JP2004239759A - 光学系の偏心測定装置と偏心測定方法 - Google Patents

光学系の偏心測定装置と偏心測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学系の製作誤差や組立誤差や経時変化等に起因する測定誤差の少ない偏心測定装置を提供する。
【解決手段】偏心測定装置100は、光束134を射出する光源112と、光束134を被測定面120に照射する測定光学系114と、被測定面120からの反射光束136を光束134から分離するハーフミラー116と、反射光束136の反射像を受光する受光素子118と、被測定面120を移動させるシフトステージ144と、被測定面120の移動量を測定するリニアスケール146と、受光素子118上における反射像の移動量を検出する反射像移動量検出部152と、反射像の結像倍率を算出する結像倍率算出部154と、反射像移動量検出部152からの情報と結像倍率算出部154からの情報に基づいて被測定面120の偏心を算出する偏心算出部156とを有している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学系の偏心を測定する偏心測定装置と偏心測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学系の偏心量を測定する手法として、従来より、オートコリメーション法による偏心測定法が知られている。オートコリメーション法による偏心測定法は例えば特開平7−260623号に開示されている。図7は、そのようなオートコリメーション法による偏心測定装置の基本構成を概略的に示している。
【0003】
図7において、偏心測定装置500は、測定用の光束534を射出する光源512と、光源512からの光束534を被測定面520に照射する測定光学系514と、被測定面520で反射された光束536を光源512から射出された光束534から分離するハーフミラー516と、被測定面520による反射像を受光する受光素子518とを有している。光源512と受光素子518は互いに共役な位置関係で配置されている。
【0004】
光源512から射出された光束534は、ハーフミラー516を透過し、測定光学系514により集光され、被測定面520に照射される。測定光学系514と被測定面520は、被測定面520の曲率中心522を通り光軸532に直交する平面上においてビームスポットが最小になるように、光軸532に沿った位置が調整される。被測定面520に照射された光束534は、その一部が被測定面520で反射される。被測定面520で反射された光束536は、測定光学系514を経由し、ハーフミラー516で反射され、受光素子518上に、被測定面520による反射像524を形成する。
【0005】
被測定面520の曲率中心522が測定光学系光軸532上にあるときには、被測定面520による反射像524は基準像位置526に形成されるが、図示のように、曲率中心522が測定光学系光軸532からδだけずれている(すなわち被測定面が偏心している)ときには、被測定面520による反射像524は基準像位置526からδだけずれた位置に形成される。この場合、被測定面による反射像の結像倍率(測定光学系の倍率と反射による倍率(等倍反射像を利用するこのタイプでは2となる)より算出される)をβとすると、δ=βδの関係が成立する。従って、受光素子518上での被測定面による反射像524の基準像位置526からのずれ量δを測定することにより、この式から被測定面520の偏心量δを求めることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−260623号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来例では、結像倍率βを偏心測定装置の測定光学系の倍率の設計値と、反射による倍率の設計値とから演算によって求めている。
【0008】
しかし、偏心測定装置の製作誤差や組立誤差、組立後の経時変化等によって、測定光学系の焦点距離が設計値と変わったり、光源と受光素子が共役な位置から微妙にずれたりすると、実際の結像倍率βは、前述したように演算によって求められたβに対して誤差をもつようになる。その場合、前述の算出式によって求められる被測定面の偏心量δに誤差が生じる。
【0009】
特に、被測定面の見かけの曲率半径が小さいほど、倍率の誤差による偏心測定誤差は大きくなる傾向にある。このため、内視鏡の光学系やデジタルカメラの光学系等の曲率半径の小さい光学系を測定する場合に、測定誤差の影響は無視できない。
【0010】
このような不具合は、前述したようなオートコリメーション法による被測定面の等倍の反射像を利用した偏心量の測定に限られるものではなく、被測定面の不等倍の反射像を利用した偏心量の測定(反射による倍率が変化する)においても同様の不具合が生じる。
