JP2004239334A - 無段変速機制御装置 - Google Patents

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Makoto Aoki
誠 青木
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Abstract

【課題】エンジン冷却水を熱源にして車室内を暖房する車両において、車室内の暖房を優先する場合には変速マップを変更するようにした無段変速機制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン1の動力を無段変速機2を介して駆動輪4a、4bへ伝達するとともに、エンジン1の冷却水を熱源として車室内の暖房を行う車両において、暖房操作部材6,7が予め定めた位置に設定された場合は、エンジン回転速度が高くなるように最良燃費の変速パターンを変更し、変更後の変速パターンからアクセルペダル操作量検出値と車速検出値とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するように無段変速機2の変速比を制御する。また、エンジン冷却水温度の上昇率が所定値未満の場合は、エンジン回転速度が高くなるように最良燃費の変速パターンを変更し、変更後の変速パターンからアクセルペダル操作量検出値と車速検出値とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するように無段変速機2の変速比を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト式やトロイダル式の無段変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車速とスロットルバルブ開度とに応じたエンジン回転速度を決定し、無段変速機の変速マップを設定した無段変速機制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】
特開2002−106706号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、無段変速機を装備した車両は、自動変速機(AT)を装備した車両に比べると、同一車速におけるエンジンの回転速度が低くなる傾向がある。このため、無段変速機を装備した車両では、エンジン始動時に冷却水温度の立ち上がりが遅くなり、エンジン冷却水を熱源とする車室内暖房装置では十分な暖房が得られないという問題がある。
【0005】
本発明は、エンジン冷却水を熱源にして車室内を暖房する車両において、車室内の暖房を優先する場合には変速マップを変更するようにした無段変速機制御装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エンジンの動力を無段変速機を介して駆動輪へ伝達するとともに、エンジンの冷却水を熱源として車室内の暖房を行う車両の無段変速機制御装置であって、車室内の暖房を行うための暖房操作部材が予め定めた位置に設定された場合は、エンジン回転速度が高くなるように最良燃費の変速パターンを変更し、変更後の変速パターンからアクセルペダル操作量検出値と車速検出値とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するように無段変速機の変速比を制御する。
また、本発明は、エンジンの動力を無段変速機を介して駆動輪へ伝達するとともに、エンジンの冷却水を熱源として車室内の暖房を行う車両の無段変速機制御装置であって、エンジンの冷却水温度検出値の上昇率が所定値未満の場合は、エンジン回転速度が高くなるように最良燃費の変速パターンを変更し、変更後の変速パターンからアクセルペダル操作量検出値と車速検出値とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するように無段変速機の変速比を制御する。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジン始動後に速く車室内温度を立ち上げ、十分な暖かさで車室内を暖房することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
《発明の第1の実施の形態》
図1は第1の実施の形態の構成を示す。エンジン1の出力軸にはCVT(Continuously Variable Transmission)2が接続される。CVT2は、図示しないトルクコンバーター、前後進切換部、ベルト&プーリー、油圧制御部などを備えている。エンジン1の動力はCVT2から減速機3を介して駆動輪4a、4bへ伝達され、車両を走行させる。
