JP2001142987A - 代行支払事務装置 - Google Patents

代行支払事務装置

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JP2001142987A
JP2001142987A JP2000098162A JP2000098162A JP2001142987A JP 2001142987 A JP2001142987 A JP 2001142987A JP 2000098162 A JP2000098162 A JP 2000098162A JP 2000098162 A JP2000098162 A JP 2000098162A JP 2001142987 A JP2001142987 A JP 2001142987A
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Hideaki Tamura
英朗 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 債権代価の振込が確実に行われ、しかも、代
行支払業務を効率よくかつ安全に行うことができる代行
支払事務装置を提供する。 【解決手段】振込データ一括作成処理(S4)のS44
で、支払期日あるいは前払取組日が、代行支払業務を行
っている事務処理日から2銀行営業日後に一致するか否
かの判定を行い、S48では、S44で肯定判定された
支払期日あるいは前払取組日に係る代金債権について、
支払期日が一致した場合は債権残高、前払取組日が一致
した場合は前払取組金額に応じた債権代価の振込データ
を一括作成している。従って、事務処理日から2銀行営
業日後に振込日が到来する代金債権の振込データが事務
処理日に一括作成されるよう、常に、支払期日あるいは
前払取組日の監視を行っているので、納入企業等に支払
うべき債権代価の振込を、支払期日あるいは前払取組日
に合わせて確実に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクタリング会
社が行っている代行支払業務に係る事務処理を行うため
の代行支払事務装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、商品を納入する納入企業と、納入
企業から商品を購入してその代価を支払う支払企業との
間において、代金決済事務の合理化(期日現金支払化)
あるいは代金回収コストの削減ニーズが高まっている。
そして、そのニーズを充足するためファクタリング会社
が支払企業の代金債務について併存的または免責的に債
務引受を行い、あるいは納入企業の代金債権の譲渡を受
ける等の方法により、支払企業に代わって期日代金の支
払を行い、更に、支払期日到来前の代金債権の資金化を
希望する納入企業に対し前払いを行う、いわゆる代行支
払業務が幅広く行われている。
【0003】そして、このファクタリング会社では、代
行支払業務を行うにあたり、債権代価の支払いを銀行振
込で行うための振込データの作成・送付や、代金債務の
引受または代金債権の譲渡を受けたときに、その引受ま
たは譲渡の内容を確認するための確認書などの各種書類
の作成・送付など複数の代金債権について各種様々な事
務処理を行っている。
【0004】そのため、ファクタリング会社は、振込デ
ータや、各種書類の作成を行うためのソフトをインスト
ールしたコンピュータ装置からなる代行支払事務装置を
導入し、さらに、この代行支払事務装置を、支払企業及
び納入企業に設置されたファックス装置及び銀行に設置
されたファームバンキング用のコンピュータに電話回線
等の通信回線を使って接続し、支払企業、納入企業及び
銀行との間でネットワークを構築して、作成された振込
データや各種書類をこのネットワークを介して送信する
ことにより、代行支払業務の全体の効率化を図っている
のである。
【0005】この代行支払事務装置としては、特開平1
0−78993号公報に記載されたファクタリング情報
処理装置があり、該公報で構築されたネットワークは、
ファクタリング会社と支払企業及び納入企業とが、各種
書類をファックスで送受信するためのVAN(Value Ad
ded Network )を介して接続されている。
【0006】そしてこのファクタリング情報処理装置で
は、納入企業のファックス装置から前払申込書を受信す
ると自動的にそれを読み込み、その後、前払いを受け付
けた旨の確認書等を納入企業に作成・送信し、さらにオ
ペレータの指示に従ってその前払申込書に係る振込デー
タを銀行に作成・送信していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に銀行
では、データ伝送の方法により銀行に対して振り込み依
頼を行う場合、振込の申込みを、振込希望日の1銀行営
業日前午後3時頃までに行うよう定めている。そのため
上記公報のファクタリング情報処理装置でも、振込デー
タの作成・送信を前払申込の受付時処理に組み入れるこ
とにより、予め振込希望日の前に振込データを作成・送
信している。
【0008】ところが、前払いの申込みの中には、納入
企業が前払いを希望する振込希望日である前払取組日と
前払申込日との間の間隔が、例えば半月あるいはそれ以
上など、振込処理に必要な最短期間に比べて、大きく上
回っているものがある。そしてこのような申込みが行わ
れたものの中には、税務署・裁判所などによる差押命
令、あるいは二重譲渡・質入が判明したことによる支払
企業からの支払停止依頼等の理由(以下「振込停止事
由」という)により振込を停止しなければならないもの
もある。そのような場合、前述のように受付時処理に組
み込んで前払いの受付と同時に振込データを銀行に送信
し、銀行に対して振込依頼を行ってしまうと、その振込
依頼の取消を行うため、銀行に出向いて取消の手続き
(以下「組戻し」という)を行わねばならない。
【0009】従って、振込停止事由の発生時において振
込の停止を確実に行って、組戻しの手続きをできる限り
行わないようにするためには、振込データの作成を振込
希望日の2日前に行い、かつ振込停止情報が付された債
権情報については振込データの作成対象から除外するの
が好ましい。
【0010】しかし、上記公報のファクタリング情報処
理装置では、前払申込の受付時処理の中でオペレータの
指示により振込データが作成されるので、振込事由の発
生に配慮して振込データを前払取組日の2日前に作成す
るようにした場合、オペレータ自身が振込希望日を監視
する必要が生じる。
【0011】このように前払取組日の監視をオペレータ
の監視に頼ると、オペレータが振込データの作成・送信
を失念するなど人的ミス発生の可能性が高まり、債権代
価の振込が確実に行われることを担保できなくなってし
まう。このように債権代価の振込が確実に行われること
を担保できないと、ファクタリング会社による代行決済
の確実性が損なわれるので、このようなオペレータ監視
による方法は絶対に避けなければならない。
【0012】また、支払企業においては支払期日前に保
有した余剰資金により代行支払に係る代金債務を支払期
日前に決済することにより、資産・負債双方の圧縮を図
り、資産当たりの利益額を増加させるなど、財務内容を
良好に維持したいとのニ−ズ(いわゆるオフバランスニ
−ズ)や余剰資金を支払期日まで有利に運用したいとの
ニ−ズ(いわゆる資金運用ニーズ)がある。ところが、
上記公報のファクタリング情報処理装置では、支払企業
からファクタリング会社への代金決済は支払期日に限ら
れているため、このオフバランスニ−ズや資金運用ニ−
ズに応えることはできない。
【0013】そこで、本発明では、債権代価の振込及び
振込停止が確実に行われるとともに、代行支払業務を効
率良く行うことができ、かつ、支払期日未到来の債権譲
渡について、その代行支払履行状況の管理を容易かつ確
実に行うことができ、更に支払企業の支払期日前のオフ
バランスニ−ズあるいは資金運用ニ−ズに応えることが
できる代行支払事務装置を提供することを目的とする。
【0014】尚、上記代行支払業務の具体的実施形態と
しては、支払企業の納入企業に対する債務を支払企業に
残したまま、その債務をファクタリング会社が併存的に
引受け、支払企業と共に債務を負担し、納入企業へ代金
の支払を行う方法(以下「併存的債務引受方式」とい
う)、ファクタリング会社が支払企業の納入企業に対す
る債務を免責的に引受けることにより、支払企業の納入
企業に対する債務を消滅させた上で、単独で債務を負担
し、納入企業へ代金の支払を行う方法(以下「免責的債
務引受方式」という)、ファクタリング会社が納入企業
の代金債権を買い取り、その代価を納入企業へ支払う方
法(以下「ファクタリング方式」という)、あるいは、
ファクタリング会社が支払企業より代金債権の支払委託
を受けて、納入企業へ代金を期日前に立替払いし、もし
くは、支払企業へ期日前前払資金を融資し、その代り金
を支払委託に基づき納入企業へ交付する方法(以下「支
払委託方式」という)などが考えられるが、本発明によ
る代行支払事務装置は何れの方法にも、各種書類の種類
(書類名、文言など)を変えることにより適合できるも
