JP2004234586A - 支払代行対応資金管理システム、支払代行対応資金管理システム用プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支払側グループAの親会社がグループ所属会社の支払いを支払先ごとにまとめて一括代行支払するときに、支払先の複数の企業が他の同一企業グループBに属するときは、その支払先グループBごとに支払案件をまとめ、そのグループの親会社に送金すると共に、各支払案件の内容を記録した支払明細データを支払先グループBの親会社に送信するように構成する。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、支払代行対応の資金管理システム、特に複数の企業が所属する企業グループにおいて各所属企業の支払代行を含む資金管理を統括的に行うシステム、及びそのシステム用プログラム等に関し、コンピュータによる業務管理技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
複数の企業で構成される企業グループにおいては、各グループ所属企業の資金の一元的な管理が行われているが、その一例として特許文献1には、金融機関に設置した集中口座と企業グループに所属する企業の口座とをリンクさせ、これらの口座間で、グループ所属企業の口座の残高が常にゼロ又は一定金額になるように資金移動させるシステムにおいて、所定の金利で預入利息又は融資利息を算出し、これをグループ所属企業の口座の残高に対して自動的に加算又は減算するようにしたシステムが開示されている。このシステムによれば、複数の企業の資金管理が効率的に行われ、管理コストが低減されることになる。
【0003】
また、これとは別に、グループに所属する各企業の対グループ外企業への支払代行サービスを行うシステムが知られており、これによれば、グループ内の複数の企業からグループ外の同一の企業への支払をまとめて行うことが可能となり、グループ全体としての支払件数を減らし、その手数料を節減することが期待できる。
【0004】
【特許文献1】特開2000−339391号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の支払代行サービスは、グループ所属企業からのグループ外の同一の企業に対する支払をまとめることはできても、グループ外の複数の支払先企業については各支払先企業ごとに支払う必要があり、さらなる支払件数の削減が望まれるところである。
【0005】
そこで、本発明は、グループ所属企業からの各支払案件の支払先企業がグループ外の複数の企業にわたる場合において、これらの支払先企業の全部又は一部が他の特定企業グループに所属する場合に、それらの支払先企業については、支払をまとめて一括して行うことにより、支払件数ないし支払手数料をさらに削減することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0007】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、グループに属する複数の企業の資金を一括管理する支払代行対応資金管理システムに関するものであって、自グループ所属企業からの支払元情報、支払先情報及び支払金額を含む支払依頼データを記録する支払依頼データ記録手段と、該記録手段に記録されている支払依頼データに基づき、支払先企業をそれらの企業が属する企業グループごとにまとめて、各支払先グループごとに、支払総額と各支払案件ごとの支払元情報、支払先情報及び支払金額とを含む支払明細データを作成する支払明細データ作成手段と、上記支払総額に相当する金銭を当該支払先グループへ一括して支払う一括支払手段と、上記支払明細データ作成手段で作成した支払明細データを上記支払先グループへ送付する支払明細データ送付手段とを有することを特徴とする。
【0008】
ここで、上記一括支払手段による一括支払いの態様には、資金管理システムが当該グループの親会社又はキャッシュセンターや、当該グループの取引銀行が加わっているファームバンキングシステムに直接又は間接に支払いを指示する場合などが含まれる。
【0009】
また、支払明細データ送付手段による支払明細データの送付の態様には、資金管理システムが直接支払先グループのシステムや端末コンピュータ等に送付する場合のほか、当該グループの親会社等に備えられた端末コンピュータに対して送付を指示する場合などが含まれる。
【0010】
この発明によれば、自グループに所属する企業からの複数の支払依頼データのうち、支払先企業が他の企業グループに属するものについては、これらの支払がそのグループの資金管理部門に対して一括して行われることになる。
【0011】
つまり、図26(1)に示すように、今、自グループが企業グループAとして、このグループAに属する企業a1、a2のそれぞれから他のグループBに属する2つの企業b1、b2への合計4つの支払案件(a1→b1、a1→b2、a2→b1、a2→b2)が発生したものとすると、これら4つの案件は、同図(2)に示すように、グループA内で同一支払先企業ごとの2つの支払案件(a1,a2→b1、a1,a2→b2)にまとめられるだけでなく、同図(3)に示すように、支払先企業もまとめられて、1つの案件(a1,a2→b1,b2)として実行されることになるのである。したがって、グループ全体としての支払件数が一層削減されることになる。
【0012】
そして、この一括支払の実行時には、支払依頼データに基づき、同図(4)に示すような支払元情報、支払先情報及び支払金額を含む支払明細データが作成されて、支払先グループBに送付されるから、支払先グループBでは、一括送金されてきた金銭をそのグループBに属する支払先企業b1、b2に正しく分配することが可能となる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載のシステムにおいて、
