JP2005050026A - クリアリングシステム、クリアリング方法、クリアリング業務支援装置並びにクリアリング業務支援プログラム - Google Patents

クリアリングシステム、クリアリング方法、クリアリング業務支援装置並びにクリアリング業務支援プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】有価証券売買取引において、クリアリングシステム及びクリアリング方法を提供する。
【解決手段】有価証券売買取引に係る清算を行うクリアリングシステムSであって、情報格納手段と、情報格納手段の情報に基づいて演算を行う演算手段と、外部コンピュータとの間で情報の送受信を行う送受信手段とを備え、情報格納手段には、非清算参加者2から取得した約定データと、前記統一清算機関から取得した、市場での取引データとが格納され、約定データを非清算参加者毎に分類し、非清算参加者別に清算チケットデータを作成する処理と、約定データを有価証券の種類別に分類し、売買価格及び売買数量を加減算して、統一清算機関向けに清算チケットデータを作成する処理と、清算チケットデータと市場での取引データを照合する処理と、清算チケットデータに基づき、振替指図データを送受信手段から決済機関へ送信する処理とを備えている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有価証券売買取引に関するクリアリングシステム、有価証券売買取引に関するクリアリング方法、有価証券売買取引に関するクリアリング業務支援装置並びに有価証券売買取引に関するクリアリング業務支援プログラムに係り、特に、有価証券売買について他社の清算を請け負うことを可能とする、有価証券売買取引に関するクリアリングシステム、有価証券売買取引に関するクリアリング方法、有価証券売買取引に関するクリアリング業務支援装置並びに有価証券売買取引に関するクリアリング業務支援プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
株式や債券などの有価証券の売買を行う組織として、日本には、東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所の5つの証券取引所と、店頭市場(JASDAQ)がある。
【0003】
有価証券市場での取引状況について図1に示す。図示されているように、顧客が有価証券を売買するとき、一般的には、証券業者を通して行う。証券業者のうち証券取引所の会員になっている業者(取引参加者)は、有価証券市場に直接発注を行う。一方、会員になっていない業者(非取引参加者)は、会員になっている業者を通じて発注を行う。
【0004】
各市場で行われた売買について、従来では、それぞれの市場で清算業務が行われていた。しかし、より効率化を図るために、上記市場での有価証券等の売買については、株式会社日本証券クリアリング機構(以下、「統一清算機関」という)において一元的に清算業務を行うことになった。
【0005】
そして、一元的に清算業務を行う仕組みに対応して、参加者制度が開始されることになった。参加者制度とは、証券会社等が清算機関の参加者となり、清算業務を行う制度である。
【0006】
清算参加者としては、自社が市場において行った売買(顧客からの委託分を含む)のみの清算を行える「自社清算参加者」と、他社が市場において行った売買(自身が市場において行った売買の清算も含む)の清算を行える「他社清算参加者」とがある。市場参加者が清算参加者とならない場合には、市場で行う売買の清算については、他社清算参加者に委託して行うことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
清算業務の主なものとしては、売買取引の債務引受、ネッティング、決済照合、振替指図があげられる。従来より、有価証券の売買処理や決済処理については、コンピュータやネットワークを利用して、処理を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−49877号公報(第5頁−第7頁)
【特許文献2】
特開2002−358414号公報(第4頁−第7頁)
【0009】
上記のように、有価証券の売買や決済に関して、効率的に処理を行うためのシステムが提案されてきている。しかし、市場での有価証券等の売買に伴う決済に関して、債務引受、ネッティング、決済照合、振替指図などの清算処理を一元的に行うシステムについては未だ提案されていない。
【0010】
本発明の目的は、全国証券取引所及び店頭市場の有価証券等売買取引に係る清算業務が一箇所に集約される仕組みにおいて、他社の清算を請け負う他社清算参加者が行う業務に必要なクリアリングシステム及びクリアリング方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記クリアリングシステム及びクリアリング方法を実現するための、クリアリング業務支援装置並びにクリアリング業務支援プログラムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明のクリアリングシステムによれば、他社清算参加者側に設けられ、前記他社清算参加者と非清算参加者と統一清算機関と決済機関との間において、有価証券売買取引に係る清算を行うクリアリングシステムであって、情報格納手段と、前記情報格納手段の情報に基づいて演算を行う演算手段と、外部コンピュータとの間で情報の送受信を行う送受信手段と、を備え、前記情報格納手段には、前記非清算参加者から取得した約定データと、前記統一清算機関から取得した、市場での取引データと、が格納され、前記演算手段により、前記約定データを非清算参加者毎に分類し、前記非清算参加者別に清算チケットデータを作成する処理と、前記約定データを有価証券の種類別に分類し、分類された有価証券毎に売買価格及び売買数量を加減算して、前記統一清算機関向けに清算チケットデータを作成する処理と、前記清算チケットデータと前記市場での取引データを照合する処理と、前記清算チケットデータに基づき、振替指図データを作成する処理と、前記振替指図データを前記送受信手段から前記決済機関へ送信する処理と、を備えたことにより解決される。
【0012】
このように、本発明のクリアリングシステムによれば、全国の証券取引所及び店頭市場の現物売買取引に係る清算業務が、統一清算機関に集約されるにあたり、他社の清算を請け負う他社清算参加者が行う清算業務を支援し、他社清算参加者は清算業務を確実且つ効率的に行うことが可能となる。
【0013】
本発明のクリアリングシステムでは、約定データの受入、ネッティングによる清算チケットデータの作成、統一清算機関側のデータとの照合、振替指図データの作成、振替指図データの決済機関への送付、という一連の清算業務を行うことが可能である。
また、本発明のクリアリングシステムは、種々のサーバに接続され、各サーバに情報収集処理や送受信処理を分担させたり、各サーバの有する情報を活用することにより、業務の効率化を図るように構成されている。すなわち、前記クリアリングシステムは、ネットワークから約定データを取得する約定データ取得サーバ、前記有価証券の属性情報及び移動情報を有する有価証券情報サーバ、時価担保額,担保差入人情報,掛目情報を含む情報を有する担保情報サーバ、前記クリアリングシステムと前記決済機関とを相互接続する接続サーバ、前記クリアリングシステムの会計処理を行う会計処理サーバ、のいずれか一つまたは二つ以上の組合せに接続されている。
【0014】
さらに、前記演算手段が、前記非清算参加者から前記他社清算参加者を経由し前記統一清算機関へ差し入れられる担保額を算出する処理を行い、有価証券等売買取引に係る統一清算機関からの有価証券受入に支障がないように構成されている。
【0015】
また、前記市場データ格納部にはフェイルデータが格納され、前記演算手段は前記フェイルデータに基づいて、前記振替指図データの送信を取り消すとともに前記振替指図データに係る決済を翌日決済に繰り越す。このように、本例のクリアリングシステムは、フェイル発生に対応した構成とされているので、清算システム全体に混乱を与えることがなく好適である。
【0016】
なお、前記クリアリングシステムは、非清算参加者の端末,統一清算機関のシステム,決済機関のシステム,のそれぞれと、インターネットを含む通信回線網で接続される。
【0017】
本発明のクリアリング方法は、他社清算参加者側に設けられた、情報格納手段と、前記情報格納手段の情報に基づいて演算を行う演算手段と、外部コンピュータとの間で情報の送受信を行う送受信手段とを用い、前記他社清算参加者と、非清算参加者と、統一清算機関と、決済機関との間において、有価証券売買取引に関する清算を行うクリアリング方法であって、前記非清算参加者から送付された約定データを前記情報格納手段に記憶する工程と、前記演算手段が前記約定データを非清算参加者毎に分類し、前記非清算参加者別に清算チケットデータを作成する工程と、前記演算手段が前記約定データを有価証券の種類別に分類し、分類された有価証券毎に売買価格及び売買数量を加減算して、前記統一清算機関向けに清算チケットデータを作成する工程と、前記清算チケットデータを前記情報格納手段に記憶する工程と、前記統一清算機関から送付された市場での取引データを前記情報格納手段に記憶する工程と、前記情報格納手段から抽出された清算チケットデータと前記市場での取引データを前記演算手段が照合する工程と、前記清算チケットデータに基づいて振替指図データを作成する工程と、前記振替指図データを前記送受信手段から前記決済機関へ送信する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明のクリアリング方法は、前記演算手段が、前記非清算参加者から前記他社清算参加者を経由し前記統一清算機関へ差し入れられる担保額を算出する工程を備えている。
【0019】
また、前記振替指図データを前記決済機関に送付する工程では、前記演算手段が前記振替指図データに関するフェイルデータに基づいて、前記振替指図データの送信を取り消すとともに前記振替指図データに係る決済を翌日決済に繰り越す工程と、がなされる。そして、前記振替指図データに関するフェイルデータに基づいて、前記送受信部から外部コンピュータにフェイルカバー情報を送出する工程を備えている。
【0020】
本発明のクリアリング業務支援装置は、他社清算参加者側に設けられ、前記他社清算参加者と非清算参加者と統一清算機関と決済機関との間において、有価証券売買取引に係る清算を行うクリアリング業務支援装置であって、前記非清算参加者から収集した約定データと、前記統一清算機関から取得した市場での取引データと、が入力される入力手段と、前記約定データを非清算参加者毎に分類し、前記非清算参加者毎に作成された非清算参加者別の清算チケットデータを作成する処理と、前記約定データを有価証券の種類別に分類し、分類された有価証券毎に売買価格及び売買数量を加減算して、前記統一清算機関向けに作成された統一清算機関向けの清算チケットデータを作成する処理と、前記清算チケットデータと前記市場での取引データとを照合する処理と、前記清算チケットデータに基づいて振替指図データを生成する処理と、を行う演算手段と、前記約定データと、前記市場での取引データと、前記清算チケットデータと、前記振替指図データと、を格納する情報記憶手段と、前記制御部での処理結果を出力する出力手段と、通信回線網に接続され、前記振替指図データを前記決済機関に送信する送受信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
前記クリアリング業務支援装置は、他のサーバと連携することにより、情報収集や情報の送受信を効率的に行うように構成されている。すなわち、前記クリアリング業務支援装置は、ネットワークから約定データを取得する約定データ取得サーバ、前記有価証券の属性情報及び移動情報を有する有価証券情報サーバ、時価担保額,担保差入人情報,掛目情報を含む情報を有する担保情報サーバ、前記クリアリングシステムと前記決済機関とを相互接続する接続サーバ、前記クリアリングシステムの会計処理を行う会計処理サーバ、のいずれか一つまたは二つ以上の組合せに接続されたことを特徴とする。
