JP2004235932A - 画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、画像の周辺減光補正に当たり、最小のユーザ操作で最大の補正効果を取ることの可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の画像処理装置は、カメラで撮影した画像をユーザに呈示する呈示手段(ステップS1,S9)と、2つのパラメータをユーザに入力させる入力手段(ステップS2,S4)と、前記ユーザが入力した一方のパラメータに応じて前記画像に施すべき周辺減光補正の補正強度を、前記ユーザが入力した他方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正タイプをそれぞれ決定する決定手段(ステップS3,S5,S6,S8)とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の画像処理装置は、カメラで撮影した画像をユーザに呈示する呈示手段(ステップS1,S9)と、2つのパラメータをユーザに入力させる入力手段(ステップS2,S4)と、前記ユーザが入力した一方のパラメータに応じて前記画像に施すべき周辺減光補正の補正強度を、前記ユーザが入力した他方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正タイプをそれぞれ決定する決定手段(ステップS3,S5,S6,S8)とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の周辺減光を補正する画像処理装置に関する。また、本発明はコンピュータをその画像処理装置として動作させるための画像処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラで撮影した画像には周辺減光が生じている。
その画像が電子カメラで撮影したものであれば、コンピュータのアプリケーションソフトウエアなどでその周辺減光を補正することができる。
但し、周辺減光の強度や周辺減光のタイプ(周辺減光特性)は画像により様々なので、補正に当たっては、補正すべき画像の周辺減光特性を正確に求める必要がある。
【0003】
ここで、周辺減光の要因は、カメラの撮影レンズの像面の各位置に到達する光束の光量がその撮影レンズに対する入射角度により異なること(コサイン4乗則)や、開口絞り以外の箇所で光束の一部がけられること(口径蝕)などにある。
したがって、画像の周辺減光特性は、その画像の撮影に用いた撮影レンズの種類、撮影時における撮影レンズの状態(ズーム位置、焦点調節リングの調節状態)などから、求めることができる。
【0004】
特許文献1に記載の技術は、画像の撮影に用いられた電子カメラのメモリから撮影レンズの種類や撮影時の状態を示すレンズ情報や撮影情報を読み出し、コンピュータのアプリケーションソフトウエアなどでそれら情報に基づきその画像の正確な周辺減光特性を算出し、その周辺減光特性に応じた補正特性でその画像の周辺減光を補正するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−190979号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、銀塩カメラで撮影した画像であってもそれがスキャナなどで電子化されていれば、電子カメラで撮影した画像と同様にアプリケーションソフトウエア上でその周辺減光を補正することが可能である。
【0007】
しかし、銀塩カメラの多くはレンズ情報や撮影情報を記憶しないので、その画像の正確な周辺減光特性は未知であることが多い。
したがって、周辺減光の補正に当たっては、アプリケーションソフトウエア上でユーザが補正特性を調整する操作をしなければならない(因みにこのユーザによる操作は、電子カメラで撮影した画像であってもレンズ情報や撮影情報が入手できなかったときには同様に必要となる。)。
【0008】
しかも、現在発売されているこの種のアプリケーションソフトウエアでは、ユーザによって調整可能なパラメータが1つであるため、画像上の位置により周辺減光が十分に補正できなかったり、画像上の位置により周辺減光が補正され過ぎたりすることがある。
その一方で、ユーザによって調整可能なパラメータが多過ぎてもユーザが混乱するばかりである。
【0009】
そこで本発明は、画像の周辺減光補正に当たり、最小のユーザ操作で最大の補正効果を得ることの可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
また本発明は、コンピュータをその画像処理装置として動作させるための画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の画像処理装置は、周辺減光補正を施すべき画像をユーザに呈示する呈示手段と、2つのパラメータをユーザに入力させる入力手段と、前記ユーザが入力した一方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正強度を、前記ユーザが入力した他方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正タイプをそれぞれ決定する決定手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記決定手段により決定された補正強度及び補正タイプの補正特性で前記画像に対し周辺減光補正を施す補正手段を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の画像処理プログラムは、ユーザインタフェースを備えたコンピュータに対し、周辺減光補正を施すべき画像をユーザに呈示する呈示手順と、2つのパラメータをユーザに入力させる入力手順と、前記ユーザが入力した一方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正強度を、前記ユーザが入力した他方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正タイプをそれぞれ決定する決定手順とを実行させることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の画像処理プログラムは、請求項3に記載の画像処理プログラムにおいて、前記決定手順にて決定された補正強度及び補正タイプの補正特性で前記画像に対し周辺減光補正を施す補正手順を前記コンピュータに対し更に実行させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態は本発明が適用された画像処理システムの実施形態である。
図1は、本実施形態の画像処理システム1を説明する図である。
【0016】
本実施形態の画像処理システム1は、コンピュータ10、モニタ11、入力器(以下、マウス12、キーボード13とする。)などからなる。
モニタ11、キーボード13、及びマウス12はそれぞれコンピュータ10に接続される。
コンピュータ10には、CPU10a、メモリ10b(CPU10aの処理に用いられるメモリである。)、CDドライブ10c、ハードディスクドライブ10d、インタフェース回路10fなどが備えられる。
【0017】
キーボード13、マウス12、及びモニタ11はそのインタフェース回路10fを介してコンピュータ10に接続される。
なお、図1においてCPU10a及びモニタ11が請求項における呈示手段に対応する。また、CPU10a、キーボード13、マウス12、及びモニタ11が請求項における入力手段に対応する。また、CPU10aが請求項における決定手段及び補正手段に対応する。
ハードディスクドライブ10d内のハードディスクには、モニタ11、マウス12、キーボード13を用いたユーザインタフェース(以下、GUI;Graphical User Interfaceとする。)のプログラムが予めインストールされている。
【0018】
よって、ユーザはコンピュータ10(コンピュータ10内のCPU10a)に対し指示やデータを入力する際、モニタ11上に表示されたポインタ(後述する図3の符号10i)をキーボード13やマウス12の操作で移動させ、モニタ11上に表示された操作部(後述する図3の符号15、16など)を操作(選択)すればよい。
【0019】
さらに、ハードディスクドライブ10d内のハードディスクには、画像処理プログラム(後述)も予めインストールされている。
