JP2004231664A - 出血を阻止するため局所に塗布する第xiii因子の用途 - Google Patents

出血を阻止するため局所に塗布する第xiii因子の用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 創傷に局所的に塗布することにより創傷の遅発出血を阻止するための新規な組成物。
【解決手段】 第XIII 因子を生物学的に相容性の媒体中に含有して成り、他の血液凝固因子および止血剤を実質的に含有していない組成物であって、創傷に局所的に塗布することにより創傷の遅発出血を阻止するための組成物。
【選択図】 なし

Description

第XIII 因子を生物学的に相容性の媒体中に含んで成る、創傷に局所的に塗布することにより創傷の遅発出血を阻止するための組成物に関する。
出血(失血)は大きな外科手術で併発する重大な問題である。例えば神経外科の患者の場合、術後の脳内出血は、脳に対して重度の圧力をもたらし、急速に、神経学的損傷、意識の消失次いで死亡に至ることがある。凝血異常がみられる患者、例えば播種性血管内凝固もしくは先天性凝血欠損がみられる患者、または同時に抗凝血治療を受けている患者は、自発的なおよび術後の頭蓋内出血を起こす危険性が高い (Eryster ら、Blood, 51 巻、1179〜1188頁、1978年;Goodnight ら、N.Eng.J.Med.,290巻、1043〜1047頁、1974年;Kaufman ら、Neurosurg., 7巻、445 〜450 頁、1980年)。
神経外科法の部位と性質によって、術後の出血の位置は、脳室内、実質内、硬膜下または硬膜外である。室洞が存在すると、それが陥凹した腫瘍のベッド;脳室の一つ;または硬膜下、硬膜外もしくはくも膜下の空間のような潜在的な空間であっても、有意に血餅が生成する易損性の領域になる。脳の外科手術の部位の小動脈が、手術処置のため一時的にけいれんを起こした後、体血圧の上昇と局部の自己調節の損失によって助長され、遅れて膨脹することがある。脳内での静脈表面の出血は通常、精密な二極電気凝固法により、およびトロンビンに浸漬した止血スポンジ、酸化セルロース、微細線維状コラーゲンまたは筋肉スタンプ(muscle stamp) のような凝血アクチベータを選択して使って防止される。
しかし、止血スポンジは、Mullanが報告しているように(JAMA, 182 巻、105 〜112 頁、1962年) 、腫瘍ベッドをシールして下側にある脳に出血させることがある。これらの外科手術の補助手段があるにもかかわらず、正常な凝血パラメータをもっている神経外科の患者にとって、術後の出血は依然として重大な併発症であり発生率は10〜30%と推定されている(Yazargil, Microneurosurgery,III B巻、169 〜203 頁、358〜366 頁、1988年)。血友病、播種性血管内凝固(goodnight らの上記文献;Kaufman らの上記文献) および抗凝血治療を含む異常な凝血パラメータを有する患者の場合、外科手術後、遅発出血が起こる危険がさらに高まる。
凝血因子および/または他の止血剤の組合わせに基づいた各種の創傷治療組成物が開示されている。米国特許第4,453,939 号は、第XIII 因子、フィブリノーゲン、トロンビンおよびコラーゲンを含有する、創傷を封鎖し治癒させる組成物を開示している。米国特許第4,427,650 号は、フィブリノーゲンとトロンビンおよび/またはプロトロンビンを含有する粉末状組織接着剤を開示している。PCT 特許願公開第WO90/13320 号は、止血を行うのに有効な量のトロンビンを含有し、さらに第XIII の因子およびその外の凝血因子を含有する止血スポンジを開示している。しかし、これらの製品は、ヒトおよび/または動物の血漿から誘導されるので、ウイルスの汚染および抗原性の危険がある。
大脳皮質の切除部位の既存の血栓が内因性のプラスミン媒介血栓崩壊によって移動すると、術後の神経外科出血がある割合で起こると推定されている。脳血管けいれんに対する新規な可能性のある治療法、すなわち組換え組織プラスミノーゲンアクチベータを脳底内に投与する方法(Findlay ら、Can.J.Neurol.Sci., 16 巻、28〜40頁、1989年;Findlay ら、J.Neurosurg., 69巻、723 〜735 頁、1988年) も、大脳皮質の損傷部位に血栓症が増大するため出血の危険が増大する。
特に危険度が高い術後の出血の発生を減少させる治療法に対する要望が当該技術分野には依然としてある。本発明は、局所に第XIII 因子を塗布して使うことによってこのような方法を提供するものである。本発明はさらに、術後の出血を減らすのに有用な組成物、ならびに他のタイプの創傷の出血を減らす組成物を提供するものである。