【0022】
前記演算手段は、前記非清算参加者から前記他社清算参加者を経由し前記統一清算機関へ差し入れられる担保額を算出する処理を行う。
また、前記演算手段は、前記振替指図データに関するフェイルデータに基づいて、前記振替指図データの送信を取り消すとともに前記振替指図データに係る決済を翌日決済に繰り越す。そして、前記送受信手段から、前記フェイルデータに基づくフェイルカバー情報が外部コンピュータに送信される。
【0023】
本発明のクリアリング業務支援プログラムは、前記他社清算参加者と非清算参加者と統一清算機関と決済機関との間において、有価証券売買取引に関する清算処理を行う業務支援プログラムであって、情報格納手段と、前記情報格納手段の情報に基づいて演算を行う演算手段と、他のコンピュータとの間で情報の送受信を行う送受信手段とを備えた他社清算参加者側のコンピュータに設けられ、前記送受信手段を介して、前記非清算参加者から約定データを受信する処理と、前記演算手段において、前記約定データに基づいてネッティングを行い、清算チケットデータを作成する処理と、前記送受信手段を介して、前記統一清算機関から市場での取引データを受信する処理と、前記演算手段において、前記清算チケットデータと、前記市場での取引データとを照合する処理と、前記演算手段において、前記清算チケットデータに基づいて振替指図データを作成する処理と、前記振替指図データを前記送受信手段から前記決済機関に送付する処理と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
また、クリアリング業務支援プログラムは、前記演算手段において、前記非清算参加者から前記他社清算参加者を経由し前記統一清算機関へ差し入れられる担保額を算出する処理を、前記コンピュータに実行させる。また、前記約定データに基づいてネッティングを行い、清算チケットデータを作成する処理では、前記非清算参加者別に、受け取り資金及び有価証券と、支払い資金及び有価証券とを相殺し、差額分を算出する処理を前記コンピュータに実行させる。
【0025】
さらに、クリアリング業務支援プログラムは、前記約定データに基づいてネッティングを行い、清算チケットデータを作成する処理では、有価証券の種類別に、受け取り資金及び有価証券と、支払い資金及び有価証券とを相殺し、差額分を算出する処理を前記コンピュータに実行させる。
【0026】
また、クリアリング業務支援プログラムは、前記演算手段において、前記市場データ格納部に格納されたフェイルデータを参照し、該フェイルデータに基づいて、前記振替指図データの送信を取り消すとともに、前記振替指図データに係る決済を翌日決済に繰り越す処理をコンピュータに実行させる。
【0027】
また、クリアリング業務支援プログラムは、前記振替指図データを前記決済機関に送付する処理の後に、前記決済機関から振替を確認するデータを受信し、前記振替を確認するデータに基づいてエラーを確認する処理と、前記振替を確認するデータに基づいて振替済み案件を削除する処理と、をコンピュータに実行させる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する処理ステップ、装置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0029】
図1乃至図32は本発明の一実施の形態例を示すものであり、図1は参加者制度の概要を示す説明図、図2はクリアリングシステムの概要を示す説明図、図3はクリアリングシステムの概要を示すブロック図、図4はクリアリングシステムのハード構成を示す説明図、図5は全体のハード構成を示す説明図、図6は約定データの明細を示す説明図、図7は清算チケットデータの明細を示す説明図、図8及び図9はクリアリングシステムによる処理を示す説明図、図10は資金決済予定データの明細を示す説明図、図11はクリアリングシステムによる前日処理を示す説明図、図12はクリアリングシステムによる当日処理を示す説明図である。
【0030】
また、図13乃至図17は出力帳票の請求画面及び出力帳票を示す説明図、図18及び図19はクリアリング会計システムを示す説明図、図20は担保管理システムとの情報のやり取りを示す説明図、図21は保管振替機関のシステムとの情報のやり取りを示す説明図、図22は資金決済銀行との情報のやり取りを示す説明図、図23は保管振替機関のシステムとの他の情報のやり取りを示す説明図、図24乃至図32はクリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【0031】
(1)参加者制度の概要
先ずはじめに、図1に基づいて、参加者制度の概要を示す。従来からある「取引参加者制度」は、有価証券の売買を行うための制度であり、証券会社等が取引参加者として有価証券市場での証券取引を行っている。取引参加者は、取引参加者になっていない非参加者に代わって、証券の取引を行う。
【0032】
統一清算機関における「清算参加者制度」は、有価証券売買の清算を行うための制度であり、証券会社等が清算参加者として清算処理を行うものである。清算参加者には、自社清算参加者と他社清算参加者とがあり、他社清算参加者は自社分の清算処理だけでなく、他社分についての清算も行う。本例は、この他社清算参加者側に設けられたクリアリングシステムに関するものである。
【0033】
(2)クリアリングシステムの構成
図2乃至図5に、本例のクリアリングシステムSの構成を示す。本例のクリアリングシステムSは、他社清算参加者1の側に設けられ、インターネット等のネットワークにより、非清算参加者2の端末2aと、統一清算機関3のシステム3aと、決済機関4のシステム4b〜4fと、にそれぞれ接続されて構成されている。なお、インターネットを利用する場合は、ハッカー対策、ウィルス対策より、クリアリングシステムSとこれら外部コンピュータとの間に、ファイアーウォールを設けるのが好ましい。
【0034】
クリアリングシステムSは、非清算参加者2から受け取った約定データに基づいて、有価証券の売買に関する清算業務を行う。約定データは、非清算参加者2が、投資家等の顧客5に代わって証券取引を行い、約定となった取引に関するデータである。なお、他社清算参加者1が売買取引を行っている場合は、他社清算参加者1による約定を含めて清算業務を行う。清算業務とは、決済に先立って、決済される証券の金額と資金額とを確定させるものである。本例のクリアリングシステムSは、清算業務として、約定データ受入、ネッティング、リコンサイル、振替指図の処理をそれぞれ行う。
【0035】
すなわち、非清算参加者2は、市場での取引は行うことができるが、清算業務については行うことができない。このため、非清算参加者2は他社清算参加者1に清算業務を委託する。他社清算参加者1は、非清算参加者2から委託された他社清算分と、自社分がある場合は自社分についても清算業務を行うものである。
【0036】
図3は、市場と、他社清算参加者1、非清算参加者2、統一清算機関3、決済機関4の関係と、情報の流れを示す説明図である。図3では、決済機関の例として保管振替機構4aが示されている。図示されているように、市場で取引された全ての約定データは、統一清算機関3に集められる。統一清算機関3では、これらの約定データについて、債務引受、ネッティング、決済照合、振替指図を行い、各決済機関4において決済を行う。他社清算参加者1は、非清算参加者2が行った取引の約定データを受け取り、この約定データについて、ネッティング、振替指図データの作成を行い、各決済機関4において決済を行う。このとき、各決済機関4では、他社清算参加者1の口座と、統一清算機関3の口座との間で振替が行われる。さらに、他社清算参加者1は、それぞれの非清算参加者2、または非清算参加者2の顧客との間で清算を行う。
【0037】
なお、本例における他社清算参加者1は、企業間商取引ネットワークに接続されている「Swiftサーバ31」、証券会社のネットワークシステムに接続されている「証券システムサーバ32」、銘柄情報を保有すると共に、保管振替機関4aとの間で情報のやり取りを行う「証券保管受渡システムサーバ33」、担保に関する情報を保有する「担保管理システムサーバ34」、他社清算参加者1の会計処理を行う「全社会計システムサーバ35」を備えている。本例のクリアリングシステムSは、これらのサーバの有する情報を利用したり、これらのサーバに情報送受信を行わせたりして、クリアリング業務を効率的に行うように構成されている。
【0038】
クリアリングシステムSは、ワークステーションサーバ等のコンピュータによって構成されており、図4に示すように、約定データ等の情報が入力される入力部11と、各種情報を記憶する情報記録手段としての記憶部12と、各種情報に基づいて演算処理を行う演算手段としての制御部13と、制御部13での演算結果を出力する出力部14と、他のコンピュータとの通信を行う送受信手段としての送受信部15と、を備えている。なお、クリアリングシステムSは、一台のコンピュータから構成されていても良いが、複数台のコンピュータから成る構成としても良い。
【0039】
図5に示すように、他社清算参加者1のクリアリングシステムSだけでなく、非清算参加者2、統一清算機関3、外部サーバ、決済機関4も、それぞれコンピュータシステムを備えており、それぞれ固有の情報を所有している。他社清算参加者1、非清算参加者2、統一清算機関3、外部サーバ、決済機関4は、通信回線網を介して情報の送受信を行っている。
【0040】
クリアリングシステムSの記憶部12には、クリアリング業務に必要な各種データが登録されている。本例のクリアリングシステムSは、クリアリング業務に必要なデータとして、a.約定データ、b.約定データに基づいて作成される清算チケットデータ、c.照合用データ、d.振替指図データを備えている。さらに、クリアリングシステムSは、e.フェイルデータ、f.その他管理データ、の各データをそれぞれ備えている。
【0041】
a.約定データ
約定データは、上場株式(含む店頭銘柄),上場転換社債,国債、その他上場商品(優先出資証券、上場投信、不動産投信)等の有価証券について、売買が成立した案件のデータであり、銘柄情報、取引数、金額に関する情報が含まれている。約定データは、約定日または約定日の翌日に、クリアリングシステムSに清算業務を委託している非清算参加者2から送付され、クリアリングシステム側で各社毎に分類されて格納される。
【0042】
約定データは、クリアリングシステムの入力部11または送受信部15から入力される。入力部11は、キーボード、マウス、スキャナー、情報読取装置等からなる。約定データは、キーボード、マウスを使用して手入力されたり、スキャナーにより紙情報を読み取って入力される。
【0043】
或いは、約定データは、情報読取装置を介して、ディスク等の記録媒体に格納された情報や、他のコンピュータのハードディスクに格納された情報を読み取ったり、送受信部15を介して、他のコンピュータから送信された情報や、FAXにより送信された情報を受信することにより、クリアリングシステムSに入力される。情報通信網を介して約定データが入力された場合は、送信ファイルを証跡として送受信履歴に格納する構成とすると良い。
【0044】
なお、多くの金融機関が加盟しているSwift(The Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)を利用して、約定データの送受信を行っても良い。Swiftは、決済データを交換する企業間商取引ネットワークである。他社清算参加者1は、この企業間商取引ネットワークに接続されたSwiftサーバ31を有している。このSwiftサーバ31に、企業間商取引ネットワークを介して、非清算参加者2から約定データが入力される。入力された約定データは、モニターやプリンタ等の出力部14に出力され、確認される。このように、約定データが入力され、確認された時点で、クリアリングシステムSによる債務引受処理がなされたものとなる。