【0011】
本発明の目的は、偏心測定装置の光学系の製作誤差や組立誤差や組立後の経時変化等に起因する測定誤差の少ない偏心測定方法と偏心測定装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ひとつには、光学系中の被測定面の偏心を測定する偏心測定装置に向けられている。本発明の偏心測定装置は、測定用の光束を射出する光源と、光源からの光束を被測定面に照射する測定光学系と、被測定面で反射された光束の像を受光する受光素子と、受光素子上の反射像の結像倍率を測定する結像倍率測定手段と、受光素子上における反射像の基準像位置からのずれ量と測定された結像倍率に基づいて被測定面の偏心量を算出する偏心算出部とを備えている。結像倍率測定手段は、例えば、被測定面を光軸に略直交する方向に移動させる被測定面移動手段と、被測定面の移動量を測定する測長手段と、被測定面の移動の前後の受光素子上における被測定面による反射像の移動量を検出する反射像移動量検出部と、測長手段で検出された被測定面の移動量と反射像移動量検出部で検出された反射像の移動量とから結像倍率を算出する結像倍率算出部とを有している。
【0013】
本発明は、ひとつには、光学系中の被測定面の偏心を測定する偏心測定方法に向けられている。本発明の偏心測定方法は、被測定面に光束を照射する工程と、被測定面で反射された光束の像を受光する工程と、反射像の結像倍率を測定する工程と、反射像の基準像位置からのずれ量を測定する工程と、測定された結像倍率と測定されたずれ量から被測定面の偏心量を算出する工程とを有している。反射像の結像倍率を測定する工程は、例えば、被測定面を光軸に略直交する方向に移動させる工程と、被測定面の移動量を測定する工程と、移動の前後の反射像の移動量を測定する工程と、測定された被測定面の移動量と測定された反射像の移動量とから結像倍率を算出する工程とを有している。被測定面を移動させる工程は、例えば、反射像の移動量の測定のばらつきに対して十分に大きく被測定面を移動させる。被測定面を移動させる工程は、例えば、被測定面の反射像が基準像位置に来るように、被測定面を移動させる。被測定面を移動させる工程は、例えば、被測定面の反射像が基準像位置に対して点対称の位置に来るように、被測定面を移動させる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は本実施形態の偏心測定装置の構成を概略的に示している。図1において、偏心測定装置100は、測定用の光束134を射出する光源112と、光源112からの光束134を被測定面120に照射する測定光学系114と、被測定面120で反射された光束136を光源112から射出された光束134から分離するハーフミラー116と、被測定面120による反射像を受光する受光素子118とを有している。
【0016】
光源112と受光素子118は、測定光学系114を介して、被測定面120に対して互いに共役な位置関係で配置されている。受光素子118は例えばCCDで構成される。しかし、受光素子118は、CCDに限定されるものではなく、被測定面120による反射像を検知し得る機能を有してさえいればよく、そのような機能を有する他の適当な素子で構成されてもよい。例えば、受光素子118はPSDやCMOSセンサなどで構成されてもよい。また、ハーフミラー116は、光源112からの光束134と被測定面120からの反射光束136とを分離し得る他の光学デバイス、例えば、1/4波長板と偏光ビームスプリッタとで構成された光学デバイスと置き換えられてもよい。
【0017】
偏心測定装置100は、さらに、被測定面120を保持している鏡枠142と、鏡枠142すなわち被測定面120を移動させるシフトステージ144と、鏡枠142すなわち被測定面120の移動量を測定するリニアスケール146とを有している。
【0018】
シフトステージ144は、被測定面120を、光軸132を横切る方向に、より好ましくは、光軸132に直交する方向に移動させる。被測定面120の移動は、受光素子118上に形成される反射像の移動を引き起こす。
【0019】
ここで、光軸132とは、被測定面120が全く偏心していない状態において、光源112から被測定面120を経て受光素子118に到達する光束の主光線の軌跡を言う。
【0020】
シフトステージ144は、被測定面120を移動させる被測定面移動手段を構成している。しかし、被測定面移動手段は、シフトステージに限定されるものではなく、被測定面120を移動できさえすれば、どのような構成であってもよい。例えば、被測定面移動手段は、ステッピングモータとボールねじとリニアガイドとで構成されてもよい。また、被測定面移動手段は、電動で駆動されても手動で駆動されてもよい。
【0021】
