JP2004238011A - 飲料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型軽量で分解組立性がよく、製氷効率の良い飲料供給装置を提供する。
【解決手段】供給装置本体1と、供給装置本体1内に設けられる冷凍装置7及び熱交換器5と、前記冷凍装置7が発生する冷熱を前記熱交換器5に移動させるための冷熱移動手段たるサーモサイフォン20と、飲料容器12内の飲料を前記熱交換器5を経て前記供給装置本体1の前方の注出口4から注出するための飲料パイプ14と、前記熱交換器5内に収容されると共に前記サーモサイフォン20内の第一の冷媒19及び前記飲料パイプ14内の飲料の間の熱交換を行うための第二の冷媒21よりなる。前記冷凍装置7がフリーピストン型等の同軸型スターリング冷却装置であると共に、前記冷凍装置7及び熱交換器5が前記供給装置本体1内で前後に並べて配列されていることで、飲料供給装置の正面板2側の間口が極めて狭く、小型軽量になるため、設置スペースを小さく出来る。
【選択図】 図1
【解決手段】供給装置本体1と、供給装置本体1内に設けられる冷凍装置7及び熱交換器5と、前記冷凍装置7が発生する冷熱を前記熱交換器5に移動させるための冷熱移動手段たるサーモサイフォン20と、飲料容器12内の飲料を前記熱交換器5を経て前記供給装置本体1の前方の注出口4から注出するための飲料パイプ14と、前記熱交換器5内に収容されると共に前記サーモサイフォン20内の第一の冷媒19及び前記飲料パイプ14内の飲料の間の熱交換を行うための第二の冷媒21よりなる。前記冷凍装置7がフリーピストン型等の同軸型スターリング冷却装置であると共に、前記冷凍装置7及び熱交換器5が前記供給装置本体1内で前後に並べて配列されていることで、飲料供給装置の正面板2側の間口が極めて狭く、小型軽量になるため、設置スペースを小さく出来る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料供給装置に関するものであり、特に、飲料供給装置外に設置された飲料容器内の飲料を熱交換器内に配された飲料パイプにて冷却して注出口から注出する飲料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のものとして、ビールを収容する樽とビール冷却部と窒素供給装置を備えた生ビール用デイスペンサーが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、冷却水を貯溜した冷却水槽と、該水槽内に挿入配設され、圧縮機、凝縮器と共に冷却装置の冷凍サイクルを構成する蒸発パイプと、前記冷却水槽内に設けた飲料冷却パイプとを備え、飲料タンクに貯溜された飲料を冷却水及び前記蒸発パイプの周囲に生成される層状の氷にて冷却されている前記飲料冷却パイプ内を通過させて注出する飲料供給装置において、前記蒸発パイプの近傍に設けられ、前記冷却水の温度変化を検出して前記氷の生成を検知する水温センサと、前記水温センサからの出力に応じて前記冷却装置を運転制御する制御手段とを備えた飲料供給装置も公知である(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、冷却水を収容する冷却水槽を備えた装置本体と、この装置本体の上面部に前記冷却水槽の開口部を閉塞し得る状態に設けられた蓋体と、この蓋体により開口部が閉塞された前記冷却水槽内に蒸発器を配し前記冷却水を冷却する冷凍装置と、この冷凍装置により冷却される前記冷却水中に浸積された飲料冷却パイプと、この飲料冷却パイプの飲料導入側端に一端が接続され他端が飲料供給源に装着されたディスペンスヘッドに接続された飲料ホ−スと、前記飲料冷却パイプの飲料導出側端に取付けられた飲料注出用の注出コックと、前記冷却水を撹拌する攪拌手段とを具備し、前記飲料供給源からディスペンスヘッドおよび飲料ホ―スを経て飲料冷却パイプに導かれた飲料を冷却水により冷却させて注出コックから注出する飲料冷却注出装置も公知である(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−87989号公報
【特許文献2】
特開平6−227595号公報
【特許文献3】
特開平6−283392号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術においては、一般に、氷水タンクの下にコンプレッサーが配置されるため、氷水タンクのサイズとコンプレッサーのサイズに依存した製品本体寸法と重量になっている。そして、従来のコンプレッサー式は、コンプレッサーが大きく重いために、装置が大型化して、店内に多くの飲料供給装置を並べて設置できなかったり、或いは搬入作業や設置場所での取扱いが不便であった。特に従来技術では、コンプレッサーと冷凍パイプが直接接続されていることで、製造工程における組立作業や保守点検時に簡単に分解・組立ができないため、作業性に問題があり、製造コストや整備コストなどが高くなることなどが課題となっていた。
【0007】
そこで、小型軽量で分解組立性がよく、製氷効率の良い飲料供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、供給装置本体と、この供給装置本体内に設けられる冷凍装置及び熱交換器と、前記冷凍装置が発生する冷熱を前記熱交換器に移動させるための冷熱移動手段と、飲料容器内の飲料を前記熱交換器を経て供給装置本体前方の注出口から注出するための飲料パイプと、前記熱交換器内に収容されると共に前記冷熱移動手段内の第一の冷媒及び前記飲料パイプ内の飲料の間の熱交換を行うための第二の冷媒よりなる飲料供給装置において、前記冷凍装置が同軸型スターリング冷凍装置であると共に、前記冷凍装置及び熱交換器が前記供給装置本体内において前後方向に並べて配列されていることを特徴とする飲料供給装置である。
【0009】
この請求項1の構成によれば、比較的小型の冷凍装置である同軸型スターリング冷凍装置と熱交換部が前後に並べられることで、飲料供給装置の間口が狭く、小型軽量になる。
【0010】