各取引先企業とその所属グループとを関連付けて記録した取引先情報記録手段を有し、支払明細データ作成手段は、支払依頼データに基づいて支払先企業をグループごとにまとめるときに、上記取引先情報記録手段を参照して各支払先企業の所属グループを識別することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、支払依頼企業が、支払依頼の際に、支払先企業がいずれかの企業グループに属するか否か、或いは属する場合にいずれのグループに属するか等を指示しなくても、支払先企業がグループごとに自動的にまとめられることになり、支払依頼企業の担当者の負担が軽減されることになる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、上記請求項1又は請求項2に記載のシステムにおいて、支払明細データ送付手段は、通信ネットワークを介して支払明細データを支払先グループに送付することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、支払明細データの送付がインターネット等の通信ネットワークを介して行われるから、この支払明細データの送付作業が容易化されることになる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、上記請求項1から請求項3のいずれかに記載のシステムにおいて、自グループ所属企業からの請求元情報、請求先情報及び請求金額を含む回収依頼データを記録する回収依頼データ記録手段と、他の企業グループからの一括支払に付随して送付される支払元情報、支払先情報及び支払金額を含む支払明細データを入手する支払明細データ入手手段と、該入手手段によって入手した支払明細データと上記回収依頼データ記録手段に記録されている回収依頼データとを突合し、支払明細データに対応する回収依頼データを消し込む回収依頼データ消込手段とが備えられていることを特徴とする。
【0018】
ここで、上記支払明細データ入手手段による支払明細データの入手の態様には、資金管理システムが直接入手する場合のほか、当該グループの親会社等に備えられた端末コンピュータが入手し、該コンピュータから当該システムにアップロードされる場合などが含まれる。
【0019】
この発明によれば、自グループ所属企業が請求元(支払先)企業となる場合に、請求先(支払元)企業グループからの一括送金と共に送付されてくる支払明細データに基づき、送金された金銭が該当する回収依頼企業に分配されると共に、予め回収依頼データ記録手段に記録されている自グループ所属企業からの回収依頼データと上記支払明細データとが突合されて、回収依頼データの消し込み処理が行われることになる。したがって、自グループが請求元となる場合の入金処理の効率が向上することになる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載のシステムにおいて、支払明細データとこれに対応する回収依頼データとの一致状態を判定する一致状態判定手段と、消し込み可否の基準となる照合レベルを設定する照合レベル設定手段と、該設定手段で設定された照合レベルと上記判定手段で判定された一致状態とに基づき、回収依頼データの消し込みの可否を判定する消込可否判定手段とが設けられていることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、一括支払があった場合において、回収側システムが回収依頼データと支払明細データとを突合させたときに、その一致の度合いに応じて回収依頼データの消し込みの可否が予め設定した基準に従って自動的に判定されるので、消し込み処理が容易化されると共に、担当者が対応しないデータを誤って消し込むといった事態が防止される。
【0022】
さらに、請求項6に記載の発明は、上記請求項4又は請求項5に記載のシステムにおいて、自グループの資金管理部門と所属企業との間の資金の貸借関係を記録する貸借関係記録手段と、一括支払手段によって一括支払を実行したとき又は消込手段によって回収依頼データを消し込んだときに、上記資金管理部門と一括支払の対象となった支払依頼企業又はデータ消し込みの対象となった回収依頼企業との間の資金の貸借関係を清算し、上記貸借関係記録手段に記録されている残高を更新する貸借関係更新手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、企業グループの資金管理部門が例えばキャッシュセンター等の親会社の財務部門であり、グループ所属企業が子会社である場合等において、これらの間に金銭貸借関係が設定されている場合に、支払元の企業グループにおいては、一括支払実行時に、親会社の子会社に対する貸付金が増額されもしくは預り金が減額され、また、支払先の企業グループにおいては、一括支払受領時に、親会社の子会社に対する貸付金が減額されもしくは預り金が増額されて、各グループ内での貸借関係の更新が自動的に行われることになり、企業グループ内における資金管理業務がさらに簡便化されることになる。
【0024】
一方、請求項7に記載の発明は、グループに属する複数の企業の資金を一括管理する支払代行対応資金管理システム用のプログラムに関するものであって、コンピュータを、自グループ所属企業からの支払元情報、支払先情報及び支払金額を含む支払依頼データを記録する支払依頼データ記録手段、該記録手段に記録されている支払依頼データに基づき、支払先企業をそれらの企業が属する企業グループごとにまとめて、各支払先グループごとに、支払総額と各支払案件ごとの支払元情報、支払先情報及び支払金額とを含む支払明細データを作成する支払明細データ作成手段、上記支払総額に相当する金銭を当該支払先グループへ一括して支払う一括支払手段、及び、上記支払明細データ作成手段で作成した支払明細データを上記支払先グループへ送付する支払明細データ送付手段として機能させることを特徴とする。
【0025】
また、請求項8に記載の発明は、上記請求項7に記載のプログラムにおいて、コンピュータを、各取引先企業とその所属グループとを関連付けて記録した取引先情報記録手段として機能させると共に、支払明細データ作成手段として機能させるときは、支払依頼データに基づいて支払先企業をグループごとにまとめるときに、上記取引先情報記録手段を参照して各支払先企業の所属グループを識別するように機能させることを特徴とする。
【0026】
また、請求項9に記載の発明は、上記請求項7又は請求項8に記載のプログラムにおいて、コンピュータを支払明細データ送付手段として機能させるときは、通信ネットワークを介して支払明細データを支払先グループに送付するように機能させることを特徴とする。
【0027】
