JP2004232529A - オートチョーク装置 - Google Patents
オートチョーク装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004232529A JP2004232529A JP2003021231A JP2003021231A JP2004232529A JP 2004232529 A JP2004232529 A JP 2004232529A JP 2003021231 A JP2003021231 A JP 2003021231A JP 2003021231 A JP2003021231 A JP 2003021231A JP 2004232529 A JP2004232529 A JP 2004232529A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- engine
- opening
- temperature
- choke valve
- closing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Means For Warming Up And Starting Carburetors (AREA)
Abstract
【課題】エンジンの始動と停止を比較的短時間で繰り返すといった場合でも、チョークバルブの開閉度をエンジンの始動に適切な開閉度とし、エンジンの円滑な始動を図ることができるほか、始動後のスロットルバルブの開閉度に対応してエンジンのアイドル回転数を適切に保つことができるオートチョーク装置の提供にある。
【解決手段】自動開閉式のチョークバルブ13がエンジンのキャブレター部11に備えられたオートチョーク装置10において、チョークバルブ13の開閉度を制御する電動モータが備えられるとともに、エンジン3の状態を確認する確認手段が備えられ、確認手段に確認されるエンジン3の状態に基づいて電動モータを駆動制御する制御手段が設けられる。
【選択図】 図2
【解決手段】自動開閉式のチョークバルブ13がエンジンのキャブレター部11に備えられたオートチョーク装置10において、チョークバルブ13の開閉度を制御する電動モータが備えられるとともに、エンジン3の状態を確認する確認手段が備えられ、確認手段に確認されるエンジン3の状態に基づいて電動モータを駆動制御する制御手段が設けられる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンのキャブレター部に備えられたチョークバルブを自動的に開閉するオートチョーク装置に関し、特に、エンジンの状態に応じてチョークバルブを開閉制御するオートチョーク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガソリンエンジン等では、寒冷時におけるエンジンの始動を容易とするために、スロットルバルブが設けられたエンジンのキャブレター部に開閉自在のチョークバルブを設けることが広く知られている。
そして、エンジンの始動時にチョークバルブを閉じて、空燃比の低い混合気を得てエンジンを始動させ、エンジン始動後の通常運転時にはチョークバルブを開いて通常の空燃比の混合気によりエンジンを運転することが一般的である。
【0003】
こうしたチョークバルブを自動的に開閉制御するオートチョーク装置が従来から存在するが、第1の従来技術として、エンジンの吸気温度を測定し、吸気温度に応じてチョークバルブが閉じている時間を制御するといったオートチョーク装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、第2の従来技術として、エンジンのシリンダブロック又はマフラーの近傍に形状記憶合金製ばねを配置し、エンジンの熱により伸長する形状記憶合金製ばねによりチョークバルブを自動的に開閉するオートチョーク装置が存在する(例えば、特許文献2を参照)。
さらに、オートチョーク装置に関連する第3の従来技術として、始動時には手動でチョークバルブを閉じておき、始動後に温度センサにより排気ガスの温度を検出し、排気ガスの温度が設定温度以上の場合にはチョークバルブを開くように制御する半自動式のものも知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−116256号公報(図1〜図4)
【特許文献2】
特開2001−65407号公報(図1)
【特許文献3】
特開平10−30499号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のオートチョーク装置では、エンジンの始動と停止が比較的短時間で繰り返される場合、チョークバルブの開閉度をエンジンの再始動のために適切な開閉度とすることができないという問題がある。
【0006】
すなわち、第1の従来技術は外気温度に応じてチョークバルブが閉じている時間を制御するオートチョーク装置であるが、停止状態のエンジンがある程度暖機された状態にある場合、エンジンの吸気温度はエンジンよりも早く温度が下がり、このため、エンジンの再始動時においては、チョークバルブを閉じた状態でエンジンを始動させることになり、空燃比の低い混合気がエンジンに供給され、エンジンの再始動が困難となる。
また、第2の従来技術は、エンジンの熱により伸長する形状記憶合金ばねによりチョークバルブを自動的に開閉するオートチョーク装置であるものの、この形状記憶合金ばねは、エンジンの外側に備えられているほか、エンジンよりも著しく熱容量が小さいことから、エンジンを停止するとエンジンよりも早く冷却されて、チョークバルブを閉じてしまう可能性が高い。
さらに、第3の従来技術は、排気ガスの温度が設定温度以上の場合にはチョークバルブを開くように制御するものであるが、間接的にエンジンの状態を確認することに止まり、また、エンジンを停止するとエンジンよりも早く排気ガスの温度が低下することは明らかである。
【0007】
特に、フォークリフト等の産業車両の場合、エンジンの運転時間や停止時間が比較的短く、エンジンの再始動が頻繁に繰り返される傾向にある。
こうした状況下では、チョークバルブの開閉度がエンジンの再始動に適切な状態でないことが多く、エンジンの再始動に不適切な混合気がエンジンに供給され、エンジンの再始動が困難となることがある。
ちなみに、第1〜第3の従来技術はチョークバルブの開閉を自動的に行うものであり、チョークバルブの開閉度を自由に制御する点は言及されていない。
【0008】
本発明の目的は、エンジンの始動と停止を比較的短時間で繰り返すといった場合でも、チョークバルブの開閉度をエンジンの始動に適切な開閉度とし、エンジンの円滑な始動を図ることができるほか、始動後のスロットルバルブの開閉度に対応してエンジンのアイドル回転数を適切に保つことができるオートチョーク装置の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、自動開閉式のチョークバルブがエンジンのキャブレター部に備えられたオートチョーク装置において、チョークバルブの開閉度を制御する電動モータが備えられるとともに、エンジンの状態を確認する確認手段が備えられ、確認手段に確認されるエンジンの状態に基づいて電動モータを駆動制御する制御手段が設けられたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、確認手段がエンジンの状態を確認すると、制御手段により確認されたエンジンの状態に基づいて電動モータが駆動制御され、電動モータの駆動制御により、チョークバルブの開閉度はエンジンの状態に応じたものとなる。
