JP2004239521A - 低NOxバーナ - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸気が未だ生成されていない冷態起動時などにおいて、蒸気に代わる加圧空気で燃料油を噴霧して燃焼するときに生成されるNOxの量を、蒸気を噴霧する通常燃焼時において生成されるNOx以下の量に抑制できるようにした低NOxバーナを提供すること。
【解決手段】混合ノズル8A、8Bと噴霧用気体通路9A、9Bの断面積をそれぞれ同一とし、この混合ノズル8A、8BにY型に導通接続するようにして形成する燃料油供給通路10A、10Bの断面積を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】混合ノズル8A、8Bと噴霧用気体通路9A、9Bの断面積をそれぞれ同一とし、この混合ノズル8A、8BにY型に導通接続するようにして形成する燃料油供給通路10A、10Bの断面積を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低NOxバーナに関し、特に燃料油の燃焼により生成排出されるNOxを削減するための気体(蒸気又は空気)噴霧式バーナのアトマイザにおいて、蒸気が未だ生成されていない冷態起動時などの場合に、該蒸気に代わる加圧空気で燃料油を噴霧して燃焼するときに生成されるNOxを、蒸気噴霧により燃焼する通常燃焼時に生成されるNOxと同程度、あるいはそれ以下に抑制できるようにした低NOxバーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、通常のボイラなどに使われる燃料油バーナの油ガン先端に取り付けるアトマイザとして、燃料油を高圧気体により噴射するようにした気体噴霧式アトマイザが汎用されている。
燃料油バーナは、図4に示すように、油だきバーナの油ガン1の先端にアトマイザ2を取り付け、燃焼用空気は、通常一次空気3と二次空気4に分けて供給され、アトマイザ2の周囲から炉内に供給されるように構成している。
なお、アトマイザ2の外周部位に保炎器5が、必要に応じて取り付けられる。各油ガン1内周辺部に供給された燃料油6は、アトマイザ2の基部内方に形成された複数の燃料油供給通路10A、10Bを通って、この燃料油供給通路10A、10Bと導通するように形成された混合ノズル8A、8Bに分割供給され、一方アトマイザ2の中心部に供給された噴霧用気体7は、先端部において外放射方向になるよう供給路として形成した噴霧用気体通路9A、9Bを経て前記混合ノズル8A、8Bへ供給され、これにより各混合ノズル8A、8Bにおいて燃料油6と噴霧用気体7とがY型に出会って混合し、かくして両流体が超高速噴流となって各混合ノズル8A、8Bの先端開口部から噴出して油噴霧になるように構成している。
このように、燃料油を噴霧する混合ノズルにおいて、噴霧油量のみを混合ノズル毎に変えて低NOx化を図る方法として、大小の燃料油噴出ノズルを配置したアトマイザ(この方法を「燃料バイアス方式」という。)により、大小の火炎を交互にあるいは部分的に作り、その濃淡燃焼などの効果で生成NOxを下げるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭52−28248号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の低NOxバーナは、起動時には、通常燃焼時においては油噴霧用に使える蒸気が未だ発生しておらず、したがって、その噴霧用気体として蒸気の代わりに加圧した空気を使用するようにしているが、この圧縮空気噴射方法は、一般に蒸気を使った場合に比べて燃焼効率が良くなり過ぎ、これにより、発生火炎の燃焼温度が上がって、生成されるNOxが高くなるという問題があった。
また、バーナを使用する地域において、排出NOxに上限規制がある場合などには、そのような空気噴霧運転は許可されないため、別途燃料噴霧用の蒸気を生成する設備を必要とされ、装置が大型化するとともに、設備費が高くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の低NOxバーナの有する問題点を解決し、蒸気が未だ生成されていない冷態起動時などにおいて、蒸気に代わる加圧空気で燃料油を噴霧して燃焼するときに生成されるNOxの量を、蒸気を噴霧する通常燃焼時において生成されるNOx以下の量に抑制できるようにした低NOxバーナを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1発明の低NOxバーナは、燃料油と噴霧用気体を混合して噴射する気体噴霧式の低NOxバーナにおいて、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ同一とし、それらと対をなす燃料油供給通路の断面積を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したことを特徴とする。
【0007】
