JP2004234764A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低出力のレーザ光の照射により、媒体に記録された電子情報に影響を及ぼすことなく可視情報を記録することができ、且つ、インクジェットプリンターを用いて印刷可能なレーベル面を有する光情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】基板101と、この基板101上に順番に形成された、電子情報記録層102と、電子情報記録層102のレーザ光107が入射する側と反対側に接して設けられた反射層103と、保護層104と、フタリド系ロイコ染料を含有する可視情報記録層105と、一次平均粒径10nm、細孔容積3ml/gの合成シリカ50部、アクリロイルモルホリン35部、ヒドロキシエチルアクリレート10部、カチオン樹脂3部及び光重合開始剤2部を配合した紫外線硬化樹脂組成物をスピンコートにより塗布し、紫外線光を照射して硬化させて形成した厚さ20μmの親水性オーバーコート層106と、が順次積層された光情報記録媒体。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報の光学的記録/再生が可能な光情報記録媒体に関し、より詳しくは、電子情報の光学的な記録/再生ができると共に、レーベル面に、レーザ光を用いて可視情報を記録することができ、且つ、各種プリンターによる印刷が可能な光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの情報を記録、保存、書き換えするための電子情報記録媒体は、近年、コンピューター周辺機器としての重要性が益々高まっている。中でも、レーザ光を用いて記録、再生を行う光情報記録媒体は、高密度の情報記録、保存、再生が可能なことから、大容量記録媒体として注目されている。このような光情報記録媒体の例としては、CD−RW、DVD−RW等に代表される相変化型光学記録媒体、CD−R、DVD−Rに代表される有機色素系光学記録媒体等が挙げられる。
【0003】
このような光情報記録媒体に記録された電子情報の内容は、光学的に再生することにより確認できるが、一方、この電子情報の内容を可視情報として媒体表面に表示することは、情報管理上重要なことである。このような表示方法としては、従来から、例えば、媒体のレーベル面(電子情報を記録する面とは反対側の面)に、電子情報の内容を記録したラベル等を貼り付ける方法、感熱プリンターにより可逆性感熱発色層を発色させる方法(特許文献1)が報告されている。また、最近では、レーザ光により媒体のレーベル面側に形成された有機発色性色素層に可視情報を記録する方法(特許文献2)が報告され、これらは、媒体に機械的な影響を及ぼすことなく可視情報を記録する方法として期待されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−232942号公報
【特許文献2】
特開2000−173096号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、媒体のレーベル面にラベル等を貼る方法は、接着剤の劣化等が原因でラベルが剥離したり、ラベルを貼ることにより媒体の重心がずれ、その結果、媒体を回転させるときのバランスが崩れ、著しい場合には、記録、再生が困難になるおそれがある。また、感熱プリンターにより可逆性感熱発色層を発色させる方法では、過度の加熱操作は、媒体に記録された電子情報を変質させるおそれがあるため、記録層と感熱発色層との間に断熱層を設ける必要が生じてしまう。
【0006】
これらの方法と比較して、レーザ光により有機発色性色素層に可視情報を記録する方法は、低出力のレーザ光を用いると、媒体に記録された電子情報に影響を及ぼすことなく、安定して可視情報を記録することができる可能性が高い点で有利であると考えられる。また、記録された可視情報は、例えば、高湿度の環境下に置かれても、あるいは水滴が付着しても変質することが極めて少ない。
【0007】
しかし、レーザ光により有機発色性色素層に記録された可視情報は、使用される有機発色性色素の種類にもよるが、通常、単色の情報が形成されるに止まり、レーベル面のデザインの変化が乏しい傾向がある。このため、光情報記録媒体のレーベル面のデザイン性を向上させたいという要請がある。
【0008】
本発明は、このようなレーザ光により可視情報が記録される可視情報記録層をレーベル面側に備えた光情報記録媒体を開発する際に生じた要請に応えるためになされたものであり、従って、本発明の目的は、電子情報の記録/再生用のレーザ装置を用いて、低出力のレーザ光の照射により、媒体に記録された電子情報に影響を及ぼすことなく可視情報を記録することができ、且つ、インクジェットプリンターを用いて印刷可能なレーベル面を有する光情報記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明が適用される光情報記録媒体は、レーベル面に印刷可能な材料により形成された最外層が形成された構成を採用している。即ち、本発明が適用される光情報記録媒体は、基板と、この基板上に直接又は他の層を介して設けられ、基板側とは反対側であるレーベル面側から照射された光により可視情報が記録される可視情報記録層と、可視情報記録層上に直接又は他の層を介して設けられた親水性オーバーコート層と、を備えることを特徴とするものである。本発明が適用される光情報記録媒体において、親水性オーバーコート層は、平均粒径200nm以下の微粒子及びカチオン樹脂を含有する紫外線硬化性樹脂組成物から構成されていることが好ましい。また、親水性オーバーコート層は、レーザ光透過性であることが好ましい。さらに、親水性オーバーコート層の厚さの下限が10μmであり、上限が100μmの範囲に形成されていることが好ましい。一方、本発明が適用される光情報記録媒体において、可視情報記録層は、可視情報記録層に照射された光により発色性が変化する材料又は透明性が変化する材料により構成されていることが好ましい。また、本発明が適用される光情報記録媒体は、基板上に直接又は他の層を介して設けられ、基板側から照射される光により電子情報が記録される電子情報記録層と、電子情報記録層の基板側とは反対側に形成される反射層と、を更に備え、可視情報記録層は、反射層の基板側とは反対側に形成されることが好ましい。