従って、チョークバルブの開閉度は、エンジンの状態に応じてエンジンの始動のために適切な開閉度となるから、エンジンの始動のために適切な空燃比の混合気がエンジンに供給され、エンジンの始動を常に円滑に行うことができる。
特に、エンジンの運転時間と停止時間が比較的短く、エンジンの再始動が頻繁に繰り返される場合であっても、エンジンの再始動が困難となることはない。
なお、ここでいうエンジンの状態とは、確認手段により確認が可能なエンジンの状態を指す。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオートチョーク装置において、エンジンの状態を確認する確認手段がエンジンにおけるエンジン油の温度を測定する温度センサであり、温度センサの測定温度に基づいて電動モータを駆動制御する制御手段であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、温度センサがエンジン油の温度を測定すると、エンジン油の測定温度に基づいて電動モータが制御され、電動モータの駆動制御によりチョークバルブの開閉度はエンジン油の温度に応じたものとなる。
従って、チョークバルブの開閉度は、エンジン油の温度に応じてエンジン始動のために適切な開閉度となるから、エンジン始動に適切な空燃比の混合気がエンジンに供給され、エンジンの始動を常に円滑に行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のオートチョーク装置において、キャブレター部にスロットルバルブが設けられ、チョークバルブの開閉度を制御する電動モータを第1の電動モータとし、スロットルバルブの開閉度を制御する第2の電動モータが設けられるとともに、第2の電動モータを確認手段に確認されるエンジンの状態に基づいて制御手段により駆動制御するようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第1の電動モータの駆動制御により、チョークバルブの開閉度はエンジン油の温度を含むエンジンの状態に応じた開閉度となる一方、第2の電動モータの駆動制御により、スロットルバルブの開閉度もエンジン油の温度を含むエンジンの状態に応じた開閉度となる。
従って、エンジンの始動に適切な空燃比の混合気がエンジンに供給され、エンジンの始動を常に円滑に行うことができるほか、エンジンの状態に応じた適切なアイドル回転数を保つことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るオートチョーク装置を図1及び図2に基づいて説明する。
この実施形態に係るオートチョーク装置は、産業車両として図1に示されるフォークリフト1に適用した例である。
図1に示されるフォークリフト1は、その車体2内に設けられたエンジンルーム内にエンジン3が据え付けられている。
エンジン3の上部には吸気管5を介してキャブレター部11が接続され、このキャブレター部11の上流側にエアクリーナ9が取り付けられ、エンジン3の吸気系を構成している。
一方、エンジン3内の下部にはエンジン油を貯留するオイルパン4が設けられている。
そして、この実施形態ではエンジン3の近傍に作動油タンク6が設けられているが、作動油タンク6は荷役装置8の駆動のための作動油を貯留するものであり、油圧回路7の一部を構成するものである。
【0013】
次に、この実施形態のオートチョーク装置について説明すると、図2に示されるように、この実施形態のオートチョーク装置10は、スロットルバルブ12及びチョークバルブ13を備えたキャブレター部11、チョークバルブ13を制御するステッピングモータ14、ステッピングモータ14を駆動制御するモータコントローラ15、エンジン3の状態を確認する温度センサ16、17、18とから構成されている。
【0014】
まず、スロットルバルブ12及び自動開閉式のチョークバルブ13を備えたキャブレター部11について説明するが、キャブレター部11は混合気のエンジン3への供給量や混合状態を決定し、混合気をエンジン3へ供給するものである。
キャブレター部11に設けられたスロットルバルブ12は、その開閉度に応じて混合気の供給量を制御するものであり、従って、空気はエアクリーナ9を通じてキャブレター部11に吸入され、スロットルバルブ12付近から燃料の供給を受けて混合気となりエンジン3へ供給され、混合気の供給を受けるエンジン3の回転はスロットルバルブ12の開閉度に応じて制御される。
【0015】
一方、チョークバルブ13はスロットルバルブ12に対して上流側に設けられているが、チョークバルブ13はその開閉により燃料に混合させる空気量を制御するものである。
通常、寒冷期等におけるエンジン3の始動時には、チョークバルブ13を閉じ、空燃比の低い(燃料の濃い)混合気をエンジン3に供給して始動し、エンジン3が暖機されるとチョークバルブ13を開放し、空燃比の高い(燃料の薄い)混合気をエンジン3に供給することになる。
この実施形態では、次に説明する電動モータ14の駆動制御により、チョークバルブ13の開閉度がエンジン3の始動に適するように制御される。
【0016】
次に、ステッピングモータ14について説明すると、ステッピングモータ14は先に説明したチョークバルブ13の開閉度を自由に制御するものである。
この実施形態では、電動モータとしてステッピングモータ14を採用しているが、このステッピングモータ14は、後述するモータコントローラ15からエンジンの状態に応じたパルス信号を受けると、ステッピングモータ14が備える固定子コイル(図示せず)に通電され、ステッピングモータ14の回転子(図示せず)がパルス信号に応じた所定の角度に回転されるものである。
そして、ステッピングモータ14における回転子の回転とチョークバルブ13の回転とを連動させることにより、ステッピングモータ14によるチョークバルブ13の開閉度の制御を図っている。
【0017】
ステッピングモータ14の回転子の回転とチョークバルブ13の回転とを連動する具体的手段は図示しないが、例えば、回転子の回転に伴い前進・後進する進退軸をステッピングモータ14に設け、進退軸の進退によりチョークバルブ13を開閉させるリンク機構をステッピングモータ14とチョークバルブとの間に設ければ、ステッピングモータ14の回転子の回転に応じてチョークバルブ13の開閉度を制御することができる。
【0018】
次に、モータコントローラ15について説明するが、モータコントローラ15は、先に説明したステッピングモータ14の駆動を制御するためのものであり、ステッピングモータ14と電気的に接続されている。
従って、モータコントローラ15は、チョークバルブ13の開閉度を制御する電動モータの制御手段として具体化されたものと言える。