請求項2の発明は、前記冷熱移動手段が前記冷凍装置に対して着脱自在なパイプ状冷熱移動手段であり、このパイプ状冷熱移動手段を構成するパイプが前記熱交換器内に渦巻き状に配されていると共に、前記飲料パイプが前記熱交換器の内壁及び前記パイプに対して間隔を設けて渦巻き状に配され、前記飲料パイプの一端が前記供給装置本体外の飲料容器に対して着脱自在に接続され、前記飲料パイプの他端が前記供給装置本体の前方に設けられた前記注出口に対して着脱自在に接続されていることを特徴とする請求項1記載の飲料供給装置である。
【0011】
この請求項2の構成によれば、フリーピストン型スターリング冷却装置と熱交換器内のパイプ状冷熱移動手段と飲料パイプなどの分解・組立が可能となる。
【0012】
請求項3の発明は、前記熱交換器内の第二の冷媒を攪拌する攪拌機構を設け、前記第二の冷媒が前記冷熱移動手段によって冷却されることで凝固する物質であると共に、前記冷凍装置を運転して前記第二の冷媒を凝固させる際には前記攪拌機構を停止させ、前記冷凍装置を停止又は弱運転させて前記飲料パイプ内に飲料容器内の飲料を通す際には前記攪拌機構を作動させるように制御する制御回路を設けたことを特徴とする請求項2記載の飲料供給装置である。
【0013】
この請求項3の構成によれば、攪拌機構の作動を制御することにより、熱交換を効率よく行なうことができる。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜4を参照して説明する。図1は飲料供給装置の斜視図であり、箱形ケース形状をなした供給装置本体1の正面板2の表面に注液コック3を備えた注出口4を設け、その正面板2の裏側に氷水タンクからなる熱交換器5を底板6上に配置し、さらにその奥側に冷凍装置7を底板6上に配置して、熱交換器5の中央と冷凍装置7の中央を結ぶ仮想線8が正面板2と直交するように、熱交換器5と冷凍装置7が前後に並べて配置されている。尚、熱交換器5は断熱材9により覆われており、また正面板2には注液可能表示部10がランプによって形成されている。
【0015】
前記供給装置本体1と別体であるビール等の飲料貯蔵タンクからなる飲料容器12は、例えば容量が10リットル程度であって、密閉されており、窒素ガスタンク等の加圧部13が接続され、該加圧部13により飲料容器12内が加圧されることによって、飲料が供給されるようになっている。そして、飲料容器12内の飲料を前記熱交換器5を経て注出口4から注出するため飲料パイプ14が設けられる。この飲料パイプ14の一端15は飲料容器12に着脱自在に接続され、他端16が熱交換器5を経て注出口4に着脱自在に接続される。さらに、一端17を前記冷凍装置7に接続すると共に他端18を前記熱交換器5内に収容し、内部の第一の冷媒19を介して前記冷凍装置7が発生する冷熱を前記熱交換器5に移動させるためのパイプ状冷熱移動手段たるサーモサイフォン20が設けられる。また、熱交換器5内には、前記サーモサイフォン20によって冷却されることで凝固する物質、例えば水等の第二の冷媒21が収容されており、この第二の冷媒21によって、前記第一の冷媒19と前記飲料パイプ14内の飲料との間で熱交換が行われる。さらに、前記熱交換器5の上方にはモータ22が設けられており、このモータ22の出力軸に前記熱交換器5内の第二の冷媒21を攪拌する回転羽根等の攪拌機構23が設けられると共に、前記熱交換器5内には、この熱交換器5内に形成される氷を検知する氷検知センサ24を設ける。そして、この氷検知センサ24は、前記熱交換器5内のサーモサイフォン20に付着する氷25の量(厚み)が一定厚さに達するとこれを検知するようになっている。
【0016】
前記冷凍装置7は、後述するピストン29とディスプレイサー31が同軸状に配された同軸型(β型ともいう)スターリング冷凍装置により形成されている。この冷凍装置は、例えばヘリウムガスを冷媒としたノンフロンのスターリングサイクル方式で、ガス式フリーピストンを採用したものであって、同一出願人による特開2001−355513号公報にあらわされているように、略円筒状に形成された円筒部26を有するケース27と、このケース27の円筒部26内に同軸状に挿入される金属製のシリンダ28と、このシリンダ28内にスライド自在に挿入されたピストン29と、このピストン29を往復駆動させる電磁石により形成される駆動機構30とを備え、駆動機構30によりピストン29がシリンダ28内を軸方向に往復動するものである。そして、ピストン29がディスプレイサー31の方向に移動すると、ピストン29とディスプレイサー31との間に形成された圧縮室32内の気体は圧縮されて連通孔33、放熱フィン34、再生器35、吸熱フィン36、先端の隙間37を通ってディスプレイサー31の先端と円筒部26の先端部の間に形成された膨張室38に至ると共に、ディスプレイサー31を押し下げる。一方、ピストン29が、ディスプレイサー31と反対方向に移動すると、圧縮室32の内部が負圧となり、気体は膨張室38から隙間37、吸熱フィン36、再生器35、放熱フィン34、連通孔33を通ってシリンダ28内の圧縮室32に還流し、これにより、ディスプレイサー31を押し上げる。このような工程中において二つの等温変化と等体積変化とからなる可逆サイクルが行われて、前記円筒部26の先端の冷却ヘッド部7aは低温となり、一方、前記円筒部26の下部外部に設けた放熱フィン38は高温となるというものである。そして、このようなスターリング冷凍装置では、従来のコンプレッサー式冷凍装置よりも低い温度まで冷却することが可能となり、従って、前記サーモサイフォン20を介して前記熱交換器5内の第二の冷媒21を効率よく結氷させることができる。また、同軸型のスターリング冷凍装置は比較的小型であり、更にこの同軸型のスターリング冷凍装置の中でもフリーピストン型のスターリング冷凍装置は最も小型であるため、前記冷凍装置7として同軸型スターリング冷凍装置、特にフリーピストン型冷凍装置を用いることで、この冷凍装置7を内部に配置する供給装置本体1、即ち飲料供給装置の間口を狭く形成することができる。尚、39はケース27を支持する箱状の支持部材であって、円筒部26を上方へ突出させている。また、40は支持部材39内の熱気を排出する冷却ファン、41は制御回路である。
【0017】