【0009】
なお、この一実施の形態ではベルト式無段変速機(CVT)を用いた例を示すが、無段変速機はCVTに限定されず、例えばトロイダル式の無段変速機であってもよい。
【0010】
エアコン・コントローラー5は、不図示のコンプレッサー、ブロアファン、エアーミックスドアなどを制御して車室内の温度がその目標値になるように車載空調装置を制御する。この車載空調装置は、蒸気圧縮式冷媒サイクルにより車室内の冷房を行うとともに、エンジン1の冷却水をヒーターコアに通し、エンジン冷却水を熱源として車室内の暖房を行う。エアコン・コントローラー5には、車室内の目標温度を設定するための温度設定器6、ブロアファンによる空調風の吹き出し風量を設定するファンスイッチ7、後述する変速機・コントローラー8、エンジン・コントローラー9などが接続されている。
【0011】
エンジン・コントローラー9はエンジン1の燃料噴射制御、点火制御などを行い、エンジン1の回転速度と出力トルクを調節する。エンジン・コントローラー9には、アクセルペダル(不図示)の操作量θを検出するアクセルペダル操作量センサー10、エンジン1の冷却水温度Twを検出する水温センサー11、車速Vsp[km/h]を検出する車速センサー12、エンジン1の回転速度Ne[rpm]を検出する回転センサー13、エアコン・コントローラー5、変速機・コントローラー8などが接続されている。
【0012】
変速機・コントローラー8はCPU8aとメモリ8bなどの周辺部品から構成され、CVT2の変速比を制御する。メモリ8bには、アクセルペダル操作量ごとに車速に対するエンジン回転速度を設定した無段変速機の変速パターンが記憶されており、この変速パターンから現在のアクセルペダル操作量θと車速Vspに対するエンジン回転速度Ne[rpm]を表引き演算し、そのエンジン回転速度Neを実現するようにCVT2の変速比を制御する。変速機・コントローラー8には、エアコン・コントローラー5、エンジン・コントローラー9、イグニッションスイッチ14などが接続されている。
【0013】
次に、一実施の形態の無段変速機の変速比制御方法について説明する。一般に、無段変速機を装備した車両では、回転速度とトルクの二次元平面上におけるエンジンの運転点が燃料消費が最少となる最適燃費運転線上になるように、無段変速機の変速比を制御してエンジンの回転速度を調節する。このため、上述したように、無段変速機を装備した車両は、自動変速機(AT)を装備した車両に比べると、同一車速におけるエンジンの回転速度が低くなる傾向があり、エンジン始動時には冷却水温度Twの立ち上がりが遅く、エンジン冷却水を熱源とする車室内暖房装置では十分な暖房が得られない。
【0014】
図2は、エンジン回転速度と軸トルクに対するエンジン冷却水放熱量を示す。図において、エンジン回転速度と軸トルクの二次元平面上には、エンジン冷却水放熱量が等しい点を結んだ等放熱量線が描かれている。この特性曲線上において、エンジンにCVTを組み合わせたCVT車とエンジンにATを組み合わせたAT車とを比較すると、CVT車はAT車に比べて同一車速におけるエンジン回転速度が低いので、図中に○印で示すCVT車の運転点は図中に△印で示すAT車の運転点よりも左側になる。つまり、同一車速で走行した場合、CVT車はAT車よりもエンジン冷却水放熱量が小さい。
【0015】
この問題を解決するために、空調装置のヒーターユニット内にバッテリーの蓄電力を電源とするPTCサーミスターなどの補助暖房装置を設置し、暖房能力不足を補うようにした車両用空調装置がある。また、エンジンの排気管にシャッターを設け、この排気シャッターを閉じることによって暖房性能を向上させるものがある。しかしながら、これらの装置ではPTCサーミスターや排気シャッターを新たに設置しなければならず、コスト増や重量増になる。
【0016】
この第1の実施の形態では、車室内暖房を最優先する乗員の強い要求がある場合には、最適燃費運転点でエンジン1を運転するよりもCVTの変速比を変更して車室内の暖房を優先させる。具体的には、温度設定器6が最高温度に設定され、かつファンスイッチ7が最大風量に設定されているときは、車室内暖房を最優先する乗員の強い要求があると判断し、燃費優先で運転する通常の変速マップ1に代えてエンジン1の回転速度が高くなる暖房優先の変速マップ2を選択し、変速マップ2にしたがってCVT2の変速比を調節する。
【0017】