【0045】
なお、取得された約定データについて、証券保管振替制度を運用する機関(以下「保管振替機関4a」という)に設けられた決済照合システム4bを利用し、約定データと清算チケットデータの照合を行うようにしても良い。この場合の、クリアリングシステムSと決済照合システム4bとの接続対応を図24に示す。
【0046】
図23に示されているように、クリアリングシステムSと決済照合システム4bとの間では、所定の電文が受渡しされ、約定データの照合と、清算チケットデータの照合が行われる。なお、電文の処理を行うために、クリアリングシステムSには、インターフェース機能が設けられる。また、決済照合システム4b側は、保管受渡システム33を介して電文のやり取りを行う。決済照合システム4bでは、クリアリングシステムSから送付された約定データ及び清算チケットデータにについて相手データを検索し、両データのマッチングを行う。約定データと清算チケットデータの照合が行われた後は、保管振替機関4aに設けられた振替システム4cへ、振替指図データが送信される。振替システム4cでは、保管振替機関4aに設けられた口座間の振替によって、有価証券の受渡処理が行われる。上記構成により、清算業務に関する約定入力から振替指図までの処理を、クリアリングシステムSと保管振替機関4aとの、一対一で行うことができ、処理の効率性を向上することが可能となる。
【0047】
図6は、非清算参加者2から送付された約定データの具体例を示すものである。図6の例では、東ブローカー、西ブローカー、南ブローカー、北ブローカーが非清算参加者2であり、他社清算参加者1に清算業務を委託している。
【0048】
図6の例について説明すると、東ブローカーは、市場内で、「株Aを2000株/40万円で買う」取引、「株Aを1000株/20万円で売る」取引、「株Bを1000株/30万円で買う」取引、「転換社債Aを1億円で売る」取引をそれぞれ行っている。
【0049】
西ブローカーは、市場内で、「株Bを2000株/60万円で売る」取引、「国債Aを4億円で買う」取引、「国債Aを1億円売る」取引、「国債Bを2億円売る」取引をそれぞれ行っている。
【0050】
南ブローカーは、森銀行との相対取引で、「社債Aを3億円売る」取引、「社債Bを2億円買う」取引をそれぞれ行っている。
北ブローカーは、市場内で、「山信託から株Aを2000株/40万円で買う」取引、「川生命に株Aを1000株/20万円で売る」取引、「川生命から株Bを1000株/30万円で買う」取引、「川生命に転換社債Aを1億円で売る」取引をそれぞれ行っている。なお、北ブローカーの取引に関する清算は、対顧客清算とされている。
【0051】
b.清算チケットデータ
クリアリングシステムSでは、上記約定データに基づいて、清算チケットデータが作成される。清算チケットデータは、非清算参加者2それぞれから取得した約定データを、システム内でネッティングし、その結果として得られるデータである。ネッティングとは、証券決済の金額(未決済残高)を削減するために行うものであり、受け取り資金及び有価証券と、支払い資金及び有価証券とを相殺し、差額分を決済する方法を言うものである。
【0052】
清算チケットデータの具体例を図7に示す。図7の清算チケットデータは、図6の約定データに基づいて作成されたものである。図示されているように、清算チケットデータは、システム内のネッティング処理により、マーケットサイド清算と、対顧客・市場外取引清算のそれぞれについて作成される。
【0053】
b−1.マーケットサイド清算
マーケットサイド清算として、非清算参加者向けの清算と、統一清算機関向けの清算のそれぞれについて、清算チケットデータが作成される。非清算参加者向けの清算では、それぞれの非清算参加者毎に、市場内取引に関する清算チケットデータが作成される。なお、東ブローカー及び西ブローカーは、対統一清算機関3との清算についてはクリアリングシステムSに委託しているが、投資家等の顧客5との清算については、ブローカー自身が行うものである。
【0054】
東ブローカーについては、次の清算チケットデータが作成される。
株Aについての相殺の結果、東ブローカーは、売った株数よりも買った株数の方が多くなっている。このため、クリアリングシステムSから東ブローカーには、株Aについて1000株が渡され、代金として東ブローカーから20万円を受け取ることになる。
【0055】
株Bについての相殺の結果、東ブローカーは、売った株数よりも買った株数の方が多くなっている。このため、クリアリングシステムSから東ブローカーには、株Bについて1000株が渡され、代金として東ブローカーから30万円を受け取ることになる。
【0056】
転換社債Aについての相殺の結果、東ブローカーは、1億円を売ったことになっている。このため、クリアリングシステムSには東ブローカーから、1億円分の転換社債Aが受け入れられ、東ブローカーに1億円が支払われることになる。
【0057】
西ブローカーについては、次の清算チケットデータが作成される。
株Bについての相殺の結果、西ブローカーは、買った株数よりも売った株数の方が多くなっている。このため、クリアリングシステムSには西ブローカーから、株Bについて2000株が受け入れられ、西ブローカーに60万円が支払われることになる。
【0058】
国債Aについての相殺の結果、西ブローカーは、3億円分を買ったことになっている。このため、クリアリングシステムSから西ブローカーには、3億円分の国債Aが渡され、代金として西ブローカーから3億円を受け取ることになる。
【0059】
国債Bについては、西ブローカーは、2億円を売ったことになっている。このため、クリアリングシステムSには西ブローカーから、2億円分の国債Bが受け入れられ、西ブローカーに2億円が支払われることになる。
【0060】
北ブローカーは、市場内取引を行っているが、投資家等の顧客5との清算については、北ブローカー中抜きで、クリアリングシステムSと投資家等の顧客5との間で直接行われる。
【0061】
このように、クリアリングシステムSと北ブローカーとの間での清算は行われないものであるが、統一清算機関3との清算については、北ブローカーが扱った取引についても上記東ブローカーや西ブローカーと同様に行われるため、北ブローカーについてもブローカー毎の清算額を算出する。
【0062】
株Aについて相殺すると、北ブローカーは、売った株数よりも買った株数の方が多くなっている。このため、北ブローカーには、株Aについて1000株が渡され、北ブローカー側から20万円を受け取る計算になる。
【0063】
株Bについては、北ブローカーは、売った株数よりも買った株数の方が多くなっている。このため、北ブローカーには、株Bについて1000株が渡され、北ブローカー側から30万円を受け取る計算になる。
【0064】
転換社債Aについては、北ブローカーは、1億円を売ったことになっている。このため、北ブローカーから、1億円分の転換社債Aが受け入れられ、北ブローカー側に1億円が支払われる計算になる。
【0065】
b−2.対統一清算機関清算
対統一清算機関清算では、銘柄別に全ての取引を相殺する計算が行われる。
株Aについては、東ブローカーの取扱分(図7のNo.1)と、北ブローカーの取扱分(図7のNo.7)より、クリアリングシステム全体として、株Aを2000株買ったことになっている。このため、統一清算機関3との清算において、株AについてクリアリングシステムSが2000株を受け取り、代金として統一清算機関3へ40万円を支払うことになる(図7のNo.10)。
【0066】
株Bについては、東ブローカーの取扱分(図7のNo.2)と、西ブローカーの取扱分(図7のNo.4)と、北ブローカーの取扱分(図7のNo.8)で相殺される。
【0067】
転換社債Aについては、東ブローカーの取扱分(図7のNo.3)と、北ブローカーの取扱分(図7のNo.9)より、クリアリングシステム全体として、転換社債Aを2億円売ったことになっている。このため、統一清算機関3との清算において、クリアリングシステムSから転換社債Aについて2億円分を渡し、統一清算機関3から2億円を受け取ることになる。
【0068】
国債Aについては、西ブローカーの取扱分(図7のNo.5)より、クリアリングシステム全体として、国債Aを3億円買ったことになっている。このため、統一清算機関3との清算において、国債Aについて3億円分を受け取り、統一清算機関3へ3億円を支払うことになる。
【0069】
国債Bについては、西ブローカーの取扱分(図7のNo.6)より、クリアリングシステム全体として、国債Bを2億円売ったことになっている。このため、統一清算機関3との清算において、国債Bについて2億円分を渡し、統一清算機関3から2億円を受け取ることになる。
【0070】
b−3.対顧客・市場外取引清算
市場外取引清算を行うために、次の計算を行う。市場外取引については、統一清算機関3は介在せず、クリアリングシステムSと、非清算参加者2(ブローカー)と、投資家等の顧客5と、の間で清算が行われる。
【0071】
南ブローカーは森銀行へ社債Aを3億円売っている。クリアリングシステムSの、対南ブローカーへの清算については、南ブローカーに3億円支払い、南ブローカーから社債Aについて3億円分を受け取る。対森銀行への清算については、森銀行から3億円を受け取り、社債Aについて3億円分を渡す。
【0072】
南ブローカーは森銀行から社債Bを2億円買っている。クリアリングシステムの、対森銀行への清算については、森銀行へ2億円を支払い、社債Bについて2億円分を受け取る。対南ブローカーへの清算については、南ブローカーから2億円を受け取り、南ブローカーへ社債Bについて2億円分を渡す。
【0073】
次に、北ブローカーが取り扱った取引について、対顧客清算を行う処理について説明する。北ブローカーの顧客である山信託は、北ブローカーを介して、株Aを2000株買った。このため、クリアリングシステムSから山信託へは、株Aについて2000株が渡され、山信託から支払額として40万円を受け取ることになる。
【0074】
川生命は、北ブローカーを介して、株Aを1000株売った。このため、クリアリングシステムSから川生命へは、株Aの売上額として20万円が支払われ、川生命から株A1000株を受け取ることになる。
【0075】
川生命は、北ブローカーを介して、株Bを1000株買った。このため、クリアリングシステムSから川生命へは、株Bについて1000株が渡され、川生命から支払額として30万円を受け取ることになる。
【0076】
川生命は、北ブローカーを介して、転換社債Aを1億円分売った。このため、クリアリングシステムSから川生命へは、転換社債Aの売上額として1億円が支払われ、川生命から転換社債Aについて1億円分を受け取ることになる。
【0077】
c.照合用データ
本例のクリアリングシステムSでは、上記のように、非清算参加者2から取得した約定データに基づいて清算チケットデータを作成するが、この作成された清算チケットデータに誤りが無いかどうか、市場での取引データと照合してチェックする。照合用データは、統一清算機関3から統一清算機関用WANサーバ36を介して取得される。
【0078】
クリアリングシステムSで作成された清算チケットデータと、市場での取引データとの照合処理を、本例ではリコンサイル処理といい、このリコンサイル処理ついては、「(4)クリアリングシステムによる清算業務処理」でより詳しく説明する。
【0079】
d.振替指図データ
決済機関への指図については、統一清算機関3から行う場合と、清算参加者が行う場合とがあり、清算参加者が行う決済指図について、振替指図データが作成される。
【0080】
本例のクリアリングシステムSは、株・転換社債の決済を行う保管振替機関4aの振替システム4c、国債の決済を行う国債決済機関の振替システム4d、公社債の決済を行う公社債決済機関の振替システム4e、資金決済を行う資金決済銀行の振替システム4fとそれぞれ接続されており、各決済機関への振替指図データが作成される。
【0081】
e.フェイルデータ