インストールは、例えばコンピュータ10に接続された不図示のインターネットを介して行われる。或いは、予めその画像処理プログラムの書き込まれたCD−ROM14、及びCDドライブ10cを介して行われる。
【0020】
また、本実施形態の画像処理システム1においては、コンピュータ10の所定の箇所(ハードディスクドライブ10d内のハードディスクなど)に、周辺減光補正を施すべき画像Iのファイル10hが保存される。
このファイル10hは、例えばコンピュータ10に接続された電子カメラやスキャナなどの外部装置から転送されたものである。或いは、コンピュータ10に接続された不図示のインターネットなどを介して他のコンピュータから転送されたものなどである。
【0021】
以上の画像処理システム1において、コンピュータ10内のCPU10aは、上記画像処理プログラムに従って以下の通り動作し、ファイル10hに格納された画像Iに周辺減光補正を施す。
図2は、本実施形態の画像処理システム1におけるCPU10aの動作フローチャートである。また、図3は、画像処理中にモニタ11上に表示される画像を示す図である。
【0022】
なお、図2においてステップS1,ステップS9が請求項における呈示手順に対応する。また、ステップS2、ステップS4が請求項における入力手順に対応する。また、ステップS3、ステップS5、ステップS6、ステップS8が請求項における決定手順及び補正手順に対応する。
先ず、図3(a)に示すようなプレビュー画面がモニタ11上に表示される(ステップS1)。
【0023】
プレビュー画面には、プレビュー画像I’が配置されると共に、スライダー15、ラジオ釦16、決定釦17などの操作部が配置される。
プレビュー画像I’は、ファイル10hに格納された画像Iを簡易表示したものである。プレビュー画像I’の画像データは、CPU10aが画像Iの画像データに対し所定の間引き処理を施すことなどで作成する(以下、プレビュー画像I’と区別するため、画像Iを「本画像」と称す。)。
【0024】
このようなプレビュー画面は、本画像Iに対する周辺減光補正の補正特性を決定するに当たり、プレビュー画像I’に対する周辺減光補正をユーザが試験的に施すための画面である。
スライダー15は、周辺減光補正の強度係数k(請求項における「一方のパラメータ」に対応。)をユーザがコンピュータ10に入力するための操作部である。
【0025】
スライダー15によれば、ユーザは、所定範囲内の所望する値を強度係数kとして入力することができる。
ラジオ釦16は、周辺減光補正の補正タイプ(請求項における「他方のパラメータ」に対応。)をユーザがコンピュータ10に入力するための操作部である。
ラジオ釦16によれば、ユーザは、タイプA,タイプB,タイプCのうち所望するタイプを補正タイプとして入力することができる。
【0026】
なお、初期状態(ステップS1の実行直後)のプレビュー画面では、プレビュー画像I’には何ら周辺減光補正が施されていない。また、初期状態におけるスライダー15のポジションは、周辺減光補正の補正強度が「0」となるポジションである(プレビュー画像I’には最も頻繁に利用される周辺減光補正が施されており、スライダー15のポジションがそれに対応するポジションになっていてもよい。)。
【0027】
その後、コンピュータ10のCPU10aは、スライダー15のポジションを参照し(ステップS2)、それに応じて強度係数kの値を設定する(ステップS3)。
また、CPU10aは、ラジオ釦16のポジションを参照し(ステップS4)、それに応じて補正タイプを設定する(ステップS5)。
【0028】
そして、CPU10aは、設定された強度係数k及び補正タイプに基づく補正特性で、プレビュー画像I’の画像データに対し周辺減光補正を施す(ステップS6)。
なお、プレビュー画像I’のデータ量は本画像Iのデータ量よりも大幅に少ないので、このステップS6における周辺減光補正はリアルタイムで(プレビュー画面上にプレビュー画像I’を表示しながら)行われる。
【0029】
よって、ユーザはプレビュー画像I’に対する周辺減光補正の様子をプレビュー画面上で確認しつつスライダー15やラジオ釦16を操作し(図3(a)(b))、強度係数kの値と補正タイプとをそれぞれ変更することができる(ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7NO→ステップS2)。
【0030】
図4は、タイプA、タイプB、タイプCそれぞれの補正タイプを説明する図である。図4において、横軸xは像高、縦軸は像高xにおける相対輝度である。
タイプAの補正タイプは、図4(a)の特性カーブf0A(x)で表される周辺減光特性に適した補正タイプである。
タイプBの補正タイプは、図4(b)の特性カーブf0B(x)で表される周辺減光特性に適した補正タイプである。
【0031】
タイプCの補正タイプは、図4(c)の特性カーブf0C(x)で表される周辺減光特性に適した補正タイプである。
これら3種類の周辺減光特性は、各種・各状態のカメラで撮影したときに発生し得る代表的な周辺減光特性である。
これら3種類の周辺減光特性を示す特性カーブf0A(x),f0B(x),f0C(x)は、例えば以下のようなシミュレーションにより予め求めることができる。
【0032】
シミュレーションには、図5に示すようなカメラの撮影レンズのモデル(以下、「レンズモデル」と称す。)が使用される。
このレンズモデルにおいて、物体Oの各位置から射出する結像光束は、開口絞りAS0を経由して像Iの各位置に結像する。
図5において、後側瞳AS1、前側瞳AS2は、撮影レンズにおいて口径蝕を生起させ得る複数の部材を代表させたものである。
【0033】
像I上では、開口絞りAS0に関するコサイン4乗則により周辺減光が生じると共に、後側瞳AS1、前側瞳AS2における口径蝕により周辺減光が生じる。
このレンズモデルにおいて、撮影レンズの種類や撮影条件(ズーム位置、焦点調節リングの調節状態、開口絞りAS0の状態など)の変化は、開口絞りAS0の位置L0、後側瞳AS1の位置L1、前側瞳AS2の位置L2、及び開口絞りAS0の径R0、後側瞳AS1の径R1、前側瞳AS2の径R2の組み合わせの変化に相当する。
【0034】
よって、シミュレーションでは、レンズモデルにおけるL0、L1、L2、及びR0、R1、R2の値をそれぞれを変化させ、そのときに生じた像Iの周辺減光特性を調べる。
その結果、各周辺減光特性は、主に図4に示したような3種類の特性カーブに分類されることが分かる。
【0035】
図4に示した特性カーブf0A(x),f0B(x),f0C(x)の相違を具体的に説明すると、以下のとおりである。
特性カーブf0A(x)は、各像高に入射する各結像光束の何れにも口径蝕が生じておらず、コサイン4乗則にのみ従うような周辺減光特性を示している。
特性カーブf0B(x)、f0C(x)は、周辺像高に入射する結像光束にのみ口径蝕が生じているような周辺減光特性を示している。
【0036】
特性カーブf0B(x)、特性カーブf0C(x)は、口径蝕の生じ始める像高の互いに異なる2種類の周辺減光特性を示している。
特性カーブf0B(x)で表される周辺減光特性の方が、特性カーブf0C(x)で表される周辺減光特性よりも、口径蝕の生じ始める像高が低い。
ところで、シミュレーションによると、互いに同じ形状の特性カーブで表される周辺減光特性の中にも、互いの減光の程度が相違するものが含まれていることも分かる。
【0037】
ステップS6における周辺減光補正がユーザの入力した補正タイプだけでなく強度係数kにも基づくのは、このためである。
ステップS6における周辺減光補正の具体的な方法は、以下のとおりである。
【0038】
先ず、図4に示す3種類の特性カーブf0A(x),f0B(x),f0C(x)のうち、ステップS5にて設定された補正タイプに対応する特性カーブをf0(x)とおく。
この特性カーブf0(x)は、ステップS3にて設定された強度係数kにより、式(1)のとおり重み付けされる(式(1))。重み付け後の特性カーブをf(x)とおいた。
【数1】
図6(a)には、補正タイプがタイプBに設定され、かつ、強度係数kが0.0,0.5,0.8のそれぞれに設定されたときの各特性カーブf(x)を示した。
そして、周辺減光補正では、その特性カーブf(x)を用いた次式(2)によって、各画素が変換される。つまり、この周辺減光補正の補正特性は、特性カーブf(x)によって表される周辺減光特性の「逆特性」に相当する。
