JP2004238932A - 接合金具及びこれを使用した回り階段又は建築物 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な作業を伴うことなく回り階段を構成できる接合金具を提供する。
【解決手段】垂直方向に立設された支持体に固定される第一部材と、水平方向に配置される板材に固定される第二部材とを備え、支持体を中心にした回り階段を実現する接合金具である。柱に固定される第一部材1と、水平方向に配置される板材BOに固定される第二部材2とを備え、柱を中心にした回り階段を実現する接合金具である。第一部材1に複数の凹部7が形成される一方、第二部材2に凸部12が形成され、凹部と凸部の係合位置が適宜に変更される。
【選択図】 図1
【解決手段】垂直方向に立設された支持体に固定される第一部材と、水平方向に配置される板材に固定される第二部材とを備え、支持体を中心にした回り階段を実現する接合金具である。柱に固定される第一部材1と、水平方向に配置される板材BOに固定される第二部材2とを備え、柱を中心にした回り階段を実現する接合金具である。第一部材1に複数の凹部7が形成される一方、第二部材2に凸部12が形成され、凹部と凸部の係合位置が適宜に変更される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造建築の回り階段を構成する際に好適に使用される接合金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
木造建築は、鉄筋コンクリート製の建築物などと異なり、木材が本来持っている温かみを享受できる点で優れており、広く多くの人々に支持されている。但し、人口密度の高い日本では、敷地面積に限界があるため、1階建ての住宅は稀であり、一般には2階建て以上の木造建築となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、下の階から上の階に至る階段が必然的に必要となり、特に回り階段が必要になる場合がある。
【0004】
しかしながら、従来の技術では、この回り階段を実現するのが極めて困難であった。ここで、現場の作業に困難性がなく簡単に回り階段を実現することができれば、住宅設計にバリエーションが増加する結果、斬新な設計も可能となり、極めて有効である。
【0005】
本発明は、この着想に基づいてなされたものであって、複雑な作業を伴うことなく回り階段を構成できる接合金具を提供することを課題とする。また、複雑な作業を伴うことなく構成される回り階段、及びそのような回り階段を実現できる建築物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、垂直方向に立設された支持体に固定される第一部材と、水平方向に配置される板材に固定される第二部材とを備え、前記支持体を中心にした回り階段を実現する接合金具であって、前記第一部材に係合部が設けられる一方、前記第二部材に被係合部が設けられ、前記係合部と被係合部との係合位置が適宜に変更可能に構成されている。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、垂直方向に立設された支持体に固定される第一部材と、水平方向に配置される板材に固定される第二部材とを備え、前記支持体を中心にした回り階段を実現する接合金具であって、前記第一部材に係合部が設けられる一方、前記第二部材に被係合部が設けられ、前記第一部材に前記第二部材が挿入されることによって、前記係合部と前記被係合部が係合するようになっている。
【0008】
一方、請求項5に係る発明は、上記の接合金具を使用した回り階段であり、請求項6に係る発明は、上記の接合金具を使用した建築物である。なお、上記各発明は木造建築物に好適に使用されるが、これに限定されるものではない。また、支持体は、典型的には断面正方形の四角柱であるが、円柱形状やその他の断面形状であっても良い。
【0009】
上記各発明において、前記係合部と被係合部との係合は、実施例のような、凹凸形状による係合に限定されるものではなく、単純に当接されることで係合する態様も含まれる。したがって、請求項1における「係合部と被係合部との係合位置が適宜に変更可能」な構成も、例えば、円柱軸が円筒体に挿入された状態で、円柱軸が回転できるような場合も含まれる。
【0010】
