JP2004235131A - アース装置 - Google Patents

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JP2004235131A
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Masao Nakajima
真夫 中島
Tomoyuki Kiyohara
智之 清原
Osamu Suzuki
道 鈴木
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Abstract

【課題】支線用の地中アンカを利用して接地抵抗の低い電柱のアース装置を構成する。
【解決手段】電柱の支線用の地中アンカ又は電柱を支持する地中アンカをアース部材とするアース装置において、その地中アンカの周囲に電気抵抗を低減する抵抗低減骨材(コークス)を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電柱のアース装置に係り、特に、螺旋状の掘削刃を有する地中アンカをアース部材として用いるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、配電線や電話線等の電柱の支線を支持するのに好適な地中アンカを提案している(特許文献1〜3参照。)。この先の提案に係る地中アンカは、地中に埋設される鋳鉄製の軸棒の先端側に間欠的に螺旋状の掘削刃を一体的に設けて構成されている。
【0003】
また、本出願人は、特願2002−146034号において、電柱を容易に立設することのできる地中アンカを提案している。この地中アンカは、電柱の立設される地面に所定深さの穴を掘り、その穴の底部に上述の先の提案に係る地中アンカと同様の地中アンカを埋設し、その地中アンカの上部に筒状体を載置するとともに、その筒状体に電柱を挿入して電柱を立設するようにしている。
【0004】
上記先の提案に係る地中アンカは、電柱の設置される地盤の性質に合わせてその大きさが選定され、また埋設深さが決められて、支線が所定の耐張力を得られるように、あるいは電柱を安定して支持できるようにしている。このため、本出願人は、使用する地中アンカの種類や埋設深さを決定するための資料を得るために、特願2000−23876号において、地盤の軟硬の程度を表わす指標であるN値を簡単に測定できる、全体形状が棒状を呈しているN値測定工具を提案している。なお、このN値は、JISA1219に示されるように、外径5.1cm、内径3.5cm、長さ81.0cmの中空の測定具(サンプラー)を地中へ打ち込む際に生ずる地盤の抵抗から求められるもので、上述の測定具を質量63.5kg(約622.3N)のハンマーを75cmの高さから自由落下させ、その測定具が30cm打ち込むのに必要な打撃数Nから求められるものである。
【0005】
ところで、配電線や電話線の電柱の中には、接地工事を必要とするものがあり、このような電柱には、電柱の近傍に電極棒を埋設して所定の接地抵抗値となるようなアース装置が設けられる。また、1本の電極棒だけでは所定の接地抵抗値が得られないときは、所定の接地抵抗値を満たすように複数本の電極棒が所定の間隔を保って埋設されることもある。このようなアース装置を必要とする電柱には、補強用の支線が設けられることが多く、したがって、このような電柱に対しては、支線装置の作業のほかに接地装置の作業が必要となるだけでなく、電柱の周囲に支線とアース線とが設けられ、電柱の囲りが煩雑になる欠点があった。そこで、本出願人は、このような欠点を解決するためにアース部材を地中アンカと兼用することのできるアース装置を提供するとともに、そのアース装置の施工方法を別途提案している。
【0006】
【特許文献1】特開2000−1850号公報
【特許文献2】特開2001−59221号公報
【特許文献3】特開2001−182058号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、地中アンカをアース装置のアース部材とする場合であっても、地中アンカの埋設される地中(地盤)の性状によっては、目的とする接地抵抗が得られず、地中アンカとしての強度が十分であるにもかかわらず、接地抵抗のために、より埋設深さを深くしなければならないことが起り得ることが分っている。