【数2】
なお、v(r)は、画像(ここでは、プレビュー画像I’)上の像高rにおける補正前の画素値、v’(r)は、画像上の像高rにおける補正後の画素値である。
なお、式(1)に代えて式(3)を使用することもできる。式(3)は、重み付けの方式を「非線形」にしたものである。式(3)において「k2」が強度係数である。式(3)において「hH」は最大像高(ここでは、14.2mm)である。
【数3】
この式(3)を使用したときの強度係数k2と特性カーブf(x)との関係は、図6(b)のとおりである。
図6(b)には、補正タイプがタイプBに設定され、かつ、強度係数k2が0.0,−0.25,0.5のそれぞれに設定されたときの各特性カーブf(x)(式(3)に基づく)を示した。
【0039】
なお、式(1)、(3)の何れを使用する場合も、スライダー15のスライド範囲と、設定される強度係数(k又はk2)の値範囲とは、重み付け後の特性カーブf(x)が大凡「f(x)=1」〜「f(x)=0」の範囲内に収まるよう対応づけられる。
さて、以上の周辺減光補正(ステップS6)に当たり、ユーザが入力するのは2つのパラメータ(ここでは、強度係数(k又はk2),及び補正タイプ)のみである。
【0040】
しかし、それら2つのパラメータの組み合わせによると、各種の特性カーブf(x)を設定することが可能である。よって、各種の周辺減光補正が可能である。
しかも、モニタ11上にはプレビュー画像I’に対する周辺減光補正の様子が表示される(図3(a)(b))。
したがって、ユーザはその補正の様子を確認しつつスライダー15やラジオ釦16を操作するだけで、プレビュー画像I’に対し過不足の無い最適な周辺減光補正を施すことができる。
【0041】
その後、補正後のプレビュー画像I’(例えば図3(b))にユーザが満足すると、本画像Iに対しても同様の周辺減光補正を施すようコンピュータ10に対し指示が入力される(ステップS7YES)。
プレビュー画面(図3(a)(b))に配置された決定釦17は、その指示を入力するための操作部である。
【0042】
CPU10aは、ステップS6における周辺減光補正と同じ補正特性で(式(2))、本画像Iの画像データに対しても周辺減光補正を施す(ステップS8)。
この本画像Iのデータ量はプレビュー画像I’のデータ量よりも大幅に多いので、このステップS8における周辺減光補正は一定量の時間を要すが、本画像Iに生じている周辺減光が詳細に補正される。
【0043】
また、その周辺減光補正が本画像Iに対し最適であることは、プレビュー画像I’に対する周辺減光補正の際(ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7NO→ステップS2)にユーザが既に確認済みである。
そして本画像Iに対する周辺減光補正が終了すると、補正後の本画像Iが例えば図3(c)のようにモニタ11上に表示される(ステップS9)。
【0044】
この表示によりユーザは、本画像Iに対する周辺減光補正の結果を、改めて確認することができる。
なお、このとき、モニタ11上には、補正後の本画像Iと同時に、保存釦19などの操作部が配置される。
ユーザは、この保存釦19を選択することにより、コンピュータ10に対し補正後の本画像Iを保存するよう指示することができる(ステップS11YES)。
【0045】
CPU10aは、補正後の本画像Iの画像データに基づいてファイルを作成し、コンピュータ10のハードディスクなど不揮発性メモリのユーザが指定した領域、或いは予め決められた領域にそのファイルを保存し(ステップS12)、画像処理を終了する。
なお、モニタ11上には、保存釦19と同時に戻り釦18が配置されてもよい。
【0046】
戻り釦18は、ユーザがプレビュー画面(図3(a)(b))を再度表示し、プレビュー画像I’及び本画像Iに対する周辺減光補正を再度実行するための釦である。CPU10aは、戻り釦18が選択されたことを確認すると(ステップS10YES)、ステップS1以降の処理を再度実行する。
以上、本実施形態の画像処理システムによれば、最小のユーザ操作(2つのパラメータの入力)で最大の補正効果(過不足の無い補正効果)が得られる。
【0047】
なお、上記ステップS8(及び/又はステップS6)において実行される周辺減光補正が仮に過度になると、補正後の本画像I(及び/又はプレビュー画像I’)にリトーンジャンプや目立ったノイズの生じる可能性がある。
【0048】
そこで、本実施形態の画像処理プログラムに次の機能を付加してもよい。
すなわち、ステップS8(及び/又はステップS6)において式(2)により画素値v(r)を変換する際、補正係数(ここでは(1/f(r)))と所定の閾値とを比較し、その補正係数が閾値よりも大きいと判断されたときにはその補正係数を小さい値に変更する。つまり、補正係数(1/f(r))に上限を設ける。
【0049】
また、画像処理プログラムに次の機能を付加してもよい。
すなわち、ステップS6,ステップS8において式(2)により画素値v(r)を変換する際、予め階調変換の施された画素値v(r)については、その階調変換を考慮した補正式を適用する。
なお、本実施形態の画像処理システムにおいては、設定可能な補正タイプをタイプA、タイプB、タイプCの3種類としたが、3種類以上になるよう画像処理プログラムを変更してもよいことは言うまでもない。
【0050】
(変形例)
また、本実施形態の画像処理プログラムを、図7に示すようにタイプAとタイプBとの間の所望のタイプや、タイプBとタイプCとの間の所望のタイプが設定可能となるよう変更してもよい。
図7に示すプレビュー画面上には、補正タイプをユーザが入力するための操作部としてスライダー16’が配置される。
【0051】
スライダー16’によれば、ユーザは、タイプA、タイプB、タイプCの他、タイプAとタイプBとの間の所望のタイプ、タイプBとタイプCとの間の所望のタイプをも補正タイプとして入力することができる。
なお、タイプAとタイプBとの間のタイプに対応する特性カーブf0AB(x)、タイプBとタイプCとの間のタイプに対応する特性カーブ0BC(x)については、特性カーブf0A(x)、f0B(x)、f0C(x)を用いた所定の補間演算(例えば線形補間)により求められる。
【0052】
[第2実施形態]
図8、図9、図10、図11を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、第1実施形態と同様、本発明が適用された画像処理システムの実施形態である。ここでは、第1実施形態の画像処理システムの変形例(図7参照)との相違点についてのみ説明する。
【0053】
本実施形態の画像処理システムにおいても、ユーザは、第1実施形態の変形例と同様、補正タイプとして連続的な各種のタイプを入力することができる。
例えば、図8に示すように、プレビュー画面上には補正タイプをユーザが入力するための操作部としてスライダー26が配置される。
但し、本実施形態の特性カーブf0(x)は、第1実施形態の変形例の特性カーブとは異なり、以下のようなシミュレーションにより求められる。
【0054】
このシミュレーションに使用されるレンズモデルは、図5に示したレンズモデルにおいて、L0、L1、L2、R1、R2の値をそれぞれ所定値(以下、L0=24mm,L1=24−9.6mm,L2=24+9.6mm,R1=7.2mm,R2=16.8mmとする。)に固定したものである。
シミュレーションでは、このレンズモデルのR0(開口絞りAS0の半径)の値のみを所定範囲内(R0<12mm)で連続的に変化させ、そのときに生じる周辺減光特性カーブの連続的な変化が調べられる。
【0055】
R0の値が連続的に変化すると、周辺減光特性カーブも図8下部に示すように連続的に変化する。
本実施形態の特性カーブf0(x)は、R0に応じて変化するこの周辺減光特性カーブである。
図8下部に示した各特性カーブf0(x)は、R0=2.14(このときのレンズモデルのF値は5.6)、R0=3.00(このときのレンズモデルのF値は4.0)、R0=4.29(このときのレンズモデルのF値は2.8)、R0=6.00(このときのレンズモデルのF値は2.0)、R0=8.57(このときのレンズモデルのF値は1.4)、R0=12.00(このときのレンズモデルのF値は1.0)であるときの各周辺減光特性カーブである。
【0056】