米国特許第4,453,939 号 米国特許第4,427,650 号 PCT 特許願公開第WO90/13320 号
Eryster ら、Blood, 51 巻、1179〜1188頁、1978年 Goodnight ら、N.Eng.J.Med.,290巻、1043〜1047頁、1974年 Kaufman ら、Neurosurg., 7巻、445 〜450 頁、1980年 JAMA, 182 巻、105 〜112 頁、1962年 Yazargil, Microneurosurgery,III B巻、169 〜203 頁、358〜366 頁、1988年 Findlay ら、Can.J.Neurol.Sci., 16 巻、28〜40頁、1989年 Findlay ら、J.Neurosurg., 69巻、723 〜735 頁、1988年
本発明はその最も広い態様では、第XIII 因子を局所に塗布して使用することによって出血を阻止する方法に関する。
一つの態様で本発明は創傷の遅発出血を阻止する方法を提供するものである。この方法は、生物学的に相容性の媒体中に第XIII 因子を含有する組成物の有効量を創傷に局所的に塗布することを含んでなり、その組成物は他の血液凝固因子および止血剤を実質的に含有していない。
関連する態様で本発明は、(a)患者の外科手術部位を処置して止血させ、次いで(b)この処置された外科手術部位に、生物学的に相容性の媒体中の第XIII 因子の有効量を局所的に塗布することを含んでなる術後の出血を阻止する方法を提供するものである。一つの実施態様では、患者は、例えば外因性の抗凝血剤または線維素溶解化合物を投与されているため凝血異常である。他の実施態様では外科手術部位は頭蓋内である。他の実施態様では第XIII 因子は組換え第XIII 因子である。関連する実施態様では第XIII 因子は第XIII 因子a2 二量体である。追加の実施態様では、生物学的に相容性の媒体は水性希釈剤またはゲルである。
他の態様では、本発明は、第XIII 因子を含有する生物学的に相容性の媒体で特に構成された組成物を、患者の外科手術部位に局所的に塗布することを含んでなる、術後出血を阻止する方法を提供するものである。
本発明のこれらの態様と他の態様は以下の詳細な説明によって明らかになるであろう。
本発明について説明する前に、以後使用するいくつかの用語の定義を述べることは本発明を理解する助けになるであろう。
血液凝固因子;凝血原タンパク質またはその前駆物質であり、血液凝固カスケードに関与している。血液凝固因子としては、フィブリノーゲン、トロンビン、トロンボプラスチン、第V因子、第VII因子、第VIII 因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII 因子がある。
凝血異常の;例えば先天的欠失、疾患または治療処置のために出血の危険が増大していることを意味する。
止血;血餅が生成することによる出血の停止。
局所の;全身ではなく局部的なことを意味する。局所医薬は循環系を通じて使用するのではなくてそれを必要とする部位に直接塗布される医薬である。
頭蓋内出血;頭蓋内腔内のいくつかの潜在的空間のうちの一つ以上の中への血液溢出。これらの潜在的空間としては、(a)硬膜と頭蓋の間に位置する硬膜外空間;(b)くも膜と硬膜の間の硬膜下空間;(c)脳表面とくも膜の間のくも膜下空間;(d)脳物質内の実質内空間;および(e)脳の脳室内の脳室内空間がある。
本発明は、外科手術による創傷を含む創傷からの出血を減少させる改良法および改良組成物を提供するものである。これらの方法と組成物は、明確に止血処置がなされた創傷内で出血が再開することである遅発出血を減少させるのに特に有用である。特に興味深いのは、患者の術後の出血の減少である。本発明の方法と組成物は、神経外科の手術を受けた患者の頭蓋内出血を減らすかまたは防止するのに特に有用である。本発明の方法は、播種性血管内凝固(DIC)または先天的な凝固欠失がみられる患者、および同時に抗凝血もしくは抗線維素溶解の治療を受けている患者を含む、血液凝固に欠陥がある患者に有用である。
本発明の発明者らは、第XIII 因子の局所塗布は、術後の出血、特に、凝血異常がみられる非常に危険な患者の術後の頭蓋内出血の危険を減少させるのに使用できることを見出したのである。第XIII 因子は、他の血液凝固因子および止血剤を実質的に含有していないすなわちかような他の因子および薬剤の止血を行うのに有効な量を含有していない組成物として塗布すると有効であることが見出されたのである。