【0010】
尚、本発明が適用される光情報記録媒体において、「可視情報」とは、文字、記号、イラストや写真等の画像、幾何学的な模様等、目視で読み取る情報であり、「電子情報」とは、デジタル信号で記録されている情報等、その内容を何らかの再生装置で読み取る情報を意味する。また、「レーザ光透過性」とは、可視情報を記録するために使用するレーザ光波長において、親水性オーバーコート層が光透過性であることを意味する。好ましくは、レーザ光波長における親水性オーバーコート層の吸光度が5%以下程度である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本実施の形態が適用される光情報記録媒体を詳述する。
図1は、本実施の形態が適用される光情報記録媒体の構造を説明するための図である。ここに示された光情報記録媒体100は、基板101と、この基板101上に順番に形成された、電子情報記録層102と、電子情報記録層102のレーザ光107が入射する側と反対側に接して設けられた反射層103と、保護層104と、可視情報記録層105と、最外層を形成する親水性オーバーコート層106と、が順次積層された構造を有している。
【0012】
図1に示すように、光情報記録媒体100に備えられた電子情報記録層102は、電子情報の記録/再生用のレーザ装置の対物レンズ(図示せず)から基板101を介して入射したレーザ光107により、電子情報の記録再生が行われる。一方、可視情報記録層105は、例えば、この光情報記録媒体100を裏返して電子情報の記録/再生用のレーザ装置にセットしたとき、レーベル面側から親水性オーバーコート層106を介して照射されるレーザ光108により可視情報が記録される。また、レーザ光108の一部は、可視情報記録層105の下側に設けられた反射層103により反射され、その反射光109は、レーザ光108を集光するためのフォーカシングに利用される。また、親水性オーバーコート層106は、可視情報記録層105を物理的な傷付け等から保護し、また、レーザ光108を可視情報記録層105に効率良く絞り込むためにレーザ光透過性であり、且つ、インクジェットプリンター等による印刷が可能な最外層表面を形成する。
【0013】
基板101は、基本的には電子情報記録層102に対する記録光及び再生光の波長に対して透明な材料により形成される。基板101を形成するための材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂等の高分子材料の他、ガラス等の無機材料が使用される。特に、ポリカーボネート樹脂は、光の透過性が高く且つ光学的異方性が小さく、さらに、機械的強度が高い等の点で優れているので好ましい。また、耐薬品性、耐吸湿性、光学特性等の点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。
【0014】
基板101には、例えば、電子情報記録層102に接する面に、記録再生用の案内溝又はピットが設けられ、射出成形等の成形方法によって成形される。このような案内溝又はピットは、基板101の成形時に付与することが好ましいが、例えば、基板101上に紫外線硬化性樹脂を用いて付与することもできる。また、基板101の厚さの下限は通常1.1mm、好ましくは1.15mmであり、厚さの上限は通常1.3mm、好ましくは1.25mmである。
【0015】
電子情報記録層102は、レーザ光107の照射により電子情報(デジタル信号で記録されている情報等、その内容を何らかの再生装置で読み取る情報)が記録可能な材料により形成され、通常、有機物質よりなる記録層又は無機物質よりなる記録層として形成される。尚、電子情報記録層102は、基板101上に直接形成されていても良く、また、必要に応じて、基板101と電子情報記録層102との間に、任意の層を介して形成されても良い。
【0016】
電子情報記録層102が有機物質よりなる記録層の場合は、主として有機色素が使用される。かかる有機色素としては、例えば、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポリフィリン色素等)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、アゾ系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。これらの中でも含金属アゾ系色素、シアニン色素、フタロシアニン色素が好ましい。特に、含金属アゾ系色素は、耐久性及び耐光性に優れているため好ましい。
【0017】
有機物質よりなる電子情報記録層102の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等の乾式の薄膜形成法や、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている湿式薄膜形成法が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面からスピンコート法が特に好ましい。
【0018】
電子情報記録層102が無機物質よりなる記録層として形成される場合は、例えば、光磁気効果により記録が行われるTb・Te・CoやDy・Fe・Co等の希土類遷移金属合金が使用される。また、相変化するGe・Te、Ge・Sb・Teのようなカルコゲン系合金も使用し得る。これらの層は、単層であっても良く、2層以上の複層で構成されていても良い。
【0019】
