JP2004233605A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】環境変動があった場合でも排出現像剤を搬送するための回転体の回転動作を適正に制御してダウンタイムがより少なく、且つ、高画質を維持することができる画像形成装置を提供すること。
【構成】現像装置1は現像容器2に設けられた所定高さの排出口11により、内部に収容された2成分現像剤を排出口11を乗り越えた分だけ現像容器2外へ排出し、回転体の回転動作によって排出現像剤を排出現像剤収容部へと搬送する構成とされるとともに、環境センサーの検出値によって、前記現像容器2内に収容可能な2成分現像剤の重量を予測し、該予測値に基づいて前記回転体の回転動作を制御するようにする。
【選択図】 図1
【構成】現像装置1は現像容器2に設けられた所定高さの排出口11により、内部に収容された2成分現像剤を排出口11を乗り越えた分だけ現像容器2外へ排出し、回転体の回転動作によって排出現像剤を排出現像剤収容部へと搬送する構成とされるとともに、環境センサーの検出値によって、前記現像容器2内に収容可能な2成分現像剤の重量を予測し、該予測値に基づいて前記回転体の回転動作を制御するようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを利用した複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真方式の画像形成装置、その中でも特に有彩色の画像形成を行う画像形成装置においては、非磁性トナーと磁性キャリアを混合して現像剤として使用する2成分現像方式が広く利用されている。この2成分現像方式は、現在提案されている他の現像方式に比較して画質の安定性、装置の耐久性等の長所を備えている一方、長期の耐久による現像剤の劣化、特にキャリアの劣化が不可避であったため、画像形成装置の長期使用に伴い現像剤交換という作業を行う必要がある。
【0003】
上記問題に対する解決策が従来から幾つか提案されている。例えば、特公平2−21591号によると、「キャリアとトナーを撹拌する撹拌手段と、同撹拌手段で撹拌された現像剤を感光体へ供給する現像ロールとを備えた電子写真複写機用現像装置において、前記撹拌手段の上方にキャリア補給装置とトナー補給装置とを分離しまたは一体化して設け、現像装置ハウジングの側壁に現像剤溢出部を設けたため、新しい現像剤を前記補給装置により少しずつ補給するとともに前記現像剤溢出部より排出することができ、前記現像装置ハウジング内の現像剤の特性を一定に維持させることができ、その結果、複写物の画質も一定に保持させることができる。/また本発明においては、前記現像装置ハウジング内の古くなった現像剤は前記現像剤溢出部より順次自動的に排出されるため、従来のもののように、現像装置を複写機より外し、同装置のハウジング内の古い現像剤を取出し、新しい現像剤を再充填した後、再び現像装置を取付けるといった面倒な現像剤交換作業が不必要となり、しかも現像剤飛散が防止されて衛生的である。」とある。
【0004】
つまり、劣化した現像剤(キャリア)を新しいものと徐々に入れ替えていくことによって、見掛け上のキャリアの劣化進行が止まり、現像剤全体としては特性が安定する。これによって現像剤交換という作業を不要にし、メンテナンス性を向上させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年のフルカラー複写機やプリンタでは、高画質を達成するために現像剤中のトナー及びキャリアの小粒径化が進んでいる。トナー及びキャリアを小粒径化すると、雰囲気中の水分量の変化に対する現像剤のトリボの変化が大きくなり、それに伴い現像装置中の現像剤の嵩密度の変化も大きくなる。具体的には、水分量が少なくなるとトリボが高くなって嵩密度が低くなる。逆に、水分量が多くなるとトリボが低くなって嵩密度が高くなる。この状態で現像剤量を一定にすると、嵩密度が低くなると現像剤面は上昇し、嵩密度が高くなると現像剤面は下降する。
【0006】
しかしながら、従来の技術では、現像装置の所定位置に固定された現像剤排出部を設け、排出部よりも現像剤面が高くなった分を排出することによって常に現像剤面を一定に維持しようとする方法であるため、水分量が少なくなると現像容器内に収容できる現像剤量が減少し、水分量が多くなると逆に収容できる現像剤量が増加する。
【0007】
ところで、現像装置の現像剤排出部より排出された現像剤の収容方法として、排出現像剤を回転体の回転動作を利用して現像装置上部に設けられた排出現像剤収容部へと移動させる方法が提案され、既に実用化されている。この方法では、排出現像剤を移動させるための搬送部材等が不要であるため、非常に安価な構成とすることが可能である反面、排出現像剤を移動させるためには必ず回転体の回転動作が必要となる。特に、1色の現像装置を固定して連続で画像形成を行う単色モードを有する場合は、この単色モード中は回転体が回転しないために排出現像剤を排出現像剤収容部へと移動させることができない。そこで、定期的に回転体を回転させる動作が必要になる。
【0008】
従来の現像剤排出機構を設けた現像装置では、上述のように水分量の変化によって現像容器内に収容できる現像剤量が変動するため、同量の現像剤を補給した場合でも排出される現像剤量が異なり、回転体の回転動作を実行するタイミングが水分量によらず一定にすると、排出現像剤の移動が適切にできないという問題が発生する場合があった。具体的には、回転体の回転動作が必要なタイミングよりも遅いと、現像容器内の現像剤量が過剰になり、かぶりやトナー飛散等の異常画像の発生や回転トルク増大によるギヤ破損等の可能性があり、又、回転動作が必要なタイミングよりも早いと、余計な回転体の回転動作によるダウンタイムが生じる可能性があった。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、現像剤を徐々に自動交換してメンテナンス性を向上させた画像形成装置において、環境変動があった場合でも排出現像剤を搬送するための回転体の回転動作を適正に制御してダウンタイムがより少なく、且つ、高画質を維持することができる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、トナーとキャリアから成る2成分現像剤によって像担持体上に形成された静電潜像を各色毎に現像する現像装置と、前記現像装置に補給するための前記トナー及び前記キャリアを混合した補給現像剤を収容するための補給現像剤収容部と、前記現像装置から排出された排出現像剤を収容するための排出現像剤収容部とから成る画像形成部を複数有し、該複数の画像形成部を回転可能な回転体内に収容し、該回転体の回転動作により前記画像形成部を像担持体との対向部へと移動することによって像担持体上に形成された静電潜像を現像する画像形成装置において、前記現像装置は現像容器に設けられた所定高さの排出口により、内部に収容された前記2成分現像剤を排出口を乗り越えた分だけ現像容器外へ排出し、前記回転体の回転動作によって排出現像剤を前記排出現像剤収容部へと搬送する構成とされるとともに、環境センサーの検出値によって、前記現像容器内に収容可能な2成分現像剤の重量を予測し、該予測値に基づいて前記回転体の回転動作を制御するようにしたことを特徴とする。
