JP2004233660A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる露光装置及び露光方法を得る。
【解決手段】ファイバーアレイ部30における複数の光射出部の配列方向が集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向(偏芯方向)に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替える。
【選択図】 図1
【解決手段】ファイバーアレイ部30における複数の光射出部の配列方向が集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向(偏芯方向)に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置及び露光方法に係り、特に、複数の光射出部から射出された光によって露光面を走査露光する露光装置及び当該露光装置による露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、外周面に感光材料(記録媒体)が装着されたドラムを主走査方向に回転させると共に、上記感光材料に記録すべき画像の画像データに応じたレーザビームを上記主走査方向と直交する副走査方向に走査させることで、2次元画像を上記感光材料に記録するようにした露光記録装置が広く用いられている。
【0003】
また、この種の露光記録装置には、記録速度の高速化を目的として、複数のレーザビームを各々光ファイバーで単一のファイバーアレイ部に案内すると共に、当該ファイバーアレイ部において各光ファイバーにおけるレーザビームの射出口端部(以下、「光射出部」という。)を副走査方向にアレイ状に並べて配列しておき、上記複数のレーザビームによる露光を同時に行うものがあった。この露光記録装置では、ドラムを主走査方向に回転させると共に、画像データに応じたレーザビームをファイバーアレイ部に設けられた複数の光射出部から同時に射出しつつ、当該ファイバーアレイ部を所定ピッチで副走査方向に移動させることで、高速に2次元画像を記録することができる。
【0004】
更に、この種の露光記録装置には、記録画像の高解像度化を目的として、上記ファイバーアレイ部を、上記複数の光射出部の配列方向を副走査方向に対して傾斜させた状態で用いるものがあった。
【0005】
この露光記録装置によれば、一例として図7(A)に示すように、ファイバーアレイ部を副走査方向に対して所定角度(同図の例では、角度θ0)で傾斜させることにより、当該ファイバーアレイ部を傾斜させない場合に比較して、露光面において形成されるビームスポットSPの副走査方向ピッチを狭くすることができ、解像度を高くすることができる。また、この露光記録装置によれば、一例として図7(B)に示すように、上記ファイバーアレイ部の副走査方向に対する傾斜角度を他の角度(同図の例では、角度θ1)に切り替えることにより、ビームスポットSPの副走査方向ピッチを変更することができ、これによって解像度を切り替えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のファイバーアレイ部を副走査方向に対して傾斜させた状態で用いる露光記録装置では、ファイバーアレイ部に配列されている光射出部の数が増加するにつれて、ファイバーアレイ部の光射出部配列方向幅が広くなることにより、集光レンズによる、像高の高さに応じてビーム形状が変化する収差(本明細書では、「コマ収差」という。)が大きくなる。そして、このコマ収差は、ファイバーアレイ部の両端部に位置する光射出部から射出されたレーザビームに対する作用量が均等となることが、記録画像の画質の面で理想的である。
【0007】
しかしながら、集光レンズは、製造ばらつきによって光軸位置が中心軸位置からずれる偏芯が生じる場合が多く、この場合、当該ずれの方向(偏芯方向)とファイバーアレイ部の光射出部配列方向との組み合わせ状態によっては、ファイバーアレイ部の一端部の光射出部から射出されたレーザビームに対するコマ収差の作用量が他端部の光射出部から射出されたレーザビームに対する量と極端に異なる場合があった。
【0008】
すなわち、集光レンズの光軸が中心軸からずれていない場合には、両端部に位置する光射出部から射出されたレーザビームに対する集光レンズによるコマ収差の作用量は均等となるため、各光射出部から射出されたレーザビームによる露光面上でのビームスポットの径は、一例として図8(A)に示すように、副走査方向中央部に位置するビームスポットSPの径を最大として、両端部側に離れるにつれて均等に小さくなる場合を考える。この場合の像高に対するビームスポットの径の関係例が図9の実線で示されている。
【0009】
これに対し、一例として図8(B)に示すように、集光レンズの光軸が中心軸からずれている場合には、一例として図9の破線で示されるように、副走査方向中央部に位置するビームスポットから両端部方向に同一距離離れた位置における各ビームスポットの径が大きく異なってしまう場合がある。
【0010】
この場合、以上のように1スワス(Swath:ファイバーアレイ部により一度に記録できるドットの範囲)内におけるビームスポットの径が副走査方向両端部間で大きく異なってしまう結果、記録画像に視認性の高い斑(むら)が発生する、という問題点があった。
【0011】
この問題点は、集光レンズの偏芯のみに関して生じるものではなく、光射出部から射出された発散光であるレーザビームを略平行光束とするために設けられているコリメータレンズの偏芯に関しても生じるものである。
【0012】
従来、このようなコマ収差の影響を抑制するために、コマ収差自体を極力低減するようにレンズの枚数を増やすことにより、レンズの製造公差を極力小さくする方法を採っていた。
【0013】
しかしながら、この方法では、レンズの枚数を増加させる必要があるので、高コストになると共に、装置が大型化する、という問題点があった。
【0014】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の露光装置は、各々所定の露光面に対する走査露光用の光を射出する複数の光射出部が所定ピッチで直線状に配列された光射出手段と、前記複数の光射出部から射出した光を前記露光面に集光させるための集光レンズと、予め定められた走査方向に対する前記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えることによって当該複数の光射出部から射出した光による前記露光面における解像度を切り替える切替手段と、を備えた露光装置であって、前記複数の光射出部の配列方向が前記集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように前記光射出手段及び前記集光レンズの配置状態が予め設定され、前記切替手段は、前記解像度を切り替えるときに前記光射出手段及び前記集光レンズを一体的に回転させて前記傾斜角度を切り替えることを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載の露光装置によれば、光射出手段に所定ピッチで直線状に配列された複数の光射出部から所定の露光面に対する走査露光用の光が各々射出され、当該射出された光が集光レンズによって上記露光面に集光される。なお、上記光射出部には、露光用の光を光射出手段まで案内する光ファイバーの当該光の射出口の他、当該光を発する光源自身も含まれる。
【0017】
また、本発明では、切替手段により、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度が切り替えられることによって当該複数の光射出部から射出された光による上記露光面における解像度が切り替えられる。
【0018】
ここで、本発明では、上記複数の光射出部の配列方向が集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように光射出手段及び集光レンズの配置状態が予め設定され、切替手段により、解像度を切り替えるときに光射出手段及び集光レンズが一体的に回転されて上記傾斜角度が切り替えられる。
【0019】
すなわち、本発明では、上記複数の光射出部の配列方向が集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように光射出手段及び集光レンズの配置状態を設定することにより、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光に対する集光レンズにおけるコマ収差の作用量が均等又は略均等となるようにしている。従って、この配置状態では、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる。
【0020】
そして、本発明では、このように配置状態が予め設定された光射出手段及び集光レンズを一体的に回転させて上記傾斜角度を切り替えることにより解像度を切り替えているので、解像度の切り替え前後における光射出手段及び集光レンズの配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として露光斑の発生を抑制することができる。
【0021】
なお、本発明では、前述した従来の技術のように、コマ収差自体を極力低減するようにレンズの枚数を増やす必要がないため、装置の高コスト化や大型化を招くことはない。
【0022】
このように、請求項1に記載の露光装置によれば、光射出手段における複数の光射出部の配列方向が集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように光射出手段及び集光レンズの配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときに光射出手段及び集光レンズを一体的に回転させて、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、解像度の切り替え前後における光射出手段及び集光レンズの配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる。
【0023】