局所に塗布された第XIII 因子の術後の出血を防止する効力を測定するため、試験開頭法および標準化された両側前頭皮質の切除法(Standard:zed bilateral frontal corticectomy) に用いるラットモデルを開発した。25頭のラットに対して、止血処置を行った後、皮質切除法による空洞に、組換え第XII因子またはプラシーボの溶液の局所塗布を行った。20頭のラットについてはヘパリン硫酸の腹腔内投与(100 単位/kg/hr)を、アルゼットポンプ(Alzet pump) を用いて外科手術してから3日後に開始し7日間続け、食塩水の腹腔内投与を受けている5頭のラットで構成された対照グループと比較した。頭蓋内出血の容積は、自動画像分析法を用い前頭面にそった断面から定量測定を行った。大きな(>50mm3)脳内出血は、組換え第XIII 因子で治療された創傷部(15%)に比べてプラシーボの場合(60%)有意に多かった(p<0.01) 。
第XIII 因子〔また“フィブリノリガーゼ”として(Lorandら、Prog・Hemost・Thromb.,5巻、245 〜290 頁、1980年) および“フィブリン安定化因子”として(CurtisとLorand, Methods Enzymol.,45巻、177 〜191 頁、1976年) 知られている〕は、活性化されると、フィブリン分子の側鎖間および他の基質間に分子間γ−グルタミル−ε−リシンの架橋を形成する性能が特徴である。この酵素は、2個のサブユニットaと2個のサブユニットbで構成された四量体の酵素原(a2 b2 と呼ぶ)として血漿中に存在しているが、他の組織内では二量体のa2 として見られる。これらの酵素原の形態または活性化された第XIII 因子(第XIII a因子)はいずれも、その特徴とする架橋活性を保持する、第XIII 因子の遺伝子工学による変異体とともに本発明の範囲内で用いることができる。
本発明の範囲内で用いられる第XIII 因子は例えば以下のような公知の方法にしたがって血漿から製造することができる。すなわちCooke およびHolbrook, Biochem.J., 141 巻、79〜84頁、1974年、ならびにCurtisおよびLorand, Methods Enzymol., 45巻、177 〜191頁、1976年に開示されている方法があり、これらの文献は本願に援用するものである。a2 二量体の形態の第XIII 因子は、米国特許第3,904,751 号;同第3,931,399 号;同第4,597,899 号および同第4,285,933 号に開示されているように胎盤から製造することができる。なおこれらの特許文書は本願に援用するものである。しかし、疾病伝播の危険を伴う血液もしくは組織から誘導される製品の使用を回避するため、組換え第XIII 因子を使うことが好ましい。
組換え第XIII 因子の製造方法は当該技術分野では公知である(例えばDavie らのヨーロッパ特許第268,772 号およびGrundmann らのオーストラリア特許願公開第A−69896 /87号参照。なおこれらの特許文書はその全体を本願に援用するものである) 。組換え第XIII 因子a2 二量体は、同時係属出願中の米国特許願第07/741,263 号(この特許文書は全体を本願に援用するものである)に開示されているように酵母のサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae) 内の細胞質で製造することができる。その形質転換された細胞を培養し、収穫し次いで溶解し、次にその遠心透明溶解液を製造する。
その溶解液を、DEAE Fast-Flow Sepharose(登録商標、Pharmacia 社) などのような誘導体化アガロースのカラムを用いて中性〜わずかにアルカリ性のpHで溶離するアニオン交換クロマトグラフィーで分画する。次に、カラム溶出液を、例えばコハク酸アンモニウム緩衝液に対してダイアフィルトレートすること(diafiltration)によって濃縮しかつpHを5.2 〜5.5 に調節して、第XIII 因子をカラム溶出液から沈澱させる。次にその沈澱を溶解し、次いで通常のクロマトグラフィー法、例えばゲル濾過法および疎水的相互作用クロマトグラフィーを用いてさらに精製する。
当該技術分野の当業者であれば分かるように、免疫応答を誘発する危険を減らすために、患者と同系の第XIII 因子タンパク質を使用することが好ましい。非ヒト第XIII 因子の製造と特性決定についてはNakamuraら、J.Biochem., 78巻、1247〜1266頁、1975年に開示されている。本発明には、このような第XIII 因子タンパク質を獣医学の方法の範囲内で使用することが含まれている。