前記サーモサイフォン20は、単純な銅パイプまたはアルミパイプに二酸化炭素やイソブタンなどの前記第一の冷媒19を密封したものであり、その一端17は冷凍装置7の冷却ヘッド部7aに伝熱部材42を介して着脱自在に取り付けられ、他端18は渦巻き状となって熱交換器5の内部に挿入されている。そして、サーモサイフォン20の一端17が閉じられて、他端18は第一の冷媒19が注入されてから封止されている。そして、冷却ヘッド部7aで冷却された第一の冷媒19は、前記冷却ヘッド部7aに凝縮熱を奪われることで液化してサーモサイフォン20内を重力によって流下して、このサーモサイフォン20の周囲にある第二の冷媒21から気化熱を奪うことで第二の冷媒21との間で熱交換し、サーモサイフォン20の最下部に到達する。この状態でサーモサイフォン20の表面が氷点下になると結氷が開始され、この結果、熱交換器5内に収容された第二の冷媒21が十分冷却されることで、熱交換器5内に十分な冷熱量が蓄積されることになる。
【0018】
なお、前記熱交換器5内に設けられる前記サーモサイフォン20の一部を形成する渦巻き状の製氷用冷凍パイプ20aと、前記飲料パイプ14の一部を形成する渦巻き状の飲料冷却用パイプ14aは、互いに接触することなく、熱交換器5の上方から挿入されている。そして、これら飲料冷却用パイプ14a及び冷凍パイプ20aの中心は熱交換器5の中心とほぼ同軸に配置されており、前記冷凍パイプ20aの渦巻き半径は前記飲料冷却用パイプ14aの渦巻き半径より大きく形成されていると共に、この冷凍パイプ20aは、前記熱交換器5の内壁5aの内側に間隔Lをおいて配置されている。また、前記飲料冷却用パイプ14aは、前記熱交換器の内壁5aの内側に間隔L’(>L)をおいて配置されていると共に、前記冷凍パイプ20aとの間に間隔L”をおいて配置されている。
【0019】
次に前記構成についてその作用を説明する。まず、予め飲料容器12に加圧部13を接続し、そして図示しないスイッチを作動すると、前記制御回路41が前述のようにスターリング冷凍装置からなる冷凍装置7を作動させる。このとき、前記冷凍装置7により、前記サーモサイフォン20内の第一の冷媒19は液化して前記冷凍パイプ20a内を流下し、前記熱交換器5内で周囲にある第二の冷媒21から気化熱を奪うことでこの第二の冷媒21と熱交換し、前記冷凍パイプ20aの最下部に到達する。これにより、前記冷凍パイプ20aの表面温度は低下すると共に第二の冷媒21の温度も低下する。この結果、冷凍装置7の運転が開始されると第二の冷媒21としての水の温度は急降下し、氷点以下になると前記冷凍パイプ20aの周囲で結氷が始まる。この時に熱交換器5内の水が自然対流している状況では製氷に問題ないが、水の撹粋が強制的に行われると過冷却現象が生じ、突然全体がシヤーベット状になり、最後には熱交換器5内全体が結氷して、使えない状態になる。従って、製氷中は前記制御回路41が攪拌機構23を止めたままで回転させないようにしておく。そして、前記冷凍パイプ20aの表面に第二の冷媒21が凝固して氷が生成され、この氷が成長する。この氷が例えば隣接する飲料冷却用パイプ14aとの間に架橋する等、前記熱交換器5内が氷で充満することのないように、氷が一定の量(厚さ)になると、氷センサ24がこれを検知することにより、前記制御回路41が攪拌機構23を作動させて熱交換器5内の凍っていない水を攪拌して熱交換器内の水温を均一にすると共に、前記冷凍装置7を停止させるか又は熱交換器5内の水温が変化しない程度に最少の電力で駆動させる。また、前記氷センサ24の作動を受けて前記制御回路41により前記注液可能表示部10が点灯する。これにより、飲料を前記注出口4より注出するときに、この注出口4から注出される飲料が十分冷却されることが可能な状態となる。次に、注出口4の下方にカップcを置いて注液コック3を開く操作をすると、注出口4は大気開放状態となり、前記飲料容器12内で加圧された状態の飲料は、前記飲料パイプ14を通り前記注出口4よりカップcに注出される。この際、飲料が前記熱交換器5内の飲料冷却用パイプ14aを通ることで、この飲料冷却用パイプ14a内の飲料の熱が前記第二の冷媒21に奪われる、即ち、攪拌された第二の冷媒21を介して前記飲料と第一の冷媒19との間で熱交換されることによって、前記飲料が冷却されることとなる。尚、前記飲料から奪われた熱は、前記第二の冷媒21の温度上昇に用いられる以前に、凍結した第二の冷媒21の融解熱として用いられる。このため、前記熱交換器5内の第二の冷媒21は、氷点近傍でほぼ一定の温度に保たれることになる。また、注液コック3を閉じる操作をすると、注出口4での注出は停止する。
【0020】
次に、飲料の供給が始まって熱交換器5内で前記飲料と第二の冷媒21との間で熱交換が行われると、氷に融解熱を奪われることになり、氷の厚さが薄くなる。そして、この氷の厚さが薄くなったことを氷センサ24が再び検知すると、前記制御回路41によって冷凍装置7の運転を適正な電力で再開する。このようにして、飲料を繰り返して注出することにより、前記第二の冷媒21の温度が上昇して前記冷凍パイプ20aの表面に生成された氷が溶け出すと、これを氷センサ24が検知して、前記制御回路41によって再び前記冷凍装置7を作動させ、また前記攪拌機構23の作動を停止させ、さらに前記注液可能表示部10を消灯させる。この状態では飲料の注出を行ったとしても、前記注出口4から抽出される飲料の温度が比較的高くなってしまうので、注出を行わない。そして、再び前記製氷用冷凍パイプ20aに所定量の氷が生成されると、上述と同様に前記制御回路41によって前記注液可能表示部10が点灯して飲料の適温での注出が可能になったことを表示するものである。
【0021】
また、このような飲料供給装置は、定期的な整備が必要である。そして、この飲料供給装置を整備する際、前記攪拌機構23をモータ22ごと前記供給装置本体1から取り外し、また前記飲料パイプ14を前記熱交換部5から取り出すと共に、前記冷凍装置7に取り付けられた伝熱部材42からサーモサイフォン20を取り外して前記熱交換部5から取り出すことが可能である。そして、このように、前記サーモサイフォン20等の冷熱移動手段が前記冷凍装置7とは別体であることによって、この冷凍装置7から着脱自在であるので、前記冷凍装置7を前記供給装置本体1から取り外すことなく前記熱交換部5の整備が可能となり、整備性が向上する。
【0022】