【0011】
ここで、前記複数の画像形成部の中から1つの画像形成部を選択して前記静電潜像担持体との対向部に固定し、該選択された画像形成部のみで連続して画像形成を行う単色画像形成モードを有するとともに、該モードにおいて連続画像形成動作中、若しくは連続画像形成動作終了後に前記回転体の回転動作を行うことが望ましい。
【0012】
前記単色画像形成モードにおいて前記回転体の回転動作制御を行う場合、前記複数の画像形成部の中から選択された画像形成部に応じて前記回転体の回転動作の制御方法を変化させることが望ましい。
【0013】
又、前記補給現像剤収容部と前記排出現像剤収容部は一体化されたカートリッジとして、画像形成装置本体と着脱可能な構成とすることが望ましい。
【0014】
更に、画像形成装置内の環境状態を前記環境センサーによって所定の時間毎に検出する検出手段と、該検出手段の検出値の履歴を記憶する記憶手段を有し、検出値の履歴に基づいて前記現像容器内に収容された前記2成分現像剤の重量を予測し、該予測値に基づいて前記補給現像剤量を補正することが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
<実施の形態1>
図1は現像装置の断面図、図2は現像装置を複数用いたフルカラー画像形成装置要部の断面図である。
【0017】
先ず、画像形成装置全体の動作について説明する。
【0018】
図2において、先ず帯電器21によって帯電された感光ドラム28表面をレーザー22によって露光することによって感光ドラム28上に先ずイエロー画像に対応した静電潜像を形成する。この静電潜像をイエロー現像剤を収容した現像器1Yによって現像してイエロートナー像を形成する。ここで、現像器1Yは、回転体18内に配置され、回転体18の回転動作によって感光ドラム28との対向部へ移動して静電潜像を現像する。
【0019】
上記イエロートナー像は、一次転写帯電器23aによる転写バイアスによって中間転写ベルト24上に一次転写される。同様にしてマゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が中間転写ベルト24上に順次重ね合わされる。この各色のトナー像は、搬送ベルト25により搬送される記録紙27に二次転写帯電器23bによる転写バイアスによって一括して二次転写され、トナー像が転写された記録紙27は、搬送ベルト25から剥離され、定着器26によって加圧及び加熱され、これによって永久画像を得る。尚、転写後に感光ドラム28上に残った残トナーは、感光ドラムクリーナー29aによって除去され、又、中間転写ベルト24上に残った残トナーは、転写ベルトクリーナー29bによって除去され、感光ドラム28と中間転写ベルト24は次の画像形成に備えられる。
【0020】
次に、現像器1を図1に基づいて詳述する。
【0021】
現像器1には、非磁性トナ−と磁性キャリアから成る2成分現像剤が収容されており、その初期のトナー濃度(キャリアとトナーの合計重量に対するトナー重量の割合)は約6%に調整されている。この比率は、トナーの帯電量、キャリア粒径、画像形成装置の構成等で適正に調整されるべきものであって、必ずしもこの数値に従わなければならないものではない。
【0022】
現像器1は、感光ドラム28に対向した現像領域が開口しており、この開口部に一部露出するようにして現像スリーブ3が回転可能に配置されている。磁界発生手段である固定のマグネット4を内包する現像スリーブ3は、非磁性材料で構成され、現像動作時には図1の矢印A方向に回転し、現像容器2内の2成分現像剤を層状に保持して現像領域に担持搬送し、感光ドラム28と対向する現像領域に2成分現像剤を供給して、感光ドラム28に形成されている静電潜像を現像する。尚、静電潜像を現像した後の現像剤は、現像スリーブ3の回転に従って搬送され、現像容器2内に回収される。
【0023】
又、現像容器2には第1現像剤循環スクリュー2a(現像スリーブ3に近い側)と第2現像剤循環スクリュー2b(現像スリーブ3から遠い側)が収容されており、これらの現像剤循環スクリュー2a,2bによって現像剤が現像容器2内を循環するとともに、混合攪拌される。尚、本実施の形態では、現像剤循環の方向は、第1現像剤循環スクリュー2a側で図1の手前側から奥側に向かう方向、第2現像剤循環スクリュー2b側では図1の奥側から手前側に向かう方向である。
【0024】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置における現像剤の補給方法と現像剤の回収方法について詳しく説明する。
【0025】
現像剤カートリッジ5は、図3に示すように、略円筒形の補給現像剤収容部5aと回収現像剤収容部5bとで一体に成型され、画像形成装置本体から容易に脱着可能である。そして、補給現像剤収容部5a内には、補給される現像剤を攪拌するための攪拌部材7が内蔵されている。
【0026】
図3に現像剤カートリッジ5の内部が一部示されているが、攪拌部材7は、これに示したように樹脂フィルム等を螺旋状に成形したものを剛体の軸で回転駆動するようにしたものであって、適宜回転することによって補給現像剤収容部5a内の現像剤を攪拌するとともに、現像剤の補給を補助する。
【0027】
画像形成によって消費された分のトナーは、攪拌部材7の回転力と重力によって、補給現像剤収容部5aから現像剤補給口6を通過して現像容器2に配設された補給スクリュー8aへと搬送され、補給スクリュー8aの回転に従って現像容器2内に補給される。
【0028】
このようにして現像剤カートリッジ5から現像器1に補給現像剤が補給される。この補給現像剤のトナー濃度は、約90%であるが、特にこの数値に限定されるものではない。即ち、この補給現像剤は、現像容器2内の2成分現像剤のトナー濃度と比較するとトナー量が圧倒的に多く、体積比を考えればトナー中にキャリアが微量混合されているものと考えることもできる。
【0029】
つまり、画像形成によって消費されたトナーを補う際に、微量のキャリアを徐々に補給していくことになる。補給される現像剤のキャリアの比が多くなれば同じ量のトナー補給でキャリアの入れ替わり量が多くなり、現像器1内の2成分現像剤はフレッシュな状態に近づくが、その分だけキャリアの消費量が多くなる。このため、それぞれの装置において適当な混合比を別途定めるのが好ましい。このとき、補給すべきトナー(及びそこに含まれる微量のキャリア)の補給量は、現像容器2内のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段の検知結果に基づいて、ここでは図示しない現像剤補給制御手段により決定される。
