JP2004231941A - トリガー応答を有する多段ポリマー組成物 - Google Patents

トリガー応答を有する多段ポリマー組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2004231941A
JP2004231941A JP2003408488A JP2003408488A JP2004231941A JP 2004231941 A JP2004231941 A JP 2004231941A JP 2003408488 A JP2003408488 A JP 2003408488A JP 2003408488 A JP2003408488 A JP 2003408488A JP 2004231941 A JP2004231941 A JP 2004231941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
barrier
composition
ionic strength
polymer
aqueous system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003408488A
Other languages
English (en)
Inventor
Chan Chin-Jen
チン−ジェン・チャン
Guo Hailan
ハイラン・クオ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm and Haas Co
Original Assignee
Rohm and Haas Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm and Haas Co filed Critical Rohm and Haas Co
Publication of JP2004231941A publication Critical patent/JP2004231941A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D3/00Other compounding ingredients of detergent compositions covered in group C11D1/00
    • C11D3/16Organic compounds
    • C11D3/37Polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F265/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00
    • C08F265/04Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00 on to polymers of esters
    • C08F265/06Polymerisation of acrylate or methacrylate esters on to polymers thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/28Treatment of water, waste water, or sewage by sorption
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/50Treatment of water, waste water, or sewage by addition or application of a germicide or by oligodynamic treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2305/00Use of specific compounds during water treatment
    • C02F2305/14Additives which dissolves or releases substances when predefined environmental conditions are reached, e.g. pH or temperature
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F5/00Softening water; Preventing scale; Adding scale preventatives or scale removers to water, e.g. adding sequestering agents

