JP2004231514A - 5−ht7受容体結合能を有し、かつ代謝的に安定なテトラヒドロベンズインドール誘導体 - Google Patents
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Abstract
【課題】5−HT7受容体に対して選択的結合能を有し、かつ代謝に対する安定性の高いテトラヒドロベンズインドール誘導体、ならびにそれらの化合物を含むことを特徴とする医薬品組成物を提供する。
【解決手段】下記の一般式(I)で示される化合物および医薬的に許容されるその塩。これらの化合物を含有することを特徴とする医薬組成物。式(I)中、R1、R3は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表し、R2は水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表す。ただし、R1、R3がともに水素原子であるとき、R2はフッ素原子、塩素原子を表す。
【化1】
【解決手段】下記の一般式(I)で示される化合物および医薬的に許容されるその塩。これらの化合物を含有することを特徴とする医薬組成物。式(I)中、R1、R3は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表し、R2は水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表す。ただし、R1、R3がともに水素原子であるとき、R2はフッ素原子、塩素原子を表す。
【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生体内のセロトニン受容体に対して選択的結合能を有し、かつ代謝に対する安定性の高いテトラヒドロベンズインドール誘導体、およびそれを含んでなる医薬品組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
現代社会において、我々を取り巻く環境は激しく変化しており、適応していくことがますます困難となっている。そして社会環境へ対応しきれない部分はストレスとなって我々の身体に蓄積され、それがやがて身体機能のみならず、精神機能にまで異常を来すことがある。精神的な機能の異常に対する治療において、心理学的療法とともに薬物療法の重要性はますます高まっており、有用な薬物の開発が進められてきた。
【0003】
中枢神経系におけるセロトニン(5−HT)の作用が示唆されて以来、セロトニン受容体の分類、分布が徐々に明らかとなってきた。そして近年の分子生物学的手法を用いたセロトニン受容体の詳細な解析により、5−HT1及びそのサブタイプ、5−HT2及びそのサブタイプ、5−HT3、5−HT4、5−HT6、5−HT7などの特定がなされ、14種類のセロトニン受容体が提唱されている[R. D. Wardら Neuroscience, 64, 1105−1111, 1995]。
これらセロトニン受容体のうち、5−HT7がヒトにおいて概日リズムの制御に重要な機能を担っていると推定される[T. W. Lovenbergら Neuron, 11, 449−458, 1993]。また、ヒトおよび動物の脳内ばかりでなく、平滑筋組織、すなわち脾臓、胃、回腸、小腸、心臓冠状血管などに広く存在し[A. J. Sleight, DN&P, 214−223, 1997]、様々な生理機能を果たしているものとされている。したがって、5−HT7受容体に作用する物質の創製は、これらの器官における生理機能の研究およびそれら器官における機能の異常によって引き起こされる疾病の治療、予防に極めて有益なものである。
【0004】
本発明者らは既に、生体内の5−HT7受容体に対して強い結合能を有する物質を見出している。すなわち本発明者らに関わる発明(WO98/00400、WO99/33804、WO99/54303)によれば、生体内の5−HT7受容体に対して強く結合する新規なテトラヒドロベンズインドール誘導体、およびそれらの化合物を含むことを特徴とする医薬品組成物が提供される。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】
以上のように、生体内の5−HT7受容体に対して強く結合する新規なテトラヒドロベンズインドール誘導体が提供されたが、その代謝に対する安定性について必ずしも満足のいくものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決する為に各種化合物について検討し、その結果、テトラヒドロベンズインドール誘導体の芳香環部分にハロゲン原子、水酸基を導入することにより著しく代謝に対する安定性が高まることを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち本発明によれば、生体内のセロトニン受容体に対して選択的結合能を有し、かつ代謝に対する安定性の高いテトラヒドロベンズインドール誘導体、ならびにそれらの化合物を含むことを特徴とする医薬品組成物が提供される。
【0007】
すなわち、本発明は以下の構成からなるものである。
1. 一般式(I)
【化2】
[式(I)中、R1、R3は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表し、R2は水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表す。ただし、R1、R3がともに水素原子であるとき、R2はフッ素原子、塩素原子を表す。]
で示される化合物または医薬的に許容されるその塩。
2. R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、R2が塩素原子、R3が水素原子である上記1記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
3. 上記1、2いずれか1記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を含むことを特徴とする医薬品組成物。
4. 上記1、2いずれか1記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を含むことを特徴とする精神疾患の治療もしくは予防のための医薬品組成物。
5. 上記1、2いずれか1記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を含むことを特徴とする5−HT7作用薬。
【0008】
【発明の実施の形態】
本明細書の化学物質、及びそれらの製造に関わる記述において特に言及しない場合は、例えばハロゲン原子とはフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素の各原子を意味し、また触媒として用いられる塩基とは水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミンなどを意味する。
【0009】
一般式(I)において、R1、R3は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表し、R2は水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表す。ただし、R1、R3がともに水素原子であるとき、R2はフッ素原子、塩素原子を表す。好ましくはR1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、R2が塩素原子、R3が水素原子を表す場合である。
一般式(I)に示す化合物についてさらに具体的に以下に示す。
2a−(4−(4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−(4−クロロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−(4−ブロモフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−フルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6, 8−ジフルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−(4−フルオロフェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−ヒドロキシ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン。
【0010】
本発明による式(I)の化合物は式(II)の化合物を出発原料として製造することができる。なお、本発明に用いられる式(II)の化合物はWO98/00400記載の方法によって製造することができる。
【化3】
【0011】
まず、式(II)の化合物は従来公知の芳香族求核置換反応を行うことによって式(III)[式中、R2、R3は前記と同義である。]で示される化合物に変えられる。
【0012】
ハロゲン化の好ましい例としては適切な触媒の存在下、また非存在下で二硫化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、酢酸等の溶媒中、0℃〜加熱還流下で行われる。ハロゲン化剤としてフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の他に、1−フルオロピリジニウムトリフラート、1−フルオロ−2,6−ジクロロピリジニウムテトラフルオロボラートなどの非置換の、または置換されたN−フルオロピリジニウム塩類、N−フルオロ−N−プロピル−p−トルエンスルホンアミドなどのN−フルオロ−N−アルキルスルホンアミド類、N−フルオロベンゼンスルホンイミドなどのN−フルオロスルホンイミド類、次亜塩素酸ナトリウムN−ブロモスクシイミド、塩化スルフリルなどが用いられる。
【0013】
水酸基の導入は芳香族求核置換反応であるフリーデル・クラフツ反応によって導入されたアシル基を化学反応によって変換することにより行われる。フリーデル・クラフツ反応は、触媒の存在下、二硫化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ニトロベンゼンなどの溶媒中、0℃〜加熱還流下で行われる。アシル化剤としては塩化アセチル、塩化プロピルなどのアシルハライドの他に無水酢酸などの酸無水物や酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸が使用される。好ましい触媒として塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素、塩化スズ、塩化亜鉛などのルイス酸の他にフッ化水素、硫酸、ポリリン酸などのプロトン酸が使用される。
フリーデル・クラフツ反応によって導入されたアシル基は、m−クロロ過安息香酸、過トリフルオロ酢酸などの過酸化物と、必要ならばトリフルオロ酢酸などの酸触媒の存在下に反応させて芳香環とカルボニル基の間に酸素原子を挿入してアシルオキシ基に変換され、さらに、加水分解されることによって水酸基に変換される。
【0014】
式(III)の化合物は、下記のように、式(IV)[式中、R1は前記と同義である。]で示される二級アミン類と塩基の存在下、反応を行い、本発明の式(I)の化合物に変えられる。
【化4】
【0015】
この反応は無溶媒下、もしくは不活性溶媒で希釈された上で行われ、酸吸収剤の存在もしくは非存在下、常温〜加熱の範囲で進行する。用いる不活性溶媒の例としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどがあり、酸吸収剤の例としてはアルカリ金属の塩類、炭酸塩類(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、重炭酸塩類(重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなど)、トリアルキルアミン類、ピリジン塩基類などが使用されるほか、原料物質として用いられる二級アミン自身を過剰に用い酸吸収剤とすることもできる。