【0030】
トナー濃度検知手段としては、光学的或は磁気的に検知するものや、感光ドラム28上の基準潜像を現像してそのトナー像の濃度を検知する方法等の様々な方法が知られており、何れかの方法を適宜選択することが可能である。本実施の形態では、図1に示すように、現像剤循環スクリュー2aがある側の現像容器2の底面にトナー濃度を磁気的に検知するインダクタンス検知センサー2cを設けることによって、現像容器2内の2成分現像剤のトナー濃度を検知している。
【0031】
画像形成によるトナー消費と現像剤補給制御手段による補給を繰り返すと、現像容器2内にはトナー補給時に共に補給されたキャリアが増加する。2成分現像剤のトナー濃度は、現像剤補給制御手段によって略一定に保たれているため、現像容器2中の現像剤量が増加し、現像剤面が次第に上昇する。過剰になった2成分現像剤は、現像剤排出口11の開口部を越えた分が現像容器2外へ排出されるため、常に現像剤面は一定に保たれるようにキャリアの入れ替えが行われることになる。
【0032】
現像容器2外に排出された現像剤は、回転体の回転動作によって排出現像剤収容部に搬送されるが、その様子を図4に示す。
【0033】
現像動作位置において、現像容器2外の12aの領域に溢れ出た現像剤13は(図4(a))、現像動作終了後、回転体18が時計回りに90°回転することによって先ず12bの領域に移動する(図4(b))。そこから更に90°回転すると、現像剤カートリッジ5の回収現像剤収容部5bへと落下し(図4(c))、収容される(図4(d))。
【0034】
ところで、前述したようにトナー及びキャリアが小粒径化された2成分現像剤では、画像形成装置が設置されている場所の環境によって嵩密度の変動が大きくなる傾向がある。具体的には、雰囲気中に含まれる水分量が少なくなるとトリボが高くなって嵩密度が低くなる。逆に、水分量が多くなるとトリボが低くなって嵩密度が高くなる傾向がある。
【0035】
本実施の形態のように、現像剤面を一定に保つ、即ち現像剤の体積を一定に保つ現像容器構成では、現像剤の嵩密度が変動すると現像容器2内に収容できる現像剤の重量が変化することになり、同量のキャリアが補給された場合でも、現像剤排出口11から排出される現像剤量が異なる。
【0036】
即ち、雰囲気中の水分量が少ない低湿環境においては、現像剤の体積が大きくなるために排出される現像剤量が多くなり、雰囲気中の水分量が多い高湿環境においては、排出される現像剤量が少なくなる。そのため、低湿環境において回転体の回転動作が少ないと、図4の12aの領域が現像剤で一杯になり、それ以上は現像剤の排出が行われなくなるため、現像容器2内の現像剤量が過剰となり、トナーの攪拌不良によるかぶりやトナー飛散、現像剤循環スクリュー2a,2bの回転トルクの増大によるギヤ破損等が生じる危険性がある。一方で高湿環境において、回転体18の回転動作が多いと、図4の12aの領域に可成り余裕があるにも拘らず回転体18の回転動作が行われるため、余計な回転動作によるダウンタイムが生じるという問題がある。
【0037】
そこで、本実施の形態では、画像形成装置内に設置された環境センサー(不図示)で読み取った雰囲気中の水分量によって回転体18の回転動作を制御することを特徴としている。
【0038】
本実施の形態での制御は、1色の現像装置を固定して連続で画像形成を行う単色モードを有する場合に特に有効であるため、以下ではブラック現像器1Kを用いて黒単色画像を連続して形成するモードを行う場合について説明する。この単色モード中は回転体が回転しないために排出現像剤を回収現像剤収容部5bへと移動することができない。そこで、定期的に回転体18を回転させる動作が必要になる。
【0039】
先ず、ユーザーが画像形成装置の操作部から黒単色モードを指定すると、そのときの画像形成装置内の水分量が環境センサーによって読み取られ、その環境に応じた回転体制御方法が選択される。回転体制御方法は表1に示すように、水分量によって5つの環境に分けられ、各環境毎に最適な制御テーブルが設定される。各制御テーブルは、図5に示すように、同じ画像Dutyの原稿を連続して出力した場合でも環境によって回転体18の回転動作が実行されるタイミングが異なるように設定されている。
【0040】
【表1】
例えば、環境センサーの読み値が環境1であって場合、制御テーブル1が選択される。制御テーブル1が選択されると、現像容器2外の12aの領域に蓄積可能な現像剤量は約1.12gであると判断され、連続画像形成動作がスタートしてから、これだけの現像剤量が排出される前に回転体18の回転動作が実行される。このとき、仮にユーザーが指定した原稿の画像Dutyが5%、置数が180枚であるとすると、50枚目が出力されたところで一時画像形成を中断し、回転体18が1回転した後に再び51枚目の画像が出力される。同様にして100枚目、150枚目の画像が出力された後にも回転体18の回転動作を実行する。
【0041】
又、環境センサーの読み値が環境5であった場合は、制御テーブル5が選択される。この場合は現像容器2外の12aの領域に蓄積可能な現像剤量は約2.25gであると判断され、上記と同じく原稿の画像Dutyが5%、置数が180枚であるとすると、回転体18の回転動作は100枚目の後にしか入らない制御となる。即ち、低湿環境ほど回転体18の回転動作の頻度が多くなるように制御がなされる。このような制御を行うことにより、低湿環境においては、排出現像剤の搬送が追い付かないで現像容器2内の現像剤量が過剰になることがなくなり、又、高湿環境においては、余計な回転体18の回転動作によるダウンタイムを減らすことが可能となる。
【0042】
ここでは、説明を簡単にするため、原稿の画像Dutyが5%の場合で説明したが、現像剤の排出量は補給される現像剤量に依存するため、実際に回転体18を回転させるタイミングはそのときの補給現像剤量によって制御されなければならない。補給現像剤量を推定する手段としては、補給スクリュー8aの回転時間、画像の濃度情報信号から得られるビデオカウント値等が用いられる。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、現像剤を徐々に自動交換してメンテナンス性を上げるとともに、様々な環境において常に高画質と高生産性を維持することができる。
【0044】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0045】
本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、画像形成装置が設置されている場所の環境に応じて回転体の回転動作制御を行うが、その制御方法を単色画像形成モードにおいて選択された色毎によって変えることを特徴としている。