また、請求項2記載の露光装置は、請求項1記載の発明において、前記光射出手段と前記集光レンズとの間に配置され、前記光射出手段から射出した光を略平行光束とするコリメータレンズを更に備え、前記複数の光射出部の配列方向が前記集光レンズ及び前記コリメータレンズの少なくとも一方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように、前記光射出手段と、前記集光レンズ及び前記コリメータレンズの少なくとも一方と、の配置状態が予め設定され、前記切替手段は、前記解像度を切り替えるときに前記光射出手段と、前記複数の光射出部の配列方向が偏芯方向に直交又は略直交する方向とされた前記集光レンズ及び前記コリメータレンズの少なくとも一方と、を一体的に回転させて前記傾斜角度を切り替えることを特徴としたものである。
【0024】
請求項2に記載の露光装置によれば、上記複数の光射出部の配列方向が、集光レンズと、光射出手段から射出した光を略平行光束とするコリメータレンズと、の少なくとも一方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように、光射出手段と、集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、の配置状態が予め設定される。そして、切替手段により、解像度を切り替えるときに光射出手段と、上記複数の光射出部の配列方向が偏芯方向に直交又は略直交する方向とされた集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、が一体的に回転されて、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度が切り替えられる。
【0025】
このように、請求項2に記載の露光装置によれば、光射出手段における複数の光射出部の配列方向が集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように、光射出手段と、集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときに光射出手段と、上記複数の光射出部の配列方向が偏芯方向に直交又は略直交する方向とされた集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、を一体的に回転させて、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、解像度の切り替え前後における光射出手段と、集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、の配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる。
【0026】
一方、上記目的を達成するために、請求項3記載の露光方法は、各々所定の露光面に対する走査露光用の光を射出する複数の光射出部が所定ピッチで直線状に配列された光射出手段と、前記複数の光射出部から射出した光を前記露光面に集光させるための集光レンズと、を備えた露光装置による露光方法であって、前記複数の光射出部の配列方向が前記集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように前記光射出手段及び前記集光レンズの配置状態を予め設定しておき、前記光射出手段及び前記集光レンズを一体的に回転させて、予め定められた走査方向に対する前記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えることにより当該複数の光射出部から射出した光による前記露光面における解像度を切り替えることを特徴としたものである。
【0027】
従って、請求項3に記載の露光方法によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、請求項1記載の発明と同様に、解像度の切り替え前後における光射出手段及び集光レンズの配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明の露光装置及び露光方法をレーザ記録装置に適用した場合について説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態に係るレーザ記録装置10の構成について説明する。
【0029】
同図に示すように、本実施の形態に係るレーザ記録装置10は、各々レーザビームを射出する複数の半導体レーザLDと、各半導体レーザLDから射出された各レーザビームを集光する露光ヘッド12と、画像が記録される記録フィルムFが装着されかつ当該記録フィルムFが主走査方向に移動するように回転駆動されるドラム14と、ボールネジ18を回転駆動させることによってボールネジ18上に配置された露光ヘッド12を上記主走査方向に直交する方向である副走査方向に移動させる副走査モータ16と、を含んで構成されている。
【0030】
一方、露光ヘッド12には、ボールネジ18上に配置された基台42が備えられており、基台42の上面には、胴体部外側に突起部39が設けられた円筒状の円筒部36が胴体部の異なる2箇所に設けられたベアリング(転がり軸受け)34によって回転自在に載置されている。
【0031】
図2には、露光ヘッド12の図1矢印B方向に見た場合の構成が示されている。なお、錯綜を回避するために、同図では、ベアリング34及び円筒部36内部の構成物の図示を省略している。
【0032】
同図に示すように、露光ヘッド12の基台42の上面には、円筒部36の側方近傍で、かつ円筒部36に設けられた突起部39と対応する位置に、解像度切替部40が設けられている。そして、解像度切替部40には、上端部に押圧部48が設けられた支柱43が支柱台45を介して立設されている。
【0033】
ここで、押圧部48及び支柱台45は、支柱43に対して円筒部36側に突出した状態とされており、各々の突出部位の中間部に円筒部36の突起部39が位置するように押圧部48及び支柱台45は位置決めされている。そして、押圧部48の上記突出部位にはソレノイド47が内蔵されており、ソレノイド47は、当該ソレノイド47に設けられたプランジャ44の先端部が突起部39の上面を押圧可能な状態で押圧部48に内蔵されている。更に、突起部39の下面と支柱台45の上記突出部位との間には、突起部39の下面に対して上方への付勢力を与えるバネ46が介在されている。
【0034】
従って、押圧部48に内蔵されたソレノイド47のプランジャ44を突出状態とすることにより、円筒部36を、当該円筒部36の中心軸を回転軸として図2矢印D方向へ回転させることができ、また、プランジャ44を非突出状態とすることにより、円筒部36を、当該円筒部36の中心軸を回転軸として図2矢印E方向へ回転(逆転)させることができる。
【0035】
一方、図1に示すように、円筒部36の内部には、上記複数の半導体レーザLDから導波された各レーザビームを取り纏めて射出するファイバーアレイ部30が配設されており、各半導体レーザLDから射出されたレーザビームは、各々光ファイバー20によってファイバーアレイ部30まで案内される。なお、本実施の形態では、レーザビームを高出力とするために、コア径の比較的大きな多モード光ファイバーを光ファイバー20として用いている。
【0036】
図3には、ファイバーアレイ部30の図1矢印C方向に見た場合の構成が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係るファイバーアレイ部30には、上面に半導体レーザLDと同数のV字溝が副走査方向に沿って隣接するように設けられた基台30Aが備えられると共に、各V字溝に対して光ファイバー20の光射出部側が1本ずつ嵌め込まれて構成されている。従って、ファイバーアレイ部30からは、各半導体レーザLDから射出された複数のレーザビームLが、副走査方向に沿った所定間隔毎に射出されることになる。
【0037】
一方、図1に示すように、円筒部36の内部には、ファイバーアレイ部30側より、コリメータレンズ32及び集光レンズ38が順に配列されている。ここで、ファイバーアレイ部30における各光ファイバー20の光射出部の配列方向中心と、コリメータレンズ32及び集光レンズ38の各々の中心軸と、が円筒部36の中心軸に一致するように、これらの部材は配設されている。従って、解像度切替部40によって円筒部36を回転させたときには、ファイバーアレイ部30が各光ファイバー20の光射出部の配列方向中心を中心として回転されると共に、このファイバーアレイ部30と一体的にコリメータレンズ32及び集光レンズ38も回転されることになる。
【0038】
また、本実施の形態に係るレーザ記録装置10では、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向(偏芯方向)に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態が予め設定されている。
【0039】
なお、本実施の形態に係るレーザ記録装置10では、当該配置状態の設定をレーザ記録装置10の実機による実測によって行っている。
【0040】
すなわち、まず、レーザ記録装置10において、集光レンズ38の設置状態を固定させた状態で、ファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が所定角度(本実施の形態では、1度)ずつ増加(又は減少)するようにファイバーアレイ部30のみを回転させ、0度から180度までの傾斜角度の範囲内における各回転位置毎に1スワス内の両端部に位置するビームスポットの径を測定する。
【0041】
次に、測定された両端部に位置するビームスポットの径の差の絶対値が最も小さいときのファイバーアレイ部30の傾斜角度を目的とする角度、すなわち、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向(偏芯方向)に直交又は略直交する方向となる角度であるものとして、当該傾斜角度にファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度を設定する。
【0042】