無機物質よりなる電子情報記録層102の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面からスパッタリング法が特に好ましい。また、電子情報記録層102の厚さは、記録層の種類により異なるが、下限は通常5nm、好ましくは10nmであり、上限は通常500nm、好ましくは300nmである。尚、本実施の形態が適用される光情報記録媒体100の電子情報記録層102は、記録/消去が可能な相変化型記録層であっても良い。
【0020】
反射層103は、電子情報記録層102の、基板101とは反対側に接して設けられ、通常、基板101側から照射されるレーザ光107を基板101側に反射する機能を有する。反射層103は、基板101に記録再生用の案内溝又はピットが設けられている場合は、これと対応した凹凸形状が生じている。反射層103を形成するための材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いものが挙げられ、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd等の金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。これらの中でも、Au、Al、Agは、反射率が高く反射層の材料として適している。また、Agを主成分とするものは、コストが安く、反射率が高い等の点から特に好ましい。
【0021】
反射層103の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面からスパッタリング法が特に好ましい。また、反射層103の厚さの下限は通常30nm、好ましくは50nmであり、上限は通常150nm、好ましくは120nmである。
【0022】
保護層104は、通常、レーザ光透過性の材料により形成され、例えば、紫外線硬化性樹脂が挙げられる。紫外線硬化性樹脂の具体例としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料の殆どは、レーザ光透過性物質であるため、好適に使用することができる。これらの紫外線硬化性樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。また、保護層104は、一層の単層膜でも良く、2層以上の多層膜であっても良い。
【0023】
保護層104を紫外線硬化性樹脂により形成する方法としては、通常、紫外線硬化性樹脂をそのまま、もしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を反射層103上に塗布し、紫外線光を照射して硬化させることにより形成することができる。この場合、塗布方法としては、スピンコート法やキャスト法等を採用することができる。また、保護層104は、上述した各種塗布法や、スクリーン印刷法等の各種湿式成膜法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の各種乾式成膜等により形成することもでき、用いる材料に応じて適宜選択された方法で形成される。中でも湿式成膜法、特にスピンコート法が好ましく、一般的にはスピンコート法が用いられている。また、保護層104の厚さの下限は通常1μm、好ましくは3μmであり、上限は通常15μm、好ましくは10μmである。
【0024】
可視情報記録層105は、通常、光が照射されることにより、層を構成する記録材料が変色し、その結果、可視情報(文字、記号、イラストや写真等の画像、幾何学的な模様等、目視で読み取る情報)が記録されるものである。可視情報記録層105を構成する記録材料としては、特に限定されないが、可視光の吸収が変化する物質として、大別して、以下のような(a)発色性が変化するタイプと、(b)透明性が変化するタイプとが挙げられる。
【0025】
(a)発色性が変化するタイプの記録材料としては、例えば、電子情報の光記録に一般的に用いられる、有機色素が挙げられる。かかる有機色素としては、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポリフィリン色素等)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、アゾ系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。
【0026】
また、分子構造中にラクトン環部分を有するロイコ染料が挙げられる。ロイコ染料の具体例としては、例えば、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−2,4−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トルイジノ)−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシジノフルオラン等のフルオラン化合物;クリスタルバイオレットラクトン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド等のフタリド化合物等が挙げられる。これらの中でもフタリド化合物が好ましい。
【0027】
これらのロイコ染料には、必要に応じて電子受容性化合物や、記録用レーザ光を吸収して発熱する色素等が併用される。この場合、電子受容性化合物としては、炭素数6以上の脂肪族基を有する有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物又はフェノール化合物等が挙げられる。好ましくは、フェノール化合物である。
【0028】
電子受容性化合物の具体例としては、有機リン酸化合物としては、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸等が挙げられる。脂肪族カルボン酸化合物としては、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等が挙げられる。
【0029】