但し、係合部と被係合部とは凹凸形状によって係合されるのが典型的であり、凹凸形状の少なくとも一方を、複数個の凹部か複数個の凸部で形成するのが一般的である。なお、それら凹凸部は必ずしも複数個である必要はなく、単数個を排除する趣旨ではない。
【0011】
前記第一部材には円筒体が形成され、この円筒体に前記係合部が設けられているのが好適である。また、前記第二部材には円柱軸部が形成され、この円柱軸部が前記第一部材の一部(好ましくは第一部材に設けられた円筒体)に挿入されるのも好適である。また、挿入された円柱軸部には嵌合部(実施例の切欠溝に限定されない)が形成されており、この嵌合部に装着片を装着して円柱軸部の抜け止めとするのが好適である。
【0012】
更に好ましい実施態様では、第一部材の円筒体には、係合部として凹部又は凸部が形成され、これに対応して第二部材には被係合部として凸部又は凹部が形成されている。また、好ましい実施態様では、第一部材にはメイン円筒体とサブ円筒体が形成され、第二部材の一部である円柱軸部が、メイン円筒体とサブ円筒部を貫通して挿入されるよう構成されている。なお、サブ円筒体から露出する円柱軸部の先端部に嵌合部を形成しておき、これに装着片を装着して円柱軸部の抜けを防止するのが好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施例に係る接合金具EQUを示す斜視図である。この接合金具EQUは、柱の側面に固定される第一部材1と、回り階段を形成する水平板の下面に固定される第二部材2と、第二部材2を第一部材1に挿入した状態で保持する抜止めリング3とで構成されている。
【0014】
第一部材1は、略平板状の本体部4に3つの円筒体5a,5b,5cが溶接されて構成され、また、各円筒体5の両側位置に合計6個の取付け穴6…6が形成されている。この取付け穴6…6は、第一部材1を柱の側面に固定するための貫通穴であり、取付け穴6を通して木ネジなどがネジ込まれる。
【0015】
図示の通り、本体部4の中央一端部には、屈曲片4aが設けられている。この屈曲片4aは、柱に対して第一部材1を位置決めする部分であり、柱の角に対応して本体部4から直角方向に屈曲形成されている。
【0016】
円筒体5a,5b,5cは、それぞれ同一径の貫通穴を有する円筒形状であるが、本体部4の上下端部に溶接されたメイン円筒体5a,5bと、中央位置に溶接されたサブ円筒体5cとに大別される。
【0017】
上下のメイン円筒体5a,5bは、上下対称の同一形状であり、図1のように、本体部4の左側に屈曲片4aを位置させるか、逆に、第一部材1を上下逆転させて本体部4の右側に屈曲片4aを位置させるかを自由に選択できるようになっている。したがって、この接合金具EQUは、柱の全ての角を使用することができ、柱の任意の側面に固定することが可能となる(図4参照)。
【0018】
また、上下のメイン円筒体5a,5bの外側端面には、図1に現われるように、複数の凹部7…7が形成されている。この実施例の場合、具体的には、12個の凹部7…7が、30°間隔の等ピッチで径方向に延設されている。
【0019】
第二部材2は、回り階段を形成する水平板の下面に当接され固定される固定部8と、固定部8の貫通穴に挿入されて固着される円柱軸部9とで構成されている。そして、固定部8は、厚肉の基端部10と、やや薄肉の延長部11とに区分され、延長部11は、平坦部11aと突出部11bとで反転U字状に形成されている。
【0020】
厚肉の基端部10には、円柱軸部9を受入れる貫通穴10aが形成されていると共に、基端部10の下面には、貫通穴10aの軸方向下向きに突起する一対の凸部12が形成されている。この凸部12は、第一部材1の円筒体5に形成された凹部7に嵌入される部分であり、凹部7に対応した形状でやや小さく形成されている。
【0021】
この実施例の場合には、基端部10の180°対称位置に一対の凸部12,12が設けられ、第一部材1のメイン円筒体5aには、12個の凹部7…7が設けられているので、第一部材1と第二部材2の位置関係は、組み立て角度が30°ずつ相違する6パターンが存在することになる。
【0022】
第二部材2の延長部11の平坦部11aには、この実施例では、3個の取付け穴13が形成されている。そして、平坦部11aの上面を木板に当接させ、取付け穴13を通して木ネジをネジ込むことによって、第二部材2を木板に固定するようになっている。
