JP2004233450A - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV等の(超)遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種の放射線による微細加工に適した化学増幅型レジストとして使用される感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.20μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。
しかし、従来のリソグラフィープロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルでの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、0.25μm以下のレベルにおける微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトルやエキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)、電子線等が注目されている。
【0003】
上記短波長の放射線に適した感放射線性樹脂組成物として、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射(以下、「露光」という)により酸を発生する感放射線性酸発生剤との間の化学増幅効果を利用した組成物(以下、「化学増幅型感放射線性組成物」という)が数多く提案されている。
化学増幅型感放射線性組成物としては、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と感放射線性酸発生剤とを含有する組成物が提案されている。この組成物は、露光により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基もしくはt−ブチルカーボナート基が解離して、該重合体がカルボキシル基やフェノール性水酸基からなる酸性基を形成し、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。このような感放射線性樹脂組成物においては、露光により発生する酸が未露光部にまで拡散してしまい、高解像度のレジストが得られないという問題があった。このため、酸拡散制御剤として、アミン類等の塩基性化合物を用いることが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−127369号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平6−266111号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平7−146558号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フォトリソプロセスに用いられるレジスト材料においてレジスト性能のみならず、レジスト溶液自身の保存安定性も非常に重要であるという問題がある。特に近年の微細化にともないその要求性能(パターン形状、保存安定性、高解像度、LER等)はますます厳しくなってきており、感放射線性樹脂組成物を構成する樹脂、酸発生剤、酸拡散抑制剤、添加剤、溶媒などの組成物自身、および、レジスト溶液としての安定性が劣ると、微細化にともなう要求性能を満足しなくなるおそれがある。
保存安定性を向上させる上において、酸拡散抑制剤は特に重要な意味を有しており、酸拡散抑制剤以外のレジスト組成物との反応性が強く問題となることがある。例えば、塩基性が強いアミン化合物等を酸拡散抑制剤として用いた場合、酸拡散抑制効果は十分に得られるが、レジスト組成物中で酸発生剤、樹脂、添加剤、溶媒などを分解する場合があるため、レジスト組成物としての保存安定性が悪くなる。一方、塩基性が弱いアミン化合物等を用いると、レジスト溶液中での保存安定性に優れていても十分な酸拡散抑制効果が得られないことが多く、また、環境中の塩基性物質の影響を受けやすくなり、環境耐性が悪くなる場合がある。さらに、酸拡散抑制剤の分子設計においては、沸点、昇華性、熱分解温度、レジスト溶液に対する溶解性、結晶性等の諸物性および、それらのトータルバランスが重要であり、これまで多くの酸拡散抑制剤が検討されている。しかしながら、従来の酸拡散抑制剤では近年の微細化にともなう厳しい要求性能には適用できなくなりつつあり、上述のトータルバランスに優れた酸拡散抑制剤が望まれている。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、活性放射線、例えば、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーもしくはF2エキシマレーザー、EUVに代表される遠紫外線、もしくは電子線などに感応する化学増幅型レジスト用途に、近年の微細化にともなう厳しい要求性能(高解像度、LER、レジストパターン等)を満足するとともに、レジスト溶液自身に優れた保存安定性を付与できる酸拡散抑制剤を含む感放射線性樹脂組成物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、下記式(1)で表される化合物(A)と、感放射線性酸発生剤(B)と、アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性であって酸の作用によりアルカリ易溶性となる酸解離性基含有樹脂(C)とを含有するポジ型感放射線性樹脂組成物であることを特徴とする。
【化3】
(1)式中、R1は炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基を示し、R2、R3、R4、およびR5は、互いに独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホニル基、水酸基、カルボニル基、および、それらを含有するアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換もしくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、Arは置換もしくは非置換のアリール基を示し、R1〜R5から選ばれる2つが相互に結合して、ヘテロ原子を含む環を形成してもよく、これらを介して二量体もしくは多量体を形成していてもよい。
【0007】
また、本発明の他の感放射線性樹脂組成物は、上記式(1)で表される化合物(A)と、感放射線性酸発生剤(B)と、アルカリ可溶性樹脂(D)と、酸の存在下で前記アルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(E)とを含有するネガ型感放射線性樹脂組成物であることを特徴とする。
【0008】
式(1)で表される窒素含有化合物を感放射線性樹脂組成物に配合することにより、感放射線性樹脂組成物としての十分な酸拡散抑制効果が得られるとともに、感放射線性樹脂組成物の保存安定性に優れる。式(1)で表される窒素含有化合物は、従来の酸拡散抑制剤として用いられているトリアルキルアミン類に比べ塩基性が弱いため、感放射線性樹脂組成物中で酸発生剤の求核的な反応による分解を抑制でき、保存安定性が向上したためと考えられる。一方、窒素原子上の水素原子を電子供与性置換基であるアルキル基で置換しているため、適度な塩基性向上が認められ、酸拡散抑制効果と保存安定性とのトータルバランスに優れた酸拡散抑制剤が得られた。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記式(1)におけるR1が示す、炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ドデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基;
シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基等の炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基等が挙げられる。
【0010】
また、上記アルキル基は置換されていてもよく、この置換基としては、ヒドロキシル基;ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基;フェニル基、トルイル基、ベンジル基、メチルベンジル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20のアリール基;ビニル基、プロペニル基等の炭素原子数1〜20のアルケニル基等が挙げられる。
炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基の中で、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、または、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
【0011】
上記式(1)におけるR2〜R5が示す、炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ドデシル基等が挙げられる。
また、炭素数3〜20の置換もしくは非置換の脂環族基としては、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基等の有橋脂環式炭化水素基等が挙げられる。
また、炭素数2〜20のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基等が挙げられる。
また、置換もしくは非置換のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、ベンジル基、メチルベンジル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
また、置換もしくは非置換のヘテロアリール基とは、置換もしくは非置換のアリール基中に硫黄原子、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を1個以上含む基であり、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基等が挙げられる。
【0012】
上記式(1)におけるR2〜R5が示す、アルキル基、脂環族基、アルケニル基、アリール基、またはヘテロアリール基は置換されていてもよく、この置換基としては、ヒドロキシル基;カルボキシル基;ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシル基;シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、t−ブトキシカルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニルアルコキシ基;フッ素、塩素などのハロゲン原子;フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等のフルオロアルキル基等が挙げられる。
【0013】
また、R1〜R5は、選ばれた2つが結合して、ヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。これは、上記R1〜R5うち選ばれた2つにおいて、各1個の原子または基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合するか、または該残基が硫黄原子、酸素原子および窒素原子等のヘテロ原子あるいはメチレン基、エチレン基等の2価のアルキル基等の2価の有機基を介して結合することにより、環状構造を形成していてもよい。また、R1〜R5は、これらを介して二量体もしくは多量体を形成していてもよい。例えば、後述する化合物(A)の具体例として[化11]に表す構造を有する化合物群が挙げられる。
【0014】
上記式(1)におけるArが示す、置換もしくは非置換のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
【0015】
上記式(1)で表される化合物(A)の具体例を以下に例示する。なお、本発明において、式(1)で表される化合物(A)は単体で、もしくは2種類以上の組み合わせで用いることができ、後述するその他の酸拡散抑制剤と組み合わせて用いることもできる。なお、以下の例示および本発明において、Phはフェニル基を示す。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0016】
本発明に使用できる酸発生剤(B)としては、▲1▼オニウム塩化合物、▲2▼スルホン化合物、▲3▼スルホン酸エステル化合物、▲4▼スルホンイミド化合物、▲5▼ジアゾメタン化合物、▲6▼ジスルホニルメタン化合物等が挙げられる。
以下に、これらの酸発生剤(B)の例を示す。
【0017】
▲1▼オニウム塩化合物:
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(但し、テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
オニウム塩化合物の具体例としては、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−トリフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート等が挙げられる。
【0018】
▲2▼スルホン化合物:
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等が挙げられる。スルホン化合物の具体例としては、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホン等が挙げられる。
【0019】
▲3▼スルホン酸エステル化合物:
スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等が挙げられる。
スルホン酸エステル化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ピロガロールトリス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート)、ピロガロールトリス(メタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、α−メチロールベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾインn−オクタンスルホネート、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホネート、α−メチロールベンゾインn−ドデカンスルホネート等が挙げられる。
【0020】
▲4▼スルホンイミド化合物:
スルホンイミド化合物としては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
【化13】
式中、Vはアルキレン基、アリーレン基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、R6はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。
【0021】
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、
【0022】
N−(p−トルエンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2ートリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、
【0023】
N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、
【0024】
N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−{(5−メチル−5−カルボキシメタンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)スルホニルオキシ}スクシンイミド等が挙げられる。
【0025】
▲5▼ジアゾメタン化合物:
ジアゾメタン化合物としては、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
【0026】
【化14】
式中、R7およびR8は相互に独立にアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。
【0027】
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキサンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メタンスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキサンスルホニル−1,1−ジメチルエチルスルホニルジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエタンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ドデカン−8−スルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
【0028】
▲6▼ジスルホニルメタン化合物:
ジスルホニルメタン化合物としては、例えば、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
【化15】
式中、R9およびR10は相互に独立に直鎖状もしくは分岐状の1価の脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、XおよびYは相互に独立にアリール基、水素原子、直鎖状もしくは分岐状の1価の脂肪族炭化水素基またはヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、かつXおよびYの少なくとも一方がアリール基であるか、もしくはXとYが相互に連結して少なくとも1個の不飽和結合を有する単環または多環を形成しているか、もしくは下記式(4−1)で表される基を形成している。
【化16】
(但し、X’およびY’は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示すか、もしくは同一のもしくは異なる炭素原子に結合したX’とY’が相互に連結して炭素単環構造を形成しており、複数存在するX’およびY’はそれぞれ相互に同一でも異なってもよく、nは2〜10の整数である。)
【0029】
酸発生剤(B)としては、▲1▼オニウム塩化合物および▲4▼スルホンイミド化合物が好ましく、特に、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−トリフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロメチルベンゼンスルホネート、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドおよびN−{(5−メチル−5−カルボキシメタンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)スルホニルオキシ}スクシンイミドの群から選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0030】
