JP2004232920A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸発器に発生する着霜を早期に除霜して、コンプレッサの液圧縮による損傷の発生を回避することができる冷却装置を提供する。
【解決手段】コンプレッサ10の回転数を制御すると共に、所定の定期除霜間隔で、蒸発器92の除霜を実行する制御手段(マイクロコンピュータ80及び制御装置90)を備え、この制御手段は、蒸発器92にて冷却される空間(冷蔵機器本体105の庫内)の温度が下限温度(設定値)に低下した場合にコンプレッサ10を停止させる共に、低圧側の冷媒温度が所定の着霜検知温度まで低下した場合に、コンプレッサ10の回転数を上昇させ、その後、コンプレッサ10の停止により定期除霜間隔にかかわらず蒸発器92の除霜を実行する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンプレッサ、ガスクーラ、減圧手段及び蒸発器などから構成される冷媒回路を備えた冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷却装置、例えば店舗に設置されるショーケースは、コンデンシングユニットを構成するコンプレッサ、ガスクーラ(凝縮器)及び絞り手段(キャピラリチューブ等)と、冷却機器本体側に設けられた蒸発器とを順次環状に配管接続して冷媒サイクル(冷媒回路)が構成されている。そして、コンプレッサにて圧縮され、高温高圧となった冷媒ガスは、ガスクーラに吐出される。このガスクーラにて冷媒ガスは放熱した後、絞り手段で絞られて蒸発器に供給される。そこで冷媒が蒸発し、そのときに周囲から吸熱することにより冷却作用を発揮して、ショーケースの庫内を冷却するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−257830号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前記コンプレッサは制御装置により通常は最低回転数と最高回転数の間で回転数が制御されている。即ち、ショーケースの庫内温度が上限温度に達した場合、制御装置はコンプレッサを起動(ON)する。そして、制御装置は冷媒の温度を検出するための各種センサなどの出力に基づいて、予め設定された最低回転数と最高回転数の範囲内でコンプレッサの回転数を制御する。そして、ショーケースの庫内温度が下限温度まで低下した場合にコンプレッサを停止(OFF)する。これにより、ショーケースの庫内を所定温度に保つものであった。
【0005】
一方、長時間コンプレッサを運転すると蒸発器に着霜が発生する。蒸発器に着霜が発生すると蒸発器内を通過する冷媒が周囲の空気と熱交換し難くなり、ショーケース庫内が充分に冷却されなくなって、冷却能力が低下する。このため、図5に示すように所定の定期除霜間隔(強制除霜の間隔)で蒸発器の除霜が行われている。
【0006】
しかしながら、前記所定の定期除霜間隔に到達する以前に蒸発器に着霜が発生した場合には、着霜が発生しても蒸発器の除霜が行われないため、着霜によって蒸発器に流入した冷媒が周囲の空気と熱交換できず、蒸発器の冷却能力が低下する。更に蒸発器にて周囲の空気と熱交換できなかった冷媒は液のままコンプレッサに戻り、コンプレッサが液圧縮する恐れがあった。
【0007】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、蒸発器に発生する着霜を早期に除霜して、コンプレッサの液圧縮による損傷の発生を回避することができる冷却装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1の発明の冷却装置ではコンプレッサの回転数を制御すると共に、所定の定期除霜間隔で、蒸発器の除霜を実行する制御手段を備え、この制御手段は、蒸発器にて冷却される空間の温度が設定値に低下した場合にコンプレッサを停止させると共に、低圧側の冷媒温度が所定の着霜検知温度まで低下した場合に、コンプレッサの回転数を上昇させ、その後、コンプレッサの停止により定期除霜間隔にかかわらず蒸発器の除霜を実行するので、蒸発器に発生した着霜を早期に除霜することができるようになる。
【0009】
請求項2の発明の冷却装置では、所定の定期除霜間隔で蒸発器の除霜を実行する制御手段を備え、この制御手段は、コンプレッサに吸い込まれる冷媒温度が所定の着霜検知温度まで低下した場合には、定期除霜間隔にかかわらず蒸発器の除霜を実行するので、蒸発器に発生した着霜をより一層早期に除霜することができるようになる。
【0010】
請求項3の発明の冷却装置では、所定の定期除霜間隔で蒸発器の除霜を実行する制御手段を備え、この制御手段は、外気温度が高い場合に定期除霜間隔を長くし、外気温度が低い場合には定期除霜間隔を短くするので、外気温度が高い場合には定期除霜の間隔が長くなることにより、コンプレッサの連続運転が継続されて蒸発器にて冷却される空間の温度上昇を防ぐことができるようになる。これにより、蒸発器の冷却能力の向上を図ることができるようになる。