また、モータコントローラ15は、次に説明する各温度センサ16、17、18の測定温度に基づいてステッピングモータ14の駆動制御を行うが、具体的には、各温度センサ16、17、18の測定温度に基づくパルス信号がステッピングモータ14へ送られると、ステッピングモータ14の回転子はパルス信号に応じた回転角度で回転される。
【0019】
次に、エンジンの状態を確認するための各温度センサ16、17、18について説明する。
この実施形態では、エンジン3の状態を直接的あるいは間接的に確認するために、エンジン油温度センサ16、作動油温度センサ17、吸気温度センサ18という3種類の温度センサが用いられている。
これらの温度センサ16、17、18はいずれも特定箇所の温度を測定する温度センサであり、先に説明したモータコントローラ15と電気的に接続されている。
【0020】
まず、エンジン油温度センサ16について説明するが、エンジン油温度センサ16はエンジンにおけるエンジン油の温度を測定する温度センサである。
エンジン油温度センサ16は、エンジン3のオイルパン4に取り付けられており、オイルパン4に貯留されるエンジン油の温度を測定するようにしている。
従って、エンジン3の始動時においては温度の低いエンジン3と同じ温度であり、エンジン3の始動後の暖機状態では温度の高いエンジンと同様にエンジン油の温度も高くなる。
また、エンジン3内にエンジン油が貯留されるから、オイルパン4のエンジン油の温度は、エンジン3の温度昇降とほぼ同じように昇降し、エンジン3の状態を正確に確認することができるものと言える。
従って、この実施形態では、エンジン3の状態を直接的に確認する最も有効な確認手段としてエンジン油温度センサ16が主たる要素となっている。
【0021】
一方、作動油温度センサ17は、フォークリフト1の荷役装置8のための作動油の温度を測定する温度センサであり、この実施形態では油圧回路7における作動油タンク6に設けられている。
ちなみに、荷役装置8の作動油は、温まりにくく冷めにくい性質であり、荷役装置8の作動されていない状態では作動油の温度が低いことから、荷役装置8を作動させる場合にはエンジン3に高い負荷が掛かることになる。
一方、荷役装置8が一定時間作動された後にエンジン3を停止し、その後にエンジン3の再始動を伴う荷役装置8の再作動を行う場合には、作動油はある程度温まっていることからエンジン3に対する負荷は低い。
従って、作動油の温度はエンジン3の温度とほぼ同様に昇降することから、作動油の温度に基づいてエンジン3の状態を間接的に把握することができる。
こうしたことから、作動油温度センサ17は、エンジン3の状態を補助的に確認する補助確認手段と言える。
【0022】
この実施形態では、エンジン3の状態を補助的に確認するもう一つの補助確認手段として吸気温度センサ18が備えられている。
吸気温度センサ18は、エンジン3の吸気管5を通過する空気の温度を測定するものである。
エンジン3が冷えている状態ではエンジンルーム内の空気も冷えているため、吸気管5を通過する空気の温度は低く、一方、エンジン3が温まっている状態ではエンジンルーム内の空気も温められており、吸気管5を通過する空気の温度は高くなる。
従って、吸気管5を通過する空気の温度は、エンジン3の温度に応じた温度となることから、吸気管5の温度に基づいてエンジン3の状態を間接的に把握することができる。
【0023】
これらの温度センサ16、17、18により測定された各温度はモータコントローラ15へ入力され、モータコントローラ15により測定された各温度に基づいてチョークバルブ13が適切な開閉度に制御される。
図3に示される3次元マップは、エンジン油温度Te、作動油温度To、吸気温度Taを座標軸とし、各温度に対応するチョークバルブ13の開閉度の設定領域を段階的に示したものであり、この3次元マップはモータコントローラ15に格納されている。
例えば、温度センサ16、17、18により測定される各温度が全て高い場合には、エンジン3は比較的温まっている状態と言えるから、チョークバルブ13の開閉度が大きくなるようにステッピングモータ14を駆動制御すればよく、各温度が全て低い場合には、エンジン3は冷えた状態と言えるからチョークバルブ13の開閉度が小さくなるようにステッピングモータ14を駆動制御すればよい。
【0024】
次に、この実施形態に係るオートチョーク装置10によるエンジン3の始動について説明する。
まず、エンジン油温度センサ16によるエンジン油の温度と、作動油温度センサ17による荷役装置の作動油温度と、吸気温度センサ18によるエンジンの吸気管内の空気の温度を測定する。
各温度センサ16、17、18による測定温度がモータコントローラ15に入力されると、モータコントローラ15に格納されている3次元マップに基づいてチョークバルブ13の開閉度を決定するパルス信号がモータコントローラ15からステッピングモータ14に送られる。
次いで、パルス信号を受けたステッピングモータ14が駆動制御され、チョークバルブ13はエンジン3の状態に応じた開閉度となる。
従って、チョークバルブ13がエンジン3の状態に応じた開閉度であることから、エンジン3の始動に適切な空燃比の混合気が得られ、エンジン3は円滑に始動される。
【0025】
この実施形態のオートチョーク装置10は以下の効果を奏する。
(1)チョークバルブ13の開閉度は常に、エンジン3の始動のために適切な開閉度となるから、エンジン3の始動に適切な空燃比の混合気がエンジン3に供給され、エンジン3の始動を常に円滑に行うことができる。
特に、エンジン3の運転時間や停止時間が比較的短く、エンジン3の再始動が繰り返される場合であっても、エンジン3の再始動が困難となることはない。
(2)エンジン3の状態を確認する確認手段として、エンジン油温度センサ16が備えられ、エンジン油温度センサ16によりエンジン3内のエンジン油の温度が測定されるから、エンジン3の状態を正確に確認することができ、エンジン3の始動のために適切なチョークバルブ13の開閉度を常に図ることができる。
(3)確認手段としてのエンジン油温度16センサのほかに、補助確認手段としての作動油温度センサ17、吸気温度センサ18が備えられているから、エンジン3の状態をより精度高く確認することができ、エンジン3の始動のためにより適切なチョークバルブ13の開閉度とすることができる。
【0026】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るオートチョーク装置について説明する。
この実施形態のオートチョーク装置20は、図4に示されるように、第1の実施形態のオートチョーク装置10におけるステッピングモータ14を第1の電動モータとし、スロットルバルブ12の開閉度を制御する第2の電動モータとして別のステッピングモータ21が設けられたものとなっている。
従って、この実施形態では、説明の便宜上、先に説明した第1の実施形態で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、第1の実施形態の説明を援用する。
【0027】
図3に示されるように、スロットルバルブ12の開閉度を制御するステッピングモータ21が備えられ、このステッピングモータ21はモータコントローラ15と電気的に接続されている。
