JP5089678B2 - 資金移動処理データ送信装置、資金移動処理データ送信プログラム及び資金移動処理データ送信方法 - Google Patents

資金移動処理データ送信装置、資金移動処理データ送信プログラム及び資金移動処理データ送信方法 Download PDF

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Description

本発明は、マンション管理組合等の委託者がマンション管理会社等の受託者に委託したマンションの管理業務等において発生した費用の支払先への支払を、受託者が作成したデータに基づく支払先口座への振込によって実行するための資金移動処理データ送信装置、資金移動処理データ送信プログラム及び資金移動処理データ送信方法に関するものである。
マンションの管理においては、個々の居室とは別に、マンションの共用部分や建物全体についての修繕、清掃、警備など様々な管理業務が発生する。これらの管理業務は、マンションの住民が組織するマンション管理組合を主体として、修繕業者、清掃業者、警備業者などの業者に依頼することになるが、マンション管理組合は意思決定等を主とする組織であって事務処理等の機能が十分でないことが多いため、マンション管理会社に管理業務を委託することが一般的である。
これらの管理業務において発生する費用はマンション管理組合の負担となるため、図1に示したように、マンション管理組合の預金口座から業務を依頼したそれぞれの業者の預金口座に対して、依頼した業務について発生した費用が振込(複数の支払先への支払を一括して受け付ける総合振込となることが多い)によって支払われることが一般的である。
一方、それぞれの業者への業務依頼は、管理業務の受託者であるマンション管理会社から行われるため、どの業者に対して、いつ、いくらの支払が発生するかはマンション管理会社が把握している。そのため、発生した費用に関する支払データをマンション管理会社からマンション管理組合に引渡し、マンション管理組合がネットバンキング等を利用する場合であれば、この支払データから振込データを作成して預金口座のある金融機関システムに送信することが必要になる。
業者への支払をマンション管理会社が行えるようにするためには、マンション管理組合の預金口座からマンション管理会社の預金口座に口座振替や振込によって資金を移動させておき、マンション管理会社の預金口座からそれぞれの業者の預金口座に支払を行うことが考えられる。しかしながら、マンション管理会社の預金口座に資金を移動させると、資金が目的外使用(不正流用)されてしまうおそれがあり(例えば、特許文献1の段落0003〜0007参照)、マンション管理会社による目的外使用を防止するための仕組みが求められるなど、このような支払方法には課題が多い。
このような課題に対して、図2に示したように、マンション管理組合の預金口座からそれぞれの業者の預金口座への総合振込を依頼する振込データ(総振データ)を、マンション管理会社が支払データから作成して金融機関に送信し、金融機関が総振データについて委託者の承認を条件に振込処理を実行する銀行取引確認システムに関する発明が開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−379055号公報
特許文献1記載の発明によると、マンション管理組合等には振込データ作成等の負荷がかかることなく、かつ、マンション管理会社による資金の目的外使用防止にも効果的と考えられる。しかしながら、特許文献1記載の発明では、振込処理等を実行する金融機関システムが、送金代行契約の契約情報の確認や委託者の承認を得るための委託者の通信端末との通信を行う機能を備えることが必要になるため、通常の金融機関システムの振込処理機能に対して付加的な機能を追加することが必要になる。
そこで、マンション管理組合には振込データ作成等の負荷をかけることなく、マンション管理会社による資金の目的外使用防止にも効果的であることに加えて、通常の口座振替や振込処理の機能を備えた金融機関システムに新たに特別な機能を付加する必要のない、マンション管理組合等の委託者から管理業務を受託したマンション管理会社等の受託者が、管理業務において発生した費用の支払を行うための支払処理の仕組みが求められるところである。
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、マンション管理組合等の委託者がマンション管理会社等の受託者に委託したマンションの管理業務等において発生した費用の支払先への支払を、受託者が作成したデータに基づく支払先口座への振込によって実行するための資金移動処理データ送信装置、資金移動処理データ送信プログラム及び資金移動処理データ送信方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決する本発明は、委託者が受託者に委託した管理業務において発生した費用の支払先への支払を、受託者が作成したデータに基づく支払先口座への振込によって実行するために、金融機関システムに所定の資金移動処理のためのデータを送信する資金移動処理データ送信装置であって、前記委託者への通知先となる電子メールアドレス又は住所、前記委託者を識別する委託者IDを含む委託者データを格納する委託者データ格納手段と、前記受託者の操作するコンピュータから、前記費用について、支払を行う委託者の委託者IDと、支払先に支払う支払金額と、振込による支払に指定された支払先口座とを含む新たな支払データを受け付ける支払データ受付手段と、前記支払データ受付手段が受け付けた支払データを、前記委託者の承認の有無に関する情報を付して格納する支払データ格納手段と、前記支払データ受付手段が受け付けた支払データが前記支払データ格納手段に格納されると、前記委託者データ格納手段から前記支払データに含まれる委託者IDに対応する電子メールアドレス又は住所を読み出して、前記電子メールアドレスを宛先に設定した前記支払データの承認を依頼する承認依頼メールの送信、又は前記住所を宛先として表示した承認依頼通知の出力を実行する承認依頼実行手段と、前記委託者の操作する通信端末から、前記支払データに対する承認操作を受け付けて、前記支払データに委託者の承認有と記録する承認受付手段と、前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記委託者の預金口座から、前記委託者の承認を条件に受託者からの依頼に基づいて振替及び振込の実行が可能な金融機関名義の支払用口座に、前記支払データに記録された支払金額を振替えるための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた口座振替データを生成し、前記支払用口座にかかる振替処理及び振込処理を実行する金融機関システムに送信する口座振替データ送信手段と、前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記金融機関名義の支払用口座から、前記支払データに記録された支払先口座に、前記支払データに記録された支払金額を振込むための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた振込データを生成し、前記金融機関システムに送信する振込データ送信手段と、を備えることを特徴とする資金移動処理データ送信装置である。
