JP2004235122A - 真空遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】人体に悪影響を与えるのを緩和した環境に優しく経済的な真空遮断器を提供する。
【解決手段】接地タンク30内に水平形の真空遮断器15Bを配置し、接地タンク30の外周面に水平形の真空遮断器15Bから発生する垂直方向のX線を阻止する遮蔽層36を配置する。
【選択図】 図4
【解決手段】接地タンク30内に水平形の真空遮断器15Bを配置し、接地タンク30の外周面に水平形の真空遮断器15Bから発生する垂直方向のX線を阻止する遮蔽層36を配置する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空遮断器に関し、特に真空容器内の電極間でアーク放電及びX線を発生するものに適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術に係る真空遮断器は真空容器、この真空容器内に接離可能に配置された一対の電極と、この電極対と真空容器の内周面との間に配置された中間シールドと、真空容器の外周側を包囲する絶縁管とを備えている。
【0003】
一対の電極として例えば固定電極に可動電極を接離させ真空を維持しながらの開閉動作を、ベローズを介して行っていた。ベローズは電極の背面から真空容器外に延びるロッドと真空容器との間に設けられている。真空容器は絶縁筒の両端に金属密閉部材により密閉し、この内部に電極を配置して真空状態を保持した真空容器を形成している。
【0004】
この種の真空遮断器は、可動電極を固定電極に当接させて投入するとともに、離反させて開放するが、この接離に伴い可動電極と固定電極との間の真空放電空間にアーク放電を発生する。これにより一方の電極からでた電子が高電圧で加速されて他方の電極に衝突し、電極金属の蒸気と共にX線が発生する。このX線を遮蔽する技術を開示する公知の特許文献として特開平8−190842号公報及び実開昭62−14643号公報を挙げることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−190842号公報(要約)
【0006】
【特許文献2】
実開昭62−14643号公報(要約)
【0007】
上記特許文献1は真空容器全周に対しX線遮蔽材を内部にいれた壁で覆おうものであるが、壁内部にX線遮蔽を入れることが大形、複雑化を招くことになる。
【0008】
特許文献2は真空容器の外側に中間シールドよりも小さいX線遮蔽材を設けているが、X線の阻止範囲が狭く悪影響を完全に除去することはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
真空遮断器の配置によっては、X線が周囲に与える悪影響に差が出る可能性があると考えられる。特に人体に関しては慎重な対応が必要である。一方、真空遮断器の無駄な投資を伴う構造は可及的に回避したいという要望もある。
【0010】
本発明は、上記従来技術に鑑み、人体に悪影響を与えるのを緩和した環境に優しく経済的な真空遮断器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
人は真空遮断器に、その全ての方向から近づくことはない。このことは、真空遮断器の配置により、人が近づく方向を限定できることを意味する。このことを考慮することにより、経済的に効果的な構造とすることができる。
【0012】
かかる点を考慮して上記目的を達成する本発明の構成は、次の点を特徴とする。
【0013】
1) 真空容器内に配置された互いに対向する電極と、この電極と真空容器との間に配置した中間シールドとを備え、一方の電極を他方の電極に接離する時にアーク放電及びX線を発生する真空遮断器において、
前記真空容器を地面に対して垂直に配置した縦形の真空容器を内部に収納するとともに、下側絶縁管の上端の上方に配設した上側絶縁管と、
前記中間シールドと対向する上側絶縁管内に配設され、軸方向の長さが前記中間シールドより大きい遮蔽手段とを設け、
この遮蔽手段により地面に対して平行な水平方向に放射される前記X線を阻止するようにしたこと。
【0014】
本発明によれば、地面に対して縦形に配置された真空容器をもつ真空遮断器の真空容器の位置が高いので、充電時に人が真空容器の真下や上方にくることがなく、地面に平行な方向に放射されるX線を遮蔽すれば、人体に悪い影響を与えるのを緩和した環境に優しく経済的な真空遮断器とすることができる。
【0015】
2) 上記1)に記載する真空遮断器において、
さらに真空容器両端の金属密閉部材近傍と対向する部分にも遮蔽手段を設け、この遮蔽手段によりX線阻止するようにしたこと。
【0016】
3) 真空容器内に配置された互いに対向する電極を備え、一方の電極を他方の電極に接離する時にアーク放電及びX線を発生する真空遮断器において、
前記真空容器を地面に対して平行に配置した水平形の真空容器と、