【0008】
また、地中アンカをアース装置の電極とした場合であっても、地中アンカの支線棒又はその支線棒に接続される支線のうち、地面の地表から所定深さまでは、電気的な絶縁を図らなければならないが、支線棒等を絶縁被覆や絶縁コーティングで絶縁を図っても、経年変化等により半永久的な絶縁とすることは不可能である。したがって、地中アンカをアース装置の電極と兼用したときの支線や支線棒の絶縁を簡単に、かつ、半永久的に絶縁できるようにすることが望まれていた。
【0009】
そこで、本発明は、地中アンカとしての強度が十分な深さにおいて、十分な接地抵抗の得られるアース装置を提供することを目的としているとともに、地中アンカに接続される支線や支線棒の絶縁を半永久的となるようにすることのできるアース装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアース装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電柱の支線用の地中アンカ又は電柱を支持する地中アンカをアース部材とするアース装置において、その地中アンカの周囲に電気抵抗を低減する抵抗低減骨材を設けたことを特徴としている。
本発明の請求項2に記載のアース装置は、抵抗低減骨材は、コークスであることを特徴としている。
本発明に係るアース装置は、上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、電柱の支線用の地中アンカをアース部材とするアース装置において、その支線用の地中アンカの他に接地抵抗を低減するための補助地中アンカを設けたことを特徴としている。
本発明の請求項4に記載のアース装置は、アース部材のアース線は、地中アンカの上部に接続されることを特徴としている。
本発明に係るアース装置は、上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、電柱の支線用の地中アンカをアース部材とするアース装置において、その地中アンカに接続される支線又はその地中アンカとその支線との間に接続される支線棒の地中における所定の途中の箇所に、電気絶縁を図るための絶縁物を介在させたことを特徴としている。
本発明の請求項6に記載のアース装置は、絶縁物は、玉ガイシであることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、一実施の形態に係るアース装置の概略構成図である。図1中、イは、地中(地盤と同意義で用いられている。したがって、地盤をGとして説明するときもある。)Gに立設された電柱であり、この電柱イには、地中Gに埋設されている地中アンカA1 、その地中アンカA1 の上端部に接続されている支線棒ロ及びその支線棒ロの先端と電柱イの上端側とを接続する支線ハにより補強されている。
【0012】
地中アンカA1 については、本出願人が特開2000−1850号公報、同2001−59221号公報、同2001−182058号公報等において提案しているものである。この地中アンカA1 は、鋳鉄製からなり、棒状の軸棒a1 に所定の間隔を保って複数(図示の例では4個)の螺旋状の掘削刃a2 ,a2 …を一体的に有しているので、電柱イを立設するときに用いられる穴掘建柱車の回転部を用いて地中Gの任意の深さに簡単に埋設できる特長がある。なお、掘削刃a2 ,a2 …は、先端(図1において下端)ほどその径が小さくなるように形成されている。
【0013】
この地中アンカA1 は、地中Gに設けられている本発明の抵抗低減骨材としての塊状のコークスC中に埋設されている。このコークスCはそのまま用いることができる他、例えば、石灰、酸化アルミナ及び石膏等からなる添加材を含浸させたものを用いることができる。
【0014】