従って、このステッピングモータ21は、チョークバルブ13の開閉度を制御するステッピングモータ14と同様に、モータコントローラ15からのパルス信号を受けて駆動するものとなっている。
また、スロットルバルブ12の開閉度を制御するステッピングモータ21へのパルス信号は、モータコントローラ15への各温度センサ16、17、18の測定温度の入力により、モータコントローラ15に格納されている別の3次元マップに基づいて決定される。
【0028】
また、この実施形態では、アクセル開度センサ22及びエンジン回転数センサ23がモータコントローラ15に接続されているが、各センサ22、23の測定温度よりもアクセル開度センサエンジン22及び回転数センサ23の入力値を優先するように、モータコントローラ15はステッピングモータ21を駆動するものとなっている。
これは、各温度センサ16、17、18がエンジンの始動時のみに必要な要素であり、アクセル開度センサ22及びエンジン回転数センサ23は始動後の通常運転時に必要とされる要素であるためである。
【0029】
この実施形態のオートチョーク装置20によれば、第1の実施形態と同様の効果のほか、以下の効果を奏する。
スロットルバルブ12の開閉度を各温度センサ16、17、18の測定温度と3次元マップにより制御することにより、エンジン3の状態に応じて始動後のアイドル回転数の最適化を図ることができるから、エンジン3の円滑な始動を図ることができる一方、始動後のスロットルバルブ12の開閉度に対応してエンジン3のアイドル回転数を適切に保つことができる。
【0030】
なお、本発明は、上記した第1、第2の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 第1、第2の実施形態では電動モータとしてステッピングモータ14、21を用いたが、例えばサーボモータ等のようにチョークバルブ13やスロットルバルブ12の開閉度を自由に制御することができる電動モータであれば電動モータの種類は特に制限されない。
○ 第1、第2の実施形態では、エンジン油温度センサ16、作動油温度センサ17、吸気温度センサ18を用いてエンジン3の状態を確認するようにしたが、確認手段であるエンジン油温度センサ16のみを用いてエンジン3の状態を確認してもよい。この場合、エンジン3の状態を的確に確認できるように、エンジン油温度センサ16を適切な位置に設けることが好ましい。
○ 第1、第2の実施形態では、作動油温度センサ17を作動油タンク6に設けるようにしたが、作動油温度センサ17は荷役装置8の作動油の油圧回路7内であればどこでもよく、この場合、エンジン3の温度の昇降と同様に温度の昇降が認められる箇所に設けることが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、エンジンの始動と停止を比較的短時間で繰り返すといった場合でも、チョークバルブの開閉度をエンジンの始動に適切な開閉度とし、エンジンの円滑な始動を図ることができるほか、始動後のスロットルバルブの開閉度に対応してエンジンのアイドル回転数を適切に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のオートチョーク装置を備えるフォークリフトの概略側面図。
【図2】第1の実施形態のオートチョーク装置の概要を示す概略構成図。
【図3】第1の実施形態のチョークバルブの開閉度マップを示す概略説明図。
【図4】第2の実施形態に係るオートチョーク装置の概要を示す概略構成図。
【符号の説明】
10 オートチョーク装置
11 キャブレター部
12 スロットルバルブ
13 チョークバルブ
14 ステッピングモータ
15 モータコントローラ
16 エンジン油温度センサ
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンのキャブレター部に備えられたチョークバルブを自動的に開閉するオートチョーク装置に関し、特に、エンジンの状態に応じてチョークバルブを開閉制御するオートチョーク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガソリンエンジン等では、寒冷時におけるエンジンの始動を容易とするために、スロットルバルブが設けられたエンジンのキャブレター部に開閉自在のチョークバルブを設けることが広く知られている。
そして、エンジンの始動時にチョークバルブを閉じて、空燃比の低い混合気を得てエンジンを始動させ、エンジン始動後の通常運転時にはチョークバルブを開いて通常の空燃比の混合気によりエンジンを運転することが一般的である。
【0003】
こうしたチョークバルブを自動的に開閉制御するオートチョーク装置が従来から存在するが、第1の従来技術として、エンジンの吸気温度を測定し、吸気温度に応じてチョークバルブが閉じている時間を制御するといったオートチョーク装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、第2の従来技術として、エンジンのシリンダブロック又はマフラーの近傍に形状記憶合金製ばねを配置し、エンジンの熱により伸長する形状記憶合金製ばねによりチョークバルブを自動的に開閉するオートチョーク装置が存在する(例えば、特許文献2を参照)。
さらに、オートチョーク装置に関連する第3の従来技術として、始動時には手動でチョークバルブを閉じておき、始動後に温度センサにより排気ガスの温度を検出し、排気ガスの温度が設定温度以上の場合にはチョークバルブを開くように制御する半自動式のものも知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−116256号公報(図1〜図4)
【特許文献2】
特開2001−65407号公報(図1)
【特許文献3】
特開平10−30499号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のオートチョーク装置では、エンジンの始動と停止が比較的短時間で繰り返される場合、チョークバルブの開閉度をエンジンの再始動のために適切な開閉度とすることができないという問題がある。
【0006】
すなわち、第1の従来技術は外気温度に応じてチョークバルブが閉じている時間を制御するオートチョーク装置であるが、停止状態のエンジンがある程度暖機された状態にある場合、エンジンの吸気温度はエンジンよりも早く温度が下がり、このため、エンジンの再始動時においては、チョークバルブを閉じた状態でエンジンを始動させることになり、空燃比の低い混合気がエンジンに供給され、エンジンの再始動が困難となる。
また、第2の従来技術は、エンジンの熱により伸長する形状記憶合金ばねによりチョークバルブを自動的に開閉するオートチョーク装置であるものの、この形状記憶合金ばねは、エンジンの外側に備えられているほか、エンジンよりも著しく熱容量が小さいことから、エンジンを停止するとエンジンよりも早く冷却されて、チョークバルブを閉じてしまう可能性が高い。