本発明に使用できる酸解離性基含有樹脂(C)は、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の1種以上の酸性官能基を含有する樹脂中の酸性官能基の水素原子を、酸の存在下で解離することができる1種以上の酸解離性基で置換した、それ自体としてはアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂である。ここで言う「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、酸解離性基含有樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されるレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに酸解離性基含有樹脂のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
【0031】
酸解離性基含有樹脂における上記酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等が挙げられる。
上記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、4−ブロモフェナシル基、4−メトキシフェナシル基、4−メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、4−ブロモベンジル基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−メチルチオベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
また、上記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等が挙げられる。
【0032】
また、上記1−置換−n−プロピル基としては、例えば、1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基等が挙げられる。
また、上記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等が挙げられる。
また、上記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
また、上記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等が挙げられる。
また、上記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0033】
また、上記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等が挙げられる。
さらに、上記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等が挙げられる。
【0034】
これらの酸解離性基のうち、ベンジル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基等が好ましい。
酸解離性基含有樹脂中における酸解離性基の導入率(酸解離性基含有樹脂中の酸性官能基と酸解離性基との合計数に対する酸解離性基の数の割合)は、酸解離性基や該基が導入されるアルカリ易溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは15〜100%である。
【0035】
酸解離性基含有樹脂は、例えば、予め製造したアルカリ易溶性樹脂に1種以上の酸解離性基を導入する方法のほか、酸解離性基を有する1種以上の重合性不飽和単量体を、場合により1種以上の他の重合性不飽和単量体と共に、(共)重合する方法、酸解離性基を有する1種以上の重縮合成分を、場合により1種以上の他の重縮合成分と共に、(共)重縮合する方法等によって製造することができる。
酸解離性基含有樹脂を製造する際の酸解離性基を有する重合性不飽和単量体のの(共)重合は、単量体や反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤もしくは重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合方法により実施することができ、また酸解離性基を有する重縮合成分の(共)縮合は、酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で(共)重縮合することによって製造することができる。
【0036】
酸解離性基含有樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは1,000〜500,000、さらに好ましくは3,000〜300,000である。
また、樹脂のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算数分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜10、好ましくは1〜5である。
【0037】
KrFエキシマレーザーを用いる感放射線性樹脂組成物に特に好適に用いられる酸解離性基含有樹脂としては、下記式(5)で表される繰り返し単位および酸解離性基を有する繰り返し単位を含むアルカリ不(難)溶性樹脂(以下、「樹脂(C1)」ともいう)が好ましい。樹脂(C1)は、F2エキシマレーザー、電子線等を用いる感放射線性樹脂組成物にも好適に用いることができる。
【化17】
式中、R11は水素原子または1価の有機基を示す。またaおよびbは1〜3の整数を表す。
【0038】
上記式(5)で表される繰り返し単位としては、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、αーメチルヒドロキシスチレン、3−メチル4−ヒドロキシスチレン、2−メチル4−ヒドロキシスチレン、2−メチル3−ヒドロキシスチレン、4−メチル3−ヒドロキシスチレン、5−メチル3−ヒドロキシスチレン、3,4ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン等の非芳香族二重結合が開裂した単位が挙げられる。これらのうち、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、αーメチルヒドロキシスチレン等の非芳香族二重結合が開裂した単位が好ましい。
【0039】
酸解離性基を含む繰り返し単位としては、上記繰り返し単位のフェノール性水酸基もしくはカルボキシル基を、上述した酸解離性基で保護した繰り返し単位が挙げられる。
【0040】
樹脂(C1)における他の繰返し単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、4−(2’−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−テトラヒドロフラニルオキシスチレン、4−テトラヒドロピラニルオキシスチレン等のビニル芳香族化合物;
【0041】
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、下記式(6)〜(8)で表される単量体等の(メタ)アクリル酸エステル類;
【化18】
(式中、nは1以上6以下の整数を表す。)
【0042】
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、けい皮酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル等の不飽和カルボン酸のカルボキシアルキルエステル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド等の不飽和アミド化合物;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド化合物;N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、4−ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物等の重合性不飽和結合が開裂した単位が挙げられる。
【0043】
これらの他の繰返し単位のうち、スチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、4−(2’−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、上記式(6)および(7)で表される単量体等の重合性不飽和結合が開裂した単位が好ましい。
【0044】
ArFエキシマレーザーを用いる感放射線性樹脂組成物に特に好適な酸解離性基含有樹脂(C)としては、例えば、下記式(9)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(9)」という)および下記式(10)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(10)」という)から選ばれる少なくとも1種以上を含有し、かつ、下記式(11)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(11)」という)を少なくとも1種以上含有することを特徴とするアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂(以下、「樹脂(C2)」という)が好ましい。なお、樹脂(C2)は、F2エキシマレーザー、電子線等の他の放射線を用いる感放射線性樹脂組成物にも好適に使用することができる。
【化19】
式(9)、(10)および(11)において、Rは互いに独立に水素あるいはメチル基を表し、式(9)において、R12は相互に独立に水素原子、水酸基、シアノ基、または−COOR14基を表す。但し、R14が水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数3〜20の脂環式のアルキル基を表し、式(11)において、R13は相互に独立に炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体または1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、かつR13の少なくとも1つが該脂環式炭化水素基もしくはその誘導体であるか、あるいは何れか2つのR13が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子とともに炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を形成し、残りのR13が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を表す。
【0045】
上記繰り返し単位(9)の好ましい例としては、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−シアノアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3、5−ジカルボキシルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシル−5−ヒドロキシアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−メトキシカルボニル−5−ヒドロキシアダマンタン−1−イルエステルの重合性不飽和結合が開裂した単位が挙げられる。
【0046】
上記繰り返し単位(11)の好ましい例としては、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステルの重合性不飽和結合が開裂した単位が挙げられる。
【0047】
樹脂(C2)は、さらに他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
他の繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸−7−オキソー6−オキサービシクロ[3.2.1]オクター4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピランー4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メチルー2−オキソテトラヒドロピランー4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフランー3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフランー3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフランー2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチルー5−オキソテトラヒドロフランー2−イルメチルエステル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物、あるいは任意のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体あるいは、テトラシクロ[6.2.13,6.02,7]ドデカ−3−エン誘導体の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる。
【0048】
F2エキシマレーザーを用いる感放射線性樹脂組成物に特に好適に用いられる酸解離性基含有樹脂(C)としては、下記式(12)で表される繰り返し単位および下記式(13)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種を有するアルカリ不(難)溶性のポリシロキサン(以下、「樹脂(C3)」ともいう)が好ましい。樹脂(C3)は、ArFエキシマレーザー、電子線等を用いる感放射線性樹脂組成物にも好適に用いることができる。
【化20】
式中、Aは互いに独立に酸解離性基を有する1価の有機基を示し、R15は置換してもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基を示す。
【0049】
上記式(12)および(13)におけるAとしては、シクロアルキル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基等の脂環式炭化水素基や、当該脂環式炭化水素基のハロゲン化物、ハロゲン化芳香族炭化水素基を有する基が好ましい。特に、上記式(12)で表される繰り返し単位が好ましく、特に好ましい具体例としては、下記式(12−1)〜(12−4)で表される繰り返し単位が挙げられる。
【化21】
【化22】
【0050】
樹脂(C3)における他の繰返し単位としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシランを加水分解させた構造を有する繰り返し単位;下記式(12−5)〜(12−8)で表される繰り返し単位等を好ましいものとして挙げることができる。
【化23】
【0051】
樹脂(C3)は、酸解離性基を含有するシラン化合物を共縮合させるか、ポリシロキサンに酸解離性基を導入することにより得られる。酸解離性基を含有するシラン化合物を共縮合させる場合には、触媒として、酸性触媒を用いることが好ましい。特に、シラン化合物を酸性触媒の存在下で重縮合させた後、塩基性触媒を加えてさらに反応させることが好ましい。
【0052】
上記酸性触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等の無機酸類;蟻酸、酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水酢酸、無水マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸類が挙げられる。これらのうち、塩酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、無水酢酸、無水マレイン酸等が好ましい。
また、上記塩基性触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン等の有機塩基類が挙げられる。
【0053】
本発明に使用できるアルカリ可溶性樹脂(D)は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基を1種以上有する、アルカリ現像液に可溶な樹脂である。
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、下記式(14)〜(16)で表される繰返し単位を1種以上有する付加重合系樹脂、下記式(17)で表される繰返し単位を1種以上有する重縮合系樹脂等が挙げられる。
【化24】
式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、R16は水酸基、カルボキシル基、−R17COOH、−OR17COOH、−OCOR17COOHまたは−COOR17COOH(但し、R17は−(CH2)g−を示し、gは1〜4の整数である。)を示す。
【化25】
式中、各R18は相互に独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0054】
アルカリ可溶性樹脂が付加重合系樹脂の場合、上記式(14)〜(16)で表される繰返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、1種以上の他の繰返し単位をさらに有することもできる。
このような他の繰返し単位としては、例えば、上述した樹脂(C1)における他の繰り返し単位等が挙げられる。
上記付加重合系樹脂は、例えば式(14)〜(16)で表される繰返し単位に対応する単量体を、場合により上記他の繰返し単位を形成する単量体と共に、(共)重合することにより製造することができる。
これらの(共)重合は、単量体や反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤あるいは重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合方法により実施できる。
【0055】
また、アルカリ可溶性樹脂が重縮合系樹脂の場合、上記式(17)で表される繰返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、1種以上の他の繰返し単位をさらに有することもできる。このような重縮合系樹脂は、式(17)で表される繰返し単位に対応するフェノール類とアルデヒド類とを、場合により他の繰返し単位を形成しうる重縮合成分と共に、酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で(共)重縮合することによって製造することができる。