この地中アンカA1 を地中Gの所定深さに埋設するには、地中アンカA1 の頂部に図示しない工具(嵌入パイプ)(この工具については、本出願人に係る特開2001−271345号公報に詳述されている。)をその頂部に設けられている角柱部a3 に嵌め、その工具を図示しない穴掘建柱車の回転部で回転させて地中アンカA1 の埋設深さの穴が掘られる。そして、その掘られた穴に所定量(少なくとも埋設される地中アンカA1 を覆うことのできる量)のコークスCが挿入される。次いで、地中アンカA1 の頂部に支線棒ロを取付けるとともに、その支線棒ロを工具(嵌入パイプ)の内部に収納しながら地中アンカA1 の頂部に一体的に設けられている角柱部a3 に嵌め、その工具を図示しない穴掘建柱車の回転部で回転させて行われる。回転部で地中アンカA1 が回転させられると、コークスCの一部が地中アンカA1 の周囲の地中G内に圧入され、地中アンカA1 を包む大きな塊となる。そして、地中アンカA1 が地中Gの所定深さに埋設された後、工具が外されると、図1に示されるように、地上には支線棒ロの先端部が現れる。次いで、その支線棒ロの先端に設けられているリング部ロ′(図1参照)に図示しないシンブルを介して支線ハが取付けられる。
【0015】
上記支線棒ロは、電気絶縁性の合成樹脂膜が被覆されていて絶縁が施されている。なお、この支線棒ロの絶縁は、支線棒ロの囲りを絶縁カバーで覆って構成してもよい。
【0016】
図1中、Lは、電柱イに設けられるアース装置のアース線であり、その一端側は、後述する図2に詳しく示されているように、地中アンカA1 の上端部に接続され、その他端側は、電柱イの上端部の図示しない所定の部材、例えば、変圧器の架台等に取付けられている。
【0017】
アース線Lは、地中G側においてはその地中G中に埋設され、また、電柱イ側においては少なくともその電柱イの地面の位置から所定高さまでは電柱イの軸心に設けられている空間(図示せず)内に設けられる。なお、アース線Lは、電柱イ側において電柱イの軸心に設けられた空間内に配設されないとき、そのアース線Lは、電柱イの側面にバンド部材を介して設けられる。
【0018】
図2を用いてアース線Lの地中アンカA1 への取付けについて説明する。このアース線Lの地中アンカA1 への取付けは、地中アンカA1 の上端部に設けられている支線棒ロを取付けるためのアイ部A′を中間にして一対のアルミニウム(アルミニウム合金を含む。)製の端子10a,10bを用いて行われる。これら端子10a,10bのうちの一方の端子10aには、ビス11の螺合されるねじ孔10a′を有し、他方の端子10bには、ビス11の軸部(ねじ部)が貫通することのできる孔10b′を有している。そして、これら端子10a,10bをビス11で固定する際に、アース線Lの端部に設けられているリング部L′をビス11に挿入して行われる。これにより、アース線Lが地中アンカA1 に取付けられる。
【0019】
上述のように、アース線Lがアルミニウム製の端子10a,10bを介して地中アンカA1 に取付けられると、これら端子10a,10bは、鋳鉄製の地中アンカA1 よりも卑な金属であるので、地中アンカA1 の腐食を効果的に防止できる特長がある。
【0020】
上述のように、地中アンカA1 をアース装置のアース部材とするとき、そのアース部材(地中アンカA1 )は、電柱イを補強するために十分な強度(耐張力)を有することが必要なだけでなく、そのアース部材が所定の接地抵抗値を有している必要がある。そこで、本発明では、地中アンカの選定を行うための地盤のN値測定と同時に、その地盤の接地抵抗値の測定が行われる。
【0021】
図3は、N値測定及び地中アンカの接地抵抗値(Ω)の測定を行う測定方法を示す説明図である。このN値測定は、本出願人が先に提案している特願2000−23876号において詳述されているが、このN値測定では、全体形状が所定の太さ(例えば50φ)の鋼製の丸棒からなるN値測定工具本体(以下、「測定工具」という。)を用いて行われる。すなわち、このN値測定は、測定工具20を所定の押圧力を付加しながら回転させて所定の深さ(例えば50cm)、地中(地盤)Gに挿入されるまでに何回転したかによりN値が測定されるとともに、所定の深さ毎の接地抵抗が測定される。この測定は、測定工具20とその測定工具20から十分に離れて予め十分な深さに挿入されている2本の補助電極棒21a,21bとの間にリード線22,22,22を配線し、そのリード線22,22,22に接続された抵抗計23を介して接地抵抗値(Ω)が測定される。