本発明においては、マンション管理会社等の受託者から受け付けた管理業務において発生した費用の支払データから、口座振替データと振込データを生成して金融機関システムに送信するよう構成することによって、委託者には振込データ作成の負荷をかけることを回避し、委託者の承認を条件に受託者が作成したデータに基づいて振替及び振込の実行が可能な金融機関名義の支払用口座を用いて支払のための資金の口座振替と支払先への振込を行うことによって、受託者による資金の目的外使用を防止している。尚、本発明において委託者に承認依頼を行う方法には、電子メールと郵便等の二つの手段があり、前者の方法は、委託者に承認依頼の電子メールを送信して、委託者の操作するパーソナルコンピュータや携帯電話等から承認操作を受け付ける。後者の方法は、委託者の住所が表示された承認依頼通知を出力、郵便等で送付して、委託者の操作する電話等から承認操作を受け付ける。
さらに、あらかじめマンション管理組合等の委託者の承認を得た支払データから口座振替データと振込データを生成するため、金融機関システムに委託者の承認処理のための機能を備える必要がなく、支払用口座にロックアカウント等の既存の口座を採用すれば、既存の口座管理の仕組みに新たな機能を付加する必要性も生じない。
また、本発明は、前記委託者データ格納手段に格納された委託者データには、前記委託者を認証するための認証キーが含まれていて、前記承認受付手段は、前記通信端末から委託者IDと認証キーを受け付けて、前記委託者IDと前記認証キーの組合せが、前記委託者データ格納手段に格納された委託者IDと認証キーの組合せに一致する場合に、承認操作を受け付けた支払データに承認有と記録することを特徴とすることもできる。
このように構成すると、資金の目的外使用を防止するための委託者による承認処理を、より正確に行うことができる。
さらに、本発明は、前記口座振替データ送信手段が送信した口座振替データに基づく口座振替結果を前記金融機関システムから受信する口座振替結果受信手段を備えていて、前記振込データ送信手段は、前記口座振替結果受信手段が受信した口座振替結果が口座振替が正常に行われたことを示すものである場合に、前記振込データを前記金融機関システムに送信することを特徴としてもよい。
このように構成すると、管理業務において発生した費用の支払資金を確保した上で支払先への振込依頼が行われるため、支払資金の不足によって受託者や金融機関に損失が生じるリスクを回避することができる。
さらに、本発明は、前記委託者データ格納手段に格納された委託者データには、前記委託者の会計処理に用いる会計区分毎に設けられた二以上の預金口座を特定する情報が含まれ、前記支払データ格納手段に格納された支払データには、前記費用の会計処理における会計区分に関する情報が含まれていて、前記口座振替データ送信手段は、前記支払データ格納手段から読み出した支払データに含まれる会計区分に関する情報に対応する預金口座を特定する情報を前記委託者データ格納手段から読み出して、前記預金口座を委託者の預金口座として振替元に指定した口座振替データを生成することを特徴としてもよい。
このように構成すると、マンション管理組合等の委託者が管理する一般会計、修繕積立金会計等に区分されている資金からの支出を、会計区分に従って管理することが可能になる。
また、本発明は、本発明にかかる資金移動処理データ送信装置に備えられる資金移動処理データ送信プログラムとして特定することもできる。
本発明にかかる資金移動処理データ送信プログラムは、委託者が受託者に委託した管理業務において発生した費用の支払先への支払を受託者が作成したデータに基づく支払先口座への振込によって実行するために、金融機関システムに所定の資金移動処理のためのデータを送信する資金移動処理データ送信プログラムであって、前記委託者への通知先となる電子メールアドレス又は住所、前記委託者を識別する委託者IDを含む委託者データを格納する委託者データ格納手段を備えたコンピュータに、前記受託者の操作するコンピュータから、前記費用について、支払を行う委託者の委託者IDと、支払先に支払う支払金額と、振込による支払に指定された支払先口座とを含む新たな支払データを受け付ける支払データ受付ステップと、前記支払データ受付ステップで受け付けた支払データを、前記委託者の承認の有無に関する情報を付して支払データ格納手段に格納する支払データ格納ステップと、前記支払データ受付ステップで受け付けた支払データが前記支払データ格納手段に格納されると、前記委託者データ格納手段から前記支払データに含まれる委託者IDに対応する電子メールアドレス又は住所を読み出して、前記電子メールアドレスを宛先に設定した前記支払データの承認を依頼する承認依頼メールの送信、又は前記住所を宛先として表示した承認依頼通知の出力を実行する承認依頼実行ステップと、前記委託者の操作する通信端末から、前記支払データに対する承認操作を受け付けて、前記支払データに委託者の承認有と記録する承認受付ステップと、前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記委託者の預金口座から、前記委託者の承認を条件に受託者からの依頼に基づいて振替及び振込の実行が可能な金融機関名義の支払用口座に、前記支払データに記録された支払金額を振替えるための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた口座振替データを生成し、前記支払用口座にかかる振替処理及び振込処理を実行する金融機関システムに送信する口座振替データ送信ステップと、前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記金融機関名義の支払用口座から、前記支払データに記録された支払先口座に、前記支払データに記録された支払金額を振込むための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた振込データを生成し、前記金融機関システムに送信する振込データ送信ステップと、を実行させることを特徴とする資金移動処理データ送信プログラムである。
また、本発明にかかる資金移動処理データ送信プログラムは、前記委託者データ格納手段に格納された委託者データには、前記委託者を認証するための認証キーが含まれていて、前記承認受付ステップにおいて、前記コンピュータに、前記通信端末から委託者IDと認証キーを受け付けて、前記委託者IDと前記認証キーの組合せが、前記委託者データ格納手段に格納された委託者IDと認証キーの組合せに一致する場合に、承認操作を受け付けた支払データに承認有と記録させることを特徴とすることもできる。