【0016】
式(III)に示す化合物についてさらに具体的に以下に示す;
2a−(4−ブロモブチル)−6−ヒドロキシ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6−ブロモ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6−フルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジブロモ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジフルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
など。
【0017】
式(IV)に示す化合物についてさらに具体的に以下に示す;
4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ−ピリジン、
4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ−ピリジン、
4−(4−クロロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ−ピリジン、
4−(4−ブロモフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ−ピリジン。
【0018】
本発明の化合物の合成において、反応混合物からの目的物の精製は、合成化学においてよく用いられている方法、すなわち反応物を水と、水に任意に混和しない有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタンなどに分配抽出し、濃縮、結晶化などでおこなわれる。また、必要に応じて例えばアルミナ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによる分画精製も実施される。
【0019】
本発明で提供される一般式(I)の化合物はアミン類であり、塩基として存在する。従って多くの無機酸、及び有機酸と塩を形成し、この性質は純物質製造並びに医薬品としての提供形態に利用される。すなわち製造時にあっては酸性とすることで例えば水などの極性溶媒に可溶化、抽出精製がされ、好ましい物理化学的性状を示す塩の形態として単離され、医薬の用途においては、薬学的に許容される塩の形態をとることができる。
とりうる塩の形態としては、塩酸、硝酸、臭化水素酸、硫酸などの無機酸との酸付加塩、もしくは脂肪族のモノカルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシアルカン酸、ヒドロキシアルカン二酸、アミノ酸などと、また芳香族の酸、脂肪族、芳香族のスルホン酸などの無毒な有機酸から誘導される塩がある。このような酸付加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸鉛、硫酸水素塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グリコール酸塩などがあげられる。
【0020】
上記にあげた酸付加塩は、一方で薬理学的に許容される医薬品組成物としての意義があり、医薬品組成物として、製剤上の利点、また、人体に投与される場合、分散性、吸収性などの面に有用性を示すものと思われる。
【0021】
本発明の化合物を有効成分とする医薬組成物は、経口および非経口(例えば、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投与することができる。従って、本発明による化合物を有効成分とする医薬組成物は、投与経路に応じた適当な剤型とされる。
【0022】
具体的には、経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤などが挙げられ、非経口剤としては、静注、筋注などの注射剤、直腸投与剤、油脂性座剤、水性座剤などが挙げられる。
これらの各種製剤は、通常用いられている賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤などを用いて常法により製造することができる。
【0023】
賦形剤としては例えば乳糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ソルビット、結晶セルロースなどが、崩壊剤としては例えばデンプン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン末、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、デキストリンなどが、結合剤としては例えばジメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが、滑沢剤としては例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、硬化植物油などがそれぞれ挙げられる。また、上記注射剤は、必要により緩衝剤、pH調整剤、安定化剤などを添加して製造することができる。
【0024】
医薬組成物中の本発明による化合物の含有量は、その剤型に応じて異なるが、通常全組成物中0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%程度である。投与量は患者の年齢、体重、性別、疾患の相違、症状の程度などを考慮して、個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常成人1日当り0.1〜100mg、好ましくは0.1〜30mgであり、これを1日1回または数回に分けて投与する。
【0025】
【実施例】
本発明を以下の実施例、試験例などにより更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
実施例1 2a− ( 4− ブロモブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
WO98/00400記載の2a−(4−ブロモブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(1.5g, 5.0mmol)を塩化メチレン(30ml)に溶解し、さらに塩化スルフリル(420ml, 5.3mmol)を加え、0℃で1.5時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムによって反応生成物を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製することによって上記目的物を1.5g(4.4mmol, 収率87%)得た。
【0027】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.19 − 1.54 (3H, m), 1.69 − 1.90 (4H, m), 1.90 − 2.00 (1H, m), 2.08 − 2.20 (2H, m), 2.70 − 2.84 (2H, m), 3.32 (2H, t, J=7.1Hz), 6.64 (1H, d, J=8.0Hz), 7.61 (1H, d), 7.31 (1H, br s) ; MW 342.66(C15H17NOBrCl) ; マススペクトル EI m / z 341,343,345 (M)+
【0028】
実施例2 2a− ( 4− ( 4−(4− フルオロフェニル )−1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(340mg, 1.0mmol)、4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(240mg, 1.1mmol)、および炭酸カリウム(350mg, 2.5mmol)を無水N, N−ジメチルホルムアミド(4ml)中、60℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、それを水、および飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、上記目的物を270mg(0.60mmol, 収率60%)得た。
【0029】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.19 (1H, m), 1.23 − 1.53 (4H, m), 1.71 − 2.00 (3H, m), 2.07 − 2.20 (2H, m), 2.30 − 2.42 (2H, m), 2.46 − 2.53 (2H, m), 2.59 − 2.67 (2H, m), 2.71 − 2.81 (2H, m), 3.04 − 3.11 (2H, m), 5.96 (1H, br s), 6.62 (1H, d, J=8.0Hz), 6.95 − 7.00 (2H, m), 7.15 (1H, d), 7.25 − 7.34 (3H, m) ; MW 438.97(C26H28N2OClF) ; マススペクトル EI m / z 438 : 440 (強度比 = 3 : 1) (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 475.44(C26H29N2OCl2F) ; マススペクトル TSP m / z 439 (M−Cl)+
【0030】
実施例3 2a− ( 4− ( 4−(4− クロロフェニル )−1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−(4−クロロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率64%)。
【0031】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.18 (1H, m), 1.30 − 1.53 (4H, m), 1.71 − 2.00 (3H, m), 2.08 − 2.20 (2H, m), 2.30 − 2.42 (2H, m), 2.47 − 2.53 (2H, m), 2.59 − 2.66 (2H, m), 2.73 − 2.85 (2H, m), 3.04 − 3.11 (2H, m), 6.02 (1H, br s), 6.62 (1H, d, J=8.0Hz), 7.15 (1H, d), 7.26 (1H, br s), 7.26 − 7.28 (4H, m) ; MW 455.43(C26H28N2OCl2) ; マススペクトル EI m / z 454, 456, 458 (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 491.89(C26H29N2OCl3) ; マススペクトル TSP m / z 455, 457, 459 (M−Cl)+
【0032】
実施例4 2a− ( 4− ( 4−(4− ブロモフェニル )−1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
(1)4−(4−ブロモフェニル)−4−ピペリジノール(2.0g, 7.8mmol)をトリフルオロ酢酸(20ml)に溶解し、17.5時間加熱還流した。溶媒を減圧留去することによって得られた残渣をクロロホルムに溶解し、1N.水酸化ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって4−(4−ブロモフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジンを1.8g(7.6mmol, 収率97%)得た。
【0033】