【0022】
図4は、本出願人の豊川事業所の敷地内のN値5〜10と予想される普通地盤で上述の測定工具20を用いてN値の測定及び接地抵抗の測定を行ったときのグラフである。また、この図4のグラフには、N値測定により選定された地中アンカ(上部に位置する最も大きな螺旋状の掘削刃の直径が350φ)の地中アンカの接地抵抗値と、その地中アンカの周囲に抵抗低減骨材としてコークスを設けたときの接地抵抗値も示されている。
【0023】
この図4から明らかなように、N値は、地表から所定深さまでN値が高く(図4の例では、深さ100cmでN値は約10。)、それよりも深いところではN値が低く(図4の例では、N値は約5。)なり、普通地盤の特徴がよく表われている。
【0024】
この図4に示される測定地盤の測定工具20を用いた接地抵抗は、深さ150cmよりも深いところでは70Ω前後となり、したがって、地中アンカをその深さ以上埋設すれば、100Ω以下の接地抵抗を確保できるアース装置とすることを表わしている。なお、図4のグラフから明らかなように、N値測定の測定工具20の接地抵抗の軌跡と地中アンカの接地抵抗の軌跡とがほぼ一致しているので、測定工具20により、アース部材を兼ねる地中アンカの接地抵抗を予測できることを表わしている。また、地中アンカの周囲にコークスを設けるようにしたときは、地中アンカの埋設深さに関係なく、50Ω前後の良好な接地抵抗が得られることが分る。
【0025】
なお、上述のようにして測定されたN値及び接地抵抗を示す地盤の性状から、地中アンカの種類を選定するとともに、その選定された地中アンカの埋設深さを決定することができる。上述の測定結果から選定された地中アンカ(上部の最も大径の螺旋状掘削刃の直径が350φ)を深さ300cm埋設したときのその地中アンカの張力は、70.7kNで、電柱の支線の張力(耐張力)としては十分なものであった。
【0026】
また、上述の図4から明らかなように、地中アンカの周囲に抵抗低減骨材としてコークスを設けたときは、N値測定から選定された地中アンカが所定の張力を得る深さに埋設されるだけで、必要な接地抵抗が得られ、接地抵抗の面から地中アンカの埋設深さを決定するという面倒な選択が不要とすることができる。
【0027】
図5は、本発明の他の実施の形態に係る柱状物構造の一部を断面で示した正面図である。図5中、イは、上記図1に示されると同様のコンクリート製の電柱であって、所定の長さ(高さ)を有し、その下部を地中Gに没して立設されている。
【0028】
図中、A2 は地中アンカであって、上記地中アンカA1 と同様の鋳鉄製からなり、先細りの軸棒a1 ′の周囲に螺旋状の掘削刃a2 ′,a2 ′…が所定の間隔を保って複数個(図示の例では3個)設けられている。これら掘削刃a2 ′,a2 ′…のうち、最も大きな掘削刃a2 ′の直径は、電柱イの直径よりも少し大きく決められている。そして、その軸棒a1 ′の上端側(先細りと反対側)には、電柱イの太さよりも少し大きいフランジA2 ′が設けられているとともに、そのフランジA2 ′の上側中央部には、地中アンカA2 を地中Gに埋設するときの工具(穴堀建柱車の回転部)に接続するための角柱部A2 ″が設けられている。なお、このフランジA2 ′は、最上部の掘削刃a2 ′と兼ねることもでき、この場合は、後述する筒状体の下部形状が掘削刃の螺旋形状に合わされたものとなる。
【0029】
上記地中アンカA2 の先細りの先端部には、硬質の地盤Gにも対処できるように、超硬金属からなるドリル部を設けることもでき、また、掘削刃a2 ′の外周を尖鋭に形成するようにしてもよい。また、軸棒a1 ′の長さ及び掘削刃a2 ′の個数は、地盤Gの性状によって適宜決めることができる。
【0030】
図中、30は、鋼製の上部開口,下部有底の筒状体であって、その筒状体30の内部の空間形状は、電柱イの下部が挿入できる大きさに形成されている。そして、この筒状体30の長さ(長手方向の長さ)は、電柱イを地中Gに埋設する深さに相当するように構成されていて、通常、2mの長さに形成されている。この筒状体30の底には、地中アンカA2 の角柱部A2 ″が貫通する孔31が設けられている。なお、地中アンカA2 のフランジA2 ′が省略されるときは、筒状体30の下端部が最上部の掘削刃a2 ′に載置されるので、筒状体30の底は省略される。