これを実現するため、本実施形態の画像処理システムのコンピュータ10(図1参照)は、上記シミュレーションで求まる各R0と各f0(x)との対応関係、又は、R0とf0(x)との関係式を、メモリ10bなどに予め記憶する。
そして、ユーザが補正タイプとしてコンピュータ10に入力するのは、R0の値(つまり、レンズモデルのF値)である。よって、本実施形態のCPU10aは、ステップS4,ステップS5に代えて、スライダー26のポジションを参照すると共にこのR0の値を設定するという手順を実行する。
【0057】
さらに、ステップS6,ステップS8におけるCPU10aは、設定されたR0の値(レンズモデルのF値)に対応する特性カーブf0(x)を前記予め記憶された対応関係又は関係式に基づいて求め、その特性カーブf0(x)とユーザの入力した補正係数(k又はk2)とに基づく補正特性で第1実施形態と同様に周辺減光補正を実行する。
【0058】
図9(a)には、R0の値が8.57に設定され、かつ、強度係数kの値が0.0,0.5,0.8に設定されたときの各特性カーブf(x)(式(1)に基づく)を示した。
図9(b)には、R0の値が8.57に設定され、かつ、強度係数k2の値が0.0,−0.25,0.5に設定されたときの各特性カーブf(x)(式(3)に基づく)を示した。
【0059】
図10、図11は、本実施形態の画像処理システムの適用例を示す図である。
図10、図11では、適用画像の周辺減光の特性カーブg(x)と、ユーザの入力に従って設定された特性カーブf(x)とを同一座標で示した。特性カーブf(x)が特性カーブg(x)に近いほど、補正効果が高い。
【0060】
図10(a)は、焦点距離14mm,開放F値2.8のレンズを用いF値を2.8に設定して撮影した画像に対する適用例である。
この適用例では、R0=12.00(このときのレンズモデルのF値は1.0),k=0.2が設定された。
図10(b)は、焦点距離14mm,開放F値2.8のレンズを用いF値を4.0に設定して撮影した画像に対する適用例である。
【0061】
この適用例では、R0=7.05(このときのレンズモデルのF値は1.7),k=0.5が設定された。
図11(a)は、焦点距離28mm,開放F値1.4のレンズを用いF値を1.4に設定して撮影した画像に対する適用例である。
この適用例では、R0=2.14(このときのレンズモデルのF値は5.6),k=−0.1が設定された。
【0062】
図11(b)は、焦点距離85mm,開放F値1.8のレンズを用いF値を1.8に設定して撮影した画像に対する適用例である。
この適用例では、R0=6.65(このときのレンズモデルのF値は1.8),k=0.5が設定された。
何れの適用例でも、実際に撮影に使用したレンズの種類・状態がレンズモデルとは異なるが、ユーザの適正な入力によって、特性カーブg(x)に極めて近い特性カーブf(x)がそれぞれ設定されていることが分かる。
【0063】
したがって、図10、図11によれば、本実施形態の画像処理システムによっても、最小のユーザ操作(2つのパラメータの入力)で最大の補正効果(過不足の無い補正効果)が得られることが分かる。
[第1実施形態の別の変形例]
なお、図12に示すような各特性カーブf0(x)に対応する各タイプが補正タイプとして設定され得るよう、第1実施形態の画像処理プログラムを変更してもよい。
【0064】
図12に示す各特性カーブf0(x)は、上記第2実施形態と同様のレンズモデルにおいてR0のみを所定範囲内(R0<12mm)で離散的に変化させたときに生じる各周辺減光特性カーブである。
なお、これらの特性カーブは、図8に示した各特性カーブをそれぞれ規格化したものである。
【0065】
[その他]
上記各実施形態は、汎用コンピュータを画像処理装置として動作させる実施形態であるが、画像処理専用のコンピュータ(画像処理装置)にも本発明を適用できる。
【0066】
【発明の効果】
以上本発明によれば、画像の周辺減光補正に当たり、最小のユーザ操作で最大の補正効果を得ることの可能な画像処理装置が実現する。
【0067】
また本発明によれば、コンピュータをその画像処理装置として動作させるための画像処理プログラムが実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の画像処理システム1を説明する図である。
【図2】第1実施形態の画像処理システム1におけるCPU10aの動作フローチャートである。
【図3】画像処理中にモニタ11上に表示される画像を示す図である。
【図4】タイプA、タイプB、タイプCそれぞれの補正タイプを説明する図である。
【図5】撮影レンズのレンズモデルを示す図である。
【図6】第1実施形態における強度係数と特性カーブf(x)との関係を示す図である。
図6(a)には、補正タイプがタイプB(特性カーブf0B(x))に設定され、かつ、強度係数kが0.0,0.5,0.8のそれぞれに設定されたときの各特性カーブf(x)(式(1)に基づく)を示した。
図6(b)には、補正タイプがタイプB(特性カーブf0B(x))に設定され、かつ、強度係数k2が0.0,−0.25,0.5のそれぞれに設定されたときの各特性カーブf(x)(式(3)に基づく)を示した。
【図7】第1実施形態の変形例を説明する図である。
【図8】第2実施形態を説明する図である。
【図9】第2実施形態における強度係数と特性カーブf(x)との関係を示す図である。
図9(a)には、R0の値が8.57に設定され、かつ、強度係数kの値が0.0,0.5,0.8に設定されたときの各特性カーブf(x)(式(1)に基づく)を示した。
図9(b)には、R0の値が8.57に設定され、かつ、強度係数k2の値が0.0,−0.25,0.5に設定されたときの各特性カーブf(x)(式(3)に基づく)を示した。
【図10】第2実施形態の画像処理システムの適用例を示す図である。
図10(a)は、焦点距離14mm,開放F値2.8のレンズにおいてF値を2.8に設定して撮影した画像に対する適用例である。
図10(b)は、焦点距離14mm,開放F値2.8のレンズにおいてF値を4.0に設定して撮影した画像に対する適用例である。
【図11】第2実施形態の画像処理システムの適用例を示す図である。
図11(a)は、焦点距離28mm,開放F値1.4のレンズにおいてF値を1.4に設定して撮影した画像に対する適用例である。
図11(b)は、焦点距離85mm,開放F値1.8のレンズにおいてF値を1.8に設定して撮影した画像に対する適用例である。
【図12】第1実施形態の別の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
1 画像処理システム
10 コンピュータ
10a CPU
10b メモリ
10c CDドライブ
10d ハードディスクドライブ
10h ファイル
10f インタフェース回路
10i ポインタ
11 モニタ
12 マウス
13 キーボード
14 CD−ROM
I 画像(本画像), 像
I’ プレビュー画像
15,16’,26 スライダー
16 ラジオ釦
17 決定釦
18 戻り釦
19 保存釦
O 物体
AS0 開口絞り
AS1 後側瞳
AS2 前側瞳
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の周辺減光を補正する画像処理装置に関する。また、本発明はコンピュータをその画像処理装置として動作させるための画像処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラで撮影した画像には周辺減光が生じている。
その画像が電子カメラで撮影したものであれば、コンピュータのアプリケーションソフトウエアなどでその周辺減光を補正することができる。
但し、周辺減光の強度や周辺減光のタイプ(周辺減光特性)は画像により様々なので、補正に当たっては、補正すべき画像の周辺減光特性を正確に求める必要がある。
【0003】
ここで、周辺減光の要因は、カメラの撮影レンズの像面の各位置に到達する光束の光量がその撮影レンズに対する入射角度により異なること(コサイン4乗則)や、開口絞り以外の箇所で光束の一部がけられること(口径蝕)などにある。
したがって、画像の周辺減光特性は、その画像の撮影に用いた撮影レンズの種類、撮影時における撮影レンズの状態(ズーム位置、焦点調節リングの調節状態)などから、求めることができる。
【0004】
