JP2004239021A - 車両用自動開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用自動開閉装置を小型、軽量化することである。
【解決手段】一端がテールゲートに連結された連結ロッド17の他端にはピン部材21が固定されている。一方、アクチュエータユニット18には支持軸28に揺動自在に支持された揺動アーム22が設けられており、ピン部材21は揺動アーム22に形成されたスロット27aに支持軸28に対して接近離反する方向に移動自在に係合されている。また、車両にはスロット24aが形成されたガイド部材24が固定されており、ピン部材21はこのスロット24aにも係合されている。そして、揺動アーム22が電動モータ31に駆動されて閉位置から開位置へ向けて移動すると、ピン部材21はガイド部材24に案内されて支持軸28に近づく方向に移動し、揺動アーム22の作用半径Rはテールゲートの開度の増加に応じて小さくなる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両には、ドアやトランクリッド、バックドア等、ヒンジを介して開閉自在の開閉部材が随所に設けられている。特に、ワゴン車やワンボックス車等では、車両の後端部に上下方向に開閉するバックドアを設けて車両後方からの荷物の積み下ろしを容易に行い得るようにしたものが多く見受けられる。この場合、バックドアは車両上方に大きく跳ね上げられることになるため、テールゲートやリフトゲート、リヤハッチ等とも呼ばれている。
【0003】
このようなバックドアには、通常、開閉操作を容易にするためにガスステーが装着されている。ガスステーは内部にガスが封入されたシリンダ機構を有する構造となっており、バックドアの開閉動作に伴って伸縮し、バックドアに対して開方向に向く反力を加えるようになっている。このガスステーによりバックドアに加えられる反力の作用は、一般的に、バックドアの開度が大きくなるに従って増加して全開位置付近において最大となるような特性が与えられていることが多く、一方で、バックドアを容易に閉じることができるように、全閉位置付近となったバックドアには反力は殆ど作用しない設定とされている。これにより、バックドアを開放操作する際の操作力が低減され、全開位置となったバックドアが自重により自然に閉じられることが防止される。
【0004】
一方、近年では、バックドアの開閉操作をさらに容易にするために、電動モータを駆動源とする自動開閉装置によりバックドアを自動的に開閉するようにした車両が登場している。このような自動開閉装置としては、電動モータにより駆動されて揺動する揺動アームを連結ロッドを介してバックドアに連結し、揺動アームの揺動運動を連結ロッドを介してバックドアに伝達して自動開閉動作を行うようにしたものが知られている。そして、このような自動開閉装置を備えた車両においてもバックドアにガスステーが装着されているものもあり、自動開動作する際に電動モータに加わる負荷を低減させるようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−194946号公報(第3頁、第1−2図)
【0006】
【特許文献2】
米国特許第5448856号明細書(第4−6欄、第1―3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のように、ガスステーからバックドアに加えられる反力が、バックドアが全開位置付近となったときに最大となる設定の場合では、全開位置付近にあるバックドアを自動的に閉じる際には特に大きな駆動力が必要となる。
【0008】
したがって、自動開閉装置に用いる電動モータとしては、全開位置付近にあるバックドアを駆動することができる程度に大きな出力のものが選定されることになり、この自動開閉装置を大きく、また、重いものとしていた。
【0009】
本発明の目的は、車両用自動開閉装置を小型、軽量化することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用自動開閉装置は、ヒンジを介して車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、一端に設けられた連結部において前記開閉部材に回動自在に連結された連結ロッドと、電動モータによって駆動され、前記開閉部材の全閉位置に対応する閉位置と全開位置に対応する開位置との間で揺動する揺動アームと、前記揺動アームに設けられ、前記連結ロッドの他端に設けられた摺動体を前記揺動アームの揺動中心軸に対して接近離反する方向へ移動自在に支持する摺動案内部と、前記車両に固定され、前記揺動アームの揺動位置に応じて前記揺動アームと前記連結ロッドとの連結位置を変化させるように前記摺動体を案内するガイド部材とを有し、前記開閉部材の開度に応じて前記揺動アームの作用半径が変化することを特徴とする。