また、フェノール化合物としては、没食子酸化合物、安息香酸化合物、ビスフェノール系化合物等が挙げられる。これらの化合物の具体例としては、例えば、没食子酸化合物としては、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸ラウリル等が挙げられる。安息香酸化合物としては、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。ビスフェノール系化合物としては、ビスフェノールS、ビスフェノールA等が挙げられる。さらに、4’−ヒドロキシ−4−オクタデシルベンズアニリド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−オクタデシル尿素、4−ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド等が挙げられる。これらの電子受容性化合物は、単独で用いても複数種を併用してもよい。
【0030】
レーザ光吸収色素としては、電子情報の光記録に使用する有機色素として前掲した各種色素や、ビスアンスロン系、インドアニリン系等の赤外線吸収性色素等が挙げられる。
【0031】
次に、(b)透明性が変化するタイプの記録材料としては、例えば、樹脂母材内に0.1〜2μm程度で分散し、熱処理によって融解又は結晶化する有機低分子化合物が挙げられる。このような化合物として、例えば、炭素数12以上の、高級脂肪酸等の周知の有機低分子化合物を使用できる。このような有機低分子化合物は、脂肪酸、脂肪族二塩基酸、ケトン、エーテル、アルコール、脂肪酸エステル及びその誘導体等からなる化合物であってもよく、それらの1種又は2種以上を混合して用いることもできる。
【0032】
熱処理によって融解又は結晶化する有機低分子化合物のうち、炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルは、低融点(mp)のものであり、比較的低温での熱処理によって融解、結晶化するので好ましい。更に、炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルに加えて炭素数10以上の高融点(mp)の脂肪族二塩基酸を併用し、脂肪酸アルキルエステルと脂肪族二塩基酸の配合割合を調整すれば、透明化する温度領域を調整することができ、所定温度での透明性及び白濁の程度を変化させることができる。
【0033】
炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルの例としては、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸メチル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸ブチル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸メチル、リグノセリン酸エチル等が挙げられる。
【0034】
また、炭素数10以上の脂肪族二塩基酸の例としては、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルと炭素数10以上の脂肪族二塩基酸を併用する場合、その配合比としては1:1〜10:1程度が好ましく、2:1〜6:1がより好ましい。高融点側の脂肪族二塩基酸は、低融点側の脂肪酸アルキルエステルの種晶として結晶化挙動を操作する役割を担うと考えられるため、その配合量が少なすぎるとその効果がなくなるおそれがあり、逆に多すぎるとコントラストの低下が生じる可能性がある。
【0035】
可視情報記録層105の形成方法としては、電子情報記録層102の形成方法の項で挙げたような、公知の湿式薄膜形成方法を挙げることができる。なかでも、好ましくはスピンコート法又はスクリーン印刷法、より好ましくはスピンコート法である。また、可視情報記録層105の厚さの下限は、通常0.1μm、好ましくは0.5μmであり、厚さの上限は、通常5μm、好ましくは3μmである。
【0036】
本実施の形態が適用される光情報記録媒体100は、可視情報記録層105のレーベル面側の最外層に親水性オーバーコート層106が設けられている。親水性オーバーコート層106は、可視情報記録層105を物理的な傷付け等から保護し、また、レーザ光108を可視情報記録層105に効率良く絞り込むためにレーザ光透過性を有し、且つ、例えば、インクジェットプリンターによる印刷が可能な表面を形成する。即ち、親水性オーバーコート層106は、可視情報記録層105を外力等から保護する役割に加えて、印刷受容層としての機能を有し、可視情報のカラー化等が可能となる。また、例えば、可視情報記録層105の一部にレーザ光により可視情報を記録し、他の部分はインクジェットプリンターで印刷しておき、可視情報記録層105の記録部分は必要に応じて書き換える、と言うような使用法が出来る。親水性オーバーコート層106と可視情報記録層105との間には、レーザー光透過層を介しても良い。さらに、親水性オーバーコート層106は、レーザー光透過性であることが必要であるが、可視光に対しては着色していても良い。
【0037】
このようなレーザ光透過性の親水性オーバーコート層106を構成する方法は、特に限定されないが、例えば、(1)親水性樹脂及び/又は親水性モノマーを用いて層を構成する方法、(2)バインダー樹脂中に親水性フィラーを分散させる方法、(3)バインダー樹脂中に微粒子を分散させて微細な空隙を形成する方法等が挙げられる。中でも、(3)バインダー樹脂中に微粒子を分散させて微細な空隙を形成する方法が特に好ましい。これらの方法は、単独又は幾つか組み合わせて採用することができる。
【0038】
(1)親水性樹脂を用いて層を構成する場合に使用される親水性樹脂としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルホルマール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0039】