のである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
の請求項1記載の代行支払事務装置は、納入企業が支払
企業に対し有する代金債権の債権代価についての支払い
を、前記支払企業に代わって行う代行支払業務にて利用
され、該代行支払業務に係る事務処理を行うための代行
支払事務装置であって、前記代金債権の支払期日及び該
支払期日までに支払うべき債権残高に関する情報を少な
くとも含み、前記代金債権の全部又は一部について前記
支払期日前に前払いを行う場合に、前払いを行う前払取
組日及び該前払取組日に支払う前払取組金額に関する前
払情報をも含む債権情報を記憶する記憶手段と、該記憶
手段に記憶された前記支払期日あるいは前記前払取組日
が、前記代行支払業務を行っている事務処理日から一定
期日後に設定された当日処理期日に一致する債権情報を
検索する要振込明細検索手段と、該要振込明細検索手段
で検索された債権情報に係る前記代金債権ついて、前記
支払期日が一致した場合は前記債権残高に応じ、前記前
払取組日が一致した場合は前記前払取組金額に応じた前
記債権代価を、前記納入企業の口座に振り込むための振
込データを作成する振込データ一括作成手段とを備える
ことを特徴とする。
【0016】この請求項1記載の代行支払事務装置で
は、記憶手段に記憶された支払期日あるいは前払取組日
が、代行支払業務を行っている事務処理日から一定期日
後に設定された当日処理期日に一致するか否かを判定す
ると、振込データ一括作成手段が、要振込明細検索手段
で肯定判定された支払期日あるいは前払取組日に係る代
金債権について、支払期日が一致した場合は債権残高、
前払取組日が一致した場合は前払取組金額に応じた債権
代価の振込データを一括作成している。
【0017】すなわち、この請求項1記載の代行支払事
務装置について概念的に説明するとまず、図17(a)
に示すように、要振込明細検索手段は、オペレータが事
務を行う事務処理日Aと、例えばその2銀行営業日後の
当日処理期日Bとが設定されており、そして、前払取組
日Dや支払期日Cに当日処理期日Bが一致する代金債権
に関する情報を検索し、その検索の結果、事務処理日A
になされるべき処理がある場合、振込データ一括作成手
段にその旨が報告され、振込データが作成されるよう設
定されている。
【0018】一方、記憶手段は、代金債権の支払期日C
と、その支払期日Cに支払うべき債権代価の債権残高と
が債権情報として設定され、前払いの申込みがあった場
合には、その申込みに係る前払取組日Dと、支払期日C
までに支払うべき代金債権の債権代価の一部である前払
取組金額とが前払情報として設定される。概念的には、
前払いの申込みがあった場合には、支払期日に支払うべ
き債権代価の一部が矢印Eのように前払取組日に設定さ
れているのである。
【0019】そのため、この代行支払事務装置を用いる
と、日数が経過し、事務処理日Aの日付を時間軸に沿っ
て更新していくと、見かけ上図中に示された矢印のよう
に、事務処理日Aと当日処理期日Bとが前払取組日D及
び支払期日Cに向かって同時に移動する。すると、図1
7(a)では、当日処理期日Bが前払取組日Dや支払期
日Cに一致していないので、事務処理日Aに振込データ
が作成されることはないが、図17(b)に示すよう
に、当日処理期日Bが前払取組日Dに一致すると、要振
込明細書検索手段は、その一致した前払取組日Dに係る
債権代価を検索して、一致する前払情報があることを検
知するので、振込データ一括作成手段に一致する旨報告
がなされ、他の代金債権の振込データと共に、振込デー
タが一括作成されるのである。
【0020】尚、さらに時間が経過し、当日処理期日B
と支払期日Cとが一致すると、当日処理期日Bと前払取
組日Dとが一致したときと同様に、債権残高について振
込データが作成されることはもちろんである。従って、
この請求項1記載の代行支払事務装置を用いると、当該
装置が、事務処理を行っているその日、すなわち事務処
理日に、その事務処理日から一定期日後の当日処理期日
に振り込むべき代金債権の振込データが一括作成される
よう、常に、支払期日あるいは前払取組日の監視を行っ
ているので、この支払期日あるいは前払取組日に納入企
業に支払うべき代金債権についての支払いを、支払期日
あるいは前払取組日の一定期日前に確実に行うことがで
きる。
【0021】また、この請求項1記載の代行支払事務装
置を用いると、前払取組日や支払期日の一定期日前の事
務処理日が到来するのを待って振込データを一括作成し
ているので、前払取組日や支払期日が到来するまでに債
権代価の振込停止事由が発生しても、振込前日の停止を
除いては組戻しを行うことなく債権代価の振込を停止す
ることができる。従って、この請求項1記載の代行支払
事務装置を用いれば、代行支払業務の効率および安全性
を向上させることができる。
【0022】尚、事務処理日は、代行支払事務装置を起
動した日の日付を事務処理日として設定するよう代行支
払装置を構成することによって入力してもよいし、オペ
レータが直接代行支払事務装置に入力してもよい。前者
の場合、要振込明細検索手段は、カレンダー通りの日付
を計時する計時装置を備え、代行支払事務装置を起動す
ると、計時装置で計時されている日付けを事務処理日と
して設定し、事務処理日の一定期日後の日を当日処理期
日として同時設定するように構成すればよい。
【0023】尚、上記請求項1では、支払企業及び納入
企業について説明したが、ここでは、いわゆる法人ばか
りでなく、個人事業者が個人名義でファクタリング会社
を利用することも考えられるので、これら支払企業及び
納入企業には自然人を含んでおり、法人でない組織をも
含んでいる。
【0024】ところで、代行支払業務では、前払取組日
が支払期日の後であったり、債務引受日、債権譲渡日ま
たは支払委託日の前であったりすると、債権代価の支払
が支払期日が過ぎてもなされなかったり、債務引受、債
権譲渡または支払委託が成立していない債権についてま
で、納入企業に代価を支払ってしまう可能性があるの
で、債権代価を支払う期間の期限管理が重要である。
【0025】そこで、請求項2記載の代行支払事務装置
は、請求項1記載の代行支払事務装置において、前記記
憶手段には、前記納入企業に対し前記債権代価の前記前
払いが可能になる前払可能日が前記債権情報の一つとし
て記憶され、前記前払取組日が、前記前払可能日と同日
の日付あるいは、前記前払可能日以後かつ前記支払期日
前の日付であるか否かを判定し、該判定により肯定判定
された場合のみ、前記債権情報を、前記前払情報を付加
した情報に更新する前払可否判定手段を備えることを特
徴とする。
【0026】この請求項2記載の代行支払事務装置は、
記憶手段に債権情報として前払可能日と支払期日が記憶
され、そして、前記前払情報を前記記憶手段に記憶する
際、前払取組日が、前払可能日から支払期日の前日まで
の日付であるか否かを判定し、肯定判定された場合のみ
債権情報を更新している。従って、この請求項2記載の
代行支払事務装置を用いれば、前払取組日が間違ってい
る前払情報により債権情報が更新されることがないの
で、代金債権の債権代価が、債権代価を支払うべき期間
外で支払われることを防止することができる。
【0027】ところで、土曜、日曜や祝日などの休日に
は、通常、銀行は振込業務を行っておらず、例えば前払
取組日が月曜日に設定されている場合、銀行への振込依
頼は金曜日までに行わねばならない。つまり、例えば銀
行営業日2営前に振込データを作成する場合は、木曜日
に作成せねばならない。
【0028】そこで、請求項3記載の代行支払事務装置
は、請求項1,2何れか記載の代行支払事務装置におい
て、前記要振込明細検索手段は、銀行の営業日を記憶す
る営業日記憶手段を備え、該営業日記憶手段に記憶され
た前記営業日に基づいて前記当日処理期日を算出するこ
とを特徴とする。
【0029】この請求項3記載の代行支払事務装置を用
いれば、要振込明細検索手段が営業日記憶手段に記憶さ
れた営業日に基づいて当日処理期日を認識して、その上
で当日処理期日が支払期日あるいは前払取組日と一致す
るか否かを判定しているので、銀行の営業日にあわせて
債権代価の振込を確実に行うことができる。
【0030】次に、請求項4記載の代行支払事務装置
は、請求項1〜3何れか記載の代行支払事務装置におい
て、前記振込データ一括作成手段は、前記代行支払業務
の停止を命令する停止命令が入力されると、該停止命令
に係る代金債権についての前記振込データの作成を停止
する停止手段を備えることを特徴とする。
【0031】この請求項4記載の代行支払事務装置は、
代金債権の代行支払業務の停止命令が入力されると、停
止手段が停止命令の付された代金債権についての振込デ
ータの作成を停止するので、振込が停止された代金債権
について振込を完全に停止することができる。
【0032】ところで、ファクタリング会社から納入企
業への債権代価の支払いが終了し、しかも支払企業から
ファクタリング会社への債権代価の支払も終了して、代
行支払業務のすべての業務が終了したか否かを明確にす
るためには、支払期日において、すべての代行支払業務
が終了した代金債権の債権情報を、支払期日当日に代行
支払事務装置から消込むとよい。