【0023】
円柱軸部9は、上側に位置するメイン円筒体5aから挿入されてサブ円筒体5cを貫通する部材である。そして、この円柱軸部9には、基端部10から距離Lだけ隔たった位置に、切込溝14が円周上に形成されている。基端部10から切込溝14までの距離Lは、メイン円筒体5aの上端面からサブ円筒体5cの下端面までの距離L’に対応して決定されており、L’≒Lであって、LはL’よりやや長く形成されている。したがって、円柱軸部9を円筒体5a,5cに挿入した状態では、サブ円筒体5cの下側に切込溝14が現われることになる。
【0024】
リング部材3は、切込溝14に嵌合されるバネ性を有する部材であり、リング部材3を切込溝14に嵌合させた状態でも、リング部材3の最外部が、円柱軸部9の外周面より充分外側に露出する大きさに形成されている。
【0025】
そして、L’≒Lに設定されていることより、円柱軸部9を円筒体5a,5cに挿入した後、リング部材3を切込溝14に嵌合すると、リング部材3とサブ円筒体5cとが係合することになり、その結果、第二部材2が第一部材1に固定されることになる。なお、リング部材3はバネ性を有するので、必要があれば、適宜な工具を用いてリング部材3を取り外すことも可能である。
【0026】
続いて、以上の構成からなる接合金具EQUを使用した回り階段について説明する。図2(a)は、4枚の三角板材BO1〜BO4を用いて、時計方向に上昇してゆく回り階段を構成した実施例を示す平面図である。各三角板材BO1〜BO4の間には、段差を形成する矩形板材VERTが垂直方向に配置されるが、この矩形板材VERTの取付け位置は、他の部分も含め、図2(a)の破線で示されている。
【0027】
なお、水平面に配置される4枚の板材BO1〜BO4は、全て略直角二等辺三角形に形成されているが、図3に示すように、一段目と三段目の板材BO1,BO3、及び二段目と四段目の板材BO2,BO4は、それぞれ終端部の形状も含め同一である。
【0028】
この実施例では、4枚の板材BO1〜BO4に対応して4個の接合金具EQU1〜EQU4が使用されており、それぞれ中央の柱POに固定されている。一方、各板材BO1〜BO4における接合金具EQUの反対側は補助金具SUによって保持されている。
【0029】
補助金具SUは、図2(b)に示すように断面L字状に構成されており、水平方向に1つの貫通穴Hが形成され、垂直方向に2つの貫通穴Vが形成されている。そして、貫通穴Hを利用して補助金具SUを側板に固定する一方、貫通穴Vを利用して補助金具SUが板材BOの下面に固定される。
【0030】
図5〜図7は、柱に固定される接合金具EQUを説明するための図面である。なお、図5〜図7は取付け方法を説明する一般的な図面であり、図2や図3の実施例と完全には整合しない。
【0031】
以上を踏まえて、図2の実施例について図5〜図7を参照しつつ説明する。板材BOを取り付けるには、先ず、接合金具EQUの第一部材1を中央の柱POに固定する(図5参照)。次に、第二部材の円柱軸部9を第一部材の円筒体5に挿入するが、その際には、板材BOの延設方向を考慮しつつ、凹部7と凸部12とを適宜に係合させて、第二部材2の延設方向の決定する(図5、図6参照)。
【0032】
しかる後、第二部材2の上に板材BOを載置し、下側から木ネジをネジ込むことによって、板材BOを第二部材2に固定する。そして、抜け止めリング3を切欠溝に装着する。図7は、この状態を図示した図面である。また、補助金具SUについても下側から木ネジをネジ込むことによって板材BOと固定する。
【0033】
このようにして、順番に板材BO1〜BO4を固定していくが、接合金具EQUの第一部材1と第二部材2との位置関係は30°間隔で適宜に変更できるので、最適な位置で板材BOと接合金具EQUを当接することができる(図4参照)。
【0034】
なお、以上説明した取付け手順は、一例を説明したに過ぎず適宜に変更できるのは勿論である。また、具体的に説明した接合金具についても、本発明の趣旨を逸脱することなく適宜に変更できる。
【0035】
例えば、実施例では、第一部材に屈曲片4aを設けたが、第一部材1の取付け位置の自由度を高める趣旨からは、屈曲片4aを設けない構成としても良い。そして、屈曲片4aを設けない場合には、3つの円筒体5a,5b,5cの構成に代えて、単一のメイン円筒体5aとサブ円筒体5cを設ける構成が採用される。