また、親水性モノマーを重合させることにより親水性オーバーコート層106を形成する場合に使用される親水性モノマーとしては、例えば、分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーであることが好ましい。具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノまたはポリ(メタ)アクリレート;アルキレンオキサイド変性リン酸モノまたはジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸モノまたはジ(メタ)アクリレート等のリン酸基を有するモノまたはポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、窒素原子を含む官能基を有する化合物としては、アルキル置換(メタ)アクリルアミド、アルコキシ変性(メタ)アクリルアミド、メチロール変性(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有するモノまたはポリ(メタ)アクリレート;さらに、アクリロイルモルホリン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシイミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。また、ポリエーテル変性モノまたはポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール単位をもつモノまたはジアクリレート、多価アルコールジグリシジルエーテルモノまたはポリ(メタ)アクリレート等も使用することができる。これらの親水性モノマーは、活性エネルギー線硬化性であって、通常、光開始剤存在下で光等の活性エネルギー線の照射により重合反応が行われる。
【0040】
(2)バインダー樹脂中に親水性フィラーを分散させる方法において使用される親水性フィラーには、有機フィラー及び無機フィラーが挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、変性メラミン樹脂微粒子、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ゴム等の微粒子、またはこれらポリマーの架橋微粒子、リグニン、プロテイン、セルロースの粉末等が挙げられる。また、無機フィラーとしては、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
【0041】
親水性フィラーを分散させるためのバインダー樹脂としては、例えば、前記(1)で挙げた親水性樹脂を使用することができる。また、親水性フィラー自体が親水性であるため、必ずしも親水性樹脂に限定されず、バインダー樹脂として親水性フィラーを良好に分散できるものであれば他の樹脂を使用することができる。このような他の樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体;アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体等が挙げられる。また、これらの各種重合体を構成する単量体とカルボキシル基等の官能基含有単量体と共重合体等の官能基変性重合体;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂系等の水性接着剤等が挙げられる。さらに、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等が挙げられる。これらの他の樹脂は、必要に応じて、樹脂ラテックスの形態で使用することができる。
【0042】
(3)バインダー樹脂中に微粒子を分散させて微細な空隙を形成する親水性オーバーコート層106を形成する方法としては、例えば、平均粒径200nm以下の微粒子及びカチオン樹脂を含有する樹脂組成物を用いる方法が好ましい(例えば、特開2000−57635号公報に記載の方法)。この方法によれば、バインダー樹脂中に所定量の微粒子を含有させることにより微細な空隙が形成され、例えば、印刷に使用するインクを毛細管現象により層中に瞬時に吸収させることが可能である。
【0043】
このような樹脂組成物に含有される平均粒径200nm以下の微粒子としては、有機物・無機物の各種微粒子が挙げられる。有機物から成る微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂粒子;コラーゲン、シルク、コットン等の天然樹脂粒子が挙げられる。無機物から成る微粒子としては、シリカ、タルク、マイカの他、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、マンガン、チタン等の各種金属の酸化物、セラミック等が挙げられる。中でも、シリカは、比表面積が大きく、微細な空隙を形成することが出来、しかも、表面が親水性であるために水性インクとのなじみが良好であり、好適である。さらに、合成シリカは、製造法により粒径や比表面積等の制御が可能であって、球形で均一な特性の微粒子が得られるという点から推奨される。これらの微粒子を分散させることにより形成される空隙の大きさは、例えば、インクジェットプリンターのインクを有効に吸収する観点から、数nm乃至数10nmの範囲が好ましい。
【0044】
これらの微粒子の平均粒径は、微細で高い空隙率を得るため、200nm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。また、通常、1nm以上、好ましくは2nm以上である。平均粒径が過度に大きいと、粒径が可視光波長の1/4を超える粒子の割合が増加し、親水性オーバーコート層106の透明性が低下するため、親水性オーバーコート層106の下側に設けた可視情報記録層105の視認性が低下する傾向がある。また平均粒径が過度に小さい場合は、親水性オーバーコート層106中の粒子間の空隙が小さくなり、インクを有効に吸収することが困難になるおそれがある。
【0045】