リニアスケール146は、被測定面120の移動量を測定する測長手段を構成している。しかし、測長手段は、リニアスケールに限定されるものではなく、被測定面120の移動量を測定できさえすれば、どのような構成であってもよい。例えば、測長手段は、レーザー測長器で構成されてもよく、また、シフトステージを駆動するステッピングモータのパルス数をカウントする構成であってもよい。
【0022】
偏心測定装置100は、さらに、受光素子118からの情報に基づいて受光素子118上における反射像の移動量を検出する反射像移動量検出部152と、リニアスケール146からの情報と反射像移動量検出部152からの情報に基づいて受光素子118上の反射像の結像倍率を算出する結像倍率算出部154と、反射像移動量検出部152からの情報と結像倍率算出部154からの情報に基づいて被測定面120の偏心を算出する偏心算出部156とを有している。
【0023】
反射像移動量検出部152は、被測定面120の移動の前後において、受光素子118の出力から受光素子118上における反射像の位置を求めると共に、被測定面120の移動によって引き起こされる受光素子118上における反射像124の移動の量を求める。結像倍率算出部154は、反射像移動量検出部152で求められた反射像124の移動量とリニアスケール146で測定された被測定面120の移動量とに基づいて、受光素子118上の反射像の結像倍率を算出する。偏心算出部156は、反射像移動量検出部152で求められた被測定面120の移動前の受光素子118上の反射像124の基準像位置126からのずれ量と、結像倍率算出部154で算出された結像倍率とに基づいて、被測定面120の曲率中心122の偏心量(光軸132からのずれ量)を算出する。
【0024】
ここで、基準像位置とは、被測定面120が全く偏心していない状態において、被測定面120からの反射光束136より受光素子118に形成される反射像126の位置を言う。
【0025】
基準像位置126は様々な手法によって求められる。例えば、光軸132に沿った測定光学系114と被測定面120の相対的な位置を、光源112からの光束134が被測定面120に収束するように調整することにより求められる。この状態では、被測定面120上の光束134の集光位置と基準像位置126が共役となるため、その反射光束は、受光素子118の基準像位置に、被測定面120による反射像124を形成する。従って、受光素子118の出力から、被測定面120による反射像124の座標を求めることにより、基準像位置の座標が求められる。
【0026】
基準像位置を求める別の手法として、被測定面を略光軸中心に回転させることにより、受光素子上で反射像を回転させ、その回転中心の座標を求め、これを基準像位置の座標としてもよい。また、被測定面を回転させる代わりに、測定光学系と被測定面の間に光偏向部材を挿入し、その後段にイメージローテータと反射ミラーを配置し、イメージローテータを回転させることにより、反射ミラーからの反射像を受光素子上で回転させてもよい。
【0027】
シフトステージ144とリニアスケール146と結像倍率算出部154は、受光素子118上の反射像の結像倍率を測定する結像倍率測定手段を構成している。言い換えれば、偏心測定装置100は、受光素子118上の反射像の結像倍率を測定する結像倍率測定手段を含んでおり、結像倍率測定手段は、シフトステージ144とリニアスケール146と結像倍率算出部154とから構成されている。
【0028】
結像倍率測定手段は、シフトステージ144が略直交する二本の軸に沿って移動し得るXYシフトステージで構成され、それら二本の軸の各々に関する結像倍率を測定してもよい。
【0029】
偏心測定装置100において、光源112から射出された光束134は、ハーフミラー116を透過し、測定光学系114により集光され、被測定面120に照射される。測定光学系114と被測定面120は、被測定面120の曲率中心を通り光軸132に直交する平面上において、言い換えれば、被測定面120からその曲率半径に相当する距離だけ後方の光軸132上の位置において、ビームスポットが最小になるように、光軸132に沿った相対的な位置が調整される。被測定面120に照射された光束134は、その一部が被測定面120で反射される。被測定面120で反射された光束136は、測定光学系114を経由し、ハーフミラー116によって被測定面120に向かう光束134から分離される。ハーフミラー116で分離された反射光束136は、測定光学系114の収束作用により、受光素子118上に、被測定面120による反射像124を形成する。
【0030】