本発明の方法の範囲内では、第XIII 因子の有効量を生物学的に相容性の媒体と混合し次いで創傷または外科手術の部位に局所的に塗布する。第XIII 因子の“有効量”とは、医学的に有意な出血の発生を減少させるのに充分な量である。当該技術分野の当業者であれば分かるように、医学的に有意な出血の大きさは、出血位置によって変化する。例えば、脳内のごく小さな術後頭蓋内出血でさえも、著しく有害な作用を生じ、直接圧力によって周囲の脳組織を損傷することがある。したがって、頭蓋内出血の発生もしくは容積を減らすことはいずれも有利である。胸部または腹部の空洞内では、主な危険因子は失血であるから、より大容積の出血でも許容できる。一般に、第XIII 因子は、通常の血中濃度(10μg/ml)より過剰の濃度、好ましくは0.1 mg/ml〜100 mg/ml、より好ましくは約1〜10mg/mlの濃度で塗布する。
第XIII 因子の組成物は、少なくとも、創傷表面を覆うかまたは創傷の空洞を満たすのに充分な量で塗布することが好ましい。適切な媒体としては、滅菌された非発熱性水性希釈剤、例えば注射用滅菌水、滅菌緩衝液および滅菌食塩水がある。かなりな量の流体が存在しているため普通の水溶液は希釈されるかまたは洗い流されてしまう医療分野で用いる場合には、粘性が高い担体を使うことが好ましい。この点について適切な担体は、医薬化合物の局所放出に通常用いられるゲル、ペーストおよび軟膏である。好ましい担体としては、水溶性高分子物質の溶液、特にセルロースベースのゲル、例えばメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースのゲルがある。
上記の第XIII 因子の組成物は、好ましくは外科手術部位を処置して止血させた後、その外科手術の開口部を閉じる前に、患者に投与する。止血は通常の外科的方法で行う。例えば止血スポンジ〔例えばGelfoam(登録商標) 、The Upjohn Co.社、米国、ミシガン州、カラマズー;多孔性ハイドロゲルのスポンジ類、米国特許第4,002,173 号〕、微細線維状コラーゲン〔例えばAvitene(登録商標) 、Alcon Laboratories, Inc.社、米国、テキサス州、フォート・ワース〕、コラーゲン フリース、酸化セルロース〔例えばSurgicel(登録商標)、Johnson & Johnson 社、米国、ニュージャージー州、ニューブランズ ウィック〕などをあてがって行われる。また止血は、局所凝血因子(例えばトロンビン)の塗布、焼灼法、電気凝固法またはその外の公知の方法で行ってもよい。次いで第XIII 因子組成物(例えば水溶液もしくはゲル)を外科手術部位に塗布し、次に創傷を閉じ、できれば機械的に付着させることによって潜在的な再出血空間を減らす。
本発明の方法は、再出血の危険性が高い外科手術部位と患者に特に有用である。危険性が高い部位は血管による補給が豊富な組織または臓器であり、これらの部位では術後の出血は普通の併発症である。具体例は中枢神経系、肝臓、心臓および肺臓である。危険性が高い患者としては、抗凝血もしくは抗線維素溶解の治療を受けている患者、および播種性血管内凝固または血友病のような凝固異常症状が見られる患者がある。
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されない。
重量が450 〜500 g の25頭の雄のSprange-Dawleyラットを試験に使用した。すべての方法は、the Animal Care Commitee of the Seattle Veterans Administration Medical Centerが承認したプロトコルを用いて実施した。ラットに麻酔をかけ(50mg/kgペントバルビタールを腹腔内投与)、自発的に呼吸させ、次いで標準化された両側前頭頭蓋骨切除(standardized bilateral frontal craniectomy) を、正中線頭蓋切開術によって実施した。両方の前頭葉を露出させ、次に、較正小刀(calibrated scalpel) と杯形鉗子を用いて、24mm3(2×3×4mm)の大きさの標準化両側前頭部損傷を作った。この皮質切除の創傷の軟膜面を、双極電気焼灼器で凝血させ、その空洞にSurgicel(登録商標)(Johnson & Johnson Products Inc. 社、米国、ニュージャージー州、ニュー・ブランズウィック) を当てがい、15分間観察して完全に止血されたことを確認した。
組換え第XIII 因子a2 二量体(30%グリセリンとリン酸緩衝食塩水中50μg)またはプラシボの媒体25μlを、両方の皮質切除空洞に無作為盲検方式で局所塗布を行った。硬膜の開口をGelfoam(Upjohn Co.社、米国、ミシガン州カラマズー) で覆い次にその創傷を縫合で閉じた・外科手術を行った後、各ラットは、温度(72°F)と光に対する暴露(毎日12時間光に暴露) が制御された部屋に、別々に入れ、そして餌と水は任意に利用できるようにした。