また、親水性オーバーコート層106における微粒子の配合量は、樹脂組成物に対し、通常、10重量%以上、好ましくは20重量%以上である。また、通常、70重量%未満、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。微粒子の含有量が過度に多い場合は、親水性オーバーコート層106の透明性が低下し、可視情報記録層105に記録された情報の視認性が低下する傾向がある。また、可視情報記録層105に可視情報を記録するための記録用のレーザ光108の透過性が低下することにより、記録感度が低下するおそれがある。このため、親水性オーバーコート層106に含有される微粒子の含有量は、通常、CD−R等の光ディスクにおけるインク受容層(インクジェットプリンター等で記録可能な、光ディスクの最外層)における含有量に比較して少量であることが好ましい。
【0046】
また、樹脂組成物に含有されるカチオン樹脂は、インクジェットプリンターにより印刷された画像に耐水性を付与するため、インクを不溶化する働きがあるものと考えられる。このようなカチオン樹脂としては、分子内にカチオン性部分を含むものであれば特に制限されないが、重量平均分子量は、通常、500以上、好ましくは1,000以上である。また、通常、200,000以下、好ましくは100,000以下の範囲とされる。重量平均分子量が500未満の場合は、画像の耐水性が劣る傾向があり、200,000を超える場合は、分子構造的な立体障害による染料分子との結合効率が悪くなる傾向があるため、微量添加による効果が小さくなる。
【0047】
このようなカチオン樹脂としては、例えば、ポリアクリルアミドのカチオン変成物;アクリルアミドとカチオン性モノマーの共重合体;3級アミノ基含有(メタ)アクリレートのカチオン変性物と他の共重合可能なモノマーとの共重合体;ビニルピロリドン系モノマー、ビニルオキサゾリドン系モノマー又はビニルイミダゾール系モノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体等が挙げられる。また、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドエピクロルヒドリン、ポリビニルピリジニウムハライド等が挙げられる。さらに、特開2000−57635号公報の段落(0025)において一般式で表された、3級アミノ基含有(メタ)アクリレートのカチオン変成物と他の共重合可能なモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0048】
親水性オーバーコート層106を、バインダー樹脂中に微粒子を分散させて微細な空隙を形成する方法において使用するバインダー樹脂としては、前記(1)で挙げた親水性樹脂、前記(2)で挙げたその他の樹脂等が挙げられる。さらに、バインダー樹脂としては、紫外線硬化性のモノマーやオリゴマー等を含有する紫外線硬化性樹脂を使用することが好ましい。一般に、紫外線硬化性樹脂の場合、溶剤が不要または溶剤の使用量が少なく、また塗布等により形成した層を硬化するときに、高温または長時間の加熱を必要としないため、光情報記録媒体への悪影響が少ない点が好ましい。
【0049】
このような紫外線硬化性樹脂としては、ラジカル反応型の樹脂が好適に使用される。ラジカル反応型の紫外線硬化性樹脂は、通常、少なくとも、樹脂オリゴマー成分および光重合開始剤を使用し、更に、必要に応じて樹脂モノマー成分を使用して調製される。樹脂オリゴマー成分や樹脂モノマー成分を種々選択することにより、様々な特性の印刷受容層を得ることが出来る。
【0050】
このような樹脂オリゴマー成分としては、アクリル系オリゴマー、エステル系オリゴマー、ウレタン系オリゴマー、エーテル系オリゴマー等が挙げられる。アクリル系オリゴマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸の重合体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等のアルキル(メタ)アクリレートの重合体が挙げられる。さらに、(メタ)アクリル酸又はアルキル(メタ)アクリレートとこれらのモノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が挙げられる。共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、(o,m,p)ビニルフェノール等の芳香族ビニル化合物;マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸等のビニルカルボン酸化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジル等のグリシジル基含有ビニル化合物;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族アクリレート化合物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の置換アルキルアクリレート化合物;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系化合物;酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸クロライド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
【0051】
また、エステル系オリゴマーとしは、例えば、無水フタル酸とプロピレンオキサイドの開環重合物から成るポリエステルジオールとアクリル酸とのエステル;アジピン酸1,6−ヘキサンジオールから成るポリエステルジオールとアクリル酸とのエステル;トリメリット酸ジエチレングリコールとの反応物から成るトリオールとアクリル酸とのエステル;δ−バレロラクトンの開環重合物とアクリル酸とのエステル等が挙げられる。
【0052】