フェイルとは、決済日が経過したにもかかわらず、証券または資金の準備ができず、証券の受け渡しができない状態のことである。フェイルデータについては、統一清算機関側から通知されるものと、クリアリングシステム側で清算を行ったときに発生したものとがあり、それぞれがクリアリングシステムSの記憶部12に記憶される。
【0082】
f.その他管理データ
その他管理データとして、本例のクリアリングシステムSには、非清算参加者管理情報と、銘柄管理情報と、その他マスター管理情報、が格納されている。非清算参加者管理情報記憶部には、非清算参加者の基本情報、清算量、手数料、清算基金額を示すデータが記憶されている。非清算参加者の基本情報としては、名称、住所、取引銀行名等の情報が記憶されている。
【0083】
銘柄管理情報は、株券及び債券の銘柄属性を維持管理するものである。銘柄管理情報は、クリアリングシステムSを取り巻くシステムの一つである、証券保管受渡システムサーバ33に保有されており、この証券保管受渡システムサーバ33から情報を取得する。なお、証券保管受渡システムサーバ33に保有されている情報を利用するのではなく、別途銘柄管理情報を形成する構成としても良い。
【0084】
銘柄管理情報として、具体的には、取扱商品全ての銘柄名称と各銘柄を示すコードの対応情報や、各銘柄の終値情報、各銘柄の移動情報が格納されている。各銘柄の終値情報は、担保が証券で差し入れられた場合、その担保価値を計算する場合や、株券及び債券の残高の時価評価をするために用いられる。移動情報は、決済の動きを表す情報であり、株券や債券の売買について、いつ、誰が、どの銘柄を、どれだけ、いくらで売った(または買った)等を示す情報である。これらの情報は、必要に応じて、株券及び債券の銘柄属性情報として参照される。なお、証券保管受渡システムサーバ33に保有されている情報を利用するのではなく、クリアリングシステムS側で各情報を保有する構成としても良い。
【0085】
その他マスター管理情報は、銘柄以外の各種マスターについて、登録・維持管理するものである。その他マスター管理情報として、非清算参加者2の口座情報を含むアカウントマスター情報、他社清算参加者自身または非清算参加者2の決済銀行の情報を含む金融機関情報、休祭日や営業日などの情報を含むカレンダー情報、等が記憶されている。
【0086】
清算や決済は、通常は予め決められた決済機関及び口座で行われる。このため、その他マスター管理情報に、清算情報及び決済情報として、他社清算参加者1、非清算参加者2、その他顧客5の口座や、有価証券の種類毎にどの決済機関で決済が行われるか等の情報を格納しておくと良い。
【0087】
(3)クリアリングシステムを取り巻くシステム
本例のクリアリングシステムSは、前記したように、他社清算参加者1が有する他のサーバ及びシステムと連携しながら、清算業務を行う。本例のクリアリングシステムを取り巻く主なサーバ及びシステムとしては、「Swiftサーバ31」、「証券システムサーバ32」、「証券保管受渡システムサーバ33」、「担保管理システムサーバ34」、「全社会計システムサーバ35」がある。さらに、他社清算参加者1側には、統一清算機関3と接続された統一清算機関用WANサーバ36、通信回線網を介して情報のやり取りを行う送受信サーバ37、ネットワークの相互接続を行うゲートウェイサーバ38、公社債決済機関との間で決済情報の送受信を行う公社債決済端末39、資金決済銀行との間で決済情報の送受信を行う資金決済銀行端末40、貸株機関との間で情報の送受信を行う貸株機関端末41とを備えている。クリアリングシステムSは、これらのサーバや端末において、ファイル受渡や電文の送受信を行い、必要な情報の受渡を行ったり、これらのサーバや端末を介して、統一清算機関3や決済機関4と情報のやり取りを行う。なお、ファイルの受渡は、例えばFTPやHULFT等、所定のファイル形式で行われる。
【0088】
Swiftサーバ31は、企業間商取引ネットワークに接続されており、株券や債券の売買が成立したとき、約定データが、このSwiftサーバ31に送信され収集されるように構成されている。
【0089】
非清算参加者2は、他社清算参加者1側に設けられたSwiftサーバ31との間で、電文によるメッセージをやり取りし、Swiftサーバ31に各非清算参加者2の証券取引に関する情報が蓄積されていく。クリアリングシステムSは、Swiftサーバ31との間で電文をやり取りし、必要なデータを取得する。なお、電文でのやり取りを行う場合、クリアリングシステムSでは、電文編集、受信電文の分解・固定型化(フォーマット、コード化)等の処理も合わせて行う。
【0090】
証券システムサーバ32は、各証券会社をつなぐネットワークに接続されているサーバであり、株券や債券の売買が成立したときに、約定データ等の、証券取引の基本的なデータが入力されるものである。
【0091】
保管受渡システムサーバ33は、銘柄管理情報を有している。銘柄管理情報としては、前記したように、株券及び債券の銘柄と各銘柄を示すコードの対応情報、及び、各銘柄の終値情報、売買による移動情報が格納されている。また、保管受渡システム33は、決済機関の一つである保管振替機関4aとクリアリングシステムSとを接続する、ゲートウェイサーバとしての機能も有するものである。保管受渡システム33は、保管振替機関4aとクリアリングシステムSとに入って、クリアリングシステムS側から送出された振替又は照合に関する情報を受け取り、この情報を保管振替機関4aへ送出する。保管受渡システム33は、保管振替機構4aのシステムと直結されており、これにより、情報の秘匿性を確保すると共に、迅速に振替又は照合に関する情報を送付することが可能である。
【0092】
担保管理システムサーバ34は、清算業務に関連して差し入れられた担保の管理を行う。清算業務では、通常、債務の不履行に備えて、取引に応じた証拠金(担保)が徴収される。担保管理システムサーバ34では、取引担保金、権利保全金、清算基金、前日取引担保金、発行日取引売買証拠金、について管理している。さらに、担保管理システムサーバ34は、時価担保額や差入人の情報、代用掛目に関する情報を保有している。
【0093】
図20は、担保管理システムサーバ34とクリアリングシステムSとの関係を示す説明図である。図示されているように、担保管理システムサーバ34は、日経時価ファイル101を受信し、これに基づいて、銘柄テーブル102、時価単価テーブル103を更新する。また、担保受領、返却、差入れ、回収等の担保移動があった場合、担保残高テーブル104にこれを登録する。
【0094】
担保管理システムサーバ34が保有する銘柄情報、各銘柄に対応する時価単価情報、担保移動情報は、クリアリングシステムSへ送付される。クリアリングシステムSでは、これらの情報に基づいて、担保掛目区分と対応する掛目率の登録,変更,削除を行い、担保掛目区分テーブル105に登録する。
【0095】
また、担保掛目決定表106の登録,変更,削除を行う。担保掛目決定表106は、株券、債券、投信、現金の各種銘柄属性に基づいて、担保掛目コードを決定するためのものである。
【0096】
担保掛目が決定されたら、前日付けの時価残及び担保価値残を、担保残高テーブル107に書き込む処理を行う。さらに、翌日決済のために必要な、前日差入れ担保額を計算して、担保残高テーブル107に書き込む処理を行う。
【0097】
担保残高照会では、銘柄別に担保の時価残と、担保価値残が照会できるように構成されている。また、取引先別に、所要額と過不足が照会できるように構成されている。さらに、時価を指定して、担保時価残と、担保価値額を再計算できるように構成されている。
【0098】
(4)クリアリングシステムによる清算業務処理
クリアリングシステムSは、非清算参加者、統一清算機関3、決済機関4との間に入って清算業務を行う。以下、図2,図3,図8,図11に基づいて、クリアリングシステムSによる清算業務の処理の流れ(主に決済日前日までの処理)について説明する。なお、清算に伴う作業範囲は、それぞれの非清算参加者2との取り決めにより、全行程、決済照合以降、清算のみ、など各非清算参加者2の要望に応じた範囲で行う。
【0099】
クリアリングシステムSが行う主な処理としては、約定データ入力処理(処理1)、清算チケットデータ作成処理(処理2)、リコンサイル処理(処理3)、清算業務締め処理(処理4)、決済処理(処理5)である。また、上記処理に伴い、前日振替帳票ファイル作成処理(処理6)、前日振替指図データ送付処理(処理7)、ネットデビット計算処理を含む担保管理処理(処理8)が行われる。
【0100】
上記各処理は、クリアリングシステムSが有する情報を使用して、クリアリングシステムSを取り巻く各関係機関及び各システムと連携することにより行われる。なお、各処理はクリアリングシステムSの制御部13により行われる。
【0101】
●約定データ入力処理
クリアリングシステムSには、有価証券について、売買が成立した案件のデータである約定データが入力される。約定データが確認された時点で、クリアリングシステムSによる債務引受処理がなされたものとなる。クリアリングシステムSは、入力された約定データを定型化して記憶部12に記録するとともに、約定明細に基づいて、清算チケットデータの作成処理、リコンサイル処理、業務締め処理、決済指示処理、を行う。
【0102】
●清算チケットデータの作成処理
清算チケットデータの作成処理では、非清算参加者別の清算チケットデータと、統一清算機関3との清算に使用するための清算チケットデータと、が作成される。非清算参加者別の清算チケットデータは、入力された約定データを、有価証券の種別(株・転換社債、国債、公社債等)に仕訳し、さらに銘柄別、非清算参加者別にネッティングすることにより作成される。
【0103】
また、統一清算機関向けの清算チケットデータは、上記非清算参加者側の清算チケットデータを、銘柄別にネッティングすることにより形成される。清算チケットデータ作成後は、清算チケットデータはモニターやプリンタ等の出力部に出力され、確認処理がなされる。このとき、必要に応じて、清算チケットの内容について、変更または削除が行われる。
【0104】
なお、全ての非清算参加者2からの約定データが入力済みになった時点、すなわち夜間に、清算チケットデータを自動的に作成する構成とすれば、全ての約定データについて、翌日までに清算チケットデータを作成することが可能となり好適である。
【0105】
●リコンサイル処理
清算チケットデータが作成されたとき、統一清算機関3から取得したリコンサイルデータとの照合が行われる。この処理をリコンサイル処理という。リコンサイル処理により、非清算参加者側から得た約定データに基づいて作成された清算チケットデータが、統一清算機関側のデータと一致しているか否かが確認される。
【0106】
リコンサイルデータは、統一清算機関3から情報通信網及び統一清算機関用WANサーバ36を介してファイル受信され、クリアリングシステムSに取り込まれる。リコンサイルデータとして、具体的には、銘柄別決済処理明細データ、DVP(Delivery versus Payment;資金と証券の同時決済)清算値段データが取得される。さらに、総括清算表データ、国債受渡処理明細データ、フェイル情報通知データが取得される。
【0107】
銘柄別決済処理明細データは、決済日前々日のデータとして、リコンサイル用に取得されるデータである。このデータは、約定,貸借取引および品貸取引の合計情報(約定数量、約定代金、約定経過利子など)を収録している。また、決済日前日のデータとして、当該決済に係る銘柄について合計情報を収録している。
【0108】
DVP清算値段データは、決済日向けネットデビット計算用に取得されるデータであり、株券等DVP決済に使用する清算値段や、売買単価当たりの経過利子が収録されている。
【0109】
総括清算表データは、決済日の前日に、対統一清算機関向け決済金額のリコンサイル用に取得される。国債受渡処理明細データは、決済日の前々日または前日に、対統一清算機関向け国債受渡数量のリコンサイル用に取得される。さらに、フェイル情報通知データは、清算チケットへのフェイル自動登録を行うために取得される。
【0110】
