JP2004240809A - 火災発生検知機能を備えた排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】万一排気系統内の空気清浄化用のフィルタ1が発火した場合、いち早くこれを検知し、警報によりその状態を周囲の作業者に知らせ、なお且つごく初期の段階での消火を可能とする。
【解決手段】排気浄化装置は、閉じられた空間である作業空間内の空気を排気機13により作業空間外に強制排出する排気配管15と、この排気配管15の途中に設けられ、排気中に含まれる微細な固形物質を捕捉し、排気中から除去するフィルタ1を備えている。さらにフィルタ1の温度を監視する火炎センサ2と、この火炎センサ2がフィルタ1の発火を検知したとき視覚及び/または聴覚的に人にその状態を知らせる警報手段を作動させる制御器4とを有する。加えて、消火剤ノズル10、11に消火剤を圧送し、これをフィルタ1に向けて噴射させる。
【選択図】 図1
【解決手段】排気浄化装置は、閉じられた空間である作業空間内の空気を排気機13により作業空間外に強制排出する排気配管15と、この排気配管15の途中に設けられ、排気中に含まれる微細な固形物質を捕捉し、排気中から除去するフィルタ1を備えている。さらにフィルタ1の温度を監視する火炎センサ2と、この火炎センサ2がフィルタ1の発火を検知したとき視覚及び/または聴覚的に人にその状態を知らせる警報手段を作動させる制御器4とを有する。加えて、消火剤ノズル10、11に消火剤を圧送し、これをフィルタ1に向けて噴射させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、或る閉じられた空間である室内の空気を室外に排出すると共に、排気と共に室内に排出されようとする塵埃等の微細な固形物を除去するフィルタを備えた排気浄化装置に関し、特に高熱の固形物によりフィルタに火災が発生したことを検知し、警報を発したり消火を行う火災発生検知機能を備えた排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
核施設や核医療機関等で放射能を帯びた空間で除染や各種の工事作業を行う場合、作業者の安全確保および放射能汚染の拡散防止の観点から、作業現場に一時的に作業場所を隔離するために、いわゆるグリーンハウスという外部に対して仕切られた汚染拡散防止用の空間を設置し、放射能を帯びた金属粉や塵埃等が空間の外側に飛散しないようにその中で作業を行う。このグリーンハウスでは、その内部を常に負圧に維持し、外部への空気やそれに含まれる塵埃等が外部に飛散しないようにしている。
【0003】
グリーンハウス内部を負圧に維持するため、ブロアや排気ポンプ等の排気機で強制排気する排気配管をグリーンハウスに接続し、絶えずグリーンハウス内部の空気を排気する。この排気に当たっては、排気される空気と共に放射能に汚染された塵埃等がグリーンハウスの室外に排出されないよう、グリーンハウスから排気機に至る排気配管の途中にフィルタを挿入し、このフィルタで放射能に汚染された塵埃等の微細な固形物を捕捉し、排気中から濾過するようにしている。このフィルタとしては、一般はHEPAフィルタ(High Efficiency Particulated Air Filter)と呼ばれる高性能フィルタが使用される。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】
グリーンハウス内部での作業は、核施設で使用された構造物、設備、機械、器具等の解体、補修等が主となる。このような作業では、溶断、溶接、カッターによる切断等、火の粉が飛ぶ作業が多く含まれている。このような作業でグリーンハウス内に火の粉が飛んだとき、それが排気系に吸い込まれ、前記のフィルタに付着すると、フィルタが発火し、火災を起こすおそれがある。
【0005】
しかしながら、現在、原子力施設で用いられているHEPAフィルタ等の空気清浄用フィルタについては、火災発生を想定した設備は考慮されていない。万一、火災が発生した場合、こと核施設での火災だけに、その社会に与える影響は甚大と予想される。環境に放射性物質を排出しないため設けられている排気浄化装置に火災の検知機能、警報機能或いは消火機能を持たせることは、より安全性を高めるため今後社会的に必要になると予想される。
【0006】
特に、HEPAフィルタ等の空気清浄用フィルタは排気系統内にあるため、その温度監視および煙監視ならびに発火の早期発見が困難であり、火災等の異常が発生した場合に、作業者への周知および消火する有効な手段がなく、万一の事態の早急な危険回避の必要性の観点からも課題があった。