本第1発明の低NOxバーナは、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ同一とし、それらと対をなす燃料油供給通路の断面積を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成しているため、噴霧用気体通路から供給される噴霧用気体流量が一定であるのに対して、燃料油供給通路から供給される燃料油量が、各混合ノズル毎に変わるようになり、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0008】
また、同じ目的を達成するため、本第2発明の低NOxバーナは、燃料油と噴霧用気体を混合して噴射する気体噴霧式の低NOxバーナにおいて、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の燃料油供給通路の断面積を同一とし、それらと対をなす噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したことを特徴とする。
【0009】
本第2発明の低NOxバーナは、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の燃料油供給通路の断面積を同一とし、それらと対をなす噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成しているため、燃料油供給通路から供給される燃料油供給が一定であるのに対して、噴霧用気体通路から供給される噴霧用気体量が、各混合ノズル毎に変わるようになり、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0010】
この場合において、アトマイザに形成する複数の混合ノズルを、アトマイザの正面及び/又は斜前面に、同一円周上になるようにして、交互又は複数個のグループ毎に配置するように形成することができる。
【0011】
これにより、混合ノズルの配置位置及びその大きさ、形状を任意に設定して製作することができるので、同一のバーナにおいても混合ノズルの異なったアトマイザのみを交換することにより、簡易に生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼、多段燃焼可能なバーナとすることができ、燃焼室形状と生成火炎とのマッチングを簡易に、精度良く行うことができる。
【0012】
また、アトマイザに複数個形成する混合ノズルの噴霧角度を、それぞれ異なるように形成することができる。
【0013】
これにより、混合ノズルの噴霧角度を、それぞれ異なるように形成することにより、簡単に生成火炎の大きさ、形状、火炎の方向及び濃度を変えることができ、低NOx化を促進する濃淡燃焼が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の低NOxバーナの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の低NOxバーナの第1実施例を示す。
この低NOxバーナは、本発明の低NOxバーナの基本構造を備えたもので、この低NOxバーナの油ガン1の先端に取り付けるアトマイザ2は、従来のバーナと同様にして配設するが、アトマイザ2の正面及び/又は斜前面に、かつ同一円周上となるようにして形成される混合ノズル8A、8Bは、この各混合ノズル8A、8Bと、それぞれ導通するようにして噴霧用気体通路9A、9Bを形成し、この混合ノズル8A、8Bと噴霧用気体通路9A、9Bの断面積(直径)をそれぞれ同一とし、この混合ノズル8A、8BにY型に導通接続するようにして形成する燃料油供給通路10A、10Bの断面積(直径)を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したものである。
【0015】
このようにすることにより、噴霧用気体通路9A、9Bから供給される噴霧用気体流量が一定であるのに対して、燃料油供給通路10A、10Bから供給される燃料油量が、各混合ノズル毎に変わるようになり(「噴霧気体バイアスA型」)、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0016】
また、アトマイザ2に設ける複数の混合ノズル8A、8Bは、各混合ノズル毎、あるいは複数のグループの混合ノズル毎に、アトマイザ2の正面又は斜前面のいずれか、あるいはその双方において、かつ同一円周上になるようにして、交互又は複数個のグループ毎に配置する。
この混合ノズル8A、8Bの配置は、特に限定されるものではないが、例えば、図2(C)及び(D)、図3(C)及び(D)に示すように、大小を交互に、あるいはグループ毎に配置するものとし、さらには混合ノズル8A、8Bの開き角度αを変えるようにすることができる。これにより、生成火炎の形状とボイラ燃焼室の形状とをマッチングさせることが簡易に、かつ、より詳細に可能とすることができる。
【0017】
また、各混合ノズル8A、8Bに燃料油を供給するようにした燃料油供給通路10A、10Bの断面積を、交互又は複数個のグループ毎に、例えば、燃料油供給通路10B側を小径に、燃料油供給通路10A側を大径とし、その比率を、特に限定されるものではないが、例えば、1:2に(供給燃料油に対する噴霧用気体量を4%と2%程度)に変えるようにすることができる。
【0018】
