JP2004234775A - 光記録媒体、光記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置 - Google Patents

光記録媒体、光記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置 Download PDF

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修司 塚本
Takashi Doi
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Abstract

【課題】ランドプリピットがグルーブの一部である蛇行部分によって構成されている光記録媒体に対し、高品質な信号記録を行う。
【解決手段】プッシュプル信号PPに含まれるパルス成分のうち、トラッキングをアベレージセンターに設定した場合にグルーブ31bから見て第1の方向に位置するランドプリピット31dに起因するパルスの強度の方が、第2の方向に位置するランドプリピット31dに起因するパルスの強度よりも高い光記録媒体に対し、第1の方向に位置するランドプリピット31dに起因するパルスのパルス強度をLPPaとし、第2の方向に位置するランドプリピット31dに起因するパルスのパルス強度をLPPbとした場合、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながらグルーブ31bに沿ってレーザビームを照射する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光記録媒体、光記録媒体に対する情報記録方法及び情報記録装置に関し、特に、ランドプリピット(LPP)を備えたユーザによる情報の記録が可能な光記録媒体、このような光記録媒体に対する情報記録方法及びこのような光記録媒体に情報を記録可能な情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、デジタルデータを記録するための記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録媒体が広く利用されている。これらの光記録媒体は、CD−ROMやDVD−ROMのようにデータの追記や書き換えができないタイプの光記録媒体(ROM型光記録媒体)と、CD−RやDVD−Rのようにデータの追記はできるがデータの書き換えができないタイプの光記録媒体(追記型光記録媒体)と、CD−RWやDVD−RWのようにデータの書き換えが可能なタイプの光記録媒体(書き換え型光記録媒体)とに大別することができる。
【0003】
ROM型光記録媒体においては、一般に、製造時において予め基板上に設けられたピット列によりデータが保持される。かかるピット列は基板上において螺旋状に配列されており、これに沿ってレーザビームを照射してその反射光量を検出することにより、保持されたデータを再生することができる。
【0004】
これに対し、追記型光記録媒体や書き換え型光記録媒体においては、基板上に有機色素や相変化材料等からなる記録層が設けられており、データを記録する場合には、製造時において予め基板上に設けられた螺旋状のグルーブに沿って強度変調されたレーザビームを記録層に照射することにより、記録層に含まれる有機色素や相変化材料等を局所的に化学的変化及び/又は物理的変化させ、これにより多数のピット(記録マーク)を形成する。記録されたデータを再生する場合には、ROM型光記録媒体と同様、螺旋状に配列されたピット列に沿ってレーザビームを照射し、その反射光量を検出する。
【0005】
追記型光記録媒体や書き換え型光記録媒体の基板に設けられるグルーブは、光記録媒体の径方向に所定の周期をもって蛇行(ウォブリング)している。したがって、データの記録時においては、検出されたウォブル信号(WO信号)に基づいてスピンドルモータの回転サーボ用の同期信号を生成することによって、光記録媒体の径方向における記録位置に関わらず線速度を一定に保つことが可能となる。
【0006】
さらに、隣り合うグルーブ間に存在するランド領域には、製造時において予めランドプリピット(LPP)と呼ばれる多数のピットが形成されており、データの記録時においては、ランドプリピットより得られるランドプリピット信号(LPP信号)に基づいて、記録エリアのアドレスが特定される。ランドプリピットは、一般にその内周側に位置するグルーブのアドレスを保持しており、当該グルーブがウォブリングにより最も外周側に蛇行した位置(変曲点)の外周側に設けられる。したがって、データの記録時においては、ビームスポットの中心から見て外周側に位置するランドプリピットに起因したランドプリピット信号を抽出すれば、現在ビームスポットが照射されているグルーブのアドレスを特定することが可能となる。
【0007】
上述したウォブル信号及びランドプリピット信号は、反射光を検出するフォトディテクタの出力に基づき生成されるプッシュプル信号(PP信号)から抽出される。
【0008】
図12は、フォトディテクタの出力に基づいてプッシュプル信号を生成する方法を概念的に示す模式図である。図12に示すように、光記録媒体10から光ヘッド11へ入射する反射光12は、ビームスポットの中心をグルーブの延在方向に沿って2分割した場合、中心から見て外周側に属する成分を検出するフォトディテクタ13aと、中心から見て内周側に属する成分を検出するフォトディテクタ13bによってその光量が検出される。このようにして得られた2つの検出信号A及び検出信号Bは、加算器14によって加算されるとともに減算器15によって減算され、加算された信号(A+B)はHF信号(再生信号)として用いられ、減算された信号(A−B)はプッシュプル信号として用いられる。
【0009】
図13は、グルーブに沿ってレーザビームを照射した場合に得られるプッシュプル信号の波形図である。上述のとおり、プッシュプル信号は光記録媒体より得られる反射光を、外周側に属する成分(A)と内周側に属する成分(B)に2分割した場合におけるこれら成分の差(A−B)を示している。ウォブルの周波数は、トラッキングサーボ帯域よりも十分に高く設定されているため、トラッキング時にウォブルに追従することはなく、その結果、プッシュプル信号にはウォブル信号が現れる。
【0010】
図13に示すように、プッシュプル信号の主成分はウォブルの周期に一致しており、所定のタイミングにおいてランドプリピットに起因するパルス18が現れる。したがって、ローパスフィルタ等を用いてこれらパルス18を除去すれば、ウォブル信号を得ることが可能となる。
【0011】
ここで、パルス18のうち負方向(−)へ振れるパルス18aは、ビームスポットの中心から見て外周側に位置するランドプリピットに起因したパルスである。上述のとおり、ランドプリピットは当該グルーブがウォブリングにより最も外周側に蛇行した位置(変曲点)に外周側に設けられていることから、負方向(−)へ振れるパルス18aは、図13に示すように、プッシュプル信号に含まれるウォブル成分が負のピークとなった位置において現れる。一方、パルス18のうち正方向(+)へ振れるパルス18bは、ビームスポットの中心から見て内周側に位置するランドプリピットに起因したパルスである。したがって、正方向(+)へ振れるパルス18bは、プッシュプル信号に含まれるウォブル成分とは実質的に無関係な位置に出現する。したがって、図13に示すようにプッシュプル信号に所定の負のしきい値を設定すれば、ビームスポットの中心から見て外周側に位置するランドプリピットに起因したパルス18aのみを抽出することができる。このようにして抽出されたパルス18aがランドプリピット信号として用いられる。
【0012】