特許文献1に記載の技術は、画像の撮影に用いられた電子カメラのメモリから撮影レンズの種類や撮影時の状態を示すレンズ情報や撮影情報を読み出し、コンピュータのアプリケーションソフトウエアなどでそれら情報に基づきその画像の正確な周辺減光特性を算出し、その周辺減光特性に応じた補正特性でその画像の周辺減光を補正するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−190979号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、銀塩カメラで撮影した画像であってもそれがスキャナなどで電子化されていれば、電子カメラで撮影した画像と同様にアプリケーションソフトウエア上でその周辺減光を補正することが可能である。
【0007】
しかし、銀塩カメラの多くはレンズ情報や撮影情報を記憶しないので、その画像の正確な周辺減光特性は未知であることが多い。
したがって、周辺減光の補正に当たっては、アプリケーションソフトウエア上でユーザが補正特性を調整する操作をしなければならない(因みにこのユーザによる操作は、電子カメラで撮影した画像であってもレンズ情報や撮影情報が入手できなかったときには同様に必要となる。)。
【0008】
しかも、現在発売されているこの種のアプリケーションソフトウエアでは、ユーザによって調整可能なパラメータが1つであるため、画像上の位置により周辺減光が十分に補正できなかったり、画像上の位置により周辺減光が補正され過ぎたりすることがある。
その一方で、ユーザによって調整可能なパラメータが多過ぎてもユーザが混乱するばかりである。
【0009】
そこで本発明は、画像の周辺減光補正に当たり、最小のユーザ操作で最大の補正効果を得ることの可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
また本発明は、コンピュータをその画像処理装置として動作させるための画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の画像処理装置は、周辺減光補正を施すべき画像をユーザに呈示する呈示手段と、2つのパラメータをユーザに入力させる入力手段と、前記ユーザが入力した一方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正強度を、前記ユーザが入力した他方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正タイプをそれぞれ決定する決定手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記決定手段により決定された補正強度及び補正タイプの補正特性で前記画像に対し周辺減光補正を施す補正手段を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の画像処理プログラムは、ユーザインタフェースを備えたコンピュータに対し、周辺減光補正を施すべき画像をユーザに呈示する呈示手順と、2つのパラメータをユーザに入力させる入力手順と、前記ユーザが入力した一方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正強度を、前記ユーザが入力した他方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正タイプをそれぞれ決定する決定手順とを実行させることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の画像処理プログラムは、請求項3に記載の画像処理プログラムにおいて、前記決定手順にて決定された補正強度及び補正タイプの補正特性で前記画像に対し周辺減光補正を施す補正手順を前記コンピュータに対し更に実行させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態は本発明が適用された画像処理システムの実施形態である。
図1は、本実施形態の画像処理システム1を説明する図である。
【0016】
本実施形態の画像処理システム1は、コンピュータ10、モニタ11、入力器(以下、マウス12、キーボード13とする。)などからなる。
モニタ11、キーボード13、及びマウス12はそれぞれコンピュータ10に接続される。
コンピュータ10には、CPU10a、メモリ10b(CPU10aの処理に用いられるメモリである。)、CDドライブ10c、ハードディスクドライブ10d、インタフェース回路10fなどが備えられる。
【0017】
キーボード13、マウス12、及びモニタ11はそのインタフェース回路10fを介してコンピュータ10に接続される。
なお、図1においてCPU10a及びモニタ11が請求項における呈示手段に対応する。また、CPU10a、キーボード13、マウス12、及びモニタ11が請求項における入力手段に対応する。また、CPU10aが請求項における決定手段及び補正手段に対応する。
ハードディスクドライブ10d内のハードディスクには、モニタ11、マウス12、キーボード13を用いたユーザインタフェース(以下、GUI;Graphical User Interfaceとする。)のプログラムが予めインストールされている。
【0018】
よって、ユーザはコンピュータ10(コンピュータ10内のCPU10a)に対し指示やデータを入力する際、モニタ11上に表示されたポインタ(後述する図3の符号10i)をキーボード13やマウス12の操作で移動させ、モニタ11上に表示された操作部(後述する図3の符号15、16など)を操作(選択)すればよい。
【0019】
さらに、ハードディスクドライブ10d内のハードディスクには、画像処理プログラム(後述)も予めインストールされている。
インストールは、例えばコンピュータ10に接続された不図示のインターネットを介して行われる。或いは、予めその画像処理プログラムの書き込まれたCD−ROM14、及びCDドライブ10cを介して行われる。
【0020】
また、本実施形態の画像処理システム1においては、コンピュータ10の所定の箇所(ハードディスクドライブ10d内のハードディスクなど)に、周辺減光補正を施すべき画像Iのファイル10hが保存される。
このファイル10hは、例えばコンピュータ10に接続された電子カメラやスキャナなどの外部装置から転送されたものである。或いは、コンピュータ10に接続された不図示のインターネットなどを介して他のコンピュータから転送されたものなどである。
【0021】
以上の画像処理システム1において、コンピュータ10内のCPU10aは、上記画像処理プログラムに従って以下の通り動作し、ファイル10hに格納された画像Iに周辺減光補正を施す。
図2は、本実施形態の画像処理システム1におけるCPU10aの動作フローチャートである。また、図3は、画像処理中にモニタ11上に表示される画像を示す図である。
【0022】
なお、図2においてステップS1,ステップS9が請求項における呈示手順に対応する。また、ステップS2、ステップS4が請求項における入力手順に対応する。また、ステップS3、ステップS5、ステップS6、ステップS8が請求項における決定手順及び補正手順に対応する。
先ず、図3(a)に示すようなプレビュー画面がモニタ11上に表示される(ステップS1)。
【0023】
プレビュー画面には、プレビュー画像I’が配置されると共に、スライダー15、ラジオ釦16、決定釦17などの操作部が配置される。
プレビュー画像I’は、ファイル10hに格納された画像Iを簡易表示したものである。プレビュー画像I’の画像データは、CPU10aが画像Iの画像データに対し所定の間引き処理を施すことなどで作成する(以下、プレビュー画像I’と区別するため、画像Iを「本画像」と称す。)。
【0024】
このようなプレビュー画面は、本画像Iに対する周辺減光補正の補正特性を決定するに当たり、プレビュー画像I’に対する周辺減光補正をユーザが試験的に施すための画面である。
スライダー15は、周辺減光補正の強度係数k(請求項における「一方のパラメータ」に対応。)をユーザがコンピュータ10に入力するための操作部である。
【0025】
スライダー15によれば、ユーザは、所定範囲内の所望する値を強度係数kとして入力することができる。
ラジオ釦16は、周辺減光補正の補正タイプ(請求項における「他方のパラメータ」に対応。)をユーザがコンピュータ10に入力するための操作部である。
ラジオ釦16によれば、ユーザは、タイプA,タイプB,タイプCのうち所望するタイプを補正タイプとして入力することができる。
【0026】