図3はCVTの燃費優先の通常の変速マップ1を示し、図4はCVTの暖房優先の変速マップ2を示す。これらの変速マップ1、2は、アクセルペダル操作量θごとの車速Vspに対するエンジン回転速度Neを定めた変速パターンを表す。図3および図4に示す変速マップ例では、1/8、2/8、4/8、8/8の各アクセルペダル操作量θの場合の車速Vspに対するエンジン回転速度Neの変速パターンを示す。この一実施の形態では、アクセルペダル操作量センサー10により検出したアクセルペダル操作量θに対応する変速パターンから、車速センサー12により検出した車速Vspに対応するエンジン回転速度Neを表引き演算し、このエンジン回転速度Neを実現するようにCVT2の変速比を調節する。
【0018】
燃費優先の通常の変速マップ1(図3)と暖房優先の変速マップ2(図4)とを比較すると、同一アクセルペダル操作量θと同一車速Vspに対するエンジン回転速度Neは、燃費優先の通常の変速マップ1よりも暖房優先の変速マップ2の方が高い。つまり、車室内の暖房を優先する時は、通常の最適燃費でエンジン1を運転する場合よりもエンジン回転速度を高くする。暖房優先の変速マップ2に沿ってCVT2の変速比を制御した場合には、燃費優先の通常の変速マップ1で制御する場合に比べ、エンジン1の冷却水温度Twは速く上昇し、しかも高い温度になる。したがって、エンジン冷却水を熱源にして車室内を暖房する無段変速機装備車でも、エンジン始動後に速く車室内温度を立ち上げ、十分な暖かさで車室内を暖房することができる。
【0019】
図5は、変速機・コントローラー8の変速制御プログラムを示すフローチャートである。このフローチャートにより、第1の実施の形態の動作を説明する。変速機・コントローラー8のCPU8aは、イグニッションスイッチ14がON位置に設定されている間、所定時間ごとにこの変速制御プログラムを実行する。
【0020】
ステップ1において、エンジン・コントローラー9から受信したエンジン冷却水温度Twが所定値α以上か否かを確認する。この所定値αは、燃費優先の通常の変速マップ1を選択するか否かを判定するエンジン冷却水温度Twの判定基準値であり、例えば80℃とする。エンジン冷却水温度Twが所定値α(80℃)以上の場合には、エンジン回転速度Neを上げなくてもエンジン冷却水を熱源として十分な暖かさで車室内を暖房することができるので、ステップ2へ進んで無条件に通常の変速マップ1(図3参照)を選択する。そして、通常の変速マップ1から現在の車速Vspとアクセルペダル操作量θに対応するエンジン回転速度Neを表引き演算し、そのエンジン回転速度Neを実現するようにCVT2の変速比を制御する。
【0021】
エンジン冷却水温度Twがα(80℃)未満のときはステップ3へ進み、エアコン・コントローラー5から受信した温度設定器6の設定値が最高温度になっているか否かを確認する。最高温度が設定されていないときは、乗員から車室内暖房を最優先する強い要求はないと判断し、ステップ2へ進んで燃費優先の通常の変速マップ1を選択し、変速マップ1にしたがってCVT2の変速比を制御する。
【0022】
温度設定器6が最高温度に設定されているときはステップ4へ進み、エアコン・コントローラー5から受信したファンスイッチ7の設定値が最大風量になっているか否かを確認する。最大風量が設定されていないときは、乗員から車室内暖房を最優先する強い要求はないと判断し、ステップ2へ進んで燃費優先の通常の変速マップ1を選択し、変速マップ1にしたがってCVT2の変速比を制御する。
【0023】
温度設定器6により最高温度に設定され、かつファンスイッチ7により最大風量が設定されているときはステップ5へ進み、車室内暖房を最優先する乗員の強い要求があると判断し、暖房優先の変速マップ2(図4参照)を選択する。そして、暖房優先の変速マップ2から現在のアクセルペダル操作量θと車速Vspに対応するエンジン回転速度Neを表引き演算し、そのエンジン回転速度Neを実現するようにCVT2の変速比を制御する。
【0024】
上述した第1の実施の形態では、温度設定器6により最高温度が設定され、かつファンスイッチ7により最大風量が設定されている場合に、燃費優先の通常の変速マップ1からエンジン回転速度が高くなる暖房優先の変速マップ2へ変更するようにしたが、車室内の目標温度に最高温度が設定されている場合、または空調風の吹き出し風量に最大風量が設定されている場合に燃費優先の通常の変速マップ1から暖房優先の変速マップ2へ変更するようにしてもよい。なお、車室内目標温度に最高温度が設定されている場合に変速マップを変更する例を示したが、必ずしも最高温度に限らず、温度設定器6が予め定めた高温位置に設定された場合に変速マップを変更するようにしてもよい。また、空調風の吹き出し風量に最大風量が設定されている場合に変速マップを変更する例を示したが、必ずしも最大風量に限らず、ファンスイッチ7が予め定めた風量の多い位置に設定されている場合に変速マップを変更するようにしてもよい。