さらに、本発明にかかる資金移動処理データ送信プログラムは、前記コンピュータに、前記口座振替データ送信ステップで送信した口座振替データに基づく口座振替結果を前記金融機関システムから受信する口座振替結果受信ステップを実行させ、前記振込データ送信ステップにおいて、前記コンピュータに、前記口座振替結果受信ステップで受信した口座振替結果が口座振替が正常に行われたことを示すものである場合に、前記振込データを前記金融機関システムに送信させることを特徴としてもよい。
さらに、本発明にかかる資金移動処理データ送信プログラムは、前記委託者データ格納手段に格納された委託者データには、前記委託者の会計処理に用いる会計区分毎に設けられた二以上の預金口座を特定する情報が含まれ、前記支払データ格納手段に格納された支払データには、前記費用の会計処理における会計区分に関する情報が含まれていて、前記口座振替データ送信ステップにおいて、前記コンピュータに、前記支払データ格納手段から読み出した支払データに含まれる会計区分に関する情報に対応する預金口座を特定する情報を前記委託者データ格納手段から読み出して、前記預金口座を委託者の預金口座として振替元に指定した口座振替データを生成させることを特徴としてもよい。
また、本発明は、本発明にかかる資金移動処理データ送信装置、又は資金移動処理データ送信プログラムによって実行される資金移動処理データ送信方法として特定することもできる。
本発明にかかる資金移動処理データ送信方法は、委託者が受託者に委託した管理業務において発生した費用の支払先への支払を受託者が作成したデータに基づく支払先口座への振込によって実行するために、金融機関システムに所定の資金移動処理のためのデータを送信する資金移動処理データ送信方法であって、前記委託者への通知先となる電子メールアドレス又は住所、前記委託者を識別する委託者IDを含む委託者データを格納する委託者データ格納手段を備えたコンピュータが、前記受託者の操作するコンピュータから、前記費用について、支払を行う委託者の委託者IDと、支払先に支払う支払金額と、振込による支払に指定された支払先口座とを含む新たな支払データを受け付ける支払データ受付ステップと、前記コンピュータが、前記支払データ受付ステップで受け付けた支払データを、前記委託者の承認の有無に関する情報を付して支払データ格納手段に格納する支払データ格納ステップと、前記コンピュータが、前記支払データ受付ステップで受け付けた支払データが前記支払データ格納手段に格納されると、前記委託者データ格納手段から前記支払データに含まれる委託者IDに対応する電子メールアドレス又は住所を読み出して、前記電子メールアドレスを宛先に設定した前記支払データの承認を依頼する承認依頼メールの送信、又は前記住所を宛先として表示した承認依頼通知の出力を実行する承認依頼実行ステップと、前記コンピュータが、前記委託者の操作する通信端末から、前記支払データに対する承認操作を受け付けて、前記支払データに委託者の承認有と記録する承認受付ステップと、前記コンピュータが、前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記委託者の預金口座から、前記委託者の承認を条件に受託者からの依頼に基づいて振替及び振込の実行が可能な金融機関名義の支払用口座に、前記支払データに記録された支払金額を振替えるための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた口座振替データを生成し、前記支払用口座にかかる振替処理及び振込処理を実行する金融機関システムに送信する口座振替データ送信ステップと、前記コンピュータが、前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記金融機関名義の支払用口座から、前記支払データに記録された支払先口座に、前記支払データに記録された支払金額を振込むための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた振込データを生成し、前記金融機関システムに送信する振込データ送信ステップと、を有することを特徴とする資金移動処理データ送信方法である。
また、本発明にかかる資金移動処理データ送信方法は、前記委託者データ格納手段に格納された委託者データには、前記委託者を認証するための認証キーが含まれていて、前記承認受付ステップにおいて、前記コンピュータは、前記通信端末から委託者IDと認証キーを受け付けて、前記委託者IDと前記認証キーの組合せが、前記委託者データ格納手段に格納された委託者IDと認証キーの組合せに一致する場合に、承認操作を受け付けた支払データに承認有と記録することを特徴とすることもできる。
さらに、本発明にかかる資金移動処理データ送信方法は、前記コンピュータが、前記口座振替データ送信ステップで送信した口座振替データに基づく口座振替結果を前記金融機関システムから受信する口座振替結果受信ステップを有していて、前記振込データ送信ステップにおいて、前記コンピュータは、前記口座振替結果受信ステップで受信した口座振替結果が口座振替が正常に行われたことを示すものである場合に、前記振込データを前記金融機関システムに送信することを特徴としてもよい。
さらに、本発明にかかる資金移動処理データ送信方法は、前記委託者データ格納手段に格納された委託者データには、前記委託者の会計処理に用いる会計区分毎に設けられた二以上の預金口座を特定する情報が含まれ、前記支払データ格納手段に格納された支払データには、前記費用の会計処理における会計区分に関する情報が含まれていて、前記口座振替データ送信ステップにおいて、前記コンピュータは、前記支払データ格納手段から読み出した支払データに含まれる会計区分に関する情報に対応する預金口座を特定する情報を前記委託者データ格納手段から読み出して、前記預金口座を委託者の預金口座として振替元に指定した口座振替データを生成することを特徴としてもよい。
本発明によって、マンション管理組合等の委託者から管理業務を受託したマンション管理会社等の受託者が、管理業務において発生した費用の支払を行う場合に、マンション管理組合には振込データ作成等の負荷をかけることなく、マンション管理会社による資金の目的外使用防止にも効果的であることに加えて、通常の口座振替や振込処理の機能を備えた金融機関システムに新たに特別な機能を付加する必要のない、マンションの管理業務等において発生した費用の支払業務を処理する仕組みが提供される。
マンションの管理業務において発生した費用を支払う支払スキームを示す第1の図である。 マンションの管理業務において発生した費用を支払う支払スキームを示す第2の図である。 本発明にかかる支払処理装置によってマンションの管理業務において発生した費用を支払う支払スキームを示す図である。 本発明にかかる支払処理装置による支払処理のフローを示す図である。 本発明にかかる支払処理装置の第1の実施形態における構成を示すブロック図である。 本発明にかかる支払処理装置の第2の実施形態における構成を示すブロック図である。 本発明にかかる支払処理装置で用いられる委託者データの一例を示す図である。 本発明にかかる支払処理装置で用いられる支払データの一例を示す図である。 本発明にかかる支払処理装置による委託者への承認通知の送信フローを示すフローチャートである。 本発明にかかる支払処理装置による委託者の承認を支払データに記録するフローを示すフローチャートである。 本発明にかかる支払処理装置による口座振替データの送信フローを示すフローチャートである。 本発明にかかる支払処理装置による振込データの送信フローを示すフローチャートである。 本発明にかかる支払処理装置による振込結果の受信フローを示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明では、本発明を、委託者であるマンション管理組合(以下「管理組合」とする)が受託者であるマンション管理会社(以下「管理会社」とする)に委託するマンションの管理業務において発生した費用の支払に適用する例について説明するが、この例は本発明の実施形態の一例を示したものであって、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