【0011】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記揺動アームに設けられたスロットと前記ガイド部材に設けられたスロットとに係合するピン部材を前記連結ロッドの他端に設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記ガイド部材を前記揺動アームの揺動中心軸からの距離が変化する湾曲形状に形成したことを特徴とする。
【0013】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記開閉部材を前記車両の後端部に上下方向に開閉自在に設け、前記開閉部材の開度が増加するに従って前記揺動アームと前記連結ロッドとの連結位置が前記揺動アームの揺動中心軸に近づくことを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、揺動アームの作用半径を開閉部材から加えられる負荷に応じて変化させることにより電動モータに加わる負荷をある程度均一化された小さな値とすることができるので、小さな電動モータを用いてこの車両用自動開閉装置を小型、軽量化することができる。
【0015】
また、本発明にあっては、揺動アームの作用半径はガイド部材の形状に応じて変化するので、ガイド部材の形状を変更することにより揺動アームの作用半径の変化を様々な特性の開閉部材に合わせたものに容易に対応させることができる。
【0016】
さらに、本発明にあっては、揺動アームの作用半径を変更するために、別途、動力源を設ける必要がないので、この車両用自動開閉装置を低コストとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態であるパワーテールゲート装置が設けられた車両の一部であって、テールゲートが全閉位置のときを示す側面図であり、図2は図1に示す車両の一部であって、テールゲートが全開位置のときを示す側面図である。また、図3は図1、図2に示すパワーテールゲート装置の概略を示す正面図であり、図4は図3におけるA−A線に沿う断面図である。
【0019】
図1、図2に示すように、車両11の後端部には開閉部材としてのテールゲート12が設けられている。テールゲート12は車両ルーフ13の後端部に取り付けられたヒンジ14を介して車両11に開閉自在に装着されており、図1に示すように車両11に対して略垂直となる全閉位置と、図2に示すように車両11に対して略水平となる全開位置との間で、略水平となるヒンジ軸14aを中心とした約80度の範囲で上下方向に開閉するようになっている。
【0020】
車両11とテールゲート12との間にはガスステー15が装着されており、テールゲート12はこのガスステー15により開方向に付勢されている。このガスステー15は内部にガスが封入されたシリンダ機構を有する従来から知られたものであり、テールゲート12の開閉に伴って伸縮するようになっている。そして、このガスステー15の反力はテールゲート12の開度増加に従って増加する特性とされており、テールゲート12が全開位置となったときに最大の反力を生じるようになっている。
【0021】
この車両11には車両用自動開閉装置としてのパワーテールゲート装置16が設けられており、テールゲート12はこのパワーテールゲート装置16により自動的に開閉されるようになっている。
【0022】
このパワーテールゲート装置16は連結ロッド17とアクチュエータユニット18とを有しており、アクチュエータユニット18の出力を連結ロッド17を介してテールゲート12に伝達する構造となっている。
【0023】
連結ロッド17は鋼材により形成されており、その一端に設けられた連結部17aにおいてテールゲート12に回動自在に連結されている。テールゲート12と連結部17aとの連結位置はヒンジ軸14aから所定距離だけ離されており、この連結ロッド17を上下方向に駆動することによりテールゲート12を開閉することができるようになっている。また、連結ロッド17の他端には摺動体としてのピン部材21が固定されており、後述するように、連結ロッド17はこのピン部材21においてアクチュエータユニット18に連結されている。
【0024】
アクチュエータユニット18は揺動アーム22と駆動ユニット23およびガイド部材24を有しており、車両11の左側のリヤピラー25の内部に装着されている。
【0025】
揺動アーム22は円盤状に形成された基端部26とこの基端部26と一体に径方向に直線的に延びて形成されたアーム部27とを有しており、基端部26において支持軸28に揺動自在に支持されている。基端部26の外周には所定の角度範囲でギヤ部26aが形成されており、揺動アーム22はこのギヤ部26aにおいて駆動ユニット23に接続されて駆動ユニット23により駆動されるようになっている。
【0026】