これにより、集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向が、例えば図4(A)に示すように副走査方向に沿った0度の方向であった場合には、図4(B)に示すように、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が90度又は略90度の方向となるようにファイバーアレイ部30の偏芯方向に対する相対的な角度が設定される。
【0043】
なお、この方法以外にも、例えば、ファイバーアレイ部30の設置状態を固定した状態で、集光レンズ38の中心軸を中心とした回転角度を所定角度(例えば、1度)ずつ増加(又は減少)させ、上記と同様に測定された両端部に位置するビームスポットの径の差が最も小さいときの集光レンズ38の回転角度を目的とする角度であるものとして、当該回転角度に集光レンズ38を設定する方法等を例示することができる。
【0044】
以上のようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態が設定されると、この配置関係を維持したまま、押圧部48に設けられたソレノイド47の作動によってファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が目的とする解像度に対応する角度とすることができるように、ファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて円筒部36内に固定する。
【0045】
なお、本実施の形態に係るレーザ記録装置10は、予め定められた低解像度(本実施の形態では、2000dpi)と高解像度(本実施の形態では、4000dpi)の2段階で解像度の切り替えができるものとして構成されている。従って、上記のようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて円筒部36内に固定する際には、ソレノイド47のプランジャ44が突出された状態でファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が低解像度に対応する角度となるように固定する。なお、ソレノイド47のプランジャ44が突出されていない状態に復帰した場合において、ファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が高解像度に対応する角度となるように、関係各部の寸法や仕様等が予め規定されている。
【0046】
次に、図5を参照して、本実施の形態に係るレーザ記録装置10の制御系の構成について説明する。同図に示すように、当該制御系は、画像データに応じて半導体レーザLDを駆動するLD駆動回路54と、ソレノイド47を駆動するソレノイド駆動回路56と、副走査モータ16を駆動する副走査モータ駆動回路58と、LD駆動回路54、ソレノイド駆動回路56及び副走査モータ駆動回路58を制御する制御回路52と、を備えている。ここで、制御回路52には、記録フィルムFに記録する画像を示す画像データ、及び画像記録の解像度を示す解像度データが供給される。
【0047】
ファイバーアレイ部30が本発明の光射出手段に、コリメータレンズ32が本発明のコリメータレンズに、集光レンズ38が本発明の集光レンズに、解像度切替部40が本発明の切替手段に、各々相当する。
【0048】
次に、以上のように構成されたレーザ記録装置10の作用について、図6に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0049】
まず、作業者は、レーザ記録装置10に対して記録する画像の解像度を示す解像度データを入力する(ステップ100)。この解像度データ、及び記録すべき画像の画像データは制御回路52に供給され、制御回路52は、これらのデータに基づいて調整された信号をLD駆動回路54、ソレノイド駆動回路56及び副走査モータ駆動回路58に供給する。なお、ここでは、前述の低解像度(本実施の形態では、2000dpi)をR(dpi)とし、高解像度(本実施の形態では、4000dpi)を2・R(dpi)として以下の説明を行う。
【0050】
作業者によって入力された解像度が2・R(dpi)である場合(ステップ102で肯定判定された場合)、ソレノイド駆動回路56はソレノイド47を駆動し、ファイバーアレイ部30の傾斜角度が高解像度に対応する角度となるように円筒部36を回転させる(ステップ104)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔Wを高解像度記録時に対応して予め定められた間隔に設定する。
【0051】
以上のようにファイバーアレイ部30の傾斜角度及び露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに応じて各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ108)。
【0052】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、ファイバーアレイ部30を介してコリメータレンズ32により略平行光束とされた後、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに集光される。
【0053】
この場合、記録フィルムF上には、一例として図7(A)に示すようにビームスポットSPが形成される。このビームスポットSPにより、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔Wのピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることによって解像度が2・R(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ110)。
【0054】
次に、解像度が2・R(dpi)からR(dpi)に変更された場合(ステップ102で否定判定された場合)について説明する。この場合、ソレノイド駆動回路56はソレノイド47を駆動し、ファイバーアレイ部30の傾斜角度が低解像度に対応する角度となるように円筒部36を回転させる(ステップ112)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔W’を低解像度記録時に対応して予め定められた間隔に設定する。
【0055】
以上のようにファイバーアレイ部30の傾斜角度及び露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに応じて各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ108)。
【0056】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、高解像度記録時と同様に、コリメータレンズ32によって略平行光束とされた後、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに集光される。
【0057】
この場合、記録フィルムF上には、一例として図7(B)に示すようにビームスポットSPが形成される。このビームスポットSPにより、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔W’のピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることによって解像度がR(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ110)。
【0058】
同様にして、解像度をR(dpi)から2・R(dpi)に変更することができる。
【0059】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るレーザ記録装置10では、ファイバーアレイ部30における複数の光射出部の配列方向が集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向(偏芯方向)に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、解像度の切り替え前後におけるファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置関係を、ファイバーアレイ部30の両端部に位置する光射出部から射出されたレーザビームによるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係るレーザ記録装置10では、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30と、集光レンズ38と、コリメータレンズ32と、を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、コリメータレンズ32及び集光レンズ38により構成される光学系全体に対する解像度の切り替え前後のレーザビームの透過位置を同一とすることができ、この結果として、解像度にかかわらず安定した露光を行うことができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、ファイバーアレイ部30における複数の光射出部の配列方向が集光レンズ38の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替える場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記複数の光射出部の配列方向が集光レンズ38及びコリメータレンズ32の双方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30と、集光レンズ38及びコリメータレンズ32と、の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30と、集光レンズ38及びコリメータレンズ32と、を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替える形態とすることもできる。
【0062】
この場合、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が集光レンズ38及びコリメータレンズ32の双方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30と、集光レンズ38及びコリメータレンズ32と、の配置状態を予め設定する。