反射像移動量検出部152は、受光素子118の出力に基づいて、被測定面120による反射像124の座標(x,y)を検出する。反射像移動量検出部152は、さらに、被測定面120による反射像124の座標(x,y)と基準像位置126の座標(x、y)とに基づいて、δ=((x−x+(y−y1/2に従って、受光素子118上の反射像124の基準像位置126からのずれ量δを求めると共に、θ=tan−1((y−y)/(x−x))に従って、受光素子118上の反射像124の基準像位置126からのずれの方向θを求める。
【0031】
次に、被測定面120を保持する鏡枠142が、シフトステージ144によって、偏心測定装置100の光学系の光軸132に略直交する方向148に移動される。被測定面120が光軸132に対して移動したことにより、被測定面120の曲率中心122は符号122’で示される位置に移動する。被測定面120の曲率中心122の移動量δ1’はシフトステージ144の移動量に等しく、シフトステージ144の移動量はリニアスケール146によって測定される。
【0032】
また、被測定面120の曲率中心122の移動に対応して、被測定面120の反射像124は符号124’で示される位置に移動する。移動後の被測定面120による反射像124’の座標(x,y)は、反射像移動量検出部152によって検出される。反射像移動量検出部152は、先に検出した被測定面120による反射像124の座標(x,y)と移動後の被測定面120による反射像124’の座標(x,y)とから、前述した手法と同様にして、受光素子118上における反射像の移動量δ3’を求める。
【0033】
結像倍率算出部154は、リニアスケール146によって測定された被測定面120の曲率中心122の移動量δ1’と、反射像移動量検出部152によって求められた受光素子上の反射像124の移動量δ3’とから、受光素子118上の反射像の結像倍率を算出する。
【0034】
被測定面120の偏心量δと受光素子118上の反射像124の基準像位置126からのずれ量δとの間には、δ=βδ(βは被測定面による反射像の結像倍率の設計値)の関係が成り立つ。また、被測定面の移動量δ1’と受光素子上の反射像の移動量δ3’の間にも、同様の関係δ3’=βδ1’が成り立つ。前述したように、被測定面の曲率中心の移動量δ1’と受光素子上の反射像の移動量δ3’は共に既に測定されている。従って、被測定面120による反射像の結像倍率βは、β=δ3’/δ1’に従って算出され得る。ここで、区別のため、被測定面の移動量δ1’と受光素子上の反射像の移動量δ3’から求めたβの値(つまり、被測定面による反射像の結像倍率の実測値)をβ’とおく。
【0035】
結像倍率算出部154は、このように算出した被測定面120による反射像124の結像倍率の実測値β’の情報を偏心算出部156に送る。偏心算出部156は、受け取った反射像124の結像倍率の実測値β’と、反射像移動量検出部152で先に求められた被測定面120の移動前の受光素子118上の反射像124の基準像位置126からのずれ量δとから、δ=β’δの計算式に基づいて、被測定面120の偏心量δを算出する。結像倍率算出部154は、さらに、反射像移動量検出部152で求められた受光素子118上の反射像124の基準像位置126からのずれの方向θから、偏心の方向θを求める。
【0036】
このように、本実施形態では、被測定面に光束を照射し、被測定面で反射された光束の像を受光し、反射像の結像倍率を測定し、反射像の基準像位置からのずれ量を測定し、測定した結像倍率と測定したずれ量から被測定面の偏心量を算出している。また、反射像の結像倍率は、被測定面を光軸に略直交する方向に移動させ、被測定面の移動量を測定し、移動の前後の反射像の移動量を測定し、測定された被測定面の移動量と測定された反射像の移動量とから結像倍率を算出することによって測定される。
【0037】
本実施形態の偏心測定装置100によれば、実際の測定時の被測定面による反射像の結像倍率を実測し、その実測値を用いて偏心量を算出しているので、結像倍率の設計値を用いた偏心測定と比較して、被測定面の偏心量を少ない誤差で測定することができる。つまり、偏心測定装置100は、偏心測定装置の光学系の製作誤差、偏心測定装置の組立誤差、組立後の経時変化等に起因する偏心測定誤差が小さい
上述した実施形態では、一つの被測定面の測定について述べたが、多数個のレンズを備えたレンズ鏡枠、すなわち、より多くの面を備える被測定光学系についても、前述したように一つの面の偏心測定を行なった後、シフトステージ144を元の位置に移動させて被測定光学系を初期位置(反射像124が形成される位置)に戻し、他の面についても再度同様の測定を行なう、という操作を順次繰り返すことにより、それぞれの面の偏心測定を精度良く行なうことができる。
【0038】
初期位置に戻すためには、リニアスケール146の測長値を利用しても、受光素子の出力画像の反射像124の座標を利用してもよい。また、結像倍率測定の操作は全ての面について行なう必要はなく、より高精度な偏心測定が必要な被測定面(多数個のレンズからなる組立てレンズにおいて偏心が性能に大きな影響を及ぼす面など)のみについて行なうようにしてもよい。