【0046】
雰囲気中の水分量によってトナーの帯電量は変化するが、その変化量は色毎によって異なるため、トナーの帯電量変化に伴って変動する現像剤の嵩密度も色毎で変動量が異なる。
【0047】
そこで、本実施の形態のように現像剤のオーバーフローを利用して現像剤を排出する構成の現像器を用いた場合、環境が変動したときに色毎で現像容器内に収容できる現像剤量が異なることになる。よって、表2に示す通り、色毎、環境毎で異なる現像剤量に基づいた制御テーブルを用いることによってこの問題点を解決している。
【0048】
【表2】
各色の制御テーブルを図6に示す。
【0049】
例えば、ユーザーが黒単色モードを選択した場合は図6のKテーブルに従って制御が行われ、マゼンタ単色モードを選択した場合は図6のMテーブルに従って制御がなされる。即ち、同じ画像Dutyの原稿を連続出力した場合でも、選択した色によって回転体の回転動作が実行されるタイミングが異なることになる。このような制御を行うことにより、雰囲気中の水分量が変化し、現像剤量が変動した場合でも、色毎に適正な回転体の回転制御を行うことが可能となる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数の色の単色画像形成モードを有する画像形成装置においても、様々な環境において常に安定した高画質を維持することができる。
【0051】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
【0052】
本実施の形態における画像形成装置の構成は実施の形態1,2のそれと同様であるが、ここでは環境センサーによって所定の時間毎に雰囲気中の水分量を検知し、この検出値の履歴に基づいて現像容器内の現像剤量を予測し、この予測値に基づいて補給現像剤量を補正することを特徴としている。
【0053】
画像形成装置を使用中に急激な環境の変動があった場合、環境の変動に応じて環境センサーの検出値は変化するが、一方、現像剤はすぐにはその環境に馴染むことはできない。そこで、急激に環境が変動した直後に環境センサーの検出値に従って回転体の回転動作を制御すると、現像容器内の現像剤量は環境が変動する前のままであるため、実際に必要な回転動作と合わなくなる可能性がある。
【0054】
そこで、本実施の形態では、所定の時間、ここでは30分毎に環境センサーによって雰囲気中の水分量を検知し、この履歴を過去12回分記憶しておく。そして、その履歴の古い方から数えて1〜4番目までの平均水分量を算出し、この値に基づいて前述したような現像剤補給量の補正を行う。このような制御を行うことによって、雰囲気中の水分量が急激に変化した場合でも、現像剤の状態を正確に把握することができるため、適正な回転体の回転動作制御を行うことが可能となる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、トナーとキャリアから成る2成分現像剤によって像担持体上に形成された静電潜像を各色毎に現像する現像装置と、前記現像装置に補給するための前記トナー及び前記キャリアを混合した補給現像剤を収容するための補給現像剤収容部と、前記現像装置から排出された排出現像剤を収容するための排出現像剤収容部とから成る画像形成部を複数有し、該複数の画像形成部を回転可能な回転体内に収容し、該回転体の回転動作により、前記画像形成部を像担持体との対向部へと移動することによって像担持体上に形成された静電潜像を現像する画像形成装置において、前記現像装置は現像容器に設けられた所定高さの排出口により、内部に収容された前記2成分現像剤を排出口を乗り越えた分だけ現像容器外へ排出し、前記回転体の回転動作によって該排出現像剤を前記排出現像剤収容部へと搬送する構成とされるとともに、環境センサーの検出する値によって、前記現像容器内に収容された前記2成分現像剤の重量を予測し、該予測値に基づいて前記回転体の回転動作を制御するようにしたため、現像剤を徐々に自動交換してメンテナンス性を向上させた画像形成装置において、環境変動があった場合でも排出現像剤を搬送するための回転体の回転動作を適正に制御し、ダウンタイムを短縮するとともに、高画質を維持することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の現像装置の断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置要部の断面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の現像剤カートリッジの一部を破断した斜視図である。
【図4】回転体の回転動作により現像剤が排出現像剤収容部に搬送される様子を説明する図である。
【図5】環境による回転体の回転制御テーブルを示す図である。
【図6】現像剤の色毎、環境毎による回転体の回転制御テーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 現像装置
2 現像容器
5 現像剤カートリッジ
5a 補給現像剤収容部
5b 回収現像剤収容部(排出現像剤収容部)
7 撹拌部材
18 回転体
21 帯電器
22 レーザー
24 中間転写体ベルト
25 搬送ベルト
26 定着器
27 記録紙
28 感光ドラム(像担持体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを利用した複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真方式の画像形成装置、その中でも特に有彩色の画像形成を行う画像形成装置においては、非磁性トナーと磁性キャリアを混合して現像剤として使用する2成分現像方式が広く利用されている。この2成分現像方式は、現在提案されている他の現像方式に比較して画質の安定性、装置の耐久性等の長所を備えている一方、長期の耐久による現像剤の劣化、特にキャリアの劣化が不可避であったため、画像形成装置の長期使用に伴い現像剤交換という作業を行う必要がある。
【0003】
上記問題に対する解決策が従来から幾つか提案されている。例えば、特公平2−21591号によると、「キャリアとトナーを撹拌する撹拌手段と、同撹拌手段で撹拌された現像剤を感光体へ供給する現像ロールとを備えた電子写真複写機用現像装置において、前記撹拌手段の上方にキャリア補給装置とトナー補給装置とを分離しまたは一体化して設け、現像装置ハウジングの側壁に現像剤溢出部を設けたため、新しい現像剤を前記補給装置により少しずつ補給するとともに前記現像剤溢出部より排出することができ、前記現像装置ハウジング内の現像剤の特性を一定に維持させることができ、その結果、複写物の画質も一定に保持させることができる。/また本発明においては、前記現像装置ハウジング内の古くなった現像剤は前記現像剤溢出部より順次自動的に排出されるため、従来のもののように、現像装置を複写機より外し、同装置のハウジング内の古い現像剤を取出し、新しい現像剤を再充填した後、再び現像装置を取付けるといった面倒な現像剤交換作業が不必要となり、しかも現像剤飛散が防止されて衛生的である。」とある。