【0011】
また、外気温度が低い場合には定期除霜間隔を短くすることにより、蒸発器に発生した着霜を早期に除霜することができるようになる。これにより、コンプレッサの液圧縮による損傷の発生を極力回避することができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用する冷却装置110の冷媒回路図である。この冷却装置110は、コンデンシングユニット100と冷却機器本体となる冷蔵機器本体105とから構成される。尚、実施例の冷却装置110は例えば店舗に設置されるショーケースであり、従って、冷蔵機器本体105はショーケースの本体である。
【0013】
前記コンデンシングユニット100はコンプレッサ10、ガスクーラ(凝縮器)40、減圧手段としてのキャピラリチューブ58等を備えて構成され、後述する冷蔵機器本体105の蒸発器92と配管接続されてコンプレッサ10、ガスクーラ40及びキャピラリチューブ58が蒸発器92と共に所定の冷媒回路を構成する。
【0014】
即ち、コンプレッサ10の冷媒吐出管24はガスクーラ40の入口に接続されている、ここで、実施例のコンプレッサ10は二酸化炭素(CO)を冷媒として使用する内部中間圧型多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサで、このコンプレッサ10は図示しない密閉容器内に設けられた駆動要素としての電動要素とこの電動要素により駆動される第1の回転圧縮要素(1段目)及び第2の回転圧縮要素(2段目)にて構成されている。
【0015】
図中20はコンプレッサ10の第1の回転圧縮要素で圧縮され、密閉容器内に吐出された冷媒を一旦、外部に吐出させて、第2の回転圧縮要素に導入するための冷媒導入管であり、この冷媒導入管20の一端は図示しない第2の回転圧縮要素のシリンダと連通する。冷媒導入管20は後述するガスクーラ40に設けられた中間冷却回路35を経て、他端は密閉容器内に連通する。
【0016】
図中22はコンプレッサ10の図示しない第1の回転圧縮要素のシリンダ内に冷媒を導入するための冷媒導入管であり、この冷媒導入管22の一端は図示しない第1の回転圧縮要素のシリンダと連通している。この冷媒導入管22はストレーナ56の一端に接続されている。このストレーナ56は冷媒回路内を循環する冷媒ガスに混入した塵埃や切削屑などの異物を確保して濾過するためのものであり、ストレーナ56の他端側に形成された開口部とこの開口部からストレーナ56の一端側に向けて細くなる略円錐形状を呈した図示しないフィルターを備えて構成されている。このフィルターの開口部はストレーナ56の他端に接続された冷媒配管28に密着した状態で装着されている。
【0017】
また、前記冷媒吐出管24は、前記第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒をガスクーラ40に吐出させるための冷媒配管である。ガスクーラ40は図示しない複数のフィンと当該フィンの中心部に設けられた孔に挿通された冷媒配管にて構成されている。また、このガスクーラ40には外気温度を検出するための外気温度センサ74が設けられており、この外気温度センサ74はコンデンシングユニット100の制御手段としての後述するマイクロコンピュータ80に接続されている。
【0018】
ガスクーラ40を出た冷媒配管26は前述同様のストレーナ54と電磁弁45を経て内部熱交換器50を通過する。この内部熱交換器50はガスクーラ40からでた第2の回転圧縮要素からの高圧側の冷媒と冷蔵機器本体105に設けられた蒸発器92から出た低圧側の冷媒とを熱交換させるためのものである。また、電磁弁45はマイクロコンピュータ80に接続されている。そして、マイクロコンピュータ80は電磁弁45をコンプレッサ10の起動に伴い開放して、コンプレッサ10の運転が停止すると閉じるように制御する。
【0019】
そして、内部熱交換器50を通過した高圧側の冷媒配管26は、絞り手段であるキャピラリチューブ58に至る。キャピラリチューブ58を出た冷媒配管26は弁装置60(高圧側の弁装置)の入口に接続されている。また、冷蔵機器本体105の冷媒配管94の一端には接続手段としてのスエッジロック継ぎ手55が取り付けられる。
【0020】
このスエッジロック継ぎ手55は、弁装置60と冷蔵機器本体105から出ている冷媒配管94の一端とを着脱可能に接続するためのものであり、冷媒配管94の一端に取り付けられた金属製のナット部材と、このナット部材に内包された金属製のリング部材とから構成されている。ナット部材の内壁には弁装置60の出口のネジ溝と螺合するネジ溝が形成されており、中央には冷媒配管94を挿通するための貫通孔を有している。
【0021】