【0036】
また、サブ円筒体5cを設けないで、単一のメイン円筒体5aのみからなる構成でも良く、その場合には、メイン円筒体5aの下端面の近傍位置において、円柱軸部9に抜け止めリングが装着される。
【0037】
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、実施例では、4枚の板材を用いたが、その枚数は適宜に選択され、例えば、図8のように、6枚の板材BO1〜BO6を用いて回り階段を構成することもできる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複雑な作業を伴うことなく回り階段を構成できる接合金具を実現できる。また、複雑な作業を伴うことなく構成される回り階段、及びそのような回り階段を実現可能な建築物を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る接合金具を図示した斜視図である。
【図2】図1の接合金具を使用して構成した回り階段を示す平面図である。
【図3】図2の一部を拡大して図示した図面である。
【図4】接合金具の取付け状態を説明する図面である。
【図5】接合金具の取付け状態を説明する斜視図である。
【図6】第一部材と第二部材の位置関係を説明する図面である。
【図7】回り階段の完成状態を説明する断面図である。
【図8】他の実施例を説明する図面である。
【符号の説明】
PO 支持体(柱)
1 第一部材
BO 板材
2 第二部材
EQU 接合金具
7 係合部(凹部)
12 被係合部(凸部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造建築の回り階段を構成する際に好適に使用される接合金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
木造建築は、鉄筋コンクリート製の建築物などと異なり、木材が本来持っている温かみを享受できる点で優れており、広く多くの人々に支持されている。但し、人口密度の高い日本では、敷地面積に限界があるため、1階建ての住宅は稀であり、一般には2階建て以上の木造建築となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、下の階から上の階に至る階段が必然的に必要となり、特に回り階段が必要になる場合がある。
【0004】
しかしながら、従来の技術では、この回り階段を実現するのが極めて困難であった。ここで、現場の作業に困難性がなく簡単に回り階段を実現することができれば、住宅設計にバリエーションが増加する結果、斬新な設計も可能となり、極めて有効である。
【0005】
本発明は、この着想に基づいてなされたものであって、複雑な作業を伴うことなく回り階段を構成できる接合金具を提供することを課題とする。また、複雑な作業を伴うことなく構成される回り階段、及びそのような回り階段を実現できる建築物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、垂直方向に立設された支持体に固定される第一部材と、水平方向に配置される板材に固定される第二部材とを備え、前記支持体を中心にした回り階段を実現する接合金具であって、前記第一部材に係合部が設けられる一方、前記第二部材に被係合部が設けられ、前記係合部と被係合部との係合位置が適宜に変更可能に構成されている。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、垂直方向に立設された支持体に固定される第一部材と、水平方向に配置される板材に固定される第二部材とを備え、前記支持体を中心にした回り階段を実現する接合金具であって、前記第一部材に係合部が設けられる一方、前記第二部材に被係合部が設けられ、前記第一部材に前記第二部材が挿入されることによって、前記係合部と前記被係合部が係合するようになっている。
【0008】
一方、請求項5に係る発明は、上記の接合金具を使用した回り階段であり、請求項6に係る発明は、上記の接合金具を使用した建築物である。なお、上記各発明は木造建築物に好適に使用されるが、これに限定されるものではない。また、支持体は、典型的には断面正方形の四角柱であるが、円柱形状やその他の断面形状であっても良い。
【0009】