1H−NMR(CDCl3)δ 2.42 (2H, br s), 3.10 (2H, t, J=5.8Hz), 3.50 − 3.54 (2H, m), 6.13 (1H, br s), 7.25 (2H, d, J=8.8Hz), 7.44 (2H, m) ; MW 238.13(C11H12NBr) ; マススペクトル EI m / z 237 : 239 (強度比 = 1 : 1) (M)+
(2)4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて、(1)で得た4−(4−ブロモフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジンを用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率70%)。
【0034】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.18 (1H, m), 1.29 − 1.64 (4H, m), 1.72 − 1.99 (3H, m), 2.08 − 2.20 (2H, m), 2.30 − 2.40 (2H, m), 2.46 − 2.52 (2H, m), 2.60 − 2.66 (2H, m), 2.71 − 2.82 (2H, m), 3.04 − 3.10 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.62 (1H, d, J=8.3Hz), 7.15 (1H, d), 7.22 − 7.26 (3H, m) 7.42 (2H, d, J=8.5Hz) ; MW 499.88 (C26H28N2OBrCl) ; マススペクトル EI m / z 498, 500, 502 (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 536.34 (C26H29N2OBrCl2) ; マススペクトル TSP m / z 499, 501, 503 (M−Cl)+
【0035】
実施例5 2a− ( 4− ( 4− フェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率64%)。
【0036】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.19 (1H, m), 1.30 − 1.41 (2H, m), 1.41 − 1.55 (2H, m), 1.72 − 2.00 (3H, m),2.09 − 2.20 (2H, m), 2.32 − 2.43 (2H, m), 2.51 − 2.59 (2H, m), 2.61 − 2.69 (2H, m), 2.72 − 2.82 (2H, m), 3.06 − 3.15 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.63 (1H, d, J=8.0Hz), 7.14 − 7.41 (7H, m) ; MW 420.98(C26H29N2OCl) ; マススペクトル FAB m / z 421 : 423 (強度比: 3 : 1) (M+H)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 457.45(C26H30N2OCl2) ; マススペクトル TSP m / z 421 : 423 (強度比: 3 : 1) (M−Cl)+
【0037】
実施例6 2a− ( 4− ブロモブチル) −6, 8− ジクロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
WO98/00400記載の2a−(4−ブロモブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(3.1g, 10mmol)を塩化メチレン(30ml)に溶解し、さらに塩化スルフリル(3ml)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムによって反応生成物を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製することによって上記目的物を3.2g(9.9mmol, 収率99%)得た。
【0038】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.22 − 1.40 (2H, m), 1.41 − 1.55 (1H, m), 1.68 − 2.00 (5H, m), 2.05 − 2.19 (2H, m), 2.66 − 2.81 (2H, m), 3.33 (2H, t, J=6.8Hz), 7.19 (1H, s), 7.44 (1H, br s) ; MW 377.11(C15H16NOBrCl2) ; マススペクトル EI m / z 375, 377, 379, 381 (M)+
【0039】
実施例7 2a− ( 4− ( 4−(4− フルオロフェニル )−1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6, 8− ジクロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率58%)。
【0040】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.10 − 1.21 (1H, m), 1.29 − 1.61 (4H, m), 1.71 − 2.00 (3H, m), 2.08 − 2.18 (2H, m), 2.32 − 2.43 (2H, m), 2.47 − 2.54 (2H, m), 2.60 − 2.69 (2H, m), 2.70 − 2.78 (2H, m), 3.06 − 3.12 (2H, m), 5.97 (1H, br s), 6.99 (2H, t, J=8.8Hz), 7.18 (1H, s), 7.26 − 7.34 (3H, m) ; MW 473.42(C26H27N2OFCl2) ; マススペクトル EI m / z 472 : 474 : 476(強度比: 9 : 6 : 1) (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 509.88(C26H28N2OFCl3) ; マススペクトル TSP m / z 473 : 475 : 477 (強度比: 9 : 6 : 1) (M−Cl)+
【0041】
実施例8 2a− ( 4− ( 4− フェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6, 8− ジクロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを、4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率77%)。
【0042】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.08 − 1.21 (1H, m), 1.29 − 1.64 (4H, m), 1.72 − 2.00 (3H, m), 2.08 − 2.20 (2H, m), 2.32 − 2.45 (2H, m), 2.52 − 2.60 (2H, m), 2.62 − 2.80 (4H, m), 3.08 − 3.14 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 7.19 − 7.38 (7H, m) ; MW 455.43(C26H28N2OCl2) ; マススペクトル EI m / z 454 : 456 : 458 (強度比: 9 : 6 : 1) (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 491.89(C26H29N2OCl3) ; マススペクトル TSP m / z 455 : 457 : 459 (強度比: 9 : 6 : 1) (M−Cl)+
【0043】
実施例9 2a− ( 4− ブロモブチル) −6− フルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン、及び 2a− ( 4− ブロモブチル) −6, 8− ジフルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
WO98/00400記載の2a−(4−ブロモブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(3.1g, 10mmol)、及び1−フルオロ−2, 6−ジクロロピリジニウムテトラフルオロボラート(7.6g, 30mmol)をクロロホルム(60ml)に溶解し、14時間加熱還流した。反応液にクロロホルムを加え、水、及び飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製することによって2a−(4−ブロモブチル)−6−フルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを530mg(1.7mmol, 収率17%)、2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジフルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを770mg(2.2mmol, 収率22%)得た。
【0044】
2a−(4− ブロモブチル) −6− フルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
1H−NMR(CDCl3)δ 1.18 − 1.52 (3H, m), 1.70 − 1.96 (5H, m), 2.06 − 2.18 (2H, m), 2.64 − 2.75 (1H, m), 2.77 − 2.88 (1H, m), 3.32 (2H, t, J=6.8Hz), 6.61 − 6.71 (1H, m), 6.80 − 6.88 (1H, m), 7.67 (1H, br s) ; MW 326.21(C15H17NOBrF) ; マススペクトル EI m / z 325 : 327 (強度比: 1 : 1) (M)+
【0045】
2a−(4− ブロモブチル) −6, 8− ジフルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
1H−NMR(CDCl3)δ 1.17 − 1.53 (3H, m), 1.70 − 1.96 (5H, m), 2.02 − 2.18 (2H, m), 2.59 − 2.69 (1H, m), 2.76 − 2.86 (1H, m), 3.33 (2H, t, J=6.8Hz), 6.71 (1H, t, J=10.0Hz), 7.46 (1H, br s) ; MW 344.20(C15H16NOBrF2) ; マススペクトル EI m / z 343 : 345 (強度比: 1 : 1) (M)+
【0046】
実施例10 2a− ( 4− ( 4− フェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− フルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6−フルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを、4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率60%)。