【0063】
なお、当該配置状態の設定もレーザ記録装置10の実機による実測によって行う形態を例示できる。
【0064】
すなわち、まず、レーザ記録装置10において、集光レンズ38及びコリメータレンズ32の各々の偏芯方向が互いに逆向きとなるように集光レンズ38及びコリメータレンズ32を設置する。なお、集光レンズ38及びコリメータレンズ32の各レンズの偏芯方向は、各レンズの実物による実測によって予め導出することができる。
【0065】
次に、レーザ記録装置10において、集光レンズ38及びコリメータレンズ32の設置状態を固定させた状態で、ファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が所定角度(一例として、1度)ずつ増加(又は減少)するようにファイバーアレイ部30のみを回転させ、0度から180度までの傾斜角度の範囲内における各回転位置毎に1スワス内の両端部に位置するビームスポットの径を測定する。
【0066】
最後に、測定された両端部に位置するビームスポットの径の差の絶対値が最も小さいときのファイバーアレイ部30の傾斜角度を目的とする角度、すなわち、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が集光レンズ38及びコリメータレンズ32の各々の偏芯方向に直交又は略直交する方向となる角度であるものとして、当該傾斜角度にファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度を設定する。
【0067】
なお、この方法以外にも、例えば、ファイバーアレイ部30の設置状態を固定した状態で、互いの偏芯方向が逆向きとなるように配置された集光レンズ38及びコリメータレンズ32の中心軸を中心とした回転角度を所定角度(例えば、1度)ずつ増加(又は減少)させ、上記と同様に測定された両端部に位置するビームスポットの径の差が最も小さいときの集光レンズ38及びコリメータレンズ32の回転角度を目的とする角度であるものとして、当該回転角度に集光レンズ38及びコリメータレンズ32を設定する方法を例示することができる。
【0068】
また、互いの偏芯方向が逆向きとなるように配置された集光レンズ38及びコリメータレンズ32に対して、当該偏芯方向に光射出部の配列方向が直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30を設置する方法も例示することができる。
【0069】
この形態では、集光レンズ38の偏芯状態に加えてコリメータレンズ32の偏芯状態も加味されるので、本実施の形態に比較して、より露光斑の発生を抑制することができる。
【0070】
また、ファイバーアレイ部30における複数の光射出部の配列方向がコリメータレンズ32のみの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及びコリメータレンズ32の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30及びコリメータレンズ32を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替える形態とすることもできる。
【0071】
この場合、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向がコリメータレンズ32の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30と、コリメータレンズ32と、の配置状態を予め設定する。
【0072】
なお、当該配置状態の設定は、本実施の形態で示した集光レンズ38を対象とした形態に対し、集光レンズ38をコリメータレンズ32に置き換えた形態により行う方法が例示できる。
【0073】
この場合は、本実施の形態のように、解像度を切り替える際に、必ずしもファイバーアレイ部30、コリメータレンズ32及び集光レンズ38の全てを一体的に回転する必要はなく、ファイバーアレイ部30及びコリメータレンズ32のみが一体的に回転されればよい。
【0074】
この場合は、解像度の切り替え前後におけるファイバーアレイ部30及びコリメータレンズ32の配置関係を、ファイバーアレイ部30の両端部に位置する光射出部から射出されたレーザビームによるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなくコリメータレンズ32の偏芯に起因する露光斑の発生を抑制することができる。
【0075】
また、本実施の形態では、ソレノイド47の駆動によってファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度を変更する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、円筒部36を、当該円筒部36の中心軸を中心として直接又は間接的に回転させるモータを設けておき、当該モータによる円筒部36の回転によってファイバーアレイ部30の傾斜角度を変更する形態とすることもできる。この場合は、ファイバーアレイ部30の傾斜角度をきめ細かく設定することができるので、3種類以上の各種解像度による露光を実現することができる。
【0076】
更に、図6に示したフローチャートにより示される処理の流れは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができることは言うまでもない。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の露光装置及び露光方法によれば、光射出手段における複数の光射出部の配列方向が集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように光射出手段及び集光レンズの配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときに光射出手段及び集光レンズを一体的に回転させて、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、解像度の切り替え前後における光射出手段及び集光レンズの配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るレーザ記録装置10の概略構成図(断面平面図)である。
【図2】実施の形態に係る露光ヘッド12の概略構成図(正面図)である。
【図3】実施の形態に係るファイバーアレイ部30の概略構成図(正面図)である。
【図4】ファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態の設定例を示す概略図である。
【図5】実施の形態に係るレーザ記録装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】解像度に応じて画像記録を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】ファイバーアレイ部の副走査方向に対する傾斜角度の変更に応じた解像度の切り替え状態の説明に供する模式図である。
【図8】従来技術の問題点の説明に供する図であり、(A)はデフォーカス時における露光面上のビームスポットSP(同図の黒ドットで示される部分。)の状態例を示す模式図であり、(B)は集光レンズの中心軸と光軸との位置ずれの状態例を示す概略図である。
【図9】従来技術の問題点の説明に供する像高とスポット径との関係例を示すグラフであり、実線は集光レンズの中心軸と光軸との位置にずれが生じていない場合のグラフであり、破線は集光レンズの中心軸と光軸との位置にずれが生じている場合のグラフである。
【符号の説明】
10 レーザ記録装置
30 ファイバーアレイ部(光射出手段)
32 コリメータレンズ
36 円筒部
38 集光レンズ
40 解像度切替部(切替手段)
L レーザビーム
LD 半導体レーザ
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置及び露光方法に係り、特に、複数の光射出部から射出された光によって露光面を走査露光する露光装置及び当該露光装置による露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、外周面に感光材料(記録媒体)が装着されたドラムを主走査方向に回転させると共に、上記感光材料に記録すべき画像の画像データに応じたレーザビームを上記主走査方向と直交する副走査方向に走査させることで、2次元画像を上記感光材料に記録するようにした露光記録装置が広く用いられている。
【0003】
また、この種の露光記録装置には、記録速度の高速化を目的として、複数のレーザビームを各々光ファイバーで単一のファイバーアレイ部に案内すると共に、当該ファイバーアレイ部において各光ファイバーにおけるレーザビームの射出口端部(以下、「光射出部」という。)を副走査方向にアレイ状に並べて配列しておき、上記複数のレーザビームによる露光を同時に行うものがあった。この露光記録装置では、ドラムを主走査方向に回転させると共に、画像データに応じたレーザビームをファイバーアレイ部に設けられた複数の光射出部から同時に射出しつつ、当該ファイバーアレイ部を所定ピッチで副走査方向に移動させることで、高速に2次元画像を記録することができる。
【0004】
更に、この種の露光記録装置には、記録画像の高解像度化を目的として、上記ファイバーアレイ部を、上記複数の光射出部の配列方向を副走査方向に対して傾斜させた状態で用いるものがあった。
【0005】