そして、このスエッジロック継ぎ手55を弁装置60の出口に取り付ける際には、冷媒配管94の端部からナット部材を挿入した後、リング部材を挿入する。そして、ナット部材にリング部材を内包した状態で、弁装置60の出口のネジ溝とナット部材のネジ溝とを相互に螺合させる。螺合させることで、ナット部材の内側のリング部材がナット部材内面と冷媒配管94に密着し、これにより、弁装置60と冷媒配管94とは密封状態で接続される。この状態で配管内の圧力が高圧に上昇しても接続部分からの冷媒のリークを極力避ける、若しくは解消することができるようになると共に螺合を解除することで取り外しも容易に行えるようになる。
【0022】
一方、前記ストレーナ56の他端に接続された冷媒配管28は、前記内部熱交換器50を経て弁装置66(低圧側の弁装置)の出口に接続されている。また、冷蔵機器本体105の冷媒配管94の他端には前述同様の接続手段としてのスエッジロック継ぎ手55が取り付けられている。このスエッジロック継ぎ手55により冷蔵機器本体105から出ている冷媒配管94の他端は弁装置66の入口に前述同様に着脱可能に接続される。
【0023】
前記冷媒吐出管24にはコンプレッサ10から吐出される冷媒ガスの温度を検出するためのディスチャージセンサ70及び冷媒ガスの圧力を検出するための高圧スイッチ72が設けられており、これらはマイクロコンピュータ80に接続されている。
【0024】
また、キャピラリチューブ58と弁装置60との間の冷媒配管26には、キャピラリチューブ58から出て、蒸発器92に流入する冷媒の温度を検出するための冷媒温度センサ76が設けられており、これもマイクロコンピュータ80に接続されている。この冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度は、蒸発器92にて蒸発する冷媒の蒸発温度とほぼ同じ温度である。従って、当該冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度により蒸発器92における冷媒の蒸発温度がわかる。
【0025】
尚、40Fはガスクーラ40に通風して空冷するためのファンであり、92Fは冷蔵機器本体105の図示しないダクト内に設けられた蒸発器92と熱交換した冷気を、冷蔵機器本体105の庫内に循環するためのファンである。また、65はコンプレッサ10の前述した電動要素の通電電流を検出し、運転を制御するための電流センサである。ファン40Fと電流センサ65はコンデンシングユニット100のマイクロコンピュータ80に接続され、ファン92Fは冷蔵機器本体105の制御手段としての後述する制御装置90に接続される。
【0026】
ここで、前述したマイクロコンピュータ80はコンデンシングユニット100の制御を司る制御装置であり、マイクロコンピュータ80の入力には前記ディスチャージセンサ70、高圧スイッチ72、外気温度センサ74、冷媒温度センサ76、電流センサ65及び冷蔵機器本体105の制御装置90からの信号が接続されている。そして、これらの出力に基づいて、出力に接続された電磁弁45やファン40Fが制御される。更に、マイクロコンピュータ80は前述した各出力に基づいて、予め設定された最低回転数と最高回転数の間でコンプレッサ10の回転数を制御している。
【0027】
即ち、マイクロコンピュータ80は設定された最低回転数と最高回転数の範囲内で、ディスチャージセンサ70や冷媒温度センサ76などから検出される冷媒の温度が高い場合には、コンプレッサ10の回転数を高くして、冷媒の温度が低い場合には回転数が低くなるように制御している。
【0028】
冷蔵機器本体105の前記制御装置90には、蒸発器92にて冷却される空間の温度、即ち、冷蔵機器本体105の庫内温度を検出するための前述した庫内温度センサ、庫内温度を調節するための温度調節ダイヤルや、その他コンプレッサ10を停止するための機能が設けられている。そして、制御装置90はこれらの出力に基づき、ファン92Fを制御すると共に、コンデンシングユニット100のマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のON/OFF信号を送出する。これは、例えば庫内温度センサにて検出される庫内温度が下限温度(設定値)に低下した場合、コンプレッサ10の運転を停止させるため、制御装置90は庫内温度センサからの出力をコンプレッサ10のOFF信号に変えてマイクロコンピュータ80に送信する。一方、庫内温度が上限温度に達した場合には、コンプレッサ10の運転を再開させるため、制御装置90は庫内温度センサからの出力をコンプレッサ10のON信号に変えてマイクロコンピュータ80に送信するというものである。
【0029】
また、制御装置90には所定の定期除霜間隔で蒸発器92の除霜を実行するための機能が内蔵されている。この定期除霜は長時間コンプレッサ10を運転すると蒸発器92に着霜が発生して、この着霜により、蒸発器92内の冷媒が周囲の空気と充分に熱交換され難くなり、冷蔵機器本体105の庫内が冷却されなくなって、冷却能力が低下するといった不都合を防ぐため、予め設定された時間に蒸発器92の除霜を行うものである。