【0039】
同一の設計の被測定光学系を連続して複数個測定する場合には、はじめに被測定光学系の各面における結像倍率の測定値を記憶しておき、それ以降の測定には、それぞれの面の測定値を使用して測定してもよい。これにより、偏心測定精度を大きく低下させることなく測定時間を短縮できる。
【0040】
前述した結像倍率の測定を複数回行なって、その平均値を結像倍率とするとよい。これにより、結像倍率の測定精度を向上させることができる。その場合、シフトステージによる移動量は、一定でも、変化させてもよい。
【0041】
当然ながら、結像倍率の測定精度は、受光素子上での反射像の座標の測定のばらつきと、シフトステージの移動量の影響を受ける。
【0042】
一例として、仮に、反射像の座標の測定のばらつきを±0.01mm、移動前の反射像の座標の真値(測定誤差を含まない正しい値)を0.1mm、移動後の座標の真値を0.3mmとする。その場合、反射像の座標の測定のばらつきによって、移動前の座標は0.1±0.01mm、移動後の座標は0.3±0.01mmというばらつきを持って測定される。さらに、そのときのシフトステージの移動量を仮に0.05mmとすると、そのときの結像倍率の測定値は、前述の計算式β’=δ3’/δ1’より、β’=((0.3±0.01)−(0.1±0.01))/0.05=4±0.4となる。
【0043】
これより、この条件の場合、反射像の座標の測定のばらつきとシフトステージの移動量により、結像倍率の測定値は真値4に対して0.4、すなわち10%の測定のばらつきをもつのがわかる。ここで、計算式より明らかに、反射像のスポットの重心座標の測定のばらつきが小さいほど、また、移動量が大きいほど、結像倍率の測定精度がよくなるといえる。
【0044】
しかし、反射像の重心座標の測定のばらつきは、偏心測定装置の性能によって決定し、容易には向上できないことが多い。よって、反射像の重心座標の測定のばらつきを予め測定しておき、移動量をそれに対して十分大きくするとよく、これにより、高精度の結像倍率測定を行なうことができる。具体的には、結像倍率の測定のばらつきが、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下となるように、移動量を決定するとよい。
【0045】
以上のことから、測定を行なう際の、被測定面の曲率中心の偏心量δin(図1で述べると、移動前はδ、移動後はδ+δ1’となる)と、受光素子上の反射像の基準像位置からのずれ量δout(図1で述べると、移動前はδ、移動後はδ+δ3’となる)の関係が、図2に示されるように、線形な場合は、移動量を十分大きくすることにより、高精度の倍率測定が行なえる。
【0046】
しかし、一般に光学系は収差をもっており、光線が光学系の周辺部を通るほど、収差は大きくなる。このため、測定光学系の周辺部を通る被測定面からの反射光は収差の影響を受け、δinとδoutの関係は、図3に示されるように、非線形になる。特に、図4(a)と図4(b)を見比べて分かるように、曲率半径が大きい被測定面と曲率半径が小さい被測定面とを比較した場合、同じ大きさのδinに対して、曲率半径が小さい被測定面の方が曲率半径が大きい被測定面よりも、そこで反射される光線の角度が大きいため、収差の影響が生じ易い。
【0047】
図5に示されるように、δinとδoutの関係が非線形である場合において、移動前のδinとδoutをそれぞれδとδとし、δを−δ1’だけ移動させたことにより、δoutがδ−δ3’になったとする。つまり、図5において、座標A(δ,δ)を座標A’(δ−δ1’,δ−δ3’)に移動させたとする。この場合、結像倍率の計算式β=δ3’/δ1’に従って測定される結像倍率βは、直線AA’の傾きとなる。この結像倍率βを、前述と同様に、偏心量の計算式δ=βδに適用すると、求まる偏心量は、直線aにおいてδout=δに対するδinの値、すなわちδ1aとなり、実際の偏心量δに対して誤差を持ってしまう。
【0048】
δinとδoutの関係が非線形である場合に、このような誤差の発生を避けるには、δout=0となるように、被測定面の移動を行なうとよい。言い換えれば、被測定面の反射像が基準像位置に来るように、被測定面を移動させるとよい。この場合、図6に示されるように、移動後の座標がO(0,0)となり、測定される結像倍率は直線AOの傾きとなる。これにより、収差の影響を含めた結像倍率を測定することになるが、求まる偏心量は、直線AOにおいてδout=δに対するδinの値、すなわちδ1a=δとなり、偏心測定誤差が小さくできる。
【0049】