この露光記録装置によれば、一例として図7(A)に示すように、ファイバーアレイ部を副走査方向に対して所定角度(同図の例では、角度θ0)で傾斜させることにより、当該ファイバーアレイ部を傾斜させない場合に比較して、露光面において形成されるビームスポットSPの副走査方向ピッチを狭くすることができ、解像度を高くすることができる。また、この露光記録装置によれば、一例として図7(B)に示すように、上記ファイバーアレイ部の副走査方向に対する傾斜角度を他の角度(同図の例では、角度θ1)に切り替えることにより、ビームスポットSPの副走査方向ピッチを変更することができ、これによって解像度を切り替えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のファイバーアレイ部を副走査方向に対して傾斜させた状態で用いる露光記録装置では、ファイバーアレイ部に配列されている光射出部の数が増加するにつれて、ファイバーアレイ部の光射出部配列方向幅が広くなることにより、集光レンズによる、像高の高さに応じてビーム形状が変化する収差(本明細書では、「コマ収差」という。)が大きくなる。そして、このコマ収差は、ファイバーアレイ部の両端部に位置する光射出部から射出されたレーザビームに対する作用量が均等となることが、記録画像の画質の面で理想的である。
【0007】
しかしながら、集光レンズは、製造ばらつきによって光軸位置が中心軸位置からずれる偏芯が生じる場合が多く、この場合、当該ずれの方向(偏芯方向)とファイバーアレイ部の光射出部配列方向との組み合わせ状態によっては、ファイバーアレイ部の一端部の光射出部から射出されたレーザビームに対するコマ収差の作用量が他端部の光射出部から射出されたレーザビームに対する量と極端に異なる場合があった。
【0008】
すなわち、集光レンズの光軸が中心軸からずれていない場合には、両端部に位置する光射出部から射出されたレーザビームに対する集光レンズによるコマ収差の作用量は均等となるため、各光射出部から射出されたレーザビームによる露光面上でのビームスポットの径は、一例として図8(A)に示すように、副走査方向中央部に位置するビームスポットSPの径を最大として、両端部側に離れるにつれて均等に小さくなる場合を考える。この場合の像高に対するビームスポットの径の関係例が図9の実線で示されている。
【0009】
これに対し、一例として図8(B)に示すように、集光レンズの光軸が中心軸からずれている場合には、一例として図9の破線で示されるように、副走査方向中央部に位置するビームスポットから両端部方向に同一距離離れた位置における各ビームスポットの径が大きく異なってしまう場合がある。
【0010】
この場合、以上のように1スワス(Swath:ファイバーアレイ部により一度に記録できるドットの範囲)内におけるビームスポットの径が副走査方向両端部間で大きく異なってしまう結果、記録画像に視認性の高い斑(むら)が発生する、という問題点があった。
【0011】
この問題点は、集光レンズの偏芯のみに関して生じるものではなく、光射出部から射出された発散光であるレーザビームを略平行光束とするために設けられているコリメータレンズの偏芯に関しても生じるものである。
【0012】
従来、このようなコマ収差の影響を抑制するために、コマ収差自体を極力低減するようにレンズの枚数を増やすことにより、レンズの製造公差を極力小さくする方法を採っていた。
【0013】
しかしながら、この方法では、レンズの枚数を増加させる必要があるので、高コストになると共に、装置が大型化する、という問題点があった。
【0014】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の露光装置は、各々所定の露光面に対する走査露光用の光を射出する複数の光射出部が所定ピッチで直線状に配列された光射出手段と、前記複数の光射出部から射出した光を前記露光面に集光させるための集光レンズと、予め定められた走査方向に対する前記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えることによって当該複数の光射出部から射出した光による前記露光面における解像度を切り替える切替手段と、を備えた露光装置であって、前記複数の光射出部の配列方向が前記集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように前記光射出手段及び前記集光レンズの配置状態が予め設定され、前記切替手段は、前記解像度を切り替えるときに前記光射出手段及び前記集光レンズを一体的に回転させて前記傾斜角度を切り替えることを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載の露光装置によれば、光射出手段に所定ピッチで直線状に配列された複数の光射出部から所定の露光面に対する走査露光用の光が各々射出され、当該射出された光が集光レンズによって上記露光面に集光される。なお、上記光射出部には、露光用の光を光射出手段まで案内する光ファイバーの当該光の射出口の他、当該光を発する光源自身も含まれる。
【0017】
また、本発明では、切替手段により、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度が切り替えられることによって当該複数の光射出部から射出された光による上記露光面における解像度が切り替えられる。
【0018】
ここで、本発明では、上記複数の光射出部の配列方向が集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように光射出手段及び集光レンズの配置状態が予め設定され、切替手段により、解像度を切り替えるときに光射出手段及び集光レンズが一体的に回転されて上記傾斜角度が切り替えられる。
【0019】
すなわち、本発明では、上記複数の光射出部の配列方向が集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように光射出手段及び集光レンズの配置状態を設定することにより、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光に対する集光レンズにおけるコマ収差の作用量が均等又は略均等となるようにしている。従って、この配置状態では、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる。
【0020】
そして、本発明では、このように配置状態が予め設定された光射出手段及び集光レンズを一体的に回転させて上記傾斜角度を切り替えることにより解像度を切り替えているので、解像度の切り替え前後における光射出手段及び集光レンズの配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として露光斑の発生を抑制することができる。
【0021】
なお、本発明では、前述した従来の技術のように、コマ収差自体を極力低減するようにレンズの枚数を増やす必要がないため、装置の高コスト化や大型化を招くことはない。
【0022】
このように、請求項1に記載の露光装置によれば、光射出手段における複数の光射出部の配列方向が集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように光射出手段及び集光レンズの配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときに光射出手段及び集光レンズを一体的に回転させて、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、解像度の切り替え前後における光射出手段及び集光レンズの配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる。
【0023】
また、請求項2記載の露光装置は、請求項1記載の発明において、前記光射出手段と前記集光レンズとの間に配置され、前記光射出手段から射出した光を略平行光束とするコリメータレンズを更に備え、前記複数の光射出部の配列方向が前記集光レンズ及び前記コリメータレンズの少なくとも一方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように、前記光射出手段と、前記集光レンズ及び前記コリメータレンズの少なくとも一方と、の配置状態が予め設定され、前記切替手段は、前記解像度を切り替えるときに前記光射出手段と、前記複数の光射出部の配列方向が偏芯方向に直交又は略直交する方向とされた前記集光レンズ及び前記コリメータレンズの少なくとも一方と、を一体的に回転させて前記傾斜角度を切り替えることを特徴としたものである。
【0024】
請求項2に記載の露光装置によれば、上記複数の光射出部の配列方向が、集光レンズと、光射出手段から射出した光を略平行光束とするコリメータレンズと、の少なくとも一方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように、光射出手段と、集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、の配置状態が予め設定される。そして、切替手段により、解像度を切り替えるときに光射出手段と、上記複数の光射出部の配列方向が偏芯方向に直交又は略直交する方向とされた集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、が一体的に回転されて、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度が切り替えられる。
【0025】
このように、請求項2に記載の露光装置によれば、光射出手段における複数の光射出部の配列方向が集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように、光射出手段と、集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときに光射出手段と、上記複数の光射出部の配列方向が偏芯方向に直交又は略直交する方向とされた集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、を一体的に回転させて、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、解像度の切り替え前後における光射出手段と、集光レンズ及びコリメータレンズの少なくとも一方と、の配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる。
【0026】