さらに、第3の従来技術は、排気ガスの温度が設定温度以上の場合にはチョークバルブを開くように制御するものであるが、間接的にエンジンの状態を確認することに止まり、また、エンジンを停止するとエンジンよりも早く排気ガスの温度が低下することは明らかである。
【0007】
特に、フォークリフト等の産業車両の場合、エンジンの運転時間や停止時間が比較的短く、エンジンの再始動が頻繁に繰り返される傾向にある。
こうした状況下では、チョークバルブの開閉度がエンジンの再始動に適切な状態でないことが多く、エンジンの再始動に不適切な混合気がエンジンに供給され、エンジンの再始動が困難となることがある。
ちなみに、第1〜第3の従来技術はチョークバルブの開閉を自動的に行うものであり、チョークバルブの開閉度を自由に制御する点は言及されていない。
【0008】
本発明の目的は、エンジンの始動と停止を比較的短時間で繰り返すといった場合でも、チョークバルブの開閉度をエンジンの始動に適切な開閉度とし、エンジンの円滑な始動を図ることができるほか、始動後のスロットルバルブの開閉度に対応してエンジンのアイドル回転数を適切に保つことができるオートチョーク装置の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、自動開閉式のチョークバルブがエンジンのキャブレター部に備えられたオートチョーク装置において、チョークバルブの開閉度を制御する電動モータが備えられるとともに、エンジンの状態を確認する確認手段が備えられ、確認手段に確認されるエンジンの状態に基づいて電動モータを駆動制御する制御手段が設けられたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、確認手段がエンジンの状態を確認すると、制御手段により確認されたエンジンの状態に基づいて電動モータが駆動制御され、電動モータの駆動制御により、チョークバルブの開閉度はエンジンの状態に応じたものとなる。
従って、チョークバルブの開閉度は、エンジンの状態に応じてエンジンの始動のために適切な開閉度となるから、エンジンの始動のために適切な空燃比の混合気がエンジンに供給され、エンジンの始動を常に円滑に行うことができる。
特に、エンジンの運転時間と停止時間が比較的短く、エンジンの再始動が頻繁に繰り返される場合であっても、エンジンの再始動が困難となることはない。
なお、ここでいうエンジンの状態とは、確認手段により確認が可能なエンジンの状態を指す。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオートチョーク装置において、エンジンの状態を確認する確認手段がエンジンにおけるエンジン油の温度を測定する温度センサであり、温度センサの測定温度に基づいて電動モータを駆動制御する制御手段であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、温度センサがエンジン油の温度を測定すると、エンジン油の測定温度に基づいて電動モータが制御され、電動モータの駆動制御によりチョークバルブの開閉度はエンジン油の温度に応じたものとなる。
従って、チョークバルブの開閉度は、エンジン油の温度に応じてエンジン始動のために適切な開閉度となるから、エンジン始動に適切な空燃比の混合気がエンジンに供給され、エンジンの始動を常に円滑に行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のオートチョーク装置において、キャブレター部にスロットルバルブが設けられ、チョークバルブの開閉度を制御する電動モータを第1の電動モータとし、スロットルバルブの開閉度を制御する第2の電動モータが設けられるとともに、第2の電動モータを確認手段に確認されるエンジンの状態に基づいて制御手段により駆動制御するようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第1の電動モータの駆動制御により、チョークバルブの開閉度はエンジン油の温度を含むエンジンの状態に応じた開閉度となる一方、第2の電動モータの駆動制御により、スロットルバルブの開閉度もエンジン油の温度を含むエンジンの状態に応じた開閉度となる。
従って、エンジンの始動に適切な空燃比の混合気がエンジンに供給され、エンジンの始動を常に円滑に行うことができるほか、エンジンの状態に応じた適切なアイドル回転数を保つことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るオートチョーク装置を図1及び図2に基づいて説明する。
この実施形態に係るオートチョーク装置は、産業車両として図1に示されるフォークリフト1に適用した例である。
図1に示されるフォークリフト1は、その車体2内に設けられたエンジンルーム内にエンジン3が据え付けられている。
エンジン3の上部には吸気管5を介してキャブレター部11が接続され、このキャブレター部11の上流側にエアクリーナ9が取り付けられ、エンジン3の吸気系を構成している。
一方、エンジン3内の下部にはエンジン油を貯留するオイルパン4が設けられている。
そして、この実施形態ではエンジン3の近傍に作動油タンク6が設けられているが、作動油タンク6は荷役装置8の駆動のための作動油を貯留するものであり、油圧回路7の一部を構成するものである。
【0013】
次に、この実施形態のオートチョーク装置について説明すると、図2に示されるように、この実施形態のオートチョーク装置10は、スロットルバルブ12及びチョークバルブ13を備えたキャブレター部11、チョークバルブ13を制御するステッピングモータ14、ステッピングモータ14を駆動制御するモータコントローラ15、エンジン3の状態を確認する温度センサ16、17、18とから構成されている。
【0014】
まず、スロットルバルブ12及び自動開閉式のチョークバルブ13を備えたキャブレター部11について説明するが、キャブレター部11は混合気のエンジン3への供給量や混合状態を決定し、混合気をエンジン3へ供給するものである。
キャブレター部11に設けられたスロットルバルブ12は、その開閉度に応じて混合気の供給量を制御するものであり、従って、空気はエアクリーナ9を通じてキャブレター部11に吸入され、スロットルバルブ12付近から燃料の供給を受けて混合気となりエンジン3へ供給され、混合気の供給を受けるエンジン3の回転はスロットルバルブ12の開閉度に応じて制御される。
【0015】
一方、チョークバルブ13はスロットルバルブ12に対して上流側に設けられているが、チョークバルブ13はその開閉により燃料に混合させる空気量を制御するものである。
通常、寒冷期等におけるエンジン3の始動時には、チョークバルブ13を閉じ、空燃比の低い(燃料の濃い)混合気をエンジン3に供給して始動し、エンジン3が暖機されるとチョークバルブ13を開放し、空燃比の高い(燃料の薄い)混合気をエンジン3に供給することになる。
この実施形態では、次に説明する電動モータ14の駆動制御により、チョークバルブ13の開閉度がエンジン3の始動に適するように制御される。
【0016】
次に、ステッピングモータ14について説明すると、ステッピングモータ14は先に説明したチョークバルブ13の開閉度を自由に制御するものである。