Abstract

【課題】水性系中で活性成分及び有益薬剤を防護し、斯かる薬剤を使用環境へ放出することを誘発する多段ポリマーから調製されるバリヤー材及びデバイスを提供する。
【解決手段】比較的高イオン強度において水性系中で安定且つ不溶性であり及び水性系に対する1以上のイオン強度の変化により分散、崩壊、溶解、不安定化、膨潤、変形、軟化、流動化及びこれらの組み合わせから選択される1以上の化学的/物理的応答を発揮する、水性系と接触している1以上の高分子電解質を含むトリガー応答組成物であって、該高分子電解質は(a)第一段として70〜99重量%のアルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマー;及び(b)第二段として1から30重量パーセントのより架橋したアルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマー又は非アルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマーを含む、トリガー応答組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、1以上又は一連のトリガー化事象を含有する水性系に組成物を暴露する際に誘発される化学的又は物理的応答を発揮する組成物に関し、それぞれのトリガー化事象は化学的/物理的プロセス又は特性に対応する。特に、それは、多段ポリマー粒子を組み入れることにより水性系において高分子電解質組成物の安定性及び機械強度を改善することに関する。本発明は、更に、水性系において活性な成分及び有益な薬剤を保護し、斯かる薬剤の使用環境への放出が誘発される多段ポリマー組成物から調製されたバリヤー物質及びデバイスを目的とする。
しばしば、1以上の活性成分/有益薬剤の使用環境への調節された放出を配達又は提供する組成物及びデバイスを提供ことは望ましいことである。特に織物ケア用途において、洗剤に加えて多様な種類の活性成分を含有する洗剤組成物は、洗浄過程でのクリーニングの有効性を改善し、及び後洗浄プロセス、即ち、すすぎ、スピニング及び乾燥の過程で斯かる追加活性物の配達を改善することが求められている。
米国仮特許出願番号60/351,581号は、安定性及び溶解度のようなポリマー特性が高分子電解質の分散されている水性系の1以上の化学的及び/又は物理的特性における変化の関数である高分子組成物を採用するトリガー応答を開示する。イオン強度のような、水性系の1以上の化学的及び/又は物理的特性を調整することは、比較的高イオン強度条件下で変更され又は分離した水性系において安定性及び不溶性を残しながら比較的低イオン強度条件下で水性系内において不安定化し、溶解し、膨潤又は分散することにより応答する高分子電解質をトリガーする。その高分子組成物は、1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し又は形成するバリヤー及びデバイスの組み立てを可能にする。そのバリヤー及びデバイスは時期尚早な放出から活性成分を防御し、それから水性系の1以上の化学的及び/又は物理的特性を通して高分子電解質バリヤーの溶解、劣化、膨潤又は分散を経由して活性物の望ましい放出を招来するためにトリガーされ、操作される。
米国仮特許出願番号60/351,581号明細書
特に織物洗濯用途のために、洗剤、界面活性剤及び機械的撹拌を含む水性系と接触しているバリヤー材の安定性及び機械強度双方を改善することは望ましいことである。本発明者等は、活性成分をカプセル化し、引き続きすすぎサイクルにおける活性剤のトリガー放出を達成するためにイオン強度応答バリヤー材としての多段ポリマー粒子の使用が剪断により誘導された撹拌の結果として水系に時期尚早に分散する活性物又は有益な薬剤の問題を克服することを見出した。多段ポリマー粒子を含む高分子電解質は、水系における湿潤機械強度を有意に改善し、織物ケア活性成分のトリガー配達/放出のためのバリヤー材、カプセル化剤及びデバイス、及びその他の関連する使用環境に有益な薬剤としての有用性を有する。
本発明に有用に採用される高分子電解質は、第一段としてアルカリ可溶性/膨潤性エマルション(ASE)ポリマー及び疎水変性アルカリ可溶性/膨潤性エマルション(HASE)ポリマー、及び少なくとも第二段としてより架橋したASE/HASEエマルションポリマー又は非‐ASE/HASEエマルションポリマーを含む多段ポリマーである。第一及び第二段ポリマー双方は、洗剤の高濃度、界面活性剤及び撹拌を通して誘導された高剪断力に曝されたとき、多段高分子電解質から調製されたバリヤー材及びデバイスが単一段エマルションポリマーに対して水系中で改善された湿潤機械強度及び減少した膨潤性を発揮するよう、注意深く選択されたモノマーを組み込む。しかしながら、多段ポリマーの改善された安定性及び機械強度は、すすぎ条件下でバリヤーが崩壊し且つ不安定化することを妨害せず、更にトリガー応答デバイスが活性物をすすぎ系に放出することを妨害しない。バリヤー材の改善された機械強度及び湿潤強度は、架橋度、ガラス転移温度(Tg)、第二段ポリマーの疎水性、及び第二段対第一段ポリマーの割合の関数である。
多段ポリマーのトリガー応答性質は、酸性モノマーの種類と量、酸性モノマーの中和度、非イオン性ビニル界面活性剤の種類と量及び水性系のイオン強度を含む1以上のパラメーターの結果としてそれらが接触している(例えば、分散している)高分子電解質及び水性系双方の1以上の化学的及び物理的特性における変化の関数である。更に発明者等は、多段ポリマー粒子から調製された斯かる高分子電解質は水性系において1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し及び/又は形成するための有効なバリヤー材を形成すること、及びそのバリヤー材の安定性はイオン強度に加えてpH、温度、機械的撹拌、希釈及びこれらの組み合わせを含む水性系の1以上の化学的及び/又は物理的特性における変化に応答するよう有用に操作され得ることを見出した。比較的高イオン強度条件下で織物洗浄サイクルのような水性系において、ポリマー組成物は、1以上の活性成分/有益薬剤を含有させ又はカプセル化するのに十分安定であり、有効なバリヤーを形成する。織物すすぎサイクルのような比較的低イオン強度条件下でその組成物を水性系に曝すことは、活性成分が水性系において迅速に分散するように組成物の不安定を誘発する。本発明のトリガー応答性組成物は、上記の先行技術の限界を取り除き、1以上の活性成分/有益薬剤の使用環境への調節された放出を与えるための新規な組成物、デバイス及びプロセスを提供する。
従って、比較的高イオン強度において水性系に安定且つ不溶性であり、及び分散、劣化、崩壊、溶解、不安定化から選択される1以上の化学的/物理的応答を発揮する、水性系と接触している1以上の高分子電解質を含むトリガー応答組成物が提供され、ここで、本組成物の化学的/物理的応答は、水性系に対する1以上のイオン強度の変化により誘発される。高分子電解質は、(a)第一段として70〜99重量%のアルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマー;及び(b)少なくとも第二段として1から30重量パーセントのより架橋したASE/HASEエマルションポリマー又は非‐ASE/HASEエマルションポリマーを含むポリマーを含み、ここで、バリヤー材の改良された機械強度及び湿潤強度は、架橋度、Tg、第二段ポリマーの疎水性、及び第二段エマルションポリマー対第一段エマルションポリマーの割合の関数である。水性系は、織物洗浄又はクリーニング系であり、ここで、ポリマーの機械的/物理的応答は、イオン強度に加えてpH、界面活性剤濃度水準、温度、機械的撹拌、及びこれらの組み合わせを含む1以上のパラメーターにおける変化の関数である。
一態様において、トリガー応答組成物は、(a)第一段として80〜95重量%のアルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマー;及び(b)第二段として5から20重量パーセントの高度に架橋したエマルションポリマーを含むポリマーを含む。
第二に、水性系と接触している1以上の多段高分子電解質を含むトリガー応答バリヤー組成物が提供され、ここで、バリヤー組成物は1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し又は形成し;ここで、バリヤー組成物は比較的高イオン強度において水性系において安定且つ不溶性であり;ここで、バリヤーは分散、劣化、崩壊、溶解、不安定化、変形、膨潤から選択される1以上の化学的/物理的応答を発揮し;ここで、組成物の化学的/物理的応答は水性系に対する1以上のイオン強度の変化により誘発され、且つ、ここで、バリヤー組成物はトリガー応答の結果として活性成分を水性系に放出することができる。
(a)1以上の活性成分;(b)1以上の添加剤;及び(c)1以上のイオン強度応答多段高分子電解質を含むバリヤー組成物を含む1以上の活性成分の水性系へのトリガー放出のためのデバイスが提供され;ここで、バリヤー組成物は1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し又は形成し;ここで、バリヤー組成物は比較的高イオン強度において水性系において安定且つ不溶性であり;ここで、バリヤーは分散、劣化、崩壊、溶解、不安定化、および変形から選択される1以上の化学的/物理的応答を発揮し;ここで、組成物の化学的/物理的応答は水性系に対する1以上のイオン強度の変化により誘発され、且つ、ここで、デバイスはバリヤー組成物のトリガー応答の結果として活性成分を水性系に放出することができる。
また、(a)多段ポリマーから調製されたイオン強度応答性バリヤー組成物で1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し又は形成し、バリヤーは活性成分を水性系に放出することについて実質的に不透過であり、水性系中において不溶性のままである;及び(b)水性系のイオン強度を変更することを含む工程を含む1以上の活性成分の水性系への放出を誘発するプロセスが提供され;ここで、バリヤー組成物は分散し、不安定化し、崩壊し、溶解し、変形し又は膨潤して、実質的に透過性となり、それにより活性成分の水性系への放出を誘発する。
本発明に関係する用語「高分子電解質」は、イオン化された及び/又はイオン化可能な基を有する1以上のモノマーの重合の結果として、ポリマー内に複数のイオン化された及び/又はイオン化可能基を含有する、水性系と接触しているポリマー又はマクロモレキュラー化合物を意味する。高分子電解質は、例えば、水、水混入水素結合性溶媒、極性溶媒及び有機溶媒を含む水性系と接触している。例えば、イオン及び荷電基を溶媒和することができる溶媒を含有するものを含む非水性系が本発明に有用に採用されることが想定される。本発明に有用に採用される高分子電解質は、排他的にカチオン基を含むことができ、排他的にアニオン基を含むことができ又はカチオン及びアニオン基の組み合わせを含有する両性でもよい。高分子電解質の個々のイオン化可能成分としては、弱酸又は強酸基、例えば、それぞれスルホン、ホスホン及びカルボキシル基等;弱塩基又は強塩基、例えば、それぞれ第一級アミン、第二級アミン、アミド、ホスフィン及び第三級アミン;及び例えば、アミノ酸のような両性基が挙げられる。高分子電解質の酸性基は、非中和であり、部分中和されているか又は完全に中和されている。高分子電解質の塩基性基は、非中和及び/又は非第四級化、部分中和及び/又は第四級化又は完全中和及び/又は第四級化されている。本発明に有用に採用される高分子電解質の好適な例としては、ポリカルボン酸ポリマー及びそれらの塩のようなポリ(酸)ホモポリマー、コポリマー及びそれらの塩、アルカリ可溶性エマルションポリマー、疎水性変性アルカリ可溶性エマルションポリマー及びポリアスパルギン酸ポリマー;ポリ(塩基)ホモポリマー、コポリマー及びそれらの塩及び両性ホモポリマー、コポリマーおよびそれらの塩が挙げられる。好ましい高分子電解質としては、ASEポリマーと称されるアルカリ可溶性エマルションポリマー及びHASEポリマーと称される疎水性変性アルカリ可溶性エマルションポリマー及びポリアスパラギン酸が挙げられる。
本発明に関連する用語「トリガー応答」は、水性系についての1以上の化学的/物理的パラメーター又は特性の変更にを通して、変化を誘発させることにより水性系と接触しているポリマー組成物の1以上の化学的/物理的特性を調節し、操作し又は変更させることを意味する。関心の対象である、典型的なポリマーの化学的/物理的パラメーターとしては、例えば、溶解度、膨潤挙動、安定性、多孔度、中和度、ポリマーの束一的性質、ポリマー官能基の酸/塩基特性及びポリマー官能基の反応基等が挙げられる。イオン強度に加えて典型的な水性系の化学的/物理的パラメーター及び特性としては、例えば、pH、温度、界面活性剤濃度、圧力、浸透圧、拡散、機械的撹拌のような機械力、ポリマー官能基と反応し又はそれを中和することができる化学試薬、水性系の束一性的性質及び斯かるパラメーターの組み合わせが挙げられる。本発明者等は、水系においてアルカリ可溶性/膨潤性エマルション(ASE及びHASE)ポリマーの溶解度、分散性、変形性、膨潤度及び安定性応答は水性系のイオン強度の変更又は変化;及びイオン強度の変化に加えて、pH、界面活性剤濃度、温度、機械力及びこれらの組み合わせを変更し又は変化させることにより誘発され得ることを見出した。
本発明に従い有効に採用され且つトリガー応答を有するポリマー粒子は、多段ポリマーである。用語「多段ポリマー」は、第一段がアルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマーであり、ポリマーの少なくとも第二段又は最外段がより架橋されたアルカリ可溶性/膨潤性又は非アルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマーであるものをいう。アルカリ可溶性/膨潤性ポリマー段は、ポリマー粒子の50から99重量%である。一態様において、アルカリポリマー段は、ポリマー粒子の70から95重量%である。第二又は最外段のポリマー粒子は、1から50重量%の高度架橋エマルションポリマーを含む。一態様において、より架橋された段は、ポリマー粒子の5から30重量%である。
本発明のポリマー粒子の各ポリマー段は、逐次重合され、本明細書における用語「段」は重合の各シーケンスの過程で形成されるポリマーを意味する。各段は、また、直前の及び/又は直後の段とは異なるものとして定義される。多段ポリマー粒子は、サスペンション、エマルション、ディスパーション、バルク及び溶液重合を含む当分野でよく知られた多様な標準プロセスにより調製される。本発明の多段ポリマーは、米国特許第4,421,902号;4,427,836号;及び5,451,641号に記載されたようなエマルション重合により調製される。多段エマルションポリマーバインダーを調製するのに使用されるエマルション重合技術は、当分野でよく知られている。例えば、コア/シェル粒子を生じさせるものとして信じられる逐次エマルション重合プロセスは、米国特許第4,325,856号;4,654,397号;4,814,373号;及び6,060,532号に記載されている。複数の非相容性ポリマー相を組み入れた粒子を含有するものと信じられている他の変性ラテックスポリマー組成物は、米国特許第4,814,373号に記載されている。