一方、上記目的を達成するために、請求項3記載の露光方法は、各々所定の露光面に対する走査露光用の光を射出する複数の光射出部が所定ピッチで直線状に配列された光射出手段と、前記複数の光射出部から射出した光を前記露光面に集光させるための集光レンズと、を備えた露光装置による露光方法であって、前記複数の光射出部の配列方向が前記集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように前記光射出手段及び前記集光レンズの配置状態を予め設定しておき、前記光射出手段及び前記集光レンズを一体的に回転させて、予め定められた走査方向に対する前記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えることにより当該複数の光射出部から射出した光による前記露光面における解像度を切り替えることを特徴としたものである。
【0027】
従って、請求項3に記載の露光方法によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、請求項1記載の発明と同様に、解像度の切り替え前後における光射出手段及び集光レンズの配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明の露光装置及び露光方法をレーザ記録装置に適用した場合について説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態に係るレーザ記録装置10の構成について説明する。
【0029】
同図に示すように、本実施の形態に係るレーザ記録装置10は、各々レーザビームを射出する複数の半導体レーザLDと、各半導体レーザLDから射出された各レーザビームを集光する露光ヘッド12と、画像が記録される記録フィルムFが装着されかつ当該記録フィルムFが主走査方向に移動するように回転駆動されるドラム14と、ボールネジ18を回転駆動させることによってボールネジ18上に配置された露光ヘッド12を上記主走査方向に直交する方向である副走査方向に移動させる副走査モータ16と、を含んで構成されている。
【0030】
一方、露光ヘッド12には、ボールネジ18上に配置された基台42が備えられており、基台42の上面には、胴体部外側に突起部39が設けられた円筒状の円筒部36が胴体部の異なる2箇所に設けられたベアリング(転がり軸受け)34によって回転自在に載置されている。
【0031】
図2には、露光ヘッド12の図1矢印B方向に見た場合の構成が示されている。なお、錯綜を回避するために、同図では、ベアリング34及び円筒部36内部の構成物の図示を省略している。
【0032】
同図に示すように、露光ヘッド12の基台42の上面には、円筒部36の側方近傍で、かつ円筒部36に設けられた突起部39と対応する位置に、解像度切替部40が設けられている。そして、解像度切替部40には、上端部に押圧部48が設けられた支柱43が支柱台45を介して立設されている。
【0033】
ここで、押圧部48及び支柱台45は、支柱43に対して円筒部36側に突出した状態とされており、各々の突出部位の中間部に円筒部36の突起部39が位置するように押圧部48及び支柱台45は位置決めされている。そして、押圧部48の上記突出部位にはソレノイド47が内蔵されており、ソレノイド47は、当該ソレノイド47に設けられたプランジャ44の先端部が突起部39の上面を押圧可能な状態で押圧部48に内蔵されている。更に、突起部39の下面と支柱台45の上記突出部位との間には、突起部39の下面に対して上方への付勢力を与えるバネ46が介在されている。
【0034】
従って、押圧部48に内蔵されたソレノイド47のプランジャ44を突出状態とすることにより、円筒部36を、当該円筒部36の中心軸を回転軸として図2矢印D方向へ回転させることができ、また、プランジャ44を非突出状態とすることにより、円筒部36を、当該円筒部36の中心軸を回転軸として図2矢印E方向へ回転(逆転)させることができる。
【0035】
一方、図1に示すように、円筒部36の内部には、上記複数の半導体レーザLDから導波された各レーザビームを取り纏めて射出するファイバーアレイ部30が配設されており、各半導体レーザLDから射出されたレーザビームは、各々光ファイバー20によってファイバーアレイ部30まで案内される。なお、本実施の形態では、レーザビームを高出力とするために、コア径の比較的大きな多モード光ファイバーを光ファイバー20として用いている。
【0036】
図3には、ファイバーアレイ部30の図1矢印C方向に見た場合の構成が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係るファイバーアレイ部30には、上面に半導体レーザLDと同数のV字溝が副走査方向に沿って隣接するように設けられた基台30Aが備えられると共に、各V字溝に対して光ファイバー20の光射出部側が1本ずつ嵌め込まれて構成されている。従って、ファイバーアレイ部30からは、各半導体レーザLDから射出された複数のレーザビームLが、副走査方向に沿った所定間隔毎に射出されることになる。
【0037】
一方、図1に示すように、円筒部36の内部には、ファイバーアレイ部30側より、コリメータレンズ32及び集光レンズ38が順に配列されている。ここで、ファイバーアレイ部30における各光ファイバー20の光射出部の配列方向中心と、コリメータレンズ32及び集光レンズ38の各々の中心軸と、が円筒部36の中心軸に一致するように、これらの部材は配設されている。従って、解像度切替部40によって円筒部36を回転させたときには、ファイバーアレイ部30が各光ファイバー20の光射出部の配列方向中心を中心として回転されると共に、このファイバーアレイ部30と一体的にコリメータレンズ32及び集光レンズ38も回転されることになる。
【0038】
また、本実施の形態に係るレーザ記録装置10では、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向(偏芯方向)に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態が予め設定されている。
【0039】
なお、本実施の形態に係るレーザ記録装置10では、当該配置状態の設定をレーザ記録装置10の実機による実測によって行っている。
【0040】
すなわち、まず、レーザ記録装置10において、集光レンズ38の設置状態を固定させた状態で、ファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が所定角度(本実施の形態では、1度)ずつ増加(又は減少)するようにファイバーアレイ部30のみを回転させ、0度から180度までの傾斜角度の範囲内における各回転位置毎に1スワス内の両端部に位置するビームスポットの径を測定する。
【0041】
次に、測定された両端部に位置するビームスポットの径の差の絶対値が最も小さいときのファイバーアレイ部30の傾斜角度を目的とする角度、すなわち、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向(偏芯方向)に直交又は略直交する方向となる角度であるものとして、当該傾斜角度にファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度を設定する。
【0042】
これにより、集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向が、例えば図4(A)に示すように副走査方向に沿った0度の方向であった場合には、図4(B)に示すように、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が90度又は略90度の方向となるようにファイバーアレイ部30の偏芯方向に対する相対的な角度が設定される。
【0043】
なお、この方法以外にも、例えば、ファイバーアレイ部30の設置状態を固定した状態で、集光レンズ38の中心軸を中心とした回転角度を所定角度(例えば、1度)ずつ増加(又は減少)させ、上記と同様に測定された両端部に位置するビームスポットの径の差が最も小さいときの集光レンズ38の回転角度を目的とする角度であるものとして、当該回転角度に集光レンズ38を設定する方法等を例示することができる。
【0044】
以上のようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態が設定されると、この配置関係を維持したまま、押圧部48に設けられたソレノイド47の作動によってファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が目的とする解像度に対応する角度とすることができるように、ファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて円筒部36内に固定する。
【0045】
なお、本実施の形態に係るレーザ記録装置10は、予め定められた低解像度(本実施の形態では、2000dpi)と高解像度(本実施の形態では、4000dpi)の2段階で解像度の切り替えができるものとして構成されている。従って、上記のようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて円筒部36内に固定する際には、ソレノイド47のプランジャ44が突出された状態でファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が低解像度に対応する角度となるように固定する。なお、ソレノイド47のプランジャ44が突出されていない状態に復帰した場合において、ファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が高解像度に対応する角度となるように、関係各部の寸法や仕様等が予め規定されている。
【0046】
次に、図5を参照して、本実施の形態に係るレーザ記録装置10の制御系の構成について説明する。同図に示すように、当該制御系は、画像データに応じて半導体レーザLDを駆動するLD駆動回路54と、ソレノイド47を駆動するソレノイド駆動回路56と、副走査モータ16を駆動する副走査モータ駆動回路58と、LD駆動回路54、ソレノイド駆動回路56及び副走査モータ駆動回路58を制御する制御回路52と、を備えている。ここで、制御回路52には、記録フィルムFに記録する画像を示す画像データ、及び画像記録の解像度を示す解像度データが供給される。
【0047】