上記各発明において、前記係合部と被係合部との係合は、実施例のような、凹凸形状による係合に限定されるものではなく、単純に当接されることで係合する態様も含まれる。したがって、請求項1における「係合部と被係合部との係合位置が適宜に変更可能」な構成も、例えば、円柱軸が円筒体に挿入された状態で、円柱軸が回転できるような場合も含まれる。
【0010】
但し、係合部と被係合部とは凹凸形状によって係合されるのが典型的であり、凹凸形状の少なくとも一方を、複数個の凹部か複数個の凸部で形成するのが一般的である。なお、それら凹凸部は必ずしも複数個である必要はなく、単数個を排除する趣旨ではない。
【0011】
前記第一部材には円筒体が形成され、この円筒体に前記係合部が設けられているのが好適である。また、前記第二部材には円柱軸部が形成され、この円柱軸部が前記第一部材の一部(好ましくは第一部材に設けられた円筒体)に挿入されるのも好適である。また、挿入された円柱軸部には嵌合部(実施例の切欠溝に限定されない)が形成されており、この嵌合部に装着片を装着して円柱軸部の抜け止めとするのが好適である。
【0012】
更に好ましい実施態様では、第一部材の円筒体には、係合部として凹部又は凸部が形成され、これに対応して第二部材には被係合部として凸部又は凹部が形成されている。また、好ましい実施態様では、第一部材にはメイン円筒体とサブ円筒体が形成され、第二部材の一部である円柱軸部が、メイン円筒体とサブ円筒部を貫通して挿入されるよう構成されている。なお、サブ円筒体から露出する円柱軸部の先端部に嵌合部を形成しておき、これに装着片を装着して円柱軸部の抜けを防止するのが好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施例に係る接合金具EQUを示す斜視図である。この接合金具EQUは、柱の側面に固定される第一部材1と、回り階段を形成する水平板の下面に固定される第二部材2と、第二部材2を第一部材1に挿入した状態で保持する抜止めリング3とで構成されている。
【0014】
第一部材1は、略平板状の本体部4に3つの円筒体5a,5b,5cが溶接されて構成され、また、各円筒体5の両側位置に合計6個の取付け穴6…6が形成されている。この取付け穴6…6は、第一部材1を柱の側面に固定するための貫通穴であり、取付け穴6を通して木ネジなどがネジ込まれる。
【0015】
図示の通り、本体部4の中央一端部には、屈曲片4aが設けられている。この屈曲片4aは、柱に対して第一部材1を位置決めする部分であり、柱の角に対応して本体部4から直角方向に屈曲形成されている。
【0016】
円筒体5a,5b,5cは、それぞれ同一径の貫通穴を有する円筒形状であるが、本体部4の上下端部に溶接されたメイン円筒体5a,5bと、中央位置に溶接されたサブ円筒体5cとに大別される。
【0017】
上下のメイン円筒体5a,5bは、上下対称の同一形状であり、図1のように、本体部4の左側に屈曲片4aを位置させるか、逆に、第一部材1を上下逆転させて本体部4の右側に屈曲片4aを位置させるかを自由に選択できるようになっている。したがって、この接合金具EQUは、柱の全ての角を使用することができ、柱の任意の側面に固定することが可能となる(図4参照)。
【0018】
また、上下のメイン円筒体5a,5bの外側端面には、図1に現われるように、複数の凹部7…7が形成されている。この実施例の場合、具体的には、12個の凹部7…7が、30°間隔の等ピッチで径方向に延設されている。
【0019】
第二部材2は、回り階段を形成する水平板の下面に当接され固定される固定部8と、固定部8の貫通穴に挿入されて固着される円柱軸部9とで構成されている。そして、固定部8は、厚肉の基端部10と、やや薄肉の延長部11とに区分され、延長部11は、平坦部11aと突出部11bとで反転U字状に形成されている。
【0020】
厚肉の基端部10には、円柱軸部9を受入れる貫通穴10aが形成されていると共に、基端部10の下面には、貫通穴10aの軸方向下向きに突起する一対の凸部12が形成されている。この凸部12は、第一部材1の円筒体5に形成された凹部7に嵌入される部分であり、凹部7に対応した形状でやや小さく形成されている。
【0021】
この実施例の場合には、基端部10の180°対称位置に一対の凸部12,12が設けられ、第一部材1のメイン円筒体5aには、12個の凹部7…7が設けられているので、第一部材1と第二部材2の位置関係は、組み立て角度が30°ずつ相違する6パターンが存在することになる。