図1、図2に例示した、従来のマンションの管理業務において発生した費用を支払う支払スキームに対して、図3は、本発明にかかる支払処理装置によってマンションの管理業務において発生した費用を支払う支払スキームを示している。管理組合が管理業務を管理会社に委託し、管理会社は修繕や清掃などの業務をそれぞれの業者に依頼する。これらの業務で発生した費用は管理組合が負担することになるが、それぞれの業者への支払は次のように行われる。
マンションの管理業務において発生した費用について、どの業者に対して、いつ、いくらの支払が発生するかは管理会社が把握しており、業者が振込先としての指定した預金口座も含めた支払データは、管理会社で管理されている。本発明では、この支払データに対して管理組合に承認を依頼し、承認を受けた支払データから口座振替データ(口振データ)と総合振込データ(総振データ)を生成する。管理組合からの承認を受けた支払データからしか、口座振替データと総合振込データを生成できないように構成することによって、管理会社による不正な資金移動を防止することができる。
口座振替データは、管理組合の預金口座から支払に必要な資金を振り替えるために、銀行等の金融機関に送信される所定のフォーマットに則ったデータである。総合振込データは、それぞれの業者への支払を指定した預金口座への振込によって行うために、銀行等の金融機関に送信される所定のフォーマットに則ったデータである。
ここで管理組合の預金口座から振り替えられる資金を受け入れ、業者の預金口座への支払を行うための預金口座は、管理会社からの依頼によって口座振替、総合振込(複数の支払先への支払を一括して受け付ける振込サービス)の受け付けが可能な預金口座であることが必要である。管理会社の預金口座もその要件を満たすものではあるが、管理会社による資金の目的外利用を回避するためには、管理会社の名義ではなく、金融機関等の第三者名義の預金口座、例えば金融機関名義の預金口座を利用するロックアカウントの仕組みを利用することが好ましい。
ロックアカウントとは、金融機関名義の預金口座を利用し振込資金を分別管理する仕組みで、あらかじめ契約によって預金口座からの振込手順が定められている。例えば、代理店を通じて商品を販売するようなケースで、購入者が支払う代金を代理店名義ではなく金融機関名義のロックアカウントに入金させ、入金された代金から手数料分を代理店の預金口座に、代金から手数料相当を差し引いた金額を販売元の預金口座に入金することによって、代理店による売上金の目的外利用を回避する場合などに利用される。ロックアカウントでは、金融機関との契約で預金口座からの引出や振込が可能なケースがあらかじめ定められるため、資金移動の際に目的外利用を防止したい場合に有効である。
本発明ではこのロックアカウントを利用して、管理会社から送信されたデータによって口座振替や総合振込を受け付けられることとする一方、預金口座からの資金の引出や振込を、管理組合の承認が担保された所定の依頼に制限することを管理会社と金融機関の間で契約することによって、管理会社による目的外利用を防止しながら、管理会社から送信されたデータによる支払先への振込を受け付けることが可能になる。
図4は、本発明にかかる支払処理装置による支払処理のフローを示している。まず、マンションの管理業務の受託者である管理会社が、管理業務によって発生した支払の支払データをコンピュータ(受託者装置)に入力して、支払処理装置に送信する(1)。この支払データは、支払処理装置のデータベースに保存される。
データベースに新たな支払データが保存されると、あるいは、所定のタイミングでデータベースを検索して新たに保存された支払データが確認されると、支払の対象になる管理業務を委託した委託者である管理組合(具体的には管理組合の理事長)のコンピュータや携帯電話等(委託者装置)に、支払データの承認を依頼するための電子メールが送信される。ここで使用される電子メールアドレスは、支払処理装置の顧客データベースに保存されているものが読み出される。
承認依頼の電子メールを受信した管理組合の理事長は、支払処理装置にアクセスしてユーザ認証を受けてログインし、支払データの内容を確認する。支払データの内容に問題がなく、支払先への振込を実行してよければ、支払を承認する操作が行われ(2)、支払データに管理組合の承認済が記録される。ここで管理組合の理事長がログインのために操作するコンピュータ等(委託者装置)は、承認依頼の電子メールを受信したコンピュータ等と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
委託者による承認は、電子メールではなく郵便等を用いて行うこともできる。この場合は、データベースに新たな支払データが保存されると、あるいは、所定のタイミングでデータベースを検索して新たに保存された支払データが確認されると、支払の対象になる管理業務を委託した委託者である管理組合(具体的には管理組合の理事長)に対して、承認依頼通知が郵便等で送付される。送付する承認依頼通知には、支払処理装置の顧客データベースから読み出した管理組合(管理組合の理事長)の住所が表示されたものが、支払処理装置から出力される。
承認依頼通知を受領した管理組合の理事長は、前述のように支払データの内容を確認する操作を行うが、操作を行う通信端末(委託者装置)はコンピュータに限られず、電話機を用いることとして、支払処理装置側ではIVR(自動音声応答装置)によって支払データに管理組合の承認済を記録するものであってもよい。先に説明した電子メールを受信した後の承認操作において、電話機を用いることとしてもよい。
このように、管理組合が承認済の支払データがデータベースに蓄積されると、蓄積された支払データのうち、管理組合による承認済で支払のための処理が未済の支払データから(同一の管理組合にかかる複数の支払データをまとめて処理することが多くなると考えられる)、支払の原資となる金額を管理組合の預金口座からロックアカウントに口座振替で振り替えるための口座振替データを生成し、ロックアカウントを開設した銀行の銀行システムに送信する(3)。これを受信した銀行システムでは、口座振替データに指定された内容に従って、管理組合の預金口座からロックアカウントへの口座振替を実行する(4)。