【0007】
本発明は、前記従来の排気浄化装置における課題に鑑み、万一排気系統内の空気清浄化フィルタが発火した場合、いち早くこれを検知し、警報によりその状態を周囲の作業者に知らせ、なお且つごく初期の段階での消火を可能とすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本件発明者らは、排気浄化装置内で起こる火災において、その最初の出火は程HEPAフィルタ等のフィルタ1の部分で起こる発火から始まる可能性が大きいと考えた。そこでこの考えから、フィルタ1の温度を監視する火炎センサ2を設け、この火炎センサでフィルタ1が発火したことを検知したとき、ランプ5や警報器6等の警報手段を作動させるようにすれば、排気浄化装置内で起こる火災をいち早く知ることが出来ると考えられる。またこれに加えて、フィルタ1に向けて消火剤ノズル10、11を設け、前記フィルタ1の発火検知時に、フィルタ1に向けて消火剤を噴射するようにする。これにより、フィルタ1の異常を早期発見できるだけでなく、万一フィルタ1が発火した場合には作業者への周知ならびにフィルタ1の消火を速やかに行い、環境に放射性物質の排出を防ぐことが出来るようになる。
【0009】
すなわち、本発明による排気浄化装置は、閉じられた空間である作業空間内の空気を排気機13により作業空間外に強制排出する排気配管15と、この排気配管15の途中に設けられ、排気中に含まれる微細な固形物質を捕捉し、排気中から除去するフィルタ1を備えている。さらにこの排気浄化装置は、フィルタ1の温度を監視する火炎センサ2と、この火炎センサ2がフィルタ1の発火を検知したとき視覚及び/または聴覚的に人にその状態を知らせる警報手段を作動させる制御器4とを有する。
【0010】
また本発明による排気浄化装置は、前記火炎センサ2がフィルタ1の発火を検知したとき消火剤ノズル10、11に消火剤を圧送し、これをフィルタ1に向けて噴射させるよう消火剤供給系を動作させる制御器4を有するものである。
前者の排気浄化装置では、フィルタ1の発火を速やかに検知することが出来ると共に、その発火を検知したとき、作業者にその状態を速やかに知らせ、消火等の対処を促すことが出来る。また、後者の排気浄化装置では、フィルタ1の発火を検知したときに、自動的に消火剤をフィルタ1に吹き付けてごく初期の段階でのフィルタ1の消火を行うことが出来る。これら両者のタイプの排気浄化装置は統合することも出来る。すなわち、フィルタ1の発火を検知したときに、警報を発すると同時に、自動的に消火剤をフィルタ1に吹き付けて消火を行うようにすることも出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1は、本発明による火災発生検知機能を備えた排気浄化装置の一実施形態である。
【0012】
前述したように、核施設での放射能に晒された構造物、設備、機械、器具等に対する作業は、放射能の飛散を防止するため、いわゆるグリーンハウスと呼ばれる外部に対して仕切られた汚染拡散防止用の作業空間を設置し、その中で作業が行われる。図1において、左側の縦線はこのグリーンハウスである作業空間の内側と外側とを隔てる隔壁12を示す。
【0013】
この隔壁12には、空気吸入口14が設けられ、この空気吸入口14から作業空間外に気密な排気配管15が設けられている。この排気配管15はブロアや排気ポンプ等の排気機13に接続され、この排気機13の駆動により、排気配管15を通して作業空間内の空気が作業空間外に強制的に吸引排出される。この空気の吸引排出により、作業空間内は常に負圧に維持され、排気配管15以外の部分からその作業空間内の空気が作業空間外に漏れることはない。
【0014】
前記空気吸入口14から排気機13に至る排気配管15の途中には、フィルタ1、16が設けられている。図示の例では、フィルタ1、16が2段に設けられている。これらのフィルタ1、16は、排気配管15を通して作業空間内から作業空間外に排出する空気と共に作業空間内から排出されようとする金属屑や塵埃等の固形物を捕捉し、その作業空間外への排出を阻止する目的で挿入される。前述したように、HEPAフィルタ等の高性能フィルタが使用される。
【0015】