この真空容器を包囲する接地タンクと、
この接地タンクの外周部を包囲して前記X線を阻止する遮蔽手段とを有すること。
【0017】
本発明によれば、地面に対して平行(水平)に配置した真空容器をもつ真空遮断器では、真空容器の位置が低く、真空容器の横方向に人がくる可能性があるため、真上を除く全周に遮蔽を要するが、接地タンクの外周に遮蔽手段を設けることにより、X線を遮蔽して人体に悪い影響を与えるのを緩和した環境に優しく経済的な真空遮断器ができる。
【0018】
4) 上記l)乃至3)に記載する何れか一つの真空遮断器において、
遮蔽手段は鉛部材で形成したこと。
【0019】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の実施の形態を図1、2に基づき説明する。図1は高電圧を使用した3相の絶縁管形の真空遮断器1A,1B,1Cを示した図である。図2は図1を側面から見た図である。
【0020】
両図に示すように、地面2Aに設けた基礎2に絶縁柱3を支持し、この絶縁柱3に架台4を設けている。架台4にはリンク5Aを設け、リンク5Aの一方側(下側)に操作器5を連結し、他方側(上側)に3相の絶縁管形の真空遮断器1A,1B,1Cを配置している。
【0021】
操作器5を操作することにより、リンク5Aを介して絶縁操作ロッド8及び可動ロッド7Aを矢印Yに移動して、可動電極7が固定電極6に接離して電気的なに開閉を行う。
【0022】
なお、図中、9は下側絶縁管、10は上側絶縁管、11は連絡板である。これらについては図3に基づき詳説する。
【0023】
また、3相の絶縁管形の真空遮断器1A,1B,1Cは構造が同じであるから、1相の絶縁管形の真空遮断器1Aについてさらに詳細に説明しておく。他相の絶縁管形の真空遮断器1B,1Cはその詳細な説明を省略する。
【0024】
図3に示すように、操作器5(図1参照。)と連絡している絶縁操作ロッド8は下側絶縁管9に包囲され、その他端は上側絶縁管10と連絡板11を介して電気的接続部12に連結している。連結板11の上面には電気的接続部12及び上側絶縁管10を取り付けている。上側絶縁管10の両端に連結板11と外側端板13とを配置し、連結板11及び外側端板13と上側絶縁管10との間に取付金具14A,14Bを取り付けることにより、上側絶縁管10を連結板11と外側端板13との間に支持している。
【0025】
上側絶縁管10内には縦形の真空容器15を収納している。この真空容器15は地面2Aに対して垂直方向、例えばY方向に配置した。真空容器15内に配置された接離自在な一対の固定電極6と可動電極7とを対向配置している。固定電極6及び可動電極7の背面から真空容器15外に固定側ロッド6A及び可動側ロッド7Aが伸びている。固定側ロッド6Aと外側端板13との間に固定側の電気的接続部6Bを設けている。可動側ロッド7Aと真空容器15との間には可動電極7を固定電極6に移動させるためのベローズ16を取り付けている。
【0026】
ベローズ16により可動電極7は固定電極6に対して接離する働きができるようになる。固定電極6及び可動電極7と真空容器15との間には中間シールド17を配置している。
【0027】
上側絶縁管10の外周部に形成したシリコン絶縁襞10Aと、上側絶縁管10内のシリコン絶縁襞10A側であって中間シールド17と真空容器5の両端の金属密閉部材15H、15Iの近傍とには、遮蔽手段21、22A、22Bが設けてある。
【0028】
遮蔽手段21、22A、22Bは地面2に対してそれぞれ絶縁してある。かくして、遮蔽手段は地面2に対して平行に放射されるX線20を遮蔽する。また遮蔽手段22A、22Bは真空容器5から漏洩するX線20を遮蔽する。
【0029】
ここで、遮蔽手段21、22A、22Bは鉛部材を使用して好適に構成し得る。また、遮蔽手段21の軸方向の長さは中間シールド17の同方向の長さより大きく構成してある。
【0030】
次に、高電圧が印加された可動電極7と固定電極6との当接状態から可動電極7を固定電極6から離すと、アーク放電A及びX線20を発生する。この平行方向のX線20は遮蔽手段21により、人体に影響を与える部分を阻止するだけでよいから経済的である。また、遮蔽手段21、21A、21Bを上側絶縁管10内に複数設けることにより、電圧分担が均等になるので、上側絶縁管10を小形化できる。この場合には、更に経済的な真空遮断器となる。遮蔽手段21は中間シールド15より大きくしたので、より確実に人体に対する悪影響を軽減できる。
【0031】
地面2Aと平行方向に放射されるX線20は遠い距離まで悪影響を及ぶすが、本形態では遮蔽手段21により平行方向のX線20の透過を阻止したので、遠い距離まで悪影響を及ぼさなくなり、人体に悪影響を及ぶすことがなく、環境に優しい経済的な真空遮断器として使用できるようになった。
【0032】
<第2の実施の形態>