また、請求項10に記載の発明は、上記請求項7から請求項9のいずれかに記載のプログラムにおいて、コンピュータを、自グループ所属企業からの請求元情報、請求先情報及び請求金額を含む回収依頼データを記録する回収依頼データ記録手段、他の企業グループからの一括支払に付随して送付される支払元情報、支払先情報及び支払金額を含む支払明細データを入手する支払明細データ入手手段、及び、該入手手段によって入手した支払明細データと上記回収依頼データ記録手段に記録されている回収依頼データとを突合し、支払明細データに対応する回収依頼データを消し込む回収依頼データ消込手段として機能させることを特徴とする。
【0028】
また、請求項11に記載の発明は、上記請求項10に記載のプログラムにおいて、コンピュータを、支払明細データとこれに対応する回収依頼データとの一致状態を判定する一致状態判定手段、消し込み可否の基準となる照合レベルを設定する照合レベル設定手段、及び、該設定手段で設定された照合レベルと上記判定手段で判定された一致状態とに基づき、回収依頼データの消し込みの可否を判定する消込可否判定手段として機能させることを特徴とする。
【0029】
さらに、請求項12に記載の発明は、上記請求項10又は請求項11に記載のプログラムにおいて、コンピュータを、自グループの資金管理部門と所属企業との間の資金の貸借関係を記録する貸借関係記録手段、及び、一括支払手段によって一括支払を実行したとき又は消込手段によって回収依頼データを消し込んだときに、上記資金管理部門と一括支払の対象となった支払依頼企業又はデータ消し込みの対象となった回収依頼企業との間の資金の貸借関係を清算し、上記貸借関係記録手段に記録されている残高を更新する貸借関係更新手段として機能させることを特徴とする。
【0030】
これらの請求項7から請求項12に記載の発明は、上記請求項1から請求項6に記載のシステムにそれぞれ対応するもので、当該プログラムをコンピュータに適用して実行することにより、対応するシステムについての上記作用と同様の作用が得られる。
【0031】
さらに、請求項13に記載の発明は、上記請求項7から請求項12のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、この記録媒体をコンピュータに適用して、請求項7から請求項12のいずれかに記載のプログラムを実行させることにより、上記請求項1から請求項6のいずれかに記載のシステムについての上記作用と同様の作用が得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る資金管理システムについて説明する。なお、このシステムを機能させるコンピュータプログラムは本発明に係る資金管理システム用プログラムの実施の形態を構成する。
【0033】
図1は、本実施の形態に係る資金管理システム10Aを備えた企業グループAの構成と、その取引相手として例示した企業グループBの構成とを示すもので、これらの企業グループA、Bは、それぞれ親会社と複数の子会社とで構成されており、相手先企業グループBにも、上記システム10Aと同様の資金管理システム10Bが備えられているものとする。
【0034】
これらの資金管理システム10A、10Bはいずれもコンピュータで構成され、中央処理装置11と、コンピュータを作動させるプログラムや各種データを記録した記録装置12と、外部の端末や外部のシステムとの間での通信を制御する通信制御装置13とを有する。
【0035】
両システム10A、10Bは、上記通信制御装置13により、グループ内ネットワーク21A、21Bを介して、親会社に設置されたキャッシュセンター等の当該企業グループ全体の資金管理を行う部門の端末コンピュータ(以下、「親会社端末」という)22A、22Bと、当該企業グループを構成する各子会社の端末コンピュータ(以下、「子会社端末」という)23A…、23B…とにそれぞれ接続されている。
【0036】
そして、両グループA、Bの親会社端末22A、22Bは、インターネットや公衆回線等の通信ネットワーク31を介して互いに情報交換可能に接続されており、また、両システム10A、10B及び両グループの親会社端末22A、22Bは、上記通信ネットワーク31を介してファームバンキングシステム32に接続され、取引銀行に設けられた自グループの口座内容の照会が可能とされ、また、それぞれの取引銀行を介してグループ間での送金が可能とされている。
【0037】
一方、資金管理システム10A(システム10Bについても同様)の記録装置12には、図2に示すように、プログラム記録部12aとデータ記録部12bとが設けられており、プログラム記録部12aには、当該システムを所定の機能を実現するように作動させるプログラムがインストールされている。また、データ記録部12bには、グループマスター、子会社資金管理テーブル、取引先マスター、取引先口座マスター、支払依頼テーブル、一括支払テーブル、回収依頼テーブル、明細受信記録テーブル、及び支払明細テーブルが設けられている。
【0038】
これらのうち、グループマスター、及び子会社資金管理テーブルは、自グループ内での管理に用いるものであり、取引先マスター及び取引先口座マスターは、具体的取引が発生する前に予め取引先に関する必要なデータを登録しておくためのものである。また、支払依頼テーブル及び一括支払テーブルは、自グループの会社が他のグループの会社への支払元となる場合に用いるものであり、回収依頼テーブル、明細受信記録テーブル及び支払明細テーブルは、自グループの会社が他のグループの会社への請求元となる場合に用いるものである。
【0039】
ここで、これらのマスター及びテーブルの構成を企業グループAのシステム10Aの場合を例にとって説明すると、まず、グループマスターは、自グループAを構成する会社(親会社及び子会社)の情報を登録するもので、図3に示すように、各会社のコード及び名称と、各会社内で取引の主体となる事業部のコードと名称とが記録されるようになっている。なお、図3では、「○○工業株式会社」がグループAの親会社であることを示している。
【0040】
また、子会社資金管理テーブルは、グループ内において親会社と子会社(又はその事業部)との間の資金の貸借関係を記録するもので、図4に示すように、子会社の会社コード及び事業部コードと、貸借関係に変動が生じた日付と、その変動の原因となった預り金又は貸付金の金額と、預り金の残高とが記録されるようになっている。
【0041】
また、取引先マスターは、自グループ所属会社又はその事業部の取引先となる会社の情報を登録するもので、図5に示すように、取引先の会社のコード及び名称と、その会社内で取引の主体となる事業部のコード及び名称と、その会社が属する企業グループの親会社のコードと名称とが記録されるようになっている。なお、図4では、「△△商事株式会社」が取引先グループBの親会社であることを示している。企業グループに属さない会社については、親会社のコードと名称は記録されない。