【0031】
図5中、Lは、電柱イに設けられるアース装置のアース線であり、その一端側は、地中アンカA2 の上端部に接続され、その他端側は、電柱イの上端部の図示しない所定の部材、例えば、変圧器の架台等に取付けられている。
【0032】
アース線Lは、地中Gから所定高さまでは、電柱イの軸心に設けられている空間イ′内に設けられる。なお、アース線Lは、電柱イ側において電柱イの軸心に設けられた空間イ′内に配設されないとき、そのアース線Lは、電柱イの側面にバンド部材を介して設けられる。
【0033】
アース線Lの地中アンカA2 への取付けは、上記図2の同様のアルミニウム製の端子(図示せず)を介して行われる。すなわち、アース線Lは、地中アンカA2 の上部の角柱部A2 ″に設けられている貫通孔32に上述の端子及びビス(図2のビス11参照)を用いて取付けられる。このように、アース線Lがアルミニウム製の端子を介して地中アンカA2 に取付けられると、これら端子は、鋳鉄製の地中アンカA2 及び鋼製の筒状体30よりも卑な金属であるので、地中アンカA2 及び筒状体30の腐食を効果的に防止できる特長がある。
【0034】
図5において、Cは上記図1と同様の抵抗低減骨材としてのコークスであり、このコークスCは、地中アンカA2 が埋設される前に地中アンカA2 で掘られた下穴(前穴)内に挿入される。その後、地中アンカA2 及び筒状体30が埋設される。
【0035】
地中アンカA2 及び筒状体30の地中Gへの埋設については、先に提案している特願2002−146034号に詳述されているので、その詳しい説明は省略するが、穴堀建柱車の回転部及び上記図1の地中アンカA1 の埋設時に使用した工具(嵌入パイプ)を用いて地中アンカA2 により地中Gに下穴が掘られた後、その下穴にコークスCが挿入される。次いで、地中アンカA2 及び筒状体30が上記回転部及び工具を用いて埋設される。地中アンカA2 の角柱部A2 ″から工具を外し、その角柱部A2 ″の貫通孔32にアース線Lが取付けられるとともに、筒状体30に電柱イが挿入される。筒状体30に電柱イを挿入するに当っては、必要に応じてその電柱イの挿入される部分が電気絶縁テープ等の絶縁材で覆われる。
【0036】
上述の地中アンカA2 及び筒状体30を用いて電柱イを立設する場合も、地中アンカA2 の周囲にコークスCが設けられているので、良好な接地抵抗を有するアース装置を容易に得ることができるとともに、地盤の性状に関係なく安定して電柱イを立設でき、電柱の取替えが容易になるなどの特長を得ることができる。
【0037】
図6は、本発明の他の実施の形態を示すもので、1個の地中アンカA1 では十分な接地抵抗値が得られない場合、あるいは、より安定した接地抵抗値が要求される場合のアース装置を示している。このアース装置は、アース部材を兼ねる支線イ用の本来の地中アンカA1 の他に接地抵抗用のみの補助地中アンカA3 を有することを特徴としている。
【0038】
この補助地中アンカA3 は、上記地中アンカA1 と同様に構成され、鋳鉄製からなり、棒状の軸棒a1 に所定の間隔を保って複数個(図示の例では4個)の螺旋状の掘削刃a2 ,a2 …を一体的に有している。すなわち、この補助地中アンカA3 は、図7に示されるように、上記地中アンカA1 の角柱部a3 から支線棒ロを取付けるための取付部を取外し、その角柱部a3 の上端部にねじ穴a4 を設けた形状を呈している。
【0039】
図7中、40は、ねじ穴4aにねじ込むことのできるねじ部材であって、アルミニウム(アルミニウム合金を含む。)製からなり、その上端部にアース線Lが接続されている。このねじ部材40は、ねじ穴a4 内に完全に位置することができる大きさに構成されている。このねじ部材40は、アルミニウム製からなるので、鋳鉄製の補助地中アンカA3 よりも卑な金属なので、補助地中アンカA3 の腐食を効果的に防止することができる。