【0004】
つまり、劣化した現像剤(キャリア)を新しいものと徐々に入れ替えていくことによって、見掛け上のキャリアの劣化進行が止まり、現像剤全体としては特性が安定する。これによって現像剤交換という作業を不要にし、メンテナンス性を向上させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年のフルカラー複写機やプリンタでは、高画質を達成するために現像剤中のトナー及びキャリアの小粒径化が進んでいる。トナー及びキャリアを小粒径化すると、雰囲気中の水分量の変化に対する現像剤のトリボの変化が大きくなり、それに伴い現像装置中の現像剤の嵩密度の変化も大きくなる。具体的には、水分量が少なくなるとトリボが高くなって嵩密度が低くなる。逆に、水分量が多くなるとトリボが低くなって嵩密度が高くなる。この状態で現像剤量を一定にすると、嵩密度が低くなると現像剤面は上昇し、嵩密度が高くなると現像剤面は下降する。
【0006】
しかしながら、従来の技術では、現像装置の所定位置に固定された現像剤排出部を設け、排出部よりも現像剤面が高くなった分を排出することによって常に現像剤面を一定に維持しようとする方法であるため、水分量が少なくなると現像容器内に収容できる現像剤量が減少し、水分量が多くなると逆に収容できる現像剤量が増加する。
【0007】
ところで、現像装置の現像剤排出部より排出された現像剤の収容方法として、排出現像剤を回転体の回転動作を利用して現像装置上部に設けられた排出現像剤収容部へと移動させる方法が提案され、既に実用化されている。この方法では、排出現像剤を移動させるための搬送部材等が不要であるため、非常に安価な構成とすることが可能である反面、排出現像剤を移動させるためには必ず回転体の回転動作が必要となる。特に、1色の現像装置を固定して連続で画像形成を行う単色モードを有する場合は、この単色モード中は回転体が回転しないために排出現像剤を排出現像剤収容部へと移動させることができない。そこで、定期的に回転体を回転させる動作が必要になる。
【0008】
従来の現像剤排出機構を設けた現像装置では、上述のように水分量の変化によって現像容器内に収容できる現像剤量が変動するため、同量の現像剤を補給した場合でも排出される現像剤量が異なり、回転体の回転動作を実行するタイミングが水分量によらず一定にすると、排出現像剤の移動が適切にできないという問題が発生する場合があった。具体的には、回転体の回転動作が必要なタイミングよりも遅いと、現像容器内の現像剤量が過剰になり、かぶりやトナー飛散等の異常画像の発生や回転トルク増大によるギヤ破損等の可能性があり、又、回転動作が必要なタイミングよりも早いと、余計な回転体の回転動作によるダウンタイムが生じる可能性があった。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、現像剤を徐々に自動交換してメンテナンス性を向上させた画像形成装置において、環境変動があった場合でも排出現像剤を搬送するための回転体の回転動作を適正に制御してダウンタイムがより少なく、且つ、高画質を維持することができる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、トナーとキャリアから成る2成分現像剤によって像担持体上に形成された静電潜像を各色毎に現像する現像装置と、前記現像装置に補給するための前記トナー及び前記キャリアを混合した補給現像剤を収容するための補給現像剤収容部と、前記現像装置から排出された排出現像剤を収容するための排出現像剤収容部とから成る画像形成部を複数有し、該複数の画像形成部を回転可能な回転体内に収容し、該回転体の回転動作により前記画像形成部を像担持体との対向部へと移動することによって像担持体上に形成された静電潜像を現像する画像形成装置において、前記現像装置は現像容器に設けられた所定高さの排出口により、内部に収容された前記2成分現像剤を排出口を乗り越えた分だけ現像容器外へ排出し、前記回転体の回転動作によって排出現像剤を前記排出現像剤収容部へと搬送する構成とされるとともに、環境センサーの検出値によって、前記現像容器内に収容可能な2成分現像剤の重量を予測し、該予測値に基づいて前記回転体の回転動作を制御するようにしたことを特徴とする。
【0011】
ここで、前記複数の画像形成部の中から1つの画像形成部を選択して前記静電潜像担持体との対向部に固定し、該選択された画像形成部のみで連続して画像形成を行う単色画像形成モードを有するとともに、該モードにおいて連続画像形成動作中、若しくは連続画像形成動作終了後に前記回転体の回転動作を行うことが望ましい。
【0012】
前記単色画像形成モードにおいて前記回転体の回転動作制御を行う場合、前記複数の画像形成部の中から選択された画像形成部に応じて前記回転体の回転動作の制御方法を変化させることが望ましい。
【0013】
又、前記補給現像剤収容部と前記排出現像剤収容部は一体化されたカートリッジとして、画像形成装置本体と着脱可能な構成とすることが望ましい。
【0014】
更に、画像形成装置内の環境状態を前記環境センサーによって所定の時間毎に検出する検出手段と、該検出手段の検出値の履歴を記憶する記憶手段を有し、検出値の履歴に基づいて前記現像容器内に収容された前記2成分現像剤の重量を予測し、該予測値に基づいて前記補給現像剤量を補正することが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
<実施の形態1>
図1は現像装置の断面図、図2は現像装置を複数用いたフルカラー画像形成装置要部の断面図である。
【0017】
先ず、画像形成装置全体の動作について説明する。
【0018】
図2において、先ず帯電器21によって帯電された感光ドラム28表面をレーザー22によって露光することによって感光ドラム28上に先ずイエロー画像に対応した静電潜像を形成する。この静電潜像をイエロー現像剤を収容した現像器1Yによって現像してイエロートナー像を形成する。ここで、現像器1Yは、回転体18内に配置され、回転体18の回転動作によって感光ドラム28との対向部へ移動して静電潜像を現像する。
【0019】