上記フェノール類としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等を挙げることができ、また上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等が挙げられる。
【0056】
アルカリ可溶性樹脂中の式(14)〜(17)で表される繰返し単位の含有率は、場合により含有される上記他の繰返し単位の種類により一概に規定できないが、好ましくは10〜100モル%、さらに好ましくは20〜100モル%である。
アルカリ可溶性樹脂は、式(14)、式(17)等で表されるような炭素−炭素不飽和結合を含有する繰返し単位を有する場合、水素添加物として用いることもできる。この場合の水素添加率は、式(14)、式(17)等で表される繰返し単位中に含まれる炭素−炭素不飽和結合の、通常、70%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。この場合、水素添加率が70%をこえると、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像液による現像性が低下するおそれがある。
【0057】
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、特に、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、p−ヒドロキシスチレン/p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン共重合体、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体等を主成分とする樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂のMwは、感放射線性樹脂組成物の所望の特性に応じて変わるが、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000である。
上記アルカリ可溶性樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0058】
上記アルカリ可溶性樹脂とともに、アルカリ溶解性制御剤を使用できる。
アルカリ溶解性制御剤としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基の水素原子を酸解離性基で置換した化合物が挙げられる。
このような酸解離性基としては、例えば、上記酸解離性基含有樹脂について例示した、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等の酸解離性基と同様の基が挙げられる。
アルカリ溶解性制御剤は、低分子化合物でも高分子化合物でもよいが、低分子化合物の具体例としては、下記式(18)〜(22)で表される化合物等が挙げられる。
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
式中、R19は互いに独立に酸解離性置換基を示し、R20は互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基または1−ナフチル基を示し、R21は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を示し、Bは単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−SO−、−SO2−、−C(R22)(R23)−(但し、R22およびR23は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜11のアシル基、フェニル基もしくは1−ナフチル基を示す。)または置換されてもよいフェニレン基を示し、p、q、r、s、t、u、v、wはそれぞれ0以上の整数(但し、式(18)においては、pは1以上の整数)である。
【0059】
また、高分子のアルカリ溶解性制御剤としては、例えば、前述した酸解離性基含有樹脂を使用することができる。アルカリ溶解性制御剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは5〜100重量部、特に好ましくは5〜50重量部である。この場合、アルカリ溶解性制御剤の配合量が5重量部未満では、残膜率の低下、パターンの膨潤等を来しやすくなる傾向があり、一方150重量部をこえると、膜面荒れや膜強度の低下を来しやすくなる傾向がある。
【0060】
本発明で使用できる酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(E)としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂との架橋反応性を有する1種以上の官能基(以下、「架橋性官能基」という。)を有する化合物が挙げられる。
上記架橋性官能基の具体例としては、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、アセトキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、イソプロペニル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基等が挙げられる。
【0061】
上記架橋性官能基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物、メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂、カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物、カルボキシメチル基含有フェノール化合物等が挙げられる。
【0062】
これらの架橋性官能基を有する化合物のうち、メチロール基含有フェノール化合物、メトキシメチル基含有メラミン化合物、メトキシメチル基含有フェノール化合物、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物、メトキシメチル基含有ウレア化合物およびアセトキシメチル基含有フェノール化合物が好ましく、さらに好ましくはメトキシメチル基含有メラミン化合物(例えばヘキサメトキシメチルメラミン等)、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物、メトキシメチル基含有ウレア化合物等である。メトキシメチル基含有メラミン化合物は、CYMEL300、CYMEL301、CYMEL303、CYMEL305(三井サイアナミッド(株)製)等の商品名で、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物はCYMEL1174(三井サイアナミッド(株)製)等の商品名で、またメトキシメチル基含有ウレア化合物は、MX290(三和ケミカル(株)製)等の商品名で、それぞれ市販されている。
【0063】
架橋剤としては、さらに、アルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基の水素原子を上記架橋性官能基で置換して、架橋剤としての性質を付与した化合物も好適に使用できる。その場合の架橋性官能基の導入率は、架橋性官能基や該基が導入されるアルカリ可溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、アルカリ可溶性樹脂中の全酸性官能基に対して、通常、5〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは15〜40モル%である。この場合、架橋性官能基の導入率が5モル%未満では、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を来しやすくなる傾向があり、また60モル%をこえると、露光部の現像性が低下する傾向がある。
本発明における架橋剤としては、特に、メトキシメチル基含有化合物、例えば、ジメトキシメチルウレア、テトラメトキシメチルグリコールウリル等が好ましい。架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0064】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の配合割合は、レジストの所望の特性に応じて変わるが、好ましい配合割合は、以下のとおりである。
先ず、ポジ型感放射線性樹脂組成物において、化合物(A)の配合量は、酸解離性基含有樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜15重量部、さらに好ましくは0.001〜10重量部、特に好ましくは0.005〜5重量部である。この場合、化合物(A)の配合量が0.001重量部未満では、本発明の効果が十分得られない場合があり、一方15重量部をこえると、感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。
また、酸発生剤(B)の配合量は、酸解離性基含有樹脂100重量部当たり、好ましくは0.01〜70重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部である。この場合、酸発生剤(B)の配合量が0.01重量部未満では、感度や解像度が低下する傾向があり、一方70重量部をこえると、レジストの塗布性やパターン形状の劣化を来しやすくなる傾向がある。
【0065】
次に、ネガ型感放射線性樹脂組成物において、化合物(A)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜15重量部、さらに好ましくは0.001〜10重量部、特に好ましくは0.005〜5重量部である。この場合、化合物(A)の配合量が0.001重量部未満では、本発明の効果が十分得られない場合があり、一方15重量部をこえると、感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。
また、酸発生剤(B)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは0.01〜70重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部である。この場合、酸発生剤(B)の配合量が0.01重量部未満では、感度や解像度が低下する傾向があり、一方70重量部をこえると、レジストの塗布性やパターン形状の劣化を来しやすくなる傾向がある。
また、アルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(E)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは5〜95重量部、さらに好ましくは15〜85重量部、特に好ましくは20〜75重量部である。この場合、化合物(E)の配合量が5重量部未満では、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を来しやすくなる傾向があり、一方95重量部をこえると、露光部の現像性が低下する傾向がある。
【0066】
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、化合物(A)以外の酸拡散制御剤(以下、「他の酸拡散制御剤」という。)、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を配合することができる。また、酸解離性基含有樹脂を用いるポジ型感放射線性樹脂組成物に対しては、さらに上記アルカリ可溶性樹脂および/またはアルカリ溶解性制御剤を配合することもできる。
【0067】
他の酸拡散制御剤:
本発明においては、さらに、露光により酸発生剤(B)あるいは他の酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することが好ましい。
このような酸拡散制御剤を使用することにより、レジストとして解像度が向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記式(23)で表される化合物、
【化30】
(式(23)において、R24、R25およびR26は独立に水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアラルキル基を示す)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物、窒素原子を3個以上有するジアミノ重合体、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環式化合物等が挙げられる。
【0068】
界面活性剤:
界面活性剤は、感放射線性樹脂組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す。このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤である。
【0069】
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等のほか、以下商品名で、KP(信越化学工業製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業製)、エフトップ(トーケムプロダクツ製)、メガファック(大日本インキ化学工業製)、フロラード(住友スリーエム製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子製)等の各シリーズが挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、界面活性剤の有効成分として、通常、2重量部以下である。
【0070】
増感剤:
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(A)あるいは他の酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すもので、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する。
好ましい増感剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等である。
これらの増感剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。増感剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
【0071】
また、染料あるいは顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
さらに、他の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等が挙げられる。
【0072】
溶剤:
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物は、使用時に、固形分濃度が例えば5〜50重量%となるように溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
【0073】
上記溶剤としては、例えば、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、(ハロゲン化)炭化水素類等を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、酢酸エステル類、ヒドロキシ酢酸エステル類、乳酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、(非)環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エステル類、プロピオン酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン類、γ−ラクトン類、(ハロゲン化)脂肪族炭化水素類、(ハロゲン化)芳香族炭化水素類等が挙げられる。
【0074】
このような溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、イソプロペニルアセテート、イソプロペニルプロピオネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
【0075】
これらの溶剤のうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヘプタノン、乳酸エステル類、2−ヒドロキシプロピオン酸エステル類、3−アルコキシプロピオン酸エステル類等が好ましい。
上記溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに上記溶剤には、必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アセトニトリル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を1種以上添加することもできる。
【0076】
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前述のようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成したのち、加熱処理(以下、「PB」という。)を行ない、次いで所定のマスクパターンを介して該レジスト被膜に露光する。その際に使用することができる放射線としては、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)等の遠紫外線が好ましいが、酸発生剤(B)の種類に応じて、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等を使用することもできる。また、放射線量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
露光後、レジストのみかけの感度を向上させるために、加熱処理(以下、「PEB」という。)を行なうことが好ましい。その加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
その後、アルカリ現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成させる。
上記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の1種以上を、通常、1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。特に好ましいアルカリ現像液は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液である。
また、上記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、このようにアルカリ性水溶液からなる現像液を使用する場合には、一般に、現像後、水洗する。
【0077】
【実施例】
式(1)で表される化合物(A)の合成を以下のように行なった。