【0030】
即ち、制御装置90は電源が投入されると定期除霜のための時間のカウントを開始する。そして、所定時間経過すると制御装置90はマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のOFF信号を送信し、当該OFF信号を受信したマイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を停止する。このとき、制御装置90は除霜時間のカウントをクリアして、除霜を実行する。その後、庫内温度センサにて検出される冷蔵機器本体105の庫内温度が予め設定された除霜完了温度まで上昇すると、制御装置90はマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のON信号を送出する。このとき、制御装置90は定期除霜時間のカウントを最初から開始する。そして、制御装置90からのON信号を受信したマイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を再開して前記カウントに基づく定期除霜を繰り返す。これにより、蒸発器92の着霜を定期的に除霜することができる。
【0031】
他方、マイクロコンピュータ80は、低圧側の冷媒温度が所定の着霜検知温度まで低下した場合に、コンプレッサ10の回転数を上昇させる。更に、マイクロコンピュータ80は制御装置90に所定の信号を送出する。マイクロコンピュータ80からの信号を受信した制御装置90は、その後、コンプレッサ10の停止により前記定期除霜間隔にかかわらず、蒸発器92の除霜を実行する。
【0032】
即ち、蒸発器92に着霜が発生すると冷媒温度センサ76にて検出されるキャピラリチューブ58から出た低圧側の冷媒の温度が低いにもかかわらず、前述した如く冷蔵機器本体105の庫内が充分に冷却されないため、庫内温度センサにて検出される冷蔵機器本体105の庫内温度が低くならないといった現象が生じる。
【0033】
このとき、マイクロコンピュータ80は冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度が着霜検知温度まで低下すると、コンプレッサ10の回転数を上昇させる。その結果、庫内温度センサにて検出される冷蔵機器本体105の庫内温度が低下する。また、マイクロコンピュータ80は制御装置90に、その後の庫内温度が下限温度(設定値)に低下した場合に除霜を開始するように所定の信号を送る。当該信号を受信した制御装置90はその後、庫内温度が設定された下限温度に低下すると、マイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のOFF信号を送り、前記除霜時間のカウントをクリアする。一方、制御装置90からのOFF信号を受け取ったマイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を停止する。
【0034】
このコンプレッサ10の停止により、前述した所定の時間間隔に関係なく除霜が開始される。従って、定期除霜間隔に関わらず除霜を開始することができるので、蒸発器92に発生した着霜を早期に除霜することができるようになる。
【0035】
このように、蒸発器92に発生した着霜に早期に対応することで、着霜によって蒸発器に流入した冷媒が周囲の空気と熱交換できず、コンプレッサ内に液冷媒が戻って、液圧縮するといった不都合を極力回避することができるようになる。これにより、コンプレッサ10の耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0036】
そして、冷蔵機器本体105の庫内温度が予め設定された除霜完了温度まで上昇すると、制御装置90はマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のON信号を送出する。このとき、制御装置90は前記除霜時間のカウントを最初から開始する。他方、制御装置90からのON信号を受け取ったマイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を再開する。このように、定期除霜間隔に関わらずに除霜が実行された場合でも、定期除霜時間のカウントがクリアされて、除霜が完了すると、定期除霜のカウントが最初から開始される。
【0037】
係る冷却装置110の冷媒としては地球環境にやさしく、可燃性及び毒性等を考慮して自然冷媒である前述した二酸化炭素(CO)が使用され、潤滑油としてのオイルは、例えば鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキルグリコール)など既存のオイルが使用される。
【0038】