この実施形態では、電動モータとしてステッピングモータ14を採用しているが、このステッピングモータ14は、後述するモータコントローラ15からエンジンの状態に応じたパルス信号を受けると、ステッピングモータ14が備える固定子コイル(図示せず)に通電され、ステッピングモータ14の回転子(図示せず)がパルス信号に応じた所定の角度に回転されるものである。
そして、ステッピングモータ14における回転子の回転とチョークバルブ13の回転とを連動させることにより、ステッピングモータ14によるチョークバルブ13の開閉度の制御を図っている。
【0017】
ステッピングモータ14の回転子の回転とチョークバルブ13の回転とを連動する具体的手段は図示しないが、例えば、回転子の回転に伴い前進・後進する進退軸をステッピングモータ14に設け、進退軸の進退によりチョークバルブ13を開閉させるリンク機構をステッピングモータ14とチョークバルブとの間に設ければ、ステッピングモータ14の回転子の回転に応じてチョークバルブ13の開閉度を制御することができる。
【0018】
次に、モータコントローラ15について説明するが、モータコントローラ15は、先に説明したステッピングモータ14の駆動を制御するためのものであり、ステッピングモータ14と電気的に接続されている。
従って、モータコントローラ15は、チョークバルブ13の開閉度を制御する電動モータの制御手段として具体化されたものと言える。
また、モータコントローラ15は、次に説明する各温度センサ16、17、18の測定温度に基づいてステッピングモータ14の駆動制御を行うが、具体的には、各温度センサ16、17、18の測定温度に基づくパルス信号がステッピングモータ14へ送られると、ステッピングモータ14の回転子はパルス信号に応じた回転角度で回転される。
【0019】
次に、エンジンの状態を確認するための各温度センサ16、17、18について説明する。
この実施形態では、エンジン3の状態を直接的あるいは間接的に確認するために、エンジン油温度センサ16、作動油温度センサ17、吸気温度センサ18という3種類の温度センサが用いられている。
これらの温度センサ16、17、18はいずれも特定箇所の温度を測定する温度センサであり、先に説明したモータコントローラ15と電気的に接続されている。
【0020】
まず、エンジン油温度センサ16について説明するが、エンジン油温度センサ16はエンジンにおけるエンジン油の温度を測定する温度センサである。
エンジン油温度センサ16は、エンジン3のオイルパン4に取り付けられており、オイルパン4に貯留されるエンジン油の温度を測定するようにしている。
従って、エンジン3の始動時においては温度の低いエンジン3と同じ温度であり、エンジン3の始動後の暖機状態では温度の高いエンジンと同様にエンジン油の温度も高くなる。
また、エンジン3内にエンジン油が貯留されるから、オイルパン4のエンジン油の温度は、エンジン3の温度昇降とほぼ同じように昇降し、エンジン3の状態を正確に確認することができるものと言える。
従って、この実施形態では、エンジン3の状態を直接的に確認する最も有効な確認手段としてエンジン油温度センサ16が主たる要素となっている。
【0021】
一方、作動油温度センサ17は、フォークリフト1の荷役装置8のための作動油の温度を測定する温度センサであり、この実施形態では油圧回路7における作動油タンク6に設けられている。
ちなみに、荷役装置8の作動油は、温まりにくく冷めにくい性質であり、荷役装置8の作動されていない状態では作動油の温度が低いことから、荷役装置8を作動させる場合にはエンジン3に高い負荷が掛かることになる。
一方、荷役装置8が一定時間作動された後にエンジン3を停止し、その後にエンジン3の再始動を伴う荷役装置8の再作動を行う場合には、作動油はある程度温まっていることからエンジン3に対する負荷は低い。
従って、作動油の温度はエンジン3の温度とほぼ同様に昇降することから、作動油の温度に基づいてエンジン3の状態を間接的に把握することができる。
こうしたことから、作動油温度センサ17は、エンジン3の状態を補助的に確認する補助確認手段と言える。
【0022】
この実施形態では、エンジン3の状態を補助的に確認するもう一つの補助確認手段として吸気温度センサ18が備えられている。
吸気温度センサ18は、エンジン3の吸気管5を通過する空気の温度を測定するものである。
エンジン3が冷えている状態ではエンジンルーム内の空気も冷えているため、吸気管5を通過する空気の温度は低く、一方、エンジン3が温まっている状態ではエンジンルーム内の空気も温められており、吸気管5を通過する空気の温度は高くなる。
従って、吸気管5を通過する空気の温度は、エンジン3の温度に応じた温度となることから、吸気管5の温度に基づいてエンジン3の状態を間接的に把握することができる。
【0023】
これらの温度センサ16、17、18により測定された各温度はモータコントローラ15へ入力され、モータコントローラ15により測定された各温度に基づいてチョークバルブ13が適切な開閉度に制御される。
図3に示される3次元マップは、エンジン油温度Te、作動油温度To、吸気温度Taを座標軸とし、各温度に対応するチョークバルブ13の開閉度の設定領域を段階的に示したものであり、この3次元マップはモータコントローラ15に格納されている。
例えば、温度センサ16、17、18により測定される各温度が全て高い場合には、エンジン3は比較的温まっている状態と言えるから、チョークバルブ13の開閉度が大きくなるようにステッピングモータ14を駆動制御すればよく、各温度が全て低い場合には、エンジン3は冷えた状態と言えるからチョークバルブ13の開閉度が小さくなるようにステッピングモータ14を駆動制御すればよい。
【0024】
次に、この実施形態に係るオートチョーク装置10によるエンジン3の始動について説明する。
まず、エンジン油温度センサ16によるエンジン油の温度と、作動油温度センサ17による荷役装置の作動油温度と、吸気温度センサ18によるエンジンの吸気管内の空気の温度を測定する。
各温度センサ16、17、18による測定温度がモータコントローラ15に入力されると、モータコントローラ15に格納されている3次元マップに基づいてチョークバルブ13の開閉度を決定するパルス信号がモータコントローラ15からステッピングモータ14に送られる。
次いで、パルス信号を受けたステッピングモータ14が駆動制御され、チョークバルブ13はエンジン3の状態に応じた開閉度となる。
従って、チョークバルブ13がエンジン3の状態に応じた開閉度であることから、エンジン3の始動に適切な空燃比の混合気が得られ、エンジン3は円滑に始動される。
【0025】
この実施形態のオートチョーク装置10は以下の効果を奏する。
(1)チョークバルブ13の開閉度は常に、エンジン3の始動のために適切な開閉度となるから、エンジン3の始動に適切な空燃比の混合気がエンジン3に供給され、エンジン3の始動を常に円滑に行うことができる。
特に、エンジン3の運転時間や停止時間が比較的短く、エンジン3の再始動が繰り返される場合であっても、エンジン3の再始動が困難となることはない。