合成例1
1−メチル−2−フェニルベンズイミダゾールの合成
フラスコ内で、2−フェニルベンズイミダゾール19.4g(0.10モル)をメタノール158.2gに溶解し、撹拌しながら、ヨードメタン24.1g(0.17モル)を加えたのち、還流し反応させた後、冷却し、水酸化カリウム7.0g(0.12モル)を加えて、30分間加熱撹拌した。その後反応溶液をろ過した後、反応溶液を減圧除去し、トルエンを加えて抽出した。その後、最後に得られたトルエン溶液相を、溶液が中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水したのち、トルエンを減圧除去し、室温で真空乾燥した。得られた化合物は塩化メチレンに溶解後、カラムクロマトグラフィー(展開溶液:塩化メチレン/メタノール=95/5(v/v)混合溶液)によって精製を行ない、下記式(A−1)で表される1−メチル−2−フェニルベンズイミダゾールを2.8g得た。この化合物を酸拡散抑制剤(A−1)とする。酸拡散抑制剤(A−1)の構造は1H−NMR分析および質量分析によって同定した(1H NMR(270MHz,Acetone−d6): δ=7.88−7.83(m,2H, Ar), 7.70−7.65(m,1H, Ar), 7.59−7.46(m,4H,Ar),7.31−7.21(m,2H,Ar), 3.89(s,3H,Me) ppm. FAB Mass:(M+H)+ Calcd. for C14H12N2: 208.10, Found: 209.)。
【化31】
【0078】
合成例2
1−ベンジル−2−フェニルベンズイミダゾールの合成
フラスコ内で、2−フェニルベンズイミダゾール10.0g(51.5ミリモル)をメタノール100.0gに溶解し、撹拌しながら、ベンジルブロマイド17.6g(103.0ミリモル)を加えたのち、還流し反応させた後、冷却し、水酸化カリウム4.3g(77.2ミリモル)を加えて、30分間加熱撹拌した。その後反応溶液をろ過した後、反応溶液を減圧除去し、トルエンを加えて抽出した。その後、最後に得られたトルエン溶液相を、溶液が中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水したのち、トルエンを減圧除去し、室温で真空乾燥した。得られた化合物は塩化メチレンに溶解後、カラムクロマトグラフィー(展開溶液:塩化メチレン/メタノール=95/5(v/v)混合溶液)によって精製を行ない、下記式(A−2)で表される1−ベンジル−2−フェニルベンズイミダゾールを735mg得た。この化合物を酸拡散抑制剤(A−2)とする。酸拡散抑制剤(A−2)の構造は1H−NMR分析および質量分析によって同定した(1H NMR(270MHz,Acetone−d6): δ=7.79−7.72(m,3H, Ar), 7.53−7.49(m,3H,Ar), 7.40−7.19(m,6H,Ar), 7.12−7.09(m,2H,Ar), 5.62(s,2H,−CH 2Ph) ppm.FAB Mass:(M+H)+ Calcd. for C20H16N2: 284.13, Found: 285.)。
【化32】
【0079】
合成例3
3−(2−フェニルベンズイミダゾール−1−イル)プロパノールの合成
フラスコ内で、2−フェニルベンズイミダゾール10.0g(51.5ミリモル)をメタノール79.2gに溶解し、撹拌しながら、3−ブロモ−1−プロパノール7.88g(56.6ミリモル)を加えたのち、還流し反応させた後、冷却し、水酸化カリウム3.18g(56.7ミリモル)を加えて、30分間加熱撹拌した。その後反応溶液をろ過した後、反応溶液を減圧除去し、トルエンを加えて抽出した。その後、最後に得られたトルエン溶液相を、溶液が中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水したのち、トルエンを減圧除去し、室温で真空乾燥した。得られた化合物は塩化メチレンに溶解後、カラムクロマトグラフィー(展開溶液:塩化メチレン/メタノール=95/5(v/v)混合溶液)によって精製を行ない、下記式(A−3)で表される3−(2−フェニルベンズイミダゾール−1−イル)プロパノールを1.0g得た。この化合物を酸拡散抑制剤(A−3)とする。酸拡散抑制剤(A−3)の構造は1H−NMR分析および質量分析によって同定した(1H NMR(270MHz,CDCl3): δ=7.80−7.76(m,1H, Ar), 7.66−7.63(m,2H, Ar), 7.44−7.41(m,4H,Ar), 7.31−7.26(m,2H,Ar), 4.31(t,J=7.4Hz,2H,−CH 2CH2CH2OH), 3.51(t,J=5.8Hz,2H,−CH2CH2CH 2OH), 3.22(br,1H,−OH), 1.99−1.89(m,2H,−CH2CH 2CH2OH)ppm. FAB Mass:(M+H)+ Calcd. for C16H16N2O: 252.13, Found :253.)。
【化33】
【0080】
合成例4
1,4−ビス−(2−フェニルベンズイミダゾール−1−イル−メチル)ベンゼンの合成
フラスコ内で、2−フェニルベンズイミダゾール10.0g(51.5ミリモル)をメタノール80.0gに溶解し、撹拌しながら、α,α’−ジブロモ−p−キシレン29.89g(113.3ミリモル)を加えたのち、還流し反応させた後、冷却し、水酸化カリウム6.36g(113.3ミリモル)を加えて、30分間加熱撹拌した。その後反応溶液をろ過した後、反応溶液を減圧除去し、トルエンを加えて抽出した。その後、最後に得られたトルエン溶液相を、溶液が中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水したのち、トルエンを減圧除去し、室温で真空乾燥した。得られた化合物は塩化メチレンに溶解後、カラムクロマトグラフィー(展開溶液:塩化メチレン/メタノール=95/5(v/v)混合溶液)によって精製を行ない、下記式(A−4)で表される1,4−ビス−(2−フェニルベンズイミダゾール−1−イル−メチル)ベンゼンを1.1g得た。この化合物を酸拡散抑制剤(A−4)とする。
【化34】
【0081】
以下に記載の方法により、酸解離性基含有樹脂(C−1)〜(C−5)を合成した。また、得られた酸解離性基含有樹脂(C−1)〜(C−5)のMwおよびMnは、東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、G4000HXL1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0082】
合成例5
酸解離性基含有樹脂(C−1)の合成
p−アセトキシスチレン101g、スチレン5g、p−t−ブトキシスチレン42g、AIBN6gおよびt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して16時間重合させた。重合後、反応溶液を大量のヘキサン中に滴下して、生成した樹脂を凝固精製した。次いで、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、さらにメタノール300g、トリエチルアミン80gおよび水15gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行なった。反応後、溶剤およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解し、次いで大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが16,000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとp−t−ブトキシスチレンとの共重合モル比が72:5:23であった。この樹脂を樹脂(C−1)とする。
【0083】
合成例6
酸解離性基含有樹脂(C−2)の合成
モル比92:8のp−ヒドロキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン共重合物25gをプロピレングリコールモノメチルアセテート100gに溶解して、窒素ガスにより30分間バブリングを行なった。次いで、この溶液にエチルビニルエーテル3.3gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加し、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を沈殿させ、ろ過した後、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが13,000、Mw/Mnが1.8であった。また、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の23モル%がエトキシキシエチル基で、8モル%がt−ブチル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を樹脂(C−2)とする。
【0084】
合成例7
酸解離性基含有樹脂(C−3)の合成
メタクリル酸−5−オキソー4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナー2−イルエステル 53.69g(55モル%)、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル 46.31g(45モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.04gを投入したモノマー溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した1000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージする。窒素パージの後、反応釜を撹拌しながら80℃に加熱し、事前に準備したモノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別する。ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の樹脂を得た(63g、収率63%)。この樹脂は分子量が9,700であり、メタクリル酸−5−オキソー4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル、各繰り返し単位の含有率が59.6:40.4(モル%)の共合体であった。この樹脂を樹脂(C−3)とする。
【0085】
合成例8
酸解離性基含有樹脂(C―4)の合成
メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルエステル 16.13g(15モル%)、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル 40.58g(40モル%)とメタクリル酸−5−オキソー4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル 43.29g(45モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスイソブチレート3.99gを投入したモノマー溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した1000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージする。窒素パージの後、反応釜を撹拌しながら80℃に加熱し、事前に準備したモノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別する。ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の樹脂を得た(66g、収率66%)。この樹脂は分子量が8,900であり、メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルエステル、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル、メタクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、各繰り返し単位の含有率が13.7:38.2:48.1(モル%)の共重合体であった。この樹脂を樹脂(C−4)とする。
【0086】
合成例9
酸解離性基含有樹脂(C−5)の合成
撹拌機、還流冷却器および温度計を装着した3つ口フラスコに、下記式(24)で表されるシラン化合物1.52g、下記式(25)で表されるシラン化合物1.57g、メチルトリエトキシシラン1.91g、4−メチル−2−ペンタノン15g、1.75重量%しゅう酸水溶液1.31gを加えて、撹拌しつつ80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して反応を停止させた。その後、反応溶液を分液ロートに移して水層を除去し、さらにイオン交換水を加えて有機層を水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、有機層を減圧留去した。得られた樹脂は、Mwが2,500であった。この樹脂を樹脂(C−5)とする。
【化35】
【0087】
実施例1〜10および比較例1、2
表1(但し、部は重量に基づく)に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、組成物溶液を調製した。その後、各組成物溶液をシリコンウエハー上にスピンコートしたのち、表2に示す条件でPBを行なってレジスト被膜を形成した。
次いで、KrFエキシマレーザー(表2中、「KrF」と表示)を用いた実施例では、(株)ニコン製ステッパーNSR2205 EX12B(開口数0.55)を用い、ArFエキシマレーザー(表2中、「ArF」と表示)を用いた実施例では、ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.55)を用い、F2エキシマレーザー(表2中、「F2」と表示)を用いた実施例では、ULTRATECH社製F2エキシマレーザー露光装置 XLS(開口数0.60)を用い、また電子線を用いた実施例では、日立製作所(株)製直描用電子線描画装置HL700(加速電圧30KeV)を加速電圧50KeVに改良した装置を用いて、表2に示す条件で露光を行なったのち、表2に示す条件でPEBを行なった。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像したのち、純水で水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成した。各レジストの評価結果を表2に示す。
【0088】
ここで、各レジストの評価は、下記の要領で実施した。
感度:
シリコンウエハー上に形成したレジスト被膜に露光し、直ちにPEBを行なって、アルカリ現像したのち、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、線幅0.22μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量により感度を評価した。
解像度:
最適露光量で露光したときに解像されるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の最小寸法(μm)を解像度とした。
パターン形状:
シリコンウエハー上に形成した線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺の寸法La と上辺の寸法Lb とを、走査型電子顕微鏡を用いて測定して、0.85≦Lb /La ≦1 を満足するものを、パターン形状が「良好」であるとし、この条件を満たさないものを、パターン形状が「不良」であるとした。
保存安定性:
上記の方法で感放射線性樹脂組成物を調製し、感度を算出した被験サンプルを室温で1月静置し、再び感度を算出したときに、最初に算出した感度から比較して10%以上感度が変化しているものを「不良」、変化していないものを「良好」とした。
【0089】
その他の酸拡散制御剤、酸発生剤(B)、アルカリ可溶性樹脂(D)、架橋剤(E)、および溶剤(S)は下記のとおりである。
その他の酸拡散制御剤:
a−1:N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール
a−2:トリ−n−オクチルアミン
酸発生剤(B):
B−1:ビス(1,4―ジオキサスピロ[4.5]デカン−7―スルホニル)ジアゾメタン
B−2:2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸 トリフェニルスルホニウム
B−3:N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
B−4:N−(トリフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
B−5:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B−6:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
アルカリ可溶性樹脂(D)
D−1:p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(共重合モル比=78/22、Mw=3100、Mw/Mn=1.13、日本曹達(株)製 VPS3020)
架橋剤(E)
E−1:N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル
溶剤(S):
S−1:乳酸エチル
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−3:2−ヘプタノン
S−4:シクロヘキサノン
S−5:3−エトキシプロピオン酸エチル
【0090】
【表1】
【表2】
【0091】
【発明の効果】
本発明により、活性放射線、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーあるいはF2エキシマレーザーに代表される遠紫外線および電子線に感応する化学増幅型レジストとして、解像度、環境耐性、組成物としての保存安定性に優れた近年の微細化にともなう要求性能(パターン形状、保存安定性等)に適用できうる感放射性樹脂組成物を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV等の(超)遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種の放射線による微細加工に適した化学増幅型レジストとして使用される感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.20μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。
しかし、従来のリソグラフィープロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルでの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、0.25μm以下のレベルにおける微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトルやエキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)、電子線等が注目されている。