【0040】
図7中、41は、パイプ材であり、Mは、穴掘建柱車の回転部に取付けられる工具(嵌入パイプ)(この工具については、本出願人に係る特開2001−271345号公報に詳述されている。)であり、これらは、補助地中アンカA3 を地中Gに埋設するときに用いられる。パイプ材41は、上記支線棒ロをパイプ状にしたもので、そのパイプ材41の下部には、ねじ穴a4 にねじ込まれるねじ部41aが形成されている。
【0041】
上記補助地中アンカA3 を地中Gに埋設するには、先ず、アース線Lの接続されているねじ部材40をねじ穴a4 にねじ込み、さらに、そのねじ穴a4 にアース線Lをパイプ内に通した形でパイプ材41がねじ込まれる。そして、補助地中アンカA3 を本来の地中アンカA1 から所定距離離れた所定位置に立て、工具Mの中にパイプ材41を入れながらその工具Mの下端部に設けられている角穴M′を角柱部a3 に嵌め、その工具Mが図示しない穴掘建柱車の回転部で回転させられる。これにより、補助地中アンカA3 は、地中G内にねじ込まれる形で埋設される。
【0042】
補助地中アンカA3 が地中Gの所定深さまで埋設されたら、工具Mが引き上げられる。工具Mが引き上げられると、パイプ材41の上部が地上に位置しているので(パイプ材41の長さは、予めこのような長さに決められている。)、そのパイプ材41をねじ穴a4 から外し、パイプ材41から現れたアース線Lが本来の地中アンカA1 に接続されているアース線Lに接続される(図6参照)。
【0043】
なお、図7の例では、本来の地中アンカA1 の囲りにコークスが設けられていないが、上記図1と同様にコークスを設けてもよく、また、補助地中アンカA3 の囲りにもコークスを設けて、より接地抵抗値を低減させるようにしてもよい。さらに、図7の例では、補助地中アンカA3 は、1本としたが、必要に応じて2本以上とされる。
【0044】
次に、本発明のさらに他の実施の形態を図8〜図10に基づいて説明する。図8は、地中Gに埋設された状態のアース部材を兼ねた地中アンカA4 の正面図で、上記図1及び図6に示された地中アンカA1 と同一のものである。なお、ここでは、図面を簡略化するために、地中アンカA4 は、垂直に地中Gに埋設されている状態で示されている。すなわち、この地中アンカ本体A4 は、本出願人が特開2000−1850号公報、同2001−59221号公報、同2001−182058号公報等において提案しているものである。この地中アンカA4 は、鋳鉄製からなり、棒状の軸棒a1 に所定の間隔を保って複数(図示の例では4個)の螺旋状の掘削刃a2 ,a2 …を一体的に有しているので、電柱を立設するときに用いられる周知の穴掘建柱車の回転部を用いて地中Gの任意の深さに簡単に埋設できる特長がある。なお、掘削刃a2 ,a2 …は、先端(図8において下端)ほどその径が小さくなるように形成されている。
【0045】
この地中アンカA4 の周囲には、必要に応じて接地抵抗を低減させるためのコークスC等からなる抵抗低減骨材が設けられる。この抵抗低減骨材としては、コークス以外の他の周知のものを用いることができるが、コークスが用いられるときは、そのコークスに周知の抵抗低減剤を含浸させることもできる。このコークスCは、地中アンカA4 を埋設する前に掘られた下穴に挿入され、その挿入後、地中アンカA4 を埋設することにより地中アンカA4 の周囲に均一に配設される。なお、この下穴は、地中アンカA4 により簡単に掘ることができる。
【0046】
図8中、50は、所定の長さを有する支線棒であって、地中アンカA4 の上部に設けられた角柱部a3 の上端に設けられているアイ部a4 に接続されている。また、51は、支線であって、その上端部は、地中Gに立設されている図示しない電柱に接続されている。そして、この支線棒50の上端部と支線51の下部との間は、本発明の電気絶縁を図るための絶縁物に相当する玉ガイシ52を介して接続されているとともに、この玉ガイシ52は、少なくとも地中G内に位置するように構成されている。
【0047】