上記リコンサイルデータと清算チケットデータとを照合し、非清算参加者2から収集した約定データに基づいて作成された清算チケットデータの情報が、統一清算機関側で取得した情報に合致しているか否かが判定される。このとき、非清算参加者別に作成された清算チケットデータについては、予定段階でのリコンサイルデータを用いて照合を行う。また、統一清算機関向けに作成された清算チケットデータについては、確定段階でのリコンサイルデータを用いて照合を行う。
【0111】
なお、上記リコンサイルについて、清算チケットデータが作成された段階で既にリコンサイルデータが取得されている場合には、清算チケットデータが作成され次第、連動して照合が行われるようにすると好適である。
【0112】
●清算業務締め処理
清算業務締め処理は、清算内容について業務締めを行う処理である。ここでは、翌営業日が決済日である清算チケットデータを決済ずみとする処理が行われる。、また、フェイルが発生した場合は、繰越処理を行う。すなわち、決済日にフェイルとなったものについては、翌日に繰り越して、翌日決済を行う。
【0113】
●前日振替帳票ファイル作成処理
前日振替帳票ファイル作成処理では、清算チケットデータに基づいて、決済機関4へ振替を請求するファイルが作成される。この処理では、決済機関4へ依頼する内容が確定される。このとき、保管振替機関4aへ送付されるファイルは、保管受渡システム33を介して送付される。
【0114】
●決済処理(前日振替指図データ送付処理)
決済処理では、振替決済制度を利用して決済処理が行われる。図9にクリアリングシステムSの決済処理について示す。決済処理では、株・転換社債の決済に関して、株・転換社債の振替予定作成処理、保管振替機関4aの振替システム4bへの前日振替請求処理、振替帳票ファイル処理、株・転換社債決済処理が行われる。
【0115】
また、国債の決済に関して、国債決済予定作成処理、国債決済処理が行われる。
さらに、資金決済に関して、資金決済予定作成処理、資金決済処理が行われる。
また、その他現物決済に関して、その他現物決済予定作成処理、その他現物決済処理が行われる。
【0116】
●株及び転換社債決済
株及び転換社債の決済については、保管振替機関4aの振替システム4cとの間で行われる。図22は、クリアリングシステムSと保管振替機関4aの振替システム4cとの接続対応概要を示すものである。図示されているように、クリアリングシステムSと保管振替機関4aの振替システム4cとの間では、決済日前日には、クリアリングシステムSから保管振替機関4aの振替システム4cへ前日振替指図ファイル108が送付され、保管振替機関4aの振替システム4cからクリアリングシステムSへは振替帳票ファイル109が送付される。
【0117】
また、決済日当日には、クリアリングシステムSから保管振替機関4aの振替システム4cへ、振替指図一時停止解除データ110が送付され、保管振替機関4aの振替システム4cからクリアリングシステムSへは、受付済通知、処理済通知、振替済通知111が送付される。これら受付済通知、処理済通知、振替済通知111は、クリアリングシステムSの側で、当日処理結果112として保管される。
【0118】
なお、上記ファイルはFTPやHULFT等の所定の形式で送受信される。また、振替一時停止解除などの指示は、電文(メッセージキュー)に変換されて送受信される。
【0119】
図9に示すように、保管振替機関4aの振替システム4cには、株及び転換社債に関する振替指図データが送付される。振替指図を行う場合、先ず予定データが作成される。予定データは、清算チケットデータに基づいて、決済日の前々日の時点で作成される。図7の清算チケットデータのうち、保管振替機関4aの振替システム4cに入庫が指図されるものは、市場に売られた株・転換社債であり、No.3、No.4、No.12、No.20、No.22が該当する。
【0120】
また、保管振替機関4aの振替システム4cに出庫が指図されるものは、市場から買われた株・転換社債であり、図7の清算チケットデータのうち、No.1、No.2、No.19、No.21が該当する。なお、株AについてネッティングしたデータがNo.10である。No.10の振替指図データは、統一清算機関3に向けて、株Aについて2000株を出庫し、代金として40万円を受け取ることを指図するデータである。
【0121】
決済日前日には、振替指図データが確定され、保管振替機関4aの振替システム4cへ送付される。決済日前日に送付される振替指図データには、前日振替指示データと、一時停止解除を指示された振替が含まれる。前日振替請求ファイルの送信は、前日振替請求ファイルの作成に連動して行われる。なお、決済日前日の時点で、受渡証券や資金が準備できていない場合は、一時停止付きで振替指図データを送付する。
【0122】
例えば、東ブローカー及び北ブローカーで買った株Aと株Bについて、売り主側で証券の準備ができておらず、統一清算機関側からフェイルになりそうであるとの通知を受けたとする。この場合は、株Aと株Bの振替指図データを送付するときに、統一清算機関3及び各ブローカーへ向けて一時停止付指図を送付する。なお、決済日当日に、証券の入りが確認された段階で、一時停止解除が保管振替機関4aの振替システム4cに指示される。
【0123】
後述の当日処理でも説明するが、決済機関からは、決済日当日の朝に、前日の振替結果が送付される。さらに、決済日当日に送付した振替指図データについては、当日中に、振替結果が送付される。決済機関からの振替状況を示すデータ(振替帳票ファイル)から振替結果を確認し、振替が終了した件については、振替予定表に消し込み記入する処理を行う。
【0124】
さらに、本券出庫すべきものがある場合は、その旨を保管振替機関4aの振替システム4c宛に通知する。また、監視銘柄について、登録及び削除する。監視銘柄とは、クリアリングシステムSが注意して振替を行う銘柄であり、フェイルが発生した銘柄や、自動振替しない銘柄が含まれる。監視銘柄については、一時停止付きで指図し、自動解除は行わないようにする。
【0125】
●国債決済
国債についての決済は、国債決済機関で行われる。なお、本例では、図2に示すように、クリアリングシステムSと国債決済機関のシステム4dとの間に、国債決済委託機関のシステム4gが介在している構成が示されている。
【0126】
図8の清算チケットデータのうち、国債決済機関のシステム4d(国債決済委託機関のシステム4g)に入庫が指図されるものは、市場に売られた国債であり、図7の清算チケットデータのうち、No.6の国債Bが該当する。また、国債決済機関のシステム4d(国債決済委託機関のシステム4g)に出庫が指図されるものは、市場から買われた国債であり、図7の清算チケットデータのうち、No.5の国債Aが該当する。
【0127】
図7の清算チケットデータのうち、No.13及びNo.14は、統一清算機関3向けの指示であり、国債Bについては出庫すること、国債Aについては入庫することが指図される。
【0128】
なお、本例では、国債決済について、決済委託機関のシステム4gに手続きを委託しているため、国債決済操作票を作成して決済委託機関のシステム4gに送付する処理を行う。決済が終了したら、決済委託機関のシステム4gから受領した決済結果を確認し、振替予定表から終了したものを消し込む処理を行う。
【0129】
●公社債決済
公社債についての決済は、公社債決済機関のシステム4eにおいて行われる。公社債決済機関は、公社債の受け渡し及び決済について、オンラインネットワークにより電子的処理で行う。
【0130】
図7の清算チケットデータのうち、公社債決済機関のシステム4eに入庫が指図されるものは、図7の清算チケットデータのうち、No.16の社債B(森銀行が南ブローカーへ売った取引)及びNo.17の社債A(南ブローカーが森銀行へ売った取引)が該当する。また、公社債決済機関のシステムに出庫が指図されるものは、図7の清算チケットデータのうち、No.15の社債A(森銀行が南ブローカーから買った取引)及びNo.18の社債B(南ブローカーが森銀行から買った取引)が該当する。
【0131】
●その他現物取引決済
上記した取引の他、株・転換社債の本券による取引、一般の上場事業債など、その他現物取引があった場合は、上記した取引と同様に入出庫予定を作成し、該当する決済機関へ決済依頼を行う。
【0132】
●資金決済
資金決済は、資金決済銀行に設けられた口座間で行われる。資金決済を行うに際し、資金決済予定が作成される。図7の清算チケットデータに基づいて、図10に示す資金決済予定が作成される。なお、国債及び公社債はDVP清算とされているため、図10に示す資金決済予定には、国債及び公社債分の決済分は含まれていない。資金決済は、ネッティングされた清算チケットデータに関して行われる。資金決済予定は、決済日の前々日の時点での取引に基づいて作成される。前日決済指図については決済日の前日夜間に行い、当日の決済については、決済日当日に指図を行う。なお、フェイルが発生した場合は、決済日の前日の時点で、資金決済予定を再作成する。
【0133】
図22に、クリアリングシステムSと、非清算参加者2(ブローカー)と、資金決済銀行との関係を示す。クリアリングシステムSから非清算参加者2への出金は、証券等の振替の履行を確認して、決済日の朝一で行われる。その後、13:00までに、非清算参加者2からクリアリングシステムSへの入金が行われる。次いで、クリアリングシステムSと統一清算機関3との資金決済が行われる。なお、送金コストを軽減するため、遠隔地の非清算参加者2については、清算用に預かり口座113を設け、資金清算を預かり口座113で行うようにすると好適である。この場合、非清算参加者別の残高の分別管理が必要となる。
【0134】
資金決済銀行のシステム4fからは、決済日当日の朝に、前日の振替結果が送付される。さらに、決済日当日に送付した振替指図データについては、当日中に、振替結果が送付される。資金決済結果の確認は、決済銀行端末40を使用して確認し、資金決済予定表から資金決済指示を消し込む。
【0135】
●ネットデビット計算処理
ネットデビット計算処理では、予定受払有価証券価値と、差入担保価値から、担保の過不足を求める計算が行われる。クリアリング業務は、自己残を持つことなく行われる業務である。すなわち、証券の清算は、受入証券をもって支払証券にあてることにより行われる。このため、統一清算機関3からの有価証券受入に支障がないよう、制度に見合う十分な有価証券担保を差し入れることが必要となる。
【0136】
担保計算については、統一清算機関3の支払可能有価証券価値を予測する計算と、統一清算機関3向けに差し入れる担保額を求める計算と、非清算参加者2(ブローカー)が追加しなければならない担保額を求める計算と、が行われる。この計算結果で、担保不足とみなされた非清算参加者2については、担保不足顧客テーブルに記録される。
【0137】
統一清算機関3の、決済日前日までの支払可能有価証券価値を求める式は次の通りである。
受入済有価証券価値+受入担保価値=支払可能有価証券価値
【0138】
また、決済日当日における、統一清算機関3の支払可能有価証券価値を求める式は次の通りである。
日中受入有価証券価値+追加差入現金担保=日中支払可能有価証券価値
【0139】
統一清算機関3向けに差し入れる担保額を求める計算は、決済日前日の夜間に行われる。この計算では、統一清算機関3から受入予定の証券価値と、統一清算機関3へ支払い予定の証券価値及び差入れ担保価値を比較し、担保の不足額が算出される。ここでは、当日に証券引渡が全完了すると想定し、差入担保と受入予定証券より必要現金担保額を算定する。
【0140】
支払予定有価証券価値+差入担保価値−受入予定有価証券価値=要追加差入現金担保額
【0141】
非清算参加者2が追加しなければならない担保額を求める計算では、当日に証券受入が全完了すると想定し、受入担保と極度額、および支払予定証券より必要現金担保額を算定する。
【0142】
受入予定有価証券価値+(受入担保価値+支払可能極度額)−支払予定有価証券価値=要追加受入現金担保
【0143】
