JP2004237679A - 射出成形用金型 - Google Patents

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Kazutoshi Hayashi
一聡 林
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】固定側取付板に対する一次スプル本体の着脱を容易に行うことができ、又、射出成形機ノズルとの位置合わせにおけるズレを無くして取り付け位置の再現性を良くし得る射出成形用金型を提供する。
【解決手段】一次スプル本体1にツバ部7を設け、該一次スプル本体1のツバ部7を固定側取付板5に固定するためのネジ穴8をスプル中心に対して対称に複数設け、前記一次スプル本体1の金型側先端にテーパ部10を設けると共に、対応する金型の固定側取付板5に、前記一次スプル本体1のテーパ部10が嵌合可能なテーパ穴11を設けて位置決めするよう構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モールド成形に用いられる射出成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、モールド成形に用いられるホットランナー方式の射出成形用金型は、固定側取付板に一次スプル本体がネジ込み式により螺合されている。
図3は従来の一次スプル本体を表わすものであって、1は一次スプル本体、2は一次スプル本体1の中心部に穿設された溶融樹脂流通用の貫通孔、3は一次スプル本体1の外周部に刻設された雄ネジ部、4は一次スプル本体1の外周部に形成された六角形状部である。
前記一次スプル本体1は、図4に示される如く、固定側取付板5の雌ネジ部6に対し、図示していない工具を六角形状部4に嵌め込んだ状態で雄ネジ部3をネジ込むことにより、セットされるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような従来の射出成形用金型では、下記に示す問題がある。
即ち、射出成形機ノズルからの溶融樹脂流動経路入口孔である一次スプル本体1は、成形を繰り返していくうちに一次スプル本体1内筒に炭化樹脂が付着し、一次スプル本体1の貫通孔2が狭くなってしまい、溶融樹脂の流動が悪くなり品質不具合が発生する。
ここで、その品質不具合を防止するのに一次スプル本体1の貫通孔2の清掃を行う際、一次スプル本体1と取り外そうとしても、固定側取付板5に一次スプル本体1がネジ込み式に螺合されていることにより、金型温度が高温のため金型の固定側取付板5と一次スプル本体1に熱膨張等による金属変形が生じ、螺合されている部分が固くなってしまい、工具を用いても容易に取り外しできなくなり、又、一次スプル本体1がネジにより螺合されているので、射出成形機ノズルとの位置合わせに関してもズレが生じ、樹脂漏れや一次スプル本体1の破損が発生することがある。
本発明は、斯かる実情に鑑み、固定側取付板に対する一次スプル本体の着脱を容易に行うことができ、又、射出成形機ノズルとの位置合わせにおけるズレを無くして取り付け位置の再現性を良くし得る射出成形用金型を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明では、ホットランナー方式の射出成形用金型において、一次スプル本体にツバ部を設けたことを特徴とする射出成形用金型を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の射出成形用金型において、一次スプル本体のツバ部を固定側取付板に固定するためのネジ穴をスプル中心に対して対称に複数設けたホットランナー方式射出成形用金型を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の射出成形用金型において、一次スプル本体と対応する金型の固定側取付板に、一次スプル本体が嵌合可能な凹部を設けて組み合わせるようにした射出成形用金型を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項1、2又は3記載の射出成形用金型において、一次スプル本体の金型側先端にテーパ部を設けると共に、対応する金型の固定側取付板に、前記一次スプル本体のテーパ部が嵌合可能なテーパ穴を設けて位置決めするようにした射出成形用金型を主要な特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、図1は一次スプル本体の断面図、図2は取付け状態を示す断面図である。この実施形態の一次スプル本体1は、軸方向に溶融樹脂を流通させる貫通孔2を有すると共に、外周にはツバ部7を設けている。