【0025】
このように、第1の実施の形態によれば、エンジン1の動力をCVT2を介して駆動輪4a、4bへ伝達するとともに、エンジン1の冷却水を熱源として車室内の暖房を行う車両において、温度設定器6とファンスイッチ7が最高温度と最大風量の位置に設定された場合に、燃費優先の変速パターン(最良燃費の変速パターン)からエンジン回転速度が高くなる暖房優先の変速パターンへ変更し、変更後の変速パターンからアクセルペダル操作量と車速とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するようにCVT2の変速比を制御するようにしたので、エンジン始動後に速く車室内温度を立ち上げ、十分な暖かさで車室内を暖房することができる。
【0026】
また、第1の実施の形態によれば、エンジン冷却水温度が所定値α以上の場合は、燃費優先の通常の変速パターンから暖房優先の変速パターンへの変更を行わないようにしたので、エンジン冷却水を熱源にして十分な車室内暖房が期待できる場合には燃費優先の変速比制御が行われ、燃費が無駄に低下するのを防止できる。
【0027】
《発明の第2の実施の形態》
上述した第1の実施の形態では、車室内暖房を最優先にする乗員の強い要求があった場合に暖房優先の変速マップ2を選択する例を示したが、エンジン冷却水温度Twの上昇率が低い場合に暖房優先の変速マップ2を選択する第2の実施の形態を説明する。なお、この第2の実施の形態の構成は図1に示す構成と同様であり、説明を省略する。
【0028】
図6は、エンジン始動後の経過時間t[min]に対するエンジン冷却水温度Tw[℃]の上昇特性を示す。エンジン始動後、冷却水温度Twの特性曲線の傾きである上昇率dTw/dtが低いと、車室内温度の上昇が遅くなり、エンジン冷却水温度Twが上記所定値α(例えば80℃)に達するまでの間、車室内は十分な暖房が行えない。上述したように、この所定値αは、暖房優先の変速マップ2へ切り換えなくても燃費優先の通常の変速マップ1で十分に車室内の暖房が可能なエンジン冷却水温度である。
【0029】
なお、エンジン冷却水温度Twの上昇が遅くなる原因としては、エンジン1のブロック放熱量が大きい、外気温が低い、車室内暖房のために車室内空調ユニットのヒーターコア(不図示)を介してエンジン冷却水から車室内へ取り込む熱量が大きい、などが考えられる。
【0030】
この第2の実施の形態では、エンジン始動後の冷却水温度Twの上昇率dTw/dtが所定値γより低いときは、最良燃費で運転する通常の変速マップ1に代えてエンジン1の回転速度が高くなる暖房優先の変速マップ2を選択し、暖房優先の変速マップ2にしたがってCVT2の変速比を調節する。
【0031】
図7は、変速機・コントローラー8の変速制御プログラムを示すフローチャートである。このフローチャートにより、第2の実施の形態の動作を説明する。なお、図5に示す処理と同様な処理を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明を省略する。
【0032】
エンジン冷却水温度Twが所定値α(例えば80℃)以上の場合は、エンジン回転速度Neを上げなくてもエンジン冷却水を熱源として十分な暖かさで車室内を暖房することができるので、ステップ2へ進んで無条件に燃費優先の通常の変速マップ1(図3参照)を選択し、通常の変速マップ1にしたがってCVT2の変速比を制御する。
【0033】
エンジン冷却水温度Twが所定値α(80℃)未満のときはステップ11へ進み、エンジン始動後のエンジン冷却水温度Twの単位時間当たりの上昇率dTw/dtを演算する。続くステップ12において、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtが所定値γ未満か否かを確認する。この所定値γは、暖房優先の変速マップ2を選択するか否かを判定するエンジン冷却水温度上昇率dTw/dtの判定基準値である。
【0034】
エンジン冷却水温度Twの上昇率dTw/dtが所定値γ未満のときはステップ5へ進む。ステップ5では、暖房優先の変速マップ2を選択し、変速マップ2にしたがってCVT2の変速比を制御する。一方、エンジン冷却水温度Twの上昇率dTw/dtが所定値γ以上の場合はステップ2へ進み、エンジン冷却水温度Twはすぐに上記所定値α(80℃)に達するのでエンジン回転速度を上げる必要はないと判断し、燃費優先の通常の変速マップ1を選択し、変速マップ1にしたがってCVT2の変速比を制御する。