排気配管15には、第一段のフィルタ1の火炎や煙の発生を検知する火炎センサ2が設けられている。この火炎センサ2は、例えば熱電対や測温抵抗体等の接触型の温度計を使用することも出来るが、例えば図1に示すように、フィルタ1から若干離れた位置でその温度を測定出来る赤外線センサ等が適当である。この明細書において、「火炎センサ」とは、フィルタ1の温度を測定するものに限らず、フィルタ1の燃焼を検知する全てのセンサを含み、例えば炎センサや煙センサをも含むものである。
【0016】
この火炎センサ2は、変換器3に接続され、例えば火炎センサ2が温度センサの時は、そこで出力された信号を温度に返還し、温度表示を行う。また、制御器4を動作させる信号に変換して制御器4に出力する。
制御器4は、変換器3から送られてくる信号に対して或る程度の値で任意の設定値を設定出来るようになっている。この設定値は制御器4が制御信号を出力するためのしきい値となり、変換器3からこの設定値以上の信号が制御器4に入力すると、制御器4が制御信号を出力する。例えば、或る温度を設定値として設定し、火炎センサ2がそれ以上の温度を検知したときに制御信号を出力する。
【0017】
この火災発生検知機能を備えた排気浄化装置は、警報手段として、赤色回転灯等のランプ5とサイレン、ブザー、音声発生器等の警報器6を備えている。これらのランプ5と警報器6は、前記制御器4の出力信号により起動され、それぞれ動作する。
【0018】
さらにこの火災発生検知機能を備えた排気浄化装置は、消火剤タンク8とこの消火剤タンク8内の消火剤を電磁弁7を介して配管中に圧送するポンプ9を備えている。ポンプ9は、前記制御器4の出力信号により駆動を開始し、電磁弁7は、前記制御器4の出力信号により開かれる。電磁弁7に接続された配管は2つの消火剤ノズル10、11に接続されている。この消火剤ノズル10、11は、第1段のフィルタ1の前後の位置において排気配管15の中に挿入され、その消火剤ノズル10、11の噴射口は第1段のフィルタ1に向けられている。
【0019】
図2は、この火災発生検知機能を備えた排気浄化装置の動作を示すフロー図である。
フィルタ1は火炎センサ2により火炎の発生の有無が検知される。既に述べた通り、例えばフィルタ1の表面温度を監視する。この表面温度は変換器3で数値的に温度に相当する値に返還され、温度表示がなされる。また変換器3から出力される信号は制御器4に送られる。
【0020】
作業空間内から排気配管15を通してフィルタ1側に吸い込まれ、そのフィルタ1を通過した空気の中に、作業空間内で発生した火の粉等の火元となる固体が含まれていたため、フィルタ1が発火すると、その表面温度が上昇する。すると変換器3から制御器4に出力される信号も大となる。
【0021】
そこで、その信号が制御器4で設定された設定値以上の値になると、「温度異常」として制御器4の制御信号によりランプ5が点灯すると共に、警報器6が吹鳴し、近くにいる作業者等にフィルタ1の発火を知らせる。また、制御器4の制御信号によりポンプ9が起動すると共に、電磁弁7が開き、消火剤タンク8から消火剤ノズル10、11に消火剤が圧送され、この消火剤がフィルタ1の前後からそのフィルタに放射される。これによりフィルタの火炎が消火する。
【0022】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明による火災発生検知機能を備えた排気浄化装置では、フィルタ1に火災が生じたときに、いち早くこれを検知し、ランプ5や警報器6等の警報手段を作動させることが出来る。これにより、フィルタ1の発火を早期発見し、作業者へ周知できるため、その対処を迅速に行える。また同時にフィルタ1に向けて消火剤を噴射し、吹き付けることにより、フィルタ1が発火した場合でも、その消火を速やかに行い、ごく初期の段階で火災被害を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による火災発生検知機能を備えた排気浄化装置の一実施形態における排気浄化装置とその火災発生検知、警報及び消火設備を示す系統図である。
【図2】火災発生検知機能を備えた排気浄化装置の一実施形態における動作のフロー図である。
【符号の説明】
1 フィルタ
2 火炎センサ
5 ランプ
6 警報器
4 制御器
7 電磁弁
8 消火剤タンク
9 ポンプ
10 消火剤ノズル
11 消火剤ノズル
13 排気機
15 排気配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、或る閉じられた空間である室内の空気を室外に排出すると共に、排気と共に室内に排出されようとする塵埃等の微細な固形物を除去するフィルタを備えた排気浄化装置に関し、特に高熱の固形物によりフィルタに火災が発生したことを検知し、警報を発したり消火を行う火災発生検知機能を備えた排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