【0047】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.18 (1H, m), 1.28 − 1.55 (4H, m), 1.73 − 1.95 (3H, m), 2.07 − 2.17 (2H, m), 2.31 − 2.42 (2H, m), 2.50 − 2.58 (2H, m), 2.60 − 2.74 (3H, m), 2.77 − 2.87 (1H, m), 3.06 − 3.13 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.60 (1H, dd, J=3.4Hz, 8.3Hz), 6.82 (1H, dd, J=10.0Hz), 7.20 − 7.38 (6H, m) ; MW 404.53(C26H29N2OF) ; マススペクトル EI m / z 404 (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 440.99(C26H30N2OClF) ; マススペクトル TSP m / z 405 (M−Cl)+
【0048】
実施例11 2a− ( 4− ( 4− フェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6, 8− ジフルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジフルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを、4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率58%)。
【0049】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.05 − 1.19 (1H, m), 1.28 − 1.40 (2H, m), 1.43 − 1.56 (2H, m), 1.74 − 1.94 (3H, m), 2.07 − 2.17 (2H, m), 2.32 − 2.43 (2H, m), 2.51 − 2.58 (2H, m), 2.58 − 2.69 (3H, m), 2.74 − 2.84 (1H, m), 3.07 − 3.13 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.69 (1H, t, J=9.9Hz), 7.20 − 7.40 (6H, m) ; MW 422.52(C26H28N2OF2) ; マススペクトル EI m / z 422 (M)+得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 458.98(C26H29N2OClF2) ; マススペクトル TSP m / z 423 (M−Cl)+
【0050】
実施例12 2a− ( 4− ブロモブチル) −6− ヒドロキシ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
WO98/00400記載の6−アセトキシ−2a−(4−ブロモブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(160mg, 0.44mmol)をメタノール(5ml)に溶解した後、ナトリウムメトキシド(270ml, 13mmol)を加え、0℃で0.5時間攪拌した。反応液に5N.塩酸(0.25ml)を加え、溶媒を減圧留去することによって得られた残渣をクロロホルムに溶解し、0.1N.塩酸、及び飽和食塩水で洗浄、溶媒を減圧留去して得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製することによって上記目的物を90mg(0.28mmol, 収率63%)得た。
【0051】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.30 − 1.52 (3H, m), 1.70 − 1.98 (5H, m), 2.07 − 2.19 (2H, m), 2.60 − 2.80 (2H, m), 3.31 (2H, t, J=6.8Hz), 4.66 (1H, s), 6.52 − 6.62 (2H, m), 7.23 (1H, br s) ; MW 324.22(C15H18NO2Br) ; マススペクトル FAB m / z 324 : 326 (強度比1 : 1)(M+H)+
【0052】
実施例13 2a− ( 4− ( 4−(4− フルオロフェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− ヒドロキシ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6−ヒドロキシ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率71%)。
【0053】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.19 (1H, m), 1.28 − 1.54 (4H, m), 1.70 − 1.96 (3H, m), 2.05 − 2.18 (2H, m), 2.30 − 2.41 (2H, m), 2.46 − 2.54 (2H, m), 2.57 − 2.78 (4H, m), 3.05 − 3.12 (2H, m), 5.96 (1H, br s), 6.52 (1H, t, J=8.3Hz), 6.57 (1H, d) 6.98 (2H, t, J=8.8Hz), 7.21 − 7.33 (3H, m) ; MW 420.53(C26H29N2O2F) ; マススペクトル EI m / z 420 (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 456.99(C26H30N2O2ClF) ; マススペクトル TSP m / z 421 (M−Cl)+
【0054】
以下に本発明化合物の代表例について、その有用性を示す試験結果を示す。
試験例1 5−HT 7 受容体との結合親和性試験
ヒトセロトニン5−HT7受容体サブタイプを発現する培養細胞をアッセイ緩衝液(10mM MgCl2、及び 0.5mM EDTAを含む50mM Tris−HCl pH7.4)中で収穫し、ポッター型ホモジナイザーでホモジナイズした後に、膜画分を4℃で39000gで20分間遠心分離した。得られたペレットに、直径10cmの培養シャーレ1枚分の細胞当たり1mlのアッセイ緩衝液を加えて再懸濁させ、再度ホモジナイズした。
結合実験は、最終濃度1nM[3H]−5CT(カルボキサミドトリプタミン)及び1〜1000nMの被験物質(実施例のうち、本発明の一般式(I)で表される化合物)で行い、膜画分懸濁液100μlを加えて最終アッセイ容量を300μlにし、37℃で30分間インキュベーションした。GF/Bフィルター上で迅速濾過させることによりインキュベーションを停止させ、6mlの冷却50mM Tris−HCl(pH7.4)で洗浄した。放射活性は液体シンチレーションカウンターで計測した。非特異的結合は10μMメテルゴリンにより決定し、これとの差から特異的結合を算出した。各化合物の阻害曲線よりIC50を求め、これから結合阻害定数Kiを計算した。
【0055】
試験例2 5−HT 2 受容体との結合親和性試験
ラット脳大脳皮質を10倍量の0.32Mシュクロース液中でホモジナイズし、900xgで10分間の遠心分離により得た上清を、さらに11,500xgで20分間遠心分離した。得られた沈査に50mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液を加えて再懸濁後、39,900xgで20分間遠心分離し、得られた沈査をP2画分とした。
P2画分を、1nMの[3H]ケタンセリン及び本発明の化合物を含む50mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液中37℃で15分間インキュベーションし、反応後、ワットマンGF/Bグラスフィルターで濾過した。フィルターの放射活性を液体シンチレーションカウンターで計測した。非特異的結合は10μMケタンセリンにより決定し、これとの差から特異的結合を算出した。各化合物の阻害曲線よりIC50を求め、これから結合阻害定数Kiを計算した。
5−HT2のKiと、試験例1より得られた5−HT7のKiとその比を表1に示した。表1からわかるように、本願発明の化合物は5−HT7受容体に対して強く、かつ選択的に結合することが明らかになった。
【0056】
【表1】
表中の公知化合物1はWO98/00400に記載されており、テトラヒドロベンズインドール誘導体の芳香環部分に置換基が導入されていない次の化合物を表す。
公知化合物1: 2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン
【0057】
試験例3 代謝速度試験
ヒト肝9,000×g上清(S9)画分はHuman Biologics International [HBI] (AZ, USA)より購入したPooled HepatoSNineTM(Pooled human liver S9 fraction; HBI ver. 1.0)を用いた。
37℃で5分間インキュベートした、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型発生系(10mMグルコース6リン酸(G−6−P)、1mMβニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(β−NADP+)、0.7U/ml G−6−Pデヒドロゲナーゼ6mM塩化マグネシウム6水和物、6mM塩化マグネシウム6水和物)を含む反応液(100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、1mMエチレンジアミン4酢酸(EDTA)・2ナトリウム、4mg/mL肝臓S9画分)に、被験物質を最終濃度で25mM添加し、反応を開始させた。37℃にて所定の時間(0、10、30または60分)反応させた後、N,N−ジメチルホルムアミドを添加し、反応を停止させた。反応液を遠心分離処理して徐蛋白を行い、得られた上清の被験物質残存量を高速液体クロマトグラフィーによって測定した。
また、上記条件下、N,N−ジメチルホルムアミドを加えた後に被験物質を添加した反応液の測定を行い、最初の被験物質量とした。
これらの測定値から、代謝反応の初速度(最大速度)を代謝速度として算出した。
【0058】
本発明の化合物、及び公知化合物1の代謝速度は表2に示される通りであった。本発明の化合物は、公知化合物1と比較して著しく代謝に対する安定性が高いことが明らかとなった。
【表2】
【0059】
【発明の効果】
本発明の化合物は、クローナル細胞系に発現したヒト・セロトニン5−HT7受容体サブタイプに結合する[3H]−5CTを強く、かつ選択的に阻害し、また上記試験例から明らかなように、公知化合物と比較して代謝に対して著しく安定である。したがって本発明の一般式(I)で表される化合物および薬理学的に許容されるその塩は、中枢、及び末梢のセロトニン制御機能の異常によって起こりうると考えられる様々な疾患、例えば精神疾患(躁鬱、不安、精神分裂、てんかん、睡眠障害、生体リズム障害、偏頭痛など)、循環系疾患(高血圧など)、消化管機能異常などの予防もしくは治療のための医薬として特に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は生体内のセロトニン受容体に対して選択的結合能を有し、かつ代謝に対する安定性の高いテトラヒドロベンズインドール誘導体、およびそれを含んでなる医薬品組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
現代社会において、我々を取り巻く環境は激しく変化しており、適応していくことがますます困難となっている。そして社会環境へ対応しきれない部分はストレスとなって我々の身体に蓄積され、それがやがて身体機能のみならず、精神機能にまで異常を来すことがある。精神的な機能の異常に対する治療において、心理学的療法とともに薬物療法の重要性はますます高まっており、有用な薬物の開発が進められてきた。