(2)エンジン3の状態を確認する確認手段として、エンジン油温度センサ16が備えられ、エンジン油温度センサ16によりエンジン3内のエンジン油の温度が測定されるから、エンジン3の状態を正確に確認することができ、エンジン3の始動のために適切なチョークバルブ13の開閉度を常に図ることができる。
(3)確認手段としてのエンジン油温度16センサのほかに、補助確認手段としての作動油温度センサ17、吸気温度センサ18が備えられているから、エンジン3の状態をより精度高く確認することができ、エンジン3の始動のためにより適切なチョークバルブ13の開閉度とすることができる。
【0026】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るオートチョーク装置について説明する。
この実施形態のオートチョーク装置20は、図4に示されるように、第1の実施形態のオートチョーク装置10におけるステッピングモータ14を第1の電動モータとし、スロットルバルブ12の開閉度を制御する第2の電動モータとして別のステッピングモータ21が設けられたものとなっている。
従って、この実施形態では、説明の便宜上、先に説明した第1の実施形態で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、第1の実施形態の説明を援用する。
【0027】
図3に示されるように、スロットルバルブ12の開閉度を制御するステッピングモータ21が備えられ、このステッピングモータ21はモータコントローラ15と電気的に接続されている。
従って、このステッピングモータ21は、チョークバルブ13の開閉度を制御するステッピングモータ14と同様に、モータコントローラ15からのパルス信号を受けて駆動するものとなっている。
また、スロットルバルブ12の開閉度を制御するステッピングモータ21へのパルス信号は、モータコントローラ15への各温度センサ16、17、18の測定温度の入力により、モータコントローラ15に格納されている別の3次元マップに基づいて決定される。
【0028】
また、この実施形態では、アクセル開度センサ22及びエンジン回転数センサ23がモータコントローラ15に接続されているが、各センサ22、23の測定温度よりもアクセル開度センサエンジン22及び回転数センサ23の入力値を優先するように、モータコントローラ15はステッピングモータ21を駆動するものとなっている。
これは、各温度センサ16、17、18がエンジンの始動時のみに必要な要素であり、アクセル開度センサ22及びエンジン回転数センサ23は始動後の通常運転時に必要とされる要素であるためである。
【0029】
この実施形態のオートチョーク装置20によれば、第1の実施形態と同様の効果のほか、以下の効果を奏する。
スロットルバルブ12の開閉度を各温度センサ16、17、18の測定温度と3次元マップにより制御することにより、エンジン3の状態に応じて始動後のアイドル回転数の最適化を図ることができるから、エンジン3の円滑な始動を図ることができる一方、始動後のスロットルバルブ12の開閉度に対応してエンジン3のアイドル回転数を適切に保つことができる。
【0030】
なお、本発明は、上記した第1、第2の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 第1、第2の実施形態では電動モータとしてステッピングモータ14、21を用いたが、例えばサーボモータ等のようにチョークバルブ13やスロットルバルブ12の開閉度を自由に制御することができる電動モータであれば電動モータの種類は特に制限されない。
○ 第1、第2の実施形態では、エンジン油温度センサ16、作動油温度センサ17、吸気温度センサ18を用いてエンジン3の状態を確認するようにしたが、確認手段であるエンジン油温度センサ16のみを用いてエンジン3の状態を確認してもよい。この場合、エンジン3の状態を的確に確認できるように、エンジン油温度センサ16を適切な位置に設けることが好ましい。
○ 第1、第2の実施形態では、作動油温度センサ17を作動油タンク6に設けるようにしたが、作動油温度センサ17は荷役装置8の作動油の油圧回路7内であればどこでもよく、この場合、エンジン3の温度の昇降と同様に温度の昇降が認められる箇所に設けることが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、エンジンの始動と停止を比較的短時間で繰り返すといった場合でも、チョークバルブの開閉度をエンジンの始動に適切な開閉度とし、エンジンの円滑な始動を図ることができるほか、始動後のスロットルバルブの開閉度に対応してエンジンのアイドル回転数を適切に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のオートチョーク装置を備えるフォークリフトの概略側面図。
【図2】第1の実施形態のオートチョーク装置の概要を示す概略構成図。
【図3】第1の実施形態のチョークバルブの開閉度マップを示す概略説明図。
【図4】第2の実施形態に係るオートチョーク装置の概要を示す概略構成図。
【符号の説明】
10 オートチョーク装置
11 キャブレター部
12 スロットルバルブ
13 チョークバルブ
14 ステッピングモータ
15 モータコントローラ
16 エンジン油温度センサ
Claims (3)
- 自動開閉式のチョークバルブがエンジンのキャブレター部に備えられたオートチョーク装置において、
チョークバルブの開閉度を制御する電動モータが備えられるとともに、エンジンの状態を確認する確認手段が備えられ、確認手段に確認されるエンジンの状態に基づいて電動モータを駆動制御する制御手段が設けられたことを特徴とするオートチョーク装置。 - エンジンの状態を確認する確認手段がエンジンにおけるエンジン油の温度を測定する温度センサであり、温度センサの測定温度に基づいて電動モータを駆動制御する制御手段であることを特徴とする請求項1に記載のオートチョーク装置。
- キャブレター部にスロットルバルブが設けられ、チョークバルブの開閉度を制御する電動モータを第1の電動モータとし、スロットルバルブの開閉度を制御する第2の電動モータが設けられるとともに、第2の電動モータを確認手段に確認されるエンジンの状態に基づいて制御手段により駆動制御するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のオートチョーク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003021231A JP2004232529A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | オートチョーク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003021231A JP2004232529A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | オートチョーク装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004232529A true JP2004232529A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32950620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003021231A Pending JP2004232529A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | オートチョーク装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004232529A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1754878A1 (en) * | 2005-07-13 | 2007-02-21 | HONDA MOTOR CO., Ltd. | Automatic choke control system for general-purpose engine |