核施設や核医療機関等で放射能を帯びた空間で除染や各種の工事作業を行う場合、作業者の安全確保および放射能汚染の拡散防止の観点から、作業現場に一時的に作業場所を隔離するために、いわゆるグリーンハウスという外部に対して仕切られた汚染拡散防止用の空間を設置し、放射能を帯びた金属粉や塵埃等が空間の外側に飛散しないようにその中で作業を行う。このグリーンハウスでは、その内部を常に負圧に維持し、外部への空気やそれに含まれる塵埃等が外部に飛散しないようにしている。
【0003】
グリーンハウス内部を負圧に維持するため、ブロアや排気ポンプ等の排気機で強制排気する排気配管をグリーンハウスに接続し、絶えずグリーンハウス内部の空気を排気する。この排気に当たっては、排気される空気と共に放射能に汚染された塵埃等がグリーンハウスの室外に排出されないよう、グリーンハウスから排気機に至る排気配管の途中にフィルタを挿入し、このフィルタで放射能に汚染された塵埃等の微細な固形物を捕捉し、排気中から濾過するようにしている。このフィルタとしては、一般はHEPAフィルタ(High Efficiency Particulated Air Filter)と呼ばれる高性能フィルタが使用される。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】
グリーンハウス内部での作業は、核施設で使用された構造物、設備、機械、器具等の解体、補修等が主となる。このような作業では、溶断、溶接、カッターによる切断等、火の粉が飛ぶ作業が多く含まれている。このような作業でグリーンハウス内に火の粉が飛んだとき、それが排気系に吸い込まれ、前記のフィルタに付着すると、フィルタが発火し、火災を起こすおそれがある。
【0005】
しかしながら、現在、原子力施設で用いられているHEPAフィルタ等の空気清浄用フィルタについては、火災発生を想定した設備は考慮されていない。万一、火災が発生した場合、こと核施設での火災だけに、その社会に与える影響は甚大と予想される。環境に放射性物質を排出しないため設けられている排気浄化装置に火災の検知機能、警報機能或いは消火機能を持たせることは、より安全性を高めるため今後社会的に必要になると予想される。
【0006】
特に、HEPAフィルタ等の空気清浄用フィルタは排気系統内にあるため、その温度監視および煙監視ならびに発火の早期発見が困難であり、火災等の異常が発生した場合に、作業者への周知および消火する有効な手段がなく、万一の事態の早急な危険回避の必要性の観点からも課題があった。
【0007】
本発明は、前記従来の排気浄化装置における課題に鑑み、万一排気系統内の空気清浄化フィルタが発火した場合、いち早くこれを検知し、警報によりその状態を周囲の作業者に知らせ、なお且つごく初期の段階での消火を可能とすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本件発明者らは、排気浄化装置内で起こる火災において、その最初の出火は程HEPAフィルタ等のフィルタ1の部分で起こる発火から始まる可能性が大きいと考えた。そこでこの考えから、フィルタ1の温度を監視する火炎センサ2を設け、この火炎センサでフィルタ1が発火したことを検知したとき、ランプ5や警報器6等の警報手段を作動させるようにすれば、排気浄化装置内で起こる火災をいち早く知ることが出来ると考えられる。またこれに加えて、フィルタ1に向けて消火剤ノズル10、11を設け、前記フィルタ1の発火検知時に、フィルタ1に向けて消火剤を噴射するようにする。これにより、フィルタ1の異常を早期発見できるだけでなく、万一フィルタ1が発火した場合には作業者への周知ならびにフィルタ1の消火を速やかに行い、環境に放射性物質の排出を防ぐことが出来るようになる。
【0009】
すなわち、本発明による排気浄化装置は、閉じられた空間である作業空間内の空気を排気機13により作業空間外に強制排出する排気配管15と、この排気配管15の途中に設けられ、排気中に含まれる微細な固形物質を捕捉し、排気中から除去するフィルタ1を備えている。さらにこの排気浄化装置は、フィルタ1の温度を監視する火炎センサ2と、この火炎センサ2がフィルタ1の発火を検知したとき視覚及び/または聴覚的に人にその状態を知らせる警報手段を作動させる制御器4とを有する。
【0010】