【0022】
第二部材2の延長部11の平坦部11aには、この実施例では、3個の取付け穴13が形成されている。そして、平坦部11aの上面を木板に当接させ、取付け穴13を通して木ネジをネジ込むことによって、第二部材2を木板に固定するようになっている。
【0023】
円柱軸部9は、上側に位置するメイン円筒体5aから挿入されてサブ円筒体5cを貫通する部材である。そして、この円柱軸部9には、基端部10から距離Lだけ隔たった位置に、切込溝14が円周上に形成されている。基端部10から切込溝14までの距離Lは、メイン円筒体5aの上端面からサブ円筒体5cの下端面までの距離L’に対応して決定されており、L’≒Lであって、LはL’よりやや長く形成されている。したがって、円柱軸部9を円筒体5a,5cに挿入した状態では、サブ円筒体5cの下側に切込溝14が現われることになる。
【0024】
リング部材3は、切込溝14に嵌合されるバネ性を有する部材であり、リング部材3を切込溝14に嵌合させた状態でも、リング部材3の最外部が、円柱軸部9の外周面より充分外側に露出する大きさに形成されている。
【0025】
そして、L’≒Lに設定されていることより、円柱軸部9を円筒体5a,5cに挿入した後、リング部材3を切込溝14に嵌合すると、リング部材3とサブ円筒体5cとが係合することになり、その結果、第二部材2が第一部材1に固定されることになる。なお、リング部材3はバネ性を有するので、必要があれば、適宜な工具を用いてリング部材3を取り外すことも可能である。
【0026】
続いて、以上の構成からなる接合金具EQUを使用した回り階段について説明する。図2(a)は、4枚の三角板材BO1〜BO4を用いて、時計方向に上昇してゆく回り階段を構成した実施例を示す平面図である。各三角板材BO1〜BO4の間には、段差を形成する矩形板材VERTが垂直方向に配置されるが、この矩形板材VERTの取付け位置は、他の部分も含め、図2(a)の破線で示されている。
【0027】
なお、水平面に配置される4枚の板材BO1〜BO4は、全て略直角二等辺三角形に形成されているが、図3に示すように、一段目と三段目の板材BO1,BO3、及び二段目と四段目の板材BO2,BO4は、それぞれ終端部の形状も含め同一である。
【0028】
この実施例では、4枚の板材BO1〜BO4に対応して4個の接合金具EQU1〜EQU4が使用されており、それぞれ中央の柱POに固定されている。一方、各板材BO1〜BO4における接合金具EQUの反対側は補助金具SUによって保持されている。
【0029】
補助金具SUは、図2(b)に示すように断面L字状に構成されており、水平方向に1つの貫通穴Hが形成され、垂直方向に2つの貫通穴Vが形成されている。そして、貫通穴Hを利用して補助金具SUを側板に固定する一方、貫通穴Vを利用して補助金具SUが板材BOの下面に固定される。
【0030】
図5〜図7は、柱に固定される接合金具EQUを説明するための図面である。なお、図5〜図7は取付け方法を説明する一般的な図面であり、図2や図3の実施例と完全には整合しない。
【0031】
以上を踏まえて、図2の実施例について図5〜図7を参照しつつ説明する。板材BOを取り付けるには、先ず、接合金具EQUの第一部材1を中央の柱POに固定する(図5参照)。次に、第二部材の円柱軸部9を第一部材の円筒体5に挿入するが、その際には、板材BOの延設方向を考慮しつつ、凹部7と凸部12とを適宜に係合させて、第二部材2の延設方向の決定する(図5、図6参照)。
【0032】
しかる後、第二部材2の上に板材BOを載置し、下側から木ネジをネジ込むことによって、板材BOを第二部材2に固定する。そして、抜け止めリング3を切欠溝に装着する。図7は、この状態を図示した図面である。また、補助金具SUについても下側から木ネジをネジ込むことによって板材BOと固定する。
【0033】
このようにして、順番に板材BO1〜BO4を固定していくが、接合金具EQUの第一部材1と第二部材2との位置関係は30°間隔で適宜に変更できるので、最適な位置で板材BOと接合金具EQUを当接することができる(図4参照)。
【0034】
なお、以上説明した取付け手順は、一例を説明したに過ぎず適宜に変更できるのは勿論である。また、具体的に説明した接合金具についても、本発明の趣旨を逸脱することなく適宜に変更できる。
【0035】