図4に本形態に係る真空遮断器を示す。同図に示すように、本形態では地面2に対して真空遮断器の真空容器を水平に配置した水平形の真空容器15Bの場合である。接地タンク30内に操作器31及び水平形の真空容器15Bを配置している。接地タンク30内から外部に2本の導体32,33が傾斜状態で上方に伸びていると共に、ブッシング34により包囲されている。ブッシング34は接地タンク30上のブッシング変流器35に支持されている。ブッシング変流器35は導体を流れる電流を測定する。
【0033】
各導体32,33の端部は固定ロッド及び可動ロッドに接続し、固定ロッド及び可動ロッドは、図3に示す場合と同様に、真空容器15B内に配置された固定電極及び可動電極に接続している。電極等の配置は図3と同様なので説明を省略する。但し、可動電極と固定電極との間に発生するアーク放電は図3とは異なり、本形態では地面2Aに対して平行であるので、接地タンク30の外周側に遮蔽層36を施している。この遮蔽層は接地タンク30の内面に設けても良い。これを図5に遮蔽層36Aとして図示する。
【0034】
水平形の真空容器15Bの電極間から放射するX線は、垂直方向に放射されるので、真空容器15Bの周囲から広範囲、且つ遠い距離まで悪影響を及ぶす。しかし、本形態では接地タンク30を包囲するように遮蔽層36を設けることにより、垂直方向のX線を阻止して、悪影響が広範囲に渡るのを阻止することができる。したがって、人体に悪影響を与えることなく、環境に優しい真空遮断器として使用できる。
【0035】
また、遮蔽層36を接地タンク30の外側に設ければ、例えば真空遮断器からの熱的及び電気的影響も少なく、また施工が容易である。更に遮蔽層36により接地タンク30の腐食防止、及び容器の穴埋めの役割も兼ねることができる。本形態における遮蔽層36の材料としては鉛部材が好適である。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、X線による人体に悪影響を与えることなく環境に優しい経済的な真空遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である高電圧し使用した3相の絶縁管形真空遮断器を示した側断面図である。
【図2】図1を側面から見た側面図である。
【図3】図1,2に使用した1相の絶縁管形真空遮断器の詳細を示した側断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態である水平配置形真空遮断器の側断面図である。
【図5】図4に示す実施の形態の変形例である水平配置形真空遮断器の側断面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,…絶縁管形真空遮断器、2A…地面、6…固定電極、6A…固定ロッド、7…可動電極、7A…可動ロッド、10…上側絶縁管、15…縦形形真空容器、15B…水平形真空容器、20…X線、21…遮蔽手段、30…接地タンク、36,36A…遮蔽層、A…アーク放電、X…平行方向。
【発明の属する技術分野】
本発明は真空遮断器に関し、特に真空容器内の電極間でアーク放電及びX線を発生するものに適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術に係る真空遮断器は真空容器、この真空容器内に接離可能に配置された一対の電極と、この電極対と真空容器の内周面との間に配置された中間シールドと、真空容器の外周側を包囲する絶縁管とを備えている。
【0003】
一対の電極として例えば固定電極に可動電極を接離させ真空を維持しながらの開閉動作を、ベローズを介して行っていた。ベローズは電極の背面から真空容器外に延びるロッドと真空容器との間に設けられている。真空容器は絶縁筒の両端に金属密閉部材により密閉し、この内部に電極を配置して真空状態を保持した真空容器を形成している。
【0004】
この種の真空遮断器は、可動電極を固定電極に当接させて投入するとともに、離反させて開放するが、この接離に伴い可動電極と固定電極との間の真空放電空間にアーク放電を発生する。これにより一方の電極からでた電子が高電圧で加速されて他方の電極に衝突し、電極金属の蒸気と共にX線が発生する。このX線を遮蔽する技術を開示する公知の特許文献として特開平8−190842号公報及び実開昭62−14643号公報を挙げることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−190842号公報(要約)
【0006】
【特許文献2】
実開昭62−14643号公報(要約)
【0007】
上記特許文献1は真空容器全周に対しX線遮蔽材を内部にいれた壁で覆おうものであるが、壁内部にX線遮蔽を入れることが大形、複雑化を招くことになる。
【0008】
特許文献2は真空容器の外側に中間シールドよりも小さいX線遮蔽材を設けているが、X線の阻止範囲が狭く悪影響を完全に除去することはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