本図示例の場合、一次スプル本体1のツバ部7を固定側取付板5に固定するためのネジ穴8をスプル中心に対して対称に複数設けてある。
又、一次スプル本体1と対応する金型の固定側取付板5には、一次スプル本体1が嵌合可能な凹部9を設けて組み合わせるようにしてある。
更に又、一次スプル本体1の金型側先端にはテーパ部10を設けると共に、対応する金型の固定側取付板5には、前記一次スプル本体1のテーパ部10が嵌合可能なテーパ穴11を設けて位置決めするようにしてある。
次に、上記図示例の作動を説明する。
一次スプル本体1にツバ部7を設けたことにより、従来のように一次スプル本体1自体を螺合することなく固定側取付板5に取り付けられるようになる。
一次スプル本体1のツバ部7を固定側取付板5に固定するためのネジ穴8をスプル中心に対して対称に複数設けたことにより、固定側取付板5との取り付けが容易になり、且つ取り付け強度も増すこととなる。
又、一次スプル本体1と対応する金型側の固定側取付板5には、一次スプル本体1が嵌合可能な凹部9を設けて組み合わせるようにしてあるため、熱膨張による金属変形が少なくなり一次スプル本体1の着脱が容易になる。
更に又、一次スプル本体1の金型側先端にはテーパ部10を設けると共に、対応する金型の固定側取付板5には、一次スプル本体1のテーパ部10が嵌合可能なテーパ穴11を設けて位置決めするようにしてあるため、ネジ止め時の位置ズレが無くなり、取り付け位置の再現性が良くなる。
尚、本発明の射出成形用金型は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0006】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1記載の射出成形用金型によれば、一次スプル本体にツバ部を設けたことで、従来のように一次スプル本体自体を螺合することなく固定側取付板に取り付けられるので、専用工具も不要になり、着脱が容易になるという優れた効果を奏し得る。
本発明の請求項2記載の射出成形用金型によれば、一次スプル本体のツバ部を固定側取付板に固定するためのネジ穴をスプル中心に対して対称に複数設けたことで、固定側取付板との取り付けが容易になり、且つ取り付け強度も増すという優れた効果を奏し得る。
本発明の請求項3記載の射出成形用金型によれば、一次スプル本体と対応する金型の固定側取付板に、一次スプル本体が嵌合可能な凹部を設けて組み合わせるようにしたことにより、熱膨張による金属変形が少なくなり一次スプル本体の着脱が容易になるという優れた効果を奏し得る。
本発明の請求項4記載の射出成形用金型によれば、一次スプル本体の金型側先端にテーパ部を設けると共に、対応する金型の固定側取付板に、前記一次スプル本体のテーパ部が嵌合可能なテーパ穴を設けて位置決めするようにしたことで、ネジ止め時の位置ズレが無くなり、取り付け位置の再現性が良くなるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例における一次スプル本体を表わす断面図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における一次スプル本体と固定側取付板との組み付け構造を表わす断面図である。
【図3】従来の一次スプル本体を表わす図である。
【図4】従来の一次スプル本体と固定側取付板との組み付け構造を表わす断面図である。
【符号の説明】
1 一次スプル本体、2 貫通孔、3 雄ネジ部、4 六角形状部、5 固定側取付板、6 雌ネジ部、7 ツバ部、8 ネジ穴、9 凹部、10 テーパ部、11 テーパ穴。

Claims (4)

  1. ホットランナー方式の射出成形用金型において、一次スプル本体にツバ部を設けたことを特徴とする射出成形用金型。
  2. 請求項1記載の射出成形用金型において、一次スプル本体のツバ部を固定側取付板に固定するためのネジ穴をスプル中心に対して対称に複数設けたことを特徴とするホットランナー方式射出成形用金型。
  3. 請求項1又は2記載の射出成形用金型において、一次スプル本体と対応する金型の固定側取付板に、一次スプル本体が嵌合可能な凹部を設けて組み合わせるようにしたことを特徴とする射出成形用金型。
  4. 請求項1、2又は3記載の射出成形用金型において、一次スプル本体の金型側先端にテーパ部を設けると共に、対応する金型の固定側取付板に、前記一次スプル本体のテーパ部が嵌合可能なテーパ穴を設けて位置決めするようにしたことを特徴とする射出成形用金型。
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