【0003】
中枢神経系におけるセロトニン(5−HT)の作用が示唆されて以来、セロトニン受容体の分類、分布が徐々に明らかとなってきた。そして近年の分子生物学的手法を用いたセロトニン受容体の詳細な解析により、5−HT1及びそのサブタイプ、5−HT2及びそのサブタイプ、5−HT3、5−HT4、5−HT6、5−HT7などの特定がなされ、14種類のセロトニン受容体が提唱されている[R. D. Wardら Neuroscience, 64, 1105−1111, 1995]。
これらセロトニン受容体のうち、5−HT7がヒトにおいて概日リズムの制御に重要な機能を担っていると推定される[T. W. Lovenbergら Neuron, 11, 449−458, 1993]。また、ヒトおよび動物の脳内ばかりでなく、平滑筋組織、すなわち脾臓、胃、回腸、小腸、心臓冠状血管などに広く存在し[A. J. Sleight, DN&P, 214−223, 1997]、様々な生理機能を果たしているものとされている。したがって、5−HT7受容体に作用する物質の創製は、これらの器官における生理機能の研究およびそれら器官における機能の異常によって引き起こされる疾病の治療、予防に極めて有益なものである。
【0004】
本発明者らは既に、生体内の5−HT7受容体に対して強い結合能を有する物質を見出している。すなわち本発明者らに関わる発明(WO98/00400、WO99/33804、WO99/54303)によれば、生体内の5−HT7受容体に対して強く結合する新規なテトラヒドロベンズインドール誘導体、およびそれらの化合物を含むことを特徴とする医薬品組成物が提供される。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】
以上のように、生体内の5−HT7受容体に対して強く結合する新規なテトラヒドロベンズインドール誘導体が提供されたが、その代謝に対する安定性について必ずしも満足のいくものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決する為に各種化合物について検討し、その結果、テトラヒドロベンズインドール誘導体の芳香環部分にハロゲン原子、水酸基を導入することにより著しく代謝に対する安定性が高まることを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち本発明によれば、生体内のセロトニン受容体に対して選択的結合能を有し、かつ代謝に対する安定性の高いテトラヒドロベンズインドール誘導体、ならびにそれらの化合物を含むことを特徴とする医薬品組成物が提供される。
【0007】
すなわち、本発明は以下の構成からなるものである。
1. 一般式(I)
【化2】
[式(I)中、R1、R3は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表し、R2は水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表す。ただし、R1、R3がともに水素原子であるとき、R2はフッ素原子、塩素原子を表す。]
で示される化合物または医薬的に許容されるその塩。
2. R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、R2が塩素原子、R3が水素原子である上記1記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
3. 上記1、2いずれか1記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を含むことを特徴とする医薬品組成物。
4. 上記1、2いずれか1記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を含むことを特徴とする精神疾患の治療もしくは予防のための医薬品組成物。
5. 上記1、2いずれか1記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を含むことを特徴とする5−HT7作用薬。
【0008】
【発明の実施の形態】
本明細書の化学物質、及びそれらの製造に関わる記述において特に言及しない場合は、例えばハロゲン原子とはフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素の各原子を意味し、また触媒として用いられる塩基とは水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミンなどを意味する。
【0009】
一般式(I)において、R1、R3は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表し、R2は水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表す。ただし、R1、R3がともに水素原子であるとき、R2はフッ素原子、塩素原子を表す。好ましくはR1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、R2が塩素原子、R3が水素原子を表す場合である。
一般式(I)に示す化合物についてさらに具体的に以下に示す。
2a−(4−(4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−(4−クロロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−(4−ブロモフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−フルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6, 8−ジフルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−(4−(4−フルオロフェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−6−ヒドロキシ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン。
【0010】
本発明による式(I)の化合物は式(II)の化合物を出発原料として製造することができる。なお、本発明に用いられる式(II)の化合物はWO98/00400記載の方法によって製造することができる。
【化3】
【0011】
まず、式(II)の化合物は従来公知の芳香族求核置換反応を行うことによって式(III)[式中、R2、R3は前記と同義である。]で示される化合物に変えられる。
【0012】
ハロゲン化の好ましい例としては適切な触媒の存在下、また非存在下で二硫化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、酢酸等の溶媒中、0℃〜加熱還流下で行われる。ハロゲン化剤としてフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の他に、1−フルオロピリジニウムトリフラート、1−フルオロ−2,6−ジクロロピリジニウムテトラフルオロボラートなどの非置換の、または置換されたN−フルオロピリジニウム塩類、N−フルオロ−N−プロピル−p−トルエンスルホンアミドなどのN−フルオロ−N−アルキルスルホンアミド類、N−フルオロベンゼンスルホンイミドなどのN−フルオロスルホンイミド類、次亜塩素酸ナトリウムN−ブロモスクシイミド、塩化スルフリルなどが用いられる。
【0013】
水酸基の導入は芳香族求核置換反応であるフリーデル・クラフツ反応によって導入されたアシル基を化学反応によって変換することにより行われる。フリーデル・クラフツ反応は、触媒の存在下、二硫化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ニトロベンゼンなどの溶媒中、0℃〜加熱還流下で行われる。アシル化剤としては塩化アセチル、塩化プロピルなどのアシルハライドの他に無水酢酸などの酸無水物や酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸が使用される。好ましい触媒として塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素、塩化スズ、塩化亜鉛などのルイス酸の他にフッ化水素、硫酸、ポリリン酸などのプロトン酸が使用される。
フリーデル・クラフツ反応によって導入されたアシル基は、m−クロロ過安息香酸、過トリフルオロ酢酸などの過酸化物と、必要ならばトリフルオロ酢酸などの酸触媒の存在下に反応させて芳香環とカルボニル基の間に酸素原子を挿入してアシルオキシ基に変換され、さらに、加水分解されることによって水酸基に変換される。
【0014】
式(III)の化合物は、下記のように、式(IV)[式中、R1は前記と同義である。]で示される二級アミン類と塩基の存在下、反応を行い、本発明の式(I)の化合物に変えられる。
【化4】
【0015】
この反応は無溶媒下、もしくは不活性溶媒で希釈された上で行われ、酸吸収剤の存在もしくは非存在下、常温〜加熱の範囲で進行する。用いる不活性溶媒の例としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどがあり、酸吸収剤の例としてはアルカリ金属の塩類、炭酸塩類(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、重炭酸塩類(重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなど)、トリアルキルアミン類、ピリジン塩基類などが使用されるほか、原料物質として用いられる二級アミン自身を過剰に用い酸吸収剤とすることもできる。
【0016】
式(III)に示す化合物についてさらに具体的に以下に示す;
2a−(4−ブロモブチル)−6−ヒドロキシ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6−ブロモ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6−フルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジブロモ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジフルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン、
など。
【0017】
式(IV)に示す化合物についてさらに具体的に以下に示す;
4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ−ピリジン、
4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ−ピリジン、
4−(4−クロロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ−ピリジン、
4−(4−ブロモフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ−ピリジン。
【0018】
本発明の化合物の合成において、反応混合物からの目的物の精製は、合成化学においてよく用いられている方法、すなわち反応物を水と、水に任意に混和しない有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタンなどに分配抽出し、濃縮、結晶化などでおこなわれる。また、必要に応じて例えばアルミナ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによる分画精製も実施される。
【0019】