【0033】しかし、このように支払期日を待って債権
情報を消し込むようにすると、ファクタリング会社が、
上述した支払企業のオフバランスニーズ等(以下資産運
用ニーズを含む)に応え、代金債権の決済を支払期日の
前に行う場合、まず、決済を行った事実に関する情報
を、支払期日まで確実に管理する必要ある。また、ファ
クタリング会社では、支払期日に債権情報を消し込むに
は、期日前決済や支払期日になされた決済の代価の合計
が債権代価全額に一致することを確認する作業を行う必
要がある。このように、オフバランスニーズ等に応えよ
うとすると、管理作業や確認作業を行う必要が生じるの
で、煩雑な業務を行わねばならない。
【0034】そこで、請求項5記載の代行支払事務装置
は、請求項1〜4いずれか記載の代行支払事務装置にお
いて、前記代金債権の前記支払期日の前に、支払企業か
ら前記債権代価が満額決済されたとき、前記記憶手段に
記憶された前記債権情報を前記支払期日が来たら消し込
む第1消込手段を備えることを特徴とする。
【0035】この請求項5記載の代行支払事務装置を用
いると、支払期日前に前記債権代価の満額決済が行われ
た債権情報について、決済日において自動的に債権情報
の消込みがなされるので、管理作業や確認作業を行う必
要がない。そのため、本発明の代行支払事務装置を用い
れば、債権代価満額決済のオフバランスニーズ等に応え
うる代行支払業務の効率化を図ることができる。従っ
て、本発明の代行支払事務装置を用いると、ファクタリ
ング会社は支払企業の債権代価満額決済のオフバランス
ニ−ズ、資金運用ニ−ズに的確かつ容易に応じることが
できる。
【0036】次に、請求項6記載の代行支払事務装置
は、請求項1〜5いずれか記載の代行支払事務装置にお
いて、前記代金債権の前記支払期日の前に、支払企業か
ら前記債権代価が一部決済されたとき、前記記憶手段に
記憶された前記債権情報に、一部決済された未充決済代
価に関する未充決済情報を付加し、前記支払期日が到来
したとき、前記債権代価から前記未充決済代価を引いた
未決済の残代価に関する残代価情報を入力すると、前記
債権情報を消し込む第2消込手段を備えることを特徴と
する。
【0037】この請求項6記載の代行支払事務装置を用
いると、支払期日前に前記債権代価の一部決済が行われ
た債権情報について、未充決済情報を入力しておけば、
支払期日が到来したとき残代価情報を入力すれば債権情
報の消込がなされるので、管理作業や確認作業を行う必
要がない。そのため、本発明の代行支払事務装置を用い
れば、債権代価一部決済のオフバランスニーズ等に応え
うる代行支払業務の効率化を図ることができる。従っ
て、本発明の代行支払事務装置を用いると、ファクタリ
ング会社は、支払企業の債権代価一部決済のオフバラン
スニ−ズ、資金運用ニ−ズに的確かつ容易に応じること
ができる。
【0038】尚、請求項5・請求項6記載の代行支払事
務装置においては、期日前決済情報を入力すると、運用
益と実支払金が自動的に算出されるように設定してもよ
いが、この設定を解除してファクタリング会社が債権代
価と同額を実支払金として受け取り、実支払金を実際に
運用して得た運用益を、支払期日以降、支払企業へ交付
してもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の代行支払事
務装置が適用された実施例について以下図面を参照しな
がら説明する。まず、本実施例の代行支払事務装置が用
いられる環境について説明する。
【0040】ここで、図1は、代行支払事務装置が設置
されるファクタリング会社と、各企業間との間で交わさ
れる取引について説明するための説明図である。一般
に、企業間の商取引では、商品に対する代価が高額なた
め、商品の受け渡しと同時にその代価が支払われること
はなく、代価の支払に先んじて、商品の受け渡しが行わ
れる。そのため商品の受け渡しが行われると、商品を発
注した企業S(以下「支払企業S」という)と支払企業
Sに商品を納入した他の企業N(以下「納入企業N」と
いう)との間に、支払期日が定められた代金債権が発生
し、商品に対する代価は、代金債権の債権代価として、
支払期日を待って支払企業Sから納入企業Nへ支払われ
ている。
【0041】ところが、納入企業Nの中には、資金繰り
を調整するため、支払期日の前に債権代価の資金化を必
要とすることがある。一方、支払企業Sは、納入企業N
との契約により、債権代価に対する資金を支払期日まで
に支払えばよいので、納入企業Nから前払いの申し出が
あってもこれに応える必要はない。そのため従来、支払
期日までに債権代価の資金化を必要とする納入企業N
は、予め支払企業Sに約束手形を発行してもらい、それ
を金融機関において割引くことにより資金繰りを調整し
ていた。しかし、企業間では大小さまざまな多くの商取
引が行われており、納入企業Nの資金繰りに配慮して約
束手形を発行していたのでは、その発行事務の仕事量が
膨大となり、一方、納入企業Nにとっても手形集金の手
間がかかるため、双方にとって大きな負担となってい
た。そこで、このような場合にスムーズな債権代価の前
払いが行われるよう、ファクタリング会社Fが支払企業
Sと納入企業Nとの間に立って、資金の仲立ちをしてい
るのである。
【0042】つまりファクタリング会社Fは、納入企業
Nに対しては、支払期日に債権代価を支払うことはもち
ろん、申込みが有れば、支払期日の前に債権代価の一部
あるいは全部を支払企業Sに代わって前払いを行い、一
方、支払企業Sに対しては、原則、支払期日まで待って
債権代価に相当する資金を徴収する業務(以下「代行支
払業務」という)を行っているのである。従って、ファ
クタリング会社Fを利用すれば納入企業Nは手形集金業
務から、支払企業Sは約束手形の発行事務からともに開
放されるのである。
【0043】また、近年では、ファクタリング会社F
は、支払企業Sのオフバランスニーズまたは資金運用ニ
ーズに応えるため、支払期日の前に、支払企業Sから代
金債権の全部または一部について期日前代金決済の申し
込みがあった場合は、その期日前代金決済を行う分の代
金債権に係る期日前決済代価について、決済日から支払
期日まで期日前決済代価の運用益を計算し、その運用益
を期日前決済代価から割り引いて決済を行う期日前決済
業務を行っているので、ファクタリング会社Fが行う代
行支払業務は、支払企業Sや納入企業Nにとって益々利
用し易いものになってきている。
【0044】ところで、このような代行支払業務を行う
このファクタリング会社Fでは、当該業務を行う対象と
なる代金債権の債権代価の金額や、納入企業名及び支払
企業名等を確認するための確認書をはじめとする各種書
類の作成・送付や、債権代価を納入企業Nの口座に銀行
を介して振り込むため、振込口座や、その口座の名義、
振込金額等を指定した振込データの作成・送付、あるい
は、期日前決済を行う場合の運用益の算出、期日前決済
代価から運用益を差し引いた決済資金額の算出等の事務
処理を行っている。
【0045】本実施例の代行支払事務装置は、これら各
種書類や振込データの作成・送付及を行うために用いら
れる装置である。以下、まず、本実施例の代行支払事務
装置の全体的な構成について説明する。ここで、図2
は、代行支払事務装置と、この代行支払事務装置に接続
される各装置とを説明するための説明図、図3及び図4
は代行支払事務装置の概略構成図である。
【0046】まず、本実施例の代行支払事務装置1は、
図2に示すように、代金債権に関する債権情報が記憶さ
れ、この債権情報に基づいて各種書類及び振込データの
作成など、代行支払業務の事務手続きに関する手続処理
を行うメインコンピュータ10(以下「MC10」とよ
ぶ)と、MC10で作成された各種書類を、ファックス
形式で送信するため、MC10で作成された書類を印刷
出力形式にイメージ変換するファックス管理用コンピュ
ータ30(以下「FAX端末30」という)と、公衆回
線に接続され、FAX端末30から送信された各種書類
を、MC10で指定された各送付先に公衆回線を介して
送信するファックス装置50(以下「FAX50」とい
う)と、銀行との間に設けられた専用回線に接続され、
MC10で作成された振込データを銀行に送信するため
の振込用端末70とを備えている。
【0047】一方、各納入企業N及び支払企業Sには、
この代行支払事務装置1のFAX50に公衆回線ALを
介して接続されたファックス装置3,5がそれぞれ設置
されている。また銀行には、この代行支払事務装置1の
振込用端末70に専用回線BLを介して接続され、受信
した振込データに従って、指定された振込口座に指定さ
れた資金を振り込む振込処理ホスト7が設置されてい
る。
【0048】具体的には、本実施例の代行支払事務装置
1は、図3に示すように、MC10及びFAX端末30
のそれぞれの役割を担う2台のパーソナルコンピュータ
と、FAX端末30に接続されたファックス装置からな
るFAX50と、これらの装置10〜50とは別途設け
られた振込データを送信するために専用に設けられた振
込用端末70とからなる。そして、MC10とFAX端
末30とはハブHUBを用いて接続されている。このう
ち、振込用端末70を振込データ送信専用としたのは、
振込データを送信する際の安全性を確保するためであ