真空遮断器の配置によっては、X線が周囲に与える悪影響に差が出る可能性があると考えられる。特に人体に関しては慎重な対応が必要である。一方、真空遮断器の無駄な投資を伴う構造は可及的に回避したいという要望もある。
【0010】
本発明は、上記従来技術に鑑み、人体に悪影響を与えるのを緩和した環境に優しく経済的な真空遮断器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
人は真空遮断器に、その全ての方向から近づくことはない。このことは、真空遮断器の配置により、人が近づく方向を限定できることを意味する。このことを考慮することにより、経済的に効果的な構造とすることができる。
【0012】
かかる点を考慮して上記目的を達成する本発明の構成は、次の点を特徴とする。
【0013】
1) 真空容器内に配置された互いに対向する電極と、この電極と真空容器との間に配置した中間シールドとを備え、一方の電極を他方の電極に接離する時にアーク放電及びX線を発生する真空遮断器において、
前記真空容器を地面に対して垂直に配置した縦形の真空容器を内部に収納するとともに、下側絶縁管の上端の上方に配設した上側絶縁管と、
前記中間シールドと対向する上側絶縁管内に配設され、軸方向の長さが前記中間シールドより大きい遮蔽手段とを設け、
この遮蔽手段により地面に対して平行な水平方向に放射される前記X線を阻止するようにしたこと。
【0014】
本発明によれば、地面に対して縦形に配置された真空容器をもつ真空遮断器の真空容器の位置が高いので、充電時に人が真空容器の真下や上方にくることがなく、地面に平行な方向に放射されるX線を遮蔽すれば、人体に悪い影響を与えるのを緩和した環境に優しく経済的な真空遮断器とすることができる。
【0015】
2) 上記1)に記載する真空遮断器において、
さらに真空容器両端の金属密閉部材近傍と対向する部分にも遮蔽手段を設け、この遮蔽手段によりX線阻止するようにしたこと。
【0016】
3) 真空容器内に配置された互いに対向する電極を備え、一方の電極を他方の電極に接離する時にアーク放電及びX線を発生する真空遮断器において、
前記真空容器を地面に対して平行に配置した水平形の真空容器と、
この真空容器を包囲する接地タンクと、
この接地タンクの外周部を包囲して前記X線を阻止する遮蔽手段とを有すること。
【0017】
本発明によれば、地面に対して平行(水平)に配置した真空容器をもつ真空遮断器では、真空容器の位置が低く、真空容器の横方向に人がくる可能性があるため、真上を除く全周に遮蔽を要するが、接地タンクの外周に遮蔽手段を設けることにより、X線を遮蔽して人体に悪い影響を与えるのを緩和した環境に優しく経済的な真空遮断器ができる。
【0018】
4) 上記l)乃至3)に記載する何れか一つの真空遮断器において、
遮蔽手段は鉛部材で形成したこと。
【0019】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の実施の形態を図1、2に基づき説明する。図1は高電圧を使用した3相の絶縁管形の真空遮断器1A,1B,1Cを示した図である。図2は図1を側面から見た図である。
【0020】
両図に示すように、地面2Aに設けた基礎2に絶縁柱3を支持し、この絶縁柱3に架台4を設けている。架台4にはリンク5Aを設け、リンク5Aの一方側(下側)に操作器5を連結し、他方側(上側)に3相の絶縁管形の真空遮断器1A,1B,1Cを配置している。
【0021】
操作器5を操作することにより、リンク5Aを介して絶縁操作ロッド8及び可動ロッド7Aを矢印Yに移動して、可動電極7が固定電極6に接離して電気的なに開閉を行う。
【0022】
なお、図中、9は下側絶縁管、10は上側絶縁管、11は連絡板である。これらについては図3に基づき詳説する。
【0023】
また、3相の絶縁管形の真空遮断器1A,1B,1Cは構造が同じであるから、1相の絶縁管形の真空遮断器1Aについてさらに詳細に説明しておく。他相の絶縁管形の真空遮断器1B,1Cはその詳細な説明を省略する。
【0024】
図3に示すように、操作器5(図1参照。)と連絡している絶縁操作ロッド8は下側絶縁管9に包囲され、その他端は上側絶縁管10と連絡板11を介して電気的接続部12に連結している。連結板11の上面には電気的接続部12及び上側絶縁管10を取り付けている。上側絶縁管10の両端に連結板11と外側端板13とを配置し、連結板11及び外側端板13と上側絶縁管10との間に取付金具14A,14Bを取り付けることにより、上側絶縁管10を連結板11と外側端板13との間に支持している。
【0025】
上側絶縁管10内には縦形の真空容器15を収納している。この真空容器15は地面2Aに対して垂直方向、例えばY方向に配置した。真空容器15内に配置された接離自在な一対の固定電極6と可動電極7とを対向配置している。固定電極6及び可動電極7の背面から真空容器15外に固定側ロッド6A及び可動側ロッド7Aが伸びている。固定側ロッド6Aと外側端板13との間に固定側の電気的接続部6Bを設けている。可動側ロッド7Aと真空容器15との間には可動電極7を固定電極6に移動させるためのベローズ16を取り付けている。