このように混合ノズル8A、8Bを配置して燃焼させることにより、燃料過剰部分と空気過剰部分とが生じるようになり、異なる燃焼状況が混在した生成火炎となり、これが生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼や多段燃焼となり、その結果として生成NOxが抑制され、通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
【0019】
これにより、燃料油と気体との混合室となる各混合ノズル8A、8Bにおいて、混合する両流体の重量比(燃料油量と噴霧用気体量の比率)が変わり、得られる噴霧の粒径やその分布が変わり、それが周りから噴出する燃焼空気と混合する場合に燃焼性が変わり、それが生成NOx値に影響を与えるものとなる。噴霧用気体量比率が大きければ噴霧が良くなり、上述の低NOx効果が発揮されて、燃焼性の良い部分と良くない部分が隣り合う濃淡燃焼や二段燃焼の効果によって、生成NOxが抑制されることになる。
【0020】
次に、図2に、本発明の低NOxバーナの第2実施例を示す。
この第2実施例は、第1実施例と異なり、燃料油供給通路10A、10Bの断面積(直径)を同一とし、それらと対をなす噴霧用気体通路9A、9B及び混合ノズル8A、8Bの断面積(直径)をそれぞれ変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したものである。
【0021】
このようにすることにより、燃料油供給通路10A、10Bから供給される燃料油供給が一定であるのに対して、噴霧用気体通路9A、9Bから供給される噴霧用気体量が、各混合ノズル毎に変わるようになり(「噴霧気体バイアスB型」)、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0022】
この場合、特に限定されるものではないが、例えば、噴霧用気体通路9A及び混合ノズル8Aの断面積を大きく(平均断面積を100%として60%〜70%)とし、噴霧用気体通路9B及び混合ノズル8Bの断面積を小さく(同様に平均断面積を100%として40%〜30%)となるように、その比率を異なるようにして、それぞれに対応して接続する燃料油供給通路10A、10Bの断面積をすべて同一となるように形成する。
なお、混合ノズル8A、8Bを、アトマイザの正面又は斜前面のいずれかに、かつ同一円周上になるように、交互又は複数個のグループ毎に配置することは、第1実施例と同様とし、これにより燃料油量に対する噴霧空気量の比率を変えるようにする。
この実施例の混合ノズル8A、8Bの位置関係を、図2(B)に模式的に、また、図2(C)に生成火炎と燃焼室との形状のマッチング等の理由でアトマイザの取り付け角度を変えたものを示す。
この第2実施例の燃焼効果は、第1実施例と同様である。
【0023】
次に、図3に、本発明の低NOxバーナの第3実施例を示す。
この実施例は、上記第1及び第2の実施例と同様の技術思想に基づくもので、図3に示すように、混合ノズルの8A、8Bの配置を、火炎形状の生成や生成低NOx値などを考慮して変化させて、大口径の混合ノズル8Aを上下に3個ずつ、左右に小口径の混合ノズル8Bを2個ずつとしたもので、これにより、火炎形状の調整が可能になるとともに、NOx削減の効果が一層発揮されるものとなる。
特に生成火炎の形状を、ボイラ燃焼室の形状にマッチングさせながら、低NOxを達成するのに好適である。
なお、図3(C)は、この場合の正面のノズルの模式的配置図を、また、図3(D)は、混合ノズルを、アトマイザの正面と斜前面に交互又は複数個のグループ毎に配置した模式的配置図を示す。
【0024】
また、上記各混合ノズルの燃料油供給通路の断面積を変えた噴霧気体バイアスA型と、噴霧用気体通路の断面積を変えた噴霧気体バイアスB型とを組み合わせることも可能で、その組み合わせは、特に限定されるものではなく各種が可能になり、その作用効果は、第1実施例と同様にNOx削減に効果があり、さらには、生成火炎の燃焼室形状とのマッチングや低O2性やターンダウンなどの性能を満たすことが重要になり、それらとのトレードオフ、もしくは相乗の関係の中での組み合わせが選択できることになる。
【0025】
このように油を噴霧する混合ノズルの噴霧用空気の供給比率を、全体としては同じでも、各ノズル毎、あるいは複数の混合ノズルグループ毎にばらつかせることにより、生成した油噴霧の粒径やその分布、さらには生成火炎やその濃度にもばらつきができて、全体としての生成NOxは小さくすることができる。
例えば、一つの混合ノズルから発出する噴霧の噴霧媒体を多くすると、粒径はより小さくなって、粒径分布もより小さい一定の幅に納まり、より燃焼しやすくなるから、燃焼温度が上がり生成NOxも上がる。一方、隣接ノズルの噴霧媒体比率を小さくすることによって該部の噴霧粒径は荒くなり、粒径分布も大きくなるから燃焼が悪くなり、したがってこの部分の生成NOxは下がり、後者を主流とすることによって、より低NOxの燃焼が達成される。
【0026】
このように、本発明は、各混合ノズルにおける燃料油量と噴霧用気体量の比率を変えることができるので、それが周りから噴出する燃焼空気と混合する場合に、一様でなく濃淡に、あるいは段階的に混合して燃焼することによって、生成される火炎は大小だけでなく、個々の混合ノズルから発出する油噴霧の微粒化の大小と分布と濃度などの違いによって、生成する火炎の大小、分布、濃度を変えることができ、それらの複合効果として低NOxが達成される。