る。そのため本実施例では、MC10で作成された振込
データを一旦フロッピー(登録商標)ディスク等の記録
媒体に記憶し、その記録媒体から振込データを振込用端
末で読み込んで、送信用の所定のフォーマットに変換し
てから銀行に送信するよう設定されている。
【0049】但し、安全性等の問題が解決されれば、振
込用端末70とMC10及びFAX端末30等とを一体
に構成してもよいことはもちろん、代行支払事務装置1
を1台のコンピュータで構成してもよい。また、図4に
示すように、MC10を担うパーソナルコンピュータに
FAX端末30と同様の機能を持たせ、FAX端末30
専用のコンピュータが停止したとき、MC10がバック
アップする構成としてもよいし、逆に、MC10が停止
したとき、FAX端末30がバックアップする構成とし
てもよい。さらに、FAX50を複数台設置し、あるい
は複数台のFAX端末をFAXモデムで代用してもよい
し、FAX端末そのものをVAN事業者が行うファクシ
ミリ通信サービスに代えてもよい。その他、本実施例の
代行支払事務装置1は、MC10、FAX端末30、F
AX50及び振込用端末70の機能を備えるものならど
のように構成してもよい。
【0050】また、本実施例では、公衆回線ALや専用
回線BLを用いているが、これらを全て公衆回線ALで
行ってもよいし、インターネットをはじめとする通信ネ
ット上で行ってもよいことはもちろんである。次に、代
行支払事務装置1を、MC10を中心に詳細に説明す
る。
【0051】ここで図5は、MC10の構成を説明する
ための構成図、図6はMC10に記憶された債権データ
を出力した表である。このMC10は、図5に示すよう
に、CPU110、ROM112及びRAM114を備
える一般的なコンピュータ11と、キーボード及びマウ
スからなり、外部からの指令を入力する入力装置13
と、フロッピーディスク等の記録媒体に対し各種データ
の書き込み及び読み込みを行うディスク装置15と、コ
ンピュータ11で行った処理結果等を表示するモニタ1
7と、プリンタ18と、各種データが記憶されたデータ
ベース20と、FAX端末30との間でデータの送受信
を行うためのインターフェイス19とからなる。
【0052】そして、データベース20には、契約企業
の名称、住所、指定口座等の属性項目と、包括前払契約
の有無などの指示情報を記憶する企業情報記憶部22
と、代金債権に関する債権情報を記憶する債権情報記憶
部24と、銀行の営業日を記憶する営業日情報記憶部2
6と、代行支払業務を停止することを指令する停止情報
を記憶する停止情報記憶部28と、代行支払業務におい
て使用する各種事務書類のフォーマットが記憶された書
類記憶部29とが設けられている。
【0053】このデータベース20の各種記憶部22〜
29のうち、債権情報記憶部24には、図6に示すよう
に、支払企業名情報M1と、各納入企業N毎に個別に与
えられた仕入先コードと、項目名を仕入先とした納入企
業名からなる納入企業情報M2と、納入企業N毎に代金
債権の別を管理するための管理番号情報M3と、代金債
権の支払い状況を示す枝番情報M4と、代金債権の前払
が利用可能になる前払可能日を表す前払可能日情報M5
と、代金債権の支払期日を表す支払期日情報M6と、代
金債権の債権代価の金額を表す債権金額情報M7と、債
権代価の残金を表す債権残高情報M8と、前払いを行う
債権代価の金額を表す前払取組金額M9と、前払いを行
う日付からなる前払取組日M10と、前払取組日あるい
は支払期日に納入企業Nに対し振り込んだ金額を表す振
込金額情報M11と、振込データの作成が行われたか否
かを区別する振込区分情報M12と、図6上には表れて
いないが、支払企業Sの住所や電話番号等の個別情報と
からなる債権情報が記憶されている。この債権情報は、
図6に示すように、他の債権情報とともにモニタ17に
支払マスタとして表示される。尚、図6で示した支払企
業名情報M1や納入企業名情報M2等、全ての情報は、
全て仮想的なものである。
【0054】この債権情報のうち枝番情報M4は、同一
管理番号の債権が一部前払いにより分割された時の管理
を容易にするために付されるものであり、支払期日に支
払うべき残高債権と債権代価の全額を前払いした債権に
つき「00」が付与され、債権代価の一部前払いにより
枝分かれした債権については順次「01」、「02」、
「03」と大きい数字が付与される。この枝番情報のう
ち、「00」のものについて見ると、図6中、m1,m
2で表されたものが全額を前払いしたもので、その他の
ものは支払期日に支払うべき残高債権である。次に、振
込金額情報M11が前払取組金額M9と異なっているの
は、振込金額が、前払取組金額から、前払取組日から支
払期日までの利息及び、振込手数料他の事務手数料等を
差し引いて計算された金額として表示されるからであ
る。また、一部の納入企業Nにおいて振込金額情報M1
1が債権残高M8と異なっているのは、支払企業Sとの
合意により振込手数料を納入企業負担としたものにつ
き、その振込手数料を差し引いて計算された金額が表示
されるからである。次に、振込区分M12は、要振込明
細件検索手段により肯定判定された代金債権につき、オ
ペレータが振込データ一括作成処理を行うと自動的に
「0」→「1」に更新される。なお、振込停止事由の発
生により、オペレータが予め停止命令として振込区分
「2」を登録した代金債権については、前記処理に拘ら
ず振込区分の「1」への更新は行われない。
【0055】尚、図6に示した支払マスタは、プリンタ
18により随時出力することができ、オペレータが支払
期日未到来の債権情報について、その代行支払履行状況
が一目で管理できるように、債権代価の振込を行う日
付、すなわち前払取組日または支払期日の到来順に債権
情報を並べ代えて表示している。この図6からは、オペ
レータが支払期日未到来の債権情報について、その代行
支払履行状況を管理する場合、事務処理日現在における
当日処理期日以前に前払取組日または支払期日が到来す
る債権明細に付き、振込区分が「1」または「2」とな
っていることを確認するのみでよい。図6の事例におい
ては、事務処理日は1998年11月6日(11月7
日、8日はそれぞれ土曜、日曜)であり、当日処理期日
はその2銀行営業日後の日、即ち1998年11月10
日であるが、同日以前に前払取組日あるいは支払期日が
到来する債権明細の振込区分には全て「1」が付されて
いるため、事務処理日現在において、代行支払が正常に
履行されていることが確認できる。
【0056】次に、営業日情報記憶部26には、銀行の
営業日が記憶される。この営業日の記憶は、オペレータ
の入力装置13の操作あるいは、ディスク装置15から
の入力により行われる。次に、停止情報記憶部28は、
代行支払業務の停止手続きがとられたとき、オペレータ
により入力装置13を使って入力される停止情報が記憶
される。この停止情報が付された代金債権は、その前払
取組日または支払期日が当日処理期日と一致し、従っ
て、要振込明細と肯定判定された場合でも振込データ一
括作成の対象からは除外される。尚、この停止情報は、
債権情報の一部として記憶してもよい。
【0057】次に、書類記憶部29は、各種書類のフォ
ーマットであって、支払企業Sがファクタリング会社F
に依頼した代行支払業務の内容(例えば、代金債権の債
権代価の金額や支払期日、納入企業名等)の確認を行う
ための確認書βと、納入企業Nに対し支払企業Sからの
代行支払業務の依頼に基づく支払明細を通知するための
通知書γと、納入企業Nから前払いの申込みがあった場
合、前払いによる振込金額等の計算書と前払申込書の受
領書を兼ねた計算書兼受取書εと、支払期日が近づいた
とき、その旨を支払企業Sに知らせるための期日到来お
知らせ書ζと、決済日から支払期日までの運用益と支払
企業Sがファクタリング会社Fへ支払うべき実支払額を
記載した実支払金計算書ηとを記憶している。
【0058】このうち、通知書γにおいては、前払可能
日と同日に債権代価全額を前払いする包括前払契約を締
結した納入企業Nに対しては、通知書と前払いによる振
込金額等の計算書とを兼ねた通知書兼計算書γ2を使用
し、この契約がない納入企業Nに対しては通常の通知書
γ1を使用する。
【0059】また、計算書兼受取書εは、納入企業Nの
取引先(以下「変更振込先」という)に納入企業Nを介
さないで、直接その債権代価を振り込む指定がある場
合、前払いによる振込金額等の計算書と変更振込先毎の
振込額通知書および前払申込書の受取書を兼ねた第2計
算書兼受取書ε2と、この変更振込先の指定のない第1
計算書兼受取書ε1とがある。
【0060】次に、以上説明した本実施例の代行支払事
務装置1を用い、以下に説明する代行支払業務が行われ
るので、その代行支払業務について全体的な説明をす
る。ここで、図7は、本実施例の代行支払事務装置1を
使って行われる代行支払業務の全体的な流れを時系列的
に説明するための説明図である。
【0061】この代行支払事務装置1で行われる処理
は、支払企業Sからの代行支払業務の申込みがあった上
で行われる。この申込みは、図7に示すように、フロッ
ピーディスクα(以下「FDα」とよぶ)をファクタリ
ング会社Fに郵送で送付することにより行われる。この