【0035】
このように、第2の実施の形態によれば、エンジン1の動力をCVT2を介して駆動輪4a、4bへ伝達するとともに、エンジン1の冷却水を熱源として車室内の暖房を行う車両において、エンジン冷却水温度の上昇率が所定値未満の場合は、燃費優先の変速パターンからエンジン回転速度が高くなる暖房優先の変速パターンに変更し、変更後の変速パターンからアクセルペダル操作量と車速とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するようにCVT2の変速比を制御するようにしたので、エンジン始動後に速く車室内温度を立ち上げ、十分な暖かさで車室内を暖房することができる。
【0036】
また、第2の実施の形態によれば、エンジン冷却水温度が所定値α以上の場合は、燃費優先の通常の変速パターンから暖房優先の変速パターンへの変更を行わないようにしたので、エンジン冷却水を熱源にして十分な車室内暖房が期待できる場合には燃費優先の変速比制御が行われ、燃費が無駄に低下するのを防止できる。
【0037】
《発明の第3の実施の形態》
上述した第2の実施の形態では、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtにより燃費優先の通常の変速パターン1から暖房優先の変速パターン2へ切り換え、エンジン回転速度を段階的に変化させる例を示したが、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtが所定値γ未満の場合は、水温上昇率dTw/dtが低いほどエンジン回転速度が高くなるように、水温上昇率dTw/dtに反比例してエンジン回転速度を連続的に変えるようにした第3の実施の形態を説明する。なお、この第3の実施の形態の構成は上述した図1に示す構成と同様であり、説明を省略する。
【0038】
図8は、変速機・コントローラー8の変速制御プログラムを示すフローチャートである。このフローチャートにより、第3の実施の形態の動作を説明する。なお、図7に示す処理と同様な処理を行うステップに対しては同一の符号を付して説明する。
【0039】
エンジン冷却水温度Twが所定値α(例えば80℃)以上の場合は、エンジン回転速度Neを上げなくてもエンジン冷却水を熱源として十分な暖かさで車室内を暖房することができるので、ステップ2へ進んで無条件に燃費優先の通常の変速マップ1(図3参照)を選択し、通常の変速マップ1にしたがってCVT2の変速比を制御する。
【0040】
エンジン冷却水温度Twが所定値α(80℃)未満のときはステップ11へ進み、エンジン始動後のエンジン冷却水温度Twの単位時間当たりの上昇率dTw/dtを演算する。続くステップ12において、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtが所定値γ未満か否かを確認する。上述したように、この所定値γは、暖房優先の変速マップ2を選択するか否かを判定するエンジン冷却水温度上昇率dTw/dtの判定基準値である。
【0041】
エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtが所定値γ以上の場合はステップ2へ進み、エンジン冷却水温度Twはすぐに上記所定値α(80℃)に達するのでエンジン回転速度を上げる必要はないと判断し、燃費優先の通常の変速マップ1を選択してCVT2の変速比を制御する。
【0042】
一方、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtが所定値γ未満のときはステップ13へ進み、とりあえず燃費優先の通常の変速マップ1から現在の車速Vsp1とアクセルペダル操作量θ1に対応するエンジン回転速度Ne1を読み込む。続くステッ14で、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtによりエンジン回転速度Ne1を補正する。
【0043】
図9は燃費優先の通常の変速マップ1を示し、曲線▲1▼はアクセルペダル操作量θ1における車速Vspに対するエンジン回転速度Neの変速パターンを示す。アクセルペダル操作量θ1の変速パターン▲1▼上で、車速Vsp1に対するエンジン回転速度はNe1である。
【0044】