駆動ユニット23は駆動源としての電動モータ31を有しており、この電動モータ31の出力はウォームギヤ機構32を介して減速して出力ギヤ33に伝達されるようになっている。出力ギヤ33はギヤ部26aに噛み合わされており、電動モータ31が正逆回転すると、その回転は出力ギヤ33を介して揺動アーム22に伝達されるようになっている。そして、揺動アーム22は電動モータ31により駆動されてテールゲート12の全閉位置に対応する閉位置と全開位置に対応する開位置との間で揺動されるようになっている。なお、電動モータ31には各種制御信号を演算するマイクロプロセッサ(CPU)と、制御プログラム、演算式およびマップデータなどが格納されるROM、一時的にデータを格納するRAM等を有する図示しない電子制御ユニット(ECU)が接続されており、電動モータ31はこのECUにより駆動制御されるようになっている。
【0027】
揺動アーム22のアーム部27には径方向に直線的に延びる長孔状に形成された摺動案内部としてのスロット27aが形成されており、図4に示すように、前述のピン部材21はこのスロット27aに摺動自在に係合されている。つまり、ピン部材21はスロット27aに揺動アーム22の揺動中心軸つまり支持軸28に対して接近離反する方向へ移動自在に支持されている。なお、ピン部材21にはスロット27aの幅寸法より大径に形成されたヘッド部21aが設けられており、ピン部材21が各スロット27aから脱落するのを防止している。
【0028】
このように、連結ロッド17はピン部材21を介して揺動アーム22に連結されており、揺動アーム22が揺動してピン部材21が揺動アーム22とともに揺動されると、その揺動運動をテールゲート12に伝達するようになっている。
【0029】
また、図4に示すように、ピン部材21は揺動アーム22のスロット27aに係合するとともにガイド部材24に設けられたスロット24aにも係合されている。
【0030】
ガイド部材24は揺動アーム22の揺動軌道に隣接して車両11に固定されており、揺動アーム22はこのガイド部材24に沿って揺動するようになっている。そして、ガイド部材24に設けられたスロット24aは支持軸28からの距離が変化する湾曲形状に形成されており、閉位置にある揺動アーム22に対してはアーム部27の先端側と対向し、ここから徐々に支持軸28からの距離を狭め、開位置にある揺動アーム22に対しては支持軸28からの距離が最短となってアーム部27の根本側に対向するようになっている。
【0031】
したがって、揺動アーム22が揺動すると、ピン部材21はその移動に伴ってガイド部材24に案内され、揺動アーム22が閉位置にあるときにはアーム部27の先端側に位置し、揺動アーム22が開位置側に向けて移動するとそれに伴ってスロット27a内を支持軸28に近づく方向に移動され、揺動アーム22が開位置となったときには支持軸28に最も近づいた位置とされる。つまり、テールゲート12の開度が増加すると、これに従って揺動アーム22と連結ロッド17との連結位置が支持軸28に近づく方向に移動することになる。
【0032】
このように、揺動アーム22が電動モータ31に駆動されて揺動するとピン部材21がガイド部材に案内されて、揺動アーム22と連結ロッド17の連結位置は揺動アーム22の揺動位置に応じて変化されるようになっている。
【0033】
図5(a)〜(c)は図3に示すパワーテールゲート装置の作動状態を示す側面図であり、図6はテールゲートに加わる静的回転モーメントの特性を示す特性線図である。
【0034】
次に、このような構造のパワーテールゲート装置16の作動について説明する。
【0035】
図5(a)〜(c)に示すように、全開位置にあるテールゲート12を自動閉作動させる場合には、電動モータ31を作動させて揺動アーム22を開位置から閉位置に向けて移動させる。揺動アーム22が閉位置に向けて移動すると、その変位が連結ロッド17を介してテールゲート12に伝達され、テールゲート12は閉方向に移動される。反対に、全閉位置にあるテールゲート12を自動開作動させる場合には、電動モータ31を作動させて揺動アーム22を閉位置から開位置に向けて移動させる。揺動アーム22が開位置に向けて移動すると、その変位が連結ロッド17を介してテールゲート12に伝達され、テールゲート12は開方向に移動される。
【0036】
ここで、前述したように、テールゲート12はガスステー15により開方向に付勢されているので、テールゲート12にはガスステー15の反力によりヒンジ軸14a回りのモーメントが加えられている。また、テールゲート12にはその自重によりガスステー15によるモーメントとは逆向きにヒンジ軸14a回りのモーメントが加えられている。つまり、ヒンジ軸14aにはガスステー15の反力によるモーメントとテールゲート12の自重によるモーメントとを合成した静的回転モーメントMが加えられている。
【0037】
この静的回転モーメントMの特性は、図6に示すように、テールゲート12が全閉位置付近にあってその開度が小さいときにはテールゲート12を閉じる方向に働いており、テールゲート12が全開位置となったときには、テールゲート12を開く方向に働くとともにその値の絶対値は全閉位置付近における値の絶対値より大きくなっている。したがって、テールゲート12を閉じる際には、特にテールゲート12が全開位置にあるときに大きな駆動力が必要となり、テールゲート12の開度が小さくなるに連れて必要駆動力は低下する。そして、テールゲート12の開度が約15度以下となったときには、駆動力は殆ど必要としない状態となる。また、テールゲート12を開方向に移動させる場合と閉方向に移動する場合では、ガスステー15の摺動抵抗等により、静的回転モーメントMの値は若干異なるが、基本的には同一の傾向となる。