なお、初期状態(ステップS1の実行直後)のプレビュー画面では、プレビュー画像I’には何ら周辺減光補正が施されていない。また、初期状態におけるスライダー15のポジションは、周辺減光補正の補正強度が「0」となるポジションである(プレビュー画像I’には最も頻繁に利用される周辺減光補正が施されており、スライダー15のポジションがそれに対応するポジションになっていてもよい。)。
【0027】
その後、コンピュータ10のCPU10aは、スライダー15のポジションを参照し(ステップS2)、それに応じて強度係数kの値を設定する(ステップS3)。
また、CPU10aは、ラジオ釦16のポジションを参照し(ステップS4)、それに応じて補正タイプを設定する(ステップS5)。
【0028】
そして、CPU10aは、設定された強度係数k及び補正タイプに基づく補正特性で、プレビュー画像I’の画像データに対し周辺減光補正を施す(ステップS6)。
なお、プレビュー画像I’のデータ量は本画像Iのデータ量よりも大幅に少ないので、このステップS6における周辺減光補正はリアルタイムで(プレビュー画面上にプレビュー画像I’を表示しながら)行われる。
【0029】
よって、ユーザはプレビュー画像I’に対する周辺減光補正の様子をプレビュー画面上で確認しつつスライダー15やラジオ釦16を操作し(図3(a)(b))、強度係数kの値と補正タイプとをそれぞれ変更することができる(ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7NO→ステップS2)。
【0030】
図4は、タイプA、タイプB、タイプCそれぞれの補正タイプを説明する図である。図4において、横軸xは像高、縦軸は像高xにおける相対輝度である。
タイプAの補正タイプは、図4(a)の特性カーブf0A(x)で表される周辺減光特性に適した補正タイプである。
タイプBの補正タイプは、図4(b)の特性カーブf0B(x)で表される周辺減光特性に適した補正タイプである。
【0031】
タイプCの補正タイプは、図4(c)の特性カーブf0C(x)で表される周辺減光特性に適した補正タイプである。
これら3種類の周辺減光特性は、各種・各状態のカメラで撮影したときに発生し得る代表的な周辺減光特性である。
これら3種類の周辺減光特性を示す特性カーブf0A(x),f0B(x),f0C(x)は、例えば以下のようなシミュレーションにより予め求めることができる。
【0032】
シミュレーションには、図5に示すようなカメラの撮影レンズのモデル(以下、「レンズモデル」と称す。)が使用される。
このレンズモデルにおいて、物体Oの各位置から射出する結像光束は、開口絞りAS0を経由して像Iの各位置に結像する。
図5において、後側瞳AS1、前側瞳AS2は、撮影レンズにおいて口径蝕を生起させ得る複数の部材を代表させたものである。
【0033】
像I上では、開口絞りAS0に関するコサイン4乗則により周辺減光が生じると共に、後側瞳AS1、前側瞳AS2における口径蝕により周辺減光が生じる。
このレンズモデルにおいて、撮影レンズの種類や撮影条件(ズーム位置、焦点調節リングの調節状態、開口絞りAS0の状態など)の変化は、開口絞りAS0の位置L0、後側瞳AS1の位置L1、前側瞳AS2の位置L2、及び開口絞りAS0の径R0、後側瞳AS1の径R1、前側瞳AS2の径R2の組み合わせの変化に相当する。
【0034】
よって、シミュレーションでは、レンズモデルにおけるL0、L1、L2、及びR0、R1、R2の値をそれぞれを変化させ、そのときに生じた像Iの周辺減光特性を調べる。
その結果、各周辺減光特性は、主に図4に示したような3種類の特性カーブに分類されることが分かる。
【0035】
図4に示した特性カーブf0A(x),f0B(x),f0C(x)の相違を具体的に説明すると、以下のとおりである。
特性カーブf0A(x)は、各像高に入射する各結像光束の何れにも口径蝕が生じておらず、コサイン4乗則にのみ従うような周辺減光特性を示している。
特性カーブf0B(x)、f0C(x)は、周辺像高に入射する結像光束にのみ口径蝕が生じているような周辺減光特性を示している。
【0036】
特性カーブf0B(x)、特性カーブf0C(x)は、口径蝕の生じ始める像高の互いに異なる2種類の周辺減光特性を示している。
特性カーブf0B(x)で表される周辺減光特性の方が、特性カーブf0C(x)で表される周辺減光特性よりも、口径蝕の生じ始める像高が低い。
ところで、シミュレーションによると、互いに同じ形状の特性カーブで表される周辺減光特性の中にも、互いの減光の程度が相違するものが含まれていることも分かる。
【0037】
ステップS6における周辺減光補正がユーザの入力した補正タイプだけでなく強度係数kにも基づくのは、このためである。
ステップS6における周辺減光補正の具体的な方法は、以下のとおりである。
【0038】
先ず、図4に示す3種類の特性カーブf0A(x),f0B(x),f0C(x)のうち、ステップS5にて設定された補正タイプに対応する特性カーブをf0(x)とおく。
この特性カーブf0(x)は、ステップS3にて設定された強度係数kにより、式(1)のとおり重み付けされる(式(1))。重み付け後の特性カーブをf(x)とおいた。
【数1】
図6(a)には、補正タイプがタイプBに設定され、かつ、強度係数kが0.0,0.5,0.8のそれぞれに設定されたときの各特性カーブf(x)を示した。
そして、周辺減光補正では、その特性カーブf(x)を用いた次式(2)によって、各画素が変換される。つまり、この周辺減光補正の補正特性は、特性カーブf(x)によって表される周辺減光特性の「逆特性」に相当する。
【数2】
なお、v(r)は、画像(ここでは、プレビュー画像I’)上の像高rにおける補正前の画素値、v’(r)は、画像上の像高rにおける補正後の画素値である。
なお、式(1)に代えて式(3)を使用することもできる。式(3)は、重み付けの方式を「非線形」にしたものである。式(3)において「k2」が強度係数である。式(3)において「hH」は最大像高(ここでは、14.2mm)である。
【数3】
この式(3)を使用したときの強度係数k2と特性カーブf(x)との関係は、図6(b)のとおりである。
図6(b)には、補正タイプがタイプBに設定され、かつ、強度係数k2が0.0,−0.25,0.5のそれぞれに設定されたときの各特性カーブf(x)(式(3)に基づく)を示した。
【0039】
なお、式(1)、(3)の何れを使用する場合も、スライダー15のスライド範囲と、設定される強度係数(k又はk2)の値範囲とは、重み付け後の特性カーブf(x)が大凡「f(x)=1」〜「f(x)=0」の範囲内に収まるよう対応づけられる。
さて、以上の周辺減光補正(ステップS6)に当たり、ユーザが入力するのは2つのパラメータ(ここでは、強度係数(k又はk2),及び補正タイプ)のみである。
【0040】
しかし、それら2つのパラメータの組み合わせによると、各種の特性カーブf(x)を設定することが可能である。よって、各種の周辺減光補正が可能である。
しかも、モニタ11上にはプレビュー画像I’に対する周辺減光補正の様子が表示される(図3(a)(b))。
したがって、ユーザはその補正の様子を確認しつつスライダー15やラジオ釦16を操作するだけで、プレビュー画像I’に対し過不足の無い最適な周辺減光補正を施すことができる。
【0041】
その後、補正後のプレビュー画像I’(例えば図3(b))にユーザが満足すると、本画像Iに対しても同様の周辺減光補正を施すようコンピュータ10に対し指示が入力される(ステップS7YES)。
プレビュー画面(図3(a)(b))に配置された決定釦17は、その指示を入力するための操作部である。
【0042】
CPU10aは、ステップS6における周辺減光補正と同じ補正特性で(式(2))、本画像Iの画像データに対しても周辺減光補正を施す(ステップS8)。
この本画像Iのデータ量はプレビュー画像I’のデータ量よりも大幅に多いので、このステップS8における周辺減光補正は一定量の時間を要すが、本画像Iに生じている周辺減光が詳細に補正される。
【0043】
また、その周辺減光補正が本画像Iに対し最適であることは、プレビュー画像I’に対する周辺減光補正の際(ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7NO→ステップS2)にユーザが既に確認済みである。
そして本画像Iに対する周辺減光補正が終了すると、補正後の本画像Iが例えば図3(c)のようにモニタ11上に表示される(ステップS9)。