【0042】
さらに、取引先口座マスターは、取引先会社が属する企業グループの親会社又は親会社に設けられたキャッシュセンター等の資金管理部門の取引銀行に関する情報を記録するもので、図6に示すように、親会社のコード及び名称と、その会社の取引銀行の名称及び番号、支店の名称及び番号、科目の名称及び番号、口座の名義及び番号とが記録されるようになっている。
【0043】
一方、支払依頼テーブルは、自グループ所属会社から資金管理システム10Aへの支払依頼に関する情報を1件ごとに記録するもので、図7に示すように、各支払依頼案件ごとに、支払依頼時に付与される支払依頼IDをキーとして、支払依頼会社の会社コード、事業部コード、担当者名及び承認者名と、支払依頼の入力日時と、取引先からの請求案件に付されている請求番号と、支払金額と、支払日と、支払先の会社の会社コード、会社名、事業部コード及び事業部名と、備考とが記録されるようになっている。
【0044】
そして、当該支払依頼案件を含む一括支払の完了時に、一括支払IDと、一括支払時に各案件ごとに付与される明細番号と、支払依頼会社が送金手数料を負担する場合の子会社負担手数料の額と、相手方が送金手数料を負担する場合の相手方負担手数料の額とが記録され、さらに、支払済みフラグの欄に支払が完了したことを示す「1」が記録されるようになっている。
【0045】
また、一括支払テーブルは、自グループ所属会社からの支払依頼に基づいて他の企業グループの親会社に一括支払を行う場合の情報を記録するもので、図8に示すように、一括支払実行時に付与される一括支払IDをキーとして、支払元である自グループの親会社の取引銀行の銀行番号、支店番号、科目番号及び口座番号と、支払先となるグループの親会社の会社コード及び事業部コードと、その支払先の取引銀行の銀行番号、支店番号、科目番号及び口座番号とが記録されるようになっている。
【0046】
ここで、支払側で記録される上記支払依頼テーブルと一括支払テーブルの各データは、上記一括支払IDにより関連付けられるようになっている。
【0047】
さらに、回収依頼テーブルは、グループAに属する会社が請求元となる場合に、自グループの資金管理システム10Aに対する回収依頼に関する情報を1件ごとに記録するもので、図9に示すように、各回収依頼案件ごとに、回収依頼時に付与される回収依頼IDをキーとして、回収依頼会社の会社コード、事業部コード、担当者名及び承認者名と、回収依頼の入力日時と、請求案件ごとに付与した請求番号と、請求金額と、回収予定日と、請求先の会社の会社コード、会社名、事業部コード及び事業部名と、備考とが記録されるようになっている。
【0048】
そして、当該回収依頼案件についての回収完了時に、相手方からの一括支払時に送付される支払明細データに付与された支払明細データIDと、その一括支払による実回収日及び実回収金額とが記録され、さらに、消し込みフラグの欄に回収が完了したことを示す「1」が記録されるようになっている。
【0049】
また、明細受信記録テーブルは、支払元から一括支払と共に電子メールとして送信されてきた支払明細データ(図19参照)のDEF部分及びHEAD部分を記録するもので、図10に示すように、支払明細データの記録時に付与される受信IDをキーとして、この支払明細データを受信した支払先グループ(自グループA)の親会社における担当者及び承認者の名前と、その親会社の端末22Aから当該支払明細データが管理システム10Aにアップロードされた入力日時と、当該支払明細データを受信した日時と、支払明細データのDEF情報及びHEAD情報とが記録されるようになっている。
【0050】
このDEF情報としては、今回の送信を特定するための管理番号と、送信日時とが記録され、また、HEAD情報としては、支払明細データの件数と、全案件についての請求金額の総額と、今回の支払について支払元で負担した送金手数料と、総請求金額から送金手数料を差し引いた総支払金額と、支払日と、支払先グループの取引銀行の銀行名、銀行番号、支店名、支店番号、科目名、科目番号、口座名義及び口座番号とが記録されるようになっている。
【0051】
また、支払明細テーブルは、請求先から一括支払と共に電子メールとして送信されてきた上記支払明細データのDATA部分の内容を支払案件1件ごとに記録するもので、図11に示すように、その記録時に付与される支払明細データIDをキーとして、当該支払明細データの受信時に付与される受信IDと共に、支払明細データを構成している明細番号と、請求金額と、支払元で負担した送金手数料と、請求金額から手数料を差し引いた支払金額と、支払先グループの親会社の会社コード、会社名、事業部コード及び事業部名と、支払先グループの親会社の会社コード、会社名、事業部コード及び事業部名と、請求時に付与した請求番号と、備考とが記録されるようになっている。
【0052】
ここで、回収側で記録される上記回収依頼テーブル、明細受信記録テーブル及び支払明細テーブルの各データのうち、明細受信記録テーブルと支払明細テーブルの各データは受信IDによって関連付けられ、回収依頼テーブルと支払明細テーブルの各データは支払明細データで関連付けられるようになっている。
【0053】
次に、企業グループAの複数の子会社が、取引先企業グループBの複数の子会社から送付されてきた請求書を受け取り、これらの請求に対し、企業グループAの親会社(○○工業株式会社)に備えられた資金管理システム10Aが、企業グループBの親会社(△△商事株式会社)に備えられた資金管理システム10Bに対して一括代行支払を行う場合を例として、図12に示す業務フロー図に従い、本実施の形態に係る資金管理システムないし同システム用プログラムの動作を説明する。
【0054】
まず、図12に示す事前処理として、両グループA、Bの親会社端末22A、22Bは、自グループを構成する会社に関する情報を自グループの資金管理システム10A、10Bの記録装置12、12にそれぞれ入力する。この自グループの会社情報は、図3に示すグループマスターに登録される。
【0055】
また、両グループA、Bの親会社端末22A、22Bは、両グループ間での取引開始時やその後の所定の時期に、資金管理システム10A、10Bの記録装置12、12にグループマスターとして登録されている自グループの会社情報をダウンロードし、これを取引先企業グループの親会社端末22B、22Aに、電子メールにより通信ネットワーク31を介して送付する。また、この会社情報の交換に際しては、自グループの取引銀行に関する情報も交換する。