図14は、種々のランドプリピットの形状を概略的に示す斜視図であり、(a)はランドプリピットをランドの略中央に独立して形成した例を示し、(b)はランドプリピットを内周側にずらして形成した例を示し、(c)はランドプリピットをグルーブの一部である蛇行部分によって構成した例を示している。図14(a)に示す例は、例えば特許文献1の図3に示されており、図14(b)に示す例は、例えば特許文献2の図1に示されており、図14(c)に示す例は、例えば特許文献3の図5に示されている。尚、図14(a)〜(c)においては、図面の見やすさを考慮してグルーブがウォブリングしている様子は省略され、直線的に描かれている。
【0013】
図14(a)〜(c)に示すいずれの例においても、プッシュプル信号に含まれるパルスのうち、レーザビームのビームスポットが符号20aに示す位置にある場合に、ビームスポットの中心から見て外周側に位置するランドプリピット21に起因したパルス18aを抽出することにより、現在のアドレスを特定することができる。ここで、レーザビームのビームスポットが符号20bに示す位置にある場合においても同じランドプリピット21に起因したパルス18bが得られることになるが、この場合、ランドプリピット21はビームスポットの中心から見て内周側に位置することから、かかるパルス18bはアドレスの特定には用いられない。
【0014】
ここで、図14(a)に示す例のように、ランドプリピット21をランドの略中央に独立して形成した場合においては、レーザビームのビームスポットが符号20aに示す位置にある場合にランドプリピット21より得られるプッシュプル信号のパルス成分と、レーザビームのビームスポットが符号20bに示す位置にある場合にランドプリピット21より得られるプッシュプル信号のパルス成分とは、ほぼ等しい強度となる。つまり、図13に示したパルス18aのパルス強度とパルス18bのパルス強度とがほぼ等しくなる。これは、図12に示したフォトディテクタ13aより得られる検出信号Aとフォトディテクタ13bより得られる検出信号Bとが全体的にほぼ均等であることを意味する。
【0015】
一方、図14(b)に示す例のようにランドプリピット21を内周側にずらして形成したり、図14(c)に示す例のようにランドプリピット21をグルーブの一部である蛇行部分によって構成した場合においては、レーザビームのビームスポットが符号20aに示す位置にある場合にランドプリピット21より得られるプッシュプル信号のパルス成分と、レーザビームのビームスポットが符号20bに示す位置にある場合にランドプリピット21より得られるプッシュプル信号のパルス成分とは、その強度が一致せず、レーザビームのビームスポットが符号20aに示す位置にある場合にランドプリピット21より得られるパルス成分の強度の方が高くなる。つまり、図13に示したパルス18aのパルス強度の方が、パルス18bのパルス強度よりも大きくなる。これは、図12に示したフォトディテクタ13aより得られる検出信号Aとフォトディテクタ13bより得られる検出信号Bとが、全体的に不均等であることを意味する。
【0016】
【特許文献1】特開2002−32918号公報
【特許文献2】特開2001−118288号公報
【特許文献3】特開2002−25121号公報
【発明が解決しようとする課題】
上述のとおり、ランドプリピット信号はプッシュプル信号に含まれるパルス18aを抽出して得られるものであることから、パルス18aのパルス強度とパルス18bのパルス強度との間に差があったとしても、これによりランドプリピット信号の信号品質が低下することはない。
【0017】
しかしながら、図14(b)に示す例のようにランドプリピット21を内周側にずらして形成したり、図14(c)に示す例のようにランドプリピット21をグルーブの一部である蛇行部分によって構成した場合、ランドプリピット21が形成されている部分において溝パラメータが局所的に変動するため、トラッキングをグルーブの中心に設定した場合であってもHF信号のノイズが増加し、信号品質が低下することがある。
【0018】
したがって、本発明の目的は、ランドプリピットがランドの中央からずれて配置され、或いは、ランドプリピットがグルーブの一部である蛇行部分によって構成されている光記録媒体に対し、高品質な信号記録を行うことが可能な情報記録方法及び情報記録装置を提供することである。
【0019】
また、本発明の他の目的は、ランドプリピットがランドの中央からずれて配置され、或いは、ランドプリピットがグルーブの一部である蛇行部分によって構成されている光記録媒体であって、高品質な信号記録を行うことが可能な光記録媒体を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明による情報記録方法は、グルーブに沿ってレーザビームを照射した場合に得られるプッシュプル信号に含まれるパルス成分のうち、トラッキングをアベレージセンターに設定した場合に前記グルーブから見て第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度の方が、前記第1の方向とは逆方向である第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度よりも高い光記録媒体に対し、前記第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPaとし、前記第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPbとした場合、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながら前記グルーブに沿ってレーザビームを照射することにより記録を行うことを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながら情報の記録を行っていることから、ランドプリピットが形成されている部分における溝パラメータの局所的変動の影響が軽減され、その結果、レーザビームのトラッキングがアベレージセンターである場合と比べてHF信号の品質が改善される。これにより、ジッタやPIエラーを低減することが可能となる。この場合、LPPb/LPPaが0.55〜0.65となるようにトラッキングオフセットを設定することが好ましく、LPPb/LPPaが約0.6となるようにトラッキングオフセットを設定することがより好ましい。
【0022】
ここで、「アベレージセンター」とはウォブルによる周期的なトラッキングのぶれを平均化した場合におけるグルーブの中心を指し、本明細書においては、トラッキングをアベレージセンターに設定した場合について「トラッキングオフセットがゼロである」と表記することがある。
【0023】
本発明は、前記第1の方向が光記録媒体の外周方向であり、前記第2の方向が光記録媒体の内周方向である場合に好適であり、ランドプリピットがグルーブの一部である蛇行部分により構成されている場合に特に好適である。
【0024】
また、本発明による情報記録装置は、グルーブに沿ってレーザビームを照射した場合に得られるプッシュプル信号に含まれるパルス成分のうち、トラッキングをアベレージセンターに設定した場合に前記グルーブから見て第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度の方が、前記第1の方向とは逆方向である第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度よりも高い光記録媒体に対する情報記録が可能であり、前記第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPaとし、前記第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPbとした場合、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながら前記グルーブに沿ってレーザビームを照射することにより記録を行うことを特徴とする。
【0025】