【0044】
この表示によりユーザは、本画像Iに対する周辺減光補正の結果を、改めて確認することができる。
なお、このとき、モニタ11上には、補正後の本画像Iと同時に、保存釦19などの操作部が配置される。
ユーザは、この保存釦19を選択することにより、コンピュータ10に対し補正後の本画像Iを保存するよう指示することができる(ステップS11YES)。
【0045】
CPU10aは、補正後の本画像Iの画像データに基づいてファイルを作成し、コンピュータ10のハードディスクなど不揮発性メモリのユーザが指定した領域、或いは予め決められた領域にそのファイルを保存し(ステップS12)、画像処理を終了する。
なお、モニタ11上には、保存釦19と同時に戻り釦18が配置されてもよい。
【0046】
戻り釦18は、ユーザがプレビュー画面(図3(a)(b))を再度表示し、プレビュー画像I’及び本画像Iに対する周辺減光補正を再度実行するための釦である。CPU10aは、戻り釦18が選択されたことを確認すると(ステップS10YES)、ステップS1以降の処理を再度実行する。
以上、本実施形態の画像処理システムによれば、最小のユーザ操作(2つのパラメータの入力)で最大の補正効果(過不足の無い補正効果)が得られる。
【0047】
なお、上記ステップS8(及び/又はステップS6)において実行される周辺減光補正が仮に過度になると、補正後の本画像I(及び/又はプレビュー画像I’)にリトーンジャンプや目立ったノイズの生じる可能性がある。
【0048】
そこで、本実施形態の画像処理プログラムに次の機能を付加してもよい。
すなわち、ステップS8(及び/又はステップS6)において式(2)により画素値v(r)を変換する際、補正係数(ここでは(1/f(r)))と所定の閾値とを比較し、その補正係数が閾値よりも大きいと判断されたときにはその補正係数を小さい値に変更する。つまり、補正係数(1/f(r))に上限を設ける。
【0049】
また、画像処理プログラムに次の機能を付加してもよい。
すなわち、ステップS6,ステップS8において式(2)により画素値v(r)を変換する際、予め階調変換の施された画素値v(r)については、その階調変換を考慮した補正式を適用する。
なお、本実施形態の画像処理システムにおいては、設定可能な補正タイプをタイプA、タイプB、タイプCの3種類としたが、3種類以上になるよう画像処理プログラムを変更してもよいことは言うまでもない。
【0050】
(変形例)
また、本実施形態の画像処理プログラムを、図7に示すようにタイプAとタイプBとの間の所望のタイプや、タイプBとタイプCとの間の所望のタイプが設定可能となるよう変更してもよい。
図7に示すプレビュー画面上には、補正タイプをユーザが入力するための操作部としてスライダー16’が配置される。
【0051】
スライダー16’によれば、ユーザは、タイプA、タイプB、タイプCの他、タイプAとタイプBとの間の所望のタイプ、タイプBとタイプCとの間の所望のタイプをも補正タイプとして入力することができる。
なお、タイプAとタイプBとの間のタイプに対応する特性カーブf0AB(x)、タイプBとタイプCとの間のタイプに対応する特性カーブ0BC(x)については、特性カーブf0A(x)、f0B(x)、f0C(x)を用いた所定の補間演算(例えば線形補間)により求められる。
【0052】
[第2実施形態]
図8、図9、図10、図11を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、第1実施形態と同様、本発明が適用された画像処理システムの実施形態である。ここでは、第1実施形態の画像処理システムの変形例(図7参照)との相違点についてのみ説明する。
【0053】
本実施形態の画像処理システムにおいても、ユーザは、第1実施形態の変形例と同様、補正タイプとして連続的な各種のタイプを入力することができる。
例えば、図8に示すように、プレビュー画面上には補正タイプをユーザが入力するための操作部としてスライダー26が配置される。
但し、本実施形態の特性カーブf0(x)は、第1実施形態の変形例の特性カーブとは異なり、以下のようなシミュレーションにより求められる。
【0054】
このシミュレーションに使用されるレンズモデルは、図5に示したレンズモデルにおいて、L0、L1、L2、R1、R2の値をそれぞれ所定値(以下、L0=24mm,L1=24−9.6mm,L2=24+9.6mm,R1=7.2mm,R2=16.8mmとする。)に固定したものである。
シミュレーションでは、このレンズモデルのR0(開口絞りAS0の半径)の値のみを所定範囲内(R0<12mm)で連続的に変化させ、そのときに生じる周辺減光特性カーブの連続的な変化が調べられる。
【0055】
R0の値が連続的に変化すると、周辺減光特性カーブも図8下部に示すように連続的に変化する。
本実施形態の特性カーブf0(x)は、R0に応じて変化するこの周辺減光特性カーブである。
図8下部に示した各特性カーブf0(x)は、R0=2.14(このときのレンズモデルのF値は5.6)、R0=3.00(このときのレンズモデルのF値は4.0)、R0=4.29(このときのレンズモデルのF値は2.8)、R0=6.00(このときのレンズモデルのF値は2.0)、R0=8.57(このときのレンズモデルのF値は1.4)、R0=12.00(このときのレンズモデルのF値は1.0)であるときの各周辺減光特性カーブである。
【0056】
これを実現するため、本実施形態の画像処理システムのコンピュータ10(図1参照)は、上記シミュレーションで求まる各R0と各f0(x)との対応関係、又は、R0とf0(x)との関係式を、メモリ10bなどに予め記憶する。
そして、ユーザが補正タイプとしてコンピュータ10に入力するのは、R0の値(つまり、レンズモデルのF値)である。よって、本実施形態のCPU10aは、ステップS4,ステップS5に代えて、スライダー26のポジションを参照すると共にこのR0の値を設定するという手順を実行する。
【0057】
さらに、ステップS6,ステップS8におけるCPU10aは、設定されたR0の値(レンズモデルのF値)に対応する特性カーブf0(x)を前記予め記憶された対応関係又は関係式に基づいて求め、その特性カーブf0(x)とユーザの入力した補正係数(k又はk2)とに基づく補正特性で第1実施形態と同様に周辺減光補正を実行する。
【0058】
図9(a)には、R0の値が8.57に設定され、かつ、強度係数kの値が0.0,0.5,0.8に設定されたときの各特性カーブf(x)(式(1)に基づく)を示した。
図9(b)には、R0の値が8.57に設定され、かつ、強度係数k2の値が0.0,−0.25,0.5に設定されたときの各特性カーブf(x)(式(3)に基づく)を示した。
【0059】
図10、図11は、本実施形態の画像処理システムの適用例を示す図である。
図10、図11では、適用画像の周辺減光の特性カーブg(x)と、ユーザの入力に従って設定された特性カーブf(x)とを同一座標で示した。特性カーブf(x)が特性カーブg(x)に近いほど、補正効果が高い。
【0060】
図10(a)は、焦点距離14mm,開放F値2.8のレンズを用いF値を2.8に設定して撮影した画像に対する適用例である。
この適用例では、R0=12.00(このときのレンズモデルのF値は1.0),k=0.2が設定された。
図10(b)は、焦点距離14mm,開放F値2.8のレンズを用いF値を4.0に設定して撮影した画像に対する適用例である。
【0061】
この適用例では、R0=7.05(このときのレンズモデルのF値は1.7),k=0.5が設定された。
図11(a)は、焦点距離28mm,開放F値1.4のレンズを用いF値を1.4に設定して撮影した画像に対する適用例である。
この適用例では、R0=2.14(このときのレンズモデルのF値は5.6),k=−0.1が設定された。
【0062】
図11(b)は、焦点距離85mm,開放F値1.8のレンズを用いF値を1.8に設定して撮影した画像に対する適用例である。
この適用例では、R0=6.65(このときのレンズモデルのF値は1.8),k=0.5が設定された。
何れの適用例でも、実際に撮影に使用したレンズの種類・状態がレンズモデルとは異なるが、ユーザの適正な入力によって、特性カーブg(x)に極めて近い特性カーブf(x)がそれぞれ設定されていることが分かる。
【0063】