【0056】
そして、両グループA、Bの親会社は、受信した取引先グループの会社情報及びその取引銀行情報を端末22A、22Bから自グループの資金管理システム10A、10Bにアップロードする。これにより、取引先グループの会社情報は、そのグループの親会社に関する情報が付加された上で、図5に示す取引先マスターとして、取引銀行情報は、図6に示す取引先口座マスターとして、両システム10A、10Bの記録装置12、12にそれぞれ登録される。
【0057】
なお、このマスターの交換は、通信ネットワーク31を介することなく、両グループ親会社の担当者により直接或いは郵送等により行ってもよい。
【0058】
次に、グループBの子会社からグループAの子会社に対して、商品やサービスの対価等としての費用請求事案が発生し、前者の請求元子会社から後者の請求先子会社へ請求書が送付されたものとする。
【0059】
このとき、図12に符号aで示すように、支払側となるグループAの子会社は、受け取った請求書に対する支払承認を受けた後、端末23Aから自グループの資金管理システム10Aに対して支払依頼登録を行う。また、回収側となるグループBでは、符号bで示すように、請求書を発行した子会社が端末23Bから自グループの資金管理システム10Bに対して回収依頼登録を行う。
【0060】
グループAの子会社による支払依頼登録は、具体的には次のように行われる。即ち、自社の端末23Aから自グループの資金管理システム10Aにアクセスし、支払依頼登録機能を選択すれば、図13に示す支払依頼登録画面W1が表示されるので、この画面W1上で、その子会社の担当者が、請求書に付されていた請求番号、支払日、支払金額、支払先(請求元)の会社の会社コード及び事業部コード、並びに備考その他の必要事項を入力する。
【0061】
なお、支払依頼会社名及び事業部名は、システム10Aがアクセスしている端末23Aを識別し、図3のグループマスターから読み出して画面W1に表示し、また、支払先の会社名及び事業部名は、入力されたコードをキーとして、図5に示す取引先マスターから読み出して表示する。
【0062】
そして、OKボタンB1をクリックすれば、この支払依頼データが、図7に示す支払依頼テーブルに新たなレコードとして登録される。
【0063】
一方、グループBにおいては、子会社の担当者が端末23Bから自グループの資金管理システム10Bにアクセスし、回収依頼登録機能を選択すれば、図14に示す回収依頼登録画面W2が表示されるので、この画面W2上で、請求元子会社の担当者が所定の事項を入力することになる。即ち、請求書に付した請求番号、回収予定日、請求金額、請求先の会社の会社コード及び事業部コード、並びに備考その他の必要事項を入力する。
【0064】
なお、回収依頼会社名及び事業部名は、システム10Bがアクセスしている端末23Bを識別し、グループマスターから読み出して画面W2に表示し、また、請求先の会社名及び事業部名は、入力されたコードをキーとして、取引先マスターから読み出して表示する。
【0065】
そして、OKボタンB2をクリックすれば、この回収依頼データは、図15に示す回収依頼テーブルに新たなレコードとして登録される。なお、図15の回収依頼テーブルは、図8にグループAにおけるシステム10Aの構成要素として説明した回収依頼テーブルと同じものである。
【0066】
以上のようにして、グループAにおいては、資金管理システム10Aの記録装置12に設けられた図7の支払依頼テーブルに、自グループの子会社からの支払依頼データが蓄積され、グループBにおいては、資金管理システム10Bの記録装置12に設けられた図15の回収依頼テーブルに、自グループの子会社からの回収依頼データが蓄積されることになる。
【0067】
その場合に、支払側のシステム10Aの支払依頼テーブルには、企業グループB以外のグループに属する会社や、いずれの企業グループにも属さない会社への支払依頼データも記録される。同様に、回収側のシステム10Bの回収依頼テーブルには、企業グループA以外のグループに属する会社や、いずれの企業グループにも属さない会社に対する回収依頼データも記録される。また、当然ながら、システム10Aにおいて回収依頼テーブルに回収依頼データが記録され、システムBにおいて支払依頼テーブルに支払依頼データが記録される場合もある。
【0068】
そして、所定の時点で、支払側のグループAから回収側のグループBへの一括支払が次のようにして実行される。
【0069】
まず、図12に符号cで示すように、企業グループAの親会社の担当者が、自グループの資金管理システム10Aに一括支払を指示する。即ち、親会社端末22Aからシステム10Aにアクセスし、一括支払機能を選択すれば、図16に示す一括支払選択画面W3が表示されるので、この画面W3上で支払日を期間として指定する。このとき、図7の支払依頼テーブルに記録されている支払依頼データのうち、指定した期間内に支払日が属するデータが抽出され、これらのデータが支払先グループ親会社の会社コードごとにまとめられて、各グループへの支払依頼件数と総支払金額とが支払先グループごとに表示される。
【0070】
そこで、支払元グループ親会社の担当者は、この画面W3に表示された支払先グループのうち今回支払を実行するグループを選択し、支払確認ボタンB3をクリックする。なお、その際に、グループを選択して詳細表示ボタンB4をクリックすれば、そのグループへの支払依頼の内訳が表示される。
【0071】
上記支払確認ボタンB3をクリックすると、次に、図17に示す一括支払実行画面W4が表示される。今、図16の一括支払選択画面W3上で、今回の一括支払対象グループとして企業グループB(△△商事グループ)を選択したものとすれば、この一括支払実行画面W4には、企業グループBに対するトータルの支払依頼件数及び総支払金額が改めて表示されると共に、そのグループBの親会社端末22Bのメールアドレスと、支払元となる自グループAの取引銀行についての情報とが表示される。
【0072】
そして、その表示内容を確認した上で、グループAの親会社の担当者が支払ボタンB5をクリックすれば、グループAからグループBへの一括支払が実行される。
【0073】
この一括支払は、図18に示すフローチャートに従って次のように行われる。
【0074】
