JP2000042446A - 電気集塵機の制御回路 - Google Patents

電気集塵機の制御回路

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JP2000042446A
JP2000042446A JP22853898A JP22853898A JP2000042446A JP 2000042446 A JP2000042446 A JP 2000042446A JP 22853898 A JP22853898 A JP 22853898A JP 22853898 A JP22853898 A JP 22853898A JP 2000042446 A JP2000042446 A JP 2000042446A
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Masayuki Okamoto
正行 岡本
Takahiro Konno
貴博 今野
Hidetoshi Wakana
英俊 若菜
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、スパークの発生を検知して、供給
電源を遮断し、集塵機の入口側と出口側のガスの温度差
により火災を感知して、供給電源を遮断し、消火作動を
制御し、総合的に着火の防止と、消火作動を行なう制御
回路を得ることを目的とする。 【解決手段】 電気集塵機の制御回路であって、スパー
クの発生回数を計数し、所定値を超えたとき供給電源を
遮断する回路と、供給ガスの入口側温度と出口側温度と
を検出し、その温度差が設定値を超えたとき供給電源を
遮断すると共に、ガス供給側との連通を遮蔽し、さら
に、消火装置を作動する回路とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気集塵機の制御
回路に関するものであり、特に集塵機内で発生する火災
を感知し、電気集塵機への供給電源を遮断し、消火対策
を講じる電気集塵機用の制御回路に係わる。
【0002】
【従来の技術】ガス中に含塵される微細粒子を効率よく
捕集する装置として、放電極よりガス中にコロナ放電さ
せ、微細粒子を電化し、これを集塵極に捕集させる電気
集塵機が知られており、各工場やビル空調設備等で広く
使用されている。この電気集塵機の集塵極に捕集物が付
着堆積したり、リントのような大型の異物が飛散してく
ると、放電極から集塵極の堆積物に向けて、スパーク等
の異常放電が生じることがある。
【0003】このスパーク等の異常放電が生じた場合、
比較的放電が長くなり、例えば、オイルミストヒューム
の集塵等も行なわれているが、堆積物がこのような可燃
性であると、付着物に引火し、火災が発生する危険性が
あった。このため、従来から出力電圧の低下や過電流を
検出し、異常放電を検知して電源を遮断し、スパークに
よる付着物への着火を阻止することが行なわれている。
また、集塵機内の温度検知により、火災の発生を検知し
た場合には、集塵機内に設けたスプリンクラーを作動し
て消火することも行なわれている。
【0004】しかし、これ等の対応は夫々が独自の手段
として構成されたものであって、総合的にスパークの検
知から、供給電源を遮断して着火を防止し、火災にいた
った場合には供給電源を遮断すると共に、ガス供給側と
の連通を遮蔽し、また、消火作動を施すと云う一連の対
応を図ったものではなかった。
【0005】また、この種の集塵機は工場建屋の外に別
置され、被処理ガスのみがダクトを通して送られてくる
ようになっているのが普通である。そして、火災発生時
最も注意を要するのは、ダクトを通じ火災が建屋内に逆
行するのを防ぐことである。また、着火性の高いミスト
を含むガスを取り扱うときには、火災の発生を迅速に検
知し、即座に消火の対策をとる必要があるが、このよう
な点でも充分な対策を施したものはなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スパークの
発生を検知して、供給電源を遮断し、火災の発生を防止
すると共に、集塵機の入口側および出口側のガス温度を
検出し、その温度差により火災を感知して、供給電源を
遮断し、ガス供給側との連通を遮蔽し、かつ、消火作動
を制御するようにして総合的に着火の防止と、消火作動
を行なう制御回路を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】スパークの発生を検知し
て、最初のスパーク発生から一定周期内における発生回
数を計数し、発生回数が設定値を超えたとき供給電源を
遮断する回路と、集塵機に対する供給ガスの入口側温度
と出口側温度を検出し、その温度差が設定値を超えたと
き供給電源を遮断すると共に、ガス供給側との連通を遮
蔽し、消火装置を作動させる回路とを設けた。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
説明する。図1は本発明による制御回路を備えた電気集
塵機の概略図である。1は塔状の集塵機本体である。2
は本体1の下部に連通する入口ダクトであり、3は入口
ダクト2に設けられたダンパである。4は本体1の上部
に連通する出口ダクトであり、3′は出口ダクト4に設
けられたダンパ、5は出口ダクト4に連結して設けられ
た吸引ファンである。
【0009】6は本体1内に縦方向に設けられた集塵極
であり、例えば、30〜150mm角パイプが使用され
ている。7は集塵極6内に配された放電極であり、例え
ば、10〜30mmφパイプが使用されており、図2に
示すごとく先端には、0.1〜1mmφワイヤー等の針
状放電部8を有している。因みに、放電極7には4〜2
5KVの電圧がかけられ、これにより放電部8には0.