【0003】
上記短波長の放射線に適した感放射線性樹脂組成物として、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射(以下、「露光」という)により酸を発生する感放射線性酸発生剤との間の化学増幅効果を利用した組成物(以下、「化学増幅型感放射線性組成物」という)が数多く提案されている。
化学増幅型感放射線性組成物としては、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と感放射線性酸発生剤とを含有する組成物が提案されている。この組成物は、露光により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基もしくはt−ブチルカーボナート基が解離して、該重合体がカルボキシル基やフェノール性水酸基からなる酸性基を形成し、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。このような感放射線性樹脂組成物においては、露光により発生する酸が未露光部にまで拡散してしまい、高解像度のレジストが得られないという問題があった。このため、酸拡散制御剤として、アミン類等の塩基性化合物を用いることが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−127369号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平6−266111号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平7−146558号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フォトリソプロセスに用いられるレジスト材料においてレジスト性能のみならず、レジスト溶液自身の保存安定性も非常に重要であるという問題がある。特に近年の微細化にともないその要求性能(パターン形状、保存安定性、高解像度、LER等)はますます厳しくなってきており、感放射線性樹脂組成物を構成する樹脂、酸発生剤、酸拡散抑制剤、添加剤、溶媒などの組成物自身、および、レジスト溶液としての安定性が劣ると、微細化にともなう要求性能を満足しなくなるおそれがある。
保存安定性を向上させる上において、酸拡散抑制剤は特に重要な意味を有しており、酸拡散抑制剤以外のレジスト組成物との反応性が強く問題となることがある。例えば、塩基性が強いアミン化合物等を酸拡散抑制剤として用いた場合、酸拡散抑制効果は十分に得られるが、レジスト組成物中で酸発生剤、樹脂、添加剤、溶媒などを分解する場合があるため、レジスト組成物としての保存安定性が悪くなる。一方、塩基性が弱いアミン化合物等を用いると、レジスト溶液中での保存安定性に優れていても十分な酸拡散抑制効果が得られないことが多く、また、環境中の塩基性物質の影響を受けやすくなり、環境耐性が悪くなる場合がある。さらに、酸拡散抑制剤の分子設計においては、沸点、昇華性、熱分解温度、レジスト溶液に対する溶解性、結晶性等の諸物性および、それらのトータルバランスが重要であり、これまで多くの酸拡散抑制剤が検討されている。しかしながら、従来の酸拡散抑制剤では近年の微細化にともなう厳しい要求性能には適用できなくなりつつあり、上述のトータルバランスに優れた酸拡散抑制剤が望まれている。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、活性放射線、例えば、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーもしくはF2エキシマレーザー、EUVに代表される遠紫外線、もしくは電子線などに感応する化学増幅型レジスト用途に、近年の微細化にともなう厳しい要求性能(高解像度、LER、レジストパターン等)を満足するとともに、レジスト溶液自身に優れた保存安定性を付与できる酸拡散抑制剤を含む感放射線性樹脂組成物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、下記式(1)で表される化合物(A)と、感放射線性酸発生剤(B)と、アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性であって酸の作用によりアルカリ易溶性となる酸解離性基含有樹脂(C)とを含有するポジ型感放射線性樹脂組成物であることを特徴とする。
【化3】
(1)式中、R1は炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基を示し、R2、R3、R4、およびR5は、互いに独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホニル基、水酸基、カルボニル基、および、それらを含有するアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換もしくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、Arは置換もしくは非置換のアリール基を示し、R1〜R5から選ばれる2つが相互に結合して、ヘテロ原子を含む環を形成してもよく、これらを介して二量体もしくは多量体を形成していてもよい。
【0007】
また、本発明の他の感放射線性樹脂組成物は、上記式(1)で表される化合物(A)と、感放射線性酸発生剤(B)と、アルカリ可溶性樹脂(D)と、酸の存在下で前記アルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(E)とを含有するネガ型感放射線性樹脂組成物であることを特徴とする。
【0008】
式(1)で表される窒素含有化合物を感放射線性樹脂組成物に配合することにより、感放射線性樹脂組成物としての十分な酸拡散抑制効果が得られるとともに、感放射線性樹脂組成物の保存安定性に優れる。式(1)で表される窒素含有化合物は、従来の酸拡散抑制剤として用いられているトリアルキルアミン類に比べ塩基性が弱いため、感放射線性樹脂組成物中で酸発生剤の求核的な反応による分解を抑制でき、保存安定性が向上したためと考えられる。一方、窒素原子上の水素原子を電子供与性置換基であるアルキル基で置換しているため、適度な塩基性向上が認められ、酸拡散抑制効果と保存安定性とのトータルバランスに優れた酸拡散抑制剤が得られた。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記式(1)におけるR1が示す、炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ドデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基;
シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基等の炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基等が挙げられる。
【0010】
また、上記アルキル基は置換されていてもよく、この置換基としては、ヒドロキシル基;ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基;フェニル基、トルイル基、ベンジル基、メチルベンジル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20のアリール基;ビニル基、プロペニル基等の炭素原子数1〜20のアルケニル基等が挙げられる。
炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基の中で、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、または、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
【0011】
上記式(1)におけるR2〜R5が示す、炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ドデシル基等が挙げられる。
また、炭素数3〜20の置換もしくは非置換の脂環族基としては、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基等の有橋脂環式炭化水素基等が挙げられる。
また、炭素数2〜20のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基等が挙げられる。
また、置換もしくは非置換のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、ベンジル基、メチルベンジル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
また、置換もしくは非置換のヘテロアリール基とは、置換もしくは非置換のアリール基中に硫黄原子、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を1個以上含む基であり、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基等が挙げられる。
【0012】
上記式(1)におけるR2〜R5が示す、アルキル基、脂環族基、アルケニル基、アリール基、またはヘテロアリール基は置換されていてもよく、この置換基としては、ヒドロキシル基;カルボキシル基;ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシル基;シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、t−ブトキシカルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニルアルコキシ基;フッ素、塩素などのハロゲン原子;フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等のフルオロアルキル基等が挙げられる。
【0013】
また、R1〜R5は、選ばれた2つが結合して、ヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。これは、上記R1〜R5うち選ばれた2つにおいて、各1個の原子または基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合するか、または該残基が硫黄原子、酸素原子および窒素原子等のヘテロ原子あるいはメチレン基、エチレン基等の2価のアルキル基等の2価の有機基を介して結合することにより、環状構造を形成していてもよい。また、R1〜R5は、これらを介して二量体もしくは多量体を形成していてもよい。例えば、後述する化合物(A)の具体例として[化11]に表す構造を有する化合物群が挙げられる。
【0014】
上記式(1)におけるArが示す、置換もしくは非置換のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
【0015】
上記式(1)で表される化合物(A)の具体例を以下に例示する。なお、本発明において、式(1)で表される化合物(A)は単体で、もしくは2種類以上の組み合わせで用いることができ、後述するその他の酸拡散抑制剤と組み合わせて用いることもできる。なお、以下の例示および本発明において、Phはフェニル基を示す。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0016】
本発明に使用できる酸発生剤(B)としては、▲1▼オニウム塩化合物、▲2▼スルホン化合物、▲3▼スルホン酸エステル化合物、▲4▼スルホンイミド化合物、▲5▼ジアゾメタン化合物、▲6▼ジスルホニルメタン化合物等が挙げられる。
以下に、これらの酸発生剤(B)の例を示す。
【0017】
▲1▼オニウム塩化合物:
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(但し、テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
オニウム塩化合物の具体例としては、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−トリフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート等が挙げられる。
【0018】
▲2▼スルホン化合物:
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等が挙げられる。スルホン化合物の具体例としては、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホン等が挙げられる。
【0019】
▲3▼スルホン酸エステル化合物:
スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等が挙げられる。
スルホン酸エステル化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ピロガロールトリス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート)、ピロガロールトリス(メタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、α−メチロールベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾインn−オクタンスルホネート、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホネート、α−メチロールベンゾインn−ドデカンスルホネート等が挙げられる。
【0020】
▲4▼スルホンイミド化合物:
スルホンイミド化合物としては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
【化13】
式中、Vはアルキレン基、アリーレン基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、R6はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。
【0021】
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、
【0022】
N−(p−トルエンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2ートリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、
【0023】
N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、
【0024】
N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−{(5−メチル−5−カルボキシメタンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)スルホニルオキシ}スクシンイミド等が挙げられる。
【0025】
▲5▼ジアゾメタン化合物:
ジアゾメタン化合物としては、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
【0026】
【化14】
式中、R7およびR8は相互に独立にアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。
【0027】
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキサンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メタンスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキサンスルホニル−1,1−ジメチルエチルスルホニルジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエタンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ドデカン−8−スルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
【0028】
▲6▼ジスルホニルメタン化合物:
ジスルホニルメタン化合物としては、例えば、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
【化15】
式中、R9およびR10は相互に独立に直鎖状もしくは分岐状の1価の脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、XおよびYは相互に独立にアリール基、水素原子、直鎖状もしくは分岐状の1価の脂肪族炭化水素基またはヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、かつXおよびYの少なくとも一方がアリール基であるか、もしくはXとYが相互に連結して少なくとも1個の不飽和結合を有する単環または多環を形成しているか、もしくは下記式(4−1)で表される基を形成している。
【化16】
(但し、X’およびY’は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示すか、もしくは同一のもしくは異なる炭素原子に結合したX’とY’が相互に連結して炭素単環構造を形成しており、複数存在するX’およびY’はそれぞれ相互に同一でも異なってもよく、nは2〜10の整数である。)
【0029】
酸発生剤(B)としては、▲1▼オニウム塩化合物および▲4▼スルホンイミド化合物が好ましく、特に、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−トリフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロメチルベンゼンスルホネート、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドおよびN−{(5−メチル−5−カルボキシメタンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)スルホニルオキシ}スクシンイミドの群から選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0030】
本発明に使用できる酸解離性基含有樹脂(C)は、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の1種以上の酸性官能基を含有する樹脂中の酸性官能基の水素原子を、酸の存在下で解離することができる1種以上の酸解離性基で置換した、それ自体としてはアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂である。ここで言う「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、酸解離性基含有樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されるレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに酸解離性基含有樹脂のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