銀行システムからの通知によって口座振替が完了したことが確認されると、口座振替データの元となった支払データに指定された内容に従って、ロックアカウントからそれぞれの業者への支払を預金口座への振込(複数の支払先への支払を一括して行う総合振込になることが多くなると考えられる)によって行うための総合振込データを生成し、ロックアカウントを開設した銀行の銀行システムに送信する(5)。これを受信した銀行システムでは、総合振込データに指定された内容に従って、ロックアカウントからそれぞれの業者の預金口座への振込を実行する(6)。
以上に説明したフローによると、銀行システムでは口座振替データと総合振込データに指定された依頼内容に従って、通常の処理と同様に口座振替と総合振込を実行すればよいので、特別な処理機能を新たに追加する必要がない。このように、本発明によると、管理組合から管理業務の委託を受けた管理会社が業務を依頼した業者への支払を代行するスキームにおいて、銀行システムには新たな機能を追加することなく、管理組合に振込データ作成等の負荷をかけず、支払の実行には管理組合の承認を担保することで管理会社による資金の目的外使用を防止することも可能な支払処理が実現される。
尚、本スキームにおいて、管理組合による承認処理を行う支払処理装置の運営管理については、受託者である管理会社自身が行うこととしてもよいが、管理会社による資金の目的外使用を確実に防止するためには、管理会社とは異なる第三者が担当するものであることが好ましい。
図5、図6は、本発明にかかる支払処理装置の構成の例を示している。図5の第1の実施形態では、管理会社が受託者装置30に入力した支払データを、所定のタイミングで支払処理装置10に送信し、図6の第2の実施形態では、受託者である管理会社が支払データを支払処理装置10に直接入力する。
図5、図6に示したように、本発明にかかる支払処理装置10には、委託者データ格納部11、支払データ格納部12、支払データ受付部13、承認処理部14、口座振替データ送信部15、総合振込データ送信部16が備えられている。
支払処理装置10は、CPU、メインメモリ、HDDが備えられたコンピュータであって、HDDに格納されたアプリケーションプログラムを動作させて所定の機能を実現する場合には、メインメモリにアプリケーションプログラムが読み出されて、CPUによって演算処理が実行される。
委託者データ格納部11、支払データ格納部12には、HDDの所定の記憶領域が割り当てられる。支払データ受付部13、承認処理部14、口座振替データ送信部15、総合振込データ送信部16の各部はいずれも機能的に特定されるものであって、これらの機能に対応するアプリケーションプログラムがHDDからメインメモリに読み出され、CPUで演算処理が実行されることによって、各々の機能が実現される。
尚、支払処理装置10に用いられるコンピュータの物理的な構成は特に限定されるものではなく、上記各部が一のコンピュータに備えられるものであってもよいし、上記各部が物理的に異なる二以上のコンピュータに備えられ、連携して動作するよう構成されるものであってもよい。
銀行システム20、受託者装置30、委託者装置40にも、それぞれに必要な機能を備えたコンピュータが用いられるが、物理的な構成について特に限定されるものではない。委託者装置40については、支払処理装置に対して支払データの承認の意思を送信する通信機能を備えた通信端末であればよく、携帯電話機やパーソナルコンピュータの他に、電話機を用いることもできる。尚、支払処理装置10から承認依頼の通知を電子メールで受信する場合には、電子メールの受信機能を備えることも必要になるが、承認意思の送信機能と電子メールの受信機能が異なる装置(携帯電話機とパーソナルコンピュータ等)によって実現されるものであってもよい。
以上の構成を前提にして、本発明にかかる支払処理装置を用いて、管理会社による支払データの登録から管理組合による承認、承認済の支払データを用いて口座振替と総合振込によって支払先への支払を行うまでのフローについて説明する。
支払処理装置10の委託者データ格納部11には、委託者データとして各々の管理組合に関する情報が格納されている。委託者データ格納部11へのデータの入力方法は、受託者装置30から受託者である管理会社が入力するか、あるいは委託者装置40から委託者である管理組合自身で入力することとしてもよいが、特に限定されるものではない。
図7は、委託者データ格納部11に格納される委託者データの一例を示したものであるが、管理組合毎に設けられたレコードに、管理組合を識別する管理組合コード、管理組合の理事長に通知を送信するための電子メールアドレス、認証を行うためのIDとパスワード、管理業務において発生した費用の支払に充てる資金を振り替える元となる預金口座を特定する情報、管理組合の資金を振り替えて支払先への振込を行う預金口座となるロックアカウントを特定する情報等が記録されている。この他に、承認依頼を郵便等で送付する場合には、管理組合の理事長の住所等が記録される。
ここに指定する管理組合の預金口座については、支払に充てる資金を振り替えるために、少なくとも1つの預金口座を指定することが必要であるが、管理組合の予算に応じた資金を支払に充当できるように、支払一般に充てられる一般会計の口座、修繕積立金から支払うための修繕積立金会計の口座など、複数の会計区分毎に異なる口座を指定しておくこととしてもよい。
ここに指定するロックアカウントについては、管理会社による資金の目的外利用を回避するために、第三者である銀行名義の預金口座となるが、管理会社からの依頼によって口座振替や総合振込の受け付けが可能となるように、管理会社と銀行の間であらかじめ合意をしておく。ロックアカウントは、通常は銀行名義の当座預金となり、管理会社毎に口座を開設することとすればよい(この場合、同じ管理会社に管理業務を委託した管理組合には、同じロックアカウントが指定されることになる)。
支払処理装置10の支払データ格納部12には、支払データとして管理業務において発生した費用の支払に関する情報が格納されている。支払データ格納部12に格納される支払データは、管理業務を受託してそれぞれの業者に業務を依頼した管理会社において把握しているため、受託者装置30から支払データ受付部13において受け付けられることになる。
支払データ受付部13で受託者装置30から支払データを受け付ける形態は特に限定されるものではなく、図5のように、受託者装置30において、入力装置31から入力された支払データをデータ入力部32で受け付け、支払データ格納部33に保存し、保存された支払データを所定のタイミングで読み出して支払データ送信部34から送信することとしてもよいし、図6のように、受託者装置30を入力用の端末として各々の支払データの入力を受け付けることとしてもよい。
尚、先に説明したとおり、支払処理装置10の運営管理は、管理会社による資金の目的外使用を確実に防止するためには、管理会社とは異なる第三者が担当するものであることが好ましく、第三者であるシステム運営業者がBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業者が運営管理を担当する場合には、図5の例に示したような実施形態が考えられる。