図9は、玉ガイシ52部分の詳細図であり、この玉ガイシ52は、周知の玉ガイシと同様に、その周面に十字状に交差する2本の凹条溝52a,52bが設けられている。そして、一方の凹条溝52aには、支線棒50の上端部のアイ部50aに連結されている第1のリング部材53aが係止され、他方の凹条溝52bには、支線51の下端に接続されている第2のリング部材53bが係止されている。なお、第2のリング部材53bは、支線51の下端部を凹条溝52bに直接係止させるようにしてもよい。また、第1のリング部材53aはU字型金具の開口部にボルトナットを備えたもの、一部分にボルトナットを備えたチェーン連結金具等の2つのリング部材を接続するための各種金具を適宜採用することができる。
【0048】
図8中、Lは、アース線である。このアース線Lは、上記図2に示されるように、地中G側においては地中G内に埋設され、また、図示しない電柱側においては少なくともその電柱の地面から所定高さまでは電柱の軸心に設けられている空間(図示せず)内に設けられる。なお、アース線Lは、電柱側において電柱の軸心に設けられた空間内に配設されないとき、そのアース線Lは、電柱の側面にバンド部材を介して設けられる。アース線Lの図示しない上端部は、電柱の変圧器の架台等の所定の箇所に接続される。
【0049】
このアース線Lの地中アンカA4 への取付けは、地中アンカA4 の上端部に設けられている支線棒50を取付けるためのアイ部a4 を中間にして一対のアルミニウム(アルミニウム合金を含む。)製の端子を用いて行われる。これら端子のうちの一方の端子には、ビスの螺合されるねじ孔を有し、他方の端子には、ビスの軸部(ねじ部)が貫通することのできる孔を有している。そして、これら端子をビスで固定する際にアース線Lの端部に設けられているリング部をビスに挿入して行われる。これにより、アース線Lが地中アンカA4 に取り付けられる。このように、アース線Lがアルミニウム製の端子を介して地中アンカA4 に取り付けられると、これら端子は、鋳鉄製の地中アンカA4 よりも卑な金属であるので、地中アンカA4 の腐食を効果的に防止できる特長がある。
【0050】
上記構成の地中アンカA4 の埋設方法を図10を用いて説明する。先ず、地中アンカA4 の埋設する地面Gに所定深さの平面状が四角形の穴Hが建柱車のオーガあるいは手掘りにより掘られる。この穴Hは、作業員が穴Hへの出入りを容易にするために段状に形成される。そして、その掘られた穴Hに地中アンカA4 が埋設される。
【0051】
この地中アンカA4 の埋設は、地中アンカA4 の角柱部a3 に設けられているアイ部に支線棒50を接続し、その支線棒50をパイプ材からなる補助工具M1 の内部に収納しながらその補助工具M1 を角柱部a3 に嵌め、さらに、その補助工具M1 にパイプ材からなる補助工具M2 を継ぎ足し、その補助工具M2 は、図示しない穴掘建柱車の回転部M0 に接続される。そして、その回転部M0 で地中アンカA4 を押圧させながら回転すると、地中アンカA4 は地面G内に埋設される。そして、地中アンカA4 が所定深さに埋設された後、両補助工具M1 ,M2 が外されると、地上には支線棒50の先端部が現れる。次いで、その支線棒50の先端に設けられているアイ部50aに上述した玉ガイシ52、第1のリング部材53a及び第2のリング部材53bを介して支線51が取付けられる。その後、穴Hの部分は埋め戻される。また、必要に応じて地中アンカA4 の周囲にコークス(抵抗低減骨材)Cを埋設するときは、地中アンカA4 により下穴をあけたのち、その下穴にコークスCを投入し、そのコークスC中に地中アンカA4 が埋設される。
【0052】
なお、上述の例では、玉ガイシ52を支線棒50と支線51との接続箇所に設けたが、地中Gにおける支線51の途中でもよく、又は地中G中における支線棒50の途中であってもよい。
【0053】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のアース装置は、電柱の支線用の地中アンカ又は電柱を支持する地中アンカをアース部材とするアース装置において、その地中アンカの周囲に電気抵抗を低減する抵抗低減骨材を設けたので、地中アンカをアース部材とすることができるので、従来のようなアース用電極棒が不要となり、また、アース工事と接地工事とを一緒に行うことができる特長があるとともに、接地抵抗の低いアース装置とすることができる。