FDαには債権情報が記憶されており、このFDαがフ
ァクタリング会社Fに送付されてくると、ファクタリン
グ会社Fでは、このFDαをディスク装置15に挿入
し、オペレータの指示により債権情報を代行支払事務装
置1に読み込ませ、その債権情報を債権情報記憶部24
に仮記憶させる。このFDαは、前払可能日の7銀行営
業日前(以下、前払可能日等の日のX銀行営業日前とい
う場合「X営前」という。従ってこの場合「7営前」と
いう)までに送付するよう支払企業Sとの間で契約して
いる。尚、フロッピーディスクの郵送に代えて、通信回
線を経由したデータ伝送方法により債権情報を授受して
もよい。そして、債権情報が債権情報記憶部24に仮記
憶されると、代行支払事務装置1においてその債権情報
に係る確認書βが自動作成され、作成された確認書β
は、FAX端末30でイメージ変換された後、支払企業
Sに送信される。
【0062】その後、この確認書βに押印等がなされた
ものが4営前までに返信するよう契約がなされているの
で、その確認書βが返送されてくると、オペレータの操
作により仮記憶された債権情報を代行支払事務装置1に
本登録する。そしてこの本登録がなされると、本登録が
なされた債権情報に対し通知書γ1あるいは通知書兼計
算書γ2が作成され納入企業Nに送信される。尚、4営
前までに確認書βの返送を契約しているのは、納入企業
Nに対して通知書γ1を3営前までに送付するためであ
る。ファクタリング会社Fと納入企業Nの間において前
払申込みの期限は前払希望日の3営前までとの契約がな
されているため、納入企業Nは通知書γ1の送付と同日
に前払いを申し込めば、包括前払契約を締結せずとも前
払可能日と同日に債権代価を受け取ることができる。
【0063】尚、併存的債務引受方式など、支払企業S
の債権譲渡承諾の確認手続を必ずしも必要としない方式
については、前記の確認書に係る事務を省略するととも
に、債権情報の授受及び前払申込みの日程を短縮するこ
とも可能である。次に、前払可能日と支払期日との間
に、納入企業Nから前払申込書δがFAXで送信されて
くると、この前払申込書δには納入企業Nが前払いを希
望する金額及び日付け等が記載されているので、それら
が前払取組金額情報M9及び前払取組日情報M10等か
らなる前払情報としてそれぞれオペレータの操作により
入力される。そしてこの前払情報が入力されると、第1
あるいは第2計算書兼受取書ε1あるいはε2が作成さ
れ、納入企業Nに送信される。その後、前払取組日が到
来する2営前になると、前払取組金額M9について振込
データが作成され、翌営業日に銀行に送信される。そし
て前払取組日当日に前払申込書δに係る債権代価が納入
企業Nの口座に振込まれる。
【0064】一方、支払期日の前に代金債権の全部また
は一部について期日前決済の申込みが支払企業Sからあ
った場合、決済日、期日前決済代価が支払企業Sからフ
ァクタリング会社Fへ知らされるので、決済日等これら
の情報と運用利率とからなる期日前決済情報がオペレー
タの操作により代行支払事務装置1に入力される。する
と、代行支払事務装置1では、決済日から支払期日まで
の期日前決済代価の運用益と、期日前決済代価から運用
益を割り引いた実支払金とが算出され、これらと期日前
決済情報とが記載された実支払金計算書ηを支払企業S
へFAXで送信・通知している。
【0065】次に、支払期日が近づき、支払期日の5営
前になると、期日到来のお知らせ書ζが支払企業Sに送
信される。さらに近づき支払期日の2営前になると、代
金債権の債権残高M8について振込データが作成され、
銀行に送信され、支払期日当日に未支払債権代価が納入
企業Nの口座に振り込まれる。
【0066】次に、支払期日が到来し、代行支払に係る
債権代価全額が支払企業Sからファクタリング会社Fに
支払われた場合、オペレータが期日消込情報として入力
することにより、代行支払事務装置1は、期日消込情報
が入力された代金債権の債権情報を消し込んでいる。
【0067】以上の手続きが行われる代行支払事務装置
1の具体的な処理について、図8〜図16に基づいて、
図6を参照しながら以下述べる。まず、債権情報を代行
支払事務装置1に登録するための債権情報登録処理につ
いて説明する。
【0068】ここで図8は、債権情報登録処理を説明す
るためのフローチャートである。まず、この債権情報登
録処理S1では、FDαにより債権情報が入力されたか
否かを判定する(S10)。この判定(S10)は、F
Dαがディスク装置15に装填された後、オペレータに
よる入力装置13の操作がなされたか否かを判定するこ
とにより行っている。そして、この判定(S10)で肯
定判定されると、FDαに記憶されている債権情報は、
債権情報記憶部24に仮記憶され(S12)、次に、仮
記憶された債権情報の内容が記載された確認書を作成・
送信する確認書作成処理(S14)がなされる。この確
認書作成処理(S14)では、確認書βのフォーマット
が書類記憶部29に記憶されているので、その確認書β
のフォーマットに債権情報の必要な事項、例えば、代金
債権の金額、支払企業名、納入企業名、支払期日、前払
可能日等を割り付けることによって確認書βを作成して
いる。
【0069】その後、債権情報が正確であると認める押
印(ファクタリング方式においては債権譲渡を承諾する
押印を含む)がなされた確認書が納入企業Nからファク
タリング会社Fに郵送されると、その旨の入力がオペレ
ータの操作により入力装置13からなされるので、その
入力があるまで待機する(S16)。そして入力があっ
たと判定されたら(S16)、仮登録された債権情報を
本登録して(S18)、支払期日をコンピュータ11に
より管理する。このとき本登録された債権情報は、例え
ば図6の「イ」で示すように、支払企業名情報M1、納
入企業名情報M2、前払可能日情報M5、支払期日情報
M6、債権金額情報M7に加え、管理番号情報M3と枝
番情報M4、債権残高情報M8、振込金額情報M11が
付与され記憶される。このうち、管理番号情報M3は、
支払企業Sと納入企業Nとの間で発生した代金債権につ
いて、入力順に順次与えられた数字である。また、枝番
情報M4はこの場合「00」が付与される。そして、債
権残高情報M8は、債権金額情報M7と同じ金額で付与
される。また振込金額情報M11は、支払企業S・納入
企業N間で振込手数料の支払企業負担が合意された場合
は、債権残高M8と同額、振込手数料の納入企業負担が
合意された場合は、債権残高M8から所定の振込手数料
を差し引いて計算された金額が表示される。
【0070】このように債権情報が本登録されると、次
に、企業情報記憶部22に包括前払契約有りの指示情報
が記憶されているか否かを判定する(S20)。この判
定(S20)で否定判定された場合は、通知書γ1を納
入企業Nに対し作成・送信する通知書作成処理(S2
2)を行う。またこの判定(S20)で肯定判定された
場合は、通知書兼計算書γ2を作成・送信する通知書兼
計算書作成処理(S24)を行う。このS22及びS2
4で行われる処理は、通知書γ1及び通知書兼計算書γ
2のフォーマットが書類記憶部29にそれぞれ記憶され
ているので、これらのフォーマットに、債権情報記憶部
24に記憶された納入企業名、支払企業名、債権代価の
額、支払期日等必要な事項が割り付けられて作成され
る。
【0071】次に、前払可能日から支払期日までの間に
前払いの申込みがあった場合に行われる前払処理につい
て説明する。ここで、図9は前払処理のフローチャート
である。この前払処理(S3)は、まず、納入企業Nか
らFAX50で前払申込書δを受信すると、オペレータ
が入力装置13を操作してその内容が入力されるので、
その入力があったか否かを判定している(S30)。こ
こでオペレータが入力する前払情報は、債権情報を指定
する指定情報(支払企業名情報M1や納入企業名情報M
2、管理番号情報M3)と、前払取組金額情報M9、前
払取組日情報M10及び、支払企業Sとの契約により一
律に定められた割引利率情報とからなる。
【0072】次に、前払情報が入力され、S30で肯定
判定がなされると、前払取組日が前払可能日と支払期日
との間に設定されているか否かを判定し(S31)、否
定判定された場合は、そのまま本処理(S3)を終了
し、一方、このS31で肯定判定されると、債権情報記
憶部24に記憶された債権情報が更新される(S3
2)。具体的には、債権情報記憶部24内に、前払可能
日前に本登録された債権情報とは別途、債権情報に前払
情報が付加された債権情報が新たに登録される。
【0073】この登録の例を図6で説明すると、例えば
債権情報「ロ」について前払情報を入力すると、前払取
組金額情報M9と前払取組日情報M10が加えられ、枝
番情報M4に「01」が付された債権情報「ハ」が債権
情報「ロ」とは別に作成され、債権情報記憶部24に記
憶される。そして、債権情報「ハ」が作成される際、債
権金額から前払取組金額が差し引かれた債権残高が債権
残高情報M8として書き換えられ、振込金額として、前
払取組金額から、短期プライムレート等に基づく割引利
率により計算された割引料と手数料とが差し引かれた金
額が算出され、振込金額情報M11として記録される。
一方。債権情報「ロ」は、債権残高情報M8が、債権情