また本発明による排気浄化装置は、前記火炎センサ2がフィルタ1の発火を検知したとき消火剤ノズル10、11に消火剤を圧送し、これをフィルタ1に向けて噴射させるよう消火剤供給系を動作させる制御器4を有するものである。
前者の排気浄化装置では、フィルタ1の発火を速やかに検知することが出来ると共に、その発火を検知したとき、作業者にその状態を速やかに知らせ、消火等の対処を促すことが出来る。また、後者の排気浄化装置では、フィルタ1の発火を検知したときに、自動的に消火剤をフィルタ1に吹き付けてごく初期の段階でのフィルタ1の消火を行うことが出来る。これら両者のタイプの排気浄化装置は統合することも出来る。すなわち、フィルタ1の発火を検知したときに、警報を発すると同時に、自動的に消火剤をフィルタ1に吹き付けて消火を行うようにすることも出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1は、本発明による火災発生検知機能を備えた排気浄化装置の一実施形態である。
【0012】
前述したように、核施設での放射能に晒された構造物、設備、機械、器具等に対する作業は、放射能の飛散を防止するため、いわゆるグリーンハウスと呼ばれる外部に対して仕切られた汚染拡散防止用の作業空間を設置し、その中で作業が行われる。図1において、左側の縦線はこのグリーンハウスである作業空間の内側と外側とを隔てる隔壁12を示す。
【0013】
この隔壁12には、空気吸入口14が設けられ、この空気吸入口14から作業空間外に気密な排気配管15が設けられている。この排気配管15はブロアや排気ポンプ等の排気機13に接続され、この排気機13の駆動により、排気配管15を通して作業空間内の空気が作業空間外に強制的に吸引排出される。この空気の吸引排出により、作業空間内は常に負圧に維持され、排気配管15以外の部分からその作業空間内の空気が作業空間外に漏れることはない。
【0014】
前記空気吸入口14から排気機13に至る排気配管15の途中には、フィルタ1、16が設けられている。図示の例では、フィルタ1、16が2段に設けられている。これらのフィルタ1、16は、排気配管15を通して作業空間内から作業空間外に排出する空気と共に作業空間内から排出されようとする金属屑や塵埃等の固形物を捕捉し、その作業空間外への排出を阻止する目的で挿入される。前述したように、HEPAフィルタ等の高性能フィルタが使用される。
【0015】
排気配管15には、第一段のフィルタ1の火炎や煙の発生を検知する火炎センサ2が設けられている。この火炎センサ2は、例えば熱電対や測温抵抗体等の接触型の温度計を使用することも出来るが、例えば図1に示すように、フィルタ1から若干離れた位置でその温度を測定出来る赤外線センサ等が適当である。この明細書において、「火炎センサ」とは、フィルタ1の温度を測定するものに限らず、フィルタ1の燃焼を検知する全てのセンサを含み、例えば炎センサや煙センサをも含むものである。
【0016】
この火炎センサ2は、変換器3に接続され、例えば火炎センサ2が温度センサの時は、そこで出力された信号を温度に返還し、温度表示を行う。また、制御器4を動作させる信号に変換して制御器4に出力する。
制御器4は、変換器3から送られてくる信号に対して或る程度の値で任意の設定値を設定出来るようになっている。この設定値は制御器4が制御信号を出力するためのしきい値となり、変換器3からこの設定値以上の信号が制御器4に入力すると、制御器4が制御信号を出力する。例えば、或る温度を設定値として設定し、火炎センサ2がそれ以上の温度を検知したときに制御信号を出力する。
【0017】
この火災発生検知機能を備えた排気浄化装置は、警報手段として、赤色回転灯等のランプ5とサイレン、ブザー、音声発生器等の警報器6を備えている。これらのランプ5と警報器6は、前記制御器4の出力信号により起動され、それぞれ動作する。
【0018】
さらにこの火災発生検知機能を備えた排気浄化装置は、消火剤タンク8とこの消火剤タンク8内の消火剤を電磁弁7を介して配管中に圧送するポンプ9を備えている。ポンプ9は、前記制御器4の出力信号により駆動を開始し、電磁弁7は、前記制御器4の出力信号により開かれる。電磁弁7に接続された配管は2つの消火剤ノズル10、11に接続されている。この消火剤ノズル10、11は、第1段のフィルタ1の前後の位置において排気配管15の中に挿入され、その消火剤ノズル10、11の噴射口は第1段のフィルタ1に向けられている。
【0019】
図2は、この火災発生検知機能を備えた排気浄化装置の動作を示すフロー図である。