なお、支払可能極度額とは、それぞれの非清算参加者2が支払可能な限度額を言うものであり、非清算参加者毎にその額は異なるものである。支払可能極度額については、それぞれ顧客マスターに登録されている。
【0144】
なお、システム処理としては、有価証券の価値計算は次のように行う。
清算対象物を清算チケットデータより収集し、銘柄別に下記価値計算の上、対統一清算機関、非清算参加者別に支払可能額や担保額の計算を行う。
有価証券数量×前日清算値=有価証券価値
有価証券数量:清算チケットデータより銘柄別に取得する。
前日清算値:統一清算機関提供の清算値。
【0145】
担保価値計算は次のように行う。
時価担保額については、担保管理システムサーバ34より取得する。そして、対統一清算機関、非清算参加者別に支払可能額や担保額の計算を行う。
時価担保額×代用掛目×数量=担保価値
【0146】
なお、時価担保額、代用掛目については、本例では、担保管理システムサーバ34に格納されている情報を利用する。代用掛目は、統一清算機関3と非清算参加者2とで同一の掛目を使用するものとする。
【0147】
なお、担保過不足の判断については、人手により行っても良いが、担保過不足の判断を継続的に蓄積しておき、蓄積されたデータに基づいて、自動的に担保過不足判断ができる構成とすると好適である。
【0148】
●担保管理処理
担保管理処理では、保有担保の入出庫・管理、および、保有担保現在額を把握する。担保の入出庫と担保管理および保有担保現在額の把握は、担保管理システムサーバ34に委ねる。
【0149】
(5)クリアリングシステムによる当日処理
ここまで、主にクリアリングシステムSが、決済日前日までに行う処理について説明した。次に、図2,図3,図12に基づいて、クリアリングシステムが決済当日に行う処理について説明する。決済当日に行われる主な処理として、振替帳票ファイル取込処理(処理9)、当日振替指図データ作成処理(処理10)、当日振替指図データ送付処理(処理11)、フェイルカバー処理(処理12)、清算報告処理(処理13)、清算引受明細書(処理14)、法定帳簿作成処理(処理15)がある。
【0150】
●振替帳票ファイル取込処理
決済当日は、予め決められた時間(本例では朝6時)に保管振替機関4aの振替システム4cから振替帳票ファイルが自動で取り込まれる(処理9−1)。振替帳票ファイルには、処理明細レコード、エラーデータ、口座残高レコード等の情報が含まれている。
【0151】
振替帳票ファイルには、決済日前日に入った確定データが格納されている。振替帳票ファイルのデータから、受け渡し可能な有価証券の数量を銘柄別に作成する(処理9−2)。そして、前日に振替指図を行った帳票ファイルと対応させる(処理9−3)。そして、前日に振替指図を行った件について、受け渡し可能な有価証券の数量を記録する(処理9−4)。
【0152】
なお、保管振替機関4aからエラーデータが送付された場合には、その内容が参照され、どの振替案件についてエラーが発生しているのかが確認される。エラーデータは、振替先相手が不明である場合や、コードが相違する場合等に送付される。さらに、クリアリングシステムの口座残高が表示される。
【0153】
●当日振替指図データ作成処理・当日振替指図データ送付処理
受け渡し可能な有価証券の数量が把握でき、フェイルのおそれが解消されたことが確認された件については、一時停止が解除され、当日振替指図が作成される。そして、当日振替決済が行われる。その後、保管振替機関4aの振替システム4cから通知された振替状況を示すデータから、当日振替指図結果が更新される。
【0154】
また、当日振替決済が行われることが決定されたときには、証券受渡予定表の作成、取引記録簿の作成、資金決済の予定表が作成され、資金決済情報に基づいて、資金決済銀行で処理される。さらに、国債受渡予定表を作成し、国債決済委託機関に送付する処理を行う。
【0155】
決済当日のDVP決済時限は13時であり、フェイルが発生した場合は、統一清算機関3からフェイル情報通知が送付される。フェイル通知を受けた場合、クリアリングシステムSは次述するフェイルカバー処理を行う。
【0156】
●清算引受明細書作成処理
決済当日の業務終了後には、統一清算機関3から清算引受明細データが送付される。この清算引受明細データは自動取込されて、クリアリングシステム側に記録される。清算引受明細データを使用して、清算引受明細書(受渡計算書)が作成される。
【0157】
●フェイルカバー処理
次に、決済日当日に、フェイルが発生した場合のフェイルカバー処理について説明する。フェイル発生は、統一清算機関3から送付されるフェイル情報通知により把握することができる。フェイルカバー処理では、振替状況を監視し、フェイル発生が確実と思われる場合には、貸株機関より借株してフェイルカバーする。また、フェイルカバーの原因となっていた振替が実行されたことを確認した場合には、貸株機関への借株返却を行う。
【0158】
先ず、振替予定が記載された振替予定表をチェックし、振替状況の監視によりフェイルカバーの必要性を判断し、必要なら借株申込書を作成する。振替予定表にフェイルカバー内容が記入される。フェイルが解消した場合には、返却のための貸株機関のシステム4hへの振替の一時停止を保管振替機関4aの振替システム4cにおいて解除する。このとき、他社清算参加者1側の振替予定表にフェイルカバー解消について記入される。
【0159】
なお、フェイルが発生してしまった場合には、フェイル情報を清算チケットデータに反映するとともに、関係顧客にその旨を通知する。また、一定期間経過しても、被フェイルポジションが解消されない場合には、バイイン請求の受渡処理が行われる。
●清算報告
清算報告処理では、顧客である非清算参加者2へ清算結果を報告する処理がなされる。清算報告処理は、決済日の夜間または翌営業日に行われる。清算報告書の作成は、清算チケットから非清算参加者別に表計算ソフト上に情報表示し、清算報告書を作成する。清算報告書は、オンライン又はオフラインでそれぞれの非清算参加者2に送付される。
【0160】
●法定帳簿作成処理
法定帳簿作成処理では、法定帳簿として、取引記録簿、注文伝票、取引日記帳が作成される。清算報告書は、オンライン又はオフラインでそれぞれの非清算参加者2に送付される。
【0161】
上記清算報告書及び法定帳簿をオンラインで送付する場合は、ユーザID及びパスワードを利用して非清算参加者2の認証を行い、認証後にファイルを送信する。また、送信後は、送信ファイルを証跡として送受信履歴に格納する。
【0162】
図13乃至図17は、法定帳簿の出力請求画面と、出力された法定帳簿の一例を示すものである。図14及び図15は、取引記録簿を示すものである。取引記録簿は、他社清算参加者用と、非清算参加者用とがあり、図13に示す表示画面より、どちらの取引記録簿を表示するか選択することができる。図14は、他社清算参加者用の取引記録簿であり、銘柄別に、約定日,受渡月日,取引先への払数量,取引先からの受数量,受渡金額,受渡相手方等の情報が示される。
【0163】
図15は、非清算参加者用の取引記録簿であり、銘柄別に、約定日,受渡年月,増加数量,減少数量,受渡金額等の情報が示されている。
【0164】
図17は、取引日記帳を示すものである。取引日記帳は、図16に示す表示画面より、受渡日と清算相手を選択して出力することが可能である。取引日記帳は、約定日の翌日には出力可能であり、前もって約定の確認を取ることが可能となる。取引日記帳には、図17に示すように、銘柄名,決算月,数量,単価,約定金額,約定日等の情報が示されている。
【0165】
なお、合計欄の4日目、5日目とは、約定日から受渡日までの日数を意味するものである。通常は、4日目合計と、4日目+5日目合計とは同じであるが、決算日等で受渡日がずれた場合に、5日目受渡が発生する。
【0166】
(6)クリアリングシステムにおける会計処理
以下、クリアリングシステムにおける会計処理について説明する。
会計処理では、他社清算参加者1が行った業務について、収支計算を行う処理と、各会計帳票を作成する処理が行われる。クリアリング業務から得られる収益は、主として非清算参加者へ請求する手数料である。
図18は、クリアリング会計システムの全体図を示す説明図である。クリアリング会計システムでは、主に、元帳更新処理、起票入力処理、全社会計接続処理、未収手数料一覧表作成処理、照会処理、決算処理、資金決済伝票出力処理が行われる。
【0167】
元帳更新処理は、業務締め時に一括処理される。ここでは、銘柄元帳に、当日の移動合計と残高が記録される。また、フェイルが原因で停留している証券や資金の勘定起票を行う。さらに、勘定元帳に当日の移動と残高を記録する。
【0168】
起票入力では、Tバーのイメージで、勘定仕訳が入力される。ここでは、クリアリング業務対象の全勘定の起票入力が可能である。受入手数料や支払手数料については、受払予定日と計上年月を指定して入力する。受入手数料(未収手数料)は、請求書ファイルから自動起票される。なお、起票入力が行われた後は、勘定移動を更新し、必要であれば、銘柄元帳を更新する。
【0169】
クリアリングシステムで使用する勘定科目としては、資産の部については、当座預金、有価証券引渡未了勘定、未収手数料その他、仮払消費税等、取引先勘定等の勘定科目が使用される。負債の部については、仮受消費税等、有価証券等受入未了勘定等の勘定科目が使用される。
【0170】
また、利益には、クリアリング手数料、受取利息(立替金利息)等が含まれる。さらに、損失には、支払手数料その他(課税)等が含まれる。
【0171】
全社会計接続では、クリアリング会計システムで行われた処理結果を、全社会計システムサーバ35に送付する処理が行われる。なお、未収手数料がある場合は、未収手数料一覧表を作成する。
【0172】
図19は、クリアリング会計システムにおける手数料システムを示す説明図である。この手数料システムでは、非清算参加者2がクリアリングシステムに清算業務を委託した場合の手数料を計算したり、請求書の発行処理を行うものである。
【0173】
手数料システムでは、決済当日の夜に統一清算機関3から送付される清算引受明細データに基づいて、所定の計算式に基づいて、非清算参加者毎の手数料が算出される。
【0174】
計算根拠の詳細と、計算結果については、手数料計算結果テーブルに格納し、受入手数料計算表を作成する。この受入手数料計算表により、手数料額や、計算根拠を知りたい場合、すぐに参照することが可能となる。
【0175】
また、算出された手数料に基づいて、各非清算参加者2へ請求書が作成される。これらの請求は、この時点では未収手数料であるため、未収手数料計上の勘定起票を行う。
【0176】
照会処理では、銘柄元帳、勘定元帳、勘定移動が画面上に表示され、これにより、残高や移動を照会することが可能となる。
決算処理では、残高を翌日(翌期)に繰り越す処理が行われる。
さらに、資金決済伝票出力処理では、対顧客及び対統一清算機関との資金決済の勘定移動伝票を出力する。
【0177】
次に、本例のクリアリングシステムSにおけるプログラム処理について説明する。
プログラムは、記憶装置に記録されている。プログラムは、コンピュータをクリアリングシステムSとして機能させるためのものであり、クリアリングシステムSを構成するコンピュータの制御部によって読み取られ、図24〜図32の処理A〜処理F2を行わせる。
【0178】
処理Aは、約定データ入力時の処理を示すものである。
約定データが受け入れられると(ステップS1)、受け入れられたデータは、クライアント別に分類されて格納される(ステップS2)。そして、約定入力内容の確認のために、入力データが表示され(ステップS3)、処理を終了する。
【0179】
処理Bは、清算チケットの作成処理を示すものである。
先ず、処理Aで受け入れられた約定データについて、仕訳処理を行う(ステップS11)。仕訳処理では、約定データは、株、転換社債、国債、公社債、その他に分類される。
【0180】