以上のように、前記実施形態では、供給装置本体1と、この供給装置本体1内に設けられる冷凍装置7及び熱交換器5と、前記冷凍装置7が発生する冷熱を前記熱交換器5に移動させるためのサーモサイフォン20と、飲料容器12内の飲料を前記熱交換器5を経て供給装置本体1の前方の注出口4から注出するための飲料パイプ14と、前記熱交換器5内に収容されると共に前記サーモサイフォン20内の第一の冷媒19及び前記飲料パイプ14内の飲料の間の熱交換を行うための第二の冷媒21よりなる飲料供給装置において、前記冷凍装置7がフリーピストン型等の同軸型スターリング冷凍装置であると共に、比較的小さな前記冷凍装置7と熱交換器5とが前記供給装置本体1内の前後に並べて配列されていることにより、飲料供給装置の正面板2側の間口が極めて狭く、小型軽量になるため、設置スペースを小さく出来、飲食店等において設置場所を選ばず、多くの台数を並べて設置できるなど使い勝手がよくなる。
【0023】
また、前記冷凍装置7に対してサーモサイフォン20を着脱自在とし、このサーモサイフォン20を構成する冷凍パイプ20aが前記熱交換器5内に渦巻き状に配されていると共に、前記飲料パイプ14が前記熱交換器5の内壁5aとの間に間隔L’、前記冷凍パイプ20aとの間に間隔L”を設けて渦巻き状に配され、前記飲料パイプ14の一端15が前記供給装置本体1外の飲料容器12に対して着脱自在に接続され、前記飲料パイプ14の他端16が前記供給装置本体1の前方に設けられた前記注出口4に対して着脱自在に接続されていることにより、冷凍装置7と熱交換器5内のサーモサイフォン20と飲料パイプ14などの分解・組立が可能なため、組立性、保守点検、部品交換などメンテナンス等が容易になる。
【0024】
さらに、前記熱交換器5内の第二の冷媒21を攪拌する攪拌機構23を設け、前記第二の冷媒21が前記サーモサイフォン20によって冷却されることで凝固する水などの物質であると共に、冷凍装置7を運転して第二の冷媒21を凝固させる際には前記攪拌機構23を停止させ、冷凍装置7を停止又は弱運転させて前記飲料パイプ14内に飲料容器12内の飲料を通す際には前記攪拌機構23を作動させるように制御する制御回路41を設けたことにより、攪拌手段23の作動を制御することができ、製氷と熱交換を効率よく行なうことができる。
【0025】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、第5図は本発明の他の実施形態に示すように、サーモサイフォン20がループパスを有して構成されているものであり、このループパスの一部が冷却ヘッド部7aの先端に取り付けられた伝熱部材42に熱的に接触している。そして、前記ループパスにおける前記伝熱部材42の近傍にバイパス51及び注入口52が形成されていると共に、冷媒をこの注入口52から注入した後に、この注入口52が封止されるものである。また、上記実施形態においては、パイプ状冷熱移動手段として、液化した第一の冷媒が重力によって移動するサーモサイフォンを用いたが、液化した第一の冷媒がパイプ内に設けられたウィックによる毛細管現象によって移動するヒートパイプを用いてもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明は、供給装置本体と、この供給装置本体内に設けられる冷凍装置及び熱交換器と、前記冷凍装置が発生する冷熱を前記熱交換器に移動させるための冷熱移動手段と、飲料容器内の飲料を前記熱交換器を経て供給装置本体前方の注出口から注出するための飲料パイプと、前記熱交換器内に収容されると共に前記冷熱移動手段内の第一の冷媒及び前記飲料パイプ内の飲料の間の熱交換を行うための第二の冷媒よりなる飲料供給装置において、前記冷凍装置が同軸型スターリング冷凍装置であると共に、前記冷凍装置及び熱交換器が前記供給装置本体内において前後方向に並べて配列されていることを特徴とする飲料供給装置であり、店舗等における設置スペースを小さく出来、また第二の冷媒に応じて、急速冷却から省エネ運転まで効率の良い冷却を行うことができるので、この結果、飲料供給装置において最適な配置と構成により、小型軽量化、取扱い容易、製造価格や保守費用の低減、冷却速度の速さ、製氷時間の短縮、省電力化などを図ることができる。
【0027】
請求項2の発明は、前記冷熱移動手段が前記冷凍装置に対して着脱自在なパイプ状冷熱移動手段であり、このパイプ状冷熱移動手段を構成するパイプが前記熱交換器内に渦巻き状に配されていると共に、前記飲料パイプが前記熱交換器の内壁及び前記パイプに対して間隔を設けて渦巻き状に配され、前記飲料パイプの一端が前記供給装置本体外の飲料容器に対して着脱自在に接続され、前記飲料パイプの他端が前記供給装置本体の前方に設けられた前記注出口に対して着脱自在に接続されていることを特徴とする請求項1記載の飲料供給装置であり、装置の組立性、保守点検、部品交換など、メンテナンス等が容易になることで、製造コストやサービスコストが低減できる。
【0028】
請求項3の発明は、前記熱交換器内の第二の冷媒を攪拌する攪拌機構を設け、前記第二の冷媒が前記冷熱移動手段によって冷却されることで凝固する物質であると共に、前記冷凍装置を運転して前記第二の冷媒を凝固させる際には前記攪拌機構を停止させ、前記冷凍装置を停止又は弱運転させて前記飲料パイプ内に飲料容器内の飲料を通す際には前記攪拌機構を作動させるように制御する制御回路を設けたことを特徴とする請求項2記載の飲料供給装置であり、製氷時間の短縮と飲料の冷却温度を均一にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す要部の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す冷凍装置と攪拌機構の運転と水温等のタイムチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 供給装置本体
4 注出口
5 熱交換器
7 冷凍装置
14 飲料パイプ
15 一端
16 他端
19 第一の冷媒
20 サーモサイフォン(冷熱移動手段、パイプ状冷熱移動手段)
21 第二の冷媒
23 攪拌機構
41 制御回路
L’ 間隔
L” 間隔