まず、ステップS1で、前述の支払依頼テーブルから、支払日が指定された期間内に属し、かつ支払先会社の親会社が画面W3で選択したデータの親会社と一致しているデータを抽出する。その場合に、支払明細テーブルに記録されている支払先会社の親会社は図5の取引先マスターを参照して認識される。そして、ステップS2で、抽出したデータに基づき一括支払データを作成する。
【0075】
この一括支払データは、今回実行する一括支払のIDと、支払元の口座となるグループAの親会社の取引銀行の口座に関する情報と、支払先グループの親会社の会社コード及び事業部コードと、支払先の口座となるグループBの親会社の取引銀行の口座に関する情報と、次に説明する支払明細データに付される管理番号とで構成される。その場合に、支払先の口座に関する情報は図6の取引先口座マスターから読み出される。
【0076】
そして、この一括支払データは、図8の一括支払テーブルに新たなレコードとして記録される。
【0077】
次に、ステップS3で、支払先の親会社端末22Bに送信する支払明細データを作成する。この支払明細データは、図19に示すように、DEF情報、HEAD情報、DATA情報、及びEND情報で構成され、前述のように、DEF情報は、今回の送信を特定するための管理番号と、送信日時とで構成され、HEAD情報は、上記の管理番号と、支払明細の件数と、全案件についての請求金額の総額と、支払元で負担する送金手数料と、総請求金額から送金手数料を差し引いた総支払金額と、支払日と、支払先グループの親会社の取引銀行の銀行名、銀行番号、支店名、支店番号、科目名、科目番号、口座名義及び口座番号とで構成される。
【0078】
また、DATA情報は、今回の一括支払の対象となっている複数の支払案件の内容を1件ごとに送信するもので、各案件ごとに、上記の管理番号と、当該支払案件の明細番号と、請求金額と、支払元で負担した送金手数料と、請求金額から送金手数料を差し引いた支払金額と、支払先子会社の会社名、会社コード、事業部名及び事業部コードと、請求時に付与した請求番号と、支払元子会社の会社名、会社コード、事業部名及び事業部コードと、備考とで構成される。さらに、END情報は、上記の管理番号で構成される。
【0079】
そして、図18のフローチャートのステップS4で、この支払明細データを、図20に示すように自動的に作成される電子メール本文の添付書類として、支払先企業グループの親会社端末22Bに送信すると共に、ステップS5で、ファームバンキングシステム32に対し、自グループAの取引銀行から支払先グループBの取引銀行へ総支払金額に相当する金額の支払いを実行するよう指示する。
【0080】
次いで、ステップS6で、図7の支払依頼テーブルに登録されている支払依頼データのうちの今回の一括支払の対象となったデータについて、支払完了時記録欄に、支払完了情報として、上記支払明細データの作成時に付与した一括支払IDと、明細番号と、支払元子会社が手数料を負担した場合の子会社負担手数料、又は支払先で手数料を負担する場合の相手方手数料とを記録し、かつ支払済みフラグの欄に「1」を記録する。
【0081】
そして、今回の一括支払により支払を代行した子会社に対する貸付金が代行支払分だけ増加し、或いは預り金が代行支払分だけ減少するので、ステップS7で、その貸借関係を清算し、図4の子会社資金管理テーブルにおける預り金の残高を更新し、支払側の処理を終了する。
【0082】
一方、支払元グループAの親会社端末22Aから支払明細データを電子メールによって受信したグループBの親会社は、端末22Bによりファームバンキングシステム32を介して自グループの取引銀行への入金があったか否かを確認する。そして、入金を確認すれば、図12に符号dで示すように、端末22Bから自グループの資金管理システム10Bにアクセスし、受信した上記支払明細データを該システム10Bにアップロードする。
【0083】
このとき、資金管理システム10Bの記録装置12においては、図21に示す明細受信記録テーブルに、受信ID、自グループBの親会社の担当者及び承認者、入力日時(アップロード日時)、及び電子メールの受信日時等と共に、支払明細データのうちのDEF情報及びHEAD情報、即ち管理番号、送信日時、明細件数、総請求金額、送金手数料、総支払金額、支払日、並びに支払先、即ち入金があった自グループBの取引銀行の口座に関する情報が記録される。
【0084】
また、図22に示す支払明細テーブルに、支払案件の1件ごとに、上記受信IDと共に、支払明細デーのうちの各DATA情報の内容、即ち明細番号、請求金額、支払元負担の送金手数料、支払金額と、支払先である自グループBの親会社に関する情報、支払元であるグループAの親会社に関する情報、請求時に付与した請求番号、及び備考が記録される。
【0085】
ここで、図21、図22の明細受信記録テーブル及び支払明細テーブルは、グループAの資金管理システム10Aの構成要素として説明した図10、図11の明細受信記録テーブル及び支払明細テーブルと同じものである。
【0086】
そして、グループBの親会社の担当者が、図12に符号eで示すように、端末22Bから資金管理システム10Bにアクセスした状態で、回収依頼消込み機能を選択すれば、端末22Bに図23に示す回収依頼消し込み画面W6が表示され、この画面W6上で消し込みを指示すれば、アップロードされて図22の支払明細テーブルに記録された各支払明細データと、図15の回収依頼テーブルに既に記録されている各回収依データとの突合ないし消し込みが行われることになる。
【0087】
この消し込み処理は、図24、図25のフローチャートに示すように行われる。
【0088】
まず、図24のフローチャートは、上記消し込み画面W6に回収依頼データと支払明細データとを対応付けて表示するためのもので、ステップS11で、支払明細テーブルから1件の支払明細データを読み込み、次にステップS12で、請求番号をキーとして回収依頼テーブルから対応する回収依頼データを抽出する。
【0089】
次に、ステップS13で、請求番号が一致する回収依頼データと支払明細データの内容を照合し、一致の状態を判定する。即ち、両データの全ての情報が完全に一致しているか(完全一致)、少なくとも請求先会社の会社コードと請求金額とが一致しているか(請求一致)、或いは会社コード又は請求金額の少なくとも一方が一致していないか(不一致)等、一致の状態を判定する。
【0090】
そして、ステップS14で、予め設定され或いは上記消し込み画面W6の照合レベル設定ボタンB6を用いて設定された照合レベルを基準とし、判定した一致の状態が消し込みを許容してもよい状態か否かを判定する。