したがって、図10、図11によれば、本実施形態の画像処理システムによっても、最小のユーザ操作(2つのパラメータの入力)で最大の補正効果(過不足の無い補正効果)が得られることが分かる。
[第1実施形態の別の変形例]
なお、図12に示すような各特性カーブf0(x)に対応する各タイプが補正タイプとして設定され得るよう、第1実施形態の画像処理プログラムを変更してもよい。
【0064】
図12に示す各特性カーブf0(x)は、上記第2実施形態と同様のレンズモデルにおいてR0のみを所定範囲内(R0<12mm)で離散的に変化させたときに生じる各周辺減光特性カーブである。
なお、これらの特性カーブは、図8に示した各特性カーブをそれぞれ規格化したものである。
【0065】
[その他]
上記各実施形態は、汎用コンピュータを画像処理装置として動作させる実施形態であるが、画像処理専用のコンピュータ(画像処理装置)にも本発明を適用できる。
【0066】
【発明の効果】
以上本発明によれば、画像の周辺減光補正に当たり、最小のユーザ操作で最大の補正効果を得ることの可能な画像処理装置が実現する。
【0067】
また本発明によれば、コンピュータをその画像処理装置として動作させるための画像処理プログラムが実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の画像処理システム1を説明する図である。
【図2】第1実施形態の画像処理システム1におけるCPU10aの動作フローチャートである。
【図3】画像処理中にモニタ11上に表示される画像を示す図である。
【図4】タイプA、タイプB、タイプCそれぞれの補正タイプを説明する図である。
【図5】撮影レンズのレンズモデルを示す図である。
【図6】第1実施形態における強度係数と特性カーブf(x)との関係を示す図である。
図6(a)には、補正タイプがタイプB(特性カーブf0B(x))に設定され、かつ、強度係数kが0.0,0.5,0.8のそれぞれに設定されたときの各特性カーブf(x)(式(1)に基づく)を示した。
図6(b)には、補正タイプがタイプB(特性カーブf0B(x))に設定され、かつ、強度係数k2が0.0,−0.25,0.5のそれぞれに設定されたときの各特性カーブf(x)(式(3)に基づく)を示した。
【図7】第1実施形態の変形例を説明する図である。
【図8】第2実施形態を説明する図である。
【図9】第2実施形態における強度係数と特性カーブf(x)との関係を示す図である。
図9(a)には、R0の値が8.57に設定され、かつ、強度係数kの値が0.0,0.5,0.8に設定されたときの各特性カーブf(x)(式(1)に基づく)を示した。
図9(b)には、R0の値が8.57に設定され、かつ、強度係数k2の値が0.0,−0.25,0.5に設定されたときの各特性カーブf(x)(式(3)に基づく)を示した。
【図10】第2実施形態の画像処理システムの適用例を示す図である。
図10(a)は、焦点距離14mm,開放F値2.8のレンズにおいてF値を2.8に設定して撮影した画像に対する適用例である。
図10(b)は、焦点距離14mm,開放F値2.8のレンズにおいてF値を4.0に設定して撮影した画像に対する適用例である。
【図11】第2実施形態の画像処理システムの適用例を示す図である。
図11(a)は、焦点距離28mm,開放F値1.4のレンズにおいてF値を1.4に設定して撮影した画像に対する適用例である。
図11(b)は、焦点距離85mm,開放F値1.8のレンズにおいてF値を1.8に設定して撮影した画像に対する適用例である。
【図12】第1実施形態の別の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
1 画像処理システム
10 コンピュータ
10a CPU
10b メモリ
10c CDドライブ
10d ハードディスクドライブ
10h ファイル
10f インタフェース回路
10i ポインタ
11 モニタ
12 マウス
13 キーボード
14 CD−ROM
I 画像(本画像), 像
I’ プレビュー画像
15,16’,26 スライダー
16 ラジオ釦
17 決定釦
18 戻り釦
19 保存釦
O 物体
AS0 開口絞り
AS1 後側瞳
AS2 前側瞳
Claims (4)
- 周辺減光補正を施すべき画像をユーザに呈示する呈示手段と、
2つのパラメータをユーザに入力させる入力手段と、
前記ユーザが入力した一方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正強度を、前記ユーザが入力した他方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正タイプをそれぞれ決定する決定手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記決定手段により決定された補正強度及び補正タイプの補正特性で前記画像に対し周辺減光補正を施す補正手段を更に備えた
ことを特徴とする画像処理装置。 - ユーザインタフェースを備えたコンピュータに対し、
周辺減光補正を施すべき画像をユーザに呈示する呈示手順と、
2つのパラメータをユーザに入力させる入力手順と、
前記ユーザが入力した一方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正強度を、前記ユーザが入力した他方のパラメータに応じて前記周辺減光補正の補正タイプをそれぞれ決定する決定手順と
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。 - 請求項3に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記決定手順にて決定された補正強度及び補正タイプの補正特性で前記画像に対し周辺減光補正を施す補正手順を前記コンピュータに対し更に実行させる
ことを特徴とする画像処理プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003021570A JP2004235932A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 画像処理装置及び画像処理プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003021570A JP2004235932A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 画像処理装置及び画像処理プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004235932A true JP2004235932A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32950866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003021570A Pending JP2004235932A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 画像処理装置及び画像処理プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004235932A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009239667A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Nikon Corp | 画像処理装置および画像処理プログラム |
JP2010039759A (ja) * | 2008-08-05 | 2010-02-18 | Canon Inc | 撮像装置 |
JP2016143990A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | キヤノン株式会社 | 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法およびプログラム |
-
2003
- 2003-01-30 JP JP2003021570A patent/JP2004235932A/ja active Pending
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