本発明の請求項2に記載のアース装置は、抵抗低減骨材は、コークスであるので、安価な骨材を用いて接地抵抗を低下させることができる。
本発明の請求項3に記載のアース装置は、電柱の支線用の地中アンカをアース部材とするアース装置において、その支線用の地中アンカの他に接地抵抗を低減するための補助地中アンカを設けたので、所定の接地抵抗値を容易に得ることができる。
本発明の請求項4に記載のアース装置は、アース部材のアース線は、地中アンカの上部に接続されるので、アース線の接続を容易にすることができる。
本発明の請求項5に記載のアース装置は、電柱の支線用の地中アンカをアース部材とするアース装置において、その地中アンカに接続される支線又はその地中アンカとその支線との間に接続される支線棒の地中における所定の途中の箇所に、電気絶縁を図るための絶縁物を介在させたので、支線の絶縁を半永久的に確保することができる。
本発明の請求項6に記載のアース装置は、絶縁物は、玉ガイシであるので、より簡単に絶縁を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るアース装置の概略構成図である。
【図2】地中アンカへのアース線の取付けの詳細図である。
【図3】N値及び接地抵抗の測定方法を示した説明図である。
【図4】接地抵抗及びN値の測定結果を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るアース装置の概略構成図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係るアース装置の概略構成図である。
【図7】補助地中アンカの施工例を示す斜視図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係るアース装置の概略構成図である。
【図9】玉ガイシ部分の詳細図である。
【図10】地中アンカの施工方法を示す説明図である。
【符号の説明】
30 筒状体
40 ねじ部材
41 パイプ材
52 玉がいし
イ 電柱
ロ,50 支線棒
ハ,51 支線
L アース線
A1 ,A2 ,A4 地中アンカ
A3 補助地中アンカ
G 地中(地盤)
C コークス(抵抗低減骨材)

Claims (6)

  1. 電柱の支線用の地中アンカ又は電柱を支持する地中アンカをアース部材とするアース装置において、その地中アンカの周囲に電気抵抗を低減する抵抗低減骨材を設けたことを特徴とするアース装置。
  2. 請求項1に記載のアース装置において、抵抗低減骨材は、コークスであることを特徴とするアース装置。
  3. 電柱の支線用の地中アンカをアース部材とするアース装置において、その支線用の地中アンカの他に接地抵抗を低減するための補助地中アンカを設けたことを特徴とするアース装置。
  4. 請求項3に記載のアース装置において、アース部材のアース線は、地中アンカの上部に接続されることを特徴とするアース装置。
  5. 電柱の支線用の地中アンカをアース部材とするアース装置において、その地中アンカに接続される支線又はその地中アンカとその支線との間に接続される支線棒の地中における所定の途中の箇所に、電気絶縁を図るための絶縁物を介在させたことを特徴とするアース装置。
  6. 請求項5に記載のアース装置において、絶縁物は、玉ガイシであることを特徴とするアース装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010146938A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Chugoku Electric Power Co Inc:The 接地極および接地極の施工方法
CN103050792A (zh) * 2012-12-12 2013-04-17 武汉华中电力电网技术有限公司 改善架空输电线路周边工频电(磁)场用屏蔽架接地网

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