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料供給装置に関するものであり、特に、飲料供給装置外に設置された飲料容器内の飲料を熱交換器内に配された飲料パイプにて冷却して注出口から注出する飲料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のものとして、ビールを収容する樽とビール冷却部と窒素供給装置を備えた生ビール用デイスペンサーが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、冷却水を貯溜した冷却水槽と、該水槽内に挿入配設され、圧縮機、凝縮器と共に冷却装置の冷凍サイクルを構成する蒸発パイプと、前記冷却水槽内に設けた飲料冷却パイプとを備え、飲料タンクに貯溜された飲料を冷却水及び前記蒸発パイプの周囲に生成される層状の氷にて冷却されている前記飲料冷却パイプ内を通過させて注出する飲料供給装置において、前記蒸発パイプの近傍に設けられ、前記冷却水の温度変化を検出して前記氷の生成を検知する水温センサと、前記水温センサからの出力に応じて前記冷却装置を運転制御する制御手段とを備えた飲料供給装置も公知である(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、冷却水を収容する冷却水槽を備えた装置本体と、この装置本体の上面部に前記冷却水槽の開口部を閉塞し得る状態に設けられた蓋体と、この蓋体により開口部が閉塞された前記冷却水槽内に蒸発器を配し前記冷却水を冷却する冷凍装置と、この冷凍装置により冷却される前記冷却水中に浸積された飲料冷却パイプと、この飲料冷却パイプの飲料導入側端に一端が接続され他端が飲料供給源に装着されたディスペンスヘッドに接続された飲料ホ−スと、前記飲料冷却パイプの飲料導出側端に取付けられた飲料注出用の注出コックと、前記冷却水を撹拌する攪拌手段とを具備し、前記飲料供給源からディスペンスヘッドおよび飲料ホ―スを経て飲料冷却パイプに導かれた飲料を冷却水により冷却させて注出コックから注出する飲料冷却注出装置も公知である(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−87989号公報
【特許文献2】
特開平6−227595号公報
【特許文献3】
特開平6−283392号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術においては、一般に、氷水タンクの下にコンプレッサーが配置されるため、氷水タンクのサイズとコンプレッサーのサイズに依存した製品本体寸法と重量になっている。そして、従来のコンプレッサー式は、コンプレッサーが大きく重いために、装置が大型化して、店内に多くの飲料供給装置を並べて設置できなかったり、或いは搬入作業や設置場所での取扱いが不便であった。特に従来技術では、コンプレッサーと冷凍パイプが直接接続されていることで、製造工程における組立作業や保守点検時に簡単に分解・組立ができないため、作業性に問題があり、製造コストや整備コストなどが高くなることなどが課題となっていた。
【0007】
そこで、小型軽量で分解組立性がよく、製氷効率の良い飲料供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、供給装置本体と、この供給装置本体内に設けられる冷凍装置及び熱交換器と、前記冷凍装置が発生する冷熱を前記熱交換器に移動させるための冷熱移動手段と、飲料容器内の飲料を前記熱交換器を経て供給装置本体前方の注出口から注出するための飲料パイプと、前記熱交換器内に収容されると共に前記冷熱移動手段内の第一の冷媒及び前記飲料パイプ内の飲料の間の熱交換を行うための第二の冷媒よりなる飲料供給装置において、前記冷凍装置が同軸型スターリング冷凍装置であると共に、前記冷凍装置及び熱交換器が前記供給装置本体内において前後方向に並べて配列されていることを特徴とする飲料供給装置である。
【0009】
この請求項1の構成によれば、比較的小型の冷凍装置である同軸型スターリング冷凍装置と熱交換部が前後に並べられることで、飲料供給装置の間口が狭く、小型軽量になる。
【0010】
請求項2の発明は、前記冷熱移動手段が前記冷凍装置に対して着脱自在なパイプ状冷熱移動手段であり、このパイプ状冷熱移動手段を構成するパイプが前記熱交換器内に渦巻き状に配されていると共に、前記飲料パイプが前記熱交換器の内壁及び前記パイプに対して間隔を設けて渦巻き状に配され、前記飲料パイプの一端が前記供給装置本体外の飲料容器に対して着脱自在に接続され、前記飲料パイプの他端が前記供給装置本体の前方に設けられた前記注出口に対して着脱自在に接続されていることを特徴とする請求項1記載の飲料供給装置である。
【0011】
この請求項2の構成によれば、フリーピストン型スターリング冷却装置と熱交換器内のパイプ状冷熱移動手段と飲料パイプなどの分解・組立が可能となる。
【0012】
請求項3の発明は、前記熱交換器内の第二の冷媒を攪拌する攪拌機構を設け、前記第二の冷媒が前記冷熱移動手段によって冷却されることで凝固する物質であると共に、前記冷凍装置を運転して前記第二の冷媒を凝固させる際には前記攪拌機構を停止させ、前記冷凍装置を停止又は弱運転させて前記飲料パイプ内に飲料容器内の飲料を通す際には前記攪拌機構を作動させるように制御する制御回路を設けたことを特徴とする請求項2記載の飲料供給装置である。
【0013】
この請求項3の構成によれば、攪拌機構の作動を制御することにより、熱交換を効率よく行なうことができる。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜4を参照して説明する。図1は飲料供給装置の斜視図であり、箱形ケース形状をなした供給装置本体1の正面板2の表面に注液コック3を備えた注出口4を設け、その正面板2の裏側に氷水タンクからなる熱交換器5を底板6上に配置し、さらにその奥側に冷凍装置7を底板6上に配置して、熱交換器5の中央と冷凍装置7の中央を結ぶ仮想線8が正面板2と直交するように、熱交換器5と冷凍装置7が前後に並べて配置されている。尚、熱交換器5は断熱材9により覆われており、また正面板2には注液可能表示部10がランプによって形成されている。
【0015】