【0027】
また、通常の蒸気噴霧における正常な燃焼に必要な平均粒径と粒径分布の油噴霧が形成・燃焼して発生するNOxレベルに比べて、冷態時の空気噴霧時において生成する油噴霧や生成火炎のばらつきを大きくすることにより、より良好な燃焼状態になることを抑制し、それによって生成NOxの量を抑制して、通常の空気噴霧のままでは高くなるNOxレベルを、蒸気噴霧時よりもむしろ低く抑制することができるようになった。
【0028】
このように、本発明は、燃料油量バイアス及び噴霧気体量バイアスによる燃料油の微粒化特性の変化により、燃料油に対する噴霧気体量の比率が小さい方が燃料油の微粒化が粗くなり、したがって燃焼性が悪くなり、NOx低減の効果は大きく、そのおよそは15%の削減効果が得られることが燃焼試験の結果確認された。
また、本発明の作用効果は、上記実施例では、冷態起動時などの場合について説明したが、通常の蒸気噴霧時にも同様に、生成NOxを少なくする効果があり、さらには既設のバーナにおいても、本発明のアトマイザに変えることによって、より低NOxバーナとすることができる。
【0029】
【発明の効果】
本第1発明の低NOxバーナによれば、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ同一とし、それらと対をなす燃料油供給通路の断面積を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成しているため、噴霧用気体通路から供給される噴霧用気体流量が一定であるのに対して、燃料油供給通路から供給される燃料油量が、各混合ノズル毎に変わるようになり、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0030】
また、本第2発明の低NOxバーナによれば、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の燃料油供給通路の断面積を同一とし、それらと対をなす噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成しているため、燃料油供給通路から供給される燃料油供給が一定であるのに対して、噴霧用気体通路から供給される噴霧用気体量が、各混合ノズル毎に変わるようになり、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0031】
また、混合ノズルの配置位置及びその大きさ、形状を任意に設定して製作することができるので、同一のバーナにおいても混合ノズルの異なったアトマイザのみを交換することにより、簡易に生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼、多段燃焼可能なバーナとすることができ、燃焼室形状と生成火炎とのマッチングを簡易に、精度良く行うことができる。
【0032】
また、混合ノズルの噴霧角度を、それぞれ異なるように形成することにより、簡単に生成火炎の大きさ、形状、火炎の方向及び濃度を変えることができ、低NOx化を促進する濃淡燃焼が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低NOxバーナの第1実施例を示し、(A)は本発明によるアトマイザの断面図、(B)は正面図である。
【図2】本発明の低NOxバーナの第2実施例を示し、(A)はアトマイザの断面図、(B)は正面図、(C)と(D)はアトマイザの取り付け角度を90度ずらせ、混合ノズルの配置を90度ずらせた正面図である。
【図3】本発明の低NOxバーナの第3実施例を示し、(A)はアトマイザの断面図、(B)は正面図、(C)と(D)は、それぞれ混合ノズルの配置を変えた正面図である。
【図4】蒸気噴霧式バーナに本発明によるアトマイザを適用したバーナ全体を示し、(A)はその概略説明図、(B)はガン先端のアトマイザ部断面図である。
【符号の説明】
1 油ガン
2 アトマイザ
3 一次空気
4 二次空気
5 保炎器
6 燃料油
7 噴霧用気体(蒸気又は空気)
8A 混合ノズル
8B 混合ノズル
9A 噴霧用気体通路
9B 噴霧用気体通路
10A 燃料油供給通路
10B 燃料油供給通路
【発明の属する技術分野】
本発明は、低NOxバーナに関し、特に燃料油の燃焼により生成排出されるNOxを削減するための気体(蒸気又は空気)噴霧式バーナのアトマイザにおいて、蒸気が未だ生成されていない冷態起動時などの場合に、該蒸気に代わる加圧空気で燃料油を噴霧して燃焼するときに生成されるNOxを、蒸気噴霧により燃焼する通常燃焼時に生成されるNOxと同程度、あるいはそれ以下に抑制できるようにした低NOxバーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、通常のボイラなどに使われる燃料油バーナの油ガン先端に取り付けるアトマイザとして、燃料油を高圧気体により噴射するようにした気体噴霧式アトマイザが汎用されている。
燃料油バーナは、図4に示すように、油だきバーナの油ガン1の先端にアトマイザ2を取り付け、燃焼用空気は、通常一次空気3と二次空気4に分けて供給され、アトマイザ2の周囲から炉内に供給されるように構成している。
