路、Q1〜Q9…MOSFET、IV1…インバータ回路、
MAT0〜MAT7…メモリマット、MARY0,MARY1…メモリアレイ、XD0〜XD7…デコーダ回路、WD0〜WD7…ワードドライバ、SA01〜SA67…センスアンプ、XDEC…ロウデコーダ回路、ARYCTRL…アレイ制御回路、YDEC…カラムデコーダ回路、MATCTRL0〜MATCTRL3…マット制御回路、TG…タイミング制御回路、I/O…入出力回路、RAB…ロウアドレスバッファ、CAB…カラムアドレスバッファ、AMX…マルチプレクサ、RFC…リフレッシュアドレスカウンタ回路、XPD,YPD…プリテコーダ回路、X−DEC…ロウ系冗長回路、XIB…デコーダ回路、
M1〜M3…アルミニュウム配線層、TH1,TH2…スルーホール、LCNT,FCNT…コンタクト、FG…1層目ポリシリコン(ゲート電極)、SG…2層目ポリシリコン(ストレージノード)、TG…3層目ポリシリコン(プレート)。
QMC,QMS…スイッチMOSFET、DP1,DN1…ダイオード接続MOSFET、CTC,CSC…結合容量、INV1〜INV4…インバータ回路、N1…ゲート回路、
CPU…中央処理ユニット、ALU…演算器、MULT…乗算器、MMU…メモリ管理ユニット、TLB…アドレス変換テーブル、CACHE…キャッシュメモリ、BSC…バスステートコントローラ、REFC…リフレッシュコントローラ、DMAC…ダイレクトメモリアクセスコントローラ、TIM…タイマ回路、SCI…シリアルコミュニケーションインターフェイス、D/A…ディジタル/アナログ変換回路、A/D…アナログ/ディジタル変換回路、INTC…割り込みコントローラ、CPG…クロック発生回路、S−BUS…システムバス、C−BUS…キャッシュバス、P−BUS…周辺バス。

Claims (3)

  1. CMOS回路からなる内部回路を備え、
    上記CMOS回路のうち、非動作状態のときに出力信号レベルがロウレベルの第1の回路は、外部端子から供給される電源電圧が伝えられる電源線に対応した第1の内部電源線と外部端子から供給される接地電位が伝えられる接地線に接続され、出力信号がハイレベルの第2の回路は、上記電源線と上記に対応した第2の内部電源線に接続されてなる半導体集積回路装置における上記第1及び第2の内部配線に対する接続検証方法であって、
    コンピュータシュミレータにて上記第1及び第2の内部電源線にはそれぞれ電源線及び接地線とは異なる電位を設定し、各回路の出力ノードの電位を算出させ、かかる出力ノードの電位が上記第1及び第2の内部電源線の電位に対応したものであることを検出してそのノード情報を誤接続箇所として出力させてなることを特徴とする半導体集積回路装置の回路接続検証方法。
  2. 請求項1において、
    上記第1の内部電源線の電位は電源線の電位より高くされ、上記第2の内部電源線の電位は接地電位より低くされ、誤接続箇所の検出は上記出力ノードの電位が電源線の電位より高くされたこと又は接地線の電位より低くされたことをもって判定されるものであることを特徴とする半導体集積回路装置の回路接続検証方法。
  3. 電源線及びサブ電源線の電圧をコンピュータシミュレータ上で変化させることにより電源接続を検証する半導体集積回路装置の回路接続検証方法。
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