前記供給装置本体1と別体であるビール等の飲料貯蔵タンクからなる飲料容器12は、例えば容量が10リットル程度であって、密閉されており、窒素ガスタンク等の加圧部13が接続され、該加圧部13により飲料容器12内が加圧されることによって、飲料が供給されるようになっている。そして、飲料容器12内の飲料を前記熱交換器5を経て注出口4から注出するため飲料パイプ14が設けられる。この飲料パイプ14の一端15は飲料容器12に着脱自在に接続され、他端16が熱交換器5を経て注出口4に着脱自在に接続される。さらに、一端17を前記冷凍装置7に接続すると共に他端18を前記熱交換器5内に収容し、内部の第一の冷媒19を介して前記冷凍装置7が発生する冷熱を前記熱交換器5に移動させるためのパイプ状冷熱移動手段たるサーモサイフォン20が設けられる。また、熱交換器5内には、前記サーモサイフォン20によって冷却されることで凝固する物質、例えば水等の第二の冷媒21が収容されており、この第二の冷媒21によって、前記第一の冷媒19と前記飲料パイプ14内の飲料との間で熱交換が行われる。さらに、前記熱交換器5の上方にはモータ22が設けられており、このモータ22の出力軸に前記熱交換器5内の第二の冷媒21を攪拌する回転羽根等の攪拌機構23が設けられると共に、前記熱交換器5内には、この熱交換器5内に形成される氷を検知する氷検知センサ24を設ける。そして、この氷検知センサ24は、前記熱交換器5内のサーモサイフォン20に付着する氷25の量(厚み)が一定厚さに達するとこれを検知するようになっている。
【0016】
前記冷凍装置7は、後述するピストン29とディスプレイサー31が同軸状に配された同軸型(β型ともいう)スターリング冷凍装置により形成されている。この冷凍装置は、例えばヘリウムガスを冷媒としたノンフロンのスターリングサイクル方式で、ガス式フリーピストンを採用したものであって、同一出願人による特開2001−355513号公報にあらわされているように、略円筒状に形成された円筒部26を有するケース27と、このケース27の円筒部26内に同軸状に挿入される金属製のシリンダ28と、このシリンダ28内にスライド自在に挿入されたピストン29と、このピストン29を往復駆動させる電磁石により形成される駆動機構30とを備え、駆動機構30によりピストン29がシリンダ28内を軸方向に往復動するものである。そして、ピストン29がディスプレイサー31の方向に移動すると、ピストン29とディスプレイサー31との間に形成された圧縮室32内の気体は圧縮されて連通孔33、放熱フィン34、再生器35、吸熱フィン36、先端の隙間37を通ってディスプレイサー31の先端と円筒部26の先端部の間に形成された膨張室38に至ると共に、ディスプレイサー31を押し下げる。一方、ピストン29が、ディスプレイサー31と反対方向に移動すると、圧縮室32の内部が負圧となり、気体は膨張室38から隙間37、吸熱フィン36、再生器35、放熱フィン34、連通孔33を通ってシリンダ28内の圧縮室32に還流し、これにより、ディスプレイサー31を押し上げる。このような工程中において二つの等温変化と等体積変化とからなる可逆サイクルが行われて、前記円筒部26の先端の冷却ヘッド部7aは低温となり、一方、前記円筒部26の下部外部に設けた放熱フィン38は高温となるというものである。そして、このようなスターリング冷凍装置では、従来のコンプレッサー式冷凍装置よりも低い温度まで冷却することが可能となり、従って、前記サーモサイフォン20を介して前記熱交換器5内の第二の冷媒21を効率よく結氷させることができる。また、同軸型のスターリング冷凍装置は比較的小型であり、更にこの同軸型のスターリング冷凍装置の中でもフリーピストン型のスターリング冷凍装置は最も小型であるため、前記冷凍装置7として同軸型スターリング冷凍装置、特にフリーピストン型冷凍装置を用いることで、この冷凍装置7を内部に配置する供給装置本体1、即ち飲料供給装置の間口を狭く形成することができる。尚、39はケース27を支持する箱状の支持部材であって、円筒部26を上方へ突出させている。また、40は支持部材39内の熱気を排出する冷却ファン、41は制御回路である。
【0017】
前記サーモサイフォン20は、単純な銅パイプまたはアルミパイプに二酸化炭素やイソブタンなどの前記第一の冷媒19を密封したものであり、その一端17は冷凍装置7の冷却ヘッド部7aに伝熱部材42を介して着脱自在に取り付けられ、他端18は渦巻き状となって熱交換器5の内部に挿入されている。そして、サーモサイフォン20の一端17が閉じられて、他端18は第一の冷媒19が注入されてから封止されている。そして、冷却ヘッド部7aで冷却された第一の冷媒19は、前記冷却ヘッド部7aに凝縮熱を奪われることで液化してサーモサイフォン20内を重力によって流下して、このサーモサイフォン20の周囲にある第二の冷媒21から気化熱を奪うことで第二の冷媒21との間で熱交換し、サーモサイフォン20の最下部に到達する。この状態でサーモサイフォン20の表面が氷点下になると結氷が開始され、この結果、熱交換器5内に収容された第二の冷媒21が十分冷却されることで、熱交換器5内に十分な冷熱量が蓄積されることになる。
【0018】
なお、前記熱交換器5内に設けられる前記サーモサイフォン20の一部を形成する渦巻き状の製氷用冷凍パイプ20aと、前記飲料パイプ14の一部を形成する渦巻き状の飲料冷却用パイプ14aは、互いに接触することなく、熱交換器5の上方から挿入されている。そして、これら飲料冷却用パイプ14a及び冷凍パイプ20aの中心は熱交換器5の中心とほぼ同軸に配置されており、前記冷凍パイプ20aの渦巻き半径は前記飲料冷却用パイプ14aの渦巻き半径より大きく形成されていると共に、この冷凍パイプ20aは、前記熱交換器5の内壁5aの内側に間隔Lをおいて配置されている。また、前記飲料冷却用パイプ14aは、前記熱交換器の内壁5aの内側に間隔L’(>L)をおいて配置されていると共に、前記冷凍パイプ20aとの間に間隔L”をおいて配置されている。
【0019】