さらに、ウレタン系オリゴマーとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートと1,6−ヘキサンジオールから成るポリウレタンと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応物;アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールから成るポリエステルジオールとトリレンジイソシアネートとを反応させたジイソシアネートオリゴマーに2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させたもの等が挙げられる。
【0053】
エーテル系オリゴマーとしては、例えば、ポリプロピレングリコールとアクリル酸とのエステル等が挙げられる。その他、エポキシ樹脂にアクリレートを反応させたエポキシ系オリゴマー、ポリアリレート等も樹脂オリゴマー成分として使用することが出来る。
【0054】
また、樹脂モノマー成分としては、単官能モノマーまたは多官能モノマーの何れであってもよいが、印刷受容層における架橋密度を上げて強度を保持するため、多官能モノマー成分を一定量含むことが好ましい。単官能モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等が挙げられる。
【0055】
多官能モノマー成分としては、シクロペンテニールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレートのε−カプロラクトン付加物、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。
【0056】
紫外線硬化性樹脂組成物には光重合開始剤が含有される。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェン、ベンジル、2−クロロチオキサントン、ジイソプロピルチオザンソン、9,10−アントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトン等が挙げられる。尚、紫外線硬化性樹脂組成物には、上記の他、必要に応じ、重合停止剤、保存安定剤、分散剤、消泡剤、紫外線硬化性樹脂以外のバインダー樹脂等が含有されてもよい。
【0057】
尚、(3)バインダー樹脂中に微細な空隙を形成する微粒子を分散させる方法により親水性オーバーコート層106を形成する場合のみならず、(1)親水性樹脂及び/又は親水性モノマーを用いて層を構成する方法、及び、(2)バインダー樹脂中に親水性フィラーを分散させる方法、の場合においても、親水性オーバーコート層106を形成するための材料は紫外線硬化性であることが好ましい。例えば(1)の場合は、親水性樹脂や親水性モノマーに、前述した紫外線硬化性樹脂を構成する各成分を併用することができる。また、(2)の場合には、バインダー樹脂の一部または全部を、前述した紫外線硬化性樹脂を構成する各成分で置き換えることも可能である。本実施の形態が提供される光情報記録媒体100における親水性オーバーコート層106として最も好ましい形態としては、前記(3)の方法において、平均粒径200nm以下の微粒子及びカチオン樹脂を含有する紫外線硬化性樹脂組成物を使用して形成された層である。
【0058】
親水性オーバーコート層106は、前述した各種の有機物質を用いて湿式製膜法により形成されることが好ましい。湿式製膜法としては、前述の保護層104と同様に、スピンコート法、キャスト法、スクリーン印刷法等を採用することができる。なかでも、特に表面の平滑性が高いという点からスピンコート法が好ましい。特に、親水性オーバーコート層106を形成する場合、予め、レーザ光透過性の材料で作成した透明基板を貼り合わせようとすると、基板の正確な位置合わせを行う必要があり、また、接着層に気泡が入らないよう貼り合わせ工程を減圧状態にする等、製造工程上の工夫が種々必要となる。従って、生産性の面からは、親水性オーバーコート層106は、スピンコート、スクリーン印刷等の湿式製膜法により設ける方が有利である。
【0059】
親水性オーバーコート層106の厚さの下限は10μm、好ましくは20μm、厚さの上限は100μm、好ましくは80μmである。親水性オーバーコート層106の厚さが下限値より低い場合、可視情報記録層105の十分な保護機能が保てないおそれがある。また、厚さが上限値より高い場合、親水性オーバーコート層106を塗布により形成する際に、重ね塗布等が必要になり形成工程が複雑になる。さらに、塗布材の硬化収縮によってディスクの反りが大きくなる等の問題が生じるおそれがある。尚、親水性オーバーコート層106の表面における反射率は、例えば、20%以下とすることが好ましい。この場合、親水性オーバーコート層106の屈折率は、0.4以上2.6以下程度が好ましい。また、親水性オーバーコート層106の表面における反射率を10%以下とするには、親水性オーバーコート層106の屈折率は、0.5以上1.9以下であることが好ましい。
【0060】
尚、本実施の形態が適用される光情報記録媒体100には、上述した以外に任意の層を有していても良い。例えば、電子情報記録層102として無機物質からなる記録層を使用する場合には、電子情報記録層102を挟持する誘電体層を設ける等、各層の間または媒体の最外層に任意の層を設けても良い。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本実施の形態が適用される光情報記録媒体を、より具体的に説明する。尚、本実施の形態は、実施例に限定されるものではない。また、実施例中の部及び%は総て重量基準である。
(光情報記録媒体への可視情報の記録方法)
図2は、可視情報記録層を有する光情報記録媒体に可視情報を記録する記録装置を説明するための図である。図2に示された記録装置200は、可視情報記録層を有する光情報記録媒体11に、通常の光ディスクドライブで可視情報記録を行えるようにしたものであり、光情報記録媒体11が装着されるスピンドル12と、スピンドル12を回転させるスピンドルモータ13と、フィード送り用のステッピングモータ14と、ステッピングモータ14により回転するねじ軸15と、任意の位置に移動されるピックアップ16と、を備えている。