【0031】
酸解離性基含有樹脂における上記酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等が挙げられる。
上記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、4−ブロモフェナシル基、4−メトキシフェナシル基、4−メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、4−ブロモベンジル基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−メチルチオベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
また、上記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等が挙げられる。
【0032】
また、上記1−置換−n−プロピル基としては、例えば、1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基等が挙げられる。
また、上記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等が挙げられる。
また、上記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
また、上記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等が挙げられる。
また、上記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0033】
また、上記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等が挙げられる。
さらに、上記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等が挙げられる。
【0034】
これらの酸解離性基のうち、ベンジル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基等が好ましい。
酸解離性基含有樹脂中における酸解離性基の導入率(酸解離性基含有樹脂中の酸性官能基と酸解離性基との合計数に対する酸解離性基の数の割合)は、酸解離性基や該基が導入されるアルカリ易溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは15〜100%である。
【0035】
酸解離性基含有樹脂は、例えば、予め製造したアルカリ易溶性樹脂に1種以上の酸解離性基を導入する方法のほか、酸解離性基を有する1種以上の重合性不飽和単量体を、場合により1種以上の他の重合性不飽和単量体と共に、(共)重合する方法、酸解離性基を有する1種以上の重縮合成分を、場合により1種以上の他の重縮合成分と共に、(共)重縮合する方法等によって製造することができる。
酸解離性基含有樹脂を製造する際の酸解離性基を有する重合性不飽和単量体のの(共)重合は、単量体や反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤もしくは重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合方法により実施することができ、また酸解離性基を有する重縮合成分の(共)縮合は、酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で(共)重縮合することによって製造することができる。
【0036】
酸解離性基含有樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは1,000〜500,000、さらに好ましくは3,000〜300,000である。
また、樹脂のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算数分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜10、好ましくは1〜5である。
【0037】
KrFエキシマレーザーを用いる感放射線性樹脂組成物に特に好適に用いられる酸解離性基含有樹脂としては、下記式(5)で表される繰り返し単位および酸解離性基を有する繰り返し単位を含むアルカリ不(難)溶性樹脂(以下、「樹脂(C1)」ともいう)が好ましい。樹脂(C1)は、F2エキシマレーザー、電子線等を用いる感放射線性樹脂組成物にも好適に用いることができる。
【化17】
式中、R11は水素原子または1価の有機基を示す。またaおよびbは1〜3の整数を表す。
【0038】
上記式(5)で表される繰り返し単位としては、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、αーメチルヒドロキシスチレン、3−メチル4−ヒドロキシスチレン、2−メチル4−ヒドロキシスチレン、2−メチル3−ヒドロキシスチレン、4−メチル3−ヒドロキシスチレン、5−メチル3−ヒドロキシスチレン、3,4ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン等の非芳香族二重結合が開裂した単位が挙げられる。これらのうち、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、αーメチルヒドロキシスチレン等の非芳香族二重結合が開裂した単位が好ましい。
【0039】
酸解離性基を含む繰り返し単位としては、上記繰り返し単位のフェノール性水酸基もしくはカルボキシル基を、上述した酸解離性基で保護した繰り返し単位が挙げられる。
【0040】
樹脂(C1)における他の繰返し単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、4−(2’−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−テトラヒドロフラニルオキシスチレン、4−テトラヒドロピラニルオキシスチレン等のビニル芳香族化合物;
【0041】
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、下記式(6)〜(8)で表される単量体等の(メタ)アクリル酸エステル類;
【化18】
(式中、nは1以上6以下の整数を表す。)
【0042】
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、けい皮酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル等の不飽和カルボン酸のカルボキシアルキルエステル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド等の不飽和アミド化合物;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド化合物;N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、4−ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物等の重合性不飽和結合が開裂した単位が挙げられる。
【0043】
これらの他の繰返し単位のうち、スチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、4−(2’−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、上記式(6)および(7)で表される単量体等の重合性不飽和結合が開裂した単位が好ましい。
【0044】
ArFエキシマレーザーを用いる感放射線性樹脂組成物に特に好適な酸解離性基含有樹脂(C)としては、例えば、下記式(9)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(9)」という)および下記式(10)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(10)」という)から選ばれる少なくとも1種以上を含有し、かつ、下記式(11)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(11)」という)を少なくとも1種以上含有することを特徴とするアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂(以下、「樹脂(C2)」という)が好ましい。なお、樹脂(C2)は、F2エキシマレーザー、電子線等の他の放射線を用いる感放射線性樹脂組成物にも好適に使用することができる。
【化19】
式(9)、(10)および(11)において、Rは互いに独立に水素あるいはメチル基を表し、式(9)において、R12は相互に独立に水素原子、水酸基、シアノ基、または−COOR14基を表す。但し、R14が水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数3〜20の脂環式のアルキル基を表し、式(11)において、R13は相互に独立に炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体または1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、かつR13の少なくとも1つが該脂環式炭化水素基もしくはその誘導体であるか、あるいは何れか2つのR13が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子とともに炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を形成し、残りのR13が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を表す。
【0045】
上記繰り返し単位(9)の好ましい例としては、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−シアノアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3、5−ジカルボキシルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシル−5−ヒドロキシアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−メトキシカルボニル−5−ヒドロキシアダマンタン−1−イルエステルの重合性不飽和結合が開裂した単位が挙げられる。
【0046】
上記繰り返し単位(11)の好ましい例としては、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステルの重合性不飽和結合が開裂した単位が挙げられる。
【0047】
樹脂(C2)は、さらに他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
他の繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸−7−オキソー6−オキサービシクロ[3.2.1]オクター4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピランー4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メチルー2−オキソテトラヒドロピランー4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフランー3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフランー3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフランー2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチルー5−オキソテトラヒドロフランー2−イルメチルエステル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物、あるいは任意のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体あるいは、テトラシクロ[6.2.13,6.02,7]ドデカ−3−エン誘導体の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる。
【0048】
F2エキシマレーザーを用いる感放射線性樹脂組成物に特に好適に用いられる酸解離性基含有樹脂(C)としては、下記式(12)で表される繰り返し単位および下記式(13)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種を有するアルカリ不(難)溶性のポリシロキサン(以下、「樹脂(C3)」ともいう)が好ましい。樹脂(C3)は、ArFエキシマレーザー、電子線等を用いる感放射線性樹脂組成物にも好適に用いることができる。
【化20】
式中、Aは互いに独立に酸解離性基を有する1価の有機基を示し、R15は置換してもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基を示す。
【0049】
上記式(12)および(13)におけるAとしては、シクロアルキル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基等の脂環式炭化水素基や、当該脂環式炭化水素基のハロゲン化物、ハロゲン化芳香族炭化水素基を有する基が好ましい。特に、上記式(12)で表される繰り返し単位が好ましく、特に好ましい具体例としては、下記式(12−1)〜(12−4)で表される繰り返し単位が挙げられる。
【化21】
【化22】
【0050】
樹脂(C3)における他の繰返し単位としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシランを加水分解させた構造を有する繰り返し単位;下記式(12−5)〜(12−8)で表される繰り返し単位等を好ましいものとして挙げることができる。
【化23】
【0051】
樹脂(C3)は、酸解離性基を含有するシラン化合物を共縮合させるか、ポリシロキサンに酸解離性基を導入することにより得られる。酸解離性基を含有するシラン化合物を共縮合させる場合には、触媒として、酸性触媒を用いることが好ましい。特に、シラン化合物を酸性触媒の存在下で重縮合させた後、塩基性触媒を加えてさらに反応させることが好ましい。
【0052】
上記酸性触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等の無機酸類;蟻酸、酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水酢酸、無水マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸類が挙げられる。これらのうち、塩酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、無水酢酸、無水マレイン酸等が好ましい。
また、上記塩基性触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン等の有機塩基類が挙げられる。
【0053】
本発明に使用できるアルカリ可溶性樹脂(D)は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基を1種以上有する、アルカリ現像液に可溶な樹脂である。
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、下記式(14)〜(16)で表される繰返し単位を1種以上有する付加重合系樹脂、下記式(17)で表される繰返し単位を1種以上有する重縮合系樹脂等が挙げられる。
【化24】
式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、R16は水酸基、カルボキシル基、−R17COOH、−OR17COOH、−OCOR17COOHまたは−COOR17COOH(但し、R17は−(CH2)g−を示し、gは1〜4の整数である。)を示す。
【化25】
式中、各R18は相互に独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0054】
アルカリ可溶性樹脂が付加重合系樹脂の場合、上記式(14)〜(16)で表される繰返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、1種以上の他の繰返し単位をさらに有することもできる。
このような他の繰返し単位としては、例えば、上述した樹脂(C1)における他の繰り返し単位等が挙げられる。
上記付加重合系樹脂は、例えば式(14)〜(16)で表される繰返し単位に対応する単量体を、場合により上記他の繰返し単位を形成する単量体と共に、(共)重合することにより製造することができる。
これらの(共)重合は、単量体や反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤あるいは重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合方法により実施できる。
【0055】
また、アルカリ可溶性樹脂が重縮合系樹脂の場合、上記式(17)で表される繰返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、1種以上の他の繰返し単位をさらに有することもできる。このような重縮合系樹脂は、式(17)で表される繰返し単位に対応するフェノール類とアルデヒド類とを、場合により他の繰返し単位を形成しうる重縮合成分と共に、酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で(共)重縮合することによって製造することができる。
上記フェノール類としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等を挙げることができ、また上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等が挙げられる。
【0056】
アルカリ可溶性樹脂中の式(14)〜(17)で表される繰返し単位の含有率は、場合により含有される上記他の繰返し単位の種類により一概に規定できないが、好ましくは10〜100モル%、さらに好ましくは20〜100モル%である。
アルカリ可溶性樹脂は、式(14)、式(17)等で表されるような炭素−炭素不飽和結合を含有する繰返し単位を有する場合、水素添加物として用いることもできる。この場合の水素添加率は、式(14)、式(17)等で表される繰返し単位中に含まれる炭素−炭素不飽和結合の、通常、70%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。この場合、水素添加率が70%をこえると、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像液による現像性が低下するおそれがある。