なお、アトマイザ2の外周部位に保炎器5が、必要に応じて取り付けられる。各油ガン1内周辺部に供給された燃料油6は、アトマイザ2の基部内方に形成された複数の燃料油供給通路10A、10Bを通って、この燃料油供給通路10A、10Bと導通するように形成された混合ノズル8A、8Bに分割供給され、一方アトマイザ2の中心部に供給された噴霧用気体7は、先端部において外放射方向になるよう供給路として形成した噴霧用気体通路9A、9Bを経て前記混合ノズル8A、8Bへ供給され、これにより各混合ノズル8A、8Bにおいて燃料油6と噴霧用気体7とがY型に出会って混合し、かくして両流体が超高速噴流となって各混合ノズル8A、8Bの先端開口部から噴出して油噴霧になるように構成している。
このように、燃料油を噴霧する混合ノズルにおいて、噴霧油量のみを混合ノズル毎に変えて低NOx化を図る方法として、大小の燃料油噴出ノズルを配置したアトマイザ(この方法を「燃料バイアス方式」という。)により、大小の火炎を交互にあるいは部分的に作り、その濃淡燃焼などの効果で生成NOxを下げるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭52−28248号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の低NOxバーナは、起動時には、通常燃焼時においては油噴霧用に使える蒸気が未だ発生しておらず、したがって、その噴霧用気体として蒸気の代わりに加圧した空気を使用するようにしているが、この圧縮空気噴射方法は、一般に蒸気を使った場合に比べて燃焼効率が良くなり過ぎ、これにより、発生火炎の燃焼温度が上がって、生成されるNOxが高くなるという問題があった。
また、バーナを使用する地域において、排出NOxに上限規制がある場合などには、そのような空気噴霧運転は許可されないため、別途燃料噴霧用の蒸気を生成する設備を必要とされ、装置が大型化するとともに、設備費が高くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の低NOxバーナの有する問題点を解決し、蒸気が未だ生成されていない冷態起動時などにおいて、蒸気に代わる加圧空気で燃料油を噴霧して燃焼するときに生成されるNOxの量を、蒸気を噴霧する通常燃焼時において生成されるNOx以下の量に抑制できるようにした低NOxバーナを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1発明の低NOxバーナは、燃料油と噴霧用気体を混合して噴射する気体噴霧式の低NOxバーナにおいて、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ同一とし、それらと対をなす燃料油供給通路の断面積を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したことを特徴とする。
【0007】
本第1発明の低NOxバーナは、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ同一とし、それらと対をなす燃料油供給通路の断面積を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成しているため、噴霧用気体通路から供給される噴霧用気体流量が一定であるのに対して、燃料油供給通路から供給される燃料油量が、各混合ノズル毎に変わるようになり、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0008】
また、同じ目的を達成するため、本第2発明の低NOxバーナは、燃料油と噴霧用気体を混合して噴射する気体噴霧式の低NOxバーナにおいて、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の燃料油供給通路の断面積を同一とし、それらと対をなす噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したことを特徴とする。
【0009】
本第2発明の低NOxバーナは、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の燃料油供給通路の断面積を同一とし、それらと対をなす噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成しているため、燃料油供給通路から供給される燃料油供給が一定であるのに対して、噴霧用気体通路から供給される噴霧用気体量が、各混合ノズル毎に変わるようになり、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0010】
この場合において、アトマイザに形成する複数の混合ノズルを、アトマイザの正面及び/又は斜前面に、同一円周上になるようにして、交互又は複数個のグループ毎に配置するように形成することができる。
【0011】
これにより、混合ノズルの配置位置及びその大きさ、形状を任意に設定して製作することができるので、同一のバーナにおいても混合ノズルの異なったアトマイザのみを交換することにより、簡易に生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼、多段燃焼可能なバーナとすることができ、燃焼室形状と生成火炎とのマッチングを簡易に、精度良く行うことができる。