また、前記冷蔵機器本体105は蒸発器92と当該蒸発器92内を通過する前記冷媒配管94にて構成されている。冷媒配管94は蒸発器92内を蛇行状に通過しており、この蛇行状の部分には熱交換用のフィンが取り付けられて蒸発器92が構成されている。冷媒配管94の両端部は前述した接続方法により、前記コンデンシングユニット100の弁装置60、66とスエッジロック継ぎ手55、55により着脱可能に接続される。
【0039】
次に、冷却装置110の動作を説明する。尚、弁装置60、66は全開した状態である。冷蔵機器本体105に設けられた図示しない始動スイッチを入れるか、或いは、冷蔵機器本体105の電源ソケットがコンセントに接続されると、マイクロコンピュータ80は電磁弁45を開放して、コンプレッサ10の図示しない電動要素を起動する。また、制御装置90は定期除霜の時間のカウントを開始する。
【0040】
そして、コンプレッサ10の第1回転圧縮要素に冷媒が吸い込まれて圧縮され、密閉容器内に吐出された冷媒ガスは冷媒導入管20に入り、コンプレッサ10から出て中間冷却回路35に流入する。そして、この中間冷却回路35がガスクーラ40を通過する過程で空冷方式により放熱する。これにより、第2の回転圧縮要素に吸い込まれる冷媒を冷却することができるので、密閉容器内の温度上昇を抑え、第2の回転圧縮要素における圧縮効率も向上させることができるようになる。
【0041】
そして、冷却された中間圧の冷媒ガスはコンプレッサ10の第2の回転圧縮要素に吸入され、2段目の圧縮が行われて高圧高温の冷媒ガスとなり、冷媒吐出管24より外部に吐出される。冷媒吐出管24から吐出された冷媒ガスはガスクーラ40に流入し、そこで空冷方式により放熱した後、ストレーナ54、電磁弁45を経て内部熱交換器50を通過する。冷媒はそこで低圧側の冷媒に熱を奪われて更に冷却される。
【0042】
係る内部熱交換器50で冷却された高圧側の冷媒ガスはキャピラリチューブ58に至る。冷媒はキャピラリチューブ58において圧力が低下して、その後、弁装置60、スエッジロック継ぎ手55を経て冷蔵機器本体105の冷媒配管94から蒸発器92内に流入する。そこで冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮して冷蔵機器本体105の庫内を冷却する。
【0043】
その後、冷媒は蒸発器92から流出して、冷媒配管94からコンデンシングユニット100のスエッジロック継ぎ手55、弁装置66を経て内部熱交換器50に至る。そこで前述の高圧側の冷媒から熱を奪い、加熱作用を受ける。ここで、蒸発器92で蒸発して低温となり、蒸発器92を出た冷媒は、完全に気体の状態ではなく液体が混在した状態であるが、内部熱交換器50を通過させて高圧側の冷媒と熱交換させることで、冷媒が加熱される。この時点で、冷媒の過熱度が確保され、完全に気体となる。
【0044】
尚、内部熱交換器50で加熱された冷媒は、ストレーナ56を経て冷媒導入管22からコンプレッサ10の第1の回転圧縮要素内に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
【0045】
ここで、冷蔵機器本体105の庫内が充分に冷却されて庫内温度が設定された下限温度に低下すると、庫内温度センサからの出力を制御装置90はコンプレッサ10のOFF信号に変えてマイクロコンピュータ80に送る。これにより、マイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を停止する。
【0046】
その後、冷蔵機器本体105の庫内温度が設定された上限温度に達すると、庫内温度センサからの出力を制御装置90はコンプレッサ10のON信号に変えてマイクロコンピュータ80に送る。これにより、マイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を再開する。
【0047】
一方、長時間運転すると蒸発器92に着霜が発生して冷却能力が低下するため、制御装置90は所定の定期除霜間隔で蒸発器92の除霜を実行する。当該除霜では制御装置90からマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のOFF信号が送出され、マイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を停止して、冷蔵機器本体105の図示しないダクト内に設けられたファン92Fにて循環される周囲の空気により蒸発器92の着霜を溶かすものである。制御装置90は前記カウントが所定時間経過すると、マイクロコンピュータ80に除霜のためのコンプレッサ10のOFF信号を送ると共に、前記除霜時間のカウントをクリアする。当該OFF信号を受け取ったマイクロコンピュータ80はコンプレッサ10を停止する。これにより除霜が開始される。そして、冷蔵機器本体105の庫内温度が予め設定された除霜完了温度まで上昇すると、制御装置90はマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のON信号を送出する。このとき、マイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を再開する。また、制御装置90は定期除霜の時間のカウントを開始する。