多段ポリマーは、アルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマーである少なくとも一ポリマー段及びアルカリ不溶性である高度架橋エマルションポリマーを含む少なくとも一段を含む。用語「アルカリ不溶性」又は「塩基不溶性」は、塩基でpH5.0以上に調整された水性媒体に不溶性であることを意味する。アルカリ不溶性ポリマー段は、0から100重量%の1以上のモノエチレン性不飽和モノマー及び0から100重量%の1以上の多官能性モノマーで構成される。用語「多官能性モノマー」は、(i)2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマー及び(ii)1以上のエチレン性不飽和基および1以上の化学反応性官能基を有するモノマーを意味する。
種類(i)の典型的多官能性モノマーとしては、アリルメタクリレート(ALMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ブチレングリコールジメタクリレート(BGDMA)、ジアリルフタレート(DAP)、メチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトール ジ‐、トリ‐及びテトラアクリレート、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。種類(ii)の典型的な多官能性モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、桂皮酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、グリシジルノルボネニルエステル、グリシジルノルボネニルエーテル及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様において、アルカリ不溶性ポリマー段は、90から99.9重量%の1以上のモノエチレン性不飽和モノマー及び0.1から10重量%の1以上の多官能性モノマーを含む。
アルカリ可溶性ポリマー段は、1以上のアルカリ可溶性エマルション(ASE)ポリマー及び/又は疎水性変性アルカリ可溶性エマルション(HASE)ポリマーを含む。アルカリ可溶性/膨潤性エマルション(ASE)ポリマーは、米国特許第3,035,004号及び第4,384,096号(HASEポリマー)及び英国特許第870,994号に開示された酸含有エマルションポリマーに基づいた高分子電解質である。本発明者等は、中和度と結びついてASEポリマー内の酸モノマー及びコモノマーの種類及び量を調整することにより最適帯電密度を達成し、比較的高イオン強度の水性系において安定であり、低い膨潤度を有し及び不溶性であるポリマーを与えることを見出した。本発明に有用に採用されるポリマーは、部分的乃至完全に中和される範囲のカルボン酸基の変動する中和度を有する。本ポリマーは、イオン強度トリガーを組み込むものとして又はイオン強度感受性ポリマーと称されるものとして特徴付けられ得る。より低い水準に水性系のイオン強度を変化させることは、水性系において有意の程度まで迅速に分散し、溶解し又は膨潤するポリマーを結果的として生じさせる。
本発明のASE及びHASEポリマーは、典型的にはカルボン酸基がプロトン型であり、ポリマーを不溶化させ、液体エマルションを与えるよう、酸性条件下で標準エマルション重合技術を使用して調製される。液体コロイドディスパーションとして添加されるとき、微粉化ASEポリマー粒子は、pH調整により殆ど瞬間的に溶解する。中和度、HASEポリマーの酸性モノマー及び非イオン性界面活性剤基双方の種類と量は正確に調節され、安定性、分散性、膨潤特性及び溶解度が水性系のイオン強度に依存するイオン強度感受性ポリマーを与える。本発明に有用に採用されるポリマー組成物は、1以上のトリガー手段、すなわちイオン強度トリガー化条件を組み入れる。ASE及びHASEポリマーの取り扱い、計量、分散の容易性、制御されたpH調整による迅速な可溶化及び中和酸性官能基の帯電密度の最適化、及び高度に望ましいフィルム形成及びバリヤー特性は、パーソナルケア及び家庭用活性物のための制御された放出デバイス、有益薬剤及び活性成分、センサー物質及び検出デバイス、イメージング及び診断試薬、分離、分子認識、トレーシング及び生物分子共役分析用物質及びデバイスの制御放出を実施するカプセル化組成物を含む多岐にわたる用途にとってASE及びHASEポリマーを最も効果的及び効率的バリヤー組成物にする。
ASE及びHASEポリマー段のモノマー成分
本発明のHASEポリマーは、米国特許第4,384,096号に開示された次の三つの成分を含む:(a)15〜70重量パーセントの1以上の酸性モノマー、(b)15〜80重量パーセントの1以上の非イオン性ビニルモノマー、(c)2〜30重量パーセントの1以上の非イオン性ビニル界面活性剤モノマー及び任意に、(d)0.01〜5重量パーセントの1以上の多エチレン性不飽和モノマー。トリガー放出用イオン強度応答組成物としてASE及びHASEポリマーの有効性は次の成分に決定的に依存することが見出された:(i)酸性モノマーの種類及び量、(ii)酸性モノマーの中和度、(iii)非イオン性ビニルモノマーの種類及び量、(iv)非イオン性ビニル界面活性剤の種類と量、(v)多エチレン性不飽和モノマー種類と量、(vi)水性系のpH、及び(vii)これらの組み合わせ。
酸モノマーは必須のイオン強度応答性を提供し、酸モノマーの中和度は酸基の荷電密度を最適化する上で決定的である。非イオン性ビニルモノマーは延長されたポリマー主鎖構造及び付加された疎水性バランスを提供する。非イオン性ビニル界面活性剤モノマーは結合界面活性剤を提供する。全4成分はその安定性、膨潤特性及び溶解度が水性系のイオン強度に依存するイオン強度感受性ポリマー、及びバリヤー組成物を調製することに貢献する。記載された制限の範囲内で、個々のモノマーの割合は特有のトリガー放出用途に最適の特性を達成するために変動可能である。
酸モノマー
ASE及びHASEポリマーは、総モノマー含量を基準にして15〜70重量パーセントの、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、アコニット酸、ビニルスルホン酸及びビニルホスホン酸、アクリルオキシプロピオン酸、メクリルオキシプロピオン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル及びイタコン酸モノメチル等、及びこれらの混合物のようなC〜Cα,β‐エチレン性不飽和カルボン酸モノマーからなる群から選択される1以上の酸性モノマーを必要とする。アクリル酸(AA)又はメタクリル酸(MAA)又はこれらの混合物が、好ましい。AA又はMAAとイタコン酸又はフマル酸との混合物が好適であり、特にアクリル酸又はメタクリル酸との組み合わせにおいて少量で使用されるならば、クロトン酸とアコニット酸の混合物及びこれらの半エステル及びマレイン酸のような他のポリカルボン酸とC〜Cアルカノールとの混合物が、また、好ましい。大部分の目的については、少なくとも約15重量パーセント及び最も好ましくは約20〜50重量パーセントの酸性モノマーを有することが、好ましい。しかしながら、ポリカルボン酸モノマー及び半エステルは一部のアクリル酸又はメタクリル酸と置換され得る、例えば、総モノマー含量を基準にして1〜15重量パーセントの量である。
非イオン性ビニルモンマー
本発明のASE及びHASEポリマーについて必要とされる安定な水性ディスパーション及び望ましい疎水性:親水性バランスを提供するためには、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシブチルメタクリレート;スチレン、ビニルトルエン、t‐ブチルスチレン、イソプロピルスチレン、及びp‐クロロスチレン;酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル及び塩化ビニリデン等を含むC〜C18のα,β‐エチレン性不飽和モノマー、アクリル及びメタクリル酸のC〜Cアルキル及びC〜Cヒドロキシアルキルエステルからなる群から選択される約15〜80重量パーセントの1以上の共重合可能非イオン性モノマーを要求する。実際には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルアクリレートのようなモノビニルエステルが好ましい。
勿論、これらのモノマーは酸性モノマー及びビニル界面活性剤モノマーと共重合可能でなければならない。通常は、モノマーの総重量を基準にして約15〜80重量パーセント及び好ましくは約20〜70重量パーセントの非イオン性ビニルモノマーが、ASEポリマーを調製する上で使用される。
HASEポリマーの非イオン性ビニル界面活性剤モノマー
第三に要求されるモノマーは、総モノマー含量を基準にして、その中に少なくとも二つのオキシアルキレン単位、好ましくは6から70オキシアルキレン単位を有するポリアルキレングリコールのC12からC24アルキルモノエーテルのアクリル酸又はメタクリル酸エステルからなる群から好ましく選択される約0.1〜30重量パーセントの1以上の非イオン性ビニル界面活性剤モノマーである。より好ましくは、アルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エチルアクリレート及びメタクリレート;アルコキシポリ(エチレンオキシ)エチルアクリレート及びメタクリレートである;ここで、エチレンオキシ単位は約6〜70である。好ましいモノマーは、一般式HC=C(R)‐C(O)‐O(CHCHO)R´により定義され、ここで、Rは水素又はCHであり、後者が好ましい、nは少なくとも2であり、好ましくは少なくとも6、40から60まで及び更に70から100までの平均値を有し、及びR´は疎水性基、例えば、12から24の炭素原子又は12から24以上の炭素原子の平均を有するアルキル基又はアルキルフェニル基である。少なくとも約2重量パーセント及び最も好ましくは約2〜20重量パーセントの非イオン性ビニル界面活性剤モノマーを有することが好ましい。
これらの必須のビニル界面活性剤モノマーは、ある種の非イオン性界面活性剤アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルである。斯かる界面活性剤エステルは、当分野で知られている。例えば、ジュナス等の米国特許第3,652,497号は,幾つかの他のポリマー界面活性剤増粘剤を調製する上でアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エチルアクリレートの使用を記載している。ディックスタインの米国特許第4,075,411号は、アルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エチルアルコールのような商業的に入手可能な非イオン性ポリアルキレン界面活性剤アルコール及びブロックポリマーグリコールとアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸又はアコニット酸との酸触媒縮合を含む斯かるビニル界面活性剤を調製するための幾つかの方法を記載している。アルコーリシス及びエステル交換法を含む代替のエステル化法が、また記載されている。他の好適なビニル界面活性剤エステルは、パットンの米国特許第2,786,080号に記載されたような混合又はヘテロポリマーエチレンオキシプロピレンオキシ‐ブチレンオキシポリグリコールのモノエーテルから調製され得る。ここで、使用のためのエステル化され得る追加の界面活性剤アルコールは、「マッカーチオンの洗剤及び乳化剤」1973年、北米版、アルアードパブリッシング Corp.、ニュージャー州、リッジウッド07450に記載されている。
これらのビニル界面活性剤モノマーエステル、即ち、上記式によって定義されたものの幾つかは、ここで記載されたHASEポリマーを調製する上で有用である。界面活性剤モノマーが共重合による液体エマルション生成物に組み入れられることは、本質的である。有益には必須の界面活性剤エステルは、適当な界面活性剤アルコールと成分Aとして使用される過剰のカルボン酸モノマーとの直接酸触媒されるエステル化により調製される。生じた過剰の酸との混合物は、共重合において直接使用され得る、但し、混合物中で少なくとも30パーセント及び好ましくは50〜70パーセント以上の界面活性剤アルコールがエステル化されていることを条件とする。ビニル界面活性剤エステルは、また、望ましくないホモ重合を阻止するためにヒドロキノン又はp‐tertブチルカテコールのような適当な阻止剤を使用して慣用の手段で回収され、精製されることができ、それからHASEポリマーを調製するのに使用される。
酸性モノマー対非イオン性モノマーの均衡が、バリヤー又はカプセル化組成物及び配達デバイスにおいて使用される、生成されたASE及びHASEポリマーのトリガー放出応答及び性能において重要な因子であることが見い出された。
任意に、ASE及びHASEポリマーは少量の少なくとも一つの多エチレン不飽和モノマーを含み、網目構造を有するポリマーを提供する。1以上の多エチレン性不飽和モノマーは重合プロセスの過程でモノマーと配合されてもよく、又はモノマーの重合後に添加されてもよい。好適な例としては、アリルメタクリレート(ALMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ブチレングリコールジメタクリレート(BGDMA)、ジアリルフタレート(DAP)、メチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールジ‐、トリ‐及びテトラ‐アクリレート、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート及びこれらの組み合わせが挙げられる。低濃度の多エチレン性不飽和モノマーが好ましい。何故なら約5重量%を超える濃度はポリマーを架橋し過ぎ又はポリマー網目構造を提供し、その結果、本発明の有効性は著しく減少するからである。好ましい量の多エチレン性不飽和モノマーは、ポリマーの総重量を基準にして0.01から5%重量%、より好ましくはポリマーの総重量を基準にして0.05から0.5%重量%の範囲である。
重合条件
ASE及びHASEポリマーは、遊離基生成開始剤を使用して、通常はモノマー重量を基準にして0.01パーセントから3パーセントの量で、約5.0未満の酸性pHにおいて慣用のエマルション重合により上記モノマーから都合よく調製される。遊離基生成開始剤は、好都合には過酸素化合物、特に過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムのような無機過硫酸塩化合物;過酸化水素のような過酸化物;例えば、クメンヒドロペルオキシド、t‐ブチルヒドロペルオキシドのような有機ヒドロペルオキシド;例えば、ベンゾイルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、過酢酸及び過安息香酸(第一鉄化合物又は亜硫酸水素ナトリウムのような水溶性還元剤により時折活性化される)のような有機ペルオキシド並びに2,2´‐アゾビスイソブチロニトリルのような他の遊離基生成物質である。