【0038】
これに対して、このパワーテールゲート装置16では、図5(a)に示すように、揺動アーム22が開位置となったとき、つまりテールゲート12が全開位置となったときには、ピン部材21がガイド部材24に案内されて連結ロッド17と揺動アーム22との連結位置は支持軸28に最も近づいた位置となっている。
つまり、支持軸28から連結ロッド17と揺動アーム22との連結位置までの距離である揺動アーム22の作用半径Rは最短となっている。なお、作用半径Rとは揺動アーム22を支持軸28を支点とした梃子に見立てた場合における支点から作用点までの距離のことであり、揺動アーム22が同一の力で駆動されたときには、揺動アーム22から連結ロッド17に加えられる駆動力Fは作用半径Rが小さいほど大きくなる。
【0039】
したがって、開位置となったときの揺動アーム22が連結ロッド17を駆動する駆動力Fは大きくなっており、全開位置にあるテールゲート12を容易に閉方向に駆動することができる。
【0040】
次に、テールゲート12が閉方向に移動してテールゲート12を駆動するために必要な駆動力が小さくなると、それに従って、図5(b)に示すように、揺動アーム22の作用半径Rは増加し、揺動アーム22の駆動力Fは徐々に低下する。つまり、テールゲート12が閉方向に移動して静的回転モーメントMが減少したときにはテールゲート12を閉方向に駆動するために必要な駆動力は小さくなるので、これに合わせて揺動アーム22の作用半径Rを増加させて揺動アーム22の駆動力Fを低下させるのである。また、揺動アーム22の作用半径Rが増加すると、これに伴いテールゲート12の移動速度が増してドアストロークを確保することができる。
【0041】
そして、図5(c)に示すように、テールゲート12が全閉位置付近にまで達したときには、テールゲート12を駆動するための駆動力は殆ど必要ないので、揺動アーム22の作用半径Rは最大とされ駆動力Fは最低となる。
【0042】
このように、このパワーテールゲート装置16では、テールゲート12の開度に応じて揺動アーム22の作用半径Rを変化させることにより、テールゲート12を駆動するために必要な駆動力が大きいとき、つまりテールゲート12から揺動アーム22に加えられる負荷が大きいときには揺動アーム22の作用半径Rを小さくし、テールゲート12から揺動アーム22に加えられる負荷が小さいときには作用半径Rを大きくすることができる。これにより、駆動源である電動モータ31に加わる負荷をある程度均一化された小さな値とすることができるので、電動モータ31の必要トルクは低減されることになり、小さな電動モータ31を用いてこのパワーテールゲート装置16を小型、軽量化することができる。
【0043】
また、このパワーテールゲート装置16では、揺動アーム22の作用半径Rは、ピン部材21がガイド部材24に案内されてアーム部27のスロット27a内を移動することにより変えられるので、別途、連結位置を変えるための動力源を設ける必要がなく、このパワーテールゲート装置16を低コストとすることができる。
【0044】
(実施の形態2)
図7(a)〜(c)は本発明の他の実施の形態であるパワーテールゲート装置の作動状態を示す側面図であり、図8は図7に示すパワーテールゲート装置が用いられるテールゲートの静的回転モーメントの特性を示す特性線図である。なお、図7においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0045】
図7に示すパワーテールゲート装置41は、図3に示すパワーテールゲート装置16に対してガイド部材42の形状が異なるものであり、その他の部分については略同一の構造となっている。したがって、以下にはガイド部材42の形状と、それに伴う相違点についてのみ説明する。
【0046】
図7に示すパワーテールゲート装置41が用いられるテールゲート12における静的回転モーメントmは、図8に示すような特性となっている。つまり、静的回転モーメントmは、テールゲート12が全閉位置付近にあってその開度が小さいときには殆ど生じず、テールゲート12の開度が増加してその開度が50度程度となったときに開く方向に最大となる。また、そこから更に開度が増すと、それに連れて静的回転モーメントmは再度低下し、全開位置付近にあるときの静的回転モーメントmは最大値と比較して十分に小さな値となる。したがって、テールゲート12を閉じる際には、特にテールゲート12の開度が約50度となったときにに大きな駆動力が必要となり、テールゲート12が全開位置もしくは全閉位置に近づくに従ってテールゲート12を駆動するのに必要な駆動力は低下する。また、テールゲート12を開方向に移動させる場合と閉方向に移動する場合では、ガスステー15の摺動抵抗等により、静的回転モーメントmの値は若干異なるが、基本的には同一の傾向となる。