【0012】
また、アトマイザに複数個形成する混合ノズルの噴霧角度を、それぞれ異なるように形成することができる。
【0013】
これにより、混合ノズルの噴霧角度を、それぞれ異なるように形成することにより、簡単に生成火炎の大きさ、形状、火炎の方向及び濃度を変えることができ、低NOx化を促進する濃淡燃焼が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の低NOxバーナの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の低NOxバーナの第1実施例を示す。
この低NOxバーナは、本発明の低NOxバーナの基本構造を備えたもので、この低NOxバーナの油ガン1の先端に取り付けるアトマイザ2は、従来のバーナと同様にして配設するが、アトマイザ2の正面及び/又は斜前面に、かつ同一円周上となるようにして形成される混合ノズル8A、8Bは、この各混合ノズル8A、8Bと、それぞれ導通するようにして噴霧用気体通路9A、9Bを形成し、この混合ノズル8A、8Bと噴霧用気体通路9A、9Bの断面積(直径)をそれぞれ同一とし、この混合ノズル8A、8BにY型に導通接続するようにして形成する燃料油供給通路10A、10Bの断面積(直径)を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したものである。
【0015】
このようにすることにより、噴霧用気体通路9A、9Bから供給される噴霧用気体流量が一定であるのに対して、燃料油供給通路10A、10Bから供給される燃料油量が、各混合ノズル毎に変わるようになり(「噴霧気体バイアスA型」)、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0016】
また、アトマイザ2に設ける複数の混合ノズル8A、8Bは、各混合ノズル毎、あるいは複数のグループの混合ノズル毎に、アトマイザ2の正面又は斜前面のいずれか、あるいはその双方において、かつ同一円周上になるようにして、交互又は複数個のグループ毎に配置する。
この混合ノズル8A、8Bの配置は、特に限定されるものではないが、例えば、図2(C)及び(D)、図3(C)及び(D)に示すように、大小を交互に、あるいはグループ毎に配置するものとし、さらには混合ノズル8A、8Bの開き角度αを変えるようにすることができる。これにより、生成火炎の形状とボイラ燃焼室の形状とをマッチングさせることが簡易に、かつ、より詳細に可能とすることができる。
【0017】
また、各混合ノズル8A、8Bに燃料油を供給するようにした燃料油供給通路10A、10Bの断面積を、交互又は複数個のグループ毎に、例えば、燃料油供給通路10B側を小径に、燃料油供給通路10A側を大径とし、その比率を、特に限定されるものではないが、例えば、1:2に(供給燃料油に対する噴霧用気体量を4%と2%程度)に変えるようにすることができる。
【0018】
このように混合ノズル8A、8Bを配置して燃焼させることにより、燃料過剰部分と空気過剰部分とが生じるようになり、異なる燃焼状況が混在した生成火炎となり、これが生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼や多段燃焼となり、その結果として生成NOxが抑制され、通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
【0019】
これにより、燃料油と気体との混合室となる各混合ノズル8A、8Bにおいて、混合する両流体の重量比(燃料油量と噴霧用気体量の比率)が変わり、得られる噴霧の粒径やその分布が変わり、それが周りから噴出する燃焼空気と混合する場合に燃焼性が変わり、それが生成NOx値に影響を与えるものとなる。噴霧用気体量比率が大きければ噴霧が良くなり、上述の低NOx効果が発揮されて、燃焼性の良い部分と良くない部分が隣り合う濃淡燃焼や二段燃焼の効果によって、生成NOxが抑制されることになる。
【0020】
次に、図2に、本発明の低NOxバーナの第2実施例を示す。
この第2実施例は、第1実施例と異なり、燃料油供給通路10A、10Bの断面積(直径)を同一とし、それらと対をなす噴霧用気体通路9A、9B及び混合ノズル8A、8Bの断面積(直径)をそれぞれ変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したものである。
【0021】
このようにすることにより、燃料油供給通路10A、10Bから供給される燃料油供給が一定であるのに対して、噴霧用気体通路9A、9Bから供給される噴霧用気体量が、各混合ノズル毎に変わるようになり(「噴霧気体バイアスB型」)、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0022】
この場合、特に限定されるものではないが、例えば、噴霧用気体通路9A及び混合ノズル8Aの断面積を大きく(平均断面積を100%として60%〜70%)とし、噴霧用気体通路9B及び混合ノズル8Bの断面積を小さく(同様に平均断面積を100%として40%〜30%)となるように、その比率を異なるようにして、それぞれに対応して接続する燃料油供給通路10A、10Bの断面積をすべて同一となるように形成する。