【0057】
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、特に、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、p−ヒドロキシスチレン/p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン共重合体、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体等を主成分とする樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂のMwは、感放射線性樹脂組成物の所望の特性に応じて変わるが、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000である。
上記アルカリ可溶性樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0058】
上記アルカリ可溶性樹脂とともに、アルカリ溶解性制御剤を使用できる。
アルカリ溶解性制御剤としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基の水素原子を酸解離性基で置換した化合物が挙げられる。
このような酸解離性基としては、例えば、上記酸解離性基含有樹脂について例示した、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等の酸解離性基と同様の基が挙げられる。
アルカリ溶解性制御剤は、低分子化合物でも高分子化合物でもよいが、低分子化合物の具体例としては、下記式(18)〜(22)で表される化合物等が挙げられる。
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
式中、R19は互いに独立に酸解離性置換基を示し、R20は互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基または1−ナフチル基を示し、R21は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を示し、Bは単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−SO−、−SO2−、−C(R22)(R23)−(但し、R22およびR23は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜11のアシル基、フェニル基もしくは1−ナフチル基を示す。)または置換されてもよいフェニレン基を示し、p、q、r、s、t、u、v、wはそれぞれ0以上の整数(但し、式(18)においては、pは1以上の整数)である。
【0059】
また、高分子のアルカリ溶解性制御剤としては、例えば、前述した酸解離性基含有樹脂を使用することができる。アルカリ溶解性制御剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは5〜100重量部、特に好ましくは5〜50重量部である。この場合、アルカリ溶解性制御剤の配合量が5重量部未満では、残膜率の低下、パターンの膨潤等を来しやすくなる傾向があり、一方150重量部をこえると、膜面荒れや膜強度の低下を来しやすくなる傾向がある。
【0060】
本発明で使用できる酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(E)としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂との架橋反応性を有する1種以上の官能基(以下、「架橋性官能基」という。)を有する化合物が挙げられる。
上記架橋性官能基の具体例としては、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、アセトキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、イソプロペニル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基等が挙げられる。
【0061】
上記架橋性官能基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物、メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂、カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物、カルボキシメチル基含有フェノール化合物等が挙げられる。
【0062】
これらの架橋性官能基を有する化合物のうち、メチロール基含有フェノール化合物、メトキシメチル基含有メラミン化合物、メトキシメチル基含有フェノール化合物、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物、メトキシメチル基含有ウレア化合物およびアセトキシメチル基含有フェノール化合物が好ましく、さらに好ましくはメトキシメチル基含有メラミン化合物(例えばヘキサメトキシメチルメラミン等)、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物、メトキシメチル基含有ウレア化合物等である。メトキシメチル基含有メラミン化合物は、CYMEL300、CYMEL301、CYMEL303、CYMEL305(三井サイアナミッド(株)製)等の商品名で、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物はCYMEL1174(三井サイアナミッド(株)製)等の商品名で、またメトキシメチル基含有ウレア化合物は、MX290(三和ケミカル(株)製)等の商品名で、それぞれ市販されている。
【0063】
架橋剤としては、さらに、アルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基の水素原子を上記架橋性官能基で置換して、架橋剤としての性質を付与した化合物も好適に使用できる。その場合の架橋性官能基の導入率は、架橋性官能基や該基が導入されるアルカリ可溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、アルカリ可溶性樹脂中の全酸性官能基に対して、通常、5〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは15〜40モル%である。この場合、架橋性官能基の導入率が5モル%未満では、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を来しやすくなる傾向があり、また60モル%をこえると、露光部の現像性が低下する傾向がある。
本発明における架橋剤としては、特に、メトキシメチル基含有化合物、例えば、ジメトキシメチルウレア、テトラメトキシメチルグリコールウリル等が好ましい。架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0064】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の配合割合は、レジストの所望の特性に応じて変わるが、好ましい配合割合は、以下のとおりである。
先ず、ポジ型感放射線性樹脂組成物において、化合物(A)の配合量は、酸解離性基含有樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜15重量部、さらに好ましくは0.001〜10重量部、特に好ましくは0.005〜5重量部である。この場合、化合物(A)の配合量が0.001重量部未満では、本発明の効果が十分得られない場合があり、一方15重量部をこえると、感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。
また、酸発生剤(B)の配合量は、酸解離性基含有樹脂100重量部当たり、好ましくは0.01〜70重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部である。この場合、酸発生剤(B)の配合量が0.01重量部未満では、感度や解像度が低下する傾向があり、一方70重量部をこえると、レジストの塗布性やパターン形状の劣化を来しやすくなる傾向がある。
【0065】
次に、ネガ型感放射線性樹脂組成物において、化合物(A)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜15重量部、さらに好ましくは0.001〜10重量部、特に好ましくは0.005〜5重量部である。この場合、化合物(A)の配合量が0.001重量部未満では、本発明の効果が十分得られない場合があり、一方15重量部をこえると、感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。
また、酸発生剤(B)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは0.01〜70重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部である。この場合、酸発生剤(B)の配合量が0.01重量部未満では、感度や解像度が低下する傾向があり、一方70重量部をこえると、レジストの塗布性やパターン形状の劣化を来しやすくなる傾向がある。
また、アルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(E)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは5〜95重量部、さらに好ましくは15〜85重量部、特に好ましくは20〜75重量部である。この場合、化合物(E)の配合量が5重量部未満では、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を来しやすくなる傾向があり、一方95重量部をこえると、露光部の現像性が低下する傾向がある。
【0066】
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、化合物(A)以外の酸拡散制御剤(以下、「他の酸拡散制御剤」という。)、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を配合することができる。また、酸解離性基含有樹脂を用いるポジ型感放射線性樹脂組成物に対しては、さらに上記アルカリ可溶性樹脂および/またはアルカリ溶解性制御剤を配合することもできる。
【0067】
他の酸拡散制御剤:
本発明においては、さらに、露光により酸発生剤(B)あるいは他の酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することが好ましい。
このような酸拡散制御剤を使用することにより、レジストとして解像度が向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記式(23)で表される化合物、
【化30】
(式(23)において、R24、R25およびR26は独立に水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアラルキル基を示す)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物、窒素原子を3個以上有するジアミノ重合体、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環式化合物等が挙げられる。
【0068】
界面活性剤:
界面活性剤は、感放射線性樹脂組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す。このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤である。
【0069】
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等のほか、以下商品名で、KP(信越化学工業製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業製)、エフトップ(トーケムプロダクツ製)、メガファック(大日本インキ化学工業製)、フロラード(住友スリーエム製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子製)等の各シリーズが挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、界面活性剤の有効成分として、通常、2重量部以下である。
【0070】
増感剤:
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(A)あるいは他の酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すもので、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する。
好ましい増感剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等である。
これらの増感剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。増感剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
【0071】
また、染料あるいは顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
さらに、他の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等が挙げられる。
【0072】
溶剤:
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物は、使用時に、固形分濃度が例えば5〜50重量%となるように溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
【0073】
上記溶剤としては、例えば、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、(ハロゲン化)炭化水素類等を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、酢酸エステル類、ヒドロキシ酢酸エステル類、乳酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、(非)環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エステル類、プロピオン酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン類、γ−ラクトン類、(ハロゲン化)脂肪族炭化水素類、(ハロゲン化)芳香族炭化水素類等が挙げられる。
【0074】
このような溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、イソプロペニルアセテート、イソプロペニルプロピオネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
【0075】
これらの溶剤のうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヘプタノン、乳酸エステル類、2−ヒドロキシプロピオン酸エステル類、3−アルコキシプロピオン酸エステル類等が好ましい。
上記溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに上記溶剤には、必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アセトニトリル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を1種以上添加することもできる。
【0076】
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前述のようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成したのち、加熱処理(以下、「PB」という。)を行ない、次いで所定のマスクパターンを介して該レジスト被膜に露光する。その際に使用することができる放射線としては、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)等の遠紫外線が好ましいが、酸発生剤(B)の種類に応じて、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等を使用することもできる。また、放射線量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
露光後、レジストのみかけの感度を向上させるために、加熱処理(以下、「PEB」という。)を行なうことが好ましい。その加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
その後、アルカリ現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成させる。
上記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の1種以上を、通常、1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。特に好ましいアルカリ現像液は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液である。
また、上記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、このようにアルカリ性水溶液からなる現像液を使用する場合には、一般に、現像後、水洗する。
【0077】
【実施例】
式(1)で表される化合物(A)の合成を以下のように行なった。
合成例1
1−メチル−2−フェニルベンズイミダゾールの合成
フラスコ内で、2−フェニルベンズイミダゾール19.4g(0.10モル)をメタノール158.2gに溶解し、撹拌しながら、ヨードメタン24.1g(0.17モル)を加えたのち、還流し反応させた後、冷却し、水酸化カリウム7.0g(0.12モル)を加えて、30分間加熱撹拌した。その後反応溶液をろ過した後、反応溶液を減圧除去し、トルエンを加えて抽出した。その後、最後に得られたトルエン溶液相を、溶液が中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水したのち、トルエンを減圧除去し、室温で真空乾燥した。得られた化合物は塩化メチレンに溶解後、カラムクロマトグラフィー(展開溶液:塩化メチレン/メタノール=95/5(v/v)混合溶液)によって精製を行ない、下記式(A−1)で表される1−メチル−2−フェニルベンズイミダゾールを2.8g得た。この化合物を酸拡散抑制剤(A−1)とする。酸拡散抑制剤(A−1)の構造は1H−NMR分析および質量分析によって同定した(1H NMR(270MHz,Acetone−d6): δ=7.88−7.83(m,2H, Ar), 7.70−7.65(m,1H, Ar), 7.59−7.46(m,4H,Ar),7.31−7.21(m,2H,Ar), 3.89(s,3H,Me) ppm. FAB Mass:(M+H)+ Calcd. for C14H12N2: 208.10, Found: 209.)。