フィルタ1は火炎センサ2により火炎の発生の有無が検知される。既に述べた通り、例えばフィルタ1の表面温度を監視する。この表面温度は変換器3で数値的に温度に相当する値に返還され、温度表示がなされる。また変換器3から出力される信号は制御器4に送られる。
【0020】
作業空間内から排気配管15を通してフィルタ1側に吸い込まれ、そのフィルタ1を通過した空気の中に、作業空間内で発生した火の粉等の火元となる固体が含まれていたため、フィルタ1が発火すると、その表面温度が上昇する。すると変換器3から制御器4に出力される信号も大となる。
【0021】
そこで、その信号が制御器4で設定された設定値以上の値になると、「温度異常」として制御器4の制御信号によりランプ5が点灯すると共に、警報器6が吹鳴し、近くにいる作業者等にフィルタ1の発火を知らせる。また、制御器4の制御信号によりポンプ9が起動すると共に、電磁弁7が開き、消火剤タンク8から消火剤ノズル10、11に消火剤が圧送され、この消火剤がフィルタ1の前後からそのフィルタに放射される。これによりフィルタの火炎が消火する。
【0022】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明による火災発生検知機能を備えた排気浄化装置では、フィルタ1に火災が生じたときに、いち早くこれを検知し、ランプ5や警報器6等の警報手段を作動させることが出来る。これにより、フィルタ1の発火を早期発見し、作業者へ周知できるため、その対処を迅速に行える。また同時にフィルタ1に向けて消火剤を噴射し、吹き付けることにより、フィルタ1が発火した場合でも、その消火を速やかに行い、ごく初期の段階で火災被害を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による火災発生検知機能を備えた排気浄化装置の一実施形態における排気浄化装置とその火災発生検知、警報及び消火設備を示す系統図である。
【図2】火災発生検知機能を備えた排気浄化装置の一実施形態における動作のフロー図である。
【符号の説明】
1 フィルタ
2 火炎センサ
5 ランプ
6 警報器
4 制御器
7 電磁弁
8 消火剤タンク
9 ポンプ
10 消火剤ノズル
11 消火剤ノズル
13 排気機
15 排気配管
Claims (2)
- 閉じられた空間である作業空間内の空気を排気機(13)により作業空間外に強制排出する排気配管(15)と、この排気配管(15)の途中に設けられ、排気中に含まれる微細な固形物質を捕捉し、排気中から除去するフィルタ(1)を備えた排気浄化装置において、フィルタ(1)の温度を監視する火炎センサ(2)と、この火炎センサ(2)がフィルタ(1)の発火を検知したとき視覚的及び/または聴覚的に人にその状態を知らせる警報手段を作動させる制御器(4)とを有することを特徴とする火災発生検知機能を備えた排気浄化装置。
- 閉じられた空間である作業空間内の空気を排気機(13)により作業空間外に強制排出する排気配管(15)と、この排配管(15)の途中に設けられ、排気中に含まれる微細な固形物質を捕捉し、排気中から除去するフィルタ(1)を備えた排気浄化装置において、フィルタ(1)の温度を監視する火炎センサ(2)と、この火炎センサ(2)がフィルタ(1)の発火を検知したとき消火剤ノズル(10)、(11)に消火剤を圧送し、これをフィルタ(1)に向けて噴射させるよう消火剤供給系を動作させる制御器(4)とを有することを特徴とする火災発生検知機能を備えた排気浄化装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003030543A JP2004240809A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 火災発生検知機能を備えた排気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003030543A JP2004240809A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 火災発生検知機能を備えた排気浄化装置 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2004240809A (ja) |
Cited By (3)
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