図8は、支払データ格納部12に格納される支払データの一例を示したものであるが、業者への支払毎(請求書毎)に設けられたレコードに、対象となる業務の提供を受けた管理組合の管理組合コード、振替元となる管理組合の預金口座の会計区分の他に、対象となる支払についての振込(支払)金額、振込(支払)日、振込先口座等が記録されている。その他に、対象となる支払データを管理組合が承認済であるか否か、支払に充てる資金の管理組合からの口座振替が済んでいるか否か、支払先への振込が済んでいるか否かについて記録するフィールドが設けられている。
図9のフローチャートは、支払処理装置10による委託者である管理組合への承認通知の送信フローの一例を示している。支払処理装置10では、毎営業日の所定の時間など、所定のタイミングで承認処理部14が起動され、委託者である管理組合に支払データの承認通知を送信する処理が行われる。
承認処理部14が起動されると、管理組合を識別する管理組合コードをキーに、支払データ格納部12に格納された支払データを検索する(S01)。それぞれの支払データに委託者である管理組合の承認済が記録されているかを確認し、承認未済の支払データがある場合には(S02)、管理組合コードをキーに委託者データ格納部11に格納された管理組合の委託者データを特定し、委託者データに含まれる通知先の電子メールアドレスを読み出す(S03)。
続いて、読み出した電子メールアドレスを宛先にして、委託者である管理組合の承認を促す承認通知を生成し(S04)、承認通知を電子メールで送信する(S05)。承認未済の支払データがない場合は、そのまま処理を終了する。尚、承認処理部14を起動するのを、新たな支払データが支払データ格納部12に保存された時としてもよく、その場合には必ず支払データが承認未済の状態となるので、ステップ01〜02は実行されず、ステップ03〜05が実行されることになる。
承認通知の内容は特に限定されるものではないが、ここには承認未済の新たな支払データが発生したこと、管理組合による承認が必要なことが記載される。例えば、承認通知に承認手続を行うためのURLのリンクを埋め込んでおき、承認通知を受信した管理組合の理事長等はこのリンクをクリックすることで支払処理装置10にアクセスし、IDとパスワードを入力して承認のための操作を行うこととしてもよい。又は、承認通知にはリンクを設けることなく、これを携帯電話機等で受信し、別途パーソナルコンピュータを用いて所定のWebページにアクセスし、IDとパスワードを入力して承認のための操作を行うこととしてもよい。
尚、先にも説明したように、承認依頼は郵便等で送付することとしてもよい。この場合は、委託者データ格納部11に格納された管理組合の委託者データに含まれる通知先の住所等を読み出し、この住所等が宛先として表示された承認通知を出力する。出力される承認通知は、そのまま葉書として用いられるものであってもよいし、封筒にあけられた窓から住所と宛名が見えるように印字された封書用の紙を出力するものであってもよい。
郵便で送付される場合の承認通知の内容も特に限定されるものではないが、携帯電話機やパーソナルコンピュータの利用に慣れていない委託者への便宜を考慮して、電話機を操作して承認操作を行う際に用いるために、あらかじめパスワード等の登録を求めるのではなく、委託者に割り当てられた認証用のIDとパスワードをここに記載することとしてもよい。この場合には、委託者データ格納部11の委託者データには、支払処理装置10側で割り当てたID(例えば、委託者が登録している電話番号を用いてもよい)とパスワードが記録されることとなる。
図10のフローチャートは、支払処理装置10が委託者である管理組合の承認を支払データに記録するフローを示している。承認通知を受信した管理組合の理事長等が、委託者装置40から支払処理装置10にアクセスして所定のWebページ等を読み出すと、承認処理部14が起動され、委託者である管理組合から支払データの承認を受け付ける処理が行われる。
承認処理部14が起動されると、委託者装置40にIDとパスワードの入力画面を表示させ、画面に入力されたIDとパスワードを受信する(S11)。このIDをキーに委託者データ格納部11を検索して(S12)、特定された管理組合の委託者データに含まれるID、パスワードの組み合わせと一致するかを確認し(S13)、一致しない場合はエラーとなる。
ID、パスワードの組み合わせが一致すると、管理組合コードをキーに支払データ格納部12を検索し、管理組合の承認済が記録されていない支払データを読み出して、委託者装置40に送信する(S14)。委託者装置40にこれらの支払データが表示され、管理組合の理事長等がこれを承認する操作を行うと、対象となる支払データを指定して委託者装置40から支払処理装置10に承認操作が行われたことを示すデータが送信されるので、このデータから承認の有無を確認して(S15)、承認があった場合には、図8の例に示したように、対応する支払データに承認済が記録される(S16)。
以上の承認操作については、先に説明したように、電話機を操作して行うものであってもよい。この場合、委託者はID、パスワード等の入力操作を電話機のボタンをプッシュすることによって行い、支払処理装置10側ではIVRを用いて委託者が行った操作を識別して、承認の有無を確認する。
図11のフローチャートは、支払処理装置10による口座振替データの送信フローを示している。支払処理装置10では、毎営業日の所定の時間など、所定のタイミングで口座振替データ送信部15が起動され、委託者である管理組合の預金口座から、業者への支払に充てる資金を口座振替によりロックアカウントに振り替えるための口座振替データを生成して送信する処理が行われる。
口座振替データ送信部15が起動されると、管理組合を識別する管理組合コードをキーに、支払データ格納部12に格納された支払データを検索する(S21)。それぞれの支払データについて、振込日が所定の条件(振込日から起算してロックアカウントへの資金の振替が必要になる期間等)に該当し、かつ管理組合の承認済が記録されている支払データを確認する(S22)。
該当する支払データがある場合には、支払データ(支払データ格納部12に格納された支払データのうち口座振替と振込に必要なデータ)を読み出して一時記憶する(S23)。さらに、管理組合コードをキーに委託者データ格納部11に格納された管理組合の委託者データを特定し、委託者データに含まれる管理組合の預金口座とロックアカウントに関する情報を読み出す(S24)。ここで管理組合が複数の預金口座を指定している場合には、支払データに記録された会計区分に対応する預金口座に関する情報を読み出す。先に読み出して一時記憶した支払データによって異なる会計区分が記録されている場合には、対応する預金口座に関する情報を全て読み出し、会計区分に応じて支払データと預金口座に関する情報を紐付けておく。
続いて、一時記憶した支払データと、委託者データから読み出した管理組合の預金口座とロックアカウントに関する情報から、管理組合の預金口座からロックアカウントに支払データに指定された支払金額の合計額を振り替えるための口座振替データを生成する(S25)。先に説明したように、会計区分に応じて支払データと預金口座に関する情報を紐付けられている場合には、会計区分毎に口座振替データを生成する。