【0091】
そして、これらの処理を全支払明細データについて終了すれば、ステップS15からステップS16を実行し、対応する回収依頼データと支払明細データとを画面W6に並べて表示すると共に、判定した一致の状態(照合結果)と、消し込みの可否とを表示する。
【0092】
ここで、消し込みの可否はチェックボックスC1によって表示され、消し込み可能なデータはON表示されるようになっている。今、図示した画面W6上では符号f、gで示すデータが、請求先会社の事業部情報において一致しないため、「完全一致」とならず、「請求一致」と表示されている。そして、照合レベルが「完全一致」のみを消し込み可能とするレベルに設定されているため、これらのデータf、gについてはチェックボックスC1が、消し込み不可を示すOFF表示となっている。
【0093】
この場合、担当者がレベル設定ボタンB6を用いて、照合レベルを「請求一致」でも消し込みを許容するレベルに変更することにより、或いは例えば問い合せボタンB7を用いて関係者に問い合わせた上で、チェックボックスC1を直接操作することにより、これをON表示に切り替えることが可能とされている。
【0094】
なお、画面W6へのデータの表示内容としては、図23に示す情報のほか、図示していないが、請求番号や請求元会社に関する情報も表示されるようになっている。
【0095】
以上のようにして、消し込み対象データが決定すれば、画面W6の消し込み実行ボタンB8をクリックすることになり、これにより、図25に示すフローチャートに従って消し込み処理が行われる。
【0096】
つまり、ステップS21で、消し込み対象データ、即ち上記チェックボタンC1がON表示されているデータについて、図15の回収依頼テーブルの回収完了時記録欄に消し込み完了情報、即ち図22の支払明細テーブルのデータを参照するための支払明細データID、実回収日及び実回収金額が記録されると共に、消し込みフラグ欄に「1」が記録される。
【0097】
そして、今回の回収処理により親会社の請求元子会社に対する貸付金が回収分だけ減少し、或いは預り金が回収分だけ増加するので、ステップS22で、その貸借関係を清算し、図4の子会社資金管理テーブルと同様のシステム10Bの記録装置12に設けられた子会社資金管理テーブルの預り金の残高を更新し、回収側の処理を終了する。
【0098】
なお、以上の説明は、グループAの資金管理システム10Aが支払側の機能を実行し、グループBの資金管理システム10Bが回収側の機能を実行した場合のものであるが、両システム10A、10Bは同じ構成を備えているので、その逆に機能することも可能である。
【0099】
また、他の実施の形態として、回収側の機能を具備しないシステムが存在する。このシステムは、図9(図15)の回収依頼テーブル、図10(図21)の明細受信記録テーブル、及び図11(図22)の支払明細テーブルを備えていない。この場合、回収側グループでは、親会社が、送信されてくる支払明細データに基づき、他のシステムを用いて或いは手作業で、グループ内子会社からの回収依頼データの消し込み処理を行うことになる。
【0100】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、企業グループの親会社に設けられたキャッシュセンター等の資金管理部門がグループ所属企業のグループ外企業への支払を代行する場合に、その支払先企業も他の企業グループに属する案件については、そのグループの資金管理部門等に一括して支払うようにしたから、自グループ内の企業で発生した複数の支払案件が支払先ごとにまとめられるだけでなく、支払先についても同一企業グループに属する複数の支払先がまとめられることになる。
【0101】
その結果、個々の支払案件の数に対して実際の支払件数が大幅に削減され、送金手数料ないしグループ全体としての資金管理経費が効果的に節減されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を含むネットワークの構成示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る資金管理システムの記録装置の記録内容の説明図である。
【図3】同記録装置に記録されているグループマスターの説明図である。
【図4】同じく子会社資金管理テーブルの説明図である。
【図5】取引マスターの説明図である。
【図6】取引先口座マスターの説明図である。
【図7】支払依頼テーブルの説明図である。
【図8】一括支払テーブルの説明図である。
【図9】回収依頼テーブルの説明図である。
【図10】明細受信記録テーブルの説明図である。
【図11】支払明細テーブルの説明図である。
【図12】資金管理システムの動作を含む業務フロー図である。
【図13】親会社端末に表示された支払依頼登録画面の説明図である。
【図14】取引先親会社端末に表示された回収依頼画面の説明図である。
【図15】取引先システムにおける回収依頼テーブルの記録内容の説明図である。
【図16】親会社端末に表示された一括支払選択画面の説明図である。
【図17】同じく一括支払実行画面の説明図である。
【図18】一括支払動作を示すフローチャートである。
【図19】取引先に送信される支払明細データの説明図である。
【図20】同じくメール本文の説明図である。
【図21】取引先システムにおける明細受信記録テーブルの記録内容の説明図である。
【図22】同じく支払明細テーブルの記録内容の説明図である。
【図23】取引先親会社端末に表示された回収依頼消し込み画面の説明図である。
【図24】取引先親会社システムにおける消し込み画面表示動作を示すフローチャートである。
【図25】取引先システムにおける消し込み動作を示すフローチャートである。
【図26】本発明の作用説明図である。
【符号の説明】
10A 資金管理システム
12 記録装置
12a プログラム記録部
12b データ記録部
22A 親会社端末
23A 子会社端末
Claims (13)
- グループに属する複数の企業の資金を一括管理するシステムであって、自グループ所属企業からの支払元情報、支払先情報及び支払金額を含む支払依頼データを記録する支払依頼データ記録手段と、該記録手段に記録されている支払依頼データに基づき、支払先企業をそれらの企業が属する企業グループごとにまとめて、各支払先グループごとに、支払総額と各支払案件ごとの支払元情報、支払先情報及び支払金額とを含む支払明細データを作成する支払明細データ作成手段と、上記支払総額に相当する金銭を当該支払先グループへ一括して支払う一括支払手段と、上記支払明細データ作成手段で作成した支払明細データを上記支払先グループへ送付する支払明細データ送付手段とを有することを特徴とする支払代行対応資金管理システム。