報「ハ」の債権残高情報M8と同額に書き換えられる。
そして、納入企業N側が手数料を負担する場合は、書き
換えられた債権残高情報M8に基づいて振込金額情報M
11も書き換えられる。
【0074】尚、図6において、債権情報「ロ」と
「ハ」の債権残高情報M8が異なっているのは、債権情
報「ロ」について前払情報が何度も入力され、債権情報
「ニ」から「へ」に示すように、債権情報「ロ」に係る
債権情報が数度更新されたからである。また、このよう
に前払情報が入力される場合、枝番情報M4として「0
1」「02」…と順次大きい数字が付加される。ただ
し、前述したように、代金債権の全額を前払いするとき
は枝番情報M4は「00」が付加される。
【0075】尚、債権情報の更新後において、更新内容
に誤りが発見された場合については、債権情報の更新解
除オペレーションを行うことにより更新前の状態に戻す
ことができる。次に、債権情報が更新されると、納入企
業Nと異なる企業(即ち「変更振込先」)への支払情報
が登録されているか否かを判定する(S34)。この変
更振込先は、納入企業Nが取引している企業等であっ
て、納入企業Nが支払うべき債務が有る場合、納入企業
Nを介さずにその取引企業に直接代価を支払う先であ
る。この変更支払先は、本実施例の代行支払事務装置1
では5つまで指定できる。ただし、その数はこれに限定
されるものではない。
【0076】そして、この判定(S34)で否定判定が
なされた場合は、計算書兼受取書ε1のフォーマット
に、該当する前払情報が付加された債権情報のうち、必
要な項目を割り付けた計算書兼受取書ε1を作成し、F
AX端末30及びFAX50を介して納入企業Nに送信
している(S36)。
【0077】一方、この(S34)で肯定判定がなされ
た場合は、計算書兼受取書ε2を同ε1と同様の方法で
作成・送信している(S38)。次に、債権情報記憶部
24に記憶された債権情報に基づいて振込データを一括
作成する要振込明細検索処理について説明する。
【0078】ここで、図10は、振込データ一括作成処
理のフローチャートである。この振込データ一括作成処
理S4では、図10に示すように、本実施例の代行支払
事務装置1が起動されると、代行支払事務装置1が有す
る計時機能により、その起動した日付が、事務処理日と
して、更にその2銀行営業日後の日が当日処理期日とし
て同時に設定される(S40)。次に、図11に示す期
日資金決済管理表がプリンタ18から出力される(S4
2)。この期日資金決済管理表の出力は、業務上、毎日
の日中業務終了後に出力される。次に、当日処理期日と
一致する前払取組日情報M10あるいは支払期日情報M
6を有する債権情報が検索される(S44)。次に、S
44で肯定判定された場合は、検索された債権情報につ
いて、停止情報の記録があるか否かの判定を行い(S4
6)、否定判定された場合は、前払取組金額に関する振
込データあるいは債権残高に関する振込データを一括作
成し(S48)し、振込データを作成した債権データ等
についての振込区分を「0」から「1」に更新し(S4
9)、振込データはディスク装置15に装填されたフロ
ッピーディスクに記憶される(S48)。そして、この
フロッピーディスクは、翌銀行営業日に振込用端末70
に装填され、オペレータの送信指示により、銀行の振込
処理ホスト7に送信される。なお、S44で否定判定さ
れた場合、及びS44で肯定判定されたがS46で肯定
判定された債権情報について、直ちに本処理(S4)を
終了する。
【0079】尚、振込データ一括作成処理(S48)で
作成される振込データは、検索された債権情報が複数あ
るとき、振込用端末70を一回の操作で一括して送信で
きるようまとめられたものが作成される。次に、納入企
業Nに債権の支払状況を通知するための支払状況通知処
理について説明する。
【0080】ここで、図12は、支払状況通知処理のフ
ローチャートである。この支払状況通知処理(S5)
は、毎月予め指定された日(例えば月末日など)が到来
すると行われる処理である。この支払状況通知処理(S
5)では、まず、代行支払事務装置1を起動した際設定
された事務処理日が指定日か否かを判定する(S5
0)。そしてこの判定(S50)で否定判定されると、
本処理(S5)を終了し、一方肯定判定されると、代行
支払事務装置1に設定された事務処理日現在において、
代行支払業務を行っている支払期日未到来の残高を有す
る債権情報を納入企業単位で検索し(S52)、検索の
結果、該当する債権情報が無ければ本処理(S5)を終
了し、該当する債権情報があれば、納入企業単位で前払
可能な債権に関する情報(債権残高情報M8や、支払期
日情報M6)の明細が記録された前払可能債権通知書を
作成する処理(S54)が行われる。
【0081】本処理(S5)を行うと、例えば毎月末に
なれば納入企業Nに、前払可能債権通知書が送付される
ので、納入企業Nにとっては、月末ごとにその通知書を
見て資金の調達方法等を検討することができ、更に債権
の残高照合表として使用することができる。
【0082】次に、支払期日が到来し、支払企業Sから
の債権代価全額の入金を確認した債権情報を消し込む、
債権情報消込処理について述べる。ここで、図13は、
債権情報消込処理のフローチャートである。この債権情
報消込処理(S6)を開始すると、まず、オペレータに
よって正しい消込情報(支払期日、債権金額など)の入
力があったか否かを、確認する処理を行う(S60)。
この消込情報はオペレータによって代行支払事務装置1
に入力され、システムでは、代行支払事務装置1に入力
された消込情報に係るデータの文字数や桁数が多すぎた
り、あるいは少なすぎたりしないか、システムに適合す
る形式でデータの入力があったかなど、入力情報の正当
性につき客観的判定を行う。
【0083】S60の処理で否定判定されると本処理S
6は終了し、肯定判定されると次に、消込情報(支払企
業名、支払期日、債権金額など)と完全に一致する債権
情報が存在するか否かの判定を行い(S62)、そし
て、この判定(S62)でさらに肯定判定されると、債
権情報記憶部24から該当する債権情報の消込が行われ
る(S64)のである。
【0084】この債権情報消込処理(S60)を実行す
れば、支払期日が到来し、入金の確認が取れた債権情報
についてのみ、債権情報の消込が行われ(S64)、支
払期日が到来していないものや、入金の確認がなされな
いものについては、債権情報の消込が行われないので、
債権情報の確実な管理ができる。
【0085】次に、支払企業Sに対し、支払期日の到来
が近いことおよび支払期日にファクタリング会社Fへ支
払うべき債権代価を知らせるための支払期日到来処理に
ついて述べる。ここで図14は、支払期日到来処理(S
7)のフローチャートである。
【0086】この支払期日到来処理(S7)では、図1
4に示すように、支払期日が事務処理日の5営業日後の
日付と一致する債権情報が債権情報記憶部24に記憶さ
れているか否かを判定する処理(S70)が行われる。
そして、この処理(S70)により、肯定判定された債
権情報については、支払企業Sに対し、支払期日が近い
ことおよび支払期日にファクタリング会社Fへ支払うべ
き債権代価を知らせるための期日到来お知らせ書ζを作
成し、送信する処理(S72)を行っているのである。
【0087】従って、本処理(S7)を実行すると、支
払期日が迫った代金債権を、支払企業Sが過誤により見
過ごすことが少なくなるので、支払企業Sからファクタ
リング会社Fへの債権代価の支払が確実かつスムーズに
行われる。次に、支払企業Sのオフバランスニーズまた
は資金運用ニーズに対応するための期日前決済取引事務
を行うときに実行される期日前決済処理について述べ
る。尚、以下では、説明を簡単にするため、1つの代金
債権を管理する場合について述べる。また、複数の代金
債権を管理するため個々の代金債権を区別するには、同
一の代金債権に関する各情報に識別番号を付与してお
き、その識別番号により行うなど、その他どのような方
法で行ってもよい。
【0088】ここで、図15は、期日前決済処理のフロ
−チャ−ト、図16は本登録処理のフローチャートであ
る。この期日前決済処理(S8)は、期日前決済情報が
オペレータにより入力されると開始される(S80)。
この期日前決済情報は、期日前決済取引契約により確定
した決済日、この決済日に決済を行う決済代価、運用利
率の他に、消込情報を構成する、支払企業名、支払期
日、債権金額に関する情報からなる。このS80で入力
される期日前決済情報は、RAM114に記憶される。
【0089】そして、この処理(S8)が開始されると
まず、入力された期日前決済情報に関連する債権情報
が、債権情報記憶部24に記憶されているか否かを判定
(S82)する。この判定(S82)では、消込情報に
相当する支払企業名、支払期日、債権金額に関する情報
が完全に一致する債権情報が記憶されているか否かを判
定する。この判定(S82)で否定判定されると、該当
する債権情報がないことを警告(S820)して本処理
(S8)を終了する。尚、この判定(S82)では、該
当する債権情報が記憶されていた場合でも、その債権情
報が有効か否かをも判定するようにしてもよい。具体的