【0048】
他方、当該定期除霜間隔に到達する以前に蒸発器92に着霜が発生する場合もある。当該蒸発器92に着霜が発生すると、図2に示すように前記冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度が低下する。図2において、破線は冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度(蒸発温度)であり、実線は庫内温度センサにて検出される冷蔵機器本体105の庫内温度である。即ち、着霜が発生していない場合には冷媒温度センサ76にて検出されるキャピラリチューブ58の出口の冷媒温度(蒸発温度)と庫内温度センサにて検出される冷蔵機器本体105の庫内温度とに大差がないため、冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度が低くなると庫内温度も同様に低下して冷蔵機器本体105の庫内温度が設定された下限温度(図2の設定庫内温度)に低下して、制御装置90からマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のOFF信号が送出され、マイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を停止する。
【0049】
しかしながら、蒸発器92に着霜が発生すると蒸発器92内を通過する冷媒が周囲の空気と熱交換し難くなり、冷蔵機器本体105の庫内が充分に冷却されない。このため、キャピラリチューブ58の出口にて検出される冷媒温度と冷蔵機器本体105の庫内温度とに差が生じて、庫内温度が下限温度に低下する前に冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度が予め設定された着霜検知温度に低下する。
【0050】
このように冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度が着霜検知温度まで低下した場合には、マイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の回転数を上昇させて、蒸発器92における冷却能力を向上させる。更に、マイクロコンピュータ80は制御装置90に所定の信号を送出する。当該信号を受信した制御装置90はその後、冷蔵機器本体105の庫内温度が下限温度に低下するとマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のOFF信号を送出すると共に、定期除霜の時間のカウントをクリアする。一方、制御装置90からのOFF信号を受け取ったマイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を停止する。これにより、前記定期除霜間隔に関わらず、蒸発器92の除霜が実行される。
【0051】
そして、冷蔵機器本体105の庫内温度が予め設定された除霜完了温度まで上昇すると、制御装置90はマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のON信号を送出し、マイクロコンピュータ80がコンプレッサ10の運転を再開する。このとき、制御装置90は除霜時間のカウントを最初から開始する。
【0052】
このように、制御装置90は、マイクロコンピュータ80に接続された冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度が着霜検知温度に低下した場合に、コンプレッサの回転数を上昇させ、その後、コンプレッサ10の停止により所定の定期除霜間隔にかかわらず蒸発器92の除霜を実行するので、蒸発器92の着霜を早期に除霜することができるようになる。
【0053】
これにより、着霜によって蒸発器92に流入した冷媒が周囲の空気と熱交換できず、コンプレッサ内に液冷媒が戻って、コンプレッサ10に損傷を与えると云った不都合を著しく回避することができるようになり、コンプレッサ10の耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0054】