なお、混合ノズル8A、8Bを、アトマイザの正面又は斜前面のいずれかに、かつ同一円周上になるように、交互又は複数個のグループ毎に配置することは、第1実施例と同様とし、これにより燃料油量に対する噴霧空気量の比率を変えるようにする。
この実施例の混合ノズル8A、8Bの位置関係を、図2(B)に模式的に、また、図2(C)に生成火炎と燃焼室との形状のマッチング等の理由でアトマイザの取り付け角度を変えたものを示す。
この第2実施例の燃焼効果は、第1実施例と同様である。
【0023】
次に、図3に、本発明の低NOxバーナの第3実施例を示す。
この実施例は、上記第1及び第2の実施例と同様の技術思想に基づくもので、図3に示すように、混合ノズルの8A、8Bの配置を、火炎形状の生成や生成低NOx値などを考慮して変化させて、大口径の混合ノズル8Aを上下に3個ずつ、左右に小口径の混合ノズル8Bを2個ずつとしたもので、これにより、火炎形状の調整が可能になるとともに、NOx削減の効果が一層発揮されるものとなる。
特に生成火炎の形状を、ボイラ燃焼室の形状にマッチングさせながら、低NOxを達成するのに好適である。
なお、図3(C)は、この場合の正面のノズルの模式的配置図を、また、図3(D)は、混合ノズルを、アトマイザの正面と斜前面に交互又は複数個のグループ毎に配置した模式的配置図を示す。
【0024】
また、上記各混合ノズルの燃料油供給通路の断面積を変えた噴霧気体バイアスA型と、噴霧用気体通路の断面積を変えた噴霧気体バイアスB型とを組み合わせることも可能で、その組み合わせは、特に限定されるものではなく各種が可能になり、その作用効果は、第1実施例と同様にNOx削減に効果があり、さらには、生成火炎の燃焼室形状とのマッチングや低O2性やターンダウンなどの性能を満たすことが重要になり、それらとのトレードオフ、もしくは相乗の関係の中での組み合わせが選択できることになる。
【0025】
このように油を噴霧する混合ノズルの噴霧用空気の供給比率を、全体としては同じでも、各ノズル毎、あるいは複数の混合ノズルグループ毎にばらつかせることにより、生成した油噴霧の粒径やその分布、さらには生成火炎やその濃度にもばらつきができて、全体としての生成NOxは小さくすることができる。
例えば、一つの混合ノズルから発出する噴霧の噴霧媒体を多くすると、粒径はより小さくなって、粒径分布もより小さい一定の幅に納まり、より燃焼しやすくなるから、燃焼温度が上がり生成NOxも上がる。一方、隣接ノズルの噴霧媒体比率を小さくすることによって該部の噴霧粒径は荒くなり、粒径分布も大きくなるから燃焼が悪くなり、したがってこの部分の生成NOxは下がり、後者を主流とすることによって、より低NOxの燃焼が達成される。
【0026】
このように、本発明は、各混合ノズルにおける燃料油量と噴霧用気体量の比率を変えることができるので、それが周りから噴出する燃焼空気と混合する場合に、一様でなく濃淡に、あるいは段階的に混合して燃焼することによって、生成される火炎は大小だけでなく、個々の混合ノズルから発出する油噴霧の微粒化の大小と分布と濃度などの違いによって、生成する火炎の大小、分布、濃度を変えることができ、それらの複合効果として低NOxが達成される。
【0027】
また、通常の蒸気噴霧における正常な燃焼に必要な平均粒径と粒径分布の油噴霧が形成・燃焼して発生するNOxレベルに比べて、冷態時の空気噴霧時において生成する油噴霧や生成火炎のばらつきを大きくすることにより、より良好な燃焼状態になることを抑制し、それによって生成NOxの量を抑制して、通常の空気噴霧のままでは高くなるNOxレベルを、蒸気噴霧時よりもむしろ低く抑制することができるようになった。
【0028】
このように、本発明は、燃料油量バイアス及び噴霧気体量バイアスによる燃料油の微粒化特性の変化により、燃料油に対する噴霧気体量の比率が小さい方が燃料油の微粒化が粗くなり、したがって燃焼性が悪くなり、NOx低減の効果は大きく、そのおよそは15%の削減効果が得られることが燃焼試験の結果確認された。
また、本発明の作用効果は、上記実施例では、冷態起動時などの場合について説明したが、通常の蒸気噴霧時にも同様に、生成NOxを少なくする効果があり、さらには既設のバーナにおいても、本発明のアトマイザに変えることによって、より低NOxバーナとすることができる。
【0029】
【発明の効果】
本第1発明の低NOxバーナによれば、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ同一とし、それらと対をなす燃料油供給通路の断面積を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成しているため、噴霧用気体通路から供給される噴霧用気体流量が一定であるのに対して、燃料油供給通路から供給される燃料油量が、各混合ノズル毎に変わるようになり、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0030】