本発明のASEポリマーを調製する方法は、エマルション重合条件下で遊離基熱開始剤又はレドックス開始剤系を含む。この新規な方法に好適なモノマーとしては、直接法において遊離基重合に付され得る疎水性及び親水性モノエチレン性不飽和モノマーが挙げられる。「親水性」とは、米国特許第4,880,842号に記載されたようなエマルション重合の条件下で水に高溶解度を有するモノエチレン性不飽和モノマーを意味する。「疎水性」とは、米国特許第5,521,266号に記載されたようなエマルション重合の条件下で水に低溶解度を有するモノエチレン性不飽和モノマーを意味する。
好適な熱開始剤としては、例えば、過酸化水素、過酸塩、ペルオキソ二硫酸及びその塩、ペルオキソエステル塩、アンモニウム及びアルカリ金属過酸化物塩、過ホウ酸塩及び過硫酸塩、ジベンゾイルペルオキシド、t‐ブチルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、2,2´‐アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、tert‐ブチルヒドロペルオキシド、tert‐アミルヒドロペルオキシド、ピネンヒドロペルオキシド及びクミルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド、tert‐ブチルペルオキシネオデカノエート、t‐ブチルペルオキシピバレート及びこれらの組み合わせが挙げられる。
レドックス開始剤系の好適な酸化剤は、例えば、過酸化水素、過酸塩、ペルオキソ二硫酸及びその塩、ペルオキシエステル塩、アンモニウム及びアルカリ金属過酸化物塩、過ホウ酸塩及び過硫酸塩のような水溶性酸化性化合物を含む。レドックス開始剤系の好適な酸化剤としては、また、ジベンゾイルペルオキシド、t‐ブチルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、2,2´‐アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、tert‐ブチルヒドロペルオキシド、tert‐アミルヒドロペルオキシド、ピネンヒドロペルオキシド及びクミルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド、tert‐ブチルペルオキシネオデカノエート、t‐ブチルペルオキシピバレートが挙げられる。アルカリ金属塩素酸塩及び過塩素酸塩、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン及び酸化鉛のような遷移金属酸化物化合物及びヨードベンゼンのような有機化合物のような、遊離基形成を伴い酸素を供与し、ペルオキシドでない化合物は酸化剤として本発明に従い有用に採用され得る。用語「水不溶性」酸化剤は、25℃において水中で20重量%未満の水溶解度を有する酸化性化合物を意味する。ペルオキシド、ヒドロペルオキシド及びこれらの混合物が好ましく、tert‐ブチルヒドロペルペルオキシドが最も好ましい。典型的な酸化剤濃度は、使用されるモノマーの重量を基準にして0.01重量%から3.0重量%、好ましくは0.02重量%から1.0重量%及びより好ましくは0.05重量%から0.5重量%の範囲である。
レドックス開始剤系の好適な還元剤としては、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、アルカリ金属重亜硫酸塩、アセトン重亜硫酸塩のようなケトン付加物、アルカリ金属二亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩及びその塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸塩及びその塩のような低酸化状態を有する硫黄化合物、ヒドロキシルアミン、ヒドロ硫酸ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアンモニウム塩、ポリアミンのような還元性窒素化合物、及びソルボース、フラクトース、グルコース、ラクトース及びそれらの誘導体のような還元糖、アスコルビン酸及びイソアスコルビン酸のようなエンジオール、スルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸及び2‐ヒドロキシ‐2‐スルフィン酢酸及びその塩のようなヒドロキシアルキルスルフィン酸及びフォルムアジンスルフィン酸及びその塩、プロピルスルフィン酸及びイソプロピルスルフィン酸のようなアルキルスルフィン酸、フェニルスルフィン酸のようなアリールスルフィン酸等の還元性化合物が挙げられる。用語「塩」は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム及び亜鉛塩を含む。SSFとして知られるホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウムが好ましい。典型的な還元剤の濃度は、使用されるモノマーの重量を基準にして0.01重量%から3.0重量%、好ましくは0.01重量%から0.5重量%及びより好ましくは0.025重量%から0.25重量%の範囲である。
レドックス開始剤系の金属プロモーター錯体には、塩形の水溶性触媒金属化合物、キレート配位子が、含まれる。好適な金属化合物としては、例えば、硫酸鉄、硝酸鉄、酢酸鉄及び塩化鉄のような鉄(II、III)塩、コバルト(II)塩、銅(I、II)塩、クロム(II)塩、マンガン塩、ニッケル(II)塩、塩化バナジウム(III)、硫酸バナジウム(IV)及び塩化バナジウム(V)のようなバナジウム塩、モリブデン塩、ロジウム塩及びセリウム(IV)塩が挙げられる。金属化合物は、水和金属塩の形態が好ましい。本発明に従い使用される触媒金属塩の典型的な濃度は、0.01ppmから25ppmの範囲である。2以上の触媒金属塩の混合物は、また、本発明に従い有用に採用され得る。
レドックス開始剤系においてレドックスサイクルを促進する金属錯体は、可溶性であってはならないばかりでなく、好適な酸化及び還元電位を有しなければならない。一般的に言われているのは、酸化剤は金属プロモーター錯体(例えば、Fe(II)‐> Fe(III))の低酸化状態を酸化できなければならない、逆に言えば、還元剤は金属プロモーター錯体(例えば、Fe(III)‐> Fe(II))の高酸化状態を還元できなければならない。2以上のエチレン性不飽和モノマーから水性エマルションポリマーを調製するためのレッドクス開始剤系に有用に採用される特定の酸化剤及び還元剤の選択は、金属塩のレドックス電位に依存する。加えて、酸化剤対還元剤の比率は採用される金属塩の電位に依存して、0.1:1.0から1.0:0.1の範囲である。1以上のエチレン性不飽和モノマーから調製された水性ポリマーディスパーションにおいてのモノマー段の効率的な還元については、可溶性金属塩との組み合わせで使用されるキレート配位子は金属塩に対し配位可能である6より少ない群を有する多座アミノカルボキシレート配位子であることが好ましい。
酸化剤及び還元剤は、典型的には別個の流れ又は単一ショットとしての反応混合物に添加され、好ましくはモノマー混合物と同時に添加される。反応温度は、反応進行の全般に亘り100℃より下の温度で維持される。好ましいのは、30℃及び85℃の間の温度、好ましくは60℃より下である。モノマー混合物は正味で添加されるか、水中のエマルションとして添加される。モノマー混合物は、1以上の添加によるか、又は、連続して、反応期間に亘り直線的に又はそうではなく又はそれらの組み合わせで添加され得る。レドックス開始剤系の種類及び量は、エマルション重合の種々の段において同一又は異なってもよい。
任意に、連鎖移動剤及び追加の乳化剤が、使用され得る。代表的な連鎖移動剤は、四塩化炭素、ブロモホルム、ブロモトリクロロメタン、n‐ドデシルメルカプタン、t‐ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、テトラデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、ブチルチオグリコレート、イソオクチルチオグリコレート及びドデシルチオグリコレートのような長鎖アルキルメルカプタン及びチオエステルである。連鎖移動剤は、重合性モノマーの100部当たり約10部までの量で使用される。
しばしば、少なくとも一つのアニオン性乳化剤は、重合充填物に含まれ、1以上の公知の非イオン性乳化剤が、また、存在してもよい。アニオン性乳化剤の例は、アルカリ金属アルキルアリールスルホネート、アルカリ金属アルキル硫酸塩及びスルホン化アルキルエステルである。これらの公知乳化剤の具体例は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジセコンダリーブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸二ナトリウム、二ナトリウムn‐オクタデシルスルホスクシナメート及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウムである。
任意に、エマルション重合技術において、キレート化剤、緩衝剤、無機塩及びpH調整剤のような他の公知の成分が、使用され得る。
約5.0より低い酸pHにおける重合は、不適当な粘度及び凝集化物生成の問題を生ずることなく比較的高固形分を有する水性コロイドディスパーションの直接調製を可能にする。重合は、慣用の方法でモノマーのバッチ及び/又は連続添加を伴い、バッチ法により、ステップ法により又は連続的に遂行される。
必要とされるモノマーは、斯かる割合で共重合され得るし、生じたエマルションポリマーは物理的にブレンドされて、特有な用途についての特性の望ましい均衡を有する生成物を与えることができる。従って、モノマー及びそれらの割合を変えることにより、特定のトリガー応答用途に最適特性を有するエマルションポリマーを設計することができる。
実際には、全モノマーに基づき約15〜60重量パーセント、好ましくは約20〜40重量パーセントの1以上の酸性モノマー、約15〜80重量%、好ましくは40〜70重量%の1以上の非イオン性ビニルモノマー及び約1〜30重量%、好ましくは約2〜20重量%の1以上の非イオン性ビニル界面活性剤エステルモノマーを共重合するのが通常は好ましい。特に、有効な液体エマルションポリマー電解質は、約20〜50重量%のアクリル酸及びメタクリル酸、約40〜70重量パーセントのエチルアクリレート、及び2〜12重量パーセントの、C12〜C24アルコキシポリ(エチレンオキシ)エチルアルコールのメタクリル酸エステルを全て共重合することにより得られる。
一般には、得られたASE及びHASEコポリマーディスパーションは、20から50重量%の範囲の固形分を有し、多エチレン性不飽和モノマーがポリマー中に組み入れられないとき、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定して約200,000から10,000,000の重量平均分子量を有する。連鎖移動剤は、30,000以下まで低下させた重量平均分子量を得るために使用され得る。
酸pHにおいてエマルション重合により調製されるASE及びHASEコポリマーは、通常は典型的な乳状ラテックス外観を有する安定な水性コロイドディスパーションの形態である。斯かる液体エマルションは、光散乱法により測定して約500〜3000Åの平均粒径を有する分離した粒子として分散しているコポリマーを含有する。
約2.5〜5.0の酸性pHにおいて安定な、水性コロイドディスパーションの形態において、ASE及びHASEコポリマーは特に有用であり、望ましいフィルム形成特性を有する。斯かる水性ディスパーションは、約10〜50重量%の、しかも比較的低粘度であるポリマー固形分を含有することができる。従って、それは容易に計量され、水性生成物系とブレンドされる。しかしながら、そのディスパーションは、イオン強度応答性である。ポリマーディスパーションのイオン強度がアンモニア、アミンのような塩基又は水酸化ナトリウム及び炭酸カリウム等の不揮発性無機塩基の添加により調整されるとき、ポリマーは粘度の同時増加を伴い水性相に少なくとも部分的に溶解するので水性混合物は半透明又は透明になる。液体エマルションポリマーが好適な塩基を含有する水溶液とブレンドされるとき、中和はその場で起きることができる。或いは、与えられた応用について所望されるならば、部分又は完全中和によるpH調整は、液体エマルションポリマーと水性生成物とをブレンドする前又は後で遂行され得る。
ASE及びHASEポリマーのガラス転移温度(「Tg」)は、典型的には−60℃から150℃、好ましくは−20℃から50℃の範囲であり、望まれるポリマーTg範囲を達成するために選択されたモノマー及びモノマー量は、当分野ではよく知られている。ここで使用されるTgは、即ち、モノマーM1及びモノマーM2のコポリマーについてのTgを計算するためのフォックス式(T.G.フォックス、Am.Physics Soc.、第1卷、第3号、123頁(1956))を使用して計算されたものである、
Figure 2004231941
ここで、Tg(計算)は、コポリマーにつての計算されたガラス転移温度
w(M1)は、コポリマー中のモノマーM1の重量画分
w(M2)は、コポリマー中のモノマーM2の重量画分
Tg(M1)は、M1のホモポリマーのガラス転移温度
Tg(M2)は、M2のホモポリマーのガラス転移温度、
全ての温度は,°Kである。ホモポリマーのガラス転移温度は、例えば、「ポリマーハンドブック」、J.ブランドラップ及びE.H.インマーグット編集、インターサイエンスパブリッシャーズに見出され得る。
ASE及びHASEポリマーに適用される用語「液体エマルションポリマー」は、ポリマーがエマルション重合により調製されたものを意味し、たとえポリマー自身が室温で固体であり得る(及び一般に固体である)としても、それは液体ディスパーションの形態であるので、「液体」エマルションポリマーである。
本発明のマルチポリマーは、1以上の活性成分/有益薬剤を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し、形成するバリヤー組成物としての使用に有益である。2以上の多段ポリマーが、所望なら使用され得る。勿論、HASEポリマーを組み入れる多段ポリマーは、好ましくは約25℃より下の温度で固有に又は可塑剤の使用を通してのいずれかでフィルム形成性である。斯かる多段ポリマーは水性系に浸漬された1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し及び/又は形成するために有効なバリヤー材を形成し、バリヤー材の安定性はイオン強度を変更させることにより;及びイオン強度に加えてpH、界面活性剤濃度、温度、機械力及びこれらの組み合わせを水性系において変更させることにより変化する。ある種のイオン強度条件下での水性系において、その材料は1以上の活性因子を含有し又はカプセル化するために有効なバリヤーを形成して、安定である。イオン強度が変化した後の水性系に材料を曝すことは、採用されるトリガー応答組成物の種類に依存して、活性成分が水性系に迅速に分散されるよう材料内での不安定性を誘発する。