ここで生成される口座振替データは、全銀フォーマット等の所定のフォーマットに基づくものであり、この口座振替データが銀行システム20に送信される(S26)。尚、ステップ22において該当する支払データがない場合は、そのまま処理を終了する。
送信された口座振替データに基づいて銀行システム20では口座振替が実行され、口座ファイル(管理組合口座)23から指定された金額が引き落とされ、口座ファイル(ロックアカウント)24には引き落とした資金が入金される。この処理が終了すると、口座振替が正常に行われたかどうかの結果通知が支払処理装置10に送信される。これを受信した支払処理装置10において、続いて振込データを送信するフローは、図12のフローチャートに示したとおりである。
支払処理装置10において口座振替の結果通知を受信すると(S31)、結果通知の内容を確認し(S32)、口座振替が正常に行われたことを示す通知である場合には、支払データ格納部12に格納された対応する支払データに、口座振替済であることを記録する(S33)。図8の例であれば、「口座振替」のフィールドの「未済」が「済」に更新される。一方、口座振替が残高不足等で行われなかったことを示す通知である場合には、エラー処理となる。
支払データに口座振替済であることを記録すると、続いて、先に支払データ格納部12から読み出して一時記憶した支払データから、それぞれの支払を振込によって実行するための振込データを生成するが、ここでは複数の振込がまとめて行われることが多いため、その場合は総合振込を依頼するための総合振込データが生成される(S34)。
ここで生成される総合振込データも、全銀フォーマット等の所定のフォーマットに基づくものであり、振込日、振込金額、振込先の口座番号等は、それぞれの支払データに指定されたものが用いられる。この総合振込データが銀行システムに送信される(S35)。
送信された総合振込データに基づいて銀行システム20では総合振込が実行され、口座ファイル(ロックアカウント)24から振込金額が引き落とされ、口座ファイル(業者)25〜27には振込金額が入金される。振込先が他の銀行等である場合には、送金データが全銀ネット等で送信されるが、いずれかの振込が不着となった場合には、所定の期間内に振込不着データが支払処理装置10に送信される。支払処理装置10では、図13のフローチャートに示したフローで振込結果を受信し、振込の状況を把握する。
銀行システムから振込不着データを受信すると(S41)、不着となった振込に対応する支払データ格納部12に格納された支払データに、振込が不着であることを記録する(S42)。図8の例であれば、「振込」のフィールドの「未済」が「不着」に更新される。ここで、受託者装置30に、振込が不着となったことを示す通知を送信することとしてもよい(S43)。
振込日における営業時間終了から振込不着データが送信され得る所定の時間が経過すると(S44)、振込不着データを受信していない振込については正常に振込が行なわれたと判断されるため、それぞれの振込に対応する支払データ格納部12に格納された支払データに、振込済であることを記録する(S45)。図8の例であれば、「振込」のフィールドの「未済」が「済」に更新される。
尚、本発明においては、口座振替データによる口座振替の確認後に総合振込データを送信するのではなく、口座振替の確認前、或いは口座振替データの送信と同時に総合振込データを送信することとしてもよいが、支払に必要な資金を確実に担保するためには、口座振替の確認後に総合振込データを送信するよう構成することが好ましい。
10 支払処理装置
11 委託者データ格納部
12 支払データ格納部
13 支払データ受付部
14 承認処理部
15 口座振替データ送信部
16 総合振込データ送信部
20 銀行システム
21 振替処理実行部
22 振込処理実行部
23 口座ファイル(管理組合口座)
24 口座ファイル(ロックアカウント)
25 口座ファイル(業者口座)
26 口座ファイル(業者口座)
27 口座ファイル(業者口座)
30 受託者装置
31 入力装置
32 データ入力受付部
33 支払データ格納部
34 支払データ送信部
40 委託者装置

Claims (6)

  1. 委託者が受託者に委託した管理業務において発生した費用の支払先への支払を、受託者が作成したデータに基づく支払先口座への振込によって実行するために、金融機関システムに所定の資金移動処理のためのデータを送信する資金移動処理データ送信装置であって、
    前記委託者への通知先となる電子メールアドレス又は住所、前記委託者を識別する委託者IDを含む委託者データを格納する委託者データ格納手段と、
    前記受託者の操作するコンピュータから、前記費用について、支払を行う委託者の委託者IDと、支払先に支払う支払金額と、振込による支払に指定された支払先口座とを含む新たな支払データを受け付ける支払データ受付手段と、
    前記支払データ受付手段が受け付けた支払データを、前記委託者の承認の有無に関する情報を付して格納する支払データ格納手段と、
    前記支払データ受付手段が受け付けた支払データが前記支払データ格納手段に格納されると、前記委託者データ格納手段から前記支払データに含まれる委託者IDに対応する電子メールアドレス又は住所を読み出して、前記電子メールアドレスを宛先に設定した前記支払データの承認を依頼する承認依頼メールの送信、又は前記住所を宛先として表示した承認依頼通知の出力を実行する承認依頼実行手段と、
    前記委託者の操作する通信端末から、前記支払データに対する承認操作を受け付けて、前記支払データに委託者の承認有と記録する承認受付手段と、
    前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記委託者の預金口座から、前記委託者の承認を条件に受託者からの依頼に基づいて振替及び振込の実行が可能な金融機関名義の支払用口座に、前記支払データに記録された支払金額を振替えるための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた口座振替データを生成し、前記支払用口座にかかる振替処理及び振込処理を実行する金融機関システムに送信する口座振替データ送信手段と、
    前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記金融機関名義の支払用口座から、前記支払データに記録された支払先口座に、前記支払データに記録された支払金額を振込むための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた振込データを生成し、前記金融機関システムに送信する振込データ送信手段と、
    を備えることを特徴とする資金移動処理データ送信装置。
  2. 前記委託者データ格納手段に格納された委託者データには、前記委託者を認証するための認証キーが含まれていて、