次に、本発明の他の実施例について図3を用いて詳述する。ここで、前記実施例と同様に冷蔵機器本体105の制御装置90には定期除霜間隔で除霜を実行するための機能が内蔵されている。これは、コンプレッサ10の始動と同時に定期除霜のためのカウントを開始し、所定時間カウントされると、制御装置90がマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のOFF信号を送出する。当該OFF信号を受け取ったマイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を停止する。これにより、除霜が実行される。そして、冷蔵機器本体105の庫内温度が設定された除霜完了温度に達すると制御装置90はマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のON信号を送出し、当該ON信号を受け取ったマイクロコンピュータ80がコンプレッサ10の運転を再開するものである。
【0055】
他方、低圧側の冷媒温度が所定の着霜検知温度まで低下した場合には、前記定期除霜間隔に関わらずコンプレッサ10の運転を停止して、蒸発器92の除霜を開始する。即ち、図3に示すように冷媒温度センサ76にて検出される冷媒温度(図3に破線で示されている蒸発温度)が予め設定された着霜検知温度まで低下すると、マイクロコンピュータ80は制御装置90に所定の信号を送出する。当該信号を受け取った制御装置90はマイクロコンピュータ80にコンプレッサ10のOFF信号を送出し、前記定期除霜時間のカウントをクリアする。OFF信号を受け取ったマイクロコンピュータ80はコンプレッサ10の運転を停止する。これにより、蒸発器92の除霜が実行される。従って、庫内温度センサにて検出される庫内温度(図3の実線)や定期除霜間隔に関わらず、除霜を開始することができるので、蒸発器92に発生した着霜をより早期に除霜することができるようになる。
【0056】
このように、蒸発器92に発生した着霜に早期に対応することで、着霜によって蒸発器に流入した冷媒が周囲の空気と熱交換できず、コンプレッサ内に液冷媒が戻って、液圧縮するといった不都合を極力回避することができるようになる。これにより、コンプレッサ10の耐久性の向上を図ることができるよう。
【0057】
次に、本発明のもう一つの実施例について図4を用いて詳述する。ここで、冷蔵機器本体105の制御装置90には所定の除霜間隔で除霜を実行するための機能が内蔵されている。当該定期除霜の間隔はマイクロコンピュータ80に接続され、前記ガスクーラ40に取り付けられた外気温度センサ74にて検出される外気温度に基づいて決定される。
【0058】
即ち、マイクロコンピュータ80は外気温度センサ74にて検出される外気温度が高い場合に定期除霜間隔を長くし、外気温度が低い場合には定期除霜間隔を短くしている。
【0059】
図4において、縦軸は定期除霜間隔であり、横軸は外気温度(外気温度センサ74にて検出される外気温度)である。図4に示すように、外気温度が高い場合には定期除霜を行う時間の間隔を長くしてコンプレッサ10の連続運転を継続させる。外気温度が高い場合には蒸発器92に霜が付き難く、冷蔵機器本体105の庫内温度が上がりやすい。このため、定期除霜の間隔を長くすることで、その分、コンプレッサ10の連続運転を行うことができるようになり、冷却能力が向上する。
【0060】
他方、外気温度が低い場合には定期除霜を行う間隔を短くする。通常、外気温度が低い場合には蒸発器92に霜が付きやすく、冷蔵機器本体105の庫内温度は下がりにくい。このため、定期除霜の間隔を短くすることで、その分、蒸発器92の着霜を早期に除霜することができる。これにより、着霜によって蒸発器92に流入した冷媒が周囲の空気と熱交換できず、コンプレッサ内に液冷媒が戻って、コンプレッサ10に損傷を与えると云った不都合を著しく回避することができるようになり、コンプレッサ10の耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0061】
尚、上記各実施例では、コンデンシングユニット100側の制御手段であるマイクロコンピュータ80と、冷蔵機器本体105側の制御手段である制御装置90にて冷却装置110が制御されるものとしたが、請求項2又は請求項3の発明では、これに限らず、コンデンシングユニット100と冷蔵機器本体105とを一つの制御手段にて制御するものに適応しても構わない。
【0062】
また、上記各実施例ではキャピラリチューブ58の出口に設けられた冷媒温度センサ76にて着霜検知温度を検出するものとしたが、これに限らず、低圧側の冷媒温度を検出する手段であれば、例えば、蒸発器92から出た冷媒の温度を検出するものであっても良い。
【0063】
更に、上記各実施例の冷却装置110では冷媒として二酸化炭素を使用したが、使用する冷媒は他の冷媒であっても構わない。また、コンプレッサとして内部中間圧の多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサを用いたが、コンプレッサはこれに限定されるものでなく、他のコンプレッサを使用しても本発明は有効である。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述した如く請求項1の発明によれば、冷却装置はコンプレッサの回転数を制御すると共に、所定の定期除霜間隔で、蒸発器の除霜を実行する制御手段を備え、この制御手段は、蒸発器にて冷却される空間の温度が設定値に低下した場合にコンプレッサを停止させると共に、低圧側の冷媒温度が所定の着霜検知温度まで低下した場合に、コンプレッサの回転数を上昇させ、その後、コンプレッサの停止により定期除霜間隔にかかわらず蒸発器の除霜を実行するので、蒸発器に発生した着霜を早期に除霜することができるようになる。