1以上の多段ポリマーから調製されたバリヤー組成物は、デバイスのバリヤーのイオン強度により誘発された溶解の前の有益な薬剤の放出を阻害しながら充分な構造的支持を提供する、1以上の活性物質を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し、及び/又は形成する非透過性膜を形成する。水性系は主要な液体成分(例えば、有機又は無機物質の溶液、特に電解質、水中での物質及び生理学的流体の混合物)として水を含有する如何なる流体又は溶液を意味する。典型的には、そのバリヤー組成物は、全体的に有益薬剤/活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し及び/又は形成する。必要ならば、1以上の添加剤が、有益薬剤を有するマトリックスを完全に包囲し、カプセル化し及び/又は形成するため複合体バリヤーを調製するために多段ポリマーと配合されてもよい。バリヤー及び複合バリヤー材は、多段ポリマー(トリガー応答組成物)のトリガー応答により崩壊され、かくして有益薬剤を放出するよう厚さ及び機械強度の組み合わせを有する。好ましくは、バリヤーは、0.1μmから1mmの厚さである。好ましくは、バリヤーは、パーソナルケア及びクリーニング用途については10μmから300μmの厚さである。バリヤーは、コーティング、薄膜、稠密フィルム、複合体バリヤー、コンテナー、カプセル及び/又はマトリックスビーズであることができる。
典型的には、バリヤー複合体は、セラミックス、金属又はガラスのような適当に処理された無機物質も使用され得るが、トリガー応答ポリマー及びコポリマー、ポリマーブレンド、バイオポリマー及び如何なる他の自然発生的及び合成的物質から構成される。下記は本発明のバリヤー組成物及びデバイスに組み入れられ得る成分及び添加剤の好ましい一覧である。
セルロースアセテート、セルロースアセテートアセトアセテート、セルロースアセテートベンゾエート、セルロースアセテートブチルスルホネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートブチレートスルフェート、セルロースアセテートブチレートバレレート、セルロースアセテートカプレート、セルロースアセテートカプロエート、セルロースアセテートカプリレート、セルロースアセテートカルボキシメトキシプロピオネート、セルロースアセテートクロロアセテート、セルロースアセテートジメタアミノアセテート、セルロースアセテートジメチルアミノアセテート、セルロースアセテートジメチルスルファメート、セルロースアセテートジパルミテート、セルロースアセテートジプロピルスルファメート、セルロースアセテートエトキシアセテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートエチルカーボネート、セルロースアセテートエチルオキサレート、セルロースアセテートフロエート、セルロースアセテートヘプタノエート、セルロースアセテートヘプチレート、セルロースアセテートイソブチレート、セルロースアセテートラウレート、セルロースアセテートメタクリレート、セルロースアセテートメトキシアセテート、セルロースアセテートメチルカルバメート、セルロースアセテートメチルスルホネート、セルロースアセテートミリステート、セルロースアセテートオクタノエート、セルロースアセテートパルミテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートスルフェート、セルロースアセテートプロピオネートバレレート、セルロースアセテートp‐トルエンスルホネート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートスルフェート、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートトリプロピオネート、セルロースアセテートバレレート、セルロースベンゾエート、セルロースブチレートナフチレート、セルロースブチレート、セルロースクロロベンゾエート、セルロースシアノアセテート、セルロースジカプリレート、セルロースジオクタノエート、セルロースジペンタネート、セルロースペンタンレート、セルロースホルメート、セルロースメタクリレート、セルロースメトキシベンゾエート、セルロースニトレート、セルロースニトロベンゾエート、セルロースホスフェート(ナトリウム塩)、セルロースホスフィネート、セルロースホスフィット、セルロースホスホネート、セルロースプロピオネート、セルロースプロピオネートクロトネート、セルロースプロピオネートイソブチレート、セルロースプロピオネートスクシネート、セルロースステアレート、セルローススルフェート(ナトリウム塩)、セルローストリアセテート、セルローストリカプリレート、セルローストリホルメート、セルローストリヘプタノエート、セルローストリヘプチレート、セルローストリラウレート、セルローストリミリステート、セルローストリニトレート、セルローストリオクタノエート、セルローストリパルミテート、セルローストリプロピオネート、セルローストリスクシネート、セルローストリバレレート、セルロースバレレートパルミテート及びこれらの混合物のようなセルロースエステル類。2‐ヒドロキシブチルメチルセルロース、2‐ヒドロキシエチルセルロース、2‐ヒドロキシエチルエチルセルロース、2‐ヒドロキシエチルメチルセルロース、2‐ヒドロキシプロピルセルロース、2‐ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジメトキシエチルセルロースアセテート、エチル2‐ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、エチルセルローススルフェート、エチルセルロースジメチルスルファメート、メチルセルロース、メチルセルロースアセテート、メチルシアノエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチル2‐ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースのようなセルロースエーテル類。ポリカーボネート。ポリウレタン。ポリビニルアセテート。ポリビニルアルコール。ポリエステル。ポリ(ジメチルシロキサン)のようなポリシロキサン及びポリアスパラギン酸のようなポリアミノ酸。ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)高級アルキルエステル、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサデシルメタクリレート‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート‐コ‐スチレン)、ポリ(n‐ブチルメタクリレート)、ポリ(n‐ブチルアクリレート)、ポリ(シクロドデシルアクリレート)、ポリ(ベンジルアクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(secブチルアクリレート)、ポリ(ヘキシルアクリレート)、ポリ(オクチルアクリレート)、ポリ(デシルアクリレート)、ポリ(ドデシルアクリレート)、ポリ(2−メチルブチルアクリレート)、ポリ(アダマンチルメタクリレート)、ポリ(ベンジルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(2‐エチルヘキシルメタクリレート)、ポリ(オクチルメタクリレート)、アクリル樹脂のようなポリアクリル酸誘導体。ポリ(オクチルオキシエチレン)、ポリ(オキシフェニルエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(ペンチルキシエチレン)、ポリ(フェノキシスチレン)、ポリ(secブチロキシエチレン)、ポリ(tert‐ブトキシエチレン)、それらのコポリマー及びそれらのポリマーブレンドのようなポリエーテル。
典型的な自然発生的な物質としては:チャイニーズ虫蝋のような虫白蝋、蜜蝋、鯨蝋、脂肪及び羊毛蝋;竹の葉蝋、カンデリラ(candelilla)蝋、カルナウバ蝋、ハゼ蝋、オウリキュリー(ouricury)蝋、ホホバ(Jojoba)蝋、ベイラム(bayberry)蝋、米マツ蝋、綿蝋、クランベリー蝋、ケイプベリー(cape berry)蝋、米ぬか油、ひまし油、トウモロコシ油、水素化植物油(例えば、トウゴマ、ヤシ、綿実、大豆)、サトウモロコシ穀物油、スパニッシュモス蝋、サトウキビ蝋、カランダ(caranda)蝋、ブリーチド(breached)蝋,エスパルト(Esparto)蝋、亜麻蝋、マダガスカル蝋、オレンジピール蝋、セラック(shellac)蝋、サイザール(sisal)蝋及びコメ蝋等の植物蝋;モンタン蝋、ピート蝋、石油蝋、石油セレシン(ceresin)、オゾカライト(ozokerite)蝋、微結晶蝋、及びパラフィン等の鉱蝋、ポリエチレンワックス、フィシャートロプッシュワックス、ポリ(エチレングリコール化)ワックス及びセチルエステルワックスを含む化学的に変性された炭化水素ワックス等の合成ワックスが挙げられる。
一態様においては、イオン強度トリガーは成分を包囲するイオン強度感受性バリヤー組成物であり、そのバリヤーは、水性系に放出される活性物質に対し実質的に非透過性であり、比較的高イオン強度(例えば、0.01M以上の炭酸ナトリウムに等しい)において水性系において不溶性のまま残存し、比較的低イオン強度(例えば、0.001M未満の炭酸ナトリウムに等しい)においてバリヤーは水性系に可溶性となり、活性成分の迅速な放出を実行する。
バリヤー材又はデバイス内のトリガー応答組成物は、例えば、フィルム、コーティング、タブレット、コンテナ、パケット、カプセル、ペレット、サシュ(sachet)、マトリックスビーズ及びカプセル化ポリマーグラニュールの形態で本発明に有用に採用される。イオン強度応答トリガー手段は、例えば、バリヤー材を結合、エンケーシング、フリクションフィッティング、部分的なエンケーシング、たとえば外部コーティングとして接着又はバリアの部分的な一部を結合し、又はカプセル化粒子及び共顆粒化粒子を共に形成してカプセル又はタブレットを形成することによりカプセル又はタブレットで提供される。水性系内のイオン強度応答トリガー手段は、デバイスの破裂を引き起こし、その後に1以上の有益薬剤/活性成分の放出が可能とされる。
任意に、イオン強度応答バリヤー物質は、トリガー応答ポリマーブレンドであるか、又はそれらは不活性非溶解性物質とブレンドされる。不活性とは、トリガー範囲においてイオン強度及び/又は他のパラメーター内の変化により実質的に影響を受けないことを意味する。イオン強度応答物質の一部を1以上の不活性非溶解性物質に変えることにより、トリガー後及び放出前の時間差は、調節され得る。不活性非溶解性物質は添加されて、使用(例えば、ポリマー及びバリヤーが膨潤した後)又は貯蔵過程でバリヤー材及びデバイスに対し機械強度及び安定性を更に提供する。本発明で採用される典型的な不活性非溶解性物質は、バリヤー材又はデバイスへの添加剤として記載された材料として列記されている。好ましくは、不活性物質は上記で与えられた添加剤の一覧から選択される。
用語、有益薬剤とは、使用環境にトリガー配達されることに関し望ましく及び/又は有益である物質を意味する。有益な薬剤には、気体、固体又は液体状態の形態の薬剤が含まれる。
用語、有益な薬剤とは、使用環境への配達を調節するのに望ましく及び/又は有益である物質を意味する。斯かる物質の例としては、例えば、織物柔軟材、織物柔軟材配合物、カチオン、アニオン、両性及び非イオン性界面活性剤、スケール調節剤、消泡剤、バッファー、両性添加剤、ビルダー、漂白剤、有機添加剤、無機添加剤、白化剤、染料、汚染除去剤、水硬度剤、還元剤、酸化剤、蛍光増白剤、UV保護剤、リンクル減少剤、グレー(gray)防止剤、しみ防止剤、吸油性ポリマー、耐水性ポリマー、活性保持ポリマー、再沈殿剤、耐再沈殿剤、しみ及び油状物質の形成を防止するポリマー、洗剤添加物配合物、バイオサイド組成物及び配合物、抗微生物剤及び配合物、医薬組成物及び配合物、活性化剤、安定化剤、コビルダー及び耐再沈殿剤のような特別の洗剤特性を有するポリマー、pH調節剤、酵素、酵素阻害剤、消毒剤、パーソナルケア剤、水軟化剤、吸収剤、フレーバー及び香料を含む洗剤添加剤及びクリーニング添加剤が挙げられる。それらの典型的な例は、国際公開特許WO00/17311、米国特許出願公開第2001/0031714A1号及び米国特許第5,358,502号に記載される。
満足に有益な薬剤を配達する上記成分の如何なる混合物も使用され得るが、典型的なイオン強度トリガー手段はデバイスの0.01重量%から50重量%であり、イオン強度トリガー手段を含むバリヤーは、典型的にはデバイスの1%から30%である。好ましくは、イオン強度トリガー手段は、デバイスの0.1%から20%であり、イオン強度トリガー手段を含む膜はデバイスの1%から20%である。有益な薬剤の量は、望ましい効果(例えば、クリーニング効果、柔軟効果、パーソナルケア効果及びこれらの組み合わせ)を達成するのに充分である量である。残りの重量は、望ましい配合成分(上記)及び他の添加剤で調合され得る。
本発明のデバイスは、好ましくは固体の有益なコア又は液体の有益なコアを含有する。任意に、本発明のデバイスは、水溶性壁を含むカプセル内に投与され得る。例えば、そのデバイスはカプセルが溶解するとき、そのデバイスが使用環境中に放出されるように、ゼラチンカプセル内に単独で又は複合的にのいずれかで含有するための適当な大きさに製造され得る。カプセル内に包含されるデバイスが多様な形態を取り得る一方で、かかるデバイスの好ましい形態は、球状又は実質的に球状である。斯かるデバイスの実際の数及び寸法は、多様なよく知られた要因に従い決定されるであろう。例えば、使用環境、有益な薬剤、有益薬剤の量及び放出速度は、斯かるカプセルに含まれるデバイスの寸法、形態及び数並びにカプセルの組成を決定する上で考慮さるべき全ての要因である。
上記の望ましい特徴を有する本発明のデバイスは、下記の方法及び他の慣用な方法を使用することにより上記の物質を使用して製造され得る。
カプセル製剤は、上記ポリマーのキャップ及びボディを形成することにより調製され得る。従来の仕様においては、トリガー応答ポリマーは望ましい形状に成形され、(硬質ゼラチンカプセルが製造される方法と同様の仕様で)結合(sinter)され又は浸漬被覆される。好ましくは、それらは、例えば、スプレーコーティング、ワースター(Wurster)コーティング及びパンコーティングを含む慣用のコーティング技術により調製される。代替的に、硬質ゼラチンカプセルは、バリヤーコーティングで被覆され得る。これらのカプセル母体及びキャップは、その後、気体、液体又は固体及び他の賦形剤(例えば、オスマジェント(osmagent)、膨潤性成分)の形態にて有益薬剤で充填される。それから、カプセルは、望ましいイオン強度応答物質で密封され、組み立てられる。これは、慣用のカプセルシーリング装置を使用して遂行され得る。