US8219305B2 (en) | 2008-05-27 | 2012-07-10 | Briggs & Stratton Corporation | Engine with an automatic choke and method of operating an automatic choke for an engine |
US8733322B2 (en) | 2009-10-22 | 2014-05-27 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Air-fuel ratio control device for a carburetor |
-
2003
- 2003-01-30 JP JP2003021231A patent/JP2004232529A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1754878A1 (en) * | 2005-07-13 | 2007-02-21 | HONDA MOTOR CO., Ltd. | Automatic choke control system for general-purpose engine |
US7246591B2 (en) | 2005-07-13 | 2007-07-24 | Honda Motor Co., Ltd. | Automatic choke control system for general-purpose engine |
CN100412347C (zh) * | 2005-07-13 | 2008-08-20 | 本田技研工业株式会社 | 通用内燃机的自动阻风门装置 |
US8219305B2 (en) | 2008-05-27 | 2012-07-10 | Briggs & Stratton Corporation | Engine with an automatic choke and method of operating an automatic choke for an engine |
US8434445B2 (en) | 2008-05-27 | 2013-05-07 | Briggs & Stratton Corporation | Engine with an automatic choke and method of operating an automatic choke for an engine |
US8434444B2 (en) | 2008-05-27 | 2013-05-07 | Briggs & Stratton Corporation | Engine with an automatic choke and method of operating an automatic choke for an engine |
US8733322B2 (en) | 2009-10-22 | 2014-05-27 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Air-fuel ratio control device for a carburetor |
TWI476322B (zh) * | 2009-10-22 | 2015-03-11 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Air - fuel ratio control device for carburetor |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4550627B2 (ja) | 内燃機関の停止制御方法および停止制御装置 | |
EP1832735B1 (en) | Vehicle Control | |
CN102606330A (zh) | 控制一种配有电控涡轮增压器的发动机 | |
US8036818B2 (en) | Control apparatus for general-purpose engine | |
JP5811574B2 (ja) | 可変圧縮比エンジンの始動制御装置 | |
US6648797B2 (en) | Engine control method for reducing emissions during cold start and idling for vehicle | |
JP2008069667A (ja) | 2サイクルエンジンの始動方法 | |
JP2004232529A (ja) | オートチョーク装置 | |
JP2011021567A (ja) | 酸素濃度センサの大気学習装置 | |
JP2004278307A (ja) | Egr装置 | |
JP3708164B2 (ja) | エンジンの始動制御装置 | |
JP4478936B2 (ja) | エンジンの気化ガス燃料供給装置 | |
JP5525275B2 (ja) | 内燃機関の掃気制御装置 | |
JP3990358B2 (ja) | オートチョーク制御装置 | |
JP2006207457A (ja) | 回転電機の制御装置 | |
JP2006083800A (ja) | 車輌運転開始時刻を推定してエンジン暖機運転を行う車輌 | |
JP2007056679A (ja) | エンジンのlpg燃料供給装置 | |
JP2610498B2 (ja) | ディーゼル機関のエアヒータ制御装置 | |
US9410487B2 (en) | Control apparatus for general purpose machine | |
JP2006090148A (ja) | エンジン始動装置 | |
JP3598863B2 (ja) | 内燃機関の吸気制御装置 | |
JP2009203856A (ja) | 内燃機関の吸気制御装置 | |
JP2009156221A (ja) | エンジンの始動装置 | |
JPH0615829B2 (ja) | 内燃機関の電子制御燃料噴射装置 | |
JP6736207B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 |