本発明で提供される一般式(I)の化合物はアミン類であり、塩基として存在する。従って多くの無機酸、及び有機酸と塩を形成し、この性質は純物質製造並びに医薬品としての提供形態に利用される。すなわち製造時にあっては酸性とすることで例えば水などの極性溶媒に可溶化、抽出精製がされ、好ましい物理化学的性状を示す塩の形態として単離され、医薬の用途においては、薬学的に許容される塩の形態をとることができる。
とりうる塩の形態としては、塩酸、硝酸、臭化水素酸、硫酸などの無機酸との酸付加塩、もしくは脂肪族のモノカルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシアルカン酸、ヒドロキシアルカン二酸、アミノ酸などと、また芳香族の酸、脂肪族、芳香族のスルホン酸などの無毒な有機酸から誘導される塩がある。このような酸付加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸鉛、硫酸水素塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グリコール酸塩などがあげられる。
【0020】
上記にあげた酸付加塩は、一方で薬理学的に許容される医薬品組成物としての意義があり、医薬品組成物として、製剤上の利点、また、人体に投与される場合、分散性、吸収性などの面に有用性を示すものと思われる。
【0021】
本発明の化合物を有効成分とする医薬組成物は、経口および非経口(例えば、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投与することができる。従って、本発明による化合物を有効成分とする医薬組成物は、投与経路に応じた適当な剤型とされる。
【0022】
具体的には、経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤などが挙げられ、非経口剤としては、静注、筋注などの注射剤、直腸投与剤、油脂性座剤、水性座剤などが挙げられる。
これらの各種製剤は、通常用いられている賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤などを用いて常法により製造することができる。
【0023】
賦形剤としては例えば乳糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ソルビット、結晶セルロースなどが、崩壊剤としては例えばデンプン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン末、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、デキストリンなどが、結合剤としては例えばジメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが、滑沢剤としては例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、硬化植物油などがそれぞれ挙げられる。また、上記注射剤は、必要により緩衝剤、pH調整剤、安定化剤などを添加して製造することができる。
【0024】
医薬組成物中の本発明による化合物の含有量は、その剤型に応じて異なるが、通常全組成物中0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%程度である。投与量は患者の年齢、体重、性別、疾患の相違、症状の程度などを考慮して、個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常成人1日当り0.1〜100mg、好ましくは0.1〜30mgであり、これを1日1回または数回に分けて投与する。
【0025】
【実施例】
本発明を以下の実施例、試験例などにより更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
実施例1 2a− ( 4− ブロモブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
WO98/00400記載の2a−(4−ブロモブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(1.5g, 5.0mmol)を塩化メチレン(30ml)に溶解し、さらに塩化スルフリル(420ml, 5.3mmol)を加え、0℃で1.5時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムによって反応生成物を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製することによって上記目的物を1.5g(4.4mmol, 収率87%)得た。
【0027】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.19 − 1.54 (3H, m), 1.69 − 1.90 (4H, m), 1.90 − 2.00 (1H, m), 2.08 − 2.20 (2H, m), 2.70 − 2.84 (2H, m), 3.32 (2H, t, J=7.1Hz), 6.64 (1H, d, J=8.0Hz), 7.61 (1H, d), 7.31 (1H, br s) ; MW 342.66(C15H17NOBrCl) ; マススペクトル EI m / z 341,343,345 (M)+
【0028】
実施例2 2a− ( 4− ( 4−(4− フルオロフェニル )−1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(340mg, 1.0mmol)、4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(240mg, 1.1mmol)、および炭酸カリウム(350mg, 2.5mmol)を無水N, N−ジメチルホルムアミド(4ml)中、60℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、それを水、および飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、上記目的物を270mg(0.60mmol, 収率60%)得た。
【0029】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.19 (1H, m), 1.23 − 1.53 (4H, m), 1.71 − 2.00 (3H, m), 2.07 − 2.20 (2H, m), 2.30 − 2.42 (2H, m), 2.46 − 2.53 (2H, m), 2.59 − 2.67 (2H, m), 2.71 − 2.81 (2H, m), 3.04 − 3.11 (2H, m), 5.96 (1H, br s), 6.62 (1H, d, J=8.0Hz), 6.95 − 7.00 (2H, m), 7.15 (1H, d), 7.25 − 7.34 (3H, m) ; MW 438.97(C26H28N2OClF) ; マススペクトル EI m / z 438 : 440 (強度比 = 3 : 1) (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 475.44(C26H29N2OCl2F) ; マススペクトル TSP m / z 439 (M−Cl)+
【0030】
実施例3 2a− ( 4− ( 4−(4− クロロフェニル )−1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−(4−クロロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率64%)。
【0031】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.18 (1H, m), 1.30 − 1.53 (4H, m), 1.71 − 2.00 (3H, m), 2.08 − 2.20 (2H, m), 2.30 − 2.42 (2H, m), 2.47 − 2.53 (2H, m), 2.59 − 2.66 (2H, m), 2.73 − 2.85 (2H, m), 3.04 − 3.11 (2H, m), 6.02 (1H, br s), 6.62 (1H, d, J=8.0Hz), 7.15 (1H, d), 7.26 (1H, br s), 7.26 − 7.28 (4H, m) ; MW 455.43(C26H28N2OCl2) ; マススペクトル EI m / z 454, 456, 458 (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 491.89(C26H29N2OCl3) ; マススペクトル TSP m / z 455, 457, 459 (M−Cl)+
【0032】
実施例4 2a− ( 4− ( 4−(4− ブロモフェニル )−1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
(1)4−(4−ブロモフェニル)−4−ピペリジノール(2.0g, 7.8mmol)をトリフルオロ酢酸(20ml)に溶解し、17.5時間加熱還流した。溶媒を減圧留去することによって得られた残渣をクロロホルムに溶解し、1N.水酸化ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって4−(4−ブロモフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジンを1.8g(7.6mmol, 収率97%)得た。
【0033】
1H−NMR(CDCl3)δ 2.42 (2H, br s), 3.10 (2H, t, J=5.8Hz), 3.50 − 3.54 (2H, m), 6.13 (1H, br s), 7.25 (2H, d, J=8.8Hz), 7.44 (2H, m) ; MW 238.13(C11H12NBr) ; マススペクトル EI m / z 237 : 239 (強度比 = 1 : 1) (M)+
(2)4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて、(1)で得た4−(4−ブロモフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジンを用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率70%)。
【0034】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.18 (1H, m), 1.29 − 1.64 (4H, m), 1.72 − 1.99 (3H, m), 2.08 − 2.20 (2H, m), 2.30 − 2.40 (2H, m), 2.46 − 2.52 (2H, m), 2.60 − 2.66 (2H, m), 2.71 − 2.82 (2H, m), 3.04 − 3.10 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.62 (1H, d, J=8.3Hz), 7.15 (1H, d), 7.22 − 7.26 (3H, m) 7.42 (2H, d, J=8.5Hz) ; MW 499.88 (C26H28N2OBrCl) ; マススペクトル EI m / z 498, 500, 502 (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 536.34 (C26H29N2OBrCl2) ; マススペクトル TSP m / z 499, 501, 503 (M−Cl)+
【0035】
実施例5 2a− ( 4− ( 4− フェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− クロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率64%)。