タブレットは、慣用の方法及び慣用のタブレット化及びタブレット‐コーティング装置を使用して調製され得る。タブレットコアは、有益薬剤及び他の望ましい賦形剤(例えば、オスマジェント、膨潤性成分)又は他の共通なタブレット化法の直接圧縮により製造され得る。非相容性を最小限にするため又はバリヤーコーティング用の好適な基体を提供するために、タブレットは最初に水溶性プレコートで被覆され得る。プレコートは、砂糖、塩、可溶性セルロース誘導体又は水溶性物質から構成され得る。
タブレットコアは、慣用のコーティング技術を使用して稠密なトリガー応答バリヤー材又は複合体のいずれかで被覆される。これらのフィルムは、流動床コーター、パンコーター、ワースターコーター、スプレードライヤーのような慣用の装置を使用して又は浸漬コーティングにより塗布され得る。
好ましい態様において、本バリヤー組成物は、比較的高イオン強度における水性系において安定及び不溶性であり;ここで、バリヤーは分散、崩壊、溶解、不安定化、変形、膨潤、軟化、流動化及びこれらの組み合わせから選択される1以上の化学的/物理的応答を発揮し;ここで、本組成物の化学的/物理的応答は水性系に対する1以上のイオン強度変化により誘発され;ここで、本デバイスはバリヤ組成物のトリガー応答の結果として水性系に活性成分を放出することができ;ここで、本デバイスは流動床スプレーコーティング、ワースターコーティング、パンコーティング及び共押出し、コアセルベーション、スプレードライング及びスプレーチリングからなる群から選択されるコーティング技術を使用して調製され;及び任意に、ここで、1以上の有益液体成分は、固体グラニュール、ペレット、タブレット、カプセル化グラニュール、サシェ、マトリックスビーズ及びカプセルの形態の1以上の固体活性成分と共顆粒化される。
イオン強度応答性物質の1以上の層又はコーティングは、タブレットコア上に適用される。コーティングは、本バリヤーコーティングを塗布するのに記載されたものと類似の標準コーティング法を使用して塗布される。
ビーズ、グラニュール又は多重粒状物は、タブレットを調製するのに使用されるものに類似の方法で調製され得る。
1以上の多段ポリマーから調製されたバリヤー組成物は、デバイスのバリヤーのトリガー溶解又は分散前に有益な薬剤の放出を阻害しながら充分な構造的支持を提供する、1以上の活性物質を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し、及び/又は形成する非透過性膜を形成する。水性系は、例えば、有機溶媒、無機物質、特に電解質、水中での物質の界面活性剤混合物を含む主要な液体成分として水を含有する溶液を意味するが、これらに限定されない。典型的には、そのバリヤー組成物は、有益な薬剤/活性成分を有するマトリックスを全体的に包囲し、カプセル化し及び/又は形成し、又はバリヤー組成物及び有益薬剤/活性成分の非浸透性マトリックスを形成する。非透過性バリヤー膜材は、それが苛酷なヘビーデューティ液体(HDL)配合物又は織物洗濯洗浄サイクルに限定はされないが、それら含む所定の系において充分安定であり、及び一旦、望ましいトリガー放出環境が発生したら、有益成分を迅速に崩壊し、放出するような厚さ及び機械的強度の組み合わせを有する。好ましくは、非透過性バリヤー膜は、織物ケア洗濯用途のような家庭及びパーソナルケア用途には5μmから300μmの厚さである。非透過性バリヤー膜は、構造的に非対称の稠密性フィルム及び複合膜等であり得る。バリヤー組成物及び有益薬剤/活性成分の非透過性マトリックスビーズの好ましい粒径は、20から5000μmである。典型的には、バリヤー組成物物質及び有益成分のデバイスは、エマルションポリマー及び、織物ケア活性物、パーソナルケア活性物及び香料などを含み、これらに限定されないパーソナルケア及び家庭ケア活性物からなる。
如何なる構造的形態における多段ポリマーの選択された基は、イオン強度トリガー手段として;又はイオン強度トリガー手段に加えて、望ましいトリガー条件の溶液により誘発されるまでデバイスの一体性を維持するpH、界面活性剤濃度、温度、機械的撹拌及びこれらを組み合わせたトリガー手段として使用され得る。トリガーデバイスは、例えば、非透過性稠密コーティング膜又は非透過性マトリックスであり得る。好ましくは、トリガーデバイスは、充分な構造的な支持を提供し、好ましくは水に非透過性であり、そのことがコアを水性系との接触から防止し及び誘発されるまで有益薬剤を放出することを阻害する。典型的には、トリガーデバイスは、成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し及び/又は形成するバリヤー組成物を形成する多段ポリマーから選択され、バリヤーは実質的に活性成分が水性系に放出することに対し非透過性であり、所定の条件下で水性系に不溶性のままであり、イオン強度が変化するとき;及びイオン強度に加えて、pH、温度、界面活性剤濃度水準、機械力及びこれらの組み合わせにおける変化によりバリヤーは水性系で溶解し、膨潤し、分散し、変形し及び/又は崩壊するようになり、活性成分の迅速な放出を実行する。
典型的には、バリヤー物質は、織物洗濯洗浄サイクルに限定されず、これらを含む水性系に不溶性の固体であり、その後、イオン強度が変化するとき;及びイオン強度に加えて、pH、温度、界面活性剤濃度水準、機械力及びこれらの組み合わせにおける変化により、それらは系において溶解する(又は劣化し及び溶解する)。
上記の望ましい特徴を有する本発明のデバイスは、下記の方法及び他の慣用技術及び方法を使用して製造され得る。配達デバイスを製造するための慣用技術は、例えば、米国特許第5,358,502号に記載されたものを含む。
本発明の一つの好ましい態様においては、1以上の有益成分は、限定的ではないが流動床スプレーコーティング、ワースターコーティング、パンコーティング等を含む慣用コーティング技術を経由した1以上の有益成分組成物の非透過性膜でカプセル化される。液体状態における有益成分は、他の固体形活性成分と共顆粒化されてコーティングプロセス前に固体粒子又はタブレットを形成することができるか、又はそれは、例えば、ゼラチンのような水溶性ポリマーから作られたカプセル中に他の活性成分と共に又はそれ以外と組み入れられ得る。この種の有益成分の充填ゼラチンカプセルは、その後バリヤー組成物からなるコーティングが装備される。そのコーティングは、それが洗浄サイクルで充分安定であり、すすぎサイクルにおいて有益成分を放出するために迅速に分散されるよう充分な厚さで製造され得る。
バリヤー組成物のコーティングが、例えば、機械洗濯洗浄の場合に主要洗浄サイクルの初めのような洗浄又はクリーニング稼動の早期段階で溶解しないことを確実にするために、バリヤー組成物膜の安定性はバリヤー組成物の中和度を調整することにより調節され得るが、その結果、洗剤が溶解していない洗浄サイクル初期の早い時期に不溶性となり、それから洗剤の溶解の後で、水性系により中和されて、バリヤー膜は洗浄サイクルにおいて安定を維持し、すすぎサイクルで迅速に溶解され又は分散される。
本発明の他の好ましい態様において、1以上の有益成分は1以上のバリヤー組成物の非透過性膜でカプセル化されるか、又は1以上の有益成分及びエマルション重合、サスペンション重合及びミクロサスペンション重合を経由した1以上のバリヤー組成物の非透過性マトリックスでカプセル化される。どの重合プロセスが採用されるかに依存して、最終カプセル化粒子又はマトリックス粒子の粒径は、0.01から1000μmの間である。
本発明の別の好ましい態様において、1以上の有益成分は、1以上のバリヤー組成物でカプセル化されてポリマーマトリックスビーズを形成する。そのマトリックスビーズは、コア中に上記のものと同一の活性物を有し、スプレードライング又はスプレーチリングのいずれかによるか、又はCaCl又はNaSOのような無機塩溶液での沈殿による固体化プロセスの過程で形成される固体ポリマー保護シェルによって包囲される。同様にビーズは、好ましくは約10から5000μmの大きさである。ポリマーバリヤー組成物及び有益成分から製造されるマトリックスビーズは、5から80%のポリマーバリヤー組成物、5から75%の有益成分及び0から10%の界面活性剤を含む助剤を含有する。好ましくは、マトリックスビーズは、5から50%ASEバリヤーポリマー、20から75%有益成分及び0から10%の界面活性剤を含む助剤を含有すべきである。
デバイス形状及び寸法は、特定の適用(例えば、タブレット、ビーズ又はカプセル)に基づいて変化することができる。形状及び大きさは、また、例えば、タブレットがその適用に基づいて変化する量及び有益薬剤放出速度に依存して好適であるようその適用に依存して変化することができる。好ましくは、タブレットは、直径で0.5から20mmであり、ビーズは直径で5μmから5mmである。しかしながら、パーソナルケア及び家庭用途については典型的なデバイス寸法は、約1cmから約2.5cmの長さであり、直径で約0.3cmから約1cmの範囲である。フレーバー、香料及び家庭及びパーソナルケア用途以外の活性成分に関する他の用途においては形状及び大きさは、使用方法により決定され、上記掲載されたものとは異なっても良い。
本発明はここで示され、記載された特定の態様に限定されるものではいないが、種々の変化及び変更が、特許請求の範囲により定義された本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得る。本発明は、下記の実施例において、更に開示され、例示される。
実施例1
多段エマルションポリマーの調製
撹拌器、温度計及び還流コンデンサーを装備した5リットル、四つ口丸底フラスコ(「ケトル」)に、脱イオン水(「DI水」)1242.2g及びラウリル硫酸ナトリウム28%溶液27.3gが、装填され、その後窒素雰囲気で60℃に加熱された。60℃におけるケトル水と共に、次の材料がケトルに装填された:94gのモノマーエマルション(ME)、14gの0.15%硫酸第一鉄7水塩、80.7gのDI水中における0.43gの過硫酸アンモニウム溶液及び81.0gDI水中における0.43gのリコポン(ヒドロ亜硫酸ナトリウム)溶液が装填された。成分の添加後5分してから、残りのME、229.8gのDI水中における1.05gの過硫酸アンモニウム溶液及び229.8gのDI水中における1.07gのメタ重亜硫酸ナトリウムの供給が、開始され、59〜61℃において60分間に亘り維持され,温度は必要に応じ冷却することにより維持された。MEフィード及び124gのDI水すすぎ、過硫酸アンモニウムフィード及びリコポンフィードが完了したとき、バッチは約25分間、60℃に保持され、2段目のモノマー100gがケトルに添加された。更に温度が15分間60℃に保持された後で、次の溶液:2.48gのDI水中におけるt‐ブチルヒドロペルオキシド0.6g(70%活性物)及び62.1gのDI水中におけるイソアスコルビン酸0.3g、が添加された。温度がまだ60℃のまま約40分後、62.1gのDI水が添加され、反応混合物はそれから45℃に冷却され、146.6gのDI水中におけるt‐ブチルヒドロペルオキシド2.9g(70%活性物)及び62.1gのDI水中におけるイソアスコルビン酸1.5gの溶液が45℃において20分間に亘り添加された。バッチの温度は、更に15分間、45℃に保持され、それから周囲温度に冷却され、濾過されて、22.6%の固形分、pH=2.7の生成物を得た。
Figure 2004231941
Figure 2004231941
多段ポリマーの組成は、表1.3に示される。
Figure 2004231941
注:
EA:エチルアクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
ALMA:アリルメタクリレート
DAP:ジアリルフタレート
BGDA:ブチレングリコールジアクリレート
VSM-1(活性成分):セチル-ステアリル(EO)20メタクリレート
実施例2
単一段エマルションポリマーと比較しての多段ポリマーから薄膜のトリガー応答:
ガラススライドプレパレートにキャストされた薄膜:最初に多段ポリマーエマルションを0.1MのNaOH水溶液で望ましいpHに予備中和し、その後エマルションをガラススライドにキャストし、60から70℃において20から30分間、ホットプレート上で乾燥することにより、約20μmの厚さを有する薄膜が調製された。
自立性フィルムの調製:自立性ポリマーフィルムは、1グラムの予備中和されたエマルションをアルミウム計量パンにキャストし、120分間、通気されたオーブン中で70℃において乾燥することにより調製された。フィルムが乾燥した後で、100から200μmの厚さを有する自立性フィルムはアルミニウム計量パンから剥離された。単一段エマルションポリマーから調製されたフィルムは、多段エマルションポリマーから調製されたフィルムと比較され、表1.4に要約されている。
Figure 2004231941
ガラススライドにキャストされた薄膜のビーカーテスト
ポリマーフィルムDR3858、4099、4102及び4110の膨潤特性が、ガラススライドにキャストされた薄膜により検討された。ガラススライドにキャストされた薄膜は、エマルションをスライド上にキャストし、それからそのフィルムを60℃のオーブン内で20分間、乾燥することにより調製された。乾燥フィルムは、0.5%OMO洗剤タブレット溶液を含有するビーカーに置き、そのビーカーは60℃の水浴に置かれた。フィルムが洗剤溶液中で10分間、膨潤した後で写真を撮った。フィルムが洗剤溶液に置かれたとき、フィルムは膨潤を開始した。単一段ポリマーの膨潤フィルムは弱い機械強度を示し、一体性を欠き、ガラススライドから落ちた。一方、多段エマルションポリマーから調製されたフィルムは、同一条件下で膨潤し、全てガラススライド上で一体性を維持した。
Terg‐O‐Tometer(商標)試験:自立性フィルムは、Terg‐O‐Tometer内で試験された。
試験条件は次の通りである:
A:洗浄条件:
洗剤濃度:0.6%タイド粉末洗剤;
温度:25℃;
撹拌:90RPM;
洗浄水の硬度:300ppm.
添加織物:5グラム黒い綿布
洗浄時間:15分
多段ポリマーフィルム(0.2グラム)は、1リットルターグ(Terg)ポットに添加され、25℃において洗浄された。洗浄サイクルの後で、洗浄水は100メッシュより小さい細孔径を有する篩を使用して濾過された。
B:すすぎ条件:
温度:室温;
撹拌:90RPM;
添加織物:5グラム;
時間:5分。
単一段エマルションポリマーから調製されたフィルムの洗浄安定性は、多段エマルションポリマーから調製されたフィルムと比較され、表1.5に要約されている。
Figure 2004231941
活性成分をカプセル化し、引き続きすすぎサイクル中に活性化物のトリガー放出を達成するためにイオン強度応答バリヤー材としての多段ポリマー粒子の使用は、剪断により誘起された撹拌の結果として水系に活性又は有益薬剤が時期尚早に分散する課題を克服する。多段ポリマー粒子を含む高分子電解質は、水系における湿潤機械強度を有意に改善して、バリヤー材、織物ケア活性成分及び関連する使用環境に有益な薬剤のトリガー配達/放出用のカプセル化剤及びデバイスとしての有用性を有している。