- 各取引先企業とその所属グループとを関連付けて記録した取引先情報記録手段を有し、支払明細データ作成手段は、支払依頼データに基づいて支払先企業をグループごとにまとめるときに、上記取引先情報記録手段を参照して各支払先企業の所属グループを識別することを特徴とする請求項1に記載の支払代行対応資金管理システム。
- 支払明細データ送付手段は、通信ネットワークを介して支払明細データを支払先グループに送付することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支払代行対応資金管理システム。
- 自グループ所属企業からの請求元情報、請求先情報及び請求金額を含む回収依頼データを記録する回収依頼データ記録手段と、他の企業グループからの一括支払に付随して送付される支払元情報、支払先情報及び支払金額を含む支払明細データを入手する支払明細データ入手手段と、該入手手段によって入手した支払明細データと上記回収依頼データ記録手段に記録されている回収依頼データとを突合し、支払明細データに対応する回収依頼データを消し込む回収依頼データ消込手段とが備えられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の支払代行対応資金管理システム。
- 支払明細データとこれに対応する回収依頼データとの一致状態を判定する一致状態判定手段と、消し込み可否の基準となる照合レベルを設定する照合レベル設定手段と、該設定手段で設定された照合レベルと上記判定手段で判定された一致状態とに基づき、回収依頼データの消し込みの可否を判定する消込可否判定手段とが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の支払代行対応資金管理システム。
- 自グループの資金管理部門と所属企業との間の資金の貸借関係を記録する貸借関係記録手段と、一括支払手段によって一括支払を実行したとき又は消込手段によって回収依頼データを消し込んだときに、上記資金管理部門と一括支払の対象となった支払依頼企業又はデータ消し込みの対象となった回収依頼企業との間の資金の貸借関係を清算し、上記貸借関係記録手段に記録されている残高を更新する貸借関係更新手段とを備えたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の支払代行対応資金管理システム。
- グループに属する複数の企業の資金を一括管理するシステム用のプログラムであって、コンピュータを、自グループ所属企業からの支払元情報、支払先情報及び支払金額を含む支払依頼データを記録する支払依頼データ記録手段、該記録手段に記録されている支払依頼データに基づき、支払先企業をそれらの企業が属する企業グループごとにまとめて、各支払先グループごとに、支払総額と各支払案件ごとの支払元情報、支払先情報及び支払金額とを含む支払明細データを作成する支払明細データ作成手段、上記支払総額に相当する金銭を当該支払先グループへ一括して支払う一括支払手段、及び、上記支払明細データ作成手段で作成した支払明細データを上記支払先グループへ送付する支払明細データ送付手段として機能させることを特徴とする支払代行対応資金管理システム用プログラム。
- コンピュータを、各取引先企業とその所属グループとを関連付けて記録した取引先情報記録手段として機能させると共に、支払明細データ作成手段として機能させるときは、支払依頼データに基づいて支払先企業をグループごとにまとめるときに、上記取引先情報記録手段を参照して各支払先企業の所属グループを識別するように機能させることを特徴とする請求項7に記載の支払代行対応資金管理システム用プログラム。
- コンピュータを支払明細データ送付手段として機能させるときは、通信ネットワークを介して支払明細データを支払先グループに送付するように機能させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の支払代行対応資金管理システム用プログラム。
- コンピュータを、自グループ所属企業からの請求元情報、請求先情報及び請求金額を含む回収依頼データを記録する回収依頼データ記録手段、他の企業グループからの一括支払に付随して送付される支払元情報、支払先情報及び支払金額を含む支払明細データを入手する支払明細データ入手手段、及び、該入手手段によって入手した支払明細データと上記回収依頼データ記録手段に記録されている回収依頼データとを突合し、支払明細データに対応する回収依頼データを消し込む回収依頼データ消込手段として機能させることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の支払代行対応資金管理システム用プログラム。
- コンピュータを、支払明細データとこれに対応する回収依頼データとの一致状態を判定する一致状態判定手段、消し込み可否の基準となる照合レベルを設定する照合レベル設定手段、及び、該設定手段で設定された照合レベルと上記判定手段で判定された一致状態とに基づき、回収依頼データの消し込みの可否を判定する消込可否判定手段として機能させることを特徴とする請求項10に記載の支払代行対応資金管理システム用プログラム。
- コンピュータを、自グループの資金管理部門と所属企業との間の資金の貸借関係を記録する貸借関係記録手段、及び、一括支払手段によって一括支払を実行したとき又は消込手段によって回収依頼データを消し込んだときに、上記資金管理部門と一括支払の対象となった支払依頼企業又はデータ消し込みの対象となった回収依頼企業との間の資金の貸借関係を清算し、上記貸借関係記録手段に記録されている残高を更新する貸借関係更新手段として機能させることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の支払代行対応資金管理システム用プログラム。
- 請求項7から請求項12のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な支払代行対応資金管理システム用記録媒体。
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