ファイバーアレイ部30が本発明の光射出手段に、コリメータレンズ32が本発明のコリメータレンズに、集光レンズ38が本発明の集光レンズに、解像度切替部40が本発明の切替手段に、各々相当する。
【0048】
次に、以上のように構成されたレーザ記録装置10の作用について、図6に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0049】
まず、作業者は、レーザ記録装置10に対して記録する画像の解像度を示す解像度データを入力する(ステップ100)。この解像度データ、及び記録すべき画像の画像データは制御回路52に供給され、制御回路52は、これらのデータに基づいて調整された信号をLD駆動回路54、ソレノイド駆動回路56及び副走査モータ駆動回路58に供給する。なお、ここでは、前述の低解像度(本実施の形態では、2000dpi)をR(dpi)とし、高解像度(本実施の形態では、4000dpi)を2・R(dpi)として以下の説明を行う。
【0050】
作業者によって入力された解像度が2・R(dpi)である場合(ステップ102で肯定判定された場合)、ソレノイド駆動回路56はソレノイド47を駆動し、ファイバーアレイ部30の傾斜角度が高解像度に対応する角度となるように円筒部36を回転させる(ステップ104)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔Wを高解像度記録時に対応して予め定められた間隔に設定する。
【0051】
以上のようにファイバーアレイ部30の傾斜角度及び露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに応じて各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ108)。
【0052】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、ファイバーアレイ部30を介してコリメータレンズ32により略平行光束とされた後、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに集光される。
【0053】
この場合、記録フィルムF上には、一例として図7(A)に示すようにビームスポットSPが形成される。このビームスポットSPにより、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔Wのピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることによって解像度が2・R(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ110)。
【0054】
次に、解像度が2・R(dpi)からR(dpi)に変更された場合(ステップ102で否定判定された場合)について説明する。この場合、ソレノイド駆動回路56はソレノイド47を駆動し、ファイバーアレイ部30の傾斜角度が低解像度に対応する角度となるように円筒部36を回転させる(ステップ112)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔W’を低解像度記録時に対応して予め定められた間隔に設定する。
【0055】
以上のようにファイバーアレイ部30の傾斜角度及び露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに応じて各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ108)。
【0056】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、高解像度記録時と同様に、コリメータレンズ32によって略平行光束とされた後、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに集光される。
【0057】
この場合、記録フィルムF上には、一例として図7(B)に示すようにビームスポットSPが形成される。このビームスポットSPにより、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔W’のピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることによって解像度がR(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ110)。
【0058】
同様にして、解像度をR(dpi)から2・R(dpi)に変更することができる。
【0059】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るレーザ記録装置10では、ファイバーアレイ部30における複数の光射出部の配列方向が集光レンズ38の中心軸に対する光軸のずれ方向(偏芯方向)に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、解像度の切り替え前後におけるファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置関係を、ファイバーアレイ部30の両端部に位置する光射出部から射出されたレーザビームによるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係るレーザ記録装置10では、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30と、集光レンズ38と、コリメータレンズ32と、を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、コリメータレンズ32及び集光レンズ38により構成される光学系全体に対する解像度の切り替え前後のレーザビームの透過位置を同一とすることができ、この結果として、解像度にかかわらず安定した露光を行うことができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、ファイバーアレイ部30における複数の光射出部の配列方向が集光レンズ38の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30及び集光レンズ38を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替える場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記複数の光射出部の配列方向が集光レンズ38及びコリメータレンズ32の双方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30と、集光レンズ38及びコリメータレンズ32と、の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30と、集光レンズ38及びコリメータレンズ32と、を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替える形態とすることもできる。
【0062】
この場合、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が集光レンズ38及びコリメータレンズ32の双方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30と、集光レンズ38及びコリメータレンズ32と、の配置状態を予め設定する。
【0063】
なお、当該配置状態の設定もレーザ記録装置10の実機による実測によって行う形態を例示できる。
【0064】
すなわち、まず、レーザ記録装置10において、集光レンズ38及びコリメータレンズ32の各々の偏芯方向が互いに逆向きとなるように集光レンズ38及びコリメータレンズ32を設置する。なお、集光レンズ38及びコリメータレンズ32の各レンズの偏芯方向は、各レンズの実物による実測によって予め導出することができる。
【0065】
次に、レーザ記録装置10において、集光レンズ38及びコリメータレンズ32の設置状態を固定させた状態で、ファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度が所定角度(一例として、1度)ずつ増加(又は減少)するようにファイバーアレイ部30のみを回転させ、0度から180度までの傾斜角度の範囲内における各回転位置毎に1スワス内の両端部に位置するビームスポットの径を測定する。
【0066】
最後に、測定された両端部に位置するビームスポットの径の差の絶対値が最も小さいときのファイバーアレイ部30の傾斜角度を目的とする角度、すなわち、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向が集光レンズ38及びコリメータレンズ32の各々の偏芯方向に直交又は略直交する方向となる角度であるものとして、当該傾斜角度にファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度を設定する。
【0067】
なお、この方法以外にも、例えば、ファイバーアレイ部30の設置状態を固定した状態で、互いの偏芯方向が逆向きとなるように配置された集光レンズ38及びコリメータレンズ32の中心軸を中心とした回転角度を所定角度(例えば、1度)ずつ増加(又は減少)させ、上記と同様に測定された両端部に位置するビームスポットの径の差が最も小さいときの集光レンズ38及びコリメータレンズ32の回転角度を目的とする角度であるものとして、当該回転角度に集光レンズ38及びコリメータレンズ32を設定する方法を例示することができる。
【0068】
また、互いの偏芯方向が逆向きとなるように配置された集光レンズ38及びコリメータレンズ32に対して、当該偏芯方向に光射出部の配列方向が直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30を設置する方法も例示することができる。
【0069】
この形態では、集光レンズ38の偏芯状態に加えてコリメータレンズ32の偏芯状態も加味されるので、本実施の形態に比較して、より露光斑の発生を抑制することができる。
【0070】