【0062】
図2に示すように、この記録装置200は、光情報記録媒体11をスピンドル12に装着してスピンドルモータ13で回転させると共に、フィード送り用のステッピングモータ14でねじ軸15を回転させ、任意の位置にピックアップ16を移動させる。スピンドルモータ13をFGパルス信号にてサーボを行い、光情報記録媒体11を任意の回転数に合わせる。フォーカスサーボにて光情報記録媒体11面に焦点を合わせ、レーザ光17を集光させて光情報記録媒体11に可視情報を書き込む。このときレーザパワーはフロントモニターにより適度なパワーで書き込めるように制御しておく。書きこみ信号は、デューティー約50%のパルスを光情報記録媒体11面にて40〜50mWの出力で照射する。尚、スピンドル回転数は160〜2560rpmである。
【0063】
(実施例)
射出成形により、幅0.45μm、深さ155nmのグルーブを有し、厚さ1.2mmのポリカーボネート樹脂製基板を成形した。この基板上に、含金属アゾ系色素のフッ素アルコール溶液をスピンコートにより塗布し、90℃で15分間乾燥して、厚さ70nmの電子情報記録層を形成した。次に、この電子情報記録層上に、Agをスパッタリングして、厚さ70nmの反射層を形成した。さらにこの反射層の上に、アクリレート系モノマーを主体にした紫外線硬化性樹脂(大日本インキ社製「SD―374」)をスピンコートで塗布した後、紫外線光を照射して硬化させ、厚さ7μmの保護層を形成し、CD−Rを作製した。続いて、この保護層上に、フタリド系ロイコ染料を0.2部、フェノール化合物からなる電子受容性化合物を0.6部、ビスアンスロン系赤外線吸収性色素を0.05部、およびポリメタクリル酸メチル(10%トルエン溶液)4部に、トルエン2部を配合してなる発色性有機色素組成物を、スピンコートにより塗布して、50℃で30分間乾燥して、可視情報記録層を形成した。
【0064】
さらに、この可視情報記録層の上に、一次平均粒径10nm、細孔容積3ml/gの合成シリカ30部、アクリロイルモルホリン35部、ヒドロキシエチルアクリレート10部、カチオン樹脂(三菱化学(株)社製サフトマー)3部及び光重合開始剤2部を配合した紫外線硬化性樹脂組成物をスピンコートにより塗布して、紫外線光を照射して硬化し、厚さ20μmの親水性オーバーコート層(屈折率1.5)を形成し、光情報記録媒体を作製した。
【0065】
このようにして作製した光情報記録媒体を、図2に示した記録装置200にセットし、波長(λ)780nm、出力50mwの低出力レーザ光を、光情報記録媒体のレーベル面側から照射して、可視情報記録層に可視情報を記録したところ、非常に安定してフォーカシングでき、可視情報を記録することができた。また、親水性オーバーコート層に、インクジェットプリンター(Epson社製PM−950C)を用いて印刷したところ、異色間に滲みや混色がない良好な印刷が行えた。
【0066】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、低出力のレーザ光の照射により、媒体に記録された電子情報に影響を及ぼすことなく可視情報を記録することができ、且つ、インクジェットプリンターを用いて印刷可能なレーベル面を有する光情報記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される光情報記録媒体の構造を説明するための図である。
【図2】可視情報記録層を有する光情報記録媒体に可視情報を記録する記録装置を説明するための図である。
【符号の説明】
11,100…光情報記録媒体、12…スピンドル、13…スピンドルモータ、14…ステッピングモータ、15…ねじ軸、16…ピックアップ、17…レーザ光、101…基板、102…電子情報記録層、103…反射層、104…保護層、105…可視情報記録層、106…親水性オーバーコート層、107…レーザ光、108…レーザ光、109…反射光、200…記録装置

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上に直接又は他の層を介して設けられ、当該基板側とは反対側であるレーベル面側から照射された光により可視情報が記録される可視情報記録層と、
    前記可視情報記録層上に直接又は他の層を介して設けられた親水性オーバーコート層と、を備えることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記親水性オーバーコート層は、平均粒径200nm以下の微粒子及びカチオン樹脂を含有する紫外線硬化性樹脂組成物から構成されていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 前記親水性オーバーコート層は、レーザ光透過性であることを特徴とする請求項1又は2記載の光情報記録媒体。
  4. 前記親水性オーバーコート層は、当該親水性オーバーコート層の厚さの下限が10μmであり、上限が100μmの範囲に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の光情報記録媒体。
  5. 前記可視情報記録層は、当該可視情報記録層に照射された光により発色性が変化する材料又は透明性が変化する材料により構成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の光情報記録媒体。
  6. 前記基板上に直接又は他の層を介して設けられ、当該基板側から照射される光により電子情報が記録される電子情報記録層と、
    前記電子情報記録層の前記基板側とは反対側に形成される反射層と、を更に備え、
    前記可視情報記録層は、前記反射層の前記基板側とは反対側に形成されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の光情報記録媒体。
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