【化31】
【0078】
合成例2
1−ベンジル−2−フェニルベンズイミダゾールの合成
フラスコ内で、2−フェニルベンズイミダゾール10.0g(51.5ミリモル)をメタノール100.0gに溶解し、撹拌しながら、ベンジルブロマイド17.6g(103.0ミリモル)を加えたのち、還流し反応させた後、冷却し、水酸化カリウム4.3g(77.2ミリモル)を加えて、30分間加熱撹拌した。その後反応溶液をろ過した後、反応溶液を減圧除去し、トルエンを加えて抽出した。その後、最後に得られたトルエン溶液相を、溶液が中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水したのち、トルエンを減圧除去し、室温で真空乾燥した。得られた化合物は塩化メチレンに溶解後、カラムクロマトグラフィー(展開溶液:塩化メチレン/メタノール=95/5(v/v)混合溶液)によって精製を行ない、下記式(A−2)で表される1−ベンジル−2−フェニルベンズイミダゾールを735mg得た。この化合物を酸拡散抑制剤(A−2)とする。酸拡散抑制剤(A−2)の構造は1H−NMR分析および質量分析によって同定した(1H NMR(270MHz,Acetone−d6): δ=7.79−7.72(m,3H, Ar), 7.53−7.49(m,3H,Ar), 7.40−7.19(m,6H,Ar), 7.12−7.09(m,2H,Ar), 5.62(s,2H,−CH 2Ph) ppm.FAB Mass:(M+H)+ Calcd. for C20H16N2: 284.13, Found: 285.)。
【化32】
【0079】
合成例3
3−(2−フェニルベンズイミダゾール−1−イル)プロパノールの合成
フラスコ内で、2−フェニルベンズイミダゾール10.0g(51.5ミリモル)をメタノール79.2gに溶解し、撹拌しながら、3−ブロモ−1−プロパノール7.88g(56.6ミリモル)を加えたのち、還流し反応させた後、冷却し、水酸化カリウム3.18g(56.7ミリモル)を加えて、30分間加熱撹拌した。その後反応溶液をろ過した後、反応溶液を減圧除去し、トルエンを加えて抽出した。その後、最後に得られたトルエン溶液相を、溶液が中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水したのち、トルエンを減圧除去し、室温で真空乾燥した。得られた化合物は塩化メチレンに溶解後、カラムクロマトグラフィー(展開溶液:塩化メチレン/メタノール=95/5(v/v)混合溶液)によって精製を行ない、下記式(A−3)で表される3−(2−フェニルベンズイミダゾール−1−イル)プロパノールを1.0g得た。この化合物を酸拡散抑制剤(A−3)とする。酸拡散抑制剤(A−3)の構造は1H−NMR分析および質量分析によって同定した(1H NMR(270MHz,CDCl3): δ=7.80−7.76(m,1H, Ar), 7.66−7.63(m,2H, Ar), 7.44−7.41(m,4H,Ar), 7.31−7.26(m,2H,Ar), 4.31(t,J=7.4Hz,2H,−CH 2CH2CH2OH), 3.51(t,J=5.8Hz,2H,−CH2CH2CH 2OH), 3.22(br,1H,−OH), 1.99−1.89(m,2H,−CH2CH 2CH2OH)ppm. FAB Mass:(M+H)+ Calcd. for C16H16N2O: 252.13, Found :253.)。
【化33】
【0080】
合成例4
1,4−ビス−(2−フェニルベンズイミダゾール−1−イル−メチル)ベンゼンの合成
フラスコ内で、2−フェニルベンズイミダゾール10.0g(51.5ミリモル)をメタノール80.0gに溶解し、撹拌しながら、α,α’−ジブロモ−p−キシレン29.89g(113.3ミリモル)を加えたのち、還流し反応させた後、冷却し、水酸化カリウム6.36g(113.3ミリモル)を加えて、30分間加熱撹拌した。その後反応溶液をろ過した後、反応溶液を減圧除去し、トルエンを加えて抽出した。その後、最後に得られたトルエン溶液相を、溶液が中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水したのち、トルエンを減圧除去し、室温で真空乾燥した。得られた化合物は塩化メチレンに溶解後、カラムクロマトグラフィー(展開溶液:塩化メチレン/メタノール=95/5(v/v)混合溶液)によって精製を行ない、下記式(A−4)で表される1,4−ビス−(2−フェニルベンズイミダゾール−1−イル−メチル)ベンゼンを1.1g得た。この化合物を酸拡散抑制剤(A−4)とする。
【化34】
【0081】
以下に記載の方法により、酸解離性基含有樹脂(C−1)〜(C−5)を合成した。また、得られた酸解離性基含有樹脂(C−1)〜(C−5)のMwおよびMnは、東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、G4000HXL1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0082】
合成例5
酸解離性基含有樹脂(C−1)の合成
p−アセトキシスチレン101g、スチレン5g、p−t−ブトキシスチレン42g、AIBN6gおよびt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して16時間重合させた。重合後、反応溶液を大量のヘキサン中に滴下して、生成した樹脂を凝固精製した。次いで、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、さらにメタノール300g、トリエチルアミン80gおよび水15gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行なった。反応後、溶剤およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解し、次いで大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが16,000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとp−t−ブトキシスチレンとの共重合モル比が72:5:23であった。この樹脂を樹脂(C−1)とする。
【0083】
合成例6
酸解離性基含有樹脂(C−2)の合成
モル比92:8のp−ヒドロキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン共重合物25gをプロピレングリコールモノメチルアセテート100gに溶解して、窒素ガスにより30分間バブリングを行なった。次いで、この溶液にエチルビニルエーテル3.3gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加し、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を沈殿させ、ろ過した後、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが13,000、Mw/Mnが1.8であった。また、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の23モル%がエトキシキシエチル基で、8モル%がt−ブチル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を樹脂(C−2)とする。
【0084】
合成例7
酸解離性基含有樹脂(C−3)の合成
メタクリル酸−5−オキソー4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナー2−イルエステル 53.69g(55モル%)、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル 46.31g(45モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.04gを投入したモノマー溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した1000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージする。窒素パージの後、反応釜を撹拌しながら80℃に加熱し、事前に準備したモノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別する。ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の樹脂を得た(63g、収率63%)。この樹脂は分子量が9,700であり、メタクリル酸−5−オキソー4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル、各繰り返し単位の含有率が59.6:40.4(モル%)の共合体であった。この樹脂を樹脂(C−3)とする。
【0085】
合成例8
酸解離性基含有樹脂(C―4)の合成
メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルエステル 16.13g(15モル%)、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル 40.58g(40モル%)とメタクリル酸−5−オキソー4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル 43.29g(45モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスイソブチレート3.99gを投入したモノマー溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した1000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージする。窒素パージの後、反応釜を撹拌しながら80℃に加熱し、事前に準備したモノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別する。ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の樹脂を得た(66g、収率66%)。この樹脂は分子量が8,900であり、メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルエステル、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル、メタクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、各繰り返し単位の含有率が13.7:38.2:48.1(モル%)の共重合体であった。この樹脂を樹脂(C−4)とする。
【0086】
合成例9
酸解離性基含有樹脂(C−5)の合成
撹拌機、還流冷却器および温度計を装着した3つ口フラスコに、下記式(24)で表されるシラン化合物1.52g、下記式(25)で表されるシラン化合物1.57g、メチルトリエトキシシラン1.91g、4−メチル−2−ペンタノン15g、1.75重量%しゅう酸水溶液1.31gを加えて、撹拌しつつ80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して反応を停止させた。その後、反応溶液を分液ロートに移して水層を除去し、さらにイオン交換水を加えて有機層を水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、有機層を減圧留去した。得られた樹脂は、Mwが2,500であった。この樹脂を樹脂(C−5)とする。
【化35】
【0087】
実施例1〜10および比較例1、2
表1(但し、部は重量に基づく)に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、組成物溶液を調製した。その後、各組成物溶液をシリコンウエハー上にスピンコートしたのち、表2に示す条件でPBを行なってレジスト被膜を形成した。
次いで、KrFエキシマレーザー(表2中、「KrF」と表示)を用いた実施例では、(株)ニコン製ステッパーNSR2205 EX12B(開口数0.55)を用い、ArFエキシマレーザー(表2中、「ArF」と表示)を用いた実施例では、ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.55)を用い、F2エキシマレーザー(表2中、「F2」と表示)を用いた実施例では、ULTRATECH社製F2エキシマレーザー露光装置 XLS(開口数0.60)を用い、また電子線を用いた実施例では、日立製作所(株)製直描用電子線描画装置HL700(加速電圧30KeV)を加速電圧50KeVに改良した装置を用いて、表2に示す条件で露光を行なったのち、表2に示す条件でPEBを行なった。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像したのち、純水で水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成した。各レジストの評価結果を表2に示す。
【0088】
ここで、各レジストの評価は、下記の要領で実施した。
感度:
シリコンウエハー上に形成したレジスト被膜に露光し、直ちにPEBを行なって、アルカリ現像したのち、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、線幅0.22μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量により感度を評価した。
解像度:
最適露光量で露光したときに解像されるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の最小寸法(μm)を解像度とした。
パターン形状:
シリコンウエハー上に形成した線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺の寸法La と上辺の寸法Lb とを、走査型電子顕微鏡を用いて測定して、0.85≦Lb /La ≦1 を満足するものを、パターン形状が「良好」であるとし、この条件を満たさないものを、パターン形状が「不良」であるとした。
保存安定性:
上記の方法で感放射線性樹脂組成物を調製し、感度を算出した被験サンプルを室温で1月静置し、再び感度を算出したときに、最初に算出した感度から比較して10%以上感度が変化しているものを「不良」、変化していないものを「良好」とした。
【0089】
その他の酸拡散制御剤、酸発生剤(B)、アルカリ可溶性樹脂(D)、架橋剤(E)、および溶剤(S)は下記のとおりである。
その他の酸拡散制御剤:
a−1:N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール
a−2:トリ−n−オクチルアミン
酸発生剤(B):
B−1:ビス(1,4―ジオキサスピロ[4.5]デカン−7―スルホニル)ジアゾメタン
B−2:2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸 トリフェニルスルホニウム
B−3:N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
B−4:N−(トリフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
B−5:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B−6:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
アルカリ可溶性樹脂(D)
D−1:p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(共重合モル比=78/22、Mw=3100、Mw/Mn=1.13、日本曹達(株)製 VPS3020)
架橋剤(E)
E−1:N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル
溶剤(S):
S−1:乳酸エチル
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−3:2−ヘプタノン
S−4:シクロヘキサノン
S−5:3−エトキシプロピオン酸エチル
【0090】
【表1】
【表2】
【0091】
【発明の効果】
本発明により、活性放射線、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーあるいはF2エキシマレーザーに代表される遠紫外線および電子線に感応する化学増幅型レジストとして、解像度、環境耐性、組成物としての保存安定性に優れた近年の微細化にともなう要求性能(パターン形状、保存安定性等)に適用できうる感放射性樹脂組成物を提供できる。
Claims (2)
- 下記式(1)で表される化合物(A)と、
感放射線性酸発生剤(B)と、
アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性であって酸の作用によりアルカリ易溶性となる酸解離性基含有樹脂(C)とを含有するポジ型感放射線性樹脂組成物。
- 下記式(1)で表される化合物(A)と、
感放射線性酸発生剤(B)と、
アルカリ可溶性樹脂(D)と、
酸の存在下で前記アルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(E)とを含有するネガ型感放射線性樹脂組成物。
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JP2003019147A JP2004233450A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 感放射線性樹脂組成物 |
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WO2011002081A1 (ja) * | 2009-07-02 | 2011-01-06 | Jsr株式会社 | 感放射線性樹脂組成物 |
US20220382156A1 (en) * | 2016-12-15 | 2022-12-01 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. | Extreme Ultraviolet Photoresist With High-Efficiency Electron Transfer |
-
2003
- 2003-01-28 JP JP2003019147A patent/JP2004233450A/ja active Pending
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