また、ファイバーアレイ部30における複数の光射出部の配列方向がコリメータレンズ32のみの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30及びコリメータレンズ32の配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときにファイバーアレイ部30及びコリメータレンズ32を一体的に回転させて、副走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替える形態とすることもできる。
【0071】
この場合、ファイバーアレイ部30における光ファイバー20の光射出部の配列方向がコリメータレンズ32の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるようにファイバーアレイ部30と、コリメータレンズ32と、の配置状態を予め設定する。
【0072】
なお、当該配置状態の設定は、本実施の形態で示した集光レンズ38を対象とした形態に対し、集光レンズ38をコリメータレンズ32に置き換えた形態により行う方法が例示できる。
【0073】
この場合は、本実施の形態のように、解像度を切り替える際に、必ずしもファイバーアレイ部30、コリメータレンズ32及び集光レンズ38の全てを一体的に回転する必要はなく、ファイバーアレイ部30及びコリメータレンズ32のみが一体的に回転されればよい。
【0074】
この場合は、解像度の切り替え前後におけるファイバーアレイ部30及びコリメータレンズ32の配置関係を、ファイバーアレイ部30の両端部に位置する光射出部から射出されたレーザビームによるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなくコリメータレンズ32の偏芯に起因する露光斑の発生を抑制することができる。
【0075】
また、本実施の形態では、ソレノイド47の駆動によってファイバーアレイ部30の副走査方向に対する傾斜角度を変更する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、円筒部36を、当該円筒部36の中心軸を中心として直接又は間接的に回転させるモータを設けておき、当該モータによる円筒部36の回転によってファイバーアレイ部30の傾斜角度を変更する形態とすることもできる。この場合は、ファイバーアレイ部30の傾斜角度をきめ細かく設定することができるので、3種類以上の各種解像度による露光を実現することができる。
【0076】
更に、図6に示したフローチャートにより示される処理の流れは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができることは言うまでもない。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の露光装置及び露光方法によれば、光射出手段における複数の光射出部の配列方向が集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように光射出手段及び集光レンズの配置状態を予め設定しておき、解像度を切り替えるときに光射出手段及び集光レンズを一体的に回転させて、予め定められた走査方向に対する上記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えているので、解像度の切り替え前後における光射出手段及び集光レンズの配置関係を、光射出手段の両端部に位置する光射出部から射出された光によるビームスポットの径を均等又は略均等とすることができる状態で維持することができ、この結果として高コスト化及び大型化を招くことなく露光斑の発生を抑制することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るレーザ記録装置10の概略構成図(断面平面図)である。
【図2】実施の形態に係る露光ヘッド12の概略構成図(正面図)である。
【図3】実施の形態に係るファイバーアレイ部30の概略構成図(正面図)である。
【図4】ファイバーアレイ部30及び集光レンズ38の配置状態の設定例を示す概略図である。
【図5】実施の形態に係るレーザ記録装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】解像度に応じて画像記録を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】ファイバーアレイ部の副走査方向に対する傾斜角度の変更に応じた解像度の切り替え状態の説明に供する模式図である。
【図8】従来技術の問題点の説明に供する図であり、(A)はデフォーカス時における露光面上のビームスポットSP(同図の黒ドットで示される部分。)の状態例を示す模式図であり、(B)は集光レンズの中心軸と光軸との位置ずれの状態例を示す概略図である。
【図9】従来技術の問題点の説明に供する像高とスポット径との関係例を示すグラフであり、実線は集光レンズの中心軸と光軸との位置にずれが生じていない場合のグラフであり、破線は集光レンズの中心軸と光軸との位置にずれが生じている場合のグラフである。
【符号の説明】
10 レーザ記録装置
30 ファイバーアレイ部(光射出手段)
32 コリメータレンズ
36 円筒部
38 集光レンズ
40 解像度切替部(切替手段)
L レーザビーム
LD 半導体レーザ
Claims (3)
- 各々所定の露光面に対する走査露光用の光を射出する複数の光射出部が所定ピッチで直線状に配列された光射出手段と、
前記複数の光射出部から射出した光を前記露光面に集光させるための集光レンズと、
予め定められた走査方向に対する前記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えることによって当該複数の光射出部から射出した光による前記露光面における解像度を切り替える切替手段と、
を備えた露光装置であって、
前記複数の光射出部の配列方向が前記集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように前記光射出手段及び前記集光レンズの配置状態が予め設定され、
前記切替手段は、前記解像度を切り替えるときに前記光射出手段及び前記集光レンズを一体的に回転させて前記傾斜角度を切り替える
ことを特徴とする露光装置。 - 前記光射出手段と前記集光レンズとの間に配置され、前記光射出手段から射出した光を略平行光束とするコリメータレンズを更に備え、
前記複数の光射出部の配列方向が前記集光レンズ及び前記コリメータレンズの少なくとも一方の偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように、前記光射出手段と、前記集光レンズ及び前記コリメータレンズの少なくとも一方と、の配置状態が予め設定され、
前記切替手段は、前記解像度を切り替えるときに前記光射出手段と、前記複数の光射出部の配列方向が偏芯方向に直交又は略直交する方向とされた前記集光レンズ及び前記コリメータレンズの少なくとも一方と、を一体的に回転させて前記傾斜角度を切り替える
ことを特徴とする請求項1記載の露光装置。 - 各々所定の露光面に対する走査露光用の光を射出する複数の光射出部が所定ピッチで直線状に配列された光射出手段と、前記複数の光射出部から射出した光を前記露光面に集光させるための集光レンズと、を備えた露光装置による露光方法であって、
前記複数の光射出部の配列方向が前記集光レンズの偏芯方向に直交又は略直交する方向となるように前記光射出手段及び前記集光レンズの配置状態を予め設定しておき、
前記光射出手段及び前記集光レンズを一体的に回転させて、予め定められた走査方向に対する前記複数の光射出部の配列方向の傾斜角度を切り替えることにより当該複数の光射出部から射出した光による前記露光面における解像度を切り替える
ことを特徴とする露光方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003022277A JP2004233660A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 露光装置及び露光方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003022277A JP2004233660A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 露光装置及び露光方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004233660A true JP2004233660A (ja) | 2004-08-19 |
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ID=32951388
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JP2003022277A Pending JP2004233660A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 露光装置及び露光方法 |
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JP (1) | JP2004233660A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8421834B2 (en) | 2009-03-31 | 2013-04-16 | Fujifilm Corporation | Exposure device and engraving apparatus |
-
2003
- 2003-01-30 JP JP2003022277A patent/JP2004233660A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8421834B2 (en) | 2009-03-31 | 2013-04-16 | Fujifilm Corporation | Exposure device and engraving apparatus |
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