術後3日目に、メトキシフルランを吸入させてラットに麻酔をかけ、次にヘパリン溶液(n=20;227 μl;40,000単位/ml)または通常の食塩水(N=5;227 ml) が入っているアルゼットポンプ(モデル2001;Alza Corporation社、米国、カリフォルニア州、パロアルト) を各ラットの腹腔内に入れ次いで切開部を縫合して閉じた。これらのアルゼット浸透圧ポンプは、1.01±0.03μl/hrの連続流出量を与えるよう較正した。そしてこの場合、ヘパリンが100単位/kg/hrでラットに腹腔内投与されて、静脈活性化部分トロンボプラスチン時間(Venous activated partial thromboplastin time)(aPTT) が一貫して上昇し、かつ脳内出血が有意に発生した。静脈血を、尾の静脈から、アルゼットポンプ移植直前にベースラインのaPTTを測定するため採取し、次いで移植してから3日後に採取した。aPTT測定用の第三の血液試料を、安楽死の時点で心臓穿刺によって得た。
この試験における対照ラットのaPPTの平均値は19.3±3.6 秒であった。ヘパリンを100 単位/kg/hrで腹腔内投与された場合、抗凝血性が終止変らないレベルで維持された(aPTTの平均値=124.6 ±21.2秒)。
ヘパリンまたは食塩水を腹腔内に連続投与して7日後、ラットを上記のようにして麻酔をかけ、次いで0.03Mリン酸緩衝リンゲル液を心臓に注入し、続いて左心室の心臓穿刺によって平均の生理的動脈圧で、リン酸緩衝液(pH7.4)中4%パラホルムアルデヒド200 mlを注入することによって脳を潅流した。10%ホルマリンで固定した後、脳を卵黄中に包埋し、次いで凍結した冠状切片(50μm)を両方の前頭葉を通じて得た。顕微鏡用切片を、ディジタル化ビデオ画像として最終倍率26Xで投影し、各前頭葉中の血腫の容積を、自動画像分析装置(Bioquant System-IV、米国、テネシー州、ナッシュビル) を使って算出した。脳内血腫を三つの範疇:なし(0〜10mm3)、小(10〜50mm3)または大(>50mm3)にしたがって分類した。グループ間の出血ラットの統計的比較を、ピアソンのカイニ乗法と、イエーツの修正を行ったフィッシャーの直接法を用いて行った。
食塩水またはヘパリンで処置したラットはいずれも、硬膜外、硬膜下または脳室内の出血は全く見られなかった。腱膜下血腫はヘパリンの投与を受けているラットの25%に存在していたが食塩で処置された群には全くなかった。剖検時に脳を肉眼で検査したところ、脳内血腫の形跡は冠状切片からの定量測定値と良好な相関関係があった。
組織学的切片の場合、出血を示さない(<10mm3)皮質切除空洞はSurgicalで構成され、赤血球がその吸収性セルロースマトリックス内に包含されていた。小さな血腫(10〜50mm3)は皮質切除空洞を満たしているが有意な質量効果はない実質内血液の明確な収集物で構成されていた。大きな血腫(>50mm3)によって一般に、正中線の構造の移動および周囲の脳と脳室系の圧迫が起こった。
下記の表は、食塩またはヘパリンで7日間処置された動物の外科手術してから10日後の術後血腫の頻度を示す。対照(食塩水で処置した)動物の場合、プラシーボまたは第XIII 因子を塗布した後は出血は全く観察されなかった。ヘパリンを投与されているラットの場合、第XIII 因子の溶液で局所を処置された皮質切除空洞には1個の小血腫(5%)と3個の大血腫(15%) が観察されたが、プラシーボの媒体溶液を受けている損傷部には12個の大血腫(60%)があった。第XIII 因子で局所の処置がなされた皮質切除空洞の場合、プラシーボによる処置と比べて、脳内出血の発生は有意に低かった(p<0.01)。
Figure 2004231664
本発明の特定の実施態様を例示を目的として詳細に説明したが、本願に記載された方法および配合物は本発明の思想と範囲を逸脱することなく変形できることは当該技術分野の当業者であれば容易に分かるであろう。したがって本発明は本願の特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (2)

  1. 第XIII 因子を生物学的に相容性の媒体中に含有して成り、他の血液凝固因子および止血剤を実質的に含有していない組成物であって、創傷に局所的に塗布することにより創傷の遅発出血を阻止するための組成物。
  2. 止血処置を行った後に塗布するための請求項1に記載の組成物。
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