また、収差の影響は、光学系が回転対称形状であることにより、多くの場合、光軸対象の形となるので、移動後にδin=−δとなるように、−2δだけ移動させてもよい。言い換えれば、被測定面の反射像が基準像位置に対して点対称の位置に来るように、被測定面を移動させるとよい。この場合も、図6から容易に分かるように、測定される結像倍率は直線AOの傾きとなり、偏心測定誤差が小さくできる。
【0050】
なお、収差の影響の有無は、光線追跡ソフトウェアにより確認することも、実際に移動量を変えながら結像倍率測定を複数回行なうことにより確認することもできる。収差の影響がある場合にのみ、上述したような結像倍率測定を行なうとよい。
【0051】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【0052】
例えば、本発明は、オートコリメーション法による被測定面の等倍の反射像を利用した偏心測定に限られるものではなく、被測定面の不等倍の反射像を利用した偏心測定に適用されてもよい。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、光学系の製作誤差や組立誤差や経時変化等に起因する測定誤差の少ない偏心測定装置と偏心測定方法とが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の偏心測定装置の構成を概略的に示している。
【図2】線形な関係にある被測定面の曲率中心の偏心量δinと受光素子上の反射像の基準像位置からのずれ量δoutとを示している。
【図3】非線形な関係にある被測定面の曲率中心の偏心量δinと受光素子上の反射像の基準像位置からのずれ量δoutとを示している。
【図4】曲率半径が大きい被測定面で反射される光線の角度と、曲率半径が小さい被測定面とで反射される光線の角度とを示している。
【図5】δinとδoutの関係が非線形である場合において、被測定面がδから−δ1’だけ移動されたときに算出される結像倍率を視覚的に表している。
【図6】δinとδoutの関係が非線形である場合において、被測定面がδout=0となるように移動されたときに算出される結像倍率を視覚的に表している。
【図7】オートコリメーション法による従来の偏心測定装置の基本構成を概略的に示している。
【符号の説明】
100…偏心測定装置、112…光源、114…測定光学系、116…ハーフミラー、118…受光素子、120…被測定面、122…曲率中心、124…反射像、126…基準像位置、132…光軸、144…シフトステージ、146…リニアスケール、152…反射像移動量検出部、154…結像倍率算出部、156…偏心算出部。

Claims (7)

  1. 光学系中の被測定面の偏心を測定する偏心測定装置であって、測定用の光束を射出する光源と、光源からの光束を被測定面に照射する測定光学系と、被測定面で反射された光束の像を受光する受光素子と、受光素子上の反射像の結像倍率を測定する結像倍率測定手段と、受光素子上における反射像の基準像位置からのずれ量と測定された結像倍率に基づいて被測定面の偏心量を算出する偏心算出部とを備えている、偏心測定装置。
  2. 結像倍率測定手段は、被測定面を光軸に略直交する方向に移動させる被測定面移動手段と、被測定面の移動量を測定する測長手段と、被測定面の移動の前後の受光素子上における被測定面による反射像の移動量を検出する反射像移動量検出部と、測長手段で検出された被測定面の移動量と反射像移動量検出部で検出された反射像の移動量とから結像倍率を算出する結像倍率算出部とを有している、請求項1に記載の偏心測定装置。
  3. 光学系中の被測定面の偏心を測定する偏心測定方法であって、被測定面に光束を照射する工程と、被測定面で反射された光束の像を受光する工程と、反射像の結像倍率を測定する工程と、反射像の基準像位置からのずれ量を測定する工程と、測定された結像倍率と測定されたずれ量から被測定面の偏心量を算出する工程とを有している、偏心測定方法。
  4. 反射像の結像倍率を測定する工程は、被測定面を光軸に略直交する方向に移動させる工程と、被測定面の移動量を測定する工程と、移動の前後の反射像の移動量を測定する工程と、測定された被測定面の移動量と測定された反射像の移動量とから結像倍率を算出する工程とを有している、請求項3に記載の偏心測定方法。
  5. 被測定面を移動させる工程は、反射像の移動量の測定のばらつきに対して、十分に大きく被測定面を移動させる、請求項4に記載の偏心測定方法。
  6. 被測定面を移動させる工程は、被測定面の反射像が基準像位置に来るように、被測定面を移動させる、請求項4に記載の偏心測定方法。
  7. 被測定面を移動させる工程は、被測定面の反射像が基準像位置に対して点対称の位置に来るように、被測定面を移動させる、請求項4に記載の偏心測定方法。
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