本発明においても、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながら情報の記録を行っていることから、ランドプリピットが形成されている部分における溝パラメータの局所的変動の影響が軽減され、その結果、レーザビームのトラッキングがアベレージセンターである場合と比べてHF信号の品質が改善される。これにより、上述の通り、ジッタやPIエラーを低減することが可能となる。本発明においても、LPPb/LPPaが0.55〜0.65となるようにトラッキングオフセットを設定することが好ましく、LPPb/LPPaが約0.6となるようにトラッキングオフセットを設定することがより好ましい。
【0026】
また、本発明による光記録媒体は、螺旋状に設けられたグルーブと、前記グルーブ間に設けられた複数のランドプリピットとを備え、前記グルーブに沿ってレーザビームを照射した場合に得られるプッシュプル信号に含まれるパルス成分のうち、トラッキングをアベレージセンターに設定した場合に前記グルーブから見て第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度の方が、前記第1の方向とは逆方向である第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度よりも高く、前記第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPaとし、前記第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPbとした場合、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながら前記グルーブに沿ってレーザビームを照射することにより記録を行うための設定情報を有していることを特徴とする。
【0027】
本発明による光記録媒体には、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながら情報の記録を行うための設定情報が備えられていることから、ランドプリピットが形成されている部分における溝パラメータの局所的変動の影響が軽減され、その結果、レーザビームのトラッキングがアベレージセンターである場合と比べてHF信号の品質が改善される。これにより、上述の通り、ジッタやPIエラーを低減することが可能となる。本発明においても、上記設定情報は、LPPb/LPPaが0.55〜0.65となるようにトラッキングオフセットを設定するための設定情報であることが好ましく、LPPb/LPPaが約0.6となるようにトラッキングオフセットを設定するための設定情報であることがより好ましい。
【0028】
また、前記第1の方向が光記録媒体の外周方向であり、前記第2の方向が光記録媒体の内周方向であることが好ましく、ランドプリピットがグルーブの一部である蛇行部分により構成されていることが好ましい。さらに、本発明による光記録媒体は、有機色素を含む記録層をさらに備えていることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0030】
図1(a)は、本発明の適用が好適な光記録媒体30の外観を示す切り欠き斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA部を拡大した部分断面図である。
【0031】
図1(a),(b)に示す光記録媒体30は、いわゆるDVD−R型の光記録媒体(追記型光記録媒体)であって、その外径は約120mm、厚みは約1.2mmに設定されている。また、図1(b)に示すように、光記録媒体30は光透過性基板31及びダミー基板32と、これらの間に設けられた記録層41、反射層42、保護層43、接着層44とを備えて構成されている。
【0032】
光透過性基板31は、使用されるレーザビームの波長領域において光透過率が十分に高い材料からなる円盤状の基板であり、その一方の面(図1における下面)はレーザビームが入射する光入射面31aを構成し、他方の面(図1における上面)には、その中心部近傍から外縁部に向けて、レーザビームガイド用のグルーブ31bおよびランド31cが螺旋状に形成されている。光透過性基板31は、データの記録/再生時に照射されるレーザビームの光路となるとともに、光記録媒体30に求められる機械的強度を確保するための基体としての役割をも果たす。光透過性基板31の厚さは約0.6mmに設定され、その材料としては種々の材料を用いることが可能であり、例えば、ガラス、セラミックス、あるいは樹脂を用いることができる。これらのうち、成形の容易性の観点から樹脂が好ましい。このような樹脂としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。中でも、光学特性・加工性などの点からポリカーボネート樹脂が特に好ましい。
【0033】
ダミー基板32は、光記録媒体30に求められる厚み(約1.2mm)を確保するために用いられる円盤状の基板であり、その厚さは光透過性基板31と同様、約0.6mmに設定される。ダミー基板32の材料についても光透過性基板31と同様、ガラス、セラミックス、樹脂等、種々の材料を用いることが可能であるが、ダミー基板32は、光透過性基板31とは異なりレーザビームの光路とはならないことから、高い光透過性を有している必要はない。しかしながら、加工性などの点から、ダミー基板32についてもポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
【0034】
記録層41は、シアニン、メロシアニン、メチン系色素およびその誘導体、ベンゼンチオール金属錯体、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素などの有機色素からなり、この有機色素が光透過性基板31の表面に設けられたグルーブ31bおよびランド31cを覆うように塗布されて形成されている。この記録層41は、所定以上のパワーに設定されたレーザビームが照射されると分解変質し、その光学定数が変化する。記録層41のうち分解変質した領域は「記録マーク(ピット)」として用いられ、分解変質していない領域は「ブランク領域」として用いられる。記録されるデータは、記録マークの長さ(記録マークの前縁から後縁までの長さ)及びブランク領域の長さ(記録マークの後縁から次の記録マークの前縁までの長さ)によって表現される。記録マーク及びブランク領域の長さは、基準となるクロックの1周期に相当する長さをTとした場合、Tの整数倍に設定される。具体的には、DVD−Rにおいては8/16変調方式が採用されており、3T〜11T及び14Tの長さを持つ記録マーク及びブランク領域が使用される。
【0035】
反射層42は、光記録媒体30に記録された記録データの再生時において、光透過性基板31および記録層41を通過したレーザビームを反射するための薄膜層であり、記録層41上に設けられる。反射層42の材料としては、レーザビームを反射可能である限り特に制限されず、例えば、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ag、Pt、Au等を用いることができる。これらのうち、高い反射率を有することから、Al、Au、Ag、Cu又はこれらの合金(AlとTiとの合金等)などの金属材料を用いることが好ましい。
【0036】
保護層43は、透過性基板31上に設けられた記録層41及び反射層42を保護する層であって、反射層42の表面を覆うように形成されている。保護層43の材料としては、記録層41及び反射層42を物理的・化学的に保護可能である限り特に限定されないが、紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0037】
接着層44は、光透過性基板31、記録層41、反射層42及び保護層43からなる積層体とダミー基板32とを接着する層であり、特に限定されるものではないが、紫外線硬化性接着剤を用いることが好ましい。
【0038】