次いで、ネッティング処理が行われる。ネッティング処理では、非清算参加者毎に清算チケットデータを作成する処理と、証券の銘柄別に清算チケットデータを作成する処理が行われる。すなわち、ステップS12で、非清算参加者毎に約定データを分類する処理を行う。そして、ステップS13で、それぞれの非清算参加者について、有価証券の銘柄毎に、資金の支払額または受取額、有価証券の払出数と受取数を算出する。このようにして、非清算参加者毎の清算チケットデータが作成される(ステップS14)。
ステップS15では、有価証券の銘柄毎に約定データを分類する処理を行う。そして、ステップS16で、各銘柄毎に、資金の支払額または受取額、有価証券の払出数と受取数を算出する。このようにして、統一清算機関向けの清算チケットデータが作成される(ステップS17)。
【0181】
ネッティング処理により清算チケットデータが作成されると、清算チケットデータは記録部へ格納され(ステップS18)、処理が終了する。なお、清算チケットデータの作成順は、上記に限らず、統一清算機関向けの清算チケットデータを先に作成しても良く、或いは、非清算参加者向けの清算チケットデータと、砥一清算機関向けの清算チケットデータを同時に作成するようにしても良い。
【0182】
処理Cは、リコンサイル処理を示すものである。
ここでは、処理Bで作成された清算チケットデータと、統一清算機関3から受け入れた取引データとを照合し、清算チケットデータが合っているか否かを判定する処理が行われる。
【0183】
先ず、統一清算機関3からリコンサイルデータが取得される(ステップS21)。リコンサイルデータはファイル受信され、送受信サーバの操作により、クリアリングシステムSに取り込まれる。
【0184】
次に、非清算参加者別に、決済日の前々日に作成された予定段階の清算チケットデータと、リコンサイルデータとを照合する(ステップS22)。次いで、予定段階の清算チケットデータとリコンサイルデータとが一致するか否かが判定される(ステップS23)。一致する場合(ステップS23;Yes)は、ステップS24に進む。一致しない場合(ステップS23;No)は、ステップS26に進み、検証及び修正を行った後、ステップS22〜ステップS23の処理を繰り返す。
【0185】
さらに、決済日の前日に、統一清算機関向けに作成された確定段階の清算チケットデータと、リコンサイルデータとを照合する(ステップS24)。次いで、確定段階の清算チケットデータとリコンサイルデータとが一致するか否かが判定される(ステップS25)。一致する場合(ステップS25;Yes)は、処理を終了する。一致しない場合(ステップS25;No)は、ステップS26に進み、検証及び修正を行った後、ステップS24〜ステップS25の処理を繰り返す。
【0186】
処理Dは、業務締め処理を示すものである。
先ず、翌営業日が決済日の清算チケットデータがあるか否かが判定される(ステップS31)。翌日が決済日の清算チケットデータがない場合は(ステップS31;No)、処理を終了する。
【0187】
翌日が決済日の清算チケットデータがある場合(ステップS31;Yes)、その清算チケットデータについては決済ずみであるものとして処理し(ステップS32)、締めを行う。次いで、翌日決済の清算内容について、フェイルが発生している件があるか否かが判定される(ステップS33)。フェイルが発生した案件がない場合(ステップS33;No)、処理を終了する。フェイルが発生した案件がある場合(ステップS33;Yes)、フェイルの繰越処理を行い(ステップS34)、処理を終了する。
【0188】
次に、決済処理について説明する。
処理E1は株及び転換社債の決済処理を示すものである。
先ず、株・転換社債の振替予定作成が行われる(ステップS41)。振替予定作成処理では、清算チケットデータに基づき、保管振替機関4aの振替システム4cに対して入庫または出庫が指図されるもの、それぞれに分けて作成される。
【0189】
次いで、保管振替機関4aの振替システム4cへ、前日振替請求が送付される(ステップS42)。受渡日当日の朝には、保管振替機関4aの振替システム4cから、振替帳票ファイルが送信され、この振替帳票ファイルを受信する処理がなされる(ステップS43)。振替帳票ファイルが受信されたら、エラーデータが送付されたか否かが判定される(ステップS44)。
【0190】
エラーデータが送付された場合(ステップS44;Yes)、エラーの原因が確認される(ステップS45)。エラーデータが送付されなかった場合(ステップS44;No)、ステップS46に進む。
【0191】
さらに、必要に応じて、クリアリングシステムの口座残高が表示される(ステップS46)。ステップS47では、振替結果が確認され、振替予定表から振替済み案件が削除される(ステップS47)。
【0192】
次に、ステップS47での削除の内容により、一時停止付きで振替指図が出ていたものについて、一時停止解除できるものがあるか否かが判定される(ステップS48)。例えば、フェイルのおそれがあるため一時停止になっていた件があった場合、振替帳票ファイルから振替済みの案件が削除され、後に残ったデータを参照して、フェイルを回避できることが確認された場合などに、一時停止が解除される。一時停止解除できるものがある場合(ステップS48;Yes)、振替の一時停止が解除される(ステップS49)。
【0193】
一時停止解除できるものがない場合(ステップS48;No)、次のステップに進む。次いで、本券出庫すべきものがあるか否かが判定される(ステップS50)。本券出庫すべきものがある場合(ステップS50;Yes)、本券を管理している管理部へ、出庫通知が送出される(ステップS51)。
【0194】
処理D2は国債の決済処理を示すものである。
先ず、国債の振替予定作成が行われる(ステップS61)。振替予定作成処理では、清算チケットデータに基づき、国債決済機関に対して入庫または出庫が指図されるもの、それぞれに分けて作成される。
【0195】
次いで、国債の決済委託機関のシステム4dへ、振替請求が送付される(ステップS62)。受渡日当日の朝には、国債の決済委託機関のシステム4dから、振替結果ファイルが送信され、この振替結果ファイルを受信する処理がなされる(ステップS63)。ステップS64では、振替結果が確認され、振替予定表から振替済み案件が削除される(ステップS64)。
【0196】
処理D3は資金の決済処理を示すものである。
先ず、資金の振替予定作成が行われる(ステップS71)。振替予定作成処理では、清算チケットデータに基づき、資金決済銀行に対して入金または出金を指図するデータが作成される。
【0197】
次いで、資金決済銀行のシステム4fへ、振替請求が送付される(ステップS72)。振替請求は、それぞれの非清算参加者2との資金決済については、予定段階(決済日の前々日)の振替請求が送付され、統一清算機関との資金決済については、確定段階(決済日の前日)での振替請求が送付される。
【0198】
決済日当日の朝には、資金決済銀行のシステム4fから、振替結果ファイルが送信され、この振替結果ファイルを受信する処理がなされる(ステップS73)。ステップS74では、振替結果が確認され、振替予定表から振替済み案件が削除される(ステップS74)。
【0199】
処理F1はフェイルカバー処理を示すものである。
先ず、振替予定表がチェックされ(ステップS81)、フェイルの発生可能性があるかどうかが判定される(ステップS82)。フェイルの発生可能性がある場合(ステップS82;Yes)、振替の一時停止処理を行う(ステップS83)。フェイルの発生可能性がない場合(ステップS82;No)、ステップS84に進む。
【0200】
決済日当日に、決済機関4から送付された振替結果の確認処理がなされ(ステップS84)、決済の一時停止を解除して良いものがあるか否かが判定される(ステップS85)。決済の一時停止を解除するものがある場合(ステップS85;Yes)、一時停止解除処理を行う(ステップS86)、一時停止解除するものがない場合(ステップS85;No)、ステップS87に進む。
【0201】
ステップS87では、決済日当日にフェイルが発生しているか否かが判定される(ステップS87)。フェイルが発生している場合(ステップS87;Yes)、借株の申込書が作成される(ステップS88)。そして、借株申込書が貸株機関のシステム4hへ送付される(ステップS89)。フェイルが発生していない場合(ステップS87;No)、処理を終了する。
【0202】
処理F2は、フェイルが発生してしまった場合の処理を示すものである。
先ず、フェイルが発生したことが確認されると(ステップS91)、フェイル情報を清算チケットデータに反映させる(ステップS92)。そして、関係顧客に通知する処理を行う(ステップS93)。
【0203】
なお、上記実施例では、クリアリングシステムSが、非清算参加者2の約定データについて清算業務を行う構成を示したが、他社清算参加者自身が証券取引業務を行っている場合は、自社の約定データについても清算業務を行うこととなる。
【0204】
すなわち、本発明は、次の態様を含むものである。
○前記約定データ記憶部には、前記他社清算参加者が取引を行った約定データが格納されることを特徴とする請求項1記載のクリアリングシステム。
○ 前記記憶部は、前記他社清算参加者が取引を行った約定データを記憶することを特徴とする請求項15記載のクリアリング業務支援装置。
【0205】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、有価証券売買取引に関して、他社の清算を請け負う他社清算参加者が、他システムとのネットワークを利用して、効率的に清算処理を行うことが可能となる。
【0206】
すなわち、本発明のクリアリングシステムでは、約定データの受入、ネッティングによる清算チケットデータの作成、統一清算機関側のデータとの照合、振替指図データの作成、振替指図データの決済機関への送付、という一連の清算業務を行うことが可能であり、クリアリング業務について一箇所でトータルに処理することが可能である。したがって、情報管理やシステムメンテナンスを容易且つ確実に行うことが可能である。
【0207】
また、本発明のクリアリングシステムは、企業間ネットワークに接続されたサーバや、有価証券の属性情報、担保情報等を有するサーバに接続されており、これらのサーバに情報収集処理や送受信処理を分担させたり、各サーバの有する情報を活用し、クリアリング業務の効率化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】参加者制度の概要を示す説明図を示す概念図である。
【図2】クリアリングシステムの概要を示す説明図である。
【図3】クリアリングシステムの概要を示すブロック図である。
【図4】クリアリングシステムのハード構成を示す説明図である。
【図5】全体のハード構成を示す説明図である。
【図6】約定データの明細を示す説明図である。
【図7】清算チケットデータの明細を示す説明図である。
【図8】クリアリングシステムによる処理を示す説明図である。
【図9】クリアリングシステムによる処理を示す説明図である。
【図10】資金決済予定データの明細を示す説明図である。
【図11】クリアリングシステムによる前日処理を示す説明図である。
【図12】クリアリングシステムによる当日処理を示す説明図である。
【図13】出力帳票の請求画面を示す説明図である。
【図14】出力帳票の一例を示す説明図である。
【図15】出力帳票の一例を示す説明図である。
【図16】出力帳票の請求画面を示す説明図である。
【図17】出力帳票の一例を示す説明図である。
【図18】クリアリング会計システムを示す説明図である。
【図19】クリアリング会計システムを示す説明図である。
【図20】担保管理システムサーバとの情報のやり取りを示す説明図である。
【図21】保管振替機関の振替システムとの情報のやり取りを示す説明図である。
【図22】資金決済銀行との情報のやり取りを示す説明図である。
【図23】保管振替機関の振替システムとの他の情報のやり取りを示す説明図である。