【0047】
このような特性に対して、このパワーテールゲート装置41に用いられるアクチュエータユニット43のガイド部材42は以下のような形状に形成されている。
【0048】
つまり、ガイド部材42は、スロット42aが揺動アーム22の揺動位置が閉位置と開位置との間であって、テールゲート12の開度を約50度程度とする位置となったときに最も支持軸28に接近し、揺動アーム22が開位置となったときにはアーム部27の先端側と対向し、揺動アーム22が閉位置となったときにはアーム部27の長手方向の略中間位置に対向するように湾曲して形成されている。
【0049】
これにより、揺動アーム22と連結ロッド17との連結位置はテールゲート12の開度が約50度となったときに最も支持軸28に近づき、このとき揺動アーム22の作用半径rは最短となる。また、揺動アーム22がこの位置から開位置に向けて移動すると、それに伴い作用半径rは増大し、開位置となったときに作用半径rは最大となる。一方、揺動アーム22が、テールゲート12の開度を約50度とする位置から閉位置に向けて移動すると、それに伴い作用半径rは増大し、閉位置となったときには作用半径rは開位置となったときの略半分程度となる。
【0050】
したがって、このパワーテールゲート装置41では、図7(a)に示すように、揺動アーム22が開位置となってテールゲート12が全開位置にあるときには大きな駆動力が必要ないので揺動アーム22の作用半径rが最も大きくなり、電動モータ31に駆動される揺動アーム22が連結ロッド17を駆動する駆動力fは小さくなる。
【0051】
そして、揺動アーム22が開位置からテールゲート12を閉じる方向に移動すると、テールゲート12の開度が低下してこのテールゲート12を駆動するために必要な駆動力は増加するので、これに伴い揺動アーム22の作用半径rは徐々に小さくなって揺動アーム22が連結ロッドを駆動する駆動力fは増加する。そして、図7(b)に示すように、テールゲート12の開度を約50度とする位置にまで移動すると、作用半径rは最短となって揺動アーム22が連結ロッドを駆動する駆動力fは最大となる。
【0052】
揺動アーム22がこの位置からさらに閉位置側に移動すると、テールゲート12を駆動するために必要な駆動力は低下するので、揺動アーム22の作用半径rは徐々に増加して、テールゲート12が全閉位置付近にまで達したときには、図7(c)に示すように、連結ロッド17と揺動アーム22との連結位置はアーム部27の略中間位置となる。
【0053】
このように、このパワーテールゲート装置41が用いられるテールゲート12では、テールゲート12を駆動するために必要な駆動力、つまりテールゲート12から加えられる負荷は中間開度にて最大となるので、ガイド部材42は揺動アーム22の作用半径rを中間開度において最大とするような形状に形成されているのである。これにより、実施の形態1の場合と同様に、テールゲート12から加えられる負荷が大きいときには揺動アーム22の作用半径rを小さくし、負荷が小さいときには作用半径rを大きくすることができるので、電動モータ31の必要トルクをある程度均一化された小さな値とし、小さな電動モータ31を用いてこのパワーテールゲート装置41を小型、軽量化することができる。
【0054】
また、このパワーテールゲート装置41では、揺動アーム22の作用半径rはガイド部材42の形状に応じて変化するので、実施の形態1との比較でわかるように、ガイド部材42の形状を変更することにより揺動アーム22の作用半径rを様々な特性の静的回転モーメントmが作用するテールゲート12に容易に対応させることができる。
【0055】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、前記実施の形態においては、揺動アーム22はギヤ部26aを備えた基端部26とアーム部27とを有する形状とされているが、これに限らず、例えば、扇形形状のセクタギヤ自体に摺動案内部を形成したり、円盤状部材に径方向に延びる摺動案内部を設けるなどしてもよい。また、揺動アーム22のギヤ部26aをリング状のギヤとして、このギヤ中心軸と一体回転自在にアーム部材を取り付けてもよい。
【0056】
また、前記実施の形態においては、開閉部材は車両11の後端部に設けられたテールゲート12とされているが、これに限らず、例えばセダン車等に設けられるトランクリッド等としてもよい。
【0057】
さらに、前記実施の形態においては、アーム部27およびガイド部材24にはスロット27a,24aが形成され、連結ロッド17の他端にはこれらのスロット27a,24aに係合するピン部材21が固定されているが、これに限らず、アーム部27およびガイド部材24にガイドレール等を設け、連結ロッド17の他端をこのガイドレールにて支持するようにしてもよい。
【0058】