【0036】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.19 (1H, m), 1.30 − 1.41 (2H, m), 1.41 − 1.55 (2H, m), 1.72 − 2.00 (3H, m),2.09 − 2.20 (2H, m), 2.32 − 2.43 (2H, m), 2.51 − 2.59 (2H, m), 2.61 − 2.69 (2H, m), 2.72 − 2.82 (2H, m), 3.06 − 3.15 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.63 (1H, d, J=8.0Hz), 7.14 − 7.41 (7H, m) ; MW 420.98(C26H29N2OCl) ; マススペクトル FAB m / z 421 : 423 (強度比: 3 : 1) (M+H)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 457.45(C26H30N2OCl2) ; マススペクトル TSP m / z 421 : 423 (強度比: 3 : 1) (M−Cl)+
【0037】
実施例6 2a− ( 4− ブロモブチル) −6, 8− ジクロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
WO98/00400記載の2a−(4−ブロモブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(3.1g, 10mmol)を塩化メチレン(30ml)に溶解し、さらに塩化スルフリル(3ml)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムによって反応生成物を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製することによって上記目的物を3.2g(9.9mmol, 収率99%)得た。
【0038】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.22 − 1.40 (2H, m), 1.41 − 1.55 (1H, m), 1.68 − 2.00 (5H, m), 2.05 − 2.19 (2H, m), 2.66 − 2.81 (2H, m), 3.33 (2H, t, J=6.8Hz), 7.19 (1H, s), 7.44 (1H, br s) ; MW 377.11(C15H16NOBrCl2) ; マススペクトル EI m / z 375, 377, 379, 381 (M)+
【0039】
実施例7 2a− ( 4− ( 4−(4− フルオロフェニル )−1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6, 8− ジクロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率58%)。
【0040】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.10 − 1.21 (1H, m), 1.29 − 1.61 (4H, m), 1.71 − 2.00 (3H, m), 2.08 − 2.18 (2H, m), 2.32 − 2.43 (2H, m), 2.47 − 2.54 (2H, m), 2.60 − 2.69 (2H, m), 2.70 − 2.78 (2H, m), 3.06 − 3.12 (2H, m), 5.97 (1H, br s), 6.99 (2H, t, J=8.8Hz), 7.18 (1H, s), 7.26 − 7.34 (3H, m) ; MW 473.42(C26H27N2OFCl2) ; マススペクトル EI m / z 472 : 474 : 476(強度比: 9 : 6 : 1) (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 509.88(C26H28N2OFCl3) ; マススペクトル TSP m / z 473 : 475 : 477 (強度比: 9 : 6 : 1) (M−Cl)+
【0041】
実施例8 2a− ( 4− ( 4− フェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6, 8− ジクロロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジクロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを、4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率77%)。
【0042】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.08 − 1.21 (1H, m), 1.29 − 1.64 (4H, m), 1.72 − 2.00 (3H, m), 2.08 − 2.20 (2H, m), 2.32 − 2.45 (2H, m), 2.52 − 2.60 (2H, m), 2.62 − 2.80 (4H, m), 3.08 − 3.14 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 7.19 − 7.38 (7H, m) ; MW 455.43(C26H28N2OCl2) ; マススペクトル EI m / z 454 : 456 : 458 (強度比: 9 : 6 : 1) (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 491.89(C26H29N2OCl3) ; マススペクトル TSP m / z 455 : 457 : 459 (強度比: 9 : 6 : 1) (M−Cl)+
【0043】
実施例9 2a− ( 4− ブロモブチル) −6− フルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン、及び 2a− ( 4− ブロモブチル) −6, 8− ジフルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
WO98/00400記載の2a−(4−ブロモブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(3.1g, 10mmol)、及び1−フルオロ−2, 6−ジクロロピリジニウムテトラフルオロボラート(7.6g, 30mmol)をクロロホルム(60ml)に溶解し、14時間加熱還流した。反応液にクロロホルムを加え、水、及び飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製することによって2a−(4−ブロモブチル)−6−フルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを530mg(1.7mmol, 収率17%)、2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジフルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを770mg(2.2mmol, 収率22%)得た。
【0044】
2a−(4− ブロモブチル) −6− フルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
1H−NMR(CDCl3)δ 1.18 − 1.52 (3H, m), 1.70 − 1.96 (5H, m), 2.06 − 2.18 (2H, m), 2.64 − 2.75 (1H, m), 2.77 − 2.88 (1H, m), 3.32 (2H, t, J=6.8Hz), 6.61 − 6.71 (1H, m), 6.80 − 6.88 (1H, m), 7.67 (1H, br s) ; MW 326.21(C15H17NOBrF) ; マススペクトル EI m / z 325 : 327 (強度比: 1 : 1) (M)+
【0045】
2a−(4− ブロモブチル) −6, 8− ジフルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
1H−NMR(CDCl3)δ 1.17 − 1.53 (3H, m), 1.70 − 1.96 (5H, m), 2.02 − 2.18 (2H, m), 2.59 − 2.69 (1H, m), 2.76 − 2.86 (1H, m), 3.33 (2H, t, J=6.8Hz), 6.71 (1H, t, J=10.0Hz), 7.46 (1H, br s) ; MW 344.20(C15H16NOBrF2) ; マススペクトル EI m / z 343 : 345 (強度比: 1 : 1) (M)+
【0046】
実施例10 2a− ( 4− ( 4− フェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− フルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6−フルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを、4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率60%)。
【0047】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.18 (1H, m), 1.28 − 1.55 (4H, m), 1.73 − 1.95 (3H, m), 2.07 − 2.17 (2H, m), 2.31 − 2.42 (2H, m), 2.50 − 2.58 (2H, m), 2.60 − 2.74 (3H, m), 2.77 − 2.87 (1H, m), 3.06 − 3.13 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.60 (1H, dd, J=3.4Hz, 8.3Hz), 6.82 (1H, dd, J=10.0Hz), 7.20 − 7.38 (6H, m) ; MW 404.53(C26H29N2OF) ; マススペクトル EI m / z 404 (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 440.99(C26H30N2OClF) ; マススペクトル TSP m / z 405 (M−Cl)+
【0048】
実施例11 2a− ( 4− ( 4− フェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6, 8− ジフルオロ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6, 8−ジフルオロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを、4−(4−フルオロフェニル)−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率58%)。