01〜0.1mA程度の電流が発生する。なお、集塵極
としては角パイプの外、平板極板を本体内に平行に配置
したもの等も使用される。
【0010】9は入口ダクト2にセットされた温度セン
サであり、集塵機に供給されるガスの温度を計つてい
る。10は出口ダクト4にセットされた温度センサであ
って、集塵機より排出されるガスの温度を計っている。
11は温度センサ9、10より入口側ガスと出口側ガス
の温度信号の入力を受ける差温検知制御回路である。
【0011】12は消火ガスボンベであり、差温検知制
御回路11よりの差温検知信号によって弁が開閉作動さ
れるようになっている。13は出口ダクト4の拡張部に
セットされた消火ガスノズルであって、前記消火ガスボ
ンベ12に連結されている。また、差温検知制御回路1
1の差温検知信号は電源制御回路14、ダンパ3、3′
および吸引ファン5の制御部にも入力されている。
【0012】図3は電源制御回路14を示している。供
給電源15より供給される電源はソリッドステートリレ
ー17を通して高圧発生部18において高圧電源とされ
て、放電極7に供給される。16はソリッドステートリ
レーの駆動回路であって、該ソリッドステートリレー駆
動回路16によりソリッドステートリレー17がON、
OFF制御され、電源の供給が制御される。
【0013】19は出力電圧低下検知回路であって、高
圧側の電圧を検知しており、集塵部で完全短絡したり、
絶縁が落ちてリークしたりする等の状態に至ったときに
は、検出遅延時間(1〜2秒程度)後に、その信号をソ
リッドステートリレー駆動回路16に入力し、該ソリッ
ドステートリレー駆動回路16の作動によってソリッド
ステートリレー17をOFFにして供給電源を遮断する
ようになっている。この場合、数秒後にソリッドステー
トリレー17をONに復帰し、再度出力電圧の検出を行
い電圧が低下状態にあれば、ソリッドステートリレー1
7をOFFにする。電圧低下の原因が解消するまでこの
状態を繰り返す。
【0014】20は過電流検知回路であって、同じく高
圧側の過電流を検知しており、過電流の発生を検知した
ときはソリッドステートリレー駆動回路16に過電流信
号を入力し、該ソリッドステートリレー駆動回路16の
作動によりソリッドステートリレー17をOFFにして
供給電源を遮断するようになっている。この場合スパー
クの発生による過電流は瞬間的なものであるからソリッ
ドステートリレー17はON、OFFを繰り返すことと
なる。
【0015】出力電圧低下検知及び過電流検知によるソ
リッドステートリレー17のON、OFFの繰り返し
は、集塵対象とするガスミストが着火しにくいものであ
れば、火災面からはさして問題ではなく、このため、普
通ON、OFFの繰り返しが所定時分(例えば、2分間
程度)続いてから異常と判断して、供給電源を完全に遮
断するように回路が設定されている。
【0016】さて、本発明ではスパーク検知制御回路2
1を設けている。スパーク検知制御回路21は、ソリッ
ドステートリレー17の後段に連結され、ソリッドステ
ートリレー17のON、OFFの状態を入力し、計数し
ている。つまり、過電流の発生回数をカウントしてい
る。22はスパーク検知制御回路21の制御リレーであ
って、ソリッドステートリレー駆動回路16の回路用電
源中に設けられている。
【0017】また、本発明では差温検知制御回路11を
設けている。差温検知制御回路11では、入口ダクト2
にセットされた温度センサ9により計られた入口側ガス
の温度と、出口ダクト4にセットされた温度センサ10
により計られた出口側ガスの温度とを比較して差温を検
知している。
【0018】23は差温検知制御回路11の制御リレー
であって、ソリッドステートリレー駆動回路16の回路
用電源中に設けられている。また、差温検知制御回路1
1は、入口ダクト2に設けたダンパ3の制御部、出口ダ
クト4に設けたダンパ3′の制御部及び吸引ファン5の
制御部、さらに消火ガスボンベ12の制御部にも作動を
司令するよう連結されている。
【0019】本発明の構成は以上の通りであって、次
に、その作用について説明する。まず、スパークの発生
時は過電流状態となるため、過電流検知の作動をスパー
クの発生回数とみなすことができる。スパーク検知制御
回路21によってこのスパークの発生を検知している。
スパークは、集塵極に捕集された塵埃に向かってスパー
クするが、このような異常放電のときは、放電時間が比
較的長くなるので、スパークが集中して重なると塵埃が
着火して火災となる危険性がある。
【0020】従って、最初のスパーク発生から一定周期
内で過電流作動を計数して、その回数が所定の回数を超
えたとき、例えば、1秒間に2カウント以上計数したと
きは着火の危険性ありとする。なお、一定の周期、所定
のカウント数は、取り扱うガスの種類、電気集塵機の容
量等に応じて予め設定してある。火災の危険性ありとの
判断になった場合、スパーク検知制御回路21は、制御
リレー22をOFFにして、ソリッドステートリレー駆
動回路16の作動を停止し、ソリッドステートリレー1
7をOFFとして供給電源を遮断する。
【0021】一方、集塵機本体の入口側のガス温度と出
口側のガス温度に温度差が生じていると云うことは、集
塵機本体内で、既に火災が発生している状況にある。差
温検知制御回路11は、入口側温度センサ9と出口側温
度センサ10からの温度信号を入力して両者を比較して
