JP2004232894A - 蒸発器及び改質型燃料電池システム - Google Patents

蒸発器及び改質型燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】少ない温度計で蒸発器の温度を最適に制御し、熱伝達効率を高める。
【解決手段】高温ガス等の加熱流体12は、加熱流体導入ダクト1aから蒸発器1へ導入され、伝熱板7の加熱流体側伝熱面を加熱する。被蒸発流体を挟む伝熱板7同士の間隙は、好ましくは、1〔mm〕以下に設定されている。被蒸発流体タンク2からポンプ3により蒸発器1へ供給された被蒸発流体10は、対向する2枚の伝熱板7の被蒸発流体側伝熱面で加熱されて蒸発する。伝熱板7の被蒸発流体側下流の伝熱面には温度計4が配置され、コントローラ6は、温度計4が検出した蒸発器出口付近の温度と、圧力センサ5が検出した被蒸発流体(蒸気)の圧力とに基づいて、ポンプ3が送出する被蒸発流体(液体)の流量を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を気化する蒸発器及び改質型燃料電池システムに係り、特に燃料又は水を蒸発させるのに好適な蒸発器及びこの蒸発器を用いた改質型燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。
【0003】
燃料電池に水素を供給する方法としては、水素貯蔵装置から直接水素を供給する方法と、メタノールや炭化水素等の原燃料から水素を取り出す燃料改質法とがある。
【0004】
燃料改質法では、原燃料が液体の場合、蒸発器により原燃料や水を蒸発させて燃料改質器に導き、燃料改質器における燃料改質反応により水素を生成している。
【0005】
このような燃料改質用の蒸発器としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この従来技術によれば、被蒸発流体を蒸発させる熱交換器の鉛直方向に複数の熱電対等による温度センサを設け、これら温度センサの検出値を直線近似して熱交換器の温度分布を推定し、この温度分布から被蒸発流体の液面位置を推定し、推定した液面位置に基づいて熱交換器における熱交換状態を制御していた。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−272031号公報(第4頁、図1、図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術にあっては、以下のような問題点があった。
【0008】
(1) 気液混合の二相から気相への変化において、伝熱壁面温度は直線的に変化しないため、正確に判断基準温度(飽和蒸気温度等)に達する伝熱壁面高さを特定できない。
【0009】
(2) 高さ方向に数点の温度センサの設置が容易ではなく、そのための工数、コストアップが発生する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、被蒸発流体を加熱流体との熱交換によって蒸発させる蒸発器において、被蒸発流体側の伝熱面に温度計を設け、該温度計が検出する温度を使用圧力下の飽和蒸気温度より高い所定の温度に制御することを要旨とする。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、温度計を設置した位置の直前で被蒸発流体の状態を気液二相から気相に移行させることができるので、蒸発器内部の広い領域で伝熱性能の高い状態を確保でき、熱交換性能を十分に確保しながら蒸発器を小型化することができるという効果がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る蒸発器の第1実施形態を説明する概略図であり、図1(a)は全体構成図、図1(b)は、蒸発器を制御するコントローラの接続図、図1(c)は蒸発器の斜視図である。本実施形態は、特に限定されないが、改質型燃料電池システムにおける液体燃料または純水の蒸発に好適な蒸発器を示す。
【0013】
図1において、蒸発器1は、少なくとも1組の対向する伝熱板7を備えている。また蒸発器1は、加熱流体12が導入される加熱流体導入ダクト1a、加熱流体12が導出される加熱流体導出ダクト1b、被蒸発流体の蒸気11を導出する蒸気導出ダクト1cを備えている。
【0014】
高温ガス等の加熱流体12は、加熱流体導入ダクト1aから蒸発器1へ導入され、伝熱板7の加熱流体側伝熱面を加熱する。図1の蒸発器1は、加熱流体12の流れる方向と被蒸発流体10の流れる方向が直交しているので、直交流型蒸発器と呼ばれることがある。
【0015】