さらに、前記実施の形態においては、車両11とテールゲート12との間にはガスステー15が装着されているが、これに限らず、ガスステー15に換えてトーションバー等のアシスト機構を用いてもよい。また、ガスステー15が装着されない車両に本発明を適用してもよい。
【0059】
さらに、前記実施の形態においては、揺動アーム22のスロット27aは径方向に直線的に形成されているが、これに限らず、支持軸28から離れるに連れて周方向に湾曲する形状に形成してもよい。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、揺動アームの作用半径を開閉部材から加えられる負荷に応じて変化させることにより電動モータに加わる負荷をある程度均一化された小さな値とすることができるので、小さな電動モータを用いてこの車両用自動開閉装置を小型、軽量化することができる。
【0061】
また、本発明によれば、揺動アームの作用半径はガイド部材の形状に応じて変化するので、ガイド部材の形状を変更することにより揺動アームの作用半径の変化を様々な特性の開閉部材に合わせたものに容易に対応させることができる。
【0062】
さらに、本発明によれば、揺動アームの作用半径を変更するために、別途、動力源を設ける必要がないので、この車両用自動開閉装置を低コストとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるパワーテールゲート装置が設けられた車両の一部であって、テールゲートが全閉位置のときを示す側面図である。
【図2】図1に示す車両の一部であって、テールゲートが全開位置のときを示す側面図である。
【図3】図1、図2に示すパワーテールゲート装置の概略を示す正面図である。
【図4】図3におけるA−A線に沿う断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、図3に示すパワーテールゲート装置の作動状態を示す側面図である。
【図6】テールゲートに加わる静的回転モーメントの特性を示す特性線図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明の他の実施の形態であるパワーテールゲート装置の作動状態を示す側面図である。
【図8】図7に示すパワーテールゲート装置が用いられるテールゲートの静的回転モーメントの特性を示す特性線図である。
【符号の説明】
11 車両
12 テールゲート
13 車両ルーフ
14 ヒンジ
14a ヒンジ軸
15 ガスステー
16 パワーテールゲート装置
17 連結ロッド
17a 連結部
18 アクチュエータユニット
21 ピン部材
21a ヘッド部
22 揺動アーム
23 駆動ユニット
24 ガイド部材
24a スロット
25 リヤピラー
26 基端部
26a ギヤ部
27 アーム部
27a スロット
28 支持軸
31 電動モータ
32 ウォームギヤ機構
33 出力ギヤ
41 パワーテールゲート装置
42 ガイド部材
42a スロット
43 アクチュエータユニット
M,m 静的回転モーメント
R,r 作用半径
F,f 駆動力

Claims (4)

  1. ヒンジを介して車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
    一端に設けられた連結部において前記開閉部材に回動自在に連結された連結ロッドと、
    電動モータによって駆動され、前記開閉部材の全閉位置に対応する閉位置と全開位置に対応する開位置との間で揺動する揺動アームと、
    前記揺動アームに設けられ、前記連結ロッドの他端に設けられた摺動体を前記揺動アームの揺動中心軸に対して接近離反する方向へ移動自在に支持する摺動案内部と、
    前記車両に固定され、前記揺動アームの揺動位置に応じて前記揺動アームと前記連結ロッドとの連結位置を変化させるように前記摺動体を案内するガイド部材とを有し、
    前記開閉部材の開度に応じて前記揺動アームの作用半径が変化することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  2. 請求項1記載の車両用自動開閉装置において、前記揺動アームに設けられたスロットと前記ガイド部材に設けられたスロットとに係合するピン部材を前記連結ロッドの他端に設けたことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  3. 請求項1または2記載の車両用自動開閉装置において、前記ガイド部材を前記揺動アームの揺動中心軸からの距離が変化する湾曲形状に形成したことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、前記開閉部材を前記車両の後端部に上下方向に開閉自在に設け、前記開閉部材の開度が増加するに従って前記揺動アームと前記連結ロッドとの連結位置が前記揺動アームの揺動中心軸に近づくことを特徴とする車両用自動開閉装置。
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