Claims (9)

  1. 比較的高イオン強度において水性系中で安定且つ不溶性であり及び水性系に対する1以上のイオン強度の変化により分散、崩壊、溶解、不安定化、膨潤、変形、軟化、流動化及びこれらの組み合わせから選択される1以上の化学的/物理的応答を発揮する、水性系と接触している1以上の高分子電解質を含むトリガー応答組成物であって、該高分子電解質は(a)第一段として70〜99重量%のアルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマー;及び(b)第二段として1から30重量パーセントのより架橋したアルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマー又は非アルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマーを含む、トリガー応答組成物。
  2. 該組成物が比較的高イオン強度において水性系中で安定且つ不溶性であり、及び該組成物は水性系中で比較的低イオン強度において又は該組成物と接触した水性系のイオン強度が低下したとき分散し、溶解し、膨潤し又は崩壊する請求項1に記載のトリガー応答組成物。
  3. 該水性系が織物洗浄又はクリーニング系であり、及び該ポリマーの化学的/物理的応答がイオン強度に加えてpH、界面活性剤濃度水準、温度、機械的撹拌及びこれらの組み合わせから選択される1以上のパラメーターにおける変化の関数である請求項2に記載のトリガー応答組成物。
  4. 水性系と接触している1以上の高分子電解質を含むトリガー応答バリヤー組成物であって、ここで、バリヤー組成物は1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し又は形成し;ここで、バリヤー組成物は比較的高イオン強度において水性系に安定且つ不溶性であり;ここで、バリヤーは水性系に対する1以上のイオン強度の変化により分散、崩壊、溶解、不安定化、膨潤、変形、軟化、流動化及びこれらの組み合わせから選択される1以上の化学的/物理的応答を発揮し;ここで、バリヤー組成物はトリガー応答の結果として活性成分を水性系に放出することができ;及びここで、該バリヤーが改善された機械強度及び湿潤強度を有する、トリガー応答バリヤー組成物。
  5. 該バリヤー組成物がフィルム形態であり、該高分子電解質が(a)第一段として70〜99重量パーセントのアルカリ可溶性/膨潤性エマルションポリマー;及び(b)第二段として1から30重量パーセントの高架橋エマルションポリマーを含む1以上の多段ポリマーである請求項4に記載のトリガー応答バリヤー組成物。
  6. 該バリヤー組成物が比較的高イオン強度において水性系中で安定且つ不溶性であり及び該組成物が比較的低イオン強度において水性系中で分散し、溶解し、膨潤し又は崩壊し、該水性系が織物洗浄又はクリーニング系であり及び該ポリマーの化学的/物理的応答がイオン強度に加えてpH、界面活性剤濃度水準、温度、機械的撹拌及びこれらの組み合わせから選択される1以上のパラメーターにおける変化の関数である請求項5に記載のトリガー応答バリヤー組成物。
  7. (a)1以上の活性成分;(b)1以上の添加剤;及び(c)1以上のイオン強度応答多段エマルションポリマーを含むバリヤー組成物を含む1以上の活性成分の水性系へのトリガー放出のためのデバイスであって、該バリヤー組成物は1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し又は形成し;ここで、バリヤー組成物は比較的高イオン強度において水性系に安定且つ不溶性であり;ここで、バリヤーは分散、崩壊、溶解、不安定化、膨潤、変形、軟化、流動化、およびそれらの組み合わせから選択される1以上の化学的/物理的応答を発揮し;ここで、該組成物の化学的/物理的応答は水性系に対する1以上のイオン強度の変化により誘発され、且つ、ここで、該デバイスは該バリヤー組成物のトリガー応答の結果として活性成分を水性系に放出することができる、デバイス。
  8. (a)イオン強度応答バリヤー組成物で1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し又は形成し、バリヤーは活性成分を水性系に放出することについて実質的に不透過であり、水性系に不溶性なままであり;及び(b)水性系のイオン強度を変更することからなる工程を含む1以上の活性成分の水性系への放出を誘発するプロセスであって、バリヤー組成物は分散し、崩壊し、溶解し、変形し又は膨潤して実質的に透過性となり、それにより活性成分の水性系への放出を誘発する、プロセス。
  9. 1以上の活性成分の水性系へのトリガー放出のためのデバイスが調製され、該デバイスは(a)1以上の活性成分;(b)1以上の添加剤;及び(c)1以上のイオン強度応答多段エマルションポリマーを含むバリヤー組成物を含み、該バリヤー組成物は1以上の活性成分を有するマトリックスを包囲し、カプセル化し又は形成し;ここで、バリヤー組成物は比較的高イオン強度において水性系に安定且つ不溶性であり;ここで、バリヤーは分散、崩壊、溶解、不安定化、膨潤、変形、軟化、流動化及びこれらの組み合わせから選択される1以上の化学的/物理的応答を発揮し;ここで、該組成物の化学的/物理的応答は水性系に対する1以上のイオン強度の変化により誘発され、且つ、ここで、該デバイスはバリヤー組成物のトリガー応答の結果として活性成分を水性系に放出することができ;ここで、該デバイスは流動床スプレーコーティング、ワースターコーティング、パンコーティング及び共押出し、コアセルベーション、スプレー乾燥及びスプレーチリングからなる群から選択されるコーティング技術を使用して調製され;及び任意に、1以上の有益液体成分が固体グラニュール、ペレット、タブレット、カプセル化グラニュール、サシュ(sachets)、マトリックスビーズ及びカプセルの形態の1以上の固体活性成分と共顆粒化される請求項8に記載のプロセス。
JP2003408488A 2002-12-09 2003-12-08 トリガー応答を有する多段ポリマー組成物 Pending JP2004231941A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US43186602P 2002-12-09 2002-12-09