例えば、実施例では、第一部材に屈曲片4aを設けたが、第一部材1の取付け位置の自由度を高める趣旨からは、屈曲片4aを設けない構成としても良い。そして、屈曲片4aを設けない場合には、3つの円筒体5a,5b,5cの構成に代えて、単一のメイン円筒体5aとサブ円筒体5cを設ける構成が採用される。
【0036】
また、サブ円筒体5cを設けないで、単一のメイン円筒体5aのみからなる構成でも良く、その場合には、メイン円筒体5aの下端面の近傍位置において、円柱軸部9に抜け止めリングが装着される。
【0037】
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、実施例では、4枚の板材を用いたが、その枚数は適宜に選択され、例えば、図8のように、6枚の板材BO1〜BO6を用いて回り階段を構成することもできる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複雑な作業を伴うことなく回り階段を構成できる接合金具を実現できる。また、複雑な作業を伴うことなく構成される回り階段、及びそのような回り階段を実現可能な建築物を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る接合金具を図示した斜視図である。
【図2】図1の接合金具を使用して構成した回り階段を示す平面図である。
【図3】図2の一部を拡大して図示した図面である。
【図4】接合金具の取付け状態を説明する図面である。
【図5】接合金具の取付け状態を説明する斜視図である。
【図6】第一部材と第二部材の位置関係を説明する図面である。
【図7】回り階段の完成状態を説明する断面図である。
【図8】他の実施例を説明する図面である。
【符号の説明】
PO 支持体(柱)
1 第一部材
BO 板材
2 第二部材
EQU 接合金具
7 係合部(凹部)
12 被係合部(凸部)
Claims (6)
- 垂直方向に立設された支持体に固定される第一部材と、水平方向に配置される板材に固定される第二部材とを備え、前記支持体を中心にした回り階段を実現する接合金具であって、
前記第一部材に係合部が設けられる一方、前記第二部材に被係合部が設けられ、前記係合部と被係合部との係合位置が適宜に変更可能に構成されていることを特徴とする接合金具。 - 垂直方向に立設された支持体に固定される第一部材と、水平方向に配置される板材に固定される第二部材とを備え、前記支持体を中心にした回り階段を実現する接合金具であって、
前記第一部材に係合部が設けられる一方、前記第二部材に被係合部が設けられ、前記第一部材に前記第二部材が挿入されることによって、前記係合部と前記被係合部が係合するようになっていることを特徴とする接合金具。 - 前記第一部材には円筒体が形成され、この円筒体に前記係合部が設けられている請求項1又は2に記載の接合金具。
- 前記第二部材には円柱体が形成され、この円柱体が前記第一部材の一部に挿入されるようになっている請求項1〜3の何れかに記載の接合金具。
- 請求項1〜4の何れかに記載の接合金具を使用して構成された回り階段。
- 請求項1〜4の何れかに記載の接合金具を使用して構成された建築物。
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---|---|---|---|
JP2003029541A JP2004238932A (ja) | 2003-02-06 | 2003-02-06 | 接合金具及びこれを使用した回り階段又は建築物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1626309A2 (en) | 2004-03-25 | 2006-02-15 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Hologram recording material, hologram recording method and holographic optical element |
-
2003
- 2003-02-06 JP JP2003029541A patent/JP2004238932A/ja active Pending
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