次に前記構成についてその作用を説明する。まず、予め飲料容器12に加圧部13を接続し、そして図示しないスイッチを作動すると、前記制御回路41が前述のようにスターリング冷凍装置からなる冷凍装置7を作動させる。このとき、前記冷凍装置7により、前記サーモサイフォン20内の第一の冷媒19は液化して前記冷凍パイプ20a内を流下し、前記熱交換器5内で周囲にある第二の冷媒21から気化熱を奪うことでこの第二の冷媒21と熱交換し、前記冷凍パイプ20aの最下部に到達する。これにより、前記冷凍パイプ20aの表面温度は低下すると共に第二の冷媒21の温度も低下する。この結果、冷凍装置7の運転が開始されると第二の冷媒21としての水の温度は急降下し、氷点以下になると前記冷凍パイプ20aの周囲で結氷が始まる。この時に熱交換器5内の水が自然対流している状況では製氷に問題ないが、水の撹粋が強制的に行われると過冷却現象が生じ、突然全体がシヤーベット状になり、最後には熱交換器5内全体が結氷して、使えない状態になる。従って、製氷中は前記制御回路41が攪拌機構23を止めたままで回転させないようにしておく。そして、前記冷凍パイプ20aの表面に第二の冷媒21が凝固して氷が生成され、この氷が成長する。この氷が例えば隣接する飲料冷却用パイプ14aとの間に架橋する等、前記熱交換器5内が氷で充満することのないように、氷が一定の量(厚さ)になると、氷センサ24がこれを検知することにより、前記制御回路41が攪拌機構23を作動させて熱交換器5内の凍っていない水を攪拌して熱交換器内の水温を均一にすると共に、前記冷凍装置7を停止させるか又は熱交換器5内の水温が変化しない程度に最少の電力で駆動させる。また、前記氷センサ24の作動を受けて前記制御回路41により前記注液可能表示部10が点灯する。これにより、飲料を前記注出口4より注出するときに、この注出口4から注出される飲料が十分冷却されることが可能な状態となる。次に、注出口4の下方にカップcを置いて注液コック3を開く操作をすると、注出口4は大気開放状態となり、前記飲料容器12内で加圧された状態の飲料は、前記飲料パイプ14を通り前記注出口4よりカップcに注出される。この際、飲料が前記熱交換器5内の飲料冷却用パイプ14aを通ることで、この飲料冷却用パイプ14a内の飲料の熱が前記第二の冷媒21に奪われる、即ち、攪拌された第二の冷媒21を介して前記飲料と第一の冷媒19との間で熱交換されることによって、前記飲料が冷却されることとなる。尚、前記飲料から奪われた熱は、前記第二の冷媒21の温度上昇に用いられる以前に、凍結した第二の冷媒21の融解熱として用いられる。このため、前記熱交換器5内の第二の冷媒21は、氷点近傍でほぼ一定の温度に保たれることになる。また、注液コック3を閉じる操作をすると、注出口4での注出は停止する。
【0020】
次に、飲料の供給が始まって熱交換器5内で前記飲料と第二の冷媒21との間で熱交換が行われると、氷に融解熱を奪われることになり、氷の厚さが薄くなる。そして、この氷の厚さが薄くなったことを氷センサ24が再び検知すると、前記制御回路41によって冷凍装置7の運転を適正な電力で再開する。このようにして、飲料を繰り返して注出することにより、前記第二の冷媒21の温度が上昇して前記冷凍パイプ20aの表面に生成された氷が溶け出すと、これを氷センサ24が検知して、前記制御回路41によって再び前記冷凍装置7を作動させ、また前記攪拌機構23の作動を停止させ、さらに前記注液可能表示部10を消灯させる。この状態では飲料の注出を行ったとしても、前記注出口4から抽出される飲料の温度が比較的高くなってしまうので、注出を行わない。そして、再び前記製氷用冷凍パイプ20aに所定量の氷が生成されると、上述と同様に前記制御回路41によって前記注液可能表示部10が点灯して飲料の適温での注出が可能になったことを表示するものである。
【0021】
また、このような飲料供給装置は、定期的な整備が必要である。そして、この飲料供給装置を整備する際、前記攪拌機構23をモータ22ごと前記供給装置本体1から取り外し、また前記飲料パイプ14を前記熱交換部5から取り出すと共に、前記冷凍装置7に取り付けられた伝熱部材42からサーモサイフォン20を取り外して前記熱交換部5から取り出すことが可能である。そして、このように、前記サーモサイフォン20等の冷熱移動手段が前記冷凍装置7とは別体であることによって、この冷凍装置7から着脱自在であるので、前記冷凍装置7を前記供給装置本体1から取り外すことなく前記熱交換部5の整備が可能となり、整備性が向上する。
【0022】
以上のように、前記実施形態では、供給装置本体1と、この供給装置本体1内に設けられる冷凍装置7及び熱交換器5と、前記冷凍装置7が発生する冷熱を前記熱交換器5に移動させるためのサーモサイフォン20と、飲料容器12内の飲料を前記熱交換器5を経て供給装置本体1の前方の注出口4から注出するための飲料パイプ14と、前記熱交換器5内に収容されると共に前記サーモサイフォン20内の第一の冷媒19及び前記飲料パイプ14内の飲料の間の熱交換を行うための第二の冷媒21よりなる飲料供給装置において、前記冷凍装置7がフリーピストン型等の同軸型スターリング冷凍装置であると共に、比較的小さな前記冷凍装置7と熱交換器5とが前記供給装置本体1内の前後に並べて配列されていることにより、飲料供給装置の正面板2側の間口が極めて狭く、小型軽量になるため、設置スペースを小さく出来、飲食店等において設置場所を選ばず、多くの台数を並べて設置できるなど使い勝手がよくなる。
【0023】
また、前記冷凍装置7に対してサーモサイフォン20を着脱自在とし、このサーモサイフォン20を構成する冷凍パイプ20aが前記熱交換器5内に渦巻き状に配されていると共に、前記飲料パイプ14が前記熱交換器5の内壁5aとの間に間隔L’、前記冷凍パイプ20aとの間に間隔L”を設けて渦巻き状に配され、前記飲料パイプ14の一端15が前記供給装置本体1外の飲料容器12に対して着脱自在に接続され、前記飲料パイプ14の他端16が前記供給装置本体1の前方に設けられた前記注出口4に対して着脱自在に接続されていることにより、冷凍装置7と熱交換器5内のサーモサイフォン20と飲料パイプ14などの分解・組立が可能なため、組立性、保守点検、部品交換などメンテナンス等が容易になる。
【0024】
さらに、前記熱交換器5内の第二の冷媒21を攪拌する攪拌機構23を設け、前記第二の冷媒21が前記サーモサイフォン20によって冷却されることで凝固する水などの物質であると共に、冷凍装置7を運転して第二の冷媒21を凝固させる際には前記攪拌機構23を停止させ、冷凍装置7を停止又は弱運転させて前記飲料パイプ14内に飲料容器12内の飲料を通す際には前記攪拌機構23を作動させるように制御する制御回路41を設けたことにより、攪拌手段23の作動を制御することができ、製氷と熱交換を効率よく行なうことができる。