図2は、光透過性基板31に設けられたグルーブ31bおよびランド31cの構造を示す切り欠き斜視図である。
【0039】
図2に示すように、光透過性基板31に設けられたランド31cの所定の部分には、グルーブ31bの一部である蛇行部分によって構成されたランドプリピット(LPP)31dが設けられている。上述のとおり、各ランドプリピット31dはその内周側に位置するグルーブ31bのアドレスを保持しており、データの記録時においてアドレス情報を得るために利用される。また、透過性基板31に設けられたグルーブ31bは、光記録媒体の径方向に所定の周期をもって蛇行(ウォブリング)しているが、図2においては、図面の見やすさを考慮してグルーブ31bがウォブリングしている様子は省略され、直線的に描かれている。上述のとおり、グルーブ31bのウォブリングは、少なくともデータの記録時における回転制御に利用される。かかるランドプリピット31dは、グルーブ31bがウォブリングにより最も外周側に蛇行した位置(変曲点)に相当する位置に設けられる。
【0040】
次に、上記光記録媒体30の製造方法の一例について説明する。
【0041】
まず、スタンパを用いた射出成形法や2P法等により、グルーブ31b、ランド31c及びランドプリピット31dが形成された光透過性基板31を作製する。また、同じく射出成形法や2P法等によりダミー基板12を作製する。ダミー基板12にはグルーブ、ランド及びランドプリピットを形成する必要はない。
【0042】
上述のとおり、光透過性基板31に設けられるランドプリピット31dはグルーブ31bの一部である蛇行部分によって構成されることから、光透過性基板31の作製に用いるスタンパは、単一のレーザビームを用いたカッティングにより作製することができる。尚、図14(a)に示したように、ランドプリピットをランドの略中央に独立して形成する場合や、図14(b)に示したように、ランドプリピットを内周側にずらして形成する場合には、単一のレーザビームを用いたカッティングにより光透過性基板用のスタンパを作製することは困難であり、グルーブ形成用のレーザビームとは別に、ランドプリピット形成用のレーザビームを用いてカッティングを行うことが一般的である。
【0043】
次に、光透過性基板31の表面のうち、グルーブ31b及びランド31cが形成された面に記録層41を形成する。記録層41の形成は、例えば、有機色素を含む溶剤を光透過性基板31上にスピンコートし、その後、溶媒を蒸発させることにより行うことができる。
【0044】
次に、記録層41上に反射層42を形成する。反射層42の形成には、例えば反射層42の構成元素を含む化学種を用いた気相成長法を用いることができる。このような気相成長法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等が挙げられる。
【0045】
次に、反射層42上に保護層43を形成する。保護層43は、例えば、粘度調整されたアクリル系又はエポキシ系の紫外線硬化性樹脂をスピンコート法等により皮膜させ、紫外線を照射して硬化する等の方法により形成することができる。
【0046】
次に、保護層43上に接着層44を形成する。接着層44は、例えば、粘度調整された紫外線硬化性接着剤をスピンコート法等により皮膜させることにより形成することができる。
【0047】
そして、記録層41、反射層42、保護層43及び接着層44が形成された光透過性基板31とダミー基板32とを貼り合わせ、例えばダミー基板32側から紫外線を照射することにより、接着層44とダミー基板32とを確実に接着させる。以上により、光記録媒体30の製造が完了する。
【0048】
なお、上記光記録媒体30の製造方法は、上記製造方法に特に限定されるものではなく、公知の光記録媒体の製造に採用される製造技術を用いることができる。
【0049】
次に、光記録媒体30に対してデータの記録/再生を行うことが可能な情報記録再生装置について説明する。
【0050】
図3は、光記録媒体30に対してデータの記録/再生を行う情報記録再生装置100の概略構成図である。
【0051】
図3に示すように、情報記録再生装置100は、光記録媒体30を回転させるスピンドルモータ101と、光記録媒体30にレーザビーム51を照射するとともにその反射光52を受光する光ヘッド110と、光ヘッド110を光記録媒体30の径方向に移動させるトラバースモータ102と、光ヘッド110にレーザ駆動信号103aを供給するレーザ駆動回路103と、光ヘッド110レンズ駆動信号104aを供給するレンズ駆動回路104と、光ヘッド110より出力される検出信号Aと検出信号Bとを加算する加算器105と、光ヘッド110より出力される検出信号Aから検出信号Bを減算する減算器106と、スピンドルモータ101、トラバースモータ102、レーザ駆動回路103及びレンズ駆動回路104を制御するコントローラ107とを備えている。
【0052】
光ヘッド110は、レーザ駆動信号103aに基づいてレーザビーム51を発生するレーザ光源111と、レーザ光源111が発するレーザビーム51を平行光線に変換するコリメータレンズ112と、光束上に配置されたビームスプリッタ113と、レーザビーム51を集光する対物レンズ114と、レンズ駆動信号104aに基づいて対物レンズ114を垂直方向及び水平方向に移動させるアクチュエータ115と、反射光52を受けてこれを光電変換するフォトディテクタ116a,116bとを備えている。このうち、フォトディテクタ116aはビームスポットの中心から見て外周側成分についての光電変換を行い、フォトディテクタ116bはビームスポットの中心から見て内周側成分についての光電変換を行う。フォトディテクタ116aの出力は検出信号Aとして用いられ、フォトディテクタ116bの出力は検出信号Bとして用いられる。
【0053】
スピンドルモータ101は、コントローラ107による制御のもと、光記録媒体30を所望の回転数で回転させることが可能である。光記録媒体30に対する回転制御方法としては、線速度を一定に保って回転させる方法(CLV方式)と角速度を一定に保って回転させる方法(CAV方式)に大別することができる。CLV方式を用いた回転制御によれば、記録/再生位置が光記録媒体30の内周部分であるか外周部分であるかに関わらずデータ転送レートが一定となることから、常に高いデータ転送レートで記録/再生を行うことができるという利点がある反面、記録/再生位置に応じて光記録媒体30の回転速度を変化させる必要があるためスピンドルモータ101に対する制御が複雑となり、このためランダムアクセス速度が遅いという欠点を有している。一方、CAV方式を用いた回転制御によれば、スピンドルモータ101に対する制御が簡単であることからランダムアクセス速度が速いという利点がある反面、光記録媒体30の内周へ向かうほどデータ転送レートが低くなるという欠点を有している。現在実用化されている光記録媒体の記録/再生方式の多くは、CLV方式を採用しているが、これは、CAV方式を用いた場合に比べて高い記録密度を得ることができるという利点に着目した結果である。
【0054】
トラバースモータ102は、コントローラ107による制御のもと、光ヘッド110を光記録媒体30の径方向に移動させるために用いられ、データの記録/再生時においては、光記録媒体30に設けられた螺旋状のグルーブ31bに沿ってレーザビーム51のビームスポットが光記録媒体30の内周から外周へ徐々に移動するよう、光ヘッド110を駆動する。また、データの記録/再生位置を変更する場合にも、コントローラ107はトラバースモータ102を制御することによって、レーザビーム51のビームスポットを光記録媒体30上の所望の位置に移動させる。
【0055】