【0049】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.05 − 1.19 (1H, m), 1.28 − 1.40 (2H, m), 1.43 − 1.56 (2H, m), 1.74 − 1.94 (3H, m), 2.07 − 2.17 (2H, m), 2.32 − 2.43 (2H, m), 2.51 − 2.58 (2H, m), 2.58 − 2.69 (3H, m), 2.74 − 2.84 (1H, m), 3.07 − 3.13 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.69 (1H, t, J=9.9Hz), 7.20 − 7.40 (6H, m) ; MW 422.52(C26H28N2OF2) ; マススペクトル EI m / z 422 (M)+得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 458.98(C26H29N2OClF2) ; マススペクトル TSP m / z 423 (M−Cl)+
【0050】
実施例12 2a− ( 4− ブロモブチル) −6− ヒドロキシ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
WO98/00400記載の6−アセトキシ−2a−(4−ブロモブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン(160mg, 0.44mmol)をメタノール(5ml)に溶解した後、ナトリウムメトキシド(270ml, 13mmol)を加え、0℃で0.5時間攪拌した。反応液に5N.塩酸(0.25ml)を加え、溶媒を減圧留去することによって得られた残渣をクロロホルムに溶解し、0.1N.塩酸、及び飽和食塩水で洗浄、溶媒を減圧留去して得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製することによって上記目的物を90mg(0.28mmol, 収率63%)得た。
【0051】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.30 − 1.52 (3H, m), 1.70 − 1.98 (5H, m), 2.07 − 2.19 (2H, m), 2.60 − 2.80 (2H, m), 3.31 (2H, t, J=6.8Hz), 4.66 (1H, s), 6.52 − 6.62 (2H, m), 7.23 (1H, br s) ; MW 324.22(C15H18NO2Br) ; マススペクトル FAB m / z 324 : 326 (強度比1 : 1)(M+H)+
【0052】
実施例13 2a− ( 4− ( 4−(4− フルオロフェニル −1, 2, 3, 6− テトラヒドロピリジン −1− イル)ブチル) −6− ヒドロキシ −2a, 3, 4, 5 − テトラヒドロベンズ[ cd ]インドール −2 ( 1H )オン
2a−(4−ブロモブチル)−6−クロロ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンに代えて2a−(4−ブロモブチル)−6−ヒドロキシ−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オンを用いた他は実施例2と同様の方法で合成した(収率71%)。
【0053】
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06 − 1.19 (1H, m), 1.28 − 1.54 (4H, m), 1.70 − 1.96 (3H, m), 2.05 − 2.18 (2H, m), 2.30 − 2.41 (2H, m), 2.46 − 2.54 (2H, m), 2.57 − 2.78 (4H, m), 3.05 − 3.12 (2H, m), 5.96 (1H, br s), 6.52 (1H, t, J=8.3Hz), 6.57 (1H, d) 6.98 (2H, t, J=8.8Hz), 7.21 − 7.33 (3H, m) ; MW 420.53(C26H29N2O2F) ; マススペクトル EI m / z 420 (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、溶媒を減圧留去することによって塩酸塩を得た。
MW 456.99(C26H30N2O2ClF) ; マススペクトル TSP m / z 421 (M−Cl)+
【0054】
以下に本発明化合物の代表例について、その有用性を示す試験結果を示す。
試験例1 5−HT 7 受容体との結合親和性試験
ヒトセロトニン5−HT7受容体サブタイプを発現する培養細胞をアッセイ緩衝液(10mM MgCl2、及び 0.5mM EDTAを含む50mM Tris−HCl pH7.4)中で収穫し、ポッター型ホモジナイザーでホモジナイズした後に、膜画分を4℃で39000gで20分間遠心分離した。得られたペレットに、直径10cmの培養シャーレ1枚分の細胞当たり1mlのアッセイ緩衝液を加えて再懸濁させ、再度ホモジナイズした。
結合実験は、最終濃度1nM[3H]−5CT(カルボキサミドトリプタミン)及び1〜1000nMの被験物質(実施例のうち、本発明の一般式(I)で表される化合物)で行い、膜画分懸濁液100μlを加えて最終アッセイ容量を300μlにし、37℃で30分間インキュベーションした。GF/Bフィルター上で迅速濾過させることによりインキュベーションを停止させ、6mlの冷却50mM Tris−HCl(pH7.4)で洗浄した。放射活性は液体シンチレーションカウンターで計測した。非特異的結合は10μMメテルゴリンにより決定し、これとの差から特異的結合を算出した。各化合物の阻害曲線よりIC50を求め、これから結合阻害定数Kiを計算した。
【0055】
試験例2 5−HT 2 受容体との結合親和性試験
ラット脳大脳皮質を10倍量の0.32Mシュクロース液中でホモジナイズし、900xgで10分間の遠心分離により得た上清を、さらに11,500xgで20分間遠心分離した。得られた沈査に50mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液を加えて再懸濁後、39,900xgで20分間遠心分離し、得られた沈査をP2画分とした。
P2画分を、1nMの[3H]ケタンセリン及び本発明の化合物を含む50mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液中37℃で15分間インキュベーションし、反応後、ワットマンGF/Bグラスフィルターで濾過した。フィルターの放射活性を液体シンチレーションカウンターで計測した。非特異的結合は10μMケタンセリンにより決定し、これとの差から特異的結合を算出した。各化合物の阻害曲線よりIC50を求め、これから結合阻害定数Kiを計算した。
5−HT2のKiと、試験例1より得られた5−HT7のKiとその比を表1に示した。表1からわかるように、本願発明の化合物は5−HT7受容体に対して強く、かつ選択的に結合することが明らかになった。
【0056】
【表1】
表中の公知化合物1はWO98/00400に記載されており、テトラヒドロベンズインドール誘導体の芳香環部分に置換基が導入されていない次の化合物を表す。
公知化合物1: 2a−(4−(4−フェニル−1, 2, 3, 6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ブチル)−2a, 3, 4, 5 −テトラヒドロベンズ[cd]インドール−2(1H)オン
【0057】
試験例3 代謝速度試験
ヒト肝9,000×g上清(S9)画分はHuman Biologics International [HBI] (AZ, USA)より購入したPooled HepatoSNineTM(Pooled human liver S9 fraction; HBI ver. 1.0)を用いた。
37℃で5分間インキュベートした、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型発生系(10mMグルコース6リン酸(G−6−P)、1mMβニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(β−NADP+)、0.7U/ml G−6−Pデヒドロゲナーゼ6mM塩化マグネシウム6水和物、6mM塩化マグネシウム6水和物)を含む反応液(100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、1mMエチレンジアミン4酢酸(EDTA)・2ナトリウム、4mg/mL肝臓S9画分)に、被験物質を最終濃度で25mM添加し、反応を開始させた。37℃にて所定の時間(0、10、30または60分)反応させた後、N,N−ジメチルホルムアミドを添加し、反応を停止させた。反応液を遠心分離処理して徐蛋白を行い、得られた上清の被験物質残存量を高速液体クロマトグラフィーによって測定した。
また、上記条件下、N,N−ジメチルホルムアミドを加えた後に被験物質を添加した反応液の測定を行い、最初の被験物質量とした。
これらの測定値から、代謝反応の初速度(最大速度)を代謝速度として算出した。
【0058】
本発明の化合物、及び公知化合物1の代謝速度は表2に示される通りであった。本発明の化合物は、公知化合物1と比較して著しく代謝に対する安定性が高いことが明らかとなった。
【表2】
【0059】
【発明の効果】
本発明の化合物は、クローナル細胞系に発現したヒト・セロトニン5−HT7受容体サブタイプに結合する[3H]−5CTを強く、かつ選択的に阻害し、また上記試験例から明らかなように、公知化合物と比較して代謝に対して著しく安定である。したがって本発明の一般式(I)で表される化合物および薬理学的に許容されるその塩は、中枢、及び末梢のセロトニン制御機能の異常によって起こりうると考えられる様々な疾患、例えば精神疾患(躁鬱、不安、精神分裂、てんかん、睡眠障害、生体リズム障害、偏頭痛など)、循環系疾患(高血圧など)、消化管機能異常などの予防もしくは治療のための医薬として特に有用である。
Claims (5)
- R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、R2が塩素原子、R3が水素原子である請求項1記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
- 請求項1、2いずれか1項記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を含むことを特徴とする医薬品組成物。
- 請求項1、2いずれか1項記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を含むことを特徴とする精神疾患の治療もしくは予防のための医薬品組成物。
- 請求項1、2いずれか1項記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を含むことを特徴とする5−HT7作用薬。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
JP2000262597A JP2004231514A (ja) | 2000-08-31 | 2000-08-31 | 5−ht7受容体結合能を有し、かつ代謝的に安定なテトラヒドロベンズインドール誘導体 |
AU2001282595A AU2001282595A1 (en) | 2000-08-31 | 2001-08-31 | Tetrahydrobenzindole derivatives capable of binding to 5-ht7 receptor and metabolically stable |
PCT/JP2001/007573 WO2002018367A1 (fr) | 2000-08-31 | 2001-08-31 | Derives de tetrahydrobenzindole pouvant se fixer sur le recepteur 5-ht7 et metaboliquement stables |
Applications Claiming Priority (1)
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