図10は、燃費優先の通常の変速マップ1から読み込んだ車速Vsp1とアクセルペダル操作量θ1の場合のエンジン回転速度Ne1に対する、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtによる補正マップを示す。図において、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtが上記所定値γ以上の場合のエンジン回転速度は、上述したように、燃費優先の通常の変速マップ1から読み込んだ車速Vsp1とアクセルペダル操作量θ1の場合のエンジン回転速度Ne1である。
【0045】
この一実施の形態では、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtが所定値γより低くなるにしたがってエンジン回転速度Neが高くなるように補正する。すなわち、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtに反比例してエンジン回転速度Neを増加補正する。例えば、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtがγ1、γ2と低くなるにつれてエンジン回転速度がNe2、Ne3と高くなるように補正する。
【0046】
エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtが所定値γより低くなるにしたがってエンジン回転速度Neが高くなるように補正することは、図9に示す燃費優先の通常の変速マップ1において、アクセルペダル操作量θ1、エンジン冷却水温度上昇率γに対する変速パターン▲1▼を、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtがγ1、γ2と低くなるにしたがって変速パターン▲2▼、▲3▼とエンジン回転速度Neが高くなるように変更することに相当する。
【0047】
図8のステップ15において、エンジン冷却水温度上昇率dTw/dtによる補正後のエンジン回転速度NeとなるようにCVT2の変速比を制御する。
【0048】
このように、第3の実施の形態によれば、エンジン冷却水温度の上昇率が低いほどエンジン回転速度が高くなるように燃費優先の通常の変速パターンを変更するようにしたので、エンジン始動後に速く車室内温度を立ち上げ、十分な暖かさで車室内を暖房することができる。
【0049】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、アクセルペダル操作量センサー10がアクセルペダル操作量検出手段を、車速センサー12が車速検出手段を、エンジン回転センサー13がエンジン回転速度検出手段を、変速機・コントローラー8のメモリ8bが変速パターン記憶手段を、変速機・コントローラー8のCPU8aが変速比制御手段および変速パターン変更手段を、温度設定器6が温度設定手段を、ファンスイッチ7が風量設定手段を、水温センサー11が冷却水温度検出手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】CVT車とAT車とのエンジン冷却水放熱量の違いを説明する図である。
【図3】燃費優先の通常の変速マップ1を示す図である。
【図4】暖房優先の変速マップ2を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図6】エンジン冷却水温度の上昇率を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態の変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図9】アクセルペダル操作量θ1のときの変速マップを示す図である。
【図10】アクセルペダル操作量θ1、車速Vsp1に対するエンジン回転速度Ne1の補正マップを示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 無段変速機
3 減速機
4a、4b 駆動輪
5 エアコン・コントローラー
6 温度設定器
7 ファンスイッチ
8 変速機・コントローラー
8a CPU
8b メモリ
9 エンジン・コントローラー
10 アクセルペダル操作量センサー
11 水温センサー
12 車速センサー
13 エンジン回転センサー
14 イグニッションスイッチ

Claims (7)

  1. アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、