には、停止情報が停止情報記憶部28に記憶されていな
いか否かを判定すればよい。
【0090】一方、この判定(S82)で肯定判定され
ると、次に、期日前決済情報に係る決済日が銀行の営業
日に正当に設定されているか否かを判定する決済日判定
(S84)を行う。この判定(S84)で否定判定され
ると、決済日の設定が間違っていることを警告(S84
0)して本処理(S8)を終了し、この判定(S84)
で肯定判定されると、次に、実支払金算出処理(S8
6)が実行される。
【0091】この実支払金算出処理(S86)では、期
日前決済情報から、運用益、実支払金を算出する処理が
行われる。このうち運用益は、決済日から支払期日まで
の運用日数を求め、その運用日数に運用利率を掛けて算
出され、実支払金は、決済代価から運用益をひいて算出
される。尚、運用益の算出方法は、運用日数を考慮する
ことなく、決済代価に一定率を掛けたものとして算出す
る方法等、上記方法に限るものではない。
【0092】また、運用益を決済申込時点における運用
見込利率により仮に算出して、実支払金を計算し、ファ
クタリング会社Fの実際の運用益との間に差額が生じた
場合、支払期日以降、これを精算する方法も可能であ
る。そして、この処理(S86)が終了すると、RAM
114に記憶されている期日前決済情報を、運用益、実
支払金の運用益情報と共に債権情報記憶部24に記憶す
る処理、すなわち仮登録する処理(S87)がなされ、
引き続いて、支払企業Sに期日前決済に必要な実支払金
を知らせるための実支払金計算書ηを送信する実支払金
計算書送信処理(S88)がなされる。この実支払金計
算書ηには、期日前決済情報及び、運用益情報が記載さ
れている。この実支払金計算書ηは、書類記憶部29に
記憶されているフォーマットに、期日前決済情報及び、
運用益情報に関する各情報を割り付けたものがFAX5
0で支払企業Sに送信される。
【0093】このように期日前決済情報が仮登録される
と、次に、確定情報あるいは、中断情報が入力されたか
否かを判定する決済判定(S90)がなされる。確定情
報は、決済日当日までに支払企業Sによる実支払金の入
金が確認されたことを表す情報で、中断情報は、決済日
当日までに実支払金の入金がなされない場合や、支払企
業Sより期日前決済取引の中止が申込まれたことを表す
情報である。これらの情報はオペレータにより入力され
る。尚、本処理(S8)は、実支払金計算書送信処理
(S88)が行われた後は、これらの情報が入力される
まで待機する。
【0094】そして、この処理(S90)で中断情報が
入力されたと判定された場合は、債権情報記憶部24に
仮登録した期日前決済情報を消去する仮登録情報消去処
理(S92)を行い、本処理(S8)を終了する。一
方、この処理(S90)で、確定情報が入力されたと判
定された場合は、決済資金を受領済みであるとして、本
登録処理(S100)を行う。
【0095】この本登録処理(S100)では、図16
に示すように、決済が確定した代金債権が債権代価を満
額決済したものかを判定する満額決済判定が行われる
(S102)。この判定(S102)では、債権代価全
額と決済代価とが一致するか否かが判定される。そし
て、この判定(S102)で満額決済したものであると
肯定判定されると、該当する債権情報と、仮登録した期
日前決済情報を支払期日に自動的に消込むよう設定さ
れ、また、該当する債権情報については、債権情報消込
処理(S6)を行う必要がなくなるので、この処理(S
6)を実行しないように設定する消込設定処理(S10
4)を行い、本処理(S8)を終了する。またこの処理
(S104)では、支払企業Sに期日到来お知らせ書ζ
を送信する必要もなくなるので、支払期日到来処理(S
7)を実行しないように設定する。
【0096】そして、以上の処理が終了すると、期日前
決済処理(S8)に戻り、同処理(S8)を終了する。
一方、満額決済判定(S102)で、期日前決済情報が
満額決済したものではないと否定判定されると、債権情
報記憶部24に記憶された債権情報に、満額ではないも
のの一部の決済はされた代金債権であることを表す未充
決済情報を付加する未充決済処理(S106)がなされ
る。未充決済情報は、少なくとも決済代価を含む、決済
情報からなる。そして、この処理(S106)では、こ
の未充決済情報が付加された債権情報について、支払期
日到来処理(S7)を実行する場合、期日到来お知らせ
書ζの債権代価を表示する欄に、全額から決済済み代価
を引いた額を表示するよう設定する。また、この処理
(S106)では、支払期日に債権情報消込処理(S
6)を実行する際、消込情報に加え未決済の債権代価で
ある残代価に関する情報を入力すれば、債権情報の消込
が行えるように設定している。具体的には、S6の処理
で消込情報が入力されたら、未充決済情報に係る決済代
価の合計を債権代価全額から引き、その引いた値が支払
われた残代価と一致すれば、支払企業Sからファクタリ
ング会社Fへの代金債権の支払が終了したと判定するよ
うにしているのである。
【0097】また、この満額決済判定(S102)で
は、期日前決済処理(S8)を繰り返し行うことによっ
て、その都度、複数の未充決済情報が債権情報に付加さ
れ、決済代価の合計が債権代価の合計に等しくなった場
合には、満額決済がなされたものとして支払期日に債権
情報を自動的に消し込むように設定し、債権情報消込処
理(S6)及び支払期日到来処理(S7)を実行しない
ように設定する。
【0098】そして、以上の処理が終了すると、期日前
決済処理(S8)に戻り、同処理(S8)を終了する。
尚、本登録処理(S100)で、債権情報消込処理(S
6)や支払期日到来処理(S7)を実行しないように設
定した場合、決済が完了した旨を知らせる書面を支払企
業Sに送信するよう設定してもよい。
【0099】以上説明した代行支払事務装置1を利用す
ると以下のような効果がある。本実施例の代行支払事務
装置1では、振込データ一括作成処理(S4)のS44
で、債権情報記憶部24に記憶された支払期日情報M6
あるいは前払取組日情報M10が、代行支払業務を行っ
ている事務処理日から2銀行営業日後の当日処理期日に
一致するか否かを判定すると、S48では、S44で肯
定判定された支払期日あるいは前払取組日に係る代金債
権について、支払期日が一致した場合は債権残高、前払
取組日が一致した場合は前払取組金額に応じた債権代価
の振込データを一括作成している。
【0100】従って、本実施例の代行支払事務装置1を
用いると、当該装置が、事務処理を行っているその日、
すなわち事務処理日において、その事務処理日から2銀
行営業日後の日を当日処理期日として同時に管理し、そ
の当日処理期日に振込日が到来する代金債権の振込デー
タが事務処理日に一括作成されるよう、常に、支払期日
あるいは前払取組日の監視を行っているので、この支払
期日あるいは前払取組日に納入企業あるいは変更振込先
に支払うべき代金債権についての支払いを、支払期日あ
るいは前払取組日に合わせて確実に行うことができる。
【0101】また、本実施例の代行支払事務装置1を用
いると、前払取組日や支払期日の2営前が到来するのを
待って振込データを一括作成しているので、前払取組日
や支払期日が到来するまでに債権代価の振込停止事由が
発生しても、振込前日の停止を除いては組戻しを行うこ
となく債権代価の振込を停止することができる。従っ
て、本実施例の代行支払事務装置を用いれば、代行支払
業務の効率および安全性を向上させることができる。
【0102】また、本実施例の代行支払事務装置1は、
債権情報記憶部24に債権情報として前払可能日と支払
期日が記憶され、そして、前払情報を債権情報記憶部2
4に記憶する際、前払取組日が、前払可能日から支払期
日の前日までの日付であるか否かを判定し(S31)、
肯定判定された場合のみ債権情報を更新している(S3
2)。従って、本実施例の代行支払事務装置1を用いれ
ば、前払取組日が間違っている前払情報により債権情報
が更新されることがないので、代金債権の債権代価が、
債権代価を支払うべき期間外で支払われることを防止す
ることができる。
【0103】また、本実施例の代行支払事務装置1は、
S44で営業日記憶手段に記憶された営業日に基づいて
当日処理期日を認識して、その上で当日処理期日が支払
期日あるいは前払取組日と一致するか否かを判定してい
るので、前払取組日の前に、銀行が振込業務を行ってい
ない日(土曜、日曜、国民の祝日、年末年始など)があ
る場合でも、銀行の営業日にあわせて債権代価の振込を
確実に行うことができる。具体的には、前払取組日が月
曜日に設定されている場合、当日処理期日が月曜日とな
る事務処理日、即ち2営前の木曜日がその事務処理日と
なる。
【0104】また、本実施例の代行支払事務装置1は、
代金債権の代行支払業務の停止命令が停止情報記憶部2
8あるいは債権情報記憶部24に記憶されている場合、
該当する代金債権については振込データの一括作成を停
止するので、振込が停止された代金債権について誤って
振込がなされることを防止することができる。
【0105】ところで、本実施例の代行支払事務装置1
では、ファクタリング会社Fから納入企業Nへの債権代
価全額の支払いが終了し、しかも支払企業Sから債権代