レーザ駆動回路103は、コントローラ107による制御のもと、光ヘッド110内のレーザ光源111にレーザ駆動信号103aを供給するために用いられ、生成されるレーザビーム51の強度はレーザ駆動信号103aの強度に対応したものとなる。データの記録時においては、レーザ駆動信号103aを強度変調することにより、レーザビーム51の強度が記録パワーPwから基底パワーPb(<Pw)までの振幅を持ったパルス波形とされる。記録パワーPwを持つレーザビーム51が光記録媒体30の記録層41に照射されると、当該領域において記録層41に含まれる有機色素が分解変質し、記録マークとなる。したがって、基本的に、記録マークを形成すべき部分におけるレーザビーム51の強度が記録パワーPwとなり、ブランク領域とすべき部分におけるレーザビーム51の強度が基底パワーPbとなるよう、レーザ駆動信号103aを強度変調すれば、光記録媒体30のグルーブ31bに沿って、所望の記録マーク列を形成することが可能となる。一方、データの再生時においては、レーザ駆動信号103aは所定の強度に固定され、これによりレーザビーム51の強度は再生パワーPr(≒Pb)に固定される。
【0056】
レンズ駆動回路104は、コントローラ107による制御のもと、アクチュエータ115にレンズ駆動信号104aを供給するために用いられ、これにより、レーザビーム51のビームスポットを光記録媒体30の記録層41に正しくフォーカスすることができるとともに、偏芯しているグルーブ31bに対して、レーザビーム51のビームスポットを追従させることができる。すなわち、コントローラ107にはフォーカス制御回路107aが備えられており、これがフォーカスオン状態となると、レーザビーム51のビームスポットが光記録媒体30の記録層41にフォーカスされた状態に固定される。さらに、コントローラ107にはトラッキング制御回路107bが備えられており、これがトラッキングオン状態となると、レーザビーム51のビームスポットが光記録媒体30のグルーブ31bに対して自動追従状態とされる。また、トラッキング制御回路107bは、トラッキングオフセットの調整を行うことが可能である。
【0057】
このような情報記録再生装置100を用いて光記録媒体30にレーザビーム51を照射する場合、コントローラ107は、レーザ駆動回路103を制御し、これに基づきレーザ駆動回路103はレーザ駆動信号103aをレーザ光源111に供給する。レーザ光源111はこれに基づいてレーザビーム51を発生し、このレーザビーム51はコリメータレンズ112によって平行光線に変換された後、ビームスプリッタ113を経由して対物レンズ114に入射し、光記録媒体30が備えるグルーブ31b上に集束される。
【0058】
また、光記録媒体30に照射されたレーザビーム51の反射光52は、対物レンズ114によって平行光線に変換された後、ビームスプリッタ113により反射し、フォトディテクタ116a,116bに入射する。ここで、ビームスプリッタ113により反射した反射光52のうち、光記録媒体30上に形成されたビームスポットの中心から見て外周側成分についてはフォトディテクタ116aに入射し、内周側成分についてはフォトディテクタ116bに入射するようにフォトディテクタ116a,116bが配置されており、これによって、ビームスポットの中心から見て外周側成分についてはフォトディテクタ116aにより光電変換され、ビームスポットの中心から見て内周側成分についてはフォトディテクタ116bにより光電変換されて、検出信号A,Bがそれぞれ生成される。
【0059】
検出信号A,Bはいずれも加算器105及び減算器106に供給され、加算器105より得られる和信号(A+B)がHF信号(再生信号)として用いられ、減算器106より得られる差信号(A−B)がプッシュプル信号として用いられる。これらHF信号及びプッシュプル信号はいずれもコントローラ107に供給され、データの再生時においてはHF信号に基づいて再生データが生成され、データの記録時においてはプッシュプル信号に含まれるランドプリピット信号(LPP信号)に基づいて記録エリアのアドレスが特定される。また、CLV方式を用いた回転制御を行う場合にあっては、少なくともデータの記録時において、プッシュプル信号に含まれるウォブル信号(WO信号)に基づきスピンドルモータ101の回転速度が決定される。
【0060】
次に、情報記録再生装置100を用いて光記録媒体30にレーザビーム51を照射した場合に得られるプッシュプル信号について説明する。プッシュプル信号には、ランドプリピット信号、ウォブル信号及びトラッキングエラー信号が重畳されているが、以下、ランドプリピット信号成分に着目して説明を進める。
【0061】
図4は、レーザビーム51のビームスポット軌跡とプッシュプル信号の波形との関係を示す図であり、トラッキングがアベレージセンターに設定されたビームスポット軌跡上に当該グルーブ31b−1のアドレスを示すランドプリピット31dが存在する場合を示している。上述のとおり、トラッキングの調整は、コントローラ107に含まれるトラッキング制御回路107bによって行われる。
【0062】
尚、図4においてはグルーブ31bがウォブリングしている様子は省略され、直線的に描かれている。これに合わせて、プッシュプル信号についてもウォブル信号成分を除いた状態で表示されている。これらの点については、以下に説明する図5においても同様である。
【0063】
図4に示すように、レーザビーム51のビームスポットが位置61から位置62までグルーブ31b−1に沿って移動する場合、位置61と位置62との間には当該グルーブ31b−1のアドレスを示すランドプリピット31dが存在していることから、この区間において得られるプッシュプル信号は、ランドプリピット31dを通過する際に負方向に大きく振れ、パルス60aが現れる。かかるパルス60aは図13に示したパルス18aと同様のパルスであり、したがってこれを受けるコントローラ107は、プッシュプル信号に所定の負のしきい値を設定してこれを抽出すれば、ランドプリピット信号を得ることが可能となる。
【0064】
図5は、レーザビーム51のビームスポット軌跡とプッシュプル信号の波形との関係を示す図であり、トラッキングがアベレージセンターに設定されたビームスポット軌跡上に当該グルーブ31b−2から見て内周側に隣接するグルーブ31b−1のアドレスを示すランドプリピット31dが存在する場合を示している。
【0065】
図5に示すように、レーザビーム51のビームスポットが位置71から位置72までグルーブ31b−2に沿って移動する場合、位置71と位置72との間には内周側のグルーブ31b−1のアドレスを示すランドプリピット31dが存在していることから、この区間において得られるプッシュプル信号は、ランドプリピット31dを通過する際に正方向に大きく振れ、パルス60bが現れる。かかるパルス60bは図13に示したパルス18bと同様のパルスであり、アドレスの特定には用いられない。
【0066】
図4及び図5に示すように、レーザビーム51のトラッキングがアベレージセンターに設定されている場合には、パルス60aのパルス強度LPPaはパルス60bのパルス強度LPPbよりも大きい。これは、光記録媒体30のようにランドプリピット31dをグルーブ31bの一部である蛇行部分によって構成した場合や、図14(b)に示したようにランドプリピットをランドの中央よりも内周側にずらして形成した場合に生じる現象であり、図14(a)に示したようにランドプリピットをランドの略中央に独立して形成した場合にはこのような現象は生じない。
【0067】
このようにパルス60aのパルス強度LPPaとパルス60bのパルス強度LPPbとの間に差が生じていても、ランドプリピット信号はプッシュプル信号に含まれるパルス60aを抽出して得られるものであることから、これによりランドプリピット信号の信号品質が低下することはない。しかしながら、ランドプリピット31dをグルーブ31bの一部である蛇行部分によって構成すると、ランドプリピット31dが形成されている部分において溝パラメータが局所的に変動するため、記録時においてトラッキングをアベレージセンターに設定するとHF信号のノイズが増加し、信号品質が低下することがある。かかる現象は、図14(b)に示す例のようにランドプリピットを内周側にずらして形成した場合においても同様に生じる。