おり、差温が所定値、例えば5度を超えたときには高圧
電源回路に司令を出し、制御リレー23をOFFにし
て、ソリッドステートリレー駆動回路16の作動を停止
し、ソリッドステートリレー17をOFFとして供給電
源を遮断する。
【0022】また、同時に差温検知制御回路11は、消
火ガスノズルボンベ12の弁開放作動を司令し、ノズル
13よりガスを噴射して火災消火にあたり、ダンパ3、
3′の閉じ作動を司令し、ガス供給側との連通を遮蔽す
る。吸引ファン5の運転停止作動を司令し、火災の増大
を防止する。なお、図示していないが、差温検知信号は
火災警報を発するようにもなっている。
【0023】なお、差温検知制御回路11における差温
の検知を2段階に設定することも可能である。例えば、
差温が5度を超えたとき初期差温検知信号を出すように
し、この初期差温検知信号によっては制御リレー23を
OFFにして、供給電源を遮断すると共に、ダンパ3、
3′を閉じ、吸引ファン5の運転を停止する。そして、
例えば、差温が10度を超えたときには緊急差温検知信
号を出すようにし、この緊急差温検知信号によっては消
火ガスボンベ12の弁を開放して、消火ガスをノズル1
3より噴射させるようにする。
【0024】このように、差温検知を2段階に設定し、
消火作動も段階的にすると、部分的に着火しても初期差
温検知信号による作動、つまり供給電源の遮断、ダンパ
の閉鎖、吸引ファンの停止によつて大きな火災に広がら
なかった場合には、消火ガスボンベの作動までは行なわ
ずに済むことになる。このため、消火後の復帰作業が比
較的簡単になる。
【0025】また、前述の差温検知制御回路11の司令
によりOFFとなった制御リレー23は、作業員によつ
て、火災の発生状態が充分に確認されて、完全に安全な
状態になってから、人手によって復帰するようにしてい
る。
【0026】なお、上記実施例の説明においては、入口
側のガス温度と出口側のガス温度との差温を検出して火
災を検知するようにしたが、出口ダクトに設けた温度セ
ンサにより、出口側のガス温度の時間変化による差温を
検出して火災を検知することも可能である。この場合
は、常に出口側のガス温度を計測しており、所定時間
(例えば1〜2秒)前の温度と比較して差温を検出し、
その差温が所定温度(例えば10度)を超えたときには
火災発生と認識するようにすればよい。
【0027】
【発明の効果】スパーク検知制御回路21によってスパ
ークの発生を検知し、一定周期におけるスパーク回数を
計数して所定回数を超えたときは、放電極に対する供給
電源を遮断するので、スパークの発生を抑え火災の発生
を防止できる。差温検知制御回路11により火災が検知
されたときは、供給電源を遮断すると共に、消火作動を
行なうことができ、火災の予防、火災の検知そして火災
の消火と云う一連の対策が講じられ、電気集塵機の安全
運転性が極めて向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による制御回路を用いた電気集塵機の概
略図。
【図2】放電極と集塵極の概略図。
【図3】本発明の電源供給回路の概略図。
【符号の説明】
1 集塵機本体 12 消火ガスボンベ 2 入口ダクト 13 消火ガスノズル 3、3′ ダンパ 14 電源制御回路 4 出口ダクト 15 供給電源 5 吸引ファン 16 ソリッドステート
リレー駆動回路 6 集塵極 17 ソリッドステート
リレー 7 放電極 18 高圧発生部 8 針状放電部 19 出力電圧低下検知
回路 9 入口ガス温度センサ 20 過電流検知回路 10 出口ガス温度センサ 21 スパーク検知制
御回路 11 差温検知制御回路 22、23 制御リレ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若菜 英俊 神奈川県平塚市久領堤1番37号 日本エア ー・フィルター株式会社内 Fターム(参考) 4D054 AA01 AA09 BA01 BB02 BB04 BC06 CA08 CA09 CA14 CA17 EA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定周期内におけるスパーク発生回数を計
    数し、設定回数以上となったとき放電極への電源供給を
    遮断するスパーク検知制御回路と、入口ダクトのガス温
    度と出口ダクトのガス温度との差温を検知し、差温が設
    定温度以上となったとき放電極への電源供給を遮断し、
    消火作動を制御する差温検知制御回路とを備えたことを
    特徴とする電気集塵機の制御回路。
  2. 【請求項2】供給電源の過電流検知の作動を計数してス
    パーク発生回数とすることを特徴とする請求項1記載の
    電気集塵機の制御回路。
  3. 【請求項3】消火作動として、ダンパを閉じ、吸引ファ
    ンを停止し、消火ガスボンベの弁を開くことを特徴とす
    る請求項1記載の電気集塵機の制御回路。
  4. 【請求項4】差温検知制御回路における差温設定温度を
    2段階に設定し、供給電源を遮断し、ダンパを閉じ、吸
    引ファンを停止する作動と、消火ガスボンベの弁を開く
    作動とを2段階に作動するようにしたことを特徴とする
    請求項1記載の電気集塵機の制御回路。
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