【0065】
これにより、着霜によって蒸発器に流入した冷媒が周囲の空気と熱交換できず、コンプレッサ内に液冷媒が戻って、液圧縮するといった不都合を極力回避することができるようになり、コンプレッサの耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0066】
請求項2の発明によれば、冷却装置は所定の定期除霜間隔で蒸発器の除霜を実行する制御手段を備え、この制御手段は、コンプレッサに吸い込まれる冷媒温度が所定の着霜検知温度まで低下した場合には、定期除霜間隔にかかわらず蒸発器の除霜を実行するので、蒸発器に発生した着霜をより一層早期に除霜することができるようになる。
【0067】
これにより、着霜によって蒸発器に流入した冷媒が周囲の空気と熱交換できず、コンプレッサ内に液冷媒が戻って、液圧縮するといった不都合を極力回避することができるようになり、コンプレッサの耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0068】
請求項3の発明によれば、冷却装置は所定の定期除霜間隔で蒸発器の除霜を実行する制御手段を備え、この制御手段は、外気温度が高い場合に定期除霜間隔を長くし、外気温度が低い場合には定期除霜間隔を短くするので、外気温度が高い場合には定期除霜の間隔が長くなることによりコンプレッサの連続運転を継続して庫内温度の上昇を防ぐことができるようになる。これにより、冷却能力の向上を図ることができるようになる
【0069】
また、外気温度が低い場合には定期除霜間隔を短くすることにより、蒸発器に発生した着霜を早期に除霜することができるようになる。これにより、コンプレッサの液圧縮による損傷の発生を極力回避することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却装置の冷媒回路図である。
【図2】実施例の冷却装置における庫内温度、蒸発温度及び回転数の推移を示す図である。
【図3】他の実施例の冷却装置における庫内温度、蒸発温度及び回転数の推移を示す図である。
【図4】もう一つの実施例の冷却装置における定期除霜時間と外気温度の関係を示す図である。
【図5】従来の冷却装置における庫内温度、蒸発温度及び回転数の推移を示す図である。
【符号の説明】
10 コンプレッサ
20、22 冷媒導入管
24 冷媒吐出管
26、28 冷媒配管
35 中間冷却回路
40 ガスクーラ
45 電磁弁
50 内部熱交換器
54、56 ストレーナ
55 スエッジロック継ぎ手
58 キャピラリチューブ
60、66 弁装置
70 ディスチャージセンサ
72 高圧スイッチ
74 外気温度センサ
76 冷媒温度センサ
80 マイクロコンピュータ
90 制御装置
92 蒸発器
94 冷媒配管
100 コンデンシングユニット
105 冷蔵機器本体
110 冷却装置

Claims (3)

  1. コンプレッサ、ガスクーラ、減圧手段及び蒸発器などから構成される冷媒回路を備えた冷却装置において、
    前記コンプレッサの回転数を制御すると共に、所定の定期除霜間隔で、前記蒸発器の除霜を実行する制御手段を備え、
    該制御手段は、前記蒸発器にて冷却される空間の温度が設定値に低下した場合に前記コンプレッサを停止させると共に、
    低圧側の冷媒温度が所定の着霜検知温度まで低下した場合に、前記コンプレッサの回転数を上昇させ、その後、前記コンプレッサの停止により前記定期除霜間隔にかかわらず前記蒸発器の除霜を実行することを特徴とする冷却装置。
  2. コンプレッサ、ガスクーラ、減圧手段及び蒸発器などから構成される冷媒回路を備えた冷却装置において、
    所定の定期除霜間隔で前記蒸発器の除霜を実行する制御手段を備え、
    該制御手段は、前記コンプレッサに吸い込まれる冷媒温度が所定の着霜検知温度まで低下した場合には、前記定期除霜間隔にかかわらず前記蒸発器の除霜を実行することを特徴とする冷却装置。
  3. コンプレッサ、ガスクーラ、減圧手段及び蒸発器などから構成される冷媒回路を備えた冷却装置において、
    所定の定期除霜間隔で前記蒸発器の除霜を実行する制御手段を備え、
    該制御手段は、外気温度が高い場合に前記定期除霜間隔を長くし、前記外気温度が低い場合には前記定期除霜間隔を短くすることを特徴とする冷却装置。
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