【0068】
しかしながら、図4に示すパルス60aのパルス強度LPPaや図5に示すパルス60bのパルス強度LPPbは、レーザビーム51のトラッキングオフセットによって変化させることが可能である。具体的には、パルス60aのパルス強度LPPaは、レーザビーム51のトラッキングオフセットがゼロ近辺において最大となり、トラッキングを外周側または内周側にオフセットさせるにしたがって緩やかに低下する。一方、パルス60bのパルス強度LPPbは、レーザビーム51のトラッキングを内周側にオフセットさせるほど大きく、外周側にオフセットさせるほど小さくなる。
【0069】
本実施態様においては、これを考慮して、光記録媒体30にデータを記録する場合、レーザビーム51のトラッキングを内周側又は外周側にオフセットさせることによりパルス60aのパルス強度LPPaとパルス60bのパルス強度LPPbとの比を調整している。上述のとおり、レーザビーム51のトラッキングオフセットは、コントローラ107に含まれるトラッキング制御回路107bによる制御のもと、レンズ駆動回路104が出力するレンズ駆動信号104aによって調整することができる。
【0070】
ここで、内周側又は外周側へのトラッキングオフセット量としては、パルス60aのパルス強度LPPaとパルス60bのパルス強度LPPbとの比(LPPb/LPPa)が0.5〜0.7の範囲内となるように設定する必要があり、0.55〜0.65の範囲内となるように設定することが好ましく、約0.6となるように設定することが特に好ましい。かかる比(LPPb/LPPa)が0.5〜0.7の範囲内となるようにレーザビーム51のトラッキングをオフセットさせれば、レーザビーム51のトラッキングオフセットがゼロである場合と比べてHF信号の品質を大きく改善することが可能となり、かかる比(LPPb/LPPa)が0.55〜0.65の範囲内となるようにレーザビーム51のトラッキングをオフセットさせれば、レーザビーム51のトラッキングオフセットがゼロである場合と比べてHF信号の品質をより大きく改善することが可能となり、かかる比(LPPb/LPPa)が約0.6となるようにレーザビーム51のトラッキングをオフセットさせれば、レーザビーム51のトラッキングオフセットがゼロである場合と比べてHF信号の品質を非常に大きく改善することが可能となる。
【0071】
光記録媒体30のようにランドプリピット31dをグルーブ31bの一部である蛇行部分によって構成した場合、トラッキングオフセットの方向は、ランドプリピット31dから見て内周部分に位置するランド31cの張り出し部の形状に依存する。具体的には、ランド31cの張り出し部が相対的に大きい場合には、トラッキングを外周側へオフセットさせることによりLPPb/LPPaを0.5〜0.7の範囲内とすることができ、ランド31cの張り出し部が相対的に小さい場合には、トラッキングを内周側へオフセットさせることによりLPPb/LPPaを0.5〜0.7の範囲内とすることができる。
【0072】
上記トラッキングオフセットの設定は、トラッキングオフセットを変更しながらパルス60aのパルス強度LPPaとパルス60bのパルス強度LPPbを実測することにより行っても構わないし、最適なトラッキングオフセット量を示す設定情報を予め光記録媒体30内に格納しておき、情報記録再生装置100がこれに従って設定を行っても構わない。このような設定情報は、ウォブルやプレピットとして光記録媒体30内に記録されたものでもよく、記録層41にデータとして記録されたものでもよい。また、最適なトラッキングオフセット量を直接的に示すもののみならず、情報記録再生装置100内にあらかじめ格納されている複数のトラッキングオフセット設定値のいずれかを指定することにより最適なトラッキングオフセット量の決定を間接的に行うものであっても構わない。
【0073】
図6は、情報記録再生装置100側の実測によりトラッキングオフセットを設定する方法を示すフローチャートである。
【0074】
本例においては、まず、コントローラ107による制御のもと、スピンドルモータ101を駆動して光記録媒体30を回転させるとともに(ステップS1)、レーザ駆動信号103aをレーザ光源111に供給することによりレーザビーム51を光記録媒体30に照射する(ステップS2)。そして、コントローラ107に含まれるフォーカス制御回路107aにより、レーザビーム51の焦点を光記録媒体30内の記録層41に合わせる。すなわち、フォーカスオンさせる(ステップS3)。
【0075】
次に、コントローラ107による制御のもと、トラッキングオフセットをゼロに設定し(ステップS4)、コントローラ107に含まれるトラッキング制御回路107bにより、レーザビーム51のビームスポットを光記録媒体30のグルーブ31bに対して自動追従状態とする。すなわち、トラッキングオンさせる(ステップS5)。
【0076】
この状態において、減算器106より得られるプッシュプル信号からランドプリピット31dに起因するパルス成分(パルス60a、60b)を抽出し、パルス60aのパルス強度LPPaとパルス60bのパルス強度LPPbとを測定する(ステップS6)。そして、測定されたパルス60aのパルス強度LPPaとパルス60bのパルス強度LPPbの比(LPPb/LPPa)を演算し(ステップS7)、得られた比(LPPb/LPPa)が規定範囲内であるか否かを判断する(ステップS8)。ここで、規定範囲としては0.5〜0.7の範囲内において定める必要があり、0.55〜0.65の範囲内において定めることが好ましく、約0.6前後とすることが特に好ましい。
【0077】
かかる判断の結果、ステップS7において得られた比(LPPb/LPPa)が規定範囲外であれば(ステップS8:NO)、トラッキングオフセットを現在の設定値よりも所定量だけ内周側又は外周側に再設定した後(ステップS9)、ステップS6以降に戻って、パルス60aのパルス強度LPPaとパルス60bのパルス強度LPPbの測定(ステップS6)、比(LPPb/LPPa)の演算(ステップS7)を行い、得られた比(LPPb/LPPa)が規定範囲内であるか否かを再度判断する(ステップS8)。
【0078】
このような動作をステップS7において得られた比(LPPb/LPPa)が規定範囲内となるまで繰り返し実行し、最終的にかかる比(LPPb/LPPa)が規定範囲内となれば(ステップS8:YES)、一連のトラッキングオフセット設定動作を終了する。その後は、通常通り、ユーザの指示にしたがってデータの記録を行う。
【0079】
このような方法によりトラッキングオフセットの設定を行えば、光記録媒体30に上記設定情報が格納されていなくても、ランドプリピット31dによる影響を考慮した最適なトラッキングオフセットに設定された状態でデータの記録を行うことが可能となる。
【0080】
図7は、情報記録再生装置100側の実測によりトラッキングオフセットを設定する他の方法を示すフローチャートであり、図6に示した方法と同じ動作を行うステップについての重複する説明は省略する。
【0081】
まず、ステップS1からステップS5までの動作は、図6に示したトラッキングオフセット設定動作と同様である。ステップS5が完了した後、本例では内部変数iを0にリセットし(ステップS10)、その後、ステップS6,S7を実行する。次に、内部変数iが所定値nに一致しているか否かを判断し(ステップS11)、一致していなければ(ステップS11:NO)、ステップS9を実行するとともに、内部変数iをインクリメントしてから(ステップS12)、ステップS6以降に戻る。つまり、ステップS6〜S12からなるループをn回繰り返し実行する。
【0082】
そして、上記ループをn回繰り返した結果、ステップS11において内部変数iがnに一致すると(ステップS11:YES)、実際のトラッキングオフセット量を、ステップS7において得られたn+1個の比(LPPb/LPPa)のうち最も規定値に近い比が得られた値に設定する(ステップS13)。ここで、規定値としては0.5〜0.7の範囲内とする必要があり、0.55〜0.65の範囲内とすることが好ましく、約0.6前後とすることが特に好ましい。