【図24】クリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【図25】クリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【図26】クリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【図27】クリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【図28】クリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【図29】クリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【図30】クリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【図31】クリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【図32】クリアリングシステムにおけるプログラムの処理手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 他社清算参加者
2 非清算参加者
2a 非清算参加者の端末
3 統一清算機関
3a 統一清算機関のシステム
4 決済機関
4a 保管振替機関
4b 決済照合システム
4c 振替システム
4d 国債決済機関のシステム
4e 公社債決済機関のシステム
4f 資金決済銀行のシステム
4g 国債決済委託機関のシステム
4h 貸株機関のシステム
5 顧客
11 入力部
12 記憶部
13 制御部
14 出力部
15 送受信部
31 Swiftシステム
32 証券システムサーバ
33 証券保管受渡システムサーバ
34 担保管理システムサーバ
35 全社会計システムサーバ
36 統一清算機関用WANサーバ
37 送受信サーバ
38 ゲートウエイサーバ
39 公社債決済端末
40 資金決済銀行端末
41 貸株機関端末
S クリアリングシステム

Claims (20)

  1. 他社清算参加者側に設けられ、前記他社清算参加者と非清算参加者と統一清算機関と決済機関との間において、有価証券売買取引に係る清算を行うクリアリングシステムであって、
    情報格納手段と、前記情報格納手段の情報に基づいて演算を行う演算手段と、外部コンピュータとの間で情報の送受信を行う送受信手段と、を備え、
    前記情報格納手段には、前記非清算参加者から取得した約定データと、
    前記統一清算機関から取得した、市場での取引データと、が格納され、
    前記演算手段により、前記約定データを非清算参加者毎に分類し、前記非清算参加者別に清算チケットデータを作成する処理と、
    前記約定データを有価証券の種類別に分類し、分類された有価証券毎に売買価格及び売買数量を加減算して、前記統一清算機関向けに清算チケットデータを作成する処理と、
    前記清算チケットデータと前記市場での取引データを照合する処理と、
    前記清算チケットデータに基づき、振替指図データを作成する処理と、
    前記振替指図データを前記送受信手段から前記決済機関へ送信する処理と、を備えたことを特徴とするクリアリングシステム。
  2. 前記クリアリングシステムは、ネットワークから約定データを取得する約定データ取得サーバ、前記有価証券の属性情報及び移動情報を有する有価証券情報サーバ、時価担保額,担保差入人情報,掛目情報を含む情報を有する担保情報サーバ、前記クリアリングシステムと前記決済機関とを相互接続する接続サーバ、前記クリアリングシステムの会計処理を行う会計処理サーバ、のいずれか一つまたは二つ以上の組合せに接続されたことを特徴とする請求項1記載のクリアリングシステム。
  3. 前記演算手段は、前記非清算参加者から前記他社清算参加者を経由し前記統一清算機関へ差し入れられる担保額を算出する処理を行うことを特徴とする請求項1記載のクリアリングシステム。
  4. 前記市場データ格納部にはフェイルデータが格納され、前記演算手段は前記フェイルデータに基づいて、前記振替指図データの送信を取り消すとともに前記振替指図データに係る決済を翌日決済に繰り越すことを特徴とする請求項1記載のクリアリングシステム。
  5. 前記クリアリングシステムは、非清算参加者の端末,統一清算機関のシステム,決済機関のシステム,のそれぞれと、インターネットを含む通信回線網で接続されたことを特徴とする請求項1記載のクリアリングシステム。
  6. 他社清算参加者側に設けられた、情報格納手段と、前記情報格納手段の情報に基づいて演算を行う演算手段と、外部コンピュータとの間で情報の送受信を行う送受信手段とを用い、
    前記他社清算参加者と、非清算参加者と、統一清算機関と、決済機関との間において、有価証券売買取引に関する清算を行うクリアリング方法であって、
    前記非清算参加者から送付された約定データを前記情報格納手段に記憶する工程と、
    前記演算手段が前記約定データを非清算参加者毎に分類し、前記非清算参加者別に清算チケットデータを作成する工程と、
    前記演算手段が前記約定データを有価証券の種類別に分類し、分類された有価証券毎に売買価格及び売買数量を加減算して、前記統一清算機関向けに清算チケットデータを作成する工程と、
    前記清算チケットデータを前記情報格納手段に記憶する工程と、
    前記統一清算機関から送付された市場での取引データを前記情報格納手段に記憶する工程と、
    前記情報格納手段から抽出された清算チケットデータと前記市場での取引データを前記演算手段が照合する工程と、
    前記清算チケットデータに基づいて振替指図データを作成する工程と、
    前記振替指図データを前記送受信手段から前記決済機関へ送信する工程と、
    を備えたことを特徴とするクリアリング方法。
  7. 前記演算手段が、前記非清算参加者から前記他社清算参加者を経由し前記統一清算機関へ差し入れられる担保額を算出する工程を備えたことを特徴とする請求項6記載のクリアリング方法。
  8. 前記振替指図データを前記決済機関に送付する工程では、前記演算手段が前記振替指図データに関するフェイルデータに基づいて、前記振替指図データの送信を取り消すとともに前記振替指図データに係る決済を翌日決済に繰り越す工程と、がなされることを特徴とする請求項6記載のクリアリング方法。
  9. 前記振替指図データに関するフェイルデータに基づいて、前記送受信部から外部コンピュータにフェイルカバー情報を送出する工程を備えたことを特徴とする請求項8記載のクリアリング方法。
  10. 他社清算参加者側に設けられ、前記他社清算参加者と非清算参加者と統一清算機関と決済機関との間において、有価証券売買取引に係る清算を行うクリアリング業務支援装置であって、
    前記非清算参加者から収集した約定データと、前記統一清算機関から取得した市場での取引データと、が入力される入力手段と、
    前記約定データを非清算参加者毎に分類し、前記非清算参加者毎に作成された非清算参加者別の清算チケットデータを作成する処理と、
    前記約定データを有価証券の種類別に分類し、分類された有価証券毎に売買価格及び売買数量を加減算して、前記統一清算機関向けに作成された統一清算機関向けの清算チケットデータを作成する処理と、
    前記清算チケットデータと前記市場での取引データとを照合する処理と、
    前記清算チケットデータに基づいて振替指図データを生成する処理と、を行う演算手段と、
    前記約定データと、前記市場での取引データと、前記清算チケットデータと、前記振替指図データと、を格納する情報記憶手段と、
    前記制御部での処理結果を出力する出力手段と、
    通信回線網に接続され、前記振替指図データを前記決済機関に送信する送受信手段と、を備えたことを特徴とするクリアリング業務支援装置。
  11. 前記クリアリング業務支援装置は、ネットワークから約定データを取得する約定データ取得サーバ、前記有価証券の属性情報及び移動情報を有する有価証券情報サーバ、時価担保額,担保差入人情報,掛目情報を含む情報を有する担保情報サーバ、前記クリアリングシステムと前記決済機関とを相互接続する接続サーバ、前記クリアリングシステムの会計処理を行う会計処理サーバ、のいずれか一つまたは二つ以上の組合せに接続されたことを特徴とする請求項10記載のクリアリング業務支援装置。
  12. 前記演算手段は、前記非清算参加者から前記他社清算参加者を経由し前記統一清算機関へ差し入れられる担保額を算出する処理を行うことを特徴とする請求項10記載のクリアリング業務支援装置。
  13. 前記演算手段は、前記振替指図データに関するフェイルデータに基づいて、前記振替指図データの送信を取り消すとともに前記振替指図データに係る決済を翌日決済に繰り越すことを特徴とする請求項10記載のクリアリング業務支援装置。
  14. 前記送受信手段から、前記フェイルデータに基づくフェイルカバー情報が外部コンピュータに送信されることを特徴とする請求項13記載のクリアリング業務支援装置。
  15. 前記他社清算参加者と非清算参加者と統一清算機関と決済機関との間において、有価証券売買取引に関する清算処理を行う業務支援プログラムであって、
    情報格納手段と、前記情報格納手段の情報に基づいて演算を行う演算手段と、他のコンピュータとの間で情報の送受信を行う送受信手段とを備えた他社清算参加者側のコンピュータに設けられ、
    前記送受信手段を介して、前記非清算参加者から約定データを受信する処理と、
    前記演算手段において、前記約定データに基づいてネッティングを行い、清算チケットデータを作成する処理と、
    前記送受信手段を介して、前記統一清算機関から市場での取引データを受信する処理と、
    前記演算手段において、前記清算チケットデータと、前記市場での取引データとを照合する処理と、
    前記演算手段において、前記清算チケットデータに基づいて振替指図データを作成する処理と、
    前記振替指図データを前記送受信手段から前記決済機関に送付する処理と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするクリアリング業務支援プログラム。
  16. 前記演算手段において、前記非清算参加者から前記他社清算参加者を経由し前記統一清算機関へ差し入れられる担保額を算出する処理を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項15記載のクリアリング業務支援プログラム。
  17. 前記約定データに基づいてネッティングを行い、清算チケットデータを作成する処理では、前記非清算参加者別に、受け取り資金及び有価証券と、支払い資金及び有価証券とを相殺し、差額分を算出する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項15記載のクリアリング業務支援プログラム。
  18. 前記約定データに基づいてネッティングを行い、清算チケットデータを作成する処理では、有価証券の種類別に、受け取り資金及び有価証券と、支払い資金及び有価証券とを相殺し、差額分を算出する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項15記載のクリアリング業務支援プログラム。
  19. 前記演算手段において、前記市場データ格納部に格納されたフェイルデータを参照し、該フェイルデータに基づいて、前記振替指図データの送信を取り消すとともに、前記振替指図データに係る決済を翌日決済に繰り越すことを特徴とする請求項15記載のクリアリング業務支援プログラム。
  20. 前記振替指図データを前記決済機関に送付する処理の後に、前記決済機関から振替を確認するデータを受信し、前記振替を確認するデータに基づいてエラーを確認する処理と、前記振替を確認するデータに基づいて振替済み案件を削除する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項15記載のクリアリング業務支援プログラム。
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