上記イエロートナー像は、一次転写帯電器23aによる転写バイアスによって中間転写ベルト24上に一次転写される。同様にしてマゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が中間転写ベルト24上に順次重ね合わされる。この各色のトナー像は、搬送ベルト25により搬送される記録紙27に二次転写帯電器23bによる転写バイアスによって一括して二次転写され、トナー像が転写された記録紙27は、搬送ベルト25から剥離され、定着器26によって加圧及び加熱され、これによって永久画像を得る。尚、転写後に感光ドラム28上に残った残トナーは、感光ドラムクリーナー29aによって除去され、又、中間転写ベルト24上に残った残トナーは、転写ベルトクリーナー29bによって除去され、感光ドラム28と中間転写ベルト24は次の画像形成に備えられる。
【0020】
次に、現像器1を図1に基づいて詳述する。
【0021】
現像器1には、非磁性トナ−と磁性キャリアから成る2成分現像剤が収容されており、その初期のトナー濃度(キャリアとトナーの合計重量に対するトナー重量の割合)は約6%に調整されている。この比率は、トナーの帯電量、キャリア粒径、画像形成装置の構成等で適正に調整されるべきものであって、必ずしもこの数値に従わなければならないものではない。
【0022】
現像器1は、感光ドラム28に対向した現像領域が開口しており、この開口部に一部露出するようにして現像スリーブ3が回転可能に配置されている。磁界発生手段である固定のマグネット4を内包する現像スリーブ3は、非磁性材料で構成され、現像動作時には図1の矢印A方向に回転し、現像容器2内の2成分現像剤を層状に保持して現像領域に担持搬送し、感光ドラム28と対向する現像領域に2成分現像剤を供給して、感光ドラム28に形成されている静電潜像を現像する。尚、静電潜像を現像した後の現像剤は、現像スリーブ3の回転に従って搬送され、現像容器2内に回収される。
【0023】
又、現像容器2には第1現像剤循環スクリュー2a(現像スリーブ3に近い側)と第2現像剤循環スクリュー2b(現像スリーブ3から遠い側)が収容されており、これらの現像剤循環スクリュー2a,2bによって現像剤が現像容器2内を循環するとともに、混合攪拌される。尚、本実施の形態では、現像剤循環の方向は、第1現像剤循環スクリュー2a側で図1の手前側から奥側に向かう方向、第2現像剤循環スクリュー2b側では図1の奥側から手前側に向かう方向である。
【0024】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置における現像剤の補給方法と現像剤の回収方法について詳しく説明する。
【0025】
現像剤カートリッジ5は、図3に示すように、略円筒形の補給現像剤収容部5aと回収現像剤収容部5bとで一体に成型され、画像形成装置本体から容易に脱着可能である。そして、補給現像剤収容部5a内には、補給される現像剤を攪拌するための攪拌部材7が内蔵されている。
【0026】
図3に現像剤カートリッジ5の内部が一部示されているが、攪拌部材7は、これに示したように樹脂フィルム等を螺旋状に成形したものを剛体の軸で回転駆動するようにしたものであって、適宜回転することによって補給現像剤収容部5a内の現像剤を攪拌するとともに、現像剤の補給を補助する。
【0027】
画像形成によって消費された分のトナーは、攪拌部材7の回転力と重力によって、補給現像剤収容部5aから現像剤補給口6を通過して現像容器2に配設された補給スクリュー8aへと搬送され、補給スクリュー8aの回転に従って現像容器2内に補給される。
【0028】
このようにして現像剤カートリッジ5から現像器1に補給現像剤が補給される。この補給現像剤のトナー濃度は、約90%であるが、特にこの数値に限定されるものではない。即ち、この補給現像剤は、現像容器2内の2成分現像剤のトナー濃度と比較するとトナー量が圧倒的に多く、体積比を考えればトナー中にキャリアが微量混合されているものと考えることもできる。
【0029】
つまり、画像形成によって消費されたトナーを補う際に、微量のキャリアを徐々に補給していくことになる。補給される現像剤のキャリアの比が多くなれば同じ量のトナー補給でキャリアの入れ替わり量が多くなり、現像器1内の2成分現像剤はフレッシュな状態に近づくが、その分だけキャリアの消費量が多くなる。このため、それぞれの装置において適当な混合比を別途定めるのが好ましい。このとき、補給すべきトナー(及びそこに含まれる微量のキャリア)の補給量は、現像容器2内のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段の検知結果に基づいて、ここでは図示しない現像剤補給制御手段により決定される。
【0030】
トナー濃度検知手段としては、光学的或は磁気的に検知するものや、感光ドラム28上の基準潜像を現像してそのトナー像の濃度を検知する方法等の様々な方法が知られており、何れかの方法を適宜選択することが可能である。本実施の形態では、図1に示すように、現像剤循環スクリュー2aがある側の現像容器2の底面にトナー濃度を磁気的に検知するインダクタンス検知センサー2cを設けることによって、現像容器2内の2成分現像剤のトナー濃度を検知している。
【0031】
画像形成によるトナー消費と現像剤補給制御手段による補給を繰り返すと、現像容器2内にはトナー補給時に共に補給されたキャリアが増加する。2成分現像剤のトナー濃度は、現像剤補給制御手段によって略一定に保たれているため、現像容器2中の現像剤量が増加し、現像剤面が次第に上昇する。過剰になった2成分現像剤は、現像剤排出口11の開口部を越えた分が現像容器2外へ排出されるため、常に現像剤面は一定に保たれるようにキャリアの入れ替えが行われることになる。
【0032】
現像容器2外に排出された現像剤は、回転体の回転動作によって排出現像剤収容部に搬送されるが、その様子を図4に示す。
【0033】
現像動作位置において、現像容器2外の12aの領域に溢れ出た現像剤13は(図4(a))、現像動作終了後、回転体18が時計回りに90°回転することによって先ず12bの領域に移動する(図4(b))。そこから更に90°回転すると、現像剤カートリッジ5の回収現像剤収容部5bへと落下し(図4(c))、収容される(図4(d))。
【0034】
ところで、前述したようにトナー及びキャリアが小粒径化された2成分現像剤では、画像形成装置が設置されている場所の環境によって嵩密度の変動が大きくなる傾向がある。具体的には、雰囲気中に含まれる水分量が少なくなるとトリボが高くなって嵩密度が低くなる。逆に、水分量が多くなるとトリボが低くなって嵩密度が高くなる傾向がある。
【0035】
本実施の形態のように、現像剤面を一定に保つ、即ち現像剤の体積を一定に保つ現像容器構成では、現像剤の嵩密度が変動すると現像容器2内に収容できる現像剤の重量が変化することになり、同量のキャリアが補給された場合でも、現像剤排出口11から排出される現像剤量が異なる。
【0036】