【0083】
以上により一連のトラッキングオフセット設定動作を終了し、その後は、通常通り、ユーザの指示にしたがってデータの記録を行う。
【0084】
このような方法によりトラッキングオフセットの設定を行えば、図6に示したトラッキングオフセット設定動作を行う場合の効果に加え、n+1個得られる比(LPPb/LPPa)のうち最も規定値に近い比を得ることができるトラッキングオフセット量に設定されることから、より高品質な信号記録を行うことが可能となる。また、本例によれば、光記録媒体30の種類に関わらずトラッキングオフセットの設定に要する時間が実質的に一定となることから、トラッキングオフセットの設定に予想以上の時間がかかることもない。
【0085】
図8は、光記録媒体30に格納された設定情報に基づきトラッキングオフセットを設定する方法を示すフローチャートである。図6に示した方法と同じ動作を行うステップについての重複する説明は省略する。
【0086】
まず、ステップS1からステップS5までの動作は、図6に示したトラッキングオフセット設定動作と同様である。ステップS5が完了した後、本例では光記録媒体30に格納された設定情報を読み出し(ステップS14)、これに基づいてトラッキングオフセットの設定を行う(ステップS15)。以上により一連のトラッキングオフセット設定動作を終了し、その後は、通常通り、ユーザの指示にしたがってデータの記録を行う。
【0087】
このような方法によりトラッキングオフセットの設定を行えば、情報記録再生装置100側による実測を行うことなく、速やかにトラッキングオフセットの設定を行うことが可能となる。
【0088】
以上説明したように、本実施態様においては、ランドプリピットがグルーブの一部である蛇行部分によって構成された光記録媒体や、ランドプリピットがランドの中央よりも内周側にずらして形成された光記録媒体に対してデータの記録を行う場合に、トラッキングを内周側又は外周側にオフセットさせることにより当該トラックの外周側に位置するランドプリピットより得られるパルスの強度LPPaと当該トラックの内周側に位置するランドプリピットより得られるパルスの強度LPPbとの比(LPPb/LPPa)を0.5〜0.7、好ましくは0.55〜0.65、より好ましくは約0.6となるように設定していることから、良好な品質をもったHF信号を得ることが可能となる。
【0089】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0090】
例えば、上記実施態様においては、図2に示すようにランドプリピット31dがグルーブ31bの一部である蛇行部分によって構成されたタイプの光記録媒体を例に説明したが、本発明の適用対象がこれに限定されるものではなく、ランドプリピットがランドの中央からずれて配置されていれば、どのようなタイプの光記録媒体に対しても適用することが可能である。但し、本発明による効果は、図2に示すようにランドプリピット31dがグルーブ31bの一部である蛇行部分によって構成されたタイプの光記録媒体に適用した場合において、より顕著となる。
【0091】
また、上記実施態様においては、記録層41が有機色素からなる追記型光記録媒体を例に説明したが、本発明の適用対象がこれに限定されるものではなく、他のタイプの追記型光記録媒体、例えば記録層が複数の無機反応膜の積層体からなるタイプの追記型光記録媒体に対しても適用することが可能であり、さらに、記録層が相変化材料からなる書き換え型の光記録媒体に対しても適用することが可能である。但し、本発明による効果は、記録層41が有機色素からなる追記型光記録媒体に適用した場合において、より顕著となる。
【0092】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明について更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0093】
[光記録媒体の準備]
まず、図1に示す構成と同じ構造を有する光記録媒体を用意した。
【0094】
用意した光記録媒体の光透過性基板及びダミー基板はいずれもポリカーボネートからなり、厚さはいずれも0.6mmである。光透過性基板に設けられたグルーブのグルーブ半値幅、グルーブ深さ及びグルーブピッチは、それぞれ0.3μm、0.18μm及び0.74μmであり、光透過性基板に設けられたランドプリピットは、図2に示すように、グルーブグルーブの一部である蛇行部分によって構成されている。
【0095】
また、記録層、反射層、保護層及び接着層は、それぞれアゾ系色素、Agを主成分とする合金、紫外線硬化性樹脂及び紫外線硬化性接着剤からなり、その厚さはそれぞれ90nm、100nm、10μm及び45μmである。
【0096】
[評価#1]
用意した光記録媒体を情報記録再生装置にセットし、回転させながら、再生パワーPrに設定されたレーザビームをグルーブに沿って照射し、トラッキングオフセットを変更しながら、得られるプッシュプル信号を測定した。そして、プッシュプル信号に含まれるパルス成分のうち、当該グルーブの外周側のランドプリピットに起因するパルスのパルス強度LPPaと、内周側のランドプリピットに起因するパルスのパルス強度LPPbと測定した。結果を図9に示す。
【0097】
図9に示すように、当該グルーブの外周側のランドプリピットに起因するパルスのパルス強度LPPaは、トラッキングオフセットがゼロ近辺である場合に最大となり、トラッキングを外周側または内周側にオフセットさせるにしたがって緩やかに低下した。一方、当該グルーブの内周側のランドプリピットに起因するパルスのパルス強度LPPbは、トラッキングを外周側にオフセットさせるほど小さく、内周側にオフセットさせるほど大きくなった。
【0098】
図10は、パルス強度LPPaとパルス強度LPPbとの比(LPPb/LPPa)とトラッキングオフセットとの関係を示すグラフである。図10に示すように、パルス強度LPPaとパルス強度LPPbとの比(LPPb/LPPa)は、トラッキングを内周側にオフセットさせるほど「1」に近づいた。また、トラッキングを内周側に約0.03μmオフセットさせた場合に、上記比(LPPb/LPPa)が0.6となった。
【0099】
[評価#2]
次に、上記光記録媒体の所定のトラックに対し、トラッキングオフセットを変更しながら3T〜11T及び14Tからなるランダム信号を記録した後、これを読み出し、得られるジッタ及びPIエラー数を測定した。ここでいうジッタとはクロックジッタを指し、タイムインターバルアナライザにより再生信号の「ゆらぎ(σ)」を求め、σ/Tw(Tw:クロックの1周期)により算出した。また、PIエラー数は、8ECC期間に発生したエラー数(平均値)である。結果を図11に示す。
【0100】
図11に示すように、ジッタ及びPIエラー数とも、トラッキングオフセットがゼロの場合よりも外周側にオフセットしている場合の方が良好な値となった。特にPIエラー数については、トラッキングを内周側に約0.03μmオフセットさせた場合に最小値が得られた。かかるオフセット量は、上述したパルス強度LPPaとパルス強度LPPbとの比(LPPb/LPPa)が0.6となるオフセット量である。これにより、かかる比(LPPb/LPPa)が0.6となるようにトラッキングをオフセットさせれば、記録された信号の信号品質が最も高くなることが確認された。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、ランドプリピットがグルーブの一部である蛇行部分によって構成された光記録媒体や、ランドプリピットがランドの中央よりも内周側にずらして形成された光記録媒体に対してデータの記録を行う場合に、トラッキングを内周側又は外周側にオフセットさせることにより、当該トラックの外周側に位置するランドプリピットより得られるパルスのパルス強度LPPaと当該トラックの内周側に位置するランドプリピットより得られるパルスのパルス強度LPPbとの比(LPPb/LPPa)を0.5〜0.7となるように設定していることから、高品質な信号記録を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の適用が好適な光記録媒体30の外観を示す切り欠き斜視図であり、(b)は(a)に示すA部を拡大した部分断面図である。