加熱流体12としては、高温ガス以外に、微粒化燃料と酸化剤ガス(空気)との混合物でもよい。この場合、加熱流体側伝熱面には、燃料の酸化を促進する触媒を設けてもよい。
【0016】
被蒸発流体を挟む伝熱板7同士の間隙は、好ましくは、1〔mm〕以下に設定されている。被蒸発流体タンク2は、液体の被蒸発流体10を貯蔵している。ポンプ3は、被蒸発流体タンク2から液体の被蒸発流体10を汲み上げ、蒸発器1の下部から伝熱板7の間隙へ供給する。供給された液体の被蒸発流体10は、対向する2枚の伝熱板7の被蒸発流体側伝熱面で加熱されて蒸発する。被蒸発流体の蒸気11は、蒸気導出ダクト1cより排出される。
【0017】
伝熱板7の被蒸発流体側下流の伝熱面には温度計4が、またその近傍に蒸気圧を検出する圧力センサ5が取り付けられている。温度計4には、例えば熱電対温度計、半導体温度計等が使用可能である。圧力センサ5には、例えばシリコンダイアフラムの圧力による歪みを歪みゲージ抵抗器で検出する半導体圧力センサが使用可能である。
【0018】
被蒸発流体はポンプ3により蒸発器1の伝熱板7で挟まれた空間へ供給される。蒸発器1を制御するコントローラ6には、温度計4、圧力センサ5、ポンプ3が接続され、コントローラ6は、温度計4が検出した蒸発器出口付近の温度と、圧力センサ5が検出した被蒸発流体(蒸気)の圧力とに基づいて、ポンプ3が送出する被蒸発流体(液体)の流量を制御する。
【0019】
加熱流体には、高温ガスに代えて、微粒化燃料と空気の混合物を用いて、その燃焼熱で被蒸発流体を加熱することもできる。この場合、加熱流体側通路には微粒化燃料と空気との燃焼を促進する触媒を塗布することも考えられる。
【0020】
温度計4は図2に示すように、伝熱板7の被蒸発流体通路の最下流の伝熱面に設けられている。伝熱板7の被蒸発流体側伝熱面の温度分布は、伝熱面入口から液相→気液二相→気相の変化に伴い図3(a)に示すように変化する。気液二相→気相への変化では、伝熱面にドライアウトが発生すると急激に壁温が上昇する。
【0021】
ここで、気液二相→気相のドライアウトが発生すれば伝熱面と蒸気との間の熱伝達率が急激に低下するため、熱伝達率の高い気液二相の状態をできるだけ多く確保すれば、コンパクトな熱交換器においても熱交換性能を向上することができる。
【0022】
次に出口部の直前でドライアウトを発生させるための温度計4の温度調整範囲について説明する。
【0023】
図8は、大気圧下における各チャネル(通路)間隙のマイクロチャネルにおける純水の沸騰曲線を示し、(a)通路間隙0.25〔mm〕、(b)通路間隙0.5〔mm〕、(c)通路間隙1.0〔mm〕の場合をそれぞれ示す。
【0024】
図9は、大気圧下における各チャネル(通路)間隙のマイクロチャネルにおける純水の熱伝達率特性を示し、(a)通路間隙0.25〔mm〕、(b)通路間隙0.5〔mm〕、(c)通路間隙1.0〔mm〕の場合をそれぞれ示す。尚、3気圧から大気圧までの条件においては、ほぼ同様の特性を示す。
【0025】
図8及び図9の各グラフには、伝熱表面の濡れ性を親水性から疎水性に変化させた場合のデータが示されている。ここで、□印で示す酸化チタンコートが最も親水性が高く、次いで、○印で示す表面研磨の経年品、△印で示す表面研磨の新品、◇印で示すシリコーン(ケイ素樹脂)コートが最も親水性が低い(疎水性が高い)。一般的な熱交換器の材料は○から△相当の特性を持つ。
【0026】
これらの特性が示すように、伝熱表面の過熱度が5℃以上で熱流束(伝熱面から被加熱流体へ移動する熱量)は、限界熱流束(Critical Heat Flux)相当になることがわかる。
【0027】
つまり図8(a)、(b)、(c)の3つの図では、伝熱面からの熱流束(Heat flux)が過熱度(Surface superheat=(過熱蒸気温度―蒸発温度))が小さくても5℃付近から大きくても15℃までにはサチレートしており、これ以上伝熱面の温度を上げても、熱流束は増加せず、熱の伝わりはよくならないことを示す。
【0028】
同様に図9(a)、(b)、(c)の3つの図では、伝熱面の過熱度が5℃位から熱伝達率が急激に(対数グラフなので急激に)低下し、15℃位では完全に気化する状態であることを示している。したがって、伝熱面の過熱度が5℃以上15℃以下の範囲にあれば、被蒸発流体がドライアウトした直後の状態にあると考えられ、この範囲に蒸発器出口の伝熱面の温度を制御すれば、熱交換性能を確保することができる。
【0029】
このため、本発明においては、伝熱板の被蒸発流体側の下流伝熱面に温度計4を設け、この温度計が検出する温度を使用圧力下の飽和蒸気温度より高い所定の温度となるように制御する。
【0030】