    アクセルペダル操作量と車速に対するエンジン回転速度を定めた無段変速機の最良燃費の変速パターンを記憶する変速パターン記憶手段と、
    前記変速パターンから前記アクセルペダル操作量検出値と前記車速検出値とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するように前記無段変速機の変速比を制御する変速比制御手段とを備え、
    前記エンジンの動力を前記無段変速機を介して駆動輪へ伝達するとともに、前記エンジンの冷却水を熱源として車室内の暖房を行う車両の無段変速機制御装置であって、
    車室内の暖房を行うための暖房操作部材と、
    前記暖房操作部材が予め定めた位置に設定された場合は、エンジン回転速度が高くなるように前記最良燃費の変速パターンを変更する変速パターン変更手段とを備え、
    前記変速比制御手段は、前記変速パターン変更手段で変速パターンが変更された場合は、変更後の変速パターンから前記アクセルペダル操作量検出値と前記車速検出値とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するように前記無段変速機の変速比を制御することを特徴とする無段変速機制御装置。
  2. 請求項1に記載の無段変速機制御装置において、
    前記暖房操作部材は車室内の目標温度を設定する温度設定手段であり、
    前記変速パターン変更手段は、前記温度設定手段が最高温度の位置に設定された場合は前記最良燃費の変速パターンを変更することを特徴とする無段変速機制御装置。
  3. 請求項1に記載の無段変速機制御装置において、
    前記暖房操作部材は車室内へ吹き出す温風の風量を設定する風量設定手段であり、
    前記変速パターン変更手段は、前記風量設定手段が最大風量の位置に設定された場合は前記最良燃費の変速パターンを変更することを特徴とする無段変速機制御装置。
  4. 請求項1〜3に記載の無段変速機制御装置において、
    前記エンジンの冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段を備え、
    前記変速パターン変更手段は、前記冷却水温度検出手段で所定値以上の温度が検出された場合は、前記最良燃費の変速パターンの変更を行わないことを特徴とする無段変速機制御装置。
  5. アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、
    アクセルペダル操作量と車速に対するエンジン回転速度を定めた無段変速機の最良燃費の変速パターンを記憶する変速パターン記憶手段と、
    前記変速パターンから前記アクセルペダル操作量検出値と前記車速検出値とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するように前記無段変速機の変速比を制御する変速比制御手段とを備え、
    前記エンジンの動力を前記無段変速機を介して駆動輪へ伝達するとともに、前記エンジンの冷却水を熱源として車室内の暖房を行う車両の無段変速機制御装置であって、
    前記エンジンの冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水温度検出値の上昇率が所定値未満の場合は、エンジン回転速度が高くなるように前記最良燃費の変速パターンを変更する変速パターン変更手段とを備え、
    前記変速比制御手段は、前記変速パターン変更手段で変速パターンが変更された場合は、変更後の変速パターンから前記アクセルペダル操作量検出値と前記車速検出値とに対応するエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度を実現するように前記無段変速機の変速比を制御することを特徴とする無段変速機制御装置。
  6. 請求項5に記載の無段変速機制御装置において、
    前記変速パターン変更手段は、前記冷却水温度の上昇率が低いほどエンジン回転速度が高くなるように前記最良燃費の変速パターンを変更することを特徴とする無段変速機制御装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の無段変速機制御装置において、
    前記変速パターン変更手段は、前記冷却水温度検出手段で所定値以上の温度が検出された場合は、前記最良燃費の変速パターンの変更を行わないことを特徴とする無段変速機制御装置。
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