【図2】光透過性基板31に設けられたグルーブ31bおよびランド31cの構造を示す切り欠き斜視図である。
【図3】光記録媒体30に対してデータの記録/再生を行う情報記録再生装置100の概略構成図である。
【図4】レーザビーム51のビームスポット軌跡とプッシュプル信号の波形との関係を示す図であり、トラッキングオフセットがゼロであるビームスポット軌跡上に当該グルーブ31b−1のアドレスを示すランドプリピット31dが存在する場合を示している。
【図5】レーザビーム51のビームスポット軌跡とプッシュプル信号の波形との関係を示す図であり、トラッキングオフセットがゼロであるビームスポット軌跡上に当該グルーブ31b−2から見て内周側に隣接するグルーブ31b−1のアドレスを示すランドプリピット31dが存在する場合を示している。
【図6】情報記録再生装置100側の実測によりトラッキングオフセットを設定する方法を示すフローチャートである。
【図7】情報記録再生装置100側の実測によりトラッキングオフセットを設定する他の方法を示すフローチャートである。
【図8】光記録媒体30に格納された設定情報に基づきトラッキングオフセットを設定する方法を示すフローチャートである。
【図9】トラッキングオフセットとパルス強度LPPa及びパルス強度LPPbとの関係を示すグラフである。
【図10】トラッキングオフセットと、パルス強度LPPaとパルス強度LPPbとの比(LPPb/LPPa)との関係を示すグラフである。
【図11】トラッキングオフセットとジッタ及びPIエラーとの関係を示すグラフである。
【図12】フォトディテクタの出力に基づいてプッシュプル信号を生成する方法を概念的に示す模式図である。
【図13】図13は、グルーブに沿ってレーザビームを照射した場合に得られるプッシュプル信号の波形図である。
【図14】種々のランドプリピットの形状を概略的に示す斜視図であり、(a)はランドプリピットをランドの略中央に独立して形成した例を示し、(b)はランドプリピットを内周側にずらして形成した例を示し、(c)はランドプリピットをグルーブの一部である蛇行部分によって構成した例を示している。
【符号の説明】
30 光記録媒体
31 光透過性基板
31a 光入射面
31b グルーブ
31c ランド
31d ランドプリピット
32 ダミー基板
41 記録層
42 反射層
43 保護層
44 接着層
51 レーザビーム
52 反射光
60a 外周側に位置するランドプリピット31dに起因するパルス
60b 内周側に位置するランドプリピット31dに起因するパルス
61,62,71,72 ビームスポット位置
100 情報記録再生装置
101 スピンドルモータ
102 トラバースモータ
103 レーザ駆動回路
104 レンズ駆動回路
105 加算器
106 減算器
107 コントローラ
107a フォーカス制御回路
107b トラッキング制御回路
110 光ヘッド
111 レーザ光源
112 コリメータレンズ
113 ビームスプリッタ
114 対物レンズ
115 アクチュエータ
116a,116b フォトディテクタ

Claims (8)

  1. グルーブに沿ってレーザビームを照射した場合に得られるプッシュプル信号に含まれるパルス成分のうち、トラッキングをアベレージセンターに設定した場合に前記グルーブから見て第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度の方が、前記第1の方向とは逆方向である第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度よりも高い光記録媒体に対し、前記第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPaとし、前記第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPbとした場合、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながら前記グルーブに沿ってレーザビームを照射することにより記録を行うことを特徴とする情報記録方法。
  2. 前記第1の方向が前記光記録媒体の外周方向であり、前記第2の方向が前記光記録媒体の内周方向であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録方法。
  3. 前記ランドプリピットが、前記グルーブの一部である蛇行部分により構成されていることを特徴とする請求項2に記載の情報記録方法。
  4. グルーブに沿ってレーザビームを照射した場合に得られるプッシュプル信号に含まれるパルス成分のうち、トラッキングをアベレージセンターに設定した場合に前記グルーブから見て第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度の方が、前記第1の方向とは逆方向である第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度よりも高い光記録媒体に対する情報記録が可能であり、前記第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPaとし、前記第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPbとした場合、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながら前記グルーブに沿ってレーザビームを照射することにより記録を行うことを特徴とする情報記録装置。
  5. 螺旋状に設けられたグルーブと、前記グルーブ間に設けられた複数のランドプリピットとを備え、前記グルーブに沿ってレーザビームを照射した場合に得られるプッシュプル信号に含まれるパルス成分のうち、トラッキングをアベレージセンターに設定した場合に前記グルーブから見て第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度の方が、前記第1の方向とは逆方向である第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスの強度よりも高く、前記第1の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPaとし、前記第2の方向に位置するランドプリピットに起因するパルスのパルス強度をLPPbとした場合、LPPb/LPPaが0.5〜0.7となるようにトラッキングをオフセットさせながら前記グルーブに沿ってレーザビームを照射することにより記録を行うための設定情報を有していることを特徴とする光記録媒体。
  6. 前記第1の方向が前記光記録媒体の外周方向であり、前記第2の方向が前記光記録媒体の内周方向であることを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体。
  7. 前記ランドプリピットが、前記グルーブの一部である蛇行部分により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の光記録媒体。
  8. 有機色素を含む記録層をさらに備えていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の光記録媒体。
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