これにより、温度計の位置の直前で被蒸発流体の状態を気液二相から気相に移行することができるので、気液二相から気相に移行する位置を特定できる。したがって伝熱性能の高い状態を多く確保でき、蒸発器をコンパクトにしても熱交換性能を十分に確保することができるという効果がある。また、温度計が1つでよいのでコスト高になることはない。
【0031】
さらに、好ましくは、図3(a)に示すように、温度計4が検出する温度が使用圧力下の飽和蒸気温度+10〔℃〕±5〔℃〕の範囲となるように、コントローラ6がポンプ3から蒸発器1へ供給する被蒸発流体(液体)10の流量を調整して、蒸発器の出口部分でドライアウトが発生するように制御する。
【0032】
このように伝熱面の状態によって制御する温度範囲を限定することで、気液二相から気相に移行する位置を温度測定位置により近づけることができ、伝熱性能の高い状態をより多く確保できる。
【0033】
図4は、コントローラ6が実行する制御内容を説明する制御フローチャートである。まずステップS10で、圧力センサ5が検出する蒸発器出口部の圧力と蒸発器(または燃料電池)の運転条件を入力する。
【0034】
次いで、ステップS12で、圧力センサ5が検出した圧力から図3(b)に示すようなグラフを参照して、その圧力下の飽和蒸気温度Tsatを計算し、飽和蒸気温度Tsatから目標温度Ttarget を計算する。目標温度Ttarget は、飽和蒸気温度Tsat+10〔℃〕とする。
【0035】
次いで、ステップS14で、温度計4が検出した蒸発器1の伝熱面出口温度Toutが目標温度Ttarget から所定の範囲内(Ttarget ±α,例えばα=5)に入っているか否かの判断をおこなう。ステップS14の判定で、出口温度Toutが目標温度Ttarget から所定の範囲内に入っていれば、ポンプ3による被蒸発流体(液体)の流量が適切であるので、その流量を維持して終了する。
【0036】
出口温度Toutが目標温度Ttarget から所定範囲を外れている場合には、ステップS16へ進み、出口温度Toutが飽和蒸気温度Tsat以下か否かを判定する。出口温度Toutが飽和蒸気温度Tsat以下であれば、ステップS24へ進み、蒸発器1内部の被蒸発流体の温度上昇を促進するために、ポンプ3を一時停止させて被蒸発流体(液体)の流量を0として、終了する。このように、温度計が検出した温度が飽和蒸気温度以下の場合、蒸発器に対する被蒸発燃料の供給を一時的に停止するようにしたので、蒸発器を伝熱性能の高い状態により早く回復できるという効果がある。
【0037】
ステップS16の判定で、出口温度Toutが飽和蒸気温度Tsatを超えていれば、ステップS18へ進み、出口温度Toutが目標温度Ttarget −α以下か否かを判定する。ステップS18の判定で、出口温度Toutが目標温度Ttarget −α以下でなければ、ステップS20へ進み、ポンプ3が送出する被蒸発流体(液体)の流量を増加させて終了する。
【0038】
ステップS18の判定で、出口温度Toutが目標温度Ttarget −α以下であれば、ステップS22へ進み、ポンプ3が送出する被蒸発流体(液体)の流量を減少させて終了する。
【0039】
ステップS18乃至ステップS22の処理において、温度計が検出した温度に応じて被蒸発流体の供給流量を制御するようにしたので、伝熱面の温度が簡単に制御できる。
【0040】
次に、ポンプ3から蒸発器1へ供給する被蒸発流体の流量設定の方法を図5に示す。蒸発器(または燃料電池システム)の運転条件より求まる熱交換量から決まる基本供給流量にTtarget とToutの乖離代に応じた補正量を付加した流量を供給し、特に過渡時におけるToutのTtarget への収束を早める。
【0041】
また、過渡時の応答遅れによる必要蒸気流量の不足分は、図7に示すように改質器(107,108,109)上流に設けたインジェクタ106により供給される。蒸気を過熱器103でさらに過熱する場合には、過熱蒸気中に被蒸発流体である燃料を噴射することで不足分の燃料を蒸発させることができる。これにより、蒸発器を燃料電池システムなどに使用する場合、伝熱面の温度制御のために燃料の供給量を増減しても、燃料電池に燃料を安定して供給することができる。
【0042】
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る蒸発器の第2実施形態を説明する。第2実施形態の蒸発器は、燃料改質型燃料電池システムにおける一酸化炭素を低減するPROX反応器の発熱を熱源として用いている。このため、図6(b)に示すように、蒸発器における加熱流体である改質ガス(供給空気を含む)と被蒸発流体とは同じ方向に流れる所謂、並流形の熱交換器構造としている。
【0043】