即ち、雰囲気中の水分量が少ない低湿環境においては、現像剤の体積が大きくなるために排出される現像剤量が多くなり、雰囲気中の水分量が多い高湿環境においては、排出される現像剤量が少なくなる。そのため、低湿環境において回転体の回転動作が少ないと、図4の12aの領域が現像剤で一杯になり、それ以上は現像剤の排出が行われなくなるため、現像容器2内の現像剤量が過剰となり、トナーの攪拌不良によるかぶりやトナー飛散、現像剤循環スクリュー2a,2bの回転トルクの増大によるギヤ破損等が生じる危険性がある。一方で高湿環境において、回転体18の回転動作が多いと、図4の12aの領域に可成り余裕があるにも拘らず回転体18の回転動作が行われるため、余計な回転動作によるダウンタイムが生じるという問題がある。
【0037】
そこで、本実施の形態では、画像形成装置内に設置された環境センサー(不図示)で読み取った雰囲気中の水分量によって回転体18の回転動作を制御することを特徴としている。
【0038】
本実施の形態での制御は、1色の現像装置を固定して連続で画像形成を行う単色モードを有する場合に特に有効であるため、以下ではブラック現像器1Kを用いて黒単色画像を連続して形成するモードを行う場合について説明する。この単色モード中は回転体が回転しないために排出現像剤を回収現像剤収容部5bへと移動することができない。そこで、定期的に回転体18を回転させる動作が必要になる。
【0039】
先ず、ユーザーが画像形成装置の操作部から黒単色モードを指定すると、そのときの画像形成装置内の水分量が環境センサーによって読み取られ、その環境に応じた回転体制御方法が選択される。回転体制御方法は表1に示すように、水分量によって5つの環境に分けられ、各環境毎に最適な制御テーブルが設定される。各制御テーブルは、図5に示すように、同じ画像Dutyの原稿を連続して出力した場合でも環境によって回転体18の回転動作が実行されるタイミングが異なるように設定されている。
【0040】
【表1】
例えば、環境センサーの読み値が環境1であって場合、制御テーブル1が選択される。制御テーブル1が選択されると、現像容器2外の12aの領域に蓄積可能な現像剤量は約1.12gであると判断され、連続画像形成動作がスタートしてから、これだけの現像剤量が排出される前に回転体18の回転動作が実行される。このとき、仮にユーザーが指定した原稿の画像Dutyが5%、置数が180枚であるとすると、50枚目が出力されたところで一時画像形成を中断し、回転体18が1回転した後に再び51枚目の画像が出力される。同様にして100枚目、150枚目の画像が出力された後にも回転体18の回転動作を実行する。
【0041】
又、環境センサーの読み値が環境5であった場合は、制御テーブル5が選択される。この場合は現像容器2外の12aの領域に蓄積可能な現像剤量は約2.25gであると判断され、上記と同じく原稿の画像Dutyが5%、置数が180枚であるとすると、回転体18の回転動作は100枚目の後にしか入らない制御となる。即ち、低湿環境ほど回転体18の回転動作の頻度が多くなるように制御がなされる。このような制御を行うことにより、低湿環境においては、排出現像剤の搬送が追い付かないで現像容器2内の現像剤量が過剰になることがなくなり、又、高湿環境においては、余計な回転体18の回転動作によるダウンタイムを減らすことが可能となる。
【0042】
ここでは、説明を簡単にするため、原稿の画像Dutyが5%の場合で説明したが、現像剤の排出量は補給される現像剤量に依存するため、実際に回転体18を回転させるタイミングはそのときの補給現像剤量によって制御されなければならない。補給現像剤量を推定する手段としては、補給スクリュー8aの回転時間、画像の濃度情報信号から得られるビデオカウント値等が用いられる。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、現像剤を徐々に自動交換してメンテナンス性を上げるとともに、様々な環境において常に高画質と高生産性を維持することができる。
【0044】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0045】
本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、画像形成装置が設置されている場所の環境に応じて回転体の回転動作制御を行うが、その制御方法を単色画像形成モードにおいて選択された色毎によって変えることを特徴としている。
【0046】
雰囲気中の水分量によってトナーの帯電量は変化するが、その変化量は色毎によって異なるため、トナーの帯電量変化に伴って変動する現像剤の嵩密度も色毎で変動量が異なる。
【0047】
そこで、本実施の形態のように現像剤のオーバーフローを利用して現像剤を排出する構成の現像器を用いた場合、環境が変動したときに色毎で現像容器内に収容できる現像剤量が異なることになる。よって、表2に示す通り、色毎、環境毎で異なる現像剤量に基づいた制御テーブルを用いることによってこの問題点を解決している。
【0048】
【表2】
各色の制御テーブルを図6に示す。
【0049】
例えば、ユーザーが黒単色モードを選択した場合は図6のKテーブルに従って制御が行われ、マゼンタ単色モードを選択した場合は図6のMテーブルに従って制御がなされる。即ち、同じ画像Dutyの原稿を連続出力した場合でも、選択した色によって回転体の回転動作が実行されるタイミングが異なることになる。このような制御を行うことにより、雰囲気中の水分量が変化し、現像剤量が変動した場合でも、色毎に適正な回転体の回転制御を行うことが可能となる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数の色の単色画像形成モードを有する画像形成装置においても、様々な環境において常に安定した高画質を維持することができる。
【0051】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
【0052】
本実施の形態における画像形成装置の構成は実施の形態1,2のそれと同様であるが、ここでは環境センサーによって所定の時間毎に雰囲気中の水分量を検知し、この検出値の履歴に基づいて現像容器内の現像剤量を予測し、この予測値に基づいて補給現像剤量を補正することを特徴としている。
【0053】
画像形成装置を使用中に急激な環境の変動があった場合、環境の変動に応じて環境センサーの検出値は変化するが、一方、現像剤はすぐにはその環境に馴染むことはできない。そこで、急激に環境が変動した直後に環境センサーの検出値に従って回転体の回転動作を制御すると、現像容器内の現像剤量は環境が変動する前のままであるため、実際に必要な回転動作と合わなくなる可能性がある。
【0054】