【0026】
ベローズ16により可動電極7は固定電極6に対して接離する働きができるようになる。固定電極6及び可動電極7と真空容器15との間には中間シールド17を配置している。
【0027】
上側絶縁管10の外周部に形成したシリコン絶縁襞10Aと、上側絶縁管10内のシリコン絶縁襞10A側であって中間シールド17と真空容器5の両端の金属密閉部材15H、15Iの近傍とには、遮蔽手段21、22A、22Bが設けてある。
【0028】
遮蔽手段21、22A、22Bは地面2に対してそれぞれ絶縁してある。かくして、遮蔽手段は地面2に対して平行に放射されるX線20を遮蔽する。また遮蔽手段22A、22Bは真空容器5から漏洩するX線20を遮蔽する。
【0029】
ここで、遮蔽手段21、22A、22Bは鉛部材を使用して好適に構成し得る。また、遮蔽手段21の軸方向の長さは中間シールド17の同方向の長さより大きく構成してある。
【0030】
次に、高電圧が印加された可動電極7と固定電極6との当接状態から可動電極7を固定電極6から離すと、アーク放電A及びX線20を発生する。この平行方向のX線20は遮蔽手段21により、人体に影響を与える部分を阻止するだけでよいから経済的である。また、遮蔽手段21、21A、21Bを上側絶縁管10内に複数設けることにより、電圧分担が均等になるので、上側絶縁管10を小形化できる。この場合には、更に経済的な真空遮断器となる。遮蔽手段21は中間シールド15より大きくしたので、より確実に人体に対する悪影響を軽減できる。
【0031】
地面2Aと平行方向に放射されるX線20は遠い距離まで悪影響を及ぶすが、本形態では遮蔽手段21により平行方向のX線20の透過を阻止したので、遠い距離まで悪影響を及ぼさなくなり、人体に悪影響を及ぶすことがなく、環境に優しい経済的な真空遮断器として使用できるようになった。
【0032】
<第2の実施の形態>
図4に本形態に係る真空遮断器を示す。同図に示すように、本形態では地面2に対して真空遮断器の真空容器を水平に配置した水平形の真空容器15Bの場合である。接地タンク30内に操作器31及び水平形の真空容器15Bを配置している。接地タンク30内から外部に2本の導体32,33が傾斜状態で上方に伸びていると共に、ブッシング34により包囲されている。ブッシング34は接地タンク30上のブッシング変流器35に支持されている。ブッシング変流器35は導体を流れる電流を測定する。
【0033】
各導体32,33の端部は固定ロッド及び可動ロッドに接続し、固定ロッド及び可動ロッドは、図3に示す場合と同様に、真空容器15B内に配置された固定電極及び可動電極に接続している。電極等の配置は図3と同様なので説明を省略する。但し、可動電極と固定電極との間に発生するアーク放電は図3とは異なり、本形態では地面2Aに対して平行であるので、接地タンク30の外周側に遮蔽層36を施している。この遮蔽層は接地タンク30の内面に設けても良い。これを図5に遮蔽層36Aとして図示する。
【0034】
水平形の真空容器15Bの電極間から放射するX線は、垂直方向に放射されるので、真空容器15Bの周囲から広範囲、且つ遠い距離まで悪影響を及ぶす。しかし、本形態では接地タンク30を包囲するように遮蔽層36を設けることにより、垂直方向のX線を阻止して、悪影響が広範囲に渡るのを阻止することができる。したがって、人体に悪影響を与えることなく、環境に優しい真空遮断器として使用できる。
【0035】
また、遮蔽層36を接地タンク30の外側に設ければ、例えば真空遮断器からの熱的及び電気的影響も少なく、また施工が容易である。更に遮蔽層36により接地タンク30の腐食防止、及び容器の穴埋めの役割も兼ねることができる。本形態における遮蔽層36の材料としては鉛部材が好適である。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、X線による人体に悪影響を与えることなく環境に優しい経済的な真空遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である高電圧し使用した3相の絶縁管形真空遮断器を示した側断面図である。
【図2】図1を側面から見た側面図である。
【図3】図1,2に使用した1相の絶縁管形真空遮断器の詳細を示した側断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態である水平配置形真空遮断器の側断面図である。