図7は、本実施形態の改質型燃料電池システムの全体構成を説明するシステム構成図である。図7において、改質型燃料電池システムは、メチルアルコールや炭化水素等の液体の燃料を貯蔵する燃料タンク100と、燃料ポンプ170,171と、燃料ポンプ170から送られる燃料を被蒸発流体として蒸発させる蒸発器102と、蒸発器102からの燃料蒸気をさらに加熱する過熱器103と、空気を圧縮する圧縮器104と、流量センサ601,602,603と、流量調整弁500,501,502,510,511と、燃料蒸気と空気とを混合する混合器105と、インジェクタ106と、オートサーマル(ATR)反応器107と、シフト反応器108と、一酸化炭素選択酸化(PROX)反応器109と、PROX反応器を熱源として燃料ポンプ171から送られる燃料を被蒸発流体として蒸発させる蒸発器110と、燃料電池200と、圧力センサ520,521と、蒸発器102及び過熱器103に加熱流体としての高温ガスを供給する燃焼器111と、PROX反応器109から燃焼器111へ可燃ガスを直接供給するバイパス流路700と、コントローラ401とを備えている。
【0044】
ここで、蒸発器102,110と、過熱器103と、混合器105と、ATR反応器105と、シフト反応器108と、PROX反応器109と、蒸発器110とは、燃料改質装置を構成している。
【0045】
燃料タンク100に貯蔵された燃料は、燃料ポンプ170を介して液体の被蒸発流体として蒸発器102へ供給される。また燃焼器111による高温ガスが加熱流体として蒸発器102へ供給される。
【0046】
蒸発器102は、高温ガスと燃料との熱交換により、燃料を蒸発させて、燃料蒸気を過熱器103へ送る。過熱器103は、燃料蒸気を更に加熱し、過熱蒸気を作る。混合器105は、圧縮器104から流量調整バルブ501を介して送られる圧縮空気と燃料の過熱蒸気とを混合してATR反応器107へ送る。混合器105とATR反応器107との接続通路には、インジェクタ106が配置され、燃料不足時に、燃料を噴射できるようになっている。混合器105からATR反応器107へ送られる混合気の温度は、その圧力下の燃料の沸点より充分高いので、直ちに蒸発して気化する。
【0047】
ATR反応器107は、燃料蒸気と空気との混合気による部分酸化反応及び水蒸気改質反応により、水素リッチな改質ガスを生成する。シフト反応器108は、改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気との反応により、水素と二酸化炭素とを生成する。PROX反応器109は、改質ガス中に残留する一酸化炭素を選択的に酸化させて二酸化炭素に変化させ、燃料電池触媒に影響しない濃度まで改質ガス中の一酸化炭素濃度を低下させる。
【0048】
燃料電池200の水素極の入口には、PROX反応器109から水素リッチな改質ガスが、空気極の入口には流量調整弁500から圧縮空気がそれぞれ供給される。燃料電池200は、改質ガス中の水素と空気中の酸素との電気化学的反応により発電し、図示しない負荷に直流電力を供給する。
【0049】
燃料電池200の水素極の出口から排出された改質ガスと、同空気極の出口から排出された空気は、燃焼器111へ送られて燃焼する。
【0050】
一方、燃料タンク100から燃料ポンプ171を介して燃料が被蒸発流体として蒸発器110へ供給される。蒸発器110は、PROX反応器109と一体化されたもので、PROX反応器109で反応する改質ガスと空気との混合物が加熱流体として蒸発器110へ導入される。蒸発器110(PROX反応器は、加熱流体側通路に一酸化炭素選択酸化触媒を備え、この触媒により改質ガス中の一酸化炭素を選択的に酸化して、燃料電池触媒に無害な二酸化炭素に変える。
【0051】
この蒸発器110は、伝熱板を挟んで被蒸発流体である燃料と加熱流体とが同一方向へ流れるいわゆる平行流型蒸発器を形成している。
【0052】
図6(b)は、平行流型の蒸発器1における被蒸発流体(燃料液体)10と加熱流体である改質ガス12との流れを説明する模式図である。図6(b)において、被蒸発流体10及び改質ガス12は、共に蒸発器1の下部から流入し、伝熱板を介して改質ガスから被蒸発流体へ伝熱され、一酸化炭素が除去された改質ガス及び被蒸発流体(燃料蒸気)11が蒸発器1の上方から排出されるようになっている。
【0053】
平行流型蒸発器の場合には、被蒸発流体の流に対して直交する位置での温度が同じなので、直交流型蒸発器に比べて、伝熱性能の高い状態をより多く確保できる。また温度分布を均一にできる。
【0054】
PROX反応器109は、改質ガス中の一酸化炭素を酸化して除去するために、その入口部で流量調整弁500から空気を供給する。そして、PROX反応器109内部で発熱反応である一酸化炭素の酸化反応を起こすため、図6(a)に示す様に、反応物質濃度の高い入口部で発熱量が多い。