    前記承認受付手段は、前記通信端末から委託者IDと認証キーを受け付けて、前記委託者IDと前記認証キーの組合せが、前記委託者データ格納手段に格納された委託者IDと認証キーの組合せに一致する場合に、承認操作を受け付けた支払データに承認有と記録すること
    を特徴とする請求項1記載の資金移動処理データ送信装置。
  3. 前記口座振替データ送信手段が送信した口座振替データに基づく口座振替結果を前記金融機関システムから受信する口座振替結果受信手段を備えていて、
    前記振込データ送信手段は、前記口座振替結果受信手段が受信した口座振替結果が口座振替が正常に行われたことを示すものである場合に、前記振込データを前記金融機関システムに送信すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の資金移動処理データ送信装置。
  4. 前記委託者データ格納手段に格納された委託者データには、前記委託者の会計処理に用いる会計区分毎に設けられた二以上の預金口座を特定する情報が含まれ、
    前記支払データ格納手段に格納された支払データには、前記費用の会計処理における会計区分に関する情報が含まれていて、
    前記口座振替データ送信手段は、前記支払データ格納手段から読み出した支払データに含まれる会計区分に関する情報に対応する預金口座を特定する情報を前記委託者データ格納手段から読み出して、前記預金口座を委託者の預金口座として振替元に指定した口座振替データを生成すること
    を特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の資金移動処理データ送信装置。
  5. 委託者が受託者に委託した管理業務において発生した費用の支払先への支払を受託者が作成したデータに基づく支払先口座への振込によって実行するために、金融機関システムに所定の資金移動処理のためのデータを送信する資金移動処理データ送信プログラムであって、前記委託者への通知先となる電子メールアドレス又は住所、前記委託者を識別する委託者IDを含む委託者データを格納する委託者データ格納手段を備えたコンピュータに、
    前記受託者の操作するコンピュータから、前記費用について、支払を行う委託者の委託者IDと、支払先に支払う支払金額と、振込による支払に指定された支払先口座とを含む新たな支払データを受け付ける支払データ受付ステップと、
    前記支払データ受付ステップで受け付けた支払データを、前記委託者の承認の有無に関する情報を付して支払データ格納手段に格納する支払データ格納ステップと、
    前記支払データ受付ステップで受け付けた支払データが前記支払データ格納手段に格納されると、前記委託者データ格納手段から前記支払データに含まれる委託者IDに対応する電子メールアドレス又は住所を読み出して、前記電子メールアドレスを宛先に設定した前記支払データの承認を依頼する承認依頼メールの送信、又は前記住所を宛先として表示した承認依頼通知の出力を実行する承認依頼実行ステップと、
    前記委託者の操作する通信端末から、前記支払データに対する承認操作を受け付けて、前記支払データに委託者の承認有と記録する承認受付ステップと、
    前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記委託者の預金口座から、前記委託者の承認を条件に受託者からの依頼に基づいて振替及び振込の実行が可能な金融機関名義の支払用口座に、前記支払データに記録された支払金額を振替えるための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた口座振替データを生成し、前記支払用口座にかかる振替処理及び振込処理を実行する金融機関システムに送信する口座振替データ送信ステップと、
    前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記金融機関名義の支払用口座から、前記支払データに記録された支払先口座に、前記支払データに記録された支払金額を振込むための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた振込データを生成し、前記金融機関システムに送信する振込データ送信ステップと、
    を実行させることを特徴とする資金移動処理データ送信プログラム。
  6. 委託者が受託者に委託した管理業務において発生した費用の支払先への支払を受託者が作成したデータに基づく支払先口座への振込によって実行するために、金融機関システムに所定の資金移動処理のためのデータを送信する資金移動処理データ送信方法であって、
    前記委託者への通知先となる電子メールアドレス又は住所、前記委託者を識別する委託者IDを含む委託者データを格納する委託者データ格納手段を備えたコンピュータが、前記受託者の操作するコンピュータから、前記費用について、支払を行う委託者の委託者IDと、支払先に支払う支払金額と、振込による支払に指定された支払先口座とを含む新たな支払データを受け付ける支払データ受付ステップと、
    前記コンピュータが、前記支払データ受付ステップで受け付けた支払データを、前記委託者の承認の有無に関する情報を付して支払データ格納手段に格納する支払データ格納ステップと、
    前記コンピュータが、前記支払データ受付ステップで受け付けた支払データが前記支払データ格納手段に格納されると、前記委託者データ格納手段から前記支払データに含まれる委託者IDに対応する電子メールアドレス又は住所を読み出して、前記電子メールアドレスを宛先に設定した前記支払データの承認を依頼する承認依頼メールの送信、又は前記住所を宛先として表示した承認依頼通知の出力を実行する承認依頼実行ステップと、
    前記コンピュータが、前記委託者の操作する通信端末から、前記支払データに対する承認操作を受け付けて、前記支払データに委託者の承認有と記録する承認受付ステップと、
    前記コンピュータが、前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記委託者の預金口座から、前記委託者の承認を条件に受託者からの依頼に基づいて振替及び振込の実行が可能な金融機関名義の支払用口座に、前記支払データに記録された支払金額を振替えるための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた口座振替データを生成し、前記支払用口座にかかる振替処理及び振込処理を実行する金融機関システムに送信する口座振替データ送信ステップと、
    前記コンピュータが、前記支払データ格納手段から、一の委託者について委託者の承認有と記録された一又は二以上の支払データを読み出して、前記金融機関名義の支払用口座から、前記支払データに記録された支払先口座に、前記支払データに記録された支払金額を振込むための金融機関で受付可能な所定のフォーマットに基づいた振込データを生成し、前記金融機関システムに送信する振込データ送信ステップと、
    を有することを特徴とする資金移動処理データ送信方法。
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