また、本第2発明の低NOxバーナによれば、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の燃料油供給通路の断面積を同一とし、それらと対をなす噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成しているため、燃料油供給通路から供給される燃料油供給が一定であるのに対して、噴霧用気体通路から供給される噴霧用気体量が、各混合ノズル毎に変わるようになり、結果的に混合ノズル毎の燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えることができ、生成噴霧の微粒化や粒径分布が変わり、生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼及び多段燃焼となり、生成NOxが抑制され、冷態起動時においても通常の蒸気噴霧燃焼時のレベルと同程度あるいはそれ以下に抑えることができる。
また、既設のバーナにおいて、アトマイザの交換だけで簡易に低NOxバーナとすることができる。
【0031】
また、混合ノズルの配置位置及びその大きさ、形状を任意に設定して製作することができるので、同一のバーナにおいても混合ノズルの異なったアトマイザのみを交換することにより、簡易に生成火炎の大きさや濃度が変わる濃淡燃焼、多段燃焼可能なバーナとすることができ、燃焼室形状と生成火炎とのマッチングを簡易に、精度良く行うことができる。
【0032】
また、混合ノズルの噴霧角度を、それぞれ異なるように形成することにより、簡単に生成火炎の大きさ、形状、火炎の方向及び濃度を変えることができ、低NOx化を促進する濃淡燃焼が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低NOxバーナの第1実施例を示し、(A)は本発明によるアトマイザの断面図、(B)は正面図である。
【図2】本発明の低NOxバーナの第2実施例を示し、(A)はアトマイザの断面図、(B)は正面図、(C)と(D)はアトマイザの取り付け角度を90度ずらせ、混合ノズルの配置を90度ずらせた正面図である。
【図3】本発明の低NOxバーナの第3実施例を示し、(A)はアトマイザの断面図、(B)は正面図、(C)と(D)は、それぞれ混合ノズルの配置を変えた正面図である。
【図4】蒸気噴霧式バーナに本発明によるアトマイザを適用したバーナ全体を示し、(A)はその概略説明図、(B)はガン先端のアトマイザ部断面図である。
【符号の説明】
1 油ガン
2 アトマイザ
3 一次空気
4 二次空気
5 保炎器
6 燃料油
7 噴霧用気体(蒸気又は空気)
8A 混合ノズル
8B 混合ノズル
9A 噴霧用気体通路
9B 噴霧用気体通路
10A 燃料油供給通路
10B 燃料油供給通路
Claims (4)
- 燃料油と噴霧用気体を混合して噴射する気体噴霧式の低NOxバーナにおいて、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ同一とし、それらと対をなす燃料油供給通路の断面積を変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したことを特徴とする低NOxバーナ。
- 燃料油と噴霧用気体を混合して噴射する気体噴霧式の低NOxバーナにおいて、油ガンの先端に取り付けるアトマイザに形成した複数の燃料油供給通路の断面積を同一とし、それらと対をなす噴霧用気体通路及び混合ノズルの断面積をそれぞれ変えて、燃料油量/噴霧用気体量の比率を変えるように構成したことを特徴とする低NOxバーナ。
- アトマイザに形成する複数の混合ノズルを、アトマイザの正面及び/又は斜前面に、同一円周上になるようにして、交互又は複数個のグループ毎に配置するように形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の低NOxバーナ。
- アトマイザに複数形成する混合ノズルの噴霧角度を、それぞれ異なるように形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の低NOxバーナ。
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KR100855719B1 (ko) * | 2008-05-13 | 2008-09-03 | 한국코로나 주식회사 | 녹스 저감형 버너 |
KR101284396B1 (ko) * | 2011-01-14 | 2013-07-09 | 주식회사 수국 | 저녹스형 오일 버너 |
JP2019117024A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | オイルバーナー装置、ボイラ及びボイラの運転方法 |
-
2003
- 2003-02-06 JP JP2003029175A patent/JP2004239521A/ja active Pending
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JP7075211B2 (ja) | 2017-12-27 | 2022-05-25 | 三菱重工業株式会社 | オイルバーナー装置、ボイラ及びボイラの運転方法 |
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