【0055】
従って、PROX反応器109と一体化された蒸発器110では、この発熱量の大きい入口部において、被蒸発液体は熱伝達率の低い気相ではなく、熱伝達率の高い液単相(熱移動量が大きい場合でも二相流)となるため、効率良い熱交換が可能となる。また、温度計4を触媒の発熱量が少なくなる入口と出口の中間位置に配置して、第1実施形態と同様の温度制御を行えば、発熱量の多い熱交換器の入口でより熱交換できるので熱交換器の温度を均一にでき、熱応力を低減できる効果もある。
【0056】
以上説明した様に本発明によれば、被蒸発側通路の最下流部伝熱壁面等、所定の位置1箇所にに温度計を設け、この温度計で検出した温度を所定の温度範囲に入るよう制御することにより、伝熱面の熱移動量向上、容易な温度計の設定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る蒸発器の構成を説明する全体構成図、(b)コントローラの接続図、(c)蒸発器における熱交換を説明する斜視図である。
【図2】蒸発器における温度計配置を説明する断面図である。
【図3】(a)蒸発器における温度分布例と目標温度の設定を説明する図、(b)蒸発器の使用圧力と飽和蒸気温度とを示す図である。
【図4】コントローラによる被蒸発液体の流量制御を説明するフローチャートである。
【図5】流量制御を説明する図である。
【図6】(a)第2実施形態におけるPROXの発熱量分布を説明する図、(b)第2実施形態の並流型熱交換構造の蒸発器を説明する斜視図である。
【図7】第2実施形態における燃料電池システムの全体構成図である。
【図8】(a)通路間隙0.25〔mm〕、(b)通路間隙0.5〔mm〕、(c)通路間隙1.0〔mm〕における各表面処理毎の伝熱面過熱度−熱流束を示す図である。
【図9】(a)通路間隙0.25〔mm〕、(b)通路間隙0.5〔mm〕、(c)通路間隙1.0〔mm〕における各表面処理毎の伝熱面過熱度−熱伝達率を示す図である。
【符号の説明】
1…蒸発器
2…被蒸発流体タンク
3…ポンプ
4…温度計
5…圧力センサ
6…コントローラ
7…伝熱板
10…被蒸発流体(液体)
11…被蒸発流体(蒸気)
12…加熱流体

Claims (10)

  1. 被蒸発流体を加熱流体との熱交換によって蒸発させる蒸発器において、
    被蒸発流体側の伝熱面に温度計を設け、該温度計が検出する温度を使用圧力下の飽和蒸気温度より高い所定の温度に制御することを特徴とする蒸発器。
  2. 被蒸発流体が気液二相混合状態から完全に気相化する位置に前記温度計を設けたことを特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  3. 被蒸発流体通路を挟む伝熱面の間隔が1〔mm〕以下であり、前記温度を飽和蒸気温度+10〔℃〕±5〔℃〕の範囲で制御することを特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  4. 前記温度計の設定位置を被蒸発流体側最下流伝熱部としたことを特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  5. 加熱流体の流れと被蒸発流体の流れとが平行することを特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  6. 加熱流体側に触媒を備え、燃料と酸化剤とを混合した加熱流体が前記触媒を介して発熱反応することにより加熱流体側の伝熱面を加熱し、前記温度計の位置が被蒸発流体の入口と出口との中間部に位置することを特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  7. 被蒸発流体の供給流量を前記温度計が検出する温度に応じて制御することを特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  8. 前記温度が飽和蒸気温度以下の場合、被蒸発流体の供給を停止することを特徴とする請求項7記載の蒸発器。
  9. 蒸発器下流の過熱蒸気中に被蒸発流体を噴霧する噴霧手段を備え、
    過渡時等に蒸発量が不足又は過剰の場合には、前記噴霧手段が噴霧する被蒸発流体の量を増加又は減少するように制御することを特徴とする請求項7記載の蒸発器。
  10. 請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の蒸発器を液体燃料と水との少なくとも一方の蒸発に用いることを特徴とする改質型燃料電池システム。
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