【0025】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、第5図は本発明の他の実施形態に示すように、サーモサイフォン20がループパスを有して構成されているものであり、このループパスの一部が冷却ヘッド部7aの先端に取り付けられた伝熱部材42に熱的に接触している。そして、前記ループパスにおける前記伝熱部材42の近傍にバイパス51及び注入口52が形成されていると共に、冷媒をこの注入口52から注入した後に、この注入口52が封止されるものである。また、上記実施形態においては、パイプ状冷熱移動手段として、液化した第一の冷媒が重力によって移動するサーモサイフォンを用いたが、液化した第一の冷媒がパイプ内に設けられたウィックによる毛細管現象によって移動するヒートパイプを用いてもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明は、供給装置本体と、この供給装置本体内に設けられる冷凍装置及び熱交換器と、前記冷凍装置が発生する冷熱を前記熱交換器に移動させるための冷熱移動手段と、飲料容器内の飲料を前記熱交換器を経て供給装置本体前方の注出口から注出するための飲料パイプと、前記熱交換器内に収容されると共に前記冷熱移動手段内の第一の冷媒及び前記飲料パイプ内の飲料の間の熱交換を行うための第二の冷媒よりなる飲料供給装置において、前記冷凍装置が同軸型スターリング冷凍装置であると共に、前記冷凍装置及び熱交換器が前記供給装置本体内において前後方向に並べて配列されていることを特徴とする飲料供給装置であり、店舗等における設置スペースを小さく出来、また第二の冷媒に応じて、急速冷却から省エネ運転まで効率の良い冷却を行うことができるので、この結果、飲料供給装置において最適な配置と構成により、小型軽量化、取扱い容易、製造価格や保守費用の低減、冷却速度の速さ、製氷時間の短縮、省電力化などを図ることができる。
【0027】
請求項2の発明は、前記冷熱移動手段が前記冷凍装置に対して着脱自在なパイプ状冷熱移動手段であり、このパイプ状冷熱移動手段を構成するパイプが前記熱交換器内に渦巻き状に配されていると共に、前記飲料パイプが前記熱交換器の内壁及び前記パイプに対して間隔を設けて渦巻き状に配され、前記飲料パイプの一端が前記供給装置本体外の飲料容器に対して着脱自在に接続され、前記飲料パイプの他端が前記供給装置本体の前方に設けられた前記注出口に対して着脱自在に接続されていることを特徴とする請求項1記載の飲料供給装置であり、装置の組立性、保守点検、部品交換など、メンテナンス等が容易になることで、製造コストやサービスコストが低減できる。
【0028】
請求項3の発明は、前記熱交換器内の第二の冷媒を攪拌する攪拌機構を設け、前記第二の冷媒が前記冷熱移動手段によって冷却されることで凝固する物質であると共に、前記冷凍装置を運転して前記第二の冷媒を凝固させる際には前記攪拌機構を停止させ、前記冷凍装置を停止又は弱運転させて前記飲料パイプ内に飲料容器内の飲料を通す際には前記攪拌機構を作動させるように制御する制御回路を設けたことを特徴とする請求項2記載の飲料供給装置であり、製氷時間の短縮と飲料の冷却温度を均一にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す要部の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す冷凍装置と攪拌機構の運転と水温等のタイムチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 供給装置本体
4 注出口
5 熱交換器
7 冷凍装置
14 飲料パイプ
15 一端
16 他端
19 第一の冷媒
20 サーモサイフォン(冷熱移動手段、パイプ状冷熱移動手段)
21 第二の冷媒
23 攪拌機構
41 制御回路
L’ 間隔
L” 間隔
Claims (3)
- 供給装置本体と、この供給装置本体内に設けられる冷凍装置及び熱交換器と、前記冷凍装置が発生する冷熱を前記熱交換器に移動させるための冷熱移動手段と、飲料容器内の飲料を前記熱交換器を経て供給装置本体前方の注出口から注出するための飲料パイプと、前記熱交換器内に収容されると共に前記冷熱移動手段内の第一の冷媒及び前記飲料パイプ内の飲料の間の熱交換を行うための第二の冷媒よりなる飲料供給装置において、前記冷凍装置が同軸型スターリング冷凍装置であると共に、前記冷凍装置及び熱交換器が前記供給装置本体内において前後方向に並べて配列されていることを特徴とする飲料供給装置。
- 前記冷熱移動手段が前記冷凍装置に対して着脱自在なパイプ状冷熱移動手段であり、このパイプ状冷熱移動手段を構成するパイプが前記熱交換器内に渦巻き状に配されていると共に、前記飲料パイプが前記熱交換器の内壁及び前記パイプに対して間隔を設けて渦巻き状に配され、前記飲料パイプの一端が前記供給装置本体外の飲料容器に対して着脱自在に接続され、前記飲料パイプの他端が前記供給装置本体の前方に設けられた前記注出口に対して着脱自在に接続されていることを特徴とする請求項1記載の飲料供給装置。
- 前記熱交換器内の第二の冷媒を攪拌する攪拌機構を設け、前記第二の冷媒が前記冷熱移動手段によって冷却されることで凝固する物質であると共に、前記冷凍装置を運転して前記第二の冷媒を凝固させる際には前記攪拌機構を停止させ、前記冷凍装置を停止又は弱運転させて前記飲料パイプ内に飲料容器内の飲料を通す際には前記攪拌機構を作動させるように制御する制御回路を設けたことを特徴とする請求項2記載の飲料供給装置。
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Cited By (1)
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US11034569B2 (en) | 2018-02-14 | 2021-06-15 | Taphandles Llc | Cooled beverage dispensing systems and associated devices |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003027645A patent/JP2004238011A/ja active Pending
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