【図5】図4に示す実施の形態の変形例である水平配置形真空遮断器の側断面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,…絶縁管形真空遮断器、2A…地面、6…固定電極、6A…固定ロッド、7…可動電極、7A…可動ロッド、10…上側絶縁管、15…縦形形真空容器、15B…水平形真空容器、20…X線、21…遮蔽手段、30…接地タンク、36,36A…遮蔽層、A…アーク放電、X…平行方向。
Claims (4)
- 真空容器内に配置された互いに対向する電極と、この電極と真空容器との間に配置した中間シールドとを備え、一方の電極を他方の電極に接離する時にアーク放電及びX線を発生する真空遮断器において、
前記真空容器を地面に対して垂直に配置した縦形の真空容器を内部に収納するとともに、下側絶縁管の上端の上方に配設した上側絶縁管と、
前記中間シールドと対向する上側絶縁管内に配設され、軸方向の長さが前記中間シールドより大きい遮蔽手段とを設け、
この遮蔽手段により地面に対して平行な水平方向に放射される前記X線を阻止するようにしたことを特徴とする真空遮断器。 - 請求項1に記載する真空遮断器において、
さらに真空容器両端の金属密閉部材近傍と対向する部分にも遮蔽手段を設け、この遮蔽手段によりX線を遮蔽するようにしたことを特徴とする真空遮断器。 - 真空容器内に配置された互いに対向する電極を備え、一方の電極を他方の電極に接離する時にアーク放電及びX線を発生する真空遮断器において、
前記真空容器を地面に対して平行に配置した水平形の真空容器と、
この真空容器を包囲する接地タンクと、
この接地タンクの外周部を包囲して前記X線を阻止する遮蔽手段とを有することを特徴とする真空遮断器。 - 請求項1乃至請求項3に記載する何れか一つの真空遮断器において、
遮蔽手段は鉛部材で形成したことを特徴とする真空遮断器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003025538A JP2004235122A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 真空遮断器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003025538A JP2004235122A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 真空遮断器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004235122A true JP2004235122A (ja) | 2004-08-19 |
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JP (1) | JP2004235122A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010178526A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-12 | Mitsubishi Electric Corp | タンク型真空遮断器 |
US8110770B2 (en) | 2006-05-11 | 2012-02-07 | Japan Ae Power Systems Corporation | Vacuum circuit breaker of tank type |
US9136674B2 (en) | 2009-10-29 | 2015-09-15 | Mitsubishi Electric Corporation | Dead tank vacuum circuit breaker |
-
2003
- 2003-02-03 JP JP2003025538A patent/JP2004235122A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8110770B2 (en) | 2006-05-11 | 2012-02-07 | Japan Ae Power Systems Corporation | Vacuum circuit breaker of tank type |
JP2010178526A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-12 | Mitsubishi Electric Corp | タンク型真空遮断器 |
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DE112009005337B4 (de) * | 2009-10-29 | 2015-10-29 | Mitsubishi Electric Corporation | Vakuum-Leistungsschalter mit elektrisch an Masse gelegtem Behälter |
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