価全額がファクタリング会社Fに支払われ、代行支払業
務のすべての業務が終了したか否かを明確にするため、
支払期日に、すべての代行支払業務が終了した代金債権
の債権情報を支払期日当日に代行支払事務装置1から消
込む、債権情報消込処理(S6)を行っている。
【0106】しかし、このように支払期日を待って債権
情報を消し込むようにすると、ファクタリング会社F
が、上述した支払企業Sのオフバランスニーズ等に応
え、代金債権の決済を支払期日の前に行う場合、まず、
決済を行った事実に関する情報(期日前決済情報等)
を、支払期日まで確実に管理する必要がある。そして、
ファクタリング会社Fでは、支払期日に債権情報を消し
込むため、支払期日に決済された残代価と、期日前決済
を行った決済代価との合計が債権代価全額に一致するこ
とを確認する作業を行う必要がある。このように、オフ
バランスニーズ等に応えようとすると、管理作業や確認
作業を行う必要が生じるので、煩雑な業務を行わねばな
らない。
【0107】そこで、本実施例の代行支払事務装置1を
用い、期日前決済処理(S8)を実行すれば、決済が行
われる毎に期日前決済情報を入力し、しかも、期日前決
済情報から、支払期日前に満額決済されたと判定された
場合は、決済日に債権情報を自動的に消込んだり(S1
04,S106)、一方、未充決済された場合でも、債
権情報に未充決済情報を付加することにより、支払期日
には、残代価に係る残代価情報を入力するだけで、債権
情報が消し込まれるよう設定している(S106)の
で、管理作業や確認作業を行う必要がない。そのため、
本実施例の代行支払事務装置1を用いれば、オフバラン
スニーズ等に応えうる代行支払業務の効率化を図ること
ができる。従って、本実施例の代行支払事務装置1を用
いると、ファクタリング会社は、支払企業Sのオフバラ
ンス・ニ−ズ、資金運用ニ−ズに的確かつ容易に応じる
ことができる。
【0108】また、本実施例の代行支払事務装置1を用
いると、債権代価を満額決済しない場合は、支払企業S
に送信する期日到来お知らせ書ζの債権代価を表示する
欄に、債権代価全額から決済代価を引いた額を表示する
ようにしている(S106)ので、決済の状況に応じ、
支払企業Sがファクタリング会社Fに支払うべき未決済
の残代価を的確に知らせることができる。
【0109】さらに、本実施例の代行支払事務装置1を
用いると、期日前債権情報を入力するだけで、運用益と
実支払金と自動的に算出される(S86)ので、代行支
払業務を効率化することができる。尚、本発明の第1消
込設定手段はS104の処理、第2消込設定手段はS1
06の処理に相当する。
【0110】尚、本実施例では、事務処理日を代行支払
事務装置1を起動した日として設定されるよう構成した
が、オペレータが直接代行支払事務装置1に事務処理日
を入力するよう構成してもよい。尚、本発明の記憶手段
は、本実施例の債権情報記憶部24に、要明細作成手段
手段は、S44に、振込データ一括作成手段は、S48
に相当する。
【0111】また、本発明の前払可否判定手段は、本実
施例のS31に、営業日記憶手段は、営業日情報記憶部
26に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の代行支払事務装置が用いられる
代行支払業務についての説明図である。
【図2】 本実施例の代行支払事務装置の概略構成図
である。
【図3】 本実施例の代行支払事務装置の概略構成図
である。
【図4】 本実施例の代行支払事務装置の概略構成図
である。
【図5】 本実施例の代行支払事務装置の構成図であ
る。
【図6】 本実施例の支払マスタの説明図である。
【図7】 本実施例の代行支払事務装置が用いられる
代行支払業務の説明図である。
【図8】 本実施例の債権情報登録処理のフローチャー
トである。
【図9】 本実施例の前払処理のフローチャートであ
る。
【図10】 本実施例の振込データ一括作成処理のフロ
ーチャートである。
【図11】 本実施例の期日資金決済管理表の説明図で
ある。
【図12】 本実施例の支払状況通知処理のフローチャ
ートである。
【図13】 本実施例の債権情報消込処理のフローチャ
ートである。
【図14】 本実施例の支払期日到来処理のフローチャ
ートである。
【図15】 本実施例の期日前決済処理のフローチャー
トである。
【図16】 本実施例の本登録処理のフローチャートで
ある。
【図17】 請求項1記載の発明を説明するための説明
図である。
【符号の説明】
1…代行支払事務装置、3,5…ファックス装置、7…
振込処理ホスト、10…メインコンピュータ、11…コ
ンピュータ、13…入力装置、15…ディスク装置、1
7…モニタ、18…プリンタ、19…インターフェイ
ス、20…データベース、22…企業情報記憶部、24
…債権情報記憶部、26…営業日情報記憶部、28…停
止情報記憶部、29…書類記憶部、30…ファックス管
理用コンピュータ、50…ファックス装置、70…振込
用端末
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月22日(2000.5.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 納入企業が支払企業に対し有する代金債
    権の債権代価についての支払いを、前記支払企業に代わ
    って行う代行支払業務にて利用され、該代行支払業務に
    係る事務処理を行うための代行支払事務装置であって、 前記代金債権の支払期日及び該支払期日までに支払うべ
    き債権残高に関する情報を少なくとも含み、前記代金債
    権の全部又は一部について前記支払期日前に前払いを行
    う場合に、前払いを行う前払取組日及び該前払取組日に
    支払う前払取組金額に関する前払情報をも含む債権情報
    を記憶する記憶手段と、 該記憶手段に記憶された前記支払期日あるいは前記前払
    取組日が、前記代行支払業務を行っている事務処理日か
    ら一定期日後に設定された当日処理期日に一致する債権
    情報を検索する要振込明細検索手段と、 該要振込明細検索手段で検索された債権情報に係る前記
    代金債権ついて、前記支払期日が一致した場合は前記債
    権残高に応じ、前記前払取組日が一致した場合は前記前
    払取組金額に応じた前記債権代価を、前記納入企業の口
    座に振り込むための振込データを一括作成する振込デー
    タ一括作成手段とを備えることを特徴とする代行支払事
    務装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の代行支払事務装置におい
    て、 前記記憶手段には、 前記納入企業に対し前記債権代価の前記前払いが可能に
    なる前払可能日が前記債権情報の一つとして記憶され、 前記前払取組日が、前記前払可能日と同日の日付あるい
    は、前記前払可能日以後かつ前記支払期日前の日付であ
    るか否かを判定し、該判定により肯定判定された場合の
    み、前記債権情報を、前記前払情報を付加した情報に更
    新する前払可否判定手段を備えることを特徴とする代行
    支払事務装置。
  3. 【請求項3】 請求項1,2何れか記載の代行支払事務
    装置において、 前記要振込明細検索手段は、 銀行の営業日を記憶する営業日記憶手段を備え、 該営業日記憶手段に記憶された前記営業日に基づいて前
    記当日処理期日を算出することを特徴とする代行支払事
    務装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3何れか記載の代行支払事務
    装置において、 前記振込データ一括作成手段は、 前記代行支払業務の停止を命令する停止命令が入力され
    ると、該停止命令に係る代金債権についての前記振込デ
    ータの作成を停止する停止手段を備えることを特徴とす
    る代行支払事務装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載の代行支払事
    務装置において、 前記代金債権の前記支払期日の前に、支払企業より前記
    債権代価が満額決済されたとき、前記記憶手段に記憶さ
    れた前記債権情報を前記支払期日が来たら消し込むよう
    設定する第1消込設定手段を備えることを特徴とする代
    行支払事務装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の代行支払事
    務装置において、 前記代金債権の前記支払期日の前に、支払企業より前記
    債権代価が一部決済されたとき、前記記憶手段に記憶さ
    れた前記債権情報に、一部決済された未充決済代価に関
    する未充決済情報を付加し、前記支払期日が到来したと
    き、前記債権代価から前記未充決済代価を差し引いた未
    決済の残代価を入力すると、前記債権情報を消し込むよ
    う設定する第2消込設定手段を備えることを特徴とする
    代行支払事務装置。
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