そこで、本実施の形態では、所定の時間、ここでは30分毎に環境センサーによって雰囲気中の水分量を検知し、この履歴を過去12回分記憶しておく。そして、その履歴の古い方から数えて1〜4番目までの平均水分量を算出し、この値に基づいて前述したような現像剤補給量の補正を行う。このような制御を行うことによって、雰囲気中の水分量が急激に変化した場合でも、現像剤の状態を正確に把握することができるため、適正な回転体の回転動作制御を行うことが可能となる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、トナーとキャリアから成る2成分現像剤によって像担持体上に形成された静電潜像を各色毎に現像する現像装置と、前記現像装置に補給するための前記トナー及び前記キャリアを混合した補給現像剤を収容するための補給現像剤収容部と、前記現像装置から排出された排出現像剤を収容するための排出現像剤収容部とから成る画像形成部を複数有し、該複数の画像形成部を回転可能な回転体内に収容し、該回転体の回転動作により、前記画像形成部を像担持体との対向部へと移動することによって像担持体上に形成された静電潜像を現像する画像形成装置において、前記現像装置は現像容器に設けられた所定高さの排出口により、内部に収容された前記2成分現像剤を排出口を乗り越えた分だけ現像容器外へ排出し、前記回転体の回転動作によって該排出現像剤を前記排出現像剤収容部へと搬送する構成とされるとともに、環境センサーの検出する値によって、前記現像容器内に収容された前記2成分現像剤の重量を予測し、該予測値に基づいて前記回転体の回転動作を制御するようにしたため、現像剤を徐々に自動交換してメンテナンス性を向上させた画像形成装置において、環境変動があった場合でも排出現像剤を搬送するための回転体の回転動作を適正に制御し、ダウンタイムを短縮するとともに、高画質を維持することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の現像装置の断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置要部の断面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の現像剤カートリッジの一部を破断した斜視図である。
【図4】回転体の回転動作により現像剤が排出現像剤収容部に搬送される様子を説明する図である。
【図5】環境による回転体の回転制御テーブルを示す図である。
【図6】現像剤の色毎、環境毎による回転体の回転制御テーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 現像装置
2 現像容器
5 現像剤カートリッジ
5a 補給現像剤収容部
5b 回収現像剤収容部(排出現像剤収容部)
7 撹拌部材
18 回転体
21 帯電器
22 レーザー
24 中間転写体ベルト
25 搬送ベルト
26 定着器
27 記録紙
28 感光ドラム(像担持体)
Claims (1)
- トナーとキャリアから成る2成分現像剤によって像担持体上に形成された静電潜像を各色毎に現像する現像装置と、前記現像装置に補給するための前記トナー及び前記キャリアを混合した補給現像剤を収容するための補給現像剤収容部と、前記現像装置から排出された排出現像剤を収容するための排出現像剤収容部とから成る画像形成部を複数有し、該複数の画像形成部を回転可能な回転体内に収容し、該回転体の回転動作により前記画像形成部を像担持体との対向部へと移動することによって像担持体上に形成された静電潜像を現像する画像形成装置において、
前記現像装置は現像容器に設けられた所定高さの排出口により、内部に収容された前記2成分現像剤を排出口を乗り越えた分だけ現像容器外へ排出し、前記回転体の回転動作によって排出現像剤を前記排出現像剤収容部へと搬送する構成とされるとともに、環境センサーの検出値によって、前記現像容器内に収容可能な2成分現像剤の重量を予測し、該予測値に基づいて前記回転体の回転動作を制御するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003021474A JP2004233605A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003021474A JP2004233605A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 画像形成装置 |
Publications (1)
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JP2004233605A true JP2004233605A (ja) | 2004-08-19 |
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ID=32950800
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JP2003021474A Withdrawn JP2004233605A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2004233605A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007065581A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-15 | Ricoh Co Ltd | 現像装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 |
US8649708B2 (en) | 2011-01-12 | 2014-02-11 | Kyocera Document Solutions Inc. | Developing apparatus and image forming apparatus including the same |
-
2003
- 2003-01-30 JP JP2003021474A patent/JP2004233605A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007065581A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-15 | Ricoh Co Ltd | 現像装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 |
US8649708B2 (en) | 2011-01-12 | 2014-02-11 | Kyocera Document Solutions Inc. | Developing apparatus and image forming apparatus including the same |
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