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004231941A true JP2004231941A (ja) 2004-08-19

Family

ID=32326654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003408488A Pending JP2004231941A (ja) 2002-12-09 2003-12-08 トリガー応答を有する多段ポリマー組成物

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20040110891A1 (ja)
EP (1) EP1428867B1 (ja)
JP (1) JP2004231941A (ja)
KR (1) KR20040050048A (ja)
CN (1) CN100376634C (ja)
AU (1) AU2003266429A1 (ja)
BR (1) BR0305335A (ja)
CA (1) CA2450592A1 (ja)
DE (1) DE60315241T2 (ja)
MX (1) MXPA03011211A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083381A (ja) * 2004-08-25 2006-03-30 Rohm & Haas Co 高pH水性系のための増粘剤
JP2018114497A (ja) * 2010-12-15 2018-07-26 クィーンズ ユニバーシティー アット キングストンQueen’S University At Kingston 切替可能水組成物、浸透圧勾配を調整するための方法、およびイオン強度を調整するための調整方法
US11498853B2 (en) 2010-02-10 2022-11-15 Queen's University At Kingston Water with switchable ionic strength

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003200070B2 (en) * 2002-01-25 2008-01-24 Rohm And Haas Company Triggered response compositions
US20060235131A1 (en) * 2005-04-15 2006-10-19 Hughes Kathleen A Process for preparing aqueous dispersions of multistage emulsion polymers
US7329705B2 (en) 2005-05-03 2008-02-12 Celanese International Corporation Salt-sensitive binder compositions with N-alkyl acrylamide and fibrous articles incorporating same
US7320831B2 (en) * 2005-05-03 2008-01-22 Celanese International Corporation Salt-sensitive vinyl acetate binder compositions and fibrous article incorporating same
US7989545B2 (en) 2006-01-25 2011-08-02 Celanese International Corporations Salt-sensitive binders for nonwoven webs and method of making same
FR2916655B1 (fr) * 2007-06-01 2009-07-24 Coatex S A S Soc Par Actions S Procede pour formuler des principes actifs odorants afin de les proteger et d'augmenter leur remanence
JP5460608B2 (ja) * 2007-11-30 2014-04-02 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 立体安定化ラテックス粒子
US9206058B2 (en) * 2009-02-20 2015-12-08 The Water Initative, Llc Water purification and enhancement systems
US9422387B2 (en) * 2012-03-30 2016-08-23 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Dual responsive block copolymer compositions
US9585826B2 (en) 2012-11-07 2017-03-07 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Triggerable compositions for two-stage, controlled release of active chemistry
JP6608831B2 (ja) 2013-09-27 2019-11-20 ローム アンド ハース カンパニー 高水分含有配合物を包装するための水分散性膜
EP3033385B1 (en) 2013-09-27 2017-05-31 Rohm and Haas Company Ionic strength triggered disintegration of films and particulates
US9119780B2 (en) * 2013-10-30 2015-09-01 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Triggerable compositions for two-stage, controlled release of proactive chemistry
FR3057867B1 (fr) * 2016-10-25 2018-11-02 Coatex Preparation d'emulsion polymerique
WO2018218374A1 (en) * 2017-06-02 2018-12-06 Carbonet Nanotechnologies Inc. Sequestering agents, kits therefor, and methods of using sequestering agents and kits therefor
FR3080378A1 (fr) 2018-04-24 2019-10-25 Coatex Preparation d'emulsion polymerique active
CA3121928A1 (en) * 2018-12-03 2020-06-11 Carbonet Nanotechnologies Inc. Nanonets for removal of contaminants from aqueous solutions, kits therefor and methods of their use
CN110184129B (zh) * 2019-06-24 2021-01-15 广东水卫仕生物科技有限公司 洗涤剂组合物及其制备方法和应用
CN115231673A (zh) * 2022-06-08 2022-10-25 广州市浪奇实业股份有限公司 一种有水处理功能的定量投放胶囊

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4384096A (en) * 1979-08-27 1983-05-17 The Dow Chemical Company Liquid emulsion polymers useful as pH responsive thickeners for aqueous systems
US4421902A (en) * 1982-09-30 1983-12-20 Rohm And Haas Company Alkyl, poly(oxyethylene) poly(carbonyloxyethylene) acrylate emulsion copolymers for thickening purposes
US4916171A (en) * 1984-07-25 1990-04-10 Rohm And Haas Company Polymers comprising alkali-insoluble core/alkali-soluble shell and copositions thereof
NO176278C (no) * 1988-08-24 1995-03-08 Allied Colloids Ltd Fremgangsmåte for fremstilling av en partikkelformig blanding av aktiv bestanddel i et polymert materiale
US5266646A (en) * 1989-05-15 1993-11-30 Rohm And Haas Company Multi-stage polymer particles having a hydrophobically-modified, ionically-soluble stage
CA2015832C (en) * 1989-05-15 2002-05-28 Eric K. Eisenhart Multi-stage polymer particles having a hydrophobically-modified, ionically-soluble stage
US5451641A (en) * 1992-08-24 1995-09-19 Rohm And Haas Company Multi-stage polymer particles having a hydrophobically-modified, ionically-soluble stage
US5569715A (en) * 1995-07-24 1996-10-29 Basf Corporation Process for obtaining hydrophobically modified emulsion polymers and polymers obtained thereby
WO2001044433A1 (de) * 1999-12-13 2001-06-21 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Waschmittel-, spülmittel- oder reinigungsmittel-portionen mit kontrollierter wirkstoff-freisetzung
GB0119710D0 (en) * 2001-08-13 2001-10-03 Unilever Plc Cleaning and rinsing of textile fabrics
AU2003200070B2 (en) * 2002-01-25 2008-01-24 Rohm And Haas Company Triggered response compositions

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083381A (ja) * 2004-08-25 2006-03-30 Rohm & Haas Co 高pH水性系のための増粘剤
US11498853B2 (en) 2010-02-10 2022-11-15 Queen's University At Kingston Water with switchable ionic strength
JP2018114497A (ja) * 2010-12-15 2018-07-26 クィーンズ ユニバーシティー アット キングストンQueen’S University At Kingston 切替可能水組成物、浸透圧勾配を調整するための方法、およびイオン強度を調整するための調整方法
US10377647B2 (en) 2010-12-15 2019-08-13 Queen's University at Kingson Systems and methods for use of water with switchable ionic strength

Also Published As

Publication number Publication date
KR20040050048A (ko) 2004-06-14
BR0305335A (pt) 2004-08-31
DE60315241D1 (de) 2007-09-13
DE60315241T2 (de) 2008-04-17
EP1428867B1 (en) 2007-08-01
CN100376634C (zh) 2008-03-26
EP1428867A1 (en) 2004-06-16
MXPA03011211A (es) 2004-06-18
CA2450592A1 (en) 2004-06-09
CN1510085A (zh) 2004-07-07
AU2003266429A1 (en) 2004-06-24
US20040110891A1 (en) 2004-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004231941A (ja) トリガー応答を有する多段ポリマー組成物
JP4051295B2 (ja) トリガー応答組成物
CA2435735C (en) Triggered response compositions
JP4050202B2 (ja) トリガー応答組成物
US6375983B1 (en) Microencapsulated fragrances and method for preparation
US4654395A (en) Water-soluble polymer sheet for delivering laundry care additive and laundry care product formed from same
JP2004182973A (ja) タブレットコーティング
US9422505B2 (en) Carrier system for fragrances
WO2005059074A1 (en) Fabric conditioning composition

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060810

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061016

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20061106

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20061109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070625

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070625

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070709

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070821

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070823

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070824

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070828

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080115